JP2022147660A - 充填包装機 - Google Patents

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Toshio Masai
大輔 松尾
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Abstract

【課題】充填包装機1において、個々のシールユニットの加熱温度をより正確に計測し管理できるシステムを提供する。【解決手段】充填包装機1において、複数の固定シール部33はそれぞれ、円周搬送路35の接線方向に延在する加熱面33aと、加熱面33aの背後にあって加熱面33aを加熱する抵抗発熱体121を有する。充填包装機1はまた、円周搬送路35の外側に配置され、複数の固定シール部(33)のそれぞれの加熱面33aから放射される赤外線を検知する温度検出部130と、一定の電圧を出力する電源123と、電源123と複数の固定シール部33の抵抗発熱体121との間にそれぞれ接続され、複数の固定シール部33のそれぞれの抵抗発熱体121に供給される電圧を調整可能な複数の電圧調整部128を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、充填包装機に関する。
従来、プラスチックフィルムを含む積層フィルムからなる帯状の包装材を連続的に二つ折りし、この二つ折りされた包装材を円周搬送路に沿って搬送しながら搬送方向に所定の間隔をあけてヒートシールすることにより、一定の間隔をあけてシール部と隣接するシール部の間に充填材収納用袋部を形成するとともに、各袋部に充填材(例えば、粉剤)を充填する充填包装機が知られている。
特開2001-122208号公報
この種の充填包装機では、ヒートシールの良否が最終製品の品質を左右する。そのため、包装材をヒートシールする際の温度、圧力、及び時間の3因子を厳格に管理する必要がある。このうち、温度は、プラスチックフィルムを構成するプラスチック材料の融点、分界点、熱収縮点を考慮して決められ、例えば、フィルムが薄くならないように、軟化点を大幅に超えて高温にしないことが重要である。積層フィルムを重ねた状態でヒートシールするため、適当な圧力を加える必要がある。良好なシートシールにとって温度と圧力は共に重要な要素であるが、一般的には温度を低くする一方で圧力を高めに設定するのが良いとされている。プラスチックフィルムを溶融するためには時間をかけて加熱することが好ましいが、生産性向上のために機械を高速化するに伴って加熱時間を短くなり、そのために温度と圧力のばらつきの許容範囲が狭くなって、それがシール不良発生の原因となり得る。
このように、温度、圧力、及び時間の3因子はいずれもヒートシールの良否を決定する重要な要素である。とりわけ、温度は、ヒートシールの良否を決定付ける最も重要な要素である。しかし、特許文献1に記載された充填包装機のように、回転テーブルの外周に沿って一定の間隔をあけて多数のシールユニットを配置し、この回転テーブルを高速で回転しながら帯状包装材をヒートシールするものにあっては、高速で移動している個々のシールユニットの加熱温度を正確に計測することは容易でなかった。
そこで、本発明は、上述の形態の充填包装機において、個々のシールユニットの加熱温度をより正確に計測し、それを各シールユニットの温度管理にフィードバックできるシステムを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の一実施形態は、
鉛直方向の軸(26)を中心とする円周搬送路(35)と、
前記円周搬送路(35)に沿って一定の間隔をあけて配置された複数のシールユニット(32)であって、前記複数のシールユニット(32)はそれぞれ、前記円周搬送路(35)に該円周搬送路の内側から接する固定シール部(33)と、前記固定シール部(33)に前記円周搬送路(35)の外側から接離可能な可動シール部(34)を備えた複数のシールユニット(32)と、
前記複数のシールユニット(32)を前記円周搬送路(35)に沿って移動させる移動機構(M1)と、
