JP2022139900A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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正巳 飽本
Masami Akumoto
淳一 北野
Junichi Kitano
純也 南田
Junya Minamida
貴久 大塚
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Abstract

【課題】基板周囲の雰囲気を制御しつつバッチ式液処理を行う。【解決手段】基板処理装置は、複数の基板を鉛直姿勢で水平方向に並べて保持する基板保持部と、基板保持部を回転させる回転駆動部と、基板保持部が通過可能な第1開口部を有する処理容器と、処理容器に少なくとも処理液を供給する処理流体供給機構と、処理容器の第1開口部を閉塞する第1閉塞構造物と、基板保持部と処理容器とを相対的に移動させる移動機構とを備える。基板保持部と処理容器とが第1位置関係にあるときに、処理容器が基板保持部の周囲を包囲し、処理容器の第1開口部が第1閉塞構造物により閉塞され、基板保持部に保持された各基板の少なくとも下部が浸漬されるように処理液を貯留し得る閉鎖された処理室が形成される。基板保持部と処理容器とが第2位置関係にあるときに、第1閉塞構造物が第1開口部を開放するとともに基板保持部が処理容器に包囲されずに露出する。【選択図】図6

Description

本開示は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
半導体装置の製造工程には、処理槽内に貯留した処理液の中に複数枚の基板例えばウエハを同時に浸漬することにより、複数枚の基板に対して同時に液処理を施すバッチ式の液処理装置が知られている。特許文献1に開示されたバッチ式の液処理装置においては、複数のウエハが、鉛直姿勢で水平方向に等間隔に並べられた状態でキャリアに保持される。キャリアに保持されたウエハは、薬液が貯留された処理槽内に浸漬され、キャリアは水平軸線周りに低速で回転させられる。次いで、処理槽内から薬液が排出されるとともに洗浄水が貯留され、キャリアに保持されたウエハは洗浄水中に浸漬され、キャリアは水平軸線周りに中速で回転させられるとともに上下に揺動させられる。その後、処理槽内の洗浄水が排出され、この状態でキャリアは水平軸線周りに中速で回転させられ、これにより、ウエハに付着した洗浄水の振り切り乾燥が行われる。
特開昭62-283632号公報
本開示は、基板周囲の雰囲気を制御しつつバッチ式の液処理を行うことを可能とする技術を提供する。
本開示の一実施形態によれば、複数の基板を鉛直姿勢で水平方向に並べて保持する基板保持部と、前記基板保持部を水平軸線周りに回転させる回転駆動部と、水平軸線方向に関して第1端側に、前記基板保持部が通過可能な第1開口部を有する処理容器と、前記処理容器の内部に基板を処理するための少なくとも一種類の処理流体を供給する処理流体供給機構であって、前記少なくとも一種類の処理流体には基板を浸漬させるための処理液が含まれている、前記処理流体供給機構と、前記処理容器の前記第1開口部を閉塞することができる第1閉塞構造物と、前記基板保持部と前記処理容器とを前記水平軸線方向に相対的に移動させて、前記基板保持部と前記処理容器との位置関係を第1位置関係と第2位置関係との間で変化させる移動機構と、を備え、前記基板保持部と前記処理容器とが前記第1位置関係にあるときに、前記処理容器が前記基板保持部の周囲を包囲するとともに前記処理容器の前記第1開口部が前記第1閉塞構造物により閉塞され、これにより、前記基板保持部に保持された各基板の少なくとも下部が浸漬されるように前記処理流体供給機構により供給された前記処理流体を貯留し得る閉鎖された処理室が形成され、前記基板保持部と前記処理容器とが前記第2位置関係にあるときに、前記第1閉塞構造物が前記第1開口部を開放するとともに、前記基板保持部が前記処理容器に包囲されずに露出された状態となる、基板処理装置が提供される。
上記実施形態によれば、基板周囲の雰囲気を制御しつつバッチ式の液処理を行うことが可能となる。
基板処理装置の一実施形態に係る液処理ユニットの概略縦断側面図である。 図1に示した液処理ユニットのローターおよび操作機構の構成を示す斜視図である。 図2に示したローターの側面図である。 図1に示した液処理ユニットの処理容器に設けられた処理流体ノズルを示す図である。 液処理ユニットの別の実施形態を示す概略図である。 ローターの姿勢変換、ローターに対する基板の受け渡し、および処理容器の移動について説明する作用図である。 液処理ユニットの別の実施形態を示す概略図である。 液処理ユニットのさらに別の実施形態を示す概略図である。 処理流体供給機構の別の構成例を示す配管系統図である。 複数の液処理ユニットを備えた基板処理システムの一実施形態の構成を示す図であって、処理ブロックの第1階層の平面的配置(図11におけるX-X断面に対応)を示した図である。 図10に示した基板処理システムの、図10におけるXI-XI断面を示す図である。 図10に示した基板処理システムの、図11におけるXII-XII断面を示す図である。 図10に示した基板処理システムの、図10におけるXIII-XIII断面を示す図である。 図10に示した基板処理システムの、図11におけるXIV-XIV断面を示す図である。 図10に示した基板処理システムに設けられた基板受け渡し部の一構成例の正面図であって、図12における矢印XVの方向から見た図である。 図15に示した基板受け渡し部を矢印XVIの方向から見た側面図である。 図10に示した基板処理システムに設けられた第2基板搬送ロボットの第1構成例を示す側面図である。 図10に示した基板処理システムに設けられた第2基板搬送ロボットの第2構成例を示す側面図である。 図10に示した基板処理システムに設けられた第2基板搬送ロボットの第3構成例を示す側面図である。
基板処理装置の一実施形態としてのバッチ式の液処理ユニット10について、添付図面を参照して説明する。液処理ユニット10の処理対象の基板Wは、例えば半導体ウエハであるが、これに限定されるものではなく、ガラス基板、セラミック基板等の半導体装置製造で用いられる任意の種類の基板であってもよい。
液処理ユニット10は、複数(例えば25枚)の基板Wを鉛直姿勢で水平方向に等ピッチ(「第2等ピッチP2」とも呼ぶ)で並べて保持するローター(基板保持部)18を有している。第2等ピッチP2は1~10mmの範囲内の適当な値とすることができ、例えば5mm若しくは10mmである。本明細書においては「第1等ピッチP1」という用語も用いられるが、これについては後述する。なお、本明細書において、液処理ユニット10により基板Wに液処理が施されるときにローター18が同時に保持する基板Wの枚数を「規定処理枚数」とも呼ぶ。
ローター18の第1側壁(図2に示す第1円盤181Aに相当する)から、回転軸21が水平方向に延びている。回転軸21は、水平方向(図1の左右方向)に延びる回転軸線Ax周りに回転駆動部24により回転駆動され、これによりローター18およびこれに保持された基板Wが回転軸線Ax周りに回転する。この回転軸線Axは、ローター18に保持された各基板Wの中心を通過する。以下、本明細書の液処理ユニット10に関する説明において、特別な断り書きが無い限り、回転軸線Axと平行な方向を「軸線方向」とも呼ぶ。
本明細書においては、説明の便宜のため、XYZ直交座標系を設定し、これに基づいて方向を説明することもある。図1においては、回転軸線Axは水平方向に延びておりこの方向(軸線方向)を「X方向」とも呼ぶこととする。また、X方向と直交する別の水平方向(図1の紙面に垂直な方向)を「Y方向」と呼び、X方向と直交する鉛直方向を「Z方向」と呼ぶこととする。
図示された実施形態では、回転駆動部24は電気回転モーター(以下簡便のため単に「モーター24」と呼ぶ)からなり、モーター24の回転軸がローター18の回転軸21と直結されている。変形実施形態において、回転駆動部24は、モーター24と、モーター24から回転軸21に駆動力を伝達する図示しない駆動力伝達手段(例えばベルト/プーリー)との組み合わせにより構成することもできる。
液処理ユニット10は、ローター18の周囲を包囲することができる可動の処理容器11を有する。処理容器11は全体として概ね円筒形とすることができ、処理容器11の中心軸はローター18の回転軸線Axと同心とすることができる。処理容器11の軸線方向(X方向)両端は開放されている。言い換えると、処理容器11は第1端に第1開口部11Aを有し、第2端に第2開口部11Bを有している。
処理容器11は、水平方向移動機構12により、ローター18を包囲する第1位置(実線で示される位置(閉鎖位置))と、ローター18を包囲しないで露出させる第2位置(鎖線で示される位置(開放位置))との間でX方向に移動可能である。なお、図6(D)には処理容器11が第1位置にある状態が示され、図6(C)には処理容器11が第2位置にある状態が示されているので、そちらも参照されたい。
水平方向移動機構12は、適当なリニアアクチュエータ、例えばエアシリンダから構成することができる。処理容器11をX方向に案内するガイドレール(図示せず)を設けてもよい。
処理容器11が第1位置にあるときの処理容器11とローター18との相対的な位置関係を第1位置関係とも呼び、処理容器11が第2位置にあるときの処理容器11とローター18との相対的な位置関係を第2位置関係とも呼ぶ。この位置関係の表記は、ローター18がX方向に可動で、処理容器11がX方向に不動である場合にも適用される。
液処理ユニット10は、第1閉塞構造物15Aおよび第2閉塞構造物15Bを有している。処理容器11が図1に示す第1位置にあるときに、第1閉塞構造物15Aが処理容器11の第1開口部11Aを閉塞し、第2閉塞構造物15Bが処理容器11の第2開口部11Bを閉塞する。
第1閉塞構造物15Aは、ローター18の軸線方向に間隔を空けて配置された2枚の円盤状のプレート、すなわち第1プレート151および第2プレート152を有している。第1プレート151および第2プレート152は、複数の連結部材153(あるいはスペーサー)を介して堅固に連結されており、相対的に不動である。
第1閉塞構造物15Aの第2プレート152は、固定部材154を介してモーター24に堅固に連結されている。固定部材154は、液処理ユニット10または基板処理システム1の図示しないフレーム(機枠)に堅固に固定されているか、あるいは、図1に概略的に示した姿勢変換機構のアーム155に堅固に固定されている。前者の場合、ローター18は常時水平姿勢であり、姿勢の変更はできない。後者の場合、アーム155を旋回させてローター18、第1閉塞構造物15A、回転軸21、モーター24および固定部材154を連結してなる組立体(以下、記載の簡便のため「組立体AS」とも呼ぶ)を一体的に移動(旋回)させることにより、ローター18の姿勢を変更することができる。
第1プレート151および第2プレート152を回転軸21が貫通している。第1プレート151には、回転軸21の外径よりも大きな内径を有する貫通穴151Hが形成されている。第2プレート152の回転軸21が貫通する部分は、適当なシール部材、またはシール構造例えばラビリンスシール25により、シールされている。
第2閉塞構造物15Bは、処理容器11と実質的に同心の円筒形の外周面を有する全体として円柱形の単一の部材とすることができる。第2閉塞構造物15BのX方向長さは、処理容器11のX方向移動距離(つまり処理容器11の第1位置と第2位置との間の距離)に概ね等しいかそれよりも長い。
処理容器11は、回転軸線Axを中心軸とする円筒の形状を有する処理容器本体11Mと、第1開口部11Aのところで処理容器本体11Mの内周面から半径方向内向きに突出する第1リング状突起111および第2リング状突起112と、第2開口部11Bのところで処理容器本体11Mの内周面から半径方向内向きに突出する第3リング状突起113および第4リング状突起114とを有している。
処理容器11が第1位置(図1に示す位置)にあるときに、第1リング状突起111および第2リング状突起112の軸線方向位置(X方向位置)が第1プレート151および第2プレート152の軸線方向位置とそれぞれ一致する。第1リング状突起111および第2リング状突起112の内周面にはシール部材16が取り付けられている。シール部材16は、第1リング状突起111と第1プレート151との間、および第2リング状突起112と第2プレート152との間をシールする。
