JP2022140233A - 熱交換素子の製造方法 - Google Patents

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正人 本多
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真司 吉田
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Abstract

【課題】熱交換素子の外表面に外力が生じた場合に、リブと伝熱板との剥離が生じにくく、換気量の低下を抑制できる熱交換素子の製造方法を提供する。【解決手段】熱交換素子の製造方法は、伝熱板13の一方の面に複数のリブ(内リブ14a、外リブ14b)を形成して熱交換素子ピース15を形成する第一工程と、熱交換素子ピース15を1層ずつ交互に積層して互いに接合した積層体6aを形成する第二工程と、積層体6aを積層方向に圧着して、排気風路と給気風路を形成する第三工程とを有する。そして、第二工程では、熱交換素子ピース15を1層ずつ積層する際、前層の熱交換素子ピース15aの伝熱板13に対して接着剤41を形成し、後層の熱交換素子ピース15bのリブ14を積層して接合させる。【選択図】図6

Description

本発明は、寒冷地等で使用され、室内の空気を室外へ排気する排気流と室外の空気を室内へ給気する給気流との間で熱交換する熱交換素子の製造方法に関するものである。
従来の熱交換形換気装置に用いられる熱交換素子の構造としては、シール性(空気流路を流れる空気が外に漏れることを抑制するシール機能)の向上による信頼性を確保するため、例えば特許文献1に示すような構造が知られている。
図13は、従来の熱交換素子の構造を示す分解斜視図である。
図13に示すように、従来の熱交換素子101は、伝熱性を備えた機能紙103及びリブ104で構成された熱交換素子単体102が上下方向に複数積層されることによって構成されている。機能紙103の一方の面上には、紙紐105及び紙紐105を機能紙103に接着するホットメルト樹脂106とで構成されたリブ104が所定間隔で並列に複数設けられている。リブ104が複数設けられるによって、上下に隣接して積層される一対の熱交換素子単体102間には、面方向に複数の間隙が生じる。面方向に設けられた複数の間隙により、空気流路107が形成されている。熱交換素子101は、空気流路107が上下方向に積層されるように構成されており、上下方向に隣接する空気流路107の送風方向は、互いに直交するように構成されている。これにより、上下方向に積層された複数の熱交換素子単体102毎に、給気流と排気流とが交互に通風するように構成することで、給気流と排気流との間で熱交換が行われる。
特開平11-248390号公報
従来の熱交換素子101は、機能紙103の一方の面上に、略円形の紙紐105をホットメルト樹脂106で被包したリブ104を形成し、機能紙103と接着させることで、機能紙103間の間隔を維持し、機能紙103にリブ104を接着した熱交換素子単体102を交互に積層することによって製造される。つまり、熱交換素子単体102を積層する場合、リブ104にホットメルト樹脂106を塗布して熱交換素子単体102を組み合わせていた。しかしながら、リブ104の表面へホットメルト樹脂106を塗布する際、リブ14の表面に塗りムラが発生し、積層する機能紙103と安定した接合が難しく、熱交換素子単体102で形成される風路において隙間が生じてしまう。その結果、従来の熱交換素子の製造方法では、製造された熱交換素子には、隙間から気流の漏れが生じやすいという課題がある。
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、風路からの気流の漏れが生じにくい熱交換素子の製造方法を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明に係る熱交換素子の製造方法は、伝熱性を有する仕切部材と、仕切部材の一方の面に設けた複数の間隔保持部材とを備える単位構成部材を積層して排気風路と給気風路を1層ずつ交互に構成し、排気風路を流通する排気流と給気風路を流通する給気流とが仕切部材を介して熱交換する熱交換素子の製造方法である。熱交換素子の製造方法は、仕切部材の一方の面に複数の間隔保持部材を形成して単位構成部材を形成する第一工程と、単位構成部材を1層ずつ交互に積層して互いに接合した積層体を形成する第二工程と、積層体を積層方向に圧着することにより、排気風路と給気風路とを形成する第三工程とを有する。そして、第二工程では、単位構成部材を1層ずつ積層する際、前層の単位構成部材の仕切部材に対して接着部材を形成し、後層の単位構成部材の間隔保持部材と接合させる。これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、風路からの気流の漏れが生じにくい熱交換素子の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る熱交換形換気装置の住宅における設置例を示す模式図である。 図2は、同熱交換形換気装置の構造を示す模式図である。 図3は、同熱交換形換気装置に用いられる熱交換素子の構造を示す分解斜視図である。 図4は、同熱交換素子を構成するリブの構造を示す部分拡大図である。 図5は、同熱交換素子を構成する熱交換素子ピースの製造方法を説明するための断面図である。 図6は、同熱交換素子の製造方法を説明するための断面図である。 図7は、同熱交換素子の製造方法を説明するための断面図である。 図8は、比較例に係る熱交換素子の製造方法を説明するための断面図である。 図9は、本発明の実施の形態2に係る熱交換素子の製造方法を説明するための断面図である。 図10は、同熱交換素子の製造方法を説明するための断面図である。 図11は、本発明の実施の形態3に係る熱交換素子の製造に用いるリブを説明するための模式図である。 図12は、同実施の形態3の変形例に係る熱交換素子の製造に用いるリブを説明するための模式図である。 図13は、従来の熱交換素子の構造を示す分解斜視図である。
