JP2022140340A - 耐食層を有する鉄系金属管 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐食性の向上された耐食層を有する鉄系金属管を提供すること。【解決手段】亜鉛、アルミニウムおよび無機系展着剤を含有する塗料を塗布して得られた耐食層を外表面に有する鉄系金属管であって、前記耐食層中の亜鉛の含有量が85~90質量%であり、アルミニウムの含有量が0.25~2.0質量%である鉄系金属管。【選択図】なし
Description
本発明は、外面に耐食層を有する鉄系金属管、とりわけ、所定のジンクリッチペイントによる塗膜を有する耐食性に優れた鋳鉄管に関する。
従来、上下水道管等には鋳鉄管や鋼管等の鉄系金属管が用いられている。例えばこのような鉄系金属管の外面には、地中に埋設する水道管の腐食を防止するために、亜鉛系溶射やジンクリッチペイント等の亜鉛系プライマーによる下塗りを施し、この亜鉛系プライマー層の上塗り塗料として、例えば日本水道協会規格JWWA K 139「水道用ダクタイル鋳鉄管合成樹脂塗料」の基準を満たす合成樹脂塗料を塗装して塗膜層を形成することが行われている。
ここで、ジンクリッチペイントは亜鉛系溶射に比べて刷毛などにより形状が複雑な部位においても塗装が容易に行えるというメリットがある。ジンクリッチペイントによる鉄系金属の防食効果は、亜鉛の白錆発生による犠牲陽極作用であるが、亜鉛単体では犠牲陽極作用による亜鉛の溶出が大きく、長寿命化が難しい。
特許文献1には、金属粉末を含む塗料において、金属粉末および展着剤を質量比で6:4~8:2含有する塗料において、金属粉末中に亜鉛に加えアルミニウムを5~50質量%含有させることにより、防食性能の向上が図られ、アルミニウムの含有量が金属組成中3質量%未満では亜鉛にアルミニウムを加えることによる実質的な防食性能の向上効果を得にくくなることが記載されている。
しかしながら、亜鉛のより高い含有量を有するジンクリッチペイントでは、アルミニウムを添加することによりアルミニウムの不動態被膜形成の影響により、亜鉛の犠牲陽極作用が阻害される場合があり、耐食性についてはさらに改善の余地がある。
したがって、本発明は耐食性の向上された耐食層を有する鉄系金属管を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、鉄系金属管の耐食層に用いる無機展着剤を用いるジンクリッチペイントにおいて、得られる耐食層中の亜鉛の含有量が85~90質量%であり、アルミニウムの含有量が所定量となるように亜鉛およびアルミニウムを含有させることにより、耐食性がより向上することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]亜鉛、アルミニウムおよび無機系展着剤を含有する塗料を塗布して得られた耐食層を外表面に有する鉄系金属管であって、
前記耐食層中の亜鉛の含有量が85~90質量%、好ましくは87~90質量%であり、アルミニウムの含有量が0.25~2.0質量%、好ましくは0.5~2.0質量%、より好ましくは0.5~1.5質量%、さらに好ましくは0.75~1.5質量%、特に好ましくは0.75~1.25質量%である鉄系金属管、
[2]前記無機系展着剤が、アルキルシリケート樹脂である上記[1]記載の鉄系金属管、
[3]前記耐食層の外面に合成樹脂塗料による被膜層が形成されている上記[1]または[2]記載の鉄系金属管、ならびに
[4]鋳鉄管である上記[1]~[3]のいずれかに記載の鉄系金属管
に関する。
[1]亜鉛、アルミニウムおよび無機系展着剤を含有する塗料を塗布して得られた耐食層を外表面に有する鉄系金属管であって、
前記耐食層中の亜鉛の含有量が85~90質量%、好ましくは87~90質量%であり、アルミニウムの含有量が0.25~2.0質量%、好ましくは0.5~2.0質量%、より好ましくは0.5~1.5質量%、さらに好ましくは0.75~1.5質量%、特に好ましくは0.75~1.25質量%である鉄系金属管、
[2]前記無機系展着剤が、アルキルシリケート樹脂である上記[1]記載の鉄系金属管、
