JP2022134971A - 沸騰冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却性能の低下を抑制することができる沸騰冷却装置を提供する。【解決手段】沸騰冷却装置1は、冷媒REを収容し、発熱体からの熱を受ける受熱部10と、受熱部10からの熱を放熱する放熱部20と、受熱部10で冷媒REが気化されることにより生成された気相冷媒を放熱部20に輸送する第1流路S1を形成する第1内壁面310を有する第1管部31と、放熱部20で気相冷媒が凝縮されることにより生成された液相冷媒を受熱部10に輸送する第2流路S2を形成する第2内壁面320を有する第2管部32と、を備える。第2管部32は、受熱部10に向けて開口する第1開口縁321と、放熱部20に向けて開口する第2開口縁と、を有する。第1開口縁321の長さは、第2管部32の長手方向の中心O2における内周320xの長さよりも長い。【選択図】図3
Description
本発明は、沸騰冷却装置に関する。
冷媒の沸騰に伴う潜熱による熱輸送を利用して発熱体を冷却する沸騰冷却装置が知られている。
特許文献1に記載の冷却装置は、受熱部と、放熱部と、これらを連結する2つの連結部と、を有する。受熱部は、冷媒を貯蔵するチャンバーを有し、冷却対象物からの熱を受け、当該熱により冷媒を気化させる。放熱部は、冷媒から放熱することで冷媒を凝縮液化させる。2つの連結部のうちの一方は、受熱部で気化した冷媒を放熱部に輸送する蒸気管である。他方は、放熱部で凝縮液化した冷媒を受熱部に輸送する液管である。
特許文献1に記載の液管の断面積は一定であるため、液管の断面積が小さくなると、液管の受熱部側の開口面積も小さくなってしまう。このため、液管の断面積によっては、液管から受熱部に露出する冷媒の液滴が表面張力により液管から離脱し難くなる。この結果、液体が循環し難くなり、よって、冷却性能が低下してしまうという課題がある。
以上の課題を解決するために、本発明の一態様に係る沸騰冷却装置は、冷媒を収容し、発熱体からの熱を受ける受熱部と、前記受熱部からの熱を放熱する放熱部と、前記受熱部で前記冷媒が気化されることにより生成された気相冷媒を前記放熱部に輸送する第1流路を形成する第1内壁面を有する第1管部と、前記放熱部で前記気相冷媒が凝縮されることにより生成された液相冷媒を前記受熱部に輸送する第2流路を形成する第2内壁面を有する第2管部と、を備え、前記第2内壁面は、前記受熱部に向けて開口する第1開口縁と、前記放熱部に向けて開口する第2開口縁と、を有し、前記第1開口縁の長さは、前記第2管部の長手方向の中心における内周の長さよりも長い。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法または縮尺は実際と適宜に異なり、理解を容易にするために模式的に示している部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
1.第1実施形態
1-1.沸騰冷却装置1の概略
図1は、第1実施形態に係る沸騰冷却装置1の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す沸騰冷却装置1の平面図である。なお、図1は、図2中のB-B線断面である。また、以下では、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を適宜に用いて説明する。また、X軸に沿う一方向をX1方向とし、X1方向とは反対の方向をX2方向とする。Y軸に沿う一方向をY1方向とし、Y1方向とは反対の方向をY2方向とする。Z軸に沿う一方向をZ1方向とし、Z1方向とは反対の方向をZ2方向とする。また、Z1方向またはZ2方向でみることを平面視とする。また、X軸とY軸とを含むX-Y平面は水平面に相当する。Z軸は鉛直方向に沿う軸線であり、Z1方向は鉛直方向の上方に相当し、Z2方向は鉛直方向の下方に相当する。
1-1.沸騰冷却装置1の概略
図1は、第1実施形態に係る沸騰冷却装置1の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す沸騰冷却装置1の平面図である。なお、図1は、図2中のB-B線断面である。また、以下では、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を適宜に用いて説明する。また、X軸に沿う一方向をX1方向とし、X1方向とは反対の方向をX2方向とする。Y軸に沿う一方向をY1方向とし、Y1方向とは反対の方向をY2方向とする。Z軸に沿う一方向をZ1方向とし、Z1方向とは反対の方向をZ2方向とする。また、Z1方向またはZ2方向でみることを平面視とする。また、X軸とY軸とを含むX-Y平面は水平面に相当する。Z軸は鉛直方向に沿う軸線であり、Z1方向は鉛直方向の上方に相当し、Z2方向は鉛直方向の下方に相当する。
図1および図2に示す沸騰冷却装置1は、例えば、鉄道車両、自動車または家庭用電気機械等に搭載されるインバーターまたは整流器等のパワーエレクトロニクス製品における冷却に用いられる。パワーエレクトロニクス製品は、例えば、ダイオードまたはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のパワー半導体素子を有する。当該パワー半導体素子は、沸騰冷却装置1における冷却の対象物である発熱体の一例である。
