JP2022138836A - 紙葉類管理装置、紙葉類管理システム及び紙葉類管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一群の紙葉類を他の紙葉類と区別して管理できるようにする。【解決手段】紙葉類管理装置を、複数枚の紙葉類を第1紙葉類処理装置で処理して得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報を含む第1入力値に基づいて算出した第1固有値とを含む第1ブロックデータを生成し、複数枚の紙葉類を第2紙葉類処理装置で処理して得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報及び第1固有値の情報を含む第2入力値に基づいて算出した第2固有値とを含む第2ブロックデータを生成し、第2ブロックデータを第1ブロックデータと関連付けて管理するように構成する。【選択図】図4
Description
本開示は、紙葉類を管理するための紙葉類管理装置、紙葉類管理システム及び紙葉類管理方法に関する。
従来、多数枚の紙葉類を処理することができる紙葉類処理装置が利用されている。例えば、警送会社が複数の店舗から紙幣を回収して処理するような場合に、紙幣処理装置を利用すれば、各店舗から回収した紙幣を1回の紙幣処理でまとめて処理することができる。この紙幣処理で、各店舗の紙幣の処理結果を得るためには、紙幣処理装置が各店舗の紙幣を区別できるようにする必要がある。
特許文献1には、紙幣処理装置が複数の紙幣束を区別できるように、セパレータカードを利用する技術が開示されている。紙幣処理装置で複数の紙幣束をまとめて処理する際、各紙幣束がセパレータカードによって仕切られる。セパレータカードには所定の磁気ストライプが設けられている。紙幣処理装置は、磁気ストライプに基づいてセパレータカードを検出する。紙幣処理装置は、セパレータカードを検出することにより、各紙幣束の紙幣を区別して処理することができる。
特許文献2には、紙幣処理装置が各取引の紙幣を区別できるように、記番号を利用する技術が開示されている。各取引時に、この取引に含まれる全ての紙幣の記番号を、この取引に割り当てられた取引番号と関連付ける処理が行われる。全ての取引の紙幣が1つの袋に収納され、2次元バーコードを印刷した紙片が袋に取り付けられる。2次元バーコードには、各取引の取引番号と、全ての紙幣の記番号と、取引番号と記番号の対応を示す情報とが含まれる。紙幣処理装置は、袋に収納されている紙幣を処理する際、この袋に取り付けられた紙片から2次元バーコードを読み取る。紙幣処理装置は、2次元バーコードから取得した情報に基づいて、各紙幣の記番号に対応する取引番号を特定できるようになる。紙幣処理装置は、各紙幣から記番号を読み取って、記番号に対応する取引番号を特定することにより、各取引の紙幣を区別して処理することができる。
上記従来技術では、1つの紙幣束、一取引の紙幣等、一群の紙葉類を管理するために手間がかかる。例えば、特許文献1の技術では、複数のセパレータカードを準備して、各紙幣束を仕切るようにセパレータカードを挿入する必要がある。特許文献2の技術では、各紙幣の記番号を取引番号と関連付け、この関連付けを示す2次元バーコードを作成して紙片に印刷し、紙幣を納めた袋に取り付ける必要がある。袋から紙幣を取り出して処理する際には、袋に取り付けられた紙片から2次元バーコードを読み取る必要がある。
本開示は、上記課題を含む従来技術を鑑みてなされたもので、その目的の1つは、一群の紙葉類を容易に管理することができる紙葉類管理装置、紙葉類管理システム及び紙葉類管理方法を提供することにある。
本開示に係る紙葉類管理装置は、複数枚の紙葉類を第1紙葉類処理装置で処理して得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報を含む第1入力値に基づいて算出した第1固有値とを含む第1ブロックデータを生成し、前記複数枚の紙葉類を第2紙葉類処理装置で処理して得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報及び前記第1固有値の情報を含む第2入力値に基づいて算出した第2固有値とを含む第2ブロックデータを生成し、前記第2ブロックデータを前記第1ブロックデータと関連付けて管理する。
上記構成において、前記紙葉類管理装置は、紙葉類処理に関する取引情報を受け付けた場合には、前記入力値に前記取引情報を含めて前記固有値を算出すると共に、前記ブロックデータに前記取引情報を含めてもよい。
上記構成において、前記固有値は、前記入力値を所定関数に入力して算出される固定長の値で、前記入力値に応じて値が変化してもよい。
上記構成において、前記紙葉類管理装置は、前記複数枚の紙葉類が複数回処理される際、1回目の処理では、1回目の処理で得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報を含む第1入力値に基づいて算出した前記第1固有値とを含む前記第1ブロックデータを生成し、2回目以降の処理では、n回目(nは2以上の整数)の処理で得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報及び第(n-1)固有値の情報を含む第n入力値に基づいて算出した第n固有値とを含む第nブロックデータを生成して、前記第nブロックデータを第(n-1)ブロックデータと関連付けることにより、生成した全てのブロックデータを関連付けて管理してもよい。
上記構成において、前記紙葉類管理装置は、前記第nブロックデータに含まれる前記第n固有値が、前記第n入力値に基づいて再計算した固有値と一致しない場合に、前記第nブロックデータと前記第(n-1)ブロックデータの整合性に異常があると判定して、これを担当者に報知する報知処理を実行してもよい。
上記構成において、前記紙葉類管理装置は、ブロックデータに含まれる固有値が、前記固有値を再計算して得られた値と一致しない場合に、前記ブロックデータに異常があると判定して、これを担当者に報知する報知処理を実行してもよい。
上記構成において、前記紙葉類管理装置は、前記第1紙葉類処理装置が取得した識別情報に基づいて算出した固有値と、前記第2紙葉類処理装置が取得した識別情報に基づいて算出した固有値とが一致しない場合に、前記第2紙葉類処理装置で処理された紙葉類が、前記第1紙葉類処理装置で処理された紙葉類と一致しないと判定して、これを担当者に報知する報知処理を実行してもよい。
上記構成において、前記紙葉類管理装置は、検出対象の識別情報が予め登録されているリストの中に、前記第1紙葉類処理装置が取得した識別情報に対応する紙葉類の情報が含まれている場合には、これを担当者に報知する報知処理を実行してもよい。
本開示に係る紙葉類管理システムは、複数枚の紙葉類を受け付けて各紙葉類から識別情報を取得する第1紙葉類処理装置と、前記複数枚の紙葉類を受け付けて各紙葉類から前記識別情報を取得する第2紙葉類処理装置と、前記第1紙葉類処理装置が取得した各紙葉類の識別情報と、該識別情報を含む第1入力値に基づいて算出した第1固有値とを含む第1ブロックデータを生成し、前記第2紙葉類処理装置が取得した各紙葉類の識別情報と、該識別情報及び前記第1固有値の情報を含む第2入力値に基づいて算出した第2固有値とを含む第2ブロックデータを生成し、前記第2ブロックデータを前記第1ブロックデータと関連付けて管理する管理装置とを含む。
本開示に係る紙葉類管理方法は、複数枚の紙葉類が複数回処理される際に管理装置が前記紙葉類を管理するための紙葉類管理方法であって、1回目の処理時に、1回目の紙葉類処理で得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報を含む第1入力値に基づいて算出した第1固有値とを含む第1ブロックデータを生成する工程と、n回目(nは2以上の整数)の処理時に、n回目の紙葉類処理で得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報及び第(n-1)固有値の情報を含む第n入力値に基づいて算出した第n固有値とを含む第nブロックデータを生成する工程と、前記第nブロックデータを第(n-1)ブロックデータと関連付ける工程とを含む。
本開示に係る紙葉類管理装置、紙葉類管理システム及び紙葉類管理方法によれば、一群の紙葉類を他の紙葉類と区別して容易に管理することができる。一群の紙葉類が複数回処理される場合には各回の処理情報を管理することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本開示に係る紙葉類管理装置、紙葉類管理システム及び紙葉類管理方法の実施の形態について説明する。本実施形態で言う紙葉類は、各紙葉類を一意に特定可能な識別情報を含むものであれば、その種類は特に限定されない。紙葉類には、記番号を有する紙幣及び小切手番号を有する小切手が含まれる。識別情報は、各紙葉類を一意に特定可能であれば、その内容は特に限定されない。例えば、記番号及び小切手番号等の識別番号を識別情報としてもよいし、識別番号を他の情報と組み合わせたものを識別情報としてもよい。具体的には、異なる種類の紙葉類に同一の識別番号が含まれる場合に、各紙葉類を一意に特定できるように、識別番号と紙葉類の種類を示す情報とを組み合わせたものを識別情報としてもよい。
