JP2022144726A - 衛生マスクとその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】着用者の鼻と口に密着せず、呼吸しやすい衛生マスクを提供する。【解決手段】鼻と口を被覆する最も厚肉で固い前面(10a)から、頬を被覆する左右両側面(10b)が後端部へ行く程徐々に薄肉で軟らかくなるマスク本体(10)を、熱可塑性合成樹脂シート材(M)から上記左右両側面(10b)の一部が頬に軽く弾圧する付勢状態となる平面視の放物線を描く立体的な形状に弯曲形成すると共に、上記マスク本体(10)における左右両側面(10b)の後端部を伸縮性がある紐(14)の受け入れ筒(10c)として、連続的に捲き曲げ成形した。【選択図】図8

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年7月1日ウェブサイトhttp://basis.vc/2020/07/22944で公開
本発明は鼻や口から発散する飛沫を遮断しつつも、着用者によって呼吸しやすい衛生マスクと、その有効な製造法に関する。
この種のインフルエンザや新型コロナ(COVID-19)などのウイスル感染を防止する目的の衛生マスクとしては、特許文献1~4にその各種提案がなされている。
そのうち、特許文献1に開示の樹脂マスクは、ナス形ないしU字形に弯曲する樹脂シート本体の両端が着用者の頬へ密着する形状復元力を有する点で、本発明に最も近似する公知技術であると考えられる。
実用新案登録第3169951号公報 特開2009-189676号公報 特許第5096632号公報 特許第5174984号公報
ところが,特許文献1に記載された樹脂マスクの構成では、ナス形ないしU字形に弯曲形成された樹脂シート本体(10)の両端だけを密着装着部として、しかもそこから強制的に押し広げた弾性復元力のみにより、着用者(3)の両頬(31)へ密着させるようになっているに過ぎない。そのため、未だ次の諸問題がある。
樹脂シート本体(10)の両端が両頬(31)に密着する位置と強さは、着用者における顔の大きさ・形状によって異なるため、その樹脂マスク(1)としても多くのサイズを作成準備しなければ、安定・良好な装着状態を得られず、長時間の着用に耐えない。
また、両耳に対するゴム紐などの掛止部材を具備しておらず、樹脂シート本体(10)の両端から強制的に押し広げた弾性復元力のみによって、その両端を着用者の両頬(31)へ密着させるようになっているため、その弾性復元力(密着力)としても強めに設定しておかなければ、振れ動きや脱落などのおそれがあり、やはり安定・確固な装着状態を得られない。
つまり、樹脂シート本体(10)の両端を着用者における両頬(31)の希望する位置へ密着させるため、例えばその樹脂シート本体(10)を前方へ移動させた場合、前面の飛沫遮断部が鼻や口から遠く離れ、上記両端を言わば回動支点として、上下方向へ振れ動きやすくなり、両耳への掛止部材を具備していないこととも相俟って、脱落するおそれすらある結果、各種作業を長時間行う着用者にとって非常に使い難い。このようなことは、上記両端の弾性復元力(密着力)が弱い場合にも起こるのである。
他方、樹脂シート本体(10)を図2のようなナス形として、その両端があたかも閉合する如く接近した状態に弯曲形成することにより、上記両端の弾性復元力(密着力)を強化してある場合には、その樹脂シートの厚みと硬さが全体的に均一であることとも相俟って、顔の大きな着用者にとって気持ちの良い装着状態を得られず、やはり長時間着用し続けることが困難になる。
その際、樹脂シート本体(10)の両端へ内側から滑り止め材(11)を添え付けたり、その両端から舌状部(22)を内向きに切り曲げたりすることも説示されているが、その頬(31)への密着位置や密着力を着用者の希望通りに変更・調整することはできないため、その樹脂マスク(1)としての汎用性を発揮できないことに変わりはない。
