JP2022148372A - ヘッダおよび熱交換器 - Google Patents

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Yuriko Okuma
崇志 中島
Takashi Nakajima
武巳 松本
Takemi Matsumoto
康太 伊波
Kota INAMI
惇貴 大西
Junki Onishi
翔太 堀本
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Abstract

【課題】本体部と蓋部が高い接合強度でろう接されたヘッダおよび熱交換器を提供する。【解決手段】ヘッダ1Aは、底部11、第一側壁部および第二側壁部を有する本体部10Aと、第一側壁部の、底部の他方の面の側へ延びた先端よりも底部の側の第一部分と、第二側壁部の、底部の他方の面の側へ延びた先端よりも底部の側の第二部分との間に嵌められ、第一部分と第二部分にろう接される蓋部20と、第一側壁部の、第一部分よりも先端の側から、蓋部20が第一部分と接する第一端部との間に隙間を設けた状態で、蓋部20の側へ延びて蓋部20に接し、蓋部20が第一側壁部と第二側壁部の間に嵌められた状態を保つ第一保持部と、第二側壁部の、第二部分よりも先端の側から、蓋部が第二部分と接する第二端部との間に隙間を設けた状態で、蓋部20の側へ延びて蓋部20に接し、蓋部20が第一側壁部と第二側壁部の間に嵌められた状態を保つ第二保持部と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示はヘッダおよび熱交換器に関する。
ヘッダは、複数の伝熱管が接続され、それら複数の伝熱管に熱交換対象である冷媒を分配し、或いはそれら複数の伝熱管から流れる冷媒を集約する部材である。このようなヘッダには、所望の流路を設けるため、天板側が開放された箱の形状の本体部と、本体部の内部空間に流路部材が配置された後、開放された天板側を塞ぐ蓋部と、を備えるものがある。
例えば、特許文献1には、金属板がコの字状に折り曲げられることにより形成された2つの側壁部および底部を有する本体部と、2つの側壁部の先端の間に配置され、2つの側壁部が形成する開口を塞ぐ蓋部と、を備えるヘッダが開示されている。
特許文献2には、特許文献1と同様の構成の本体部および蓋部のほかに、2つの側壁部の先端それぞれから開口を塞ぐ蓋部に沿って延び、蓋部に密接する爪部を備えるヘッダが開示されている。
特開2015-113983号公報 国際公開第2020/230737号
特許文献1に記載のヘッダでは、蓋部の端面が側壁部の内壁にろう付けされている。しかし、蓋部の天面が側壁部の先端面に揃えられているので、蓋部の天面の側にフィレットを形成する空間がない。これにより、ろう付け時に、蓋部と側壁部の間に十分なフィレットが形成されず、その結果、側壁部を有する本体部と蓋部の接合強度が低下してしまうことがある。
また、特許文献2に記載のヘッダでも、蓋部の端面が側壁部の内壁にろう付けされている。しかし、特許文献1と同様に、蓋部の天面が側壁部の先端面に揃えられており、蓋部の天面の側にフィレットを形成する空間がない。さらに、爪部が蓋部の天面に密接するので、爪部が設けられた箇所でも、蓋部の天面の側にフィレットを形成する空間がない。その結果、特許文献2に記載のヘッダでも、十分なフィレットが形成されず、本体部と蓋部の接合強度が低下してしまうことがある。
本開示は上記の課題を解決するためになされたもので、本体部と蓋部が高い接合強度でろう接されたヘッダおよび熱交換器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本開示に係るヘッダは、本体部、蓋部、第一保持部および第二保持部を備える。本体部は、一方の面の側に伝熱管が接続される板状の底部、底部の両側に設けられ、底部の他方の面の側へ延びる第一側壁部および第二側壁部を有し、第一側壁部と第二側壁部の間に流路が設けられている。蓋部は、第一側壁部の、底部の他方の面の側へ延びた先端よりも底部の側の第一部分と、第二側壁部の、底部の他方の面の側へ延びた先端よりも底部の側の第二部分との間に嵌められ、第一部分と第二部分にろう接されることにより、第一側壁部と第二側壁部が形成する開口を塞ぐ。第一保持部は、第一側壁部の、第一部分よりも先端の側から、蓋部が第一部分と接する第一端部との間に隙間を設けた状態で、蓋部の側へ延びて蓋部に接し、蓋部が第一側壁部と第二側壁部の間に嵌められた状態を保つ。第二保持部は、第二側壁部の、第二部分よりも先端の側から、蓋部が第二部分と接する第二端部との間に隙間を設けた状態で、蓋部の側へ延びて蓋部に接し、蓋部が第一側壁部と第二側壁部の間に嵌められた状態を保つ。
本開示の構成によれば、蓋部は、第一側壁部の、底部の他方の面の側へ延びた先端よりも底部の側の第一部分と、第二側壁部の、底部の他方の面の側へ延びた先端よりも底部の側の第二部分とにろう接されている。このため、ろう接時に、第一側壁部の先端から第一部分までの間と第二側壁部の先端から第二部分までの間にフィレットを形成することができ、その結果、本体部と蓋部を高い接合強度でろう接できる。
さらに、第一保持部は、第一側壁部の、第一部分よりも先端の側から、蓋部が第一部分と接する第一端部との間に隙間を設けた状態で、蓋部の側へ延びて蓋部に接するので、蓋部の第一端部のフィレット形成の障害となりにくい。また、第二保持部は、第二側壁部の、第二部分よりも先端の側から、蓋部が第二部分と接する第二端部との間に隙間を設けた状態で、蓋部へ延びて蓋部に接するので、蓋部の第二端部のフィレット形成の障害となりにくい。その結果、蓋部の第一端部と第二端部にフィレットを形成させて、本体部と蓋部を高い接合強度でろう接できる。
