JP2022143919A - 信号処理装置及び伝送装置 - Google Patents

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Daisuke Sasaki
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Abstract

Figure 2022143919000001
【課題】 広範囲の光周波数オフセットを補償することができる信号処理装置及び伝送装置を提供する。
【解決手段】 信号処理装置は、伝送路から入力される光信号の電界成分を示す電界信号に対し、前記光信号の送信側及び受信側の各光源の間の光周波数オフセットを補償値に基づき補償する補償部と、前記電界信号内の固定パタンのデータから前記光周波数オフセットの推定値を算出する推定部と、前記推定値から前記補償値の複数の候補を生成する生成部と、前記複数の候補の各々により前記光周波数オフセットを補償された前記光信号のパワーを算出する算出部と、前記光信号のパワーに基づき前記複数の候補から前記補償値の初期値を選択する選択部とを有する。
【選択図】図7

Description

本件は、信号処理装置及び伝送装置に関する。
例えばデジタルコヒーレント伝送において、受信装置は、受信した光信号を電気的な電界信号に変換し、伝送路で生じた光信号の偏波モード分散及び偏波変動などを適応等化処理により補償する。適応等化処理では複数のタップ係数を用いた電界信号の演算処理が実行される。タップ係数は、光信号の受信中、例えば周期的に更新されるため、受信装置の起動時に適切な初期値を設定する必要がある。
また、光信号の送信側の光源と受信側の光源(つまり局発光源)の間には光周波数オフセットが存在する。このため、受信装置は、光信号に対し光周波数オフセットを補償して信号の復調処理を行う(例えば特許文献1)。ここで、光周波数オフセットの推定値は、タップ係数の初期設定に用いられる(例えば非特許文献1)。
特開2012-248944号公報
しかし、受信装置は、起動時、光周波数オフセットが推定可能な範囲を超える場合、光周波数オフセットを正常に推定することができない。これに対し、受信側の光源の光周波数を送信側の光源の光周波数に合わせて微調整することにより光周波数オフセットを推定可能な範囲に収めることはできるが、受信装置の起動時、光周波数の調整の手間がかかるという問題がある。
そこで本件は、広範囲の光周波数オフセットを補償することができる信号処理装置及び伝送装置を提供することを目的とする。
1つの態様では、信号処理装置は、伝送路から入力される光信号の電界成分を示す電界信号に対し、前記光信号の送信側及び受信側の各光源の間の光周波数オフセットを補償値に基づき補償する補償部と、前記電界信号内の固定パタンのデータから前記光周波数オフセットの推定値を算出する推定部と、前記推定値から前記補償値の複数の候補を生成する生成部と、前記複数の候補の各々により前記光周波数オフセットを補償された前記光信号のパワーを算出する算出部と、前記光信号のパワーに基づき前記複数の候補から前記補償値の初期値を選択する選択部とを有する。
1つの態様では、伝送装置は、局発光を出力する第1光源と、伝送路から入力される光信号を前記局発光で検波することにより電気信号に変換して受信する受信部と、前記電気信号を、前記光信号の電界成分を示す電界信号に変換する変換部と、前記電界信号に対し、前記光信号の送信側の第2光源と前記第1光源の間の光周波数オフセットを補償値に基づき補償する補償部と、前記電界信号内の固定パタンのデータから前記光周波数オフセットの推定値を算出する推定部と、前記推定値から前記補償値の複数の候補を生成する生成部と、前記複数の候補の各々により前記光周波数オフセットを補償された前記光信号のパワーを算出する算出部と、前記光信号のパワーに基づき前記複数の候補から前記補償値の初期値を選択する選択部とを有する。
1つの側面として、広範囲の光周波数オフセットを補償することができる。
伝送システムの一例を示す構成図である。 位相差が2π未満の光周波数オフセットの例を示す図である。 位相差が2πを超える光周波数オフセットの例を示す図である。 光信号のパワースペクトルの劣化の例を示す図である。 送信処理回路の一例を示す構成図である。 受信処理回路の一例を示す構成図である。 期係数決定部の一例を示す構成図である。 基準推定値算出部の一例を示す構成図である。 同期トレーニングシーケンス信号の高速フーリエ変換で得られるパワースペクトルの例を示す図である。 信号パタン格納部に格納される同期TS信号のパワースペクトルを示す図である。 パワー算出部が伝送路推定結果から得るパワーの周波数分布の例を示す図である。 制御部の動作の一例を示すフローチャートである。 パワー算出部及び候補選択部の動作の一例を示すフローチャートである。
(光伝送システム)
図1は、光伝送システム9の一例を示す構成図である。光伝送システム9は、光ファイバなどの伝送路90を介して互いに接続された送信装置1及び受信装置2を有する。受信装置2は伝送装置の一例である。送信装置1はデジタルコヒーレント光伝送方式に従って光信号を受信装置2に送信し、受信装置2は、送信装置1から伝送路90を介して伝送された光信号を受信する。
送信装置1は、イーサネット(登録商標)フレームなどに収容されたデータ信号から、互いに直交するX偏波及びY偏波が合成された光信号を生成する。送信装置1は、送信処理回路10と、光源11と、DAC(Digital-to-Analog Converter)12a~12dと、光送信ユニット19とを有する。光送信ユニット19は、ドライバ16a~16dと、位相変調器(PM: Phase Modulator)13a~13dと、偏波ビームスプリッタ(PBS: Polarization Beam Splitter)14と、偏波ビームコンバイナ(PBC: Polarization Beam Combiner)15とを有する。光送信ユニット19は伝送路90に光信号を送信する。
