JP2022146449A - はんだ組成物および電子基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハロゲンフリーまたはノンハロゲンタイプであるにも拘わらず、ぬれ性と保管時の粘度安定性の両方が優れるはんだ組成物を提供すること。【解決手段】本発明のはんだ組成物は、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、および(C)一分子中に、置換または無置換のフェニル基を2つ以上有するイミダゾール化合物を含有するフラックス組成物と、(D)はんだ粉末とを含有することを特徴とするものである。【選択図】なし

Description

本発明は、はんだ組成物および電子基板に関する。
はんだ組成物は、はんだ粉末にフラックス組成物(ロジン系樹脂、活性剤および溶剤など)を混練してペースト状にした混合物である(特許文献1参照)。近年、はんだとしては、環境問題に配慮して、鉛(Pb)を含有しない鉛フリーはんだが広く使用されている。また、フラックス組成物としては、環境問題に配慮して、ハロゲンを削減したハロゲンフリーや、ハロゲンを全く含有しないノンハロゲンが求められている。
特許第5887330号公報
しかしながら、ハロゲンフリーまたはノンハロゲンタイプのはんだ組成物では、QFN(quad flat non-leaded package)のようなリードのない電極端面へぬれ上がりにくく、接合強度が得られない可能性がある。また、ハロゲン系以外の活性剤として、アミン系の活性剤を使用した場合には、ぬれ性と保管時の粘度安定性の両立に問題がある。
本発明は、ハロゲンフリーまたはノンハロゲンタイプであるにも拘わらず、ぬれ性と保管時の粘度安定性の両方が優れるはんだ組成物、並びに、これを用いた電子基板を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、および(C)一分子中に、置換または無置換のフェニル基を2つ以上有するイミダゾール化合物を含有するフラックス組成物と、(D)はんだ粉末とを含有する、はんだ組成物が提供される。
本発明の一態様に係るはんだ組成物においては、前記(C)成分の20℃における水への溶解度が、10g/L以下であることが好ましい。
本発明の一態様に係るはんだ組成物においては、前記(C)成分が、下記一般式(1)および下記一般式(2)のいずれかで表されるイミダゾール化合物であることが好ましい。
Figure 2022146449000001
前記一般式(1)および前記一般式(2)において、RおよびRは、独立して、メチル基またはエチル基であり、aは、0、1または2であり、bは、0、1または2であり、Xは、水素、メチル基、エチル基、或いは、置換または無置換のフェニル基である。
本発明の一態様によれば、前記本発明の一態様に係るはんだ組成物を用いたはんだ付け部を備える、電子基板が提供される。
本発明によれば、ハロゲンフリーまたはノンハロゲンタイプであるにも拘わらず、ぬれ性と保管時の粘度安定性の両方が優れるはんだ組成物、並びに、これを用いた電子基板を提供できる。
本実施形態のはんだ組成物は、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、および(C)一分子中に、置換または無置換のフェニル基を2つ以上有するイミダゾール化合物を含有するフラックス組成物と、(D)はんだ粉末とを含有するものである。
本実施形態によれば、ハロゲンフリーまたはノンハロゲンタイプであるにも拘わらず、ぬれ性と保管時の粘度安定性の両方が優れるはんだ組成物が得られる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。
すなわち、イミダゾール化合物により、保管時の粘度安定性が低下するメカニズムは、次の通りであると本発明者らは推察する。
まず、はんだ組成物中の(D)はんだ粉末の表面は、下記式のように、(B)活性剤(例えば、有機酸)で還元されて、清浄なはんだ表面となる。
2(RCOOH)+SnO→(RCOO)2Sn+H
このはんだ粉末の清浄なはんだ表面のSnに、イミダゾール化合物が配位し、さらに、このイミダゾール化合物が別のはんだ粉末のSnにも配位することで、(D)成分およびイミダゾール化合物が凝集して、はんだ組成物の粘度が増加するものと推察する。
これに対し、イミダゾール化合物として、(C)一分子中に、置換または無置換のフェニル基を2つ以上有するイミダゾール化合物を用いた場合には、驚くべきことに、保管時の粘度安定性が優れることが分かった。
この理由は必ずしも定かではないが、次の通りであると本発明者らは推察する。
(C)成分は、(C)成分以外のイミダゾール化合物と比較して、水への溶解性が極めて低い。そのため、(C)成分は、フラックス組成物に用いる有機溶剤(例えば、グリコール系溶剤などの高極性の有機溶剤)にも、溶けにくい。そして、(C)成分は、はんだ表面のSnとの接触回数が少なくなり、配位しにくいと考えられる。これにより、はんだ組成物の粘度変化を抑制でき、保管時の粘度安定性を向上できる。
