JP2022138567A - 液体吐出ヘッドの駆動方法、及び、液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体の粘度が高くなっても、液滴を吐出すること。【解決手段】液体吐出ヘッドの駆動方法であって、第1波形を有する駆動信号を駆動素子に供給することにより、吐出部内の液面が吐出方向に突出した第1の液柱を形成する第1のステップと、第1の液柱が形成されている場合に、第2波形を有する駆動信号を駆動素子に供給することにより、吐出部内の液面が吐出方向に突出した第2の液柱を形成させた後に、第2の液柱を構成する液体の一部又は全部を液滴として吐出させる第2のステップとを有し、第2のステップにおいて、第2の液柱が形成される前に、圧力室の内部の圧力を減少させる駆動成分を駆動素子に供給することにより、吐出部内の液面に吐出方向に突出した第3の液柱を形成し、第2のステップにおいて、第3の液柱が形成されている場合に、圧力室の内部の圧力を増加させる駆動成分を駆動素子に供給することにより、第2の液柱を形成する。【選択図】図14
Description
本発明は、液体吐出ヘッドの駆動方法、及び、液体吐出装置に関する。
特許文献1には、駆動信号が供給されることにより、液滴を吐出する液体吐出ヘッドが開示されている。
しかしながら、上述した従来技術では、液体の粘度が高くなると、液滴を吐出できない虞があった。
以上の問題を解決するために、本発明の好適な態様に係る液体吐出ヘッドの駆動方法は、駆動信号が供給されることにより変位する駆動素子、前記駆動素子の変位に応じて内部の圧力が増減される圧力室、及び、前記圧力室に連通し前記圧力室の内部の圧力の増減に応じて前記圧力室の内部に充填された液体を液滴として吐出方向に吐出可能なノズル、を備える吐出部を有する液体吐出ヘッドの駆動方法であって、第1波形を有する駆動信号を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面が前記吐出方向に突出した第1の液柱を形成する第1のステップと、前記第1の液柱が形成されている場合に、第2波形を有する駆動信号を前記駆動素子に供給させた後に、前記第2の液柱を構成する液体の一部又は全部を液滴として吐出させることにより、前記吐出部内の液面が前記吐出方向に突出した第2の液柱を形成する第2のステップと、を有し、前記第2波形は、前記圧力室の内部の圧力を減少させる第1の引き込み駆動成分と、前記圧力室の内部の圧力を増加させる第1の押し込み駆動成分と、を含み、前記第2のステップにおいて、前記第2の液柱が形成される前に、前記第1の引き込み駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面に前記吐出方向に突出した第3の液柱を形成し、前記第2のステップにおいて、前記第3の液柱が形成されている場合に、前記第1の押し込み駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記第3の液柱を形成した後に、前記第3の液柱を構成する液体の一部又は全部を液滴として吐出させる第3のステップと、を有する。
また、以上の問題を解決するために、本発明の好適な態様に係る液体吐出装置は、駆動信号が供給されることにより変位する駆動素子、前記駆動素子の変位に応じて内部の圧力が増減される圧力室、及び、前記圧力室に連通し前記圧力室の内部の圧力の増減に応じて前記圧力室の内部に充填された液体を液滴として吐出方向に吐出可能なノズル、を備える吐出部を有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、第1波形を有する駆動信号を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面が前記吐出方向に突出した第1の液柱を形成し、前記第1の液柱が形成されている場合に、第2波形を有する駆動信号を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面が前記吐出方向に突出した第2の液柱を形成させた後に、前記第2の液柱を構成する液体の一部又は全部を液滴として吐出させ、前記第2波形は、前記圧力室の内部の圧力を減少させる第1の引き込み駆動成分と、前記圧力室の内部の圧力を増加させる第1の押し込み駆動成分と、を含み、前記第2の液柱が形成される前に、前記第1の引き込み駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面に前記吐出方向に突出した第3の液柱を形成し、前記第3の液柱が形成されている場合に、前記第1の押し込み駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記第2の液柱を形成する。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
1.第1実施形態
本実施形態では、インクを吐出して記録用紙Pに画像を形成するインクジェットプリンター1を例示して、液体吐出装置を説明する。インクジェットプリンター1は、液体吐出装置の一例である。インクは、「液体」の一例である。記録用紙Pは、媒体の一例である。
本実施形態では、インクを吐出して記録用紙Pに画像を形成するインクジェットプリンター1を例示して、液体吐出装置を説明する。インクジェットプリンター1は、液体吐出装置の一例である。インクは、「液体」の一例である。記録用紙Pは、媒体の一例である。
本実施形態におけるインクは、一般的なインクよりも高粘度であることを想定する。具体的には、本実施形態において、インクの粘度は、20ミリパスカル秒以上であり、好ましくは40ミリパスカル秒である。以下、図面において、ミリパスカル秒を、「mPa秒」と称することがある。
1.1.インクジェットプリンター1の概要
図1及び図2を参照しつつ、本実施形態におけるインクジェットプリンター1の構成について説明する。ここで、図1は、本実施形態におけるインクジェットプリンター1の構成の一例を示す機能ブロック図である。また、図2は、インクジェットプリンター1を例示する模式図である。
図1及び図2を参照しつつ、本実施形態におけるインクジェットプリンター1の構成について説明する。ここで、図1は、本実施形態におけるインクジェットプリンター1の構成の一例を示す機能ブロック図である。また、図2は、インクジェットプリンター1を例示する模式図である。
インクジェットプリンター1には、パーソナルコンピューターやデジタルカメラ等のホストコンピューターから、インクジェットプリンター1が形成すべき画像を示す印刷データImgと、インクジェットプリンター1が形成すべき画像の印刷部数を示す情報と、が供給される。インクジェットプリンター1は、ホストコンピューターから供給される印刷データImgが示す画像を記録用紙Pに形成する印刷処理を実行する。
図1に例示するように、インクジェットプリンター1は、インクを吐出する吐出部Dが設けられた液体吐出ヘッドHUと、インクジェットプリンター1の各部の動作を制御する制御部6と、吐出部Dを駆動するための駆動波形信号Comを生成する駆動波形信号生成回路2と、インクジェットプリンター1の制御プログラム及びその他の情報を記憶する記憶部5と、記録用紙Pを搬送する搬送機構7と、液体吐出ヘッドHUを移動させる移動機構8と、を備える。
本実施形態において、液体吐出ヘッドHUは、M個の吐出部Dを具備する記録ヘッドHDと、切替回路10とを備える。本実施形態において、Mは、1以上の整数である。
以下では、記録ヘッドHDに設けられたM個の吐出部Dの各々を区別するために、順番に、1段、2段、…、M段と称することがある。また、m段の吐出部Dを、吐出部D[m]と称する場合がある。変数mは、1以上M以下を満たす整数である。また、インクジェットプリンター1の構成要素や信号等が、吐出部D[m]の段数mに対応するものである場合には、当該構成要素や信号等を表すための符号に、段数mに対応していることを示す添え字[m]を付して表現することがある。
本実施形態では、インクジェットプリンター1が、シリアルプリンターである場合を想定する。具体的には、インクジェットプリンター1は、図2に示すように、副走査方向に記録用紙Pを搬送し主走査方向に液体吐出ヘッドHUを移動させつつ、吐出部Dからインクを吐出することで、印刷処理を実行する。本実施形態では、図2に示すように、+X方向及び+X方向に反対方向の-X方向が主走査方向であり、+Y方向が副走査方向であることとする。以下、+X方向及び-X方向を「X軸方向」と総称し、以下、+Y方向及び+Y方向の反対方向である-Y方向を「Y軸方向」と総称する。更に、X軸方向及びY軸方向に垂直な方向であり、且つ、インクの吐出方向である方向を、-Z方向と称する。-Z方向及び-Z方向の反対方向である+Z方向を「Z軸方向」と総称する。+Z方向は、「引込方向」の一例である。
図3を参照しつつ、記録ヘッドHDと、記録ヘッドHDに設けられる吐出部Dについて説明する。
図3は、吐出部Dを含むように記録ヘッドHDを切断した、記録ヘッドHDの概略的な一部断面図である。
図3に示すように、吐出部Dは、駆動波形信号Comが有する複数の波形から選択された波形を有する駆動信号Vinが供給されることにより変位する圧電素子PZと、圧電素子PZの変異に応じて内部の圧力が増減されるキャビティー320と、キャビティー320に連通し、キャビティー320の内部の圧力の増減に応じてキャビティー320の内部に充填されたインクを液滴として-Z方向に吐出可能なノズルNと、振動板310と、を備える。圧電素子PZは、「駆動素子」の一例である。キャビティー320は、「圧力室」の一例である。キャビティー320は、キャビティプレート340と、ノズルNが形成されたノズルプレート330と、振動板310と、により区画される空間である。キャビティー320は、インク供給口360を介してリザーバ350と連通している。リザーバ350は、インク取入口370を介して、当該吐出部Dに対応する液体容器14と連通している。
図3に示すように、吐出部Dは、駆動波形信号Comが有する複数の波形から選択された波形を有する駆動信号Vinが供給されることにより変位する圧電素子PZと、圧電素子PZの変異に応じて内部の圧力が増減されるキャビティー320と、キャビティー320に連通し、キャビティー320の内部の圧力の増減に応じてキャビティー320の内部に充填されたインクを液滴として-Z方向に吐出可能なノズルNと、振動板310と、を備える。圧電素子PZは、「駆動素子」の一例である。キャビティー320は、「圧力室」の一例である。キャビティー320は、キャビティプレート340と、ノズルNが形成されたノズルプレート330と、振動板310と、により区画される空間である。キャビティー320は、インク供給口360を介してリザーバ350と連通している。リザーバ350は、インク取入口370を介して、当該吐出部Dに対応する液体容器14と連通している。
本実施形態では、圧電素子PZとして、図3に示すようなユニモルフ型を採用する。なお、圧電素子PZは、ユニモルフ型に限らず、バイモルフ型や積層型等を採用してもよい。
圧電素子PZは、上部電極Zuと、下部電極Zdと、上部電極Zu及び下部電極Zdの間に設けられた圧電体Zmと、を有する。圧電素子PZは、駆動信号Vinの電位変化に応じて変形する受動素子である。下部電極Zdが定電位Vbsに設定された給電線LHbに電気的に接続され、上部電極Zuに駆動信号Vinが供給されることで、上部電極Zu及び下部電極Zdの間に電圧が印加されると、当該印加された電圧に応じて圧電素子PZが+Z方向又は-Z方向に変位し、この変位の結果、圧電素子PZが振動する。
キャビティプレート340の上面開口部には、振動板310が設置される。振動板310には、下部電極Zdが接合されている。このため、圧電素子PZが駆動信号Vinにより駆動されて振動すると、振動板310も振動する。そして、振動板310の振動によりキャビティー320の容積が変化し、キャビティー320内に充填されたインクがノズルNより吐出される。インクの吐出によりキャビティー320内のインクが減少した場合、リザーバ350からインクが供給される。
搬送機構7は、記録用紙Pを+Y方向に搬送する。具体的には、搬送機構7は、回転軸がX軸方向に平行な不図示の搬送ローラーと、搬送ローラーを制御部6による制御のもとで回転させる不図示のモーターとを具備する。
移動機構8は、制御部6による制御のもとで液体吐出ヘッドHUをX軸に沿って往復させる。図2に例示する通り、移動機構8は、液体吐出ヘッドHUを収容する略箱型の搬送体82と、搬送体82が固定された無端ベルト81とを備える。
記憶部5は、RAM等の揮発性のメモリーと、ROM、EEPROM、又は、PROM等の不揮発性メモリーと、を含んで構成され、ホストコンピューターから供給される印刷データImg、及び、インクジェットプリンター1の制御プログラム等の各種情報を記憶する。RAMは、Random Access Memoryの略称である。ROMは、Read Only Memoryの略称である。EEPROMは、Electrically Erasable Programmable Read-Only Memoryの略称である。PROMは、Programmable ROMの略称である。
制御部6は、CPUを含んで構成される。CPUは、Central Processing Unitの略である。但し、制御部6は、CPUの代わりに、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを備えていてもよい。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略である。
制御部6は、制御部6に設けられたCPUが、記憶部5に記憶されている制御プログラムに従って動作することにより、インクジェットプリンター1が、印刷処理を実行する。
制御部6は、液体吐出ヘッドHUを制御するための印刷信号SIと、駆動波形信号生成回路2を制御するための波形指定信号dComと、搬送機構7を制御するための信号と、移動機構8を制御するための信号とを生成する。
ここで、波形指定信号dComとは、駆動波形信号Comの波形を規定するデジタルの信号である。また、駆動波形信号Comとは、吐出部Dを駆動するためのアナログの信号である。駆動波形信号生成回路2は、DA変換回路を含み、波形指定信号dComが規定する波形を有する駆動波形信号Comを生成する。
また、印刷信号SIとは、吐出部Dの動作の種類を指定するためのデジタルの信号である。具体的には、印刷信号SIは、吐出部Dに対して駆動波形信号Comを供給するか否かを指定することで、吐出部Dを駆動した際に当該吐出部Dからインクが吐出されるか否かを指定することである。
ここで、波形指定信号dComとは、駆動波形信号Comの波形を規定するデジタルの信号である。また、駆動波形信号Comとは、吐出部Dを駆動するためのアナログの信号である。駆動波形信号生成回路2は、DA変換回路を含み、波形指定信号dComが規定する波形を有する駆動波形信号Comを生成する。
また、印刷信号SIとは、吐出部Dの動作の種類を指定するためのデジタルの信号である。具体的には、印刷信号SIは、吐出部Dに対して駆動波形信号Comを供給するか否かを指定することで、吐出部Dを駆動した際に当該吐出部Dからインクが吐出されるか否かを指定することである。
1.2.液体吐出ヘッドHUの構成
以下、図4を参照しつつ、液体吐出ヘッドHUの構成について説明する。
以下、図4を参照しつつ、液体吐出ヘッドHUの構成について説明する。
図4は、液体吐出ヘッドHUの構成の一例を示すブロック図である。上述のように、液体吐出ヘッドHUは、記録ヘッドHDと、切替回路10と、を備える。また、液体吐出ヘッドHUは、駆動波形信号生成回路2から駆動波形信号Comが供給される内部配線LHaを備える。
図4に示すように、切替回路10は、M個のスイッチSWaとして、スイッチSWa[1]~SWa[M]と、各スイッチの接続状態を指定する接続状態指定回路11と、を備える。なお、各スイッチとしては、例えば、トランスミッションゲートを採用することができる。
スイッチSWa[m]は、接続状態指定信号SLa[m]に応じて、内部配線LHaと、吐出部D[m]に設けられた圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]と、の導通及び非導通を切り替える。例えば、スイッチSWa[m]は、接続状態指定信号SLa[m]がハイレベルの場合にオンし、ローレベルの場合にオフする。
スイッチSWa[m]は、接続状態指定信号SLa[m]に応じて、内部配線LHaと、吐出部D[m]に設けられた圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]と、の導通及び非導通を切り替える。例えば、スイッチSWa[m]は、接続状態指定信号SLa[m]がハイレベルの場合にオンし、ローレベルの場合にオフする。
1.3.ヘッドユニットの動作
以下、図5~図7を参照しつつ、液体吐出ヘッドHUの動作について説明する。
以下、図5~図7を参照しつつ、液体吐出ヘッドHUの動作について説明する。
本実施形態において、インクジェットプリンター1の動作期間は、複数の記録期間Tuを含む。本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、各記録期間Tuにおいて、印刷処理における各吐出部Dの駆動を実行する場合を想定する。以下の記載では、インクジェットプリンター1の動作期間は、I個の記録期間Tuを有する。Iは、2以上の整数である。更に、i番目の記録期間Tuを、記録期間Tu[i]と称することがある。iは、1からIまでの整数である。
なお、一般的に、インクジェットプリンター1は、連続的又は間欠的な複数の記録期間Tuに亘り印刷処理を繰り返し実行して各吐出部Dから1又は複数回ずつインクを吐出させることで、印刷データImgの示す画像を形成する。
なお、一般的に、インクジェットプリンター1は、連続的又は間欠的な複数の記録期間Tuに亘り印刷処理を繰り返し実行して各吐出部Dから1又は複数回ずつインクを吐出させることで、印刷データImgの示す画像を形成する。
図5は、インクジェットプリンター1の記録期間Tu[i]における動作を説明するためのタイミングチャートである。
図5に示すように、制御部6は、パルスPlsLを有するラッチ信号LATと、パルスPlsCを有するチェンジ信号CHと、を出力する。これにより、制御部6は、パルスPlsLの立ち上がりから次のパルスPlsLの立ち上がりまでの期間として、記録期間Tu[i]を規定する。また、制御部6は、パルスPlsCにより、記録期間Tu[i]を制御期間Tcu1、制御期間Tcu2、制御期間Tcu3、制御期間Tcu4、及び、制御期間Tcu5に区分する。
図5に示すように、制御部6は、パルスPlsLを有するラッチ信号LATと、パルスPlsCを有するチェンジ信号CHと、を出力する。これにより、制御部6は、パルスPlsLの立ち上がりから次のパルスPlsLの立ち上がりまでの期間として、記録期間Tu[i]を規定する。また、制御部6は、パルスPlsCにより、記録期間Tu[i]を制御期間Tcu1、制御期間Tcu2、制御期間Tcu3、制御期間Tcu4、及び、制御期間Tcu5に区分する。
図5に示すように、駆動波形信号生成回路2は、駆動波形信号Comを出力する。駆動波形信号Comは、制御期間Tcu1に設けられた駆動パルスPL1と、制御期間Tcu2に設けられた駆動パルスPL2と、制御期間Tcu3に設けられた駆動パルスPL3と、制御期間Tcu4に設けられた駆動パルスPL4と、制御期間Tcu5に設けられた駆動パルスPL5とを有する。本実施形態において、制御期間Tcu1から制御期間Tcu3に圧電素子PZに供給される駆動パルスPLを、波形PH1と称し、このノズルNから液滴DRを吐出する制御期間Tcu4から制御期間Tcu5に圧電素子PZに供給される駆動パルスPLを、波形PH2と称する。以下の記載において、波形PH1と波形PH2とを、「波形PH」と総称することがあり、駆動パルスPL1~PL5を、「駆動パルスPL」と総称することがある。
駆動パルスPL1は、駆動成分DC1及び駆動成分DC2を有する。駆動パルスPL2は、駆動成分DC3及び駆動成分DC4を有する。駆動パルスPL3は、駆動成分DC5及び駆動成分DC6を有する。駆動パルスPL4は、駆動成分DC7及び駆動成分DC8を有する。駆動パルスPL5は、駆動成分DC9及び駆動成分DC10を有する。駆動成分DC1、駆動成分DC3、駆動成分DC5、駆動成分DC7、及び、駆動成分DC9は、キャビティー320の圧力を減少させる。駆動成分DC2、駆動成分DC4、駆動成分DC6、駆動成分DC8、及び、駆動成分DC10は、キャビティー320の圧力を増加させる。以下の記載において、駆動成分DC1~DC10を、「駆動成分DC」と総称することがある。
図5に示すように、駆動パルスPL1、駆動パルスPL2、駆動パルスPL3、駆動パルスPL4、及び、駆動パルスPL5は、何れも開始時の電位及び終了時の電位が基準電位V0に設定されている。本実施形態において、基準電位V0は、駆動パルスPL1~PL5の最高電位でもある。図5に示す電位VL1は、駆動パルスPL1~PL5の最低電位である。
図5に例示するように、駆動パルスPL1~PL5における最高電位と最低電位の差は、電位差Vhである。つまり、波形PH1における最高電位と最低電位の差は、電位差Vhである。同様に、波形PH2における最高電位と最低電位の差は、電位差Vhである。以下の説明において、波形PHにおける最高電位と最低電位の差を、「波形PHの電位差」と称することがある。波形PH1の電位差は、波形PH2の電位差と略等しい。略等しいとは、完全に等しいである場合の他に、測定上の誤差を考慮すれば等しいであると看做せる場合を含む。波形PHの電位差は、圧電素子PZに供給可能な最大電位差の80%以上である。波形PHの電位差が大きい程吐出量が多くなるため、波形PHの電位差は、圧電素子PZに供給可能な最大電位差に近い程好ましい。インクジェットプリンター1の設計者は、圧電素子PZに供給可能な最大電位差に近づくように、波形PHの電位差を調整する。
図5に例示するように、駆動パルスPL1~PL5における最高電位と最低電位の差は、電位差Vhである。つまり、波形PH1における最高電位と最低電位の差は、電位差Vhである。同様に、波形PH2における最高電位と最低電位の差は、電位差Vhである。以下の説明において、波形PHにおける最高電位と最低電位の差を、「波形PHの電位差」と称することがある。波形PH1の電位差は、波形PH2の電位差と略等しい。略等しいとは、完全に等しいである場合の他に、測定上の誤差を考慮すれば等しいであると看做せる場合を含む。波形PHの電位差は、圧電素子PZに供給可能な最大電位差の80%以上である。波形PHの電位差が大きい程吐出量が多くなるため、波形PHの電位差は、圧電素子PZに供給可能な最大電位差に近い程好ましい。インクジェットプリンター1の設計者は、圧電素子PZに供給可能な最大電位差に近づくように、波形PHの電位差を調整する。
印刷信号SIは、各記録期間Tuにおける吐出部D[1]~D[M]の駆動の態様を指定する個別指定信号Sd[1]~Sd[M]を含む。そして、制御部6は、記録期間Tu[i]において印刷処理が実行される場合、図5に示すように、記録期間Tu[i]の開始に先立って、個別指定信号Sd[1]~Sd[M]を含む印刷信号SIを、クロック信号CLに同期させて接続状態指定回路11に供給する。この場合、接続状態指定回路11は、記録期間Tu[i]において、個別指定信号Sd[m]に基づいて、接続状態指定信号SLa[m]を生成する。
なお、本実施形態に係る個別指定信号Sd[m]は、各記録期間Tuにおいて、以下に示す駆動態様α1から駆動態様α5までの5つの駆動態様のうち、何れか1つの駆動態様を指定する信号である。本実施形態では、一例として、個別指定信号Sd[m]が、5ビットのデジタル信号である場合を想定する。
図6は、個別指定信号Sd[m]が取り得る5つの駆動態様を説明するための図である。個別指定信号Sd[m]は、駆動態様α1を示す値(1,1,1,1,1)と、駆動態様α2を示す値(0,0,0,1,1)と、駆動態様α3を示す値(0,0,1,1,1)と、駆動態様α4を示す値(0,1,1,1,1)と、駆動態様α5を示す値(0,0,0,0,0)とのうちの何れかの値を示す。個別指定信号Sd[m]のxビット目が「1」である場合、接続状態指定回路11は、制御期間Tcuxにおいて接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルに設定し、xビット目が「0」である場合、制御期間Tcuxにおいて接続状態指定信号SLa[m]をローレベルに設定する。xは、1から5までの整数である。
具体的には、接続状態指定回路11は、個別指定信号Sd[m]が駆動態様α1を示す場合、制御期間Tcu1、制御期間Tcu2、制御期間Tcu3、制御期間Tcu4、及び、制御期間Tcu5において、接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルに設定する。接続状態指定回路11は、個別指定信号Sd[m]が駆動態様α2を示す場合、制御期間Tcu1、制御期間Tcu2、及び、制御期間Tcu3において、接続状態指定信号SLa[m]をローレベルに設定し、制御期間Tcu4及び制御期間Tcu5において、接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルに設定する。接続状態指定回路11は、個別指定信号Sd[m]が駆動態様α3を示す場合、制御期間Tcu1及び制御期間Tcu2において、接続状態指定信号SLa[m]をローレベルに設定し、制御期間Tcu3、制御期間Tcu4、及び、制御期間Tcu5において、接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルに設定する。接続状態指定回路11は、個別指定信号Sd[m]が駆動態様α4を示す場合、制御期間Tcu1において、接続状態指定信号SLa[m]をローレベルに設定し、制御期間Tcu2、制御期間Tcu3、制御期間Tcu4、及び、制御期間Tcu5において、接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルに設定する。接続状態指定回路11は、個別指定信号Sd[m]が駆動態様α5を示す場合、制御期間Tcu1、制御期間Tcu2、制御期間Tcu3、制御期間Tcu4、及び、制御期間Tcu5において、接続状態指定信号SLa[m]をローレベルに設定する。駆動信号Vinの一例として、駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを、図7を用いて示す。
本実施形態では、詳細には後述するが、圧電素子PZに基準電位V0が供給されている吐出部Dの静止状態であってメニスカスMSの位置が初期位置Z0に静止している状態において、駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合に、制御期間Tcu4から制御期間Tcu5においてノズルNから液滴DRを吐出する。
図7は、駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを説明するための図である。駆動信号Vinは、駆動信号Vin1と駆動信号Vin2とを含む。駆動信号Vin1は、制御期間Tcu1の開始から制御期間Tcu3の終了までの駆動信号Vinである。駆動信号Vin2は、制御期間Tcu4の開始から制御期間Tcu5の終了までの駆動信号Vinである。図7に示すように、駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinに含まれる駆動信号Vin1は、制御期間Tcu1の開始から制御期間Tcu3の終了まで吐出部Dを非駆動とする。駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinに含まれる駆動信号Vin2は、制御期間Tcu4の開始から制御期間Tcu5の終了まで吐出部Dを駆動させる。言い換えれば、駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinは、波形PH1を有さず、波形PH2を有する。
なお、駆動信号Vin1は、「第1駆動信号」の一例である。駆動信号Vin2は、「第2駆動信号」の一例である。
図7は、駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを説明するための図である。駆動信号Vinは、駆動信号Vin1と駆動信号Vin2とを含む。駆動信号Vin1は、制御期間Tcu1の開始から制御期間Tcu3の終了までの駆動信号Vinである。駆動信号Vin2は、制御期間Tcu4の開始から制御期間Tcu5の終了までの駆動信号Vinである。図7に示すように、駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinに含まれる駆動信号Vin1は、制御期間Tcu1の開始から制御期間Tcu3の終了まで吐出部Dを非駆動とする。駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinに含まれる駆動信号Vin2は、制御期間Tcu4の開始から制御期間Tcu5の終了まで吐出部Dを駆動させる。言い換えれば、駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinは、波形PH1を有さず、波形PH2を有する。
なお、駆動信号Vin1は、「第1駆動信号」の一例である。駆動信号Vin2は、「第2駆動信号」の一例である。
1.4.駆動信号Vinと吐出部Dの液面との関係
次に、図8~図17を参照して、インクの粘度が高いため、圧電素子PZに基準電位V0が供給されている吐出部Dの静止状態であってメニスカスMSの位置が初期位置Z0に静止している状態において、駆動態様α2~駆動態様α5の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合はノズルNから液滴DRは吐出されず、駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合にノズルNから液滴DRを吐出する例を説明する。図5に示す時点t1、時点t2、時点t3、時点t4、時点t5、時点t6、時点t7、時点t8、時点t9、及び、時点t10のそれぞれにおける吐出部Dの液面の状態について説明する。図8~図17では、時点t1~t10において、XZ平面に沿って、ノズルN付近を破断した場合の断面図を示す。吐出部D内の液面は、ノズルN内の液面を示す。ノズルN内の液面とは、-Z方向に沿って吐出部Dを見た場合に、ノズルNの壁面の内側に位置する液面である。従って、-Z方向に対して垂直方向、例えばY軸方向に沿って吐出部Dを見たときに、ノズルNの壁面より外側に位置する液面、つまりノズルNから-Z方向に突出する液面も、-Z方向に沿って吐出部Dを見た場合にノズルNの壁面の内側に位置する液面であれば、ノズルN内の液面に含まれる。以下、ノズルN内の液面を、「メニスカスMS」と称する。
