JP2022143906A - リアクトル - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を削減するとともに、スペーサを接着剤で接合する工程を削減するリアクトルを提供する。【解決手段】リアクトルは、複数のU字型コア部材により形成されたコアと、コアを被覆するコアモールド樹脂2と、コアに装着されるコイルと、コア、コアモールド樹脂2及びコイルを一体的に被覆するモールド樹脂と、を備える。U字型コア部材は、他のU字型コア部材と対向に配置される対向面14を有し、コアモールド樹脂2は、対向面14の少なくとも一部を被覆する対向面被覆部21を有する。対向面被覆部21は、上下方向に延びる平板形状であり、他のU字型コア部材に向かって突出する突出部22と、対向面被覆部21の上端及び下端に設けられた開口部23と、を有する。対向に配置されたU字型コア部材の対向面14の間にモールド樹脂が形成されている。【選択図】図3
Description
本発明は、ギャップを有するコア及びコイルを備えたリアクトルに関する。
OA機器、太陽光発電システム、自動車、無停電電源など様々な用途にリアクトルが用いられている。リアクトルは主としてコイル及びコアから成る。コイルは、通電により巻数に従って磁束を発生させ、コアは、コイルが発生させた磁束を通す磁路となる。リアクトルは、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換して蓄積及び放出する電磁気部品である。
コアは、例えば、一対の脚部と、一対の脚部を繋ぐヨーク部とを有する一対のU字型コア部材から成る。このU字型コア部材には、コイルとの絶縁を図るため、樹脂部材が被覆されている。そして、樹脂部材によって被覆されたU字型コア部材にコイルを装着し、U字型コア部材の脚部を互いに向かい合わせて接合することで、閉じた磁気回路が形成する。
リアクトルのインダクタンス値の低下を防止するため、向かい合わせて配置した互いの脚部の間にギャップスペーサを設けることがある。ギャップスペーサは、向かい合わせに配置された脚部の端面と同程度の大きさの平板状の部材である。ギャップスペーサとしては、非磁性体、セラミック、非金属、樹脂、炭素繊維、若しくはこれら2種以上の合成材又はギャップ紙を用いることができる。
しかし、ギャップスペーサを用いる場合、部品点数が多くなりコスト増大を招く。また、ギャップスペーサと脚部の端面を接着剤等で接合する作業が必要となるため、作業工程が増加し、生産性が悪化する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、部品点数を削減するとともに、スペーサを接着剤で接合する工程を削減するリアクトルを提供することにある。
本発明のリアクトルは、複数のコア部材により形成されたコアと、前記コアを被覆するコアモールド樹脂と、前記コアに装着されるコイルと、前記コア、前記コアモールド樹脂及び前記コイルを一体的に被覆するモールド樹脂と、を備え、前記コア部材は、他のコア部材と対向に配置される対向面を有し、前記コアモールド樹脂は、前記対向面の少なくとも一部を被覆する対向面被覆部を有し、前記対向面被覆部は、上下方向に延びる平板形状であり、前記他のコア部材に向かって突出する突出部と、前記突出部よりも窪み、前記対向面と面一となる開口部と、を有し、対向に配置された前記コア部材の前記対向面の間に前記モールド樹脂が形成されていること、を特徴とする。
本発明によれば、部品点数を削減するとともに、スペーサを接着剤で接合する工程を削減するリアクトルを得ることができる。
(実施形態)
実施形態に係るリアクトルについて、図面を参照しつつ説明する。各図面においては、理解容易のため、寸法、位置関係、比率又は形状等を強調して示している場合があり、本発明は、それら強調に限定されるものではない。図1は、リアクトルの全体構成を示す斜視図である。
実施形態に係るリアクトルについて、図面を参照しつつ説明する。各図面においては、理解容易のため、寸法、位置関係、比率又は形状等を強調して示している場合があり、本発明は、それら強調に限定されるものではない。図1は、リアクトルの全体構成を示す斜視図である。
リアクトル10は、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換して蓄積及び放出する電磁気部品であり、OA機器、太陽光発電システム、自動車など様々な用途で使用される。本実施形態のリアクトル10は、コア1、コアモールド樹脂2、コイル3及びモールド樹脂4を備える。