本開示の実施の形態1に係るヘッダを備える熱交換器の斜視図 本開示の実施の形態1に係るヘッダの斜視図 図2に示すIII-III切断線の断面図 図2に示すIV-IV切断線の断面図 図2に示すV-V切断線の断面図 本開示の実施の形態1に係るヘッダの製造方法で使用される、蓋が組み付けられる前の本体部の断面図 本開示の実施の形態1に係るヘッダの製造方法が備える蓋の組み付け工程で、蓋が組み付けられたときの本体部の断面図 本開示の実施の形態1に係るヘッダの製造方法が備える保持爪のかしめ工程で、かしめられる保持爪と蓋が組み付けられた本体部の断面図 本開示の実施の形態1に係るヘッダの製造方法を用いて熱交換器を製造するときの、ヘッダの断面図 本開示の実施の形態1に係るヘッダの変形例の断面図 本開示の実施の形態2に係るヘッダの斜視図 図11に示すXII-XII切断線の断面図 図11に示すXIII-XIII切断線の断面図 図11に示すXIV-XIV切断線の断面図 本開示の実施の形態2に係るヘッダの変形例の斜視図 図15に示すXVI-XVI切断線の断面図 本開示の実施の形態2に係るヘッダの他の変形例の斜視図 図17に示すXVIII-XVIII切断線の断面図 図17に示すXIX-XIX切断線の断面図 本開示の実施の形態3に係るヘッダの斜視図 本開示の実施の形態3に係るヘッダの一部分を拡大した拡大上面図 本開示の実施の形態3に係るヘッダの変形例の斜視図 本開示の実施の形態3に係るヘッダの変形例の一部分を拡大した拡大上面図 本開示の実施の形態1に係るヘッダの他の変形例の断面図
以下、本開示の実施の形態に係るヘッダおよび熱交換器について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。図に示す直交座標系XYZにおいて、熱交換器が備える伝熱管の延在方向を上下方向とし、ヘッダの延在方向を左右方向としたときの、左右方向をX軸、前後方向をY軸、X軸とY軸とに直交する方向がZ軸である。以下、適宜、この座標系を引用して説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1に係るヘッダは、流路を形成するため、金属板がコの字状に折り曲げられた形状の本体部と、コの字の開口部を塞ぐ蓋部と、が組み合わされることにより形成されたヘッダである。このヘッダは、一般に熱交換器に組み込まれて使用される。まず、図1を参照して、このヘッダが組み込まれた熱交換器の構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係るヘッダ1Aを備える熱交換器100の斜視図である。なお、図1では、理解を容易にするため、熱交換器100が備える伝熱管2、フィン3の一部だけを示している。
図1に示すように、熱交換器100は、外部機器から冷媒が供給され、或いは外部機器に冷媒を排出するための2つのヘッダ1Aと、ヘッダ1Aによって分配された冷媒が流通する複数の伝熱管2と、冷媒から伝熱管2に伝わった熱を空気中に放つ複数のフィン3と、を備える。
ヘッダ1Aそれぞれは、細長い四角筒の形状に形成されている。そして、それら四角筒の軸線を左右方向に向けている。ヘッダ1Aそれぞれの左端部には、開放された端部を塞ぐため、筒内壁に嵌合可能な四角い板の形状のエンドキャップ4が差し込まれている。また、ヘッダ1Aそれぞれの右端部には、同様の形状の、図1に示さないエンドキャップ5が差し込まれている。そして、エンドキャップ4には、ヘッダ1Aに冷媒を供給するため、或いは、ヘッダ1Aから冷媒を排出するため、外部機器とつながる冷媒管6が接続されている。
ヘッダ1Aそれぞれは、冷媒管6から供給された冷媒を流すため、或いは、冷媒管6に排出する冷媒を流すため、その内部に図示しない流路が形成されている。そして、ヘッダ1A同士は、図1に示すように、上下方向に互いに離れ、対向している。これらのヘッダ1Aの間に冷媒を流通させるため、ヘッダ1Aそれぞれは、複数の伝熱管2によって接続されている。
伝熱管2それぞれは、伝熱性を高めるため、純アルミニウム、アルミニウム合金等の伝熱性の高い金属で形成されている。また、伝熱管2それぞれは、さらに伝熱性を高めるため、扁平管の形状を有する。そして、伝熱管2それぞれは、管軸を上下方向に向けた状態に配置され、さらに、伝熱管2それぞれの上端部と下端部が、上に配置されたヘッダ1Aと下に配置されたヘッダ1Aの、図示しない挿入口に差し込まれている。これにより、伝熱管2の内部空間は、それらヘッダ1A内部の図示しない流路とつながっている。その結果、伝熱管2には、ヘッダ1Aからの冷媒が流れ、伝熱管2には、その冷媒の熱が伝わる。
また、伝熱管2は、熱交換効率を高めるため、熱交換器100に多数設けられている。そして、伝熱管2は、左右方向に一定のピッチで配列されている。伝熱管2同士の間には、伝熱管2に伝わった熱を空気中に高い効率で放熱するため、フィン3が設けられている。
フィン3は、放熱性を高めるため、伝熱管2と同じく、純アルミニウム、アルミニウム合金等の伝熱性の高い金属で形成されている。また、フィン3は、放熱性を高めるため、板がコルゲート形状に屈曲する形状を有する。そして、フィン3は、波形部が連続する方向を上下方向に向けた状態で、フィン3に挟みこまれている。これにより、フィン3は、波それぞれの頂部を伝熱管2に接触させている。その結果、フィン3に伝熱管2の熱が伝わる。そして、フィン3は、波形部それ自体が形成する空隙の空気と熱交換する。
このように、熱交換器100では、外部機器から供給された冷媒がヘッダ1Aから伝熱管2に流通し、冷媒の熱が伝熱管2を介して、フィン3に伝わることにより、冷媒とフィン3周辺の空気とが熱交換をする。このような形態では、ヘッダ1Aの内部に、伝熱管2の形状、大きさ、数、冷媒の種類、流量に応じた流路が設けられることが望ましい。
そこで、ヘッダ1Aは、そのような流路を形成するため、または、そのような流路を有する流路部材を設けるため、上面または下面が開放された箱の形状に金属板を折り曲げることにより形成された本体部と、その箱の開放された上面または下面を塞ぐ蓋部と、が組み合わされることにより作製されている。
次に、図2-図5を参照して、そのヘッダ1Aの構成について詳細に説明する。なお、図1には、上側に配置されたヘッダ1Aと下側に配置されたヘッダ1Aの2つのヘッダ1Aが熱交換器100に組み込まれているところ、これらヘッダ1Aは、上下対称であることを除いて、その構成は同じである。以下の説明では、熱交換器100内の上側に配置されたヘッダ1Aの構成を説明し、下側に配置されたヘッダ1Aの構成の説明を省略する。
図2は、ヘッダ1Aの斜視図である。図3は、図2に示すIII-III切断線の断面図である。図4は、図2に示すIV-IV切断線の断面図であり、図5は、図2に示すV-V切断線の断面図である。
