JP2022141301A - シリンダ装置 - Google Patents
シリンダ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022141301A JP2022141301A JP2021041532A JP2021041532A JP2022141301A JP 2022141301 A JP2022141301 A JP 2022141301A JP 2021041532 A JP2021041532 A JP 2021041532A JP 2021041532 A JP2021041532 A JP 2021041532A JP 2022141301 A JP2022141301 A JP 2022141301A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cylinder
- damping force
- valve
- passage
- piston
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
- Fluid-Damping Devices (AREA)
Abstract
【課題】車両への搭載性を犠牲にすることなく、伸び側の減衰力と縮み側の減衰力とを別個に制御することが可能なシリンダ装置を提供する。【解決手段】シリンダ2に内蔵された第1減衰力発生機構11と、シリンダ2に横付けされた第2減衰力発生機構191とを備え、第1減衰力発生機構11により伸び側の減衰力を調整し、第2減衰力発生機構191により縮み側の減衰力を調整するので、伸び側の減衰力と縮み側の減衰力とを別個に制御することが可能であり、搭載性は従来の制御弁横付け型の減衰力調整式油圧緩衝器と同等である。【選択図】図1
Description
本発明は、ピストンロッドのストロークに対する作動流体の流れを制御して減衰力を調整するシリンダ装置に関する。
特許文献1には、シリンダの側部に伸び側減衰力調整機構及び縮み側減衰力調整機構が設けられた減衰力調整式油圧緩衝器(以下「従来のシリンダ装置」と称する)が開示されている。従来のシリンダ装置は、伸び側の減衰力と縮み側の減衰力とをピストン速度にかかわらず別個に制御することが可能であり、伸び側の減衰力と縮み側の減衰力とを反転させることによる車両の乗り心地の確保と、伸び側の減衰力と縮み側の減衰力とを非反転させることによる車両の操安性の確保と、を両立することができる。
従来のシリンダ装置は、シリンダの側部から2つの減衰力調整機構が径方向外側へ突出しているため、車両への搭載性が課題であった。また、2つの減衰力調整機構から延びるケーブルの取り回しが困難であり、組立性に問題がある。
本発明は、車両への搭載性を犠牲にすることなく、伸び側の減衰力と縮み側の減衰力とを別個に制御することが可能なシリンダ装置を提供することを課題とする。
本発明のシリンダ装置は、作動流体が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され、他端側が前記シリンダの外部に延出されたピストンロッドと、前記シリンダ内に設けられ、第1ソレノイドに供給される制御電流により減衰力特性が調整される第1減衰力発生機構と、前記シリンダの側部に設けられ、第2ソレノイドに供給される制御電流により減衰力特性が調整される第2減衰力発生機構と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、車両への搭載性を犠牲にすることなく、伸び側の減衰力と縮み側の減衰力とを別個に制御することができる。
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係るシリンダ装置1は、シリンダ2に内蔵された第1減衰力発生機構11と、シリンダ2(外筒10)に横付けされた第2減衰力発生機構191と、を有する減衰力調整式油圧緩衝器である。便宜上、図1における上下方向を「上下方向」と称する。また、図3における左側を「シリンダ側」、図3における右側を「反シリンダ側」と称する。
図1に示されるように、本実施形態に係るシリンダ装置1は、シリンダ2に内蔵された第1減衰力発生機構11と、シリンダ2(外筒10)に横付けされた第2減衰力発生機構191と、を有する減衰力調整式油圧緩衝器である。便宜上、図1における上下方向を「上下方向」と称する。また、図3における左側を「シリンダ側」、図3における右側を「反シリンダ側」と称する。
シリンダ装置1は、シリンダ2の外側に外筒10が設けられた複筒構造をなす。シリンダ装置1は、シリンダ2内に摺動可能に嵌装され、シリンダ2内をシリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの2室に区画するピストン3を有する。シリンダ装置1は、一端がピストン3に連結され、他端側(図1における上側)がシリンダ2の外部へ延出されたピストンロッド13を有する。
シリンダ2と外筒10との間には、リザーバ18が形成される。ピストン3は、上端がシリンダ上室2Aに開口する伸び側通路19と、下端がシリンダ下室2Bに開口する縮み側通路20と、を有する。シリンダ2の下端部には、シリンダ下室2Bとリザーバ18とを区画するベースバルブ45が設けられる。ベースバルブ45には、シリンダ下室2Bとリザーバ18とを連通する通路46及び通路47が設けられる。
通路46には、リザーバ4側からシリンダ下室2B側への作動油(作動流体)の流れを許容するチェックバルブ48が設けられる。他方、通路47には、シリンダ下室2B側の作動油の圧力が設定圧力に達することで開弁し、シリンダ下室2B側の圧力(作動油)をリザーバ18側へ逃がすディスクバルブ49(リリーフバルブ)が設けられる。なお、作動流体として、シリンダ2内には作動油が封入され、リザーバ18内には作動油及びガスが封入される。また、外筒10の下端には、ボトムキャップ50が接合される。