まず、コア1をコアモールド樹脂2でモールド成形してモールドコアを作製する。モールドコアにコイル3を組付け、モールド樹脂4によって更にモールド成形して、コア1とコイル3は一体化する。即ち、本実施形態のリアクトル10は、コア1をコアモールド樹脂2でモールド成形を行い、その後、モールド成形されたモールドコアとコイル3をモールド樹脂4でモールド成形した二重モールドのリアクトルである。
コア1は、圧粉磁心、フェライト磁心、積層鋼板、又はメタルコンポジットコア等を用いることができる。メタルコンポジットコアとは、磁性粉末と樹脂とが混練され、樹脂が硬化されて成る磁性体である。コア1は、コイル2が発生させた磁束が通る磁路となる。
図2は、コアの平面図である。図2に示すように、コア1は、一対の脚部12と、一対の脚部12を連結するヨーク部13とを有するU字型コア部材11から成る。このU字型コア部材11は、2つ設けられ、互いの脚部12を向かい合わせにして、隙間を介して配置される。即ち、各U字型コア部材11は、他のU字型コア部材11と対向する対向面14を有する。なお、対向し合う対向面14の間の隙間には、モールド樹脂4が入り込んでいる。対向面14の間に形成されたモールド樹脂4が磁気的なギャップとして機能する。
対向面14は、平坦面15と2つの湾曲面16を有する。平坦面15は、対向面14の中央部分に設けられ、脚部12の側面とは連接されていない。湾曲面16は、平坦面15と脚部12の側面を繋ぐ。即ち、湾曲部16は、平坦面15の両端にそれぞれ設けられている。なお、脚部12の側面とは、後述するコイル3の横並び方向と直交する端面である。また、平坦面15とは、湾曲面16との相対的な比較において平坦な面であり、コア1の製造上生じる凹凸を有するものも含まれる。
湾曲面16は、内側湾曲面16aと外側湾曲面16bを有する。内側湾曲面16aは、リアクトル10の内側に設けられている。外側湾曲面16bは、リアクトル10の外側、即ち、内側湾曲面16aの反対側の平坦面の端部と連接している。リアクトル10の内側とは、後述する横並びに配置された2つのコイル3の隙間に向かう側を指し、リアクトル10の外側は、その反対に向かう側を指す。
内側湾曲面16aと外側湾曲面16bの曲率半径は異なる。本実施形態では、外側湾曲面16bの曲率半径は、内側湾曲面16aの曲率半径よりも大きい。図2に示すように、脚部12の幅方向(突出部22の延び方向(上下方向)と直交し、コイル3の巻軸方向と直交する方向)の長さをWとし、内側湾曲面16aの曲率半径をRa、外側湾曲面16bの曲率半径Rbとすると、外側湾曲面16bの曲率半径は、8ミリ以上(W-Ra)以下であることが好ましい。曲率半径が8ミリ未満であると、後述するコアモールド樹脂2に切り欠き部24を設けて、モールド樹脂4の流動性を向上させる効果が乏しい。
コアモールド樹脂2は、コア1の表面を被覆する樹脂部材である。このコアモールド樹脂2は、モールド成形によってコア1と一体に成形される。樹脂の種類としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、BMC(Bulk Molding Compound)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PBT(Polybutylene Terephthalate)、又はこれらの複合したものを挙げることができる。なお、樹脂に熱伝導性のフィラーを混ぜてもよい。
図3は、コアモールド樹脂に被覆されたコアの斜視図である。図4(a)は、コアの平面透視図であり、図4(b)は、突出部を突き合わせた状態を示す斜視図である。図5は、突出部を付き合わせた状態における対向面被覆部の拡大斜視図である。コアモールド樹脂2は、対向面14の一部を被覆する対向面被覆部21を有する。対向面被覆部21は、図3に示すように、対向面14のうち、内側湾曲面16a及び外側湾曲面16bを被覆している。換言すれば、対向面被覆部21は、平坦面15は被覆しておらず、平坦面15は露出している。
対向面被覆部21は、長板形状の突出部22を有する。突出部22は、平坦面15よりも対向するU字型コア部材11に向かって突出している。突出部22は、対向する対向面被覆部21の突出部22と突き合わされる。突出部22を突き合わせてできる平坦面15間の隙間がギャップの長さとなる。即ち、突出部22の突出長さを調整することでギャップの長さが決まる。