本発明に係る熱交換素子の製造方法は、伝熱性を有する仕切部材と、仕切部材の一方の面に設けた複数の間隔保持部材とを備える単位構成部材を積層して排気風路と給気風路を1層ずつ交互に構成し、排気風路を流通する排気流と給気風路を流通する給気流とが仕切部材を介して熱交換する熱交換素子の製造方法である。熱交換素子の製造方法は、仕切部材の一方の面に複数の間隔保持部材を形成して単位構成部材を形成する第一工程と、単位構成部材を1層ずつ交互に積層して互いに接合した積層体を形成する第二工程と、積層体を積層方向に圧着することにより、排気風路と給気風路とを形成する第三工程とを有する。そして、第二工程では、単位構成部材を1層ずつ積層する際、前層の単位構成部材の仕切部材に対して接着部材を形成し、後層の単位構成部材の間隔保持部材と接合させる。
こうした熱交換素子の製造方法によれば、第二工程において、前層の単位構成部材の仕切部材の表面に塗ムラなく均一に接着部材を形成することができ、積層する後層の単位構成部材を安定して接合させることができる。この結果、前層の単位構成部材と後層の単位構成部材との間を強固に接合することが可能となる。つまり、これにより製造された熱交換素子は、熱交換素子の外周表面に外力が生じた場合において、外周側の間隔保持部材と仕切部材との間で剥離が生じにくく、換気量の低下を抑制することができる。したがって、上述した熱交換素子の製造方法によれば、風路からの気流の漏れが生じにくい熱交換素子を製造することができる。
また、本発明に係る熱交換素子の製造方法において、第二工程では、前層の仕切部材に対して後層の単位構成部材の間隔保持部材との接点となる部分に接着部材を形成し、接点に対して後層の単位構成部材の間隔保持部材を接合させることが好ましい。これにより、前層の仕切部材における所定の位置に後層の単位構成部材の間隔保持部材を確実に形成し所定の接着力を発揮できる。
また、本発明に係る熱交換素子の製造方法において、第二工程では、後層の単位構成部材の間隔保持部材を接合した後に、前層の仕切部材の外延部分を、後層の仕切部材と接合させるようにしてもよい。このようにすることで、前層の仕切部材で後層の端辺の間隔保持部材を被覆するため、熱交換素子の外周表面を強固に形成することができる。この結果、熱交換素子の外周表面に外力が生じた場合において、外周側の間隔保持部材と仕切部材との間で剥離が生じにくく、換気量の低下をさらに抑制することが可能な熱交換素子を製造することができる。
また、本発明に係る熱交換素子の製造方法において、第一工程の前に、間隔保持部材を調整する第四工程を有し、第四工程では、所定の第一間隔保持部材を吸水膨潤させた後に乾燥させて第二間隔保持部材とし、第二間隔保持部材を間隔保持部材として調整してもよい。このようにすることで、第二間隔保持部材からなる間隔保持部材が熱交換素子の製造後において吸水吸湿して膨張しにくくなり、間隔保持部材と仕切部材とを接着する接着部材の破断を抑制することができる。つまり、これにより製造された熱交換素子は、熱交換素子の外周表面に外力が生じた場合において、外周側の間隔保持部材と仕切部材との間での剥離がさらに生じにくくなり、換気量の低下を抑制することができる。したがって、上述した熱交換素子の製造方法によれば、風路からの気流の漏れが生じにくい熱交換素子を製造することができる。
また、本発明に係る熱交換素子の製造方法において、第四工程では、第二間隔保持部材の表面の一部に溶融層を形成して第三間隔保持部材とし、第三間隔保持部材を間隔保持部材として調整することが好ましい。これにより、溶融層によって間隔保持部材の表面での剛性が向上するため、間隔保持部材が吸水吸湿して膨張しにくくなり、間隔保持部材と仕切部材とを接着する接着部材の破断をさらに抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施の形態1)
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態1に係る熱交換素子6を備えた熱交換形換気装置2の概略について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る熱交換素子6を備える熱交換形換気装置2の住宅(家1)における設置例を示す模式図である。図2は、熱交換形換気装置2の構造を示す模式図である。
図1において、家1の屋内には、熱交換形換気装置2が設置されている。熱交換形換気装置2は、家1において、屋内の空気と屋外の空気とを熱交換しながら換気する装置である。
図1に示す通り、排気流3は、図1の黒色矢印のごとく、熱交換形換気装置2を介して家1の屋内から屋外に放出される。排気流3は、家1の屋内から屋外に排出される空気の流れである。また、給気流4は、図1の白色矢印のごとく、熱交換形換気装置2を介して家1の屋外から屋内に取り入れられる空気の流れである。すなわち、給気流4は、家1の屋外から屋内に取り込まれる空気の流れである。例えば、日本の冬季の場合と、排気流3は20℃~25℃であり、給気流4は氷点下に達する場合がある。熱交換形換気装置2は、換気を行うとともに、換気時に排気流3の熱を給気流4へと伝達し、不用な熱の放出を抑制、すなわち排気流3により屋外に排出される熱を給気流4により屋内に取り込むことができる。
熱交換形換気装置2は、図2に示す通り、本体ケース5、熱交換素子6、排気ファン7、内気口8、排気口9、給気ファン10、外気口11、及び給気口12を備えている。本体ケース5は、熱交換形換気装置2の外枠である。本体ケース5の外周には、内気口8、排気口9、外気口11、及び給気口12が形成されている。内気口8は、排気流3を屋内から熱交換形換気装置2に吸い込む吸込口である。排気口9は、排気流3を熱交換形換気装置2から屋外に吐き出す吐出口である。外気口11は、給気流4を屋外から熱交換形換気装置2に吸い込む吸込口である。給気口12は、給気流4を熱交換形換気装置2から屋内に吐き出す吐出口である。
