JP2022137412A - ステーター、ステーターの製造方法、交流回転電機の製造方法、誘導電動機および送風機 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘導電動機においてコイルエンドの低背化、軽量化ができ、製造が容易で電動機の高効率化が望めるステーターの構造および製造方法を提供する。【解決手段】電磁鋼板の薄板を積層して形成され、径方向に延びる複数のインナーコア片4aが、薄肉部を介して連結され円環状に形成されてなるインナーコアと、隣り合うインナーコア片の間に形成されたスロットに挿入されたコイル8と、複数のインナーコア片の外径を接続している円環状のアウターコアとを備え、インナーコアの一方の面から突出する第1のコイルエンドと一方の面との間隔が、インナーコアの反対側の面から突出する第2のコイルエンドと反対側の面との間隔よりも長くなるようにコイルが配置されている。【選択図】図9
Description
本願は、ステーター、ステーターの製造方法、交流回転電機の製造方法、誘導電動機および送風機に関するものである。
電動機において固定子鉄心の外にあるコイルエンドは磁気回路に鎖交しない。そのため、コイルエンドの発生する磁束が漏れ磁束となり力率が低下するだけでなく、コイル周長を増やし抵抗を増加させる要因となる。従って、コイルエンドを減らすことが重要である。
一般的な電動機は、インサート方式により、コイルをスロット間に挿入するため、コイル周長に余裕を持つ必要があり、コイルエンドが大きくなることが知られている。このコイルエンドを下げるために固定子鉄心を、外輪のヨーク部と内輪の磁極部とに分割し、コイルを内輪の磁極部の絶縁部材に直接巻き付ける方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、固定子鉄心の一部を形成する部分円に分割された固定子鉄心を使えばよりコイルエンドの低い重ね巻への応用もできる(例えば、特許文献2参照)。
上述した通り、分布巻の電動機において、固定鉄心を内輪および外輪に分割してコイルエンドが低い重ね巻ができるが、コイルエンドのさらなる低背化および周長の短縮は困難である。またティースがばらばらとなっているため、それぞれの位置決めなど、ハンドリングが難しいという課題がある。
本願は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、コイルエンドの低背化が可能なステーター、ステーターの製造方法、交流回転電機の製造方法、誘導電動機および送風機を得ることを目的とする。
本願に開示されるステーターは、
電磁鋼板の薄板を積層して形成され、径方向に延びる複数のインナーコア片が、薄肉部を介して連結され円環状に形成されてなるインナーコア、隣り合うインナーコア片の間に形成されたスロットに挿入されたコイル、複数のインナーコア片の外径を接続している円環状のアウターコアを備え、インナーコアの一方の面から突出する第1のコイルエンドと一方の面との間隔が、インナーコアの反対側の面から突出する第2のコイルエンドと反対側の面との間隔よりも長くなるようにコイルが配置されていることを特徴とする。
電磁鋼板の薄板を積層して形成され、径方向に延びる複数のインナーコア片が、薄肉部を介して連結され円環状に形成されてなるインナーコア、隣り合うインナーコア片の間に形成されたスロットに挿入されたコイル、複数のインナーコア片の外径を接続している円環状のアウターコアを備え、インナーコアの一方の面から突出する第1のコイルエンドと一方の面との間隔が、インナーコアの反対側の面から突出する第2のコイルエンドと反対側の面との間隔よりも長くなるようにコイルが配置されていることを特徴とする。
本願に開示されるステーターによれば、インナーコアの一方の面から突出する第1のコイルエンドと一方の面との間隔が、インナーコアの反対側の面から突出する第2のコイルエンドと反対側の面との間隔よりも長くなるようにコイルが配置されていることにより、コイルエンドの低背化が可能となる。
以下、本願に係るステーターの好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、同一内容および相当部については同一符号を配し、その詳しい説明は省略する。以降の実施形態も同様に、同一符号を付した構成について重複した説明は省略する。