突出部22は、内側湾曲面16a及び外側湾曲面16bの巻軸方向の延長領域上にそれぞれ設けられている。突出部22は、対向面被覆部21の中央部分から上下方向に延びている。上下方向とは、後述するコイル3の巻軸方向と直交し、かつ、コイル3の横並び方向と直交する方向のことを指す。そして、この上下方向のうち、上側はコイル3の巻軸からカバー6に向かう方向であり、下側はコイル3の巻軸からカバー7に向かう方向を指す。つまり、対向面被覆部21の中央部分とは、コイル3の巻軸方向と直交し、かつ、コイル3の横並び方向と直交する方向における対向面被覆部21の中央のことをいう。なお、上下方向は、リアクトル10が設置対象物と接触する接触面と直交する方向と言い換えることもできる。
突出部22は、対向面被覆部21の上端及び下端に向かって延び、対向面被覆部21の上端及び下端には未達である。即ち、対向面被覆部21は、突出部22の両端より先の部分に開口部25を有する。この開口部25となる対向面被覆部21の部分は、平坦面15と面一になっている。つまり、開口部25は、突出部22の端部から対向面被覆部21の上端又は下端の間に形成されている。この開口部25は、対向面13間の空間と脚部12(コアモールド樹脂2で被覆した脚部12)の側面とコイル3の内周面との空間を繋いでいる。
また、平坦面15の上部及び下部に設けられる対向面被覆部21の上端及び下端は、平坦面15と面一になっている。換言すれば、対向面被覆部21の上端及び下端は、突出部22よりも凹んだ開口部23を有する。開口部23は、2つの突出部22の間に設けられている。開口部23は、開口部25と連接している。
対向面被覆部21は、さらに、切り欠き部24を有する。切り欠き部24は、外側湾曲面16bの延長領域上に設けられ、平坦面15と同一平面から外側湾曲面16bに向かって対向面被覆部21を切り欠いている。切り欠き部24は、外側湾曲面16b側に設けられた突出部22よりもリアクトル10の内側に設けられている。
切り欠き部24は、平面視すると、概略三角形状となっている(図4(a)参照)。対向に配置される対向面被覆部21は、それぞれの突出部22を突き合わせた時に、それぞれの切り欠き部24が対向に配置される。突出部22を突き合わせると、脚部12の対向面14間の空間が生じる。この空間は、対向に配置された平坦部15、対向面被覆部21、切り欠き部24及び突出部22によって画成されている。図4に示すように、切り欠き部24は、開口部23と連接している。モールド成形時に、この空間部分にモールド樹脂4が流入し、固化することでコア1の対向面14間にモールド樹脂4によるギャップが形成される。
図6は、コアにコイルを装着した状態を示す斜視図である。コイル3は、エナメルなどで絶縁被覆した1本の平角状の導電性部材により構成される。コイル3は、巻き位置を巻軸方向にずらしながら導電性部材を筒状に巻回して成る。本実施形態では、銅線によって構成された平角線のエッジワイズコイルである。なお、コイル3の線材の種類や巻き方はこれに限らず、他の形態のものであってもよい。
図6に示すように、コイル3は、2つ設けられ、巻軸方向が平行になるように、隙間を介して横並び配置され、コア1の脚部12に装着されている。コイル3は、2つのコイル3が連結線31によって繋がって形成された連結コイルである。コイル3の端部32は、外部機器と電気的に接続される。外部機器から電力が供給されると、コイル3に電流が流れ、磁束が発生し、コア1内に磁束が流れ、閉じた磁気回路が形成される。
モールド樹脂4は、図1に示すように、コアモールド樹脂2で被覆されたコア1とコイル3を被覆する樹脂部材である。モールド樹脂4を金型内に射出し、モールド樹脂4が固化することでコア1とコイル3は一体化する。また、モールド樹脂4は、対向に配置された平坦面15並びに内側湾曲面16a及び外側湾曲面16bの間の空間に形成されている。さらに、モールド樹脂4は、切り欠き部24及び開口部25にも充填され、形成されている。なお、後述のとおり、モールド樹脂4は、上型の上面から射出されるため、モールド樹脂4の上面には、モールド樹脂4が金型に射出された位置を示すゲート(不図示)が形成されている。
モールド樹脂4の樹脂としては、コアモールド樹脂2と同様の種類の樹脂を挙げることができる。なお、モールド樹脂4とコアモールド樹脂2は、異なる樹脂によって構成されていてもよいが、同一種類の樹脂によって構成させた方がよい。異なる樹脂を用いると、樹脂の密着性や収縮率が異なり、モールド樹脂4とコアモールド樹脂2の界面で剥離し、リアクトル10の騒音・振動の悪化を招く虞がある。
なお、リアクトル10は、図1に示すように、センサ5を備えている。センサ5は、例えば、リアクトル10の温度を検出するサーミスタである。センサ5は、コイル2の間に挿入されている。センサ5も、モールド樹脂4に被覆され、コア1、コイル2とともに一体化されている。