本体ケース5の内部には、熱交換素子6、排気ファン7、及び給気ファン10が取り付けられている。熱交換素子6は、排気流3と給気流4との間で熱交換を行うための部材である。排気ファン7は、排気流3を屋内から内気口8を介して吸い込み、排気口9を介して屋外に吐出する送風機である。給気ファン10は、給気流4を屋外から外気口11を介して吸い込み、給気口12を介して屋内に吐出する送風機である。排気ファン7を駆動することにより屋内から内気口8を介して吸い込まれた排気流3は、熱交換素子6及び排気ファン7を経由し、排気口9を介して屋外に排出される。また、給気ファン10を駆動することにより屋外から外気口11を介して吸い込まれた給気流4は、給気ファン10を経由し、給気口12を介して屋内に供給される。
次に、図3及び図4を参照して熱交換素子6について説明する。図3は、熱交換形換気装置2に用いられる熱交換素子6の構造を示す分解斜視図である。図4は、熱交換素子6を構成するリブ14の構造を示す部分拡大図である。なお、リブ14は、内リブ14aと外リブ14bとを有するが、以下ではこれらを特に区別して記載する必要がないときは、単にリブ14と記載している。
図3に示すように、熱交換素子6は、複数の熱交換素子ピース15から構成される。各熱交換素子ピース15には、略正方形の伝熱板13の一方の面の下に複数のリブ14(後述する内リブ14a、外リブ14b)が接着されている。熱交換素子6は、積層方向(上下方向)に隣接する熱交換素子ピース15のリブ14の長手方向が互いに直交するように、隣接する熱交換素子ピース15の向きを変えて複数積層するように構成されている。これにより、排気流3が通風する排気風路16と、給気流4が通風する給気風路17とを、熱交換素子ピース15の積層方向において交互に設けることができる。したがって、排気流3と給気流4とが熱交換素子ピース15の積層方向において交互に直交して流れるようになるため、熱交換素子6は、排気流3と給気流4との間で伝熱板13を介して熱交換が可能となる。
熱交換素子ピース15は、熱交換素子6を構成する一つのユニットである。上述のように、熱交換素子ピース15は、略正方形の伝熱板13の一方の面下に複数のリブ14を接着されて構成されている。伝熱板13下のリブ14は、長手方向が伝熱板13の一つの端辺から、これに対向する端辺に向かうように形成されている。複数のリブ14のそれぞれは、直線状に形成されている。そして、複数のリブ14は、伝熱板13の面下に所定の間隔で並列配置されている。具体的には、図3に示すように、上下に隣接する2つの熱交換素子ピース15のうち、一方の熱交換素子ピース15を構成する伝熱板13の一方の面の下には、リブ14の長手方向が、この伝熱板13の端辺13aから対向する端辺13c側に向かうように、リブ14が接着されて構成されている。また、他方の熱交換素子ピース15を構成する伝熱板13の一方の面の下には、リブ14の長手方向が、上記一方の熱交換素子ピース15を構成する伝熱板13の端辺13b(端辺13aに垂直である端辺)から対向する端辺13d側に向かうように、リブ14が接着にされて構成されている。特に、後述する外リブ14bは、リブ14の最外周の位置となる伝熱板13の端辺(外縁)において、端辺13bおよび端辺13dに沿って形成されている。
伝熱板13は、伝熱板13を挟んで排気流3と給気流4とが流れたときに熱交換をするための板状の部材である。伝熱板13は、伝熱性を備えた薄いシートであって、気体が透過しない性質のものを用いることができる。伝熱板13は、セルロース繊維をベースとした伝熱紙によって形成され、伝熱性と透湿性と吸湿性とを備えており、熱と水分の交換を行う熱交換素子6を得ることができる。但し、伝熱板13の材質は、これに限定されるものではない。伝熱板13は、例えば、アルミニウム、鉄などの金属製のシート、または、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂製のシートを用いることで、熱のみを交換する熱交換素子6を得ることができる。さらに、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート等をベースとした透湿樹脂膜、または、セルロース繊維、セラミック繊維、あるいはガラス繊維をベースとした紙材料などを用いることで熱に加え水分の交換を行う熱交換素子6を得ることができる。
複数のリブ14は、伝熱板13の対向する一対の端辺の間に設けられ、一方の端辺から他方の端辺に向かうように形成されている。リブ14は、伝熱板13を積み重ねるときに伝熱板13間に排気流3または給気流4を通風させるための間隙、即ち排気風路16または給気風路17を形成するための部材である。より詳細には、複数のリブ14は、図3に示すように、伝熱板13の端辺(外縁)に沿って配置された外リブ14bと、両端の外リブ14bとの間に位置する複数の内リブ14aとを有する。外リブ14bは、複数のリブ14のうち、リブ14の最外周の位置となる伝熱板13の外縁おいて、端辺13bまたは端辺13dに沿って形成されたリブである。内リブ14aは、複数のリブ14のうち、両端の外リブ14bの間に挟まれた領域に形成されたリブである。なお、本実施の形態1では、外リブ14bと内リブ14aとは、同じ部材、同じ構造を有して構成されている。
複数のリブ14のそれぞれ(外リブ14b、内リブ14a)は、図4に示すように、断面が略円形状となっている。リブ14は、複数の繊維部材40により構成されており、接着剤41を介して伝熱板13と互いに固着されている。
繊維部材40のそれぞれは、断面が略円形状であり、リブ14と同じ方向に延びる部材である。繊維部材40の材質としては、吸湿性を有し、一定の強度があれば足り、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、あるいはポリアミド等の樹脂部材、または、セルロース繊維、セラミック繊維、あるいはガラス繊維をベースとした紙材料、綿、絹、あるいは麻を用いることができる。
接着剤41は、リブ14に接着力を発揮する薬剤が好ましく、例えば、リブ14に紙紐を用いた場合は、親水性の紙に接着性が良好な酢酸ビニル樹脂系の接着剤が挙げられる。また、製造方法に応じて、湿気硬化、圧力硬化、あるいはUV硬化等の硬化方式を選択することができる。ただし、これらの薬剤に限らずリブ14の材質に応じて既知の接着剤及び接着方法を用いることができ、その効果に差異は生じない。