前記円周搬送路(35)の第1の領域(39)において前記可動シール部(34)を該可動シール部(34)が前記固定シール部(33)に接する第1の位置に設定し、前記円周搬送路(35)の第2の領域(40)において前記可動シール部(34)を該可動シール部(34)が前記固定シール部(33)から離れる第2の位置に設定する切離機構(38)を有し、
連続的に供給される帯状の包装材(100を二つ折りし、
前記二つ折りされた包装材(100)を前記第1の領域(39)において前記固定シール部(33)と前記可動シール部(34)で挟持することによって前記包装材(100)を加熱溶着してシール(101)を形成すると共に隣接する前記シール(101)の間に包装材充填室(102)を形成する充填包装機(1)であって、
前記固定シール部(33)は、前記円周搬送路(35)の接線方向に延在する加熱面(33a)と、前記加熱面(33a)の背後にあって前記加熱面(33a)を加熱する抵抗発熱体(121)とを有し、
前記充填包装機(1)はさらに、
前記円周搬送路(35)の外側に配置され、前記複数の固定シール部(33)のそれぞれの加熱面(33a)から放射される赤外線を検知する温度検出部(130)と、
一定の電圧を出力する電源(123)と、
前記電源(123)と前記複数の固定シール部(33)の前記抵抗発熱体(121)との間にそれぞれ接続され、前記複数の固定シール部(33)のそれぞれの抵抗発熱体(121)に供給される電圧を調整可能な複数の電圧調整部(128)を有する。
本発明の一形態によれば、個々のシールユニットの加熱温度をより正確に計測し管理できるシステムを提供する。
本発明に係る充填包装機の正面図。 図1に示す充填包装機の平面図。 図1に示す充填包装機の一部を示す斜視図。 本発明の充填包装機で製造される連続袋体の一部を示す正面図。 図1に示す充填包装機の内部構造を示す断面図。 固定シールバーの抵抗発熱体と給電部との電気的接続を示す図。 シール領域を通過するシュート、シール部等の位置関係を示す説明図。 偏心シャフトとシュートの移動経路を示す説明図。 偏心シャフト、シュートの動きを示す説明図。 充填シュートの斜視図。 シールユニットの温度を制御するシステムの構成図。 温度検出部の温度検出領域を示す図。 固定シールバーにおける加熱面の移動軌跡を示す図。 固定シールバーにおける加熱面の温度分布を示す図。
以下、添付図面を参照して本発明に係る充填包装機(以下、「包装機」という。)を説明する。
[1.包装機]
包装機1は、図1~図4に示すように、帯状のフィルム又はシートからなる包装材100を水平方向に搬送しながらその長手方向中央線に沿って二つ折りし、この二つ折りした包装材100を長手方向の所定間隔ごとに接着又はシール(縦シール101を形成)して袋部102を連続的に形成し、袋部102に充填材103を充填し、袋部102の上端開口を接着することによりトップシール104を形成して連続袋体105を形成するものである。連続袋体105は、例えば、隣接する袋部102の間の縦シール101に沿って切断されて個々の袋部102又は複数の連続した袋部102からなる袋体に分離されるか、または、隣接する袋部102の間の縦シール101に沿ってミシン目107を入れた袋体に加工される。
図1に示すように、包装機1は、本体フレーム10を有する。本体フレーム10は建物の床等に固定される。本体フレーム10は、包装材100を供給する包装材供給部13を有する。包装材100には、二つ折りされた包装材100を安定的にヒートシールできるシーラント層を有する積層(多層)フィルムが使用される。本体フレーム10はまた、包装材供給部13から供給された包装材100をほぼ水平方向に案内しながら該包装材100の長手方向中央線を支点として略V字状に折り上げる包装材折り上げ部14を有する。本体フレーム10は、図1~図4に示すように、包装材折り上げ部14で折り上げられた左右包装材片を長手方向に所定の間隔をあけて熱接着して縦シール101と隣接する縦シール101の間に位置する袋部102を連続的に形成するとともに各袋部102に充填材を充填する充填材充填部15と、充填材充填部15に充填材を供給する充填材供給部16と、充填材が充填された各袋部102の上端を熱接着してトップシール104を形成するトップシール部17と、隣接する袋部の間の縦シールにミシン目107を形成する切断部18が支持されている。
