JP2022146422A - 温熱具用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】肌への追随性が高く、炭酸ガス透過度が優れ、さらに使用者の首に掛けて用いたときに安定して密着させ易い温熱具を得ることが可能な温熱具用容器を提供する。【解決手段】温熱具用容器100は、使用者の首に掛けて用いられる温熱具用の容器であり、積層樹脂フィルムにより形成された可撓性の筒本体部31と、この筒本体部31に接続された、開閉可能に構成されて筒本体部31を密閉可能な注入口部11と、を備える。この注入口部11から温水および炭酸ガス発生剤、あるいは炭酸ガス含有温水を筒本体部31に内封して、使用者の首に掛けて用いられる温熱具とすることができ、さらに、この温熱具に内封された炭酸ガス含有温水を注入口部11から交換して用いること、つまり温熱具として繰り返し使用することも可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、使用者の首に掛けて用いられる温熱具用容器、ならびに、この温熱具用容器と炭酸ガス発生剤包装品とを備える温熱具セットに関する。
従来から、炭酸ガスの血行促進作用を利用した入浴剤が広く使用されている。この入浴剤は、例えば炭酸塩、有機酸などが配合されており、温水中に混合溶解することによって炭酸ガスが発生する。そして、使用者が、このようにして発生した炭酸ガスを含む温水中に入る(温浴する)ことによって温感作用を得ることができるとともに、この炭酸ガスが肌(皮膚)から浸透して血管を広げ、血行促進を図ることができる。
また、皮膚や粘膜に持続的に炭酸ガス(二酸化炭素)を供給して損傷修復などを行うものとして、身体に貼付して使用する袋状容器が知られている(特許文献1)。この袋状容器は、炭酸水を含む吸水性物質などの二酸化炭素供給部と患部との間に二酸化炭素透過率が1千~10万cm2/m2・day・atmの気体透過性素材を配した構成であり、皮膚・粘膜に湿布材基材および添加剤成分が直接接触しないので、衛生的かつ刺激性が少ないとされている。
特開2002-326938号公報
しかしながら、入浴剤を使用する場合には温浴が必要であり、使用場所が浴室などに制限されるという課題がある。
一方、特許文献1に記載の袋状容器は、使用場所は制限されない可能性が高いが、温感作用を得ることはできず、さらに、この袋状容器は身体に貼付して使用するものであるが、接触させる肌(皮膚)へのミクロレベルでの追随性については考慮されていない。
また、炭酸ガス含有温水が内封された可撓性の容器を温熱具として首に掛けて使用する場合、通常、温熱具を安定して首などに密着させることが難しく、温感作用や血行促進作用が十分に得られない場合が多い。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、肌への追随性が高く、炭酸ガス透過度が優れ、さらに使用者の首に掛けて用いたときに安定して密着させ易い温熱具を得ることが可能な温熱具用容器、ならびに、この温熱具用容器と炭酸ガス発生剤包装品とを備える温熱具セットに関する。
本発明は、積層樹脂フィルムにより形成された可撓性の筒本体部と、この筒本体部に接続された、開閉可能に構成されて筒本体部を密閉可能な注入口部と、を備える、使用者の首に掛けて用いられる温熱具用の容器であって、この積層樹脂フィルムは非透水性であり、さらに、少なくとも筒本体部における使用者の肌と当接し得る領域を形成している積層樹脂フィルムは、JIS K7126-1に準じて23℃および相対湿度0%の条件で測定される炭酸ガス透過度が10L/(m2・day・atm)以上1,000,000L/(m2・day・atm)以下であり、且つ、この領域を形成している積層樹脂フィルムは最外層に粘弾性フィルム層を含み、この粘弾性フィルム層が、40℃における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδの値が1.0以上である動的粘弾性を有し、上記筒本体部は、注入口部の両側に向かって2股に分岐した2つの分岐筒部を備え、湾曲または屈曲している、温熱具用容器に関する。
本発明によれば、肌への追随性が高く、炭酸ガス透過度が優れ、さらに使用者の首に掛けて用いたときに首から肩、胸元にかけて安定して密着させ易い温熱具を得ることができる温熱具用容器を提供することができる。そして、この温熱具用容器を用いて得られた温熱具を使用者が首に掛けて用いることにより、高い温感作用および血行促進作用を得ることができる。
本実施形態に係る温熱具用容器の正面図である。 図1の温熱具用容器に炭酸ガス含有温水が内封されて得られた温熱具を示す正面図である。 本実施形態に係る温熱具用容器の変形例に炭酸ガス含有温水が内封されて得られた温熱具を示す正面図である。 本実施形態に係る温熱具用容器の他の変形例に炭酸ガス含有温水が内封されて得られた温熱具を示す正面図である。 本実施形態に係る温熱具用容器の他の変形例に炭酸ガス含有温水が内封されて得られた温熱具を示す正面図である。 本実施形態に係る温熱具用容器の他の変形例に炭酸ガス含有温水が内封されて得られた温熱具を示す正面図である。 図5の温熱具を首に掛けて用いた例の模式図である。 本実施形態に係る温熱具用容器の筒本体部を形成している積層樹脂フィルムの断面を拡大して示した拡大断面図である。 実験例2において取得した凹凸3D画像である(図面代用写真)。左から順に、コントロール、サンプル1、サンプル3、サンプル4の凹凸3D画像である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。また、一部の図面については、便宜上、符号を付していない(省略している)箇所がある。さらに、図面に示された各部材の寸法比率は、発明の理解を容易にするために、実際の寸法比率とは異なる場合がある。
〔全体構成〕
図1~7を用いて本実施形態に係る温熱具用容器100の全体構成について説明する。なお、図1は、内部に炭酸ガス含有温水等が注入される前の本実施形態に係る温熱具用容器100を示す図であり、図2~6は、本実施形態に係る温熱具用容器100に炭酸ガス含有温水が内封されて得られた温熱具を示す図である。また、図7は、本実施形態に係る温熱具用容器100に炭酸ガス含有温水が内封されて得られた温熱具を首に掛けて用いた例を示す模式図である。
本実施形態に係る温熱具用容器100は、図1に示すような、使用者の首に掛けて用いられる温熱具用の容器であり、積層樹脂フィルム25により形成された可撓性の筒本体部31と、この筒本体部31に接続された、開閉可能に構成されて筒本体部31を密閉可能な注入口部11と、を備える。そして、この注入口部11から温水および炭酸ガス発生剤、あるいは炭酸ガス含有温水を筒本体部31に内封して、例えば図7に示すような使用者の首に掛けて用いられる温熱具とすることができ、さらに、この温熱具に内封された炭酸ガス含有温水を注入口部11から交換して用いること、つまり温熱具として繰り返し使用することも可能である。そして、この筒本体部31は、注入口部11の両側に向かって2股に分岐した2つの分岐筒部31-1を備え、湾曲または屈曲している。これにより、使用者の首に掛けて安定させて用いるのに適した温熱具とすることができる。なお、図1~3、図5~6は湾曲している筒本体部31を備える実施形態の例であり、図4は屈曲している筒本体部31を備える実施形態の例である。