処理容器11が第1位置にあるときに、第3リング状突起113および第4リング状突起114は、第2閉塞構造物15Bの外周面と対面する。第3リング状突起113および第4リング状突起114の内周面にはシール部材16が取り付けられており、このシール部材16は、第3リング状突起113および第4リング状突起114と第2閉塞構造物15Bとの間をシールする。
上記の4つのシール部材16には、図示しない加圧流体ラインを介して図示しない加圧流体源から加圧された流体(例えば加圧空気)を供給することができる。加圧流体が供給されると、シール部材16が膨張してシール機能を発揮する。処理容器11を第1位置に位置させた状態でシール部材16に加圧された流体を供給することにより、処理容器11と第1閉塞構造物15Aおよび第2閉塞構造物15Bとが密封係合し、ローター18を収容する実質的に閉鎖された空間である処理室11Cが形成される。
処理室11Cが形成されるときには、処理容器本体11Mの第1端側の端部、第1リング状突起111、第2リング状突起112、第1プレート151および第2プレート152により包囲された第1副室11S1が形成される。第1副室11S1は、第1プレート151および第1リング状突起111を隔てて、処理室11Cに隣接する。
処理室11Cが形成されるときには、同様に、処理容器本体12Mの第2端側の端部、第3リング状突起113、第4リング状突起114および第2閉塞構造物15Bの外周面により包囲された第2副室11S2も形成される。第2副室11S2は、第3リング状突起113を隔てて、処理室11Cに隣接する。
シール部材16に加圧された流体が供給されていないとき(あるいはシール部材16から流体を排出したとき)には、シール部材16は萎み、処理容器11の第1閉塞構造物15Aおよび第2閉塞構造物15Bに対するX方向の相対移動を妨げないようになっている。
第1プレート151には連通路(液体連通路)が設けられており、処理室11C中に貯留されている処理液の液位が当該連通路の高さを上回った場合に、処理室11Cから第1副室11S1へと処理液をオーバーフロー(流入)させることができるようになっている。この連通路は、前述した第1プレート151の貫通穴151H(回転軸21が通過する穴)とすることができる。
これに代えて、連通路として、貫通穴151Hと別の高さ位置において第1プレート151をX方向に貫通する1つ以上の貫通穴(図示せず)を設けてもよい。なお、処理室11C内の処理液の液位を回転軸21よりも高くしたい場合には、第1プレート151の貫通穴151Hのところに第2プレート152と同様にラビリンスシールを設け、回転軸21よりも高い位置に連通路としての貫通穴を第1プレート151に設けることができる。なお、連通路の高さおよびサイズ(開口面積)は、基板Wの処理中おける処理室11C内の処理液の所望の液位に応じて決定することができる。
上述したタイプのシール部材16により完全なシールを行うことは困難であり、シール部材16とこれに接する部材との間の微小隙間を通って、処理室11Cから第1副室11S1および第2副室11S2へと多少の液の漏洩が生じ得る。第2副室11S2は、漏洩した液を回収する役割も有している。
処理容器11を第2位置(鎖線で示す)に位置させた状態でシール部材16に加圧された流体を供給することにより、処理容器本体11Mの内周面および第2閉塞構造物15Bの外周面との間の空間が、第1リング状突起111と第2リング状突起112との間の第1空間11S3、第1リング状突起111と第3リング状突起113との間の第2空間11S4、第3リング状突起113と第4リング状突起114との間の第3空間11S5とに仕切られる。
次に、処理容器11への処理流体の供給について説明する。
処理容器11の下部(図示例では底部)には、処理室11C内に処理液としての薬液を供給する薬液ノズル28が設けられている。薬液の具体例については後述する。薬液ノズル28は、処理容器11の底部に設けられた1つ以上の穴により構成されていてもよいし、処理室11Cの底部の近傍に設けられた1つ以上の吐出口を有するノズル体から構成されていてもよい。
処理容器11の第1副室11S1および第2副室11S2に対応する部分の底部には、これら第1副室11S1および第2副室11S2内にある液体を排出するための循環用排液口131,132と、廃棄用排液口133,134とが設けられている。処理容器11の処理室11Cに対応する部分の底部にも、処理室11C内にある液体を排出するための廃棄用排液口135が設けられている。
廃棄用排液口133,134,135には、開閉弁V4が介設された排液ライン136が接続されている。排液ライン136は、半導体装置製造工場に設けられたドレイン(DR)に接続されている。なお、上記の廃棄用排液口の「廃棄用」という語は、「循環用」と区別するためのものであり、廃棄用排液口133,134,135から排液ライン136に排出された液を図示しない回収タンクに回収し、再利用しても構わない。
処理容器11には薬液循環機構(薬液供給機構)50が接続されている。薬液循環機構50は、薬液を貯留するタンク51と、タンク51から出て薬液ノズル28に至る上流側循環ライン52と、循環用排液口131,132から出てタンク51に戻る下流側循環ライン53とを有している。上流側循環ライン52には、上流側から順に、ポンプ54、ヒーター55およびフィルタ56が順次介設されている。処理容器11および薬液循環機構50により薬液循環系が構成されており、この薬液循環系を薬液が循環する。
上述した薬液の循環流れは、薬液を用いて処理室11C内で基板Wの処理が行われている間中ずっと継続される。なお、以下、本明細書において、説明の簡略化のため、上記のように薬液循環系を薬液が循環することを「通常循環」とも呼び、このときに薬液が流れる経路を「通常循環経路」とも呼ぶこととする。
ポンプ54を駆動することによりタンク51から流出した薬液は、ヒーター55により温調された後にフィルタ56を通りそこでパーティクルが除去された後に薬液ノズル28から処理室11Cに流入し、そこで基板Wの薬液処理に供される。処理室11Cから前述した連通路(例えば第1プレート151の貫通穴151H)を通って第1副室11S1に流入した薬液は循環用排液口131を介して下流側循環ライン53に流出し、タンク51に戻される。また、前述したように、シール部材16を介して、処理室11Cから第1副室11S1および第2副室11S2に少量の処理液が漏洩する。この漏洩した処理液も、薬液は循環用排液口131,132を介して下流側循環ライン53に流出し、タンク51に戻される。
上流側循環ライン52(上流側循環ライン52のフィルタ56の下流側の位置)と下流側循環ライン53とを直接接続するバイパスライン57を設けることができる。バイパスライン57の開閉弁V1を開き、上流側循環ライン52の開閉弁V2および下流側循環ライン53の開閉弁V3を閉じることにより、処理室11C、第1副室11S1および第2副室11S2を通過させることなく、薬液の循環および温調を行うことができる。
薬液を用いて処理室11C内で基板Wの処理が行われていないときに、上述したようにバイパスライン57を介した薬液の循環および温調を行うことにより、薬液処理工程を迅速かつ円滑に開始することができる。なお、以下、本明細書において、説明の簡略化のため、上記のようにバイパスライン57を通って薬液が循環することを「待機循環」とも呼び、このときに薬液が流れる経路を「待機循環経路」とも呼ぶこととする。
処理容器11の上部には、処理室11C内に処理流体を供給する少なくとも1つの処理流体ノズル30が設けられている。
一実施形態において、前記少なくとも1つの処理流体ノズル30として、基板Wに向けてリンス液を供給するリンスノズル31と、基板Wに向けて乾燥用流体を吐出する乾燥用流体ノズル32と、基板Wに向けてあるいは基板Wの周囲の空間に向けて不活性ガス(例えば窒素ガス)または低酸素ガス(酸素含有量の低いガス)を吐出するガスノズル33とを設けることができる。処理流体ノズル30の数は、上記のように基板Wに供給される処理流体の種類に応じた数とすることができる。複数種類の処理流体(例えばリンス液と窒素ガス)を同じ処理流体ノズル30から供給してもよい。
リンス液としては、純水(DIW)または機能水が例示される。機能水としては、例えば、リンス液に導電性を与えるために純水に微量の電解質成分を溶解させたもの、具体的には炭酸水、希アンモニア水が例示される。
乾燥用流体は、基板Wを乾燥させるときに、表面張力によりパターンが倒壊することを防止するためのものである。乾燥用流体は、ミスト(液体)の状態で、あるいは蒸気の形態で供給することができる。乾燥用流体としては、リンス液よりも表面張力が低くかつ揮発性が高い有機溶剤、例えばIPA(イソプロピルアルコール)が例示される。IPAによりパターン凹部内のリンス液例えばDIWを置換した後に、乾燥を行うことにより、パターンの倒壊を防止または少なくとも大幅に抑制することができる。
乾燥用流体は、上述した有機溶剤に疎水化剤を混合したものであってもよい。疎水化剤としては、はシリル化剤またはシランカップリング剤、具体的には、トリメトキシフェニルシラン、テトラエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、TMSDMA(トリメチルシリルジメチルアミン)、DMSDMA(ジメチルシリルジメチルアミン)、TMSDEA(トリメチルシリルジエチルアミン)、TMADMA(テトラメチルアミンジメチルアミン)、HMDS(ヘキサメチルジンラザン)、TMDS(1,1,3,3-テトラメチルジシラザン)等を用いることができる。疎水化剤によりパターン凹部の表面が疎水化されることにより、表面張力に起因するパターンを倒壊させる力が減少するため、パターンの倒壊をより一層抑制することができる。このように表面改質(疎水化)を行い乾燥させる技術はSMD(Surface Molecular Dry)とも呼ばれる。
処理流体ノズル30は、図4に概略的に示すように、ローター18により保持される基板Wの列の真上あるいはほぼ真上において、基板Wの配列方向(水平方向)に沿って延びる棒状ノズルとすることができる。棒状ノズルは、例えば、水平方向に延びる流体通路を内部に有する中空円筒体34に、複数の吐出口35を形成することにより構成することができる。このような棒状ノズルは、ローター18により保持される基板Wの数と同数、好ましくはそれよりも一つ多い数の吐出口35を有していてもよい。
処理流体ノズル30は、上述したようにローター18により保持される基板Wの列の真上あるいはほぼ真上に設けることが好ましいが、処理室11C内の処理液(薬液)の液面より高い任意の位置に設けてもよい。
図4に示すように、吐出口35は、ローター18により保持された基板Wの配列ピッチである第2等ピッチP2(X方向間隔)と同じピッチで設けることができる。吐出口35は、ローター18により保持された隣接する基板Wの間の空間を臨む位置(両端の吐出口を除く)に設けることができる。各吐出口35からは、同一条件(吐出流量、吐出角度)で処理流体が吐出されることが好ましい。各吐出口35は、そこから扇形またはコーン(円錐)形に(つまり末広がりに)処理流体が吐出されるように形成することができる。これにより、ローター18により保持されて回転する基板Wの表面に満遍なく処理流体を供給することができる。
なお、本明細書において、用語「基板Wの表面(surface)」は、特に区別しない限り、デバイスが形成されている面である表面(front surface)と、デバイスが形成されていない面である裏面(back surface)の両方を意味する語である。
各処理流体ノズル30には、処理流体供給機構を介して処理流体が供給される。処理流体供給機構は、当該技術分野において広く知られているように、タンク、工場用力等の処理流体供給源と、処理流体供給源から処理流体ノズル30に処理流体を供給する供給ラインと、供給ラインに設けられた流量計、開閉弁、流量制御弁等の流量調節機器およびフィルタ、ヒーター等の補器類とから構成することができる。なお、本実施形態では処理容器11がX方向に移動するため、この移動に追従できるように、供給ラインの少なくとも一部をフレキシブルチューブにより形成してもよい。
図示された実施形態では、処理流体供給機構として、リンスノズル31にリンス液を供給するリンス液供給機構31Sと、乾燥用流体ノズル32に乾燥用流体を供給する乾燥用流体供給機構32Sと、ガスノズル33にガス(不活性ガスまたは低酸素ガス)を供給するガス供給機構33Sとが設けられている。