更に、樹脂シート本体(10)の両端だけを着用者の両頬(31)へ、その強制的に押し広げた弾性復元力のみによって密着させるようになっており、両耳に対するゴム紐などの掛止部材を具備していないため、その装着方法や装着状態の外観としても、通常の使い慣れた不織布マスクと異なる違和感や抵抗感を与える。
本発明はこのような諸問題の解決を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では鼻と口を被覆する最も厚肉で比較的固い前面から、頬を被覆する左右両側面が後端部へ行く程徐々に薄肉で比較的軟らかくなるマスク本体を、熱可塑性合成樹脂シート材から上記左右両側面の一部が頬に弾圧する付勢状態となる平面視の放物線を描く立体的な形状に弯曲形成すると共に、
上記マスク本体における左右両側面の後端部を連続的に捲き曲げ成形した紐受け入れ筒の一対として、その内部へ通し込んだ伸縮性がある紐を両耳へ掛止した着用時に、上記マスク本体の前面が鼻と口に密着せず、上下方向に開口する通気間隙が確保されるように設定したことを特徴とする。
請求項2ではマスク本体の帯幅を、その最も広い前面から左右両側面の後端部へ行く程徐々に狭くなるように変化させると共に、
その最も狭い後端部を紐受け入れ筒として、内向き連続的に捲き曲げ成形したことを特徴とする。
また、請求項3ではマスク本体における左右両側面のうち、着用者が最も強く弾圧すると感じる部位やその他の希望する部位へ、その内側からクッションパッドを着脱自在に貼り付け使用することを特徴とする。
更に、請求項4ではマスク本体が透明、半透明又は不透明の合成樹脂シート材から成ることを特徴とする。
他方、請求項5では請求項1に記載された衛生マスクの製造法であって、その目標とするマスク本体を展開した大きさ・輪郭形状よりも大きな相似形状の抜き穴が開口形成された型枠と、
上記マスク本体を立体的に成形する賦形面が、正面視の放物線を描く形状に造形された加圧器とを用い、
先ず、上記型枠に熱可塑性合成樹脂シート材を挟み付けて加熱する第1工程と、
その加熱により軟化した樹脂シート材の挟み付け状態にある上記型枠を、その受け台上へ水平状態に固定設置して、その型枠の抜き穴へ上方から上記加圧器を押し込むことにより、その進行に連れて上記樹脂シート材を加圧器の賦形面に密着した状態のまま引き伸ばし、正面視の放物線を描く立体的な形状のマスク本体に成形する第2工程と、
その成形・固化したマスク本体を上記型枠と上記加圧器の賦形面から取りはずして、目標の大きさ・輪郭形状に縁取りカットする第3工程と、
その縁取りカットしたマスク本体における左右両側面の後端部だけを、部分的に加熱し乍ら連続的に捲き曲げることにより、紐受け入れ筒として成形する第4工程とを行うことを特徴とする。
その場合、請求項6では第2工程において成形・固化したマスク本体の表面を、第3工程において縁取りカットする前につや消し塗装することを特徴とする。
更に、請求項7では熱可塑性合成樹脂シート材が縦:150mm×横:200mm×厚み:1.0mmの透明なPET樹脂シート材から成ると共に、
型枠がヒンジを介して開閉自在に枢支連結されたベークライト製の上枠と下枠とから成り、その上下相互間へ上記PET樹脂シート材を挟み付けて、220℃で30秒加熱することを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、冒頭に説明した公知技術の諸問題をすべて解決できる効果がある。
つまり、その請求項1に係る衛生マスクの本体は熱可塑性合成樹脂シート材から成るが、その放物線を描く立体的な形状に弯曲するマスク本体の前面から、左右両側面の後端部へ行く程徐々に薄肉で軟らかくなるように変化されているため、その最も厚肉で固い状態にある前面と、着用者における鼻や口との向かい合う相互間に、常時呼吸しやすい通気間隙を安定良く確保することができる。