第1減衰力発生機構11は、伸び行程時に、ピストンロッド13の移動に伴う作動油のシリンダ上室2Aからシリンダ下室2Bへの流れを制御して減衰力特性を調整する。第1減衰力発生機構11は、バルブ機構部12とソレノイド90(第1ソレノイド)とからなる。図2に示されるように、バルブ機構部12は、軸部6がピストン3の軸孔4に挿通されるピストンボルト5と、伸び側通路19の作動流体の流れを制御する伸び側バルブ機構21と、縮み側通路20の作動流体の流れを制御する縮み側バルブ機構51と、を有する。
伸び側バルブ機構21は、ピストンボルト5の軸部6に取り付けられる有底円筒形の伸び側パイロットケース22を有する。伸び側パイロットケース22は、底部27と、底部27の外周縁部に設けられてピストン3側が開口する円筒部26と、を有する。伸び側パイロットケース22のピストン3側には、伸び側メインバルブ23が配置される。また、伸び側メインバルブ23と伸び側パイロットケース22との間には、伸び側背圧室25が形成される。
伸び側バルブ機構21は、ピストン3の下端面の外周側に形成されて伸び側メインバルブ23が離着座可能に当接するシート部24を有する。伸び側背圧室25は、伸び側パイロットケース22と伸び側メインバルブ23の背面との間に形成される。伸び側背圧室25内の圧力は、伸び側メインバルブ23に対して閉弁方向へ作用する。伸び側メインバルブ23は、弾性体からなる環状のパッキン31が伸び側パイロットケース22の円筒部26の内周面に全周にわたって接触するパッキンバルブである。
伸び側背圧室25は、伸び側パイロットケース22の底部27に形成された通路32及びサブバルブ30を介してシリンダ下室2Bに連通される。サブバルブ30は、伸び側背圧室25の圧力が所定圧力に達したときに開弁し、伸び側背圧室25からシリンダ下室2Bへの作動流体の流れに対して抵抗力を付与する。
伸び側背圧室25は、伸び側パイロットケース22とサブバルブ30との間に形成された第1受圧室172に通路32を介して連通される。第1受圧室172は、伸び側パイロットケース22の下端面(伸び側メインバルブ23側とは反対側の面)に設けられた無端状の第1シート部173によって画定される。第1シート部173の内側には、通路32が開口する。
伸び側パイロットケース22には、ピストン3の縮み方向への移動により、シリンダ下室2Bから伸び側背圧室25への作動流体の流れが生じる背圧導入通路171が設けられる。伸び側パイロットケース22の上端面(伸び側メインバルブ23側の面)には、環状のシート部35が設けられる。シート部35は、底部27の内周部の外周に設けられた環状の受圧室174を画定する。
伸び側パイロットケース22の下端面には、第1受圧室172と隔絶された第2受圧室177が設けられる。第2受圧室177には、背圧導入通路171が開口する。第2受圧室177は、第2シート部178によって画定される。第2シート部178は、一対の隣接する第1受圧室172間を円弧形に延びる。第2シート部178には、第2受圧室177とシリンダ下室2Bとを連通する第1オリフィス175が設けられる。
これにより、伸び側バルブ機構21には、シリンダ下室2Bと伸び側背圧室25とを連通する伸び側連通路が形成される。伸び側連通路は、ピストン3の縮み方向への移動により、シリンダ下室2Bの作動流体を、第1オリフィス175、第2受圧室177、背圧導入通路171、受圧室174、及び伸び側背圧導入弁33を経て伸び側背圧室25へ導入する。
一方、縮み側バルブ機構51は、ピストンボルト5の軸部6に取り付けられる有底円筒形の縮み側パイロットケース52を有する。縮み側パイロットケース52は、底部57と、底部57の外周縁部に設けられてピストン3側が開口する円筒部56と、からなる。縮み側パイロットケース52のピストン3側には、縮み側メインバルブ53が配置される。また、縮み側メインバルブ53と縮み側パイロットケース52との間には、縮み側背圧室55が形成される。
縮み側バルブ機構51は、ピストン3の上端面の外周側に形成されて縮み側メインバルブ53が離着座可能に当接するシート部54を有する。縮み側背圧室55は、縮み側パイロットケース52と縮み側メインバルブ53の背面との間に形成される。縮み側背圧室55内の圧力は、縮み側メインバルブ53に対して閉弁方向へ作用する。縮み側メインバルブ53は、弾性体からなる環状のパッキン61が縮み側パイロットケース52の円筒部56の内周面に全周にわたって接触するパッキンバルブである。
縮み側背圧室55は、縮み側パイロットケース52の底部57に形成された通路62及びサブバルブ60を介してシリンダ上室2Aに連通される。サブバルブ60は、縮み側背圧室55の圧力が所定圧力に達したときに開弁し、縮み側背圧室55からシリンダ上室2Aへの作動流体の流れに対して抵抗力を付与する。
縮み側背圧室55は、通路62を介して、縮み側パイロットケース52とサブバルブ60との間に形成された第1受圧室182に連通される。第1受圧室182は、縮み側パイロットケース52の上端面(縮み側メインバルブ53側とは反対側の面)に設けられた無端状の第1シート部183によって画定される。第1シート部183の内側には、通路62が開口する。
縮み側パイロットケース52には、ピストン3の伸び方向への移動によりシリンダ上室2Aから縮み側背圧室55への作動流体の流れが生じる背圧導入通路181が設けられる。縮み側パイロットケース52の下端面(縮み側メインバルブ53側の面)には、環状のシート部65が設けられる。シート部65は、底部57の内周部の外周に設けられた環状の受圧室184を画定する。
縮み側パイロットケース52の上端面には、第1受圧室182と隔絶された第2受圧室187が設けられる。第2受圧室187には、背圧導入通路181が開口する。第2受圧室187は、第2シート部188によって画定される。第2シート部188は、一対の隣接する第1受圧室182間を円弧形に延びる。第2シート部188には、第2受圧室187とシリンダ上室2Aとを連通する第1オリフィス185が設けられる。
