JP2022138991A - 外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法 - Google Patents

外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法 Download PDF

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暦 秦
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Abstract

【課題】外輪を内輪アッシーの外周に装着するときに、内輪アッシーを構成する玉の表面に傷がつきにくい外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法を提供する。【解決手段】外輪1を内輪アッシーA’の外周に装着するときに、外輪カウンタ側環状部12の下面が内輪2の下面よりも高い位置に保持されるよう治具20で保持器4を支持した状態でその装着を行なう。【選択図】図4

Description

この発明は、外輪が、内輪と複数の玉と保持器とで構成される内輪アッシーから分離可能である外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法に関する。
従来、自動車のトランスミッションに用いる軸受は、ラジアル荷重だけでなくアキシアル荷重も負荷されることから、円すいころ軸受が多く使用されていた。しかしながら、近年、自動車の低燃費化のニーズにより、トランスミッションの軸受として、アンギュラ玉軸受を使用することが増えている。アンギュラ玉軸受は、ラジアル荷重と一方のアキシアル荷重を負荷することが可能であり、円すいころ軸受よりも低トルクである。
一般的なアンギュラ玉軸受の組み立ては、次のようにして行われる。すなわち、まず、内輪と複数の玉と保持器とを組み立てることで、内輪アッシーを形成する。次に、外輪を加熱して熱膨張させ、その外輪を内輪アッシーの外周に装着する。その後、外輪が放熱により熱収縮すると、外輪は内輪アッシーから分離させることができない状態となる(非分離型アンギュラ玉軸受)。
一方、トランスミッションにアンギュラ玉軸受を使用する場合、トランスミッションの組み立ておよび分解の作業性を確保するため、一般に、分離型アンギュラ玉軸受が採用される。分離型アンギュラ玉軸受は、内輪または外輪を分離させることが可能に構成されたアンギュラ玉軸受である。
分離型アンギュラ玉軸受は、内輪または外輪を分離することができるので、外輪を軸受ハウジングの内周に締め代をもって嵌合させ、かつ、内輪を軸体の外周に締め代をもって嵌合させた状態(つまり外輪側と内輪側とをいずれも圧入した状態)に取り付けることが可能である。
この分離型アンギュラ玉軸受として、例えば、特許文献1の外輪分離型のものが知られている。特許文献1の外輪分離型アンギュラ玉軸受は、外輪と、外輪の径方向内側に同軸に配置される内輪と、外輪と内輪の間に周方向に間隔をおいて組み込まれる複数の玉と、複数の玉を保持する保持器とを備えている。
特許文献1の内輪分離型アンギュラ玉軸受において、外輪の内周には、玉が転がり接触する外輪軌道溝と、外輪軌道溝の軸方向の一方側に隣接する外輪カウンタボア部と、外輪軌道溝の軸方向の他方側に隣接する外輪肩部とが設けられている。外輪カウンタボア部は、外輪軌道溝の溝肩の一部または全部を取り除いた形状をもつ部位であり、外輪肩部の内径よりも大きい内径を有する。保持器は、玉に対して軸方向の一方側を周方向に延びる外輪カウンタ側環状部と、玉に対して軸方向の他方側を周方向に延びる外輪肩部側環状部と、複数の玉同士の間を通って外輪カウンタ側環状部と外輪肩部側環状部を連結する複数の柱部とを有する。
特開2007-285318号公報
ところで、本願の発明者らが、外輪分離型アンギュラ玉軸受をトランスミッションに使用することを想定し、社内において、外輪分離型アンギュラ玉軸受の組み立てを行なったところ、外輪を内輪アッシー(内輪と複数の玉と保持器とを組み立てたもの)の外周に装着するときに、玉の表面に傷がつくおそれがあることが分かった。
すなわち、トランスミッションに使用する外輪分離型アンギュラ玉軸受を組み立てるに際しては、まず、外輪分離型アンギュラ玉軸受を外輪と内輪アッシーとに分離した状態で、外輪を、軸受ハウジング(例えば、トランスミッションのギヤ)の内周に締め代をもって嵌合させ、一方、内輪アッシーを、軸体(例えば、トランスミッションの回転軸)の外周に締め代をもって嵌合させる。その後、外輪を内輪アッシーの外周に装着する。
ここで、外輪を内輪アッシーの外周に装着するとき、外輪は、軸受ハウジングの内周に締め代をもって嵌合しているので、一般的な非分離型アンギュラ玉軸受を組み立てるときのように、外輪を加熱して熱膨張させることができず、むしろ締め代の分、外輪の内径は収縮した状態となっている。また、内輪アッシーも、軸体の外周に締め代をもって嵌合しているので、締め代の分、内輪の外径は膨張した状態となっている。
また、外輪を内輪アッシーの外周に装着するとき、外輪を、外輪カウンタボア部が下側、外輪肩部が上側となる向きに配置し、かつ、内輪アッシーを、外輪カウンタ側環状部が下側、外輪肩部側環状部が上側となる向きに配置した状態で、外輪を内輪アッシーの外周に装着を行なうことができる。このとき、内輪アッシーを構成する複数の玉と保持器が、重力によって下方に移動するので、玉が内輪軌道溝に沿って内輪肩部まで移動し、玉の外接円径が拡大する。その結果、外輪を内輪アッシーの外周に装着するときに、外輪カウンタボア部が、比較的大きいかかり代(外輪カウンタボア部の内径と玉の外接円径との間の径方向距離)をもって玉を乗り越えることとなり、玉の表面に傷がつくおそれがあることが分かった。