ここで、この「使用者の首に掛けて用いられる」とは、温熱具が、使用者の首を跨いで両側に掛けて用いられることであり、例えば、首から肩、胸元に沿って掛けて用いられる態様なども包含される。したがって、この温熱具を首に掛けて用いたときには、温熱具が首以外の領域(例えば肩や胸元など)にも接触する場合がある。以下においても同様である。
<筒本体部>
まず、筒本体部31の構成について詳細に説明する。なお、筒本体部31を形成している積層樹脂フィルム25の構成については後述する。
筒本体部31は、温水または炭酸ガス含有温水を内封することができる内部空間を有する筒形状の部材であり、つまり温熱具としたときの本体となる部材である。そして、この筒本体部31は、注入口部11の両側に向かって2股に分岐した2つの分岐筒部31-1を備え、湾曲または屈曲している。このような構成であることにより、温熱具としたときに、図7に示すように、炭酸ガス含有温水が内封された筒本体部31の2つの分岐筒部31-1が首を跨ぐようにして首の両側に掛けて使用することができ、温熱具を首から肩、胸元にかけて安定して密着させることが可能となる。
例えば、限定されるものではないが、この筒本体部31は、その端部どうしが離間している実施形態であっても良い。具体的には、図1~3、図6に示すような筒本体部31が略U字形状に湾曲している構成、図4に示すような筒本体部31が略V字形状あるいは略Y字形状に屈曲している構成などが示される。また、筒本体部31は、その端部どうしが接触するように湾曲または屈曲して閉環している実施形態であっても良い。具体的には、図5に示すような筒本体部31がその端部が接触するように略O字形状に湾曲している構成などが示される。これらは、筒本体部31に温水または炭酸ガス含有温水が内封されていない2次元的な状態においてだけでなく、筒本体部31に温水または炭酸ガス含有温水が満水に内封され、且つ平置きされた状態においてもこのような形状となる実施形態であるのが好ましい。このような構成であると、温熱具としたときに、首に掛けて安定して使用し易く、且つ首回りや肩の鎖骨周辺などに沿って密着させ易い。
なお、上記した筒本体部31の端部どうしが接触するように湾曲または屈曲して閉環している実施形態には、筒本体部31の内部空間が周回状に連通している実施形態は包含されない。また、本実施形態に係る温熱具用容器100には、筒本体部31が湾曲も屈曲もしていない(筒本体部31の長手方向が直筒状である)ものも包含されない。いずれも、温熱具としたときに首に掛けて用いることが難しいからである。
また、この筒本体部31は、温水または炭酸ガス含有温水を内封したときの内部空間の短手方向の断面が円形となる構成であるのが好ましい。温熱具として首に掛けて用いたときに、首回りおよび肩の鎖骨周辺の両方に当接させて密着させ易いからである。
ここで、この「円形」とは、略円形の意味であり、上記断面の形状が完全な円だけでなく、長径を短径で除した値が2以下、さらには1.5以下の円形(例えば楕円形など)である実施形態も包含される。
そして、この筒本体部31は、例えば図2~3、図6に示すように、少なくとも筒本体部31に温水または炭酸ガス含有温水が内封された状態において、2つの分岐筒部31-1がその端部(両方の端部)に向かって互いに近づくように形成されていると好適である。さらに、2つの分岐筒部31-1は、図5に示すように、その端部どうしが接触するように形成されていても良い。首に掛けた温熱具をより安定させ易いからである。なお、これは、本実施形態に係る温熱具用容器100に温水または炭酸ガス含有温水が満水に内封され、且つ平置きされた状態での形状を意味している。
さらに、このように温水または炭酸ガス含有温水が内封された状態において2つの分岐筒部31-1がその端部に向かって互いに近づくように形成されている筒本体部31は、例えば図1に示すように、筒本体部31に温水または炭酸ガス含有温水が注入される前においては、2つの分岐筒部31-1の端部が平行となっていると好適である。例えば、図1に示すような形状の温熱具用容器100であると、2つの分岐筒部31-1の端部が平行となっている筒本体部31に温水または炭酸ガス含有温水が内封されることにより、筒本体部31の湾曲している領域の湾曲外周側と湾曲内周側との間隔が狭まり、湾曲外周の変形量と湾曲内周の変形量との差によって、上記したような2つの分岐筒部31-1がその端部に向かって互いに近づくような形状となり易い。
ここで、この「平行」とは、略平行の意味であり、2つの分岐筒部31-1(筒本体部31)の中心線40が完全に平行となる状態だけでなく、2つの分岐筒部31-1の中心線40のうち一方の中心線40を基準としたときに、この基準となる中心線40と完全に平行となるもう一方の分岐筒部31-1の仮想の中心線と、その分岐筒部31-1の実際の中心線の末端(端部側の末端)との間の最短距離が筒本体部31の内径(幅方向の長さ)の半分未満である状態まで包含される。
なお、この分岐筒部31-1(筒本体部31)の中心線40は、筒本体部31に温水または炭酸ガス含有温水が内封されていない2次元的な状態においては、図1の2点破線に示すような筒本体部31の幅方向の長さの中心を通る線を意味し、後述する筒本体部31に温水または炭酸ガス含有温水が内封された状態においては、図6の2点破線に示すような筒本体部31の短手方向断面の中心を通る線を意味する。
さらに、筒本体部31が湾曲している形状である場合(例えば図1~3、図6に示すような平置きとしたときに略U字形状に湾曲した構成、図5に示すような平置きとしたときに略O字形状に湾曲した構成など)、この湾曲している領域の湾曲内周31-3の曲率半径が15cm以下、さらには10cm以下であるとより好適である。温熱具としたときに、首に掛けて使用するのがより容易となり、且つ、使用者の首の太さや肩幅などの影響を受けにくいからである。例えば、このような実施形態の温熱具用容器100を用いて得られた温熱具は、首が比較的細い使用者が使用する場合であっても、首から肩、胸元にかけて安定して密着させ易い。
また、この筒本体部31は、図3に示すような、2つの分岐筒部31-1の末端31-5から注入口部11までの長さ(中心線40を辿った長さ)が互いに異なる構成であっても良い。つまり、注入口部11の両側に向かって2股に分岐した2つの分岐筒部31-1の長手方向(筒本体部31の湾曲または屈曲している長手方向)の長さが互いに異なる構成であっても良い。このような構成であると、注入口部11が、筒本体部31の湾曲または屈曲している長手方向の全長における中間点からオフセットされた位置に接続されていることとなり、温熱具として首に掛けて使用した時に注入口部11が首の真後ろに位置しないため、温熱具の使用時に椅子の背もたれや浴槽などに注入口部11が当たりにくい構成となる。
あるいは、筒本体部31は、図1~2、図4~6に示すような、2つの分岐筒部31-1の末端31-5から注入口部11までの長さが同じであっても良い。つまり、注入口部11の両側に向かって2股に分岐した2つの分岐筒部31-1の長手方向の長さが同じである構成であっても良い。このような構成であると、筒本体部31に温水または炭酸ガス含有温水を注入した際に、かたよりが極めて発生しにくい。この筒本体部31は、後述する所定の動的粘弾性を有する粘弾性フィルム層21を含む積層樹脂フィルム25により形成されているため、上記したようなかたよりが発生すると意図しない形状に変形してしまう可能性がある。そうすると、温熱具として用いたときの安定性、密着性、使用感(温感作用等)などに影響が出る可能性があり、またこの変形は不可逆的であるため繰り返しの使用も困難となる可能性がある。しかしながら、筒本体部31が上記したような構成であると、温水または炭酸ガス含有温水のかたよりが極めて発生しにくく、得られた温熱具のバランスも高まり、使用時により安定して密着させ易い。そして、繰り返しの使用も十分可能である。
