JP2022146181A - 基板処理装置 - Google Patents

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浩二 渋田
Koji Shibuta
弥生 竹市
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美佳 上野
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Abstract

【課題】基板処理に用いられる処理液の活性種濃度を高めることによって基板処理の効率を高めることができる基板処理装置を提供する。【解決手段】第1配管200はタンク114からノズル138へ延びている。プラズマ発生部3は、気体供給管32と第1電極34と第2電極36とを含み、第1配管200内でプラズマを発生させる。第2配管204は、プラズマ発生部3とノズル138との間の第1配管200からの分岐BCからタンク114へ延びている。流路管理部910は、流路切換部を制御することによって、タンク114からの処理液がノズル138へ供給される状態と、処理液が第2配管204を通じてタンク114へ戻される状態とを切り替える。気体供給管32は、第1配管200内に開口32bを有する。第1電極34は、開口32bの外へ突出する突出部位34bを有しており、誘電体によって被覆されている。第2電極36は、突出部位34bを取り囲む。【選択図】図3

Description

本発明は、基板処理装置に関し、特に、硫酸を含有する処理液を用いて基板を処理するための基板処理装置に関するものである。
従来から、硫酸に対してプラズマを照射することで、活性種としてカロ酸(ペルオキソ一硫酸:HSO)を含む液が生成されることが知られている。カロ酸を含有する処理液を用いることによって、半導体基板上のレジスト膜を除去することができる。
特開2002-53312号公報(特許文献1)に例示されたレジスト除去装置は、硫酸を含む溶液が貯留されるレジスト除去槽と、酸素プラズマを発生させるプラズマ発生手段と、前記溶液に前記酸素プラズマを照射するプラズマ照射チャンバと、前記レジスト除去槽と前記プラズマ照射チャンバとの間で前記溶液を循環させる送液手段とを有する。
特開2002-53312号公報
上記公報の技術では、処理液は循環毎にレジスト除去槽を経由する。このとき処理液中の活性種は、レジスト膜に接触することによって失活しやすい。よって、たとえ循環を繰り返しても、活性種濃度を大きく向上させることは困難である。活性種濃度が低ければ、基板処理の効率も低くなってしまう。例えば、レジスト膜を除去する基板処理においては、基板1枚当たりの処理に要する時間が長くなってしまい、よって半導体装置の製造効率が低くなってしまう。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、基板処理に用いられる処理液の活性種濃度を高めることによって基板処理の効率を高めることができる基板処理装置を提供することである。
第1の態様は、硫酸を含有する処理液を用いて基板を処理するための基板処理装置である。基板処理装置は、処理液を貯留するタンクと、処理液を基板上に吐出するノズルと、タンクからノズルへ延び、処理液を流す第1配管と、第1配管内でプラズマを発生させるプラズマ発生部と、を備える。プラズマ発生部は、第1配管内において処理液中へ気体を吐出する開口を有する気体供給管と、第1配管内において気体供給管内から気体供給管の開口を介して気体供給管の外へ突出する突出部位を有し、突出部位において誘電体によって被覆されている第1電極と、第1電極の突出部位を取り囲み、誘電体によって処理液から隔離された第2電極と、プラズマを発生するための投入電力を得るために第1電極と第2電極との間に電圧を印加する電圧印加部と、を含む。基板処理装置はさらに、プラズマ発生部とノズルとの間の第1配管からの分岐からタンクへ延び、処理液を流す第2配管と、第1配管に分岐とノズルとの間で挿入された吐出バルブを含む流路切換部と、流路管理部を含む制御部と、を備える。流路管理部は、流路切換部を制御することによって、タンクからの処理液がノズルへ供給される供給状態と、タンクからの処理液が第2配管を通じてタンクへ戻される還流状態と、を切り替える。
第2の態様は、第1の態様の基板処理装置であって、処理液の活性種濃度を測定する濃度測定部をさらに備え、制御部は、活性種濃度を管理するための濃度管理部を含み、濃度管理部は電力管理部を含み、電力管理部は、活性種濃度が低下した場合に投入電力を低下させる電力低下モードを有している。
第3の態様は、第2の態様の基板処理装置であって、タンクへ処理液を補充する処理液補充部をさらに備え、制御部は補充管理部を含み、補充管理部は、電力管理部の電力低下モードが発動された後に処理液補充部を動作させる補充モードを有している。
第4の態様は、第3の態様の基板処理装置であって、制御部の電力管理部は、補充管理部の補充モードが発動された後に投入電力を増加させる電力増加モードを有している。
第5の態様は、第4の態様の基板処理装置であって、電力低下モードは投入電力を第1の値から低下させ、電力増加モードは投入電力を、第1の値よりも低い第2の値へ増加させる。
第1の態様によれば、プラズマ処理によって処理液中の硫酸から生成される活性種の濃度を、還流状態を用いることにより、より高めることができる。これにより、還流状態から供給状態への切り替え後に、ノズルから、高い活性種濃度を有する処理液が吐出される。よって、処理液を用いた基板処理の効率を高めることができる。
第2の態様によれば、投入電力が過大であることに起因しての活性種濃度の低下を抑制することができる。第3の態様によれば、処理液を補充することによって、活性種濃度を十分に高く保つことができる期間を延長することができる。第4の態様によれば、処理液の補充直後に生じる活性種濃度の低下を抑制することができる。第5の態様によれば、処理液の補充後に、より高い活性種濃度を確保しやすくなる。