この発明が解決しようとする課題は、外輪を内輪アッシーの外周に装着するときに、内輪アッシーを構成する玉の表面に傷がつきにくい外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明では、以下の構成の外輪分離型アンギュラ玉軸受を提供する。
外輪と、
前記外輪の径方向内側に同軸に配置される内輪と、
前記外輪と前記内輪の間に周方向に間隔をおいて組み込まれる複数の玉と、
前記複数の玉を保持する保持器と、を備え、
前記外輪の内周には、前記玉が転がり接触する外輪軌道溝と、前記外輪軌道溝の軸方向の一方側に隣接する外輪カウンタボア部と、前記外輪軌道溝の軸方向の他方側に隣接し、前記外輪カウンタボア部の内径よりも小さい内径をもつ外輪肩部とが設けられ、
前記内輪の外周には、前記玉が転がり接触する内輪軌道溝と、前記内輪軌道溝の軸方向の前記一方側に隣接する内輪肩部とが設けられ、
前記保持器は、前記玉に対して軸方向の前記一方側を周方向に延びる外輪カウンタ側環状部と、前記玉に対して軸方向の前記他方側を周方向に延びる外輪肩部側環状部と、前記複数の玉同士の間を通って前記外輪カウンタ側環状部と前記外輪肩部側環状部とを連結する複数の柱部とを有し、
前記外輪が、前記内輪と前記複数の玉と前記保持器とで構成される内輪アッシーから分離可能である外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法において、
前記外輪を軸受ハウジングの内周に締め代をもって嵌合させる外輪圧入工程と、
前記内輪アッシーを軸体の外周に締め代をもって嵌合させる内輪圧入工程と、
前記外輪圧入工程および前記内輪圧入工程の後、前記外輪と前記軸受ハウジングとを、前記外輪カウンタボア部が下側、前記外輪肩部が上側となる向きに配置し、かつ、前記内輪アッシーと前記軸体とを、前記外輪カウンタ側環状部が下側、前記外輪肩部側環状部が上側となる向きに配置した状態で、前記外輪を前記内輪アッシーの外周に装着する内外輪一体化工程と、を有し、
前記内外輪一体化工程で前記外輪を前記内輪アッシーの外周に装着するときに、前記外輪カウンタ側環状部の下面が前記内輪の下面よりも高い位置に保持されるよう治具で前記保持器を支持した状態でその装着を行なうことを特徴とする外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
このようにすると、外輪を内輪アッシーの外周に装着するときに、外輪カウンタ側環状部の下面が内輪の下面よりも高い位置に保持されるよう治具で保持器を支持した状態でその装着を行なうので、内輪アッシーを構成する複数の玉と保持器が重力によって下方に移動するのが防止され、玉の外接円径が拡大するのを防止することができる。そのため、外輪を内輪アッシーの外周に装着するときに、外輪カウンタボア部の内径と玉の外接円径との間の径方向距離(かかり代)の大きさを抑えることができ、外輪カウンタボア部が玉を乗り越えるときに玉の表面に傷がつくのを防止することができる。
前記治具として、前記外輪カウンタ側環状部が下側、前記外輪肩部側環状部が上側となる向きに前記内輪アッシーを水平面に接触させた状態で、前記外輪カウンタ側環状部の下面と前記水平面との間に水平方向に挿入および抜出しが可能な対向一対のフォーク部と、その一対のフォーク部を連結する根元部とをもつ二股状のものを使用すると好ましい。
このようにすると、外輪を内輪アッシーの外周に装着する前に、治具を保持器の下側に挿入する作業と、外輪を内輪アッシーの外周に装着した後に、治具を保持器の下側から抜き出す作業とを容易に行なうことができる。
前記一対のフォーク部と前記根元部は、前記内輪の外周に沿って延びる半円状の内周円弧縁を形成する構成のものを採用すると好ましい。
このようにすると、治具を保持器の下側に挿入して保持器を支持したときに、外輪カウンタ側環状部の下面を、治具の内周円弧縁に沿った半円状の領域で接触して支持するので、保持器が水平方向に対して傾かず、安定して保持器を支持することが可能となる。
前記内周円弧縁の半径Rは、前記内輪肩部の外径をDとしたときに、
(D/2)<R≦(D/2)×1.1
の関係を満たす範囲に設定すると好ましい。
このようにすると、(D/2)<Rなので、治具を保持器の下側に挿入して保持器を支持するときに、治具が内輪肩部に干渉するのを防止することができる。また、R≦(D/2)×1.1なので、治具を保持器の下側に挿入して保持器を支持するときに、治具と内輪肩部の間の径方向のガタツキが小さく、保持器に対する治具の位置を安定させることができる。
前記根元部には、前記内周円弧縁の円弧の一部を直線状に切り取った形状の弦縁を形成すると好ましい。
このようにすると、治具を保持器の下側に挿入して保持器を支持するときに、治具の弦縁が内輪肩部に当接する位置まで治具を挿入することで、保持器に対する治具の位置決めを行なうことができる。
前記一対のフォーク部の対向方向に沿った一対のフォーク部の外幅寸法Wは、前記保持器の前記外輪カウンタ側環状部の外径をDとしたときに、
<W≦D×1.1
の関係を満たす範囲に設定すると好ましい。