実施の形態1
図1にインナーコア1とアウターコア2の2つに、内外2分割をして構成されるステーターコア3を示す。すなわち、図2(a)、(b)に示すように、このコア構造はインナーコア1にあらかじめ成形したコイルを外径側からもしくは内径側から落とし入れて挿入し、もしくは、インナーコア1に直接巻線をした後、円環状のアウターコア2をインナーコア1に接続することで図1のステーターコア3を形成する。
図1にインナーコア1とアウターコア2の2つに、内外2分割をして構成されるステーターコア3を示す。すなわち、図2(a)、(b)に示すように、このコア構造はインナーコア1にあらかじめ成形したコイルを外径側からもしくは内径側から落とし入れて挿入し、もしくは、インナーコア1に直接巻線をした後、円環状のアウターコア2をインナーコア1に接続することで図1のステーターコア3を形成する。
これに対し、図3に示すステーターのインナーコア4は、隣り合うインナーコア片4a同士が内径側の先端部の薄肉部5で繋がって、直線状に並んでいる。このような構造により、隣り合うインナーコア片4aとの間に、コイルを挿入するスロット6を形成する。インナーコア4は電磁鋼板のロール材を金型プレスで打ち抜いたものである。ここでは電磁鋼板のグレードは限定しない。
図4に隣り合う2つのインナーコア片4aを内径側から見た図を示す。インナーコア4は、電磁鋼板の薄板7を積層して形成している。隣り合うインナーコア片4aを繋げる薄肉部5は、積層された薄板7のうち、1枚以上で形成されていればよく、積層されたどの層で形成されていてもよい。薄板の厚さはここでは限定しない。積層間の薄板7の固定は、カシメまたは接着などの方法が知られているがここでは限定しない。
次に各スロット6に挿入するコイル8の形状について図5を用いて説明する。コイル8は、あらかじめ巻枠などを用いてマグネットワイヤを巻き付けて形成する。マグネットワイヤは、本実施の形態では丸銅線を使用する。マグネットワイヤの種類および線径は、ステーターの大きさ、電動機の種類などに応じて様々なものが使用できる。
図6に示すように本実施の形態では16スロットのステーターに、重ね巻となるように、コイル8を、図中右側から、予め定められたスロット6に挿入する。ここで、コイル8は、説明の便宜のため、スロット間のコイル8の巻線の巻数を1巻として示している。その他の図においても便宜上このような表現で描いている場合がある。
図7に示すように、直線状に並んだ各インナーコア片4aは、コイル8に対して垂直なため、挿入が容易である。またインナーコア片4aは、前述した通り、薄肉部5で繋がっており、挿入時のインナーコア4の操作も容易である。
次に、すべてのスロット6にコイル8が挿入された状態で、図8に示すように1層分のコイル8が入っている側(図6の左側)から内径治具11の外周にインナーコア4の内径側を沿わせながら、薄肉部5で繋がったインナーコア4を内径治具11の周りに回転させる。回転時は薄肉部5が折れ曲がりながら内径治具11に沿い、連なりながら各インナーコア片4aを連結させたまま回転していく。そのため薄肉部5は一度の曲げに対する応力で破断しない程度の幅を持たせることが必要である。
インナーコア4を回転させるときに、図9(a)に示されている、各スロット6に挿入されているコイル8を、図9(b)に示すように、コイル8を内径治具11の円筒軸方向(高さ9方向)に、矢印A方向(インナーコア4の一方の面に垂直な方向)の力をかけて、片側に引っ張り寄せる。引張寄せた結果、コイル8は変形し、コイル8の周方向10の長さも、矢印A方向の引張に合わせて長さが変わる。
つまり、インナーコア片4aにコイル8が張り付き、矢印A方向に引っ張っている側のコイルエンドの長さが反対側に比べ長くなり、インナーコア片4aとコイル8に、隙間12が形成される。コイル8を引っ張るため、あらかじめ巻枠でコイル8を成形するときに、コイル8を挿入する複数のインナーコア片4aの周方向10と高さ9の和よりもコイル8の長さに余裕を持たせて成形する必要がある。
図8に示すように、インナーコア4を内径治具11に沿って回転させると、コイル8が内径治具11の上空で重なるため、内径治具11の高さは薄板7で積層されたインナーコア4の軸方向の高さ9と同じか、低い必要がある。また、図示は省略するが、回転する内径治具11の回転軸である支柱部分がコイル8に接触しなければよい。ここでは内径治具11の支柱部分について詳細を述べない。