次に、図8~図17を参照して、インクの粘度が高いため、圧電素子PZに基準電位V0が供給されている吐出部Dの静止状態であってメニスカスMSの位置が初期位置Z0に静止している状態において、駆動態様α2~駆動態様α5の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合はノズルNから液滴DRは吐出されず、駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合にノズルNから液滴DRを吐出する例を説明する。図5に示す時点t1、時点t2、時点t3、時点t4、時点t5、時点t6、時点t7、時点t8、時点t9、及び、時点t10のそれぞれにおける吐出部Dの液面の状態について説明する。図8~図17では、時点t1~t10において、XZ平面に沿って、ノズルN付近を破断した場合の断面図を示す。吐出部D内の液面は、ノズルN内の液面を示す。ノズルN内の液面とは、-Z方向に沿って吐出部Dを見た場合に、ノズルNの壁面の内側に位置する液面である。従って、-Z方向に対して垂直方向、例えばY軸方向に沿って吐出部Dを見たときに、ノズルNの壁面より外側に位置する液面、つまりノズルNから-Z方向に突出する液面も、-Z方向に沿って吐出部Dを見た場合にノズルNの壁面の内側に位置する液面であれば、ノズルN内の液面に含まれる。以下、ノズルN内の液面を、「メニスカスMS」と称する。
第1実施形態では、圧電素子PZに基準電位V0が供給されている吐出部Dの静止状態であってメニスカスMSの位置が図8等に示す初期位置Z0に静止状態である状態から、1つの駆動パルスPLのみを有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給しても、液体の粘度が高くキャビティー320内のインクへの圧力変動が大きくできず、吐出部Dは、液滴DRを吐出しない。初期位置Z0は、Z軸方向において、メニスカスMSの位置がノズルプレート330の-Z方向の面と略一致する状態である。実際には、ノズルNからインクが垂れないように吐出部D内のインクは適度な負圧状態であるため、メニスカスMSの中央がキャビティー320側にへこんだ凹曲面形状となっている。第1実施形態では、駆動パルスPL1、PL2、PL3、PL4、及び、PL5を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、吐出部Dは、液滴を吐出する。なお、駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL4を有し、駆動パルスPL5を有さない駆動信号Vinを圧電素子PZに供給しても、吐出部Dは液滴を吐出する。駆動パルスPL1、PL2、PL3、PL4、及び、PL5を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL4を有し、駆動パルスPL5を有さない駆動信号Vinを圧電素子PZに供給する態様と比較して、より安定した吐出を実現できる。
図8は、時点t1におけるメニスカスMSを説明する図である。時点t1は、制御期間Tcu1内であり、且つ、駆動成分DC1の供給が終了する時点である。切替回路10が、駆動成分DC1を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSの中央部分がキャビティー320側、つまり+Z方向側にへこんだ凹曲面形状を有するメニスカスMSを、当該凹曲面形状をZ軸方向に引き延ばしながら+Z方向に引き込む。この際、メニスカスMSのうち+Z方向に最も引き込まれる部分を引き込み位置Zp1まで引き込む。メニスカスMSのうち+Z方向に最も引き込まれる部分は、Z軸方向の平面視において、メニスカスMSの中央部分であり、凹曲面形状の底部分に相当する。Z軸方向の平面視において、メニスカスMSの中央部分は、ノズルNの中央部分に略一致する。以下、説明の簡略化のため、Z軸方向の平面視におけるメニスカスMSの中央部分を、単に、「メニスカスMSの中央部分」と称する。また、メニスカスMSの中央部分の周囲を、単に、「メニスカスMSの周縁部分」と称す。引き込み位置Zp1は、初期位置Z0よりも+Z方向に位置する。
図9は、時点t2におけるメニスカスMSを説明する図である。時点t2は、制御期間Tcu1の終了時点であり、且つ、駆動成分DC2の供給が終了する時点である。切替回路10が、駆動成分DC2を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に押し出され、メニスカスMSの中央部分に-Z方向に突出した液柱LC2を形成する。以下の記載において、液柱は、メニスカスMSのうち、最も+Z方向側の位置から最も-Z方向側の位置までの、突出する柱状又は錘状の液面であると定義する。液柱LC2の-Z方向の先端は、押し出し位置Zm1に位置する。押し出し位置Zm1は、初期位置Z0よりも-Z方向に位置する。
図10は、時点t3におけるメニスカスMSを説明する図である。時点t3は、制御期間Tcu2内であり、且つ、駆動成分DC3の供給が終了する時点である。切替回路10が、駆動成分DC3を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSの周縁部分に+Z方向側にへこんだ凹形状を有する一方で、メニスカスMSの中央部分に-Z方向に突出した液柱LC3を有する、メニスカスMSを+Z方向に引き込む。その際、メニスカスMSのうち+Z方向に最も引き込まれる部分を引き込み位置Zp2まで引き込む。時点t3における引き込み位置Zp2は、初期位置Z0よりも+Z方向に位置し、時点t1における引き込み位置Zp1よりも-Z方向に位置する。つまり、駆動成分DC3を圧電素子PZに供給することにより、キャビティー320内のインクの圧力が減少しノズルN内のインクを+Z方向に引き込んでいるにも関わらず、図10に示すように、時点t3において、メニスカスMSの中央部分には、-Z方向に突出した液柱LC3が形成される。液柱LC3は、メニスカスMSの中央部分に形成される。引き込み位置Zp2から-Z方向に見ると、メニスカスMSの中央部分は、凸形状を形成するとも言える。液柱LC3の周囲の液面は、+Z方向に凹んでいる。
図11は、時点t4におけるメニスカスMSを説明する図である。時点t4は、制御期間Tcu2の終了時点であり、且つ、駆動成分DC4の供給が終了する時点である。切替回路10が、駆動成分DC4を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に押し出され、メニスカスMSの中央部分に-Z方向に突出した液柱LC4を形成する。液柱LC4の-Z方向の先端は、押し出し位置Zm2に位置する。時点t4における押し出し位置Zm2は、時点t2における押し出し位置Zm1よりも-Z方向に位置する。
図12は、時点t5におけるメニスカスMSを説明する図である。時点t5は、制御期間Tcu3内であり、且つ、駆動成分DC5の供給が終了する時点である。切替回路10が、駆動成分DC5を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSの周縁部分に+Z方向側にへこんだ凹形状を有する一方で、メニスカスMSの中央部分に-Z方向に突出した液柱LC5を有する、メニスカスMSを+Z方向に引き込む。その際、メニスカスMSのうち最も+Z方向の部分を引き込み位置Zp3まで引き込む。時点t5における引き込み位置Zp3は、初期位置Z0よりも+Z方向に位置し、時点t3における引き込み位置Zp2よりも-Z方向に位置する。つまり、駆動成分DC5を圧電素子PZに供給することにより、キャビティー320内のインクの圧力が減少しノズルN内のインクを+Z方向に引き込んでいるにも関わらず、図12に示すように、時点t5において、メニスカスMSの中央部分には、-Z方向に突出した液柱LC5が形成される。そして、時点t5における液柱LC5は、時点t3における液柱LC3よりも大きい。液柱LC5は、メニスカスMSの中央部分に形成される。引き込み位置Zp3から-Z方向に見ると、メニスカスMSの中央部分は、凸形状を形成するとも言える。液柱LC5の周囲の液面は、+Z方向に凹んでいる。
図13は、時点t6におけるメニスカスMSを説明する図である。時点t6は、制御期間Tcu3の終了時点であり、且つ、駆動成分DC6の供給が終了する時点である。切替回路10が、駆動成分DC6を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に押し出され、-Z方向に突出した液柱LC6を形成する。液柱LC6の-Z方向の先端は、押し出し位置Zm3に位置する。時点t6における押し出し位置Zm3は、時点t4における押し出し位置Zm2よりも-Z方向に位置する。
図14は、時点t7におけるメニスカスMSを説明する図である。時点t7は、制御期間Tcu4内であり、且つ、駆動成分DC7の供給が終了する時点である。切替回路10が、駆動成分DC7を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSの周縁部分に+Z方向側にへこんだ凹形状を有する一方で、メニスカスMSの中央部分に-Z方向に突出した液柱LC7を有する、メニスカスMSを+Z方向に引き込む。その際、メニスカスMSのうち+Z方向に最も引き込まれた部分を引き込み位置Zp4まで引き込む。時点t7における引き込み位置Zp4は、時点t5における引き込み位置Zp3よりも+Z方向に位置し、時点t1における引き込み位置Zp1よりも-Z方向に位置する。つまり、駆動成分DC7を圧電素子PZに供給することにより、キャビティー320内のインクの圧力が減少しノズルN内のインクを+Z方向に引き込んでいるにも関わらず、図14に示すように、時点t7において、メニスカスMSの中央部分には、-Z方向に突出した液柱LC7が形成される。時点t7における液柱LC7は、時点t5における液柱LC5よりも大きい。
なお、図14では、駆動パルスPL1、PL2、PL3、PL4、及び、PL5を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合の時点t7におけるメニスカスMSを示している。つまり、図14に示されるメニスカスMSの状態は、駆動パルスPL4が圧電素子PZに供給される前に、駆動パルスPL1~PL3が圧電素子PZに供給されていた場合である。仮に、駆動パルスPL4のみを有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合、圧電素子PZに基準電位V0が供給されている吐出部Dの静止状態であってメニスカスMSの位置が初期位置Z0に静止している状態において駆動パルスPL4が圧電素子PZに供給されることになるから、時点t7におけるメニスカスMSは、図8に示す時点t1におけるメニスカスMSと同等になる。すなわち、駆動パルスPL4のみを有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合、メニスカスMSはその中央部分に+Z方向側にへこんだ凹曲面形状を有し、メニスカスMSのうち+Z方向に最も引き込まれる部分の位置は、引き込み位置Zp1である。
なお、図14では、駆動パルスPL1、PL2、PL3、PL4、及び、PL5を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合の時点t7におけるメニスカスMSを示している。つまり、図14に示されるメニスカスMSの状態は、駆動パルスPL4が圧電素子PZに供給される前に、駆動パルスPL1~PL3が圧電素子PZに供給されていた場合である。仮に、駆動パルスPL4のみを有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合、圧電素子PZに基準電位V0が供給されている吐出部Dの静止状態であってメニスカスMSの位置が初期位置Z0に静止している状態において駆動パルスPL4が圧電素子PZに供給されることになるから、時点t7におけるメニスカスMSは、図8に示す時点t1におけるメニスカスMSと同等になる。すなわち、駆動パルスPL4のみを有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合、メニスカスMSはその中央部分に+Z方向側にへこんだ凹曲面形状を有し、メニスカスMSのうち+Z方向に最も引き込まれる部分の位置は、引き込み位置Zp1である。
図15は、時点t8におけるメニスカスMSを説明する図である。時点t8は、制御期間Tcu4の終了時点であり、且つ、駆動成分DC8の供給が終了する時点である。切替回路10が、駆動成分DC8を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に押し出され、メニスカスMSの中央部分に-Z方向に突出した液柱LC8を形成する。時点t8における液柱LC8のZ軸方向の長さは、時点t7における液柱LC7よりも短い。液柱LC8について、液柱LC8の-Z方向の先端は、球形状であり、液柱LC8の途中にくびれが生じる。
図16は、時点t9におけるメニスカスMSを説明する図である。時点t9は、制御期間Tcu5内であり、且つ、駆動成分DC9の供給が終了する時点である。切替回路10が、駆動成分DC9を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSの周縁部分に+Z方向側にへこんだ凹形状を有する一方で、メニスカスMSの中央部分に-Z方向に突出した液柱LC9を有する、メニスカスMSを+Z方向に引き込む。その際、メニスカスMSのうち+Z方向に最も引き込まれる部分が初期位置Z0よりも+Z方向に引き込まれる。一方、駆動成分DC9を圧電素子PZに供給することにより、キャビティー320内のインクの圧力が減少しノズルN内のインクを+Z方向に引き込まれているにも関わらず、メニスカスMSのうち時点t8で形成された液柱LC8の先端が-Z方向に移動し続け、メニスカスMSの中央部分に、液柱LC9を形成する。液柱LC9のくびれ部分が細く長くなっていくと、液柱LC9の-Z方向の先端部分が、メニスカスMSから分離し、液滴DRとして-Z方向に飛翔する。時点t8で形成された液柱LC8の先端が-Z方向に移動し続けるなか、駆動成分DC9を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、キャビティー320内のインクの圧力が減少しノズルN内のインクが+Z方向に引き込まれメニスカスMSの周縁部分が+Z方向に移動するため、液柱LC9から液滴DRが引きちぎれる。図16では、液滴DRがメニスカスMSから分離する直前の状態を示す。
図17は、時点t10におけるメニスカスMSを説明する図である。時点t10は、制御期間Tcu5内であり、且つ、駆動成分DC10の供給が終了する時点である。切替回路10が、駆動成分DC10を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが初期位置Z0に近づく。図17に示すように、メニスカスMSの中央部分が、-Z方向に突出した液柱LC10を形成する。ただし、メニスカスMSは振動しており、時点t10の後には、メニスカスMSの中央部分が、+Z方向に引き込まれている。図17では、時点t9の直後に分離された液滴DRを表示してある。
駆動成分DC10を圧電素子PZに供給することで更に液滴DRが続けて吐出部Dから吐出されることなくメニスカスMSの位置を初期位置Z0に戻すため、駆動成分DC10における単位期間当たりの電位の変化量は、駆動成分DC2、DC4、DC6、及び、DC8と比較して小さい。また、第1実施形態において、駆動成分DC10における単位期間当たりの電位の変化量は、駆動成分DC10が供給されている間で一定であるが、駆動成分DC10が供給されている間で変化してもよい。駆動成分DC1、DC3、DC5、DC7、及び、DC9における単位期間当たりの電位の変化量は、略等しい。駆動成分DC2、DC4、DC6、及び、DC8における単位期間当たりの電位の変化量は、略等しい。
図8~図17に示すように、駆動態様α1を指定する個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給すると、最初の駆動パルスPL1の駆動成分DC1が圧電素子PZに供給された際に、メニスカスMSは、最も+Z方向に引き込まれ、その後、駆動パルスPL2及び駆動パルスPL3が圧電素子PZに供給されるごとにメニスカスMSは、-Z方向に押し出され、メニスカスMSの中央部分に形成される液柱もZ軸方向に沿って成長する。更に駆動パルスPL4が圧電素子PZに供給されるとこの液柱がZ軸方向に更に長く細く成長し、液柱LC9の一部が液滴DRとして-Z方向に飛翔する。なお駆動態様α5を指定する個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給すると、液滴DRが飛翔しない。駆動態様α2、駆動態様α3、及び、駆動態様α4の何れかを指定する個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給する例について、図21~図25を用いて後で説明する。
1.5.駆動信号Vinによる圧力変動
図8~図17では、駆動パルスPL1~駆動パルスPL5を順次圧電素子PZに供給した際のメニスカスMSの動きに着目して説明したが、次に図18を用いて、駆動信号Vinによるキャビティー320の圧力の変動について説明する。図18に示すグラフG1及びグラフG2は、流体解析シミュレーションにより求めたキャビティー320内の圧力の変動を示す。グラフG1の横軸及びグラフG2の横軸は、時刻を示し、グラフG1の縦軸及びグラフG2の縦軸は、圧力を示す。なお、圧電素子PZに基準電位V0が供給されている吐出部Dの静止状態でのキャビティー320の圧力をグラフG1の縦軸及びグラフG2の縦軸のゼロとする。圧力の単位は、パスカルであり、グラフG1及びグラフG2では、「Pa」として示してある。圧力が正の値である場合、キャビティー320の容積が縮小し、キャビティー320の内部の圧力が増加していることを示し、圧力が負の値である場合、キャビティー320の容積が拡大し、キャビティー320の内部の圧力が減少していることを示す。グラフG1及びグラフG2内の「E+0i」は、10+iを示す。iは、5又は6である。
図8~図17では、駆動パルスPL1~駆動パルスPL5を順次圧電素子PZに供給した際のメニスカスMSの動きに着目して説明したが、次に図18を用いて、駆動信号Vinによるキャビティー320の圧力の変動について説明する。図18に示すグラフG1及びグラフG2は、流体解析シミュレーションにより求めたキャビティー320内の圧力の変動を示す。グラフG1の横軸及びグラフG2の横軸は、時刻を示し、グラフG1の縦軸及びグラフG2の縦軸は、圧力を示す。なお、圧電素子PZに基準電位V0が供給されている吐出部Dの静止状態でのキャビティー320の圧力をグラフG1の縦軸及びグラフG2の縦軸のゼロとする。圧力の単位は、パスカルであり、グラフG1及びグラフG2では、「Pa」として示してある。圧力が正の値である場合、キャビティー320の容積が縮小し、キャビティー320の内部の圧力が増加していることを示し、圧力が負の値である場合、キャビティー320の容積が拡大し、キャビティー320の内部の圧力が減少していることを示す。グラフG1及びグラフG2内の「E+0i」は、10+iを示す。iは、5又は6である。
図18は、駆動信号Vinによる圧力の変動特性を説明するための図である。グラフG1は、駆動パルスPL4を有し駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL5を有さない駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合の、圧電素子PZがキャビティー320内のインクに与える圧力変動の挙動を示す圧力変動特性Pa1と、圧電素子PZがノズルN内のインクに与える圧力変動の挙動を示す圧力変動特性Pn1とを示す。つまり、グラフG1は、波形PH1を有さず波形PH2のみの駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合のキャビティー320内のインクの圧力変動特性Pa1及びノズルN内のインクの圧力変動特性Pn1に相当する。圧力変動特性Pn1内の点Pn1pは、駆動パルスPL4のみを圧電素子PZに供給した場合において、ノズルN内のインクにかかり得る圧力のうち最も高い圧力と、この圧力が発生した時点とを示す。点Pn1pが示す圧力は、約1.2×1006パスカルである。また、点Pn1pが示す圧力は、駆動パルスPL4のみを圧電素子PZに供給した場合におけるノズルN内のインクの圧力の、吐出部Dの静止状態でのノズルN内のインクの圧力からの正圧側への変動量である増加量に相当する。圧力変動特性Pn1内の点Pn1mは、ノズルN内のインクにかかり得る圧力のうち最も低い圧力と、この圧力が発生した時点とを示す。点Pn1mが示す圧力は、約-1.2×1006パスカルである。また、点Pn1mが示す圧力は、駆動パルスPL4のみを圧電素子PZに供給した場合におけるノズルN内のインクの圧力の、吐出部Dの静止状態でのノズルN内のインクの圧力からの負圧側への変動量である減少量に相当する。
グラフG2は、駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL4を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合の、圧電素子PZがキャビティー320内のインクに与える圧力変動の挙動を示す圧力変動特性Pa2と、圧電素子PZがノズルN内のインクに与える圧力変動の挙動を示す圧力変動特性Pn2とを示す。つまり、グラフG2は、波形PH1及び波形PH2をともに含む駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合のキャビティー320内のインクの圧力変動特性Pa2及びノズルN内のインクの圧力変動特性Pn2に相当する。圧力変動特性Pn2内の点Pn2pは、駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL4を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給している間のうち、駆動パルスPL4を圧電素子PZに供給している間において、ノズルN内のインクにかかり得る圧力のうち最も高い圧力と、この圧力が発生した時点とを示す。点Pn2pが示す圧力は、約1.2×1006パスカルである。また、点Pn2pが示す圧力は、駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL4を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給している間のうち、駆動パルスPL4を圧電素子PZに供給した場合におけるノズルN内のインクの圧力の、吐出部Dの静止状態でのノズルN内のインクの圧力からの正圧側への変動量である増加量に相当する。
圧力変動特性Pn2内の点Pn2mは、駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL4を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給されている間のうち、駆動パルスPL4を圧電素子PZに供給している間において、ノズルN内のインクにかかり得る圧力のうち最も低い圧力と、この圧力が発生した時点とを示す。点Pn2mが示す圧力は、約-1.2×1006パスカルである。また、点Pn2mが示す圧力は、駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL4を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給している間のうち、駆動パルスPL4を圧電素子PZに供給した場合におけるノズルN内のインクの圧力の、吐出部Dの静止状態でのノズルN内のインクの圧力からの負圧側への変動量である減少量に相当する。
なお、点Pn1mが示す時点及び点Pn2mが示す時点は、駆動成分DC7の供給が終了される時点に一致する。また、点Pn1pが示す時点及び点Pn2pが示す時点は、駆動成分DC8の供給が終了される時点に一致する。
圧力変動特性Pn2内の点Pn2mは、駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL4を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給されている間のうち、駆動パルスPL4を圧電素子PZに供給している間において、ノズルN内のインクにかかり得る圧力のうち最も低い圧力と、この圧力が発生した時点とを示す。点Pn2mが示す圧力は、約-1.2×1006パスカルである。また、点Pn2mが示す圧力は、駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL4を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給している間のうち、駆動パルスPL4を圧電素子PZに供給した場合におけるノズルN内のインクの圧力の、吐出部Dの静止状態でのノズルN内のインクの圧力からの負圧側への変動量である減少量に相当する。
なお、点Pn1mが示す時点及び点Pn2mが示す時点は、駆動成分DC7の供給が終了される時点に一致する。また、点Pn1pが示す時点及び点Pn2pが示す時点は、駆動成分DC8の供給が終了される時点に一致する。
図18のグラフG1に示すように、駆動パルスPL4のみを有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合におけるノズルN内の圧力の正圧側及び負圧側の変動量は、駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL4を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合におけるノズルN内のインクの圧力の正圧側及び負圧側の変動量に略等しい。圧力の変動量とは、圧力の増加量と圧力の減少量との総称である。具体的には、点Pn1pが示す圧力は、約1.2×1006パスカルを示す線分LPnpが示すように、点Pn2pが示す圧力と略等しい。また、点Pn1mが示す圧力は、約-1.2×1006パスカルを示す線分LPnmが示すように、点Pn2mが示す圧力と略等しい。
通常、粘度が20ミリパスカル秒未満のインクを用いた場合、複数の駆動パルスの間隔を共振タイミングとすることにより、後側の駆動パルスによって生じる圧力変動が、先行する駆動パルスによって生じる圧力変動と共振してより大きくなり、それに伴って、先行する駆動パルスを圧電素子に供給した際のノズル内の液体の圧力の変動量よりも、後側の駆動パルスを圧電素子に供給した際のノズル内の液体の圧力の変動量の方が大きくなる。しかしながら、本実施形態では、グラフG1に示される駆動パルスPL4のみを供給した際のノズル内の液体の圧力の変動量と、グラフG2に示される駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL4を連続して圧電素子PZへ供給した際のノズル内の液体の圧力の変動量は、上述のとおり略等しい。これは、本実施形態のインクが高粘度であるため、先行する駆動パルスPLによる圧力変動と後続の駆動パルスPLによる圧力変動とが共振していないことを示すと考えられる。
通常、粘度が20ミリパスカル秒未満のインクを用いた場合、複数の駆動パルスの間隔を共振タイミングとすることにより、後側の駆動パルスによって生じる圧力変動が、先行する駆動パルスによって生じる圧力変動と共振してより大きくなり、それに伴って、先行する駆動パルスを圧電素子に供給した際のノズル内の液体の圧力の変動量よりも、後側の駆動パルスを圧電素子に供給した際のノズル内の液体の圧力の変動量の方が大きくなる。しかしながら、本実施形態では、グラフG1に示される駆動パルスPL4のみを供給した際のノズル内の液体の圧力の変動量と、グラフG2に示される駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL4を連続して圧電素子PZへ供給した際のノズル内の液体の圧力の変動量は、上述のとおり略等しい。これは、本実施形態のインクが高粘度であるため、先行する駆動パルスPLによる圧力変動と後続の駆動パルスPLによる圧力変動とが共振していないことを示すと考えられる。
1.6.駆動信号Vinによる体積速度
次に、図19を用いて、駆動信号VinによるノズルN内のインクの体積速度について説明する。ノズルN内のインクの体積速度は、Z軸方向におけるノズルN内のインクの移動速度である。図19に示すグラフG3及びグラフG4は、流体解析シミュレーションにより求めた体積速度を示す。グラフG3の横軸及びグラフG4の横軸は、時刻を示し、グラフG3の縦軸及びグラフG4の縦軸は、ノズルN内のインクの体積速度を示す。体積速度の単位は、立方メートル毎秒であり、グラフG3及びグラフG4では、「m3/s」として示してある。ノズルN内のインクの体積速度は、単位期間当たりのノズルN内のインクが移動した体積である。ノズルN内のインクの体積速度が正の値である場合、+Z方向にインクが移動していることを示し、ノズルN内のインクの体積速度が負の値である場合、-Z方向にインクが移動していることを示す。グラフG3及びグラフG4内の「E-06」は、10-06を示す。
次に、図19を用いて、駆動信号VinによるノズルN内のインクの体積速度について説明する。ノズルN内のインクの体積速度は、Z軸方向におけるノズルN内のインクの移動速度である。図19に示すグラフG3及びグラフG4は、流体解析シミュレーションにより求めた体積速度を示す。グラフG3の横軸及びグラフG4の横軸は、時刻を示し、グラフG3の縦軸及びグラフG4の縦軸は、ノズルN内のインクの体積速度を示す。体積速度の単位は、立方メートル毎秒であり、グラフG3及びグラフG4では、「m3/s」として示してある。ノズルN内のインクの体積速度は、単位期間当たりのノズルN内のインクが移動した体積である。ノズルN内のインクの体積速度が正の値である場合、+Z方向にインクが移動していることを示し、ノズルN内のインクの体積速度が負の値である場合、-Z方向にインクが移動していることを示す。グラフG3及びグラフG4内の「E-06」は、10-06を示す。