次に、図5~図7を参照して、熱交換素子6の製造方法について説明する。図5は、熱交換素子6を構成する熱交換素子ピース15の製造方法を説明するための断面図である。ここで、図5の(a)は、伝熱板13のリブ14の接点となる部分Pに接着剤41を塗布する工程を示す断面図である。図5の(b)は、伝熱板13に塗布された接着剤41に接合させるリブ14の位置を合わせる工程を示す断面図である。図5の(c)は、リブ14を伝熱板13に塗布された接着剤41に接合させる工程を示す断面図である。
また、図6は、熱交換素子6の製造方法を説明するための断面図である。ここで、図6の(a)は、前層の熱交換素子ピース15aの伝熱板13のリブ14の接点となる部分Pに接着剤41を塗布する工程を示す断面図である。図6の(b)は、伝熱板13に塗布された接着剤41に接合させる後層の熱交換素子ピース15bのリブ14の位置を合わせる工程を示す断面図である。図6の(c)は、リブ14を伝熱板13に塗布された接着剤41に接合させる工程を示す断面図である。
また、図7は、熱交換素子6の製造方法を説明するための断面図である。ここで、図7の(a)は、熱交換素子ピース15を積層した積層体6aを積層方向に圧縮して積層方向に所定の間隔を有する風路を形成する工程を示す断面図である。図7の(b)は、積層体6aを積層方向に圧縮して作り出される熱交換素子6を示す断面図である。
熱交換素子6の製造方法は、伝熱板13の一方の面に複数のリブ14を形成して熱交換素子ピース15を形成する第一工程と、熱交換素子ピース15を1層ずつ交互に積層した積層体6aを形成する第二工程と、積層体6aを積層方向に圧縮することにより積層方向に所定の間隔を有する排気風路16と給気風路17とを形成する第三工程と、を有する。
以下、各工程(第一工程~第三工程)について具体的に説明する。
まず、第一工程では、図5の(a)に示すように、伝熱板13の一方の面の上にそれぞれ所定の間隔を設けて配置する複数のリブ14の接点となる部分Pに接着剤41を塗布する。また、接点となる部分Pでは、リブ14の幅以下となるように接着剤41を伝熱板13に塗布する。なお、リブ14の接点となる部分Pは、リブ14の接合部となる領域とも言える。次に、図5の(b)に示すように、リブ14を所定の位置に合わせる。リブ14が緩まないように、リブ14の両端を引っ張った状態とする。そして、図5の(c)に示すように、リブ14と伝熱板13を固着させて熱交換素子ピース15を形成する。接着剤41が固まるまで、積層方向から接着面に対して所定の圧をかけて、接着剤41の隙間に空気が入らないようにする。このようにして、第一工程では、図5の(a)~(c)示す工程を繰り返して、熱交換素子ピース15を複数枚形成する。なお、複数枚は、熱交換素子6を製造するのに必要な枚数である。
次に、第二工程では、図6の(a)に示すように、前層の熱交換素子ピース15aにおける伝熱板13のリブ14が固着されていない面(伝熱板13の一方の面の反対側の面)の上にそれぞれ所定の間隔を設けて配置する複数のリブ14のそれぞれの接点となる部分Pに接着剤41を塗布する。図5の(a)に示す工程と同様に、リブ14の幅以下となるように接着剤41を伝熱板13に塗布する。次に、図6の(b)に示すように、後層の熱交換素子ピース15bのリブ14を所定の位置に合わせる。このとき、前層の熱交換素子ピース15aに対して後層の熱交換素子ピース15bを直交させる。前層の熱交換素子ピース15aに皺がよらないように、前層の熱交換素子ピース15aのリブ14に直交する両辺を引っ張った状態とする。そして、図6の(c)に示すように、リブ14と前層の熱交換素子ピース15aの伝熱板13を固着させる。この際、図5の(c)に示す工程と同様に、接着剤41が固まるまで、積層方向(上下方向)から接着面に対して所定の圧をかけて、接着剤41の隙間に空気が入らないようにする。そして、こうした工程を1層ずつ交互に向きを変えて繰り返し行って熱交換素子ピース15を全数積層した積層体6aを形成する。
最後に、第三工程では、図7の(a)に示すように、上述した工程で形成した熱交換素子ピース15の積層体6aに対して、熱交換素子ピース15の積層方向(上下方向)から圧着する。接着剤41で接合される伝熱板13とリブ14の接着位置がずれないように、積層体6aの周囲に障壁を設けて積層方向から均等に圧着する。そして、図7の(b)に示すように、上下の熱交換素子ピース15間を固着して熱交換素子6を形成する。これにより、熱交換素子ピース15の積層方向に所定の間隔(リブ14の高さに相当する間隔)を有する風路(排気風路16、給気風路17)が形成された熱交換素子6が形成される。
ここで、従来の熱交換素子の製造方法の課題について、図8を参照して再度説明する。図8は、比較例に係る熱交換素子の製造方法を説明するための断面図である。ここで、図8の(a)は、前層の熱交換素子ピース15aのリブ14に接着剤41を塗布する工程を示す断面図である。図8の(b)は、リブ14に塗布された接着剤41に接合させる後層の熱交換素子ピース15bの伝熱板13の位置を合わせる工程を示す断面図である。図8の(c)は、伝熱板13をリブ14に塗布された接着剤41に接合させる工程を示す断面図である。なお、比較例に係る熱交換素子の製造方法は、従来の熱交換素子の製造方法に相当する。
図8の(a)に示すように、熱交換素子ピース15を交互に積層する際、リブ14が略円形形状の場合、リブ14の表面に接着剤41を塗布すると、接着剤41がリブ14の表面に塗りムラとなって形成されることがある。
そして、図8の(b)に示すように、塗りムラのある接着剤41が形成された前層の熱交換素子ピース15aのリブ14に後層の熱交換素子ピース15bの伝熱板13を接合させようとしても、前層の熱交換素子ピース15aのリブ14と後層の熱交換素子ピース15bの伝熱板13とで安定した接合が難しく、塗りムラに起因してリブ14と伝熱板13との間に隙間が生じる。この結果、熱交換素子の風路からの気流の漏れが生じやすい状態となる。比較例に係る熱交換素子の製造方法によって製造された熱交換素子では、こうした状態が課題となっている。