一方で、リフロー工程におけるプリヒート時(通常、100℃以上)およびリフロー時(通常、150℃以上)には、(B)成分および(C)成分の相乗効果により、はんだ表面を活性化でき、はんだと銅電極の金属間化合物の生成を促進でき、ぬれ性を向上できる。以上のようにして、上記本発明の効果が達成されるものと本発明者らは推察する。
[フラックス組成物]
まず、本実施形態に用いるフラックス組成物について説明する。本実施形態に用いるフラックス組成物は、はんだ組成物におけるはんだ粉末以外の成分であり、以下説明する(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、および(C)一分子中に、置換または無置換のフェニル基を2つ以上有するイミダゾール化合物を含有するものである。
[(A)成分]
本実施形態に用いる(A)ロジン系樹脂としては、ロジン類およびロジン系変性樹脂が挙げられる。ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジンおよびトール油ロジンなどが挙げられる。ロジン系変性樹脂としては、不均化ロジン、重合ロジン、水素添加ロジンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。水素添加ロジンとしては、完全水添ロジン、部分水添ロジン、並びに、不飽和有機酸((メタ)アクリル酸などの脂肪族の不飽和一塩基酸、フマル酸、マレイン酸などのα,β-不飽和カルボン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、桂皮酸などの芳香族環を有する不飽和カルボン酸など)の変性ロジンである不飽和有機酸変性ロジンの水素添加物(「水添酸変性ロジン」ともいう)などが挙げられる。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(A)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、20質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。(A)成分の配合量が前記下限以上であれば、はんだ付ランドの銅箔面の酸化を防止してその表面に溶融はんだを濡れやすくする、いわゆるはんだ付け性を向上でき、はんだボールを十分に抑制できる。また、(A)成分の配合量が前記上限以下であれば、フラックス残さ量を十分に抑制できる。
[(B)成分]
本実施形態に用いる(B)活性剤は、(B1)有機酸を含有することが好ましい。
(B1)成分としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸などの他に、その他の有機酸が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、およびグリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、およびジグリコール酸などが挙げられる。これらの中でも、活性作用の観点から、アジピン酸、ドデカン二酸などが好ましい。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、トリマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、およびピコリン酸などが挙げられる。これらの中でも、ぬれ性を向上できるという観点から、ダイマー酸を用いることがより好ましい。
また、ぬれ性の向上の観点からは、複数の有機酸を併用することが好ましく、アジピン酸、ドデカン二酸およびダイマー酸を併用することが特に好ましい。
(B)成分は、本発明の課題を達成できる範囲において、(B1)成分以外に、その他の活性剤((B2)ハロゲン系活性剤、および(B3)有機酸アミンなど)をさらに含有してもよい。ただし、ハロゲンフリーの観点からは、前記(B)成分は、(B1)成分のみからなることが好ましい。また、(B1)成分の配合量の合計は、(B)成分100質量%に対して、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
(B)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、3質量%以上35質量%以下であることが好ましく、5質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。(B)成分の配合量が前記下限以上であれば、活性作用を向上できる傾向にあり、他方、前記上限以下であれば、フラックス組成物の絶縁性を維持できる傾向にある。
[(C)成分]