さらに、リアクトル10は、カバー6、7及び固定部8を備える。カバー6、7は、モールド成型時に金型がコイル3に接触することを防止する。カバー6はコイル上面を被覆し、カバー7はコイル下面を被覆する。固定部8は、ネジ挿入穴が設けられ、このネジ挿入穴に金属製の円筒状のカラーが埋め込まれている。ネジ挿入穴にネジが挿入され、ネジ締結されることでリアクトル10が接触する接触面に固定される。
(作用)
次に、リアクトルの作製について説明する。まず、コアモールド樹脂2によって被覆されたU字型コア部材11を一対作製する。そして、一方のU字型コア部材11の脚部12にコイル3を装着し、他方のU字型コア部材11をコイル3の内周に挿入し、互いの突出部22を付き合わせる。即ち、脚部12の対向面14間に隙間を有する状態となる。さらに、センサ5を装着し、図6に示すような組立体が作製される。そして、金型の下型にカバー7をセットし、その上に組立体を載置し、スライド等で固定し、さらに、カバー6をコイル3の上面に配置して金型の上型を下型に嵌合させる。そして、モールド樹脂4を上型の上面から金型内に射出する。
次に、リアクトルの作製について説明する。まず、コアモールド樹脂2によって被覆されたU字型コア部材11を一対作製する。そして、一方のU字型コア部材11の脚部12にコイル3を装着し、他方のU字型コア部材11をコイル3の内周に挿入し、互いの突出部22を付き合わせる。即ち、脚部12の対向面14間に隙間を有する状態となる。さらに、センサ5を装着し、図6に示すような組立体が作製される。そして、金型の下型にカバー7をセットし、その上に組立体を載置し、スライド等で固定し、さらに、カバー6をコイル3の上面に配置して金型の上型を下型に嵌合させる。そして、モールド樹脂4を上型の上面から金型内に射出する。
図7は、射出されたモールド樹脂4の流れを示す図である。射出されたモールド樹脂4は、コイル3のターン間の隙間やコイル3の巻軸方向と直交する端面からコイル3の内周とコア1の脚部12の間に流入する。特に、モールド樹脂4は、上型の上面から射出されているので、コイル3のターン間の隙間を通り、脚部12の上面とコイル3の内周面の間に流入しやすい。コイル3の内周とコア1の脚部12の間に流入したモールド樹脂4は、射出圧によって脚部12の先端の対向面14に向かう。
対向面被覆部21は、上端及び下端に開口部23を有している。そのため、コイル3の内周面と脚部12の上面の間に流入したモールド樹脂4は、重力によって対向面被覆部21の上端の開口部23から対向面13の間の隙間に流入しやすい。
また、金型に射出されたモールド樹脂4は、重力により下型に向かって流動する。即ち、モールド樹脂4は、リアクトル10の下側から充填される。下型に貯まったモールド樹脂4は、上面に向かって押し上げられる。そのため、モールド樹脂4は、対向面被覆部21の下端の開口部23から対向面14間の隙間に押し上げられ、流入しやすい。
更に、対向面被覆部21は、切り欠き部24を有している。即ち、対向面14の間の隙間はより大きくなっている。そのため、モールド樹脂4は、対向面14の隙間により流入しやすい。
また、突出部22は、対向面被覆部21の上端及び下端には未達であり、対向面被覆部21は、開口部25を有する。そのため、コイル3の側面と脚部12の側面の間に流入したモールド樹脂4は、開口部25に流入でき、対向面13の隙間により流入しやすい。
(効果)
以上のとおり、本実施形態のリアクトル10は、一対のU字型コア部材11により形成されたコア1と、コア1を被覆するコアモールド樹脂2と、コア1に装着されるコイル3と、コア1、コアモールド樹脂2及びコイル3を一体的に被覆するモールド樹脂4と、を備える。U字型コア部材11は、他のU字型コア部材11と対向に配置される対向面13を有し、コアモールド樹脂2は、対向面14の少なくとも一部を被覆する対向面被覆部21を有する。対向面被覆部21は、上下方向に延びる平板形状であり、他のU字型コア部材11に向かって突出する突出部22と、対向面被覆部21の上端及び下端に設けられた開口部25と、を有する。モールド樹脂4は、対向に配置されたU字型コア部材11の対向面14の間に形成されている。
以上のとおり、本実施形態のリアクトル10は、一対のU字型コア部材11により形成されたコア1と、コア1を被覆するコアモールド樹脂2と、コア1に装着されるコイル3と、コア1、コアモールド樹脂2及びコイル3を一体的に被覆するモールド樹脂4と、を備える。U字型コア部材11は、他のU字型コア部材11と対向に配置される対向面13を有し、コアモールド樹脂2は、対向面14の少なくとも一部を被覆する対向面被覆部21を有する。対向面被覆部21は、上下方向に延びる平板形状であり、他のU字型コア部材11に向かって突出する突出部22と、対向面被覆部21の上端及び下端に設けられた開口部25と、を有する。モールド樹脂4は、対向に配置されたU字型コア部材11の対向面14の間に形成されている。