これに対して、本実施の形態における熱交換素子6の製造方法(第二工程)では、図6の(a)に示したように、前層の熱交換素子ピース15aのリブ14が接合されていない面の伝熱板13に接着剤41を塗布している。このため、シート状の伝熱板13に、ムラなく接着剤41が塗布されるので、安定した接合が可能となる。
以上、本実施の形態1に係る熱交換素子6の製造方法によれば、以下の効果を享受することができる。
(1)熱交換素子6の製造方法は、伝熱性を有する伝熱板13と、伝熱板13の一方の面に設けた複数のリブ14とを備える熱交換素子ピース15を積層して排気風路16と給気風路17を1層ずつ交互に構成し、排気風路16を流通する排気流3と給気風路17を流通する給気流4とが伝熱板13を介して熱交換する熱交換素子6の製造方法である。熱交換素子6の製造方法は、伝熱板13の一方の面に複数のリブ14を形成して熱交換素子ピース15を形成する第一工程と、熱交換素子ピース15を1層ずつ交互に積層して互いに接合した積層体6aを形成する第二工程と、積層体6aを積層方向に圧着することにより、排気風路16と給気風路17とを形成する第三工程とを有する。そして、第二工程では、熱交換素子ピース15を1層ずつ積層する際、前層の熱交換素子ピース15aの伝熱板13に対して接着剤41を形成し、後層の熱交換素子ピース15bのリブ14と接合させるようにした。
こうした熱交換素子6の製造方法によれば、第二工程において、前層の熱交換素子ピース15aの伝熱板13の表面に塗ムラなく均一に接着剤41を形成することができ、積層する後層の熱交換素子ピース15bを安定して接合させることができる。この結果、前層の熱交換素子ピース15aと後層の熱交換素子ピース15bとの間を強固に接合することが可能となる。つまり、これにより製造された熱交換素子は、熱交換素子6の外周表面に外力が生じた場合において、外周側のリブ14(外リブ14b)と伝熱板13との間で剥離が生じにくく、換気量の低下を抑制することができる。つまり、上述した熱交換素子6の製造方法によれば、風路からの気流の漏れが生じにくい熱交換素子6を製造することができる。
(2)熱交換素子6製造方法において、第二工程では、前層の熱交換素子ピース15aの伝熱板13に対して、後層のリブ14の接点となる部分Pに接着剤41を塗布するようにした。これにより、伝熱板13とリブ14の接着力を強化し、風路からの気流の漏れが生じにくい熱交換素子6を製造することができる。
(3)熱交換素子6製造方法において、第二工程では、前層の熱交換素子ピース15aの伝熱板13に対して、後層のリブ14を引っ張った状態で伝熱板13上の接着剤41に固着するようにした。これにより、リブ14が撓まないようになり、確実に伝熱板13上に塗布された接着剤41に接合させることができる。つまり、伝熱板13とリブ14の接着力を強化し、風路からの気流の漏れが生じにくい熱交換素子6を製造することができる。
(実施の形態2)
次に、図9及び図10を参照して、本発明の実施の形態2に係る熱交換素子26の製造方法について説明する。図9は、本発明の実施の形態2に係る熱交換素子26の製造方法を説明するための断面図である。ここで、図9の(a)は、前層の熱交換素子ピース25aの伝熱板23の外リブ24bの接点となる部分P1及びその外延の部分と、内リブ24aの接点となる部分P2とに接着剤41aをそれぞれ塗布する工程を示す断面図である。図9の(b)は、伝熱板23に塗布された接着剤41aに接合させる後層の熱交換素子ピース25bのリブ24(内リブ24a、外リブ24b)の位置を合わせる工程を示す断面図である。図9の(c)は、リブ24を伝熱板23に塗布された接着剤41aに接合させる工程を示す断面図である。図9の(d)は、前層の熱交換素子ピース25aの伝熱板23の接着剤41aが塗布された外延の部分を前層の熱交換素子ピース25aの伝熱板23の外リブ24bが接着された部分の反対側に巻き込んで接合させる工程を示す断面図である。
また、図10は、熱交換素子26の製造方法を説明するための断面図である。ここで、図10の(a)は、熱交換素子ピース25を積層した積層体26aを積層方向に圧縮して積層方向に所定の間隔を有する風路を形成する工程を示す断面図である。図10の(b)は、積層体26aを積層方向に圧縮して作り出される熱交換素子26を示す断面図である。
実施の形態2に係る熱交換素子26の製造方法では、前層の熱交換素子ピース25aの伝熱板23が、後層の熱交換素子ピース25bの伝熱板23を挟んで外リブ24bを被覆する位置まで延設されるように製造している点で実施の形態1に係る熱交換素子6の製造方法と異なる。これ以外の熱交換素子26の製造方法は、実施の形態1に係る熱交換素子6の製造方法と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。また、リブ24、熱交換素子ピース25、接着剤41a、及び熱交換素子26は、実施の形態1におけるリブ14、熱交換素子ピース15、接着剤41、及び熱交換素子6の各部材と対応したものである。但し、伝熱板23は、実施の形態1の伝熱板13とは異なり、上面に接合するリブ24に直交する方向の寸法がリブ24に平行する方向の寸法より長いものである。
図9の(a)に示すように、外リブ24bが接合される位置よりも外側に伝熱板23が存在するように伝熱板23の位置を調整する。そして、伝熱板23に対して、内リブ24aの接点となる部分P2と、外リブ24bの接点となる部分P1及びその外延の部分に接着剤41aをそれぞれ塗布する。リブ24の接点となる部分P1、P2は、実施の形態1のリブ14の接点となる部分Pに対応し同様のものである。ここで、接点となる部分P1では、外延の部分と連続して接着剤41aが伝熱板23に塗布され、接点となる部分P2では、内リブ24aの幅以下となるように接着剤41aが伝熱板23に塗布されている。なお、外リブ24bの接点となる部分P1では、前層と後層の伝熱板23が重畳するため、接点となる部分P2での塗布膜厚を、接点となる部分P1での塗布膜厚よりも厚く形成することが好ましい。