送信処理回路10は、他装置から入力されたデータ信号を64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)などの多値変調方式(以下、変調方式と表記)により変調することにより電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを生成してDAC12a~12dにそれぞれ出力する。電界信号Xi,Xq,Yi,Yqは光信号の各偏波の電界成分を示す。電界信号Xi,Xqはそれぞれ光信号のX偏波のI成分及びQ成分であり、電界信号Yi,Yqはそれぞれ光信号のY偏波のI成分及びQ成分である。
なお、送信処理回路10としては、例えばDSP(Digital Signal Processor)が挙げられるが、これに限定されず、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよい。また、送信処理回路10は、ソフトウェアにより所定の機能を実行するCPU(Central Processing Unit)回路であってもよい。
DAC12a~12dは、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqをそれぞれデジタル信号からアナログ信号に変換する。電界信号Xi,Xq,Yi,YqはPM13a~13dにそれぞれ入力される。なお、DAC12a~12dは送信処理回路10内に構成されてもよい。
光源11は、例えばLD(Laser Diode)であり、所定の周波数の送信光LsをPBS14に出力する。PBS14は送信光LsをX軸及びY軸(偏光軸)の偏波成分に分離する。送信光LsのX偏波成分はPM13a,13bにそれぞれ入力され、送信光LsのY偏波成分はPM13c,13dにそれぞれ入力される。なお、光源11は光信号の送信側の第2光源の一例である。
ドライバ16a~16dは、DAC12a~12dから入力されたアナログ信号に基づいてPM13a~13dをそれぞれ駆動する。
PM13a~13dは、アナログ信号に変換された電界信号Xi,Xq,Yi,Yqにより送信光Lsをそれぞれ光変調する。より具体的には、PM13a,13bは、送信光LsのX偏波を電界信号Xi,Xqに基づきそれぞれ位相変調し、PM13c,13dは、送信光LsのY偏波を電界信号Yi,Yqに基づきそれぞれ位相変調する。位相変調された送信光LsのX偏波成分及びY偏波成分はPBC15に入力される。PBC15は、送信光LsのX偏波成分及びY偏波成分を偏波合成して、光信号として伝送路90に出力する。
受信装置2は送信装置1から光信号を受信する。受信装置2は、受信処理回路20と、光源21と、ADC(Analog-to-Digital Convertor)22a~22dと、光受信ユニット29とを有する。
光受信ユニット29は、光フロントエンドに該当し、PD(PhotoDiode)23a~23dと、90度光ハイブリッド回路240,241と、PBS25,26と、TIA(TransImpedance Amplifier)27a~27dとを有し、伝送路90から光信号を受信する。PBS26は、伝送路90から入力された光信号をX偏波成分及びY偏波成分に分離して90度光ハイブリッド回路240,241にそれぞれ出力する。
また、光源21は局発光LrをPBS25に入力する。PBS25は、局発光LrをX偏波成分及びY偏波成分に分離して90度光ハイブリッド回路240,241にそれぞれ出力する。なお、光源21は、光信号の受信側の光源の一例、及び局発光を出力する第1光源の一例である。
90度光ハイブリッド回路240は、光信号のX偏波成分及び局発光LrのX偏波成分を干渉させる導波路により光信号のX偏波成分を検波する。90度光ハイブリッド回路240は、検波結果として、Iチャネル及びQチャネルの振幅及び位相に応じた光電界成分をPD23a,23bにそれぞれ出力する。
90度光ハイブリッド回路241は、光信号のY偏波成分及び局発光LrのY偏波成分を干渉させる導波路により光信号のY偏波成分を検波する。90度光ハイブリッド回路241は、検波結果として、Iチャネル及びQチャネルの振幅及び位相に応じた光電界成分をPD23c,23dにそれぞれ出力する。
PD23a~23dは、光電界成分を電流信号に変換して、電流信号をTIA27a~27dにそれぞれ出力する。TIA27a~27dは、電流信号を電圧信号に変換して、電圧信号をADC22a~22dにそれぞれ出力する。なお、電圧信号は電気信号の一例である。
このように、光受信ユニット29は、伝送路90から入力される光信号を局発光Lrで検波することにより電気信号に変換して受信する。なお、光受信ユニット29は受信部の一例である。
ADC22a~22dは、PD23a~23dから入力された電流信号を電界信号Xi,Xq,Yi,Yqにそれぞれ変換する。電界信号Xi,Xq,Yi,Yqは受信処理回路20に入力される。なお、ADC22a~22dは、電気信号を電界信号Xi,Xq,Yi,Yqに変換する変換部の一例である。
受信処理回路20はデータ信号の復調処理を行う。例えば受信処理回路20は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqに対して、送信装置及び受信装置2内で生じたIQ歪みの補償、及び伝送路90内の偏波モード分散や偏波依存性損失により光信号に生じた波形歪みの適応等化処理による補償などを行う。
受信処理回路20は信号処理装置の一例である。受信処理回路20としては、例えばDSPが挙げられるが、これに限定されず、例えばFPGAまたはASICであってもよい。また、受信処理回路20は、ソフトウェアにより所定の機能を実行するCPU(Central Processing Unit)回路であってもよい。