本実施形態に用いる(C)イミダゾール化合物は、一分子中に、置換または無置換のフェニル基を2つ以上有することが必要である。このような(C)成分であれば、イミダゾール化合物であるにも拘わらず、はんだ粉末の凝集を抑制できる。
(C)成分の20℃における水への溶解度は、保管時の粘度安定性の観点から、10g/L以下であることが好ましく、2g/L以下であることがより好ましい。
(C)成分としては、2,4-ジフェニルイミダゾール(水に難溶)、4,5-ジフェニルイミダゾール(水に難溶)、および、2,4,5-トリフェニルイミダゾール(水に難溶)などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、(C)成分としては、下記一般式(1)および下記一般式(2)のいずれかで表されるイミダゾール化合物が挙げられる。
Figure 2022146449000002
前記一般式(1)および前記一般式(2)において、RおよびRは、独立して、メチル基またはエチル基である。aは、0、1または2であり、0であることが好ましい。bは、0、1または2であり、0であることが好ましい。Xは、水素、メチル基、エチル基、或いは、置換または無置換のフェニル基であり、水素、または無置換のフェニル基であることが好ましく、水素であることがより好ましい。フェニル基における置換基としては、メチル基およびエチル基などが挙げられる。
(C)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましく、0.4質量%以上4質量%以下であることが特に好ましい。(C)成分の配合量が前記下限以上であれば、ぬれ性を更に向上できる。(C)成分の配合量が前記上限以下であれば、保管時の粘度安定性を向上できる。
[溶剤]
本実施形態のフラックス組成物においては、印刷性などの観点から、さらに溶剤を含有することが好ましい。ここで用いる溶剤としては、公知の溶剤を適宜用いることができる。このような溶剤としては、沸点170℃以上の溶剤を用いることが好ましい。また、グリコール系溶剤が好ましい。
このような溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキシルジグリコール、1,5-ペンタンジオール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、2-エチルヘキシルジグリコール(EHDG)、オクタンジオール、フェニルグリコール、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、およびジブチルマレイン酸などが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
溶剤を用いる場合、その配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、10質量%以上60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。溶剤の配合量が前記範囲内であれば、得られるはんだ組成物の粘度を適正な範囲に適宜調整できる。
[チクソ剤]
本実施形態のフラックス組成物においては、印刷性などの観点から、さらにチクソ剤を含有することが好ましい。ここで用いるチクソ剤としては、硬化ひまし油、アミド類、カオリン、コロイダルシリカ、有機ベントナイト、およびガラスフリットなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
チクソ剤の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上12質量%以下であることがより好ましい。配合量が前記下限未満では、チクソ性が得られず、ダレが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、チクソ性が高すぎて、印刷不良となりやすい傾向にある。
[酸化防止剤]
本実施形態のフラックス組成物においては、はんだ溶融性などの観点から、さらに酸化防止剤を含有することが好ましい。ここで用いる酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を適宜用いることができる。酸化防止剤としては、硫黄化合物、ヒンダードフェノール化合物、およびホスファイト化合物などが挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール化合物が好ましい。
ヒンダードフェノール化合物としては、ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)]、N,N’-ビス[2-[2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)エチルカルボニルオキシ]エチル]オキサミド、および、N,N’-ビス{3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル}ヒドラジンなどが挙げられる。