次に、図9(b)に示すように、後層の熱交換素子ピース25bを所定の位置に合わせる。リブ24が緩まないように、リブ24の両端を引っ張った状態とする。
次に、図9の(c)に示すように、リブ24と伝熱板23を固着させる。この際、接着剤41aが固まるまで、積層方向(上下方向)から接着面に対して所定の圧をかけて、接着剤41aの隙間に空気が入らないようにする。
そして、図9(d)に示すように、前層の熱交換素子ピース25aの外リブ24bの外側に延びた伝熱板23を後層の熱交換素子ピース25bの外リブ24bと伝熱板23を被覆するように延設して接合させ積層体26aを形成する。この際、外リブ24bと外リブ24bを被覆する伝熱板23との間は、接着剤41aで隙間がないように充填される。そして、図5の(c)に示す工程と同様に、接着剤41aが固まるまで、積層方向から接着面に対して所定の圧をかけて、接着剤41aの隙間に空気が入らないようにする。そして、こうした工程を1層ずつ交互に向きを変えて繰り返し行って熱交換素子ピース25を全数積層した積層体26aを形成する。
図10の(a)に示すように、上述した工程で形成した熱交換素子ピース25の積層体26aに対して、熱交換素子ピース25の積層方向(上下方向)から圧着する。図7の(a)に示す工程と同様に、接着剤41aで接合される伝熱板23とリブ24の接着位置がずれないように、積層体26aの周囲に障壁を設けて積層方向から均等に圧着する。そして、図10の(b)に示すように、上下の熱交換素子ピース15間を固着して熱交換素子26を形成する。これにより、熱交換素子ピース25の積層方向に所定の間隔(リブ24の高さに相当する間隔)を有する風路(排気風路16、給気風路17)が形成された熱交換素子26が形成される。
以上のように、本実施の形態2に係る熱交換素子26及び熱交換素子26の製造方法によれば、以下の効果を享受することができる。
(4)熱交換素子26の製造方法では、第二工程において、後層の熱交換素子ピース25bのリブ24を接合した後に、前層の伝熱板13の外延部分を、後層の伝熱板23と接合させるようにした。これにより、前層の伝熱板23で後層の端辺の外リブ24bを被覆するため、熱交換素子26の外周表面を強固に形成することができる。この結果、熱交換素子26の外周表面に外力が生じた場合において、外周側のリブ24と伝熱板23との間で剥離が生じにくく、換気量の低下をさらに抑制することが可能な熱交換素子26を製造することができる。
(5)熱交換素子26は、伝熱性を有する伝熱板23と、伝熱板23の一方の面に設けた複数のリブ24とを備える熱交換素子ピース25を積層して排気風路16と給気風路17を1層ずつ交互に構成し、排気風路16を流通する排気流3と給気風路17を流通する給気流4とが伝熱板23を介して熱交換する熱交換素子26である。また、リブ24は、リブ24と伝熱板23との間に設けた接着剤41aにより伝熱板23と固着され、伝熱板23の端辺に位置する外リブ24bと、伝熱板23の内部に位置する内リブ24aとを有する。そして、後層の外リブ24b及び後層の伝熱板23の側面には、熱交換素子26の外周側面側を被覆するように前層の伝熱板23が形成されるようにした。これにより、前層の伝熱板23が、後層の外リブ24bの外周表面との接着に加えて、後層の外リブ24bを被覆する前層の伝熱板23とも接着される。よって、前層の伝熱板23と後層の外リブ24b及び後層の伝熱板23との間の接着面積の分だけ接着強度を高めることができる。この結果、熱交換素子26の外周表面に外力が生じた場合において、外リブ24bと伝熱板23との間で剥離が生じにくく、換気量の低下を抑制することができる。つまり、風路からの気流の漏れが生じにくい熱交換素子26とすることができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る熱交換素子の製造方法では、実施の形態1に係る熱交換素子6の伝熱板13に固着させるリブ14に替えて、リブ14を吸水膨潤させて乾燥したリブ34を用いる点で実施の形態1と異なる。これ以外の熱交換素子の製造方法は、実施の形態1に係る熱交換素子6の製造方法と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
図11を参照して、本発明の実施の形態3に係る熱交換素子の製造に用いるリブ34について説明する。図11は、本発明の実施の形態3に係る熱交換素子の製造に用いるリブ34を説明するための模式図である。ここで、図11の(a)は、リブ14に相当するリブ34aを示す斜視図である。図11の(b)は、リブ34aを吸水膨潤させた状態のリブ34bを示す斜視図である。図11の(c)は、リブ34bを乾燥させた状態のリブ34cを示す斜視図である。
本実施の形態3に係る熱交換素子の製造方法では、実施の形態1における第一工程(伝熱板13の一方の面に複数のリブ14を形成して熱交換素子ピース15を形成する工程)を実施する前に、第一工程に用いるリブ34を調整する第四工程を行う。
具体的には、第四工程では、以下の第一ステップから第三ステップを行うことにより、所定のリブ34aを吸水膨潤させた後に乾燥させてリブ34cとし、こうした状態のリブ34cを第一工程で用いるリブ34として調整している。
まず、第一ステップとして、リブ34aを用意する。リブ34aは、リブ14と同様の材料で構成され、図4に示した複数の繊維部材40により構成されている。リブ34aは、図11の(a)に示すように、断面が略円形状となっており、例えば、直径Daの断面を有している。なお、直径Daは、リブ34aの上下方向の厚みにも相当する。
そして、第二ステップとして、リブ34aを、水を貯留する貯留槽に一定時間浸漬させる。これにより、リブ34aは、貯留槽の水を吸い込み、繊維部材40の間隔が広がるなどして膨潤する。そして、リブ34aは、吸水膨潤することで、リブ34bとなる。リブ34bは、例えば、直径Dbの断面を有している。リブ34bの直径Dbは、膨潤によってリブ34aの直径Daよりも大きくなっている。