図1は、本実施形態に係る紙葉類管理システム1の構成例を示す図である。紙葉類管理システム1は、紙葉類管理装置10と、複数の紙葉類処理装置100(100a、100b、100c)とを含む。紙葉類管理システム1が、紙葉類管理装置10と通信可能な通信端末110を含んでいてもよい。図1は例示であって、紙葉類処理装置100の数、及び通信端末110の数は特に限定されない。以下、紙葉類管理装置10を、単に管理装置10と記載する。
紙葉類処理装置100は、操作部、表示部、制御部、記憶部及び紙葉類処理部を含む。複数枚の紙葉類から各紙葉類の識別情報を取得することができれば、紙葉類処理装置100の構成は特に限定されない。例えば、操作部、表示部及び記憶部を含む操作端末が、紙葉類処理部を含む別の装置と接続され、該装置と操作端末とによって紙葉類処理装置100が実現される態様であってもよい。
紙葉類処理装置100は、操作部で受け付けた操作に基づいて、1回の紙幣処理で複数枚の紙葉類を処理することができる。紙葉類処理装置100は、紙葉類の処理時に、各紙葉類の識別情報を取得することができる。
例えば、紙葉類処理装置100は、複数枚の紙葉類を受け付けて1枚ずつ装置内に取り込み、各紙葉類の識別情報を読み取ると共に、各紙葉類の種類を識別する。紙葉類処理装置100は、各紙葉類の光学的特徴、磁気的特徴、大きさ、厚み等の特徴量に基づいて紙葉類の種類を識別することができる。紙葉類処理装置100は、識別結果に基づいて紙葉類を処理して、処理結果を、記憶部に保存したり、表示部に表示したり、外部装置に送信したりすることができる。例えば、記番号を読み取ると共に紙幣を識別計数する紙幣処理装置と、小切手番号を読み取ると共に小切手を識別計数する小切手処理装置とが紙葉類処理装置100に含まれるが、このような装置の機能、構成及び動作は従来知られているため詳細な説明は省略する。
通信端末110は、操作部、表示部、制御部及び記憶部を含むコンピュータ装置である。通信端末110は、例えば、ネットワーク2を介して、管理装置10を操作するために利用される。通信端末110は、例えば、管理装置10が管理する情報を確認するために利用される。
管理装置10は、操作部、表示部、制御部及び記憶部を含むコンピュータ装置である。紙葉類処理装置100で処理された紙葉類の情報を管理することができれば、管理装置10の構成は特に限定されない。例えば、管理装置10が操作部及び表示部を含まず、通信端末110を利用して管理装置10が操作される態様であってもよい。例えば、管理装置10が、複数の装置を組み合わせて実現される態様であってもよい。
管理装置10は、ネットワーク2を介して、各紙葉類処理装置100で処理された紙葉類の情報を取得することができる。紙葉類情報は、ネットワーク2を利用して取得される態様に限定されず、他の通信技術を利用して取得される態様であってもよいし、記憶媒体を介して取得される態様であってもよい。管理装置10は、取得した紙葉類情報に基づいて紙葉類を管理する。
図2は、管理装置10が行う処理の概要を説明するための図である。紙葉類処理装置100は、一群の紙葉類3を処理して、各紙葉類の情報を取得する(A1)。紙葉類処理装置100が取得する情報の中に、各紙葉類の識別情報が含まれる。紙葉類処理装置100は、取引情報の入力を受け付けることができる(A2)。
一群の紙葉類3とは、管理装置10が1つのグループにまとめて管理する複数枚の紙葉類である。取引情報とは、管理装置10が、紙葉類3を管理する際に紙葉類3の情報と共に管理する情報である。
例えば、警送会社が複数の店舗から紙幣を回収する際、各店舗の紙幣が一群の紙葉類3として処理される。このとき、例えば、各店舗の紙幣を収納する容器の識別情報が取引情報として利用される。以下、複数枚の紙葉類から成る一群の紙葉類3を単に紙葉類3と記載する。
管理装置10は、紙葉類処理装置100で処理された紙葉類3の識別情報13を取得する(B1)。例えば紙葉類3が100枚の紙葉類から成る場合、管理装置10は100個の識別情報13を取得することになる。
識別情報13は紙葉類の識別番号を含む。管理装置10が紙葉類処理装置100から取得する識別情報13の内容は、設定により変更することができる。識別情報13は、識別番号に加えて、紙葉類の種類を示す情報を含むように設定することができる。例えば、紙葉類が紙幣である場合、1ドル、5ドル等の紙幣の金種を示す情報と、米国紙幣、カナダ紙幣等の通貨の種類を示す情報との少なくともいずれか一方を、記番号と組み合わせたものを、識別情報13とすることができる。紙葉類が小切手である場合、小切手の発行元を示す情報を小切手番号と組み合わせたものを識別情報13とすることができる。
管理装置10は、識別情報リスト16を利用して、所定条件を満たす紙葉類を検出することができる。識別情報リスト16には、検出対象に指定された紙葉類の識別情報が予め登録されている。識別情報リスト16は、管理装置10内の記憶部に保存されていてもよいし、管理装置10が識別情報リスト16を参照可能な他の装置に保存されていてもよい。
識別情報リスト16には、例えば、偽造された紙葉類の識別情報と、盗まれた紙葉類の識別情報とが登録されている。管理装置10は、紙葉類処理装置100から取得した識別情報13の中に、識別情報リスト16に登録されている識別情報が含まれているか否かを判定することができる。紙葉類処理装置100で処理された紙葉類の識別情報13が、識別情報リスト16の識別情報と一致した場合、管理装置10は、これを紙葉類管理システム1の利用者に報知することができる。報知は、例えば、管理装置10の表示部と、通信端末110の表示部と、紙葉類処理装置100の表示部との少なくともいずれか1つに、判定結果を示す情報を表示することによって行われる。
管理装置10は、紙葉類3の識別情報13の中から、識別情報リスト16に登録された識別情報を検出した場合、検出結果を紙葉類3の後処理に利用することができる。例えば、管理装置10は、紙葉類3を別の紙葉類処理装置100で処理する際に、この紙葉類処理装置100に、識別情報が識別情報リスト16に登録されている紙葉類をリジェクトさせることができるが、詳細は後述する。
管理装置10は、紙葉類処理装置100から取引情報14を取得することができる(B2)。取引情報14は、紙葉類処理装置100から取得される態様に限定されず、通信端末110等の他の装置から取得される態様であってもよい。管理装置10は、取引情報14を取得せずに、識別情報13のみを利用して紙葉類3を管理することもできるが、詳細は後述する。
取引情報14の内容は特に限定されず、紙葉類管理システム1の利用者が選択した情報を取引情報14に含めることができる。例えば、警送会社が、店舗から紙葉類3を回収する場合、警送会社及び店舗は、紙葉類3の管理に利用する情報を選択して取引情報14に含めることができる。
例えば、店舗の紙葉類3が紙葉類処理装置100で処理され、運搬用の容器に詰められて店舗外へ回収される場合、店舗に関する情報、紙葉類3が処理された取引に関する情報、紙葉類処理装置100に関する情報等を選択して、取引情報14に含めることができる。運搬時の容器に関する情報、警送会社に関する情報等を選択して、取引情報14に含めることもできる。
管理装置10は、紙葉類3の管理に利用する処理固有値11及び紙葉群固有値12を生成することができる(B3)。処理固有値11は識別情報13及び取引情報14に基づいて生成され、紙葉群固有値12は識別情報13に基づいて生成される。
紙葉群固有値12は、紙葉類3の全ての識別情報13を、所定の識別情報関数に入力することにより出力される値である。識別情報関数は、入力値が変わると紙葉群固有値12の値が変わるように予め準備されている。例えば、紙葉類3が100枚の紙葉類から成る場合、100個の識別情報13を識別情報関数に入力して1つの紙葉群固有値12が出力される。識別情報関数に入力される識別情報13が1つでも異なれば、出力される紙葉群固有値12の値が変化する。
処理固有値11は、紙葉類3の全ての識別情報13と、取引情報14とを、所定の処理履歴関数に入力することにより出力される値である。処理履歴関数は、入力値が変わると処理固有値11の値が変わるように予め準備されている。例えば、紙葉類3が100枚の紙葉類から成る場合、100個の識別情報13と、取引情報14とを処理履歴関数に入力して1つの処理固有値11が出力される。処理履歴関数に入力される識別情報13が1つでも異なれば、出力される処理固有値11の値が変化する。また、処理履歴関数同様に入力される取引情報14が異なれば、出力される処理固有値11が変化する。
紙葉類3について過去に生成された処理固有値15が存在する場合は、この処理固有値15も処理履歴関数の入力値に追加される。すなわち、処理固有値11は、識別情報13、取引情報14及び処理固有値15に基づいて生成される。処理履歴関数に入力される処理固有値15が異なれば、異なる処理固有値11が出力されることになる。過去の処理固有値15の利用方法詳細については後述する。