その場合、マスク本体の左右両側面はその後端部へ行く程徐々に薄肉で軟らかく変化し、その一部が着用者の頬へ軽く弾圧付勢されて、馴染み良く密着するようになっており、しかも伸縮性がある紐を着用者の耳へ掛止するようになっているため、上記マスク本体の不慮に上下方向へ振れ動いたり、まして顔から脱落するおそれはなく、長時間の着用にふさわしい衛生マスクとして提供し得る効果がある。
特に、請求項2の構成を採用するならば、上記マスク本体の帯幅もその最も広い前面から、左右両側面の後端部へ行く程徐々に狭く変化されているため、請求項1の上記効果がますます向上する。その後端部の紐受け入れ筒についても、その最も薄肉で軟らかいことと相俟って、上記左右両側面から滑らかに連続して捲き曲げ成形することができる。
また、請求項3の構成を採用するならば、上記マスク本体の左右両側面へ着用者が内側から貼り付け使用するクッションパッドによって、その着用者の頬に対するマスク本体の弾圧力を強弱調整したり、同じく着用者における鼻や口との相互間に確保される上記通気間隙を、広狭調整したりすることもでき、ますます長時間着用しやすい衛生マスクを得られるのである。
請求項4の構成を採用するならば、そのマスク本体を透明の樹脂シート材から成形することによって、着用者における顔の表情を知るために役立てたり、半透明や不透明の樹脂シート材には適当な着色カラーを施しておくことによって、希望の装飾効果を得ることに役立てたりすることができる。
他方、請求項5の製造法によれば、その加圧器における賦形面の先端部で最初に成形されるマスク本体の前面と、そこから加圧器が押し込み進行するに連れて引き伸ばし変形され、そのマスク本体における左右両側面の最後に成形される後端部とは、その当初の加熱状態から自然に冷却固化するまでの時間差があり、これに基づいて(起因して)マスク本体の最も厚肉で固い前面から、左右両側面の後端部へ行く程徐々に薄肉で軟らかくなる言わば断面形状の変化を得られるため、同じ樹脂シート材を用いる真空成形や圧空成形などの製造法と異なって、上記請求項1に係る衛生マスクのマスク本体を極めて合理的に効率良く量産することができ、そのための構成や製造条件も簡素で足りる。
その場合、請求項6の構成を採用するならば、マスク本体の表面に対するつや消し塗装によって、その表面が過度に照ることを抑制することができ、自然な外観を得られる効果がある。
更に、請求項7の構成を採用するならば、必要最小限度の大きさ・形状を備えた透明なポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂シート材から、実用的な汎用性に富む衛生マスクを製造することができ、その樹脂シートを型枠へ挟み付けたり、その型枠を開放して取り出したりすることも容易に行える。
本発明の実施形態に係る衛生マスクの正面図である。 図1の平面図である。 図1の右側から見た斜面図である。 図1の左側から見た斜面図である。 図1の背後側から見た斜面図である。 上記衛生マスクの使用状態を示す正面図である。 図6の平面図である。 図6の側断面図である。 マスク本体の成形に使う型枠の平面図である。 図9の片側上枠を開いた状態の斜面図である。 加圧器と型枠との対応的な位置関係を示す斜面図である。 図11から加圧器を下降して、型枠へ押し込んだ状態の斜面図である。 上記マスク本体の成形工程を示す説明図である。 図13(d)の成形されたマスク本体を抽出して示す拡大断面図である。 上記マスク本体における紐受け入れ筒の捲き曲げ工程を示す斜面図である。
以下、図面に基いて本発明の好適な実施形態を詳述する。図1~5はその実施形態に係る衛生マスク(A)の全体的な外観を示しており、図6~8は同じく衛生マスク(A)の使用状態を示している。
これらの図1~8において、(10)は衛生マスク(A)のマスク本体であり、一定な厚み(例えば0.5mm~1.2mm)のポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、その他の硬質な熱可塑性合成樹脂シート材(M)から、後述する製造法によって、平面視の放物線(後向きに拡開するほぼV字形)を描く立体的な形状に弯曲形成されており、弾性変形し得る。図示実施形態のマスク本体(10)は、1.0mmの厚みを有する透明なPET樹脂シート材(M)から一体成形されている。
