JP2022055139A - フラックス組成物、はんだ組成物および電子基板 - Google Patents

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Nobuhiro Yamashita
慎二 吉澤
Shinji Yoshizawa
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Abstract

【課題】微小面積における溶融性に優れ、かつ、柔軟性に優れるフラックス組成物、はんだ組成物、及び電子基板を提供する。【解決手段】本発明のフラックス組成物は、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、及び(C)無水マレイン酸変性ポリブタジエンを含有することを特徴とする。前記(C)成分の酸価が、18~200mgKOH/gであり、数平均分子量が、2000以上20000以下である。はんだ組成物は、前記フラックス組成物と(E)はんだ粉末とを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、フラックス組成物、はんだ組成物および電子基板に関する。
はんだ組成物は、はんだ粉末にフラックス組成物(ロジン系樹脂、活性剤および溶剤などを含む組成物)を混練してペースト状にした混合物である。このはんだ組成物においては、はんだ溶融性やはんだが濡れ広がりやすいという性質(はんだ濡れ広がり)などのはんだ付け性が要求されている。そして、これらの要求に対応するために、フラックス組成物中の活性剤などの検討がされている(例えば、特許文献1)。
一方で、スマートフォンなどのモバイル端末は、小型化および多機能化が進んでいる。これらに使用される電子部品も微細化している。このような電子部品の微小面積のランドを少量のはんだ組成物で接合させる必要がある。また、はんだ組成物は、大型基板でも使用される。この大型基板ではんだ組成物を使用する場合には、フラックス組成物中の溶剤が揮発しやすくなり、フラックス残さの割れや、フラックス残さ中の泡残りといった問題が発生しやすい。そこで、フラックス組成物には、柔軟性が求められる。このように、電子部品の微細化に対応しつつ、大型基板にも対応できるはんだ組成物が求められている。
特開2013-169557号公報
本発明は、微小面積における溶融性に優れ、かつ、柔軟性に優れるフラックス組成物、並びに、はんだ組成物および電子基板を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、および(C)無水マレイン酸変性ポリブタジエンを含有するフラックス組成物が提供される。
本発明の一態様に係るフラックス組成物においては、前記(C)成分の酸価が、18mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、前記(C)成分の数平均分子量が、2000以上20000以下であることが好ましい。
本発明の一態様によれば、前記本発明の一態様に係るフラックス組成物と、(E)はんだ粉末とを含有するはんだ組成物が提供される。
本発明の一態様によれば、前記本発明の一態様に係るはんだ組成物を用いたはんだ付け部を備える電子基板が提供される。
本発明によれば、微小面積における溶融性に優れ、かつ、柔軟性に優れるフラックス組成物、並びに、はんだ組成物および電子基板を提供できる。
[フラックス組成物]
まず、本実施形態のフラックス組成物について説明する。本実施形態のフラックス組成物は、はんだ組成物におけるはんだ粉末以外の成分であり、以下説明する(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、および(C)無水マレイン酸変性ポリブタジエンを含有するものである。
[(A)成分]
本実施形態に用いる(A)ロジン系樹脂としては、ロジン類およびロジン系変性樹脂が挙げられる。また、(A)成分は、ロジン類などをエステル化したロジンエステルであってもよい。ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジンおよびトール油ロジンなどが挙げられる。ロジン系変性樹脂としては、不均化ロジン、重合ロジン、水素添加ロジンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。水素添加ロジンとしては、完全水添ロジン、部分水添ロジン、並びに、不飽和有機酸((メタ)アクリル酸などの脂肪族の不飽和一塩基酸、フマル酸、マレイン酸などのα,β-不飽和カルボン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、桂皮酸などの芳香族環を有する不飽和カルボン酸など)の変性ロジンである不飽和有機酸変性ロジンの水素添加物(「水添酸変性ロジン」ともいう)などが挙げられる。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(A)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、20質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。(A)成分の配合量が前記下限以上であれば、はんだ付ランドの銅箔面の酸化を防止してその表面に溶融はんだを濡れやすくする、いわゆるはんだ付け性を向上でき、はんだボールを十分に抑制できる。また、(A)成分の配合量が前記上限以下であれば、フラックス残さ量を十分に抑制できる。