[他の成分]
本実施形態に用いるフラックス組成物には、(A)成分、(B)成分、(C)成分、溶剤、チクソ剤および酸化防止剤の他に、必要に応じて、その他の添加剤、更には、その他の樹脂を加えることができる。その他の添加剤としては、消泡剤、改質剤、つや消し剤、および発泡剤などが挙げられる。これらの添加剤の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。その他の樹脂としては、アクリル系樹脂などが挙げられる。
[はんだ組成物]
次に、本実施形態のはんだ組成物について説明する。本実施形態のはんだ組成物は、前述の本実施形態のフラックス組成物と、以下説明する(D)はんだ粉末とを含有するものである。
フラックス組成物の配合量は、はんだ組成物100質量%に対して、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、7質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上12質量%以下であることが特に好ましい。フラックス組成物の配合量が5質量%未満の場合(はんだ粉末の配合量が95質量%を超える場合)には、バインダーとしてのフラックス組成物が足りないため、フラックス組成物とはんだ粉末とを混合しにくくなる傾向にあり、他方、フラックス組成物の配合量が35質量%を超える場合(はんだ粉末の配合量が65質量%未満の場合)には、得られるはんだ組成物を用いた場合に、十分なはんだ接合を形成できにくくなる傾向にある。
本実施形態のはんだ組成物は、ハロゲンフリーまたはノンハロゲンタイプであるにも拘わらず、ぬれ性と保管時の粘度安定性の両方が優れる。そして、プリント配線基板のハロゲンフリーに対応可能なはんだ組成物であっても、ハロゲン系の活性剤を用いる場合と同等のはんだぬれ性を確保できることから、ハロゲンフリーまたはノンハロゲンタイプのはんだ組成物として特に好適に用いることができる。
ハロゲンフリーのはんだ組成物は、塩素濃度が900質量ppm以下(より好ましくは、100質量ppm以下、特に好ましくは、0質量ppm)であり、臭素濃度が900質量ppm以下(より好ましくは、100質量ppm以下、特に好ましくは、0質量ppm)であり、ヨウ素濃度が900質量ppm以下(より好ましくは、100質量ppm以下、特に好ましくは、0質量ppm)であり、かつ、ハロゲン濃度が1500質量ppm以下(より好ましくは、300質量ppm以下、特に好ましくは、0質量ppm)であるものであることが好ましい。なお、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などが挙げられる。
なお、はんだ組成物中の塩素濃度、臭素濃度およびハロゲン濃度は、JEITA ET-7304Aに記載の方法に準じて測定できる。また、簡易的には、はんだ組成物の配合成分およびその配合量から算出できる。
[(D)成分]
本発明に用いる(D)はんだ粉末は、鉛フリーはんだ粉末のみからなることが好ましいが、有鉛のはんだ粉末であってもよい。また、このはんだ粉末におけるはんだ合金は、スズ(Sn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、インジウム(In)、ビスマス(Bi)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)およびゲルマニウム(Ge)からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
このはんだ粉末におけるはんだ合金としては、スズを主成分とする合金が好ましい。また、このはんだ合金は、スズ、銀および銅を含有することがより好ましい。さらに、このはんだ合金は、添加元素として、アンチモン、ビスマスおよびニッケルのうちの少なくとも1つを含有してもよい。本実施形態のフラックス組成物によれば、アンチモン、ビスマスおよびニッケルなどの酸化しやすい添加元素を含むはんだ合金を用いた場合でも、ボイドの発生を抑制できる。
ここで、鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末のことをいう。ただし、鉛フリーはんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合に、鉛の量は、300質量ppm以下であることが好ましい。
鉛フリーのはんだ粉末の合金系としては、具体的には、Sn-Ag-Cu系、Sn-Cu系、Sn-Ag系、Sn-Bi系、Sn-Ag-Bi系、Sn-Ag-Cu-Bi系、Sn-Ag-Cu-Ni系、Sn-Ag-Cu-Bi-Sb系、Sn-Ag-Bi-In系、Sn-Ag-Cu-Bi-In-Sb系などが挙げられる。