なお、リンス液は、処理室11Cの洗浄にも利用できるため、リンスノズル31は、ローター18に保持された基板Wにだけではなく、処理室11Cに面する処理容器11の内壁面、ローター18の側面(後述する円盤181A、181B)、並びに回転軸21の表面にもリンス液が当たるようにリンス液を吐出することができるように構成されていることが好ましい。但し、回転するローター18(あるいはローター18に保持されている基板W)から飛散するリンス液が、ローター18の円盤181A、181B、並びに回転軸21および第2回転軸22の表面等にも当たるようになっているならば、リンスノズル31は、ローター18に保持された基板Wのみに向けてリンス液を吐出するように設けられていても構わない。
第1副室11S1および第2副室11S2の天井部には、第1副室11S1および第2副室11S2内の雰囲気(ガス)を排出するための排気口141,142がそれぞれ設けられている。排気口141,142にはそれぞれ排気ライン143が接続されている。排気ライン143は、排気に含まれる液体(ミスト)を分離する図示しない気液分離装置(排気ボックスなどとも呼ばれる)に接続されている。気液分離装置により分離された液体は半導体製造工場の排液管路(図示せず)に、気体は半導体製造工場の排気ダクト(図示せず)に接続されている。
排気ダクト内は減圧雰囲気であるため、その影響で第1副室11S1および第2副室11S2は吸引(減圧)される。排気ライン143に、排気を促進するためのエゼクタ、真空ポンプ等の吸引機器が設けられていてもよい。第1副室11S1および第2副室11S2に作用する吸引力を調整するために、排気ライン143にバタフライ弁等の流量調整弁を設けてもよい。
第1リング状突起111および第3リング状突起113の上部には、通気路(ガス連通路)127,128が設けられている。通気路(ガス連通路)127,128の高さ位置は、処理液の設定液面高さより上方であればよい。上記のように第1副室11S1および第2副室11S2が吸引されているため、処理室11C内の雰囲気は、通気路127,128を介して第1副室11S1および第2副室11S2に流れ、排気口141,142および排気ライン143を介して排気される。従って、処理室11C内の圧力は、第1副室11S1および第2副室11S2内の圧力よりもやや高くなる。
通気路127,128内に液体が滞留しないように、通気路127,128の断面形状を、中央部が高い山形としてもよい。
処理容器11の天井部の第1副室11S1および第2副室11S2に対応する部分には、第1副室11S1および第2副室11S2を洗浄するために洗浄液を供給する洗浄液ノズル37,38が設けられている。洗浄液ノズル37,38には、洗浄液供給源から、流量調節機器等が介設された供給ラインを介して洗浄液が供給される。リンスノズル31にリンス液を供給するリンス液供給機構31Sにより、洗浄液ノズル37,38に洗浄液としてのリンス液(例えばDIW)を供給してもよい。洗浄液ノズル37,38は、第1副室11S1および第2副室11S2に面する全ての壁面並びに回転軸21の表面を洗浄することができように、洗浄液を噴射するように構成されていることが好ましい。
処理容器11の処理室11C内にある処理液を温調するために、処理容器11の処理室11Cに対応する部分、特にその底部に、ヒーター129が設けられている。ヒーター129は、処理容器11の壁に埋設されていてもよいし、処理容器11の外面に貼り付けられていてもよい。
[ローターの構造]
次に、図2および図3を参照して、図1では概略的に示されていたローター18の構造について詳細に説明する。
ローター18は、一対の円盤181A(ローター18の第1側部)、181B(ローター18の第2側部)と、円盤181A、181Bの間を水平方向に延びる1本以上(例えば3~4本)の固定保持棒182と、一対の可動保持棒183とを有している。円盤181Aには回転軸21が固定されている。固定保持棒182および可動保持棒183の各々には、前述した第2等ピッチP2と同じ配列ピッチで水平方向に等間隔で並んだ基板保持溝(詳細は図示せず)が設けられている。ローター18により保持される基板Wの周縁部が、各基板保持溝内に収容される。
可動保持棒183は、旋回腕184を介して円盤181A、181Bに回転可能に設けられた回転軸185に取り付けられており、基板Wを保持する保持位置と、基板Wを解放する解放位置との間で旋回可能である。
円盤181Bの外面側には、回転軸185に固定されたウエイト186が設けられている。ウエイト186は、ローター18が回転しているときに、可動保持棒183、旋回腕184、回転軸185およびウエイト186からなる組立体に作用する遠心力により可動保持棒183が基板Wに押し付けられるようにするために設けられている。但し、大きな遠心力が生じるローター18の高回転時に基板Wの破損が生じないようにするために、可動保持棒183の変位を制限する固定ストッパ187が円盤181Bに設けられている。
可動保持棒183を保持位置に維持するために、板バネからなるバネストッパ188が円盤181Bの外面に取り付けられている。回転軸185の軸端または当該軸端に対応するウエイト186の表面には、例えばマイナスねじの頭部に形成されるような操作用の溝189が形成されている。
液処理ユニット10は、操作機構19を有している。操作機構19は、バネストッパ188を押圧するプッシュロッドを有する押圧機構191と、溝189と係合して回転軸185を回転させることにより可動保持棒183を旋回させる回転機構192とを有している。必要に応じて押圧機構191および回転機構192をローター18に向けて進退させる進退機構193を設けてもよい。なお、実際には2組の押圧機構191および回転機構192が設けられているが、図2には1組だけ表示されている。
押圧機構191のプッシュロッドによりバネストッパ188を円盤181Bに向けて押しつけることにより、バネストッパ188に邪魔されることなくウエイト186が旋回できるようになる。この状態で回転機構192の回転軸192aの先端192bを溝189と係合させて回転軸185を回転させることにより、可動保持棒183を前述した保持位置と解放位置との間で移動させることができる。先端192bは、例えばマイナスねじ用のドライバービットのような形状を有する。
可動保持棒183を保持位置に位置させた状態で押圧機構191のプッシュロッドを退避させることにより、バネストッパ188が初期位置に戻り、バネストッパ188がウエイト186の移動を阻止するようになる。これにより、可動保持棒183が保持位置に維持される。
操作機構19は、ローター18の姿勢が後述する姿勢変換機構80により可変の場合には、ローター18が直立姿勢にあるときに(図6(A)、(B)を参照)、上述したバネストッパ188および回転軸185を操作しうる位置(例えばローター18の真上)に配置することができる。なお、言うまでも無いが、ローター18は、モーター24の角度位置制御機能により、操作機構19による操作に適した特定の回転角度位置に停止させることができる。
ローター18の姿勢が可変で無い場合、すなわち、ローター18の回転軸線Axが常時X方向(水平方向)を向いている場合には、図5に概略的に示されるように、操作機構19を第2閉塞構造物15Bに内蔵させてもよい。さらに、モーター24も第2閉塞構造物15Bに内蔵させてもよい。この場合、図5には図示しないが、処理液により押圧機構191および回転機構192の駆動部が悪影響を受けないように、押圧機構191のプッシュロッドの周囲、回転機構192の回転軸192aの周囲には適当なシール構造が設けられる。同様に、図5には図示しないが、ローター18の回転軸21の周囲にも適当なシール構造、例えばラビリンスシール構造が設けられ、処理液がモーター24に侵入しないようになっている。またこの場合、上記のシール構造を通過した少量の液体を第2副室11S2に流下させるように導く通路を第2閉塞構造物15B内に設けてもよい。この構成を採用する場合、第1閉塞構造物15Aの第1プレート151に設けられた貫通穴151Hは、単に処理室11Cから第1副室11S1に処理液をオーバーフローさせるために用いられる。
なお、本実施形態で用いられているローター18の構造(特に可動保持棒183の動作に関連する部分の構造)自体は、本件出願人の先行出願に係る特許公開公報(例えば特開2006-13194号等を参照)により既に公知であり、さらなる詳細についてはこれらの公報を参照されたい。
次に、ローター18に対する基板の受け渡しについて説明する。
ここでは、先に図1を参照して説明したローター18、第1閉塞構造物15A、回転軸21、モーター24および固定部材154の組立体(前述したように「組立体AS」と呼ぶ)が、図6に示すように姿勢変換機構80によりY方向(図6の紙面に垂直な方向)に延びる回転軸線ARを中心として回転可能であるものとする。図6の構成の場合、回転軸線ARをY方向から見ると、ローター18の第1円盤181と回転軸21とが交差する位置あるいはその近傍にある。姿勢変換機構80は、例えばステッピングモータからなる回転駆動部と、回転駆動部により回転(旋回)させられる固定部材154(図1を参照)に固定されたアーム(例えば図1に概略的に示したアーム155)とから構成することができる。
まず、図6(A)に示すように、空のローター18が直立姿勢(回転軸線Axが鉛直方向を向いた姿勢)となっている状態を出発点とする。なおこのとき、処理容器11は第2位置に位置しており、ローター18の可動保持棒183は解放位置に位置している。
この状態で、図6(B)に示すように、複数枚の基板Wを保持した基板搬送ロボットの基板保持具(例えば後述する第2基板搬送ロボット3Cのエンドエフェクタ3C6)がX方向(水平方向)にローター18内へと侵入してローター18の固定保持棒182の基板保持溝に基板Wの周縁部を差し込む。その後、エンドエフェクタはローター18から退出する。ローター18の固定保持棒182が所定枚数の基板Wを受け取ったら、ローター18の真上に配置された操作機構19(図6には表示されていない)により可動保持棒183が保持位置に移動させられ、これにより基板Wが可動保持棒183によりしっかりと保持される。基板搬送ロボットのエンドエフェクタが可動保持棒183に基板Wを渡し、可動保持棒183を保持位置に移動させた後に、エンドエフェクタをローター18から退出させてもよい。
次に、図6(C)に示すように、姿勢変換機構80により、基板Wを保持しているローター18の姿勢が水平姿勢(回転軸線Axが水平方向(X方向)を向く姿勢)に変換される。
次に、図6(D)に示すように、処理容器11が第2位置から第1位置へとX方向に移動させられる。次いで、シール部材16に加圧された流体が供給され、処理容器11と第1閉塞構造物15Aおよび第2閉塞構造物15Bが密封係合する。この状態は図1に示した状態と同じであり、この状態となったら処理室11C内で基板Wの液処理を実行することが可能となる。
処理室11C内における基板Wの処理が終了したら、シール部材16への加圧された流体の供給を停止し(あるいはシール部材16から加圧された流体を排出し)、上記と逆の手順を実行することにより、ローター18から基板を取り出して図6(A)に示す状態にすることができる。
シール部材16への加圧された流体の供給を処理容器11が第2位置にあるとき(図6(A)~(C)に示す状態のとき)に行ってもよい。そうすることにより前述した第1空間11S3、第2空間11S4、および第3空間11S5に面する部材を(処理容器11の内周面および第1~第4リング状突起111~114の表面)を洗浄することも可能となる。
次に、液処理ユニット10で実行される基板の液処理について説明する。
液処理ユニット10により実行される下記の手順は、コントローラ(制御部)100(図1および図9を参照)が液処理ユニット10の各種構成要素の動作を制御することにより実行される。コントローラ100は演算処理部101および記憶部102を有している。記憶部102には、液処理ユニット10において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。演算処理部101は記憶部102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって液処理ユニット10の動作を制御する。なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体からコントローラ100の記憶部102にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。なお、コントローラ100は、液処理ユニット10の動作だけでなく、当該液処理ユニット10が組み込まれる基板処理システム1(詳細後述)の全体の動作を制御する上位コントローラであってもよい。
