JP2022143125A - 延伸テープの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、基材がポリ乳酸樹脂よりなり、柔軟で、機械的強度が優れていると共に生分解性が優れている延伸テープを容易に製造できる方法を提供する。【解決手段】JIS K 7127に準拠して測定した引張試験における最大荷重応力(N/デニール)が0.010~0.050あり、破断伸び率が20~50%である延伸テープの製造方法であって、ポリ乳酸樹脂100重量部、可塑剤3~100重量部及び結晶核剤0.1~5重量部を含有するポリ乳酸樹脂組成物を、該ポリ乳酸樹脂の融点(Tm)以上の温度で溶融し、インフレーション法により、筒状に溶融押出成形した後、空冷にて15~50℃に冷却して、非晶質テープを得る工程、及び、得られた非晶質テープを、(該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度―10℃)~該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度+30℃)の温度範囲に加熱して結晶化すると共に延伸倍率3~8倍に一軸延伸して、結晶化テープを得る工程からなることを特徴とする延伸テープの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、延伸テープの製造方法及び得られた延伸テープを用いた印刷テープの製造方法に関する。
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル系樹脂等の石油由来の熱可塑性樹脂は広く使用されているが、分解しにくく、長期間、ごみ又はマイクロプラスチックとして残存するため、地球環境の悪化の原因となっていた。
そのため、生分解性の優れたポリ乳酸が注目されているが、ポリ乳酸は剛性が高く、フィルム、テープは製造が困難であると共に機械的強度が高く伸びが要求される用途には適さなかった。
機械的強度が高く伸びの優れたポリ乳酸フィルムの改良された製造方法も種々提案されている。例えば、「ポリ乳酸100重量部に対して可塑剤10~30重量部を含有するポリ乳酸系樹脂組成物をインフレーション成形法により成形してポリ乳酸系樹脂可塑化フィルムを製造する方法であって、インフレーション成形の口金吐出後の工程において加熱処理する工程を含むことを特徴とする、ポリ乳酸系樹脂可塑化フィルムの製造方法。」(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
しかしながら、上記ポリ乳酸系樹脂可塑化フィルムは柔軟ではあるが、引張強度、引張弾性率等の機械的強度が小さく、紐、テープ、シ-ト等の結束材料としては機械的強度が不足していた。
一方、印刷テープとは、基材の少なくとも一面に、文字や模様が印刷されたり、着色塗料が積層されたものであり、危険を知らせたり、道路や境目を知らせたり、標識を知らせるために使用されている。そして、使用場所は、農地、森林、道路等の野外の場合が多く、使用後はそのまま放置されることが多い。基材がポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル系樹脂等の石油由来の熱可塑性樹脂からなる場合は分解しにくく、長期間、ごみ又はマイクロプラスチックとして残存するため、地球環境の悪化の原因となっていた。
そのため、生分解性樹脂を印刷テープの基材として使用することが提案されている。例えば、「引張特性における伸度が50~1000%である、乳酸(HOCHCHCOOH)の自己縮合ポリマーであるポリ乳酸等の生分解性を有するポリエステル樹脂を主成分とする樹脂からなるテープにインクで印刷したことを特徴とする印刷テープ。引張特性における伸度が50~1000%である生分解性を有するポリエステル樹脂(柔軟樹脂グループ)100重量部に対して、引張特性における伸度が1~30%である生分解性ポリエステル樹脂(脆弱樹脂グループ)を25~400重量部混合した樹脂を主成分とする樹脂からなるテープにインクで印刷したことを特徴とする印刷テープ。」(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
しかしながら、上記印刷テープは成形性、延伸性が悪く、引張強度等の機械的強度が小さく、製造が困難であり、得られた印刷テープは使用に適さなかった。
WO2014/208403号公報 特開2005―140939号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、基材がポリ乳酸樹脂よりなり、柔軟で、機械的強度が優れていると共に生分解性が優れている延伸テープを容易に製造できる方法を及びその延伸テープを基材として用いた印刷テープの製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は、
[1]JIS K 7127に準拠して測定した引張試験における最大荷重応力(N/デニール)が0.010~0.050であり、破断伸び率が20~50%である延伸テープの製造方法であって、