沸騰冷却装置1は、気化した冷媒REと液化した冷媒REとの密度差を利用したループ型サーモサイフォンの冷却器である。図1に示す沸騰冷却装置1は、受熱部10と放熱部20と熱輸送部30とを有する。以下、各部について説明する。
1-1a.受熱部10
図1に示す受熱部10は、収容室S10を有し、図示しない発熱体からの熱を受ける構造体である。収容室S10は、液状の冷媒REを収容する空間である。受熱部10では、図示しない発熱体の熱によって冷媒REが気化されることにより気相冷媒が生成される。
図1に示す受熱部10は、収容室S10を有し、図示しない発熱体からの熱を受ける構造体である。収容室S10は、液状の冷媒REを収容する空間である。受熱部10では、図示しない発熱体の熱によって冷媒REが気化されることにより気相冷媒が生成される。
図1に示す例では、受熱部10は、収容室S10を形成する箱状をなす。受熱部10は、底板11と天板12と側壁13とを有する。底板11および天板12のそれぞれは、Z軸に直交する方向に広がる平板である。側壁13は、底板11と天板12との間に位置し、底板11および天板12の外周同士を全周にわたって連結する。底板11と天板12と側壁13とで囲まれた空間が、収容室S10である。また、天板12は、熱輸送部30が有する後述の第1管部31が挿入される孔と、熱輸送部30が有する第2管部32が挿入される孔とを有する。
受熱部10は、熱伝導性に優れる材料で構成される。受熱部10が有する各要素の具体的な材料としては、例えば、銅、アルミニウムまたはこれらのいずれかの合金等の金属材料が挙げられる。なお、底板11、天板12および側壁13の材料は、互いに同じであっても異なってもよい。また、底板11、天板12および側壁13のそれぞれは別部材で構成されてもよいし、底板11、天板12および側壁13は、一体で構成されてもよい。かかる受熱部10は、図示しない発熱体に熱的に接続される。
ここで、「熱的に接続」とは、次の条件a、bまたはcのいずれかを満たすことをいう。条件a:2つの部材が物理的に直接に接する。条件b:2つの部材が50μm以下の間隙を介して配置される。条件c:2つの部材が10W・m-1・K-1以上の熱伝導率の他の部材を介して物理的に接続される。なお、各条件における2つの部材間には、伝熱グリースおよび接着剤等が存在してもよい。この場合、接着剤は、熱伝導性を高める観点から、熱伝導性のフィラー等を含むことが好ましい。
冷媒REとしては、特に限定されないが、例えば、水等の水系冷媒、メタノール等のアルコール系冷媒、アセトン等のケトン系冷媒、エチレングリコール等のグリコール系冷媒、フロリナート等のフッ化炭素系冷媒、HFC134a等のフロン系冷媒、およびブタン等の炭化水素系冷媒等が挙げられる。なお、冷媒REには、必要に応じて、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤または炭化水素系界面活性剤等の界面活性剤等が添加されてもよい。また、冷媒REは、前述の冷媒の2種以上を組み合わせてもよい。
1-1b.放熱部20
図1に示す放熱部20は、受熱部10からの熱を放熱する構造体である。放熱部20は、冷媒REを気化した状態から凝縮液化させる空間である複数の凝縮室S20を有する。放熱部20では、受熱部10で生成された気相冷媒が凝縮されることにより液相冷媒が生成される。具体的には、放熱部20は、各凝縮室S20で冷媒REを外部の流体との熱交換により受熱部10からの熱を外部へ放熱することにより気相冷媒を凝縮液化する。当該外部の流体は、特に限定されず、液体でも気体でもよいが、典型的には、例えば空気である。
図1に示す放熱部20は、受熱部10からの熱を放熱する構造体である。放熱部20は、冷媒REを気化した状態から凝縮液化させる空間である複数の凝縮室S20を有する。放熱部20では、受熱部10で生成された気相冷媒が凝縮されることにより液相冷媒が生成される。具体的には、放熱部20は、各凝縮室S20で冷媒REを外部の流体との熱交換により受熱部10からの熱を外部へ放熱することにより気相冷媒を凝縮液化する。当該外部の流体は、特に限定されず、液体でも気体でもよいが、典型的には、例えば空気である。
図1に示す例では、放熱部20は、複数の放熱容器21と、複数の放熱フィン22とを有する。各放熱容器21は、凝縮室S20を形成する箱状の部材である。各放熱容器21は、底板211と天板212と筒部213とを有する。底板211および天板212は、互いに平行に配置される。底板211および天板212のそれぞれは、X-Y平面に広がる平板である。筒部213は、底板211と天板212との間に位置し、底板211および天板212の外周同士を全周にわたって連結する。底板211と天板212と筒部213とで囲まれた空間が、凝縮室S20である。また、底板211は、熱輸送部30が有する後述の第1管部31が挿入される孔と、熱輸送部30が有する第2管部32が挿入される孔とを有する。