これにより、縮み側バルブ機構51には、シリンダ上室2Aと縮み側背圧室55とを連通する縮み側連通路が形成される。縮み側連通路は、ピストン3の伸び方向への移動により、シリンダ上室2Aの作動流体を、第1オリフィス185、第2受圧室187、背圧導入通路181、受圧室184、及び縮み側背圧導入弁63を経て縮み側背圧室55へ導入する。
なお、伸び側バルブ機構21及び縮み側バルブ機構51を構成するバルブ部品は、ピストンボルト5の軸部6のねじ部(符号省略)に取り付けられたナット78を締め付けることにより、ピストンボルト5の頭部7とワッシャ79との間で加圧されることで軸力が発生する。
図2に示されるように、ピストンボルト5には共通通路165が形成される。共通通路165は、スリーブ15の内側(軸孔)に形成された軸方向通路166を有する。スリーブ15は、上端がピストンボルト5の頭部6に開口する孔16に嵌着される。共通通路165は、孔16の下部(スリーブ15の下端よりも下側の部分)に形成された軸方向通路167を有する。共通通路165は、上端が孔16に開口する小径孔からなる軸方向通路168を有する。共通通路165の内径は、軸方向通路167が最も大きく、軸方向通路166、軸方向通路168の順に小さくなる。なお、軸方向通路166は、ピストンボルト5の頭部7の端面9に開口する。
伸び側背圧室25は、伸び側背圧導入弁33の内周部に設けられたオリフィス37、伸び側パイロットケース22の底部27の内周部に形成された環状通路38を経て、ピストンボルト5の軸部6に形成された径方向通路34に連通される。径方向通路34は、軸方向通路168に連通される。軸方向通路168は、ピストンボルト5の軸部6に形成された径方向通路39に連通される。
径方向通路39は、ピストン3の軸孔4の下端部に形成された環状通路41、ピストン3の内周部に形成された複数個の切欠き42、及びピストン3に設けられたディスクバルブ40を介して伸び側通路19に連通される。ディスクバルブ40は、ピストン3の、シート部24及び伸び側通路19の開口よりも内周側に設けられた、環状のシート部43に離着座可能に当接する。ディスクバルブ40は、径方向通路39から伸び側通路19への作動流体の流れを許容する逆止弁である。
縮み側背圧室55は、縮み側背圧導入弁63の内周部に設けられたオリフィス67、ピストンボルト5の軸部6に形成された二面幅部77、縮み側パイロットケース52の底部57の内周部に形成された環状通路68を経て、ピストンボルト5の軸部6に形成された径方向通路64に連通される。径方向通路64は、スリーブ15の側壁に形成された孔66を介して軸方向通路166に連通される。
径方向通路64は、二面幅部77、ピストン3の軸孔4の上端部に形成された環状通路71、ピストン3の内周部に形成された複数個の切欠き72、及びピストン3に設けられたディスクバルブ70を介して縮み側通路20に連通される。ディスクバルブ70は、ピストン3の、シート部54及び縮み側通路20の開口よりも内周側に設けられた、環状のシート部73に離着座可能に当接する。ディスクバルブ70は、径方向通路64から縮み側通路20への作動流体の流れを許容する逆止弁である。
共通通路165内の作動流体の流れは、パイロットバルブ81により制御される。パイロットバルブ81は、共通通路165に摺動可能に設けられたバルブスプール82と、孔16の底部の軸方向通路168の開口周縁に形成されたシート部83と、を有する。バルブスプール82は、中実軸からなり、スリーブ15に挿入される摺動部84と、シート部83に離着座可能に当接する弁体85と、を有する。
摺動部84の上端には、バルブスプール82の頭部87が形成される。頭部7の外周には第1室130が形成され、頭部87の下端部には、外フランジ形のスプリング受け88が形成される。スプリング受け88には、弁体85を開弁方向へ付勢するスプリングディスク113の内周部が接続される。これにより、バルブスプール82の頭部87は、ソレノイド90の作動ロッド92の下端面93に当接する(押し付けられる)。
ピストンボルト5の頭部7の外周面下部には、上端側が開口する有底円筒形のキャップ121が取り付けられる。キャップ121とピストンボルト5の頭部7との間は、環状のシール部材128によってシールされる。これにより、キャップ121と、ピストンボルト5の頭部7との間には、環状の第2室131が形成される。キャップ121には、ピストンボルト5の軸部6を挿通させる挿通孔123が設けられる。挿通孔123の外周には、複数個(図2に「2個」表示)の切欠き124が設けられる。切欠き124は、軸部6に形成された二面幅部77に連通する。
キャップ121と、ピストンボルト5の頭部7との間には、頭部7側から順に、スプール背圧リリーフ弁107、スペーサ108、及びリテーナ132が設けられる。スプール背圧リリーフ弁107、スペーサ108、及びリテーナ132は、第2室131内に設けられる。スプール背圧リリーフ弁107は、頭部7に形成された通路29を経由する第1室130から第2室131への作動流体の流れを許容する逆止弁である。スプール背圧リリーフ弁107の外周縁部は、ピストンボルト5の頭部7に形成された環状のシート部109に離着座可能に当接する。
リテーナ132の内周縁部には、第2室131を二面幅部77及びキャップ121の切欠き124に連通させる複数個の切欠き133が設けられる。キャップ121とサブバルブ60との間には、サブバルブ60の最大開弁量を定めるリテーナ59が介装される。
第1室130には、フェイルセーフバルブ111が構成される。フェイルセーフバルブ111は、バルブスプール82の頭部87のスプリング受け88(弁体)が離着座可能に当接するディスク112(弁座)を有する。ディスク112及びスプリングディスク113の外周縁部は、ピストンボルト5の頭部7と、ソレノイド90のコア99との間で保持される。フェイル状態(ソレノイド90の推力が0の状態)において、スプリング受け88は、スプリングディスク113の付勢力によりディスク112に当接する(押し付けられる)。これにより、フェイルセーフバルブ111が閉弁される。