工程(1):ポリ乳酸樹脂100重量部、可塑剤3~10重量部及び結晶核剤0.1~5重量部を含有するポリ乳酸樹脂組成物を該ポリ乳酸樹脂の融点(Tm)以上の温度で溶融し、インフレーション法により、筒状に溶融押出成形した後、空冷にて15~50℃に冷却して、非晶質テープを得る工程、及び、
工程(2):得られた非晶質テープを、(該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度―10℃)~該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度+30℃)の温度範囲に加熱して結晶化すると共に延伸倍率3~8倍に一軸延伸して、結晶化テープを得る工程
からなることを特徴とする延伸テープの製造方法、及び、
[2]JIS K 7127に準拠して測定した引張試験における最大荷重応力(N/デニール)が0.010~0.050であり、破断伸び率が20~50%である印刷延伸テープの製造方法であって、
工程(1):ポリ乳酸樹脂100重量部、可塑剤3~10重量部及び結晶核剤0.1~5重量部を含有するポリ乳酸樹脂組成物を該ポリ乳酸樹脂の融点(Tm)以上の温度で溶融し、インフレーション法により、筒状に溶融押出成形した後、空冷にて15~50℃に冷却して、非晶質テープを得る工程、
工程(2):得られた非晶質テープを、(該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度―10℃)~該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度+30℃)の温度範囲に加熱して結晶化すると共に延伸倍率3~8倍に一軸延伸して、結晶化テープを得る工程、及び、
工程(3):得られた結晶化テープの少なくとも一面に模様層を印刷する工程
からなることを特徴とする印刷延伸テープの製造方法
に関する。
本発明の延伸テープの製造方法の構成は上述の通りであり、ポリ乳酸樹脂を主体とするので生分解性が優れており、環境に優しく、柔軟で、機械的強度が優れているテープを容易に製造することができる。
又、本発明の印刷延伸テープの製造方法の構成は上述の通りであり、ポリ乳酸樹脂を主体とするので生分解性が優れており、環境に優しく、柔軟で、機械的強度が優れているので印刷テープとして好適に使用される。又、容易に製造することができる。
請求項1記載の延伸テープの製造方法は、JIS K 7127に準拠して測定した引張試験における最大荷重応力(N/デニール)が0.010~0.050であり、破断伸び率が20~50%である延伸テープの製造方法であって、
工程(1):ポリ乳酸樹脂100重量部、可塑剤3~10重量部及び結晶核剤0.1~5重量部を含有するポリ乳酸樹脂組成物を該ポリ乳酸樹脂の融点(Tm)以上の温度で溶融し、インフレーション法により、筒状に溶融押出成形した後、空冷にて15~50℃に冷却して、非晶質テープを得る工程、及び、工程(2):得られた非晶質テープを、(該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度―10℃)~該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度+30℃)の温度範囲に加熱して結晶化すると共に延伸倍率3~8倍に一軸延伸して、結晶化テープを得る工程からなることを特徴とする。
尚、本発明における「テープ」とは一般的な概念であり、一定の幅を持った長尺及び短尺の厚さの薄いものであり、フィルム、シート、テープ等を含み、折り畳んだり、撚ることにより紐として使用可能なものも含む。
上記ポリ乳酸樹脂とは、ポリ乳酸、又は乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーである。ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が挙げられ、グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸が好ましい。好ましいポリ乳酸の分子構造は、L-乳酸又はD-乳酸いずれかの単位20~100モル%とそれぞれの対掌体の乳酸単位0~20モル%からなるものである。又、乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーは、L-乳酸又はD-乳酸いずれかの単位85~100モル%とヒドロキシカルボン酸単位0~15モル%からなるものである。これらのポリ乳酸系樹脂は、L-乳酸、D-乳酸及びヒドロキシカルボン酸の中から必要とする構造のものを選んで原料とし、脱水重縮合することにより得ることができる。好ましくは、乳酸の環状二量体であるラクチド、グリコール酸の環状二量体であるグリコリド及びカプロラクトン等から必要とする構造のものを選んで開環重合することにより得ることができる。ラクチドにはL-乳酸の環状二量体であるL-ラクチド、D-乳酸の環状二量体であるD-ラクチド、D-乳酸とL-乳酸とが環状二量化したメソ-ラクチド及びD-ラクチドとL-ラクチドとのラセミ混合物であるDL-ラクチドがある。本発明ではいずれのラクチドも用いることができる。但し、主原料は、D-ラクチド又はL-ラクチドが好ましい。
