JP2022143764A - 糖衣された低水分ハードグミキャンディ - Google Patents

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Abstract

Figure 2022143764000001
【課題】硬い噛み応えのある食感を有しながら、味の出がよく嗜好性の高い糖衣グミキャンディを提供すること。
【解決手段】アラビアガムを含有する水分値9~14重量%のグミ部、及び前記グミ部の少なくとも一部の表面を覆う糖衣部からなる糖衣グミキャンディであって、前記糖衣グミキャンディに直径2mmの円柱プローブで荷重をかけた際の前記糖衣部の破断時に生じる最大荷重が、前記糖衣グミキャンディに前記円柱プローブが50%貫入した時の荷重以下であり、かつ前記糖衣グミキャンディ全体の最大荷重が50N以上である糖衣グミキャンディ。前記グミ部にでん粉を含有していてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、硬い噛み応えのある食感を有しながら、味の出も良い糖衣グミキャンディに関する。
グミキャンディは、糖質、ゼラチンを主体とした弾力のある食感の菓子である。グミキャンディは通常、砂糖・水飴を煮詰め、ゼラチン溶液を混合して得られたグミベースに、必要に応じて、果汁、酸味料、香料等を添加し、成形・固化、乾燥の工程を経て作られる。
その中で、水分値の低いハードグミキャンディは、噛み応えがあり、一定のニーズがある。例えば、味覚糖株式会社製「シゲキックス(登録商標)」もその一つである。
しかし、ハードグミキャンディは、硬さによる味の出の悪さ、水分値が低いことによる歯への付着、凹みの発生、等の課題も多く、世の中に広く定着するには至っていない。
これまでの低水分のハードグミキャンディに関する技術として、特許文献1に、オリゴ糖及び糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上の糖類、加工澱粉並びにアラビアガムを多量に含み、15重量%以下の水分まで乾燥を行っても、表面にくぼみを生じないグミキャンディが提案されている。また、特許文献2には、水分値が9~13重量%であり、加工澱粉、グリセリン、水溶性多糖類を含有する表面の凹みが低減されたハードグミキャンディが提案されている。特許文献3ではうるち米由来の米粉及び不溶性食物繊維、アラビアガムを含有する水分値12重量%以下のハードグミキャンディが提案されている。
ハードグミキャンディの味の出の悪さを克服する方法として、表面に糖衣を施す方法が考えられる。糖衣部の食感に違和感を出さずに糖衣をする方法として、グリセリン及び/又はソルビトールを糖衣層に含有する糖衣食品が提案されている(特許文献4)。この方法では柔軟性のある糖衣が実現するものの、グリセリンやソルビトールは、ハードグミキャンディの味の出を良くする目的には不適であった。
他にも糖衣グミキャンディとしては、咀嚼時にパリッとした食感が得られる糖衣グミ(特許文献5)や、微粒子コーティングと噛みごたえのある菓子基材からなる2種類の食感を有する菓子(特許文献6)等が提案されている。これらはいずれも糖衣部とグミ部の食感差を特徴としたものであり、ハードグミキャンディの味を補強するような言及や示唆はされていない。
特開2003-235455号公報 特開2011-22702号公報 特許第6069963号 特開2019-205407号公報 特開2018-108044号公報 特表2020-513778号公報
本発明の目的は、硬い噛み応えのある食感を有しながら、味の出が良く嗜好性の高い糖衣グミキャンディを提供することである。