[2.包装材供給部13]
図1に示すように、包装材供給部13は、本体フレーム10の前部に配置されており、所定の横幅を有する帯状のフィルム又はシートからなる包装材100を巻回したロール21を支持する支軸(シャフト)22を有する。包装材供給部13はまた、支軸22に装着されたロール21から繰り出される包装材100を折り上げ部14に案内する複数のローラ23を有する。
[3.折り上げ部14]
図3に示すように、折り上げ部14は、包装材供給部13の最後のローラ23からほぼ水平方向に向けて送られる包装材100の上面に接触する横断面が略V字形の折り上げガイド24を有する。折り上げガイド24の上方開き角(V字断面の上方開き角)は、包装材搬送方向112に沿って、最後のローラ23から離れるに従って徐々に小さくなるようにしてある。
[4.充填材充填部15]
図5を参照すると、充填材充填部15は、本体フレーム10に固定された固定円筒部25を有する。固定円筒部25は、軸(中心軸)26を中心とする外周円筒面を備えている。固定円筒部25には回転円筒部27が同心的に外装されている。固定円筒部25と回転円筒部27の間には軸受28が配置されている。回転円筒部27の外周には軸26を中心とする外歯車29が固定されている。外歯車29はモータM1に駆動連結されており、これにより、モータM1の駆動に基づいて、回転円筒部27が軸26を中心に固定円筒部25の周囲を包装材搬送方向(上方から見たときの反時計回り方向)111(図2参照)に回転するようにしてある。
固定円筒部25は、その上部に円形の固定テーブル30を支持している。回転円筒部27は、その上部に環状の回転テーブル31を支持している。回転テーブル31には、複数(例えば、20個)のシール部(シールユニット)32が軸26を中心とする円周上に所定の間隔(角度=360度/20)をあけて配置されている。各シール部32は、固定シールバー(固定シール部)33と、該固定シールバー33の外側に配置された可動シールバー(可動シール部)34を有する。図7に示すように、固定シールバー33は、軸26を中心とする円周上に一定の間隔をあけて配置されており、固定シールバー33の加熱面33a(軸26を中心とする径方向の最外側面)が軸26を中心とする円周搬送路(シール基準円)35上に位置している。円周搬送路35は、包装材搬送経路112(図2参照)の一部を形成しており、折り上げられた包装材100が固定シールバー33の加熱面33aに支持された状態で該円周搬送路35の一部(シール領域)に沿って搬送されるようにしてある。
図5に戻り、可動シールバー34は、円周搬送路35の接線方向(接線と平行な方向)に伸びる軸(シャフト)36を介して固定シールバー33に連結されており、可動シールバー34の加熱面34aが対応する固定シールバー33の加熱面33aに包装材100を介して圧接するシール位置(図5の右側に示す位置)と、可動シールバー34がほぼ90°外側に倒れて該可動シールバー34の加熱面34aが固定シールバー33の加熱面33aから離間する非シール位置(図5の左側に示す位置)との間を往復移動できるようにピボット回転可能に支持されている。
可動シールバー34の位置(シール位置又は非シール位置)は、可動シールバー34に設けた被ガイド部(例えば、ベアリング)37と本体フレーム10に設けたガイド機構38又は切換機構(後に詳細に説明する。)との係合に基づいて決定されており、概ね、回転テーブル31の回転に基づいてシール領域39(図8,9参照)を通過しているとき、可動シールバー34はシール位置をとり、それ以外の非シール領域40(図8,9参照)を通過しているとき、可動シールバー34は非シール位置をとるようにしてある。図示するように、非シール領域40は、可動シールバー34が固定シールバー33に対してほぼ90度離間した完全開放状態をとる領域(完全開放領域)40aと、可動シールバー34が完全開放状態から漸次固定シールバー33に接近していく領域(漸次閉鎖領域)41と、可動シールバー34が固定シールバー33から漸次完全開放状態まで離れていく領域(漸次開放領域)42を含む。
