JP2022145456A - 圧電デバイス用のベースおよび圧電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電デバイス用の新規な構造を有したベースを提供する。【解決手段】ベース10は、ガラス又は水晶から成る第1基板11と、第1基板の第1面11aに設けた圧電素子用の搭載パッド11bと、第1基板に設けられ、搭載パッドから第1面とは反対面である第2面11cに通じているコンタクトホール11d及びコンタクトホール配線11eと、第2面の前記コンタクトホールの周囲領域を含む領域に設けた第1金属膜11fと、前記第1基板と同じ材料から成る第2基板13と、第2基板の第1基板側の面に設けられ第1金属膜と共に金属間接合を構成している第2金属膜13bと、引き回し配線13eと、キャスタレーション13fと、外部実装端子13gと、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、圧電デバイス用のベースと、このベースを用いた圧電デバイスに関する。
圧電デバイスでは、圧電素子を内包するための容器が必須である。そのため、圧電デバイスの一種である水晶デバイスでは、金属製容器、セラミック製容器、ガラスや水晶を用いた容器等の種々の容器が、使用又は研究されている。特に量産タイプの水晶デバイスでは、表面実装型のものの要求が高いため、表面実装型の容器が多用されている。
表面実装型かつ量産に適する容器の代表格は、セラミック製の容器である。具体的には、セラミック製のベースと、金属製又はセラミック製の蓋とを接合した容器である。セラミック製のベースは、典型的には、セラミック材料からなる平面視矩形状の底板と、この底板上に積層したセラミック材料からなる堤部とが、一体的に焼成されたものである(特許文献1の例えば段落26、図1等)。
また、水晶及びガラスを用いた容器の一例として、例えば特許文献2に開示されているように、水晶振動片及び外枠が一体形成された水晶構造体と、ガラス製の上板と、ガラス製の下板とが、陽極接合によって接合された構造の容器がある(特許文献2の要約、図1、図3等)
また、ガラス製の容器の他の例として、例えば特許文献3に開示されているように、ホウケイ酸ガラスで構成したリッド及びベースを直接接合した構造の容器がある(特許文献3の段落18、32、図1(b)等)
また、水晶製の容器の一例として、例えば特許文献4に開示されているように、水晶ウエハで構成したリッドウエハと圧電ウエハとベースウエハとを、接合材によって、又は、直接接合によって接合し、これを個々の圧電デバイスに個片化して形成された構造の容器がある(特許文献4の段落72,75,76、図8、図9等)。
上記の各種容器の中で、現在のところ最も優れているものは、セラミック製のベースを用いたものである。しかし、圧電デバイスの薄型化、小型化が進むに従い、セラミック製のベースは、構造、精度、コスト面で限界があるといえる。従って、セラミック製のベースに代わることができ、かつ、上記のガラス及び又は水晶を用いた従来の容器を超えることができる、新規な構造のベースが望まれる。
この発明は上記の点に鑑みなされたものであり、従って、この出願の目的は、圧電デバイス用の新規な構造を有したベース及びこれを用いた圧電デバイスを提供することにある。
この発明は上記の点に鑑みなされたものであり、従って、この出願の目的は、圧電デバイス用の新規な構造を有したベース及びこれを用いた圧電デバイスを提供することにある。
この目的の達成を図るため、この発明の圧電デバイス用のベースによれば、ガラス又は水晶から成る第1基板と、前記第1基板の第1面に設けた圧電素子用の搭載パッドと、前記第1基板に設けられ、前記搭載パッドから前記第1面とは反対面である第2面に通じているコンタクトホール及びコンタクトホール配線と、前記第2面の前記コンタクトホールの周囲領域を含む領域に設けた第1金属膜と、前記第1基板と同じ材料から成り前記第1基板に金属間接合によって接合されている第2基板と、前記第2基板の前記第1基板側の面である第3面に設けられ前記第1金属膜と共に当該金属間接合を構成している第2金属膜と、前記コンタクトホール配線から前記第3面及び前記第2基板の側面を経由して前記第2基板の前記第3面と反対面である第4面に至っている引き回し配線と、前記引き回し配線用として前記側面に設けたキャスタレーションと、前記第4面に設けられ前記引き回し配線に接続されている外部実装端子と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明の圧電デバイスによれば、ガラス又は水晶から成る第1基板と、前記第1基板の第1面に設けた圧電素子用の搭載パッドと、前記第1基板に設けられ、前記搭載パッドから前記第1面とは反対面である第2面に通じているコンタクトホール及びコンタクトホール配線と、前記第2面の前記コンタクトホールの周囲領域を含む領域に設けた第1金属膜と、前記第1基板と同じ材料から成り前記第1基板に金属間接合によって接合されている第2基板と、前記第2基板の前記第1基板側の面である第3面に設けられ前記第1金属膜と共に当該金属間接合を構成している第2金属膜と、前記コンタクトホール配線から前記第3面及び前記第2基板の側面を経由して前記第2基板の前記第3面と反対面である第4面に至っている引き回し配線と、前記引き回し配線用として前記側面に設けたキャスタレーションと、前記第4面に設けられ前記引き回し配線に接続されている外部実装端子と、を備えたベース、
前記搭載パッドに導電性部材によって接続固定されている当該圧電素子、および、
前記ベースに接合され前記圧電素子を封止している蓋部材と、を備えたことを特徴とする。
前記搭載パッドに導電性部材によって接続固定されている当該圧電素子、および、
前記ベースに接合され前記圧電素子を封止している蓋部材と、を備えたことを特徴とする。
この発明のベースによれば、ガラス又は水晶から成る第1基板及び第2基板が金属間接合によって積層された構造を持った圧電デバイス用のベースが構成される。しかも、圧電素子用の搭載パッドが、第1基板に設けたコンタクトホール配線と、第2基板に設けられキャスタレーションを使用した引き回し配線とによって、外部実装端子に接続された構造のベースが実現される。しかも、コンタクトホールの周囲は、第1金属膜及び第2金属膜による金属間接合によって囲まれた構造になっているので、気密性低下のネックとなり易いコンタクトホール領域が、金属間接合によって密封される。しかも、第1基板及び第2基板は同じ材料で構成してあるので、熱膨張係数等の物理的性質が同じである。
従って、ガラス又は水晶から成る第1基板及び第2基板の積層構造であっても、気密性が確保されたベースを実現できる。
さらに、ガラス及び水晶各々は、フォトリソグラフィ技術によって加工が可能なため、比較的高い精度で加工ができ、かつ、いずれも材料費として比較的安価である。従って、高精度かつ安価なベースを実現できる。
また、この発明の圧電デバイスによれば、上記の新規構造を有したベースを用いた新規な圧電デバイスを実現できる。
従って、ガラス又は水晶から成る第1基板及び第2基板の積層構造であっても、気密性が確保されたベースを実現できる。
さらに、ガラス及び水晶各々は、フォトリソグラフィ技術によって加工が可能なため、比較的高い精度で加工ができ、かつ、いずれも材料費として比較的安価である。従って、高精度かつ安価なベースを実現できる。