前記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、アラビアガムを含有するハードグミキャンディからなるグミ部と、糖衣部との硬さを特定の範囲に調整することにより、糖衣グミキャンディの味の出が良く、干物やドライフルーツを食べているかのような素材感が実現できて嗜好性が高くなることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、
[1]アラビアガムを含有する水分値9~14重量%のグミ部、及び前記グミ部の少なくとも一部の表面を覆う糖衣部からなる糖衣グミキャンディであって、
前記糖衣グミキャンディに直径2mmの円柱プローブで荷重をかけた際の前記糖衣部の破断時に生じる最大荷重が、前記糖衣グミキャンディに前記円柱プローブが50%貫入した時の荷重以下であり、かつ前記糖衣グミキャンディ全体の最大荷重が50N以上である糖衣グミキャンディ、
[2]前記グミ部にでん粉を含有する前記[1]に記載の糖衣グミキャンディ、
[3]前記グミ部の厚さが2~6mmである前記[1]又は[2]に記載の糖衣グミキャンディ、
[4]前記糖衣部にぶどう糖を10重量%以上含有する前記[1]~[3]のいずれかに記載の糖衣グミキャンディ、
[5]下記の工程を特徴とする前記[1]記載の糖衣グミキャンディの製造方法、
i)アラビアガムを含有するグミベースを、50℃以上の温度で水分値9~14重量%まで乾燥させてハードグミキャンディを調製する工程、
ii)前記ハードグミキャンディに、ぶどう糖を20~70重量%含有するシロップと、ぶどう糖を20~70重量%含有する粉体原料とを掛けて、グミ部の表面に糖衣部が形成された糖衣グミキャンディを調製する工程
に関する。
本発明の糖衣グミキャンディは、低水分値の非常に硬い噛み応えのある食感を有しながら、糖衣グミキャンディの味の出が良く、干物やドライフルーツを食べているかのような素材感が実現できて嗜好性が高いものとなる。
試験例1で実施した、実施例4の糖衣グミキャンディの物性評価試験の結果を示すグラフである。 試験例1で実施した、比較例2の糖衣グミキャンディの物性評価試験の結果を示すグラフである。 試験例1で実施した、比較例3の糖衣グミキャンディの物性評価試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の糖衣グミキャンディは、a)グミ部とb)前記グミ部の少なくとも一部の表面を覆う糖衣部から構成される。
a)グミ部
前記グミ部は、アラビアガムを含有し、水分値が9~14重量%であるハードグミキャンディで構成される。
本発明で使用されるアラビアガムは、アラビアゴム又はアカシアガムともよばれ、熱帯地方に生育するマメ科のアラビアゴムノキ(学名Acacia senegal)から採取される多糖類である。
本発明では、前記グミ部にアラビアガムを含有させることで、糖衣部との一体感が奏され、また、前記糖衣グミキャンディに直径2mmの円柱プローブで荷重をかけた際の荷重を調整し易くすることができる。
前記グミ部中におけるアラビアガムの含有量は0.5~20重量%であることが好ましく、1~10重量%であることがより好ましい。アラビアガムの含有量が、0.5重量%未満になると得られる糖衣グミキャンディでは十分な噛みごたえが得られ難く、また、20重量%を超えると前記グミ部となるハードグミキャンディの製造が難しい傾向がある。
また、本発明では、前記グミ部にでん粉を含有させてもよい。本発明では、前記グミ部にアラビアガムに加えてでん粉を含有させることで、糖衣部との一体感が奏され易くなり、また、前記糖衣グミキャンディに直径2mmの円柱プローブで荷重をかけた際の荷重をより調整し易くすることができる。
本発明で使用されるでん粉は、トウモロコシ、馬鈴薯、甘藷、小麦、米、タピオカ等を粉末化したもの、それらのでん粉質を精製したもの、それらを原料として物理的、化学的あるいは酵素処理を施した加工でん粉等が挙げられる。
本発明において、でん粉は、糖衣グミキャンディの硬さの向上及び歯付きの低減、歯の入りやすさを目的として使用される。