このようにすると、D<Wなので、治具を保持器の下側に挿入して保持器を支持したときに、外輪カウンタ側環状部の下面を広い面積で安定して支持することができる。また、W≦D×1.1なので、治具の大きさが必要最小限に抑えられ、治具の操作性に優れる。
前記各フォーク部の先端に、前記根元部から遠ざかるにしたがって上下方向の厚さが次第に減少する形状をもつフォーク挿入案内部を形成すると好ましい。
このようにすると、治具を保持器の下側に挿入するときに、保持器の下側の隙間が小さくてもその隙間にフォーク挿入案内部が入りやすくなり、治具を保持器の下側に挿入する作業性を高めることができる。
前記一対のフォーク部の対向方向に沿った各フォーク部の幅寸法Wは、フォーク部の上下方向の厚さをtとしたときに、
t<W≦t×10
の関係を満たす範囲に設定することができる。
また、前記内外輪一体化工程で前記外輪を前記内輪アッシーの外周に装着する前の前記玉の外接円径と、前記外輪カウンタボア部の内径との間の径方向距離をCとし、前記内外輪一体化工程で前記外輪を前記内輪アッシーの外周に装着する前の前記玉の内接円径と、前記内輪軌道溝の溝底径との間の径方向距離をDとしたときに、
C<D
であると好ましい。
このようにすると、外輪カウンタボア部が玉を乗り越えるときに、外輪カウンタボア部と玉の間に径方向の締め代が発生するのが防止され、玉の表面に傷がつくのを確実に防止することが可能となる。
前記外輪カウンタボア部の内周に、前記外輪軌道溝から遠ざかるに従って内径が次第に大きくなるテーパ面が形成され、
前記テーパ面の軸方向に対する傾斜角θが、
0°<θ≦30°
の関係を満たす範囲に設定されている構成を採用すると好ましい。
このようにすると、外輪を内輪アッシーの外周に装着するときに、外輪カウンタボア部の内周のテーパ面によって、内輪アッシーの玉が径方向内側に押し動される。そのため、円滑に、外輪を内輪アッシーに装着することが可能となる。
前記外輪と前記内輪の間に前記複数の玉を組み込んだ状態で前記複数の玉の中心を共通して通るピッチ円径をP.C.Dとし、前記各玉の直径をDwとしたときに、前記複数の玉の個数が、P.C.D×円周率÷Dwで算出される値の小数点以下を切り捨てた数である構成を採用することができる。
また、前記外輪と前記内輪の間に前記複数の玉を組み込んだ状態で、前記玉の前記外輪軌道溝との接触点と前記玉の中心とを結ぶ直線が軸直角方向に対してなす接触角αの大きさが、15°以上、45°以下の範囲に設定された構成を採用することができる。
また、前記外輪軌道溝と前記内輪軌道溝とがいずれも円弧状の断面形状を有し、
前記各玉の直径をDwとしたときに、前記外輪軌道溝の断面円弧の直径および前記内輪軌道溝の断面円弧の直径が、1.01×Dw以上、1.30×Dw以下の範囲に設定されている構成を採用することができる。
また、前記外輪と前記内輪と前記複数の玉がいずれも、質量%で、Cを0.95%以上1.1%以下、Siを0.15%以上0.35%以下、Mnを0.5%以下、Pを0.025%以下、Sを0.025%以下、Niを0.25%以下、Crを1.3%以上1.6%以下、Moを0.08%以下、Cuを0.25%以下含む鋼で形成されている構成を採用することができる。
また、前記外輪と前記内輪と前記複数の玉がいずれも、質量%で、Cを0.95%以上1.1%以下、Siを0.40%以上0.70%以下、Mnを0.90%以上1.15%以下、Pを0.025%以下、Sを0.025%以下、Niを0.25%以下、Crを0.90%以上、1.20%以下、Moを0.08%以下、Cuを0.25%以下含む鋼で形成されている構成を採用することができる。
この発明の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法は、外輪を内輪アッシーの外周に装着するときに、外輪カウンタ側環状部の下面が内輪の下面よりも高い位置に保持されるよう治具で保持器を支持した状態でその装着を行なうので、内輪アッシーを構成する複数の玉と保持器が重力によって下方に移動するのが防止され、玉の外接円径が拡大するのを防止することができる。そのため、外輪を内輪アッシーの外周に装着するときに、外輪カウンタボア部の内径と玉の外接円径との間の径方向距離(かかり代)の大きさを抑えることができ、外輪カウンタボア部が玉を乗り越えるときに玉の表面に傷がつくのを防止することができる。
この発明の実施形態にかかる外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法で組み立てられるアンギュラ玉軸受を示す断面図 図1に示すアンギュラ玉軸受の内輪アッシーを、軸体の外周に装着する過程を示す図 図2に示す内輪アッシーを軸体の外周に締め代をもって嵌合させ、かつ、図1に示すアンギュラ玉軸受の外輪を軸受ハウジングの内周に締め代をもって嵌合させた状態を示す図 図3に示す保持器の下側に治具を挿入し、その治具で保持器を支持した状態を示す図 図4に示す内輪アッシーの外周に外輪を装着し、さらに第2のアンギュラ玉軸受の外輪に内輪アッシーを装着した状態を示す図 (a)は図4に示す治具を上方から見た図、(b)は(a)の治具を水平に見た図 図4に示す外輪の外輪カウンタボア部が玉に接触する位置まで外輪を下降させた状態を示すアンギュラ玉軸受の近傍の拡大断面図 図7に示す外輪カウンタボア部の内周に円筒面を形成した変形例を示す図 図7に示す外輪を取り出して示す断面図 図8に示す外輪を取り出して示す断面図