識別情報関数及び処理履歴関数は、入力値が変わっても固定長の値を出力することが好ましい。例えば、ハッシュ関数を処理履歴関数及び識別情報関数として利用して、得られたハッシュ値を処理固有値11及び紙葉群固有値12とすることができる。
管理装置10は、処理固有値11、紙葉群固有値12、識別情報13及び取引情報14を含むブロックデータを生成して管理することができる(B4)。管理装置10は、紙葉類3が処理される度にブロックデータを生成し、生成した全てのブロックデータを関連付けて管理することができる。
図3は、管理装置10が生成するブロックデータを説明するための図である。例えば、管理装置10は、店舗の第1紙葉類処理装置100aで紙葉類3が処理された際に、第1ブロックデータ210を生成する。
図3に示すように、各ブロックデータは、先頭のヘッダ領域と、その後に続く取引領域とに分かれている。第1ブロックデータ210の取引領域には、識別情報13及び取引情報14が格納される。紙葉類3が100枚の紙葉類から成る場合、100個の識別情報13が取引領域に格納されることになる。取引情報14が複数の情報を含んでいれば、これら全ての情報が取引領域に格納されることになる。
管理装置10は、図2で説明したように、識別情報13を識別情報関数に入力して紙葉群固有値12を生成し、識別情報13及び取引情報14を処理履歴関数に入力して処理固有値11を生成する。管理装置10は、生成した処理固有値11及び紙葉群固有値12を第1ブロックデータ210のヘッダ領域に格納する。
こうして、図3に示すように、処理固有値11、紙葉群固有値12、識別情報13及び取引情報14を含む第1ブロックデータ210が生成される。図3に矢印で示したように、ヘッダ領域には、識別情報13及び取引情報14から生成された処理固有値11と、識別情報13から生成された紙葉群固有値12とが格納されることになる。
紙葉類3について2回目の紙葉類処理が行われる際に、第2ブロックデータ220が生成される。例えば、店舗にある第1紙葉類処理装置100aで処理された紙葉類3が、店舗から別の場所に運ばれて第2紙葉類処理装置100bで処理された際に、管理装置10は、図2で説明したように、第2紙葉類処理装置100bから紙葉類3の識別情報と、取引情報とを取得する。
例えば、管理装置10は、第2紙葉類処理装置100bから取得した識別情報23に含まれる1つの識別情報に基づいて、これと同一の識別情報を含むブロックデータを探索する。また、例えば、管理装置10は、第2紙葉類処理装置100bから取得した取引情報24に含まれる1つの情報に基づいて、これと同一の情報を含むブロックデータを探索する。こうして、管理装置10は、第1ブロックデータ210の存在を認識する。
第1ブロックデータ210を認識した管理装置10は、第2ブロックデータ220を生成する。なお、第1ブロックデータが存在しない場合は、第1ブロックデータが生成され、第2ブロックデータが存在する場合は、第3ブロックデータが生成されることになる。
図3に示すように、管理装置10は、第2紙葉類処理装置100bから取得した紙葉類3の識別情報23と、取引情報24とを第2ブロックデータ220の取引領域に格納する。管理装置10は、図3に矢印で示すように、識別情報23から紙葉群固有値22を生成し、これを第2ブロックデータ220のヘッダ領域に格納する。
第1ブロックデータ210の紙葉群固有値12と、第2ブロックデータ220の紙葉群固有値22とは、同じ紙葉類3の識別情報から生成される。このため、紙葉群固有値22は、紙葉群固有値12と同じ値になる。管理装置10は、これら2つの紙葉群固有値12、22を比較することにより、第2紙葉類処理装置100bで処理された紙葉類3が、第1紙葉類処理装置100aで処理された紙葉類3と一致するか否かを判定することができる。
2つの紙葉群固有値12、22が一致しない場合、管理装置10は、第1ブロックデータ210の識別情報13と、第2ブロックデータ220の識別情報23とを比較して、これらの間で異なる識別情報を検出する。管理装置10は、検出した識別情報を利用者に報知すると共に、第2紙葉類処理装置100bで処理された紙葉類が、第1紙葉類処理装置100aで処理された紙葉類3と一致しないことを利用者に報知する。報知は、例えば、管理装置10の表示部と、通信端末110の表示部と、第2紙葉類処理装置100bの表示部との少なくともいずれか1つに、関連する情報を表示することによって行われる。この報知を受けて、第1紙葉類処理装置100aで処理された紙葉類3と、第2紙葉類処理装置100bで処理された紙葉類とが一致しない原因が調査されることになる。
管理装置10は、図3に矢印で示すように、第2ブロックデータ220の識別情報23及び取引情報24と、第1ブロックデータ210の処理固有値11とから、第2ブロックデータ220の処理固有値21を生成する。管理装置10は、処理固有値21を、第2ブロックデータ220のヘッダ領域に格納する。こうして、図3に示すように、処理固有値21、紙葉群固有値22、識別情報23及び取引情報24を含む第2ブロックデータ220が生成される。管理装置10は、第2ブロックデータ220を、第1ブロックデータ210と関連付けて管理する。すなわち、第2ブロックデータ220は、第2ブロックデータ220を生成する際に、処理固有値11が入力値の1つに利用された第1ブロックデータ210と関連付けて管理される。
紙葉類3の3回目の処理時には第3ブロックデータ230が生成される。第3ブロックデータ230は、第2ブロックデータ220と同様の方法で生成される。図3に矢印で示すように、第3ブロックデータ230の処理固有値31の生成には、第2ブロックデータ220の処理固有値21が利用される。処理固有値31、紙葉群固有値32、識別情報33及び取引情報34を含む第3ブロックデータ230は、第2ブロックデータ220と関連付けて管理される。
管理装置10は、紙葉類3が処理される度にブロックデータを生成する。新たに生成されたブロックデータは、その直前の処理時に生成されたブロックデータと関連付けて管理されることになる。こうして、管理装置10は、同じ紙葉類3について生成した全てのブロックデータを関連付けて管理する。
図3はブロックデータの一例であって、管理装置10が、紙葉群固有値を利用しない態様であってもよい。具体的には、管理装置10が、紙葉群固有値を生成しない態様であってもよい。管理装置10が、紙葉群固有値の生成は行うが、ブロックデータには含めない態様であってもよい。また、管理装置10が、取引情報を利用しない態様であってもよい。具体的には、管理装置10が、ブロックデータに取引情報を含めない態様であってもよい。管理装置10が、処理固有値を生成する際の入力値に取引情報を含めない態様であってもよい。
図4は、紙葉群固有値及び取引情報を含まないブロックデータの例を示す図である。取引情報を利用しない場合、図4に矢印で示すように、第1ブロックデータ210の処理固有値11は識別情報13から生成される。第2ブロックデータ220の処理固有値21は、識別情報23及び第1ブロックデータ210の処理固有値11から生成され、第3ブロックデータ230の処理固有値31は、識別情報33及び第2ブロックデータ220の処理固有値21から生成される。この場合、例えば、第1ブロックデータ210に含まれる紙葉類の情報が、第2ブロックデータ220に含まれる紙葉類の情報と一致することを確認する処理は、第1ブロックデータ210の識別情報13を、第2ブロックデータ220の識別情報23と比較することによって行われる。具体的には、管理装置10は、第1ブロックデータ210の取引領域にある複数の紙葉類の識別情報13を、第2ブロックデータ220の取引領域にある複数の紙葉類の識別情報23と突合する処理を行う。これにより、管理装置10は、第2紙葉類処理装置100bで処理された紙葉類3が、第1紙葉類処理装置100aで処理された紙葉類3と一致するか否かを判定することができる。
管理装置10は、紙葉類3が処理される度にブロックデータを生成する。2回目以降の処理では、n回目(nは2以上の整数)の処理で得られた各紙葉類の識別情報と、これら全ての識別情報及び(n-1)回目の処理固有値から生成された処理固有値とを含む第nブロックデータが生成される。そして、第nブロックデータが、第(n-1)ブロックデータと関連付けて管理される。このようなデータはブロックチェーンと呼ばれることがある。
ブロックデータの生成タイミングは、紙葉類3が、異なる紙葉類処理装置100で処理される際に限定されない。例えば、同じ紙葉類処理装置100で紙葉類の再処理が行われる際にブロックデータが生成されてもよい。また、例えば、紙葉類処理装置100で行われた処理内容が、他の装置を利用して承認される際に、ブロックデータが生成されてもよい。具体的には、紙葉類処理装置100で紙葉類を処理してブロックデータが生成された後、紙葉類の識別結果、計数結果、ブロックデータ等を承認する処理時に、別のブロックデータが生成されてもよい。