(D)成分の平均粒子径は、通常1μm以上40μm以下であるが、はんだ付けパッドのピッチが狭い電子基板にも対応するという観点から、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、2μm以上35μm以下であることがさらにより好ましく、3μm以上32μm以下であることが特に好ましい。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
[はんだ組成物の製造方法]
本実施形態のはんだ組成物は、上記説明したフラックス組成物と上記説明した(D)はんだ粉末とを上記所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
[電子基板]
次に、本実施形態の電子基板について説明する。本実施形態の電子基板は、以上説明したはんだ組成物を用いたはんだ付け部を備えることを特徴とするものである。本発明の電子基板は、前記はんだ組成物を用いて電子部品を電子基板(プリント配線基板など)に実装することで製造できる。
前述した本実施形態のはんだ組成物は、ぬれ性が優れている。そのため、電子部品としては、電極端面がぬれ上がりにくい電子部品(例えば、QFN)を用いてもよい。
ここで用いる塗布装置としては、スクリーン印刷機、メタルマスク印刷機、ディスペンサー、およびジェットディスペンサーなどが挙げられる。
また、前記塗布装置にて塗布したはんだ組成物上に電子部品を配置し、リフロー炉により所定条件にて加熱して、前記電子部品をプリント配線基板に実装するリフロー工程により、電子部品を電子基板に実装できる。
リフロー工程においては、前記はんだ組成物上に前記電子部品を配置し、リフロー炉により所定条件にて加熱する。このリフロー工程により、電子部品およびプリント配線基板の間に十分なはんだ接合を行うことができる。その結果、前記電子部品を前記プリント配線基板に実装することができる。
リフロー条件は、はんだの融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、プリヒート温度は、140℃以上200℃以下であることが好ましく、150℃以上160℃以下であることがより好ましい。プリヒート時間は、60秒間以上120秒間以下であることが好ましい。ピーク温度は、230℃以上270℃以下であることが好ましく、240℃以上255℃以下であることがより好ましい。また、220℃以上の温度の保持時間は、20秒間以上60秒間以下であることが好ましい。
また、本実施形態のはんだ組成物および電子基板は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
例えば、前記電子基板では、リフロー工程により、プリント配線基板と電子部品とを接着しているが、これに限定されない。例えば、リフロー工程に代えて、レーザー光を用いてはんだ組成物を加熱する工程(レーザー加熱工程)により、プリント配線基板と電子部品とを接着してもよい。この場合、レーザー光源としては、特に限定されず、金属の吸収帯に合わせた波長に応じて適宜採用できる。レーザー光源としては、例えば、固体レーザー(ルビー、ガラス、YAGなど)、半導体レーザー(GaAs、およびInGaAsPなど)、液体レーザー(色素など)、並びに、気体レーザー(He-Ne、Ar、CO、およびエキシマーなど)が挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
((A)成分)
ロジン系樹脂:水添酸変性ロジン、商品名「パインクリスタルKE-604」、荒川化学工業社製
((B)成分)
有機酸A:アジピン酸
有機酸B:ドデカン二酸
有機酸C:マロン酸
有機酸D:ダイマー酸、商品名「UNIDYME14」、丸善油化商事社製
((C)成分)
イミダゾール化合物A:2,4-ジフェニルイミダゾール(水に難溶、20℃における水への溶解度10g/L未満)
イミダゾール化合物B:4,5-ジフェニルイミダゾール(水に難溶)
イミダゾール化合物C:2,4,5-トリフェニルイミダゾール(水に難溶)
(他の成分)
イミダゾール化合物D:2-エチル-4-メチルイミダゾール(20℃における水への溶解度94g/L)
溶剤:ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル(2-エチルヘキシルジグリコール(EHDG)、沸点:272℃)、日本乳化剤社製
酸化防止剤:ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、商品名「ANOX20」、白石カルシウム社製
チクソ剤A:商品名「ターレンVA-79」、共栄社化学社製
チクソ剤B:商品名「ヒマコウ」、ケイエフ・トレーディング社製
((D)成分)
はんだ粉末:合金組成はSn-3.0Ag-0.5Cu、粒子径分布は20~38μm(IPC-J-STD-005Aのタイプ4に相当)、はんだ融点は217~220℃
[実施例1]