市販されているポリ乳酸系樹脂としては、例えば、三井化学社製、商品名「レイシア」シリーズ、ネイチャーワークス社製、商品名「Natureworks」シリ-ズ、トヨタ自動車製、商品名「U’z」シリーズ等が挙げられる。
上記可塑剤としては、一般に乳酸系樹脂に用いられる可塑剤であれば特に限定されないが、分子中に2個以上のエステル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が2~9、更に3~9の化合物が好ましい。このような化合物としては、多価カルボン酸とポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとのエステル、多価アルコールのアルキルエーテルエステル等が挙げられる。
又、可塑剤の平均分子量は、耐ブリード性及び耐揮発性の観点から、250~700が好ましく、より好ましくは300~600であり、更に好ましくは350~550であり、特に好ましくは400~500である。尚、平均分子量はJIS K0070に従って鹸化価を求め、次の式で計算する。
平均分子量=56108×(エステル基の数)/鹸化価
上記可塑剤の中では、ポリ乳酸樹脂シートの成形性、耐衝撃性に優れる観点から、コハク酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2~4のエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、アジピン酸とベンジルアルコール、メチルジグリコールとのエステル、アジピン酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2~3のエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、1,3,6-ヘキサントリカルボン酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2~3のエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル等の多価カルボン酸とポリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル;酢酸とグリセリンのエチレンオキサイド平均3~9モル付加物とのエステル、酢酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が4~9のポリエチレングリコールとのエステル等の多価アルコールのアルキルエーテルエステル等がより好ましい。ポリ乳酸樹脂シートの成形性、耐衝撃性及び可塑剤の耐ブリード性に優れる観点から、コハク酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2~3のポリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、アジピン酸とジエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、1,3,6-ヘキサントリカルボン酸とジエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、酢酸とグリセリンのエチレンオキサイド平均3~6モル付加物とのエステル、酢酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が4~6のポリエチレングリコールとのエステルがさらに好ましい。生分解性樹脂成形品の成形性、耐衝撃性及び可塑剤の耐ブリード性、耐揮発性及び耐刺激臭の観点から、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、酢酸とグリセリンのエチレンオキサイド平均3~6モル付加物とのエステルが特に好ましい。これらの可塑剤は単独又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記結晶核剤としては、一般に乳酸系樹脂に用いられる結晶核剤であれば特に限定されないが、脂肪族エステル、脂肪族アミド等が挙げられ、脂肪族エステルとしては、例えば、ステアリン酸モノグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド等の脂肪酸エステル、12-ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド等のヒドロキシ脂肪酸エステル;脂肪族アミドとしては12-ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミド等のヒドロキシ脂肪酸モノアミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド等の脂肪族ビスアミド、メチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド等のヒドロキシ脂肪酸ビスアミド、トリメシン酸トリシクロヘキシルアミド等の脂肪族トリアミドなどが挙げられる。ポリ乳酸樹脂シートの成形性、耐熱性、耐衝撃性及び結晶核剤の耐ブルーム性の観点から、12-ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミドが好ましく、12-ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド、エチレビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミドがより好ましく、12-ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12-ヒドロキシステアキサメチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミドが特に好ましい。