本実施形態では、凝縮室S20の形状は、円柱状であるが、例えば角柱状でもよい。また、図2に示すように、凝縮室S20の平面視形状は、円形であるが、例えば多角形でもよい。図2に示す例では、複数の放熱容器21は、平面視で千鳥状に配置される。なお、放熱容器21の配置は、千鳥配置に限定されず、例えば行列配置等の他の規則的な配置でもよいし、不規則な配置でもよい。また、放熱容器21の数は、図2に示す例に示す数に限定されず、任意である。また、複数の凝縮室S20の容積は互いに等しいが、互いに異なっていてもよい。また、放熱容器21は、熱伝導性に優れる材料で構成される。放熱容器21の具体的な材料としては、例えば、銅、アルミニウムまたはこれらのいずれかの合金等の金属材料が挙げられる。
図1に示す各放熱フィン22は、放熱容器21に熱的に接続される。各放熱フィン22は、平板状の部材である。複数の放熱フィン22は、互いに厚さ方向に間隔を隔てて配置される。本実施形態の各放熱フィン22は、平面視で受熱部10のほぼ全範囲にわたり重なるように配置される。また、各放熱フィン22は、複数の放熱容器21を挿入するための複数の孔を有する。各放熱フィン22は、熱伝導性に優れる材料で構成される。放熱フィン22の具体的な材料としては、例えば、銅、アルミニウムまたはこれらのいずれかの合金等の金属材料が挙げられる。また、例えば、放熱フィン22は、放熱容器21に拡管、圧入、接着剤、ネジ止めまたは溶接等により固定される。
なお、放熱フィン22の形状は、図1に示す例に限定されず、任意である。また、放熱フィン22は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。ただし、放熱部20が複数の放熱フィン22を有することで、冷媒REの気体を効率的に凝縮液化させることができる。
1-1c.熱輸送部30
図1に示す熱輸送部30は、冷媒REの移動を用いて受熱部10から放熱部20へと熱を輸送する構造体である。図1に示す例では、熱輸送部30は、複数の第1管部31と複数の第2管部32とを有する。なお、前述の受熱部10が有する天板12は、熱輸送部30の一部を兼ねてもよい。
図1に示す熱輸送部30は、冷媒REの移動を用いて受熱部10から放熱部20へと熱を輸送する構造体である。図1に示す例では、熱輸送部30は、複数の第1管部31と複数の第2管部32とを有する。なお、前述の受熱部10が有する天板12は、熱輸送部30の一部を兼ねてもよい。
各第1管部31は、受熱部10で冷媒REが気化されることにより生成された気相冷媒を放熱部20に輸送する。本実施形態では、各第1管部31は、Z軸に沿って直線状に延びる管で構成される。なお、図示の例では、各第1管部31は、屈曲していない直線状の管であるが、各第1管部31は、屈曲または湾曲する部分を有してもよい。また、各第1管部31は、受熱部10および放熱部20に接続される。複数の第1管部31は、複数の放熱容器21に1対1で設けられる。
各第2管部32は、放熱部20で気相冷媒が凝縮されることにより生成された液相冷媒を受熱部10に輸送する。本実施形態では、各第2管部32は、Z軸に沿って直線状に延びる管で構成される。なお、図示の例では、各第2管部32は、屈曲していない直線状の管であるが、各第2管部32は、屈曲または湾曲する部分を有してもよい。また、各第2管部32は、受熱部10および放熱部20に接続される。複数の第2管部32は、複数の放熱容器21に1対1で設けられる。また、図2に示すように、第1管部31と第2管部32とは、放熱容器21ごとにX軸に沿う方向に並ぶ。
第1管部31および第2管部32は、熱伝導性に優れる材料で構成される。第1管部31および第2管部32の具体的な構成材料としては、例えば、銅、アルミニウムまたはこれらのいずれかの合金等の金属材料が挙げられる。また、第1管部31および第2管部32は、天板12に対してロウ付け等により固定される。なお、第1管部31および第2管部32は、互いに同じ材料で構成されてもよいし、互いに異なる材料で構成されてもよい。また、複数の第1管部31の形状または材料は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。同様に、複数の第2管部32の形状または材料は、互いに同じであってもおいし、互いに異なっていてもよい。
以上の概略構成を有する沸騰冷却装置1は、前述のようにサーモサイフォンの冷却器である。沸騰冷却装置1では、受熱部10で冷媒REが気化されることにより生成された気相冷媒が、気体と液体との密度差により第1管部31から放熱部20へ導入される。当該気相冷媒は放熱部20で凝縮液化されることにより、液相冷媒が生成される。当該液相冷媒は、重力により第2管部32から受熱部10へ導入される。そして、液相冷媒が再び気化されることにより気相冷媒になる。このように冷媒REの相変化を伴う循環流の形成により、受熱部10から放熱部20へ潜熱による熱輸送が行われる。このようにサーモサイフォンの冷却器によれば、ポンプを用いずに冷媒REを循環させることができる。
1-2.第1管部31および第2管部32
図3は、図1に示す熱輸送部30の一部を示す縦断面図である。図4は、図1に示す熱輸送部30をZ1方向にみた図である。また、図4は、天板12をZ1方向にみた図でもある。図3および図4を参照しつつ熱輸送部30が有する第1管部31および第2管部32の詳細な構成について説明する。