[3]前記耐食層の外面に合成樹脂塗料による被膜層が形成されている上記[1]または[2]記載の鉄系金属管、ならびに
[4]鋳鉄管である上記[1]~[3]のいずれかに記載の鉄系金属管
に関する。
本発明によれば、亜鉛、アルミニウムおよび無機系展着剤を含有する塗料を塗布して得られた耐食層を外表面に有する鉄系金属管において、耐食層中の亜鉛の含有量を85~90質量%、アルミニウムの含有量を0.25~2.0質量%とすることにより、耐食性がより向上した鉄系金属管を得ることができる。
本発明は、亜鉛、アルミニウムおよび無機系展着剤を含有する塗料を塗布して得られた耐食層を外表面に有する鉄系金属管であって、前記耐食層中の亜鉛の含有量が85~90質量%、アルミニウムの含有量が0.25~2.0質量%である鉄系金属管に関するものである。ジンクリッチペイントにアルミニウムを添加する態様は、アルミニウムの不動態被膜形成を利用し、アルミニウムによる耐食性を付与するとともに、亜鉛の過剰な犠牲陽極作用を抑制することによりジンクリッチペイントの耐食性の長寿命化を達成するものであるが、亜鉛を85~90質量%と高い含有量で含有する際には、アルミニウムの添加量が高いと逆に赤錆の発生が助長される。これは、アルミニウムの不動態被膜形成の影響により逆に亜鉛の犠牲陽極作用が阻害されることに起因すると考えられ、アルミニウムに起因する膨れの発生も懸念される。アルミニウムの含有量を0.25~2.0質量%とすることにより、このような弊害を生じることなくより耐食性が向上されるものと考えられる。
<耐食層>
本発明により鉄系金属管の外面に施される耐食層は、亜鉛、アルミニウムおよび無機系展着剤を含有する塗料(ジンクリッチペイント)を塗布して得られるものであり、実質的には亜鉛、アルミニウムおよび無機系展着剤からなることが好ましい。また、本明細書において亜鉛およびアルミニウムの含有量について記載する場合、その値は、耐食層(乾燥塗膜)における含有率を示すものとする。
本発明により鉄系金属管の外面に施される耐食層は、亜鉛、アルミニウムおよび無機系展着剤を含有する塗料(ジンクリッチペイント)を塗布して得られるものであり、実質的には亜鉛、アルミニウムおよび無機系展着剤からなることが好ましい。また、本明細書において亜鉛およびアルミニウムの含有量について記載する場合、その値は、耐食層(乾燥塗膜)における含有率を示すものとする。
(亜鉛)
耐食層に用いられる亜鉛は亜鉛粉末として含有させることができ、亜鉛粉末としては、通常のジンクリッチペイントに使用されているものと同様のものを使用することができる。例えば、金属亜鉛の粉末状のものやフレーク状のものなどが挙げられる。また、亜鉛をすでに含有する無機展着剤を使用した市販のジンクリッチペイントを用いることもできる。その場合には、本発明の亜鉛およびアルミニウムの含有量を満たすものとなるように、亜鉛やアルミニウムをさらに添加して用いる。
耐食層に用いられる亜鉛は亜鉛粉末として含有させることができ、亜鉛粉末としては、通常のジンクリッチペイントに使用されているものと同様のものを使用することができる。例えば、金属亜鉛の粉末状のものやフレーク状のものなどが挙げられる。また、亜鉛をすでに含有する無機展着剤を使用した市販のジンクリッチペイントを用いることもできる。その場合には、本発明の亜鉛およびアルミニウムの含有量を満たすものとなるように、亜鉛やアルミニウムをさらに添加して用いる。
耐食層中の亜鉛の含有量は、85質量%以上であり、87質量%以上であることが好ましい。亜鉛の含有量が85質量%未満であると、亜鉛による犠牲陽極作用の効果が弱くなり、赤錆発生が助長され、耐久性が低下するおそれがある。また、本発明の耐食層中の亜鉛の含有量は、90質量%以下である。亜鉛の含有量が90質量%を超えると、必要な量の展着剤を含有させることができず、塗装作業性の低下や塗膜付着性の低下が生じるおそれがある。
(アルミニウム)
アルミニウムとしては粉末状またはペースト状のものを使用することができるが、アルミペーストにはペースト状にするために樹脂が混ぜられており、この樹脂が添加後にZnやAl粉末の連続性を阻害する要因となる可能性があり、赤錆発生を助長させる要因となり得るためアルミニウムは粉末状のものを使用することが好ましい。