上記ポリ乳酸樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂100重量部、可塑剤3~10重量部及び結晶核剤0.1~5重量部を含有する。可塑剤の添加量は、少なくなると柔軟性が不足し、成形する際に破断しやすくなるという成形性が低下する。又、多すぎると柔らかくなりすぎて、ポリ乳酸樹脂の結晶化速度が低下するので、ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、30~10重量部であり、好ましくは4~8重量部である。又、結晶核剤の添加量は、少なくなるとポリ乳酸樹脂の結晶化速度が低下し、逆に、多くなっても結晶化速度の向上効果はなく、透明性が低下するので、ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、0.1~5重量部であり、好ましくは、0.2~4重量部であり、より好ましく、0.3~3重量部である。
上記ポリ乳酸樹脂組成物には、必要に応じて、無機充填剤、加水分解抑制剤、酸化防止剤、滑剤等が添加されてもよい。
上記無機充填剤としては、例えば、タルク、スメクタイト、カオリン、マイカ、モンモリロナイト等のケイ酸塩、シリカ、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物を含有することができる。これら無機充填剤の平均粒径は、分散性の観点から0.1~20μmが好ましく、0.1~10μmがより好ましい。これらの無機充填剤の中でも、ポリ乳酸樹脂シートの成形性及び耐熱性の観点からケイ酸塩が好ましく、タルク及びマイカがより好ましい。これら無機充填剤の添加量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、0.1~30重量部が好ましく、より好ましくは、0.5~20重量部であり、更に好ましくは、1~10重量部である。
上記加水分解抑制剤としては、ポリカルボジイミド化合物やモノカルボジイミド化合物等のカルボジイミド化合物が挙げられる。ポリカルボジイミド化合物としては、例えば、ポリ(4,4’-ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(4,4’-ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5-トリイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド、ポリ(1,3,5-トリイソプロピルベンゼン及び1,5-ジイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド等が挙げられ、モノカルボジイミド化合物としては、例えば、N,N’-ジ-2,6-ジイソプロピルフェニルカルボジイミド等が挙げられる。
上記工程(1)は、ポリ乳酸樹脂100重量部、可塑剤3~10重量部及び結晶核剤0.1~5重量部を含有するポリ乳酸樹脂組成物を該ポリ乳酸樹脂の融点(Tm)以上の温度で溶融し、インフレーション法により、筒状に溶融押出成形した後、空冷にて15~50℃に冷却して、非晶質テープを得る工程である。
インフレーション法とは、ポリ乳酸樹脂組成物を筒状に溶融押出し、筒状に押し出された溶融樹脂に空気を吹き込み膨張させて筒状の薄膜とし、筒状物を押し潰して2層のシートにするか、カットして1層のシートを製造する方法である。
ポリ乳酸樹脂組成物を溶融するには、該ポリ乳酸樹脂の融点(Tm)以上の温度で加熱して溶融する。ポリ乳酸樹脂の融点(Tm)は、約150~180℃であるから上記加熱温度は約160~220℃が好ましい。
次に、溶融したポリ乳酸樹脂組成物を筒状に溶融押出し、得られた筒状体の内部及び/又は周囲に空気を吹き込み又は吹きかけて15~50℃に冷却する。この方法では筒状体は急速に冷却されるのでポリ乳酸樹脂は結晶化せず、非晶質テープが得られる。本発明において、非晶質の状態としては結晶化度において5%以下が好ましい。
尚、ポリ乳酸樹脂シートの結晶化度は、広角X線回折測定装置(理学電機製P1NT2500VPC、光CuK α、管電圧40KV、管電流120mA)を使用し、2θ=5~30°の範囲の非晶及び結晶のピーク面積を解析し、それぞれの面積比から求められる。