即ち、マスク本体(10)における着用者の鼻(11)と口(12)を被覆する前面(10a)は、図3、4、8のような側面視の円弧状をなし、特にその中央部が上記樹脂シート材(M)自身の一定厚みと実質的に同じ厚み(T1)(好ましくは1.0mm)として、最も厚肉で比較的に固く、しかもその帯幅が最も広幅(W1)(例えば85mm)になっており、変形し難く設定されている。
そして、その前面(10a)から着用者の頬(13)(13)を被覆するほぼ左右対称な両側面(10b)(10b)が、後端部へ行く程その厚み(T2)の徐々に薄肉で比較的軟らかく変化されていると共に、その帯幅も後端部へ行くに連れて狭幅(W2)(例えば60mm)になっており、このような変形しやすい左右両側面(10b)(10b)の一部が着用者の頬(13)(13)へ軽く弾圧する付勢状態にある。マスク本体(10)としては大中小の各種サイズが作成準備されることになるが、その何れもこのような着用者の頬(13)(13)へ軽く弾圧付勢するように設定されているのである。
更に、上記マスク本体(10)における厚み(T2)の最も薄肉(例えば0.2mm)であって、帯幅も最も狭幅(W2)な後端部は、その左右両側面(10b)(10b)から連続して内向きに捲き曲げられ、一重や二重の紐受け入れ筒(10c)(10c)として形成されている。(14)(14)はその一対の紐受け入れ筒(10c)(10c)へ各々通し込み、リング状に結ばれた伸縮性の紐(ゴム紐)であり、これらを着用者の両耳(15)(15)へ掛脱自在に掛止することによって、使用されることは言うまでもない。
衛生マスク(A)のマスク本体(10)は上記構成として、その厚みが前面(10a)から左右両側面(10b)(10b)の後端部へ行く程徐々に薄く、軟らかくなるように変化されており、併せて帯幅も前面(10a)から左右両側面(10b)(10b)の後端部へ行く程、徐々に狭くなるように変化されている。
そのため、マスク本体(10)における着用者の鼻(11)と口(12)を被覆する前面(10a)の殊更中央部が、変形するおそれはなく、その固い保形強度により鼻(11)や口(12)との向かい合う相互間に、図7、8のような呼吸しやすい上下方向に開口する通気間隙(S)を確保することができる。
その場合、マスク本体(10)における左右両側面(10b)(10b)の一部は、その着用者の頬(13)(13)へ必ず軽く弾圧付勢するようになっており、更には伸縮性の紐(14)(14)が着用者の両耳(15)(15)へ掛止されるようになっているため、マスク本体(10)の不慮に上下方向へ振れ動いたり、まして顔から脱落するおそれはなく、このことも上記安定な通気間隙(S)の確保に寄与し、マスク本体(10)の前面(10a)が鼻(11)や口(12)に密着することはない。
更に、上記マスク本体(10)の左右両側面(10b)(10b)はその後端部へ行くに連れて薄肉であり、軟らかくなっているため、着用者の頬(13)(13)へ馴染み良くソフトに密着させることができるほか、その後端部は最も薄肉で軟らかいため、紐受け入れ筒(10c)(10c)を捲き曲げ成形することも容易に行えるのである。
マスク本体(10)における左右両側面(10b)(10b)の一部が着用者の頬(13)(13)へ軽く弾圧する付勢状態にある旨を説明したが、その一部の位置や軽いと雖も弾圧力の強弱度合いは、着用者における顔の大きさ・形状などによって異なり、一定不変ではない。
そこで、上記マスク本体(10)における左右両側面(10b)(10b)のうち、着用者が最も強く弾圧すると感じる部位やその他の希望する部位へ、図2~8のように内側から角棒状スポンジなどのクッションパッド(16)(16)を貼り付け使用することができるようになっている。クッションパッド(16)(16)に予め接着テープ(図示省略)を裏打ちしておき、これを剥離して、上記部位へ貼り付け使用すれば良い。