その後、第三ステップとして、リブ34bを、所定の条件下で乾燥させる。乾燥は、例えば、リブ34bを、40℃程度の恒温室内に24時間保管することにより行われる。これにより、リブ34bは、繊維部材40の間隔が広がった状態をほぼ維持しながら、内部に吸い込んだ水を放出して乾燥する。そして、リブ34bは、乾燥することで、リブ34cとなる。リブ34cは、例えば、直径Dの断面を有している。リブ34cの直径Dは、リブ34bの直径Dbよりも若干小さくなっている。
以上のようにして、第四工程では、所定のリブ34aを吸水膨潤させた後に乾燥させてリブ34c、つまりリブ34を製造している。そして、こうした第四工程を繰り返して、第一工程において必要な数のリブ34を準備する。
続いて、上述した第一工程から第三工程を順にそれぞれ実行し、本実施の形態3に係る熱交換素子が製造される。
以上のように、本実施の形態3に係る熱交換素子の製造方法によれば、以下の効果を享受することができる。
(6)上述した熱交換素子6の製造方法において、第一工程の前に、リブ34を調整する第四工程を有し、第四工程では、所定のリブ34aを吸水膨潤させた後に乾燥させてリブ34cとし、リブ34cをリブ34として調整するようにした。これにより、第四工程を行わないリブと比べて、熱交換素子の製造後においてリブ34cからなるリブ34が吸水吸湿して膨張しにくくなり、リブ34と伝熱板13とを接着する接着剤41の破断を抑制することができる。つまり、これにより製造された熱交換素子は、熱交換素子の外周表面に外力が生じた場合において、外周側のリブ34と伝熱板13との間での剥離がさらに生じにくくなり、換気量の低下を抑制することができる。したがって、上述した熱交換素子の製造方法によれば、風路からの気流の漏れが生じにくい熱交換素子を製造することができる。
(変形例)
実施の形態3の変形例に係る熱交換素子の製造方法では、リブ34に替えて、リブ34の表面の一部を加熱溶融させたリブ34zを用いる点で実施の形態3と異なる。これ以外の熱交換素子の製造方法は、実施の形態3に係る熱交換素子の製造方法と同様である。以下、実施の形態3で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態3と異なる点を主に説明する。
図12を参照して、実施の形態3の変形例に係る熱交換素子の製造に用いるリブ34zについて説明する。図12は、同実施の形態3の変形例に係る熱交換素子の製造に用いるリブ34zを説明するための模式図である。ここで、図12の(a)は、リブ34を加熱プレスしてリブ34zを形成する方法を示す断面図である。図12の(b)は、リブ34zの構造を示す斜視図である。
実施の形態3の変形例に係る熱交換素子の製造方法では、第四工程において、上述した第一ステップ~第三ステップに続けて第四ステップをさらに行う。第四ステップを行うことにより、リブ34の上下表面に繊維溶融層35を形成してリブ34zとし、こうした状態のリブ34zを第一工程で用いるリブとして調整している。
第四ステップでは、リブ34を用意し、図12の(a)に示すように、加熱したヒートロール71を上方および下方からリブ34に押し当てるとともに、一方向に送り出すように回転させることでリブ34zが形成される。具体的には、リブ34は、ヒートロール71によって加圧することにより、加圧した方向につぶれた形状となり、リブ34の断面は扁平形状へと変化する。この際、加圧した面を加熱することにより、上下のヒートロール71が接触する部分の繊維部材40(図4参照)が溶融または溶着して繊維溶融層35が選択的に形成される。
ここで、加圧手段としては、既知の手法を用いることができ、例えば、平板プレスあるいはロールプレスが挙げられる。この場合、ヒートロール71の加圧方向の位置(上下のヒートロール71の間隔)を調節することによって、繊維溶融層35を有するリブ34zの幅および高さ(熱交換素子6の風路の高さ)を容易に調整することができる。
また、加熱手段としては、既知の手法を用いることができ、例えば、熱風あるいは火炎、電磁誘導による非接触加熱あるいはヒータによる接触加熱方式が挙げられる。加圧を伴う場合、特に接触式の加熱が好ましい。なお、本変形例では、加圧しながら加熱することにより、繊維溶融層35を形成しているが、一度加熱して溶融させたものを再硬化前に加圧することで繊維溶融層35を形成してもよい。このとき、加圧時に冷却も同時に行うことにより、加圧時の形状をより固定化することができる。
最後に、ヒートロール71を通過した後のリブ34zを所定の長さで切り取ることで、繊維溶融層35を有するリブ34zが形成される。
続いて、上述した第一工程から第三工程を順にそれぞれ実行し、本変形例に係る熱交換素子が製造される。なお、第一工程及び第二工程では、リブ34zの表面の一部(上面及び下面)に形成された繊維溶融層35がそれぞれ伝熱板13との接着面となるようにしている。これにより、リブ34と伝熱板13との間の接着強度を高めることができる。
以上のように、本変形例に係る熱交換素子の製造方法によれば、以下の効果を享受することができる。
(7)本変形例に係る熱交換素子の製造方法において、第四工程では、リブ34cの表面の一部に繊維溶融層35を形成してリブ34zとし、リブ34zをリブ34として調整するようにした。これにより、繊維溶融層35によってリブ34の表面の一部での剛性が向上するため、熱交換素子の製造後において、リブ34が吸水(または吸湿)して膨張しにくくなり、リブ34と伝熱板13とを接着する接着剤41の破断をさらに抑制することができる。
(8)本変形例により製造された熱交換素子は、繊維部材40が溶融して固着した繊維溶融層35が表面に形成されたリブ34zによって構成されている。これにより、リブ34の表面での剛性が向上するため、熱交換素子に外力あるいは温湿度変化が作用してもリブ34zが変形しにくくなる。つまり、リブ34zの表面に繊維溶融層35がない場合に比べて、熱交換素子の風路が変形しにくくなる。これにより、熱交換素子を流れる空気の偏りが解消され、熱交換素子の風路内を均一な風速で送風させることができるので、熱交換素子の熱交換効率を高く維持することができる。言い換えれば、風路の形状変化に伴う熱交換効率の低下を抑制することが可能な熱交換素子とすることができる。