図19は、ノズルN内のインクの体積速度の変動特性を説明する図である。グラフG3は、駆動パルスPL4を有し駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL5を有さない駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合の、ノズルN内のインクの体積速度の挙動を示す変動特性Vn3を示す。変動特性Vn3内の点Vn3pは、+Z方向に最も大きいノズルN内のインクの体積速度と、この体積速度が発生した時点とを示す。点Vn3pが示す体積速度は、約2.7×10-6立方メートル毎秒である。変動特性Vn3内の点Vn3mは、-Z方向に最も大きい体積速度と、この体積速度が発生した時点とを示す。点Vn3mが示す体積速度は、約-3.3×10-6立方メートル毎秒である。
グラフG4は、駆動パルスPL1、PL2、PL3、及び、PL4を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合の、ノズルN内のインクの体積速度の挙動を示す変動特性Vn4を示す。変動特性Vn4内の点Vn4pは、駆動パルスPL4が圧電素子PZに供給された場合に、+Z方向に最も大きいノズルN内のインクの体積速度と、この体積速度が発生した時点とを示す。点Vn4pが示す体積速度は、約2.7×10-06立方メートル毎秒である。変動特性Vn4内の点Vn4mは、駆動パルスPL4が圧電素子PZに供給された場合に、-Z方向に最も大きい体積速度と、この体積速度が発生した時点とを示す。点Vn4mが示す体積速度は、約-3.3×10-6立方メートル毎秒である。
なお、点Vn3pが示す時点及び点Vn4pが示す時点は、駆動成分DC7の供給が終了される時点に一致する。また、点Vn3mが示す時点及び点Vn4mが示す時点は、駆動成分DC8の供給が終了される時点に一致する。
なお、点Vn3pが示す時点及び点Vn4pが示す時点は、駆動成分DC7の供給が終了される時点に一致する。また、点Vn3mが示す時点及び点Vn4mが示す時点は、駆動成分DC8の供給が終了される時点に一致する。
図19に示すように、駆動パルスPL4のみを有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合におけるノズルN内のインクの体積速度は、駆動パルスPL1、PL2、PL3、及びPL4を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合におけるノズルN内のインクの体積速度に略等しい。具体的には、点Vn3pが示す体積速度は、約2.7×10-06立方メートル毎秒を示す線分LVnpが示すように、点Vn4pが示す体積速度と略等しい。また、点Vn3mが示す体積速度は、約-3.3×106立方メートル毎秒を示す線分LVnmが示すように、点Vn4mが示す体積速度と略等しい。
これは、図18を参照して先に説明した駆動信号Vinによる圧力の変動特性と同様に、本実施形態のインクが高粘度であるため、先行する駆動パルスPLによる圧力変動と後続の駆動パルスPLによる圧力変動とが共振していないことを示すと考えられる。
これは、図18を参照して先に説明した駆動信号Vinによる圧力の変動特性と同様に、本実施形態のインクが高粘度であるため、先行する駆動パルスPLによる圧力変動と後続の駆動パルスPLによる圧力変動とが共振していないことを示すと考えられる。
1.7.駆動波形信号Comの適正条件
説明を図5に戻す。図5に示すように、時点tDC2から時点tDC4までの期間Pw24と、時点tDC4から時点tDC6までの期間Pw46と、時点tDC6から時点tDC8までの期間Pw68は、略同一である。略同一とは、完全に同一である場合の他に、測定上の誤差を考慮すれば同一であると看做せる場合を含む。以下の記載において、期間Pw24、期間Pw46、及び、期間Pw68を、「期間Pw」と総称することがある。時点tDC2は、駆動成分DC2の供給が開始される時点である。時点tDC4は、駆動成分DC4の供給が開始される時点である。時点tDC6は、駆動成分DC6の供給が開始される時点である。時点tDC8は、駆動成分DC8の供給が開始される時点である。期間Pwは、連続する駆動パルスPLにおける、キャビティー320の圧力を増加させる駆動成分DCの開始タイミングの間隔であるとも言える。期間Pwと吐出性能値との関係を、図20を用いて説明する。
説明を図5に戻す。図5に示すように、時点tDC2から時点tDC4までの期間Pw24と、時点tDC4から時点tDC6までの期間Pw46と、時点tDC6から時点tDC8までの期間Pw68は、略同一である。略同一とは、完全に同一である場合の他に、測定上の誤差を考慮すれば同一であると看做せる場合を含む。以下の記載において、期間Pw24、期間Pw46、及び、期間Pw68を、「期間Pw」と総称することがある。時点tDC2は、駆動成分DC2の供給が開始される時点である。時点tDC4は、駆動成分DC4の供給が開始される時点である。時点tDC6は、駆動成分DC6の供給が開始される時点である。時点tDC8は、駆動成分DC8の供給が開始される時点である。期間Pwは、連続する駆動パルスPLにおける、キャビティー320の圧力を増加させる駆動成分DCの開始タイミングの間隔であるとも言える。期間Pwと吐出性能値との関係を、図20を用いて説明する。
図20は、期間Pwと吐出性能値との関係を説明するための図である。吐出性能値は、液滴DRの体積にノズルNから吐出した液滴DRの飛翔速度を乗じた値である。吐出性能値の単位は、ニュートン秒であり、図20に示すグラフG5では、「Ns」として示してある。グラフG5内の「E-10」は、10-10を示す。図20に示すグラフG5の横軸は、期間Pwを吐出部Dの固有振動周期TCで除した値である。
固有振動周期TCは、吐出部Dの固有振動数の逆数であり、一般的に次に示す(1)式で表すことができる。
上記(1)式において、Mは流路のイナータンスを示し、Cは振動板310のコンプライアンスCvとインクの圧縮性CL、との合計を示す。ζは、1未満の値であり、次に示す(2)式で表すことができる。
上記(2)式において、Rは流路の粘性抵抗を示し、インクの粘度に比例する。
以下、期間Pwを吐出部Dの固有振動周期TCで除した値を、「パルス間隔比率」と称する。グラフG5の縦軸は、上述の吐出性能値を示す。グラフG5内の複数の黒丸の各々は、実験により得られたパルス間隔比率と、吐出性能値とを示す。更に、グラフG5内には、実験により得られたパルス間隔比率と吐出性能値とに基づき算出した、パルス間隔比率の特性CPwを示してある。特性CPwは、例えば、最小二乗法に基づいて算出される。
固有振動周期TCは、吐出部Dの固有振動数の逆数であり、一般的に次に示す(1)式で表すことができる。
以下、期間Pwを吐出部Dの固有振動周期TCで除した値を、「パルス間隔比率」と称する。グラフG5の縦軸は、上述の吐出性能値を示す。グラフG5内の複数の黒丸の各々は、実験により得られたパルス間隔比率と、吐出性能値とを示す。更に、グラフG5内には、実験により得られたパルス間隔比率と吐出性能値とに基づき算出した、パルス間隔比率の特性CPwを示してある。特性CPwは、例えば、最小二乗法に基づいて算出される。
グラフG5に示すように、パルス間隔比率が1以上且つ2以下である態様は、吐出性能値が約1.8×10-10ニュートン秒以上となり、パルス間隔比率が1未満の態様、及び、パルス間隔比率が2より大きい態様と比較して、吐出性能値を大きくできる。例えば、期間Pw68がパルス間隔比率1未満である場合、キャビティー320の容積がいまだ拡大途中の状態で、駆動成分DC8が開始される。つまり、期間Pw68がパルス間隔比率1未満である場合、期間Pw68に関してパルス間隔比率を1以上且つ2以下未満とした場合の駆動成分DC8が開始される時点tDC8でのキャビティー320の容積よりも小さいキャビティー320の容積の状態で、駆動成分DC8が開始されるため、吐出性能値が低下する。
パルス間隔比率が1.2以上且つ1.6以下である態様は、吐出性能値が約2.3×10-10ニュートン秒以上となり、パルス間隔比率が1.2未満の態様、及び、パルス間隔比率が1.6より大きい態様と比較して、吐出性能値を大きくできる。なお、約1.8×10-10ニュートン秒は、20ng×9m/sに相当し、2.3×10-10ニュートン秒は、23ng×10m/sに相当する。1ngは、10-9グラムを示す。
パルス間隔比率が1.2以上且つ1.6以下である態様は、吐出性能値が約2.3×10-10ニュートン秒以上となり、パルス間隔比率が1.2未満の態様、及び、パルス間隔比率が1.6より大きい態様と比較して、吐出性能値を大きくできる。なお、約1.8×10-10ニュートン秒は、20ng×9m/sに相当し、2.3×10-10ニュートン秒は、23ng×10m/sに相当する。1ngは、10-9グラムを示す。
1.8.駆動波形信号Comを用いた記録方法
図17に示すように、液滴DRを吐出した後もメニスカスMSには液柱が存在する。記録期間Tu[i]内に液滴DRを吐出した後に、記録期間Tu[i]の終了時点に開始される記録期間Tu[j]においても、メニスカスMSには液柱が引き続き存在する可能性がある。jは、2からIまでの整数であり、且つ、iより1大きい。記録期間Tu[j]においてメニスカスMSに液柱が存在する場合に、駆動態様α1を指定する個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinが圧電素子PZに供給されると、駆動成分DC8が供給される前に液滴DRが吐出する可能性がある。液体吐出ヘッドHUと記録用紙Pとは所定速度で相対移動しているから、本来吐出すべきタイミングでないときに液滴DRが吐出すると、記録用紙Pに液滴DRが着弾する位置が本来着弾すべき位置からずれ、印刷品質が劣化する。液滴DRを本来着弾すべき位置に着弾させるため、第1実施形態では、記録期間Tu[j]で液滴DRを吐出させる場合は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定する。より具体的には、制御部6は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxの個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間Tu[j]の個別指定信号Sd[m]を生成する。
図17に示すように、液滴DRを吐出した後もメニスカスMSには液柱が存在する。記録期間Tu[i]内に液滴DRを吐出した後に、記録期間Tu[i]の終了時点に開始される記録期間Tu[j]においても、メニスカスMSには液柱が引き続き存在する可能性がある。jは、2からIまでの整数であり、且つ、iより1大きい。記録期間Tu[j]においてメニスカスMSに液柱が存在する場合に、駆動態様α1を指定する個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinが圧電素子PZに供給されると、駆動成分DC8が供給される前に液滴DRが吐出する可能性がある。液体吐出ヘッドHUと記録用紙Pとは所定速度で相対移動しているから、本来吐出すべきタイミングでないときに液滴DRが吐出すると、記録用紙Pに液滴DRが着弾する位置が本来着弾すべき位置からずれ、印刷品質が劣化する。液滴DRを本来着弾すべき位置に着弾させるため、第1実施形態では、記録期間Tu[j]で液滴DRを吐出させる場合は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定する。より具体的には、制御部6は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxの個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間Tu[j]の個別指定信号Sd[m]を生成する。
より具体的に制御部6の処理について説明する。制御部6は、記録期間Tu[j]でノズルNから液滴DRを吐出させる場合、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxの個別指定信号Sdxである、記録期間Tu[j-1]の個別指定信号Sd[m]と、記録期間Tu[j-2]の個別指定信号Sd[m]と、記録期間Tu[j-3]の個別指定信号Sd[m]とに基づいて、記録期間Tu[j]の個別指定信号Sd[m]を生成する。より詳細には、記録期間Tu[j]でノズルNから液滴DRを吐出させる場合、制御部6は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxの個別指定信号Sdxである、記録期間Tu[j-1]の個別指定信号Sd[m]と、記録期間Tu[j-2]の個別指定信号Sd[m]と、記録期間Tu[j-3]の個別指定信号Sd[m]とに基づいて、記録期間Tu[j]に供給する駆動信号Vinの駆動信号Vin1に、駆動パルスPL1、駆動パルスPL2、及び駆動パルスPL3をそれぞれ選択するか否かを決定する。一方、記録期間Tu[j]で液滴DRを吐出させる場合、制御部6は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxの個別指定信号Sdxである、記録期間Tu[j-1]の個別指定信号Sd[m]と、記録期間Tu[j-2]の個別指定信号Sd[m]と、記録期間Tu[j-3]の個別指定信号Sd[m]とによらず、記録期間Tu[j]に供給する駆動信号Vinの駆動信号Vin2を、駆動パルスPL4と駆動パルスPL5を含む波形PH2に決定する。より具体的な記録方法について、図21及び図22を用いて説明する。
図21及び図22は、記録期間Tu[j]における個別指定信号Sd[1]~Sd[m]の生成例を示すフローチャートである。なお、図21及び図22に示すフローチャートは、図示の簡略化のため、jの値が4以上である場合のみに限定して表示してある。jの値が2の場合と、jの値が3の場合とについては、図21及び図22に示すフローチャートの説明終了後に説明する。
制御部6は、ステップS2において、変数mに1を代入する。次に、ステップS4において、制御部6は、印刷データImgに基づいて、記録期間Tu[j]に、吐出部D[m]に液滴を吐出させるか否かを判定する。ステップS4の判定結果が肯定である場合、ステップS6において、制御部6は、記憶部5から、記録期間[i]、即ち記録期間[j-1]の個別指定信号Sd[m]を取得する。次に、ステップS8において、制御部6は、記録期間[j-1]の個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間Tu[j-1]に吐出部D[m]が液滴DRを吐出したか否かを判定する。例えば、記録期間Tu[j-1]の個別指定信号Sd[m]が駆動態様α1、α2、α3、及び、α4の何れかを指定する場合、制御部6は、記録期間Tu[j-1]に吐出部D[m]が液滴DRを吐出したと判定する。一方、記録期間Tu[j-1]の個別指定信号Sd[m]が駆動態様α5を指定する場合、制御部6は、記録期間Tu[j-1]に吐出部D[m]が液滴DRを吐出しなかったと判定する。
ステップS8の判定結果が否定である場合、ステップS10において、制御部6は、記憶部5から、記録期間Tu[j-2]の個別指定信号Sd[m]を取得する。次に、ステップS12において、制御部6は、記録期間Tu[j-2]の個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間Tu[j-2]に吐出部D[m]が液滴DRを吐出したか否かを判定する。
ステップS12の判定結果が否定である場合、ステップS14において、制御部6は、記憶部5から、記録期間Tu[j-3]の個別指定信号Sd[m]を取得する。次に、ステップS16において、制御部6は、記録期間Tu[j-3]の個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間Tu[j-3]に吐出部D[m]が液滴DRを吐出したか否かを判定する。
ステップS16の判定結果が否定である場合、つまり、記録期間Tu[j-1]、記録期間Tu[j-2]、及び記録期間Tu[j-3]の先行する3つの記録期間Tuにおいて吐出部D[m]が液滴DRを吐出していなかった場合、ステップS18において、制御部6は、駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]を生成する。ステップS18の処理は、制御部6が、駆動信号Vin1を、駆動パルスPL1、駆動パルスPL2、及び駆動パルスPL3の3個の駆動パルスPLを含む波形PH1に決定したとも言える。ステップS18の処理終了後、ステップS32において、制御部6は、生成した個別指定信号Sd[m]を記憶部5に記憶させる。
ステップS4の判定結果が否定である場合、つまり、記録期間Tu[j]において吐出部D[m]が液滴DRを吐出しない場合、ステップS20において、制御部6は、駆動態様α5の個別指定信号Sd[m]を生成する。そして、ステップS32において、制御部6は、生成した個別指定信号Sd[m]を記憶部5に記憶させる。
ステップS8の判定結果が肯定である場合、つまり、記録期間Tu[j-1]において吐出部D[m]が液滴DRを吐出していた場合、ステップS22において、制御部6は、駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]を生成する。ステップS22の処理は、制御部6が、駆動信号Vin1を、駆動パルスPLの個数を0個、つまり波形PH1を有さないものに決定したとも言える。また、ステップS8の処理は、制御部6が、所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinに波形PH1を含むか否かを決定している。
ステップS22の処理終了後、ステップS32において、制御部6は、生成した個別指定信号Sd[m]を記憶部5に記憶させる。
ステップS22の処理終了後、ステップS32において、制御部6は、生成した個別指定信号Sd[m]を記憶部5に記憶させる。
ステップS12の判定結果が肯定である場合、つまり、記録期間Tu[j-1]において吐出部D[m]が液滴DRを吐出していなかったが、記録期間Tu[j-2]において吐出部D[m]が液滴DRを吐出していた場合、ステップS24において、制御部6は、駆動態様α3の個別指定信号Sd[m]を生成する。ステップS24の処理は、制御部6が、駆動信号Vin1を、駆動パルスPL3の1個の駆動パルスPLを含む波形PH1に決定したとも言える。ステップS22の処理終了後、ステップS32において、制御部6は、生成した個別指定信号Sd[m]を記憶部5に記憶させる。
ステップS16の判定結果が肯定である場合、つまり、記録期間Tu[j-1]及び記録期間Tu[j-2]において吐出部D[m]が液滴DRを吐出していなかったが、記録期間Tu[j-3]において吐出部D[m]が液滴DRを吐出していた場合、ステップS26において、制御部6は、駆動態様α4の個別指定信号Sd[m]を生成する。ステップS26の処理は、制御部6が、駆動信号Vin1を、駆動パルスPL2及び駆動パルスPL3の2個の駆動パルスPLを含む波形PH1に決定したとも言える。ステップS26の処理終了後、ステップS32において、制御部6は、生成した個別指定信号Sd[m]を記憶部5に記憶させる。
ステップS12、及びS16の処理は、制御部6が、所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1に波形PH1を含むと決定した場合、更に波形PH1に含まれる駆動パルスPLの個数を決定している。
また、ステップS8、S12、及びS16の処理は、制御部6が、記録期間[j-1]に吐出部Dから液滴DRを吐出しない場合における、記録期間[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数が、記録期間[j-1]に吐出部Dから液滴DRを吐出する場合における、記録期間[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数よりも多くなるように、記録期間[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定している。
ステップS12、及びS16の処理は、制御部6が、所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1に波形PH1を含むと決定した場合、更に波形PH1に含まれる駆動パルスPLの個数を決定している。
また、ステップS8、S12、及びS16の処理は、制御部6が、記録期間[j-1]に吐出部Dから液滴DRを吐出しない場合における、記録期間[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数が、記録期間[j-1]に吐出部Dから液滴DRを吐出する場合における、記録期間[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数よりも多くなるように、記録期間[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定している。
ステップS32の処理終了後、ステップS34において、制御部6は、変数mが吐出部Dの個数であるMに到達したか否かを判定する。ステップS34の判定結果が否定である場合、制御部6は、ステップS38において、変数mの値を1増加させ、処理をステップS4に戻す。ステップS34の判定結果が肯定である場合、制御部6は、ステップS36において、個別指定信号Sd[1]~Sd[M]を、切替回路10に出力する。ステップS36の処理終了後、制御部6は、図21及び図22に示す一連の処理を終了する。
変数jの値が2である場合について説明する。制御部6は、ステップS8の判定結果が否定である場合、ステップS10の処理の替わりにステップS18の処理を実行する。続けて、変数jの値が3である場合について説明する。制御部6は、ステップS12の判定結果が否定である場合、ステップS14の処理の替わりにステップS18の処理を実行する。ステップS18の処理終了後については、図21及び図22に示す一連の処理と同一であるため、ステップS18の処理終了後の説明を省略する。また、記録期間Tu[1]において、制御部6は、印刷データImgに基づいて、記録期間Tu[1]に、吐出部D[m]に液滴を吐出させるか否かを判定する。吐出部D[m]に液滴を吐出させる場合、制御部6は、駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]を生成する。吐出部D[m]に液滴を吐出させない場合、制御部6は、駆動態様α5の個別指定信号Sd[m]を生成する。
図23は、駆動波形信号Comを用いた記録方法の具体例を示す図である。図23では、吐出部D[m]において、4つの吐出態様について示してある。図23において、各記録期間Tuの下方には、黒丸、又は、破線で描かれた白抜きの丸を表示してある。黒丸は、この記録期間Tuに液滴DRを吐出することを意味し、破線で描かれた白抜きの丸は、この記録期間Tuに液滴DRを吐出しないことを意味する。なお、図23以降の図25、図27、図28に表示する黒丸及び破線で描かれた白抜きの丸も、図23に示す黒丸及び破線で描かれた白抜きの丸と同一の意味である。以下、液滴DRを吐出する記録期間Tuを、「吐出記録期間Tu-D」と称し、液滴DRを吐出しない記録期間Tuを、「不吐出記録期間Tu-N」と称することがある。
図23の1段目に示す吐出態様は、記録期間Tu[1]及び記録期間Tu[2]に液滴DRを吐出する態様である。記録期間Tu[1]に関して、制御部6は、駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[1]において、駆動パルスPL1、PL2、PL3、PL4、及び、PL5を有する駆動信号Vinが供給される。
記録期間Tu[2]に関して、制御部6は、図21及び図22に示すフローチャートを、変数jの値が2である状態で実行する。ステップS8の判定結果が肯定であるため、制御部6は、ステップS22の処理を実行によって駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[1]において、駆動パルスPL4、及び、PL5を有する駆動信号Vinが供給される。
記録期間Tu[2]に関して、制御部6は、図21及び図22に示すフローチャートを、変数jの値が2である状態で実行する。ステップS8の判定結果が肯定であるため、制御部6は、ステップS22の処理を実行によって駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[1]において、駆動パルスPL4、及び、PL5を有する駆動信号Vinが供給される。
図23の2段目に示す吐出態様は、記録期間Tu[1]及び記録期間Tu[3]に液滴DRを吐出し、記録期間Tu[2]に液滴DRを吐出しない態様である。記録期間Tu[1]については、図23の1段目の記録期間Tu[1]と同一であるため、説明を省略する。記録期間Tu[2]に関して、制御部6は、図21及び図22に示すフローチャートを、変数jの値が2である状態で実行する。記録期間Tu[2]が不吐出記録期間Tu-Nであるため、ステップS4の判定結果が否定であり、制御部6は、ステップS20の処理によって駆動態様α5の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[2]において、吐出部Dを非駆動とする駆動信号Vinが供給される。
記録期間Tu[3]に関して、制御部6は、図21及び図22に示すフローチャートを、変数jの値が3である状態で実行する。ステップS12の判定結果が肯定であるため、制御部6は、ステップS24の処理によって駆動態様α3の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[3]において、駆動パルスPL3、PL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給される。
記録期間Tu[3]に関して、制御部6は、図21及び図22に示すフローチャートを、変数jの値が3である状態で実行する。ステップS12の判定結果が肯定であるため、制御部6は、ステップS24の処理によって駆動態様α3の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[3]において、駆動パルスPL3、PL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給される。
図23の3段目に示す吐出態様は、記録期間Tu[1]及び記録期間Tu[4]に液滴DRを吐出し、記録期間Tu[2]及び記録期間Tu[3]に液滴DRを吐出しない態様である。記録期間Tu[1]及び記録期間Tu[2]については、図23の2段目に示す記録期間Tu[1]及び記録期間Tu[2]と同一であるため、説明を省略する。記録期間Tu[3]に関して、制御部6は、図21及び図22に示すフローチャートを、変数jの値が3である状態で実行する。記録期間Tu[3]が不吐出記録期間Tu-Nであるため、ステップS4の判定結果が否定であり、制御部6は、ステップS20の処理によって駆動態様α5の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[3]において、吐出部Dを非駆動とする駆動信号Vinが供給される。
記録期間Tu[4]に関して、ステップS16の判定結果が肯定であるため、制御部6は、ステップS26の処理によって駆動態様α4の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[4]において、駆動パルスPL2、PL3、PL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給される。
記録期間Tu[4]に関して、ステップS16の判定結果が肯定であるため、制御部6は、ステップS26の処理によって駆動態様α4の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[4]において、駆動パルスPL2、PL3、PL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給される。
図23の4段目に示す吐出態様は、記録期間Tu[1]及び記録期間Tu[5]に液滴DRを吐出し、記録期間Tu[2]、記録期間Tu[3]、及び、記録期間Tu[4]に液滴DRを吐出しない態様である。記録期間Tu[1]、記録期間Tu[2]、及び、記録期間Tu[3]については、図23の3段目に示す記録期間Tu[1]、記録期間Tu[2]、及び、記録期間Tu[3]と同一であるため、説明を省略する。記録期間Tu[4]が不吐出記録期間Tu-Nであるため、ステップS4の判定結果が否定であり、制御部6は、ステップS20の処理によって駆動態様α5の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[4]において、吐出部Dを非駆動とする駆動信号Vinが供給される。
記録期間Tu[5]に関して、ステップS16の判定結果が否定であるため、制御部6は、ステップS18の処理によって駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[5]において、駆動パルスPL1、PL2、PL3、PL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給される。
記録期間Tu[5]に関して、ステップS16の判定結果が否定であるため、制御部6は、ステップS18の処理によって駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[5]において、駆動パルスPL1、PL2、PL3、PL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給される。
1.9.第1実施形態のまとめ