また、この発明の圧電デバイスによれば、上記の新規構造を有したベースを用いた新規な圧電デバイスを実現できる。
以下、図面を参照してこの発明のベースおよび圧電デバイスの実施形態について説明する。なお、説明に用いる各図はこの発明を理解できる程度に概略的に示してあるにすぎない。また、説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の番号を付して示し、その説明を省略する場合もある。また、以下の実施例中で述べる形状、寸法、材質等はこの発明の範囲内の好適例に過ぎない。従って、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。
1.第1の実施形態のベース
図1(A)、(B)は、第1の実施形態のベース10を説明するための図である。特に図1(A)は、ベース10の斜視図、図1(B)は、ベース10を、第1基板11及び第2基板13に分けて示した分解斜視図である。
実施形態のベース10は、ガラス又は水晶から成る第1基板11と、第1基板11の第1面11aに設けた圧電素子用の搭載パッド11bと、第1基板11に設けられ、搭載パッド11bから第1面11aとは反対面である第2面11cに通じているコンタクトホール11d及びコンタクトホール配線11eと、第2面11cのコンタクトホール11dの周囲領域を含む領域に設けた第1金属膜11fと、絶縁領域11gと、シールパタン11hと、を備えている。
さらに、ベース10は、第1基板と同じ材料から成り第1基板11に金属間接合によって接合されている第2基板13と、第2基板13の第1基板11側の面である第3面13aに設けられ第1金属膜11fと共に、すなわち第1金属膜11fに接合して、当該金属間接合を構成している第2金属膜13bと、前記コンタクトホール配線11eから第3面13a及び第2基板13の側面13cを経由して第2基板13の第3面13aと反対面である第4面13dに至っている引き回し配線13eと、引き回し配線13e用として側面13cに設けられたキャスタレーション13fと、第4面13dに設けられ引き回し配線に接続されている外部実装端子13g(図3参照)と、を備えている。以下、上記した各構成成分の具体例について説明する。
図1(A)、(B)は、第1の実施形態のベース10を説明するための図である。特に図1(A)は、ベース10の斜視図、図1(B)は、ベース10を、第1基板11及び第2基板13に分けて示した分解斜視図である。
実施形態のベース10は、ガラス又は水晶から成る第1基板11と、第1基板11の第1面11aに設けた圧電素子用の搭載パッド11bと、第1基板11に設けられ、搭載パッド11bから第1面11aとは反対面である第2面11cに通じているコンタクトホール11d及びコンタクトホール配線11eと、第2面11cのコンタクトホール11dの周囲領域を含む領域に設けた第1金属膜11fと、絶縁領域11gと、シールパタン11hと、を備えている。
さらに、ベース10は、第1基板と同じ材料から成り第1基板11に金属間接合によって接合されている第2基板13と、第2基板13の第1基板11側の面である第3面13aに設けられ第1金属膜11fと共に、すなわち第1金属膜11fに接合して、当該金属間接合を構成している第2金属膜13bと、前記コンタクトホール配線11eから第3面13a及び第2基板13の側面13cを経由して第2基板13の第3面13aと反対面である第4面13dに至っている引き回し配線13eと、引き回し配線13e用として側面13cに設けられたキャスタレーション13fと、第4面13dに設けられ引き回し配線に接続されている外部実装端子13g(図3参照)と、を備えている。以下、上記した各構成成分の具体例について説明する。
第1基板11は、この例の場合、平面形状が四角形状のものとしてある。第1基板11の具体的材料は、水晶の場合は、Zカット板又はATカット板が好ましい。水晶のZカット板及びATカット板それぞれは、水晶振動子用として大量生産されている基板であるため、コスト的にも有利である。また、第1基板11の具体的材料がガラスの場合は、ソーダガラス等、任意好適なガラスで良い。
搭載パッド11bは、圧電素子50(図3参照)が導電性接着剤等によって接続固定されるものである。搭載パッド11bは、圧電素子の実装構造に応じた形状のものを、第1基板11の第1面11a上の、任意の箇所に設ける。この例の場合は、圧電素子を片持ち保持する構造を例示しているので、搭載パッド11bは、第1基板11の1つの辺の近傍であって、この1つの辺に沿う方向で互いに離間した2か所に設けてある。より具体的には、後に図3を用いて説明するが、第1基板に搭載される圧電素子50(図3参照)は、平面視で矩形状のものであり、搭載パッド11bは、前記矩形状の圧電素子50の1つの辺側のかつ当該1つの辺に沿う両端と対応する第1基板の2か所に設けてある。搭載パッド11bの平面的な形状は、四角形状、丸形状、楕円形状等、任意の形状にできる。搭載パッド11bは、任意好適な金属膜、例えば、クロム膜と金膜との積層膜等で構成できる。
コンタクトホール11dおよびコンタクトホール配線11eは、第1基板11の第1面11aから第2面11cに通じているもので、第1基板11に例えばフォトリソグラフィ技術、エッチング技術及び成膜技術を用いて形成できる。コンタクトホール配線11eの構成材料は、例えば、搭載パッド11bと同様の材料で構成できる。
第1金属膜11fは、第1基板11と第2基板13とを、金属間接合によって接合するための一方の部材であると共に、コンタクトホール11dの気密を確保するための封止部材の一方としての役割を持つ。そのため、第1金属膜11fは、この例の場合、2つのコンタクトホール11dの一方の周囲を囲うような平面形状を持つ第1部分11f1と、2つのコンタクトホール11dの他方の周囲を囲うような平面形状を持つ第2部分11f2と、それ以外の領域を担当する第3部分11f3との、3つの部分で構成してある。なお、第1金属膜11fの上記の3つの部分11f1,11f2,11f3それぞれは、電気的に分離する必要があるため、金属膜を除去した絶縁領域11gによって分離してある。ただし、後述する第2金属膜13bとの金属間接合面積を広くするため、絶縁領域11gの面積は、必要最小限にすることが好ましい。
また、第2基板13側に設けた第2金属膜13bは、第1基板11と第2基板13とを、金属間接合によって接合するための他方の部材であると共に、コンタクトホール11dの気密を確保するための封止部材の他方としての役割を持つ。従って、第2金属膜13bは、第1金属膜11fの3つの部分11f1,11f2及び11f3に対応する3つの部分で構成してあり、それら3つの部分は、絶縁領域13hによって分離してある。この絶縁領域13hの面積は、上記の絶縁領域11gと同様に、必要最小限にすることが好ましい。
また、第2基板13側に設けた第2金属膜13bは、第1基板11と第2基板13とを、金属間接合によって接合するための他方の部材であると共に、コンタクトホール11dの気密を確保するための封止部材の他方としての役割を持つ。従って、第2金属膜13bは、第1金属膜11fの3つの部分11f1,11f2及び11f3に対応する3つの部分で構成してあり、それら3つの部分は、絶縁領域13hによって分離してある。この絶縁領域13hの面積は、上記の絶縁領域11gと同様に、必要最小限にすることが好ましい。