図5は、紙葉類3を処理して得られたブロックデータの具体例を示す図である。各紙葉類が処理された順に応じて、各ブロックデータに登録される「A0001」等の識別情報の並びが変わる場合があるが、各ブロックデータには同一の識別情報が含まれている。このため、各ブロックデータに含まれる紙葉群固有値は全て同じ値になる。一方、処理固有値を生成するための入力値には、1つ前のブロックデータの処理固有値が含まれるため、各ブロックデータにおける紙葉類の識別情報及び取引情報が同一であっても、各ブロックデータの処理固有値は全て異なる値となる。
図6は、ブロックデータで処理固有値及び紙葉群固有値が変化する例を説明するための図である。図6(a)に示すように、第1ブロックデータ210の識別情報13と、第2ブロックデータ220の識別情報23とが一致しない場合、第2ブロックデータ220の紙葉群固有値22は、第1ブロックデータ210の紙葉群固有値12と異なる値になる。図6(a)に示す例では、第1ブロックデータ210の紙葉群固有値12が「1001」であるのに対して、第2ブロックデータ220の紙葉群固有値22は「1011」になっている。
このように第1ブロックデータ210と第2ブロックデータ220との間で紙葉群固有値12、22が一致しないことに基づいて、管理装置10は、第2ブロックデータ220の識別情報23が、第1ブロックデータ210の識別情報13と異なることを認識することができる。
例えば、第1ブロックデータ210が生成された後、紙葉類が1枚抜き取られて紙葉類3の枚数が減った場合、第2ブロックデータ220の紙葉群固有値22は、第1ブロックデータ210の紙葉群固有値12と異なる値になる。管理装置10は、この値の違いを検知して、紙葉類3の異常を利用者に報知することができる。報知は、関連する情報を、管理装置10の表示部と、銀行の紙葉類処理装置100の表示部と、通信端末110の表示部との少なくともいずれか1つに表示することによって行われる。
管理装置10は、各ブロックデータの整合性を確認することができる。整合性を確認する処理は、利用者の操作に基づいて実行されてもよいし、所定のタイミングで自動的に実行されてもよい。例えば、1日1回、所定時刻に自動的に実行されてもよいし、新たなブロックデータを生成する際に自動的に実行されてもよい。整合性を確認する際、管理装置10は、各ブロックデータの処理固有値及び紙葉群固有値を再生成して、各ブロックデータに既に登録されている値と比較する。
図6(b)に示すように、第2ブロックデータ220の生成後に識別情報23が改ざんされた場合、第2ブロックデータ220に登録されている処理固有値21及び紙葉群固有値22と、改ざん後の識別情報23を入力値として再生成した処理固有値及び紙葉群固有値との間に矛盾が生ずる。
例えば、図6(b)に示すように、改ざん後の識別情報23を入力値として再生成された処理固有値「0021」及び紙葉群固有値が「1011」は、それぞれ第2ブロックデータ220の処理固有値21「0011」及び紙葉群固有値22「1001」と一致しなくなる。管理装置10は、この矛盾に基づいて、第2ブロックデータ220の異常を検知し、これを利用者に報知することができる。報知は、関連する情報を、管理装置10の表示部と、銀行の紙葉類処理装置100の表示部と、通信端末110の表示部との少なくともいずれか1つに表示することによって行われる。なお、ブロックデータの異常の検知は、処理固有値と紙葉群固有値の両方の値に基づいて行われる態様に限定されず、いずれか一方に基づいて行われる態様であってもよい。
ブロックデータが改ざんされると、このブロックデータの生成後に生成されたブロックデータとの間でも矛盾が生ずる。例えば、第3ブロックデータ230に登録されている処理固有値は、改ざん前の第2ブロックデータ220の処理固有値21「0011」を入力値として生成されたものである。第2ブロックデータ220が改ざんされて、再生成された処理固有値が「0021」に変わると、これを入力値として再生成する第3ブロックデータ230の処理固有値も変化する。このため、管理装置10が再生成する第3ブロックデータ230の処理固有値は、第3ブロックデータ230に既に登録されている処理固有値と異なる値になる。管理装置10は、このブロックデータ間の矛盾からも第2ブロックデータ220の異常を検知することができる。
図6(c)に示すように、第2ブロックデータ220内で矛盾が生じないように、識別情報23に加えて処理固有値21及び紙葉群固有値22を改ざんできたとしても、第2ブロックデータ220と第3ブロックデータ230との間で矛盾が残る。このため、管理装置10は、ブロックデータ間の矛盾に基づいて、第2ブロックデータ220の異常を検知することができる。
第nブロックデータ(nは2以上の整数)の処理固有値は、第(n-1)ブロックデータの処理固有値を入力値の1つに利用して生成される。1つのブロックデータで処理固有値が変化すると、それ以降に生成された、隣り合う全てのブロックデータの間で矛盾が生ずる。この矛盾を解消するためには、全てのブロックデータで、関連する情報を改ざんする必要があり、改ざんが発覚しないようにすることは困難である。このため、管理装置10は、ブロックデータ間の整合性を定期的に確認することにより、ブロックデータの改ざんを確実に検知することができる。
図6では識別情報を例に説明したが、取引情報が改ざんされた場合も、改ざん後の取引情報を入力して再生成した処理固有値が、このブロックデータに既に登録されている処理固有値と異なる値になる。また、このブロックデータの後に生成されたブロックデータとの間で整合性がとれなくなる。このため、管理装置10は、ブロックデータが改ざんされたことを検知することができる。
紙葉類3が複数回処理される間に、紙葉類3の一部が失われたり異なる紙葉類と入れ替えられたりした場合、上述したように、管理装置10は、これを検知することができる。ブロックデータが改ざんされた場合も、管理装置10は、これを検知することができる。管理装置10が、データの異常を検知して利用者に報知することにより、利用者は異常の原因を調査することができる。利用者は、隣り合うブロックデータ間の整合性に基づいて、複数のブロックデータの中からデータに異常が生じたブロックデータを特定し、このブロックデータに関連した調査を行うことができる。
次に、紙幣を例に、紙葉類管理システム1で行われる処理の具体例を説明する。図7は、紙葉類管理システム1で行われる紙幣処理の例を示す模式図である。以下、図7に示すように、紙幣処理装置(紙葉類処理装置)100aで処理された店舗の売上金の紙幣(一群の紙葉類)300が袋(容器)301に詰められ、警送会社450によって現金センターへ運ばれて別の紙幣処理装置(紙葉類処理装置)100bで処理される場合を例に説明する。
管理装置10は、店舗の紙幣処理装置100a及び現金センターの紙幣処理装置100bから紙幣情報を取得して、上述したようにブロックデータを生成し、生成したブロックデータを関連付けて管理する。
図8は、紙幣について行われる処理の流れを示すチャート図である。図9は、図8に示す処理時に生成されるブロックデータの例を示す図である。図10は、図8に示す処理時に表示される画面例を示す図である。
店舗の店員が、店舗の売上金を構成する紙幣300を紙幣処理装置100aで処理する(図8ステップS1)。この紙幣処理時に、紙幣処理装置100aが各紙幣の記番号を読み取る。紙幣処理時に、紙幣処理装置100aが、各紙幣の金種を識別して金種別の枚数を計数し、金額を算出して表示部に表示してもよい。
店員が、紙幣処理装置100aに取引情報を入力してもよい(ステップS2)。例えば、紙幣300の運搬に利用する袋301には、各袋を特定可能な容器情報のバーコードが付されている。店員は、紙幣処理装置100aに接続されたバーコードリーダで袋301のバーコードを読み取ることにより、容器情報を紙幣処理装置100aに入力することができる。管理装置10は、この容器情報を取引情報として利用することができる。
店員が取引情報を入力する態様に限定されず、店舗の紙幣処理装置100aが、予め準備された取引情報を利用する態様であってもよい。例えば、紙幣処理装置100aが、各紙幣処理を特定するために紙幣処理に取引番号を付与する場合、この取引番号が取引情報として利用されてもよい。紙幣処理装置100aを特定可能な装置情報が取引情報として利用されてもよい。各店舗を特定するための店舗情報がある場合に、紙幣処理装置100aに予め入力された店舗情報が取引情報として利用されてもよい。紙幣処理装置100aが、紙幣処理時に、取引番号、装置情報、店舗情報等の取引情報を管理装置10に送信することにより、管理装置10は、取引情報をブロックデータの生成に利用することができる。
管理装置10は、紙幣処理装置100aが読み取った紙幣300の記番号を取得する(ステップS3)。管理装置10は、予め準備されている記番号リストを参照し、紙幣処理装置100aから取得した記番号の中から、記番号リストに登録されている記番号を検出する(ステップS4)。この記番号リストが、図2で説明した識別情報リスト16に相当する。記番号リストに登録されている記番号が検出された場合、管理装置10は、この記番号を記憶部に記録しておいて、現金センターで行われる紙幣処理に利用する。