図1に、この発明の実施形態にかかる外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法で組み立てられるアンギュラ玉軸受Aを示す。アンギュラ玉軸受Aは、外輪1と、外輪1の径方向内側に同軸に配置された内輪2と、外輪1と内輪2の間に周方向に間隔をおいて組み込まれた複数の玉3と、複数の玉3を保持する保持器4とを有する。このアンギュラ玉軸受Aは、外輪1が、内輪2と複数の玉3と保持器4とで構成される内輪アッシーA’(図2参照)から分離可能に構成された外輪分離型アンギュラ玉軸受である。
外輪1の内周には、玉3が転がり接触する外輪軌道溝5と、外輪軌道溝5の軸方向の一方側(図では左側)に隣接する外輪カウンタボア部6と、外輪軌道溝5の軸方向の他方側(図では右側)に隣接する外輪肩部7とが設けられている。外輪軌道溝5は、外輪1の内周を周方向に延びる溝である。
外輪肩部7は、外輪カウンタボア部6の内径よりも小さい内径を有する。外輪カウンタボア部6は、外輪軌道溝5の溝肩の一部を取り除いた形状をもつ部位である。外輪カウンタボア部6は、外輪軌道溝5の溝底(外輪軌道溝5の内面の直径が最大となる部分)の径方向位置よりも径方向内側に位置する部分を有するように形成されている。
外輪カウンタボア部6の内周には、外輪軌道溝5から遠ざかるに従って内径が次第に大きくなるテーパ面8が形成されている。図9に示すように、テーパ面8の軸方向に対する傾斜角θは、0°<θ≦30°の範囲に設定されている。テーパ面8は円錐形状であり、その大径端の内径は、図4に示す玉3の外接円径よりも大きい。
図1に示すように、内輪2の外周には、玉3が転がり接触する内輪軌道溝9と、内輪軌道溝9の軸方向の一方側(図では左側)に隣接する内輪肩部10と、内輪軌道溝9の軸方向の他方側(図では右側)に隣接する内輪カウンタボア部11が設けられている。内輪軌道溝9は、内輪2の外周を周方向に延びる溝である。
内輪カウンタボア部11は、内輪軌道溝9の溝肩の一部を取り除いた形状を有する。内輪カウンタボア部11は、内輪肩部10の外径よりも小さい外径を有する。
玉3は、外輪軌道溝5と内輪軌道溝9とに接触角をもって接触している。すなわち、外輪1と内輪2の間に玉3を組み込んだ状態で、玉3の外輪軌道溝5との接触点と玉3の中心とを結ぶ直線が軸直角方向に対して接触角αをなすように、玉3と外輪軌道溝5が接触している。また、玉3の内輪軌道溝9との接触点と玉3の中心とを結ぶ直線も軸直角方向に対して接触角αをなしている。接触角αの大きさは、15°以上、45°以下の範囲に設定されている。
ここで、外輪軌道溝5および内輪軌道溝9は、玉3の外径よりも大きな径の円弧状の断面形状を有する。具体的には、各玉3の直径をDw(図2参照)としたときに、外輪軌道溝5の断面円弧の直径および内輪軌道溝9の断面円弧の直径は、1.01×Dw以上、1.30×Dw以下の範囲に設定されている。
外輪1と内輪2の間に複数の玉3を組み込んだ状態で複数の玉3の中心を共通して通るピッチ円径をP.C.Dとし、各玉3の直径をDw(図2参照)としたときに、玉3の個数は、P.C.D×円周率π÷Dwで算出される値の小数点以下を切り捨てた数に設定されている。
外輪1と内輪2と複数の玉3はいずれも、質量%で、Cを0.95%以上1.1%以下、Siを0.15%以上0.35%以下、Mnを0.5%以下、Pを0.025%以下、Sを0.025%以下、Niを0.25%以下、Crを1.3%以上1.6%以下、Moを0.08%以下、Cuを0.25%以下、化学成分として含む鋼で形成されている。また、外輪1と内輪2と複数の玉3をいずれも、質量%で、Cを0.95%以上、1.1%以下、Siを0.40%以上、0.70%以下、Mnを0.90%以上、1.15%以下、Pを0.025%以下、Sを0.025%以下、Niを0.25%以下、Crを0.90%以上、1.20%以下、Moを0.08%以下、Cuを0.25%以下、化学成分として含む鋼で形成してもよい。
保持器4は、玉3に対して軸方向の一方側(図では左側)を周方向に延びる外輪カウンタ側環状部12と、玉3に対して軸方向の他方側(図では右側)を周方向に延びる外輪肩部側環状部13と、周方向に隣り合う玉3同士の間を通って外輪カウンタ側環状部12と外輪肩部側環状部13を連結する複数の柱部14とを有する。外輪カウンタ側環状部12と外輪肩部側環状部13と柱部14は、玉3を収容するポケット15を区画している。
外輪カウンタ側環状部12と外輪肩部側環状部13と柱部14は、樹脂で継ぎ目の無い一体に形成されている。樹脂としては、ポリアミドを採用することができる。ポリアミドとしては、PA46(ポリアミド46)、PA66(ポリアミド66)、PA9T(ポリノナメチレンテレフタルアミド)等のスーパーエンジニアリングプラスチックを使用することができる。ポリアミドに代えて、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を採用することも可能である。また、保持器4を構成する合成樹脂には、繊維強化材(ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等)が添加されている。
ポケット15の径方向外側の開口は、外輪1を分離した状態のときに玉3が保持器4から径方向外側に抜け落ちないように、玉3の大きさよりも狭くなっている。すなわち、図2に示すように、内輪2と玉3と保持器4とを組み立てたもの(内輪アッシーA’)から外輪1を分離した状態で、玉3が、ポケット15から径方向外側に抜け落ちずに、ポケット15内に保持されるようになっている。