以下に、第1実施形態のまとめを記載する。
以下に、第1実施形態のまとめを記載する。
1.9.1.波形PH1及び波形PH2に関するまとめ
以上説明したように、第1実施形態における液体吐出ヘッドHUは、M個の吐出部Dを有する。吐出部Dは、駆動信号Vinが供給されることにより変位する圧電素子PZ、圧電素子PZの変位に応じて内部の圧力が増減されるキャビティー320、及び、キャビティー320に連通しキャビティー320の内部の圧力の増減に応じてキャビティー320の内部に充填されたインクを液滴として-Z方向に吐出可能なノズルNを備える。液体吐出ヘッドHUは、次に示す第1のステップと第2のステップとを有する駆動方法を実行する。第1のステップは、キャビティー320の内部の圧力を減少させる駆動成分DC1,DC3,DC5及びキャビティー320の内部の圧力を増加させる駆動成分DC2,DC4,DC6を有する駆動パルスPL1,PL2,PL3を含む波形PH1を有する駆動信号Vin1を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC6を形成させる。第2のステップは、液柱LC6が形成されている場合に、キャビティー320の内部の圧力を減少させる駆動成分DC7,DC9及びキャビティー320の内部の圧力を増加させる駆動成分DC8,DC10を有する駆動パルスPL4,PL5を含む波形PH2を有する駆動信号Vin2を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC8を形成させた後に、液柱LC8を構成するインクの一部又は全部を液滴DRとして吐出させる。波形PH1を有し波形PH2を有さない駆動信号Vinを圧電素子PZに供給する場合、吐出部Dから液滴DRは吐出されず、波形PH2を有し波形PH1を有さない駆動信号Vinを圧電素子PZに供給する場合、吐出部Dから液滴DRは吐出されない。
波形PH1を有する駆動信号Vinは、具体的には、駆動態様α1、駆動態様α3、及び駆動態様α4を指定する個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinである。
なお、「波形PH1及び波形PH2に関するまとめ」節において、波形PH1が、「第1波形」の一例である。波形PH2が、「第2波形」の一例である。液柱LC6が、「第1の液柱」の一例である。液柱LC8が、「第2の液柱」の一例である。また、駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3が「第1駆動パルス」の一例であり、駆動パルスPL4、及びPL5が「第2駆動パルス」の一例である。また、駆動成分DC1、DC3、及びDC5が「圧力室の内部の圧力を減少させる第1駆動成分」の一例であり、駆動成分DC2、DC4、及びDC6が「圧力室の内部の圧力を増加させる第2駆動成分」の一例であり、駆動成分DC7及びDC9Lが「圧力室の内部の圧力を減少させる第3駆動成分」の一例であり、駆動成分DC8及びDC10が「圧力室の内部の圧力を増加させる第4駆動成分」の一例である。
ここで、インクの粘度が20ミリパスカル秒以上になると、吐出部D内のインクが一定の負圧に保持されている待機状態において、1つの駆動パルスPL1では液滴DRを吐出できない可能性がある。高粘度のインクを吐出するために、駆動信号Vinの最高電位と最低電位の差を大きくすることが考えられるが、物理的に限界がある。また、キャビティー320の排除体積を大きくすることが考えられるが、キャビティー320の容量を大きくすると、吐出部Dの構造物が、この構造物に加えられる力によって変形しやすくなる、即ち、吐出部D内の流路のコンプライアンスが大きくなる。排除体積は、振動板310の振動による圧力室の体積の変動量を意味する。吐出部D内の流路のコンプライアンスが大きくなると、圧電素子PZの変異によって発生する圧力変動が、吐出部Dの構造物の変形により緩和されやすくなるため、液滴DRを吐出しにくくなる。更に、キャビティー320の容量を大きくすると、圧電素子PZの変異によって発生する圧力が、インクの圧縮により吸収されやすくなるため、液滴DRを吐出しにくくなる。
そこで、第1実施形態によれば、波形PH1を有する駆動信号Vin1により液柱LC6が形成されている場合に、波形PH2を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSに形成させる液柱を成長させて、液柱LC8を構成するインクの一部又は全部を液滴DRとして吐出させることができる。
以上説明したように、第1実施形態における液体吐出ヘッドHUは、M個の吐出部Dを有する。吐出部Dは、駆動信号Vinが供給されることにより変位する圧電素子PZ、圧電素子PZの変位に応じて内部の圧力が増減されるキャビティー320、及び、キャビティー320に連通しキャビティー320の内部の圧力の増減に応じてキャビティー320の内部に充填されたインクを液滴として-Z方向に吐出可能なノズルNを備える。液体吐出ヘッドHUは、次に示す第1のステップと第2のステップとを有する駆動方法を実行する。第1のステップは、キャビティー320の内部の圧力を減少させる駆動成分DC1,DC3,DC5及びキャビティー320の内部の圧力を増加させる駆動成分DC2,DC4,DC6を有する駆動パルスPL1,PL2,PL3を含む波形PH1を有する駆動信号Vin1を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC6を形成させる。第2のステップは、液柱LC6が形成されている場合に、キャビティー320の内部の圧力を減少させる駆動成分DC7,DC9及びキャビティー320の内部の圧力を増加させる駆動成分DC8,DC10を有する駆動パルスPL4,PL5を含む波形PH2を有する駆動信号Vin2を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC8を形成させた後に、液柱LC8を構成するインクの一部又は全部を液滴DRとして吐出させる。波形PH1を有し波形PH2を有さない駆動信号Vinを圧電素子PZに供給する場合、吐出部Dから液滴DRは吐出されず、波形PH2を有し波形PH1を有さない駆動信号Vinを圧電素子PZに供給する場合、吐出部Dから液滴DRは吐出されない。
波形PH1を有する駆動信号Vinは、具体的には、駆動態様α1、駆動態様α3、及び駆動態様α4を指定する個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinである。
なお、「波形PH1及び波形PH2に関するまとめ」節において、波形PH1が、「第1波形」の一例である。波形PH2が、「第2波形」の一例である。液柱LC6が、「第1の液柱」の一例である。液柱LC8が、「第2の液柱」の一例である。また、駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3が「第1駆動パルス」の一例であり、駆動パルスPL4、及びPL5が「第2駆動パルス」の一例である。また、駆動成分DC1、DC3、及びDC5が「圧力室の内部の圧力を減少させる第1駆動成分」の一例であり、駆動成分DC2、DC4、及びDC6が「圧力室の内部の圧力を増加させる第2駆動成分」の一例であり、駆動成分DC7及びDC9Lが「圧力室の内部の圧力を減少させる第3駆動成分」の一例であり、駆動成分DC8及びDC10が「圧力室の内部の圧力を増加させる第4駆動成分」の一例である。
ここで、インクの粘度が20ミリパスカル秒以上になると、吐出部D内のインクが一定の負圧に保持されている待機状態において、1つの駆動パルスPL1では液滴DRを吐出できない可能性がある。高粘度のインクを吐出するために、駆動信号Vinの最高電位と最低電位の差を大きくすることが考えられるが、物理的に限界がある。また、キャビティー320の排除体積を大きくすることが考えられるが、キャビティー320の容量を大きくすると、吐出部Dの構造物が、この構造物に加えられる力によって変形しやすくなる、即ち、吐出部D内の流路のコンプライアンスが大きくなる。排除体積は、振動板310の振動による圧力室の体積の変動量を意味する。吐出部D内の流路のコンプライアンスが大きくなると、圧電素子PZの変異によって発生する圧力変動が、吐出部Dの構造物の変形により緩和されやすくなるため、液滴DRを吐出しにくくなる。更に、キャビティー320の容量を大きくすると、圧電素子PZの変異によって発生する圧力が、インクの圧縮により吸収されやすくなるため、液滴DRを吐出しにくくなる。
そこで、第1実施形態によれば、波形PH1を有する駆動信号Vin1により液柱LC6が形成されている場合に、波形PH2を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSに形成させる液柱を成長させて、液柱LC8を構成するインクの一部又は全部を液滴DRとして吐出させることができる。
また、波形PH2を有し波形PH1を有さない駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合における駆動信号Vinに含まれる波形PH2の駆動成分DC7を圧電素子PZに供給した際のノズルN内のインクの圧力の負圧側への変動量である第1減少量は、波形PH1及び波形PH2を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合における駆動信号Vinに含まれる波形PH2の駆動成分DC7を圧電素子PZに供給した際のノズルN内のインクの圧力の負圧側への変動量である第2減少量と略等しい。また、波形PH2を有し波形PH1を有さない駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合における駆動信号Vinに含まれる波形PH2の駆動成分DC8を圧電素子PZに供給した際のノズル内のインクの圧力の正圧側への変動量である第1増加量は、波形PH1及び波形PH2を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合における駆動信号Vinに含まれる波形PH2の駆動成分DC8を圧電素子PZに供給した際のノズルN内のインクの圧力の正圧側への変動量である第2増加量と略等しい。
インクの粘度が高くなると、残留振動の減衰が早くなる。従って、波形PH1を圧電素子PZに供給した後、波形PH2を圧電素子PZに供給する時点で波形PH1による残留振動が減衰してしまい、波形PH2を、波形PH1による残留振動に同期させて、共振を発生させることができない。第1実施形態では、上述の第1減少量と第2減少量とが略等しく、更に、第1増加量と第2増加量とが略等しいため、波形PH1による残留振動と波形PH2により生じる圧力振動とが共振していない。しかしながら、第1実施形態では、複数回の駆動パルスPLによって、メニスカスMSに形成させる液柱を形成させることにより液滴DRを吐出させるため、波形PH1による残留振動に共振させるように波形PH2を発生するように波形PH1と波形PH2とを調整せず、複数回の駆動パルスPLによって、メニスカスMSを形成させるように調整する。従って、第1実施形態によれば、高粘度のインクであっても、波形PH1及び波形PH2により、メニスカスMSに形成させる液柱を形成させることにより液滴DRを吐出させることができる。
インクの粘度が高くなると、残留振動の減衰が早くなる。従って、波形PH1を圧電素子PZに供給した後、波形PH2を圧電素子PZに供給する時点で波形PH1による残留振動が減衰してしまい、波形PH2を、波形PH1による残留振動に同期させて、共振を発生させることができない。第1実施形態では、上述の第1減少量と第2減少量とが略等しく、更に、第1増加量と第2増加量とが略等しいため、波形PH1による残留振動と波形PH2により生じる圧力振動とが共振していない。しかしながら、第1実施形態では、複数回の駆動パルスPLによって、メニスカスMSに形成させる液柱を形成させることにより液滴DRを吐出させるため、波形PH1による残留振動に共振させるように波形PH2を発生するように波形PH1と波形PH2とを調整せず、複数回の駆動パルスPLによって、メニスカスMSを形成させるように調整する。従って、第1実施形態によれば、高粘度のインクであっても、波形PH1及び波形PH2により、メニスカスMSに形成させる液柱を形成させることにより液滴DRを吐出させることができる。
波形PH1を有する駆動信号Vin1に続いて波形PH2を有する駆動信号Vin2を圧電素子PZに供給した場合の波形PH2の駆動成分DC7を圧電素子PZに供給した際の、吐出部D内のメニスカスMSのうち+Z方向に最も引き込まれた部分の位置である引き込み位置Zp4は、波形PH1を有する駆動信号Vin1を圧電素子PZに供給することなく波形PH2を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合の波形PH2の駆動成分DC7を圧電素子PZに供給した際の、メニスカスMSのうち+Z方向に最も引き込まれた部分に相当する引き込み位置Zp1よりも、+Z方向に位置する。
このように、第1実施形態では、複数の駆動パルスPLを圧電素子PZに供給することによって、メニスカスMSのうち+Z方向に最も引き込まれた部分が、-Z方向に移動するため、メニスカスMSに形成される液柱も-Z方向に移動する。液柱が-Z方向に移動することにより、液柱の-Z方向の先端が初期位置Z0から-Z方向に離れていくため、液柱の一部又は全部が分離しやすくなり、液柱から分離した液滴DRを吐出できる。
このように、第1実施形態では、複数の駆動パルスPLを圧電素子PZに供給することによって、メニスカスMSのうち+Z方向に最も引き込まれた部分が、-Z方向に移動するため、メニスカスMSに形成される液柱も-Z方向に移動する。液柱が-Z方向に移動することにより、液柱の-Z方向の先端が初期位置Z0から-Z方向に離れていくため、液柱の一部又は全部が分離しやすくなり、液柱から分離した液滴DRを吐出できる。
また、第2のステップは、液柱LC8の先端が-Z方向に移動している場合に、駆動信号Vinの駆動パルスPL5が有する駆動成分DC9を圧電素子PZに供給する。
液柱LC8の先端が-Z方向に移動している場合に、駆動成分DC9を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、液柱LC9から液滴DRが引きちぎれる。本実施形態によれば、駆動成分DC9を有さない駆動信号Vinを圧電素子PZに供給する態様と比較して、より安定した吐出を実現できる。
液柱LC8の先端が-Z方向に移動している場合に、駆動成分DC9を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、液柱LC9から液滴DRが引きちぎれる。本実施形態によれば、駆動成分DC9を有さない駆動信号Vinを圧電素子PZに供給する態様と比較して、より安定した吐出を実現できる。
波形PH1は、駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3を含む。駆動パルスPL1は、駆動成分DC1と駆動成分DC2とを含む。駆動パルスPL2は、駆動成分DC3と、駆動成分DC4とを含む。駆動パルスPL3は、駆動成分DC5と、駆動成分DC6とを含む。
図8~図17を参照して説明したように、駆動態様α1を指定する個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した際のメニスカスMSの挙動が示すように、高粘度のインクでは、1つの駆動パルスPLのみではノズルNから液滴DRを吐出させる程度の圧力変動を吐出部Dに生じさせることができない。つまり、複数の駆動パルスPLを連続して圧電素子PZに供給して、キャビティー320の内部の圧力の減少及び増加を繰り返すことで、メニスカスMSに液柱が形成され、更に当該液柱が成長し、液柱の一部又は全部を液滴DRとしてノズルNから-Z方向に飛翔させることができる。
本実施形態では、波形PH1は、3つの駆動パルスPLを有するため、1つの駆動パルスPLでは液滴DRを吐出できない場合であっても、2つ、又は3つの駆動パルスPLを有する波形PH1を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSに形成させる液柱を成長させることができ、波形PH2により液柱LC8を構成するインクの一部又は全部を液滴DRとして吐出させることができる。
図21及び図22を参照して説明したように、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxが不吐出記録期間Tu-Nであった場合、記録期間Tu[j]において波形PH2の駆動成分DC8が圧電素子PZに供給された後に液滴DRが吐出部Dから吐出されるように、駆動パルスPL2及び駆動パルスPL3、又は駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3を含む駆動信号Vinが記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される。
図8~図17を参照して説明したように、駆動態様α1を指定する個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した際のメニスカスMSの挙動が示すように、高粘度のインクでは、1つの駆動パルスPLのみではノズルNから液滴DRを吐出させる程度の圧力変動を吐出部Dに生じさせることができない。つまり、複数の駆動パルスPLを連続して圧電素子PZに供給して、キャビティー320の内部の圧力の減少及び増加を繰り返すことで、メニスカスMSに液柱が形成され、更に当該液柱が成長し、液柱の一部又は全部を液滴DRとしてノズルNから-Z方向に飛翔させることができる。
本実施形態では、波形PH1は、3つの駆動パルスPLを有するため、1つの駆動パルスPLでは液滴DRを吐出できない場合であっても、2つ、又は3つの駆動パルスPLを有する波形PH1を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSに形成させる液柱を成長させることができ、波形PH2により液柱LC8を構成するインクの一部又は全部を液滴DRとして吐出させることができる。
図21及び図22を参照して説明したように、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxが不吐出記録期間Tu-Nであった場合、記録期間Tu[j]において波形PH2の駆動成分DC8が圧電素子PZに供給された後に液滴DRが吐出部Dから吐出されるように、駆動パルスPL2及び駆動パルスPL3、又は駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3を含む駆動信号Vinが記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される。
また、液体吐出ヘッドHUにおけるインクの粘度は、20ミリパスカル秒以上であり、好ましくは、40ミリパスカル秒である。インクの粘度が20ミリパスカル秒以上になると、波形PH2の1つの駆動パルスPL4だけでは液滴DRを吐出できない可能性があるが、波形PH2の前に波形PH1を有する本実施形態による駆動方法によって、20ミリパスカル秒以上の粘度を有するインクであっても、液滴DRを吐出できる。
波形PH1における最高電位と最低電位との差は、波形PH2における最高電位と最低電位との差と略等しい。より具体的には、波形PH1における最低電位と波形PH2における最低電位とが電位VL1であり略等しく、波形PH1における最高電位と波形PH2における最高電位とが基準電位V0であり略等しい。インクジェットプリンター1において実現可能な最高電位を、波形PH1及び波形PH2の最高電位とし、インクジェットプリンター1において実現可能な最低電位を、波形PH1及び波形PH2の最低電位とすることにより、高粘度のインクであっても、波形PH1により、メニスカスMSに液柱を成長させ、波形PH2において液滴DRを吐出させることができる。
1.9.2.駆動波形信号Comの適正条件のまとめ
以上説明したように、第1実施形態における液体吐出ヘッドHUは、前述した第1のステップと第2のステップとを有する駆動方法を実行する。波形PH1は、キャビティー320の内部の圧力を減少させる駆動成分DC1,DC3,DC5及びキャビティー320の内部の圧力を増加させる駆動成分DC2,DC4,DC6を有する3つの駆動パルスPLを有する。波形PH2は、キャビティー320の内部の圧力を減少させる駆動成分DC7,DC9及びキャビティー320の内部の圧力を増加させる駆動成分DC8,DC10を有する2つの駆動パルスPLを有する。波形PH2は、波形PH1の終了時点に開始される。波形PH1の駆動パルスPLのうち最も後の駆動パルスPL3と波形PH2の駆動パルスPLのうち最も前の駆動パルスPL4の間隔である期間Pw68は、吐出部Dの固有振動周期TCの1倍以上且つ2倍以下である。期間Pw68は、波形PH1が有する3つの駆動パルスPLのうち最も後の駆動パルスPL3が有する駆動成分DC6の供給が開始された時点tDC6から、波形PH2が有する2つの駆動パルスPLのうち最も前の駆動パルスPL4が有する駆動成分DC8の供給が開始された時点tDC8までの期間である。
期間Pw68が固有振動周期TCの1倍以上且つ2倍以下であることにより、期間Pw68が固有振動周期TCの1倍未満の態様、及び、期間Pw68が固有振動周期TCの2倍より大きい態様と比較して、吐出性能値を大きくできる。
なお、波形PH1が有する駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3が、「第1駆動パルス」の一例である。駆動成分DC1、DC3、及び、DC5が、「第1駆動成分」の一例である。駆動成分DC2、DC4、及び、DC6が、「第2駆動成分」の一例である。波形PH2が有する駆動パルスPL4及びPL5が、「第2駆動パルス」の一例である。駆動成分DC7及びDC9が、「第3駆動成分」の一例である。駆動成分DC8及びDC10が、「第4駆動成分」の一例である。期間Pw68は、「第1期間」に相当する。
以上説明したように、第1実施形態における液体吐出ヘッドHUは、前述した第1のステップと第2のステップとを有する駆動方法を実行する。波形PH1は、キャビティー320の内部の圧力を減少させる駆動成分DC1,DC3,DC5及びキャビティー320の内部の圧力を増加させる駆動成分DC2,DC4,DC6を有する3つの駆動パルスPLを有する。波形PH2は、キャビティー320の内部の圧力を減少させる駆動成分DC7,DC9及びキャビティー320の内部の圧力を増加させる駆動成分DC8,DC10を有する2つの駆動パルスPLを有する。波形PH2は、波形PH1の終了時点に開始される。波形PH1の駆動パルスPLのうち最も後の駆動パルスPL3と波形PH2の駆動パルスPLのうち最も前の駆動パルスPL4の間隔である期間Pw68は、吐出部Dの固有振動周期TCの1倍以上且つ2倍以下である。期間Pw68は、波形PH1が有する3つの駆動パルスPLのうち最も後の駆動パルスPL3が有する駆動成分DC6の供給が開始された時点tDC6から、波形PH2が有する2つの駆動パルスPLのうち最も前の駆動パルスPL4が有する駆動成分DC8の供給が開始された時点tDC8までの期間である。
期間Pw68が固有振動周期TCの1倍以上且つ2倍以下であることにより、期間Pw68が固有振動周期TCの1倍未満の態様、及び、期間Pw68が固有振動周期TCの2倍より大きい態様と比較して、吐出性能値を大きくできる。
なお、波形PH1が有する駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3が、「第1駆動パルス」の一例である。駆動成分DC1、DC3、及び、DC5が、「第1駆動成分」の一例である。駆動成分DC2、DC4、及び、DC6が、「第2駆動成分」の一例である。波形PH2が有する駆動パルスPL4及びPL5が、「第2駆動パルス」の一例である。駆動成分DC7及びDC9が、「第3駆動成分」の一例である。駆動成分DC8及びDC10が、「第4駆動成分」の一例である。期間Pw68は、「第1期間」に相当する。
また、期間Pw68は、固有振動周期TCの1.2倍以上且つ1.6倍以下である。期間Pw68が固有振動周期TCの1.2倍以上且つ1.6倍以下であることにより、期間Pw68が固有振動周期TCの1.2倍未満の態様、及び、期間Pw68が固有振動周期TCの1.6倍より大きい態様と比較して、吐出性能値を大きくできる。
また、波形PH1が有する駆動パルスPL1~PL3のパルスの間隔である期間Pw24及びPw46は、固有振動周期TCの1倍以上且つ2倍以下である。期間Pw24は、波形PH1が有する3つの駆動パルスPLのうち駆動パルスPL1が有する駆動成分DC2の供給が開始された時点tDC2から駆動パルスPL1の次の駆動パルスPL2が有する駆動成分DC4の供給が開始された時点tDC4までの期間である。期間Pw46は、波形PH1が有する3つの駆動パルスPLのうち駆動パルスPL2が有する駆動成分DC4の供給が開始された時点tDC4から駆動パルスPL2の次の駆動パルスPL3が有する駆動成分DC6の供給が開始された時点tDC6までの期間である。
期間Pw24及びPw46が固有振動周期TCの1倍以上且つ2倍以下であることにより、期間Pw24及びPw46が固有振動周期TCの1倍未満の態様、及び、期間Pw24及びPw46が固有振動周期TCの2倍より大きい態様と比較して、吐出性能値を大きくできる。
なお、期間Pw24及びPw46は、「第2期間」の一例である。期間Pw24が「第2期間」の一例である場合、駆動パルスPL1が「一の第1駆動パルス」に相当し、駆動パルスPL2が「一の第1駆動パルスの次の第1駆動パルス」に相当する。期間Pw46が「第2期間」の一例である場合、駆動パルスPL2が「一の第1駆動パルス」に相当し、駆動パルスPL3が「一の第1駆動パルスの次の第1駆動パルス」に相当する。
期間Pw24及びPw46が固有振動周期TCの1倍以上且つ2倍以下であることにより、期間Pw24及びPw46が固有振動周期TCの1倍未満の態様、及び、期間Pw24及びPw46が固有振動周期TCの2倍より大きい態様と比較して、吐出性能値を大きくできる。
なお、期間Pw24及びPw46は、「第2期間」の一例である。期間Pw24が「第2期間」の一例である場合、駆動パルスPL1が「一の第1駆動パルス」に相当し、駆動パルスPL2が「一の第1駆動パルスの次の第1駆動パルス」に相当する。期間Pw46が「第2期間」の一例である場合、駆動パルスPL2が「一の第1駆動パルス」に相当し、駆動パルスPL3が「一の第1駆動パルスの次の第1駆動パルス」に相当する。
また、期間Pw24及びPw46は、固有振動周期TCの1.2倍以上且つ1.6倍以下である。期間Pw24及びPw46が固有振動周期TCの1.2倍以上且つ1.6倍以下であることにより、期間Pw24及びPw46が固有振動周期TCの1.2倍未満の態様、及び、期間Pw24及びPw46が固有振動周期TCの1.6倍より大きい態様と比較して、吐出性能値を大きくできる。
1.9.3.駆動波形信号Comを用いた記録方法のまとめ
以上説明したように、第1実施形態における液体吐出ヘッドHUは、M個の吐出部Dを有する。吐出部Dは、圧電素子PZ、キャビティー320、及び、ノズルNを備える。圧電素子PZは、記録期間Tu[j]を含む複数の記録期間Tuの各々において供給される駆動信号Vin1及び駆動信号Vin2を含む駆動信号Vinに応じて変位する。制御部6は、第1のステップを有する記録方法を実行する。第1のステップは、記録期間Tu[j]でノズルNから液滴を吐出する場合、記録期間Tu[j]に先行する記録期間Tuである記録期間Tu[j-1]~Tu[j-3]において圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定する。第1のステップにおいて決定された波形を有する駆動信号Vinが、駆動信号Vin1に波形PH1を有し、駆動信号Vin2に波形PH2を有する場合、記録期間Tu[j]において、駆動信号Vin1を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC6を形成させ液柱LC6が形成されている場合に、駆動信号Vin2を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC8を形成させた後に、液柱LC8を構成するインクの一部又は全部を液滴として吐出させる。
例えば、吐出部Dの静止状態において、駆動態様α1を指定する個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合に、波形PH2を供給したタイミングで液滴DRを吐出する程度の粘度のインクにおいて、記録期間Tu[j]に先行する記録期間Tu[j-1]内に液滴DRを吐出した後、記録期間Tu[j]において、駆動態様α1を指定する個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinが圧電素子PZに供給されると、本来吐出すべきタイミングでない、例えば波形PH1を供給しているときに液滴DRが吐出され、印刷品質が劣化する可能性がある。
記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形によって、記録期間Tu[j]の開始時点におけるメニスカスMSの状態を推定できる。従って、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定することにより、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに近づくように吐出できるため、印刷品質の劣化を抑制できる。
なお、記録期間Tu[j]が、「第1の記録期間」の一例であり、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの決定に用いる記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tux、本実施形態では記録期間Tu[j-1]~Tu[j-3]が、「第1の記録期間に先行する所定の記録期間」の一例である。