受信処理回路20の適応等化処理では複数のタップ係数を用いた電界信号Xi,Xq,Yi,Yqの演算処理が実行される。タップ係数は、光信号の受信中、例えば周期的に更新されるため、受信装置2の起動時に適切な初期値を設定する必要がある。
また、光信号の送信側の光源11と受信側の光源21の間には光周波数オフセットが存在する。このため、受信装置2は、光信号に対し光周波数オフセットを補償してデータ信号の復調処理を行う。受信装置2は、光周波数オフセットを推定して、推定値から算出したタップ係数の初期設定に用いる。以下に光周波数オフセットを例示する。
(光周波数オフセットの例)
図2は、位相差が2π未満の光周波数オフセットの例を示す図である。以下の例では、時刻T、T+1、T+2におけるIQ平面内の送信側の光信号の信号点(送信点)及び受信側の光信号の信号点(受信点)を挙げて説明する。時刻T、T+1、T+2は、光信号の1シンボル分ずつ変位した時刻である。
時刻Tにおいて、受信点の位相は送信点の位相に対して角度θ(<π/2)だけずれている。その次の時刻(T+1)おいて、受信点の位相は送信点の位相に対して角度2θだけずれている。その次の時刻(T+2)おいて、受信点の位相は送信点の位相に対して角度3θだけずれている。このように、時刻の経過とともに光周波数オフセットは増加するが、送信点と受信点の位相差が2π未満である場合、例えば非特許文献1に開示されているトレーニングシーケンス信号を用いた方法により光周波数オフセットを検出可能である。
図3は、位相差が2πを超える光周波数オフセットの例を示す図である。例えば、周期的なトレーニングシーケンス信号の間隔における送信点と受信点の位相差がθ+2πやθ+4πである場合、上記の方法による位相差の検出可能範囲を超える。
(光周波数オフセットの補償手段の比較例)
光周波数オフセットの補償手段として、例えば光信号の周波数軸上のパワースペクトルを用いる方法がある。しかし、以下に述べるように光信号のパワースペクトルは受信側の光フィルタなどの影響により劣化するため、劣化の程度のよっては光周波数オフセットの補償が難しい。
図4は、光信号のパワースペクトルの劣化の例を示す図である。一例として光信号の中心周波数を193.10(THz)とし、光信号の周波数帯域を64(GHz)とする。
符号G1aは、理想的な光信号のパワースペクトルを示す。光信号の信号帯域は、193.07~193.13(THz)である。符号G1bは、光信号の中心周波数のずれがない場合に光フィルタが透過した光信号のパワースペクトルを示す。ここで、符号Fは光フィルタの透過形状を示す。この場合、光フィルタの中心周波数はパワーのピークと実質的に一致するため、光周波数オフセットの補償は容易である。
符号G1cは、光信号の中心周波数が高周波数側にずれた場合に光フィルタが透過した光信号のパワースペクトルを示す。また、符号G1dは、光信号の中心周波数が低周波数側にずれた場合に光フィルタが透過した光信号のパワースペクトルを示す。このように中心周波数がずれた場合、光フィルタの中心周波数はパワーのピークに一致しないため、光周波数オフセットの補償は困難である。
本実施例では、受信処理回路20は、光信号に周期的に含まれる同期トレーニングシーケンス信号を用いて光周波数オフセットを推定し、その推定値から光周波数オフセットの補償値の初期値として複数の候補を生成する。
(送信処理回路の構成)
図5は、送信処理回路10の一例を示す構成図である。送信処理回路10は、パリティ付加部100、変調部101,103,105、同期トレーニングシーケンス(同期TS)信号生成部102、パイロット信号生成部104、フレーム生成部106、及びフィルタ部107を有する。
パリティ付加部100は、データ信号を符号化して例えばFEC(Forward Error Correction)などの誤り訂正符号を生成する。パリティ付加部100は、誤り訂正符号をパリティ信号としてデータ信号に付与して変調部101に出力する。変調部101は、例えばQAM(Quadrature Amplitude Modulation)によりデータ信号及びパリティ信号を変調しフレーム生成部106に出力する。
同期TS信号生成部102は、固定パタンの同期TS信号を生成して変調部103に出力する。変調部103は、例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)により同期TS信号を変調しフレーム生成部106に出力する。なお、同期TS信号は固定パタンのデータの一例である。
パイロット信号生成部104は、固定パタンのパイロット信号を生成して変調部105に出力する。変調部105は、例えばQPSKによりパイロット信号を変調しフレーム生成部106に出力する。
フレーム生成部106は、符号109で示されるように同期TS信号、データ信号、パリティ信号、及びパイロット信号(PLT)からフレームを生成する。フレームの先頭には、同期TS信号が配置される。同期TS信号は受信処理回路20においてフレーム同期及び光周波数オフセットの補償に用いられる。フレームの同期TS信号の後方には、パイロット信号及びペイロード領域が交互に配置される。パイロット信号は受信処理回路20において適応等化処理のタップ係数の決定に用いられる。ペイロード領域は例えば31シンボル分の領域であり、この場合、パイロット信号は32シンボル間隔で配置される。データ信号及びパリティ信号は複数のペイロード領域に分割されて収容される。パリティ信号は受信処理回路20においてデータ信号の誤り訂正に用いられる。
フレーム生成部106はフレームを電界信号Xi,Xq,Yi,Yqとしてフィルタ部107に出力する。フィルタ部107は、例えばナイキストフィルタを備え、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqの波形の整形を行う。