[基板搬入工程]
先に図6を参照して説明したように、基板Wがローター18に搬入され、その後、図6(D)および図1に示す状態とされる。
[薬液処理工程]
次に、処理流体ノズル30(ガスノズル33)から処理室11C内に窒素ガス(不活性ガス)が供給される。第1副室11S1および第2副室11S2内の雰囲気が排気ライン143を介して吸引され、第1副室11S1および第2副室11S2が減圧されているため、処理室11C内の雰囲気(大気雰囲気)は、通気路127,128を介して第1副室11S1および第2副室11S2に流出する。このため、処理室11C内の雰囲気が窒素ガス雰囲気(非酸化性の雰囲気)に置換される。処理室11C内の圧力が、微陽圧となるように、処理流体ノズル30からの窒素ガスの供給流量および排気ライン143を介した排気流量が調整されていることが好ましい。
処理室11C内は乾燥工程が終了するまで継続的に窒素ガス雰囲気としておくことが好ましい。但し、ランニングコスト低減のため、例えばリンス工程中は大気雰囲気としてもよい。
次に、ローター18を比較的低速(例えば10~200rpm程度)で回転させる。この時点で、薬液は、タンク51、上流側循環ライン52、バイパスライン57および下流側循環ライン53を通って(処理室11Cを迂回して)、温調された状態で循環している。つまり、ここでは前述した「待機循環」が実施されている。
次に、バイパスライン57の開閉弁V1を閉じ、上流側循環ライン52および下流側循環ライン53に設けられた開閉弁V2,V3を開くことにより、薬液が、バイパスライン57を通らずに、薬液ノズル28から処理室11Cに供給されるようにする。
処理室11C内の薬液の液位が予め定められた液位がある液位を超えると、処理室11C内の薬液が、連通路(例えば第1プレートに設けた貫通穴151H)を介して第1副室11S1に流出(オーバーフロー)する。第1副室11S1に流出した薬液は、循環用排液口131を介して下流側循環ライン53に排出されてタンク51に戻され、再び上流側循環ライン52を通って薬液ノズル28から処理室11Cに供給される。薬液ノズル28から処理室11C内に供給される薬液の流量を適宜調整することにより、処理室11C内の薬液の液位が所望の液位(以下、「薬液処理時液位」とも呼ぶ)に維持されつつ、薬液が循環する。つまり、ここでは前述した「通常循環」が実施される。処理室11C内の薬液はシール部材16を介して第2副室11S2にも流出(漏洩)するが、この薬液も循環用排液口132を介して下流側循環ライン53に流出し、循環経路内を循環する。通常循環の実施中には、処理室11C内での薬液の温度低下を防止するために、ヒーター129により、処理室11Cに面する処理容器11の壁が、例えば薬液の設定温度と概ね同じ温度に加熱される。
薬液処理時液位は、例えば各基板Wの下半分の領域が処理室11C内に貯留されている薬液に浸漬される程度の液位とすることができる。基板Wはローター18により回転させられているため、各基板Wの表面の薬液の液面より上方にある部分が乾くことはない。薬液の液面より上方にある基板Wの表面に付着した薬液が重力により基板の表面を下向きに流れるため、薬液の粘度および基板Wの表面に対する薬液の濡れ性次第では、基板Wの下側1/3程度の領域が薬液に浸漬されていれば十分な場合もある。
各基板Wの一部のみを薬液に浸漬することは、基板Wの全体を浸漬する場合と比較して、ローター18の回転駆動負荷の低減、基板Wの表面と薬液との比較的高い相対速度を実現する上で好ましい。しかしながら、薬液処理時液位を、各基板Wの全体が処理室11C内に貯留されている薬液に浸漬されるような液位にしても構わない。薬液処理時液位の高低に関わらず、処理室11C内の薬液は回転するローター18および基板Wにより攪拌されるため、処理室11C内の薬液の組成が均一化され、基板Wの処理の面内均一性および面間均一性が向上する。
ローター18に保持された複数の基板Wのうち円盤181Aに最も近い基板Wと、円盤181Aとの間の間隔は、隣接する基板W同士の間隔と等しいか概ね等しいことが好ましい。円盤181Bとこれに最も近い基板Wとの間隔も、隣接する基板W同士の間隔と等しいか概ね等しいことが好ましい。そうすることにより、両端の基板の表面近傍の薬液の流動条件が他の基板と概ね同じになり、これにより基板Wの処理の面間均一性が向上する。
薬液処理工程では、処理室11Cの液面より上方の空間が窒素ガス雰囲気となっているため、処理室11C内の酸素が薬液中に溶解することによる処理結果への悪影響および酸化による薬液の劣化を抑制することができる。また、基板Wの一部のみを薬液に浸漬させる場合に、基板Wの上半部が酸化することも防止することができる。
例えば、薬液処理が、TMAHによりPoly-Siをエッチングする処理であった場合、基板が回転しない基板保持部により保持され、かつ処理槽内の雰囲気が大気雰囲気である場合、大気中の酸素がTMAH中に溶け込み、液面付近のTMAH中の酸素濃度が高くなり、エッチングの面内均一性が損なわれるおそれがある。本実施形態ではそのような問題は生じない。
本実施形態では、処理室11Cは閉鎖され、概ね密閉されている。また、処理室11C内には窒素ガスが供給され、かつ、処理室11C内の雰囲気は通気路127,128を介して吸引されているが、窒素ガス供給流量および処理室11Cの吸引流量は、処理室11Cを窒素ガス雰囲気に維持するために必要な程度の少量である。従って、処理室11C内において薬液の表面から蒸発した水蒸気が自由に処理室11Cの外に出て行けないので、薬液循環系内を循環する薬液の濃度の変化は低く抑制される。このため、エッチングレート(あるいは反応速度)の変動を抑制することが可能である。この効果は、大気開放タイプの処理室(処理槽)を用いるバッチ式液処理ユニットと比較すると顕著である。
予め定められた薬液処理時間が経過したら、処理室11C内に実質的に薬液が無い状態へと移行する。具体的には例えば、バイパスライン57の開閉弁V1を開き、上流側循環ライン52および下流側循環ライン53に設けられた開閉弁V2,V3を閉じ、排液ライン136の開閉弁V4を開く。これにより、薬液ノズル28から処理室11C内への薬液の供給が停止され、また、処理室11C、第1副室11S1および第2副室11S2内に残留している薬液が排出される。このとき「通常循環」から「待機循環」へと移行したことになる。
処理室11C、第1副室11S1および第2副室11S2内に残留していた薬液の再利用が望まれる場合には、排液ライン136から回収ライン(図示せず)を分岐させ、この回収ラインを介して例えば薬液循環機構50のタンク51に薬液を戻せるような構成を採用してもよい。
処理室11C内から薬液のほぼ全てが排出された後、あるいは、処理室11C内の薬液の液位がローター18の最下部よりも低くなった後に、ローター18を例えば500rpm以下程度の中速で回転させて、基板Wに付着している薬液を振り切って除去する。この薬液の振り切りは省略してもよい。
[リンス工程]
次に、ローター18を例えば10~200rpm程度の比較的低回転で回転させた状態で、処理室11Cに設けられた処理流体ノズル30(リンスノズル31)からリンス液(例えばDIW)を吐出する。また、第1副室11S1および第2副室11S2の洗浄液ノズル37,38からも洗浄液としてのリンス液を吐出する。リンス液は常温であってもよく、加熱されていてもよい。
これにより、基板Wの表面に残留する薬液がリンス液により洗い流される。また、処理室11Cの内部空間に面している液処理ユニット10の構成部品(処理容器11、ローター18、回転軸21等)の表面も、リンスノズル31から吐出されたリンス液、並びにローター18および基板Wから飛散するリンス液により洗い流される。第1副室11S1および第2副室11S2の内部空間に面している液処理ユニット10の構成部品の表面も、リンス液により洗い流される。処理室11Cおよび第1副室11S1および第2副室11S2内のリンス液(洗浄液)は、開閉弁V4が開かれた排液ライン136を介して廃棄される。
次に、リンスノズル31および洗浄液ノズル37,38からのリンス液の供給を停止し、ローター18例えば500rpm以下程度の中速で回転させ、これにより、ローター18および基板Wに付着しているリンス液を振り切りある程度除去する(乾燥しないように、リンス液を完全には除去しない)。基板Wに付着したリンス液の振り切りを行っている間、洗浄液ノズル37,38から洗浄液(リンス液)を吐出し続けてもよい。振り切りを省略して次工程に進んでもよい。
[乾燥工程(第1工程:乾燥前処理)]
次に、ローター18の回転数を、例えば10~200rpm程度の中速にし、乾燥用流体ノズル32から、乾燥用流体として以下のいずれかを吐出する。
(1)IPAミストもしくはIPA蒸気
(2)IPAミストと、SMDミスト若しくはSMD蒸気との混合流体
これにより、上記(1)(2)のいずれの場合においても、基板Wの表面特にパターンの凹部内にあるリンス液(DIW)がIPAに置換される。上記(2)の場合、さらに基板Wの表面特にパターンの凹部の表面が疎水化される。
上記(2)に代えて、IPAミストもしくはIPA蒸気の供給後に、SMDミスト若しくはSMD蒸気を供給してもよい。
[乾燥工程(第2工程:本乾燥処理)]
次に、処理流体ノズル30(ガスノズル33)からの窒素ガスの供給を継続したまま、 で乾燥用流体ノズル32からの乾燥用流体の吐出を停止し、本乾燥処理として、(A)減圧乾燥、または(B)回転乾燥を行う。
(A)減圧乾燥を行う場合には、排気ライン143を介した排気流量を調整する(例えば増加させる)ことにより、処理室11C内の圧力を例えばゲージ圧で-20kPa程度に減圧する。排気流量の調整は、排気ライン143にエゼクタまたは真空ポンプ等の吸引用機器が設けられている場合には、当該吸引用機器の吸引力を調節すればよい。また、排気ライン143にバタフライ弁等の流量調整機能を有する弁が設けられている場合には、当該弁の開度を調節すればよい。処理室11C内を減圧した状態を5分程度継続することにより、IPAが蒸発し、パターンの凹部内を含めた基板Wの全表面が乾燥する。(A)減圧乾燥を行う場合には、ローター18の回転数を、乾燥前処理の実行中と同じに維持してもよいし、回転を停止してもよい。
(B)回転乾燥を行う場合には、ローター18の回転数を増大させ、例えば100~1000rpm程度(具体的には例えば800rpm程度)の比較的高回転にする。この状態を5分程度継続することにより、基板W上のIPAが振り切られるとともに蒸発し、パターンの凹部内を含めた基板Wの全表面が乾燥する。(B)回転乾燥は、処理室11C内の圧力をゲージ圧で-20kPa程度に減圧した状態で行ってもよい。つまり、(A)減圧乾燥と(B)回転乾燥とを同時に行ってもよい。
以上により、1バッチ(例えば25枚)の基板の処理が終了する。
[基板搬出工程]
次に、ガスノズル33からの窒素ガスの供給を停止する。次に、図6の(D)から(A)へと逆行する手順により、ローター18から基板Wを取り出す。取り出された基板Wは、例えば元の基板搬送容器Cに収容される。
以下、液処理ユニット10により実行される薬液処理および処理条件の例を示す。
<例1>
薬液処理の目的:チャネルのPoly-Siエッチング
薬液:TMAH、TM-Y(トリメチル-2ヒドロキシエチル アンモニウムハイドロオキサイド )、SC1等のアルカリ薬液
薬液温度:60~80℃
処理時間:~60min
<例2>
薬液処理の目的:W/TiNのWエッチング、もしくはMo/TiNのMoエッチング(メタルエッチング)
薬液:PAN(リン酸+酢酸+硝酸)
薬液温度:20~80℃
処理時間:~90min
(備考:薬液は有機酸(酢酸、蟻酸、シュウ酸)等のみでも可とする。)
<例3>
薬液処理の目的:SiNエッチング(ダミーワード抜き)
薬液:リン酸
薬液温度:150~165℃
処理時間:~300min
次に、液処理ユニットの変形実施形態について説明する。
[第1変形実施形態]