一実施の形態における基板処理システムの構成の例を概略的に示す平面図である。 図1の制御部のハードウェア構成を概略的に例示するブロック図である。 図1の基板処理装置の構成を概略的に示す図である。 図3のプラズマ発生部の内部構造を示す断面図である。 図4のプラズマ発生部の突出部位の周辺の構造をより詳しく示す拡大図である。 図4のプラズマ発生部の水平断面図である。 図4のプラズマ発生部におけるプラズマ発生の原理を説明する図である。 図6のプラズマ発生部の第2電極の第1変形例を示す図である。 図7のプラズマ発生部の第2電極の第2変形例を示す図である。 図3の濃度測定部の構成を概略的に示す図である。 異なる活性種濃度を有する処理液についての、波長と吸光度との関係を例示するグラフ図である。 図3の制御部が含む構成を概略的に示す模式図である。 図3の基板処理装置の第1の動作例を示すグラフ図である。 図3の基板処理装置の第2の動作例を示すグラフ図である。 図3の基板処理装置の第3の動作例を示すグラフ図である。 図3の基板処理装置の第4の動作例を示すグラフ図である。 図3の基板処理装置の変形例としての、窒素供給部を有する基板処理装置を、概略的に示す図である。
<予備的説明>
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。以下の実施の形態では、技術の説明のために詳細な特徴なども示されるが、それらは例示であり、実施の形態が実施可能となるためにそれらすべてが必ずしも必須の特徴ではない。図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化が図面においてなされるものである。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。また、断面図ではない平面図などの図面においても、実施の形態の内容を理解することを容易にするために、ハッチングが付される場合がある。また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。また、以下の実施の形態における「基板」としては、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などの各種基板を適用可能である。以下では、主として円板状の半導体ウエハの処理に用いられる基板処理装置が例として説明されるが、上記の各種の基板の処理にも同様に適用可能である。また、基板の形状についても各種のものを適用可能である。
図1は、本実施の形態に関する基板処理システム1の構成の例を概略的に示す平面図である。基板処理システム1は、ロードポートLPと、インデクサロボットIRと、センターロボットCRと、制御部90と、少なくとも1つの処理ユニットUT(図1においては4つの処理ユニット)とを備える。
それぞれの処理ユニットUTは、基板W(ウエハ)を処理するためのものであり、そのうちの少なくとも1つおよび当該処理ユニットUTに接続される配線構造が、基板処理装置100に対応する。基板処理装置100は、基板処理に用いることができる枚葉式の装置であり、具体的には、基板Wに付着している有機物を除去する処理を行う装置である。基板Wに付着している有機物は、たとえば、使用済のレジスト膜である。当該レジスト膜は、たとえば、イオン注入工程用の注入マスクとして用いられたものである。
なお、基板処理装置100は、チャンバ80を有することができる。その場合、チャンバ80内の雰囲気を制御部90によって制御することで、基板処理装置100は、所望の雰囲気中における基板処理を行うことができる。
制御部90は、基板処理システム1における各構成の動作を制御することができる。キャリアCは、基板Wを収容する収容器である。また、ロードポートLPは、複数のキャリアCを保持する収容器保持機構である。インデクサロボットIRは、ロードポートLPと基板載置部PSとの間で基板Wを搬送することができる。センターロボットCRは、基板載置部PSおよび処理ユニットUT間で基板Wを搬送することができる。
以上の構成によって、インデクサロボットIR、基板載置部PSおよびセンターロボットCRは、それぞれの処理ユニットUTとロードポートLPとの間で基板Wを搬送する搬送機構として機能する。
未処理の基板WはキャリアCからインデクサロボットIRによって取り出される。そして、未処理の基板Wは、基板載置部PSを介してセンターロボットCRに受け渡される。
センターロボットCRは、当該未処理の基板Wを処理ユニットUTに搬入する。そして、処理ユニットUTは基板Wに対して処理を行う。
処理ユニットUTにおいて処理済みの基板Wは、センターロボットCRによって処理ユニットUTから取り出される。そして、処理済みの基板Wは、必要に応じて他の処理ユニットUTを経由した後、基板載置部PSを介してインデクサロボットIRに受け渡される。インデクサロボットIRは、処理済みの基板WをキャリアCに搬入する。以上によって、基板Wに対する処理が行われる。
図2は、図1に例が示された制御部90の構成の例を概念的に示す図である。制御部90は、電気回路を有する一般的なコンピュータによって構成されていてよい。具体的には、制御部90は、中央演算処理装置(central processing unit、すなわち、CPU)91、リードオンリーメモリ(read only memory、すなわち、ROM)92、ランダムアクセスメモリ(random access memory、すなわち、RAM)93、記憶装置94、入力部96、表示部97および通信部98と、これらを相互に接続するバスライン95とを備える。
ROM92は基本プログラムを格納している。RAM93は、CPU91が所定の処理を行う際の作業領域として用いられる。記憶装置94は、フラッシュメモリまたはハードディスク装置などの不揮発性記憶装置によって構成されている。入力部96は、各種スイッチまたはタッチパネルなどによって構成されており、オペレータから処理レシピなどの入力設定指示を受ける。表示部97は、たとえば、液晶表示装置およびランプなどによって構成されており、CPU91の制御の下、各種の情報を表示する。通信部98は、local area network(LAN)などを介してのデータ通信機能を有する。