この実施形態のアンギュラ玉軸受Aは、例えば、図5に示すように、両方向のアキシアル荷重を受けることができるように、第1のアンギュラ玉軸受Aと第2のアンギュラ玉軸受Bとを組み合わせて使用する。第1のアンギュラ玉軸受Aと第2のアンギュラ玉軸受Bは、同一構成であり、アキシアル荷重を負荷することができる向きが互いに逆向きとなるように対称に装着されている。
以下、第1のアンギュラ玉軸受Aと第2のアンギュラ玉軸受Bを、トランスミッションに使用する軸受として組み立てる作業の一例を説明する。以下の説明において「第1の」を付した部材は、第1のアンギュラ玉軸受Aの構成要素であり、「第2の」を付した部材は、第2のアンギュラ玉軸受Bの構成要素である。そして、第1のアンギュラ玉軸受Aの組立方法が、この発明の実施形態にかかる外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法に相当する。
<外輪圧入工程>
図3に示すように、第1の外輪1と第2の外輪1を、軸受ハウジング16(例えばトランスミッションのギヤ)に形成されたハウジング穴17に圧入する。これにより、第1の外輪1と第2の外輪1は、軸受ハウジング16の内周に締め代をもって嵌合した状態となる。
<内輪圧入工程>
図2、図3に示すように、内輪2と複数の玉3と保持器4とで構成される第1の内輪アッシーA’を、軸体18(例えばトランスミッションの回転軸)の外周に締め代をもって嵌合させる。これにより、第1の内輪アッシーA’を構成する内輪2の内周に軸体18が圧入された状態となる。ここで、軸体18の下部外周にはフランジ部18aが形成されており、そのフランジ部18aの上側に形成された水平面19に、第1の内輪アッシーA’を構成する内輪2の下面(内輪2の内輪肩部10の側の軸方向側面)が接触している。なお、外輪圧入工程と内輪圧入工程は、いずれを先に行ってもよい。
<内外輪一体化工程>
外輪圧入工程および内輪圧入工程の後、図3に示すように、第1の外輪1は、軸受ハウジング16の内周に締め代をもって嵌合しているので、一般的な非分離型アンギュラ玉軸受を組み立てるときのように、第1の外輪1を加熱して熱膨張させることができず、むしろ締め代の分、第1の外輪1の内径は収縮した状態となっている。また、第1の内輪アッシーA’も、軸体18の外周に締め代をもって嵌合しているので、締め代の分、第1の内輪アッシーA’を構成する内輪2の外径は膨張した状態となっている。
また、内輪圧入工程の後、図3に示すように、第1の内輪アッシーA’と軸体18とを、外輪カウンタ側環状部12が下側、外輪肩部側環状部13が上側となる向きに配置した状態にすると、第1の内輪アッシーA’を構成する複数の玉3と保持器4が、重力によって下方に移動するので、玉3が内輪軌道溝9に沿って内輪肩部10まで移動し、玉3の外接円径が拡大する。この状態のまま第1の外輪1を下方に移動させて、第1の外輪1を第1の内輪アッシーA’の外周に装着するとすれば、第1の外輪1の外輪カウンタボア部6が、比較的大きいかかり代C(外輪カウンタボア部6の内径と玉3の外接円径との間の径方向距離)をもって玉3を乗り越えることとなり、玉3の表面に傷がつくおそれがある。
そこで、この実施形態では、上記の外輪圧入工程および内輪圧入工程の後、図4に示すように、第1の外輪1を第1の内輪アッシーA’の外周に装着するときに、外輪カウンタ側環状部12の下面が内輪2の下面よりも高い位置に保持されるよう治具20で保持器4を支持した状態でその装着を行なう。
図4において、第1の外輪1と軸受ハウジング16は、外輪カウンタボア部6が下側、外輪肩部7が上側となる向きに配置され、かつ、第1の内輪アッシーA’と軸体18は、外輪カウンタ側環状部12が下側、外輪肩部側環状部13が上側となる向きに配置されている。また、第1の内輪アッシーA’を構成する内輪2の下面は、軸体18のフランジ部18aに形成された水平面19と接触している。さらに、保持器4の外輪カウンタ側環状部12の下面と水平面19との間に、治具20が挿入されている。
ここで、治具20は、図6(a)、(b)に示すように、対向一対のフォーク部21と、その一対のフォーク部21を連結する根元部22とをもつ二股状のものである。一対のフォーク部21は、図4に示すように、外輪カウンタ側環状部12が下側、外輪肩部側環状部13が上側となる向きに第1の内輪アッシーA’の内輪2を水平面19に接触させた状態で、外輪カウンタ側環状部12の下面と水平面19との間に水平方向に挿入および抜出しが可能に形成されている。
図6(a)に示すように、一対のフォーク部21と根元部22は、第1の内輪アッシーA’の内輪2の内輪肩部10(図4参照)の外周に沿って延びる半円状の内周円弧縁23を形成している。また、根元部22には、内周円弧縁23の円弧の一部を直線状に切り取った形状の弦縁24が形成されている。また、治具20には、根元部22からフォーク部21の側とは反対側に延びる取っ手25が一体に形成されている。
図6(a)に示す内周円弧縁23の半径Rは、内輪肩部10の外径をD(図5参照)としたときに、(D/2)<R≦(D/2)×1.1の関係を満たす範囲に設定されている。また、一対のフォーク部21の対向方向に沿った一対のフォーク部21の外幅寸法Wは、保持器4の外輪カウンタ側環状部12の外径をD(図5参照)としたときに、D<W≦D×1.1の関係を満たす範囲に設定されている。