上記の実施形態では、処理容器11がX方向に移動し、ローター18、モーター24および第1閉塞構造物15Aの組立体ASおよび第2閉塞構造物15BがX方向には移動しなかったが、これには限定されない。すなわち、図7に示すように、処理容器11を不動(X方向に移動しない)に設け、組立体ASおよび第2閉塞構造物15BをX方向に移動させてもよい。図7(A)は、ローター18が処理容器11内に収容されて基板に液処理を施すことが可能となっている状態を示している。図7(A)では、ローター18と処理容器11との間の位置関係は、前述した第1位置関係にある。図7で(B)は、ローター18が処理容器11の外部に位置するとともに、第2閉塞構造物15Bが処理容器11内に位置している状態を示している。図7(B)では、ローター18と処理容器11との間の位置関係は、前述した第2位置関係にある。図7(B)に示す状態では、基板搬送ロボットとローター18との間で基板の受け渡しを行うことができる。また、図7には記載されていない姿勢変換機構によりローター18の姿勢を変化させることができる。処理容器11が可動であると、例えば、処理容器11の移動が許容されるように供給ラインを構成しなければならなくなるが(例えばフレキシブルチューブの採用)、処理容器11を固定した場合にはそのような構成を採用する必要は無い。
[第2変形実施形態]
上記の実施形態では、処理容器11の両端が開放されていたが、これには限定されない。図8に概略的に示すように、処理容器11の第1端部のみを開放し、第2端部を閉鎖してもよい。この第2変形実施形態においては、処理容器11の第1端部側の構成は、図1に示したものと同じ構成とされ、第2端部側の構成のみが変更され、第2閉塞構造物15Bは設けられない。この第2変形実施形態においては、処理容器11をX方向に可動としても、ローター18、回転軸21、モーター24、第1閉塞構造物15A等からなる組立体ASをX方向に可動としても構わない。処理容器11の第2端部に第1壁117および第2壁118からなる二重壁を設け、2つの壁117,118の間の空間を第2副室11S2’として用いてもよい。第2副室11S2’の底部に、循環用排液口および廃棄用排液口を設けることができる。第1壁117に貫通穴(液体連通路)を設ければ、第1副室11S1にだけでなく第2副室11S2’にも処理室11C内の薬液をオーバーフローさせることができる。
[複数薬液を供給可能な処理液供給機構]
上記実施形態では、使用する薬液は1種類であったが、これに限定されず、2種類以上の薬液を用いて液処理を行ってもよい。この場合、1回目の薬液処理工程を行った後に、1回目のリンス工程を行い、その後に(乾燥工程に移行せずに)2回目の薬液処理工程および2回目のリンス工程を行い、さらにその後に乾燥工程に移行すればよい。
以下に、2種類の薬液として酸性薬液およびアルカリ系薬液を用いて液処理を行うことができる液処理ユニット10について図9を参照して説明する。図9に示した構成と図1に示した構成との差異について以下に簡単に説明する。
酸性薬液循環機構50Aとアルカリ性薬液循環機構50Bの2つの循環機構が設けられる。これらの循環機構50A、50Bに設けられた開閉弁を適宜切り替えることにより、循環機構50A、50Bの一方の薬液が、薬液ノズル28、処理室11C、第1副室11S1、第2副室11S2を介して循環し(前述した「通常循環」に相当)、循環機構50A、50Bの他方の薬液はバイパスライン(57Aまたは57B)を通って循環する(前述した「待機循環」に相当)ようにすることができる。「50+N」(Nは一桁の自然数)の数字の後に「A」が付けられた部材は酸性薬液循環機構50Aに関連する部材であり、「B」が付けられた部材はアルカリ性薬液循環機構50Bに関連する部材である。末尾のアルファベット(A,B)が付けられた50番台の参照符号(例えば51A)が付けられた部材は、図1においてアルファベット(A,B)無しの50番台の参照符号(例えば51A)が付けられた部材と同じ役割を果たす部材である。
排液ライン136が、半導体製造工場の排液管路と、酸性薬液循環機構50Aの下流側循環ライン53Aと、アルカリ性薬液循環機構50Bの下流側循環ライン53Bに選択的に接続することができるようになっている。この目的のために、排液ライン136、下流側循環ライン53A,53Bに開閉弁が設けられている。
詳細には、排液ライン136の下流側端部は、ドレインボックスを介して、半導体製造工場の酸性排液用管路およびアルカリ性排液用管路のうちのいずれか一方に選択的に接続できるようになっている。ドレインボックスの上流側において、排液ライン136が、酸性薬液循環機構50Aの下流側循環ライン53Aと、アルカリ性薬液循環機構50Bの下流側循環ライン53Bに接続されている。排液ライン136、下流側循環ライン53A,53Bに開閉弁が設けられており、これら開閉弁を適宜切り替えることにより、排液ライン136を、半導体製造工場の排液管路、下流側循環ライン53Aおよび下流側循環ライン53Bのいずれか一つに選択的に連通させることができるようになっている。
下流側循環ライン53Aおよび下流側循環ライン53Bから回収ライン53A1,53B1がそれぞれ分岐しており、回収ライン53A1,53B1には酸回収タンク53A2およびアルカリ回収タンク53B2が介設されている。回収ライン53A1(53B1)は、酸性薬液循環機構50A(アルカリ性薬液循環機構50B)内を薬液が循環していないときに第1副室11S1、第2副室11S2から排出された薬液を廃棄せずに酸回収タンク53A2(アルカリ回収タンク53B2)に一時的に貯留するために用いることができる。酸回収タンク53A2(アルカリ回収タンク53B2)に貯留された薬液は適当なタイミングで酸性薬液循環機構50A(アルカリ性薬液循環機構50B)のタンク51A(51B)に戻すことができる。
排気ライン143には、排気中に含まれる水分(ミスト等)を排気(ガス)から分離する排気ボックス144が介設されている。排気ボックス144の下流側において、排気ライン143は、酸排気用のライン(これは半導体製造工場の酸排気用ダクト(Ac-EXH)に接続される)、アルカリ排気用のライン(これは半導体製造工場のアルカリ排気用ダクト(Al-EXH)に接続される)および有機排気用(これは半導体製造工場の有機排気用ダクト(Or-EXH)に接続される)のラインに分岐している。排気ボックス144のところで排気ライン143から分岐する排液ライン145は、酸排液用のライン(これは半導体製造工場の酸排液用管路(Ac-DR)に接続される)、アルカリ排液用のライン(これは半導体製造工場のアルカリ排液用管路(Al-DR)に接続される)および有機排液用(これは半導体製造工場の有機排液用管路(Or-DR)に接続される)のラインに分岐している。上記各ラインに介設された開閉弁を適宜切り替えることにより、排気および排液は、当該排気および排液の種類に応じた排出先に排出される。
図9に示した処理容器11の底部には、図1に示した処理容器11とは異なり、下流側循環ライン53A,53Bに直接接続される循環用排液口131,132は設けられておらず、廃液用排液口133,134に接続された排液ライン136を必要に応じて下流側循環ライン53A,53Bに連通させることができるようになっている。図9に示した処理容器11の上部に設けられた各種構成要素は、図1に示した処理容器11の上部に設けられたものと同じであり、重複説明は省略する。
上述した液処理ユニット10の実施形態によれば、複数の基板を鉛直姿勢で水平方向に並べてローターに保持させて水平軸線周りに回転させながら処理を行うため、各基板の温度の面内均一性を高めることができ、このため処理結果の面内均一性を高めることができる。また、基板を回転させることにより処理液が攪拌されるため、処理室内の各場所における処理液の状態を均一化することができる。また、基板を回転させることにより、基板表面と反応した処理液が直ちに置換されるため、各基板の処理の面内均一性を高めることができる。また、基板表面に形成されたパターンの凹部内にある処理液の置換性も向上するため、パターンのトップ/ボトム間でも均一なエッチングを行うことができる。また、基板を回転させることにより基板表面と処理液との相対速度を基板間で均一化することができる。このように、基板を回転させない従前のバッチ式液処理装置で処理の面内/面間均一性を向上させるための各種方策(例えば処理液ノズルからの吐出流量の増加、窒素ガス吐出により処理液の流速を増大させること(気泡に作用する浮力による))を実施する必要がなくなる。
また、上記の液処理ユニット10の実施形態によれば、処理室が閉鎖され、概ね密閉されているため、基板表面を外気に晒すことなく、薬液処理から乾燥処理まで連続して処理を行うことができる。処理室を例えば不活性ガス雰囲気とすることにより、大気程度の酸素濃度下での処理が好ましくない処理(例えば比較的容易に酸化する金属配線材料、あるいはSxP等の低酸素濃度雰囲気が要求されるカルコゲナイドが露出した基板の処理)を問題無く実施することができる。処理室を例えば不活性ガス雰囲気とすることにより、酸素による薬液の劣化を抑制することができる。また、処理室が閉鎖され、概ね密閉されているため、薬液中の水分の蒸発による薬液濃度の変化を抑制することもできる。
次に、上述した液処理ユニット10を備えた基板処理システム1の全体構成について図10~図14を参照して説明する。以下、説明の便宜のため、基板処理システム全体についてX’Y’Z’直交座標系を設定し、適宜この直交座標系を参照しつつ説明を行うこととする。X’方向およびY’方向は互いに直交する水平方向、Z’方向は鉛直方向である。
基板処理システム1は、キャリアブロック2と、処理ブロック3とを有する。
キャリアブロック2には、ロードポート2Aと、第1搬送空間2Bとが設けられている。ロードポート2Aには、Y’方向に沿って並んだ複数の容器載置台2A1(容器載置部)が設けられている。各容器載置台2A1にはFOUP等の基板搬送容器C(以下、単に「容器C」と呼ぶ)を1つずつ載置することができる。容器Cには複数例えば25枚の基板Wが、水平姿勢で、鉛直方向(Z’方向)に等間隔に(第1等ピッチP1で)収容されている。
ロードポート2Aと第1搬送空間2Bとの間は、開閉自在の開口を有する隔壁で仕切られている。第1搬送空間2Bには、第1基板搬送ロボット(第1基板搬送装置)2Cが設けられている。第1基板搬送ロボット2Cは、多軸(X,Y,Z,θ軸等を有する)搬送ロボット、あるいは多関節ロボットとして構成することができる。
処理ブロック3には、未処理基板用の受け渡しユニット(基板受け渡し部)3Aと、処理済み基板用の受け渡しユニット(基板受け渡し部)3Bと、第2基板搬送ロボット(第2基板搬送装置)3Cと、複数の液処理ユニット10とが設けられている。各液処理ユニット10は、先に説明した構成(例えば図1に示された構成)を有している。受け渡しユニット3A,3Bの構成は互いに実質的に同一である。受け渡しユニット3A,3Bは、第1基板搬送ロボット2Cと第2基板搬送ロボット3Cとの間の基板Wの受け渡しを仲介する中継ユニットとしての役割を有している。
第1基板搬送ロボット2Cは、ロードポート2Aの任意の容器載置台2A1に載置された容器Cと、受け渡しユニット3A,3Bとの間で基板Wを搬送することができる。第1基板搬送ロボット2Cは、複数例えば25枚の基板Wを一度に保持することができるエンドエフェクタ(これは例えば25枚のフォークを有する)を有している。第1基板搬送ロボット2Cは、容器載置台2A1上に載置された容器Cから複数例えば25枚の基板Wを一括して取り出し、一括して受け渡しユニット3Aの基板保持構造3A1に渡すことができる。また、第1基板搬送ロボット2Cは、受け渡しユニット3Bの基板保持構造3B1から複数例えば25枚の基板Wを一括して取り出し、容器載置台2A1上に載置された容器Cに収納することもできる。
次に、図15および図16を参照して、処理ブロック3に設けられた受け渡しユニット3Aの構成について説明する。受け渡しユニット3Aは、基板保持構造3A1と、移動機構3A2と、姿勢変換機構3A3とを有している。
基板保持構造3A1は、前面が開放された概ね箱型のフレーム(枠体)3A11と、フレーム3A11に取り付けられた複数の基板支持部材3A12と、基板支持部材3A12の間隔を変更するピッチチェンジ機構3A13とを有している。基板支持部材3A12は、例えば、基板Wの裏面周縁部を下方から支持するように形成されている。