なお、図2では、理解を容易にするため、図1に示す熱交換器100内で上側に配置されているヘッダ1Aを切断して、その一部部分だけを切り出したときのヘッダ1Aを示している。また、ヘッダ1Aの内部空間14の流路と、その内部空間14に収容される流路部材とを省略している。さらに、図2および図3では、ろう付けで形成されるフィレット30、31を省略している。図3-図5では、流路および流路部材を省略している。
図2に示すように、ヘッダ1Aは、上面側が開放された細長い箱の形状の本体部10Aと、本体部10Aの開放された上面側を塞ぐ蓋部20と、を備える。
本体部10Aは、上述した伝熱管2、蓋部20をろう付けで接合するため、純アルミニウムまたはアルミニウム合金の金属板で形成されている。そして、本体部10Aは、流路を形成するため、または、流路部材を収容する空間を形成するため、上記金属板が断面視でコの字状に折り曲げられて形成されている。
詳細に構成を説明すると、本体部10Aは、短手方向を前後方向に、長手方向を左右方向に向けた矩形状かつ平板状の底部11と、底部11の前端および後端から、底部11に対して垂直に、底部11の前後方向の奥行きと同じ距離の高さだけ立ち上がる矩形かつ平板状の正面壁部12Aおよび背面壁部13Aと、を有する。これにより、本体部10Aは、上面側、右側面側および左側面側が開放された正四角筒の形状、すなわち、正四角筒の樋の形状を有する。その結果、本体部10Aは、流路となる内部空間14を備える。本体部10Aの底部11には、内部空間14に冷媒を流すため、伝熱管2を挿入して接続するための挿入口15が形成されている。
挿入口15は、図2、図3および図5に示すように、本体部10Aの底部11を上下方向に貫通し、扁平状に開口する。その開口の形状は、伝熱管2の管断面形状と同じである。これにより、挿入口15には、伝熱管2の端部が挿入可能である。また、挿入口15は、伝熱管2と同じ数だけ、底部11に形成され、底部11の長手方向、すなわち、左右方向に一定のピッチで配列している。これにより、挿入口15それぞれに下から伝熱管2を挿入することにより、複数の伝熱管2を流れる冷媒を本体部10Aの内部空間14に流通させることが可能である。
一方、正面壁部12Aと背面壁部13Aは、図2、図4および図5に示すように、底部11から同じ高さまで延在し、また、互いに対向するだけである。このため、上述した内部空間14は、上側が開放されている。ヘッダ1Aには、この内部空間14を上から覆って開口を塞ぐため、正面壁部12Aの上端部分と背面壁部13Aの上端部分の間に蓋部20が設けられている。
蓋部20は、図2に示す、本体部10Aの底部11と同じ形状、大きさの矩形状かつ平板状に形成されている。その材料は、本体部10Aにろう付けするため、アルミニウムのクラッド材である。蓋部20は、短手方向、長手方向を底部11のそれらと同じ方向に向け、かつ板面を底部11と平行にした状態で、正面壁部12Aと背面壁部13Aの間に嵌められている。そして、蓋部20の前端と後端は、蓋部20が正面壁部12Aと背面壁部13Aの間に嵌められた状態で、正面壁部12Aと背面壁部13Aの内壁にろう付けされている。
一般にろう付けでは、接合部分にフィレットが形成されていない場合、十分な接合強度が得られない。このため、蓋部20のろう付けでも、接合強度を高めるためにフィレットが形成されることが望ましい。そこで、ヘッダ1Aでは、フィレットを形成して蓋部20の接合強度を高めるため、蓋部20の嵌合位置を正面壁部12Aと背面壁部13Aの上端よりも下側、すなわち、内部空間14の側としている。
詳細には、蓋部20は、正面壁部12Aと背面壁部13Aの上端から距離D1だけ下に離れた位置で、正面壁部12Aと背面壁部13Aの間に嵌められている。ここで、距離D1は、予め実験をして定めた距離であり、例えば、蓋部20の、接合部分である前端と後端の上にフィレット30、31を形成する実験を行い、そのとき形成された理想的なフィレット30、31の上下方向大きさ、すなわちZ方向の高さに公差を加えて得た距離である。より具体的な例を挙げると、距離D1は、例えば、1~2mmである。
蓋部20は、このような位置で正面壁部12Aと背面壁部13Aの間に嵌められ、さらに、蓋部20の前端と後端が、正面壁部12Aと背面壁部13Aの内壁にろう付けされている。これにより、蓋部20の前端と後端の上にフィレット30、31が形成されている。その結果、蓋部20の接合強度が高められている。
図2に戻って、このろう付けされた蓋部20をさらに強固に保持するため、正面壁部12Aと背面壁部13Aの上端それぞれには、複数の保持爪16、17が設けられている。
保持爪16と17は、正面壁部12Aと背面壁部13Aと一体的に形成されている。そして、保持爪16、17それぞれは、矩形状の板がクランク状に折れ曲がる形状に形成され、その先端が蓋部20に接している。この形状は、保持爪16、17がかしめられることにより、形成されている。その製法は後述する。
さらに詳細に形状を説明すると、図4および図5に示すように、保持爪16それぞれは、正面壁部12Aの上端から背面側に、距離D2だけ水平に延在した後、斜め下に折れ曲がって背面に向かうに従い下に向かっている。ここで、距離D2は、上記距離D1と同様に、予め実験をして定めた距離であり、実験で得られた理想的なフィレット30、31の前後方向大きさ、すなわちY方向の幅に公差を加えて得た距離である。例えば、距離D2は、距離D1以上である。保持爪16それぞれは、斜め下に折れ曲がった後、蓋部20まで達し、さらに、背面方向かつ水平方向に折れ曲がって、蓋部20に沿っている。これにより、保持爪16それぞれの先端部分は、蓋部20に接している。すなわち、先端部分は、蓋部20を上から押さえている。その結果、保持爪16それぞれは、蓋部20が上へ外れてしまうことを抑制している。そして、蓋部20が嵌められた状態を保っている。
また、保持爪17それぞれは、背面壁部13Aの上端から正面側へ上述した距離D2だけ水平に延在した後、正面に向かうに従い下に向かう方向へ折れ曲がっている。保持爪17それぞれは、その後、正面方向かつ水平方向に折れ曲がっている。そして、保持爪17それぞれは、正面方向かつ水平方向に折れ曲がった後、蓋部20に接している。すなわち、保持爪17それぞれの先端部分は、蓋部20を上から押さえている。これにより、保持爪17それぞれは、蓋部20が上へ外れてしまうことを抑制し、蓋部20の嵌められた状態を保っている。