アルミニウムとしては粉末状またはペースト状のものを使用することができるが、アルミペーストにはペースト状にするために樹脂が混ぜられており、この樹脂が添加後にZnやAl粉末の連続性を阻害する要因となる可能性があり、赤錆発生を助長させる要因となり得るためアルミニウムは粉末状のものを使用することが好ましい。
耐食層中のアルミニウムの含有量は、0.25質量%以上であり、0.5質量%以上が好ましく、0.75質量%以上がより好ましい。アルミニウムの含有量が0.25質量%未満であると、十分に亜鉛の溶出を抑制することができなくなるおそれがある。また、本発明の耐食層中のアルミニウムの含有量は、2.0質量%以下であり、1.5質量%以下が好ましく、1.25質量%以下がより好ましい。アルミニウムの含有量が2.0質量%を超えると、アルミニウムの不動態被膜形成の影響により亜鉛の犠牲陽極作用が阻害され、赤錆の発生が助長されるおそれや、アルミニウムに起因する膨れが発生するおそれがある。耐食層中のアルミニウムの含有量の好ましい範囲は、0.25~2.0質量%の範囲の中で様々な要因により変わるが、例えば、0.5~2.0質量%、0.5~1.5質量%、0.25~1.25質量%、0.75~2.0質量%、0.75~1.5質量%、0.75~1.25質量%などである。
(金属粉末)
亜鉛やアルミニウムの金属粉末の形状は、球状、フレーク状であることが好ましい。粉末が球状である場合は、平均粒径が10μm~20μm程度であることが好ましい。また、フレーク状である場合、平均長さが40μm程度、厚さが10μm程度であることが好ましい。
亜鉛やアルミニウムの金属粉末の形状は、球状、フレーク状であることが好ましい。粉末が球状である場合は、平均粒径が10μm~20μm程度であることが好ましい。また、フレーク状である場合、平均長さが40μm程度、厚さが10μm程度であることが好ましい。
(無機系展着剤)
無機系の展着剤としては、特に限定されるものではないが、アルキルシリケート樹脂を用いることが好ましい。
無機系の展着剤としては、特に限定されるものではないが、アルキルシリケート樹脂を用いることが好ましい。
耐食層を形成するジンクリッチペイントを塗装する方法としては、エアレススプレー塗装、エアスプレー塗装、ローラーや刷毛などを使用することができる。
耐食層の膜厚は、鋳鉄管の種類や用途によって適宜設定することができるが、水道管用の鋳鉄の場合、おおよそ75~250μmが好ましく、150~250μmがより好ましい。
<鉄系金属管>
本発明の鉄系金属管は、例えば鋳鉄管、鋼管、銅管などの金属管が挙げられる。鉄系金属管には、その表面にエポキシ系、ラテックス系または亜鉛溶射などの下地処理が施されていても良い。本発明の鉄系金属管の用途としては、上下水道用、貯水用など特に限定されるものではないが、本発明の耐食層の高い耐食性を考慮すると、上下水道用などの鋳鉄管であることが特に好ましい。具体的には、鋳鉄管は、上下水道管などに広く用いられ、様々な埋設環境で使用されることが多く、特に管外面の耐久性、耐食性の向上が求められている。
本発明の鉄系金属管は、例えば鋳鉄管、鋼管、銅管などの金属管が挙げられる。鉄系金属管には、その表面にエポキシ系、ラテックス系または亜鉛溶射などの下地処理が施されていても良い。本発明の鉄系金属管の用途としては、上下水道用、貯水用など特に限定されるものではないが、本発明の耐食層の高い耐食性を考慮すると、上下水道用などの鋳鉄管であることが特に好ましい。具体的には、鋳鉄管は、上下水道管などに広く用いられ、様々な埋設環境で使用されることが多く、特に管外面の耐久性、耐食性の向上が求められている。
<合成樹脂塗料被膜層>
本発明の鉄系金属管には、上述の耐食層の表面に合成樹脂塗料による被膜層を設けることができる。合成樹脂塗料被膜層は、単層としてもよいが、下塗り層および上塗り層の2層としてもよい。合成樹脂塗料被膜層を設けることで、耐食層の防食性を向上させ、耐久性を高めることができる。また、合成樹脂塗料被膜層により鉄系金属管、特に鋳鉄管に美観を付与することができる。