インナーコア4を内径治具11に沿わせて円環状にしていくと、図4で示した薄肉部5で繋がっていないインナーコア片4a同士が接触し、図10に示すように、繋ぎ目13となる。この繋ぎ目13を接合し円環状のインナーコア4が完成する。インナーコア片4a同士の接合方法はここでは限定しない。
インナーコア4が円環状になると、図8の左側に示す、1層分しかコイル8が挿入されていなかったスロット6に、図6の右側に示した、スロット6に挿入されていないコイル8を、図10の矢印で示すように挿入していき、全てのコイル8がスロット6に挿入される。次に円環状になったインナーコア4の外径側にアウターコア14を圧入し、図11に示すようなステーター15を形成する。図11では、コイル8のスロット間を結ぶ方向の巻線は省略して記載している。
このように形成したステーター15において、図9(b)で示したコイル8のインナーコア4の一方の面から突出するコイルエンドが長い側を、芯金またはローターを挿入する側16として図12(a)に示し、その反対面側を、ローターを挿入しない側17として図12(b)に示す。図12(a)の、ローターを挿入する側16は、スロット内で内径側を通るコイルエンドが山なりになっており、インナーコア4の一方の面から隙間12を作ってコイルエンドがある。反対に、図12(b)の、ローターを挿入しない側17の、スロット内で内径側を通るコイルエンドが、インナーコア4の反対側の面に沿うように直線状に配置される。しかし、ローターを挿入する側16もローターを挿入しない側17も、図13に示すようにスロット内の内径側、つまり内径治具11の上空にコイルエンドが存在するため、この状態では内径治具11を取り出すことができない。
そこで、図14に示すように、ローターを挿入する側16のコイルエンドをステーター15の外径側へ倒すことで内径治具11を取り出すことが可能となる。すなわち、ローターを挿入する側16のコイル8の、引張寄せたそれぞれのコイルエンドを、インナーコア4の外径側へ曲げる。コイルエンドとインナーコア4の隙間12の大きさによって、コイルエンドを曲げるのに必要な力が変わるため適宜調整が必要である。なお、コイルエンドを曲げる場合、コイル8の絶縁被膜を破壊しないように曲げるための治具に鏡面加工を施し、曲げるスピードも調整が必要であるが、ここでは限定せず詳細も述べない。
このように、ローターを挿入する側16、およびローターを挿入しない側17のステーター15の両側のコイルエンドを全て、ある程度の隙間をもって、インナーコア4の上空に配置する場合に比べ、ローターを挿入しない側17のコイルエンドはスロット内で内径側を通り、直線状に配置し、ローターを挿入する側16のコイルエンドのみを隙間を作ってインナーコア4の上空に配置するため、コイル8の周長を短くすることができ、モーターの軸長の短縮化、銅量の削減による軽量化につながる。
本実施の形態では内径治具11をステーター15の中に置いた状態でアウターコア14をインナーコア4に圧入しているが、アウターコア14を圧入する前にコイルエンドを倒しておき、一度、内径治具11を取り外し、圧入精度を上げるため、もしくは工程分割のためにインナーコア4の内径を支える専用の芯金を挿入してアウターコア14を圧入してもよい。
また、インナーコア4の内径側を内径治具11に沿わせながら、薄肉部5で繋がったインナーコア4を回転させるときに、図9(b)で示すように、各スロット6に挿入されているコイル8をコイルの軸方向9の片側に引っ張る際に併せて、コイルエンドを外径側へ倒してもよい。
軸方向片側のコイルエンドを倒した状態で、図15に示すローター18をステーター15内に挿入する。ローター18はかご型のローターコア19にアルミダイカストでアルミバーを形成し、シャフト20を圧入し、シャフトの両端部に軸受を装着した状態であるが、ローター18の詳細な構造についてはここでは限定しない。
図16に示すようにローター18を挿入後、ステーター15とローター18を覆うフレーム、およびブラケットを装着するが、フレームおよびブラケットの構造に応じて、外径側に倒している片側のコイルエンドをローター18の上空まで戻しても良い。また、ローターを挿入する側16のコイルエンドは必要に応じてワニスまたはレーシングなどで動かないように固定してもよい。ローターを挿入しない側17のコイルエンドは内径側を弛みが少ない状態で直線状にあるが、必要であれば同じくワニスまたはレーシングなどで動かないように固定してもよい。また本実施の形態では詳細を記載しなかったが各インナーコア片4aに電磁鋼板とコイル8を絶縁するための絶縁部材を装着してコイル8を挿入してもよい。