移動機構3A2は、基板保持構造3A1を、第1位置(図16の左側に示す)と第2位置(図16の右側に示す)との間でX方向に移動させることができる。基板保持構造3A1の第1位置とは、基板保持構造3A1と第1基板搬送ロボット2Cとの間での基板Wの受け渡しに適した位置である。基板保持構造3A1の第2位置とは、基板保持構造3A1と第2基板搬送ロボット3Cとの間での基板Wの受け渡しに適した位置である。移動機構3A2は、例えば、X方向に延びるガイドレール3A21と、ガイドレールに沿って走行する走行体3A22とから構成することができる。
基板保持構造3A1と第1基板搬送ロボット2Cとの間での基板Wの受け渡し、および基板保持構造3A1と第2基板搬送ロボット3Cとの間での基板Wの受け渡しが、同じ位置で(つまり基板保持構造3A1を移動させなくても)支障無く行えるのであれば、移動機構3A2を省略することができる。後の説明から理解できるように、本実施形態では第2基板搬送ロボット3Cのコンパクト化のために第2基板搬送ロボット3Cの機能(水平移動範囲)を制限しているため、移動機構3A2を設けた方が好ましい。
ピッチチェンジ機構3A13は、例えば、複数の基板支持部材3A12とフレーム3A11との間に介在するように設けられる。ピッチチェンジ機構3A13は、基板保持構造3A1の複数の支持部材3A12の配列ピッチを、第1等ピッチP1と第2等ピッチP2との間で変化させることができる。
ピッチチェンジ機構として様々なタイプ、例えばカム式、エアシリンダ式、レージトング(lazy tongue、多連式の平行パンタグラフリンク)式のものが既に公知であり、ここでは例えばカム式のものを用いることができる。ピッチチェンジ機構は、ピッチチェンジャー、ピッチ変更機構、ピッチ変更ユニット等の名称で商業的に入手可能であり、ピッチチェンジ機構の具体的な構造の説明については省略する。公知のピッチチェンジ機構の大半は、ピッチサイズに関わらず、複数のスライダが常に等間隔に配列された状態を維持するように構成されている。図示しないスライダは、上述した基板支持部材3A12と一体的に結合されており、スライダを移動させることにより基板支持部材3A12により支持された基板Wの配列ピッチを変更することができる。
姿勢変換機構3A3は、例えば、電気回転モーター(例えばステッピングモータ)3A31と、駆動タイミングプーリー3A32と従動タイミングプーリー3A33と、タイミングプーリー3A32,3A33間に掛け渡されたタイミングベルト3A34と、回転軸3A37と、支柱3A36とから構成することができる。移動機構3A2の走行体3A22には電気回転モーター3A31が取り付けられ、電気回転モーター3A31の回転軸に駆動タイミングプーリー3A32が取り付けられている。基板保持構造3A1のフレーム3A11から回転軸3A37がY方向(水平方向)に延びており、回転軸3A37はベアリング等を介して支柱3A36に支持されている。回転軸3A37の先端部には従動タイミングプーリー3A33が設けられている。従って、電気回転モーター3A31を駆動することにより、基板保持構造3A1のフレーム3A11をY方向に延びる水平方向軸線周りに回転させることができる。これにより、基板支持部材3A12により保持された基板Wの姿勢を水平姿勢と鉛直姿勢との間で変更することができる。
基板支持部材3A12には、支持している基板Wを支持部材に着脱可能に固定する手段、例えば吸着パッド3A15を設けることができる。これにより基板Wが鉛直姿勢になったときに基板支持部材3A12から基板Wが脱落することを確実に防止することができる。
受け渡しユニット3Bの構成は受け渡しユニット3Aと同一であるため、構造の図示および説明は省略する。以下、本明細書において、受け渡しユニット3Bの構成要素は、受け渡しユニット3Aの同じ構成要素の参照符号の「A」を「B」に変更して表記される(例えば、「姿勢変換機構3A3」→「姿勢変換機構3B3」)。
第2基板搬送ロボット3Cの構成の一例について、図17を参照して説明する。第2基板搬送ロボット3Cは、ベース3C1と、ターンテーブル3C2と、ガイドレール3C3と、昇降体3C4と、アーム3C5と、エンドエフェクタ3C6とを有している。
ベース3C1は基板処理システム1の図示しない機枠(フレーム)に固定されている。ターンテーブル3C2は、鉛直方向軸線Ax1を中心として回転可能にベース3C1に取り付けられている。ターンテーブル3C2を回転させることにより、アーム3C5の長手方向中心軸線を任意の方向に向けることができる。ガイドレール3C3は、鉛直方向軸線Ax1からオフセットした位置を鉛直方向に延びている。昇降体3C4は、当該昇降体3C4に内蔵された図示しない昇降駆動機構により、ガイドレール3C3に沿って昇降する。アーム3C5は、昇降体3C4に内蔵された図示しないアーム駆動機構により水平方向に移動する。アーム3C5の長手方向中心軸線は、鉛直方向軸線Ax1と直交している。つまり、アーム3C5は、ターンテーブル3C2の回転角度位置に関わらず、鉛直方向軸線Ax1に直交する放射(半径)方向に進退することができる。
エンドエフェクタ3C6には、複数個例えば5個または25個(図面の簡略化のため図17には5個だけ示す)の基板保持体3C61が設けられている。複数の基板保持体3C61は、複数の基板Wを鉛直姿勢で水平方向に等間隔(第2等ピッチP2)で保持する。各基板保持体3C61は吸着パッド3C62を有しており、吸着パッド3C62は基板Wの上部周縁部を真空吸着した状態で保持する。
第2基板搬送ロボット3Cのエンドエフェクタ3C6は、図18に示すように、複数の基板Wを水平姿勢で鉛直方向に等間隔(第2等ピッチP2)で保持するように構成されていてもよい。
第2基板搬送ロボット3Cのエンドエフェクタ3C6は、図19に示すように、基板Wを水平姿勢で保持する第1姿勢と、基板Wを鉛直姿勢で保持する第2姿勢をとることができるようになっていてもよい。このような機能は、例えば、アーム3C5とエンドエフェクタ3C6とを回転機構3C7を介して連結することにより実現することができる。
図示はしないが、エンドエフェクタ3C6に、基板保持体3C61の同士の間隔(つまり基板の配列ピッチ)を変更するピッチチェンジ機構を設けてもよい。なお、基板搬送ロボットの分野において、基板の配列ピッチを変換することができるエンドエフェクタは公知であるので、本明細書では説明は省略する。
第2基板搬送ロボット3Cの構成は、ローター18の姿勢変換機能の有無、受け渡しユニット3A,3Bの姿勢変換機能およびピッチチェンジ機能の有無などとの関係で決定することができる。
上記の各例においては、第2基板搬送ロボット3Cのアーム3C5の移動機能を、アーム3C5が搬出入対象(例えばローター18)に対向するようにアーム3C5を鉛直方向に昇降させる機能および鉛直方向軸線Ax1周りに回転(旋回)させる機能、並びにアーム3C5を搬出入対象に対して水平方向に進退させる機能に限定している。このため、第2基板搬送ロボット3Cを簡潔な構造でコンパクトに形成することができ、フットプリント面積を小さくすることができる。
第2基板搬送ロボット3Cの構成は上記のものに限定されるものではなく、後述する処理ブロック3内における基板Wの所望の搬送を実現することができるのであれば、他の構成を採用することも可能である。例えば、支柱をテレスコピックタイプのものとし、その上端にアーム3C5を鉛直方向軸線周りに回転させる回転機構と、アーム3C5を搬出入対象(例えばローター18)に対して進退させる水平方向移動機構を設けてもよい。
また例えば、第2基板搬送ロボット3Cが基板Wを水平姿勢で搬送するタイプのものである場合には、エンドエフェクタ3C6の各基板保持体は、吸着パッドを用いたバキュームクランプタイプのものに代えて、可動把持爪などを用いたメカニカルクランプタイプのものであってもよい。
次に、再度図10~図14を参照して、処理ブロック3内における複数の液処理ユニット10および各種機器の配置について詳細に説明する。
処理ブロック3内には、上述した受け渡しユニット3A,3B、第2基板搬送ロボット3Cおよび液処理ユニット10の他に、用力を提供する各種機器が設けられている。
図10~図14において、参照符号201が付けられた直方体形状のボックスにより、当該ボックスで囲われた領域内に、液処理ユニット10に供給される各種処理流体(薬液、純水、IPA、窒素ガス等)の供給に関与する各種機器(例えば図1、図9に示した薬液循環機構50など)が配置されていることが示されている。以下、説明の便宜上、上記ボックス201を「流体供給ボックス201」と呼ぶ。
図10~図14において、参照符号202が付けられた直方体形状のボックスより、当該ボックスで囲われた領域内に、液処理ユニット10から排出される各種処理流体の回収、廃棄などに関与する各種機器(例えば図9に示した排気ライン143,排気ボックス144など)が配置されていることを意味している。以下、説明の便宜上、上記ボックス202を「流体排出ボックス202」と呼ぶ。
参照符号203が付けられた直方体形状のボックスにより、当該ボックスで囲われた領域内に、液処理ユニット10への電力供給用の機器および液処理ユニット10の制御用の機器(例えば図1および図9に示したコントローラ100となど)が配置されていることを意味している。以下、説明の便宜上、上記ボックス203を「電気/制御ボックス203」と呼ぶ。
各ボックス(201,202,203)は、機器の配置領域のアウトラインを概略的に示す仮想のボックスであり、ボックスに対応する形状の単一のケースないしハウジング内に機器が配置されていることを意味するものではない。各ボックス(201,202,203)において、ボックスに対応する形状の単一のケースないしハウジング内に機器が配置されていても構わないが、ケースに納められていない剥き出しの配管、配線、デバイス等の集合がボックスに対応する領域に配置されていてもよい。
処理ブロック3は、高さの異なる複数の階層を有している。図示例では、処理ブロック3は、第1階層L1(最下層)、第2階層L2(中間層)および第3階層L3(最上層)を有している。説明の便宜上、第1階層L1のZ’座標は1、第2階層L2のZ’座標は2、第3階層L3のZ’座標は3と定義する。
各階層は、大まかに9つの区画に分割される。平面図中において最も左側の区画のX’座標を1、最も右側の区画のX’座標を3とし、中間の区画のX’座標を2と定義する。また、平面図中において最も下側の区画のY’座標を1、最も上側の区画のY’座標を3とし、中間区画のY’座標を2と定義する。以下の説明において、区画(N,M)は、X’座標がN、Y’座標がMの区画を意味するものとする。
第1階層L1、第2階層L2および第3階層L3の全てにおいて、区画(1,1)および区画(3,3)には、流体排出ボックス202が設けられている。流体排出ボックス202は、第1階層L1、第2階層L2および第3階層L3を貫いて鉛直方向に連続的に設けられている。
第1階層L1、第2階層L2および第3階層L3の全てにおいて、区画(1,3)および区画(3,1)には、流体供給ボックス201が設けられている。流体供給ボックス201は、第1階層L1、第2階層L2および第3階層L3を貫いて鉛直方向に連続的に設けられている。
第1階層L1、第2階層L2および第3階層L3の全てにおいて、区画(2,2)つまり中央区画に、第2基板搬送ロボット3Cが、第1階層L1、第2階層L2および第3階層L3を貫いて鉛直方向に連続的に設けられている。
第2階層L2および第3階層L3の各々において、区画(1,2)、区画(2,1)、区画(2,3)、区画(3,2)には、液処理ユニット10が1つずつ設けられている。また、第1階層L1の、区画(2,1)、区画(2,3)には、液処理ユニット10が1つずつ設けられている。各液処理ユニット10のローター18は、第2基板搬送ロボット3Cに近い側に設けられており、ローター18の回転軸線Axは第2基板搬送ロボット3Cの方を向いている。各液処理ユニット10の処理容器11は、平面視で、第2基板搬送ロボット3Cに接離するように移動する。各液処理ユニット10の処理容器11の第1位置(処理位置)は第2基板搬送ロボット3Cに近い側にあり、第2位置(退避位置)は第2基板搬送ロボット3Cから遠い側にある。
第1階層L1の区画(1,2)には、受け渡しユニット3A,3Bが配置されている。つまり、図示された実施形態では、受け渡しユニット3A,3Bは、複数の液処理ユニット10のうちの1つが、受け渡しユニット3A,3Bの上方に配置されている。受け渡しユニット3A,3Bを第2階層L2または第3階層L3に設け、複数の液処理ユニット10のうちの1つを受け渡しユニット3A,3Bの下方に配置してもよい。このように液処理ユニット10のうちの1つを上下方向に重なるように配置することにより、処理ブロック3内のスペースを有効利用することができる。