本発明の鉄系金属管には、上述の耐食層の表面に合成樹脂塗料による被膜層を設けることができる。合成樹脂塗料被膜層は、単層としてもよいが、下塗り層および上塗り層の2層としてもよい。合成樹脂塗料被膜層を設けることで、耐食層の防食性を向上させ、耐久性を高めることができる。また、合成樹脂塗料被膜層により鉄系金属管、特に鋳鉄管に美観を付与することができる。
合成樹脂塗料としては、特に限定されるものではなく、通常金属管の外面塗装に使用されているアクリル系樹脂塗料、エポキシ系樹脂塗料などが挙げられる。また、水道用の鋳鉄管については、日本水道協会規格のJWWA K 139「水道用ダクタイル鋳鉄管合成樹脂塗料」に規定される合成樹脂塗料を用いることができる。
具体的には、アクリル系樹脂塗料としては、例えば、大日本塗料(株)製のクリモトコートWR、日本ペイント・インダストリアルコーティングス(株)製のクリモトコートAC-1-SR、日本ペイント・インダストリアルコーティングス(株)製のクリモトコートAC-1などを使用することができる。
また、エポキシ系樹脂塗料としては、例えば、大日本塗料(株)製のクリモトコートNT#100新H、関西ペイント(株)製のクリモトコートNT#100新などを使用することができる。
合成樹脂塗料を塗装する方法としては、エアレススプレー塗装、エアスプレー塗装、ローラーや刷毛などを使用することができる。
合成樹脂塗料を塗装して得られる合成樹脂塗料被膜層の膜厚は、鉄系金属管の種類や用途によって適宜設定することができるが、水道管用の鋳鉄管の場合、おおよそ80~100μmが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例において使用した成分の詳細をつぎに示す。
<ジンクリッチペイント>
・無機ジンクリッチペイント(ゼッタールOL-HB(大日本塗料(株)製)、展着剤(アルキルシリケート樹脂):亜鉛=25:75)
・亜鉛末:堺化学工業(株)製の純亜鉛末(平均粒径:10μm)
・アルミニウム粉末:東洋アルミニウム(株)製のアルミニウム粉末(平均粒径:10μm)
<合成樹脂塗料>
・合成樹脂塗料A:大日本塗料(株)製のダクタイト#100Sグレー(溶剤系アクリル樹脂塗料、JWWA K 139規格品)
・合成樹脂塗料B:大日本塗料(株)製のクリモトコートNT#100新Hグレー(溶剤系二液性エポキシ樹脂塗料、JWWA K 139規格品)
・合成樹脂塗料C:日本ペイントインダストリアルコーティングス製のクリモトコートAC-1グレー(溶剤系アクリル樹脂塗料、JWWA K 139規格品)
<ジンクリッチペイント>
・無機ジンクリッチペイント(ゼッタールOL-HB(大日本塗料(株)製)、展着剤(アルキルシリケート樹脂):亜鉛=25:75)
・亜鉛末:堺化学工業(株)製の純亜鉛末(平均粒径:10μm)
・アルミニウム粉末:東洋アルミニウム(株)製のアルミニウム粉末(平均粒径:10μm)
<合成樹脂塗料>
・合成樹脂塗料A:大日本塗料(株)製のダクタイト#100Sグレー(溶剤系アクリル樹脂塗料、JWWA K 139規格品)
・合成樹脂塗料B:大日本塗料(株)製のクリモトコートNT#100新Hグレー(溶剤系二液性エポキシ樹脂塗料、JWWA K 139規格品)
・合成樹脂塗料C:日本ペイントインダストリアルコーティングス製のクリモトコートAC-1グレー(溶剤系アクリル樹脂塗料、JWWA K 139規格品)
実施例1~10および比較例1~5
無機ジンクリッチペイント(ゼッタールOL-HB)に、必要に応じて亜鉛粉末、アルミニウム粉末を加え、表1または2の組成となるようにジンクリッチペイントを調製した。サンドブラスト処理されたダクタイル鋳鉄片(150×70×6.0~7.5mm)に、調製したジンクリッチペイントを膜厚250μmとなるように刷毛により塗装した。表1にしたがい合成樹脂塗料をエアスプレー塗装により上塗り塗装した。なお、乾燥耐食層から亜鉛およびアルミニウムを除いた残部は、すべて無機展着剤などゼッタールOL-HBに由来する成分である。