(9)本変形例により製造された熱交換素子を用いて熱交換形換気装置を構成することで、熱交換素子の風路の形状変化に伴う熱交換効率の低下を抑制することが可能な熱交換形換気装置を実現することができる。
以上、本発明に関して実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本実施の形態1に係る熱交換素子6の製造方法では、内リブ14aと外リブ14bとを同じ寸法幅のものを用いたが、これに限られない。例えば、外リブ14bの幅を内リブ14aの幅よりも広くしてもよい。これにより、後層の外リブ14bを前層の伝熱板13に対してより確実に接合させ、接着強度を高めることができる。
また、本実施の形態1に係る熱交換素子6の製造方法では、第一工程及び第二工程において、リブ14と伝熱板13とを固着する際、リブ14を構成する繊維部材40のそれぞれの微小な空隙に、接着剤41が含浸するようにしてもよい。これにより、リブ14(特に外リブ14b)と伝熱板13との間をより強固に固着させることができる。
また、本実施の形態2に係る熱交換素子26及び熱交換素子26の製造方法では、後層の伝熱板を被覆する前層の伝熱板23は、後層の外リブ24bの上面の伝熱板23の位置まで延在するように形成されているが、これに限られない。例えば、前層の伝熱板23を、後層の外リブ24bの外側(熱交換素子6の外周側面側)の表面の一部を被覆するように形成してもよい。この場合にも、被覆した部分で接着強度を高めることができる。
以上で使用した文言に関し、本実施の形態及び変形例に係る伝熱板13及び伝熱板23は請求項の「仕切部材」、リブ14(内リブ14a、外リブ14b)及びリブ24(内リブ24a、外リブ24b)は請求項の「間隔保持部材」に相当する。また、熱交換素子ピース15、15a、15b及び熱交換素子ピース25、25a、25bは請求項の「単位構成部材」、接着剤41及び接着剤41aは請求項の「接着部材」に相当する。また、熱交換素子6及び熱交換素子26は請求項の「熱交換素子」に相当する。また、排気風路16は請求項の「排気風路」、給気風路17は請求項の「給気風路」に相当する。また、リブ34aは請求項の「第一間隔保持部材」、リブ34は請求項の「第二間隔保持部材」、リブ34zは請求項の「第三間隔保持部材」に相当する。また、繊維溶融層35は請求項の「溶融層」に相当する。
本発明に係る熱交換素子の製造方法は、リブと伝熱板との間での剥離が生じにくく、風路からの気流の漏れが生じにくい熱交換素子を製造できるので、熱交換形換気装置等に用いる熱交換素子の製造方法として有用である。
1 家
2 熱交換形換気装置
3 排気流
4 給気流
5 本体ケース
6 熱交換素子
6a 積層体
7 排気ファン
8 内気口
9 排気口
10 給気ファン
11 外気口
12 給気口
13 伝熱板
13a 端辺
13b 端辺
13c 端辺
13d 端辺
14 リブ
14a 内リブ
14b 外リブ
15 熱交換素子ピース
15a 前層の熱交換素子ピース
15b 後層の熱交換素子ピース
16 排気風路
17 給気風路
23 伝熱板
24 リブ
24a 内リブ
24b 外リブ
25 熱交換素子ピース
25a 前層の熱交換素子ピース
25b 後層の熱交換素子ピース
26 熱交換素子
26a 積層体
34 リブ
34a リブ
34b リブ
34c リブ
34z リブ
35 繊維溶融層
40 繊維部材
41 接着剤
41a 接着剤
101 熱交換素子
102 熱交換素子単体
103 機能紙
104 リブ
105 紙紐
106 ホットメルト樹脂
107 空気流路
P 接点となる部分
P1 接点となる部分
P2 接点となる部分

Claims (5)

  1. 伝熱性を有する仕切部材と、前記仕切部材の一方の面に設けた複数の間隔保持部材とを備える単位構成部材を積層して排気風路と給気風路を1層ずつ交互に構成し、前記排気風路を流通する排気流と前記給気風路を流通する給気流とが前記仕切部材を介して熱交換する熱交換素子の製造方法であって、
    前記仕切部材の一方の面に複数の前記間隔保持部材を形成して前記単位構成部材を形成する第一工程と、
    前記単位構成部材を1層ずつ交互に積層して互いに接合した積層体を形成する第二工程と、
    前記積層体を積層方向に圧縮することにより積層方向に所定の間隔を有する前記排気風路と前記給気風路とを形成する第三工程と、
    を有し、
    前記第二工程では、前記単位構成部材を1層ずつ積層する際、前層の前記単位構成部材の前記仕切部材に対して前記接着部材を形成し、後層の前記単位構成部材の前記間隔保持部材を接合させることを特徴とする熱交換素子の製造方法。
  2. 前記第二工程では、前層の前記仕切部材に対して後層の前記単位構成部材の前記間隔保持部材との接点となる部分に前記接着部材を形成し、前記接点に対して後層の前記単位構成部材の前記間隔保持部材を接合させることを特徴とする請求項1に記載の熱交換素子の製造方法。
  3. 前記第二工程では、後層の前記単位構成部材の前記間隔保持部材を接合した後に、前層の前記仕切部材の外延部分を、後層の前記仕切部材と接合させることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換素子の製造方法。
  4. 前記第一工程の前に、前記間隔保持部材を調整する第四工程を有し、
    前記第四工程では、所定の第一間隔保持部材を吸水膨潤させた後に乾燥させて第二間隔保持部材とし、前記第二間隔保持部材を前記間隔保持部材として調整することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の熱交換素子の製造方法。
  5. 前記第四工程では、前記第二間隔保持部材の表面の一部に溶融層を形成して第3間隔保持部材とし、前記第三間隔保持部材を前記間隔保持部材として調整することを特徴とする請求項4に記載の熱交換素子の製造方法。
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