JP2022136159A - 固形化粧料の製造方法およびそれに用いる固形化粧料の製造用台座 - Google Patents
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Abstract
Description
また、台座は、複数の挿入孔の配列方向に沿って平面部に設けられるとともに、板状体の摺動方向の先端側に設けられた壁部を備えているので、充填ステップは、壁部を鉛直下方側に下降させるように平面部を傾斜させて容器の収容部に複数色の化粧料を充填することによって、壁部のない側からの化粧料の漏洩を防止することができる。
また、台座は、複数の挿入孔の配列方向に沿って平面部に設けられるとともに、複数の挿入孔の配列方向と直交する方向の一端側に設けられることなく他端側に設けられた壁部を備えているので、充填ステップは、壁部を鉛直下方側に下降させるように平面部を傾斜させて容器の収容部に複数色の化粧料を充填することによって、壁部のない側からの化粧料の漏洩を防止することができる。
油性固形化粧料1は、図1に示すように、楕円筒状に形成された繰り出し容器2に収容されている。
繰り出し容器2は、油性固形化粧料1を収容する収容部21Aを有し、有底筒状の本体部21と、本体部21の開口端側に形成された首部22と、本体部21の内部に収納されるとともに、油性固形化粧料1を載置する載置部(図示略)と、本体部21の中心軸回りに回動自在に本体部21の底面に取り付けられた回動部(図示略)と、本体部21の収容部21Aを閉塞すべく首部22に取り付けるキャップ23とを備えている。
油性固形化粧料1の使用者は、順方向に回動部を回動させることによって、本体部21から露出させて油性固形化粧料1を使用することができ(図1参照)、逆方向に回動部を回動させることによって、本体部21に油性固形化粧料1を収納することができる。
なお、本実施形態では、本発明の固形化粧料として油性固形化粧料1を例示して説明するが、油性以外の化粧料に本発明を適用してもよい。
茶色の化粧料12は、楕円形状の油性固形化粧料1の表面を長軸および短軸に沿って4つに切り分けた場合に、そのうちの1つの領域に相当する形状となっている。
したがって、油性固形化粧料1は、楕円形状の油性固形化粧料1の表面に長軸に沿って延在する複数色の化粧料11,12の境界線である長軸側境界線13Aと、短軸に沿って延在する複数色の化粧料11,12の境界線である短軸側境界線13Bとを有している。
油性固形化粧料1の製造用台座3は、床面に設置する矩形板状の基板4と、基板4の長手方向の両側に起立して設けられた2つの柱部材5と、各柱部材5に架け渡された矩形板状の天板6とを備えている。
各柱部材5は、支持板41に対して固定して取り付けられている。また、各柱部材5は、プレート42と反対側の側面に取り付けられたクリップ51と、このクリップ51に連結した環状部材52とを備えている。
油性固形化粧料1を製造するには、まず、図3に示すように、製造用台座3の天板6に形成された挿入孔61Aのそれぞれに繰り出し容器2を挿入することによって、製造用台座3に繰り出し容器2を配置する(容器配置ステップ)。
次に、製造用台座3の天板6に形成された挿入孔61Aのそれぞれに繰り出し容器2の首部22を挿入しつつ、天板6を各柱部材5に載置した後、環状部材52をフック63に引っ掛け、各柱部材5のクリップ51を閉じることによって、基板4および各柱部材5に対して天板6を固定する。
これによって、容器配置ステップは、製造用台座3に繰り出し容器2を配置することができる。
なお、本実施形態では、容器配置ステップにて製造用台座3に繰り出し容器2を配置することによって、繰り出し容器2の開口端は、平面部61と面一となっているが、面一となっていなくてもよい。具体的には、繰り出し容器2の開口端は、平面部61から突出していなければよい。
繰り出し容器2の仕切り部材7は、シリコンゴム製の部材である。この仕切り部材7は、矩形板状のベース71と、ベース71の長手方向に沿って配列された4つの貫通孔72と、各貫通孔72と対応するようにベース71の長手方向に沿って配列された4つの軸体73とを備えている。
各貫通孔72は、容器配置ステップにて製造用台座3に配置された繰り出し容器2の開口と対応する断面形状を有している。また、各貫通孔72は、乳白色の化粧料11の表面形状と対応する断面形状を有している。
各軸体73は、ベース71の面外方向(図中下方向)に向かって突出する柱状に形成されている。各軸体73は、茶色の化粧料12の表面形状と対応する断面形状を有している。
容器配置ステップにて繰り出し容器2を製造用台座3に配置した後、図5に示すように、仕切り部材7を製造用台座3に取り付ける。
ここで、前述したように、各貫通孔72は、乳白色の化粧料11の表面形状と対応する断面形状を有し、各軸体73は、茶色の化粧料12の表面形状と対応する断面形状を有しているので、繰り出し容器2の収容部21Aは、軸体73にて仕切られることになる。これによって、収容部21Aの一部の領域21A1(図6参照)を区分けする(仕切りステップ)。