記憶装置94には、図1の基板処理システム1におけるそれぞれの構成の制御についての複数のモードがあらかじめ設定されている。CPU91が処理プログラム94Pを実行することによって、上記の複数のモードのうちの1つのモードが選択され、当該モードでそれぞれの構成が制御される。なお、処理プログラム94Pは、記録媒体に記憶されていてもよい。この記録媒体を用いれば、制御部90に処理プログラム94Pをインストールすることができる。また、制御部90が実行する機能の一部または全部は、必ずしもソフトウェアによって実現される必要はなく、専用の論理回路などのハードウェアによって実現されてもよい。
<基板処理装置100の構成の概要説明>
図3は、本実施の形態に関する基板処理装置100の構成の例を概略的に示す図である。図3においては、複数の処理ユニットUTのうちの1つの処理ユニットUTに接続される、処理液の配管構造が示されている。なお、図3においては便宜上1種類の処理液の配管構造が示されているが、複数種の処理液が用いられる場合には、それぞれの処理液に対応する配管構造が別途接続される。少なくともひとつの処理液は、硫酸を含有する処理液であり、基板処理装置100は、当該処理液を用いて基板Wを処理することを一の目的としている。
基板処理装置100は、タンク114と、ノズル138と、第1配管200と、プラズマ発生部3と、第2配管204と、制御部90とを有している。タンク114は、硫酸を含有する処理液を貯留する。この処理液は、硫酸水溶液であってよく、例えば濃硫酸(質量濃度90%以上の硫酸水溶液)である。本実施の形態においては、基板処理装置100において、処理液へ過酸化水素が添加されない。ただし変形例として、処理液に過酸化水素が添加されてもよい。
ノズル138は処理液を基板W上に吐出する。第1配管200は、タンク114からノズル138へ延びており、処理液を流す。プラズマ発生部3は第1配管200内でプラズマを発生させる。第2配管204は、プラズマ発生部3とノズル138との間の第1配管200からの分岐BCからタンク114へ延びており、処理液を流す。
また基板処理装置100は、吐出バルブ136を含む流路切換部を有している。吐出バルブ136は第1配管200に分岐BCとノズル138との間で挿入されている。流路切換部はさらに他の少なくともひとつのバルブを含んでいてよい。制御部90は流路管理部910(図12)を含む。流路管理部910は、上述した流路切換部を制御することによって、タンク114からの処理液がノズル138へ供給される供給状態と、タンク114からの処理液が第2配管204を通じてタンク114へ戻される還流状態と、を切り替える。還流状態において処理液は、タンク114から第1配管200を経由して分岐BCに達し、そして分岐BCから第2配管204を経由してタンク114へ戻る流れを繰り返すことができる。言い換えれば、処理液は循環することができる。
また基板処理装置100(図3)は、処理液の活性種濃度を測定する濃度測定部400を有している。制御部90は、活性種濃度を管理するための濃度管理部920(図12)を含む。濃度管理部920は、プラズマ発生部3がプラズマを発生するための投入電力を管理する電力管理部921(図12)を含む。電力管理部921は、電力低下モードを有していてよい。電力低下モードは、活性種濃度が低下した場合に投入電力を低下させる(後述する図14における時間t参照)。
また基板処理装置100(図3)は、タンク114へ処理液を補充する処理液補充部500を有している。制御部90は補充管理部922(図12)を含む。補充管理部922は、電力管理部921の電力低下モードが発動された後に、処理液補充部500を動作させることによってタンク114へ新たな処理液を補充する補充モードを有していてよい。制御部90の電力管理部921は、補充管理部922の補充モードが発動された後に投入電力を増加させる電力増加モードを有していてよい。前述した電力低下モードは、投入電力を第1の値Pから低下させる(後述する図16における時間tD1参照)。電力増加モードは投入電力を、第1の値Pよりも低い第2の値P(後述する図16における時間ti2参照)へ増加させることが好ましい。
<基板処理装置100の構成の詳細説明>
基板処理装置100の構成の詳細について、上記概要説明と一部重複するが、以下に説明する。
基板処理装置100は、処理液補充部500から供給される処理液を貯留するタンク114と、タンク114から流れる処理液の温度を制御するヒーター116と、ヒーター116で温度が制御された処理液を処理ユニットUTに至る第1配管200に流すポンプ118と、第1配管200を流れる処理液中の不純物を除去するフィルター120と、第1配管200における処理液の流路を開閉可能なバルブ122と、バルブ122よりも上流の第1配管200から分岐し、かつ、タンク114に接続される分岐配管202と、分岐配管202における処理液の流路を開閉可能なバルブ124と、バルブ122よりも下流の第1配管200において流れる処理液の流量を測定する流量計126と、第1配管200を流れる処理液の流量を調整可能な流量調整バルブ128と、第1配管200を流れる処理液を所望の吐出温度に加熱するヒーター130と、ヒーター130よりも下流の第1配管200における処理液の流路を開閉可能なバルブ132と、バルブ132よりも下流の第1配管200における処理液に対してプラズマ処理を行うプラズマ発生部3と、プラズマ発生部3よりも下流の第1配管200における処理液の流路を開閉可能な吐出バルブ136と、プラズマ発生部3よりも下流で吐出バルブ136よりも上流の第1配管200から分岐し、かつ、クーラー154さらにはタンク114に接続される第2配管204と、第2配管204における処理液の流路を開閉可能なバルブ140と、バルブ140よりも上流の第2配管204から分岐し、第2配管204を介して処理液を吸引する吸引配管206と、吸引配管206における処理液の流路を開閉可能なバルブ142と、第2配管204から供給される処理液を冷却し、かつ、タンク114に戻すクーラー154と、タンク114に接続されてタンク114内からエアを抜くためのエア抜き用配管51と、エア抜き用配管51におけるエアの流路を開閉可能なエア抜き用バルブ52と、ヒーター130よりも下流でバルブ132よりも上流の第1配管200とバルブ140よりも下流の第2配管204との間の処理液の流路を開閉可能なバルブ144と、吐出バルブ136よりも下流の第1配管200に接続され、処理ユニットUTにおける基板Wに吐出口148から処理液を吐出するノズル138と、基板Wを処理するための処理ユニットUTとを有している。