無機ジンクリッチペイント(ゼッタールOL-HB)に、必要に応じて亜鉛粉末、アルミニウム粉末を加え、表1または2の組成となるようにジンクリッチペイントを調製した。サンドブラスト処理されたダクタイル鋳鉄片(150×70×6.0~7.5mm)に、調製したジンクリッチペイントを膜厚250μmとなるように刷毛により塗装した。表1にしたがい合成樹脂塗料をエアスプレー塗装により上塗り塗装した。なお、乾燥耐食層から亜鉛およびアルミニウムを除いた残部は、すべて無機展着剤などゼッタールOL-HBに由来する成分である。
試験例:複合サイクル試験
実施例1~10および比較例1~5で得られた試験片の中央に、試験片の対角線に沿ったX字状に鉄地まで達する幅0.3mm×長さ50mmの切れ込みを入れ、複合サイクル試験(JIS K 5600-7-9(2006)、附属書CのサイクルA:順に、塩水噴霧試験(35±1℃、2時間)、乾燥(60℃±1℃、4時間)、浸潤(50±1℃、2時間)を1サイクルとする試験)で42サイクル(2週間)、90サイクル(1ヵ月)、180サイクル(2ヵ月)、360サイクル(4ヵ月)の評価を実施した。赤錆が発生したときの試験サイクル数を比較し、耐食性を評価した。結果を表1または2に示す。ただし、試験片端10mmの範囲は赤錆の評価範囲外とした。性能目標は○△以上とする。
実施例1~10および比較例1~5で得られた試験片の中央に、試験片の対角線に沿ったX字状に鉄地まで達する幅0.3mm×長さ50mmの切れ込みを入れ、複合サイクル試験(JIS K 5600-7-9(2006)、附属書CのサイクルA:順に、塩水噴霧試験(35±1℃、2時間)、乾燥(60℃±1℃、4時間)、浸潤(50±1℃、2時間)を1サイクルとする試験)で42サイクル(2週間)、90サイクル(1ヵ月)、180サイクル(2ヵ月)、360サイクル(4ヵ月)の評価を実施した。赤錆が発生したときの試験サイクル数を比較し、耐食性を評価した。結果を表1または2に示す。ただし、試験片端10mmの範囲は赤錆の評価範囲外とした。性能目標は○△以上とする。
(判定基準)
◎:360サイクル後に赤錆、フクレなし
○:180サイクル後に赤錆、フクレなし
○△:180サイクル後に切り込み部分にわずかな赤錆あり、フクレなし
△:180サイクル後に切り込み部の一部に赤錆あり、少しフクレあり
×:180サイクル後に切り込み部分全体に赤錆あり、フクレあり
◎:360サイクル後に赤錆、フクレなし
○:180サイクル後に赤錆、フクレなし
○△:180サイクル後に切り込み部分にわずかな赤錆あり、フクレなし
△:180サイクル後に切り込み部の一部に赤錆あり、少しフクレあり
×:180サイクル後に切り込み部分全体に赤錆あり、フクレあり
表1および2の結果より、耐食層中のアルミニウムの含有量が0.25~2.0質量%の範囲内である実施例1~10ではアルミニウムを含まない比較例1およびアルミニウムの含有量がそれぞれ0.1、2.25、2.5および3.0質量%である比較例2~5と比べて耐食性が向上していることがわかる。また、アルミニウムの含有量が0.5~2.0質量%の範囲内である実施例2~10でより良好な耐食性を示し、アルミニウムの含有量が0.25~1.25質量%の範囲内である実施例3~7で耐食性が最も向上していることがわかる。
Claims (4)
- 亜鉛、アルミニウムおよび無機系展着剤を含有する塗料を塗布して得られた耐食層を外表面に有する鉄系金属管であって、
前記耐食層中の亜鉛の含有量が85~90質量%であり、アルミニウムの含有量が0.25~2.0質量%である鉄系金属管。 - 前記無機系展着剤が、アルキルシリケート樹脂である請求項1記載の鉄系金属管。
- 前記耐食層の外面に合成樹脂塗料による被膜層が形成されている請求項1または2記載の鉄系金属管。
- 鋳鉄管である請求項1~3のいずれか1項に記載の鉄系金属管。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021040487 | 2021-03-12 | ||
JP2021040487 | 2021-03-12 |
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