以上説明したように、第1実施形態における液体吐出ヘッドHUは、M個の吐出部Dを有する。吐出部Dは、圧電素子PZ、キャビティー320、及び、ノズルNを備える。圧電素子PZは、記録期間Tu[j]を含む複数の記録期間Tuの各々において供給される駆動信号Vin1及び駆動信号Vin2を含む駆動信号Vinに応じて変位する。制御部6は、第1のステップを有する記録方法を実行する。第1のステップは、記録期間Tu[j]でノズルNから液滴を吐出する場合、記録期間Tu[j]に先行する記録期間Tuである記録期間Tu[j-1]~Tu[j-3]において圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定する。第1のステップにおいて決定された波形を有する駆動信号Vinが、駆動信号Vin1に波形PH1を有し、駆動信号Vin2に波形PH2を有する場合、記録期間Tu[j]において、駆動信号Vin1を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC6を形成させ液柱LC6が形成されている場合に、駆動信号Vin2を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC8を形成させた後に、液柱LC8を構成するインクの一部又は全部を液滴として吐出させる。
例えば、吐出部Dの静止状態において、駆動態様α1を指定する個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合に、波形PH2を供給したタイミングで液滴DRを吐出する程度の粘度のインクにおいて、記録期間Tu[j]に先行する記録期間Tu[j-1]内に液滴DRを吐出した後、記録期間Tu[j]において、駆動態様α1を指定する個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinが圧電素子PZに供給されると、本来吐出すべきタイミングでない、例えば波形PH1を供給しているときに液滴DRが吐出され、印刷品質が劣化する可能性がある。
記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形によって、記録期間Tu[j]の開始時点におけるメニスカスMSの状態を推定できる。従って、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定することにより、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに近づくように吐出できるため、印刷品質の劣化を抑制できる。
なお、記録期間Tu[j]が、「第1の記録期間」の一例であり、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの決定に用いる記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tux、本実施形態では記録期間Tu[j-1]~Tu[j-3]が、「第1の記録期間に先行する所定の記録期間」の一例である。
記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの決定に用いる記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxは、記録期間Tu[j]の開始時に終了する記録期間Tu[j-1]を含む。記録期間Tu[j]の開始前に終了する2以上の記録期間Tuのうち、記録期間Tu[j]の開始時点のメニスカスMSに最も影響を与えるのは、記録期間Tu[j-1]において圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形である。従って、記録期間Tu[j-1]を含む記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxの個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間Tu[j]の個別指定信号Sd[m]を決定することにより、記録期間Tu[[j-1]を含まない記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuの個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間Tu[j]の個別指定信号Sd[m]を決定する態様と比較して、印刷品質の劣化をより抑制できる。
なお、記録期間Tu[j-1]が「第2の記録期間」の一例である。
なお、記録期間Tu[j-1]が「第2の記録期間」の一例である。
「駆動波形信号Comを用いた記録方法のまとめ」節における第1のステップにおいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの決定に用いる、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxは、記録期間[j-1]を含み、記録期間Tu[j]の開始前に終了する連続する記録期間Tu[j-1]~Tu[j-3]を含む。
記録期間Tu[j]の開始時点のメニスカスMSに最も影響を与えるのは、記録期間Tu[j-1]において圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形であるが、記録期間Tu[j-1]より前の記録期間Tuにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形も、記録期間Tu[j]の開始時点のメニスカスMSに影響を与える。従って、本実施形態によれば、記録期間Tu[j-1]において圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形のみに基づいて記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定する態様と比較して、記録期間Tu[j]の開始時点におけるメニスカスMSの状態をより精度よく推定できるため、印刷品質の劣化をより抑制できる。
なお、記録期間Tu[j-1]~Tu[j-3]は、「第2の記録期間を含み、第1の記録期間の開始前に終了する連続する2以上の記録期間」の一例である。
記録期間Tu[j]の開始時点のメニスカスMSに最も影響を与えるのは、記録期間Tu[j-1]において圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形であるが、記録期間Tu[j-1]より前の記録期間Tuにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形も、記録期間Tu[j]の開始時点のメニスカスMSに影響を与える。従って、本実施形態によれば、記録期間Tu[j-1]において圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形のみに基づいて記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定する態様と比較して、記録期間Tu[j]の開始時点におけるメニスカスMSの状態をより精度よく推定できるため、印刷品質の劣化をより抑制できる。
なお、記録期間Tu[j-1]~Tu[j-3]は、「第2の記録期間を含み、第1の記録期間の開始前に終了する連続する2以上の記録期間」の一例である。
「駆動波形信号Comを用いた記録方法のまとめ」節における第1のステップは、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1の波形を決定する。
駆動信号Vin1の波形を調整することによって、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに近づくように吐出できるため、印刷品質の劣化をより抑制できる。
駆動信号Vin1の波形を調整することによって、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに近づくように吐出できるため、印刷品質の劣化をより抑制できる。
また、「駆動波形信号Comを用いた記録方法のまとめ」節における第1のステップは、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの決定に用いる、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1に波形PH1が含まれるか否かを決定する。
また、「駆動波形信号Comを用いた記録方法のまとめ」節における第1のステップは、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの決定に用いる、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1に波形PH1を含むと決定した場合、更に波形PH1に含まれる駆動パルスPLの個数を決定する。
本実施形態のように、駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数を調整する態様は、駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの最低電位及び最高電位を調整する態様と比較して容易な構成により実現できる。駆動パルスPLの最低電位及び最高電位を調整する態様は、例えば、以下の構成により実現できる。駆動波形信号生成回路2が、第1の駆動波形信号Com-Aと第2の駆動波形信号Com-Bとを生成する。第1の駆動波形信号Com-Aの駆動信号Vin1に対応する駆動パルスPLの最低電位と最高電位との差は、第2の駆動波形信号Com-Bの駆動信号Vin1に対応する駆動パルスPLの最低電位と最高電位との差より大きい。切替回路10は、第1の駆動波形信号Com-A及び第2の駆動波形信号Com-Bのうちの一方を、圧電素子PZに供給する。しかしながら、上述の構成は、駆動波形信号Comの種類を増やそうとすると駆動波形生成回路が大型化し、本実施形態と比較して、より複雑な構成となる。また、インクジェットプリンター1において圧電素子PZに供給可能な最低電位と最高電位とには限界があるが、上述のとおり、複数の駆動パルスPLを圧電素子PZに供給することで、キャビティー320の内部の圧力の減少及び増加を繰り返すことで、高粘度のインクであっても液柱を成長させ液滴DRとして吐出させることができる。
従って、本実施形態によれば、駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの最低電位及び最高電位を調整する態様と比較して、より容易な構成によって、記録期間Tu[j]の開始時点におけるメニスカスMSの状態に合った駆動信号Vin1の波形を生成できる。
また、「駆動波形信号Comを用いた記録方法のまとめ」節における第1のステップは、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの決定に用いる、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1に波形PH1を含むと決定した場合、更に波形PH1に含まれる駆動パルスPLの個数を決定する。
本実施形態のように、駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数を調整する態様は、駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの最低電位及び最高電位を調整する態様と比較して容易な構成により実現できる。駆動パルスPLの最低電位及び最高電位を調整する態様は、例えば、以下の構成により実現できる。駆動波形信号生成回路2が、第1の駆動波形信号Com-Aと第2の駆動波形信号Com-Bとを生成する。第1の駆動波形信号Com-Aの駆動信号Vin1に対応する駆動パルスPLの最低電位と最高電位との差は、第2の駆動波形信号Com-Bの駆動信号Vin1に対応する駆動パルスPLの最低電位と最高電位との差より大きい。切替回路10は、第1の駆動波形信号Com-A及び第2の駆動波形信号Com-Bのうちの一方を、圧電素子PZに供給する。しかしながら、上述の構成は、駆動波形信号Comの種類を増やそうとすると駆動波形生成回路が大型化し、本実施形態と比較して、より複雑な構成となる。また、インクジェットプリンター1において圧電素子PZに供給可能な最低電位と最高電位とには限界があるが、上述のとおり、複数の駆動パルスPLを圧電素子PZに供給することで、キャビティー320の内部の圧力の減少及び増加を繰り返すことで、高粘度のインクであっても液柱を成長させ液滴DRとして吐出させることができる。
従って、本実施形態によれば、駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの最低電位及び最高電位を調整する態様と比較して、より容易な構成によって、記録期間Tu[j]の開始時点におけるメニスカスMSの状態に合った駆動信号Vin1の波形を生成できる。
記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの決定に用いる、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxは、記録期間Tu[j-1]を含む。「駆動波形信号Comを用いた記録方法のまとめ」節の第1のステップは、記録期間Tu[j-1]に吐出部Dから液滴DRを吐出しない場合における、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの第1の個数が、記録期間Tu[j-1]に吐出部Dから液滴DRを吐出する場合における、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスの第2の個数よりも多くなるように、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1の波形を決定する。
記録期間Tu[j-1]が不吐出記録期間Tu-Nである第1の状況において記録期間Tu[j]の開始時点のメニスカスMSに形成される液柱は、記録期間Tu[j-1]が吐出記録期間Tu-Dである第2の状況において記録期間Tu[j]の開始時点のメニスカスMSに形成される液柱より小さい。従って、第1の状況において液滴DRを本来吐出すべきタイミングに吐出させるには、第2の状況と比較して、より多くの駆動パルスPLを有する駆動信号Vin1を圧電素子PZに供給する必要がある。従って、第1の個数が第2の個数より多くなるように、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1の波形を決定することにより、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに吐出できる。
記録期間Tu[j-1]が不吐出記録期間Tu-Nである第1の状況において記録期間Tu[j]の開始時点のメニスカスMSに形成される液柱は、記録期間Tu[j-1]が吐出記録期間Tu-Dである第2の状況において記録期間Tu[j]の開始時点のメニスカスMSに形成される液柱より小さい。従って、第1の状況において液滴DRを本来吐出すべきタイミングに吐出させるには、第2の状況と比較して、より多くの駆動パルスPLを有する駆動信号Vin1を圧電素子PZに供給する必要がある。従って、第1の個数が第2の個数より多くなるように、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vin1の波形を決定することにより、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに吐出できる。
記録期間Tu[j]でノズルNから液滴を吐出する場合、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinにおける駆動信号Vin2は、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの決定に用いる、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形によらず、予め定められた波形PH2を有する。従って、記録期間Tu[j]の開始時点におけるメニスカスMSの状態に合った駆動信号Vinを生成する場合には、駆動信号Vin1の波形のみを調整すればよく、駆動信号Vin2の波形を調整しなくてよい。
1.9.4.駆動信号VinとメニスカスMSとの関係のまとめ
以上説明したように、液体吐出ヘッドHUは、以下に示す第1のステップと第2のステップとを有する駆動方法を実行するとも言える。第1のステップは、波形PH1を有する駆動信号を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが吐出方向に突出した液柱LC6を形成する。第2のステップは、液柱LC6が形成されている場合に、波形PH2を有する駆動信号を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC8を形成した後に、液柱LC8を構成するインクの一部又は全部を液滴DRとして吐出させる。波形PH2は、キャビティー320の内部の圧力を減少させる駆動成分DC7と、キャビティー320の内部の圧力を増加させる駆動成分DC8と、を含む。第2のステップにおいて、液柱LC8が形成される前に、駆動成分DC7を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC7を形成する。第2のステップにおいて、液柱LC7が形成されている場合に、駆動成分DC8を圧電素子PZに供給することにより、液柱LC8を形成する。
第1実施形態によれば、液柱LC6が形成されている場合に、駆動成分DC7を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSに形成させる液柱を成長させることができ、更に、液柱LC7が形成されている場合に、駆動成分DC8を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、液柱LC8を構成するインクの一部又は全部を液滴DRとして吐出させることができる。
なお、「駆動信号VinとメニスカスMSとの関係のまとめ」節において、波形PH1が、「第1波形」の一例である。波形PH2が、「第2波形」の一例である。駆動成分DC7が、「第1の引き込み駆動成分」の一例である。駆動成分DC8が、「第1の押し込み駆動成分」の一例である。液柱LC6は、「第1の液柱」の一例である。液柱LC7は、「第3の液柱」の一例である。液柱LC8が、「第2の液柱」の一例である。
以上説明したように、液体吐出ヘッドHUは、以下に示す第1のステップと第2のステップとを有する駆動方法を実行するとも言える。第1のステップは、波形PH1を有する駆動信号を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが吐出方向に突出した液柱LC6を形成する。第2のステップは、液柱LC6が形成されている場合に、波形PH2を有する駆動信号を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC8を形成した後に、液柱LC8を構成するインクの一部又は全部を液滴DRとして吐出させる。波形PH2は、キャビティー320の内部の圧力を減少させる駆動成分DC7と、キャビティー320の内部の圧力を増加させる駆動成分DC8と、を含む。第2のステップにおいて、液柱LC8が形成される前に、駆動成分DC7を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC7を形成する。第2のステップにおいて、液柱LC7が形成されている場合に、駆動成分DC8を圧電素子PZに供給することにより、液柱LC8を形成する。
第1実施形態によれば、液柱LC6が形成されている場合に、駆動成分DC7を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSに形成させる液柱を成長させることができ、更に、液柱LC7が形成されている場合に、駆動成分DC8を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、液柱LC8を構成するインクの一部又は全部を液滴DRとして吐出させることができる。
なお、「駆動信号VinとメニスカスMSとの関係のまとめ」節において、波形PH1が、「第1波形」の一例である。波形PH2が、「第2波形」の一例である。駆動成分DC7が、「第1の引き込み駆動成分」の一例である。駆動成分DC8が、「第1の押し込み駆動成分」の一例である。液柱LC6は、「第1の液柱」の一例である。液柱LC7は、「第3の液柱」の一例である。液柱LC8が、「第2の液柱」の一例である。
波形PH1は、キャビティー320の内部の圧力を減少させる第1駆動成分とキャビティー320の内部の圧力を増加させる第2駆動成分とを有する3つの駆動パルスPLを有する。「駆動信号VinとメニスカスMSとの関係のまとめ」節の第1のステップは、波形PH1が有する3つの駆動パルスPLのうち最も前の駆動パルスPL1が有する駆動成分DC1を有する駆動信号を圧電素子PZに供給した場合に、吐出部D内の凹曲面形状を有する液面を+Z方向に向かって引き込み、波形PH1が有する3つの駆動パルスPLのうち最も後の駆動パルスPL3が有する駆動成分DC5を有する駆動信号を圧電素子PZに供給することにより、-Z方向に突出した液柱LC5を形成したメニスカスMSを、+Z方向に向かって引き込む。
第1実施形態によれば、波形PH1の最初の駆動パルスPL1の駆動成分DC1を有する駆動信号を圧電素子PZに供給した状態では、メニスカスMSに液柱が生成されておらず、メニスカスMSの中央部分が+Z方向側にへこんだ凹曲面形状であるが、駆動パルスPL1の駆動成分DC2、駆動パルスPL2の駆動成分DC3及びDC4を圧電素子PZに供給することにより、駆動パルスPL3の駆動成分DC5を圧電素子PZに供給することで、メニスカスMSの中央部分に液柱LC5を形成できる。
なお、「駆動信号VinとメニスカスMSとの関係のまとめ」節において、駆動成分DC1、DC3、及び、DC5が、「第1駆動成分」の一例である。駆動成分DC2、DC4、及び、DC6が、「第2駆動成分」の一例である。液柱LC5を形成したメニスカスMSが、「第1波形が有する複数の駆動パルスのうち最も後の駆動パルスが有する第1駆動成分を駆動素子に供給することにより、吐出方向に突出した液面」の一例である。
第1実施形態によれば、波形PH1の最初の駆動パルスPL1の駆動成分DC1を有する駆動信号を圧電素子PZに供給した状態では、メニスカスMSに液柱が生成されておらず、メニスカスMSの中央部分が+Z方向側にへこんだ凹曲面形状であるが、駆動パルスPL1の駆動成分DC2、駆動パルスPL2の駆動成分DC3及びDC4を圧電素子PZに供給することにより、駆動パルスPL3の駆動成分DC5を圧電素子PZに供給することで、メニスカスMSの中央部分に液柱LC5を形成できる。
なお、「駆動信号VinとメニスカスMSとの関係のまとめ」節において、駆動成分DC1、DC3、及び、DC5が、「第1駆動成分」の一例である。駆動成分DC2、DC4、及び、DC6が、「第2駆動成分」の一例である。液柱LC5を形成したメニスカスMSが、「第1波形が有する複数の駆動パルスのうち最も後の駆動パルスが有する第1駆動成分を駆動素子に供給することにより、吐出方向に突出した液面」の一例である。
「駆動信号VinとメニスカスMSとの関係のまとめ」節の第1のステップは、波形PH1が有する3つの駆動パルスPLのうち最も前の駆動パルスPL1と最も後の駆動パルスPL3との間の駆動パルスPL2が有する駆動成分DC3を有する駆動信号を圧電素子PZに供給することにより、液柱LC3を形成したメニスカスMSを、+Z方向に向かって引き込む。駆動パルスPL2の駆動成分DC3による液柱LC3は、駆動パルスPL3の駆動成分DC5による液柱LC6よりも小さい。
このように、駆動パルスPLを繰り返し圧電素子PZに供給することにより、液柱を徐々に大きく成長できる。液柱を大きく成長することによって、高粘度のインクであっても、波形PH2を圧電素子PZに供給した際に液滴DRを吐出できる。
なお、液柱LC3は、「第4の液柱」の一例である。
このように、駆動パルスPLを繰り返し圧電素子PZに供給することにより、液柱を徐々に大きく成長できる。液柱を大きく成長することによって、高粘度のインクであっても、波形PH2を圧電素子PZに供給した際に液滴DRを吐出できる。
なお、液柱LC3は、「第4の液柱」の一例である。
2.変形例
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
2.1.第1変形例
第1実施形態において、記録期間Tu[j]が不吐出記録期間Tu-Nである場合、制御部6は、駆動態様α5の個別指定信号Sd[m]を生成するが、駆動態様α5以外の駆動態様の個別指定信号Sd[m]を生成してもよい。
第1実施形態において、記録期間Tu[j]が不吐出記録期間Tu-Nである場合、制御部6は、駆動態様α5の個別指定信号Sd[m]を生成するが、駆動態様α5以外の駆動態様の個別指定信号Sd[m]を生成してもよい。
図24は、第1変形例において個別指定信号Sd[m]が取り得る5つの駆動態様を説明するための図である。第1変形例において、個別指定信号Sd[m]は、駆動態様α1から駆動態様α4までと、駆動態様α6との5つの駆動態様のうち、何れか1つの駆動態様を指定する信号である。駆動態様α6の個別指定信号Sd[m]は、吐出部D[m]に液滴を吐出させない場合に生成される。すなわち、第1変形例において、吐出部D[m]に液滴を吐出させない場合、制御部6が、駆動態様α5の個別指定信号Sd[m]の替わりに、駆動態様α6の個別指定信号Sd[m]を生成する点で、第1実施形態と異なる。駆動態様α6の個別指定信号Sd[m]を示す値は、(0,0,0,1,0)である。接続状態指定回路11は、個別指定信号Sd[m]が駆動態様α6を示す場合、制御期間Tcu1、制御期間Tcu2、制御期間Tcu3、及び、制御期間Tcu5において、接続状態指定信号SLa[m]をローレベルに設定し、制御期間Tcu4において、接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルに設定する。
図25は、第1変形例における駆動波形信号Comを用いた記録方法の具体例を示す図である。第1実施形態で示した図23と比較すると、第1変形例では、液滴DRを吐出しない記録期間Tuにおける個別指定信号Sd[m]が、駆動態様α5から駆動態様α6に置き換わっている。より具体的には、図25の2段目に示す記録期間Tu[2]と、図25の3段目に示す記録期間Tu[2]及び記録期間Tu[3]と、図25の4段目に示す記録期間Tu[2]、記録期間Tu[3]、及び記録期間Tu[4]とにおける個別指定信号Sd[m]が、駆動態様α5から駆動態様α6に置き換わっている。
第1変形例によれば、不吐出記録期間Tu-Nである記録期間Tu[j]においても、液滴DRを吐出しない程度の駆動パルスPLを圧電素子PZに供給することにより、不吐出記録期間Tu-Nの次の記録期間Tu[j+1]の開始時点におけるメニスカスMSに、液柱を維持させる、又は記録期間Tu[j]において液柱を形成し易くできる。この次の記録期間Tu[j+1]が吐出記録期間Tu-Dである場合、記録期間Tu[j-1]でのメニスカスMSの変動を利用できる。
第1変形例では、不吐出記録期間Tu-Nにおいて、液滴DRを吐出しない程度の駆動パルスPLとして、駆動パルスPL4を有する駆動信号Vin2を圧電素子PZに供給する駆動パルスPLとして選択するが、選択する駆動パルスPLは、これに限らない。例えば、駆動パルスPL1、PL2、PL3、PL4、及び、PL5のうち、何れか1つの駆動パルスPLを選択してもよいし、複数の駆動パルスPLを選択してもよい。但し、不吐出記録期間Tu-Nである記録期間Tu[j]で選択する駆動パルスPLは、次の記録期間[j+1]の駆動パルスPL4に近い駆動パルスPLであることが好ましい。次の記録期間Tu[j+1]が吐出記録期間Tu-Dである場合、記録期間Tu[j+1]の液滴DRの吐出タイミングである波形PH2に含まれる駆動パルスPL4に近い駆動パルスPLを不吐出記録期間Tu-Nである記録期間Tu[j]の駆動信号Vinに選択することにより、記録期間Tu[j]内で選択された駆動パルスPLと、記録期間Tu[j+1]で選択される駆動パルスPLとの間隔が短くなり、記録期間Tu[j]でメニスカスMSに形成される液柱、又はメニスカスMSの変動を、記録期間Tu[j+1]において利用できる可能性が高くなるためである。更に、不吐出記録期間Tu-Nである記録期間Tu[j]の直前の記録期間Tu[j-1]が吐出記録期間Tu-Dである場合、記録期間Tu[j-1]の液滴DRの吐出タイミングである波形PH2に含まれる駆動パルスPL4から離れた駆動パルスPLを記録期間Tu[j]の駆動信号Vinに選択することにより、記録期間Tu[j-1]において液滴DRを吐出した後に形成される液柱、又はメニスカスMSの変動によって、この不吐出記録期間Tu-Nである記録期間Tu[j]に液滴DRが吐出してしまうことを抑制できる。
また、記録期間Tu[j]でノズルNから液滴を吐出しない場合、記録期間Tu[j]において、ノズルNから液滴を吐出しない程度にキャビティー320の内部のインクの圧力を増減させるように、駆動パルスPL1、PL2、及びPL3のうち少なくとも1つを含む波形PH1、及び、駆動パルスPL4及びPL5のうち少なくとも1つを含む波形PH2、のうち少なくとも一方を有する駆動信号Vinを、圧電素子PZに供給する。以上の処理により、ノズルNから液滴を吐出しない記録期間Tu[j]においても、吐出部D内のインクに波形PH1及び波形PH2のうち少なくとも一方を有する駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、記録期間Tu[j]において吐出部D内のインクの振動を維持し、記録期間Tu[j+1]で当該振動を利用することができる。なお、記録期間Tu[j+1]でノズルNから液滴DRを吐出する場合において、記録期間Tu[j]において記録期間Tu[j+1]により近い波形PH2により振動を与えられている場合は、記録期間Tu[j]において波形PH1のみにより振動を与えられている場合よりも、記録期間Tu[j+1]において記録期間Tu[j]で与えられた振動が小さくなる前に利用できる。また、記録期間Tu[j-1]でノズルNから液滴DRが吐出されていた場合、記録期間Tu[j]において記録期間Tu[j+1]により近い波形PH1を含まない駆動信号Vinを供給した場合の方が、記録期間Tu[j]においても吐出してしまうことを防止することができる。