(受信処理回路の構成)
図6は、受信処理回路20の一例を示す構成図である。受信処理回路20は、受信歪み補償部200、波長分散補償部201、適応等化部202、オフセット補償部203、搬送波位相再生部204、送信歪み補償部205、誤り訂正部206、同期検出部207、初期係数決定部208、係数更新部209、オフセット推定部210、及び位相量検出部211を有する。
受信歪み補償部200は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqに対し、受信装置2内でIQ不平衡により生ずる光信号の劣化を補償する。受信歪み補償部200は補償後の電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを波長分散補償部201に出力する。
波長分散補償部201は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqに対し、伝送路90内の分散により生じた光信号の劣化を補償する。波長分散補償部201は補償後の電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを適応等化部202に出力する。
適応等化部202は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqに対し、伝送路90内の偏波モード分散や偏波依存性損失により光信号に生じた波形歪みを適応等化処理により補償する。適応等化部202は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタのタップ係数に従って適応等化処理を行う。なお、適応等化部202は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqに対し、伝送路90内で光信号に生じた劣化をタップ係数に従って適応等化補償する適応等化補償部の一例である。また、タップ係数はフィルタ係数の一例である。
係数更新部209は、適応等化部202から出力された電界信号Xi,Xq,Yi,Yq内のパイロット信号を用いてCMA(Constant Modus Algorithm)法などに従ってタップ係数を更新する。電界信号Xi,Xq,Yi,Yqは適応等化部202からオフセット補償部203及びオフセット推定部210に出力される。
オフセット補償部203は、補償部の一例であり、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqに対し、送信側及び受信側の各光源11,21の間の光周波数オフセットを補償値に基づき補償する。オフセット推定部210は、オフセット補償部203に入力される電界信号Xi,Xq,Yi,Yqから光周波数オフセットを推定することにより補償値を算出する。オフセット推定部210は、補償値をオフセット補償部203に出力する。電界信号Xi,Xq,Yi,Yqはオフセット補償部203から搬送波位相再生部204及び位相量検出部211に出力される。
搬送波位相再生部204は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqから局発光Lrの位相雑音成分を取り除く。位相量検出部211は、搬送波位相再生部204に入力される電界信号Xi,Xq,Yi,Yqから位相雑音を検出して搬送波位相再生部204に出力する。電界信号Xi,Xq,Yi,Yqは搬送波位相再生部204から送信歪み補償部205に出力される。
送信歪み補償部205は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqに対し、送信装置1内でIQ不平衡により生ずる光信号の劣化を補償する。送信歪み補償部205は補償後の電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを誤り訂正部206に出力する。
誤り訂正部206は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqからパリティ信号を取り出し、パリティ信号に基づいてデータ信号の誤り訂正を行う。
同期検出部207は、波長分散補償部201から適応等化部202に出力される電界信号Xi,Xq,Yi,Yqから同期トレーニングシーケンス信号を取り出してフレーム同期を確立する。同期検出部207は、点線で示されるように、初期係数決定部208、係数更新部209、オフセット推定部210、及び位相量検出部211に同期タイミングを通知する。初期係数決定部208、係数更新部209、オフセット推定部210、及び位相量検出部211は、同期タイミングに基づき電界信号Xi,Xq,Yi,Yqの処理タイミングを制御する。
初期係数決定部208は、受信装置2の起動時、電界信号Xi,Xq,Yi,Yq内の同期トレーニングシーケンス信号から光周波数オフセットを推定し、その推定値から生成した複数の候補から光周波数オフセットの補償値の初期値を選択してオフセット推定部210に設定する。さらに初期係数決定部208は、周波数オフセットの補償値の初期値からタップ係数の初期値を決定して適応等化部202及び係数更新部209に設定する。
図7は、初期係数決定部208の一例を示す構成図である。初期係数決定部208は、制御部300、基準推定値算出部301、候補生成部302、複数の補償部303、複数の高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transformation)部304、複数の伝送路推定部305、複数のパワー算出部306、候補選択部307を有する。さらに、初期係数決定部208は、初期補償値設定部308、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transformation)部309、初期係数設定部310、パラメータ格納部311、信号パタン格納部312、FFT部313、及びゼロ補間部314を有する。