ガイド機構38は、図2に示すように、漸次閉鎖領域41に配置されて可動シールバー34を完全開放状態から固定シールバー33に接触する完全閉鎖状態に移行させる第1のガイド部241と、シール領域39に配置されて可動シールバー34を完全閉鎖状態に保持する第2のガイド部242と、漸次開放領域42に配置されて可動シールバー34を完全閉鎖状態から完全開放状態に移行させる第3のガイド部243と、可動シールバー34を完全開放状態に保持する第4のガイド部244を有する。
図5~図8に示すように、充填材充填部15は、シール部32と同じ数(実施例では20個)の昇降シャフト43を有する。昇降シャフト43は、複数のシール部32のそれぞれに対応して、軸26を中心とする円周上に一定の間隔をあけて配置され、軸26と平行に垂直方向に伸びている。昇降シャフト43を軸26と平行な上下方向に昇降させるために、回転テーブル31にはシール部32の内側に軸26を中心とする円周上に一定の間隔をあけて複数のシャフト貫通孔44が形成されている。シャフト貫通孔44は軸26を中心とするシャフト基準円45(図7参照)上に等間隔(360度/20)に形成されており、そこに挿通された昇降シャフト43がシャフト貫通孔44に沿って昇降自在に且つシャフト43の中心軸46を中心として回転可能としてある。
回転テーブル31から上方に突出した昇降シャフト43の上部には、図10に示すように、アーム47と、アーム47の先端に固定された充填シュート48が支持されている。充填シュート48は、横断面が楕円形の充填シュート筒状下部48aと該筒状下部48aの上端に連結された漏斗状上部48bを有する。
図5に戻り、回転テーブル31から下方に突出した昇降シャフト43の下部は、該昇降シャフト43から側方に突出した被ガイド部(カムフォロア)49を有する。被ガイド部49に対応して、固定円筒部25の外側には昇降ガイド用筒体50が固定されている。昇降ガイド用筒体50は、軸26を中心とする外周円筒面51を有する。外周円筒面51は環状のガイド部(ガイド溝)52を有し、このガイド部52に被ガイド部49が係合している。図の左右に表されたガイド部52は異なる高さに設けられていることから分かるように、ガイド部52はその一部が他の部分よりも高い位置に形成されており、対応する充填シュート48がほぼシール領域39(図8,9参照)にあるとき該充填シュート48が下降位置をとって該充填シュート筒状下部48aの下端が2つ折りされた包装材の両包装材片の間に位置し、それ以外の非シール領域40にあるとき該充填シュート48が上昇位置をとって包装材100と干渉しないようにしてある。
昇降シャフト43の下端は、該昇降シャフト43の下端から横方向に突出した連結部(アーム)53を有する。連結部53の先端側には、昇降シャフト43と平行に且つ該連結部53から下方に伸びる偏心シャフト54が連結されている。偏心シャフト54は、名称が意味するとおり、昇降シャフト43の中心軸46から水平方向に所定距離だけ偏心した別の中心軸(偏心軸)55に沿って下方に伸びている。偏心シャフト54は、その下端に被ガイド部56を有する。被ガイド部56に対応して、回転筒27の外側には環状のガイド部57が固定されている。ガイド部57は、特にこれを上方から見たときの形状が図8に示されているように、軸26を中心とする円58に沿って伸びる円形円弧部分59と、円58から外側に逸れた非円形円弧部分60を有し、充填シュート48がほぼシール領域39にあるとき充填シュート48が円周搬送路35上にあってその筒状下部48aの下端が2つ折りされた包装材の両包装材片の間に位置し、それ以外の非シール領域40にあるとき該充填シュート48が円周搬送路35の外側に位置し、その後シール領域39に進入する直前で楕円形の充填シュート筒状下部48aの長軸が円周搬送路35(図7参照)の接線方向に向けられた状態で搬送経路112に沿って充填領域39に進入するようにしてある。
6.充填材供給部:
図5を再び参照すると、充填材供給部16は袋部102に充填する充填材を充填シュート48に落下供給するもので、円周搬送路35(図2,図7参照)の内側に位置する軸61に沿って垂直に配置された回転軸62(シャフト)(図5参照)を有する。図示するように、軸61は、軸26と平行で、軸26から離れている。回転軸62は固定テーブル30を貫通している。回転軸62はその下端がモータM2に駆動連結されており、該モータM2の駆動に基づいて、上方から見たときに反時計回り方向(包装材搬送方向111と同じ方向)に回転するようにしてある。
回転軸62は計量板(計量部材)63を支持している。計量板63の上には、充填材供給ホッパ64(図3参照)が設けてある。計量板63は、軸61を中心とする円65(図2参照)上に一定の間隔をあけて形成された複数の貫通孔からなる計量孔66を備えている。円65は、シール領域39の上流側領域80(図8参照)で、円周搬送路35にほぼ重なり、計量孔66が充填シュート48の漏斗状上部48aの上方に位置するようにしてある。計量孔66の間隔は、充填シュート48の間隔とほぼ等しくしてある。これにより、シール領域39内の充填材供給領域67(図8参照)において、計量孔66は対応する充填シュート48の漏斗状上部48bの上方に位置し、一定量の充填材が計量孔66から対応する充填シュート48に落下供給されるようになっている。充填材供給領域67以外の領域では、計量孔66はシャッタ機構68によってその下端開口が塞がれており、計量孔66から充填材が落下しないように構成されている。シャッタ機構68は、各計量孔66の下端開口を開閉するように計量板63の下面にピボット回転可能に支持された複数のシャッタ69と、充填材供給領域67にあるシャッタ69を開放位置に設定させるとともに充填材供給領域67以外の領域にあるシャッタ69を閉鎖位置に設定するシャッタ駆動部70を有する。
[7.トップシール部17]
図1に示すように、トップシール部17は、充填材103が充填された袋部102の上端に接して該上端開口を接着してトップシール104を形成するヒートシールローラ71を有する。
[8.切断部18]
図1に示すように、切断部18は、包装材搬送方向に関してトップシール部17の下流側に配置され、連続袋体105の縦シール101の中央で連続袋体105を切断して個々の袋体110に分離するカッター、又は幅広縦シール部101の中央にミシン目を入れるミシン目カッター72が設けてある。
[9.動作]
以上の構成を備えた包装機1の動作を説明する。モータM1,M2の電源が投入されると、これらのモータM1、M2に駆動連結された回転円筒部27、回転軸62(共に図5を参照)が回転する。回転円筒部27の回転により、固定シールバー33を連結している回転テーブル31が回転する。これにより、包装材供給部13から繰り出された包装材100は、固定シールバー33と可動シールバー34から伝達される搬送力に基づいて、複数のローラ23により上方に案内され、最後のローラ23から送り出された包装材100はその主要面(表面、裏面)をほぼ水平面に平行に向けられる。ローラ23通過した包装材100は、V字状横断面の折り上げガイド24の下面に沿って搬送されながら、包装材100の長手方向中央線を境に二つ折りされる。
充填材充填部15では、モータの駆動に基づいて回転円筒部27とこれに固定された回転テーブル31が軸26を中心に反時計回り方向に回転する。その結果、回転テーブル31に支持されている昇降シャフト43の被ガイド部49がガイド部52にガイドされ、図9に示すように、充填シュート48はシール領域39において下降位置をとり、それ以外の非シール領域40で上昇位置をとる。
偏心シャフト54の被ガイド部56は、ガイド部57にガイドされる。図8に示すように、シール領域39直前の進入領域以外では、被ガイド部56はガイド部57の円形円弧部分59にガイドされ、充填シュート48は軸26を中心とする円形軌跡を移動する。しかし、シール領域39直前の進入領域では、被ガイド部56はガイド部57の非円形円弧部分60にガイドされ、充填シュート48はいったん円形軌跡の外側に振り出されたのち、包装材搬送経路112に沿って進入領域をほぼ直線状に前進する。この動作に同期して、図9に示すように、昇降シャフト43が上昇位置から下降位置に移り、二つ折りされた包装材100の内側に充填シュート48の筒状下部48aが進入する。