図6(a)に示す一対のフォーク部21の対向方向に沿った各フォーク部21の幅寸法Wは、図6(b)に示すフォーク部21の上下方向の厚さをtとしたときに、t<W≦t×10の関係を満たす範囲に設定されている。図6(a)に示すように、各フォーク部21の先端は、上方からみて半円状に形成されている。
図6(b)に示すように、各フォーク部21の先端に、根元部22から遠ざかるにしたがって上下方向の厚さが次第に減少する形状をもつフォーク挿入案内部26が形成されている。フォーク挿入案内部26は、水平に見て断面R形状に形成されている。
図4に示すように、上記の治具20で保持器4を支持した状態で、第1の外輪1を第1の内輪アッシーA’の外周に装着する前の玉3の外接円径と、外輪カウンタボア部6の内径との間の径方向距離をCとし、また、第1の外輪1を第1の内輪アッシーA’の外周に装着する前の玉3の内接円径と、第1の内輪アッシーA’を構成する内輪2の内輪軌道溝9の溝底径との間の径方向距離をDとしたときに、C<Dの関係が満たされるように、第1の外輪1の外輪カウンタボア部6の径方向高さが設定されている。さらに、径方向距離Cと径方向距離Dは、1.00<D/C≦2.50の関係を満たすように設定されている。
そして、図4の矢印に示すように、第1および第2の外輪1と軸受ハウジング16を下降させることで、第1の外輪1を第1の内輪アッシーA’の外周に装着する。これにより、第1のアンギュラ玉軸受Aが完成する。<内外輪一体化工程終わり>
ここで、図7に示すように、第1の外輪1の外輪カウンタボア部6のテーパ面8が、第1の内輪アッシーA’を構成する玉3に接触したとき、その接触点に作用する力(玉3の中心を向く力)は、水平方向の分力(径方向内向きの分力)と上下方向の分力(軸方向分力)とに分解することができる。そして、第1の外輪1が下降するとき、この水平方向の分力(径方向内向きの分力)によって、玉3が内輪軌道溝9に押し込まれる。またこのとき、玉3と内輪肩部10との接触点と玉3の中心とを結ぶ直線に対して、外輪カウンタボア部6と玉3の接触点と玉3の中心とを結ぶ直線が下向きになす角度βは、β>0°となっている。
その後、図5に示すように、第2の内輪アッシーB’を、軸体18の外周に締め代をもって嵌合させる。これにより、第2のアンギュラ玉軸受Bが完成する。
上記の外輪分離型アンギュラ玉軸受Aの組立方法は、図4および図7に示すように、第1の外輪1を第1の内輪アッシーA’の外周に装着するとき、外輪カウンタ側環状部12の下面が内輪2の下面よりも高い位置に保持されるよう治具20で保持器4を支持した状態でその装着を行なうので、第1の内輪アッシーA’を構成する複数の玉3と保持器4が重力によって下方に移動するのが防止され、玉3の外接円径が拡大するのを防止することができる。そのため、第1の外輪1を第1の内輪アッシーA’の外周に装着するときに、外輪カウンタボア部6の内径と玉3の外接円径との間の径方向距離C(かかり代)の大きさを抑えることができ、外輪カウンタボア部6が玉3を乗り越えるときに玉3の表面に傷がつくのを防止することが可能である。
また、この組立方法は、治具20として、図4および図6(a)に示すように、外輪カウンタ側環状部12の下面と水平面19との間に水平方向に挿入および抜出しが可能な対向一対のフォーク部21と、その一対のフォーク部21を連結する根元部22とをもつ二股状のものを使用するので、第1の外輪1を第1の内輪アッシーA’の外周に装着する前に、治具20を保持器4の下側に挿入する作業と、第1の外輪1を第1の内輪アッシーA’の外周に装着した後に、治具20を保持器4の下側から抜き出す作業とを容易に行なうことができる。
また、この組立方法は、図4に示すように、治具20を保持器4の下側に挿入して保持器4を支持したときに、図6(a)に示すように、外輪カウンタ側環状部12の下面を、治具20の内周円弧縁23に沿った半円状の領域で接触して支持するので、保持器4が水平方向に対して傾かず、安定して保持器4を支持することが可能である。
また、この組立方法は、図6(a)に示す内周円弧縁23の半径Rと、図5に示す内輪肩部10の外径Dとが、(D/2)<Rの関係を満たすので、図4に示すように、治具20を保持器4の下側に挿入して保持器4を支持するときに、治具20が内輪肩部10に干渉するのを防止することができる。また、R≦(D/2)×1.1の関係を満たすので、図4に示すように、治具20を保持器4の下側に挿入して保持器4を支持するときに、治具20と内輪肩部10の間の径方向のガタツキが小さく、保持器4に対する治具20の位置を安定させることができる。
また、この組立方法は、図6(a)に示すように、治具20の根元部22に、内周円弧縁23の円弧の一部を直線状に切り取った形状の弦縁24が形成されているので、図4に示すように、治具20を保持器4の下側に挿入して保持器4を支持するときに、治具20の弦縁24が内輪肩部10に当接する位置まで治具20を挿入することで、保持器4に対する治具20の位置決めを行なうことができる。
また、この組立方法は、図6(a)に示すフォーク部21の外幅寸法Wと、図5に示す保持器4の外輪カウンタ側環状部12の外径Dとが、D<Wの関係を満たすので、図4に示すように、治具20を保持器4の下側に挿入して保持器4を支持したときに、外輪カウンタ側環状部12の下面を広い面積で安定して支持することができる。また、W≦D×1.1の関係を満たすので、治具20の大きさが必要最小限に抑えられ、治具20の操作性に優れる。