記番号リストに登録されている記番号が検出された場合、この記番号を有する紙幣は現金センターでリジェクト紙幣として処理対象から除外される。このため、ステップS5~S8の処理は、この記番号を除外して行われる。すなわち、記番号リストに登録されている記番号を除き、他の記番号を利用して第1ブロックデータ510が生成される。
管理装置10は、検出した記番号が、偽造された紙幣又は盗難された紙幣の記番号であった場合、この紙幣の発見を、所定の連絡先へ報知する報知処理を実行することができる。連絡先として、偽造紙幣及び盗難紙幣の処理を担当する店舗の担当者、現金センターの担当者、銀行の担当者等の連絡先を予め管理装置10に登録できるようになっている。例えば、銀行の担当者の電子メールアドレスを予め管理装置10に登録すると、管理装置10は、偽造紙幣及び盗難紙幣の記番号発見時に、発見した記番号、記番号が発見された店舗等の情報を含む電子メールを担当者に送信する。報知を受けた担当者は、予め定められた手順に基づいて対応することができる。例えば、警察への届出等の対応が行われることになる。
管理装置10は、紙幣処理装置100aから取得した紙幣300の記番号を、予め準備されたハッシュ関数に入力して、記番号ハッシュ値を算出する(ステップS5)。すなわち、記番号ハッシュ値は、紙幣300の記番号を示す情報に基づいて算出される。ハッシュ関数及び記番号ハッシュ値が、それぞれ図1~図6で説明した識別情報関数及び紙葉群固有値に相当する。管理装置10は、記番号ハッシュ値を第1ブロックデータ510と関連付けて記録しておき、現金センターで行われる紙幣処理に利用する。
管理装置10は、紙幣処理装置100aから取引情報を取得する(ステップS6)。管理装置10は、紙幣300の記番号及び取引情報を、予め準備されたハッシュ関数に入力して、履歴ハッシュ値を算出する(ステップS7)。すなわち、履歴ハッシュ値は、紙幣300の記番号を示す情報と、取引情報とに基づいて算出される。ハッシュ関数及び履歴ハッシュ値が、それぞれ図1~図6で説明した処理履歴関数及び処理固有値に相当する。
管理装置10は、図9に示すように、紙幣処理装置100aから取得した紙幣300の記番号と、取引情報と、履歴ハッシュ値とを含む第1ブロックデータ510を生成する(図8ステップS8)。図9に示す例では、「X0001」、「X0004」等の記番号と、店舗情報「S01」を含む取引情報と、履歴ハッシュ値「0001」とが第1ブロックデータ510に含まれている。
店舗の紙幣処理装置100aで処理された紙幣は、図7に示すように警送会社450によって現金処理センターへ運ばれる(図8ステップS9)。店員は、紙幣処理装置100aで処理した紙幣300を袋301に詰めて、警送会社450に引き渡すだけでよい。
現金センターで紙幣処理を担当する担当者は、店舗から回収された紙幣300を、現金センターの紙幣処理装置100bで処理する(ステップS10)。担当者は、袋301から全ての紙幣300を取り出して紙幣処理装置100bで処理するだけでよい。この紙幣処理時に、紙幣処理装置100bが各紙幣の記番号を読み取る。紙幣処理時に、紙幣処理装置100bが、各紙幣の金種を識別して金種別の枚数を計数し、金額を算出して表示部に表示してもよい。
担当者が、紙幣処理装置100bに取引情報を入力してもよい(ステップS11)。担当者は、紙幣処理装置100bに接続されたバーコードリーダで袋301のバーコードを読み取ることにより、容器情報を紙幣処理装置100bに入力することができる。管理装置10は、この容器情報を取引情報として利用することができる。
担当者が取引情報を入力する態様に限定されず、現金センターの紙幣理装置100bが、予め準備された取引情報を利用する態様であってもよい。例えば、紙幣処理装置100bが、各紙幣処理を特定するために紙幣処理に取引番号を付与する場合、この取引番号が取引情報として利用されてもよい。紙幣処理装置100bを特定可能な装置情報が取引情報として利用されてもよい。現金センターを特定するための店舗情報がある場合に、紙幣処理装置100bに予め入力された店舗情報が取引情報として利用されてもよい。紙幣処理装置100bが、紙幣処理時に、取引番号、装置情報、店舗情報等の取引情報を管理装置10に送信することにより、管理装置10は、取引情報をブロックデータの生成に利用することができる。
店舗で紙幣300を処理した際に、管理装置10が、記番号リストに登録された記番号を検出していた場合、この記番号が、現金センターの紙幣処理装置100bに通知される(ステップS12)。
例えば、管理装置10は、紙幣処理装置100bで処理された紙幣の記番号を取得して、この記番号に基づいて第1ブロックデータ510を特定する。ステップS11で、担当者が、第1ブロックデータ510に登録されている取引情報を紙幣処理装置100に入力していた場合、管理装置10は、入力された取引情報に基づいて第1ブロックデータ510を特定してもよい。管理装置10は、第1ブロックデータ510の生成時に検出して記録しておいた、記番号リストに登録されている記番号を、紙幣処理装置100bに通知する。紙幣処理装置100bは、管理装置10から通知された記番号を有する紙幣を、リジェクト紙幣として処理する。
例えば、紙幣処理装置100bが、入金部に受けた各紙幣を処理してリジェクト部又は集積部に集積する場合、紙幣処理装置100bは、入金部の紙幣300を1枚ずつ装置内に取り込んで記番号を読み取り、記番号リストにある記番号の紙幣をリジェクト部にリジェクトして、他の紙幣を集積部へ集積する。例えば、紙幣処理装置100が、入金部に受けた各紙幣を処理してリジェクト部又は出金部から排出する場合、紙幣処理装置100bは、記番号リストにある記番号の紙幣をリジェクト部からリジェクトして、他の紙幣を出金部から排出する。
紙幣がリジェクトされる際、紙幣処理装置100bの表示部に、図10(a)に示す画面が表示される。画面上には、記番号リストに登録されている記番号を示す情報と、この記番号の紙幣をリジェクトしたこととを示す情報とが表示される。表示を確認した担当者は、リジェクト紙幣を、予め定められた手順に基づいて処理することができる。例えば、リジェクト紙幣が、偽造された紙幣又は盗難された紙幣の記番号であった場合、偽造紙幣及び盗難紙幣の処理を担当する銀行の担当者への連絡、警察への紙幣の提出等が行われることになる。なお、ステップS12の通知が行われた際には既に紙幣処理装置100bが、通知された記番号を有する紙幣を処理済みであった場合、紙幣処理装置100bが担当者にこれを報知して、担当者が、リジェクトする紙幣を特定して所定の手順で処理すればよい。
ステップS14~S18の処理は、記番号リストに登録されている記番号を除外して行われる。すなわち、記番号リストに登録されている記番号を除き、他の記番号を利用して第2ブロックデータ520が生成される。
管理装置10は、紙幣処理装置100bが読み取った紙幣300の記番号を取得する(ステップS13)。管理装置10は、取得した紙幣300の記番号を、予め準備されたハッシュ関数に入力して、記番号ハッシュ値を算出する(ステップS14)。すなわち、記番号ハッシュ値は、紙幣300の記番号を示す情報に基づいて算出される。
管理装置10は、現金センターの紙幣処理装置100bで処理された紙幣300が、店舗の紙幣処理装置100aで処理された紙幣300と一致するか否かを判定し、必要に応じて判定結果を報知する(ステップS15)。
具体的には、管理装置10は、ステップS5で算出して記録しておいた記番号ハッシュ値と、ステップS14で算出した記番号ハッシュ値とを比較する。両者が一致すれば、管理装置10は、現金センターの紙幣処理装置100bで処理された紙幣300が、店舗の紙幣処理装置100aで処理された紙幣300と一致すると判定して次の処理へ進む。このとき、管理装置10が、担当者に紙幣の一致を報知してもよい。
ステップS14で算出した記番号ハッシュ値が、ステップS5で算出した記番号ハッシュ値と一致しない場合、管理装置10は、現金センターの紙幣処理装置100bで処理された紙幣が、店舗の紙幣処理装置100aで処理された紙幣300と一致しないと判定する。管理装置10は、ステップS13で取得した全ての記番号を、第1ブロックデータ510に登録されている全ての記番号と比較して、両者の間で一致しない記番号を検出して担当者に報知する。このとき、紙幣処理装置100bの表示部に、図10(b)に示すように、検出した記番号が表示される。具体的には、第1ブロックデータ510に含まれているがステップS13で取得した記番号に含まれていない記番号があれば、これが表示される。また、第1ブロックデータ510に含まれていないがステップS13で取得した記番号に含まれている記番号があれば、これが表示される。担当者は、表示部に表示された情報に基づいて、記番号が一致しない原因を調査することになる。
なお、現金センターの紙幣処理装置100bで処理された紙幣が、店舗の紙幣処理装置100aで処理された紙幣300と一致するか否かの判定が、記番号ハッシュ値を利用せずに行われる態様であってもよい。例えば、管理装置10が、現金センターの紙幣処理装置100bが読み取った記番号を、第1ブロックデータ510に登録されている記番号と比較することにより判定を行う態様であってもよい。