基準推定値算出部301は、推定部の一例であり、電界信号Xi,Xq,Yi,Yq内の同期TS信号から光周波数オフセットの推定値θinitを算出する。この推定値θinitは、オフセット推定部210に設定する補償値の初期値となる複数の候補を生成するための基準値(以下、基準推定値θinitと表記)である。
図8は、基準推定値算出部301の一例を示す構成図である。基準推定値算出部301は、遅延挿入部321、複素共役演算部322、乗算器323、平均算出部324、ピーク検出部325、加算部326、及び偏角演算部327を有する。
同期TS信号は遅延挿入部321及び乗算器323に入力される。遅延挿入部321は、同期TS信号を1周期分のシンボル数(例えば11個のシンボル分)だけ遅延させて複素共役演算部322に出力する。複素共役演算部322は、同期TS信号の複素共役を算出して乗算器323に出力する。
乗算器323は、同期TS信号に同期TS信号の複素共役を乗算する。すなわち、乗算器323は、同期TS信号の自己相関を算出する。これにより、同期TS信号同士の位相差が算出される。乗算器323は、乗算結果を平均算出部324に出力する。平均算出部324は、乗算結果の1周期分のシンボル数分の移動平均を算出してピーク検出部325及び加算部326に出力する。
ピーク検出部325は、移動平均の値からピークとなる位置を検出して加算部326に通知する。加算部326は、ピーク位置における移動平均値の合計を算出して偏角演算部327に出力する。偏角演算部327は、移動平均値の合計の偏角を算出して1周期分のシンボル数で除算することにより基準推定値θinitを算出する。
-Sr/(2×L)<θinit≦Sr/(2×L) ・・・(1)
基準推定値θinitの範囲は、-πから+πの位相範囲に該当するため、上記の式(1)により算出される。式(1)において、Srはシンボルレート(GBaud)であり、Lは同期TS信号の間隔(シンボル個数)である。なお、Sr/Lは2πの位相に該当する。
基準推定値算出部301は、式(1)の範囲を超える光周波数オフセットを推定することができない。このため、以下に述べるように、候補生成部302は、基準推定値θinitから複数の候補を生成することにより推定可能な範囲を拡張する。
再び図7を参照して説明する。基準推定値算出部301は基準推定値θinitを候補生成部302に出力する。
候補生成部302は、生成部の一例であり、オフセット補償部203における光周波数オフセットの補償値の初期値となる複数の候補を基準推定値θinitから生成する。例えば候補生成部302は、基準推定値θinit、及び基準推定値θinitを2πの整数倍だけ変位させた値(θinit±2π×n)を候補として生成する。ここで、整数nは、1,2,3,・・・,Nmax(Nmax:1以上の整数)である。
例えば整数nの最大値Nmax=2である場合、候補生成部302は、θinit,θinit±2π,θinit±4πの5個の候補を生成する。整数nの最大値Nmaxは、制御部300から通知される。
制御部300は、パラメータ格納部311から読みだしたパラメータから最大値Nmaxを算出する。パラメータ格納部311は例えばメモリ回路であり、パラメータ格納部311には、光信号のシンボルレート、同期TS信号のシンボル間隔、送信側及び受信側の各光源11,21の最大周波数差(送信光Lsと局発Lr光の中心周波数差の最大値)があらかじめ格納されている。ここで、パラメータ格納部311は外部の装置に設けられてもよい。以下に最大値Nmaxの算出例を述べる。
例えば、光信号のシンボルレートが64(Gbaud)であり、同期TS信号のシンボル間隔が11シンボルであり、送信側及び受信側の各光源11,21の最大周波数差が±5.0(GHz)である場合を挙げる。最大周波数差は光源11,21の周波数の精度(例えば±2.5(GHz)から決定される。制御部300は、基準推定値算出部301により算出される基準推定値θinitの範囲を、光信号のシンボルレート及び同期TS信号のシンボル間隔から算出する。本例の場合、基準推定値θinitの範囲は、上記の式(1)から-2.909(GHz)(=±64÷11÷2)<θinit≦2.909(GHz)となる。
制御部300は、各光源11,21の最大周波数差を、基準推定値θinitの最大値、つまり推定可能な光周波数オフセットの最大値で除算することにより整数nの最大値Nmaxを決定する。各光源11,21の最大周波数差(絶対値)である5.0(GHz)を、推定可能な光周波数オフセットの最大値(絶対値)である2.909(GHz)で除算すると1.71が得られる。したがって、1.71の整数部分である1に該当する周波数量が、拡張の必要がある推定範囲となるため、整数nの最大値Nmaxは1と算出される。
この場合、候補生成部302は以下の候補を生成する。
候補(A):基準推定値θinit+2π
候補(B):基準推定値θinit
候補(C):基準推定値θinit-2π
このように候補生成部302は、送信側及び受信側の各光源11,21の中心周波数の精度に応じた範囲内で基準推定値θinitを変位させることにより光周波数オフセットの補償値の複数の候補(A)~(C)を生成する。このため、候補生成部302は、送信側及び受信側の各光源11,21の性能に応じた適切な範囲内で候補を生成することができる。なお、候補生成部302は、上記に限定されず、予め定められた範囲内で候補を生成してもよい。
候補(A)~(C)により推定可能な光周波数オフセットの範囲は、-2.909(GHz)<θinit≦2.909(GHz)から以下の通りとなる。ここで、2πは5.818(=Sr/L=64/11)となる。