これにより、モールド樹脂4によって対向面14間にギャップを形成させることができる。そのため、別途ギャップスペーサを用意する必要がなくなるため、部品点数が削減できる。また、モールド樹脂4によって形成させるギャップは、コア1とコイル3を一体化するモールド成形によって形成されるので、コア1とコイルを一体化する工程で同時形成される。そのため、リアクトル10の生産性が向上する。
特に、突出部22は、コイル3の巻軸方向と直交し、かつ、コイル3の横並び方向と直交する方向に延び、対向面被覆部21の上端及び下端には開口部23が設けられている。そして、モールド樹脂4は、金型の上面から射出される。そのため、モールド樹脂4は、突出部22が障壁とならず、対向面被覆部21の上端の開口部23から対向面13間の空間部分に流入しやすい。よって、モールド樹脂4の流動性が向上し、モールド樹脂4が空間部分の隅々まで充填されるので、精度良くギャップを形成することができる。
突出部22は、対向面被覆部21の中央部分から対向面被覆部21の上端及び下端に向かって延び、対向面被覆部21の上端及び下端には未達であり、突出部22の両端の先は、開口部25を有している。これにより、脚部12の側面とコイルの内周面の間に流入したモールド樹脂4を開口部25からも空間部分に流入させることができる。そのため、モールド樹脂4の流動性をより向上させることができる。
対向面13は、平坦面15と、平坦面15の両端に形成される一対の湾曲面16a、16bと、を有し、一対の湾曲面16a、16bは、曲率半径が異なる。対向面被覆部21は、曲率半径の大きい湾曲部16bに向かって延びる切り欠き部24を有し、切り欠き部24と開口部23は、連通している。これにより、切り欠き部24からもモールド樹脂4が空間部分に流入することができる。そのため、モールド樹脂4の流動性が更に向上させることができる。
曲率半径の大きい外側湾曲面16bの曲率半径は、8ミリ以上である。曲率半径を8ミリ以上にすることで、切り欠き部24の大きさを大きくすることができ、モールド樹脂4の流動性をより効果的に向上させることができる。
リアクトル10の外側に配置された外側湾曲面16bの曲率半径が大きい。コア1をプレス成型する際、コア1の脚部12の外側に応力が集中する。そのため、外側湾曲面の曲率半径を大きくすることで、コア成型時の応力の集中を緩和させるとともに、切り欠き部24の大きさを大きくすることができ、モールド樹脂4の流動性を向上させることができる。
(他の実施形態)
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。上記のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。上記のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本実施形態では、外側湾曲面16bの曲率半径を内側湾曲面16aの曲率半径よりも大きくしたが、内側湾曲面16aの曲率半径を大きくしてもよい。この場合には、切り欠き部24は、内側湾曲面16aの側に設ければよい。
また、本実施形態では、内側湾曲部16aと外側湾曲面16bの曲率半径が異なっていたが、内側湾曲部16aと外側湾曲面16bの曲率半径は同一にしてもよい。この場合には、内側湾曲部16a及び外側湾曲面16bの曲率半径は、8ミリ以上W/2ミリ以下であることが好ましい。この場合、脚部12の幅方向の長さWは16ミリより大きい。
さらに、U字型コア部材11の対向面14が有する湾曲面は1つであってもよい。例えば、対向面14は外側湾曲面16bのみ有しててもよい。この場合における外側湾曲面16bの曲率半径は、8ミリ以上Wミリ以下であることが好ましい。
本実施形態の突出部22は、対向面被覆部21の中央部分から上端及び下端に延びる長板形状であったが、例えば、コア1の平坦面15と面一となる凹部を等間隔に設けて、凹凸を有する形状にしてもよい。この場合、モールド成型時に、凹部からもモールド樹脂4が対向面13間の隙間に流入できるので、モールド樹脂4の流動性がさらに向上する。
また、突出部22は、対向面被覆部21の上端及び下端と両端に未達であったが、一方の端部のみ未達で、他方の端部に達するまで延びていてもよい。つまり、例えば、突出部22は、対向面被覆部21の上端に未達で、下端に達するまで延びていてもよい。この場合であっても、突出部22の対向面被覆部21の上端側に開口部25が形成されるため、モールド樹脂4の流動性を向上させることができる。