図3は、図1に示す熱輸送部30の一部を示す縦断面図である。図4は、図1に示す熱輸送部30をZ1方向にみた図である。また、図4は、天板12をZ1方向にみた図でもある。図3および図4を参照しつつ熱輸送部30が有する第1管部31および第2管部32の詳細な構成について説明する。
図3に示すように、第1管部31は、受熱部10と放熱部20とのそれぞれに接続されており、収容室S10および凝縮室S20のそれぞれに開口している。第1管部31の一部は、放熱部20内に位置する。第1管部31は、第1流路S1を形成する第1内壁面310を有する。第1流路S1は、受熱部10で冷媒REが気化されることにより生成された気相冷媒を放熱部20に輸送する空間である。第1流路S1を介して各凝縮室S20は受熱部10の収容室S10に連通する。
また、図示の例では、第1管部31の厚さは、一定である。第1管部31の第1内壁面310は、第1流路S1の中心軸A1に平行な円筒状の面である。第1内壁面310の内径は、一定である。したがって、第1流路S1の断面積は、一定である。
第1内壁面310は、受熱部10に向けて開口する第3開口縁311と、放熱部20に向けて開口する第4開口縁312とを有する。
第3開口縁311は、収容室S10に露出している。第3開口縁311の平面視での形状は、円形である。第3開口縁311は、第1流路S1を収容室S10に向けて開放する開口を形成する。なお、第3開口縁311のZ1方向での位置は、天板12の下面のZ1方向での位置と同じである。ただし、第3開口縁311は、例えば、天板12の下面に対して下方に位置してもよい。また、第3開口縁311は、収容室S10内に存在する冷媒REの液面RE0に対して上方に位置する。別の言い方をすると、第3開口縁311は、液面RE0と放熱部20との間に位置する。したがって、第3開口縁311は、液面RE0に接触していない。
第4開口縁312は、凝縮室S20内に位置する。第4開口縁312の平面視での形状は、円形である。第4開口縁312は、第1流路S1を凝縮室S20に向けて開放する開口を形成する。第4開口縁312は、放熱容器21の底板211に対して上方に位置する。ただし、第4開口縁312のZ1方向での位置は、例えば、底板211の上面のZ1方向での位置と同じでもよい。
図3に示すように、第2管部32は、受熱部10と放熱部20とのそれぞれに接続されており、収容室S10および凝縮室S20のそれぞれに開口している。各第2管部32は、第2流路S2を形成する第2内壁面320を有する。第2流路S2は、放熱部20で気相冷媒が凝縮されることにより生成された液相冷媒を受熱部10に輸送する空間である。第2流路S2を介して各放熱容器21の凝縮室S20は受熱部10の収容室S10に連通する。また、第2流路S2の平均断面積は、前述の第1流路S1の平均断面積よりも小さい。
第2内壁面320は、円筒面325と傾斜面326とを有する。円筒面325と傾斜面326とは、連続的に繋がっている。円筒面325は、第2流路S2の中心軸A2に平行な円筒状の面である。円筒面325の内径は、一定である。したがって、第2流路S2の円筒面325に対応する部分の断面積は、一定である。
傾斜面326は、円筒面325の下方に位置するテーパー面である。傾斜面326は、受熱部10に向けて第2流路S2の断面積を漸次大きくするように中心軸A2に対して傾斜する。第2流路S2のうち傾斜面326に対応する部分は、Z2方向に向かって広がるテーパー状の空間である。傾斜面326は、中心軸A2に対して傾斜角度θ1で傾斜している。図示の例では、傾斜角度θ1は、Z2方向において傾斜面326の全域で一定である。
第2内壁面320は、受熱部10に向けて開口する第1開口縁321と、放熱部20に向けて開口する第2開口縁322とを有する。具体的には、前述の傾斜面326が第1開口縁321を有し、前述の円筒面325が第2開口縁322を有する。
第1開口縁321は、収容室S10に露出している。第1開口縁321の平面視での形状は、円形である。第1開口縁321は、第2流路S2を収容室S10に向けて開放する開口を有する。なお、第1開口縁321のZ1方向での位置は、天板12の下面のZ1方向での位置と同じである。また、第1開口縁321は、収容室S10内に存在する冷媒REの液面RE0に対して上方に位置する。別の言い方をすると、第1開口縁321は、液面RE0と放熱部20との間に位置する。したがって、第1開口縁321は、液面RE0に接触していない。
第2開口縁322は、凝縮室S20に露出している。第2開口縁322の平面視での形状は、円形である。第2開口縁322は、第2流路S2を凝縮室S20に向けて開放する開口を形成する。なお、第2開口縁322のZ1方向での位置は、底板211の上面のZ1方向での位置と同じである。ただし、第2開口縁322は、例えば、底板211の上面に対して上方に位置してもよい。
図4に示すように、第1開口縁321の長さは、第2開口縁322の長さよりも長い。また、第1開口縁321の長さは、図3に示す第2管部32の長手方向の中心O2における内周320xの長さよりも長い。なお、第2開口縁322の長さと、内周320xの長さとは、互いに等しい。