インナーコア4とアウターコア14は電磁鋼板のロール材を金型で打ち抜き形成される。図17に示すように、アウターコア14、円環状の状態のインナーコア4、およびローターコア19が共抜きされる。共抜きによってアウターコア14とインナーコア4の圧入時の嵌合性が向上する。図18に示すように共抜き後、円環状のインナーコア4の薄肉部5の1か所を切り離し、直線状に並べ、コイル8を挿入する、もしくは直接巻線をする。
また図1で示したインナーコア1は隣り合う同士の内径側に隙間があるため、コイルを挿入し、ステーターコア3を形成後、挿入したコイルが内径側へ漏れださないようにウェッジを挿入する作業が発生するが、本実施の形態ではインナーコア4が薄肉部5で繋がっておりコイル8が内径側へ漏れだすことがないためウェッジを入れる作業が必要ない。
また図1で示したインナーコア1は隣り合う同士の内径側に隙間があるため、コイルを挿入し、ステーターコア3を形成後、挿入したコイルが内径側へ漏れださないようにウェッジを挿入する作業が発生するが、本実施の形態ではインナーコア4が薄肉部5で繋がっておりコイル8が内径側へ漏れだすことがないためウェッジを入れる作業が必要ない。
ステーター15を搭載することで、図19に示すようなコイルエンドが低く、高効率でかつ軽量化されており、また製造が容易な誘導電動機31を提供できる。この誘導電動機31を例えば、図20に示すような、送風機32に搭載することで省エネルギーな換気扇を提供できる。
実施の形態2
以下、実施の形態2によるステーター構造および製造方法を説明する。実施の形態1ではアウターコア14が円環状の一体物であったが、本実施の形態2では図21で示すように実施の形態1のインナーコア4と同様、インナーコア片4aと同じ数だけ、分割されたアウターコア片21aが直線状に並びかつそれぞれのアウターコア片21aが外径側の先端部の薄肉部22で繋がっている。このアウターコア片21aは、図22に示すように、インナーコア片4a同様、電磁鋼板の薄板23を積層して形成している。
以下、実施の形態2によるステーター構造および製造方法を説明する。実施の形態1ではアウターコア14が円環状の一体物であったが、本実施の形態2では図21で示すように実施の形態1のインナーコア4と同様、インナーコア片4aと同じ数だけ、分割されたアウターコア片21aが直線状に並びかつそれぞれのアウターコア片21aが外径側の先端部の薄肉部22で繋がっている。このアウターコア片21aは、図22に示すように、インナーコア片4a同様、電磁鋼板の薄板23を積層して形成している。
図23、図24に示すように金型プレスでインナーコア24とアウターコア21を打ち抜き、数珠繋ぎに繋がったインナーコア24とアウターコア21は必要な数だけ薄肉部22で切り離し、積層して形成する。隣り合うアウターコア片21aを繋げる薄肉部22は、積層された薄板23のうち、1枚以上で形成されていればよく、積層されたどの層で形成されていてもよい。薄板23の厚さはここでは限定しない。積層間の薄板23の固定は、カシメ、接着などの方法が知られているがここでは限定しない。
インナーコア24を円環状にした後、同じく直線状にならんだアウターコア21を円環状に形成する。アウターコア21を円環状にする場合、各アウターコア片21a同士の接触面で位置が決まるため、インナーコア24を円環状にするために使用した治具は必要としないが求める精度によっては使用してもよい。
インナーコア24とアウターコア21を円環状にして、それぞれ薄肉部22で繋がれていない同士を接合する。インナーコア24およびアウターコア21のそれぞれの接合箇所が周方向で同じ位置に存在する場合、機械的強度が低下する可能性があるため、インナーコア24およびアウターコア21のそれぞれの接合箇所が違う位置になるようにインナーコア24とアウターコア21の周方向の位置を決める。また図25(a)(b)に示すようにインナーコア24の外径側とアウターコア21の内径側が接触する部分のアウターコア21の内径に位置決め用の溝を設ける、または図25(c)に示すようにインナーコア24とアウターコア21をそれぞれが嵌めあう凹凸の溝を設けてもよい。円環状にしたインナーコア24とアウターコア21を圧入することで図26に示すようにステーター25を形成する。コイルの挿入とコイルエンドの曲げは実施の形態1で述べた方法と同様である。