そして、コイル95への非通電時には、バルブスプール82がスプリングディスク113の付勢力によってパイロットバルブ81(弁体85)の開弁方向へ付勢され、スプリング受け88がディスク112に当接する。これにより、スプール背圧室101と第1室130との連通が遮断される。
一方、コイル95への通電時には、バルブスプール82は、プランジャ96が発生する推力によりパイロットバルブ81(弁体85)の閉弁方向へ付勢される。これにより、バルブスプール82がスプリングディスク113の付勢力に抗して移動(推進)し、弁体85がシート部83に着座する。ここで、パイロットバルブ81の開弁圧力は、コイル95への通電(制御電流値)を制御することで調節することができる。コイル95の制御電流値が小さいソフトモード時には、スプリングディスク113の付勢力とプランジャ96が発生する推力とが平衡し、弁体85がシート部83から一定の距離だけ離間した状態となる。
一方、ソレノイド90は、ソレノイド機構部91、ヨーク94、及びコイル95(アーマチュアコイル)を有する。ソレノイド機構部91は、作動ロッド92と、作動ロッド92の外周に固定されたプランジャ96(アーマチュア)と、上下に分割されたコア98及びコア99と、を有する。コア98,99は、ホルダ105により、同軸、且つ上下方向へ一定間隔をあけて保持される。なお、作動ロッド92は、コア蓋体104に取り付けられたブッシュ100により、上下方向(軸方向)へ案内される。また、作動ロッド92の内側には、ロッド内通路97が形成される。
有底円筒形のヨーク94の下端部とコア99との間は、シール部材116によってシールされる。これにより、ピストンボルト5とヨーク94とコア99との間には、環状通路117が形成される。環状通路117は、ピストンボルト5の円筒部8に設けられた通路118を介してシリンダ上室2Aに連通される。ソレノイド90のコア99の内側には、スプール背圧室101が形成される。スプール背圧室101は、作動ロッド92の切欠き102、及びロッド内通路97を介してロッド背圧室103に連通される。
ヨーク94の上端部には、ピストンロッド13の下端部が連結される。即ち、ピストンロッド13の下端(一端)は、ヨーク94及びピストンボルト5を介してピストン3に連結される。ヨーク94とピストンロッド13との間の締結力(軸力)は、ナット137を締め付けてピストンロッド13の外周の環状溝146に装着されたリング部材145を軸方向へ押し付けることで発生させる。
図1に示されるように、ピストンロッド13は、シリンダ2及び外筒10の上端側開口部に装着されたロッドガイド135、及びオイルシール134に挿通される。ピストンロッド13とヨーク94との間は、シール部材139によってシールされる。シール部材139は、ピストンロッド13の下端部の外周面に形成された環状溝138に装着される。
図2に示されるように、ピストンロッド13は、ケーブル151が挿通される中空部14(軸孔)を有する。ケーブル151は、ピストンロッド13の下端面(一端)から突出した側(ピストン3側)の電線153,154が、ソレノイド90のターミナル161,162に接続される。
なお、ターミナル161はコイル95の正極端子に接続され、ターミナル162はコイル95の負極端子に接続される。また、ケーブル151は、ピストンロッド13の上端面(他端)から突出した側の電線153,154が、車両側(電力供給装置側)のコネクタ157に接続される。
図1に示されるように、シリンダ装置1は、両端部が上下一対のシール部材193,194を介してシリンダ2の下部の外周に嵌合された中間筒192を有する。中間筒192とシリンダ2との間には、環状通路195が形成される。シリンダ2の下部の側壁には、環状通路195とシリンダ下室2Bとを連通する連通孔196が形成される。なお、連通孔196は、下側のシール部材194寄り(ベースバルブ45に近い側)に配置される。
中間筒192の軸方向中央の側壁には、反シリンダ側(図1における「右側」)へ突出する円筒形の接続口197が設けられる。外筒10の側壁には、接続口197と同軸に配置された取付孔198が形成される。外筒10の側壁には、取付孔198を囲むようにして円筒形のケース199が接合される。ケース199には、第2減衰力発生機構191が収容される。第2減衰力発生機構191は、縮み行程時に、ピストンロッド13の移動に伴う作動油のシリンダ下室2Bからシリンダ上室2Aへの流れを制御して縮み側の減衰力を調整する。
図3に示されるように、外筒10の取付孔198には、ジョイント部材201が挿通される。ジョイント部材201は、シリンダ側の端部が接続口197に挿入される円筒形の筒部202と、筒部202の反シリンダ側の開口周縁に設けられてケース199内に収容される鍔部203(外フランジ)と、を有する。筒部202及び鍔部203は、シール材204によって被覆される。鍔部203のシリンダ側の端面は、ケース199の内フランジ200の反シリンダ側の端面に当接される。他方、鍔部203の反シリンダ側の端面は、後述するメインボディ212の環状の端面213に当接される。
第2減衰力発生機構191は、バルブ部品が一体化されたバルブ機構部210と、ソレノイド部品が一体化されたソレノイド270(第2ソレノイド)と、からなる。バルブ機構部210は、背圧型のメインバルブ211と、メインバルブ211の開弁圧力を制御するパイロットバルブ231と、パイロットバルブ231の下流に設けられたフェイルセーフバルブ261と、を有する。
バルブ機構部210は、環状のメインボディ212と、環状のパイロットボディ232と、メインボディ212とパイロットボディ232とを結合させるパイロットピン233と、を有する。メインボディ212の反シリンダ側の端面の外周縁部には、環状のシート部214が形成される。シート部214には、メインディスク215の外周縁部が離着座可能に当接される。メインディスク215の内周部は、メインボディ212の内周部とパイロットピン233の大径部234との間でクランプされる。メインディスク215の反シリンダ側の端面には、外周に沿って環状のパッキン216が設けられる。