シール領域39に送られた包装材100は、固定シールバー33の加熱面に支持された状態で、回転テーブル31の回転とともに移動する。このとき、包装材搬送方向111に関して、隣接する固定シールバー33の中央に充填シュート48の筒状下部48aが位置する。
可動シールバー34は、該可動シールバー34の被ガイド部37がガイド機構38にガイドされており、シール領域39の直前の漸次閉鎖領域41を通過する際に、第1のガイド部241にガイドされて非シール位置(完全開放状態)からシール位置(完全閉鎖状態)に移動する。シール領域39において、可動シールバー34はその被ガイド部37が第2のガイド部242に案内されてシール位置に保持され、固定シールバー33に包装材100を介して接触する。これにより、固定シールバー33と可動シールバー34の加熱面に挟持された包装材部分が加熱されて縦シール101が形成される。
次に、充填材供給領域67において、充填材供給部16の計量孔66から落下した充填材が充填シュート48を介して袋部102に充填される。
シール領域39を通過して非シール領域40、特に漸次開放領域42に入ると、可動シールバー34は第3のガイド部243(図2参照)によってシール位置から非シール位置に案内される。これにより、包装材100はシール部32から解放される。次に、可動シール部34は、漸次開放領域42から完全開放領域40aに移動して、第4のガイド部244(図2参照)によって完全開放状態に保持される。
シール領域39を通過した包装材100は、円周搬送路35から離れてトップシール部17に供給され、そこで上端縁部が予熱部70(図2参照)によって予熱され、さらに加圧部71によって加圧されてトップシール104が形成されて袋部102が封止され、連続袋体105が形成される。その後、連続装体105は、切断部18に搬送されてそこで縦シール101が切断されて袋体110ごとに分離される、または、隣接する袋体110の間の縦シール101にミシン目107が入れられる。
[10:温度制御]
シール部32が包装材100を加熱する温度の制御について説明する。
実施形態の包装機1において、包装材100の加熱温度を制御する温度制御システムにおいて、各シール部32の固定シールバー33の少なくとも包装材100に接する加熱面33aは耐久性と伝熱性に優れた金属で形成されている。図11に示すように、20個の固定シールバー33[33(1)~33(20)]の内部には抵抗発熱体121[121(1)~121(20)]が配置されている。抵抗発熱体121は、金属発熱体又は非金属発熱体のいずれであってもよい。
温度制御システムは、抵抗発熱体121に電力を供給する電力供給部122を有する。図5、6に示すように、電力供給部122は、電源123と、回転円筒部27の外周面に対向して配置されて本体フレーム10に固定された給電部124と、回転円筒部27の外周面に固定された受電部125を備えている。例えば、給電部124は電源123の各相に接続された静止電極126を有し、受電部125は静止電極126に接触する複数の可動電極127を有する。実施形態において、可動電極127は、回転円筒部27の外周面に沿って環状に配置されて回転円筒部27に固定されており、回転円筒部27の回転中常時静止電極126に接触して、電源123から供給される電力を受けるように構成されている。
受電部125の可動電極127は、図11に示す複数(実施形態では20個)の電圧調整部128[128(1)~128(20)]を介して、対応する抵抗発熱体121[121(1)~121(20)]に接続されている。電圧調整部128には、例えば、株式会社東京理工舎から提供されている電力調整器VPシリーズが好適に利用可能である。この電力調整器は、出力電圧を調整するつまみ(調整部)129[129(1)~129(20)]を備えており、ユーザがつまみ129を操作することによって、出力電圧(抵抗発熱体12の印可電圧)が入力電圧の15~98%(Aタイプ)又は7.5~98%(Cタイプ)に調整できる。