さらに、2つの分岐筒部31-1の端部の閉鎖領域は、温水または炭酸ガス含有温水を注入する際の強度がより高まることから、温水または炭酸ガス含有温水が内封された状態において半球状となる構成であるのが好ましい。ここで、この「半球状」も略半球状の意味であり、局所的な突出部を有していない鈍頭形状であれば良い。したがって、分岐筒部31-1の末端31-5が分岐筒部31-1の中心線40(温水または炭酸ガス含有温水が内封された状態での中心線40)と完全に一致していなくても良い。
そして、この筒本体部31は、例えば図6に示すような、2つの分岐筒部31-1の末端31-5が分岐筒部31-1の中心線40よりも外側に位置されている構成であっても良い。このような構成であると、温熱具を首に掛けて用いるときに装着がよりし易くなる。
なお、筒本体部31の大きさについては、温熱具として首に掛けたときに首回りおよび肩の鎖骨周辺の全体と当接させやすいことから、筒本体部31の湾曲または屈曲している長手方向の全長が30cm以上60cm以下であるのが好適である。また、筒本体部31に温水または炭酸ガス含有温水を内封したときの内部空間の内径(短手方向断面の内径)は、6cm以下であるのが好適である。さらに、この内径は、筒本体部31に温水または炭酸ガス含有温水を内封した状態において、筒本体部31の端部側の方が注入口部11側よりも大きい構成であると、首に掛けたときにより安定させ易いため好ましい。
<注入口部>
次に、前述した筒本体部31に接続されている注入口部11の構成について詳細に説明する。
注入口部11は、筒本体部31と接続され、ここから筒本体部31に炭酸ガス含有温水等を注入して内封することができ、且つこの内封された炭酸ガス含有温水を排出できる構成である。つまり、注入口部11は、開閉可能に構成されており、且つ筒本体部31を密閉可能な構成である。したがって、このような構成を有する限り他は限定されないが、例えば図1~6に示すような、注入口部11が着脱可能なキャップ15およびキャップ装着部を備え、このキャップ15の内周およびキャップ装着部の外周に雄ネジ形状および雌ネジ形状(螺旋条部)が形成され、これらを螺合することにより着脱、密閉できる構成などが好適例として示される。さらに、このキャップ15は、温熱具用容器100から完全に脱離できる構成でも良く、あるいは、ヒンジ部などによってキャップ装着部などと連結している構成であっても良い。また、キャップ状の部材をスライドさせることにより開口部分を開閉する方式(スライド式)などの、着脱しない構成であっても良い。
このような注入口部11を備えることにより、本実施形態に係る温熱具用容器100は、筒本体部31に炭酸ガス含有温水を内封して温熱具とすることができるだけでなく、筒本体部31の内部の炭酸ガス含有温水を注入口部11から交換して、温熱具として繰り返し使用することができる。
そして、本実施形態に係る温熱具用容器100においては、筒本体部31の端部を除く領域に上記したような注入口部11が1つ接続されている構成である。なお、筒本体部31の端部に注入口部11が接続された構成であると、筒本体部31に温水または炭酸ガス含有温水を注入する際に、筒本体部31の内部でのかたよりが発生し、前述したように意図しない形状に変形してしまう可能性がある。そうすると、温熱具の使用時の安定性や密着性などに影響が出る可能性があるため好ましくない。なお、例えば図1~6に示すように、注入口部11が、筒本体部31の湾曲または屈曲している長手方向の全長を3等分したときの中央部分に接続されている構成(例えば筒本体部31の湾曲部分あるいは屈曲部分に接続されている構成)であると、上記したようなかたよりが発生しにくく特に好適である。
また、この注入口部11の大きさは限定されないが、例えば注入口部11の開口径については、温水、炭酸ガス含有温水、および炭酸ガス発生剤が注入し易い大きさであれば良い。さらに、この注入口部11は、本実施形態に係る温熱具用容器100に炭酸ガス含有温水等を注入する際や、得られた温熱具を使用する際に把持部としても機能する大きさおよび材質であるのが好ましい。したがって、このような注入口部11の材質としては、樹脂製や金属製などが好適例として示されるが、本実施形態に係る温熱具用容器100の軽量化などの観点から、注入口部11は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(Ny)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカーボネート(PC)等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂やウレタン樹脂等の注型硬化樹脂などの樹脂素材により構成されたものであることがより好ましい。前述したキャップ15を備える場合も同様である。
加えて、この把持部としても機能する注入口部11は、片手で容易に把持できる構成であることが好ましい。例えば図1~6の実施形態を例にすると、注入口部11のキャップ15およびキャップ装着部の好ましい径および長さ(注入口部11の開口径およびその垂直方向の長さ)は、いずれも20mm以上100mm以下であり、さらに好ましくは30mm以上60mm以下である。このような径および長さとすることで、本実施形態に係る温熱具用容器100あるいは得られた温熱具の片手での把持が容易となる。
さらに、本実施形態に係る温熱具用容器100は、筒本体部31の一部と注入口部11とを含む部位が一体となって把持部として機能する構成であっても良い。
なお、この注入口部11は、後述する筒本体部31における使用者の肌と当接し得る領域を除く領域に接続されている必要がある。本実施形態に係る温熱具用容器100に炭酸ガス含有温水を内封した温熱具の使用時において、首などに注入口部11が接触しにくくなり、温熱具の使用感などが低下しにくいからである。
以上のような筒本体部31および注入口部11を備える本実施形態に係る温熱具用容器100に炭酸ガス含有温水を内封して温熱具とし、図7に示すように、筒本体部31の端部が身体の前面側に位置するように首に掛けて用いると、温熱具の重心が首または肩の中心軸より前側(身体の前面側)に位置することとなり、温熱具が安定して首から肩、胸元にかけて密着されて保持される。これにより、使用者が温熱具を手で押さえて保持する必要がなく、温熱具の使用時に両手を空けることができるため、非常に好適である。また、温熱具の重心が首または肩の中心軸より前側に位置することにより、特に鎖骨周辺に温熱具の重みが掛かり易く、この鎖骨周辺などにおいて温感作用および血行促進作用が十分に発揮され易い。
〔積層樹脂フィルム〕
次に、図8を用いて本実施形態に係る温熱具用容器100の筒本体部31を形成している積層樹脂フィルム25の構成について詳細に説明する。
本実施形態に係る温熱具用容器100の筒本体部31を形成する積層樹脂フィルム25は、例えば図8に示すような、複数の樹脂フィルム層が積層された構成である。ここで、樹脂フィルム層とは樹脂素材により構成された(樹脂素材を主成分として含む)フィルム層であり、よって、積層樹脂フィルム25も樹脂素材により構成されていることとなる。なお、「主成分として含む」とは質量%として80%以上含むことであり、90%以上含むのがより好ましく、95%以上含むのがさらに好ましい。