ロジン系樹脂39質量%、有機酸A2質量%、有機酸B10質量%、有機酸C0.5質量%、有機酸D5質量%、イミダゾール化合物A3質量%、溶剤30.5質量%、酸化防止剤4質量%、チクソ剤A4質量%、およびチクソ剤B2質量%を容器に投入し、プラネタリーミキサーを用いて混合してフラックス組成物を得た。
その後、得られたフラックス組成物11質量%、溶剤0.5質量%およびはんだ粉末88.5質量%(合計で100質量%)を容器に投入し、プラネタリーミキサーにて混合することではんだ組成物を調製した。
[実施例2~4]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。
[比較例1~3]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。
<はんだ組成物の評価>
はんだ組成物の評価(QFN端面ぬれ上がり、保管時の粘度安定性)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)QFN端面ぬれ上がり
QFN部品を搭載できる基板(タムラ製作所社製の「SP-TDC」)に、120μm厚のメタルマスクを使用して、はんだ組成物を印刷し、0.5mmピッチのQFN部品を搭載し、リフロー炉(タムラ製作所社製)で、はんだ組成物を溶解させて、はんだ付けを行って、評価用基板を得た。なお、リフロー条件は、大気リフローで、プリヒート温度が180~200℃(約85秒間)であり、温度220℃以上の時間が約20秒間であり、ピーク温度が237℃である。
次に、得られた評価用基板において、QFN部品のCu端面へのぬれ上がり率[(ぬれ上がった部分の高さ/Cu端面の高さ)×100]を測定した。そして、このぬれ上がり率に基づいて、下記の基準に従って、QFN端面ぬれ上がりを評価した。
◎:ぬれ上がり率が、80%以上である。
○:ぬれ上がり率が、60%以上80%未満である。
△:ぬれ上がり率が、40%以上60%未満である。
×:ぬれ上がり率が、40%未満である。
(2)保管時の粘度安定性
JIS Z 3284-3(2014)の記載に準拠して、保管時の粘度安定性を評価した。具体的には、まず、はんだ組成物を試料として、粘度を測定する。その後、試料を密封容器に入れ、温度30℃の恒温槽に投入し、14日間保管し、保管した試料の粘度を測定する。そして、保管前の粘度値(η1)に対する、温度30℃にて14日間保管後の粘度値(η2)との粘度変化率[{(η2-η1)/(η1)}×100]を求める。
そして、粘度変化率の結果に基づいて下記の基準に従って、保管時の粘度安定性を評価した。
◎:粘度変化率が、-5%以上5%以下である。
○:粘度変化率が、-10%以上-5%未満、或いは、5%超10%以下である。
△:粘度変化率が、-15%以上-10%未満、或いは、10%超15%以下である。
×:粘度変化率が、-15%未満、或いは、15%超である。
Figure 2022146449000003
表1に示す結果からも明らかなように、本発明のはんだ組成物(実施例1~4)は、QFN端面ぬれ上がり、および、保管時の粘度安定性の全ての結果が良好であることが確認された。なお、実施例1~4のはんだ組成物には、ハロゲン系活性剤が配合されていないので、ノンハロゲンタイプのはんだ組成物である。
従って、本発明のはんだ組成物によれば、ハロゲンフリーまたはノンハロゲンタイプであるにも拘わらず、ぬれ性と保管時の粘度安定性の両方が優れることが確認された。
本発明のはんだ組成物は、電子機器のプリント配線基板などの電子基板に電子部品を実装するための技術として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. (A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、および(C)一分子中に、置換または無置換のフェニル基を2つ以上有するイミダゾール化合物を含有するフラックス組成物と、(D)はんだ粉末とを含有する、はんだ組成物。
  2. 請求項1に記載のはんだ組成物において、
    前記(C)成分の20℃における水への溶解度が、10g/L以下である、
    はんだ組成物。
  3. 請求項1に記載のはんだ組成物において、
    前記(C)成分が、下記一般式(1)および下記一般式(2)のいずれかで表されるイミダゾール化合物である、
    はんだ組成物。
    Figure 2022146449000004
    (前記一般式(1)および前記一般式(2)において、RおよびRは、独立して、メチル基またはエチル基であり、aは、0、1または2であり、bは、0、1または2であり、Xは、水素、メチル基、エチル基、或いは、置換または無置換のフェニル基である。)
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のはんだ組成物を用いたはんだ付け部を備える、電子基板。
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