ポリ乳酸フィルムの結晶化度はK7121-1987(プラスチックの転移温度測定)に準じ、示差走査熱量計(DSC 島津製作所DTG50シリーズ)を使用し、DSC曲線を求め、昇温時の90~115℃付近における発熱ピークである再結晶化の確認と熱量(J/g)を求め、また、150~180℃付近に見られる溶融温度の吸熱量(J/g)を求めた。非晶状態であるか結晶状態であるか確認した。
又、冷却時間は非晶質シートの温度が15~50℃未満の温度になる時間であれば特に限定されないが、非晶質を維持する観点から、短時間で冷却するのが好ましく、1~60秒が好ましく、より好ましくは3~45秒である。
上記工程(2)は、得られた非晶質テープを、(該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度―10℃)~該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度+30℃)の温度範囲に加熱して結晶化すると共に延伸倍率3~8倍に一軸延伸して、結晶化テープを得る工程である。
非晶質テープを加熱する方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、熱風が供給されている加熱装置で加熱する方法、複数対の加熱ロールで挟持して加熱する方法、加熱装置を有する金属板、セラミック板等の加熱板に押圧して加熱する方法等が挙げられる。
加熱時間は、非晶質シートの温度が(ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度―10℃)~ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度+30℃)の温度に加熱される時間であれば特に限定されないが、短時間で加熱するのが好ましく、5~60秒が好ましく、より好ましくは8~45秒である。
又、非晶質テープは加熱すると共に一軸延伸される。一軸延伸としては、例えば、ロール延伸法、ゾーン延伸法、圧延延伸法、熱板延伸法などが挙げられる。
得られた非晶質テープを一軸延伸すると、ポリ乳酸樹脂の結晶化度が向上し、機械的強度が大きくなるが、延伸倍率が大きくなるとテープが破断してしまう。又、延伸倍率が小さいと結晶化度が向上せず、強靭性や機械的強度が向上しないので延伸倍率は3~8倍である。
得られた結晶化テープは、広角X線回析法で測定される結晶化度において20%以上が好ましく、25%以上がより好ましい。上記冷却された非晶質シートにおいては、非晶質のポリ乳酸樹脂中に結晶核剤が均一に分散されているので、ポリ乳酸樹脂は速やかに結晶化され、結晶は微細であり、シート中に均一に分散しているため、透明性が優れており、ヘイズ値が20%以下のポリ乳酸樹脂シートが得られる。
得られた結晶化テープは、加熱処理及び一軸延伸が同時に行われているので、機械的強度が高く、柔軟性も優れており、JIS K 7127に準拠して測定した引張試験における最大荷重応力(N/デニール)は0.010~0.050であり、破断伸び率は20~50%である。
請求項2記載の印刷延伸テープの製造方法は、JIS K 7127に準拠して測定した引張試験における最大荷重応力(N/デニール)が0.010~0.050あり、破断伸び率が20~50%である印刷延伸テープの製造方法であって、
工程(1):ポリ乳酸樹脂100重量部、可塑剤3~10重量部及び結晶核剤0.1~5重量部を含有するポリ乳酸樹脂組成物を該ポリ乳酸樹脂の融点(Tm)以上の温度で溶融し、インフレーション法により、筒状に溶融押出成形した後、空冷にて15~50℃に冷却して、非晶質テープを得る工程、工程(2):得られた非晶質テープを、(該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度―10℃)~該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度+30℃)の温度範囲に加熱して結晶化すると共に延伸倍率3~8倍に一軸延伸して、結晶化テープを得る工程、及び、工程(3):得られた結晶化テープの少なくとも一面に模様層を印刷する工程からなることを特徴とする。
上記工程(1)及び工程(2)は請求項1記載の延伸テープの製造方法における工程(1)及び工程(2)と同一であり、以下、請求項1記載の延伸テープの製造方法と異なる点のみ説明する。
上記工程(3)は、得られた結晶化テープの少なくとも一面に模様層を印刷する工程である。
模様層を印刷する方法は、特に限定されず、例えば、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。
模様層を印刷するための印刷用インキは、特に限定されず、例えば、トルエン等の溶剤含有またはノントルエンのグラビアインキまたはフレキソインキ、大豆油インキまたはUV硬化型インキ及びそれらの水なしインキ等のオフセットインキまたはスクリーンインキ等が挙げられる。
又、ポリ乳酸樹脂の結晶化テープは印刷性が悪いので、印刷前に、得られた結晶化テープの印刷すべき面をコロナ放電処理するのがこのましい。コロナ放電処理は、絶縁された電極と対極が設置されたコロナバーとの間に結晶化テープを通し、この間に高周波、高電圧を印加することにより行われる。コロナ放電処理は、空気雰囲気下、窒素ガス雰囲気下、酸素ガス雰囲気下、窒素酸素混合ガス雰囲気下等で行うことができる。