2.2.第2変形例
第1実施形態及び第1変形例において、記録期間Tu[j]が不吐出記録期間Tu-Nである場合、制御部6は、常に同一の駆動態様の個別指定信号Sd[m]を生成するが、複数の不吐出記録期間Tu-Nの間で、互いに異なる駆動態様の個別指定信号Sd[m]を生成してもよい。
第1実施形態及び第1変形例において、記録期間Tu[j]が不吐出記録期間Tu-Nである場合、制御部6は、常に同一の駆動態様の個別指定信号Sd[m]を生成するが、複数の不吐出記録期間Tu-Nの間で、互いに異なる駆動態様の個別指定信号Sd[m]を生成してもよい。
図26は、第2変形例において個別指定信号Sd[m]が取り得る6つの駆動態様を説明するための図である。第2変形例において、個別指定信号Sd[m]は、駆動態様α1から駆動態様α4までと、駆動態様α7と、駆動態様α8との6つの駆動態様のうち、何れか1つの駆動態様を指定する信号である。駆動態様α7の個別指定信号Sd[m]及び駆動態様α8の個別指定信号Sd[m]は、吐出部D[m]に液滴を吐出させない場合に生成される。すなわち、第2変形例において、吐出部D[m]に液滴を吐出させない場合、制御部6が、駆動態様α5の個別指定信号Sd[m]の替わりに、駆動態様α7の個別指定信号Sd[m]、又は、駆動態様α8の個別指定信号Sd[m]を生成する点で、第1実施形態と異なる。
駆動態様α7の個別指定信号Sd[m]を示す値は、(0,1,0,0,0)である。接続状態指定回路11は、個別指定信号Sd[m]が駆動態様α7を示す場合、制御期間Tcu1、制御期間Tcu3、制御期間Tcu4、及び、制御期間Tcu5において、接続状態指定信号SLa[m]をローレベルに設定し、制御期間Tcu2において、接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルに設定する。駆動態様α8の個別指定信号Sd[m]を示す値は、(1,0,1,0,0)である。接続状態指定回路11は、個別指定信号Sd[m]が駆動態様α8を示す場合、制御期間Tcu2、制御期間Tcu4、及び、制御期間Tcu5において、接続状態指定信号SLa[m]をローレベルに設定し、制御期間Tcu1及び制御期間Tcu3において、接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルに設定する。
駆動態様α7の個別指定信号Sd[m]及び駆動態様α8の個別指定信号Sd[m]の何れかを生成するかについて、第2変形例では、連続する不吐出記録期間Tu-Nがある状況を想定する。制御部6は、連続する不吐出記録期間Tu-Nのうち、k番目の不吐出記録期間Tu-Nにおいて駆動態様α7の個別指定信号Sd[m]を生成し、k+1番目の不吐出記録期間Tu-Nにおいて駆動態様α8の個別指定信号Sd[m]を生成する。変数kは、1から連続する不吐出記録期間Tu-Nまでの整数である。
図27は、第2変形例における駆動波形信号Comを用いた記録方法の具体例を示す図である。第1実施形態で示した図23と比較すると、第2変形例では、液滴DRを吐出しない記録期間Tuにおける個別指定信号Sd[m]が、駆動態様α5から駆動態様α7又は駆動態様α8に置き換わっている。より具体的には、図27の2段目に示す記録期間Tu[2]と、図27の3段目に示す記録期間Tu[2]と、図27の4段目に示す記録期間Tu[2]及び記録期間Tu[4]とにおける個別指定信号Sd[m]が、駆動態様α5から駆動態様α7に置き換わっており、図27の3段目に示す記録期間Tu[3]及び図27の4段目に示す記録期間Tu[3]における個別指定信号Sd[m]が、駆動態様α5から駆動態様α8に置き換わっている。なお、制御部6が、不吐出記録期間Tu-Nにおける個別指定信号Sd[m]に、駆動態様α5~α8から何れかを選択する態様とすることもできる。また、更に、不吐出記録期間Tu-Nに供給する駆動信号Vinとして、駆動パルスPL1~PL4から1つ以上の駆動パルスPLを含む態様とすることもできる。
第2変形例に示すように、制御部6は、不吐出記録期間Tu-Nに液滴DRを吐出させない程度で、不吐出記録期間Tu-Nに供給される駆動パルスPLの個数を調整してもよい。駆動パルスPLの個数の具体的な個数について、インクジェットプリンター1の設計者は、実験により、粘度と駆動パルスPLの個数との関係を特定し、インクの粘度と駆動パルスPLの個数との関係を示すテーブル、又は、インクの粘度から駆動パルスPLの個数を算出する計算式を、記憶部5に記憶させる。
また、第2変形例の変形例として、制御部6は、不吐出記録期間Tu-Nに液滴DRを吐出させない程度で、不吐出記録期間Tu-Nに供給される駆動パルスPLを変化させてもよい。例えば、制御部6は、連続する不吐出記録期間Tu-Nのうち、k番目の不吐出記録期間Tu-Nにおいて、駆動パルスPL3のみを有する駆動信号Vinを生成させる個別指定信号Sd[m]を生成し、k+1番目の不吐出記録期間Tu-Nにおいて、駆動パルスPL4のみを有する駆動信号Vinを生成させる個別指定信号Sd[m]を生成してもよい。変数kは、1から連続する不吐出記録期間Tu-Nまでの整数である。
2.3.第3変形例
第1実施形態、第1変形例、及び、第2変形例では、インクの粘度が、圧電素子PZに基準電位V0が供給されている吐出部Dの静止状態であってメニスカスMSの位置が初期位置Z0に静止している状態において、1つの記録期間Tu[i]内に駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合に、1つの記録期間Tu[i]内に液滴DRを吐出できる程度であったが、インクの粘度が、記録期間Tu[i]内に駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合でも、1つの記録期間Tu[i]内にインクを吐出できない程の高粘度である場合もある。第3変形例では、印刷処理が記録期間Tu[1]から開始する場合、記録期間Tu[1]の直前に、印字外微振動を発生させる駆動信号を圧電素子PZに供給することにより記録期間Tu[1]に液滴DRを吐出することを可能にし、その後は、記録期間Tu[j-1]のメニスカスMSに形成される液柱、又はメニスカスMSの変動を利用することにより記録期間Tu[j]に液滴DRを吐出することを可能にする。
第1実施形態、第1変形例、及び、第2変形例では、インクの粘度が、圧電素子PZに基準電位V0が供給されている吐出部Dの静止状態であってメニスカスMSの位置が初期位置Z0に静止している状態において、1つの記録期間Tu[i]内に駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合に、1つの記録期間Tu[i]内に液滴DRを吐出できる程度であったが、インクの粘度が、記録期間Tu[i]内に駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合でも、1つの記録期間Tu[i]内にインクを吐出できない程の高粘度である場合もある。第3変形例では、印刷処理が記録期間Tu[1]から開始する場合、記録期間Tu[1]の直前に、印字外微振動を発生させる駆動信号を圧電素子PZに供給することにより記録期間Tu[1]に液滴DRを吐出することを可能にし、その後は、記録期間Tu[j-1]のメニスカスMSに形成される液柱、又はメニスカスMSの変動を利用することにより記録期間Tu[j]に液滴DRを吐出することを可能にする。
図28は、第3変形例において液滴DRを吐出する場合の駆動信号Vinを説明するための図である。図28の1段目に示す吐出態様は、印刷処理の最初の記録期間Tu[1]及びそれに続く記録期間Tu[2]に液滴DRを吐出する態様である。記録期間Tu[1]の直前の期間である期間Tbuにおいて、制御部6は、印字外微振動を発生させる駆動信号Vinを圧電素子PZに供給させる。これにより、吐出部D[m]には、期間Tbuにおいて、印字外微振動を発生させる駆動信号Vinが供給される。印字外微振動を発生させる駆動信号Vinは、キャビティー320の内部の圧力を減少させる駆動成分及びキャビティー320の内部の圧力を増加させる駆動成分を含むパルスを複数含む波形を含む。
記録期間Tu[1]に関して、制御部6は、駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[1]において、駆動パルスPL1、PL2、PL3、PL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給される。記録期間Tu[1]の開始時点において、印字外微振動によりメニスカスMSに液柱が形成される、又はメニスカスMSが変動しているので、吐出部Dは、記録期間Tu[1]に液滴DRを吐出できる。
記録期間Tu[2]に関して、制御部6は、駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[2]において、駆動パルスPL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給される。記録期間Tu[1]に駆動パルスPL1、PL2、PL3、PL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給されることにより、記録期間Tu[2]の開始時点においてメニスカスMSに液柱が形成される、又はメニスカスMSが変動しているので、吐出部Dは、記録期間Tu[1]に液滴DRを吐出できる。
記録期間Tu[1]に関して、制御部6は、駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[1]において、駆動パルスPL1、PL2、PL3、PL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給される。記録期間Tu[1]の開始時点において、印字外微振動によりメニスカスMSに液柱が形成される、又はメニスカスMSが変動しているので、吐出部Dは、記録期間Tu[1]に液滴DRを吐出できる。
記録期間Tu[2]に関して、制御部6は、駆動態様α2の個別指定信号Sd[m]を生成し、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。これにより、吐出部D[m]には、記録期間Tu[2]において、駆動パルスPL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給される。記録期間Tu[1]に駆動パルスPL1、PL2、PL3、PL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給されることにより、記録期間Tu[2]の開始時点においてメニスカスMSに液柱が形成される、又はメニスカスMSが変動しているので、吐出部Dは、記録期間Tu[1]に液滴DRを吐出できる。
図28の2段目に示す吐出態様は、記録期間Tu[1]及び記録期間Tu[3]に液滴DRを吐出し、記録期間Tu[2]に液滴DRを吐出しない態様である。期間Tbu及び記録期間Tu[1]については、図28の1段目に示す期間Tbu及び記録期間Tu[1]と同一であるため、説明を省略する。記録期間Tu[2]が不吐出記録期間Tu-Nであるため、液滴DRを吐出しない程度の駆動パルスPLを含む駆動信号Vin、例えば、駆動パルスPL2、及びPL3を有する駆動信号Vinが供給される。
記録期間Tu[3]に関して、先行する所定の記録期間Tuxが不吐出記録期間Tu-Nであるため、図28の1段目に示す直前の記録期間Tu[1]が吐出記録期間Tu-Dであった記録期間Tu[2]の場合よりも多くの駆動パルスPLを有する駆動信号Vin、例えば、駆動パルスPL3、PL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給される。記録期間Tu[2]に駆動パルスPL2及びPL3を有する駆動信号Vinが供給されることにより、記録期間Tu[3]の開始時点においてメニスカスMSに液柱が形成される、又はメニスカスMSが変動しているので、吐出部Dは、記録期間Tu[3]に液滴DRを吐出できる。
なお、第3変形例では、印刷処理の最初の記録期間Tu[1]においては、印字外微振動及び記録期間Tu[1]の駆動信号Vinに含まれる波形PH1が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1波形」の他の一例であり、記録期間Tu[1]の駆動信号Vinに含まれる波形PH2が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2波形」の他の一例である。また、印刷処理の最初の記録期間Tu[1]以降の記録期間Tuにおいては、記録期間Tu[j-1]の駆動信号Vin及び記録期間Tu[j]の駆動信号Vinに含まれる波形PH1が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1波形」の他の一例であり、記録期間Tu[j]の駆動信号Vinに含まれる波形PH2が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2波形」の他の一例である。また、印刷処理の最初の記録期間Tu[1]においては、印字外微振動を発生させる駆動信号Vinに含まれる複数のパルス、及び記録期間Tu[1]の駆動信号Vinに含まれる波形PH1に含まれる駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1駆動パルス」の他の一例であり、記録期間Tu[1]の駆動信号Vinに含まれる波形PH2に含まれる駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2駆動パルス」の他の一例である。また、印刷処理の最初の記録期間Tu[1]以降の記録期間Tuにおいては、記録期間Tu[j-1]の駆動信号Vinに含まれる駆動パルスPL及び記録期間Tu[j]の駆動信号Vinに含まれる波形PH1に含まれる駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1駆動パルス」の他の一例であり、記録期間Tu[j]の駆動信号Vinに含まれる波形PH2の駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2の波形」の他の一例である。
記録期間Tu[3]に関して、先行する所定の記録期間Tuxが不吐出記録期間Tu-Nであるため、図28の1段目に示す直前の記録期間Tu[1]が吐出記録期間Tu-Dであった記録期間Tu[2]の場合よりも多くの駆動パルスPLを有する駆動信号Vin、例えば、駆動パルスPL3、PL4及びPL5を有する駆動信号Vinが供給される。記録期間Tu[2]に駆動パルスPL2及びPL3を有する駆動信号Vinが供給されることにより、記録期間Tu[3]の開始時点においてメニスカスMSに液柱が形成される、又はメニスカスMSが変動しているので、吐出部Dは、記録期間Tu[3]に液滴DRを吐出できる。
なお、第3変形例では、印刷処理の最初の記録期間Tu[1]においては、印字外微振動及び記録期間Tu[1]の駆動信号Vinに含まれる波形PH1が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1波形」の他の一例であり、記録期間Tu[1]の駆動信号Vinに含まれる波形PH2が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2波形」の他の一例である。また、印刷処理の最初の記録期間Tu[1]以降の記録期間Tuにおいては、記録期間Tu[j-1]の駆動信号Vin及び記録期間Tu[j]の駆動信号Vinに含まれる波形PH1が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1波形」の他の一例であり、記録期間Tu[j]の駆動信号Vinに含まれる波形PH2が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2波形」の他の一例である。また、印刷処理の最初の記録期間Tu[1]においては、印字外微振動を発生させる駆動信号Vinに含まれる複数のパルス、及び記録期間Tu[1]の駆動信号Vinに含まれる波形PH1に含まれる駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1駆動パルス」の他の一例であり、記録期間Tu[1]の駆動信号Vinに含まれる波形PH2に含まれる駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2駆動パルス」の他の一例である。また、印刷処理の最初の記録期間Tu[1]以降の記録期間Tuにおいては、記録期間Tu[j-1]の駆動信号Vinに含まれる駆動パルスPL及び記録期間Tu[j]の駆動信号Vinに含まれる波形PH1に含まれる駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1駆動パルス」の他の一例であり、記録期間Tu[j]の駆動信号Vinに含まれる波形PH2の駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2の波形」の他の一例である。
2.4.第4変形例
第3変形例では、インクの粘度が、記録期間Tu[i]内に駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合でも、1つの記録期間Tu[i]内にインクを吐出できない程の高粘度である場合に、印刷処理の最初の記録期間Tu[1]の直前に印字外微振動を発生させる駆動信号を圧電素子PZに供給することにより記録期間Tu[1]に液滴DRを吐出する例を説明したが、これに限らない。第4変形例では、圧電素子PZに基準電位V0が供給されている吐出部Dの静止状態であってメニスカスMSの位置が初期位置Z0に静止している状態から、複数の記録期間Tu[i]にわたって駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、当該複数の記録期間Tu[i]で吐出部Dから1つの液滴DRを吐出することを可能とする。
第3変形例では、インクの粘度が、記録期間Tu[i]内に駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]に基づいた駆動信号Vinを圧電素子PZに供給した場合でも、1つの記録期間Tu[i]内にインクを吐出できない程の高粘度である場合に、印刷処理の最初の記録期間Tu[1]の直前に印字外微振動を発生させる駆動信号を圧電素子PZに供給することにより記録期間Tu[1]に液滴DRを吐出する例を説明したが、これに限らない。第4変形例では、圧電素子PZに基準電位V0が供給されている吐出部Dの静止状態であってメニスカスMSの位置が初期位置Z0に静止している状態から、複数の記録期間Tu[i]にわたって駆動信号Vinを圧電素子PZに供給することにより、当該複数の記録期間Tu[i]で吐出部Dから1つの液滴DRを吐出することを可能とする。
図29は、第4変形例において液滴DRを吐出する場合の駆動信号Vinを説明するための図である。複数の吐出部Dの間で吐出間隔、言い換えるとドット間隔を揃えるため、制御部6は、所定数の記録期間Tuを1ドットに対応させる。所定数は、2以上の整数である。図29では、所定数が2である例を示している。そして、制御部6は、液体吐出ヘッドHUの移動速度が、第1実施形態における液体吐出ヘッドHUの移動速度を所定数で除した値になるように、移動機構8を制御する。
図29において、記録期間Tu[i]の開始時点では、圧電素子PZに基準電位V0が供給されている吐出部Dの静止状態であってメニスカスMSの位置が初期位置Z0に静止している状態を想定する。2つの記録期間Tu[i]及び記録期間Tu[i+1]で1ドットの印刷をする。記録期間Tu[i]及び記録期間Tu[i+1]において、制御部6は、駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]を生成する。
続いて、記録期間Tu[i+1]に続く2つの記録期間Tu[i+2]及び記録期間Tu[i+3]でも1ドットの印刷をする。記録期間Tu[i+2]において、制御部6は、値(1,1,1,0,0)の個別指定信号Sd[m]を生成し、記録期間Tu[i+3]において、制御部6は、駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]を生成する。
なお、第4変形例では、記録期間Tu[i]での駆動信号Vin及び記録期間Tu[i+1]での駆動信号Vinに含まれる波形PH1が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1波形」の他の一例であり、記録期間Tu[i+1]での駆動信号Vinに含まれる波形PH2が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2波形」の他の一例である。また、記録期間Tu[i+2]での駆動信号Vin及び記録期間Tu[i+3]での駆動信号Vinに含まれる波形PH1が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1波形」の他の一例であり、記録期間Tu[i+3]での駆動信号Vinに含まれる波形PH2が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2波形」の他の一例である。また、記録期間Tu[i]での駆動信号Vinに含まれる駆動パルスPL及び記録期間Tu[i+1]での駆動信号Vinに含まれる波形PH1の駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1駆動パルス」の他の一例であり、記録期間Tu[i+1]での駆動信号Vinに含まれる波形PH2に含まれる駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2駆動パルス」の他の一例である。また、記録期間Tu[i+2]での駆動信号Vinに含まれる駆動パルスPL及び記録期間Tu[i+3]での駆動信号Vinに含まれる波形PH1に含まれる駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1駆動パルス」の他の一例であり、記録期間Tu[i+3]での駆動信号Vinに含まれる波形PH2に含まれる駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2駆動パルス」の他の一例である。
第1実施形態で説明したように、2つの記録期間Tu[j]及び記録期間Tu[j+1]で液滴DRを吐出させる場合、2つの記録期間Tu[j]及び記録期間Tu[j+1]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、2つの記録期間Tu[j]及び記録期間Tu[j+1]において圧電素子PZに供給する駆動信号Vinの波形を決定する。2つの記録期間Tu[i+2]及び記録期間Tu[i+3]に先行する記録期間Tu[i+1]では液滴DRを吐出させるため、記録期間Tu[i+2]での駆動信号Vinに含まれる駆動パルスPLの個数が、先行する期間で液滴DRの吐出がない記録期間Tu[i]での駆動信号Vinに含まれる駆動パルスPLの個数より少ない。
続いて、記録期間Tu[i+1]に続く2つの記録期間Tu[i+2]及び記録期間Tu[i+3]でも1ドットの印刷をする。記録期間Tu[i+2]において、制御部6は、値(1,1,1,0,0)の個別指定信号Sd[m]を生成し、記録期間Tu[i+3]において、制御部6は、駆動態様α1の個別指定信号Sd[m]を生成する。
なお、第4変形例では、記録期間Tu[i]での駆動信号Vin及び記録期間Tu[i+1]での駆動信号Vinに含まれる波形PH1が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1波形」の他の一例であり、記録期間Tu[i+1]での駆動信号Vinに含まれる波形PH2が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2波形」の他の一例である。また、記録期間Tu[i+2]での駆動信号Vin及び記録期間Tu[i+3]での駆動信号Vinに含まれる波形PH1が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1波形」の他の一例であり、記録期間Tu[i+3]での駆動信号Vinに含まれる波形PH2が、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2波形」の他の一例である。また、記録期間Tu[i]での駆動信号Vinに含まれる駆動パルスPL及び記録期間Tu[i+1]での駆動信号Vinに含まれる波形PH1の駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1駆動パルス」の他の一例であり、記録期間Tu[i+1]での駆動信号Vinに含まれる波形PH2に含まれる駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2駆動パルス」の他の一例である。また、記録期間Tu[i+2]での駆動信号Vinに含まれる駆動パルスPL及び記録期間Tu[i+3]での駆動信号Vinに含まれる波形PH1に含まれる駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第1駆動パルス」の他の一例であり、記録期間Tu[i+3]での駆動信号Vinに含まれる波形PH2に含まれる駆動パルスPLが、前述の実施形態及び変形例に記載された「第2駆動パルス」の他の一例である。
第1実施形態で説明したように、2つの記録期間Tu[j]及び記録期間Tu[j+1]で液滴DRを吐出させる場合、2つの記録期間Tu[j]及び記録期間Tu[j+1]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、2つの記録期間Tu[j]及び記録期間Tu[j+1]において圧電素子PZに供給する駆動信号Vinの波形を決定する。2つの記録期間Tu[i+2]及び記録期間Tu[i+3]に先行する記録期間Tu[i+1]では液滴DRを吐出させるため、記録期間Tu[i+2]での駆動信号Vinに含まれる駆動パルスPLの個数が、先行する期間で液滴DRの吐出がない記録期間Tu[i]での駆動信号Vinに含まれる駆動パルスPLの個数より少ない。
また、第4変形例において、第3変形例のように印刷処理の開始直前に、印字外微振動を発生させる駆動信号を圧電素子PZに供給することもできる。印刷処理の最初の記録期間Tu[1]の前に印字外微振動を発生させることにより、当該印字外微振動を発生させない場合より、1ドットに対応する記録期間Tuの数を少なくすることができ、液体吐出ヘッドHUの移動速度が遅くなることを抑制できる。
2.5.第5変形例
第1実施形態、及び、第1変形例から第4変形例までにおいて、記録期間Tu[j]で液滴DRを吐出させる場合は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定する、具体的には、所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において駆動態様α1~α4の何れを選択するかを決定していたがこれに限定されない。第5変形例では、インクの粘度に基づいて、駆動信号Vinの波形を決定する、具体的には駆動信号Vinに含まれる駆動パルスPLの個数を変化させてもよい。
第1実施形態、及び、第1変形例から第4変形例までにおいて、記録期間Tu[j]で液滴DRを吐出させる場合は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定する、具体的には、所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形に基づいて、記録期間Tu[j]において駆動態様α1~α4の何れを選択するかを決定していたがこれに限定されない。第5変形例では、インクの粘度に基づいて、駆動信号Vinの波形を決定する、具体的には駆動信号Vinに含まれる駆動パルスPLの個数を変化させてもよい。
図30は、第5変形例におけるインクジェットプリンター1aの構成の一例を示す機能ブロック図である。インクジェットプリンター1aは、粘度情報取得部9を有し、制御部6の替わりに制御部6aを有する点で、インクジェットプリンター1と相違する。
粘度情報取得部9は、液体吐出ヘッドHUにおける液体の粘度を示す粘度情報VIを取得する。粘度情報VIは、「物性情報」の一例である。
粘度情報取得部9は、例えば、以下に示す3つの方法の何れか1つの方法により、粘度情報VIを取得する。第1の方法において、粘度情報取得部9は、振動板310の残留振動の波形に基づいて、粘度情報VIを取得する。第2の方法において、粘度情報取得部9は、液体容器14が保持するインクの粘度情報VIを取得する。第3の方法において、ユーザーがインクの粘度情報VIを入力し、粘度情報取得部9は、ユーザーが入力した粘度情報VIを取得する。
制御部6aは、粘度情報VIに基づいて、駆動信号Vinの波形を決定する。具体的には、制御部6aは、粘度情報VIに基づいて、駆動信号Vin1に含まれる波形PH1の駆動パルスPLの個数を決定する。図31を用いて、駆動信号Vin1に含まれる波形PH1の駆動パルスPLの個数の決定例を説明する。
図31は、駆動信号Vin1に含まれる波形PH1の駆動パルスPLの個数の決定例を説明するための図である。図31に示すように、粘度情報VIが示す粘度が20ミリパスカル秒未満である場合、制御部6aは、駆動信号Vin1に含まれる波形PH1の駆動パルスPLの個数を0個に決定する。粘度情報VIが示す粘度が20ミリパスカル秒以上30ミリパスカル秒未満である場合、制御部6aは、駆動信号Vin1に含まれる波形PH1の駆動パルスPLの個数を1個に決定する。粘度情報VIが示す粘度が30ミリパスカル秒以上50ミリパスカル秒未満である場合、制御部6aは、駆動信号Vin1に含まれる波形PH1の駆動パルスPLの個数を2個に決定する。粘度情報VIが示す粘度が50ミリパスカル秒以上70ミリパスカル秒未満である場合、制御部6aは、駆動信号Vin1に含まれる波形PH1の駆動パルスPLの個数を3個に決定する。