さらに、保持爪16、17は、図2に示すように、左右方向に一定の距離毎に設けられている。これにより、保持爪16、17は、左右方向全体にわたって、蓋部20を保持している。
保持爪16、17は、上述したように、正面壁部12Aと背面壁部13Aの上端から一度水平方向に延び、その後、クランク状に折れ曲がっている。その結果、保持爪16、17は、蓋部20の、ろう付けされる前端、後端との間に隙間25を有する。この隙間25の上下方向の高さは、上述した距離D1と同じである。このため、正面壁部12Aと背面壁部13Aの保持爪16、17が設けられた箇所でも、フィレット30、31の形成に必要な空間が確保されている。その結果、ヘッダ1Aでは、ろう付け時にフィレット30、31が形成され、接合強度が高められている。
次に、図6-図9を参照して、ヘッダ1Aの製造方法について説明する。以下の説明では、蓋部20のろう付け方法と熱交換器100の製造方法もあわせて説明する。
図6は、ヘッダ1Aの製造方法で使用される、蓋部20が組み付けられる前の本体部10Aの断面図である。図7は、同製造方法が備える蓋部20の組み付け工程で、蓋部20が組み付けられたときの本体部10Aの断面図である。図8は、同製造方法が備える保持爪16、17のかしめ工程で、かしめられる保持爪16、17と蓋部20が組み付けられた本体部10Aの断面図である。図9は、ヘッダ1Aを用いて熱交換器100を製造するときの、ヘッダ1Aの断面図である。
なお、図6-図9では、理解を容易にするため、図2-図5と同様に、流路および流路部材を省略している。
まず、上述した形状、大きさの本体部10Aを作製する。この本体部10Aの作製では、蓋部20を組み付け易くするために、図6に示すように、保持爪16は、曲がっておらず、正面壁部12Aの上端から真上に真っ直ぐ延びた形状に形成する。また、保持爪17も、曲がっておらず、背面壁部13Aの上端から真上に真っ直ぐ延びた形状に形成する。さらに、ろう付けすることから、本体部10Aは、上述したように、純アルミニウムまたはアルミニウム合金の金属板を用いて作製する。例えば、このような材料の金属板をプレス加工することにより作製する。なお、ろう付け性を高めるには、本体部10Aの材料となる金属板は、蓋部20の場合と同様に、アルミニウムのクラッド材であることが望ましい。
本体部10Aの作製に並行して、上述した形状、大きさの蓋部20を作製する。例えば、上述したアルミニウムのクラッド材をプレス加工することにより、蓋部20を作製する。
次に、作製した本体部10Aに蓋部20を組み付ける、組み付け工程を行う。この組み付け工程では、図7に示すように、本体部10Aの内部空間14の右端近傍と左端近傍に、上述したエンドキャップ4、5を嵌め込み、その嵌め込んだエンドキャップ4、5の上に、蓋部20を載置する。このとき、エンドキャップ4、5には、高さH1が正面壁部12A、背面壁部13Aの高さH2よりも、蓋部20の厚みTと上述した距離D1をあわせた分だけ小さいものを用いる。これにより、上述した正面壁部12Aと背面壁部13Aの上端から距離D1だけ離れた位置に、蓋部20を配置する。なお、エンドキャップ4、5の代わりにスペーサ、治具等を用いて蓋部20の位置を決めてもよい。
次に、保持爪16、17をかしめる、かしめ工程を行う。詳細には、図8に示すように、蓋部20が、正面壁部12Aと背面壁部13Aの上端から距離D1だけ下に位置する状態で、保持爪16、17をかしめる。このとき、まず保持爪16、17の根元側を折り曲げて、保持爪16、17が正面壁部12A、背面壁部13Aに対して直角に折れ曲がった状態にし、続いて、保持爪16、17の先端部分をプレスすることより、保持爪16、17を上述したクランク状の形状に変形させる。これにより、保持爪16、17の先端部分を蓋部20に密接させて、蓋部20を保持させる。
なお、本明細書でいうかしめとは、保持爪16、17を塑性変形させて、保持爪16、17を蓋部20に密着させることである。
保持爪16、17をかしめた後、ろう付け工程を行う。詳細には、蓋部20が組み付けられた本体部10Aを加熱して、蓋部20の材料であるクラッド材のろう材を溶融させる。これにより、溶融したろう材が、蓋部20と本体部10Aの間に浸透する。
このとき、蓋部20が正面壁部12Aと背面壁部13Aの上端から距離D1だけ離れているので、蓋部20の上には、図9に示すフィレット30、31を形成するのに十分な大きさの隙間25が形成されている。その結果、溶融したろう材は、蓋部20と本体部10Aの間に浸透するだけでなく、蓋部20の上面と本体部10Aの正面壁部12Aの内壁面が形成するコーナー部と、蓋部20の上面と背面壁部13Aの内壁面が形成するコーナー部とに、表面張力によってフィレット30、31を形成する。また、溶融したろう材は、蓋部20の下にもフィレット32、33を形成する。さらに、保持爪16、17の先端部分とその周辺部分にもフィレット34-37を形成する。
フィレット30-35が形成された後、本体部10Aを冷却する。蓋部20と本体部10Aの間に浸透したろう材が凝固して本体部10Aと蓋部20が接合される。さらに、上述したフィレット30-35が凝固する。その結果、本体部10Aと蓋部20が高い接合強度でろう付けされる。以上の工程により、ヘッダ1Aが完成する。
ヘッダ1Aを備える熱交換器100を製造する場合、上記ろう付け工程の前に、伝熱管2の端部を、図9に示すように、ヘッダ1Aの挿入口15に挿入し、さらに、伝熱管2にフィン3を組み付ける。そして、伝熱管2とフィン3を組み付けた本体部10Aおよび蓋部20をろう付け工程でろう付けすることにより、ヘッダ1Aを完成させると共に、熱交換器100を完成させる。この熱交換器100の製造では、ヘッダ1Aを作製した後、作製されたヘッダ1Aに伝熱管2にフィン3を組み付けて、ろう付けし、熱交換器100を作製してもよい。
なお、上述した底部11の下面と上面は、本明細書でいうところの、底部11の一方の面と他方の面の一例である。また、上述した本体部10Aが備える正面壁部12A、背面壁部13Aは、本体部の第一側壁部、第二側壁部の一例である。正面壁部12Aの上端、背面壁部13Aの上端は、第一側壁部の先端、第二側壁部の先端の一例である。正面壁部12Aと背面壁部13Aそれぞれの、上端から距離D1だけ下に位置して蓋部20と接する部分は、第一部分、第二部分の一例である。