本実施形態では、図11に示すように、未処理の基板Wを扱う受け渡しユニット3Aが、処理済みの基板Wを扱う受け渡しユニット3Bの上方に設けられている。受け渡しユニット3A,3Bの各々において、基板保持構造3A1(3B1)は、第2基板搬送ロボット3Cに接離するようにX’方向に移動するようになっており、基板保持構造3A1(3B1)の第2位置が第2基板搬送ロボット3Cに近い側にある。
上記のように処理ブロック3が構成されているため、第2基板搬送ロボット3Cは、処理ブロック3内にある全ての液処理ユニット10のローター18との間で基板Wの受け渡しを行うことができる。さらに、第2基板搬送ロボット3Cは、受け渡しユニット3A,3Bの第2位置にある基板保持構造3A1,3A2との間で基板Wの受け渡しを行うことができる。
次に、基板処理システム1内における基板Wの流れについて説明する。以下に説明する各種機器の動作は、基板処理システム1全体の動作を制御するコントローラ(例えば前述したコントローラ100)により制御される。
[基板の流れの第1の例]
まずは、液処理ユニット10のローター18の姿勢が可変である場合について説明する。この場合、基板Wは、容器Cから取り出されてからローター18に渡されるまでの間、ずっと水平姿勢を維持した状態で搬送される。この場合、受け渡しユニット3A,3Bから姿勢変換機構3A3,3B3が省略され、かつ、水平姿勢で基板を搬送するタイプの第2基板搬送ロボット3C(例えば図18に示した構成を有するもの)が用いられる。
ロードポート2Aに載置された基板搬送容器Cに第1等ピッチP1で収容された複数例えば25枚の未処理の基板Wを第1基板搬送ロボット2Cが一括して取り出し、未処理基板用の受け渡しユニット3Aの第1位置にある基板保持構造3A1に渡す。
基板保持構造3A1に渡された基板Wの配列ピッチは、ピッチチェンジ機構3A13により、第1等ピッチP1から第2等ピッチP2(例えばP1>P2)に変換される。その後、移動機構3A2により基板保持構造3A1が第2位置に移動する。配列ピッチの変換は、基板保持構造3A1が第1位置から第2位置に移動する途中、あるいは第2位置に移動した後に行ってもよい。
次に、第2基板搬送ロボット3Cが、基板保持構造3A1から25枚の基板を一括して取り出し、予め定められた処理スケジュールにより指定された液処理ユニット10のローター18に基板を渡す。第2基板搬送ロボット3Cとローター18との間の基板の受け渡し、および処理容器11の移動による処理室11Cの形成については図6およびその説明を参照されたい。次いで、液処理ユニット10で基板に一連の処理(薬液処理、リンス処理、乾燥処理等)が施される。
処理の終了後、第2基板搬送ロボット3Cが、直立姿勢となっている液処理ユニット10のローター18から25枚の基板を一括して取り出し、処理済み基板用の受け渡しユニット3Bの第2位置にある基板保持構造3B1に渡す。基板保持構造3B1に渡された基板Wの配列ピッチは、ピッチチェンジ機構3B13により、第2等ピッチP2から第1等ピッチP1に変換される。その後、移動機構3B2により基板保持構造3B1が第1位置に移動する。配列ピッチの変換は、基板保持構造3B1が第2位置から第1位置に移動する途中、あるいは第1位置に移動した後に行ってもよい。
次に、第1位置にある基板保持構造3B1から25枚の処理済みの基板Wを第1基板搬送ロボット2Cが一括して取り出し、元の基板搬送容器Cに収納する。
なお、上記の説明では、第1基板搬送ロボット2Cおよび第2基板搬送ロボット3Cは25枚(規定処理枚数)の基板Wを一括して搬送していたが、これに限定されるものではなく、基板Wを例えば5枚(規定処理枚数の一部であってかつ複数枚)ずつ搬送してもよい。この場合、搬送時間が長くなるが、エンドエフェクタの構造を簡素化することができる。
[基板の流れの第2の例]
次に、液処理ユニット10のローター18に姿勢変換機能が無い場合、言い換えるとローター18が水平姿勢で固定されている場合における基板処理システム内における基板Wの流れについて説明する。この場合、受け渡しユニット3A,3Bとしては姿勢変換機構3A3,3B3を有するタイプのもの(図15および図16に示した構成を有するもの)が用いられ、かつ、鉛直姿勢で基板を搬送するタイプの第2基板搬送ロボット3C(例えば図17に示した構成を有するもの)が用いられる。
なお、液処理ユニット10のローター18に姿勢変換機能を設けることそれ自体により、液処理ユニット10の製造コストが高くなる。また、ローター18に姿勢変換機能を設けると、処理容器11とローター18との位置合わせのため(例えば両者間のシールのため)、各液処理ユニット10の可動部材の一層の高精度化が求められ、これによっても液処理ユニット10の製造コストが高くなる。このため、基板処理システム1に含まれる液処理ユニット10の数が多い場合には、基板Wの姿勢変換機能は、液処理ユニット10以外の機器(受け渡しユニット3A,3Bまたは第2基板搬送ロボット3C)に与えた方がコスト面からは有利である。基板処理システム1に含まれる液処理ユニット10の数が少ない場合には、液処理ユニット10のローター18に姿勢変換機能を設けた方が装置コスト面から好ましい場合もある。
この第2の例においても、第1基板搬送ロボット2Cによるロードポート2A上の基板搬送容器Cから未処理基板用の受け渡しユニット3Aの基板保持構造3A1への基板Wの搬送は第1の例と同じである。
第1の例と同様に、受け渡しユニット3Aにおいては、基板保持構造3A1が第1位置にあるとき、あるいは第2位置に移動した後、あるいは第1位置から第2位置に移動する途中に、ピッチチェンジ機構3A13により、基板Wの配列ピッチを第2等ピッチP2(例えばP1>P2)に変換する。
この第2の例ではさらに、受け渡しユニット3Aの姿勢変換機構3A3は、基板保持構造3A1が第1位置にあるとき、あるいは第2位置に移動した後、あるいは第1位置から第2位置に移動する途中に、基板保持構造3A1を回転させ、基板Wの姿勢を水平姿勢から鉛直姿勢に変換する。
次に、第2基板搬送ロボット3Cが、第2位置にある基板保持構造3A1から鉛直姿勢となっている25枚の基板Wを一括して取り出す。第2基板搬送ロボット3Cは、基板保持構造3A1により保持されている基板Wの真上に位置し、その後下降する。このとき、エンドエフェクタ3C6の基板保持体3C61(図17を参照)が、基板保持構造3A1により保持されている隣接する基板Wの間の隙間に挿入される。そして、エンドエフェクタ3C6を基板Wの配列方向に微少量移動させることにより、吸着パッド3C62が基板Wの周縁部(好ましくは裏面の周縁部)と接するかあるいは微小隙間を空けて近接するように、各基板保持体3C61が位置決めされる。次いで、吸着パッド3C62が基板Wを吸着する。次いで、エンドエフェクタ3C6が上昇し、基板保持構造3A1から基板Wが取り出される。
第2基板搬送ロボット3Cは、基板Wを保持したエンドエフェクタ3C6を、液処理ユニット10のローター18の真上に位置させる。このとき、ローター18は2本の可動保持棒183が上側に位置するような角度位置にあり、かつ、2本の可動保持棒183は解放位置にある。この状態から、エンドエフェクタ3C6が下降し、ローター18の固定保持棒182の基板保持溝に基板Wを挿入し、次いで、吸着パッド3C62による基板Wの吸着を解除する。次いで、エンドエフェクタ3C6を基板Wの配列方向に微少量移動させて、基板保持体3C61を基板Wから離間させる。次いで、エンドエフェクタ3C6が上昇してローター18から退避する。
その後、処理容器11がスライドし、処理室11Cが形成され、基板Wに対して一連の処理が施される。
基板Wの処理が終了したら、上記と逆の手順を実行することにより、第2基板搬送ロボット3Cが液処理ユニット10のローター18から基板Wを取り出し、処理済み基板用の受け渡しユニット3Bに基板Wを渡す。受け渡しユニット3Bでは、基板Wの配列ピッチが第1等ピッチP1に変換され、また基板Wが水平姿勢とされ、そして基板保持構造3A1が第1位置に移動させられる。次いで、第1位置にある基板保持構造3B1から25枚の処理済みの基板Wを第1基板搬送ロボット2Cが一括して取り出し、元の基板搬送容器Cに収納する。
上記の第2の例においても、第1基板搬送ロボット2Cおよび第2基板搬送ロボット3Cは、25枚の基板Wを一括して搬送してもよいし、例えば5枚ずつ搬送してもよい。
[その他の変形例]
前述したように第2基板搬送ロボット3Cのエンドエフェクタにピッチ変換機能を設けてもよく、この場合、受け渡しユニット3A,3Bからピッチチェンジ機構3A13,3B3が省略される。第2基板搬送ロボット3Cは、受け渡しユニット3A,3Bとローター18との間で基板Wを搬送するときに、エンドエフェクタで保持している基板Wの配列ピッチを変更する。
前述したように第2基板搬送ロボット3Cにエンドエフェクタ3C6の姿勢を変換する姿勢変換機構を設けてもよく(図18を参照)、この場合、受け渡しユニット3A,3Bから姿勢変換機構3A3,3B4が省略され、液処理ユニット10のローター18に姿勢変換機構が省略される。第2基板搬送ロボット3Cは、受け渡しユニット3A,3Bとローター18との間で基板Wを搬送するときに、エンドエフェクタで保持している基板Wの姿勢を変換する。
なお、液処理ユニット10のローター18の姿勢変換が可能である場合、あるいは第2基板搬送ロボット3Cにエンドエフェクタの姿勢変換機能が設けられている場合には、受け渡しユニット3A(3B)に姿勢変換機能が設けられない。この場合、受け渡しユニット3A(3B)の基板保持構造3A1(3B1)のフレーム3A11(3B11)は、前面および背面の両方から基板Wの搬出入が可能となるように、前面および背面が開放される(図15および図16に示した構成例では前面のみが開放されている)。
上述した基板処理システム1の実施形態によれば、基板処理システム1には高さ位置の異なる少なくとも2つの階層(図示例では3つの階層L1,L2,L3)が設けられ、当該少なくとも2つの階層の各々に、複数の液処理ユニット10の2つ以上が配置されている。複数の液処理ユニット10の少なくとも1つ(図示例では2つ)が受け渡しユニット3A,3B(基板受渡し部)の上方または下方(図示例では上方)に配置されている。このため、同じフットプリント面積に対してより多くの液処理ユニット10を配置することができ、基板処理システム1全体における処理のスループットを向上させることができる。
また、上述した基板処理システム1の実施形態によれば、階層L2,L3の各々において、複数(図示例では4つ)の液処理ユニット10が第2基板搬送ロボット3Cの周囲を囲むように設けられている。そして、各液処理ユニット10のローター18における基板Wの配列方向が、当該ローター18に対する第2基板搬送ロボット3Cの基板の搬入方向と一致している。このことにより、第2基板搬送ロボット3Cが各液処理ユニット10に対して基板を搬出入するときに、第2基板搬送ロボット3Cのアーム3C5に複雑な動きをさせる必要がなくなる。つまり、第2基板搬送ロボット3Cとある1つの液処理ユニット10との間での基板Wの受け渡しを行うときには、第2基板搬送ロボット3Cのアーム3C5の高さを当該液処理ユニット10の高さ位置に合わせるとともに、第2基板搬送ロボット3Cのアーム3C5を鉛直方向軸線Ax1周りに回転させて当該液処理ユニット10に正対させればよい。どの液処理ユニット10が基板Wの搬出入対象であったとしても、上記の動作は共通である。また、上記配置により、第2基板搬送ロボット3Cの動作軸を少なくすることができる。つまり、第2基板搬送ロボット3Cは、アーム3C5を昇降させるZ軸、アーム3C5をZ軸周りに回転させるθ軸、アーム3C5をZ軸に直交する水平面内で進退させる水平軸(H軸)のみを有していれば十分である(但しそれより多い動作軸を有していても構わない。)。このことにより、第2基板搬送ロボット3Cの動作のために必要とされるフットプリント面積を小さくすることができる。また、このことにより、(上方から見て)第2基板搬送ロボット3Cと各液処理ユニット10との間隔を小さくすることができる。またこれにより、1つの階層内において液処理ユニット10を高密度に配置することができ、基板処理システム1のフットプリント面積を小さくすることができる。また、1つの階層内において、複数(図示例では4つ)の液処理ユニット10を、第2基板搬送ロボット3Cに正対させて第2基板搬送ロボット3Cの周囲を囲むように設けることにより、液処理ユニット10と液処理ユニット10との間に空の空間が生じるが、この空間は用力提供のための各種機器を配置するために有効利用することができる。