候補(A)の推定可能範囲:+2.909~+(2.909+5.818)(GHz)
候補(B)の推定可能範囲:-2.909~+2.909(GHz)
候補(C)の推定可能範囲:-(2.909+5.818)~-2.909(GHz)
このため、各光源11,21の最大周波数差が基準推定値θinitの範囲を超える場合でも、推定可能範囲が拡張されることにより光周波数オフセットの適切な補償値を得ることが可能となる。
候補生成部302は光周波数オフセットの補償値の複数の候補を生成して複数の補償部303にそれぞれ出力する。例えば基準推定値θinit=1.367(GHz)の場合、上記の候補(A)~(C)は以下の通りである。
候補(A):7.185(GHz)(=θinit+2π=1.367+5.818)
候補(B):1.367(GHz)
候補(C):-4.451(GHz)(=θinit-2π=1.367-5.818)
各補償部303は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yq内の同期TS信号に対し、補償値の候補に基づいて光周波数オフセットを補償する。各補償部303は、光周波数オフセットの補償後の同期TS信号をFFT部304に出力する。
各FFT部304は、同期TS信号を高速フーリエ変換することにより時間軸上の信号から周波数軸上の信号に変換する。各FFT部304は、周波数軸上の同期TS信号を伝送路推定部305に出力する。
図9は、同期TS信号の高速フーリエ変換で得られるパワースペクトルの例を示す図である。符号G2a~G2dのグラフにおいて、横軸は周波数(GHz)を示し、縦軸はパワー(dBm)を示す。
符号G2aは、光周波数オフセットの補償前の同期TS信号のパワースペクトルを示す。光周波数オフセットの値は、一例として4.451(GHz)と仮定する。また、シンボルレートは64(GHz)と仮定する。中心周波数は、送信時と比べると、光周波数オフセットの値だけずれている。
符号G2bは、上記の候補(A)に基づいて光周波数オフセットを補償した同期TS信号のパワースペクトルを示す。中心周波数は、送信時と比べると、光周波数オフセットに候補(A)の値を加算した11.636(GHz)(=4.451+7.185)だけずれている。
符号G2cは、上記の候補(B)に基づいて光周波数オフセットを補償した同期TS信号のパワースペクトルを示す。中心周波数は、送信時と比べると、光周波数オフセットに候補(B)の値を加算した5.818(GHz)(=4.451+1.367)だけずれている。
符号G2dは、上記の候補(C)に基づいて光周波数オフセットを補償した同期TS信号のパワースペクトルを示す。光周波数オフセットに候補(C)の値を加算すると0(GHz)(=4.451-4.451)となるため、中心周波数は送信時と実質的に同じである。したがって、候補(C)が最適な光周波数オフセットの補償値となる。
再び図7を参照すると、各伝送路推定部305は、周波数軸上の同期TS信号から伝送路推定処理を行う。これにより、各伝送路推定部305は、偏波に応じた適応等化処理のタップ係数の初期値を算出する。
タップ係数の算出手段としては、最小二乗誤差法(MMSE:Minimum Mean Square Error)が挙げられる。伝送路推定部305は、各候補(A)~(C)により光周波数オフセットが補償された同期TS信号を、信号パタン格納部312に期待値として格納された同期TS信号と比較する。これにより伝送路推定部305は、信号パタン格納部312内の同期TS信号に対する、各候補(A)~(C)により光周波数オフセットが補償された同期TS信号の相関値に応じた伝送路推定結果を得ることができる。
信号パタン格納部312は例えばメモリ回路であり、信号パタン格納部312には、送信時の理想的な同期TS信号を格納されている。ここで、信号パタン格納部312は外部の装置に設けられてもよい。FFT部313は、信号パタン格納部312から同期TS信号を読みだして高速フーリエ変換する。ゼロ補間部314は、高速フーリエ変換された同期TS信号の帯域幅を、光周波数オフセットが補償された同期TS信号の帯域幅に合わせるため、その差分の帯域をゼロにより補間する。FFT部313は、帯域を補間した同期TS信号を各伝送路推定部305に出力する。
図10は、信号パタン格納部312に格納される同期TS信号のパワースペクトルを示す図である。中心周波数は送信時の光信号の中心周波数に一致している。また、シンボルレートは、上記の例と同じ64(GHz)である。
再び図7を参照すると、各パワー算出部306は、伝送路推定部305から入力された伝送路推定の結果から同期TS信号のパワーを算出する。例えば各パワー算出部306は、伝送路推定の結果をパワーに変換して時間平均値を算出し、制御部300から指定された帯域内のパワーの平均値を算出する。各パワー算出部306は、パワーの平均値を候補選択部307に出力する。なお、複数のパワー算出部306は、各候補により光周波数オフセットを補償された光信号のパワーを算出する算出部の一例である。
候補選択部307は、選択部の一例であり、各パワー算出部306から入力されたパワーの平均値に基づき複数の候補から、オフセット補償部203における光周波数オフセットの補償値の初期値を選択する。光周波数オフセットを適切な候補に基づき補償した場合、他の候補に基づき光周波数オフセットを補償した場合より所定の帯域内のパワーの平均値が大きくなる。したがって、候補選択部307は、パワーが最大である候補を補償値の初期値として選択することにより、最適な光周波数オフセットの補償を可能とする。
図11は、パワー算出部306が伝送路推定結果から得るパワーの周波数分布の例を示す図である。符号G3a~G3cは、上記の候補(A)~(C)にそれぞれ対応するパワー分布を示す。