また、この組立方法は、図6(b)に示すように、治具20の各フォーク部21の先端に、根元部22から遠ざかるにしたがって上下方向の厚さが次第に減少する形状をもつフォーク挿入案内部26が形成されているので、図4に示すように、治具20を保持器4の下側に挿入するときに、保持器4の下側の隙間が小さくてもその隙間にフォーク挿入案内部26が入りやすくなり、治具20を保持器4の下側に挿入する作業性を高めることが可能となっている。
また、この組立方法は、図7に示す径方向距離Cと径方向距離Dとが、C<Dの関係を満たすので、外輪カウンタボア部6が玉3を乗り越えるときに、外輪カウンタボア部6と玉3の間に径方向の締め代が発生するのが防止され、玉3の表面に傷がつくのを確実に防止することが可能である。
また、この組立方法は、図9に示すように、外輪カウンタボア部6の内周に、外輪軌道溝5から遠ざかるに従って内径が次第に大きくなるテーパ面8が形成されているので、図7に示すように、第1の外輪1を第1の内輪アッシーA’の外周に装着するときに、外輪カウンタボア部6の内周のテーパ面8によって、第1の内輪アッシーA’の玉3が径方向内側に押し動される。そのため、円滑に、第1の外輪1を第1の内輪アッシーA’に装着することが可能である。
図8、図10に示すように、外輪カウンタボア部6の内周に、テーパ面8と外輪軌道溝5の間をつなぐ円筒面27を形成してもよい。円筒面27は、軸方向に沿って径が変化せず一定のストレート形状の面である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 外輪
2 内輪
3 玉
4 保持器
5 外輪軌道溝
6 外輪カウンタボア部
7 外輪肩部
8 テーパ面
9 内輪軌道溝
10 内輪肩部
12 外輪カウンタ側環状部
13 外輪肩部側環状部
14 柱部
16 軸受ハウジング
18 軸体
19 水平面
20 治具
21 フォーク部
22 根元部
23 内周円弧縁
24 弦縁
26 フォーク挿入案内部
R 内周円弧縁の半径
内輪肩部の外径
一対のフォーク部の外幅寸法
外輪カウンタ側環状部の外径
A 外輪分離型アンギュラ玉軸受
A’ 内輪アッシー
フォーク部の幅寸法
t フォーク部の上下方向の厚さ
C 径方向距離
D 径方向距離
P.C.D ピッチ円径
Dw 玉の直径
α 接触角

Claims (15)

  1. 外輪(1)と、
    前記外輪(1)の径方向内側に同軸に配置される内輪(2)と、
    前記外輪(1)と前記内輪(2)の間に周方向に間隔をおいて組み込まれる複数の玉(3)と、
    前記複数の玉(3)を保持する保持器(4)と、を備え、
    前記外輪(1)の内周には、前記玉(3)が転がり接触する外輪軌道溝(5)と、前記外輪軌道溝(5)の軸方向の一方側に隣接する外輪カウンタボア部(6)と、前記外輪軌道溝(5)の軸方向の他方側に隣接し、前記外輪カウンタボア部(6)の内径よりも小さい内径をもつ外輪肩部(7)とが設けられ、
    前記内輪(2)の外周には、前記玉(3)が転がり接触する内輪軌道溝(9)と、前記内輪軌道溝(9)の軸方向の前記一方側に隣接する内輪肩部(10)とが設けられ、
    前記保持器(4)は、前記玉(3)に対して軸方向の前記一方側を周方向に延びる外輪カウンタ側環状部(12)と、前記玉(3)に対して軸方向の前記他方側を周方向に延びる外輪肩部側環状部(13)と、前記複数の玉(3)同士の間を通って前記外輪カウンタ側環状部(12)と前記外輪肩部側環状部(13)とを連結する複数の柱部(14)とを有し、
    前記外輪(1)が、前記内輪(2)と前記複数の玉(3)と前記保持器(4)とで構成される内輪アッシー(A’)から分離可能である外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法において、
    前記外輪(1)を軸受ハウジング(16)の内周に締め代をもって嵌合させる外輪圧入工程と、
    前記内輪アッシー(A’)を軸体(18)の外周に締め代をもって嵌合させる内輪圧入工程と、
    前記外輪圧入工程および前記内輪圧入工程の後、前記外輪(1)と前記軸受ハウジング(16)とを、前記外輪カウンタボア部(6)が下側、前記外輪肩部(7)が上側となる向きに配置し、かつ、前記内輪アッシー(A’)と前記軸体(18)とを、前記外輪カウンタ側環状部(12)が下側、前記外輪肩部側環状部(13)が上側となる向きに配置した状態で、前記外輪(1)を前記内輪アッシー(A’)の外周に装着する内外輪一体化工程と、を有し、
    前記内外輪一体化工程で前記外輪(1)を前記内輪アッシー(A’)の外周に装着するときに、前記外輪カウンタ側環状部(12)の下面が前記内輪(2)の下面よりも高い位置に保持されるよう治具(20)で前記保持器(4)を支持した状態でその装着を行なうことを特徴とする外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  2. 前記治具(20)として、前記外輪カウンタ側環状部(12)が下側、前記外輪肩部側環状部(13)が上側となる向きに前記内輪アッシー(A’)を水平面(19)に接触させた状態で、前記外輪カウンタ側環状部(12)の下面と前記水平面(19)との間に水平方向に挿入および抜出しが可能な対向一対のフォーク部(21)と、その一対のフォーク部(21)を連結する根元部(22)とをもつ二股状のものを使用する請求項1に記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  3. 前記一対のフォーク部(21)と前記根元部(22)は、前記内輪(2)の外周に沿って延びる半円状の内周円弧縁(23)を形成している請求項2に記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  4. 前記内周円弧縁(23)の半径Rは、前記内輪肩部(10)の外径をDとしたときに、