なお、上記の各バルブは、空気バルブまたは電磁バルブであってもよいし、それ以外のバルブであってもよい。また、吸引配管206の下流側には、吸引装置(ここでは、図示せず)が接続される。また、クーラー154は、水冷ユニットまたは空冷ユニットであってもよいし、これら以外の冷却ユニットであってもよい。
なお、ヒーター116およびヒーター130の両方またはいずれか一方は省略されてよい。また、クーラー154は省略されてよい。
処理ユニットUTは、1枚の基板Wを略水平姿勢で保持しつつ、基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線Z1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック10と、基板Wの回転軸線Z1まわりにスピンチャック10を取り囲む筒状の処理カップ12とを有している。
スピンチャック10は、略水平姿勢の基板Wの下面を真空吸着する円板状のスピンベース10Aと、スピンベース10Aの中央部から下方に延びる回転軸10Cと、回転軸10Cを回転させることによって、スピンベース10Aに吸着されている基板Wを回転させるスピンモータ10Dとを有している。なお、基板Wの下面を真空吸着する代わりに、スピンベースの上面外周部から上方に突出する複数のチャックピンを有し、当該チャックピンによって基板Wの周縁部を挟持する挟持式のチャックが用いられてもよい。
なお、処理ユニットUTは、図1におけるチャンバ80に囲まれていてよい。また、チャンバ80内の圧力は、およそ大気圧(たとえば、0.5気圧以上、かつ、2気圧以下)であってよい。
<プラズマ発生部3の構成>
図4はプラズマ発生部3の内部構造を示す断面図である。図中、鉛直方向上向きは+Z方向、下向きは-Z方向として表される。プラズマ発生部3は、鉛直方向に延びる筒状の筐体31を主要な構成とするものであり、図4は筐体31の管軸AXを含む鉛直面における断面を示している。図5は図4の一部拡大図である。図6はプラズマ発生部の水平断面、具体的には図4のA-A線断面を示す図である。
筐体31は、例えば石英ガラスにより形成され内部が中空となった筒状の管であり、管壁が比較的薄く形成された薄肉部31bの両端に、より管壁の厚い厚肉部31a、31cが接続された構造を有している。例えば、薄肉の管の両端に、これと同じ内径で厚肉の管を溶接により接合することで、筐体31を製作することができる。または、厚肉の管の一部側壁面を切削し、研磨し、または引き延ばすことで薄肉化したものでもよい。
厚肉部31aの上端は、処理液の送出口を構成しており、第1配管200(図3)を介して吐出バルブ136(図3)に接続されている。また、下側の厚肉部31cの側面には液体導入管31dが接合されている。液体導入管31dは、処理液の導入口を構成しており、第1配管200を介してタンク114から処理液を受け入れる。
上記構成により、処理液は、液体導入管31dに導入され、そして筐体31の上端部から送出される。よって、液体導入管31dおよび筐体31は基板処理装置100における処理液の経路の一部を構成している。本明細書においては、液体導入管31dおよび筐体31によって構成される処理液の経路を、第1配管200の一部とみなす。
プラズマ発生部3には気体導入部8が設けられている。気体導入部8は、配管83と、配管83を介して気体を供給する気体供給源81と、配管83に介挿された開閉弁82とを有している。開閉弁82は、制御部90からの開閉指令に応じて開閉することで、プラズマ発生部3に供給される気体の導入量を時間的に変化させる。すなわち、制御部90からの開指令に応じて開閉弁82が開くと、気体供給源81から気体が開閉弁82および配管83を介して圧送され、プラズマ発生部3へ供給される。
筐体31の内部空間SPには、鉛直方向に延びる内管32(気体供給管)が挿通されている。内管32は、筐体31の内径よりも小さな外径を有する例えば石英ガラス製の管であり、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やフッ素ゴム(FKM)等の処理液に対する耐薬品性を有する弾性材料で形成されたシール栓33により、筐体31の管軸AXと略同軸に支持されている。シール栓33は内部空間SPと外部空間とを離隔し液体の流出を防止するシールとしての機能も有する。筐体31の内部空間SPにおいて、内管32は液体導入管31dにより液体が導入される位置よりも上方まで延びており、その上端32aは例えば筐体31の薄肉部31bの鉛直方向における略中央部に位置している。内管32の上端32aは筐体31の内部空間SPに連通している。すなわち、内管32の上端32aは、第1配管200の一部である筐体31内において、上向きの開口32bを有している。開口32bは処理液中へ気体を吐出する。
内管32の下端はシール栓33を介して筐体31の外部へ下向きに突出しており、その側面には気体導入管32cが接続されている。気体導入管32cは気体導入部8の配管83に接続されている。気体導入部8から供給される気体は、気体導入管32cおよび内管32の内部を経由して開口32bから、筐体31の内部空間SPを上向きに流通する液体中に導入される。したがって、導入された気体は液体中の気泡となって内部空間SP内を上方へ向かって移動する。
内管32の内部には、鉛直方向に延びる第1電極34が挿通されている。第1電極34は、断面が略円形の棒状の導体部341の表面を誘電体で被覆した構造を有している。例えば、第1電極34は、当該誘電体として石英ガラスからなる表面層342で被覆した構造を有している。また、表面層342は、上端部が封止され内部に導体部341が挿通された誘電体材料製の管であってもよい。第1電極34は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やフッ素ゴム(FKM)等の処理液に対する耐薬品性を有する弾性材料で形成されたシール栓35により、内管32と略同軸に支持されている。第1電極34の下端においては、導体部341が部分的に表面層342に覆われず露出しており、この部分に交流電源4(電圧印加部)が電気的に接続されている。交流電源4が発生する電力は、電力管理部921(図12)によって管理される。電力を管理する方法は任意であり、例えば、電圧、周波数、およびパルス幅の少なくともいずれかが制御されることによって行われる。