つまり、上述した基板処理システム1の実施形態によれば、フットプリント面積当たりのスループット(単位時間当たりの処理枚数)を向上させることができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
W 基板
10 液処理ユニット
18 基板保持部
11 処理容器
11A 第1開口部
11C 処理室
12 移動機構
15A 第1閉塞構造物
24 回転駆動部
31S,32S,33S,50など 処理流体供給機構

Claims (21)

  1. 複数の基板を鉛直姿勢で水平方向に並べて保持する基板保持部と、
    前記基板保持部を水平軸線周りに回転させる回転駆動部と、
    水平軸線方向に関して第1端側に、前記基板保持部が通過可能な第1開口部を有する処理容器と、
    前記処理容器の内部に基板を処理するための少なくとも一種類の処理流体を供給する処理流体供給機構であって、前記少なくとも一種類の処理流体には基板を浸漬させるための処理液が含まれている、前記処理流体供給機構と、
    前記処理容器の前記第1開口部を閉塞することができる第1閉塞構造物と、
    前記基板保持部と前記処理容器とを前記水平軸線方向に相対的に移動させて、前記基板保持部と前記処理容器との位置関係を第1位置関係と第2位置関係との間で変化させる移動機構と、
    を備え、
    前記基板保持部と前記処理容器とが前記第1位置関係にあるときに、前記処理容器が前記基板保持部の周囲を包囲するとともに前記処理容器の前記第1開口部が前記第1閉塞構造物により閉塞され、これにより、前記基板保持部に保持された各基板の少なくとも下部が浸漬されるように前記処理流体供給機構により供給された前記処理液を貯留し得る閉鎖された処理室が形成され、
    前記基板保持部と前記処理容器とが前記第2位置関係にあるときに、前記第1閉塞構造物が前記第1開口部を開放するとともに、前記基板保持部が前記処理容器に包囲されずに露出された状態となる、
    基板処理装置。
  2. 前記処理容器は、前記水平軸線方向に関して第2端側に第2開口部を有し、
    前記基板処理装置は、前記基板保持部と前記処理容器とが前記第1位置関係にあるときに前記第2開口部を閉塞する第2閉塞構造物をさらに備えている、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記第2閉塞構造物は、前記基板保持部と前記処理容器とが前記第2位置関係にあるときに前記第1開口部および前記第2開口部の両方を閉塞することができるように構成されている、請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 前記第2閉塞構造物は、前記処理容器の前記第1開口部および前記第2開口部の両方を同時に閉塞することが可能な水平軸線方向長さを有している、請求項3に記載の基板処理装置。
  5. 前記基板保持部と前記処理容器とが前記第1位置関係にあるときに、前記処理容器の前記第1開口部と前記第1閉塞構造物との間をシールするための第1シール部材が前記処理容器の前記第1開口部に設けられ、かつ、前記処理容器の前記第2開口部と前記第2閉塞構造物との間をシールするための第2シール部材が前記処理容器の前記第2開口部に設けられている、請求項2から請求項4のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置。
  6. 前記処理容器および前記第1閉塞構造物は、前記基板保持部と前記処理容器とが前記第1位置関係にあるときに、前記処理室に隣接して第1副室が形成されるように構成されており、
    前記処理室と前記第1副室とを連通させる液体連通路が設けられ、前記処理流体供給機構により前記処理室に供給された処理液を、前記液体連通路を介して前記第1副室にオーバーフローさせることが可能であり、
    前記第1副室に排液口が設けられている、
    請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置。
  7. 前記第1閉塞構造物は、第1の円盤状部材と第2の円盤状部材とを含み、前記第1の円盤状部材が前記処理室に面しており、前記第1の円盤状部材と前記第2の円盤状部材との間に前記第1副室が形成され、
    前記回転駆動部は、モーターと、前記水平軸線方向に延びて前記モーターと前記基板保持部とを連結する回転軸とを有し、前記第1の円盤状部材および前記第2の円盤状部材を前記回転軸が貫通し、
    前記第1の円盤状部材は、前記回転軸が貫通する部分に貫通穴を有し、前記貫通穴の内周面と前記回転軸の外周面との間に前記液体連通路が形成されている、
    請求項6に記載の基板処理装置。
  8. 前記処理容器および前記第1閉塞構造物は、前記基板保持部と前記処理容器とが前記第1位置関係にあるときに、前記処理室に隣接して第1副室が形成されるように構成されており、
    前記処理室と前記第1副室とを連通させるガス連通路が設けられ、前記処理室内のガスを、前記ガス連通路を介して前記第1副室に流出させることが可能であり、
    前記第1副室に排気口が設けられており、当該排気口を介して前記第1副室を吸引することにより、前記処理室内の圧力を前記第1副室内の圧力以上に維持しつつ前記処理室内を吸引することができるようになっている、
    請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置。
  9. 前記第1副室に、前記第1副室内を洗浄するための洗浄液を供給する洗浄液ノズルが設けられている、請求項6から請求項8のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置。
  10. 前記処理容器および前記第2閉塞構造物は、前記基板保持部と前記処理容器とが前記第1位置関係にあるときに、前記第1副室と反対側で前記処理室に隣接する第2副室が形成されるように構成されており、
    前記処理室と前記第2副室とを連通させる連通路が設けられ、前記処理室内の処理液またはガスを、前記連通路を介して前記第2副室に流出させることが可能であり、
    前記第1副室に排液口または排気口が設けられている、
    請求項2から請求項5のうちのいずれか一項に従属する請求項6または請求項8に記載の基板処理装置。
  11. 前記処理流体供給機構は、前記処理室内に貯留される前記処理液としての薬液を、前記処理容器の下部から前記処理容器内に供給する薬液ノズルを有している、請求項1から請求項10のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置。
  12. 前記処理流体供給機構は、前記処理容器の上部から前記処理容器内に処理液または処理ガスを供給する少なくとも1つの処理流体ノズルを含む、請求項1から請求項11のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置。
  13. 前記処理流体供給機構は、前記水平軸線方向に沿ってならんだ複数の吐出口を有し、各吐出口から処理液を扇形またはコーン形に吐出するように形成されている、請求項12に記載の基板処理装置。
  14. 前記回転駆動部は、モーターと、前記水平軸線方向に延びて前記モーターと前記基板保持部とを連結する回転軸とを有し、前記第1閉塞構造物を前記回転軸が貫通し、
    前記モーター、前記回転軸、前記第1閉塞構造物および前記基板保持部を含む組立体の姿勢を第1姿勢と第2姿勢との間で変更することができる姿勢変更機構をさらに備え、
    前記第1姿勢において、前記基板保持部は前記複数の基板を鉛直姿勢で水平方向に並べて保持し、前記第2姿勢において、前記基板保持部は前記複数の基板を水平姿勢で鉛直方向に並べて保持する、請求項1から請求項12のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置。
  15. 前記移動機構は、前記処理容器を第1位置と第2位置との間で水平方向に移動させる処理容器移動部からなり、前記処理容器が前記第1位置にあるときに前記第1位置関係が成立し、前記処理容器が前記第2位置にあるときに前記第2位置関係が成立する、請求項1から請求項14のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置。
  16. 複数の基板を鉛直姿勢で水平方向に並べて保持する基板保持部と、
    前記基板保持部を水平軸線周りに回転させる回転駆動部と、
    水平軸線方向に関して第1端側に、前記基板保持部が通過可能な第1開口部を有する処理容器と、
    前記処理容器の内部に基板を処理するための少なくとも一種類の処理流体を供給する処理流体供給機構であって、前記少なくとも一種類の処理流体には基板を浸漬させるための薬液が含まれている、前記処理流体供給機構と、
    前記処理容器の前記第1開口部を閉塞することができる第1閉塞構造物と、
    前記基板保持部と前記処理容器とを前記水平軸線方向に相対的に移動させて、前記基板保持部と前記処理容器との位置関係を第1位置関係と第2位置関係との間で変化させる移動機構と、
    を備えた基板処理装置を用いる基板処理方法であって、
    前記基板保持部と前記処理容器との位置関係を前記第2位置関係とする工程と、
    前記基板保持部に複数の基板を保持させる工程と、
    前記基板保持部と前記処理容器との位置関係を前記第1位置関係に移行させ、前記処理容器が前記基板を保持した前記基板保持部の周囲を包囲するとともに前記処理容器の前記第1開口部が前記第1閉塞構造物により閉塞することにより、前記基板を保持した前記基板保持部を収容する閉鎖された処理室を形成する工程と、
    前記処理室内に処理液を供給し、前記基板保持部に保持された各基板の少なくとも下部が浸漬されるように前記処理室内に薬液を貯留する工程と、
    前記基板を保持した前記基板保持部を水平軸線周りに回転させる工程と、
    を備え、
    回転する前記基板保持部に保持された各基板の少なくとも下部が前記処理室内に貯留された薬液に浸漬された状態で基板に対して薬液処理工程が実行される、基板処理方法。
  17. 前記基板保持部と前記処理容器との位置関係が前記第2位置関係となっているときに、前記基板保持部が直立姿勢とされ、
    前記基板保持部に複数の基板を保持させる工程は、複数の基板を水平姿勢で鉛直方向に並べた状態で行われ、
    前記基板保持部が前記複数の基板を保持した後に、前記基板保持部が水平姿勢とされ、これにより、前記基板保持部が前記複数の基板を鉛直姿勢で水平方向に並べて保持した状態となり、その後、前記基板保持部と前記処理容器との位置関係を前記第1位置関係に移行させる工程が実行される、
    請求項16に記載の基板処理方法。
  18. 前記処理室は実質的に密封された空間を有し、前記処理室のうち前記薬液で満たされていない上部空間が不活性ガス雰囲気とされた状態で前記基板に対して前記薬液処理工程が実行される、請求項16または請求項17に記載の基板処理方法。
  19. 前記薬液処理工程で用いられる薬液は、リン酸、TMAH、TM-Y、SC1、PAN(リン酸、酢酸および硝酸の混合液)、酢酸、蟻酸、またはシュウ酸である、請求項16から請求項18のうちのいずれか一項に記載の基板処理方法。
  20. 前記薬液処理工程の後に、前記処理室から前記薬液を排出する工程と、
    その後、前記処理室の上部に設けたリンスノズルから、回転する前記基板保持部に保持された各基板にリンス液を供給してリンス処理を施すリンス工程と、をさらに備え、
    前記リンス液は、純水または機能水である
    請求項16から請求項19のうちのいずれか一項に記載の基板処理方法。
  21. 前記リンス工程の後に、前記処理室の上部に設けた乾燥用流体ノズルから、回転する前記基板保持部に保持された各基板に乾燥用流体を供給し、その後基板を乾燥させる乾燥工程をさらに備え、
    前記乾燥用流体は、IPA、疎水化剤、およびIPAと疎水化剤の混合物のいずれかを含む、
    請求項20に記載の基板処理方法。
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