ここで、第1金属膜11f及び第2金属膜13b各々の材質について、図10(A)~(C)を参照して説明する。なお、これらの図は、第1基板11(又は第2基板13)と、第1金属膜11f(又は第2金属膜13b)との構造体の断面図である。
第1金属膜11f及び第2金属膜13b各々は、金属間接合が行える任意好適な金属膜で構成できる。例えば、第1基板側から順に積層した、クロム膜80aと金膜80bとの積層膜で構成できる(図10(A))。こうすれば、第1金属膜11f及び第2金属膜13bが協働して金膜同士の金属間接合を生じさせて、第1基板11と第2基板13とを金属間接合できる。
より好ましくは、図10(B)に示したように、第1金属膜11f及び第2金属膜13b各々は、下地膜としてのクロム膜80aと、中間膜としてのニッケル膜又はニッケル・タングステン合金膜80cと、上層膜としての金膜80bとの3層構造の積層膜で構成するのが良い。中間膜として、ニッケル膜又はニッケル・タングステン合金膜を備えた構成であると、下地膜であるクロム膜が上層膜である金膜に拡散することを防止できるため、第1金属膜及び第2金属膜による金属間接合をより良好に行えるからである。また、この3層構造の積層膜であると、経時的にもクロムの金膜への拡散を防止できると考えられる。
さらに好ましくは、図10(C)に示したように、第1金属膜11f及び第2金属膜13b各々は、上記の3層構造の金属膜の上層膜である金膜80bの上に、チタン膜80dと、このチタン膜80d上に積層した金膜80eとからなる積層膜を備えた、5層構成の金属膜とするのが良い。ニッケル又はニッケル・タングステン合金を設けていてもクロムが金膜に拡散する場合があるので、チタン膜によってクロムの最上層の金膜への拡散を防止でき、金属間接合をさらに良好に行えるからである。なお、この5層構造の積層膜の場合も、経時的にもクロムの金への拡散をより防止できると考えられる。
第1金属膜11f及び第2金属膜13b各々は、金属間接合が行える任意好適な金属膜で構成できる。例えば、第1基板側から順に積層した、クロム膜80aと金膜80bとの積層膜で構成できる(図10(A))。こうすれば、第1金属膜11f及び第2金属膜13bが協働して金膜同士の金属間接合を生じさせて、第1基板11と第2基板13とを金属間接合できる。
より好ましくは、図10(B)に示したように、第1金属膜11f及び第2金属膜13b各々は、下地膜としてのクロム膜80aと、中間膜としてのニッケル膜又はニッケル・タングステン合金膜80cと、上層膜としての金膜80bとの3層構造の積層膜で構成するのが良い。中間膜として、ニッケル膜又はニッケル・タングステン合金膜を備えた構成であると、下地膜であるクロム膜が上層膜である金膜に拡散することを防止できるため、第1金属膜及び第2金属膜による金属間接合をより良好に行えるからである。また、この3層構造の積層膜であると、経時的にもクロムの金膜への拡散を防止できると考えられる。
さらに好ましくは、図10(C)に示したように、第1金属膜11f及び第2金属膜13b各々は、上記の3層構造の金属膜の上層膜である金膜80bの上に、チタン膜80dと、このチタン膜80d上に積層した金膜80eとからなる積層膜を備えた、5層構成の金属膜とするのが良い。ニッケル又はニッケル・タングステン合金を設けていてもクロムが金膜に拡散する場合があるので、チタン膜によってクロムの最上層の金膜への拡散を防止でき、金属間接合をさらに良好に行えるからである。なお、この5層構造の積層膜の場合も、経時的にもクロムの金への拡散をより防止できると考えられる。
シールパタン11h(図1)は、後述する蓋部材60(図3参照)をベース10に接合するためのものである。この実施形態のベース10は、蓋部材をロー材例えば金錫合金によってベースに接合する例を示している。従って、シールパタン11hは、金錫との接合が容易な任意好適な材料で構成する。シールパタン11hは、第1基板11の縁に沿って所定の幅で設けてある。
なお、第1基板11の第1面11aにシールパタン11hを設けるに当たり、好ましくは、図11(A)、(B)に示したように、第1基板11の第1面11aの、シールパタン11hを設ける領域に、シールパタン11hの厚みと同等の深さd(図11(B)参照)を有した凹部11haを設け、この凹部11ha内にシールパタン11hを設けることが良い。低背型の圧電デバイスを実現したい場合、シールパタン11hの厚さ自体も低背化の弊害になることがあるが、この好適例のようにシールパタン11hを凹部11haに埋め込む構造とすれば、シールパタン11hの厚さ起因で圧電デバイスの厚みが増加することを防止できるからである。なお、図11(B)は、ベース10の、図11(A)中のP-P線に沿った概略的な断面図である。
なお、第1基板11の第1面11aにシールパタン11hを設けるに当たり、好ましくは、図11(A)、(B)に示したように、第1基板11の第1面11aの、シールパタン11hを設ける領域に、シールパタン11hの厚みと同等の深さd(図11(B)参照)を有した凹部11haを設け、この凹部11ha内にシールパタン11hを設けることが良い。低背型の圧電デバイスを実現したい場合、シールパタン11hの厚さ自体も低背化の弊害になることがあるが、この好適例のようにシールパタン11hを凹部11haに埋め込む構造とすれば、シールパタン11hの厚さ起因で圧電デバイスの厚みが増加することを防止できるからである。なお、図11(B)は、ベース10の、図11(A)中のP-P線に沿った概略的な断面図である。
第2基板13は、第1基板に、上記第1金属膜および第2金属膜との金属間接合によって接合されるものである。第2基板13は、第1基板11と同じ材料かつほぼ同一の平面形状の基板としてある。ただし、第1基板11に対し、第2基板13は、キャスタレーション13fを設けた点で、平面形状が若干異なる。キャスタレーション13fについては、後述する。
引き回し配線13eは、コンタクトホール配線11eから第3面13a及び第2基板13の側面13cを経由して第4面13dに至っている配線である。ただし、引き回し配線13eは、第1金属膜11f及び第2金属膜13bの一部を利用して構成してある。具体的には、第1基板11及び第2基板13の間の引き回し配は、第1金属膜の第1部分11f1、第2部分11f2及びこれらに対向している第2金属膜13b(13e)で、構成してある。なお、引き回し配線13eの、第2基板13の側面13cから外部実装端子13gに至る部分は、第2金属膜13bと連続している金属膜で構成してある。
キャスタレーション13fは、引き回し配線13eを外部実装端子13gに引き回すためのものである。キャスタレーション13fは、第3基板の対向する2つの辺のそれぞれの一部に、第2基板の縁から中央にやや窪んだ切欠き状になっている。詳細は図2を用いて後に説明するが、キャスタレーション13fは、第2基板13を形成するためのウエハに対し平面視で長孔状の孔を設け、そのウエハをダイシングソー等で第2基板に分割することで、形成できる。なお、キャスタレーションの個数を、図示例では2つとしているが、3個以上の場合があっても良い。
外部実装端子13gは、第4面13dに設けられ、上記の引き回し配線13eに接続されているものである。外部実装端子13gは、本発明のベース10を用いて製造される圧電デバイス(図3参照)を種々の電子機器に搭載する際に用いる端子である。この例では、外部実装端子13gとして、4つの端子を示しているが、端子数はこれに限られない。また、この場合、4つの端子のうちの2つの端子は、非接続(NC)の例である。圧電デバイスがアース構造を有する場合等では、これら非接続の端子はアース端子として用いることもできる。