切り欠き部24は、外側湾曲面16b側のみに設けていたが、内側湾曲面16aの曲率半径が8ミリ以上になるのであれば、内側湾曲面16aにも設けてもよい。これにより、脚部12の対向面14の隙間がより大きくなるので、モールド成形時のモールド樹脂4の流動性が更に向上する。
10 リアクトル
1 コア
11 U字型コア部材
12 脚部
13 ヨーク部
14 対向面
15 平坦面
16 湾曲面
16a 内側湾曲部
16b 外側湾曲部
2 コアモールド樹脂
21 対向面被覆部
22 突出部
23 開口部
24 切り欠き部
25 開口部
3 コイル
31 連結線
32 端部
4 モールド樹脂
5 センサ
6 カバー
7 カバー
8 固定部
1 コア
11 U字型コア部材
12 脚部
13 ヨーク部
14 対向面
15 平坦面
16 湾曲面
16a 内側湾曲部
16b 外側湾曲部
2 コアモールド樹脂
21 対向面被覆部
22 突出部
23 開口部
24 切り欠き部
25 開口部
3 コイル
31 連結線
32 端部
4 モールド樹脂
5 センサ
6 カバー
7 カバー
8 固定部
Claims (5)
- 複数のコア部材により形成されたコアと、
前記コアを被覆するコアモールド樹脂と、
前記コアに装着されるコイルと、
前記コア、前記コアモールド樹脂及び前記コイルを一体的に被覆するモールド樹脂と、
を備え、
前記コア部材は、他のコア部材と対向に配置される対向面を有し、
前記コアモールド樹脂は、前記対向面の少なくとも一部を被覆する対向面被覆部を有し、
前記対向面被覆部は、
上下方向に延びる平板形状であり、前記他のコア部材に向かって突出する突出部と、
前記突出部よりも窪み、前記対向面と面一となる開口部と、
を有し、
対向に配置された前記コア部材の前記対向面の間に前記モールド樹脂が形成されていること、
を特徴とするリアクトル。 - 前記突出部は、前記対向面被覆部の中央部分から前記対向面被覆部の両端部に向かって延び、少なくとも前記対向面被覆部の端部の一方には未達であること、
を特徴とする請求項1に記載のリアクトル。 - 前記対向面は、
平坦面と、
前記平坦面の両端に形成される一対の湾曲面と、
を有し、
前記対向面被覆部は、
前記湾曲面を被覆する被覆部と、
前記被覆部を切り欠いた切り欠き部と、
を有し、
前記一対の湾曲面は、曲率半径が異なり、
前記切り欠き部は、前記曲率半径の大きい湾曲面側に設けられ、前記曲率半径の大きい湾曲面に向かって前記被覆部を切り欠き、
前記切り欠きと前記開口部は、連接していること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。 - 前記曲率半径の大きい湾曲面の曲率半径は、8ミリ以上であること、
を特徴とする請求項3に記載のリアクトル。 - 前記曲率半径が大きい湾曲面は、前記リアクトルの外側に配置されていること、
を特徴とする請求項3又は4に記載のリアクトル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021044684A JP2022143906A (ja) | 2021-03-18 | 2021-03-18 | リアクトル |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021044684A JP2022143906A (ja) | 2021-03-18 | 2021-03-18 | リアクトル |
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JP2022143906A true JP2022143906A (ja) | 2022-10-03 |
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ID=83453932
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JP2021044684A Pending JP2022143906A (ja) | 2021-03-18 | 2021-03-18 | リアクトル |
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JP (1) | JP2022143906A (ja) |
-
2021
- 2021-03-18 JP JP2021044684A patent/JP2022143906A/ja active Pending
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