駆動信号Vin1に含まれる波形PH1の駆動パルスPLの個数を1個と決定した場合、制御部6aは、駆動信号Vin1が有する波形を駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3のうちから選択された何れか1つの駆動パルスPLを有する波形PH1に決定する。例えば、駆動信号Vin1が有する波形を、駆動パルスPL3を有する波形PH1に決定する。
同様に、駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数を2個と決定した場合、制御部6aは、駆動信号Vin1が有する波形を駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3のうちから選択された何れか2つの駆動パルスPLを有する波形PH1に決定する。例えば、駆動信号Vin1が有する波形を、駆動パルスPL2及びPL3を有する波形PH1に決定する。
また、制御部6aは、粘度情報VIによらず、駆動信号Vin2が有する波形を波形PH2に決定する。
なお、駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3のうちから波形PH1に含める駆動パルスPLを選択する場合、波形PH2に近い駆動パルスPLを選択することで、波形PH2を圧電素子PZに供給した際にノズルNから液滴DRを吐出させやすくできる。
同様に、駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数を2個と決定した場合、制御部6aは、駆動信号Vin1が有する波形を駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3のうちから選択された何れか2つの駆動パルスPLを有する波形PH1に決定する。例えば、駆動信号Vin1が有する波形を、駆動パルスPL2及びPL3を有する波形PH1に決定する。
また、制御部6aは、粘度情報VIによらず、駆動信号Vin2が有する波形を波形PH2に決定する。
なお、駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3のうちから波形PH1に含める駆動パルスPLを選択する場合、波形PH2に近い駆動パルスPLを選択することで、波形PH2を圧電素子PZに供給した際にノズルNから液滴DRを吐出させやすくできる。
説明を図30に戻す。制御部6aは、波形を決定した駆動信号Vin1と、波形を決定した駆動信号Vin2とを含む駆動信号Vinが生成されるように、個別指定信号Sd[m]を生成する。例えば、駆動信号Vin1が駆動パルスPL3のみを有する波形PH1を含むと決定した場合、制御部6aは、図6に示す駆動態様α3の個別指定信号Sd[m]を生成する。制御部6aは、生成した個別指定信号Sd[m]を切替回路10に出力する。
なお、第5変形例において、更に第1実施形態で説明したように、記録期間Tu[j]で液滴DRを吐出させる場合は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形も考慮して、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定することもできる。
なお、第5変形例において、更に第1実施形態で説明したように、記録期間Tu[j]で液滴DRを吐出させる場合は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxにおいて圧電素子PZに供給された駆動信号Vinの波形も考慮して、記録期間Tu[j]において圧電素子PZに供給される駆動信号Vinの波形を決定することもできる。
2.5.1.第5変形例のまとめ
以上説明したように、第5変形例におけるインクジェットプリンター1aにおいて、制御部6は、第1のステップと第2のステップと第3のステップと第4のステップとを有する記録方法を実行する。第1のステップは、液体吐出ヘッドHUにおけるインクの粘度を示す粘度情報VIを取得する。第2のステップは、粘度情報VIに基づいて、駆動信号Vinの波形を決定する。第3のステップは、第2のステップにおいて決定された波形を有する駆動信号Vinのうち駆動信号Vin1に含まれる波形PH1を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC6を形成する。第4のステップは、液柱LC6が形成されている場合に、第2のステップにおいて決定された波形を有する駆動信号Vinのうち駆動信号Vin2に含まれる波形PH2を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC8を形成した後に、液柱LC8を構成する液体の一部又は全部を液滴DRとして吐出させる。
インクの粘度が低い状態にも関わらず波形PH1の駆動パルスPLの個数を多くすると、本来吐出すべきタイミングよりも早く液滴DRが吐出されてしまう。一方、インクの粘度が高い状態にも関わらず波形PH1の駆動パルスPLの個数を少なくすると、液滴DRを本来吐出すべきタイミングよりも遅く液滴DRが吐出されるか、液滴DRが吐出されなくなってしまう。
粘度情報VIが示す粘度に基づいて駆動信号Vinの波形を決定することにより、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに近づくように吐出できるため、印刷品質の劣化を抑制できる。
以上説明したように、第5変形例におけるインクジェットプリンター1aにおいて、制御部6は、第1のステップと第2のステップと第3のステップと第4のステップとを有する記録方法を実行する。第1のステップは、液体吐出ヘッドHUにおけるインクの粘度を示す粘度情報VIを取得する。第2のステップは、粘度情報VIに基づいて、駆動信号Vinの波形を決定する。第3のステップは、第2のステップにおいて決定された波形を有する駆動信号Vinのうち駆動信号Vin1に含まれる波形PH1を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC6を形成する。第4のステップは、液柱LC6が形成されている場合に、第2のステップにおいて決定された波形を有する駆動信号Vinのうち駆動信号Vin2に含まれる波形PH2を圧電素子PZに供給することにより、メニスカスMSが-Z方向に突出した液柱LC8を形成した後に、液柱LC8を構成する液体の一部又は全部を液滴DRとして吐出させる。
インクの粘度が低い状態にも関わらず波形PH1の駆動パルスPLの個数を多くすると、本来吐出すべきタイミングよりも早く液滴DRが吐出されてしまう。一方、インクの粘度が高い状態にも関わらず波形PH1の駆動パルスPLの個数を少なくすると、液滴DRを本来吐出すべきタイミングよりも遅く液滴DRが吐出されるか、液滴DRが吐出されなくなってしまう。
粘度情報VIが示す粘度に基づいて駆動信号Vinの波形を決定することにより、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに近づくように吐出できるため、印刷品質の劣化を抑制できる。
「第5変形例のまとめ」における第2のステップは、粘度情報VIに基づいて、駆動信号Vin1の波形を決定する。
駆動信号Vin1の波形を調整することによって、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに近づくように吐出できる。
駆動信号Vin1の波形を調整することによって、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに近づくように吐出できる。
「第5変形例のまとめ」節における第2のステップは、粘度情報VIに基づいて、駆動信号Vin1に含まれる波形PH1の駆動パルスPLの個数を決定する。
第1実施形態の「駆動波形信号Comを用いた記録方法のまとめ」節に記載したように、駆動パルスPLの個数を調整することは、駆動パルスPLの最低電位及び最高電位を調整する態様と比較して容易な構成となる。
従って、第5変形例によれば、より容易な構成によって、インクの粘度に合った駆動信号Vin1の波形を生成できる。
第1実施形態の「駆動波形信号Comを用いた記録方法のまとめ」節に記載したように、駆動パルスPLの個数を調整することは、駆動パルスPLの最低電位及び最高電位を調整する態様と比較して容易な構成となる。
従って、第5変形例によれば、より容易な構成によって、インクの粘度に合った駆動信号Vin1の波形を生成できる。
第5変形例において、駆動信号Vin2は、粘度情報VIによらず予め定められた波形PH2を有する。従って、インクの粘度に合った駆動信号Vinを生成する場合には、駆動信号Vin1の波形のみを調整すればよく、駆動信号Vin2の波形を調整しなくてよい。
「第5変形例のまとめ」節における第2のステップは、粘度情報VIが第1の粘度を示す場合において駆動信号Vin1に含まれる波形PH1の駆動パルスPLの第3の個数が、粘度情報VIが第1の粘度よりも低い第2の粘度を示す場合において駆動信号Vin1に含まれる波形PH1の駆動パルスPLの第4の個数よりも多くなるように、駆動信号Vin1の波形を決定する。
第1の粘度は第2の粘度より高いため、粘度情報VIが第1の粘度を示す場合、粘度情報VIが第2の粘度を示す場合と比較して、より多くの駆動パルスPLを有する駆動信号Vin1を圧電素子PZに供給する必要がある。従って、第3の個数が第4の個数より多くなるように、駆動信号Vin1の波形を決定することにより、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに吐出できる。
第1の粘度は第2の粘度より高いため、粘度情報VIが第1の粘度を示す場合、粘度情報VIが第2の粘度を示す場合と比較して、より多くの駆動パルスPLを有する駆動信号Vin1を圧電素子PZに供給する必要がある。従って、第3の個数が第4の個数より多くなるように、駆動信号Vin1の波形を決定することにより、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに吐出できる。
2.6.第6変形例
第5変形例において、物性情報の一例が、粘度情報VIであることを説明したが、物性情報は、粘度情報VIに限らない。例えば、物性情報は、インクの表面張力を示す情報、インクの体積弾性率を示す情報、及び、インクの比重を示す情報のうち何れか1つでもよい。
第5変形例において、物性情報の一例が、粘度情報VIであることを説明したが、物性情報は、粘度情報VIに限らない。例えば、物性情報は、インクの表面張力を示す情報、インクの体積弾性率を示す情報、及び、インクの比重を示す情報のうち何れか1つでもよい。
物性情報がインクの表面張力を示す情報である場合、制御部6は、インクの表面張力が第1の値を示す場合において駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数が、インクの表面張力が第1の値よりも小さい第2の値を示す場合において駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数よりも多くなるように、駆動信号Vin1の波形を決定する。
物性情報がインクの体積弾性率を示す情報である場合、制御部6は、インクの体積弾性率が第3の値を示す場合において駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数が、インクの体積弾性率が第3の値よりも低い第4の値を示す場合において駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数よりも多くなるように、駆動信号Vin1の波形を決定する。
物性情報がインクの比重を示す情報である場合、制御部6は、インクの体積弾性率が第5の値を示す場合において駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数が、インクの体積弾性率が第5の値よりも大きい第6の値を示す場合において駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数よりも多くなるように、駆動信号Vin1の波形を決定する。
2.7.第7変形例
第1実施形態、及び、第1変形例から第6変形例までにおいて、駆動波形信号Comは、駆動パルスPL4及びPL5を有する波形PH2を有したが、これに限らない。第7変形例における駆動波形信号Combは、駆動パルスPL4のみを有する波形PH2bを有する。
第1実施形態、及び、第1変形例から第6変形例までにおいて、駆動波形信号Comは、駆動パルスPL4及びPL5を有する波形PH2を有したが、これに限らない。第7変形例における駆動波形信号Combは、駆動パルスPL4のみを有する波形PH2bを有する。
図32は、第7変形例における駆動波形信号Combを説明するための図である。駆動波形信号Combは、波形PH1と、波形PH2bとを有する。波形PH2bは、駆動パルスPL4bを有する。駆動パルスPL4bは、駆動成分DC7と、駆動成分DC8bとを有する。駆動成分DC8bにおける単位期間当たりの電位の変化量は、駆動成分DC2、DC4、DC6における単位期間当たりの電位の変化量よりも大きいので、駆動成分DC8bを圧電素子PZに供給したことにより形成される液柱LC8の-Z方向に移動させるエネルギーが大きくなり、駆動パルスPL4bのあとに駆動パルスPLが存在しなくても、液柱の一部又は全部が液滴DRとして吐出される。
2.8.第8変形例
第1実施形態、及び、第1変形例から第7変形例までにおいて、波形PH1及び波形PH2に含まれる駆動パルスPLにおける最高電位と最低電位の電位差は電位差Vhであったが、これに限らない。波形PH1の電位差は、波形PH2の電位差の0.5倍以上あればよい。第8変形例では、波形PH2aに含まれる駆動パルスPL4aの電位差Vh2aが、波形PH1の駆動パルスPL1,PL2,PL3の電位差Vh1より大きく、波形PH2に含まれる駆動パルスPL5aの電位差Vh3aが、波形PH1の駆動パルスPL1,PL2,PL3の電位差Vh1より小さい。
第1実施形態、及び、第1変形例から第7変形例までにおいて、波形PH1及び波形PH2に含まれる駆動パルスPLにおける最高電位と最低電位の電位差は電位差Vhであったが、これに限らない。波形PH1の電位差は、波形PH2の電位差の0.5倍以上あればよい。第8変形例では、波形PH2aに含まれる駆動パルスPL4aの電位差Vh2aが、波形PH1の駆動パルスPL1,PL2,PL3の電位差Vh1より大きく、波形PH2に含まれる駆動パルスPL5aの電位差Vh3aが、波形PH1の駆動パルスPL1,PL2,PL3の電位差Vh1より小さい。
図33は、第8変形例における駆動波形信号Comaを説明するための図である。駆動波形信号Comaは、波形PH1と波形PH2aとを有する。波形PH2aは、駆動パルスPL4a及びPL5aを有する。駆動パルスPL5aは、駆動成分DC9a及びDC10aを有する。駆動パルスPL4aの最低電位は、電位VL2aである。電位VL2aは電位VL1より低い。駆動パルスPL4aの電位差は、電位差Vh2aである。電位差Vh2aは、駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3の電位差Vh1より大きい。より詳細には、駆動パルスPL4aの駆動成分DC7aは、開始時の電位が基準電位V0に設定されており、終了時の電位が電位VL2aに設定されている。駆動パルスPL4aの駆動成分DC8aは、開始時の電位が電位VL2aに設定されており、終了時の電位が基準電位V0に設定されている。また、駆動パルスPL5aの最低電位は、電位VL3aである。電位VL3aは電位VL1より高い。駆動パルスPL5aの電位差は、電位差Vh3aである。電位差Vh3aは、駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3の電位差Vh1より小さい。より詳細には、駆動パルスPL5aの駆動成分DC9aは、開始時の電位が基準電位V0に設定されており、終了時の電位が電位VL3aに設定されている。駆動パルスPL5aの駆動成分DC10aは、開始時の電位が電位VL3aに設定されており、終了時の電位が基準電位V0に設定されている。
波形PH1の駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3の電位差Vh1は、液柱が適切に成長し、かつ、ノズルNから無用なインクの漏れ出しをさせないことに適した任意の電位に設定することができる。なお、電位差Vh1が小さいと液柱を成長させることができないため、駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3の電位差Vh1は、波形PH2aの駆動パルスPL4aの電位差Vh2aの0.5倍以上あることが好ましい。
また、本変形例においては波形PH2aの駆動パルスPL5aの電位差Vh3aを電位差Vh1及び電位差Vh2aよりも小さくしている。このことにより、駆動パルスPL5aの駆動成分DC10aによってインクがノズルプレート330の-Z方向の面に滲み出す可能性を抑制できる。なお、駆動パルスPL5aの駆動成分DC10aによってインクがノズルプレート330の-Z方向の面に滲み出しにくい場合には、駆動パルスPL5aの電位差Vh3aを、電位差Vh2a以上にすることもできる。
なお、波形PH1の駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3の個々の電位差を異なる値に設定することもできる。
波形PH1の駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3の電位差Vh1は、液柱が適切に成長し、かつ、ノズルNから無用なインクの漏れ出しをさせないことに適した任意の電位に設定することができる。なお、電位差Vh1が小さいと液柱を成長させることができないため、駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3の電位差Vh1は、波形PH2aの駆動パルスPL4aの電位差Vh2aの0.5倍以上あることが好ましい。
また、本変形例においては波形PH2aの駆動パルスPL5aの電位差Vh3aを電位差Vh1及び電位差Vh2aよりも小さくしている。このことにより、駆動パルスPL5aの駆動成分DC10aによってインクがノズルプレート330の-Z方向の面に滲み出す可能性を抑制できる。なお、駆動パルスPL5aの駆動成分DC10aによってインクがノズルプレート330の-Z方向の面に滲み出しにくい場合には、駆動パルスPL5aの電位差Vh3aを、電位差Vh2a以上にすることもできる。
なお、波形PH1の駆動パルスPL1、PL2、及び、PL3の個々の電位差を異なる値に設定することもできる。
2.9.第9変形例
第1実施形態、及び、第1変形例から第7変形例までにおいて、波形PH1及び波形PH2に含まれる駆動パルスPLにおける最高電位と最低電位の電位差は、電位差Vhに略等しかったが、これに限らない。波形PH1の電位差は、波形PH2の電位差の0.5倍以上であればよい。第9変形例では、波形PH2に含まれる駆動パルスPL5の電位差が、波形PH1の電位差より大きい。
第1実施形態、及び、第1変形例から第7変形例までにおいて、波形PH1及び波形PH2に含まれる駆動パルスPLにおける最高電位と最低電位の電位差は、電位差Vhに略等しかったが、これに限らない。波形PH1の電位差は、波形PH2の電位差の0.5倍以上であればよい。第9変形例では、波形PH2に含まれる駆動パルスPL5の電位差が、波形PH1の電位差より大きい。
図34は、第9変形例における駆動波形信号Comcを説明するための図である。駆動波形信号Comcは、波形PH1と、波形PH2cとを有する。波形PH2cは、駆動パルスPL4及びPL5cを有する。駆動パルスPL5cは、駆動成分DC9c及びDC10cを有する。駆動パルスPL5cの最低電位は、電位VL2である。電位VL2は、電位VL1より低い。駆動パルスPL5cの電位差は、電位差Vh2である。より詳細には、駆動成分DC9cについて、開始時の電位が基準電位V0に設定されており、終了時の電位が電位VL2に設定されている。駆動成分DC10cについて、開始時の電位が電位VL2に設定されており、終了時の電位が基準電位V0に設定されている。電位差Vh2は、駆動パルスPL1、PL2、PL3、及びPL4の電位差Vhより大きい。駆動パルスPL5cの電位差Vh2が電位差Vhより大きいことにより、液柱LC9から液滴DRを引きちぎる力を大きくできる。
第9変形例によれば、波形PH1の電位差は、波形PH2cの電位差の0.5倍以上とすることにより、波形PH1の電位差と波形PH2の電位差とが略等しい態様と比較して、駆動波形信号Comの設計の自由度を向上できる。例えば、波形PH2の電位差が波形PH1の電位差より大きくすることにより、液柱LC9から液滴DRを引きちぎる力を大きくできる。より好ましくは、波形PH2cの駆動パルスPL5cは、液柱LC8の先端が-Z方向に移動している際に圧電素子PZに供給される駆動成分DC9cを有し、駆動パルスPL5cの最高電位と最低電位との差は、波形PH1における最高電位と最低電位との差より大きくすることにより、液柱LC9から液滴DRを引きちぎる力を大きくできる。
なお、駆動パルスPL5cは、「第2波形の第2駆動パルスに含まれる一の駆動パルス」の一例であり、駆動成分DC9cが「第2の液柱の先端が吐出方向に移動している際に駆動素子に供給される第3駆動成分」の一例である。
一方、波形PH1の電位差を波形PH2cの電位差より小さくすることにより、波形PH1を圧電素子PZに供給している際に吐出部Dから液滴DRが吐出せず、波形PH2cを圧電素子PZに供給した際に液滴DRを確実に吐出させることができる。また、波形PH2cの電位差が波形PH1の電位差より大きい場合に、波形PH2で液滴が過剰に吐出されないが、インクがノズルプレート330の-Z方向の面へ滲み出す可能性がある。波形PH1の電位差が波形PH2の電位差より大きくすることにより、インクがノズルプレート330の-Z方向の面へ滲み出す可能性を抑制できる。インクジェットプリンター1の設計者は、インクの粘度を考慮して、駆動波形信号Comを設計できる。
なお、駆動パルスPL5cは、「第2波形の第2駆動パルスに含まれる一の駆動パルス」の一例であり、駆動成分DC9cが「第2の液柱の先端が吐出方向に移動している際に駆動素子に供給される第3駆動成分」の一例である。
一方、波形PH1の電位差を波形PH2cの電位差より小さくすることにより、波形PH1を圧電素子PZに供給している際に吐出部Dから液滴DRが吐出せず、波形PH2cを圧電素子PZに供給した際に液滴DRを確実に吐出させることができる。また、波形PH2cの電位差が波形PH1の電位差より大きい場合に、波形PH2で液滴が過剰に吐出されないが、インクがノズルプレート330の-Z方向の面へ滲み出す可能性がある。波形PH1の電位差が波形PH2の電位差より大きくすることにより、インクがノズルプレート330の-Z方向の面へ滲み出す可能性を抑制できる。インクジェットプリンター1の設計者は、インクの粘度を考慮して、駆動波形信号Comを設計できる。
2.10.第10変形例
第1実施形態、及び、第1変形例から第9変形例までにおいて、駆動パルスPL5、PL5a、PL5cに含まれる駆動成分DC9、DC9a、DC9cの供給が開始された時点から駆動成分DC10、DC10a、DC10cの供給が終了された時点までの期間は、駆動波形信号Com、Coma、Comcに含まれる他の駆動パルスPLのうち何れの駆動パルスPLに含まれる1個目の駆動成分DC1,DC3、DC5、DC7の供給が開始された時点から2個目の駆動成分DC2,DC4、DC6、DC8の供給が終了された時点までの期間よりも長いが、これに限らない。
第1実施形態、及び、第1変形例から第9変形例までにおいて、駆動パルスPL5、PL5a、PL5cに含まれる駆動成分DC9、DC9a、DC9cの供給が開始された時点から駆動成分DC10、DC10a、DC10cの供給が終了された時点までの期間は、駆動波形信号Com、Coma、Comcに含まれる他の駆動パルスPLのうち何れの駆動パルスPLに含まれる1個目の駆動成分DC1,DC3、DC5、DC7の供給が開始された時点から2個目の駆動成分DC2,DC4、DC6、DC8の供給が終了された時点までの期間よりも長いが、これに限らない。
図35は、第10変形例における駆動波形信号Comdを説明するための図である。駆動波形信号Comdは、波形PH1と、波形PH2dとを有する。波形PH2dは、駆動パルスPL4及びPL5dを有する。駆動パルスPL5dは、駆動成分DC9dと、駆動成分DC10dとを有する。駆動成分DC9dの供給が開始された時点から駆動成分DC10dの供給が終了された時点までの期間Pw5は、例えば、駆動パルスPL1の駆動成分DC1の供給が開始された時点から駆動成分DC2の供給が終了された時点までの期間Pw1より短い。期間Pw5は、吐出部Dの固有振動周期TCより短い期間であって、例えば、固有振動周期TCの0.25倍である。期間Pw5が期間Pw1より短いことにより、液柱LC9から液滴DRを引きちぎるきっかけを生じることができる。
また、引きちぎりを発生させる駆動パルスPLは、駆動パルスPL5一つであるが、複数の駆動パルスPLであってもよい。
2.11.第11変形例
第1実施形態、及び、第1変形例から第10変形例までにおいて、駆動パルスPLの最高電位と初期電位とが同一であったが、最高電位と初期電位とが異なってもよい。
第1実施形態、及び、第1変形例から第10変形例までにおいて、駆動パルスPLの最高電位と初期電位とが同一であったが、最高電位と初期電位とが異なってもよい。
図36は、第11変形例における駆動波形信号Comeを説明するための図である。駆動波形信号Comeは、波形PH1eと、波形PH2eとを有する。波形PH1eは、駆動パルスPL1e、PL2、及び、PL3を有する。波形PH2eは、駆動パルスPL4及びPL5eを有する。
駆動パルスPL1eについて、開始時の電位が基準電位V0に設定されており、終了時の電位が最高電位VH1に設定されている。最高電位VH1は、基準電位V0より高い。駆動パルスPL1eは、駆動成分DC1e及びDC2を有する。駆動成分DC1eについて、開始時の電位が基準電位V0に設定されており、終了時の電位が最低電位VL1に設定されている。駆動パルスPL2、PL3、及び、PL4について、開始時の電位及び終了時の電位が最高電位VH1に設定されている。駆動パルスPL5eについて、開始時の電位が最高電位VH1に設定されており、終了時の電位が基準電位V0に設定されている。駆動パルスPL5eは、駆動成分DC9及びDC10eを有する。駆動成分DC10eについて、開始時の電位が最低電位VL1に設定されており、終了時の電位が基準電位V0に設定されている。
第11変形例によれば、駆動成分DC10eの最高電位と最低電位の電位差が、駆動成分DC10の最高電位と最低電位の電位差よりも小さいため、前述の実施形態及び変形例と比較して、無用な吐出を抑制できる。又は、実施形態では、駆動成分DC10によって液滴DRが吐出しないまでも、インクがノズルプレート330の-Z方向の面へ滲み出す可能性がある。第10変形例では、実施形態と比較して、インクがノズルプレート330の-Z方向の面へ滲み出すことを抑制できる。
2.12.第12変形例
第11変形例では、基準電位V0が最高電位VH1と最低電位VL1との間であったが、基準電位V0が最低電位VL1と一致してもよい。
第11変形例では、基準電位V0が最高電位VH1と最低電位VL1との間であったが、基準電位V0が最低電位VL1と一致してもよい。
図37は、第12変形例における駆動波形信号Comfを説明するための図である。駆動波形信号Comfは、波形PH1fと、波形PH2fとを有する。波形PH1fは、駆動パルスPL1f、PL2、及び、PL3を有する。波形PH2fは、駆動パルスPL4及びPL5fを有する。
駆動パルスPL1fについて、開始時の電位が基準電位V0に設定されており、終了時の電位が最高電位VH1に設定されている。最高電位VH1は、基準電位V0より高い。駆動パルスPL1fは、駆動成分DC2を有し、駆動成分DC1を有さない。駆動パルスPL2、PL3、及び、PL4について、開始時の電位及び終了時の電位が最高電位VH1に設定されている。駆動パルスPL5fについて、開始時の電位が最高電位VH1に設定されており、終了時の電位が基準電位V0に設定されている。駆動パルスPL5eは、駆動成分DC9を有し、駆動成分DC10を有さない。
第12変形例によれば、駆動成分DC10を有さないため、第10変形例と比較して、無用な吐出を抑制できる。又は、第11変形例であっても、駆動成分DC10によって液滴DRが吐出しないまでも、インクがノズルプレート330の-Z方向の面へ滲み出す可能性がある。第11変形例によれば、駆動成分DC10を有さないため、第10変形例と比較して、インクがノズルプレート330の-Z方向の面へ滲み出すことを抑制できる。
2.13.第13変形例
第1実施形態において、制御部6は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxとして、記録期間Tu[j-1]~Tu[j-3]の個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間[j]の個別指定信号Sd[m]の波形を決定したが、これに限らない。例えば、制御部6は、記録期間Tu[j-1]を含み、連続する2以上の記録期間Tuであって、記録期間Tu[j]の開始前に終了する2以上の記録期間Tuの個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間[j]の個別指定信号Sd[m]を決定してもよい。また、例えば、制御部6は、記録期間Tu[j-1]のみの個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間[j]の個別指定信号Sd[m]を決定してもよい。
第1実施形態において、制御部6は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxとして、記録期間Tu[j-1]~Tu[j-3]の個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間[j]の個別指定信号Sd[m]の波形を決定したが、これに限らない。例えば、制御部6は、記録期間Tu[j-1]を含み、連続する2以上の記録期間Tuであって、記録期間Tu[j]の開始前に終了する2以上の記録期間Tuの個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間[j]の個別指定信号Sd[m]を決定してもよい。また、例えば、制御部6は、記録期間Tu[j-1]のみの個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間[j]の個別指定信号Sd[m]を決定してもよい。