2.ベース10の製法例
次に、本発明のベースの理解を深めるために、第1の実施形態のベース10の製法例について説明する。図2(A)~(D)は、この製法例を説明するための図である。
第1基板11を形成するために、水晶製のウエハ20xを用意し、このウエハ20x上に、公知のフォトリソグラフィ技術、成膜技術およびエッチング技術によって、マトリクス状に第1基板11、すなわち、搭載パッド11b、コンタクトホール11d、コンタクトホール配線11e及び第1金属膜11fを形成する(図2(A))。
また、第2基板13を形成するために、水晶製のウエハ20yを用意し、このウエハ20y上に、公知のフォトリソグラフィ技術、成膜技術およびエッチング技術によって、第2金属膜13bやキャスタレーション用の孔20z等を形成する(図2(B))。
次に、本発明のベースの理解を深めるために、第1の実施形態のベース10の製法例について説明する。図2(A)~(D)は、この製法例を説明するための図である。
第1基板11を形成するために、水晶製のウエハ20xを用意し、このウエハ20x上に、公知のフォトリソグラフィ技術、成膜技術およびエッチング技術によって、マトリクス状に第1基板11、すなわち、搭載パッド11b、コンタクトホール11d、コンタクトホール配線11e及び第1金属膜11fを形成する(図2(A))。
また、第2基板13を形成するために、水晶製のウエハ20yを用意し、このウエハ20y上に、公知のフォトリソグラフィ技術、成膜技術およびエッチング技術によって、第2金属膜13bやキャスタレーション用の孔20z等を形成する(図2(B))。
次に、ウエハ20x及びウエハ20yを所定の位置関係で重ね、そして、真空チャンバ内にて低圧雰囲気で加熱かつ所定の力で加圧する(図2(C))。この処理によって、第1金属膜11f及び第2金属膜13bが金属間接合するので、ウエハ20x及びウエハ20yは接合し、従って、第1基板11及び第2基板13は接合する(図2(D))。
次に、上記接合したウエハを所定のラインに沿って例えばダイシングソーによってダイシングをして、第1の実施形態のベース10が得られる。
次に、上記接合したウエハを所定のラインに沿って例えばダイシングソーによってダイシングをして、第1の実施形態のベース10が得られる。
なお、第1基板11及び第2基板13は、第1金属膜11fと第2金属膜13bとの金属間接合によって接合させるが、その際は、第1基板11及び第2基板13に対し、接合面とは反対面から所定の圧力で加圧をする。この加圧力をなるべく低くできると、接合装置の装置コスト低減や製造スループットの低減が図れる。そのため、図12及び図13を参照して以下に説明するように、第1基板11の第2面11c及び又は第2基板13の第3面13aに、金属間接合実施時に第1基板11及び第2基板13に外部から印加する接合力を集中させるための、凸状領域90を複数備えるようにしても良い。図12(A)~(C)にその一例を示す。
先ず、図12(A)は、第1基板11の絶縁領域11g及び第2基板13の絶縁領域13hに当たる領域をそれぞれ凹状にし、第1基板11及び第2基板13の、これら絶縁領域11g、13h以外の部分を結果的に凸状にすることで、凸状領域90を構成した例である。図12(B)、(C)それぞれは、図12(A)のP-P線、Q-Q線に沿った断面図であり、これら断面図において凸状領域90を明確に示してある。
また、図13(A)は、第1基板11の絶縁領域11g及び第2基板13の絶縁領域13hに当たる領域をそれぞれ凹状にし、かつ、それ以外の一部の領域も凹状にし、第1基板11及び第2基板13の、これら凹状にした領域以外の部分を、結果的に凸にすることで、凸状領域90を構成した例である。図13(A)に示した斜視図において、絶縁領域11g、13hの近傍以外に設けた凸状領域90aを明確に示してある。また、図13(B)は、図13(A)のR-R線に沿った断面図であり、この断面図において、凸状領域90,90aを明確に示してある。
なお、上記の例では、凸状領域90,90aを、第1基板11及び第2基板13双方の互いが対向する面に設けたが、凸状領域90,90aを、第1基板11及び第2基板13対向面の一方の側にのみ設けても良い。また、第1基板11や第2基板13の基板の面積に対し凸状領域90,90aの面積の割合をどの程度にするかは、金属間接合の信頼性と加圧力の低減性とを考慮して決める。これに限られないが、第1基板11や第2基板13の基板の面積に対し凸状領域90,90aの面積の割合は、20~50%の範囲から選ぶのが良い。
また、図13(A)は、第1基板11の絶縁領域11g及び第2基板13の絶縁領域13hに当たる領域をそれぞれ凹状にし、かつ、それ以外の一部の領域も凹状にし、第1基板11及び第2基板13の、これら凹状にした領域以外の部分を、結果的に凸にすることで、凸状領域90を構成した例である。図13(A)に示した斜視図において、絶縁領域11g、13hの近傍以外に設けた凸状領域90aを明確に示してある。また、図13(B)は、図13(A)のR-R線に沿った断面図であり、この断面図において、凸状領域90,90aを明確に示してある。
なお、上記の例では、凸状領域90,90aを、第1基板11及び第2基板13双方の互いが対向する面に設けたが、凸状領域90,90aを、第1基板11及び第2基板13対向面の一方の側にのみ設けても良い。また、第1基板11や第2基板13の基板の面積に対し凸状領域90,90aの面積の割合をどの程度にするかは、金属間接合の信頼性と加圧力の低減性とを考慮して決める。これに限られないが、第1基板11や第2基板13の基板の面積に対し凸状領域90,90aの面積の割合は、20~50%の範囲から選ぶのが良い。
3.第1の実施形態の圧電デバイス
次に、第1の実施形態の圧電デバイス40について説明する。図3(A)は第1の実施形態の圧電デバイス40を説明するための分解斜視図、図3(B)は図3(A)のP-P線に沿った蓋部材60の断面図である。
第1の実施形態の圧電デバイス40は、上記した第1の実施形態のベース10と、圧電素子としての水晶振動片50と、蓋部材60と、を備えている。
水晶振動片50は、特に限定されないが、典型的には、ATカット振動片である。その場合は、圧電素子としての水晶振動片50は、ATカット水晶片50aと、その表裏に設けた励振用電極50bとを備えている。
蓋部材60は、この場合、水晶振動片50を内包できる凹部60aと、凹部60aの周囲に設けた土手部60bとを備えた、キャップ状の構造のものとしてある。
水晶振動片50は、励振用電極50bから引き出された引出配線の位置で、搭載パッド11bに、図示しない導電性接着剤によって、接続固定してある。
搭載パッド11bに水晶振動片50の搭載が済んだベース10に、蓋部材60が、この例の場合は、金錫によって接合されて、水晶振動片50は、封止される。封止に当たり、封止空間は、減圧雰囲気又は窒素雰囲気若しくは不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。
蓋部材60は、コスト及び製造の容易さから、金属製とすることが好ましい。蓋部材60を構成する金属材料は任意好適なもので良いが、第1基板及び第2基板の線膨張率を考慮して、以下のものが好ましい。