前記グミ部中におけるでん粉の含有量は1~16重量%が好ましく、より好ましくは2~8重量%である。でん粉の含有量が1重量%未満では歯付きのする食感となり易く、また、16重量%を超えると前記グミ部となるハードグミキャンディの製造が難しい傾向がある。
前記グミ部には、通常のハードグミキャンディと同様にゼラチンが含有されている。
ゼラチンとしては、その製法や由来に特に限定されずに使用することができる。ゼラチンのブルーム値は前記グミ部となるハードグミキャンディにおいて硬さを調整する大きな要因であるため、220以上であることが好ましく、250以上であることがより好ましい。尚、前記ブルーム値とは、ゼリー強度を示すもので、ゼラチンの6.67重量%水溶液を規定のカップに入れ10±0.1℃の恒温槽で16~18時間冷却ゼリー化して、ブルーム式ゼリー強度計のプランジャー(直径12.7mm)を4mmだけゼリー中に押し込むのに要する散弾の重さ(g)を測り、この重量をブルーム値として表したものである。
前記グミ部中におけるゼラチンの含有量は、高い弾力の糖衣グミキャンディを得るためには、全固形重量に対して9~18重量%であることが好ましい。
また、前記グミ部は、任意成分として、糖質(ショ糖、水飴、ブドウ糖、果糖ブドウ糖液糖、還元水飴、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、トレハロース、還元パラチノース等)、食物繊維(ポリデキストロース、イヌリン、難消化性デキストリン、セルロース等)、酸味料、果汁、香料、着色料、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸、油脂、乳化剤、乳製品、高甘味度甘味料(アスパルテーム、サッカリン、ステビア、ソーマチン、アセスルファムカリウム、スクラロース等)、食感改良剤(ペクチン、カラギーナン、寒天、ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガントガム、グアガム、カラヤガム、タマリンドシードガム等)等を含有してもよい。これらの任意成分を適宜選択することで、糖衣グミキャンディの嗜好性の幅を広げることができる。なお、前記任意成分は、食感に悪影響を与えない範囲で使用すればよい。
グミ部中における水分値は、9~14重量%である。前記水分値が、9重量%未満では糖衣グミキャンディが硬すぎて噛み心地が悪く、14重量%を超えると糖衣グミキャンディが軟らかく、硬い食感には至らない。前記水分値は、好ましくは10~13重量%である。尚、前記水分値の測定手段としては、減圧乾燥法を用いればよい。
また、本発明の糖衣グミキャンディにおいて、グミ部の形状や厚さは食感に大きな影響を与える。本発明のグミ部の形状は糖衣のできる形状であれば特に限定はない。例えば、硬い食感であるため、食べやすさの点で扁平な形状が好ましい。グミ部の厚さは2~6mmであればよく、3~5mmの厚さが好ましい。ここで厚さとは、グミ部の外観上最も薄い部分の厚みをいう。厚さはノギス等で測定すればよい。
前記グミ部を構成するハードグミキャンディは、例えば、アラビアガムを含有するグミベースをスターチモールド上に充填した後、前記グミベースの水分値が9~14重量%になるまで乾燥させることで製造することができる。
具体的には、糖質、アラビアガムを混合し、加熱溶解して糖液を作製し、これとは別にゼラチンと水とを加熱混合し膨潤させておいたゼラチン溶液を前記糖液と攪拌混合し、所望により前記でん粉、任意成分等を添加、混合して、グミベースを得る。
次いで、前記グミベースをスターチモールド中に充填し、所望の水分値まで乾燥する。
充填手段は、通常のグミキャンディと同じであればよく、特に限定はない。