以上説明した沸騰冷却装置1は、前述のように、サーモサイフォンの冷却器である。具体的には、沸騰冷却装置1は、受熱部10と放熱部20と第1管部31と第2管部32とを備える。そして、第1流路S1は気相冷媒の流路であり、第2流路S2は液相冷媒の流路である。このようなサーモサイフォンの沸騰冷却装置1では、前述の第2管部32を有することで、冷媒REが還流できなくなる熱輸送限界に達することを抑制することができる。
図5は、熱輸送限界の条件を説明するための図である。図6は、図4に示す第2管部32から露出する液滴Drを示す図である。
図5に示すように、第2管部32の第1開口縁321が液面RE0と放熱部20との間に位置する場合、第1開口縁321は、収容室S10の上方の気相域に接続される。よって、第2流路S2と収容室S10との間には、液滴Drの表面による気液界面が形成される。当該気液界面が受ける表面張力σの影響が大きすぎる場合、冷媒REを循環させる循環駆動力が低下するおそれがある。この結果、冷媒REが還流できなくなる熱輸送限界に達するおそれがある。
熱輸送限界の条件は、下記の式(1)で表される。式(1)を満たす場合、冷媒REが還流できなくなる。
(ρgh-ΔP)<(ΔPg+ΔPl) ・・・(1)
(ρgh-ΔP)<(ΔPg+ΔPl) ・・・(1)
式(1)中の(ρgh-ΔP)は、循環駆動力を示す。ρghは、液相冷媒の位置差圧を示す。図5に示すように、位置差圧ρghは、液滴Drの気液界面と凝縮室S20内の液相冷媒の上面R0との水頭圧差である。ΔPは、液滴Drの気液界面の気相と液相との圧力差を示す。例えば、ΔPは、(4σ/Di)で表される。σは、表面張力を示す。Diは、図6に示す第1開口縁321の内幅すなわち内径を示す。また、式(1)中の(ΔPg+ΔPl)は、冷媒REの循環経路での流動抵抗を示す。ΔPgは、第1管部31における圧力損失を示す。ΔPlは、第2管部32における圧力損失を示す。
本実施形態では、前述のように第2管部32が傾斜面326を有することにより、内径Diの大径化を図ることができる。このため、本実施形態では、第2管部32の第1開口縁321の長さが第2管部32の長手方向での中心O2における内周320xの長さよりも長い。このように内径Diの大径化を図ることにより、前述の(4σ/Di)で表される圧力差ΔPを小さくすることができる。この結果、循環駆動力(ρgh-ΔP)が従来に比べて大きくなるので、熱輸送限界に達し難くすることができる。なお、図6に示す液滴Drの曲率半径Rexは、内径Diが大きくなるほど大きくなるので、従来の液滴Dr0の曲率半径Riよりも大きい。
このように、サーモサイフォンの沸騰冷却装置1において、第1開口縁321が液面RE0と放熱部20との間に位置する場合、第1開口縁321の長さを内周320xの長さよりも長くすることにより、冷媒REの還流が阻害され難くなる。この結果、冷却性能の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、第1開口縁321の開口面積、すなわち第1開口縁321により形成される開口の面積は、第2流路S2の長手方向の中心O2での断面積よりも大きい。このため、第1開口縁321の開口面積が第2流路S2の長手方向の中心O2での断面積以下である場合に比べ、第1開口縁321の内径を表面張力σに対して大きくし易くなる。よって、循環駆動力(ρgh-ΔP)を大きくすることができるので、熱輸送限界に達するおそれが抑制される。なお、上記「断面積」とは、図4中において、中心軸A2に直交する軸を含む平面で切断したときの切断面の面積をいう。
また、前述のように、第2内壁面320は、第2流路S2の中心軸A2に対して傾斜する傾斜面326を有する。傾斜面326は、第1開口縁321に向かって漸次大きくなるテーパー面である。このため、簡単な構成で、第1開口縁321の開口面積を第2流路S2の長手方向の中心での断面積よりも大きくすることができる。よって、第2内壁面320が傾斜面326を有することで、第2内壁面320の全域が中心軸A2に平行である場合に比べ、循環駆動力(ρgh-ΔP)を大きくすることができる。したがって、熱輸送限界に達するおそれが抑制される。
なお、傾斜面326の傾斜角度θ1は、特に限定されず、0°よりも大きく、かつ、90°よりも小さければよく、この場合、第2内壁面320の全域が中心軸A2に平行である場合に比べ、熱輸送限界に達するおそれが抑制される。
ここで、第2管部32の傾斜面326を省略し、第2管部32の内径を全域で大きくすることで、圧力差ΔPを位置差圧ρghに対して小さくする方法が考えられる。つまり、第2管部32の内径を第1管部31の内径と同様の大きさに設定する方法が考えられる。しかし、第2管部32の内径が全域で大きくなると、第1流路S1に加えて第2流路S2に気相冷媒が流入し易くなるおそれがある。このため、冷媒REの液循環が円滑に行われないおそれがある。したがって、第1流路S1の平均断面積は、第2流路S2の平均断面積よりも大きいことが好ましい。このように第1流路S1の平均断面積を第2流路S2の平均断面積よりも大きくすることで、第2流路S2よりも第1流路S1に気相冷媒が流入し易くなる。このため、第1流路S1の平均断面積が第2流路S2の平均断面積以下である場合に比べ、冷媒REを円滑に循環させることができる。