[(B)成分]
本実施形態に用いる(B)活性剤は、(B1)有機酸を含有し、さらに、(B2)ピリジン化合物を含有することが好ましい。これらの成分により、ハロゲン系活性剤を用いずとも、粘度安定性を維持しつつ、ぬれ性を向上できる。
(B1)成分としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸などの他に、その他の有機酸が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、およびグリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、およびジグリコール酸などが挙げられる。これらの中でも、はんだ付け性の観点から、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などが好ましい。
微小面積における溶融性の向上の観点から好ましい有機酸としては、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、および1,4-ジヒドロキシ-2-ナフトエ酸などが挙げられる。これらの中でも、はんだ溶融性の観点から、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸が好ましい。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、トリマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、およびピコリン酸などが挙げられる。これらの中でも、フラックス組成物の柔軟性の観点から、ダイマー酸、およびトリマー酸が好ましい。
(B1)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上15質量%以下であることが特に好ましい。
(B2)成分としては、4-ヒドロキシピリジン、2,6-ジヒドロキシピリジン、3,5-ジヒドロキシピリジン、2,4,6-トリヒドロキシピリジン、3,4,5-トリヒドロキシピリジン、2,6-ジメチル-4-ヒドロキシピリジン、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシピリジン、2,6-ジエチル-4-ヒドロキシピリジン、3,5-ジエチル-4-ヒドロキシピリジン、2,6-ジプロピル-4-ヒドロキシピリジン、および3,5-ジプロピル-4-ヒドロキシピリジンなどが挙げられる。これらの中でも、4-ヒドロキシピリジンがより好ましい。これらの(B2)成分は、他のアミン類と異なり、(B1)成分と併用しても、はんだ組成物の保存安定性をほとんど低下させない傾向がある。
(B2)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることが特に好ましい。
(B)成分は、本発明の課題を達成できる範囲において、(B1)成分および(B2)成分以外に、その他の活性剤((B3)ハロゲン系活性剤、および(B4)有機酸アミンなど)をさらに含有してもよい。
(B)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、3質量%以上35質量%以下であることが好ましく、5質量%以上22質量%以下であることがより好ましく、7質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。(B)成分の配合量が前記下限以上であれば、活性作用を向上できる傾向にあり、他方、前記上限以下であれば、フラックス組成物の絶縁性を維持できる傾向にある。
[(C)成分]
本実施形態に用いる(C)無水マレイン酸変性ポリブタジエンは、ポリブタジエンを無水マレイン酸で変性したものである。この(C)成分によれば、微小面積における溶融性を向上できるだけでなく、さらに、フラックス組成物の柔軟性も向上できる。
(C)成分の酸価は、微小面積における溶融性の観点から、18mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましく、20mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることがより好ましく、25mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
(C)成分の数平均分子量は、2000以上20000以下であることが好ましく、2000以上10000以下であることがより好ましく、2500以上5000以下であることが特に好ましい。
(C)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上8質量%以下であることが特に好ましい。(C)成分の配合量が前記下限以上であれば、微小面積における溶融性を向上でき、また、フラックス組成物の柔軟性も向上できる。他方、(C)成分の配合量が前記上限以下であれば、フラックス残さにベタツキが発生するなどの問題は発生しない。
[(D)成分]
本実施形態のフラックス組成物においては、はんだ溶融性などの観点から、さらに(D)酸化防止剤を含有することが好ましい。ここで用いる酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を適宜用いることができる。酸化防止剤としては、硫黄化合物、ヒンダードフェノール化合物、およびホスファイト化合物などが挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール化合物が好ましい。