次に、第1の実施形態の圧電デバイス40について説明する。図3(A)は第1の実施形態の圧電デバイス40を説明するための分解斜視図、図3(B)は図3(A)のP-P線に沿った蓋部材60の断面図である。
第1の実施形態の圧電デバイス40は、上記した第1の実施形態のベース10と、圧電素子としての水晶振動片50と、蓋部材60と、を備えている。
水晶振動片50は、特に限定されないが、典型的には、ATカット振動片である。その場合は、圧電素子としての水晶振動片50は、ATカット水晶片50aと、その表裏に設けた励振用電極50bとを備えている。
蓋部材60は、この場合、水晶振動片50を内包できる凹部60aと、凹部60aの周囲に設けた土手部60bとを備えた、キャップ状の構造のものとしてある。
水晶振動片50は、励振用電極50bから引き出された引出配線の位置で、搭載パッド11bに、図示しない導電性接着剤によって、接続固定してある。
搭載パッド11bに水晶振動片50の搭載が済んだベース10に、蓋部材60が、この例の場合は、金錫によって接合されて、水晶振動片50は、封止される。封止に当たり、封止空間は、減圧雰囲気又は窒素雰囲気若しくは不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。
蓋部材60は、コスト及び製造の容易さから、金属製とすることが好ましい。蓋部材60を構成する金属材料は任意好適なもので良いが、第1基板及び第2基板の線膨張率を考慮して、以下のものが好ましい。
第1基板11及び第2基板13各々を水晶で構成する場合は、水晶の線膨張率(ppm/℃)は、温度500K(ケルビン)付近において、光軸に平行な場合が11.4、光軸に垂直な場合が19.5である(平成27年11月27日発行の理科年表)。ここで、温度が500K付近の線膨張率を挙げた理由は、蓋部材60を第1基板11に封止する温度が、凡そ400K~600Kの範囲の温度から選ばれる場合が多いため、このような温度において線膨張率を検討することが良いためである。すると、蓋部材60を構成する金属材料は、水晶の線膨張率に近い線膨張率を示す材料が好ましいので、例えば、銅(上記温度付近の線膨張率が18.3。上記の理科年表による)、又は、ニッケル(上記温度付近の線膨張率が15.3。上記の理科年表による)が好ましい。なお、蓋部材60を銅で構成する場合は、耐食性を向上させるために、表面にニッケルメッキを施すことが好ましい。
また、第1基板11及び第2基板13各々をガラスで構成する場合は、ガラスと線膨張係数が近いことで知られているコバール(線膨張率が6程度)によって、蓋部材60を構成することが好ましい。
また、第1基板11及び第2基板13各々をガラスで構成する場合は、ガラスと線膨張係数が近いことで知られているコバール(線膨張率が6程度)によって、蓋部材60を構成することが好ましい。
4.第2の実施形態のベース及び圧電デバイス
次に、図4を参照して、第2の実施形態のベース10x及び圧電デバイス70について説明する。図4(A)は第2の実施形態のベース10x及び圧電デバイス70を説明するための分解斜視図、図4(B)は図4(A)のQ-Q線に沿った圧電デバイス70の断面図である。
第2の実施形態のベース10xの、第1の実施形態のベース10との相違点は、第1基板11に圧電素子を内包する凹部10yを設けた点である。また、第2の実施形態の圧電デバイス70の第1の実施形態の圧電デバイス40との相違点は、ベース10xを用いたことに起因して蓋部材60xが平板状のものとなった点である。この例の場合も、例えば、第1基板11の凹部11yの周囲の土手部上にシールパタン11hを設けてあり、平板状の蓋部材60xは、例えば金錫合金よって、第1基板11に接合できる。
また、この場合の蓋部材60xについても、上記の蓋部材60と同様に金属製が好ましく、然も、第1基板及び第2基板が有する線膨張率を考慮した金属製の蓋部材が好ましい。すなわち、例えば、上記した理由から、銅、ニッケル又はコバール製の蓋部材が良い。
次に、図4を参照して、第2の実施形態のベース10x及び圧電デバイス70について説明する。図4(A)は第2の実施形態のベース10x及び圧電デバイス70を説明するための分解斜視図、図4(B)は図4(A)のQ-Q線に沿った圧電デバイス70の断面図である。
第2の実施形態のベース10xの、第1の実施形態のベース10との相違点は、第1基板11に圧電素子を内包する凹部10yを設けた点である。また、第2の実施形態の圧電デバイス70の第1の実施形態の圧電デバイス40との相違点は、ベース10xを用いたことに起因して蓋部材60xが平板状のものとなった点である。この例の場合も、例えば、第1基板11の凹部11yの周囲の土手部上にシールパタン11hを設けてあり、平板状の蓋部材60xは、例えば金錫合金よって、第1基板11に接合できる。
また、この場合の蓋部材60xについても、上記の蓋部材60と同様に金属製が好ましく、然も、第1基板及び第2基板が有する線膨張率を考慮した金属製の蓋部材が好ましい。すなわち、例えば、上記した理由から、銅、ニッケル又はコバール製の蓋部材が良い。
5.他の実施形態
5-1.キャスタレーション構造
図5は、キャスタレーション13fの好ましい例を説明する図である。特に図5(A)及び(B)は、第1基板11と第2基板13の平面図、図5(C)から(E)は、好ましいキャスタレーションの例を示した拡大図である。
先ず、図5(A)に示したように、第1基板11の、第2基板13に設けたキャスタレーション13fに対応する部分に、キャスタレーション13fを上方から見るための切欠き部11iを設けることが好ましい。圧電デバイスを電子機器の基板に実装する際、実装用ハンダのハンダ付け良否を、ハンダがキャスタレーション13fまで及んでいるか否かで確認することが多い。切欠き部11iは、上記確認を容易にできる。
また、図5(C)~(E)は、キャスタレーション13fの形状に起因する圧電デバイスの損傷を軽減するための構造例である
図5(C)に示した例は、キャスタレーション13fの、第2基板13の中央側を、R状にしたR状部分13xを設けた例である。R状部分13xを設けると、キャスタレーション13fの第2基板13の中央側の部分での破損を低減し易い。
図5(D)に示した例は、キャスタレーション13fの第2基板13の角部側に、第2基板13の一部を凸状に残存させた凸状部13yを設けた例である。凸状部13yを設けると、凸状部13yでも第1金属膜及び第2金属膜による金属間接合が生じるため、圧電デバイスの角部での圧電デバイスの強度を高めることができる。
図5(E)に示した例は、上記のR状部分13x及び凸状部13yの双方を設けて、双方の利点を発揮させる構造例である。
5-1.キャスタレーション構造
図5は、キャスタレーション13fの好ましい例を説明する図である。特に図5(A)及び(B)は、第1基板11と第2基板13の平面図、図5(C)から(E)は、好ましいキャスタレーションの例を示した拡大図である。
先ず、図5(A)に示したように、第1基板11の、第2基板13に設けたキャスタレーション13fに対応する部分に、キャスタレーション13fを上方から見るための切欠き部11iを設けることが好ましい。圧電デバイスを電子機器の基板に実装する際、実装用ハンダのハンダ付け良否を、ハンダがキャスタレーション13fまで及んでいるか否かで確認することが多い。切欠き部11iは、上記確認を容易にできる。