また、前述のように、第1流路S1のZ軸に沿った長さは、第2流路S2のZ軸に沿った長さよりも長い。そして、第1管部31の一部は、放熱部20に存在する。このため、第1管部31の一部が放熱部20に存在しない場合に比べ、第4開口縁312から液相冷媒が流入し難くなる。よって、第1管部31の一部が放熱部20に存在することで、放熱部20に存在しない場合に比べ、冷媒REを円滑に循環させることができる。
また、前述のように、放熱部20は、複数の凝縮室S20を有する。そして、第1管部31および第2管部32は、複数の凝縮室S20のそれぞれに設けられる。放熱フィン22に複数の凝縮室S20が設けられることで放熱フィン22全体を有効に利用でき、冷却性能の向上を図ることができる。
2.第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図7は、第2実施形態の熱輸送部30Aの一部を示す縦断面図である。図8は、図7に示す第2管部32Aから露出する液滴Drを示す図である。図7に示す熱輸送部30Aは、第1実施形態の第2管部32の代わりに第2管部32Aを有すること以外、第1実施形態の熱輸送部30と同じである。以下では、第2管部32Aについて第2管部32との相違点を説明し、第2管部32と同じ事項の説明は省略する。
図7に示すように、第2管部32Aが有する第2内壁面320Aは、中心軸A2に平行な円筒状の面である。第2内壁面320Aの内径は、一定である。したがって、第2流路S2Aの断面積は、一定である。
第2管部32Aの一部は、収容室S10内に位置する。第1開口縁321Aは、天板12に対して下方に位置する。また、第1開口縁321Aを含む平面が中心軸A2の直交平面に対して傾斜する平面に沿うよう第2管部32Aは切り欠かれている。図8に示すように、第1開口縁321Aを含む平面は、第2流路S2の中心軸A2の直交平面に対して傾斜角度θ2で傾斜している。すなわち、第1開口縁321Aを含む平面は、X-Y平面に対して傾斜角度θ2で傾斜している。
詳細な図示はしないが、第1開口縁321Aの長さは、第2開口縁322の長さよりも長い。また、第1開口縁321Aの長さは、内周320xの長さよりも長い。
本実施形態においても第1実施形態と同じように、第1開口縁321Aの長さは、第2管部32Aの長手方向での中心O2における内周320xの長さよりも長い。このため、図8に示す第1開口縁321の内径Diが従来よりも大きい。このような本実施形態によっても、前述の第1実施形態と同様、循環駆動力(ρgh-ΔP)を大きくすることができ、この結果、冷却性能の低下を抑制することができる。
また、前述のように、本実施形態では、第1開口縁321Aは、第2管部32Aの中心軸A2の直交平面に対して傾斜する平面に沿う。このため、直管の先端部分を切り欠くことで、第2管部32Aを製造することができる。それゆえ、簡単な構成で、第1開口縁321Aの開口面積を第2流路S2の長手方向の中心O2での断面積よりも大きくすることができる。よって、第2内壁面320Aの全域が円筒状である場合、第1開口縁321Aを含む平面がX-Y平面に対して傾斜していることで、第1開口縁321Aを含む平面がX-Y平面に対して平行である場合に比べ、循環駆動力(ρgh-ΔP)を大きくすることができる。
なお、第1開口縁321Aを含む平面のX-Y平面に対する傾斜角度θ2は、特に限定されず、0°よりも大きく、かつ、90°よりも小さければ、第2内壁面320の全域が中心軸A2に平行である場合に比べ、熱輸送限界に達するおそれが抑制される。
以上の第2実施形態によっても、前述の第1実施形態と同様に、冷却性能の向上を図ることができる。
3.第3実施形態
以下、本発明の第3実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
以下、本発明の第3実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図9は、第3実施形態における熱輸送部30Bの一部を示す断面図である。本実施形態では、第1実施形態の天板12および熱輸送部30の代わりに、天板12Bおよび熱輸送部30Bが設けられること以外、第1実施形態と同じである。以下では、天板12Bおよび熱輸送部30Bについて天板12および熱輸送部30との相違点を説明し、熱輸送部30と同じ事項の説明は省略する。
図9に示すように、熱輸送部30Bは、第1管部31Bと第2管部32Bとを有する。第1管部31Bは、天板12Bの一部と管体33とで構成される。
天板12Bは、貫通孔を形成する内壁面120を有する。内壁面120は、中心軸A1に対して傾斜角度θ3で傾斜しているテーパー面である。内壁面120は、Z2方向に向かって広がるテーパー状の貫通孔を形成する。なお、図示の例では、傾斜角度θ3は、Z2方向において内壁面120の全域で一定である。
管体33は、Z軸に沿って直線状に延びる管である。管体33の一部は、天板12Bの貫通孔に位置する。管体33は、貫通孔を形成する内壁面330を有する。管体33の内壁面330と天板12Bの内壁面120とは、連続的に繋がっている。管体33の内壁面330と天板12Bの内壁面120とで、第2管部32Bの第1内壁面310Bが構成される。また、管体33の貫通孔と天板12Bの貫通孔とで、第1管部31Bの第1流路S1Bが構成される。