ヒンダードフェノール化合物としては、ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)]、N,N’-ビス[2-[2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)エチルカルボニルオキシ]エチル]オキサミド、および、N,N’-ビス{3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル}ヒドラジンなどが挙げられる。
(D)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上6質量%以下であることが特に好ましい。(D)成分の配合量が前記範囲内であれば、はんだ溶融性を向上できる。
[溶剤]
本実施形態のフラックス組成物においては、印刷性などの観点から、さらに溶剤を含有することが好ましい。ここで用いる溶剤としては、公知の溶剤を適宜用いることができる。このような溶剤としては、沸点170℃以上の溶剤を用いることが好ましい。
このような溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキシルジグリコール、1,5-ペンタンジオール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、2-エチルヘキシルジグリコール、オクタンジオール、フェニルグリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(MTEM)、およびジブチルマレイン酸などが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
溶剤を用いる場合、その配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、10質量%以上60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。溶剤の配合量が前記範囲内であれば、得られるはんだ組成物の粘度を適正な範囲に適宜調整できる。
[チクソ剤]
本実施形態のフラックス組成物においては、印刷性などの観点から、さらにチクソ剤を含有することが好ましい。ここで用いるチクソ剤としては、硬化ひまし油、アミド類、カオリン、コロイダルシリカ、有機ベントナイト、およびガラスフリットなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
チクソ剤の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上12質量%以下であることがより好ましい。配合量が前記下限未満では、チクソ性が得られず、ダレが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、チクソ性が高すぎて、印刷不良となりやすい傾向にある。
[他の成分]
本実施形態のフラックス組成物には、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、溶剤、およびチクソ剤の他に、必要に応じて、その他の添加剤、更には、その他の樹脂を加えることができる。その他の添加剤としては、消泡剤、改質剤、つや消し剤、および発泡剤などが挙げられる。これらの添加剤の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。その他の樹脂としては、アクリル系樹脂などが挙げられる。
[はんだ組成物]
次に、本実施形態のはんだ組成物について説明する。本実施形態のはんだ組成物は、前述の本実施形態のフラックス組成物と、以下説明する(E)はんだ粉末とを含有するものである。
フラックス組成物の配合量は、はんだ組成物100質量%に対して、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、7質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上12質量%以下であることが特に好ましい。フラックス組成物の配合量が5質量%未満の場合(はんだ粉末の配合量が95質量%を超える場合)には、バインダーとしてのフラックス組成物が足りないため、フラックス組成物とはんだ粉末とを混合しにくくなる傾向にあり、他方、フラックス組成物の配合量が35質量%を超える場合(はんだ粉末の配合量が65質量%未満の場合)には、得られるはんだ組成物を用いた場合に、十分なはんだ接合を形成できにくくなる傾向にある。
[(E)成分]
本発明に用いる(E)はんだ粉末は、鉛フリーはんだ粉末のみからなることが好ましいが、有鉛のはんだ粉末であってもよい。また、このはんだ粉末におけるはんだ合金は、スズ(Sn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、インジウム(In)、ビスマス(Bi)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)およびゲルマニウム(Ge)からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