このようなクッションパッド(16)(16)は着用者の頬(13)(13)に対するマスク本体(10)の弾圧付勢力を弱め、クッション材として働くほか、そのマスク本体(10)と頬(13)(13)との相互間に介在するスペーサーや滑り止め材としても作用するため、上記マスク本体(10)の前面(10a)と着用者における鼻(11)や口(12)との向かい合う通気間隙(S)を、着用者が広く又は狭く調整することにも役立てることができる。
何れにしても、上記衛生マスク(A)のマスク本体(10)は硬質な樹脂シート材(M)から成るため、その前面(10a)や左右両側面(10b)(10b)へ外側(表側)から転写シールやカッティングシートなどを貼り付けたり、油性ペンなどで絵を描いたりして、オリジナルの装飾を施すことや、逆に内側からガーゼやインナーマスクを貼り付け使用すること、不織布マスクをかぶせ付け使用することなども自由自在に行える。
更に、マスク本体(10)を中性洗剤で洗ったり、その大きさ・形状を好みに応じてカット加工したりすることも可能である。尚、上記マスク本体(10)の樹脂シート材(M)としては透明、半透明又は不透明のそれを採用することができ、その不透明の樹脂シート材(M)である場合、これに適当な着色カラーが与えられていても良い。
上記衛生マスク(A)のマスク本体(10)は次の工程を経て製造することができる。
即ち、図1~8に基づいて説明したマスク本体(10)の製造目標とするそれを、図9、10に例示するように、その展開した大きさ・輪郭形状よりも或る程度(例えば全周での10mm程度)大きな相似形状として、後述の樹脂シート材(M)における成形時の所謂伸び代を与え得る抜き穴(17)が開口形成された型枠(F)を用意する。
図示実施形態の型枠(F)はベークライト製の下枠(18a)と、同じくベークライト製の2分割された上枠(18b)(18b)とから成り、その前後一対の上枠(18b)(18b)が下枠(18a)へ各々ヒンジ(19)(19)を介して、開閉自在に枢支連結されており、その上下相互間へ挿入セットした上記樹脂シート材(M)を、すばやく容易に挟み付けたり、その挟み付けを解除(開放)したりできるようになっている。
また、その目標とするマスク本体(10)を図1~8のような立体的な形状に成形するための賦形面(20)が、図11、12のような正面視の放物線(上向きに拡開するほぼV字形)を描く対応的な形状に造形された繊維強化プラスチック(FRP)、就中ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)製の加圧器(P)も用意する。
図示実施形態の場合、上記型枠(F)がその対応的な受け台(21)上へ着脱自在として、且つ水平状態に固定設置されるようになっており、エヤーシリンダーなどの作動源(図示省略)によって昇降作動される加圧器(P)が、その型枠(F)に開口する抜き穴(17)を貫通するようになっている。(22)はその加圧器(P)の昇降ロッドである。
そして、先ず第1工程として図13(a)のように、上記型枠(F)へ熱可塑性合成樹脂シート材(M)を、図示の実施形態では縦:150mm×横:200mm×厚み:1.0mmの透明なPET樹脂シート材(M)を挟み付け、その状態において電熱トースターなどの適当な加熱器(図示省略)により、220℃で30秒間加熱する。その加熱時間はマスク本体(10)のサイズや気温などにより変動するため、これらを考慮して適当に定める。
次に第2工程として、図11や図13(b)に示す如く、その加熱により軟化した上記樹脂シート材(M)の挟み付け状態にある型枠(F)を、その対応する大きさ・形状の受け台(21)上へ水平の固定設置状態に取り付けセットして、その型枠(F)の抜き穴(17)へ図12や図13(c)のように、上方から上記加圧器(P)を押し込み貫通させるのである。