また、第2管部32Bの第2内壁面320Bは、円筒面325と第1傾斜面326Bと第2傾斜面327とを有する。第1傾斜面326Bは、第1実施形態の傾斜面326と同じである。第1傾斜面326Bと円筒面325と第2傾斜面327とは連続的に繋がっている。
第2傾斜面327は、円筒面325に対して上方に位置する。第2傾斜面327は、第2内壁面320Bが有する第2開口縁322Bに向かって漸次大きくなる部分である。すなわち、第2傾斜面327は、放熱部20に向けて第2流路S2Bの断面積を漸次大きくするように中心軸A2に対して傾斜するテーパー面である。第2傾斜面327は、中心軸A2に対して傾斜角度θ4で傾斜している。図示の例では、傾斜角度θ4は、Z2方向において第2傾斜面327の全域で一定である。第2管部32Bのうち第2傾斜面327に対応する部分は、Z1方向に向かって広がるテーパー状の空間である。
また、詳細な図示はしないが、第2開口縁322Bの長さは、第2管部32Bの長手方向の中心O2における内周320xの長さよりも長い。
前述のように、第2内壁面320Bは、第2流路S2の中心軸A2に対して傾斜する第2傾斜面327を有する。第2傾斜面327は、第2開口縁322Bに向かって漸次大きくなる部分である。第2内壁面320Bが第2傾斜面327を有することで、第2傾斜面327を有さない場合に比べ、放熱部20で液化した冷媒REを第2流路S2に導き易くなる。
以上の第3実施形態によっても、前述の第1実施形態と同様に、冷却性能の向上を図ることができる。
4.変形例
以上に例示した実施形態は多様に変形され得る。前述の実施形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。また、第1実施形態に関する以下の変形例は、矛盾しない範囲で第2または第3実施形態に適宜併合され得る。
以上に例示した実施形態は多様に変形され得る。前述の実施形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。また、第1実施形態に関する以下の変形例は、矛盾しない範囲で第2または第3実施形態に適宜併合され得る。
4-1.第1変形例
図10は、第1変形例の第2管部32Cの一部を示す断面図である。前述の第1実施形態では、第2管部32が有する第1開口縁321を含む平面は平坦面であるが、図10に示す例のように、第2管部32Cが有する第1開口縁321Cを含む平面は、凹凸面を有してもよい。
図10は、第1変形例の第2管部32Cの一部を示す断面図である。前述の第1実施形態では、第2管部32が有する第1開口縁321を含む平面は平坦面であるが、図10に示す例のように、第2管部32Cが有する第1開口縁321Cを含む平面は、凹凸面を有してもよい。
第1開口縁321Cに凹凸を設けることにより、第1開口縁321Cの長さは、第2管部32の長手方向での中心O2における内周320xの長さよりも長い。このため、圧力差ΔPを小さくすることができる。したがって、循環駆動力(ρgh-ΔP)を大きくすることができるので、式(1)の条件を満たすおそれ、すなわち熱輸送限界に達するおそれが抑制される。この結果、液滴Drの収容室S10への滴下が阻害されることが抑制される。したがって、冷媒REの還流が阻害され難くなる。よって、第2内壁面320の全域が円筒状である場合、第1開口縁321Cが凹凸を有することで、有さない場合に比べ、循環駆動力(ρgh-ΔP)を大きくすることができる。
4-2.第2変形例
図11は、第2変形例の第2管部32Dの一部を示す縦断面図である。前述の第1実施形態では、傾斜角度θ1がZ2方向において傾斜面326の全域で一定であるが、一定でなくてもよい。図11に示す例では、第2管部32Dの第2内壁面320Dが有する傾斜面326Dは、受熱部10に向かうほど中心軸A2に対する傾斜角度が大きくなる。したがって、第2流路S2の断面積は、受熱部10に向かうほど大きくなる。このため、第1実施形態の第1開口縁321に比べて、第2変形例の第1開口縁321Dの長さを大きくし易くなる。よって、冷媒REの還流がより阻害され難くなる。
図11は、第2変形例の第2管部32Dの一部を示す縦断面図である。前述の第1実施形態では、傾斜角度θ1がZ2方向において傾斜面326の全域で一定であるが、一定でなくてもよい。図11に示す例では、第2管部32Dの第2内壁面320Dが有する傾斜面326Dは、受熱部10に向かうほど中心軸A2に対する傾斜角度が大きくなる。したがって、第2流路S2の断面積は、受熱部10に向かうほど大きくなる。このため、第1実施形態の第1開口縁321に比べて、第2変形例の第1開口縁321Dの長さを大きくし易くなる。よって、冷媒REの還流がより阻害され難くなる。
4-3.第3変形例
図12は、第3変形例の第2管部32Eを示す縦断面図である。図12に示す例では、第2管部32Eは、天板12Eの一部と管体34とで構成される。天板12Eは、Z2方向に向かって広がるテーパー状の貫通孔を形成する内壁面125を有する。内壁面125は、中心軸A2に対して傾斜角度θ5で傾斜している面である。なお、図示の例では、傾斜角度θ5は、Z2方向において内壁面125の全域で一定である。