コロナ放電処理条件は、結晶化テープの印刷性を改善させるのであるから、単位面積当たりのコロナ放電処理量が多いほうが好ましく、3J/cm2以上が好ましく、より好ましくは4~10J/cm2であり、更に好ましくは5~10J/cm2である。
次に、本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1~4、比較例1、2)
表1に示した所定量のポリ乳酸樹脂(三井化学社製、LACEA H-440、ガラス転移温度56℃、融点178℃)、可塑剤(ベンジルアルキルジグリコールアジペート含有アジピン酸エステル)、結晶核剤(エチレン-ビス-12-ヒドロキシステアリン酸アミド)、及び、加水分解防止剤(ポリカルボジイミド)よりなる樹脂組成物をインフレーション成形機に供給し、シリンダー設定温度185℃の条件にて溶融し、膨張比(BUR)2にて、厚さ50μmで潰した時の幅が67cmの筒状のテープをインフレーション成形し、25℃の空気を吹き込んで空冷して、非晶質テープを得た。
得られた非晶質テープを目視で観察し、成形性とし、表1に示した。製造中に切断することはなく、テープに凹凸模様や白濁がなかったものを〇、製造中に切断することはなかったが、テープに凹凸模様や白濁があったものを△、製造中に切断したものを×で示した。又、得られた非晶質テープの結晶化度を表1に示した。
得られた非晶質テープを、50℃から80℃に次第に高くなるように設定されている加熱板を有する一軸延伸装置に供給し、非晶質テープを加熱板に押圧して加熱すると共に、一軸延伸して表1に示した延伸倍率の結晶化テープ(延伸テープ)を得た。
得られた結晶化テープ(延伸テープ)の延伸倍率、デニール及び結晶化度を表1に示した。又、得られた結晶化テープ(延伸テープ)を幅50mm、長さ70mmに切り出してサンプルとし、JIS K 7127に準拠して引張試験を行い、最大荷重、最大荷重応力及び破断伸び率を測定して、表1に示した。又、得られた非晶質テープの結晶化熱量と結晶化テープの融解熱量を示差走査熱量計で測定し表1に示した。
Figure 2022143125000001
(実施例5)
実施例2で得られた結晶化テープの一面に、黒色インク(東洋インキ社製、商品名「アクワキングHN92S墨」)50重量部、水24重量部及びイソプロパノール26重量部よりなる塗料を塗布乾燥して、厚さ24μmの塗料層を積層して印刷テープを得た。
得られた印刷延伸テープのデニールは、11200g/9000m、テープ強度は205.6N、最大荷重応力は0.018N/d及び破断伸び率は23%であった。
本発明の延伸テープ及び印刷延伸テープは上記の通りであり、生分解性が優れており、自然界において容易に分解される。又、柔軟性及び引張強度等の機械的強度が優れているので印刷テープや紐等の結束材として好適に使用できる。

Claims (2)

  1. JIS K 7127に準拠して測定した引張試験における最大荷重応力(N/デニール)が0.010~0.050であり、破断伸び率が20~50%である延伸テープの製造方法であって、
    工程(1):ポリ乳酸樹脂100重量部、可塑剤3~10重量部及び結晶核剤0.1~5重量部を含有するポリ乳酸樹脂組成物を、該ポリ乳酸樹脂の融点(Tm)以上の温度で溶融し、インフレーション法により、筒状に溶融押出成形した後、空冷にて15~50℃に冷却して、非晶質テープを得る工程、及び、
    工程(2):得られた非晶質テープを、(該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度―10℃)~該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度+30℃)の温度範囲に加熱して結晶化すると共に延伸倍率3~8倍に一軸延伸して、結晶化テープを得る工程
    からなることを特徴とする延伸テープの製造方法。
  2. JIS K 7127に準拠して測定した引張試験における最大荷重応力(N/デニール)が0.010~0.050であり、破断伸び率が20~50%である印刷延伸テープの製造方法であって、
    工程(1):ポリ乳酸樹脂100重量部、可塑剤3~10重量部及び結晶核剤0.1~5重量部を含有するポリ乳酸樹脂組成物を該ポリ乳酸樹脂の融点(Tm)以上の温度で溶融し、インフレーション法により、筒状に溶融押出成形した後、空冷にて15~50℃に冷却して、非晶質テープを得る工程、
    工程(2):得られた非晶質テープを、(該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度―10℃)~該ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度+30℃)の温度範囲に加熱して結晶化すると共に延伸倍率3~8倍に一軸延伸して、結晶化テープを得る工程、及び、
    工程(3):得られた結晶化テープの少なくとも一面に模様層を印刷する工程
    からなることを特徴とする印刷延伸テープの製造方法。
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