なお、仕切りステップにて仕切り部材7を製造用台座3に取り付けると、軸体73は、収容部21Aの底面に当接することになる。換言すれば、軸体73の高さは、収容部21Aの深さと対応している。
なお、本実施形態では、仕切り部材7は、シリコンゴム製の部材であったが、例えば、ステンレスや、アルミなどの金属の部材であってもよく、合成樹脂などの部材であってもよく、これら以外の材質の部材であってもよい。要するに、仕切り部材は、容器の収容部に挿入し、収容部を仕切ることができればよく、化粧料の処方などに応じて適宜選択すればよい。
仕切りステップを実行することによって、図6(A)に示すように、繰り出し容器2の収容部21Aは、軸体73にて仕切られることになる。
そして、仕切りステップを実行した後、油性成分を含有する乳白色の化粧料11を加熱することによって溶融して流動性を生じさせた状態とし、図6(B)に示すように、仕切りステップにて区分けされた収容部21Aの一部の領域21A1にノズルN1を介して乳白色の化粧料11を充填する(第1の充填ステップ)。
第1の充填ステップを実行した後、図6(C)に示すように、第1の充填ステップにて充填された乳白色の化粧料11を冷却して固化させる(第1の冷却ステップ)。
第1の冷却ステップを実行した後、図7(A)に示すように、仕切りステップにて収容部21Aに挿入した仕切り部材7を抜去する(抜去ステップ)。
なお、抜去ステップは、冷却ステップにて固化した乳白色の化粧料11の移動を規制しながら仕切り部材7を抜去する。
そして、抜去ステップにて仕切り部材7を抜去することによって、茶色の化粧料12と同一の形状を有する領域21A2を収容部21Aに形成することができる。
ここで、第2の充填ステップは、壁部62を鉛直下方側に下降させるように平面部61を傾斜させて繰り出し容器2の収容部21Aに茶色の化粧料12を充填している。
第2の充填ステップを実行した後、図7(C)に示すように、第2の充填ステップにて充填された茶色の化粧料12を冷却して固化させる(第2の冷却ステップ)。
したがって、除去ステップは、平面部61の長手方向(所定の方向)に沿って配列された複数の挿入孔61Aの配列方向と直交する方向(平面部61の短手方向)に沿ってヘラ8を摺動させることによって、複数の挿入孔61Aを介して複数色の化粧料11,12を一遍に除去している。
なお、本実施形態では、板状体としてヘラ8を採用しているが、これ以外の板状体を採用してもよい。要するに、板状体は、複数の挿入孔61Aを介して複数色の化粧料11,12を一遍に除去することができればよい。
これによれば、充填ステップは、壁部62を鉛直下方側に下降させるように平面部61を傾斜させて繰り出し容器2の収容部21Aに複数色の化粧料11,12を充填することによって、壁部62のない側からの化粧料11,12の漏洩を防止することができる(図9参照)。
さらに、本実施形態では、充填ステップは、複数色の化粧料11,12のうち、薄い色の化粧料(乳白色の化粧料11)と、濃い色の化粧料(茶色の化粧料12)とを順に除去ステップにてヘラ8を摺動させる方向に沿って配置するようにして繰り出し容器2の収容部21Aに複数色の化粧料11,12を充填している。
(1)除去ステップは、所定の方向に沿って配列された複数の挿入孔61Aの配列方向と直交する方向に沿ってヘラ8を摺動させることによって、複数の挿入孔61Aを介して複数色の化粧料11,12を一遍に除去するので、1つの挿入孔61Aにて削り取られた複数色の化粧料11,12は、ヘラ8にて隣の挿入孔61Aに接触してしまうことはなく、隣の挿入孔61Aを介して充填された化粧料11,12に移ってしまうこともない。したがって、固形化粧料の製造方法は、表面の美感を損ねることなく、複数色の化粧料11,12を繰り出し容器2に収容した油性固形化粧料1を製造することができる。
(5)製造用台座3は、複数の挿入孔61Aの配列方向に沿って平面部61に設けられるとともに、ヘラ8の摺動方向の先端側に設けられた壁部62を備えているので、充填ステップは、壁部62を鉛直下方側に下降させるように平面部61を傾斜させて繰り出し容器2の収容部21Aに複数色の化粧料11,12を充填することによって、壁部62のない側からの化粧料11,12の漏洩を防止することができる。
(7)壁部62は、10mm~40mmの高さに設定されているので、充填ステップにおいて、繰り出し容器2の収容部21Aに複数色の化粧料11,12を充填する際に、充填装置などの他の装置と干渉し、邪魔になってしまうことを抑制することができる。
例えば、前記実施形態では、複数色の化粧料として乳白色の化粧料11および茶色の化粧料12の2色の化粧料を採用していたが、これら以外の色の化粧料を採用してもよく、3色以上の複数の化粧料を採用してもよい。