また、乾燥手段としては、例えば、45~65℃の保温庫、乾燥庫等が挙げられる。前記保温庫、乾燥庫の規模については、特に限定はなく、必要に応じて温風装置を備えていてもよい。また、乾燥時間はグミベースが所望の水分値に到るまでの時間でよく、例えば、20~100時間程度で乾燥を行えばよい。乾燥後、前記スターチモールドから取り出して、グミ部となるハードグミキャンディを得る。得られたハードグミキャンディは、ハードグミキャンディどうしの付着防止のためオイリングしてもよい。
b)糖衣部
本発明の糖衣部は、前記グミ部の少なくとも一部の表面を覆う層部分を示している。
本発明における糖衣工程としては、例えば、まず糖衣パンの回転容器内に前記ハードグミキャンディを入れ、そこにシロップを掛け、前記容器を回転させてグミ表面全体に行き渡らせる。そして必要に応じて粉体原料を掛け、表面を乾燥させる。表面が十分に乾燥したら、またシロップを掛け、必要に応じて粉体原料を掛ける。これを繰り返し、最終的に0.5~3.0mmの厚さの糖衣層を形成することで、目的とする糖衣グミキャンディを得ることができる。また、最終的に糖衣層の最外層に光沢剤で艶を付けてもよい。
前記シロップ及び粉体原料の主成分となる糖としては、特に制限されないが、例えば、ショ糖、水飴、ぶどう糖、果糖、乳糖、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、トレハロース、還元パラチノース等が挙げられる。これらの糖は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの糖の中でも、前記糖衣部の破断時に生じる最大荷重が、前記糖衣グミキャンディに前記円柱プローブが50%貫入した時の荷重以下に調整し易く、味の出を向上させる観点から、ぶどう糖を含有することが好ましく、例えば、糖衣部中に10重量%以上含有することが好ましく、10~60重量%含有することが好ましい。
前記シロップには、糖以外にも、アラビアガム、でん粉、増粘多糖類、香料、着色料、乳化剤、果汁、乳製品、酸味料、調味料等を必要に応じて添加できる。前記各成分は、シロップの物性を変えず、また、菓子等の食品に使用できるものであればよく、特に限定はない。
前記シロップは、前記糖、必要に応じて他の成分を混合し、水に溶解させることで調製することができる。
前記粉体原料としては、特に限定されず、前記の糖の結晶や微粉末、澱粉、乳製品、酸味料、ビタミン、塩類、調味料等が使用できる。粉体原料の粒子サイズとしては、ざらつきや異物感のない方が好ましいことから、100メッシュパス以上の細かい粒子である方が好ましい。
前記光沢剤としては、ミツロウ、カルナウバロウ、シェラック等が挙げられる。
糖衣層の厚さは、特に限定されないが、0.5~3.0mmの範囲が好ましい。前記厚さが0.5mm未満では味の出の向上等の糖衣部の効果が十分に得られない傾向があり、また、3.0mmを超えると糖衣層が厚すぎて糖衣部の違和感のある食感となる傾向がある。また、糖衣層は、グミ部表面全面のうち少なくとも一面を覆っていればよいが、表面全面を覆っていてもよい。
本発明の糖衣グミキャンディは、前記糖衣グミキャンディに直径2mmの円柱プローブで荷重をかけた際の前記糖衣部の破断時に生じる最大荷重が、前記糖衣グミキャンディに前記円柱プローブが50%貫入した時の荷重以下であり、かつ前記糖衣グミキャンディ全体の最大荷重が50N以上に調整することで、糖衣部の食感の違和感がなく、糖衣部とグミ部が一体感があり、かつ低水分のハードグミであるにも関わらず味の出の良いものとなる。
前記糖衣部の破断時に生じる最大荷重が、前記糖衣グミキャンディに前記円柱プローブが50%貫入した時の荷重以下であることで、本発明の糖衣グミキャンディを口中で噛んだ場合に、糖衣部がグミキャンディ部よりも先に噛み易くなり、糖衣部とグミ部との食感の違和感がなく、一体感のある噛み心地を感じることができ、また味の出がよりよいものとなる。