メインボディ212の反シリンダ側の端面には、環状凹部217が設けられる。シート部214の内周側には、環状凹部217とメインディスク215とによって画定される環状通路218が形成される。環状通路218は、メインディスク215に形成されたオリフィス219を介して、バルブ機構210の外周の流路220に連通される。メインボディ212のシリンダ側の端面には、中央に凹部221が形成される。凹部221と環状凹部217(環状通路218)とは、メインボディ212に形成された複数本(図3に「2本」のみ表示)の通路222によって連通される。なお、流路220とリザーバ18とは、ケース199の内フランジ200に設けられた複数本(図3に「2本」のみ表示)の溝205によって連通される。
パイロットピン233は、反シリンダ側が開口した有底円筒形に形成される。パイロットピン233のシリンダ側の底部には、導入オリフィス235が形成される。パイロットピン233は、シリンダ側がメインボディ212の軸孔236に圧入され、反シリンダ側がパイロットボディ232の軸孔247に圧入される。パイロットピン233の反シリンダ側の外周には、軸方向(図3における「左右方向」)へ延びる複数本(図3に「1本」のみ表示)の通路237が形成される。
パイロットボディ232は、反シリンダ側が開口した略有底円筒形に形成される。パイロットボディ232のシリンダ側には、パイロットボディ232の内周部とパイロットピン233の大径部234とによってクランプされる可撓性ディスク238が設けられる。可撓性ディスク238は、背圧室240の内圧を受けて撓むことにより、背圧室240に体積弾性を付与する。
パイロットボディ232のシリンダ側の外周部には、パイロットボディ232と同軸の円筒部239が形成される。円筒部239の内周面にメインバルブ211のパッキン216が摺動可能に当接することで、メインディスク215の反シリンダ側(背面)に背圧室240が形成される。背圧室240の圧力は、メインディスク215に対して閉弁方向(シート部214に押し付ける方向)に作用する。
パイロットボディ232の底部には、軸方向へ延びる複数本(図3に「2本」のみ表示)の通路241が設けられる。パイロットボディ232のシリンダ側の端面には、環状のシート部242が設けられる。シート部242の内周側には、パイロットボディ232と可撓性ディスク238とによって画定される環状通路(符号省略)が形成される。シート部242の内周側の環状通路は、通路241に連通される。
可撓性ディスク238は、複数枚のディスクを積層して構成される。複数枚のディスクのうち、パイロットピン233の大径部234に当接するディスクの内周部には、通路237と背圧室240とを連通する切欠き243が形成される。これにより、環状通路195内の作動油は、ジョイント部材201の流路206(軸孔)を介して第2減衰力発生機構191に導入され、さらに、導入通路、即ち、導入オリフィス235、パイロットピン233の軸孔236、通路237、及び切欠き243、を介して背圧室240に導入される。
パイロットボディ232の反シリンダ側には、凹部244が形成される。凹部244の底部には、弁体245が離着座可能に当接される環状のシート部246(弁座)が設けられる。シート部246は、パイロットボディ232の軸孔247の開口周縁に設けられる。弁体245は、略円筒形をなし、シリンダ側の端部がテーパ状に形成される。弁体245の反シリンダ側には、外フランジ形のフランジ部248が設けられる。弁体245は、パイロットスプリング249によってシート部246から離れる方向(反シリンダ方向)へ付勢される。
パイロットボディ232の反シリンダ側には、円筒部250が形成される。円筒部250には、シリンダ側から順に、パイロットスプリング249、スペーサ251、フェイルセーフディスク252、リテーナ253、スペーサ254、及びワッシャ255が積層される。積層された部品は、円筒部250の外周に嵌着されたキャップ256によって固定される。キャップ256と、パイロットボディ232の円筒部250との間には、凹部244(弁室)とバルブ機構部210の外周の流路220とを連通する通路257が形成される。
ソレノイド270は、ヨーク271に、コイル272、コア273、コア274、プランジャ275、及びプランジャ275に連結された中空の作動ロッド276を組み込んで一体化させることで構成される。ヨーク271の反シリンダ側には、スペーサ277及びカバー278が挿入される。ヨーク271の反シリンダ側の端縁部を塑性加工することで、ヨーク271内の部品に軸力が作用される。プランジャ275は、ケーブル279を介してコイル272へ通電することで電流値に応じた推力を発生する。プランジャ275の推力は、弁体245をシリンダ側へ移動させる方向、即ち、弁体245をパイロットスプリング249の付勢力に抗してシート部246へ押し付ける方向へ作用する。
ヨーク271は、ケース199の反シリンダ側の開口に挿入される。ヨーク271とケース199との間は、シール部材280によってシールされる。作動ロッド276のシリンダ側は、凹部244(弁室)内に突出する。作動ロッド276のシリンダ側の端部には、弁体245が取り付けられる。ケース199の外周に螺合させたナット281を締め付けて環状の止め輪282を圧縮することで、ヨーク271とケース199とが固定され、これにより、バルブ機構部210とソレノイド270とが結合(一体化)される。
図3に示されるコイル272への非通電時には、弁体245がパイロットスプリング249によって反シリンダ方向へ付勢され、弁体245のフランジ部248がフェイルセーフディスク252に当接(着座)される。他方、コイル272への通電時には、プランジャ275にシート部246へ向かう方向(シリンダ方向)への推力が発生し、作動ロッド276がパイロットスプリング249の付勢力に抗してシリンダ方向へ移動し、弁体245がシート部246に着座される。