パワー算出部306は、64(GHz)分の信号帯域BW(-32(GHz)~32(GHz))のうち、制御部300から指定された評価対象帯域BWv(-20(GHz)~20(GHz))におけるパワーの平均値を算出する。例えば制御部300は、雑音や伝送路推定時の光周波数オフセットの影響が低減されるように、信号帯域BWの中心領域を評価対象帯域BWvとして指定する。
本例ではシンボルレートが64(GHz)であることから、±11.7(GHz)程度の周波数のずれが生じる可能性がある。このため、±20.3(GHz)より高周波数側の領域では、各候補(A)~(C)により光周波数オフセットが補償された同期TS信号の相関値が正常に得られないおそれがある。このため、制御部300は、-20(GHz)~20(GHz)の帯域を評価対象帯域BWvとして指定する。
候補(A)~(C)にそれぞれ対応するパワー分布のうち、候補(C)に対応するパワー分布における評価対象帯域BWv内のパワーの平均値は最大となる。このため、候補選択部307は、光周波数オフセットの補償値の初期値として候補(C)を選択する。
再び図7を参照すると、候補選択部307は、初期補償値設定部308及び初期係数決定部208に選択結果を通知する。
初期補償値設定部308には、候補選択部307から候補(A)~(C)が入力される。初期補償値設定部308は、候補選択部307の選択結果に応じた候補(C)を光周波数オフセットの補償値の初期値としてオフセット推定部210に設定する。これにより、オフセット補償部203は、受信装置2の起動時、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqに対し、適切な補償値に基づいて光周波数オフセットを補償することができる。
初期係数設定部310には、各伝送路推定部305からIFFT部309経由で伝送路推定の結果が入力される。IFFT部309は、伝送路推定結果のタップ係数を周波数領域の値から時間領域の値に変換する。
初期係数設定部310は、伝送路推定結果のタップ係数から、候補選択部307の選択結果に応じたタップ係数を初期値として適応等化部202及び係数更新部209に設定する。これにより、適応等化部202は、受信装置2の起動時、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqに対し、適切なタップ係数に基づいて伝送路90内の偏波モード分散や偏波依存性損失により光信号に生じた波形歪みを補償することができる。なお、初期係数設定部310は、光周波数オフセットの補償値の初期値に応じたタップ係数の初期値を設定する係数設定部の一例である。
制御部300は、上記の動作シーケンスを制御する。
図12は、制御部300の動作の一例を示すフローチャートである。制御部300は、上述したようにパラメータ格納部311内のパラメータから最大値Nmaxを算出し(ステップSt1)、候補生成部302に通知する(ステップSt2)。
次に制御部300は、各伝送路推定部305に伝送路推定処理を指示する(ステップSt3)。これにより、各伝送路推定部305は伝送路推定処理を実行する。
次に制御部300は、各伝送路推定部305からの応答信号から、全ての候補(A)~(C)に対応する伝送路推定処理が完了したか否かを判定する(ステップSt4)。伝送路推定処理が完了していない候補(A)~(C)が有る場合(ステップSt4のNo)、再びステップSt4の処理が実行される。
また、全ての候補(A)~(C)に対応する伝送路推定処理が完了している場合(ステップSt4のYes)、制御部300は各パワー算出部306及び候補選択部307に候補(A)~(C)の判定を指示する(ステップSt5)。これにより、各パワー算出部306は伝送路推定結果からパワーの平均値を算出し、候補選択部307は候補(A)~(C)から光周波数オフセットの補償値の初期値を選択する。このようにして、制御部300は動作する。
図13は、パワー算出部306及び候補選択部307の動作の一例を示すフローチャートである。パワー算出部306は伝送路推定結果を周波数軸上のパワーに変換する(ステップSt11)。次にパワー算出部306はパワーの時間平均を算出する(ステップSt12)。
次にパワー算出部306は、制御部300から指定された帯域内でパワーを平均化する(ステップSt13)。次に候補選択部307は、候補(A)~(C)からパワーの平均値が最大となる候補を選択する(ステップSt14)。このようにして、パワー算出部306及び候補選択部307は動作する。
これまで述べたように、基準推定値算出部301は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yq内の同期TS信号から光周波数オフセットの基準推定値θinitを算出する。候補生成部302は、基準推定値θinitから補償値の複数の候補(A)~(C)を生成する。パワー算出部306は、各候補(A)~(C)により光周波数オフセットを補償された光信号のパワーを算出する。候補選択部307は、光信号のパワーに基づき複数の候補(A)~(C)から補償値の初期値を選択する。
この構成によると、候補生成部302は、基準推定値θinitから複数の候補を生成するため、光周波数オフセットの補償値の範囲を拡張することができる。パワー算出部306は、複数の候補(A)~(C)より光周波数オフセットを補償された光信号のパワーを算出するため、光周波数オフセットの補償値としての候補(A)~(C)の良否を適切に評価することができる。候補選択部307は、光信号のパワーに基づき複数の候補(A)~(C)から補償値の初期値を選択するため、光周波数オフセットを補償する適切な初期値を設定することができる。したがって、受信装置2及び受信処理回路20は、広範囲の周波数オフセットを補償することができる。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能である。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 伝送路から入力される光信号の電界成分を示す電界信号に対し、前記光信号の送信側及び受信側の各光源の間の光周波数オフセットを補償値に基づき補償する補償部と、