そうすれば、その下方への押し込み進行に連れて、上記軟化状態にある樹脂シート材(M)が加圧器(P)の賦形面(20)に密着したままで引き伸ばされることとなり、正面視の放物線を描く立体的な弯曲形状のマスク本体(10)に成形される。
そのため、引き続き図13(d)のように、未だ樹脂シート材(M)の挟み付け状態にある上記型枠(F)を開放して、その抜き穴(17)から加圧器(P)を引き出す如く、上方へ退動復帰させるのであり、そうすれば上記成形状態にあるマスク本体(10)が、その加圧器(P)の賦形面(20)に密着した状態のまま型枠(F)から浮上することになる。その際、上記型枠(F)における前後一対の上枠(18b)(18b)は自動的に開放するが、必要に応じては手動により開放しても良い。
このような成形過程では、加圧器(P)の賦形面(20)におけるマスク本体(10)の前面(10a)に対応位置する先端部が、最初に樹脂シート材(M)と接触すると共に、最も早く自然に冷却固化する関係上、その前面(10a)の就中中央部の厚み(T1)が言わば樹脂シート材(M)自身の一定厚み(先に例示した1.0mm)として、殆んど伸び変形せずに残存し、最も厚肉で固い状態となる。
しかも、このようなマスク本体(10)の前面(10a)から左右両側面(10b)(10b)を経て後端部へ行く程、これらと対応位置する上記賦形面(20)の形状により、自然冷却に時間を要する(遅くなる)こととも相俟って、その樹脂シート材(M)が徐々に大きく引き伸ばし変形されるため、その厚みは徐々に薄く、軟らかい状態に変化することになる。図14はこのようなマスク本体(10)における厚みの変化した状態を拡大して示す断面図である。
図13(d)のように加圧器(P)が型枠(F)から上昇した状態では、その成形されたマスク本体(10)が自然に冷却固化しているため、これをその加圧器(P)の賦形面(20)から剥離する如く容易に取りはずすことができるが、必要な場合にはエヤーを吹き付けて取りはずせば良い。何れにしても、その取りはずした状態では未だ半成品(中間製品)(B)として過大な袋状をなしている。
そこで、その後の第3工程において、上記半成品(中間製品)(B)の状態にあるマスク本体(10)を、適当なカッターなどの加工用具(図示省略)により、目標とする製品の大きさ・輪郭形状に縁取りカット(トリミング)するのである。
その場合、その加圧器(P)の賦形面(20)から取りはずした上記半製品(中間製品)(B)を、縁取りカット(トリミング)する前に、オフホワイトに吹き付け塗装(つや消し塗装)することが好ましい。そうすれば、マスク本体(10)となる表面の照りが抑制され、自然な外観を表出できるからである。
但し、図示実施形態の透明なPET樹脂シート材(M)に代えて、例えば白色の樹脂シート材(M)を採用し、そのマスク本体(10)となる表面に透明のクリヤー塗装を施すことも考えられる。
更に、上記縁取りカット(トリミング)したマスク本体(10)における左右両側面(10b)(10b)の後端部だけを、第4工程において図15のような治具(J)に挟み付け保持して、ドライヤーなどの適当な加熱器(図示省略)により部分的に加熱・軟化させ乍ら、管棒材(23)を廻して癖付ける如く、内向き連続的に捲き曲げ、その後端部を上記伸縮性のある紐(14)(14)が通し込まれる紐受け入れ筒(10c)(10c)として成形する。
その実施形態の治具(J)はベークライト製であって、並列する一対のステー(24)(24)に裏当て横架された固定受けバー(25)と、そのステー(24)(24)へ固定受けバー(25)と平行するように、蝶ボルト(26)(26)を用いて締結された可動押えバー(27)とから成り、その可動押えバー(27)と固定受けバー(25)との上下相互間へ、上記マスク本体(10)の後端部付近を通し込み、挟み付け固定した状態において、加熱と捲き曲げを行えるようになっている。
尚、上記第4工程において成形されたマスク本体(10)の紐受け入れ筒(10c)(10c)には、その最終的に着用者が伸縮性の紐(14)(14)を通し込み、リング状に結ぶことにより、衛生マスク(A)として完成されることになる。