    (D/2)<R≦(D/2)×1.1
    に設定されている請求項3に記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  5. 前記根元部(22)には、前記内周円弧縁(23)の円弧の一部を直線状に切り取った形状の弦縁(24)が形成されている請求項3または4に記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  6. 前記一対のフォーク部(21)の対向方向に沿った一対のフォーク部(21)の外幅寸法Wは、前記保持器(4)の前記外輪カウンタ側環状部(12)の外径をDとしたときに、
    <W≦D×1.1
    に設定されている請求項2から5のいずれかに記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  7. 前記各フォーク部(21)の先端に、前記根元部(22)から遠ざかるにしたがって上下方向の厚さが次第に減少する形状をもつフォーク挿入案内部(26)が形成されている請求項2から6のいずれかに記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  8. 前記一対のフォーク部(21)の対向方向に沿った各フォーク部(21)の幅寸法Wは、フォーク部(21)の上下方向の厚さをtとしたときに、
    t<W≦t×10
    に設定されている請求項2から7のいずれかに記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  9. 前記内外輪一体化工程で前記外輪(1)を前記内輪アッシー(A’)の外周に装着する前の前記玉(3)の外接円径と、前記外輪カウンタボア部(6)の内径との間の径方向距離をCとし、前記内外輪一体化工程で前記外輪(1)を前記内輪アッシー(A’)の外周に装着する前の前記玉(3)の内接円径と、前記内輪軌道溝(9)の溝底径との間の径方向距離をDとしたときに、
    C<D
    である請求項1から8のいずれかに記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  10. 前記外輪カウンタボア部(6)の内周に、前記外輪軌道溝(5)から遠ざかるに従って内径が次第に大きくなるテーパ面(8)が形成され、
    前記テーパ面(8)の軸方向に対する傾斜角θが、
    0°<θ≦30°
    に設定されている請求項1から9のいずれかに記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  11. 前記外輪(1)と前記内輪(2)の間に前記複数の玉(3)を組み込んだ状態で前記複数の玉(3)の中心を共通して通るピッチ円径をP.C.Dとし、前記各玉(3)の直径をDwとしたときに、前記複数の玉(3)の個数が、P.C.D×円周率÷Dwで算出される値の小数点以下を切り捨てた数である請求項1から10のいずれかに記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  12. 前記外輪(1)と前記内輪(2)の間に前記複数の玉(3)を組み込んだ状態で、前記玉(3)の前記外輪軌道溝(5)との接触点と前記玉(3)の中心とを結ぶ直線が軸直角方向に対してなす接触角αの大きさが、15°以上、45°以下の範囲に設定されている請求項1から11のいずれかに記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  13. 前記外輪軌道溝(5)と前記内輪軌道溝(9)とがいずれも円弧状の断面形状を有し、
    前記各玉(3)の直径をDwとしたときに、前記外輪軌道溝(5)の断面円弧の直径および前記内輪軌道溝(9)の断面円弧の直径が、1.01×Dw以上、1.30×Dw以下の範囲に設定されている請求項1から12のいずれかに記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  14. 前記外輪(1)と前記内輪(2)と前記複数の玉(3)がいずれも、質量%で、Cを0.95%以上1.1%以下、Siを0.15%以上0.35%以下、Mnを0.5%以下、Pを0.025%以下、Sを0.025%以下、Niを0.25%以下、Crを1.3%以上1.6%以下、Moを0.08%以下、Cuを0.25%以下含む鋼で形成されている請求項1から13のいずれかに記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
  15. 前記外輪(1)と前記内輪(2)と前記複数の玉(3)がいずれも、質量%で、Cを0.95%以上1.1%以下、Siを0.40%以上0.70%以下、Mnを0.90%以上1.15%以下、Pを0.025%以下、Sを0.025%以下、Niを0.25%以下、Crを0.90%以上、1.20%以下、Moを0.08%以下、Cuを0.25%以下含む鋼で形成されている請求項1から13のいずれかに記載の外輪分離型アンギュラ玉軸受の組立方法。
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