また、複数の保持爪16、17は、本明細書でいうところの、蓋部20が正面壁部12Aと背面壁部13Aの間に嵌められた状態を保つ第一保持部、第二保持部の一例である。さらに、保持爪16、17それぞれは、第一保持爪、第二保持爪の一例である。蓋部20の前端は、蓋部20が上記の第一部分と接する第一端部の一例である。蓋部20の後端は、蓋部20が上記の第二部分と接する第二端部の一例である。挿入口15が配列する左右方向は、挿入口15の配列方向の一例である。さらに、蓋部20の上面は、ヘッダ1Aの外側に向いた面のことをいう外側面の一例である。
以上のように、実施の形態1に係るヘッダ1Aでは、蓋部20の前端が正面壁部12Aの、上端よりも下側に位置する部分にろう付けされるので、フィレット30を形成する空間が確保される。これにより、ろう付け時に、蓋部20上面から正面壁部12Aの上端までの間にフィレット30を形成することができる。また、蓋部20の後端が、背面壁部13Aの上端よりも下側に位置する部分にろう付けされるので、蓋部20の後端でも、フィレット30を形成する空間が確保される。これにより、ろう付け時に、蓋部20上面から背面壁部13Aの上端までの間にフィレット31を形成することができる。これらの結果、ヘッダ1Aでは、フィレット30、31が形成され、本体部10Aと蓋部20の接合強度が高い。
また、ヘッダ1Aでは、保持爪16、17の先端部分が本体部10Aの外側から蓋部20に密接しているので、蓋部20が外側に向かって移動したり外れたりしにくい。
さらに、保持爪16は、蓋部20との間に隙間25を有する状態で、正面壁部12Aから背面側に延びているので、正面壁部12Aの保持爪16がある箇所でも、フィレット30が形成される空間が存在し、保持爪16がフィレット30の形成の障害となりにくい。これにより、正面壁部12Aの保持爪16がある箇所でも、フィレット30が形成され、その結果、本体部10Aと蓋部20の接合強度が高い。
同様に、保持爪17は、蓋部20との間に隙間25を有する状態で、背面壁部13Aの上端から正面側に延びている。このため、背面壁部13Aの保持爪17がある箇所でも、フィレット31が形成される空間が存在し、その結果、ろう付け時にフィレット31が形成される。これにより、本体部10Aと蓋部20の接合強度が高い。
保持爪16、17の先端部分だけが蓋部20に密接すればよいので、換言すると、接すればよいので、製造が容易である。
(変形例1-1)
実施の形態1では、保持爪16、17が正面壁部12A、背面壁部13Aの上端から一度水平方向に延びた後、クランク状に折れ曲がって、下に位置する蓋部20に密接している。しかし、保持爪16、17は、これに限定されない。保持爪16は、正面壁部12Aの上端から、蓋部20の前端部との間に隙間25を設けた状態で、蓋部20の側へ延びて蓋部20に接するものであればよい。また、保持爪17は、背面壁部13Aの上端から、蓋部20の後端部との間に隙間25を設けた状態で、蓋部20の側へ延びて蓋部20に接するものであればよい。
図10は、実施の形態1に係るヘッダ1Aの変形例の断面図である。なお、図10は、ヘッダ1Aの変形例を図4と同じ切断線で切断したときの断面を示している。
図10に示すように、保持爪16は、蓋部20の前端部との間にフィレット30を収容することができる隙間25を設けた状態で、正面壁部12Aの上端から蓋部20に向かって直線的に延在してもよい。また、保持爪17は、保持爪16と同様に、蓋部20の後端部との間にフィレット31を収容することができる隙間25を設けた状態で、背面壁部13Aの上端から蓋部20に向かって直線的に延在してもよい。
例えば、保持爪16は、正面壁部12Aの上端から後方斜め下に傾斜し、保持爪17は、背面壁部13Aの上端から前方斜め下に傾斜してもよい。この場合に、隙間25がフィレット30、31を収容可能な大きさであればよい。そして、保持爪16と17の先端が蓋部20に接して、蓋部20が保持爪16、17側にずれない状態であればよい。このような形態でも、本体部10Aと蓋部20の接合強度を高めると共に、蓋部20が外れにくくすることができる。
(変形例1-2)
なお、実施の形態1では、2つのヘッダ1Aを備える熱交換器100が、それら2つのヘッダ1Aが鉛直方向に並ぶ向きに配置される例を用いて説明している。しかし、ヘッダ1Aの向きはこれに限定されない。ヘッダ1Aは、本体部10A、蓋部20、保持爪16、17等の各部品同士、各部分同士の位置関係が維持されるのであれば、その向きは任意である。例えば、熱交換器100が備える2つのヘッダ1Aが水平方向に並ぶ状態に配置されてもよい。このような配置でも、実施の形態1で説明した本体部10Aと蓋部20の接合強度の高さは、変わらないからである。
(実施の形態2)
実施の形態1では、正面壁部12Aの上端と背面壁部13Aの上端が、保持爪16、17がある箇所を除いて、同じ高さに形成され、かつ平坦である。しかし、正面壁部12Aと背面壁部13Aは、これに限定されない。正面壁部12Aと背面壁部13Aは、上端が同じ高さに形成されなくてもよいし、上端に凹凸が形成されてもよい。
実施の形態2に係るヘッダ1Bは、正面壁部12Bと背面壁部13Bの上端に複数の溝を備える。以下、図11-図14を参照して、実施の形態2に係るヘッダ1Bについて説明する。実施の形態2では、実施の形態1と異なる構成を中心に説明する。
図11は、実施の形態2に係るヘッダ1Bの斜視図である。図12は、図11に示すXII-XII切断線の断面図である。図13は、図11に示すXIII-XIII切断線の断面図であり、図14は、図11に示すXIV-XIV切断線の断面図である。
なお、図11では、理解を容易にするため、底部11の挿入口15、内部空間14の流路および流路部材を省略している。また、図11および図12では、フィレット30、31を省略している。さらに、図12-図14では、流路および流路部材を省略している。
図11に示すように、ヘッダ1Bは、本体部10Bの正面壁部12Bと背面壁部13Bの上端に、水を排出するための排水溝41、42を複数個、備える。