また、図5(C)~(E)は、キャスタレーション13fの形状に起因する圧電デバイスの損傷を軽減するための構造例である
図5(C)に示した例は、キャスタレーション13fの、第2基板13の中央側を、R状にしたR状部分13xを設けた例である。R状部分13xを設けると、キャスタレーション13fの第2基板13の中央側の部分での破損を低減し易い。
図5(D)に示した例は、キャスタレーション13fの第2基板13の角部側に、第2基板13の一部を凸状に残存させた凸状部13yを設けた例である。凸状部13yを設けると、凸状部13yでも第1金属膜及び第2金属膜による金属間接合が生じるため、圧電デバイスの角部での圧電デバイスの強度を高めることができる。
図5(E)に示した例は、上記のR状部分13x及び凸状部13yの双方を設けて、双方の利点を発揮させる構造例である。
5-2.コンタクトホール構造
図6は、コンタクトホール11dの好ましい例を説明する図である。特に、図6(A)は、コンタクトホール11dと第1基板11との関係を示した平面図、図6(B)~(D)は、図6(A)中のコンタクトホール11dの、好ましい平面形状や配置方向を示した拡大図、図6(E)は、コンタクトホール11dの、第1基板11の表裏での位置関係の好ましい例を示した平面図及びR-R線での断面図である。
第1基板11を水晶基板で構成した場合、水晶が結晶体であるため、コンタクトホールを形成する際に水晶の結晶軸に起因するエッチング液に対する異方性が生じてコンタクトホールの開口具合が所望通りにならないことがある。そのような場合、所望のコンタクトホール配線を形成できず、配線抵抗の悪化等を招く場合がある。それを回避するため、エッチングがされにくい方向については、コンタクトホールの形状等を工夫することが良い場合がある。
図6(B)の例は、エッチングされにくい方向に長孔形状にしたコンタクトホールの例である。図6(C)の例は、エッチングされにくい方向に長三角形状にしたコンタクトホールの例である。図6(D)の例は、エッチングされにくい方向に平面的に見て長孔形状のコンタクトホールとした例である。なお、長孔や長三核状の長手方向は、エッチングの方向を考量した任意の方向にできる(図6(D))。
また、上記した水晶のエッチング異方性に起因して、エッチングが優位に進む方向が、第1基板11の厚み方向ではなく、厚み方向に対しある角度を持って斜め方向になる場合がある。図6(E)はその対策例である。コンタクトホール11dを形成するためのエッチング耐性マスクの開口を、第1基板11の表裏で、寸法Lだけずらし、エッチングをする例である。こうすると、コンタクトホール11dでの内面の傾斜面を利用してコンタクトホール配線を形成できるので、配線抵抗改善が期待できる。なお、ずらす寸法Dは、これに限られないが、例えば、コンタクトホール11dの直径の3分の1~2分の1の範囲から選ばれる寸法にすることが好ましい。
図6は、コンタクトホール11dの好ましい例を説明する図である。特に、図6(A)は、コンタクトホール11dと第1基板11との関係を示した平面図、図6(B)~(D)は、図6(A)中のコンタクトホール11dの、好ましい平面形状や配置方向を示した拡大図、図6(E)は、コンタクトホール11dの、第1基板11の表裏での位置関係の好ましい例を示した平面図及びR-R線での断面図である。
第1基板11を水晶基板で構成した場合、水晶が結晶体であるため、コンタクトホールを形成する際に水晶の結晶軸に起因するエッチング液に対する異方性が生じてコンタクトホールの開口具合が所望通りにならないことがある。そのような場合、所望のコンタクトホール配線を形成できず、配線抵抗の悪化等を招く場合がある。それを回避するため、エッチングがされにくい方向については、コンタクトホールの形状等を工夫することが良い場合がある。
図6(B)の例は、エッチングされにくい方向に長孔形状にしたコンタクトホールの例である。図6(C)の例は、エッチングされにくい方向に長三角形状にしたコンタクトホールの例である。図6(D)の例は、エッチングされにくい方向に平面的に見て長孔形状のコンタクトホールとした例である。なお、長孔や長三核状の長手方向は、エッチングの方向を考量した任意の方向にできる(図6(D))。
また、上記した水晶のエッチング異方性に起因して、エッチングが優位に進む方向が、第1基板11の厚み方向ではなく、厚み方向に対しある角度を持って斜め方向になる場合がある。図6(E)はその対策例である。コンタクトホール11dを形成するためのエッチング耐性マスクの開口を、第1基板11の表裏で、寸法Lだけずらし、エッチングをする例である。こうすると、コンタクトホール11dでの内面の傾斜面を利用してコンタクトホール配線を形成できるので、配線抵抗改善が期待できる。なお、ずらす寸法Dは、これに限られないが、例えば、コンタクトホール11dの直径の3分の1~2分の1の範囲から選ばれる寸法にすることが好ましい。
5-3.第1金属膜及び第2金属膜の平面形状
本発明のベース10を形成する際、第1基板及び第2基板を接触させた状態で、減圧下で加熱・加圧することで、第1金属膜11f及び第2金属膜13bは金属間接合を構成する。従って、第1基板及び第2基板の間の空気は極力排除することが好ましい。図7はそのための構造例を説明する図である。すなわち、両基板を接触させた際に、なるべく空気が抜け易いように、第1基板の絶縁領域11gと、第2基板の絶縁領域13h各々の平面形状が、曲線及び又は直線部が多くなるようにした例である。こうすれば、こうしない場合に比べ、両基板を接触させて真空引きをする際に、基板間の空気が抜け易いので好ましい。
本発明のベース10を形成する際、第1基板及び第2基板を接触させた状態で、減圧下で加熱・加圧することで、第1金属膜11f及び第2金属膜13bは金属間接合を構成する。従って、第1基板及び第2基板の間の空気は極力排除することが好ましい。図7はそのための構造例を説明する図である。すなわち、両基板を接触させた際に、なるべく空気が抜け易いように、第1基板の絶縁領域11gと、第2基板の絶縁領域13h各々の平面形状が、曲線及び又は直線部が多くなるようにした例である。こうすれば、こうしない場合に比べ、両基板を接触させて真空引きをする際に、基板間の空気が抜け易いので好ましい。
5-4.第1基板上に配線を設ける場合
図8(A)、(B)は、第1基板11の搭載パッド11bから、第1基板11上の他の箇所に向かう配線11jを設ける場合の好ましい例を示した平面図およびM-M線に沿う断面図である。
圧電デバイスに対する低背型の要望も高く、その場合は、配線11jの高さも問題になると考えられる。そこで、図8の例では、第1基板11の、配線11jを設ける領域に、配線11jを埋め込む凹部11kを設けた例である。凹部11kの深さは、配線11jを埋めることが出来、かつ、第1基板11の強度は確保できる値にする。具体的には、凹部11k深さは、10μm~第1基板11の厚さの4分の1程度の範囲から選ばれる値にするのが良い。
図8(A)、(B)は、第1基板11の搭載パッド11bから、第1基板11上の他の箇所に向かう配線11jを設ける場合の好ましい例を示した平面図およびM-M線に沿う断面図である。
圧電デバイスに対する低背型の要望も高く、その場合は、配線11jの高さも問題になると考えられる。そこで、図8の例では、第1基板11の、配線11jを設ける領域に、配線11jを埋め込む凹部11kを設けた例である。凹部11kの深さは、配線11jを埋めることが出来、かつ、第1基板11の強度は確保できる値にする。具体的には、凹部11k深さは、10μm~第1基板11の厚さの4分の1程度の範囲から選ばれる値にするのが良い。