ここで、弁体245の開弁圧力は、コイル272への通電(制御電流値)を制御することで調整することができる。コイル272への制御電流値が小さいソフトモード時には、パイロットスプリング249の付勢力とプランジャ275の推力とが平衡し、パイロットバルブ231は、一定の開弁量(ソフト特性時開弁量)で開弁される。
次に、前述したシリンダ装置1における作動油の流れを説明する。
(伸び行程)
パイロットバルブ81の開弁前には、シリンダ上室2Aの作動油が、上流側背圧導入通路、即ち、伸び側通路19、ディスクバルブ40に形成されたオリフィス(符号省略)、ピストン3に形成された切欠き42、ピストン3の軸孔4に形成された環状通路41、径方向通路34、軸方向通路168、径方向通路39、伸び側パイロットケース22に形成された環状通路38、伸び側背圧導入弁33に形成されたオリフィス(符号省略)を経て伸び側背圧室25へ導入される。
(伸び行程)
パイロットバルブ81の開弁前には、シリンダ上室2Aの作動油が、上流側背圧導入通路、即ち、伸び側通路19、ディスクバルブ40に形成されたオリフィス(符号省略)、ピストン3に形成された切欠き42、ピストン3の軸孔4に形成された環状通路41、径方向通路34、軸方向通路168、径方向通路39、伸び側パイロットケース22に形成された環状通路38、伸び側背圧導入弁33に形成されたオリフィス(符号省略)を経て伸び側背圧室25へ導入される。
また、シリンダ上室2A(上流側の室)の作動油が、縮み側連通路、即ち、第1オリフィス185、第2受圧室187、背圧導入通路181、縮み側背圧導入弁63を経て縮み側背圧室55へ導入される。これにより、伸び行程時には、縮み側メインバルブ53がシリンダ上室2Aの圧力によって開弁することが抑止される。
パイロットバルブ81が開弁すると、シリンダ上室2Aの作動油は、伸び側通路19、ディスクバルブ40に形成されたオリフィス(符号省略)、ピストン3に形成された切欠き42、ピストン3の軸孔4に形成された環状通路41、径方向通路34、軸方向通路168、軸方向通路167、径方向通路64、ピストンボルト5の軸部6に形成された二面幅部77、環状通路71、ピストン3の内周部に形成された切欠き72、ディスクバルブ70、縮み側通路20を経てシリンダ下室2Bへ流れる。
このとき、ソレノイド90のコイル95への制御電流値を制御することにより、パイロットバルブ81の開弁圧力を調整することができる。同時に、伸び側背圧導入弁33から伸び側背圧室25へ導入される作動油の圧力も調整されるため、伸び側メインバルブ23の開弁圧力を制御することができる。なお、伸び行程時には、リザーバ18内の作動油が、ベースバルブ45の通路46を通ってチェックバルブ48を開弁させ、シリンダ下室2Bへ流れる。これにより、ピストンロッド13がシリンダ2から退出した分の体積補償が行われる。
(縮み行程)
シリンダ下室2Bの作動油は、シリンダ2に形成された連通孔196、シリンダ2と中間筒192との間に形成された環状通路195、中間筒192の接続口197、及びジョイント部材201の軸孔206を通って第2減衰力発生機構191へ導入される。本実施形態では、作動油をシリンダ下室2Bから第2減衰力発生機構191へ導入するため、連通孔196に対して並列に設けられたディスクバルブ49(ベースバルブ45)の開弁圧力が、通常の制御弁横付け型の減衰力調整式油圧緩衝器(第1減衰力発生機構11を持たない制御弁横付け型の減衰力調整式油圧緩衝器)と同等に設定されている。なお、縮み行程時には、ディスクバルブ49の開弁圧力を調整することで、ハード特性時におけるシリンダ下室2Bとリザーバ18との差圧、即ち、ハード特性における減衰力をメカ的に調整することができる。
シリンダ下室2Bの作動油は、シリンダ2に形成された連通孔196、シリンダ2と中間筒192との間に形成された環状通路195、中間筒192の接続口197、及びジョイント部材201の軸孔206を通って第2減衰力発生機構191へ導入される。本実施形態では、作動油をシリンダ下室2Bから第2減衰力発生機構191へ導入するため、連通孔196に対して並列に設けられたディスクバルブ49(ベースバルブ45)の開弁圧力が、通常の制御弁横付け型の減衰力調整式油圧緩衝器(第1減衰力発生機構11を持たない制御弁横付け型の減衰力調整式油圧緩衝器)と同等に設定されている。なお、縮み行程時には、ディスクバルブ49の開弁圧力を調整することで、ハード特性時におけるシリンダ下室2Bとリザーバ18との差圧、即ち、ハード特性における減衰力をメカ的に調整することができる。
第2減衰力発生機構191に導入された作動液は、パイロットピン233の導入オリフィス235、軸孔236、通路237、及び可撓性ディスク238を経て背圧室240に導入される。メインバルブ211の開弁前(ピストン速度が低速域であるとき)には、第2減衰力発生機構191に導入された作動液は、パイロットピン233の導入オリフィス235、軸孔236、パイロットボディ232の凹部244、ワッシャ255の軸孔、通路257、バルブ機構部210の外周の流路220、及びケース199の内フランジ200に形成された複数本の溝205を通ってリザーバ18へ流れる。
ピストン速度が上昇して、第2減衰力発生機構191に導入された作動油の圧力がメインバルブ211の開弁圧力に達すると、メインバルブ211が開弁する。これにより、作動油は、環状通路195、接続口197、ジョイント部材201の軸孔206、メインボディ212の凹部221、通路222、環状通路218、メインバルブ211、流路200、溝205、及び取付孔198を経由してリザーバ18へ流れる。ここで、ソレノイド270のコイル272への制御電流値を制御してパイロットバルブ231の開弁圧力を調整することにより、メインバルブ211の開弁圧力、即ち、第2減衰力発生機構191が発生する減衰力を調節することができる。