また、前記実施形態では、充填ステップは、壁部62を鉛直下方側に下降させるように平面部61を傾斜させて繰り出し容器2の収容部21Aに複数色の化粧料11,12を充填しているが、平面部61を傾斜させなくてもよい。
また、前記実施形態では、壁部62は、10mm~40mmの高さに設定されていたが、これ以外の高さに設定されていてもよい。
これに対して、充填ステップは、数色の化粧料の表面に現れた境界線や、複数色の化粧料の色の濃さに関わらず、容器の収容部に複数色の化粧料を充填してもよい。
例えば、充填ステップは、図11(A),(B)に示すように、複数色の化粧料11,12の表面に現れた境界線のみを考慮して繰り出し容器2の収容部21Aに複数色の化粧料11,12を充填してもよい(図中矢印参照)。
また、例えば、充填ステップは、図11(C)に示すように、複数色の化粧料11,12の濃さのみを考慮して繰り出し容器2の収容部21Aに複数色の化粧料11,12を充填してもよい(図中矢印参照)。
さらに、例えば、充填ステップは、本実施形態と同様に、図11(D),(E)に示すように、複数色の化粧料11,12の表面に現れた境界線と、複数色の化粧料11,12の濃さとの双方を考慮して繰り出し容器2の収容部21Aに複数色の化粧料11,12を充填してもよい(図中矢印参照)。
2 繰り出し容器(容器)
3 製造用台座(台座)
8 ヘラ(板状体)
11 乳白色の化粧料(第1の化粧料)
12 茶色の化粧料(第2の化粧料)
13A 長軸側境界線
13B 短軸側境界線
21 本体部
21A 収容部
22 首部
61 平面部
61A 挿入孔
62 壁部
Claims (6)
- 複数色の化粧料を容器に収容した固形化粧料の製造方法であって、
前記容器の開口側端部を挿入する複数の挿入孔を有する平面部を備えた台座に対し、前記挿入孔のそれぞれに前記容器を挿入することによって、前記台座に前記容器を配置する容器配置ステップと、
前記台座の前記挿入孔を介して前記容器の収容部のそれぞれに前記複数色の化粧料を充填する充填ステップと、
前記台座の前記平面部に沿って板状体を摺動させることによって、前記複数の挿入孔を介して前記容器の開口端に沿って前記複数色の化粧料を除去する除去ステップとを備え、
前記除去ステップは、所定の方向に沿って配列された前記複数の挿入孔の配列方向と直交する方向に沿って前記板状体を摺動させることによって、前記複数の挿入孔を介して前記複数色の化粧料を一遍に除去することを特徴とする固形化粧料の製造方法。 - 請求項1に記載された固形化粧料の製造方法において、
前記充填ステップは、前記複数色の化粧料の表面に現れた境界線のうち、最も長い境界線を前記除去ステップにて前記板状体を摺動させる方向に沿って配置するようにして前記容器の収容部に前記複数色の化粧料を充填することを特徴とする固形化粧料の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載された固形化粧料の製造方法において、
前記充填ステップは、前記複数色の化粧料のうち、薄い色の化粧料と、濃い色の化粧料とを順に前記除去ステップにて前記板状体を摺動させる方向に沿って配置するようにして前記容器の収容部に前記複数色の化粧料を充填することを特徴とする固形化粧料の製造方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載された固形化粧料の製造方法において、
前記台座は、前記複数の挿入孔の配列方向に沿って前記平面部に設けられるとともに、前記板状体の摺動方向の基端側に設けられることなく先端側に設けられた壁部を備え、
前記充填ステップは、前記壁部を鉛直下方側に下降させるように前記平面部を傾斜させて前記容器の収容部に前記複数色の化粧料を充填することを特徴とする固形化粧料の製造方法。 - 複数色の化粧料を容器に収容した固形化粧料の製造方法に用いる固形化粧料の製造用台座であって、
前記容器の開口側端部を挿入する複数の挿入孔を有する平面部と、
前記複数の挿入孔の配列方向に沿って前記平面部に設けられるとともに、前記複数の挿入孔の配列方向と直交する方向の一端側に設けられることなく他端側に設けられた壁部を備えることを特徴とする固形化粧料の製造用台座。 - 請求項5に記載された固形化粧料の製造用台座において、
前記壁部は、10mm~40mmの高さに設定されることを特徴とする固形化粧料の製造用台座。
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A521 | Request for written amendment filed |
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A02 | Decision of refusal |
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