温度制御システムはまた、シール部32、特に、包装材100に接触して該包装材100を加熱する固定シールバー33の加熱面33aの温度を検出する非接触式の温度検出部130を有する。図5に示すように、温度検出部130は、加熱面33aから放射される赤外線を検知する放射温度計を有し、シール部32が完全開放領域40aを通過する固定シールバー33の加熱面33aに対向するように、本体フレーム10に固定されている。
放射温度計には、例えば、ジャパンセンサー株式会社から提供されている、0.1mSの超高速応答用放射温度計THMXシリーズが好適に利用可能である。
図12に示すように、温度検出部130の温度検出領域131、特に、その円周搬送路35上における温度検出領域の水平幅Lは、固定シールバー33の加熱面33aの同方向の幅(横幅)Lよりも大きく設定されている。その理由は、固定シールバー33を正面(加熱面33a)に対向する方向から見たとき、図13に示すように、固定シールバー33の加熱面33aは平面であり、温度検出部130の温度検出領域の初めと終わり部分は赤外線が斜めに当り、正確に計測出来ないため、また、固定シールバー33を上方から見たとき、中央331の円形移動軌跡3310は、両端部332の円形移動軌跡3320よりも小さく赤外線の検出距離が変化し、正確な計測が出来ないため、さらに温度検出部130の温度検出領域に同期をとって狭くし加熱面33aの限られた部分(例えば、中央部)の温度を検出しようとすると、高速回転しているため検出するタイミングの僅かなずれによって温度検出位置が移動し、その結果、検出温度にばらつきが生じるおそれがあるためである。そこで実施形態では、上述のように温度検出部130の温度検出領域131の幅Lを温度検出領域33aの幅Lよりも大きくし、図14に示すように、得られた温度分布132の中で最大の検出温度Tmaxを、固定シールバー33の加熱温度計測値としている。
このように、実施形態によれば、加熱面33aが正確に計測されるだけでなく、均一化された個々の温度を総合的に制御できる。上述のように、機械の高速化に伴ってシール時間が短くなるため、それを補うために出来るだけ熱収縮限界の上限の高温にすることを与儀なくされ、その結果、温度のばらつき許容範囲を狭め、シール不良発生の原因となる。これに対し、実施形態では、機械の高速化によって狭められた温度のばらつき許容範囲に対して、特に20個のすべての固定シールバー33の温度が許容範囲内に収まるよう、個々ではなく20個全体で考えて最低温度を設定し、1つでも最低温度より下がれば20個のすべての抵抗発熱体121へ電力を供給し、また逆に最高温度も設定し、1つでも最高温度より上がれば20個のすべての抵抗発熱体121への電力供給を遮断する。このように20個の固定シールバー33の温度をひとくくりにして総合的に制御するため、20個のすべての固定シールバーの温度がシール強さを保持する下限の温度以上に制御され、又熱収縮限界の上限温度内にも制御され、より高速化しても安心した品質管理体制が構築できる。
図5に示すように、温度検出部130は、本体フレーム10の正面に設けた操作部(図示せず)に設けたディスプレイ(表示部)133に接続されており、温度検出部130で検出した温度がディスプレイ133に表示されるようにしてある。
このように構成された温度制御システムによれば、回転テーブル31の回転と共に、包装材100から離間した固定シールバー33は順次非シール領域40aに入り、温度検出部130の温度検出領域131を通過する際に、固定シールバー33の加熱面33aの表面温度が検出される。上述のように、温度検出部130が検出する温度は図14に示すように山なりの分布132を有する。したがって、温度検出部130は、温度分布132の中の最大温度Tmaxを求め、その値をディスプレイ133に表示させる。
したがって、ディスプレイ133に表示された最大温度Tmaxを見たユーザは、必要に応じて、表示された最大温度に対応する電圧調整部128のつまみ129を操作して、抵抗発熱体121に供給される電圧を調整する。
なお、上述の説明では、固定シールバー33にのみ抵抗発熱体121を収容するものとしたが、可動シールバー34に抵抗発熱体121を設けてもよい。