また、前記糖衣グミキャンディ全体の最大荷重が50N以上であることで、所望の硬くコシのある食感を奏することができる。
前記各荷重は、本発明の糖衣グミキャンディに直径2mmの円柱プローブで荷重をかけた際の荷重であり、具体的には、後述の試験例1に記載の手法により測定することができる。
本発明において、前記各荷重を所望の範囲に調整する手法としては、以下の通りである。
例えば、前記糖衣部の破断時に生じる最大荷重を下げるには、糖衣部のぶどう糖や水あめの含有量を増やす等が挙げられ、また前記最大荷重を上げるには、糖衣部の砂糖の含有量を増やす等が挙げられる。
前記糖衣グミキャンディに前記円柱プローブが50%貫入した時の荷重を上げるには、グミ部のアラビアガム又はでん粉の添加量を増加させる等が挙げられる。
また、前記糖衣グミキャンディ全体の最大荷重を下げるには、グミ部のゼラチンのブルームや含有量を下げる、でん粉の含有量を下げる、水分値を上げる等が挙げられ、前記荷重を上げるにはグミ部のゼラチンのブルームや含有量を上げる、水分値を下げる等が挙げられる。
中でも、前記糖衣部の破断時に生じる最大荷重を5~25Nに調整し、前記糖衣グミキャンディに前記円柱プローブが50%貫入した時の荷重を、前記糖衣部の破断時に生じる最大荷重以上に調整することで、糖衣部の違和感がなく一体感のある食感となるため、好ましい。
以上のようにして得られる糖衣グミキャンディは、硬い噛み応えのある食感を有しながら、味の出も良い糖衣グミキャンディである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
(実施例1)
i)グミ部の調製
表1に示す配合となるように糖、アラビアガム(「アラビックコールSS」、三栄薬品貿易株式会社製、以下同じ)及びでん粉(米粉、「ル・マロニエ」、日の本穀粉株式会社製、以下同じ」)を混合し、Bx.80になるように水を加えて100℃で加熱溶解し、そこにゼラチン(「APH-250」、新田ゼラチン株式会社製、以下同じ)を1.2倍量の水に溶解して50℃に調製したゼラチン水溶液を添加・混合し、次いで、任意成分を添加・混合し、得られたグミベースをスターチモールドの型に流し込み、50℃の乾燥室にて水分値が12重量%になるまで乾燥させた後、スターチモールドから取り出して、厚さ4mmの扁平形のハードグミキャンディ(単重1.2g)を得た。なお、最終的なグミ部を構成するハードグミキャンディ中の各原料の配合割合は表1に示したとおりとなる。
ii)糖衣部の形成
前記グミキャンディ1kgに対して、糖衣の原料として、以下の(A)~(C)の3種類を準備した。
(A)シロップ;90g(ぶどう糖(「含水結晶ぶどう糖 Hi-MESH」、サンエイ糖化株式会社製、以下同じ)47重量%、酵素水飴(「酵素水飴R75」、Bx.75、日本コーンスターチ株式会社製、以下同じ)25重量%、水20重量%、アラビアガム4重量%、グレープ香料2重量%、アントシアニン色素2重量%の割合で混合、加熱溶解して調製)
(B)粉体原料;グラニュー糖(「グラニュー糖GH2」、三井製糖株式会社製、以下同じ)300g、ぶどう糖200g、ビタミンC(粒度80メッシュ、扶桑化学工業株式会社製、以下同じ)20g
(C)光沢剤(シェラック「ラックグレーズ14E-BC」、日本シェラック工業株式会社製、以下同じ)10g
尚、以下の糖衣工程での送風は、温度20℃、湿度35%とした。
まず、オニオン型糖衣パンに、中心層として上記グミキャンディ1kgを投入した。糖衣パンを回転させながら(A)シロップをグミ表面に掛け、シロップが全体に行き渡ったら(B)粉体原料を掛け、さらに糖衣パンを回転させながら、表面を乾燥させた。表面が乾燥したら、また(A)と(B)を交互に掛け、上記の重量全て掛けて糖衣層を形成させたら、糖衣パンから取り出し、一晩乾燥させた。そして、翌日別の糖衣パンに入れ、回転させながら(C)光沢剤をかけて表面に艶を出し、糖衣グミキャンディ(糖衣層の厚み:1mm)を完成させた。