(10)・・・マスク本体
(10a)・・・前面
(10b)(10b)・・・左右両側面
(10c)(10c)・・・紐受け入れ筒
(14)(14)・・・ゴム紐
(16)(16)・・・クッションパッド
(17)・・・抜き穴
(18a)・・・下枠
(18b)(18b)・・・上枠
(19)(19)・・・ヒンジ
(20)・・・賦形面
(21)・・・受け台
(22)・・・昇降ロッド
(23)・・・管棒材
(25)・・・固定受けバー
(27)・・・可動押えバー
(A)・・・・衛生マスク
(F)・・・・型枠
(J)・・・・治具
(M)・・・・樹脂シート材
(P)・・・・加圧器
(S)・・・・通気間隙
(T1)(T2)・・・厚み
(W1)(W2)・・・帯幅

Claims (7)

  1. 鼻と口を被覆する最も厚肉で比較的固い前面から、頬を被覆する左右両側面が後端部へ行く程徐々に薄肉で比較的軟らかくなるマスク本体を、熱可塑性合成樹脂シート材から上記左右両側面の一部が頬に軽く弾圧する付勢状態となる平面視の放物線を描く立体的な形状に弯曲形成すると共に、
    上記マスク本体における左右両側面の後端部を連続的に捲き曲げ成形した紐受け入れ筒の一対として、その内部へ通し込んだ伸縮性がある紐を両耳へ掛止した着用時に、上記マスク本体の前面が鼻と口に密着せず、上下方向に開口する通気間隙が確保されるように設定したことを特徴とする衛生マスク。
  2. マスク本体の帯幅を、その最も広い前面から左右両側面の後端部へ行く程徐々に狭くなるように変化させると共に、
    その最も狭い後端部を紐受け入れ筒として、内向き連続的に捲き曲げ成形したことを特徴とする請求項1記載の衛生マスク。
  3. マスク本体における左右両側面のうち、着用者が最も強く弾圧すると感じる部位やその他の希望する部位へ、その内側からクッションパッドを着脱自在に貼り付け使用することを特徴とする請求項1又は2記載の衛生マスク。
  4. マスク本体が透明、半透明又は不透明の樹脂シート材から成ることを特徴とする請求項1又は2記載の衛生マスク。
  5. 請求項1に記載された衛生マスクの製造法であって、その目標とするマスク本体を展開した大きさ・輪郭形状よりも大きな相似形状の抜き穴が開口形成された型枠と、
    上記マスク本体を成形する賦形面が、正面視の放物線を描く立体的な形状に造形された加圧器とを用い、
    先ず、上記型枠に熱可塑性合成樹脂シート材を挟み付けて加熱する第1工程と、
    その加熱により軟化した樹脂シート材の挟み付け状態にある上記型枠を、その受け台上へ水平状態に固定設置して、その型枠の抜き穴へ上方から上記加圧器を押し込むことにより、その進行に連れて上記樹脂シート材を加圧器の賦形面に密着した状態のまま引き伸ばし、正面視の放物線を描く立体的な形状のマスク本体に成形する第2工程と、
    その成形・固化したマスク本体を上記型枠と加圧器の賦形面から取りはずして、目標の大きさ・輪郭形状に縁取りカットする第3工程と、
    その縁取りカットしたマスク本体における左右両側面の後端部だけを、部分的に加熱し乍ら連続的に捲き曲げることにより、紐受け入れ筒として成形する第4工程とを行うことを特徴とする衛生マスクの製造法。
  6. 第2工程において成形・固化したマスク本体の表面を、第3工程において縁取りカットする前につや消し塗装することを特徴とする請求項5記載の衛生マスクの製造法。
  7. 熱可塑性合成樹脂シート材が縦:150mm×横:200mm×厚み:1.0mmの透明なPET樹脂シート材から成ると共に、
    型枠がヒンジを介して開閉自在に枢支連結されたベークライト製の上枠と下枠とから成り、その上下相互間へ上記PET樹脂シート材を挟み付けて、220℃で30秒加熱することを特徴とする請求項5記載の衛生マスクの製造法。
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