管理装置10は、紙幣処理装置100bから取引情報を取得する(ステップS16)。管理装置10は、紙幣300の記番号、取引情報、及び第1ブロックデータ510の履歴ハッシュ値を、予め準備されたハッシュ関数に入力して、第2ブロックデータ520の履歴ハッシュ値を算出する(ステップS17)。すなわち、第2ブロックデータ520の履歴ハッシュ値は、紙幣300の記番号を示す情報と、取引情報と、第1ブロックデータ510の履歴ハッシュ値を示す情報とに基づいて算出される。
管理装置10は、図9に示すように、紙幣処理装置100bから取得した紙幣300の記番号及び取引情報と、履歴ハッシュ値とを含む第2ブロックデータ520を生成する(図8ステップS18)。図9に示す例では、「Y0001」、「X0005」等の記番号と、現金センターの店舗情報「CS01」を含む取引情報と、履歴ハッシュ値「0011」とが第2ブロックデータ520に含まれている。
図7に示すように、店舗から運び出される際に、紙幣300はランダムに袋301に詰められる。このため、紙幣処理装置100bで紙幣が処理された順に記番号が登録された場合、図9に示すように、第1ブロックデータ510の記番号と、第2ブロックデータ520の記番号とで記番号の並びが一致しない場合がある。ただし、図9は例示であって、昇順又は降順に並べた記番号が各ブロックデータに登録される態様であってもよい。
現金センターでは、承認者が、紙幣処理装置100bで担当者が紙幣300を処理して得られた処理結果を承認する処理が行われる。この処理で、第2ブロックデータ520が承認されることになる。承認者は、現金センターに設置された通信端末110を操作して、管理装置10からブロックデータを呼び出して表示部に表示する。承認者は、ブロックデータに含まれる情報を確認して、通信端末110の操作部で承認操作を行う。承認操作は、取引情報として利用される所定情報を通信端末110に入力することによって行われる(図8ステップS19)。なお、ここで言う承認者は、紙幣処理装置100bで紙幣300を処理した担当者以外の者で、例えば、別の担当者であってもよいし、担当者又は業務を管理する管理者であってもよい。
例えば、第1ブロックデータ510の取引情報が、店舗の紙幣処理装置100aで計数された紙幣300の合計枚数及び合計金額を含み、第2ブロックデータ520の取引情報が、現金センターの紙幣処理装置100bで計数された紙幣300の合計枚数及び合計金額を含んでいてもよい。また、例えば、管理装置10が、第1ブロックデータ510の情報から紙幣処理装置100aで計数された紙幣300の合計枚数及び合計金額を算出し、第2ブロックデータ520情報から紙幣処理装置100bで計数された紙幣300の合計枚数及び合計金額を算出してもよい。承認者は、第1ブロックデータ510及び第2ブロックデータ520を管理装置10から呼び出して通信端末110の表示部に表示し、店舗で処理された紙幣300の合計枚数及び合計金額が、現金センターで処理された紙幣300の合計枚数及び合計金額と一致することを確認する。
承認者は、該承認者を特定可能な承認者情報を通信端末110に入力して、第2ブロックデータ520、すなわち紙幣処理装置100bにおける処理結果を承認する。承認者情報の入力方法は特に限定されない。例えば、承認者が通信端末110の操作部を操作して、承認者情報を手入力してもよい。例えば、承認者が、承認者情報を含むICカード、バーコード等を、通信端末110に接続されたカードリーダ、バーコードリーダ等の読取装置に読み取らせることによって承認者情報を入力してもよい。
第2ブロックデータ520が承認されると、管理装置10は、承認者が通信端末110に入力した取引情報を取得する(ステップS20)。管理装置10は、第2ブロックデータ520の記番号と、通信端末110から取得した取引情報と、第2ブロックデータ520の履歴ハッシュ値を、予め準備されたハッシュ関数に入力して、第3ブロックデータ530の履歴ハッシュ値を算出する(ステップS21)。すなわち、第3ブロックデータ530の履歴ハッシュ値は、紙幣300の記番号を示す情報と、取引情報と、第2ブロックデータ520の履歴ハッシュ値を示す情報とに基づいて算出される。
管理装置10は、第2ブロックデータ520の記番号と、通信端末110から取得した取引情報と、履歴ハッシュ値とを含む第3ブロックデータ530を生成する(ステップS22)。図9に示す例では、第2ブロックデータ520と同じ記番号と、現金センターの店舗情報「CS01」及び承認者情報「MGR01」を含む取引情報と、履歴ハッシュ「0111」とが、第3ブロックデータ530に含まれている。
図7~図10では説明を簡単にするため省略したが、店舗の紙幣処理装置100aで紙幣が処理される際に、一部の紙幣がリジェクトされる場合がある。リジェクト紙幣には、例えば、汚損により記番号を読み取れない紙幣や金種を識別できない紙幣が含まれる。
紙幣処理装置100aが紙幣をリジェクトした場合、店員は、紙幣処理装置100aの操作部を操作して、リジェクト紙幣の金額を手入力することができる。管理装置10は、店員が手入力したリジェクト紙幣の金額と、紙幣処理装置100aが識別計数した紙幣300の金額とを記録すると共に、手入力された金額と装置100aで得られた金額との合計金額を店舗の売上金として管理することができる。
リジェクト紙幣は、紙幣処理装置100aで処理された紙幣300と分けて処理される。警送会社450は、図7に示すように紙幣処理装置100aで処理された紙幣300を袋301に入れて運ぶ一方で、リジェクト紙幣は、別の袋に入れたり、クリップで留めたりするなどして現金センターへ運ぶ。
現金センターでは、上述したように、袋301の紙幣300が、紙幣処理装置100bによって処理される。この処理とは別に、現金センターでは、担当者又は承認者が、リジェクト紙幣の処理を行う。例えば、店舗から運ばれてきたリジェクト紙幣の金額が、店舗で手入力されたリジェクト紙幣の金額と、一致するか否かを確認する処理が行われる。また、リジェクト紙幣の金額と紙幣処理装置100bが識別計数した紙幣300の金額との合計金額が、店舗で手入力されたリジェクト紙幣の金額と紙幣処理装置100aが識別計数した紙幣300の金額との合計金額と、一致するか否かを確認する処理が行われる。これらの確認処理で金額が一致しなかった場合は、その原因が調査されることになる。一方、金額が一致した場合は、リジェクト紙幣の金額と紙幣300の金額との合計金額が店舗の売上金として承認されて、売上金に基づく後処理が行われることになる。
紙幣処理装置100aがリジェクトした紙幣は、紙幣300と分けて処理される。このため、図9に示すブロックデータ510~530の記番号の中に、リジェクト紙幣の記番号は含まれないが、リジェクト紙幣の情報をブロックデータ510~530の取引情報に含めてもよい。例えば、管理装置10が、店員が手入力したリジェクト紙幣の金額を第1ブロックデータ510の取引情報に含めてもよいし、現金センターで担当者が確認したリジェクト紙幣の金額を第2ブロックデータ520の取引情報に含めてもよい。管理装置10は、現金センターで承認者が確認したリジェクト紙幣の金額を第3ブロックデータ530の取引情報に含めてもよい。
図7~図10では、説明を簡単にするため1つの店舗を例に処理内容を説明したが、警送会社450は、複数の店舗から売上金の紙幣を現金センターへ回収して処理する。図11は、複数の店舗から紙幣を回収する際に行われる処理を説明するための模式図である。
図11に示すように、店舗Aの紙幣処理装置100aで紙幣300aが処理された際に、店舗Aの第1ブロックデータ610aが生成され、店舗Bの紙幣処理装置100bで紙幣300bが処理された際に、店舗Bの第1ブロックデータ610bが生成される。警送会社450は、袋301aに詰められた紙幣300aを店舗Aから回収し、袋301bに詰められた紙幣300bを店舗Bから回収して、現金センターへ運ぶ。
店舗Aの第1ブロックデータ610aには、「P01…」、「P02…」、「P03…」等の紙幣300aの記番号と、袋301aの容器情報「CTR01」と、店舗Aの店舗情報「S01」と、これらから算出された履歴ハッシュ値「0001」とが含まれる。例えば、紙幣処理装置100aに接続されたスキャナ、バーコードリーダ等の読取装置で、袋301aに付された容器情報を読み取ることにより、容器情報が紙幣処理装置100aに入力されて管理装置10へ送信される。店舗情報は、例えば、予め紙幣処理装置100aの記憶部に保存されており、紙幣処理時に、自動的に管理装置10へ送信される。
店舗Bの第1ブロックデータ610bには、「Q01…」、「Q02…」、「Q03…」等の紙幣300bの記番号と、袋301bの容器情報「CTR02」と、店舗Bの店舗情報「S02」と、これらから算出された履歴ハッシュ値「0002」とが含まれる。店舗Aと同様に、読取装置を利用して読み取られた袋301bの容器情報が紙幣処理装置100bから管理装置10に送信され、予め記憶部に保存された店舗Bの店舗情報が自動的に管理装置10へ送信される。