5-5.第1基板に圧電素子用の凹部を設ける場合
図4を参照して既に説明したように、第2の実施形態のベース10x及び圧電デバイス70では、第1基板11の第1面側に、圧電素子50用の凹部10yを備えていた。従って、凹部10yの周囲すなわち第1基板11の縁部に土手部10z(図4参照)が生じる。一方、圧電デバイス70の場合、他の電子部品と共に樹脂モールドされてモジュール化される場合があり、圧電デバイス70がモールド時の圧力で損傷する場合がある。そこで、それを回避する1つの手段として、土手部10zを、図9(A)に示したように、第1基板11の中心側に庇状に張り出す等、土手部の剛性を高めた構造にする場合があっても良い。
また、別の観点から見た場合、圧電素子20用の凹部10yを有した圧電デバイスに対して、低背化の要求が益々進んで、第1基板及び又は第2基板の厚さをより薄くすることが求められる場合がある。例えば、図9(B)に示したように第1基板11の厚さを薄くしたい要求が出た場合、凹部10yを設けた状態でも、第2基板13との接合強度を確保する必要が生じる。その場合の好ましい構造例として、図9(B)に示したように、凹部10yと土手部10zとの入隅に、テーパー部10tを具えた構造とすることが好ましい。テーパー部10tを設けた分、第1基板と第2基板との接合構造において、第1基板の厚い部分の面積が増加するので、テーパー部を設けない場合に比べて、両者の接合強度の向上が図れるからである。
図4を参照して既に説明したように、第2の実施形態のベース10x及び圧電デバイス70では、第1基板11の第1面側に、圧電素子50用の凹部10yを備えていた。従って、凹部10yの周囲すなわち第1基板11の縁部に土手部10z(図4参照)が生じる。一方、圧電デバイス70の場合、他の電子部品と共に樹脂モールドされてモジュール化される場合があり、圧電デバイス70がモールド時の圧力で損傷する場合がある。そこで、それを回避する1つの手段として、土手部10zを、図9(A)に示したように、第1基板11の中心側に庇状に張り出す等、土手部の剛性を高めた構造にする場合があっても良い。
また、別の観点から見た場合、圧電素子20用の凹部10yを有した圧電デバイスに対して、低背化の要求が益々進んで、第1基板及び又は第2基板の厚さをより薄くすることが求められる場合がある。例えば、図9(B)に示したように第1基板11の厚さを薄くしたい要求が出た場合、凹部10yを設けた状態でも、第2基板13との接合強度を確保する必要が生じる。その場合の好ましい構造例として、図9(B)に示したように、凹部10yと土手部10zとの入隅に、テーパー部10tを具えた構造とすることが好ましい。テーパー部10tを設けた分、第1基板と第2基板との接合構造において、第1基板の厚い部分の面積が増加するので、テーパー部を設けない場合に比べて、両者の接合強度の向上が図れるからである。
5-6.第1基板に圧電素子を実装する際の枕部について
典型的な圧電デバイスでは、図3を用いて説明したように、圧電素子としての水晶振動片50は、平面視で矩形状である。そして、搭載パッド11bは、圧電素子50の1つの辺側のかつ当該1つの辺に沿う両端と対応する第1基板の2か所に設けてあることが多い。すなわち、圧電素子50を片持ち支持で実装する構造が多い。
片持ち支持の場合、圧電素子50を第1基板に実装する際に、圧電素子の先端側がおじぎをしてしまい、圧電素子の先端が第1基板に接触してしまって、圧電デバイスの特性劣化を招く場合がある。
それを回避するために、例えば、図14を用いて説明するように、第1基板11の第1面11aの搭載パッド11bを設けた2か所の領域の、圧電素子50(図14(B))の中心側の脇に、第1基板11と一体形成されている第1凸部11mを備え、かつ、第1基板11の第1面11aの圧電素子50の先端側と対向する領域に、第1基板と一体形成されている第2凸部11nを備える構成にすること好ましい。
第1凸部11mの高さh1及び第2凸部11nの高さh2は、圧電素子50の先端がおじぎすることを防止できるような高さに設定する。これに限られないが、第1凸部11mの高さh1は、搭載パッド11bの高さに対し、0.8倍から1.2倍程度、好ましくは程同程度が良く、第2凸部11nの高さh2は、搭載パッド11bの高さに対し、0.8倍から1.5倍程度、好ましくは同程度かそれより高いことが良い。
この構成によれば、第1凸部及び第2凸部によって、圧電素子の先端がおじぎすることを防止できる。
なお、第1凸部及び第2凸部は、フォトリソグラフィ技術及びウエットエッチング技術によって第1基板11を加工することによって、第1基板と一体になってものが容易に形成できる。また、このような工法で製造された第1凸部及び第2凸部の天面部は鋭利になりにくいので、圧電素子50が接しても、圧電素子を損傷する危険は少ない。
典型的な圧電デバイスでは、図3を用いて説明したように、圧電素子としての水晶振動片50は、平面視で矩形状である。そして、搭載パッド11bは、圧電素子50の1つの辺側のかつ当該1つの辺に沿う両端と対応する第1基板の2か所に設けてあることが多い。すなわち、圧電素子50を片持ち支持で実装する構造が多い。
片持ち支持の場合、圧電素子50を第1基板に実装する際に、圧電素子の先端側がおじぎをしてしまい、圧電素子の先端が第1基板に接触してしまって、圧電デバイスの特性劣化を招く場合がある。
それを回避するために、例えば、図14を用いて説明するように、第1基板11の第1面11aの搭載パッド11bを設けた2か所の領域の、圧電素子50(図14(B))の中心側の脇に、第1基板11と一体形成されている第1凸部11mを備え、かつ、第1基板11の第1面11aの圧電素子50の先端側と対向する領域に、第1基板と一体形成されている第2凸部11nを備える構成にすること好ましい。
第1凸部11mの高さh1及び第2凸部11nの高さh2は、圧電素子50の先端がおじぎすることを防止できるような高さに設定する。これに限られないが、第1凸部11mの高さh1は、搭載パッド11bの高さに対し、0.8倍から1.2倍程度、好ましくは程同程度が良く、第2凸部11nの高さh2は、搭載パッド11bの高さに対し、0.8倍から1.5倍程度、好ましくは同程度かそれより高いことが良い。
この構成によれば、第1凸部及び第2凸部によって、圧電素子の先端がおじぎすることを防止できる。
なお、第1凸部及び第2凸部は、フォトリソグラフィ技術及びウエットエッチング技術によって第1基板11を加工することによって、第1基板と一体になってものが容易に形成できる。また、このような工法で製造された第1凸部及び第2凸部の天面部は鋭利になりにくいので、圧電素子50が接しても、圧電素子を損傷する危険は少ない。
10:第1の実施形態のベース 10x:第2の実施形態のベース
10y:凹部(圧電素子実装用の凹部) 10z:土手部
11:第1基板 11a:第1面
11b:搭載パッド 11c:第2面
11d:コンタクトホール 11e:コンタクトホール配線
11f、11f1,11f2,11f3:第1金属膜
11g:絶縁領域 11h:シールパタン
11ha:シールパタン用の凹部 11i:切欠き部
11j:配線 11k:凹部(配線埋め込み用の凹部)
11m:第1凸部 11n:第2凸部
13:第2基板 13a:第3面