第1電極34の上端34aは、内管32の上端32aよりも上方まで延びている。したがって、第1電極34は、第1配管200の一部である筐体31内において、内管32内から内管32の開口32bを介して内管32の外へと上方へ突出する部分を有している。以下、第1電極34のうちこのように内管32の上端32aよりも上方に突出した部位を突出部位34bと称する。突出部位34bにおいて第1電極34は、表面層342をなす誘電体によって被覆されている。
第1電極34の突出部位34bを側方(水平方向)から取り囲むように、第2電極36が設けられる。具体的には、筐体31の薄肉部31bのうち、鉛直方向において突出部位34bと対応する位置を取り巻くように、環状の金属板による第2電極36が配置されている。第2電極36の鉛直方向位置は、側面視において少なくとも一部が突出部位34bと重なるように設定される。第2電極36は、薄肉部31bの管壁を形成する誘電体である石英ガラスの層によって、内部空間SP内の処理液から隔離されている。
図6に示すように、突出部位34bの近傍では、第1電極34の導体部341、表面層342、内管32、筐体31(薄肉部31b)および第2電極36が互いに略同軸に配置されている。
第1電極34の外径は内管32の内径よりも小さい。このため平面視においては、第1電極34は内管32の開口32bの内部に含まれる。したがって、第1電極34の外側面と内管32の内側面との間の空間が気体の流路となる。この流路を流通する気体は、第1電極34の周囲を通って開口32bから筐体31の内部空間SPに流入する。また、内管32の外径は筐体31の内径よりも小さい。このため、内管32の外側面と筐体31の内側面との間の空間が液体の流路となる。
交流電源4(図4)は、プラズマを発生するための投入電力を得るために第1電極34と第2電極36との間に電圧を印加する。具体的には、第1電極34と第2電極36との間に交流電源4から交流高電圧が印加される。これにより、第1電極34の周囲の空間に強い交流電界が形成される。第1電極34の棒状の導体部341を取り囲むように環状の第2電極36が配置されることにより、両者の間には、周方向において略均一で、かつ第1電極34の近傍で特に強い電界が形成されることになる。すなわち、このプラズマ発生部3では、第1電極34の突出部位34bの周囲に電界を集中させて、局所的な強いプラズマ発生場を形成することができる。
第2電極36の鉛直方向長さは突出部位34bの長さよりも大きくされる。そして第2電極36は、第2電極36の上端部が突出部位34bの上端部よりも上方側まで延び、かつ、第2電極36の下端部が突出部位34bの下端部よりも下方側まで延びるように配置される。これにより、突出部位34bの周辺では高さ方向においても略均一な電界を形成することができる。
図7はこの実施の形態におけるプラズマ発生の原理を説明する図である。筐体31の内部空間SPは、タンク114(図3)から供給された処理液である液体Lで満たされている。一点鎖線矢印で示すように、液体Lは、筐体31の内壁と内管32の外壁との間の空間を上向きに流通する。一方、気体導入部8から供給され内管32の内部を流通する気体Gは、破線矢印で示すように、第1電極34の周囲を上向きに流通し、開口32bから気泡となって液中に導入される。このとき、気体Gの流量を適切に設定すれば、液体Lの表面張力の作用により、第1電極34の突出部位34bを包み込むような気泡B1を形成させることが可能である。
前記したように、突出部位34bの周囲には特に強い電界が形成されるため、気泡B1内で放電によるプラズマが発生する。第1電極34の導体部341は、誘電体の表面層342で被覆されているため、このときの放電は誘電体バリア放電である。また、突出部位34bの周囲では軸方向および径方向において略均一な電界が形成される。これらのことから、突出部位34bを取り囲む気泡B1内の広い領域で均一なプラズマを安定的に発生させることが可能である。
内管32を介してさらに気体Gが供給されることで、気泡B1は突出部位34bから液中に遊離する。遊離した気泡B2中には、プラズマにより生成された高濃度の活性種が包含されている。この活性種が溶け込むことによって、液体Lは活性種を含む。活性種を含んだ液体Lが、分岐BC(図3)および第2配管204(図3)を介してタンク114(図3)に処理液として還流されることで、タンク114(図3)内の処理液の活性種濃度が上昇する。そして処理液が循環されることで、タンク114内の処理液の活性種濃度をさらに高めることができる。
第1電極34および第2電極36の導体部はいずれも液体Lに接していない。よって、誘電体バリア放電を用いることができ、これにより、広い領域で安定したプラズマを発生させることが可能となる。また、導体部がプラズマに曝されることに起因して導体材料が液体に溶出することが防止される。このように、プラズマ発生部3は、活性種を豊富に含み不純物の混入のない液体を処理液として生成することが可能である。
なお、上記実施の形態の説明では、第1電極34の突出部位34bが気泡B1によって完全に包まれる場合を想定しているが、気泡の状態はこれに限定されない。例えば突出部位34bの周囲を取り囲むように多くの細かい気泡が発生するような条件であっても、高い電界が形成される突出部位34bの周囲に多くの気泡が存在することにより、各気泡内でのプラズマ発生確率を高くして効率よくプラズマを発生させることが可能である。