現金センターでは、複数の店舗から回収された紙幣がまとめて処理される。袋301aから取り出された店舗Aの紙幣300aと、袋301bから取り出された店舗Bの紙幣300bとが、混合状態で、紙幣処理装置100cで処理される。現金センターの担当者は、店舗Aの紙幣300aと、店舗Bの紙幣300bとを区別して処理する必要はないため、紙幣を容易に処理することができる。紙幣処理が開始されると、管理装置10は、紙幣処理装置100cが読み取った記番号を取得して第1ブロックデータを探索する。
例えば、紙幣処理装置100cで最初に得られた「P03…」の記番号から、店舗Aの第1ブロックデータ610aを認識した管理装置10は、店舗Aの第2ブロックデータ620aを生成する。同様に、紙幣処理装置100cで2番目に得られた「Q01…」の記番号から、店舗Bの第1ブロックデータ610bを認識した管理装置10は、店舗Bの第2ブロックデータ620bを生成する。
第1ブロックデータの探索に取引情報が利用される態様であってもよい。店舗Aの第1ブロックデータ610aの取引情報に袋301aの容器情報「CTR01」が登録され、店舗Bの第1ブロックデータ610bの取引情報に袋301bの容器情報「CTR02」が登録されている。担当者が、紙幣処理装置100cに接続されたスキャナ、バーコードリーダ等の読取装置で、各袋301a、301bに付された容器情報を読み取ることにより、容器情報が紙幣処理装置100cから管理装置10へ送信される。管理装置10は、容器情報「CTR01」から店舗Aの第1ブロックデータ610aを認識して、容器情報「CTR02」から店舗Bの第1ブロックデータ610bを認識することができる。
管理装置10は、紙幣処理装置100cで得られた各記番号が、店舗Aの第1ブロックデータ610aと、店舗Bの第1ブロックデータ610bとのいずれに登録されているかを確認する。管理装置10は、紙幣処理装置100cで得られた記番号が、店舗Aの第1ブロックデータ610aの記番号と一致すれば、この記番号を店舗Aの第2ブロックデータ620aに登録し、店舗Bの第1ブロックデータ610bの記番号と一致すれば店舗Bの第2ブロックデータ620bに登録する。
このように、複数の店舗の紙幣300a、300bを紙幣処理装置100cでまとめて処理する場合は、紙幣処理装置100cで得られた記番号を、各第1ブロックデータ610a、610bの記番号と照合しながら、各第2ブロックデータ620a、620bが生成される。このため、管理装置10は、記番号ハッシュ値を利用せずに、紙幣処理装置100cで処理された紙幣300a、300bが、店舗Aの紙幣処理装置100aで処理された紙幣300a及び店舗Bの紙幣処理装置100bで処理された紙幣300bと一致するか否かを判定することができる。
図11は、処理途中の状態を示しているため、履歴ハッシュは算出されていない。紙幣処理装置100cによる紙幣処理が終わると、管理装置10は、店舗Aの第1ブロックデータ610aの履歴ハッシュ値と、第2ブロックデータ620aの記番号及び取引情報とから履歴ハッシュ値を算出して、第2ブロックデータ620aに登録する。同様に、管理装置10は、店舗Bの第1ブロックデータ610bの履歴ハッシュ値と、第2ブロックデータ620bの記番号及び取引情報とから履歴ハッシュ値を算出して、第2ブロックデータ620bに登録する。例えば、現金センターの店舗情報が予め紙幣処理装置100cの記憶部に保存されており、紙幣処理時に、自動的に管理装置10へ送信されて、取引情報として利用される。
店舗Aの第2ブロックデータ620aは、店舗Aの第1ブロックデータ610aと関連付けて管理され、店舗Bの第2ブロックデータ620bは、店舗Bの第1ブロックデータ610bと関連付けて管理される。店舗Aのブロックデータ610a、620aは、店舗Bのブロックデータ610b、620bと区別して管理される。
図11に示す例では、店舗Aの第2ブロックデータ620aは、紙幣300aの記番号と、袋301aの容器情報「CTR01」と、店舗Aの店舗情報「S01」と、現金センターの店舗番号「CS01」と、履歴ハッシュ値とを含む。店舗Bの第2ブロックデータ620bは、紙幣300bの記番号と、袋301bの容器情報「CTR02」と、店舗Bの店舗情報「S02」と、現金センターの店舗番号「CS01」と、履歴ハッシュ値とを含む。
図11では取引情報を利用する例を説明したが、取引情報を利用しない態様であってもよい。取引情報を利用しない場合、各店舗の店員は、紙幣処理装置100a、100bで紙幣を処理して袋301a、301bに詰め、警送会社450に引き渡すだけでよい。現金センターで紙幣処理を担当する担当者は、現金センターに運び込まれた紙幣を紙幣処理装置100cで処理するだけでよい。各紙幣処理装置100a~100cが各紙幣の記番号を読み取ることにより、管理装置10は、各店舗の第1ブロックデータ及び第2ブロックデータを生成することができる。
取引情報を利用する場合も、上述した容器情報のように、各紙幣処理装置100a~100cに接続された読取装置を利用して、取引情報を容易に入力することができる。店舗情報のように、予め紙幣処理装置100a~100cの記憶部に保存した取引情報を利用すれば、取引情報の入力操作は不要となる。このため、従来に比べて、店舗の店員及び現金センターの担当者の紙幣処理に係る負担を軽減することができる。
現金センターの担当者及び承認者は、現金センターの紙幣処理装置100又は通信端末110を利用して、管理装置10が管理するブロックデータを確認することができる。図12は、ブロックデータを表示した画面例を示す図である。
例えば、承認者が、通信端末110の操作部を操作してブロックデータを確認する際、通信端末110の表示部に、図12に示す画面が表示される。図12に示すように、画面上部の枠600内には、管理装置10が関連付けて管理しているブロックデータのリストが表示される。枠600内には、例えば、各ブロックデータが作成された日時と、ブロックデータのデータ番号と、ブロックデータ生成時に紙幣が処理された場所と、ブロックデータの状態とが表示される。図12に示すデータ番号「01」~「03」の各ブロックデータが、それぞれ第1~第3ブロックデータであることを示している。図12に示すブロックデータは生成済みであるため、状態の項目に「計数済」又は「承認済」と表示されているが、例えば第2ブロックデータの生成中である場合には、データ番号「02」の状態の項目に「処理中」と表示される。
枠601内には、各ブロックデータがグラフィック表示される。図12に示す例では、枠600内にリスト表示された各ブロックデータが矩形で表示され、各ブロックデータの関連性が各矩形を接続する直線で表示されている。承認者が通信端末110の操作部を操作して、枠600又は枠601内でブロックデータを選択すると、選択したブロックデータが、他のブロックデータと区別可能に表示される。図12は、データ番号「03」の第3ブロックデータ611が選択された状態を示している。
枠602内には、選択されたブロックデータの取引情報が表示される。図12に示す取引情報から、第3ブロックデータ611に情報が登録されている紙幣について、様々な情報を確認することができる。例えば、図12に示す例では、この紙幣が、店舗情報「S01」のC社本店から回収された紙幣で、この店舗にある装置情報「M01」の紙幣処理装置100で処理されたことが分かる。また、店舗での紙幣処理時に、記番号リストに登録された「Z0001」の記番号を有する紙幣が見つかり、現金センターでリジェクト紙幣として処理されたことが分かる。また、紙幣が、容器情報「CTR01」の容器に収納されて、車両情報「C01」の警送車両によって、店舗情報「CS01」の現金センターに運ばれたことが分かる。また、現金センターでは、担当者情報「P01」の担当者によって、装置情報「M31」の紙幣処理装置100で紙幣が処理され、紙幣処理結果、すなわち第2ブロックデータが、承認者情報「MGR01」の承認者によって承認されたことが分かる。
枠603内には、選択されたブロックデータの紙幣情報が表示される。図12に示す例では、第3ブロックデータ611の紙幣情報が表示されている。この紙幣情報から、第3ブロックデータ611に、記番号「X0001」の米国10ドル紙幣、記番号「Y0001」の米国20ドル紙幣等が含まれていることが分かる。例えば、管理装置10が、記番号「X0001」の米国10ドル紙幣の識別情報を「USD-X0001」のようにして、各紙幣の金種及び記番号を含む識別情報をブロックデータに登録することにより、図12に示すように各紙幣の情報を表示することができる。
管理装置10は、図12に示す画面を表示する際に、各ブロックデータの履歴ハッシュ値を再計算して、データに異常がないか確認する。例えば、第2ブロックデータに含まれる紙幣情報が改ざんされた場合、図6で説明したように、管理装置10は改ざんを検出することができる。第2ブロックデータと第3ブロックデータの間で不整合を検知した管理装置10は、通信端末110の画面上でデータの異常を報知する。例えば、管理装置10は、図12に示すように、枠601内で、整合がとれないブロックデータの間にエラーマーク612を表示して、データの異常を報知する。