上述した通り、実施の形態2のアウターコア21とインナーコア24を金型プレスで打ち抜く際は、それぞれの形状は直線状であり、図23に示すようにアウターコア21を電磁鋼板の圧延方向と平行に配置する。また、図24に示すようにインナーコア24を電磁鋼板の圧延方向と垂直に配置する。
これは電磁鋼板を、圧延方向に対してのみ極めて優れた磁気特性を有する方向性電磁鋼板を使用するためである。これにより、アウターコア21は、円環状にしたときの周方向に磁束が流れるため、直線状に並べ圧延方向と平行にすることで、円環状にしたときにアウターコア21の周方向において優れた磁気特性を獲得できる。
同様にインナーコア24は円環状にしたときに、図27に示すティース部26のそれぞれに多くの磁束が流れるため、直線状に並べ圧延方向と垂直に配置することで、円環状にしたときにそれぞれのインナーコア24のティース部26において優れた磁気特性を獲得でき、かつインナーコア24の薄肉部27に流れる漏れ磁束を低減でき、本実施の形態のステーター25を搭載した誘導電動機の更なる高効率化が可能となる。またインナーコア24およびアウターコア21が直線状に並び、それぞれの隙間が少なく金型配置ができるため歩留まりが非常に高い。
実施の形態3
以下、実施の形態3によるステーター構造および製造方法を説明する。実施の形態1のアウターコア14が円環状の一体物であったが、本実施の形態3では図28に示すように円環状のアウターコアを4分割にしたアウターコア片28aを使用する。本実施の形態では電磁鋼板のグレードを限定しない。
以下、実施の形態3によるステーター構造および製造方法を説明する。実施の形態1のアウターコア14が円環状の一体物であったが、本実施の形態3では図28に示すように円環状のアウターコアを4分割にしたアウターコア片28aを使用する。本実施の形態では電磁鋼板のグレードを限定しない。
アウターコア28を4分割にすることでアウターコア片28aの金型配置が隙間を少なくして配置でき、かつインナーコア29も金型配置を、隙間を少なくして配置できるため歩留まりが高い。アウターコア片28a同士の接続は実施の形態2で述べたようにそれぞれが嵌めあう凹凸の溝を設け、それぞれの位置決めをして接続をしてもよい。
また、図29に示すように円環状のアウターコア28を4分割にしているため、各アウターコア片28aの円中心から45度の位置に穴または外周溝を設け、図30に示すように45度ごとに交互に回し積みを行い、穴をリベットで固定、または外周溝に溶接、またはストラップカシメなどで固定することで4分割したアウターコア片28a同士を接続することもできる。4分割したアウターコア片28aを円環状に形成し、インナーコア29へのコイルの挿入とコイルエンドの曲げは実施の形態1で述べた方法と同様とし、図31に示すようにアウターコア28をインナーコアへ圧入しステーターを形成する。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1、4、24、29:インナーコア、2、14、21、28:アウターコア、3:ステーターコア、4a:インナーコア片、5、22、27:薄肉部、6:スロット、7、23:薄板、8:コイル、11:内径治具、12:隙間、13:繋ぎ目、15、25:ステーター、18:ローター、19:ローターコア、20:シャフト、21a、28a:アウターコア片、26:ティース部、31:誘導電動機、32:送風機
Claims (15)
- 電磁鋼板の薄板を積層して形成され、径方向に延びる複数のインナーコア片が、薄肉部を介して連結され円環状に形成されたインナーコア、隣り合う前記インナーコア片の間に形成されたスロットに挿入されたコイル、前記複数のインナーコア片の外径を接続している円環状のアウターコアを備え、前記インナーコアの一方の面から突出する第1のコイルエンドと前記一方の面との間隔が、前記インナーコアの反対側の面から突出する第2のコイルエンドと前記反対側の面との間隔よりも長くなるように前記コイルが配置されていることを特徴とするステーター。