また、上記実施の形態では、筐体31の薄肉部31bの外周面を環状に覆う第2電極36が設けられているが、第2電極はこれに限定されるものではない。図8および図9のそれぞれは、第2電極36の変形例としての第2電極37および第2電極38を示す図である。第2電極37(図8)は、周方向において複数に分割された電極片371により構成されている。このような構造によっても、第1電極34の突出部位34bの周囲に、周方向において略均一な電界を生じさせることが可能である。第2電極38(図9)は、導体部381を誘電体(例えば石英ガラス)の表面層382で被覆した構造を有しており、筐体31内の内部空間SPに配置されている。このような構造によっても、突出部位34bの周囲に周方向に略均一な電界を生じさせることが可能である。また、筐体外に第2電極を設ける場合に比べ、電極間距離を小さくすることができるので、電界強度を高めること、あるいは印加電圧を低くすることが可能となる。この他、例えば第2電極が筐体に埋め込まれた構造であってもよい。
また、上記実施の形態における筐体31および第1電極34の表面層342は石英ガラス製であるが、これは誘電体の一例として使用したものであり、使用される液体やプラズマに対する耐性があり、また液体に不純物を溶出させることがないものであれば、これ以外の誘電体材料であっても構わない。例えば、実用上は管壁が透明であることは必須ではなく、不透明な材料も使用可能である。
また、筐体31の厚肉部と薄肉部とが異なる材料であってもよく、また管全体を薄肉として他の機械的手段で補強した構造であってもよい。また、第1電極の突出部位の周囲でプラズマを発生させるのに十分な電界強度が得られる限り、管壁の全体が肉厚のものであってもよい。
また、上記実施の形態の第1電極34においては、筐体31内の導体部341はその全体が表面層342により被覆されている。しかしながら、第2電極36との距離が放電を生じない程度に離れており、かつ内管32内で液体に触れるおそれのない部分については、必ずしも被覆を必要としない。
また、上記実施の形態では、筐体31、内管32および第1電極34が互いに同軸に配置されているが、これらは厳密に同軸構造である必要はない。すなわち、内管32を流通する気体が第1電極34の周囲を包むようにして液体中に導入されれば足りる。このためには、例えば平面視において第1電極34の突出部位34bが内管32の開口32bの内部に含まれていればよい。この限りにおいて、内管32と第1電極34とは必ずしも同軸でなくてもよい。すなわち、第1電極34が厳密に内管32の中心に配置されている必要はない。また、筐体31および内管32についても、両者間の空間を液体がスムーズに流通する限りにおいて、これらは必ずしも同軸でなくてもよい。また、これらの配管の断面形状が円形または互いに相似な形状である必要は必ずしもなく、適宜改変可能である。
また、上記実施の形態では、筐体31への内管32の取り付けおよび内管32への第1電極34の取り付けに際して弾性材料によるシール栓が使用されているため、プラズマ発生部3の分解が容易である。しかしながら、これに代えて、部材間が例えば接着や溶接によって恒久的に固着されていてもよい。
また、上記実施の形態では、プラズマ発生部3が略鉛直方向の管軸AXを有する管状を有しているが、これに限定されない。例えば、図4の構造を有するプラズマ発生部3を管軸AXが水平になるように配置した場合でも、良好にプラズマを発生させることができる。プラズマ発生部中の液体および気体が圧送されている場合、内管の開口から吐出された気体が形成する気泡は、主としてその吐出方向および周囲の液体の圧送方向に沿った方向に延びる。したがって、気泡の延びる方向と第1電極の突出部位の延設方向とが概ね同じであれば上記と同様の効果が得られる。
<濃度測定部400の構成>
図10は、濃度測定部400の構成を概略的に示す図である。濃度測定部400は、第1配管200からの分岐BR(図3)からの延びる導入部401と、導入部401から第1配管200へ戻る排出部402とを有する測定用配管と、光源421と、分光器422と、濃度算出部423とを有している。光源421からの光は、測定用配管を通過した後、分光器422へ入る。
図11は、異なる活性種濃度を有する処理液についての、波長と吸光度との関係を例示するグラフ図である。このグラフからわかるように、活性種濃度と、特定の波長における吸光度との間に、明確な相関がある。濃度算出部423は、分光器422によって得られた特定の波長における吸光度に基づいて、活性種濃度を算出する。得られた濃度データは制御部90へ送られる。なお濃度算出部423のハードウェア構成は、制御部90のハードウェア構成(図2)と同様であってよい。変形例として、濃度算出部423が制御部90のハードウェアによって構成されてもよい。
第1配管200からの分岐BR(図3)は、タンク114とプラズマ発生部3との間に配置されていることが好ましい。これにより、分岐BRがプラズマ発生部3の下流に位置する場合に比して、プラズマ発生部3において添加される気体が濃度測定を不安定化させる悪影響を低減することができる。なお、排出部402は、第2配管204に接続されていてよい。
<基板処理装置100の動作について>
次に、制御部90によって制御される基板処理装置100の動作について説明する。本実施の形態に関する基板処理装置100による基板処理方法は、処理ユニットUTへ搬送された基板Wに対し薬液処理(硫酸を含有する処理液を用いた処理)を行う工程と、薬液処理が行われた基板Wに対し洗浄処理を行う工程と、洗浄処理が行われた基板Wに対し乾燥処理を行う工程と、乾燥処理が行われた基板Wを処理ユニットUTから搬出する工程とを有している。
以下では、基板Wに付着している有機物(たとえば、使用済みのレジスト膜)を除去する薬液処理における、処理液の吐出モード、処理液の吐出を停止する吐出停止モード、および、処理液を吸引する吸引モードについて説明する。吐出モード、吐出停止モードおよび吸引モードは、制御部90の制御によって切り替えられる。吐出モードが発動されることによって、処理液がノズル138へ供給される供給状態が得られる。吐出停止モードが発動されることによって、タンク114からの処理液が第2配管204を通じてタンク114へ戻される還流状態が得られる。
処理液をノズル138から吐出する吐出モードでは、バルブ122、流量調整バルブ128、バルブ132、吐出バルブ136が開いており、他のバルブは閉じている。
吐出モードでは、タンク114内の処理液は、ヒーター116によって加熱された後、ポンプ118によって第1配管200へ送られる。第1配管200を流れる処理液は、フィルター120において不純物が除去された後、バルブ122の下流の第1配管200へ送られる。