このはんだ粉末におけるはんだ合金としては、スズを主成分とする合金が好ましい。また、このはんだ合金は、スズ、銀および銅を含有することがより好ましい。さらに、このはんだ合金は、添加元素として、アンチモン、ビスマスおよびニッケルのうちの少なくとも1つを含有してもよい。本実施形態のフラックス組成物によれば、アンチモン、ビスマスおよびニッケルなどの酸化しやすい添加元素を含むはんだ合金を用いた場合でも、ボイドの発生を抑制できる。
ここで、鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末のことをいう。ただし、鉛フリーはんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合に、鉛の量は、300質量ppm以下であることが好ましい。
鉛フリーのはんだ粉末の合金系としては、具体的には、Sn-Ag-Cu系、Sn-Cu系、Sn-Ag系、Sn-Bi系、Sn-Ag-Bi系、Sn-Ag-Cu-Bi系、Sn-Ag-Cu-Ni系、Sn-Ag-Cu-Bi-Sb系、Sn-Ag-Bi-In系、Sn-Ag-Cu-Bi-In-Sb系などが挙げられる。
(E)成分の平均粒子径は、通常1μm以上40μm以下であるが、はんだ付けパッドのピッチが狭い電子基板にも対応するという観点から、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、2μm以上35μm以下であることがさらにより好ましく、3μm以上32μm以下であることが特に好ましい。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
[はんだ組成物の製造方法]
本実施形態のはんだ組成物は、上記説明したフラックス組成物と上記説明した(E)はんだ粉末とを上記所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
[電子基板]
次に、本実施形態の電子基板について説明する。本実施形態の電子基板は、以上説明したはんだ組成物を用いたはんだ付け部を備えることを特徴とするものである。本発明の電子基板は、前記はんだ組成物を用いて電子部品を電子基板(プリント配線基板など)に実装することで製造できる。
前述した本実施形態のはんだ組成物は、微小面積における溶融性に優れ、かつ、フラックス組成物の柔軟性に優れる。そのため、電子部品の微細化に対応しつつ、大型基板にも対応できる。
ここで用いる塗布装置としては、スクリーン印刷機、メタルマスク印刷機、ディスペンサー、およびジェットディスペンサーなどが挙げられる。
また、前記塗布装置にて塗布したはんだ組成物上に電子部品を配置し、リフロー炉により所定条件にて加熱して、前記電子部品をプリント配線基板に実装するリフロー工程により、電子部品を電子基板に実装できる。
リフロー工程においては、前記はんだ組成物上に前記電子部品を配置し、リフロー炉により所定条件にて加熱する。このリフロー工程により、電子部品およびプリント配線基板の間に十分なはんだ接合を行うことができる。その結果、前記電子部品を前記プリント配線基板に実装することができる。
リフロー条件は、はんだの融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、プリヒート温度は、140℃以上200℃以下であることが好ましく、150℃以上160℃以下であることがより好ましい。プリヒート時間は、60秒間以上120秒間以下であることが好ましい。ピーク温度は、230℃以上270℃以下であることが好ましく、240℃以上255℃以下であることがより好ましい。また、220℃以上の温度の保持時間は、20秒間以上60秒間以下であることが好ましい。
また、本実施形態のはんだ組成物および電子基板は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
例えば、前記電子基板では、リフロー工程により、プリント配線基板と電子部品とを接着しているが、これに限定されない。例えば、リフロー工程に代えて、レーザー光を用いてはんだ組成物を加熱する工程(レーザー加熱工程)により、プリント配線基板と電子部品とを接着してもよい。この場合、レーザー光源としては、特に限定されず、金属の吸収帯に合わせた波長に応じて適宜採用できる。レーザー光源としては、例えば、固体レーザー(ルビー、ガラス、YAGなど)、半導体レーザー(GaAs、およびInGaAsPなど)、液体レーザー(色素など)、並びに、気体レーザー(He-Ne、Ar、CO、およびエキシマーなど)が挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
((A)成分)
ロジン系樹脂:水添酸変性ロジン、商品名「パインクリスタルKE-604」、荒川化学工業社製
ロジンエステル:ロジンエステル、商品名「ハリタック F-85」、ハリマ化成社製
((B1)成分)
有機酸A:コハク酸
有機酸B:3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸
有機酸C:ダイマー酸、商品名「UNIDYME14」、アリゾナケミカル社製
((B2)成分)
ピリジン化合物:4-ヒドロキシピリジン
((C)成分)
無水マレイン酸変性ポリブタジエンA:酸価46mgKOH/g、数平均分子量2700、商品名「RICON 130MA8」、クレイバレー社製
無水マレイン酸変性ポリブタジエンB:酸価74mgKOH/g、数平均分子量2900、商品名「RICON 130MA13」、クレイバレー社製
無水マレイン酸変性ポリブタジエンC:酸価120mgKOH/g、数平均分子量3100、商品名「RICON 130MA20」、クレイバレー社製