管理装置10は、ブロックデータ間で不整合が生じた場合、図6で説明したように、各ブロックデータの記番号を比較して、一致しない記番号を検出する。例えば、第3ブロックデータに登録されているが第2ブロックに登録されていない記番号がある場合、管理装置10は、図12に示すように、枠603内に、異常を示す警告情報613を表示して、これを報知する。図12に示す例は、第3ブロックデータに登録されている記番号「Y0001」が、第2ブロックデータには登録されていないことを示している。第2ブロックデータと第3ブロックデータとの間でデータの矛盾が生じていることから、承認者は、第2ブロックデータで記番号「Y0001」の紙幣の記番号を削除する改ざんが行われた可能性を考慮して調査することができる。なお、第2ブロックデータと第3ブロックデータの不整合の原因が、取引情報にある場合には、取引情報が表示された枠602内に、異常を示す警告情報が表示されることになる。
このように、紙葉類管理システム1では、管理装置10が管理するブロックデータと、各ブロックデータに登録されている取引情報及び紙幣情報とを、容易に確認することができる。このとき、ブロックデータの改ざん等によるデータの異常があれば、管理装置10がこれを検知して報知する。報知を受けた利用者は、ブロックデータを確認して適切な対応をとることができる。
本実施形態では、紙葉類管理システム1で行われる取引情報等の入力が、主に、バーコードリーダ、カードリーダ、スキャナ等の読取装置を利用して行われる例を示したが、情報の入力方法は特に限定されない。情報が、キーボード等の入力装置を操作して手入力される態様であってもよい。また、音声入力技術を利用して音声で入力される態様であってもよい。
本実施形態では、紙葉類管理システム1で行われる報知処理が、主に、関連する装置10、100、110の表示部に報知内容を表示することによって行われる例を示したが、報知の方法は特に限定されない。音及び光を発して報知処理が行われる態様であってもよい。例えば、無線通信技術を利用して、予め登録された通信端末で音及び光を発することにより報知処理が行われてもよい。また、予め登録された報知先に所定情報を送信することにより報知処理が行われる態様であってもよい。例えば、電子メール、メッセージ等を送信するアプリケーションソフトウェアを利用して、予め登録されたアドレスに所定の通知を送信することにより報知処理が行われてもよい。
上述したように、本実施形態に係る紙葉類管理システムでは、一群の紙葉類を容易に管理することができる。紙葉類が複数回処理される場合、紙葉類管理装置は、各回の処理時にブロックデータを生成すると共に、生成したブロックデータを関連付けて管理することができる。ブロックデータには、処理された各紙葉類を特定可能な識別情報が含まれているので、ブロックデータから、各回の処理時に処理された全ての紙葉類を特定することができる。ブロックデータには、紙葉類処理に関連する取引情報を含めることができるので、利用者が必要とする情報を取引情報に含めておいて、必要に応じて取引情報を確認することができる。ブロックデータは、紙葉類の識別情報及び取引情報を含む入力値を所定関数に入力して得られる処理固有値を含み、2回目以降の処理では1つ前の処理で生成された処理固有値を入力値に含めて処理固有値が生成される。このため、ブロックデータに含まれる情報が1つでも改ざんされれば、処理固有値の変化及び他のブロックデータとの整合性に基づいて、これを検知することができる。
以上のように、本開示に係る紙葉類管理装置、紙葉類管理システム及び紙葉類管理方法一群の紙葉類を他の紙葉類と区別して管理するために有用である。
1 紙葉類管理システム
2 ネットワーク
10 管理装置
100(100a~100c) 紙葉類処理装置(紙幣処理装置)
110 通信端末
2 ネットワーク
10 管理装置
100(100a~100c) 紙葉類処理装置(紙幣処理装置)
110 通信端末
Claims (10)
- 複数枚の紙葉類を第1紙葉類処理装置で処理して得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報を含む第1入力値に基づいて算出した第1固有値とを含む第1ブロックデータを生成し、
前記複数枚の紙葉類を第2紙葉類処理装置で処理して得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報及び前記第1固有値の情報を含む第2入力値に基づいて算出した第2固有値とを含む第2ブロックデータを生成し、
前記第2ブロックデータを前記第1ブロックデータと関連付けて管理する
ことを特徴とする紙葉類管理装置。 - 紙葉類処理に関する取引情報を受け付けた場合には、前記入力値に前記取引情報を含めて前記固有値を算出すると共に、前記ブロックデータに前記取引情報を含めることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類管理装置。
- 前記固有値は、前記入力値を所定関数に入力して算出される固定長の値で、前記入力値に応じて値が変化することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の紙葉類管理装置。
- 前記複数枚の紙葉類が複数回処理される際、
1回目の処理では、1回目の処理で得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報を含む第1入力値に基づいて算出した前記第1固有値とを含む前記第1ブロックデータを生成し、
2回目以降の処理では、n回目(nは2以上の整数)の処理で得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報及び第(n-1)固有値の情報を含む第n入力値に基づいて算出した第n固有値とを含む第nブロックデータを生成して、
前記第nブロックデータを第(n-1)ブロックデータと関連付けることにより、生成した全てのブロックデータを関連付けて管理する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の紙葉類管理装置。 - 前記第nブロックデータに含まれる前記第n固有値が、前記第n入力値に基づいて再計算した固有値と一致しない場合に、前記第nブロックデータと前記第(n-1)ブロックデータの整合性に異常があると判定して、これを担当者に報知する報知処理を実行することを特徴とする請求項4に記載の紙葉類管理装置。
- ブロックデータに含まれる固有値が、前記固有値を再計算して得られた値と一致しない場合に、前記ブロックデータに異常があると判定して、これを担当者に報知する報知処理を実行することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の紙葉類管理装置。
- 前記第1紙葉類処理装置が取得した識別情報に基づいて算出した固有値と、前記第2紙葉類処理装置が取得した識別情報に基づいて算出した固有値とが一致しない場合に、前記第2紙葉類処理装置で処理された紙葉類が、前記第1紙葉類処理装置で処理された紙葉類と一致しないと判定して、これを担当者に報知する報知処理を実行することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の紙葉類管理装置。
- 検出対象の識別情報が予め登録されているリストの中に、前記第1紙葉類処理装置が取得した識別情報に対応する紙葉類の情報が含まれている場合には、これを担当者に報知する報知処理を実行することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の紙葉類管理装置。
- 複数枚の紙葉類を受け付けて各紙葉類から識別情報を取得する第1紙葉類処理装置と、
前記複数枚の紙葉類を受け付けて各紙葉類から前記識別情報を取得する第2紙葉類処理装置と、
前記第1紙葉類処理装置が取得した各紙葉類の識別情報と、該識別情報を含む第1入力値に基づいて算出した第1固有値とを含む第1ブロックデータを生成し、前記第2紙葉類処理装置が取得した各紙葉類の識別情報と、該識別情報及び前記第1固有値の情報を含む第2入力値に基づいて算出した第2固有値とを含む第2ブロックデータを生成し、前記第2ブロックデータを前記第1ブロックデータと関連付けて管理する管理装置と
を含むことを特徴とする紙葉類管理システム。 - 複数枚の紙葉類が複数回処理される際に管理装置が前記紙葉類を管理するための紙葉類管理方法であって、
1回目の処理時に、1回目の紙葉類処理で得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報を含む第1入力値に基づいて算出した第1固有値とを含む第1ブロックデータを生成する工程と、
n回目(nは2以上の整数)の処理時に、n回目の紙葉類処理で得られた各紙葉類の識別情報と、該識別情報及び第(n-1)固有値の情報を含む第n入力値に基づいて算出した第n固有値とを含む第nブロックデータを生成する工程と、
前記第nブロックデータを第(n-1)ブロックデータと関連付ける工程と
を含む
ことを特徴とする紙葉類管理方法。
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