そして、この積層樹脂フィルム25は、全体として非透水性である。これにより、本実施形態に係る温熱具用容器100に炭酸ガス含有温水を内封して温熱具としたときに、筒本体部31を形成する積層樹脂フィルム25と当接している肌に直接炭酸ガス含有温水が接しないため、水が蒸発する際の気化冷却が発生しない。したがって、温浴などのような温水を直接肌に接触させた場合よりも温感作用がより高いものとなる。なお、ここでいう非透水性とは、水などの液状のものを透過させないことを意味する。しかしながら、この積層樹脂フィルム25は、気体である水蒸気の透過性を有していても良い。
さらに、少なくとも筒本体部31における使用者の肌と当接し得る領域を形成している積層樹脂フィルム25は、JIS K7126-1に準じて23℃および相対湿度0%の条件で測定される炭酸ガス透過度が、10L/(m2・day・atm)以上1,000,000L/(m2・day・atm)以下である。そして、少なくともこの領域を形成している積層樹脂フィルム25は最外層に粘弾性フィルム層21を含み、この粘弾性フィルム層21が、40℃における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδの値が1.0以上である動的粘弾性を有する。なお、筒本体部31を形成している積層樹脂フィルム25の全体(全領域)が、上記のような炭酸ガス透過度であっても良い。また、筒本体部31を形成している積層樹脂フィルム25の全体(全領域)が、上記のような粘弾性フィルム層21を最外層に含む層構成であっても良く、さらに、この粘弾性フィルム層21を最外層以外にも含む層構成であっても良い。ここで、この「最外層」とは、積層樹脂フィルム25により筒本体部31を形成したときに最も容器外部側に配置される層である。このような構成によって、筒本体部31に炭酸ガス含有温水を内封した状態で、この筒本体部31を首回りの肌や肩の鎖骨周辺の肌などに当接させたときに、粘弾性フィルム層21が有する動的粘弾性によって筒本体部31がミクロレベルで追随可能となっている。そして、このような追随性によって温熱具が肌に密着してなじむため、温感とあいまってリラックス感が得られるという格別の効果も発揮される。つまり、首から肩、胸元にかけての高い追随性によって、柔らかさおよび肌なじみ、ならびにリラックス感が両立した状態を得ることができる。さらに、内封された炭酸ガス含有温水に含まれる炭酸ガスの積層樹脂フィルム25を通じた肌への移行も十分にできるものとなっている。
ここで、この筒本体部31における「使用者の肌と当接し得る領域」とは、温熱具を使用者の首に掛けて用いたときに、筒本体部31が首の肌と当接し得る領域だけでなく、肩や胸元などの首以外の肌と当接し得る領域も包含される。以下においても同様である。
そして、上記領域を形成している積層樹脂フィルム25のJIS K7126-1に準じて23℃および相対湿度0%の条件で測定される炭酸ガス透過度は、炭酸ガス透過度と耐久性とを両立させるという観点から、下限は、10L/(m2・day・atm)以上であり、13L/(m2・day・atm)以上であるのがより好ましく、15L/(m2・day・atm)以上であるのがさらに好ましく、16L/(m2・day・atm)以上であるのがさらに好ましい。そして上限は、1,000,000L/(m2・day・atm)以下であり、1,000L/(m2・day・atm)以下であるのが好ましく、100L/(m2・day・atm)以下であるのがより好ましく、50L/(m2・day・atm)以下であるのがさらに好ましく、25L/(m2・day・atm)以下であるのがさらに好ましく、20L/(m2・day・atm)以下であるのがさらに好ましい。これにより、温熱具としたときに、炭酸ガス含有温水から積層樹脂フィルム25を通じて肌に炭酸ガスの移行が効率的に行われて血行促進作用が十分に発揮され、且つ繰り返し使用可能な強度も有するものとなる。
また、上記した粘弾性フィルム層21は、40℃における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδの値が1.0以上である動的粘弾性を有するが、さらに、30~60℃における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδのピーク値が1.0以上、より好ましくは2.0以上であり、且つ25℃未満における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδの値が1.0未満である動的粘弾性を有するのが好ましい。
このような動的粘弾性を有する粘弾性フィルム層21であると、30~60℃において、肌との当接面が、粘弾性フィルム層21の厚さ未満のスケール、つまりミクロレベルにおいて身体形状に追随する変形が可能となり、肌への追随性が高まり、熱伝導や炭酸ガス移行もより高まる。これにより、高い温感作用および血行促進作用を得ることができる。一方で、25℃未満においては、この粘弾性フィルム層21は30~60℃の場合よりも変形がしにくい。このような温度依存的な動的粘弾性を有する粘弾性フィルム層21を含む積層樹脂フィルム25により形成された筒本体部31であると、特定温度の温水等を注入する前は弾性的挙動を示すことから温水等を注入し易く、温水等の注入後は粘性的挙動を示すことから肌への追随性が優れたものとなる。
なお、上記した動的粘弾性の測定は、例えばDMS測定装置(ARES-G2:TA Instrument Japan Inc.)により行うことができる。
肌(皮膚)は、その表面が皮丘と皮溝によって構成されており、この皮丘と皮溝は身体の部位によって大きさや形状が異なる。しかしながら、上記した動的粘弾性を有する粘弾性フィルム層21は、その粘性的な性質により、身体のいずれの部位でもミクロレベルにおいて追随可能であるため、より肌になじみ非常に好ましい。これは、粘弾性フィルム層21が、温水の温度領域における所定の損失正接tanδのピーク値が1.0以上であることにより、この温度領域でフィルム表面上に微細な凹凸が現れる結果、皮膚上の凹凸、すなわち皮丘への良好な追随性が可能となっていると考えられる。
なお、この追随性は、凹凸高さの標準偏差および凹凸の粗さを表すSq値で評価することもできる。肌への良好な追随性という観点から、粘弾性フィルム層21の表面のSq値は9μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、11μm以上がさらにより好ましい。また、耐久性の面から、16μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、13μm以下がさらに好ましい。このSq値の測定は後述する実験例2に記載の方法により行う。
このような粘弾性フィルム層21を構成する樹脂素材の好適例としては、例えば、特開2016-121322号公報に開示されるような、4-メチル-1-ペンテンとこれ以外のαオレフィン(プロピレン、エチレン等)との共重合体(4-メチル-1-ペンテンαオレフィンコポリマー)が示される。この4-メチル-1-ペンテンαオレフィンコポリマーにより構成されたフィルムは非透水性であり且つ炭酸ガスとの親和性が高いため、炭酸ガス含有温水中の炭酸ガスのフィルムへの溶解性および透過度が非常に高く、さらに、30~60℃における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδのピーク値も非常に高い。一方で、25℃未満における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδの値は低い。