(実施例2~4)
i)グミ部の調製
表1に示す配合となるように、実施例1と同様に厚さ4mmの扁平形のハードグミキャンディ(単重1.2g)を作製した。
ii)糖衣部の形成
前記グミ1kgに対して、糖衣の原料として、以下の(A)~(C)の3種類を準備し、実施例1と同様に糖衣グミキャンディを作製した。糖衣部の厚みは、いずれも1mmに調整した。
(A)シロップ;75g(ぶどう糖42重量%、酵素水飴30重量%、水20重量%、アラビアガム4重量%、グレープ香料2重量%、アントシアニン色素2重量%の割合で混合、加熱溶解して調製)
(B)粉体原料;グラニュー糖270g、ぶどう糖150g、ビタミンC20g
(C)光沢剤5g
(比較例1)
i)グミ部の調製
表1に示す配合となるように、実施例1と同様に厚さ4mmの扁平形のハードグミキャンディ(単重1.2g)を作製した。
ii)糖衣部の形成
前記グミ1kgに対して、糖衣の原料として、以下の(A)~(C)の3種類を準備し、実施例1と同様に糖衣グミキャンディを作製した。
(A)シロップ;140g(グラニュー糖37重量%、酵素水飴37重量%、水20重量%、アラビアガム4重量%、グレープ香料1重量%、アントシアニン色素1重量%の割合で混合、加熱溶解して調製)
(B)粉体原料;グラニュー糖450g、ビタミンC110g、粉糖20g
(C)光沢剤10g
(比較例2)
i)グミ部の調製
表1に示す配合となるように、実施例1と同様に厚さ4mmの扁平形のグミキャンディ(単重1.2g)を作製した。ただし乾燥室の温度は40℃とした。
ii)糖衣部の形成
前記グミキャンディ1kgに対して、糖衣の原料として、以下の(A)~(C)の3種類を準備し、実施例1と同様に糖衣グミキャンディを作製した。
(A)シロップ;380g(グラニュー糖65重量%、酵素水飴3重量%、水27重量%、アラビアガム2重量%、グレープ香料2重量%、アントシアニン色素1重量%の割合で混合、加熱溶解して調製)
(B)粉体原料;グラニュー糖200g、ビタミンC90g、粉糖150g
(C)光沢剤10g
(比較例3)
i)グミ部の調製
表1に示す配合となるように、実施例1と同様に厚さ8mmの砲弾形のグミキャンディ(単重1.2g)を作製した。ただし乾燥室の温度は40℃とした。
ii)糖衣部の形成
前記グミキャンディ1kgに対して、糖衣の原料として、以下の(A)~(C)の3種類を準備し、実施例1と同様に糖衣グミキャンディを作製した。
(A)シロップ;150g(グラニュー糖50重量%、酵素水飴25重量%、水17重量%、アラビアガム4重量%、グレープ香料2重量%、アントシアニン色素2重量%の割合で混合、加熱溶解して調製)
(B)粉体原料;グラニュー糖500g、ビタミンC20g、粉糖90g
(C)光沢剤10g
Figure 2022143764000002
<試験例1>物性評価試験
実施例1~4及び比較例1~3で得られた各糖衣グミキャンディについて、テクスチャー・アナライザー(Stable Micro Systems社製「Texture Analyzer TA.XT.plus」)を用い、下記条件で測定した。
[貫入試験条件]
プローブ:直径2mmの円柱プローブ
測定速度:2mm/秒
貫入距離:100%
測定温度:20℃
・糖衣部の破断時に生じる最大荷重;糖衣部の破断時に生じる荷重の最大値。通常は1つのピークとして確認できる。破断時付近に複数のピークが見られる場合はその最大のピークを採用する。
・糖衣グミキャンディに前記円柱プローブが50%貫入した時の荷重;貫入距離50%の時点での荷重
・糖衣グミ全体の最大荷重;貫入距離100%までの間での最大荷重
上記3種類の荷重値の結果を表2に示す。なお、表中の荷重の単位は「N」を意味する。