前記電界信号内の固定パタンのデータから前記光周波数オフセットの推定値を算出する推定部と、
前記推定値から前記補償値の複数の候補を生成する生成部と、
前記複数の候補の各々により前記光周波数オフセットを補償された前記光信号のパワーを算出する算出部と、
前記光信号のパワーに基づき前記複数の候補から前記補償値の初期値を選択する選択部とを有することを特徴とする信号処理装置。
(付記2) 前記生成部は、前記光信号の前記送信側及び受信側の各光源の中心周波数の精度に応じた範囲内で前記推定値を変位させることにより前記補償値の複数の候補を生成することを特徴とする付記1に記載の信号処理装置。
(付記3) 前記選択部は、前記複数の候補のうち、前記光信号のパワーが最大である候補を選択することを特徴とする付記1または2に記載の信号処理装置。
(付記4) 前記電界信号に対し、前記伝送路内で前記光信号に生じた劣化をフィルタ係数に従って適応等化補償する適応等化補償部と、
前記補償値の初期値に応じた前記フィルタ係数の初期値を設定する係数設定部とを有することを特徴とする付記1乃至3の何れかに記載の信号処理装置。
(付記5) 局発光を出力する第1光源と、
伝送路から入力される光信号を前記局発光で検波することにより電気信号に変換して受信する受信部と、
前記電気信号を、前記光信号の電界成分を示す電界信号に変換する変換部と、
前記電界信号に対し、前記光信号の送信側の第2光源と前記第1光源の間の光周波数オフセットを補償値に基づき補償する補償部と、
前記電界信号内の固定パタンのデータから前記光周波数オフセットの推定値を算出する推定部と、
前記推定値から前記補償値の複数の候補を生成する生成部と、
前記複数の候補の各々により前記光周波数オフセットを補償された前記光信号のパワーを算出する算出部と、
前記光信号のパワーに基づき前記複数の候補から前記補償値の初期値を選択する選択部とを有することを特徴とする伝送装置。
(付記6) 前記生成部は、前記光信号の前記送信側及び受信側の各光源の中心周波数の精度に応じた範囲内で前記推定値を変位させることにより前記補償値の複数の候補を生成することを特徴とする付記5に記載の伝送装置。
(付記7) 前記選択部は、前記複数の候補のうち、前記光信号のパワーが最大である候補を選択することを特徴とする付記5または6に記載の伝送装置。
(付記8) 前記電界信号に対し、前記伝送路内で前記光信号に生じた劣化をフィルタ係数に従って適応等化補償する適応等化補償部と、
前記補償値の初期値に応じた前記フィルタ係数の初期値を設定する係数設定部とを有することを特徴とする付記5乃至7の何れかに記載の伝送装置。
1 送信装置
2 受信装置
11,21 光源
20 受信処理回路
22a~22d ADC
29 光受信ユニット
90 伝送路
202 適応等化部
203 オフセット補償部
301 基準推定値算出部
302 候補生成部
306 パワー算出部
307 候補選択部
310 初期係数設定部
Xi,Xq,Yi,Yq 電界信号

Claims (5)

  1. 伝送路から入力される光信号の電界成分を示す電界信号に対し、前記光信号の送信側及び受信側の各光源の間の光周波数オフセットを補償値に基づき補償する補償部と、
    前記電界信号内の固定パタンのデータから前記光周波数オフセットの推定値を算出する推定部と、
    前記推定値から前記補償値の複数の候補を生成する生成部と、
    前記複数の候補の各々により前記光周波数オフセットを補償された前記光信号のパワーを算出する算出部と、
    前記光信号のパワーに基づき前記複数の候補から前記補償値の初期値を選択する選択部とを有することを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記生成部は、前記光信号の前記送信側及び受信側の各光源の中心周波数の精度に応じた範囲内で前記推定値を変位させることにより前記補償値の複数の候補を生成することを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記選択部は、前記複数の候補のうち、前記光信号のパワーが最大である候補を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の信号処理装置。
  4. 前記電界信号に対し、前記伝送路内で前記光信号に生じた劣化をフィルタ係数に従って適応等化補償する適応等化補償部と、
    前記補償値の初期値に応じた前記フィルタ係数の初期値を設定する係数設定部とを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の信号処理装置。
  5. 局発光を出力する第1光源と、
    伝送路から入力される光信号を前記局発光で検波することにより電気信号に変換して受信する受信部と、
    前記電気信号を、前記光信号の電界成分を示す電界信号に変換する変換部と、
    前記電界信号に対し、前記光信号の送信側の第2光源と前記第1光源の間の光周波数オフセットを補償値に基づき補償する補償部と、
    前記電界信号内の固定パタンのデータから前記光周波数オフセットの推定値を算出する推定部と、
    前記推定値から前記補償値の複数の候補を生成する生成部と、
    前記複数の候補の各々により前記光周波数オフセットを補償された前記光信号のパワーを算出する算出部と、
    前記光信号のパワーに基づき前記複数の候補から前記補償値の初期値を選択する選択部とを有することを特徴とする伝送装置。

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