13b:第2金属膜 13c:側面
13d:第4面 13e:引き回し配線
13f:キャスタレーション 13g:外部実装端子
13h:絶縁領域
40:第1の実施形態の圧電デバイス 50:圧電素子(水晶振動片)
60,60x:蓋部材
70:第2の実施形態の圧電デバイス
80a:クロム膜 80b:金膜
80c:ニッケル膜又はニッケル・ダンブステン合金膜
80d:チタン膜 80e:金膜
10y:凹部(圧電素子実装用の凹部) 10z:土手部
11:第1基板 11a:第1面
11b:搭載パッド 11c:第2面
11d:コンタクトホール 11e:コンタクトホール配線
11f、11f1,11f2,11f3:第1金属膜
11g:絶縁領域 11h:シールパタン
11ha:シールパタン用の凹部 11i:切欠き部
11j:配線 11k:凹部(配線埋め込み用の凹部)
11m:第1凸部 11n:第2凸部
13:第2基板 13a:第3面
13b:第2金属膜 13c:側面
13d:第4面 13e:引き回し配線
13f:キャスタレーション 13g:外部実装端子
13h:絶縁領域
40:第1の実施形態の圧電デバイス 50:圧電素子(水晶振動片)
60,60x:蓋部材
70:第2の実施形態の圧電デバイス
80a:クロム膜 80b:金膜
80c:ニッケル膜又はニッケル・ダンブステン合金膜
80d:チタン膜 80e:金膜
Claims (15)
- 圧電デバイス用のベースであって、
ガラス又は水晶から成る第1基板と、
前記第1基板の第1面に設けた圧電素子用の搭載パッドと、
前記第1基板に設けられ、前記搭載パッドから前記第1面とは反対面である第2面に通じているコンタクトホール及びコンタクトホール配線と、
前記第2面の前記コンタクトホールの周囲領域を含む領域に設けた第1金属膜と、
前記第1基板と同じ材料から成り前記第1基板に金属間接合によって接合されている第2基板と、
前記第2基板の前記第1基板側の面である第3面に設けられ前記第1金属膜と共に当該金属間接合を構成している第2金属膜と、
前記コンタクトホール配線から前記第3面及び前記第2基板の側面を経由して前記第2基板の前記第3面と反対面である第4面に至っている引き回し配線と、
前記引き回し配線用として前記側面に設けたキャスタレーションと、
前記第4面に設けられ前記引き回し配線に接続されている外部実装端子と、
を備えたことを特徴とするベース。 - 前記第1基板は、平板であって、当該第1基板の縁に沿って封止用のシールパタンを備えることを特徴とする請求項1に記載のベース。
- 前記第1基板の前記シールパタンを設ける領域に、前記シールパタンの厚みと同等の深さの凹部を備え、該凹部内に前記シールパタンを備えることを特徴とする請求項2に記載のベース。
- 前記第1基板は、前記圧電素子を収容する凹部及び該凹部の周囲に土手部を具えることを特徴とする請求項1に記載のベース。
- 前記凹部と前記土手部との入隅に、テーパー部を具えることを特徴とする請求項4に記載のベース。
- 前記搭載される圧電素子は平面視で矩形状のものであり、
前記搭載パッドは、前記圧電素子の1つの辺側のかつ当該1つの辺に沿う両端と対応する第1基板の2か所に設けてあり、
前記第1基板の前記2か所の領域の、前記圧電素子の中心側の脇に、前記第1基板と一体形成されている第1凸部を備え、かつ、前記第1基板の前記圧電素子の先端側と対向する領域に、前記第1基板と一体形成されている第2凸部を備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のベース。 - 前記第1金属膜及び前記第2金属膜各々は、下地膜としてのクロム膜と、中間膜としてのニッケル膜又はニッケル・タングステン合金膜と、上層膜としての金膜との積層膜であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のベース。
- 前記第1金属膜及び第2金属膜各々は、前記上層膜の上に、チタン膜と、このチタン膜上に積層した金膜とからなる積層膜を備えることを特徴とする請求項7に記載のベース。
- 前記第1基板の前記第2面及び又は前記第2基板の前記第3面に、前記金属間接合実施時に前記第1基板及び前記第2基板に外部から印加する接合力を集中させるための、凸状領域を複数備えることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のベース。
- 前記コンタクトホールは、第1及び第2の2個のコンタクトホールであり、
前記第1金属膜及び前記第2金属膜各々は、前記第1のコンタクトホールの周囲を平面的に囲う第1部分と、前記第2のコンタクトホールの周囲を平面的に囲う第2部分と、それ以外の領域を担当する第3部分と、で構成してあり、かつ、
当該ベースは、前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分間を絶縁する絶縁領域を備えることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のベース。 - 前記凸状領域の間の凹部領域が、請求項10に記載の前記絶縁領域を兼ねていることを特徴とする請求項9に記載のベース。
- 前記第1基板及び第2基板各々が、水晶のAT板又は水晶のZ板から成ることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のベース。
- 請求項1~12のいずれか1項に記載のベースと、前記搭載パッドに導電性部材によって接続固定されている圧電素子と、前記ベースに接合され前記圧電素子を封止している蓋部材と、を備えたことを特徴とする圧電デバイス。
- 前記第1基板及び第2基板各々が、水晶のAT板又は水晶のZ板から成り、
前記蓋部材は、銅製又はニッケル製の蓋部材であることを特徴とする請求項13に記載の圧電デバイス。 - 前記銅製の蓋部材は、表面にニッケルメッキ層を備えるものであることを特徴とする請求項14に記載の圧電デバイス。
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---|---|---|---|
US17/684,379 US20220302895A1 (en) | 2021-03-17 | 2022-03-01 | Base for piezoelectric device and piezoelectric device |
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---|---|---|---|
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---|---|
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---|---|---|---|
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-
2021
- 2021-11-03 JP JP2021179882A patent/JP2022145456A/ja active Pending
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---|---|---|---|
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