本実施形態に係る温熱具用容器100の筒本体部31を形成する積層樹脂フィルム25は、非透水性であり、さらに、少なくとも筒本体部31における使用者の肌と当接し得る領域が上記した炭酸ガス透過度であり、且つこの領域の最外層に上記した粘弾性フィルム層21を有する層構成であれば良いが、筒本体部31の形成がよりし易く、また柔らかさと耐久性とが両立して優れたものとなることから、この積層樹脂フィルム25は、スチレン系エラストマーにより構成された中間フィルム層23が上記の粘弾性フィルム層21に挟まれて形成された3層構造であると好適である。
例えば、図8に示すような、積層樹脂フィルム25全体が、スチレン系エラストマーにより構成された中間フィルム層23の両方の表面に粘弾性フィルム層21が積層された3層構造である構成が好ましいものとして例示される。この例においても、図8に示すように、積層樹脂フィルム25は筒本体部31に内封された炭酸ガス含有温水を透過させないが、この炭酸ガス含有温水に含まれる炭酸ガスは透過させることができ(図8の矢印)、さらに最外層の粘弾性フィルム層21は上記した動的粘弾性を有する。なお、この中間フィルム層23は、柔らかさと耐久性との両立などの観点から、ポリスチレン、ポリエチレン、およびポリブチレンの共重合体であるスチレン系エラストマー(SEBS)により構成されているのがより好ましい。
あるいは、この積層樹脂フィルム25は、使用者の肌と当接し得る領域を含む外層側に粘弾性フィルム層21を有し、内封する温水または炭酸ガス含有温水と接触し得る内層側にスチレン系エラストマーなどにより構成された樹脂フィルム層を有する2層構造であっても良い。
そして、上記領域およびそれ以外の領域の積層樹脂フィルム25の総厚さは、炭酸ガス透過度、動的粘弾性、耐久性などが好適な状態となることから、200μm以上700μm以下であるのがより好ましく、250μm以上550μm以下であるのがさらに好ましく、250μm以上450μm以下であるのがさらに好ましい。このような総厚さである積層樹脂フィルム25は、熱伝導率が0.1W/(m・K)以上、さらには0.15W/(m・K)以上となるため、温感作用の十分な発揮という点においても非常に好ましい。また、最外層に備わる粘弾性フィルム層21の厚さは、50μm以上200μm以下であるのがより好ましく、60μm以上150μm以下であるのがさらに好ましく、70μm以上100μm以下であるのがさらに好ましい。なお、前述した3層構造の積層樹脂フィルム25の場合、中間フィルム層23の厚さは、100μm以上400μm以下であるのがより好ましく、120μm以上300μm以下であるのがさらに好ましく、150μm以上200μm以下であるのがさらに好ましい。そして、この中間フィルム層23を挟んでいる2つの粘弾性フィルム層21の厚さは、いずれも上記と同様であるのが好ましい。
このような積層樹脂フィルム25によって筒本体部31を形成することにより、熱伝導性、炭酸ガス透過度、動的粘弾性、および耐久性に優れる温熱具用容器100を得ることが可能となる。
以上のような本実施形態に係る温熱具用容器100は、肌への追随性が高く、炭酸ガス透過性が優れ、さらに非透水性であることから、この温熱具用容器100に炭酸ガス含有温水が内封されて得られた温熱具を首に掛けて用いる(肌へ直接適用するだけでなく衣類の上から適用する場合も含む)ことによって、温熱と炭酸ガス浸透により、高い温感作用および首や肩、胸元の血管、リンパ管、リンパ節などへの高い循環促進作用(血行促進作用)を得ることが可能となる。また、この温熱具の高い追随性などから、心地よい感覚やリラックス感も得ることができる。そして、本実施形態に係る温熱具用容器100を用いて得られた温熱具は、使用者の首に掛けて用いるだけで、首、肩、および胸元以外にも遠隔的な効果が得られることも特徴である。
また、本実施形態に係る温熱具用容器100は、浴室内において浴槽中の炭酸ガス含有温水(例えば入浴剤入りの温水)を注入して使用することができるだけでなく、非透水性であることから、この温熱具用容器100に温水および炭酸ガス発生剤を内封して、浴室外(例えばオフィスなど)において容易に使用可能であることも特徴である。
さらに、本実施形態に係る温熱具用容器100は、内封する炭酸ガス含有温水の炭酸ガス濃度を、入浴剤を入れた浴槽の温水中の炭酸ガス濃度よりも高くすることが可能であり、また、徐放的且つ持続的に炭酸ガスを容器外に放出させることができる。そして、温熱具内部の温水と皮膚とが直接接触しない構成であるため、皮膚の表面において、水の気化冷却による影響や、皮膚が水を吸収することによる影響を受けにくい。
なお、本実施形態に係る温熱具用容器100に注入する温水あるいは炭酸ガス含有温水の温度は、35℃以上55℃以下とすると、温感作用や血行促進作用が発揮され易いため好ましい。本実施形態に係る温熱具用容器100に炭酸ガス含有水、もしくは水と炭酸ガス発生剤を注入して加熱する場合も、加熱後の水温が上記範囲であることが好ましい。そして、粘弾性フィルム層21の追随性がより好ましくなり、温感作用や血行促進作用がより高まることから、上記温度は35℃以上45℃以下とするのがさらに好ましい。また、温熱具として使用している際に、内封する炭酸ガス含有温水の温度が低下した場合には、温熱具をそのまま電子レンジ等により加熱して、内封する炭酸ガス含有温水の温度を上昇させることも可能である。
そして、このような本実施形態に係る温熱具用容器100は、1シートあるいは複数シートの上記積層樹脂フィルム25をヒートシールなどによって接合および成形して前述したような形状の筒本体部31を形成し、さらにこの筒本体部31の所定の位置に前述した注入口部11を接続する方法などによって製造することができる。
〔温熱具セットについて〕
本実施形態に係る温熱具用容器100は、上記したような実施形態が例示されるが、さらに、本実施形態においては、このような温熱具用容器100と炭酸ガス発生剤包装品とを備える温熱具セットとしても良い。
例えば、本実施形態に係る温熱具用容器100と、この温熱具用容器100に温水とともに注入される、温水中に混合溶解させると炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生剤が包装された炭酸ガス発生剤包装品と、を備える温熱具セットとしても良い。
このような温熱具セットは、温水を別途用意するだけで、この温水と上記した炭酸ガス発生剤を注入口部11から筒本体部31に注入し、密閉することにより極めて簡単に温熱具を得ることができる。あるいは、前述したように、水と上記した炭酸ガス発生剤を筒本体部31に注入してから加熱して温熱具としても良い。
ここで、炭酸ガス発生剤としては、温水と混合溶解したときに炭酸ガスを発生可能なものであれば特段限定されないが、炭酸塩と有機酸との混合剤などが好適例として示され、さらに無機塩や油性成分などが含まれたものであっても良い。さらには、温水に混合溶解したときに発生する炭酸ガスの泡切れ性が高い構成であるのがより好ましい。また、この炭酸ガス発生剤の形状も特段限定されず、固形状、粉末状、顆粒状などであって良いが、温水への溶解性を向上させる観点から粉末状または顆粒状であるのが好ましい。具体的には、特開2015-231963号公報に記載の炭酸ガス発生剤や、特開2015-113320号公報に記載の炭酸ガス発生剤が、好ましい実施形態として示される。