また、横軸をひずみ「Strain(%)」(=貫入距離)、縦軸を荷重「Force(g)」としたグラフについて、実施例4の結果を図1、比較例2の結果を図2、比較例3の結果を図3に示した。
なお、「1g」は「0.0098N」(SI単位)を意味する。
<試験例2>官能評価試験
実施例1~4及び比較例1~3で得られた各糖衣グミキャンディについて、それぞれ官能評価を行なった。具体的には、3名のパネラーでの合議制で、下記に示す内容に従って3段階評価した。得られた結果を表2に示す。
・硬い噛み応え
◎:硬い噛み応えのある、かみしめるような食感である。
○:やや硬さのある食感である。
×:噛み応えのない食感である。
・味の出の良さ
◎:口全体に広がるような味の出の良さである。
○:味の出が良い。
×:味の出が良くない。
・糖衣とグミの一体感
◎:糖衣部とグミ部の食感差がなく一体感のある食感である。
○:糖衣部の食感を感じるものの、グミ部と一体感のある食感である。
×:糖衣の食感を強く感じ、糖衣部が口に残る食感である。
Figure 2022143764000003
表1、2の結果より実施例1~4では、比較例1~3と比べて、官能評価が全ての項目で「〇」又は「◎」となったことから、いずれも硬い噛み応えのある食感を有しながら、味の出がよく嗜好性の高い糖衣グミキャンディであることがわかる。
図1~3の結果より、以下のことがわかる。
円柱プローブが糖衣部を破断(貫通)するまでの貫入距離(Strain)は20%までの間であると考えられるが、図1では、糖衣部の破断時の荷重(Force)のピークが非常に小さく、また、その後、円柱プローブがグミ部を貫通する貫入距離80%までの間で、荷重がほぼ一定に上がっていることから、糖衣部とグミ部とでほぼ一体感のある食感を示していることがわかる。
また、図1では、貫入距離10%付近に見られる小さいピークの値が950g(9N)であり、貫入距離が50%時の荷重が3141g(31N)であることから、糖衣グミキャンディの糖衣部の破断時に生じる最大荷重が、前記糖衣グミキャンディに前記円柱プローブが50%貫入した時の荷重以下であることがわかる。また、糖衣グミキャンディ全体の最大荷重は5466g(54N)である。
これに対して、図2及び図3では、貫入距離(Strain)が20%までの間(糖衣部の破断時)に荷重の大きなピークが現れ、その後、荷重が低下していることから、口中で噛んだとき糖衣部の食感を大きく感じるものであり、糖衣部とグミ部とで一体感のある食感ではないことがわかる。

Claims (5)

  1. アラビアガムを含有する水分値9~14重量%のグミ部、及び前記グミ部の少なくとも一部の表面を覆う糖衣部からなる糖衣グミキャンディであって、
    前記糖衣グミキャンディに直径2mmの円柱プローブで荷重をかけた際の前記糖衣部の破断時に生じる最大荷重が、前記糖衣グミキャンディに前記円柱プローブが50%貫入した時の荷重以下であり、かつ前記糖衣グミキャンディ全体の最大荷重が50N以上である糖衣グミキャンディ。
  2. 前記グミ部にでん粉を含有する請求項1に記載の糖衣グミキャンディ。
  3. 前記グミ部の厚さが2~6mmである請求項1又は2に記載の糖衣グミキャンディ。
  4. 前記糖衣部にぶどう糖を10重量%以上含有する請求項1~3のいずれかに記載の糖衣グミキャンディ。
  5. 下記の工程を特徴とする請求項1に記載の糖衣グミキャンディの製造方法。
    i)アラビアガムを含有するグミベースを、50℃以上の温度で水分値9~14重量%まで乾燥させてハードグミキャンディを調製する工程、
    ii)前記ハードグミキャンディに、ぶどう糖を20~70重量%含有するシロップと、ぶどう糖を20~70重量%含有する粉体原料とを掛けて、グミ部の表面に糖衣部が形成された糖衣グミキャンディを調製する工程
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