その排水溝41、42が設けられる理由を説明すると、実施の形態1では、熱交換器100が、2つのヘッダ1Aが鉛直方向に並んでいる。このような配置の熱交換器100である場合、熱交換器100が屋外に設置される装置に取り付けられて使用されると、ヘッダ1Aに雨水が付着することがある。実施の形態1で説明したように、上側に配置されたヘッダ1Aでは、本体部10Aの正面壁部12Aの上端が蓋部20よりも上に位置し、さらに、本体部10Aの背面壁部13Aの上端が蓋部20よりも上に位置する。このため、正面壁部12A、背面壁部13Aを超えない限り、蓋部20の上の水が排出できず、水が溜まってしまう。水は、ヘッダ1Aの腐食の要因となりうるため、排出できることが望ましい。
そこで、実施の形態2に係るヘッダ1Bでは、本体部10Bの正面壁部12Bと背面壁部13Bの上端に、蓋部20の上に水が溜まってしまった場合の、その水を排出するための排水溝41、42が形成されている。
なお、蓋部20の上に水が溜まる課題とその課題を解決する構成を説明するため、以下、上述した、熱交換器100内の上側に配置されたヘッダ1Bを例に、その構成を説明する。
排水溝41、42それぞれは、正面壁部12B、背面壁部13Bの上端が正面視U字状に凹んだ形状に形成されている。それら排水溝41、42の底は、図12-図14に示すように、蓋部20の上面と同じ上下方向位置に設けられている。そして、排水溝41、42それぞれは、図11に示すように、その形状のまま、前後方向に延びている。これにより、蓋部20の上に溜まった水は、排水溝41、42を通って、本体部10Bの前または後へ排出することが可能である。
このような形状の排水溝41は、保持爪16の右隣と左隣に設けられている。同様に、排水溝42は、保持爪17の右隣と左隣に設けられている。換言すると、一対の排水溝41が保持爪16を左右方向に挟みこみ、一対の排水溝42が保持爪17を左右方向に挟みこんでいる。そして、排水溝41、42は、上述したように、正面壁部12B、背面壁部13Bの上端をU字状に彫り込んでいる。これらにより、保持爪16、17の根元が折れ曲げやすい。その結果、排水溝41、42は、保持爪16、17をかしめ易くして、ヘッダ1Bの製造を容易にしている。
以上のように、実施の形態2に係るヘッダ1Bは、正面壁部12B、背面壁部13Bの上端から蓋部20の上面まで凹んだ排水溝41、42を備えるので、蓋部20の上に水が溜まったとしても、その水を排出することができる。
また、排水溝41、42は、保持爪16、17の左右方向両側それぞれに形成されているので、保持爪16、17がかしめ易い。
(変形例2-1)
実施の形態2では、排水溝41、42は、保持爪16、17の左右方向両側それぞれに形成されているが、これら以外の位置に排水溝が形成されてもよい。
図15は、実施の形態2に係るヘッダ1Bの変形例の斜視図である。図16は、図15に示すXVI-XVI切断線の断面図である。
なお、図15では、理解を容易にするため、底部11の挿入口15、内部空間14の流路および流路部材を省略している。また、図15および図16では、フィレット30、31を省略している。
図15および図16に示すように、排水溝41同士の間に排水溝43が形成されてもよい。また、排水溝42同士の間に排水溝44が形成されてもよい。
詳細には、本体部10Bの正面壁部12Bの上端に、保持爪16を挟んで正面視U字状の一対の排水溝41が形成されると共に、隣り合う保持爪16の間かつ、排水溝41同士の間に、同じ形状、同じ大きさの正面視U字状の排水溝43が形成されてもよい。同様に、本体部10Bの背面壁部13Bの上端に、保持爪17を挟んで正面視U字状の一対の排水溝42が形成されると共に、隣り合う保持爪17の間かつ、排水溝42同士の間に、同じ形状、同じ大きさの正面視U字状の排水溝44が形成されてもよい。排水溝43、44の数は、隣り合う保持爪16、17の間毎に、少なくとも1つであればよく、図15および図16に示す変形例では、複数個である。このような形態であれば、蓋部20の上に溜まった水をより高い効率で排水することができる。
なお、排水溝43、44の形状、大きさは、保持爪16、17のかしめ易さに影響しないため、排水溝41、42と異なっていてもよく、例えば、排水溝43、44の形状は、正面視V字状であってもよい。
(変形例2-2)
また、実施の形態2では、排水溝41、42の底は、蓋部20の上面と同じ高さであるが、排水溝41、42の底は、蓋部20の上面に溜まった水を排水可能である限りにおいて、任意である。
図17は、実施の形態2に係るヘッダ1Bの他の変形例の斜視図である。図18は、図17に示すXVIII-XVIII切断線の断面図である。図19は、図17に示すXIX-XIX切断線の断面図である。
なお、図17では、理解を容易にするため、底部11の挿入口15、内部空間14の流路および流路部材を省略している。また、図17および図18では、フィレット30、31を省略している。図19では、流路および流路部材を省略している。
図17-図19に示すように、排水溝41、42は、蓋部20の上面よりも下まで凹んでいてもよい。詳細には、排水溝41、42の底は、蓋部20の上面よりも下、かつ蓋部20の下面よりも上に位置してもよい。このような形態であれば、蓋部20の、内部空間14を覆うという機能を維持しながら、蓋部20の上に溜まった水をより確実に排水することができるからである。
なお、排水溝41、42の底は、図19に示すように、溝が延びる前後方向に水平であるが、これらの底は、排水効率を高めるため、本体部10Bの外側に向かうに従い低くなる状態に傾斜してもよい。これにより、排水溝41、42の内部に水が留まりにくくするとよい。
(変形例2-3)
実施の形態2では、排水溝41、42が正面視U字状であるが、排水溝41、42の形状はこれに限定されない。排水溝41、42は、蓋部20の上に水が溜まった場合にその水を排水できる限りにおいて、その形状は任意である。例えば、排水溝41、42は、正面視矩形の形状に形成されてもよい。この場合、排水溝41、42の底は、蓋部20の上面まで達しているとよい。このような形状であれば、水を排水できるだけでなく、保持爪16、17がかしめ易い。
また、実施の形態2では、排水溝41、42が正面壁部12B、背面壁部13Bに形成されているが、排水可能であればよいので、排水溝41、42は、正面壁部12B、背面壁部13Bの少なくとも一方に形成されていればよい。その数は、少なくとも1つである。例えば、熱交換器100の配置により、正面側が低くなる状態に蓋部20が傾く場合、正面壁部12Bにだけ、排水溝41が形成されているとよい。
(実施の形態3)