- 前記インナーコアの一方の面と前記第1のコイルエンドとの間隔は、前記インナーコアの外径側に折り曲げ可能な長さを有するとともに、前記第2のコイルエンドは前記インナーコアの反対側の面に沿うように直線状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のステーター。
- 前記第2のコイルエンドの一部は、円環状の前記インナーコアの内径よりも内側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のステーター。
- 前記第1のコイルエンドが前記インナーコアの外径側に折り曲げられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のステーター。
- 前記アウターコアは、電磁鋼板の薄板を積層して形成された複数のアウターコア片が薄肉部を介して連結されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のステーター。
- 電磁鋼板の薄板を積層し、薄肉部を介して互いに連結された複数のインナーコア片を直線状に配置し、隣り合う前記インナーコア片の間に形成されるスロットに、予め決められた回数巻線を巻回して形成されたコイルを挿入し、直線状に配置された両端のインナーコア片を接合して円環状のインナーコアを形成する前に前記インナーコアの一方の面に垂直な方向に前記コイルを引張ることで、前記コイルを変形し、前記インナーコアの一方の面から突出する第1のコイルエンドと前記一方の面との間隔が、前記インナーコアの反対側の面から突出する第2のコイルエンドと前記反対側の面との間隔よりも長くすることを特徴とするステーターの製造方法。
- 前記円環状のインナーコアの径方向に延びるインナーコア片の外径端部に円環状のアウターコアを圧入することを特徴とする請求項6に記載のステーターの製造方法。
- 前記アウターコアは、電磁鋼板の薄板を積層して形成され、前記インナーコア片と同数のアウターコア片が薄肉部を介して直線状に連結され、直線状の両端のアウターコア片を接合して円環状に形成することを特徴とする請求項7に記載のステーターの製造方法。
- 前記円環状のインナーコアの接合部および前記円環状のアウターコアの接合部は、周方向の異なった位置に配置されていることを特徴とする請求項8に記載のステーターの製造方法。
- 前記インナーコア片および前記アウターコア片を形成する電磁鋼板は方向性電磁鋼板であり、前記インナーコア片を金型プレスで形成する際、圧延方向に対して垂直方向に直線状に配置されて打ち抜かれ、前記アウターコア片を金型プレスで形成する際、圧延方向に対して平行に直線状に配置されて打ち抜かれることを特徴とする請求項8に記載のステーターの製造方法。
- 前記円環状のアウターコアは、4分割の円弧形状のアウターコア片を金型プレスで抜き、積層して形成され、前記4分割の円弧形状のアウターコア片を互いに接続する接続部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載のステーターの製造方法。
- 電磁鋼板の薄板を積層し、薄肉部を介して互いに連結された複数のインナーコア片を直線状に配置し、隣り合う前記インナーコア片の間に形成されるスロットに、予め決められた回数巻線を巻回して形成されたコイルを挿入し、直線状に配置された両端のインナーコア片を接合して円環状のインナーコアを形成する前に前記インナーコアの一方の面に垂直な方向に前記コイルを引張ることで、前記コイルを変形し、前記インナーコアの一方の面から突出する第1のコイルエンドと前記一方の面との間隔が、前記インナーコアの反対側の面から突出する第2のコイルエンドと前記反対側の面との間隔よりも長くし、円環状の前記インナーコア内にローターを挿入する際、前記第1のコイルエンドを、前記インナーコアの外径側に折り曲げることを特徴とする交流回転電機の製造方法。
- ローター挿入後、前記インナーコアの外径側に折り曲げた前記第1のコイルエンドを、前記インナーコアの内径側に折り曲げることを特徴とする請求項12に記載の交流回転電機の製造方法。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載のステーターを搭載した誘導電動機。
- 請求項14に記載の誘導電動機を搭載した送風機。
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