2.14.第14変形例
第14変形例において、制御部6は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxとして、記録期間Tu[j-1]を含む2以上の記録期間Tuの個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間Tu[j]の個別指定信号Sd[m]を決定することを記載したが、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxとして、記録期間Tu[j-1]を含まない1以上の記録期間Tuの個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間Tu[j]の個別指定信号Sd[m]を決定してもよい。
第14変形例において、制御部6は、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxとして、記録期間Tu[j-1]を含む2以上の記録期間Tuの個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間Tu[j]の個別指定信号Sd[m]を決定することを記載したが、記録期間Tu[j]に先行する所定の記録期間Tuxとして、記録期間Tu[j-1]を含まない1以上の記録期間Tuの個別指定信号Sd[m]に基づいて、記録期間Tu[j]の個別指定信号Sd[m]を決定してもよい。
2.15.第15変形例
制御部6は、記録期間Tu[j-1]を含み、記録期間[j]の開始前に終了する連続する2以上の記録期間Tuを含む所定の記録期間Tuxのうち、吐出部Dから液滴DRを吐出する記録期間Tuの個数と、吐出部Dから液滴DRを吐出しない記録期間Tuの個数との割合に基づいて、記録期間Tu[j]の駆動信号Vinの波形を決定してもよい。例えば、制御部6は、下記(3)式を算出する。
吐出割合=吐出部Dから液滴DRを吐出する記録期間Tuの個数/所定の記録期間Tuxの個数 (3)
制御部6は、記録期間Tu[j-1]を含み、記録期間[j]の開始前に終了する連続する2以上の記録期間Tuを含む所定の記録期間Tuxのうち、吐出部Dから液滴DRを吐出する記録期間Tuの個数と、吐出部Dから液滴DRを吐出しない記録期間Tuの個数との割合に基づいて、記録期間Tu[j]の駆動信号Vinの波形を決定してもよい。例えば、制御部6は、下記(3)式を算出する。
吐出割合=吐出部Dから液滴DRを吐出する記録期間Tuの個数/所定の記録期間Tuxの個数 (3)
そして、制御部6は、算出した吐出割合が第1の割合である場合の記録期間Tuの駆動パルスPLの個数を、吐出割合が第2の割合である場合の記録期間Tuの駆動パルスPLの個数よりも少なくする。第1の割合は、第2の割合より大きい。
吐出割合が多いと、記録期間Tu[j]の開始時点においてメニスカスMSに形成される液柱が大きくなる。従って、吐出割合に基づいて、記録期間Tu[j]の駆動信号Vinの波形を決定することにより、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに近づくように吐出できるため、印刷品質の劣化を抑制できる。
吐出割合が多いと、記録期間Tu[j]の開始時点においてメニスカスMSに形成される液柱が大きくなる。従って、吐出割合に基づいて、記録期間Tu[j]の駆動信号Vinの波形を決定することにより、液滴DRを本来吐出すべきタイミングに近づくように吐出できるため、印刷品質の劣化を抑制できる。
2.16.第16変形例
第1実施形態、第1変形例から第15変形例において、波形PH1は、3個の駆動パルスPLを有したが、これに限らなく、波形PH1は、1個の駆動パルスPLのみを有してもよいし、4以上の駆動パルスPLを有してもよい。波形PH1が4個以上の駆動パルスPLを有する場合において、第5変形例において、粘度情報VIが示す粘度が70ミリパスカル秒以上である場合、制御部6aは、駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数を4個以上に決定する。例えば、粘度情報VIが示す粘度が70ミリパスカル秒以上100ミリパスカル秒未満である場合、制御部6aは、駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数を4個に決定する。
第1実施形態、第1変形例から第15変形例において、波形PH1は、3個の駆動パルスPLを有したが、これに限らなく、波形PH1は、1個の駆動パルスPLのみを有してもよいし、4以上の駆動パルスPLを有してもよい。波形PH1が4個以上の駆動パルスPLを有する場合において、第5変形例において、粘度情報VIが示す粘度が70ミリパスカル秒以上である場合、制御部6aは、駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数を4個以上に決定する。例えば、粘度情報VIが示す粘度が70ミリパスカル秒以上100ミリパスカル秒未満である場合、制御部6aは、駆動信号Vin1に含まれる駆動パルスPLの個数を4個に決定する。
2.17.第17変形例
第1実施形態において、液柱は、メニスカスMSのうち、最も+Z方向の位置から-Z方向に突出する柱状又は錘状の液面であると既定したが、メニスカスMSから一時的に分離する液滴である場合、この液滴の柱状又は錘状の液面も、液柱としてもよい。メニスカスMSから一時的に分離する液滴とは、ある駆動成分DCの供給時には分離したが、次の駆動成分DCの供給時には結合する液滴のことである。具体的には、図14に示す液柱LC7は、メニスカスMSから一時的に分離することがある。分離した液柱LC7は、駆動成分DC8の供給によって、メニスカスMSに再び結合する。
第1実施形態において、液柱は、メニスカスMSのうち、最も+Z方向の位置から-Z方向に突出する柱状又は錘状の液面であると既定したが、メニスカスMSから一時的に分離する液滴である場合、この液滴の柱状又は錘状の液面も、液柱としてもよい。メニスカスMSから一時的に分離する液滴とは、ある駆動成分DCの供給時には分離したが、次の駆動成分DCの供給時には結合する液滴のことである。具体的には、図14に示す液柱LC7は、メニスカスMSから一時的に分離することがある。分離した液柱LC7は、駆動成分DC8の供給によって、メニスカスMSに再び結合する。
2.18.第18変形例
上述の各態様は、複数のキャビティー320が、1つのノズルNにインクを供給する態様にも適用できる。
上述の各態様は、複数のキャビティー320が、1つのノズルNにインクを供給する態様にも適用できる。
図38は、第18変形例における吐出部Dgの一例を示す図である。図38に示す図は、複数の吐出部Dgを、-Z方向に見た図である。説明の簡略化のため、図38では、圧電素子PZ、振動板310、ノズルプレート330、及び、キャビティプレート340の図示を省略している。吐出部Dgは、4個のキャビティー320と、連結流路321と、ノズルNとを有する。4個のキャビティー320は、図示しないインク共通液室を連通し、インクが供給される。連結流路321は、ノズルNに連通し、更に、-X方向において4個のキャビティー320のそれぞれに連通する。図38では、吐出部Dgが4個のキャビティー320を有するが、吐出部Dgは、2個のキャビティー320を有してもよいし、3個のキャビティー320を有してもよいし、5個以上のキャビティー320を有してもよい。1つの吐出部Dが有するキャビティー320の個数を増やすことにより、1つのノズルNに対するキャビティー320の排除体積を大きくできるため、第1実施形態と比較して、より高粘度のインクを吐出できる。
2.19.第19変形例
上述の各態様は、液体吐出ヘッドHUにインクを供給するとともに、液体吐出ヘッドHUから排出されるインクを液体吐出ヘッドHUへの再供給のために回収する循環機構を有するインクジェットプリンター1にも適用できる。
上述の各態様は、液体吐出ヘッドHUにインクを供給するとともに、液体吐出ヘッドHUから排出されるインクを液体吐出ヘッドHUへの再供給のために回収する循環機構を有するインクジェットプリンター1にも適用できる。
図39は、第19変形例における吐出部Dhの一例を示す図である。図39に示す図は、複数の吐出部Dgを、-Z方向に見た図である。説明の簡略化のため、図39では、圧電素子PZ、振動板310、ノズルプレート330、及び、キャビティプレート340の図示を省略している。吐出部Dhは、4個のキャビティー320と、連結流路321hと、ノズルNとを有する。連結流路321は、-X方向の端部において2個のキャビティー320に連通し、+X方向の端部において2個のキャビティー320と連結する。連結流路321の-X方向の端部に連通する2個のキャビティー320は、図示しない循環機構のインク供給部に連通し、インク供給部からインクが供給される。また、連結流路321の+X方向の端部に連通する2個のキャビティー320は、図示しない循環機構のインク回収液部に連通し、インクがインク回収部により回収されている。これにより、-X方向の2個のキャビティー320から、連結流路321を介して、-X方向側の2個のキャビティー320へとインクが循環している。
第19変形例も、1つのノズルNに対するキャビティー320の排除体積を大きくできるため、第1実施形態と比較して、より高粘度のインクを吐出できる。また、第18変形例は、循環機構により、キャビティー320及び連結流路321内のインクが増粘することが抑制される。
2.20.第20変形例
上述した各態様では、液体吐出ヘッドHUを収容する搬送体82を、X軸方向に往復同させるシリアル方式のインクジェットプリンター1を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。インクジェットプリンターは、複数のノズルNが、記録用紙Pの全幅に亘り分布する、ライン方式のインクジェットプリンターであってもよい。
上述した各態様では、液体吐出ヘッドHUを収容する搬送体82を、X軸方向に往復同させるシリアル方式のインクジェットプリンター1を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。インクジェットプリンターは、複数のノズルNが、記録用紙Pの全幅に亘り分布する、ライン方式のインクジェットプリンターであってもよい。
インクジェットプリンター1がライン方式である場合、第3変形例を適用してもよい。制御部6は、記録用紙Pの搬送速度が、第1実施形態に第20変形例を適用した場合の記録用紙Pの搬送速度を所定数で除した値になるように、搬送機構7を制御する。
2.21.第21変形例
上述の各態様において、「駆動素子」の一例が、圧電素子PZであるとしたが、圧電素子PZの替わりに発熱素子を有してもよい。
上述の各態様において、「駆動素子」の一例が、圧電素子PZであるとしたが、圧電素子PZの替わりに発熱素子を有してもよい。
2.22.第22変形例
上述した各態様で例示したインクジェットプリンターは、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置及びコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体吐出装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を吐出する液体吐出装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を吐出する液体吐出装置は、配線基板の配線及び電極を形成する製造装置として利用される。
上述した各態様で例示したインクジェットプリンターは、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置及びコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体吐出装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を吐出する液体吐出装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を吐出する液体吐出装置は、配線基板の配線及び電極を形成する製造装置として利用される。
3.付記
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
好適な態様である態様1に係る液体吐出ヘッドの駆動方法は、駆動信号が供給されることにより変位する駆動素子、前記駆動素子の変位に応じて内部の圧力が増減される圧力室、及び、前記圧力室に連通し前記圧力室の内部の圧力の増減に応じて前記圧力室の内部に充填された液体を液滴として吐出方向に吐出可能なノズル、を備える吐出部を有する液体吐出ヘッドの駆動方法であって、第1波形を有する駆動信号を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面が前記吐出方向に突出した第1の液柱を形成する第1のステップと、前記第1の液柱が形成されている場合に、第2波形を有する駆動信号を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面が前記吐出方向に突出した第2の液柱を形成させた後に、前記第2の液柱を構成する液体の一部又は全部を液滴として吐出させる第2のステップと、を有し、前記第2波形は、前記圧力室の内部の圧力を減少させる第1の引き込み駆動成分と、前記圧力室の内部の圧力を増加させる第1の押し込み駆動成分と、を含み、前記第2のステップにおいて、前記第2の液柱が形成される前に、前記第1の引き込み駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面に前記吐出方向に突出した第3の液柱を形成し、前記第2のステップにおいて、前記第3の液柱が形成されている場合に、前記第1の押し込み駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記第2の液柱を形成する。
態様1によれば、第1の液柱が形成されている場合に、第1の引き込み駆動成分を駆動素子に供給することにより、吐出方向に突出した第3の液柱を形成させることができ、更に、第3の液柱が形成されている場合に、第2波形に含まれる第1の押し込み駆動成分を圧電素子PZに供給することにより、第2の液柱を構成する液体の一部又は全部を液滴として吐出させることができる。
態様1によれば、第1の液柱が形成されている場合に、第1の引き込み駆動成分を駆動素子に供給することにより、吐出方向に突出した第3の液柱を形成させることができ、更に、第3の液柱が形成されている場合に、第2波形に含まれる第1の押し込み駆動成分を圧電素子PZに供給することにより、第2の液柱を構成する液体の一部又は全部を液滴として吐出させることができる。
態様1の具体例である態様2において、前記第1波形は、前記圧力室の内部の圧力を減少させる第1駆動成分と前記圧力室の内部の圧力を増加させる第2駆動成分とを有する複数の駆動パルスを有し、前記第1のステップは、前記第1波形が有する前記複数の駆動パルスのうち最も前の駆動パルスが有する前記第1駆動成分を前記駆動素子に供給した場合に、前記吐出部内の凹曲面形状を有する液面を前記吐出方向とは反対方向に向かって引き込み、前記第1波形が有する前記複数の駆動パルスのうち最も後の駆動パルスが有する前記第1駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出方向に突出した液面を、前記吐出方向とは反対方向に向かって引き込む。
態様2によれば、第1波形が有する複数の駆動パルスのうち最も前の駆動パルスが有する第1駆動成分を有する駆動信号を圧電素子PZに供給した状態では、吐出部内の液面に液柱が生成されておらず、吐出部内の中央部分が吐出方向とは反対方向にへこんだ凹曲面形状であるが、複数の駆動パルスのうち最も前の駆動パルスの第2駆動成分と、最も後の駆動パルスの第1駆動成分とを駆動素子に供給することにより、圧力室の内部の圧力を減少させる第1駆動成分が供給されているにも関わらず、液面の中央部分を吐出方向に突出できる。
態様2によれば、第1波形が有する複数の駆動パルスのうち最も前の駆動パルスが有する第1駆動成分を有する駆動信号を圧電素子PZに供給した状態では、吐出部内の液面に液柱が生成されておらず、吐出部内の中央部分が吐出方向とは反対方向にへこんだ凹曲面形状であるが、複数の駆動パルスのうち最も前の駆動パルスの第2駆動成分と、最も後の駆動パルスの第1駆動成分とを駆動素子に供給することにより、圧力室の内部の圧力を減少させる第1駆動成分が供給されているにも関わらず、液面の中央部分を吐出方向に突出できる。
態様2の具体例である態様3において、前記第1波形は、前記第1駆動成分と前記第2駆動成分とを有する3以上の駆動パルスを有し、前記第1のステップは、前記第1波形が有する前記3以上の駆動パルスのうち前記最も前の駆動パルスと前記最も後の駆動パルスとの間の駆動パルスが有する前記第1駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出方向に吐出した第4の液柱を形成した液面を、前記吐出方向とは反対方向に向かって引き込み、前記第4の液柱は、前記第1の液柱よりも小さい。
このように、駆動パルスを繰り返し圧電素子に供給することにより、液柱を徐々に大きく成長できる。液柱を大きく成長することによって、高粘度の液体であっても、第2波形を駆動素子に供給した際に液滴を吐出できる。
このように、駆動パルスを繰り返し圧電素子に供給することにより、液柱を徐々に大きく成長できる。液柱を大きく成長することによって、高粘度の液体であっても、第2波形を駆動素子に供給した際に液滴を吐出できる。
態様1から3までの何れか1つの態様の具体例である態様4において、前記液体吐出ヘッドにおける液体の粘度は、20ミリパスカル秒以上である。
液体の粘度が20ミリパスカル秒以上になると、1つの駆動パルスでは液滴を吐出できない可能性があるが、第2波形の前に第1波形を有する態様4による駆動方法によって、20ミリパスカル秒以上の粘度を有する液体であっても、液滴を吐出できる。
液体の粘度が20ミリパスカル秒以上になると、1つの駆動パルスでは液滴を吐出できない可能性があるが、第2波形の前に第1波形を有する態様4による駆動方法によって、20ミリパスカル秒以上の粘度を有する液体であっても、液滴を吐出できる。
態様1から4までの何れか1つの態様の具体例である態様5において、前記第1波形における最高電位と最低電位との差は、前記第2波形における最高電位と最低電位との差と略等しい。
液体吐出装置において実現可能な最高電位を、第1波形における最高電位及び第2波形の最高電位とし、液体吐出装置において実現可能な最低電位を、第1波形及び第2波形の最低電位とすることにより、高粘度の液体であっても、第1波形により、吐出部内の液面に液柱を成長させ、第2波形において液滴を吐出させることができる。
液体吐出装置において実現可能な最高電位を、第1波形における最高電位及び第2波形の最高電位とし、液体吐出装置において実現可能な最低電位を、第1波形及び第2波形の最低電位とすることにより、高粘度の液体であっても、第1波形により、吐出部内の液面に液柱を成長させ、第2波形において液滴を吐出させることができる。
好適な態様である態様6に係る液体吐出装置は、駆動信号が供給されることにより変位する駆動素子、前記駆動素子の変位に応じて内部の圧力が増減される圧力室、及び、前記圧力室に連通し前記圧力室の内部の圧力の増減に応じて前記圧力室の内部に充填された液体を液滴として吐出方向に吐出可能なノズル、を備える吐出部を有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、第1波形を有する駆動信号を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面が前記吐出方向に突出した第1の液柱を形成し、前記第1の液柱が形成されている場合に、第2波形を有する駆動信号を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面が前記吐出方向に突出した第2の液柱を形成させた後に、前記第2の液柱を構成する液体の一部又は全部を液滴として吐出させ、前記第2波形は、前記圧力室の内部の圧力を減少させる第1の引き込み駆動成分と、前記圧力室の内部の圧力を増加させる第1の押し込み駆動成分と、を含み、前記第2の液柱が形成される前に、前記第1の引き込み駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面に前記吐出方向に突出した第3の液柱を形成し、前記第3の液柱が形成されている場合に、前記第1の押し込み駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記第2の液柱を形成する。
態様6によれば、第1の液柱が形成されている場合に、第1の引き込み駆動成分第2波形を有する駆動信号を駆動素子に供給することにより、吐出方向に突出した第3の液柱を形成させることができ、更に、第3の液柱が形成されている場合に、第2波形に含まれる第1の押し込み駆動成分を圧電素子PZに供給することにより、第2の液柱を構成する液体の一部又は全部を液滴として吐出させることができる。
態様6によれば、第1の液柱が形成されている場合に、第1の引き込み駆動成分第2波形を有する駆動信号を駆動素子に供給することにより、吐出方向に突出した第3の液柱を形成させることができ、更に、第3の液柱が形成されている場合に、第2波形に含まれる第1の押し込み駆動成分を圧電素子PZに供給することにより、第2の液柱を構成する液体の一部又は全部を液滴として吐出させることができる。
1,1a…インクジェットプリンター、2…駆動波形信号生成回路、5…記憶部、6,6a…制御部、7…搬送機構、8…移動機構、9…粘度情報取得部、10…切替回路、11…接続状態指定回路、14…液体容器、81…無端ベルト、82…搬送体、310…振動板、320…キャビティー、321…連結流路、321h…連結流路、330…ノズルプレート、340…キャビティプレート、350…リザーバ、360…インク供給口、370…インク取入口、CH…チェンジ信号、CL…クロック信号、CPw…特性、Com,Coma,Comb,Comc,Comd,Come,Comf…駆動波形信号、D,Dg,Dh…吐出部、DC1~DC10,DC7a,DC8a,DC8b,DC9a,DC9c,DC9d,DC10a,DC10c,DC10d,DC10e…駆動成分、DR…液滴、G1,G2,G3,G4,G5…グラフ、HD…記録ヘッド、HU…液体吐出ヘッド、Img…印刷データ、LAT…ラッチ信号、LC2~LC10…液柱、LHa…内部配線、LHb…給電線、LPnm,LPnp,LVnm,LVnp…線分、MS…メニスカス、N…ノズル、P…記録用紙、PH,PH1,PH1e,PH1f,PH2,PH2a,PH2b,PH2c,PH2d,PH2e,PH2f…波形、PL,PL1,PL1e,PL1f,PL2,PL3,PL4,PL4a,PL4b,PL5,PL5a,PL5c,PL5d,PL5e,PL5f…駆動パルス、PZ…圧電素子、Pa1,Pa2…圧力変動特性、PlsC,PlsL…パルス、Pn1,Pn2…圧力変動特性、Pw,Pw1,Pw24,Pw46,Pw5,Pw68…期間、SI…印刷信号、SLa…接続状態指定信号、SWa…スイッチ、Sd…個別指定信号、TC…固有振動周期、Tbu…期間、Tcu1~Tcu5…制御期間、Tu…記録期間、V0…基準電位、Vbs…定電位、VH1…最高電位、VI…粘度情報、VL1…最低電位、VL2,VL2a,VL3a…電位、Vh,Vh1,Vh2,Vh2a,Vh3a…電位差、Vin,Vin1,Vin2…駆動信号、Vn3,Vn4…変動特性、Z0…初期位置、Zd…下部電極、Zm…圧電体、Zm1~Zm3…押し出し位置、Zp1~Zp4…引き込み位置、Zu…上部電極、dCom…波形指定信号、α1~α8…駆動態様。
Claims (6)
- 駆動信号が供給されることにより変位する駆動素子、前記駆動素子の変位に応じて内部の圧力が増減される圧力室、及び、前記圧力室に連通し前記圧力室の内部の圧力の増減に応じて前記圧力室の内部に充填された液体を液滴として吐出方向に吐出可能なノズル、を備える吐出部を有する液体吐出ヘッドの駆動方法であって、
第1波形を有する駆動信号を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面が前記吐出方向に突出した第1の液柱を形成する第1のステップと、
前記第1の液柱が形成されている場合に、第2波形を有する駆動信号を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面が前記吐出方向に突出した第2の液柱を形成させた後に、前記第2の液柱を構成する液体の一部又は全部を液滴として吐出させる第2のステップと、
を有し、
前記第2波形は、前記圧力室の内部の圧力を減少させる第1の引き込み駆動成分と、前記圧力室の内部の圧力を増加させる第1の押し込み駆動成分と、を含み、
前記第2のステップにおいて、前記第2の液柱が形成される前に、前記第1の引き込み駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面に前記吐出方向に突出した第3の液柱を形成し、
前記第2のステップにおいて、前記第3の液柱が形成されている場合に、前記第1の押し込み駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記第2の液柱を形成する、
ことを特徴とする駆動方法。 - 前記第1波形は、前記圧力室の内部の圧力を減少させる第1駆動成分と前記圧力室の内部の圧力を増加させる第2駆動成分とを有する複数の駆動パルスを有し、
前記第1のステップは、
前記第1波形が有する前記複数の駆動パルスのうち最も前の駆動パルスが有する前記第1駆動成分を前記駆動素子に供給した場合に、前記吐出部内の凹曲面形状を有する液面を前記吐出方向とは反対方向に向かって引き込み、
前記第1波形が有する前記複数の駆動パルスのうち最も後の駆動パルスが有する前記第1駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出方向に突出した液面を、前記吐出方向とは反対方向に向かって引き込む、
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動方法。 - 前記第1波形は、前記第1駆動成分と前記第2駆動成分とを有する3以上の駆動パルスを有し、
前記第1のステップは、
前記第1波形が有する前記3以上の駆動パルスのうち前記最も前の駆動パルスと前記最も後の駆動パルスとの間の駆動パルスが有する前記第1駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出方向に吐出した第4の液柱を形成した液面を、前記吐出方向とは反対方向に向かって引き込み、
前記第4の液柱は、前記第1の液柱よりも小さい、
ことを特徴とする請求項2に記載の駆動方法。 - 前記液体吐出ヘッドにおける液体の粘度は、20ミリパスカル秒以上である、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の駆動方法。 - 前記第1波形における最高電位と最低電位との差は、前記第2波形における最高電位と最低電位との差と略等しい、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の駆動方法。 - 駆動信号が供給されることにより変位する駆動素子、前記駆動素子の変位に応じて内部の圧力が増減される圧力室、及び、前記圧力室に連通し前記圧力室の内部の圧力の増減に応じて前記圧力室の内部に充填された液体を液滴として吐出方向に吐出可能なノズル、を備える吐出部を有する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
第1波形を有する駆動信号を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面が前記吐出方向に突出した第1の液柱を形成し、
前記第1の液柱が形成されている場合に、第2波形を有する駆動信号を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面が前記吐出方向に突出した第2の液柱を形成させた後に、前記第2の液柱を構成する液体の一部又は全部を液滴として吐出させ、
前記第2波形は、前記圧力室の内部の圧力を減少させる第1の引き込み駆動成分と、前記圧力室の内部の圧力を増加させる第1の押し込み駆動成分と、を含み、
前記第2の液柱が形成される前に、前記第1の引き込み駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記吐出部内の液面に前記吐出方向に突出した第3の液柱を形成し、
前記第3の液柱が形成されている場合に、前記第1の押し込み駆動成分を前記駆動素子に供給することにより、前記第2の液柱を形成する、
ことを特徴とする液体吐出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021038516A JP2022138567A (ja) | 2021-03-10 | 2021-03-10 | 液体吐出ヘッドの駆動方法、及び、液体吐出装置 |
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JP2021038516A JP2022138567A (ja) | 2021-03-10 | 2021-03-10 | 液体吐出ヘッドの駆動方法、及び、液体吐出装置 |
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JP2021038516A Pending JP2022138567A (ja) | 2021-03-10 | 2021-03-10 | 液体吐出ヘッドの駆動方法、及び、液体吐出装置 |
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