実施の形態2では、正面壁部12B、背面壁部13Bに排水溝41、42が形成されているが、さらに、それら正面壁部12B、背面壁部13Bに、排水された水を導く導水溝が形成されてもよい。
実施の形態3に係るヘッダ1Cは、正面壁部12Cと背面壁部13Cに複数の導水溝を備える。以下、図20-図21を参照して、実施の形態3に係るヘッダ1Cについて説明する。実施の形態3では、実施の形態1および2と異なる構成を中心に説明する。
図20は、実施の形態3に係るヘッダ1Cの斜視図である。図21は、ヘッダ1Cの一部分を拡大した拡大上面図である。
なお、図20では、理解を容易にするため、底部11の挿入口15、内部空間14の流路および流路部材を省略している。また、図20および図21では、フィレット30、31を省略している。
図20および図21に示すように、ヘッダ1Cが備える本体部10Cの正面壁部12Cには、正面側に複数の導水溝51が形成されている。
導水溝51は、図21に示すように、排水溝41内の正面側に一つずつ設けられている。その形状は,正面壁部12Cの正面側から背面に向かってU字状に凹む形状である。そして、導水溝51は、図20に示すように、正面壁部12Cの上端にある排水溝41のU字状の底の最も低い箇所から下に向かって直線的に延びている。これにより、排水溝41に流れた水を集めて、下に導水する。その結果、導水溝51は、排水溝41の排水効率を高めている。
図示しないが、背面壁部13Cにある排水溝42にも、導水溝51と同様の配置、形状の導水溝が形成されている。その導水溝も、導水溝51と同じく、排水溝42のU字状の底の最も低い箇所から下に向かって直線的に延びている。その結果、背面壁部13Cでも、排水溝42に流れた水が下に導水されて、排水溝42の排水効率が高められている。
以上のように、実施の形態3に係るヘッダ1Cは、正面壁部12C、背面壁部13Cにある排水溝41、42から水を下に導水する導水溝51を備えるので、排水効率が高い。
(変形例3-1)
なお、導水溝51は、正面壁部12C、背面壁部13Cの水を排水するため、実施の形態3で説明した位置以外に配置されてもよい。
図22は、実施の形態3に係るヘッダ1Cの変形例の斜視図である。図23は、ヘッダ1Cの一部分を拡大した拡大上面図である。なお、図22および図23でも、図20および図21と同様に、挿入口15、フィレット30、31等を省略している。
図22および図23に示すように、導水溝51は、排水溝41同士の間の、左右方向中間に配置されてもよい。そして、正面壁部12Cの上端から下に向かって直線的に延びてもよい。また、図22に示すように、背面壁部13Cにある排水溝42同士の間にも、同様の形状の導水溝52が形成されてもよい。
このような形態の場合、正面壁部12C、背面壁部13Cに付着した水を導水溝51、52で下に導くことができる。
(変形例3-2)
また、実施の形態3とその変形例では、導水溝51、52は、横断面U字状に凹んだ溝であるが、導水溝51、52は、水を溝の延在方向に流すことが可能であれば、横断面U字状以外の形状であってもよい。例えば、導水溝51、52は、横断面V字状、矩形状、半円状等の形状であってもよい。
さらに、導水溝51、52は、下に水を導くものであればよいので、導水溝51、52は、下に向かって直線的に延びるほか、曲線を描いてもよいし、左右方向に傾斜してもよい。また、隣り合う導水溝51、52がY字状に合流してもよい。
以上、本開示の実施の形態に係るヘッダ1A-1Cおよび熱交換器100について説明したが、ヘッダ1A-1Cおよび熱交換器100は、これに限定されない。
例えば、実施の形態1-3では、ヘッダ1A-1Cの本体部10A-10Cは、筒の側面のうちの1つが開放された正四角筒の形状であるが、本体部10A-10Cはこれに限定されない。本体部10A-10Cは、一方の面の側に伝熱管2が接続される板状の底部11、底部11の両側に設けられ、底部11の他方の面の側へ延びる正面壁部12A-12Cおよび背面壁部13A-13Cを有するものであればよい。ここで、正面壁部12A-12Cおよび背面壁部13A-13Cは、底部11の両側に設けられることから、第一側壁部、第二側壁部と呼ばれてもよい。本体部10A-10Cの形状は、この条件を満たす限り、任意である。
図24は、本体部10Aの他の変形例の断面図である。なお、図24は、図4と同様の箇所を切断したときの本体部10Aの断面図である。
図24に示すように、断面円弧状の底部61と、その底部61の両側で底部61と連続する断面円弧状の正面壁部62および背面壁部63と、を備える本体部10Aであってもよい。底部61、正面壁部62および背面壁部63は、同心かつ同径の円弧であることにより、全体として円管状の本体部10Aを形成してもよい。
また、実施の形態1-3では、蓋部20が平板状であるが、蓋部20は、これに限定されない。蓋部20は、正面壁部12A-12C、62の、底部11、61の上記他方の面の側へ延びた先端よりも底部11、61の側の第一部分と、背面壁部13A-13C、63の、底部11、61の上記他方の面の側へ延びた先端よりも底部11、61の側の第二部分との間に嵌められ、第一部分と第二部分にろう接されることにより、正面壁部12A-12C、62と背面壁部13A-13C、63が形成する開口を塞ぐものであればよい。
本体部10A-10Cの形状は、この条件を満たすのであれば、平板以外の形状であってもよい。例えば、図24に示すように、蓋部20は、曲面状に屈曲した板の形状であってもよい。そのほか、蓋部20は、円弧状の断面を備える板であってもよい。
また、実施の形態1-3では、保持爪16、17は、矩形状の板がクランク状に折れ曲がる形状であるが、保持爪16、17は、これに限定されない。
保持爪16は、正面壁部12A-12C、62の、上記第一部分よりも先端の側から、蓋部20が上記第一部分と接する第一端部との間に隙間を設けた状態で、蓋部20の側へ延びて蓋部20に接し、蓋部20が正面壁部12A-12C、62と背面壁部13A-13C、63の間に嵌められた状態を保つものであればよく、第一保持部と呼ばれるものであってもよい。また、保持爪17は、背面壁部13A-13C、63の、上記第二部分よりも先端の側から、蓋部20が上記第二部分と接する第二端部との間に隙間を設けた状態で、蓋部20の側へ延びて蓋部20に接し、蓋部20が正面壁部12A-12C、62と背面壁部13A-13C、63の間に嵌められた状態を保つものであればよく、第二保持部と呼ばれるものであってもよい。