さらに、炭酸ガス発生剤包装品は、本実施形態に係る温熱具用容器100の筒容本体31、注入口部11などが破損することなくその内部において温水とともに収容可能な量の炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生剤が個包装されたものであるのが好ましい。例えば、セットに備わる温熱具用容器100の内部容量(温水を注入可能な最大容量)と等しい容量である40℃の温水に対して混合溶解したときに、この温水の炭酸ガス濃度が40ppm以上1500ppm以下、より好ましくは100ppm以上1200ppm以下、さらに好ましくは500ppm以上1000ppm以下となる炭酸ガス発生剤が個包装されたものであるのが好適である。なお、この炭酸ガス濃度範囲は、40℃の温水の炭酸ガス飽和量(1000ppm)を超える範囲については、40℃の温水に溶解していると仮定した濃度である。個包装される炭酸ガス発生剤の具体的な量は、使用する温熱具用容器100の容量や温水の使用量などに応じて適宜調整すれば良い。
このような、本実施形態に係る温熱具用容器100と個包装された炭酸ガス発生剤包装品とを備える温熱具セットにより、温水や水を別途用意するだけで、容器内での過剰な炭酸ガス発生による容器の破損もなく、好適な炭酸ガス濃度である炭酸ガス含有温水が内封された温熱具を簡便に得ることができる。
なお、この炭酸ガス発生剤包装品は、樹脂フィルムなどの公知材料を包装材として用い、公知の充填および包装方法により取得することができる。そして、炭酸ガス発生剤包装品は、保存中に水分と反応しないよう密封されたものであることがさらに好ましい。また、包装の形状についても特に限定はされないが、温熱具用容器100の注入口部11に注入、充填し易い形状であるのが好ましい。
以下、本発明の実施例等について説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
(実験例1)
本発明に係る温熱具用容器の筒本体部を形成する積層樹脂フィルムの粘弾性フィルム層として用いるフィルムについて、以下の実験を実施した。
粘弾性フィルム層として用いるフィルムとして、非透水性であり炭酸ガス透過度が高く、且つ40℃における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδの値が1.5である、4-メチル-1-ペンテン-αオレフィンコポリマーにより構成されるフィルムを用意した。なお、このフィルムは、厚さが50μm(サンプル1)、厚さが100μm(サンプル2)、および厚さが300μm(サンプル3)の3種類を用意した。また、非透水性であるが炭酸ガス透過度は低く、且つ40℃における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδの値が0.1未満である、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)により構成される厚さ40μmのフィルム(サンプル4)も用意した。
なお、これらのJIS K7126-1に準じて23℃および相対湿度0%の条件で測定される炭酸ガス透過度は以下の通りである。
・サンプル1:70L/(m2・day・atm)
・サンプル2:50L/(m2・day・atm)
・サンプル3:25L/(m2・day・atm)
・サンプル4:3L/(m2・day・atm)
そして、500mLの容量を有するガラス瓶に、炭酸ガス濃度が990ppmである40℃の炭酸ガス含有温水を瓶口すりきりまで満たしたものを5つ用意した。この炭酸ガス含有温水を満たしたガラス瓶の瓶口にサンプル1~4のフィルムを、空気を挟み込まないようにして被せ、さらにこれらのフィルムの上から瓶口が塞がるように腕を載せて瓶口を閉鎖し、この状態でガラス瓶内の炭酸ガス含有温水をスターラーにより攪拌しながら30分間持続した。
また、炭酸ガス含有温水を満たしたガラス瓶の1つは、コントロールとして、フィルムを被せずに空気を挟み込まないようにして腕を載せて瓶口を閉鎖し、この状態を30分間持続した。なお、これらはいずれも25℃40%RHの環境下において行った。
30分間持続後、これら容器内における炭酸ガス含有温水の炭酸ガス濃度を二酸化炭素濃度測定器(東亜ディーケーケー社製、イオン/pHメーターIM-32P)により測定した。なお、これとは別に、フィルムへの炭酸ガス吸着量を確認する予備実験として、上記実験において腕の代わりに密閉蓋を被せた同様の実験も併せて行い、30分間持続後における炭酸ガス含有温水中の炭酸ガス濃度を同様に測定した。そして、この予備実験における容器内温水の炭酸ガス濃度が960ppm(フィルムへの炭酸ガス吸着量が30ppm)であることを確認した(サンプル4のフィルムについては実施せず)。これらのデータから、本実験における腕の皮膚への炭酸ガス移行量、つまり炭酸ガスのフィルム透過量を算出した。この結果を下記表1に示す。
Figure 2022146422000002
この結果から、サンプル1は17.2%、サンプル2は14.1%、サンプル3は11.1%の炭酸ガスが透過して皮膚に移行しており、サンプル4(炭酸ガス透過量が2.0%未満)よりも極めて高い炭酸ガス透過度を有するフィルムであることが示された。つまり、サンプル1~3は、40℃の炭酸ガス含有温水中に含まれる炭酸ガスを、フィルムを通じて接触している皮膚に多く移行できることが明らかとなった。
(実験例2)
粘弾性フィルム層として用いるフィルムについて、さらに以下の実験を実施した。
まず、標準肌面凹凸モデルとして、板状部材(資生堂社製、SPF MASTER用標準プレートPA-01)を3枚用意した。
そして、この板状部材に、20mm角の大きさとなるような位置にガイドを4箇所付し、実験例1で用いたサンプル1(厚さ50μm)、サンプル3(厚さ300μm)、またはサンプル4(LLDPE、厚さ40μm)の各フィルムを上記した4箇所のガイドを超える大きさに切り出して密着させた。次に、これらフィルムの上から、2液混錬固化性剤(ジーシー社製、フュージョンII モノフェイズタイプ)を略円形に広げ、直後に、その上からスライドガラスを被せ、重りによって2液混錬固化性剤の面積に対し荷重が200gf/cm2となるように荷重をかけた。なお、これとは別に、コントロールとして、板状部材にフィルムを被せないこと以外は同様に処理したものも実施した。
この荷重状態で20分以上静置し、2液混錬固化性剤を十分固化させてから荷重を取り除き、フィルムおよび2液混錬固化性剤と板状部材とを(コントロールは2液混錬固化性剤と板状部材とを)、マイクロスパーテルをゆっくり差し込んで、凹凸面を壊さないよう十分注意しながら剥がしとった。さらに、上記した板状部材から剥がしとった各サンプルおよびコントロールについて、ELIONIX INC. スーパーファインコーターESC101を用いた、ターゲット電流1.6mA、Pt電極コート時間3~10分の条件によるスパッタリング処理により、板状部材当接面(フィルム凹凸表面または2液混錬固化性剤凹凸表面)にPtコートを施した。
なお、ここまでの処理はすべて40℃の環境下において行い、また、すべての材料は40℃の環境下に1昼夜静置したものを使用した。
このようにして得られた各サンプルおよびコントロールについて、キーエンス社製「高速3Dハイスコープ VR-3100」により、Ptコートが施されたフィルム表面(コントロールは2液混錬固化性剤の表面)を観察して凹凸3D画像を取得し、この画像から凹凸粗さとして二乗平均平方根高さ(Sq:ISO25178準拠代表値であり、凹凸高さの標準偏差および凹凸の粗さに相当する)を算出した。