無水マレイン酸変性ポリブタジエンD:酸価29mgKOH/g、数平均分子量4700、商品名「RICON 131MA5」、クレイバレー社製
無水マレイン酸変性ポリブタジエンE:酸価97mgKOH/g、数平均分子量2500、商品名「RICON 156MA17」、クレイバレー社製
無水マレイン酸変性ポリブタジエンF:酸価20mgKOH/g、数平均分子量2500、商品名「RICON 142MA3」、クレイバレー社製
((D)成分)
酸化防止剤:ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)]、商品名「イルガノックス245」、BASFジャパン社製
(他の成分)
ポリブタジエン:水素化ポリブタジエン、商品名「BI-2000」、日本曹達社製
溶剤A:ヘキシルジグリコール
溶剤B:テトラエチレングリコールジメチルエーテル、商品名「ハイソルブMTEM」、東邦化学工業社製
チクソ剤:商品名「スリパックスH」、日本化成社製
((E)成分)
はんだ粉末:合金組成はSn-3.0Ag-0.5Cu、粒子径分布は15~25μm、はんだ融点は217~220℃
[実施例1]
ロジン系樹脂44質量%、有機酸A2.5質量%、有機酸B4質量%、ピリジン化合物3.5質量%、無水マレイン酸変性ポリブタジエンA2質量%、溶剤A10質量%、溶剤B21質量%、酸化防止剤5質量%、およびチクソ剤8質量%を容器に投入し、プラネタリーミキサーを用いて混合してフラックス組成物を得た。
その後、得られたフラックス組成物11質量%、溶剤A0.8質量%およびはんだ粉末88.2質量%(合計で100質量%)を容器に投入し、プラネタリーミキサーにて混合することではんだ組成物を調製した。
[実施例2~9]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。
[比較例1~5]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。
<はんだ組成物の評価>
はんだ組成物の評価(微小ランドの溶融性、フラックス残さの割れ、フラックス残さ中の泡)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)微小ランドの溶融性
基板上に、厚み0.08mmのメタルマスクを用いて、はんだ組成物を印刷した。なお、直径が0.24mm、0.22mm、および0.20mmの銅箔パッドの試験パターン各100個を印刷した。その後、プリヒート温度を150~200℃で120秒間、220℃以上の保持時間を100秒間、ピーク温度を250℃とする条件でリフローを行い、試験基板を作製した。試験基板を顕微鏡にて観察して、最小溶融パッドの直径(単位:mmφ)を測定した。直径が小さいほど、溶融性が優れる。
(2)フラックス残さの割れ
微小ランドの溶融性の試験基板のパッドについて、フラックス残さおよびスリット部分の残さを、顕微鏡を用いて観察した。そして、下記の基準に従って、フラックス残さの割れを評価した。
○:リフロー後のフラックス残さに割れが発生していない。
△:リフロー後のフラックス残さに若干細かい割れが発生した。
×:リフロー後のフラックス残さに割れが発生した。
(3)フラックス残さ中の泡
紙フェノール基板上に、厚み0.2mmのメタルマスクを用いて、はんだ組成物を印刷した。なお、直径が2.5mmの銅箔パッドの試験パターンを印刷した。その後、プリヒート温度を150~200℃で120秒間、220℃以上の保持時間を100秒間、ピーク温度を250℃とする条件でリフローを行い、試験基板を作製した。試験基板を顕微鏡にて観察した。そして、下記の基準に従って、フラックス残さ中の泡を評価した。なお、紙フェノール基板は、基材中の不揮発分により、泡が特に発生しやすい基板である。
○:小さな泡が、パッドの円に沿って僅かに発生している。
△:小さな泡が、同心円状に断続的に、発生している。
×:大小様々な大きさの泡が、大量に発生している。
Figure 2022055139000001
表1に示す結果からも明らかなように、本発明のはんだ組成物(実施例1~9)は、微小ランドの溶融性、フラックス残さの割れ、およびフラックス残さ中の泡の全ての結果が良好であることが確認された。
従って、本発明のはんだ組成物によれば、微小面積における溶融性に優れ、かつ、フラックス組成物の柔軟性に優れることが確認された。
本発明のはんだ組成物は、電子機器のプリント配線基板などの電子基板に電子部品を実装するための技術として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. (A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、および(C)無水マレイン酸変性ポリブタジエンを含有する、
    フラックス組成物。
  2. 請求項1に記載のフラックス組成物において、
    前記(C)成分の酸価が、18mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、
    前記(C)成分の数平均分子量が、2000以上20000以下である、
    フラックス組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のフラックス組成物と、(E)はんだ粉末とを含有する、
    はんだ組成物。
  4. 請求項3に記載のはんだ組成物を用いたはんだ付け部を備える、電子基板。
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