従って、保持爪16、17は、この条件を満たすのであれば、矩形状の板以外の形状であってもよいし、クランク状に折れ曲がる形状以外の形状であってもよい。例えば、保持爪16、17は、角柱又は円柱状の棒、若しくは先端に向かって細くなる棒が折れ曲がった形状であってもよいし、また、三角形、半円等の板の形状であってもよい。また、保持爪16、17は、正面壁部12A-12C、62の上端または背面壁部13A-13C、63の上端に沿って延びる帯状の形状であってもよい。
さらに、保持爪16と正面壁部12A-12C、62または、保持爪17と背面壁部13A-13C、63は、一体である必要はなく、別体であってもよい。また、保持爪16、17は、根元の部分と蓋部20との間に上述した距離D1の隙間があるのであれば、正面壁部12A-12C、62の上端、または背面壁部13A-13C、63の上端よりも下に設けられてもよい。
なお、実施の形態1で熱交換器100にヘッダ1Aが2つ設けられることを説明しているが、熱交換器100には、少なくとも1つ以上ヘッダ1A-1Cが設けられていればよい。また、実施の形態1でフィン3がコルゲート型であることを説明しているが、フィン3は、伝熱管2に取り付けるものであればよく、伝熱面積を大きくする方式は任意である。
1A-1C ヘッダ、2 伝熱管、3 フィン、4,5 エンドキャップ、6 冷媒管、10A-10C 本体部、11 底部、12A-12C 正面壁部、13A-13C 背面壁部、14 内部空間、15 挿入口、16,17 保持爪、20 蓋部、25 隙間、30-37 フィレット、41-44 排水溝、51,52 導水溝、61 底部、62 正面壁部、63 背面壁部、100 熱交換器、D1,D2 距離、H1,H2 高さ、T 厚み。

Claims (11)

  1. 一方の面の側に伝熱管が接続される板状の底部、該底部の両側に設けられ、該底部の他方の面の側へ延びる第一側壁部および第二側壁部を有し、前記第一側壁部と前記第二側壁部の間に流路が設けられた本体部と、
    前記第一側壁部の、前記底部の他方の面の側へ延びた先端よりも前記底部の側の第一部分と、前記第二側壁部の、前記底部の他方の面の側へ延びた先端よりも前記底部の側の第二部分との間に嵌められ、前記第一部分と前記第二部分にろう接されることにより、前記第一側壁部と前記第二側壁部が形成する開口を塞ぐ蓋部と、
    前記第一側壁部の、前記第一部分よりも前記先端の側から、前記蓋部が前記第一部分と接する第一端部との間に隙間を設けた状態で、前記蓋部の側へ延びて前記蓋部に接し、前記蓋部が前記第一側壁部と前記第二側壁部の間に嵌められた状態を保つ第一保持部と、
    前記第二側壁部の、前記第二部分よりも前記先端の側から、前記蓋部が前記第二部分と接する第二端部との間に隙間を設けた状態で、前記蓋部の側へ延びて前記蓋部に接し、前記蓋部が前記第一側壁部と前記第二側壁部の間に嵌められた状態を保つ第二保持部と、
    を備えるヘッダ。
  2. 前記第一保持部は、前記第一側壁部の、前記第一部分よりも前記先端の側から、前記蓋部の、前記底部の側の面と反対側にある外側面と平行な方向に延びた後、前記底部の側へ屈曲し、
    前記第二保持部は、前記第二側壁部の、前記第二部分よりも前記先端の側から、前記蓋部の前記外側面と平行な方向に延びた後、前記底部の側へ屈曲する、
    請求項1に記載のヘッダ。
  3. 前記底部は、一定の方向に配列され、前記伝熱管それぞれが挿入される複数の挿入口を有し、
    前記底部、前記第一側壁部、前記第二側壁部および前記蓋部は、前記複数の挿入口が配列された前記一定の方向に延び、
    前記第一保持部は、前記複数の挿入口が配列された前記一定の方向に間隔を設けて配列され、それぞれが前記蓋部に接することにより、前記蓋部が前記第一側壁部と前記第二側壁部の間に嵌められた状態を保つ複数の第一保持爪を有し、
    前記第二保持部は、前記複数の挿入口が配列された前記一定の方向に間隔を設けて配列され、それぞれが前記蓋部に接することにより、前記蓋部が前記第一側壁部と前記第二側壁部の間に嵌められた状態を保つ複数の第二保持爪を有する、
    請求項1または2に記載のヘッダ。
  4. 前記第一側壁部と前記第二側壁部の少なくとも一方の側壁部は、前記複数の第一保持爪と前記複数の第二保持爪の少なくとも一方の保持爪の間に、前記第一側壁部と前記第二側壁部の少なくとも一方の前記側壁部の先端から前記底部の側へ凹んだ排水溝を有する、
    請求項3に記載のヘッダ。
  5. 前記排水溝は、前記複数の第一保持爪と前記複数の第二保持爪の少なくとも一方の前記保持爪に隣接する、
    請求項4に記載のヘッダ。
  6. 前記排水溝は、前記複数の第一保持爪と前記複数の第二保持爪の少なくとも一方の前記保持爪から離れた位置に配置されている、
    請求項4に記載のヘッダ。
  7. 前記排水溝は、前記第一側壁部と前記第二側壁部の少なくとも一方の前記側壁部の先端から前記蓋部の、該先端の側にある面と同じ高さまで凹んでいる、
    請求項4から6の何れか1項に記載のヘッダ。
  8. 前記排水溝は、前記第一側壁部と前記第二側壁部の少なくとも一方の前記側壁部の先端から前記蓋部の、該先端の側にある面よりも前記底部の側へ凹んでいる、
    請求項4から6の何れか1項に記載のヘッダ。
  9. 前記第一側壁部と前記第二側壁部の少なくとも一方の前記側壁部は、前記流路の側に向いた内側面と反対側の外側面に、先端の側から前記底部の側に延びる導水溝を有すると共に、該先端の側から前記底部の側に向かう方向を鉛直方向に向けた状態で配置される、
    請求項4から8の何れか1項に記載のヘッダ。
  10. 前記導水溝は、前記排水溝とつながっている、
    請求項9に記載のヘッダ。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載のヘッダと、
    前記ヘッダが備える前記本体部に接続された伝熱管と、
    前記伝熱管に取り付けられたフィンと、
    を備える熱交換器。
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