具体的には、観察ステージに上記フィルム表面を上側としてサンプル等を載置し、倍率50倍で観察して凹凸3D画像を取得した。この凹凸3D画像を図9に示した。そして、この得られた凹凸3D画像について、上記機器による解析画面において、高さ基準点:皮丘対応面(基底面)、うねり除去:5(弱い)、面補正:不要(水平)の条件で画像前処理を実施した。さらに、「面粗さ測定」モードによって、ほぼ全画面となる5mm角矩形領域を選択して領域指定を行い、ハイパスを1mm以上と設定したガウシアンノイズフィルターによってフィルター処理を実行し、Sq値算出を実行した。また、コントロールの値に対する相対値も求めた。
さらに、上記によって得られた各サンプルの耐久性を評価するため、その強度を測定した。測定方法としてはJIS K-7127:1999に準拠した方法(フィルムの引張試験に準拠し、試験片:幅15mm、測定長(チャック距離)30mm、試験速度:300mm/分)により行い、また使用条件を考慮して42℃40%RH環境下で測定を行った。そして、各サンプル毎に3回測定を行い、その測定値の平均を算出して強度のデータとした。
これらの結果を下記表2に示す。
Figure 2022146422000003
この凹凸3D画像(図9)およびSq値(表2)からわかるように、サンプル1およびサンプル3のフィルムはサンプル4よりも明らかに凹凸が目立ち、つまりこのフィルムが適応対象の凹凸面への高い追随性を有することが示された。特に、サンプル1とサンプル4との凹凸の差は顕著であり、サンプル1のフィルムは40℃において凹凸面への追随性が非常に高いことが示された。逆に、サンプル4は凹凸が極めて少なく、40℃において凹凸面への追随性が非常に低いことも示された。そして、本実験のコントロールに対してSq値の相対値が55%以上のフィルムであると凹凸面への追随性が非常に好ましく、65%以上であると特に好ましいことも示された。
一方で、前述した通り、温熱具として繰り返し使用可能とするには、追随性だけでなく耐久性も必要である。凹凸面への追随性とフィルムの耐久性を向上させる観点から、フィルムのSq値は9μm以上16μm以下であるのが好ましく、10μm以上15μm以下であるのがより好ましく、11μm以上13μm以下であるのがさらに好ましいことも推定された。
(実施例1)
本発明に係る温熱具用容器を用いて得られる温熱具について、以下の試験を実施した。
実験例1および2で用いたサンプルのフィルムと同じ材質である厚さが75μmのフィルムを粘弾性フィルム層として使用し、中間フィルム層としてポリスチレン、ポリエチレン、およびポリブチレンの共重合体であるスチレン系エラストマー(SEBS)により構成されている厚さが150μmのフィルムを使用して、図8に示すように中間フィルム層が粘弾性フィルム層に挟まれて形成された3層構造の積層樹脂フィルムを作製した。この3層構造の積層樹脂フィルムの総厚さは300μmであり、JIS K7126-1に準じて23℃および相対湿度0%の条件で測定されるこの3層構造の積層樹脂フィルムの炭酸ガス透過度は17L/(m2・day・atm)である。そして、図1に示すような、この3層構造の積層樹脂フィルムにより形成された、略U字形状であり且つ炭酸ガス含有温水を内封したときに断面が略円形となる形状の筒本体部において、その湾曲部分に注入口部が接続された温熱具用容器を作製した。この温熱具用容器における筒本体部の湾曲内周の曲率半径は6.2cm、注入口部から筒本体部の末端までの長さは25cm(筒本体部の湾曲している長手方向の全長は50cm)、炭酸ガス含有温水を内封したときの筒本体部内径は直径5cmである。さらに、この温熱具用容器に、炭酸ガス濃度が1000ppmである41.5℃の炭酸ガス含有温水を満水となるように注入し、内部の余分な空気を概ね除去してから密閉して図2に示すような本発明品の温熱具とした。なお、対照品として、非透水性であるが炭酸ガス透過度はほとんどない、塩化ビニル製フィルム(単層)により形成されたネックピロー形状の容器(略U字形状、湾曲内周の曲率半径:5.5cm、炭酸ガス含有温水を内封したときの本体内径:直径8.5cm)に41.5℃の温水のみを満水となるように注入して密閉した温熱具も作製した。
これらの温熱具の最外層(本発明品は粘弾性フィルム層、対照品は塩化ビニル製フィルム層)の40℃または20℃における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδの値を、下記表3の最上段にそれぞれ示した。
そして、3名の専門パネラーにより、上記2つの温熱具を、それぞれ炭酸ガス含有温水または温水注入直後から20分後まで肌に接するように直接首に掛けて使用し、以下の(1)~(3)についての評価を行った。
(1)使い易さ(首に掛けたときのバランスの良さ、落ちにくさ)
(2)冷え緩和およびこり解消効果(手先までの温まり感、肩の軽さ)
(3)使用感
評価方法は、(1)~(3)のそれぞれの項目について、3名の専門パネラーが以下の3段階の評価のうち最も近い評点を選び、この3名の平均値を算出した。この結果を下記表3に示す。なお、この平均値は四捨五入して整数で示した。
(1)使い易さ
3:バランスが良く、使用開始から15分後まで温熱具の両端部が首から胸元まで接し、首からずれて落ちない。
2:バランスがやや良く、使用開始から15分後まで温熱具が首からずれて落ちずに問題なく使用できる。
1:バランスが悪く、使用開始から15分以内に温熱具が首からずれて落ちてしまう。
(2)冷え緩和およびこり解消効果
3:使用後、肩のこりが解消して軽くなり、且つ手先の最端まで温まった。
2:使用後、肩のこりが解消して軽くなり、且つ胸部まで温まった。
1:使用後も肩の状態に変化を感じず、首元のみ温まった。
(3)使用感
3:柔らかく(Soft)、弾力性(Elastic and Resilient)と張り(Taut)があり、肌に密着して気持ちが良い。
2:柔らかく(Soft)、弾力性(Elastic and Resilient)があり、やや張り(Taut)に欠けるが気持ちが良い。
1:硬く(Hard)、弾力性(Elastic and Resilient)はあるが張り(Taut)がなく、肌に密着せず、違和感がある。
Figure 2022146422000004
この結果から、本発明品の温熱具は、対照品の温熱具よりも非常に使い易く、冷え緩和およびこり解消効果が非常に高く、さらに、柔らかく、張りがあり、弾力性もあって使用感が非常に良いことが明らかとなった。
また、本発明品の温熱具は、変形が小さく且つ繰り返し使用可能であり、耐久性も高いことも明らかとなった。
なお、上記実施形態は、以下の技術思想を包含する。
<1>積層樹脂フィルムにより形成された可撓性の筒本体部と、前記筒本体部に接続された、開閉可能に構成されて前記筒本体部を密閉可能な注入口部と、を備える、使用者の首に掛けて用いられる温熱具用の容器であって、
前記積層樹脂フィルムは非透水性であり、
さらに、少なくとも前記筒本体部における使用者の肌と当接し得る領域を形成している前記積層樹脂フィルムは、JIS K7126-1に準じて23℃および相対湿度0%の条件で測定される炭酸ガス透過度が10L/(m2・day・atm)以上1,000,000L/(m2・day・atm)以下であり、
且つ、前記領域を形成している前記積層樹脂フィルムは最外層に粘弾性フィルム層を含み、前記粘弾性フィルム層が、40℃における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδの値が1.0以上である動的粘弾性を有し、