そして、バルブ122の下流の第1配管200において、処理液は、流量計126で流量が測定され、流量調整バルブ128で流量が調整された後、ヒーター130によって所望の吐出温度まで加熱される。そして、当該処理液は、プラズマ発生部3においてプラズマ処理が行われた後、処理ユニットUTにおいて保持されている(望ましくは、回転している)基板Wの上面にノズル138から吐出される。なお、変形例として、ノズル138近傍の第1配管200において処理液に過酸化水素が加えられてもよい。
処理液の吐出が停止されている吐出停止モードでは、バルブ122、バルブ124、流量調整バルブ128、バルブ132、バルブ140が開いており、他のバルブは閉じている。
吐出停止モードでは、タンク114内の処理液は、ヒーター116によって加熱された後、ポンプ118によって第1配管200へ送られる。第1配管200を流れる処理液は、フィルター120において不純物が除去された後、一部がバルブ122の下流の第1配管200へ送られ、他の一部がバルブ124の下流の分岐配管202へ送られてタンク114に戻る。
そして、バルブ122の下流の第1配管200において、処理液は、流量計126で流量が測定され、流量調整バルブ128で流量が調整された後、ヒーター130によって所望の吐出温度まで加熱される。そして、当該処理液は、プラズマ発生部3においてプラズマ処理が行われた後、第2配管204を介してバルブ140の下流へ流れ、クーラー154を介してタンク114に戻る。
吐出停止モードでは、処理液を循環させることによって、ノズル138の近傍においても処理液を所望の温度に維持することができる。また、循環経路内にプラズマ発生部3が配置されており、循環する処理液に対し繰り返しプラズマ処理を行うことができる。よって、処理液に対して十分な回数のプラズマ処理が行われることによって、処理液中のカロ酸濃度を高めることができる。その後、制御部90の制御によって吐出モードに切り替えることによって、処理能力(具体的には酸化力)が十分に高められた処理液をノズル138から吐出させることができる。
ノズル138付近に残留する処理液を吸引する吸引モードでは、バルブ122、バルブ124、流量調整バルブ128、吐出バルブ136、バルブ142、バルブ144が開いており、他のバルブは閉じている。
吸引モードでは、タンク114内の処理液は、ヒーター116によって加熱された後、ポンプ118によって第1配管200へ送られる。第1配管200を流れる処理液は、フィルター120において不純物が除去された後、一部はバルブ122の下流の第1配管200へ送られた後、バルブ144を介してタンク114に戻る。第1配管200を流れる処理液の他の一部も、バルブ124の下流の分岐配管202へ送られてタンク114に戻る。
また、第2配管204との分岐位置よりも下流の第1配管200に残留している処理液は、吸引配管206から第2配管204を介して伝達された吸引力によって、吸引配管206内に吸引される。
<濃度管理部920の動作について>
上述した還流状態における処理液中のカロ酸濃度の時間依存性について、以下に説明する。
図13は、濃度管理部920(図12)が用いられない場合のカロ酸濃度の時間依存性を例示するグラフ図である。時間tiにて、プラズマを発生させるための投入電力の印加が開始される。その後、投入電力が一定に保持される。この場合、カロ酸濃度は、時間tiから増加し、その後、時間tから低下する。カロ酸濃度の低下が生じる正確な原因は不明であるが、本発明者らは、カロ酸を消失させる不要物質(例えばNO)の発生によるものと推測している。
図14は、濃度管理部920(図12)において、電力低下モードを有する電力管理部921が用いられる場合のカロ酸濃度の時間依存性を例示するグラフ図である。前述したように時間tにて活性種濃度が低下した場合に、電力管理部921は投入電力を低下させる。図示された例においては、投入電力はゼロまで低下させられる。このように投入電力が低下させられると、図13の場合に比して、カロ酸濃度の低下が抑制される。
図15は、濃度管理部920(図12)において、補充モードを有する補充管理部922が用いられる場合のカロ酸濃度の時間依存性を例示するグラフ図である。時間tより後の時間tA1および時間tA2の各々にて補充モードが発動されることによって、タンク114へ新たな処理液が補充される。このように新たな処理液が補充されると、図13の場合に比して、活性種濃度を十分に高く保つことができる期間を延長することができる。
図16は、濃度管理部920(図12)において、電力低下モードおよび電力増加モードを有する電力管理部921と、補充モードを有する補充管理部922と、が用いられる場合のカロ酸濃度の時間依存性を例示するグラフ図である。前述した時間tにて投入電力を低下させる電力低下モードが発動した後、時間tにて補充モードが発動されることによって、タンク114へ新たな処理液が補充される。補充モードが発動された後、時間ti2において、電力増加モードが発動されることによって、投入電力が増加させられる。これにより、新たな処理液を利用してのカロ酸の発生が促進される。
時間tにて発動される電力低下モードが投入電力を第1の値Pから低下させるところ、時間ti2にて発動される電力増加モードは、投入電力を、第1の値Pよりも低い第2の値Pへ増加させることが好ましい。本発明者らの検討によれば、これにより、より高いカロ酸濃度を得ることができる。
時間ti2の後、時間tD2にて電力低下モードが再度発動されてよい。これによりカロ酸濃度の低下を抑制する効果が再度得られる。
<効果>
本実施の形態によれば、還流状態を用いることにより、プラズマ処理された処理液に対して、活性種の大きな失活を伴うことなくプラズマ処理を再度行うことができる。これにより、処理液中の活性種(具体的には、硫酸から生成されるカロ酸)の濃度を、より高めることができる。これにより、還流状態から供給状態への切り替え後に、ノズル138から、高い活性種濃度を有する処理液が吐出される。よって、処理液を用いた基板処理(例えば、レジスト膜の除去処理)の効率を高めることができる。