このように構成された温度調整システムを備えた充填包装機1によれば、複数のシール部32の加熱温度を個別に検出できる。また、全てのシールバーが総合的に制御され、ヒートシールによる完全密封の水準を維持することができる。したがって、すべてのシール箇所(縦シール)が均一に且つ確実にシールできる。また、温度検出領域131の幅を加熱面33aの大きさよりも大きくしているため、検出位置のずれに伴う検出誤差がなく、安定した検出結果が得られる。
1:充填包装機
32:シールユニット
33:固定シールバー(固定シール部)
33a:加熱面
34:可動シールバー(可動シール部)
34a:加熱面
35:円周搬送路(シール基準円)
100:包装材
101:縦シール
121:抵抗発熱体
123:電源
128:電圧調整部
129:つまみ(調整部)
130:温度検出部
131:温度検出領域

Claims (4)

  1. 鉛直方向の軸(26)を中心とする円周搬送路(35)と、
    前記円周搬送路(35)に沿って一定の間隔をあけて配置された複数のシールユニット(32)であって、前記複数のシールユニット(32)はそれぞれ、前記円周搬送路(35)に該円周搬送路の内側から接する固定シール部(33)と、前記固定シール部(33)に前記円周搬送路(35)の外側から接離可能な可動シール部(34)を備えた複数のシールユニット(32)と、
    前記複数のシールユニット(32)を前記円周搬送路(35)に沿って移動させる移動機構(M1)と、
    前記円周搬送路(35)の第1の領域(39)において前記可動シール部(34)を該可動シール部(34)が前記固定シール部(33)に接する第1の位置に設定し、前記円周搬送路(35)の第2の領域(40)において前記可動シール部(34)を該可動シール部(34)が前記固定シール部(33)から離れる第2の位置に設定する切離機構(38)を有し、
    連続的に供給される帯状の包装材(100)を二つ折りし、
    前記二つ折りされた包装材(100)を前記第1の領域(39)において前記固定シール部(33)と前記可動シール部(34)で挟持することによって前記包装材(100)を加熱溶着してシール(101)を形成すると共に隣接する前記シール(101)の間に包装材充填室(102)を形成する充填包装機(1)であって、
    前記固定シール部(33)は、前記円周搬送路(35)の接線方向に延在する加熱面(33a)と、前記加熱面(33a)の背後にあって前記加熱面(33a)を加熱する抵抗発熱体(121)とを有し、
    前記充填包装機(1)はさらに、
    前記円周搬送路(35)の外側に配置され、前記複数の固定シール部(33)のそれぞれの加熱面(33a)から放射される赤外線を検知する温度検出部(130)と、
    一定の電圧を出力する電源(123)と、
    前記電源(123)と前記複数の固定シール部(33)の前記抵抗発熱体(121)との間にそれぞれ接続され、前記複数の固定シール部(33)のそれぞれの抵抗発熱体(121)に供給される電圧を調整可能な複数の電圧調整部(128)を有する充填包装機。
  2. 前記電圧調整部(128)が、前記抵抗発熱体(121)に供給される電圧を手動調整可能なつまみ(129)を有することを特徴とする請求項1に記載の充填包装機。
  3. 前記円周搬送路(35)の接線方向に関して、前記温度検出部(130)の温度検出領域(131)の幅(L)が前記固定シール部(33)の前記加熱面(33a)の前記円周搬送路(35)に沿った方向の幅(L)よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の充填包装機。
  4. 前記複数の固定シール部(33)の前記加熱面(33a)について検出された複数の温度検出値うちの少なくとも一つが設定最低値よりも小さければすべての前記抵抗発熱体(121)に電力を供給し、前記複数の温度検出値うちの少なくとも一つが設定最高値よりも大きければすべての前記抵抗発熱体(121)への電力の供給を遮断する請求項1~3のいずれかに記載の充填包装機。
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