前記筒本体部は、前記注入口部の両側に向かって2股に分岐した2つの分岐筒部を備え湾曲または屈曲している、
温熱具用容器。
<2>前記筒本体部は、少なくとも前記筒本体部に温水または炭酸ガス含有温水が内封された状態において、2つの前記分岐筒部が端部に向かって互いに近づくように形成されている、<1>に記載の温熱具用容器。
<3>前記筒本体部は、前記筒本体部に温水または炭酸ガス含有温水が注入される前においては、2つの前記分岐筒部の端部が互いに平行となっている、<2>に記載の温熱具用容器。
<4>前記筒本体部は湾曲しており、且つ、湾曲内周の曲率半径が15cm以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の温熱具用容器。
<5>前記注入口部が、前記筒本体部の湾曲または屈曲している長手方向の全長を3等分したときの中央部分に接続されている、<1>~<4>のいずれか1つに記載の温熱具用容器。
<6>前記筒本体部は、2つの前記分岐筒部の末端から前記注入口部までの長さが互いに異なる、<1>~<5>のいずれか1つに記載の温熱具用容器。
<7>前記筒本体部は、2つの前記分岐筒部の末端から前記注入口部までの長さが同じである、<1>~<5>のいずれか1つに記載の温熱具用容器。
<8>前記筒本体部の2つの前記分岐筒部の末端が中心線よりも外側に位置されている、<1>~<7>のいずれか1つに記載の温熱具用容器。
<9>前記筒本体部の湾曲または屈曲している長手方向の全長が30cm以上60cm以下である、<1>~<8>のいずれか1つに記載の温熱具用容器。
<10>温水または炭酸ガス含有温水が内封された状態における前記筒本体部の内径が6cm以下である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の温熱具用容器。
<11>前記粘弾性フィルム層の前記動的粘弾性が、30~60℃における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδのピーク値が1.0以上であり、且つ25℃未満における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδの値が1.0未満である、<1>~<10>のいずれか1つに記載の温熱具用容器。
<12>前記領域を形成している前記積層樹脂フィルムは、JIS K7126-1に準じて23℃および相対湿度0%の条件で測定される炭酸ガス透過度が15L/(m2・day・atm)以上である、<1>~<11>のいずれか1つに記載の温熱具用容器。
<13>前記積層樹脂フィルムは、スチレン系エラストマーにより構成された中間フィルム層が前記粘弾性フィルム層に挟まれて形成された3層構造である、<1>~<12>のいずれか1つに記載の温熱具用容器。
<14>前記積層樹脂フィルムの前記中間フィルム層は、ポリスチレン、ポリエチレン、およびポリブチレンの共重合体であるスチレン系エラストマーにより構成されている、<13>に記載の温熱具用容器。
<15>前記積層樹脂フィルムの総厚さが200μm以上700μm以下である、<1>~<14>のいずれか1つに記載の温熱具用容器。
<16>前記積層樹脂フィルムの総厚さが250μm以上550μm以下である、<15>に記載の温熱具用容器。
<17><1>~<16>のいずれか1つに記載の温熱具用容器と、炭酸ガス発生剤包装品とを備える、温熱具セット。
<18>前記炭酸ガス発生剤包装品が、前記温熱具用容器の内部容量と等しい容量である40℃の温水に混合溶解したときに、前記温水中における炭酸ガス濃度が40ppm以上となる量の炭酸ガス発生剤が個包装されたものである、<17>に記載の温熱具セット。
<19><18>に記載の温熱具セットにおける前記温熱具用容器とともに用いられる、炭酸ガス発生剤が個包装された、炭酸ガス発生剤包装品。
100 温熱具用容器
11 注入口部
15 キャップ
21 粘弾性フィルム層
23 中間フィルム層
25 積層樹脂フィルム
31 筒本体部
31-1 分岐筒部
31-3 湾曲内周
31-5 分岐筒部の末端
40 筒本体部(分岐筒部)の仮想の中心線

Claims (10)

  1. 積層樹脂フィルムにより形成された可撓性の筒本体部と、前記筒本体部に接続された、開閉可能に構成されて前記筒本体部を密閉可能な注入口部と、を備える、使用者の首に掛けて用いられる温熱具用の容器であって、
    前記積層樹脂フィルムは非透水性であり、
    さらに、少なくとも前記筒本体部における使用者の肌と当接し得る領域を形成している前記積層樹脂フィルムは、JIS K7126-1に準じて23℃および相対湿度0%の条件で測定される炭酸ガス透過度が10L/(m2・day・atm)以上1,000,000L/(m2・day・atm)以下であり、
    且つ、前記領域を形成している前記積層樹脂フィルムは最外層に粘弾性フィルム層を含み、前記粘弾性フィルム層が、40℃における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδの値が1.0以上である動的粘弾性を有し、
    前記筒本体部は、前記注入口部の両側に向かって2股に分岐した2つの分岐筒部を備え、湾曲または屈曲している、
    温熱具用容器。
  2. 前記筒本体部は、少なくとも前記筒本体部に温水または炭酸ガス含有温水が内封された状態において、2つの前記分岐筒部が端部に向かって互いに近づくように形成されている、請求項1に記載の温熱具用容器。
  3. 前記筒本体部は、前記筒本体部に温水または炭酸ガス含有温水が注入される前においては、2つの前記分岐筒部の端部が互いに平行となっている、請求項2に記載の温熱具用容器。
  4. 前記筒本体部は湾曲しており、且つ、湾曲内周の曲率半径が15cm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の温熱具用容器。
  5. 前記筒本体部は、2つの前記分岐筒部の末端から前記注入口部までの長さが互いに異なる、請求項1~4のいずれか1項に記載の温熱具用容器。
  6. 前記粘弾性フィルム層の前記動的粘弾性が、30~60℃における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδのピーク値が1.0以上であり、且つ25℃未満における2Hzの周波数での測定により得られる損失正接tanδの値が1.0未満である、請求項1~5のいずれか1項に記載の温熱具用容器。
  7. 前記積層樹脂フィルムは、スチレン系エラストマーにより構成された中間フィルム層が前記粘弾性フィルム層に挟まれて形成された3層構造である、請求項1~6のいずれか1項に記載の温熱具用容器。
  8. 前記積層樹脂フィルムの総厚さが200μm以上700μm以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の温熱具用容器。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の温熱具用容器と、炭酸ガス発生剤包装品とを備える、温熱具セット。
  10. 前記炭酸ガス発生剤包装品が、前記温熱具用容器の内部容量と等しい容量である40℃の温水に混合溶解したときに、前記温水中における炭酸ガス濃度が40ppm以上となる量の炭酸ガス発生剤が個包装されたものである、請求項9に記載の温熱具セット。
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