本実施形態では、第1減衰力発生機構11の縮み側バルブ機構51におけるサブバルブ60の開弁圧力が、通常の制御弁内蔵型の減衰力調整式油圧緩衝器(第2減衰力発生機構191を持たない制御弁内蔵型の減衰力調整式油圧緩衝器)に対して十分に低く設定されている。これにより、縮み行程時には、サブバルブ60がより低い縮み側背圧室55の圧力で開弁するので、第1減衰力発生機構11における減衰力特性の可変幅(減衰力の調整幅)は極めて小さい。換言すれば、第1減衰力発生機構11は、ほぼ伸び側の減衰力特性が可変(伸び側に比較すれば非常に小さいが、縮み側の減衰力も可変)することになる。
ここで、従来のシリンダ装置は、シリンダの側部から2つの減衰力調整機構が径方向外側へ突出しているため、車両への搭載性が課題であった。これに対し、本実施形態では、シリンダ2に内蔵された第1減衰力発生機構11と、シリンダ2(外筒10)に横付けされた第2減衰力発生機構191とを備え、第1減衰力発生機構11により伸び側の減衰力特性を可変(減衰力を調整)し、第2減衰力発生機構191により縮み側の減衰力特性を可変(減衰力を調整)するようにシリンダ装置1を構成した。
本実施形態によれば、伸び側の減衰力と縮み側の減衰力とをピストン速度にかかわらず別個に制御することが可能であり、搭載性は従来の制御弁横付け型の減衰力調整式油圧緩衝器と同等であって、且つ伸び側の減衰力と縮み側の減衰力とを反転させる(伸び側ソフト特性/縮み側ソフト特性)ことによる車両の乗り心地の確保と、伸び側の減衰力と縮み側の減衰力とを非反転させる(伸び側ハード特性/縮み側ソフト特性)ことによる車両の操安性の確保と、を両立したシリンダ装置1を提供することができる。
また、本実施形態は、従来の制御弁横付け型の減衰力調整式油圧緩衝器のシリンダに、従来の制御弁内蔵型の減衰力調整式油圧緩衝器のピストンロッド組立体(ピストンロッドに減衰力発生機構を組み付けて一体化させたアッシ部品)を組み合わせることで実施できるので、設計が容易である。
また、本実施形態は、従来の制御弁横付け型の減衰力調整式油圧緩衝器のシリンダに、従来の制御弁内蔵型の減衰力調整式油圧緩衝器のピストンロッド組立体(ピストンロッドに減衰力発生機構を組み付けて一体化させたアッシ部品)を組み合わせることで実施できるので、設計が容易である。
また、従来のシリンダ装置は、シリンダ上室から伸び側の減衰力発生機構に至る作動油経路が長いため、伸び側減衰力の応答性が縮み側に比較して低かったが、本実施形態では、第1減衰力発生機構11(伸び側の減衰力発生機構)をピストン3に構成したので、伸び側減衰力の応答性を向上させることができる。
さらに、従来のシリンダ装置は、2つの減衰力調整機構から延びるケーブルの取り回しが困難であり、組立性に問題があったが、本実施形態では、第1減衰力発生機構11のケーブル151をピストンロッド13の中空部14に挿通させたので、組立性を向上させることができる。
一方、従来の制御弁内蔵型の減衰力調整式油圧緩衝器は、縮み側減衰力をピストンに構成された縮み側バルブ機構により制御する構造上、ベースバルブのディスクバルブ(リリーフバルブ)の開弁圧力との関係で縮み側減衰力の調整幅(減衰力特性の可変幅)を広くとることが困難であったが、本実施形態では、縮み側減衰力をシリンダ2の外に設けた第2減衰力発生機構191(縮み側減衰力発生機構)で行うので、従来の制御弁横付け型の減衰力調整式油圧緩衝器同様、縮み側減衰力の調整幅を広くとることができる。
さらに、従来のシリンダ装置は、2つの減衰力調整機構から延びるケーブルの取り回しが困難であり、組立性に問題があったが、本実施形態では、第1減衰力発生機構11のケーブル151をピストンロッド13の中空部14に挿通させたので、組立性を向上させることができる。
一方、従来の制御弁内蔵型の減衰力調整式油圧緩衝器は、縮み側減衰力をピストンに構成された縮み側バルブ機構により制御する構造上、ベースバルブのディスクバルブ(リリーフバルブ)の開弁圧力との関係で縮み側減衰力の調整幅(減衰力特性の可変幅)を広くとることが困難であったが、本実施形態では、縮み側減衰力をシリンダ2の外に設けた第2減衰力発生機構191(縮み側減衰力発生機構)で行うので、従来の制御弁横付け型の減衰力調整式油圧緩衝器同様、縮み側減衰力の調整幅を広くとることができる。
なお、実施形態は、前述した形態に限定されるものではなく、例えば、次のように構成することができる。
本実施形態では、第1減衰力発生機構11が、ソレノイド90のコイル95に対する制御電流値が低いときにソフト特性の減衰力を発生し、第2減衰力発生機構191が、ソレノイド270のコイル272に対する制御電流値が低いときにソフト特性の減衰力を発生するようにシリンダ装置1を構成した。これにより、本実施形態では、市街地等の制御が介入する頻度が低い良路の走行時における消費電力を抑えることができる。
これに対し、第1減衰力発生機構11が、ソレノイド90のコイル95に対する制御電流値が低いときにハード特性の減衰力を発生し、第2減衰力発生機構191が、ソレノイド270のコイル272に対する制御電流値が低いときにソフト特性の減衰力を発生するようにシリンダ装置1を構成することができる。
この場合、カーブが連続するワインディングロード等の操安制御が介入する頻度が高いスポーツ走行時における消費電力を抑えることができる。
本実施形態では、第1減衰力発生機構11が、ソレノイド90のコイル95に対する制御電流値が低いときにソフト特性の減衰力を発生し、第2減衰力発生機構191が、ソレノイド270のコイル272に対する制御電流値が低いときにソフト特性の減衰力を発生するようにシリンダ装置1を構成した。これにより、本実施形態では、市街地等の制御が介入する頻度が低い良路の走行時における消費電力を抑えることができる。
これに対し、第1減衰力発生機構11が、ソレノイド90のコイル95に対する制御電流値が低いときにハード特性の減衰力を発生し、第2減衰力発生機構191が、ソレノイド270のコイル272に対する制御電流値が低いときにソフト特性の減衰力を発生するようにシリンダ装置1を構成することができる。