図7に示すように、プラズマは処理液中の気泡内に生成される。よって、第1に、プラズマを処理液へ効率的に作用させることができる。第2に、基板処理装置100の周りの雰囲気にかかわらず、プラズマの生成に用いられる気体の種類を選択することができる。本発明者らの検討によれば、例えばドライエアを用いることにより、処理液の処理効果を十分に高めることができる。これに対して、気泡中でプラズマが生成される代わりに、基板処理装置100の周りの雰囲気中でプラズマが生成される場合は、当該雰囲気としての大気がプラズマ処理へ及ぼす影響が大きいことがある。具体的には、処理液(硫酸)が大気中に含まれる水分を吸湿することにより、処理液(硫酸)の処理効果が低下してしまう。このような悪影響は、プラズマが生成される箇所において窒素をパージすることによって軽減し得るものの、その場合は多量の窒素ガスを消費するので、環境負荷が高くなる。
なお、本実施の形態においても、図17に示すように、タンク114に対して窒素をパージするための構成が設けられてもよい。具体的には、窒素供給源61と、窒素供給配管62とが設けられる。これにより、処理液(硫酸)が水分を吸湿して処理効果が低下してしまうことを抑制できる。
図3に示すように、プラズマ発生部3は、タンク114とノズル138との間に配置される。これにより、プラズマ発生部がタンク114に配置される場合に比して、プラズマ処理直後の処理液をノズル138から吐出することができる。よって、基板処理において、長寿命の活性種だけでなく短寿命の活性種の効果も期待できる。
また、プラズマ発生部3(図4)による放電は、誘電体バリア放電である。これにより、プラズマ発生に起因しての温度上昇が抑制される。よってプラズマ発生部3は、特別な冷却機構を必要としない。
図14に示すように、電力管理部921が電力低下モードを有することにより、投入電力が過大であることに起因しての活性種濃度の低下を抑制することができる。図15に示すように、補充管理部922が補充モードを有することにより、処理液が補充され、その結果、活性種濃度を十分に高く保つことができる期間を延長することができる。図16に示すように、電力管理部921が電力増加モードを有することにより、処理液が補充された直後に生じる活性種濃度の低下を抑制することができる。電力低下モードが投入電力を第1の値Pから低下させた後、電力増加モードが投入電力を、第1の値Pよりも低い第2の値Pへ増加させる場合、処理液の補充後に、より高い活性種濃度を確保しやすくなる。
1 :基板処理システム
3 :プラズマ発生部
8 :気体導入部
31 :筐体
31a :厚肉部
31b :薄肉部
31c :厚肉部
31d :液体導入管
32 :内管(気体供給管)
32b :開口
32c :気体導入管
34 :第1電極
34a :上端
34b :突出部位
36~38:第2電極
81 :気体供給源
100 :基板処理装置
114 :タンク
200 :第1配管
204 :第2配管
341 :導体部
342 :表面層
371 :電極片
381 :導体部
382 :表面層
400 :濃度測定部
500 :処理液補充部
910 :流路管理部
920 :濃度管理部
921 :電力管理部
922 :補充管理部
W :基板

Claims (5)

  1. 硫酸を含有する処理液を用いて基板を処理するための基板処理装置であって、
    前記処理液を貯留するタンクと、
    前記処理液を前記基板上に吐出するノズルと、
    前記タンクから前記ノズルへ延び、前記処理液を流す第1配管と、
    前記第1配管内でプラズマを発生させるプラズマ発生部と、
    を備え、前記プラズマ発生部は、
    前記第1配管内において前記処理液中へ気体を吐出する開口を有する気体供給管と、
    前記第1配管内において前記気体供給管内から前記気体供給管の前記開口を介して前記気体供給管の外へ突出する突出部位を有し、前記突出部位において誘電体によって被覆されている第1電極と、
    前記第1電極の前記突出部位を取り囲み、誘電体によって前記処理液から隔離された第2電極と、
    プラズマを発生するための投入電力を得るために前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加する電圧印加部と、
    を含み、前記基板処理装置はさらに、
    前記プラズマ発生部と前記ノズルとの間の前記第1配管からの分岐から前記タンクへ延び、前記処理液を流す第2配管と、
    前記第1配管に前記分岐と前記ノズルとの間で挿入された吐出バルブを含む流路切換部と、
    流路管理部を含む制御部と、
    を備え、
    前記流路管理部は、前記流路切換部を制御することによって、前記タンクからの前記処理液が前記ノズルへ供給される供給状態と、前記タンクからの前記処理液が前記第2配管を通じて前記タンクへ戻される還流状態と、を切り替える、基板処理装置。
  2. 前記処理液の活性種濃度を測定する濃度測定部をさらに備え、
    前記制御部は、前記活性種濃度を管理するための濃度管理部を含み、前記濃度管理部は電力管理部を含み、前記電力管理部は、前記活性種濃度が低下した場合に前記投入電力を低下させる電力低下モードを有している、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記タンクへ前記処理液を補充する処理液補充部をさらに備え、
    前記制御部は補充管理部を含み、前記補充管理部は、前記電力管理部の前記電力低下モードが発動された後に前記処理液補充部を動作させる補充モードを有している、請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 前記制御部の前記電力管理部は、前記補充管理部の前記補充モードが発動された後に前記投入電力を増加させる電力増加モードを有している、請求項3に記載の基板処理装置。
  5. 前記電力低下モードは前記投入電力を第1の値から低下させ、前記電力増加モードは前記投入電力を、前記第1の値よりも低い第2の値へ増加させる、請求項4に記載の基板処理装置。
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