この場合、カーブが連続するワインディングロード等の操安制御が介入する頻度が高いスポーツ走行時における消費電力を抑えることができる。
1 シリンダ装置、2 シリンダ、3 ピストン、11 第1減衰力発生機構、13 ピストンロッド、90 ソレノイド(第2ソレノイド)、191 第2減衰力発生機構、270 ソレノイド(第2ソレノイド)
Claims (3)
- 作動流体が封入されたシリンダと、
前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、
一端が前記ピストンに連結され、他端側が前記シリンダの外部に延出されたピストンロッドと、
前記シリンダ内に設けられ、第1ソレノイドに供給される制御電流により減衰力特性が調整される第1減衰力発生機構と、
前記シリンダの側部に設けられ、第2ソレノイドに供給される制御電流により減衰力特性が調整される第2減衰力発生機構と、
を有することを特徴とするシリンダ装置。 - 前記第1減衰力発生機構は、前記ピストンロッドが前記シリンダに対して退出側へ移動するときに減衰力を発生し、
前記第2減衰力発生機構は、前記ピストンロッドが前記シリンダに対して進入側へ移動するときに減衰力を発生することを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。 - 前記シリンダの外周に設けられた外筒と、前記外筒と前記シリンダとの間に形成されたリザーバと、両端がシール部材を介して前記シリンダの外周に嵌合された中間筒と、前記中間筒と前記シリンダとの間に形成された環状通路と、前記中間筒に設けられ、前記環状通路を前記第2減衰力発生機構に連通させる接続口と、を有し、
前記シリンダには、前記ピストンにより区画された前記シリンダ内の2室のうち、前記ピストンロッドが前記シリンダに対して進入側へ移動するときに圧縮される側の室と、前記環状通路と、を連通させる連通孔が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021041532A JP2022141301A (ja) | 2021-03-15 | 2021-03-15 | シリンダ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021041532A JP2022141301A (ja) | 2021-03-15 | 2021-03-15 | シリンダ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022141301A true JP2022141301A (ja) | 2022-09-29 |
Family
ID=83402680
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021041532A Pending JP2022141301A (ja) | 2021-03-15 | 2021-03-15 | シリンダ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022141301A (ja) |
-
2021
- 2021-03-15 JP JP2021041532A patent/JP2022141301A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5960915A (en) | Hydraulic shock absorber of damping force adjusting type | |
KR101822764B1 (ko) | 액압 완충기 | |
JP4491270B2 (ja) | 油圧緩衝器 | |
US9759284B2 (en) | Damping valve | |
US9810280B2 (en) | Damping valve | |
KR102589604B1 (ko) | 완충기 및 완충기의 조립 방법 | |
WO2020195264A1 (ja) | 減衰力調整式緩衝器 | |
WO2017145983A1 (ja) | 減衰力調整式緩衝器 | |
JP7416672B2 (ja) | 減衰力調整式緩衝器及び減衰力調整弁 | |
JP2022141301A (ja) | シリンダ装置 | |
KR20010062123A (ko) | 유압 완충기 | |
KR102627961B1 (ko) | 감쇠력 조정식 완충기 | |
JP7213161B2 (ja) | 減衰力調整式緩衝器 | |
JP2022152580A (ja) | 緩衝器 | |
WO2023084896A1 (ja) | 減衰力調整式緩衝器、減衰バルブ、及びソレノイド | |
JP7129385B2 (ja) | 減衰力調整式緩衝器 | |
WO2022209576A1 (ja) | 緩衝器及びバルブ装置 | |
US12066075B2 (en) | Shock absorber | |
WO2022249623A1 (ja) | 緩衝器及び緩衝器の製造方法 | |
US20240083208A1 (en) | Solenoid, damping force adjustment mechanism, and damping force adjustable shock absorber | |
US20230386717A1 (en) | Solenoid, damping force adjustment mechanism, and damping force adjustable shock absorber | |
JP7320481B2 (ja) | 緩衝器 | |
JP7069353B2 (ja) | 緩衝器 | |
US20230352226A1 (en) | Solenoid, damping force adjustment mechanism, and damping force adjustable shock absorber | |
JP2023173189A (ja) | 緩衝器 |