図12は、第3変形例の第2管部32Eを示す縦断面図である。図12に示す例では、第2管部32Eは、天板12Eの一部と管体34とで構成される。天板12Eは、Z2方向に向かって広がるテーパー状の貫通孔を形成する内壁面125を有する。内壁面125は、中心軸A2に対して傾斜角度θ5で傾斜している面である。なお、図示の例では、傾斜角度θ5は、Z2方向において内壁面125の全域で一定である。
管体34は、Z軸に沿って直線状に延びる管である。管体34は、天板12Eの上面に接触する。管体34は、例えば、天板12Eに突き当て溶接されている。管体34は、貫通孔を形成する内壁面340を有する。内壁面340は、中心軸A2に平行な円筒状の面である。よって、内壁面340の内径は、一定である。また、管体34の内壁面340と天板12Eの内壁面125とで、第2管部32Eの第2内壁面320Bが構成される。また、管体34の貫通孔と天板12Eの貫通孔とで、第2管部32Eの第2流路S2Eが構成される。
また、天板12Eの内壁面125が有する下側開口端121は、「第1開口縁」に相当する。下側開口端121は、第2管部32Bの長手方向の中心O2における内周320xの長さよりも長い。したがって、天板12Eが内壁面125を有することで、熱輸送限界に達するおそれが抑制される。
図13は、図12の第2管部32Eの他の例を示す縦断面図である。図13に示す例では、管体34の一部は、天板12Eの貫通孔に位置する。図13に示す例では、管体34は、例えば、天板12Eに差込み溶接されている。この場合であっても、第2管部32Eは、天板12Eの一部と管体34とで構成される。
前述の第1実施形態では、受熱部10は、1つの収容室S10を有するが、複数の収容室S10を有してもよい。受熱部10が複数の収容室S10を有する場合、受熱部10は、収容室S10を形成する複数の容器を有してもよい。また、前述の第1実施形態では、放熱部20は、複数の放熱容器21を有するが、放熱部20は1つの放熱容器21のみを有してもよい。また、前述の第1実施形態では、熱輸送部30は、複数の第1管部31および複数の第2管部32を有するが、1つの第1管部31および1つの第2管部32のみを有してもよい。
前述の第1実施形態では、1つの受熱部10に、複数の第1管部31および複数の第2管部32が接続されている。しかし、1つの受熱部10に、1つの第1管部31および1つの第2管部32のみが接続されてもよい。この場合、1つの収容室S10を有する受熱部10は、1つの第1管部31および1つの第2管部32を介して1つの凝縮室S20を有する放熱部20に接続されてもよい。すなわち、1つの収容室S10は、1つの第1流路S1および1つの第2流路S2を介して1つの凝縮室S20に連通してもよい。
以上、好適な各実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されない。前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせてもよい。例えば、本発明は、第1実施形態の第2管部32および第3実施形態の第1管部31Bおよび天板12Bを組み合わせた形態であってもよい。また、本発明の各部の構成は、前述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換でき、また、任意の構成を付加できる。
1…沸騰冷却装置、10…受熱部、11…底板、12…天板、12B…天板、12E…天板、13…側壁、20…放熱部、21…放熱容器、22…放熱フィン、30…熱輸送部、30A…熱輸送部、30B…熱輸送部、31…第1管部、31B…第1管部、32…第2管部、32A…第2管部、32B…第2管部、32C…第2管部、32D…第2管部、32E…第2管部、120…内壁面、121…下側開口端、125…内壁面、211…底板、212…天板、213…筒部、310…第1内壁面、311…第3開口縁、312…第4開口縁、320…第2内壁面、320A…第2内壁面、320B…第2内壁面、320D…第2内壁面、320x…内周、321…第1開口縁、321A…第1開口縁、321C…第1開口縁、321D…第1開口縁、322…第2開口縁、322B…第2開口縁、325…円筒面、326…傾斜面、326B…第1傾斜面、326D…傾斜面、327…第2傾斜面、33…管体、330…内壁面、34…管体、340…内壁面、A1…中心軸、A2…中心軸、Di…内径、Dr…液滴、Dr0…液滴、O2…中心、R0…上面、RE…冷媒、RE0…液面、Rex…曲率半径、Ri…曲率半径、S1…第1流路、S1B…第1流路S10…収容室、S2…第2流路、S20…凝縮室、S21…収容室、S2A…第2流路、S2B…第2流路、S2E…第2流路、S3…貫通孔、S4…貫通孔、θ1…傾斜角度、θ2…傾斜角度、θ3…傾斜角度、θ4…傾斜角度、θ5…傾斜角度。
Claims (8)
- 冷媒を収容し、発熱体からの熱を受ける受熱部と、
前記受熱部からの熱を放熱する放熱部と、
前記受熱部で前記冷媒が気化されることにより生成された気相冷媒を前記放熱部に輸送する第1流路を形成する第1内壁面を有する第1管部と、
前記放熱部で前記気相冷媒が凝縮されることにより生成された液相冷媒を前記受熱部に輸送する第2流路を形成する第2内壁面を有する第2管部と、を備え、
前記第2内壁面は、前記受熱部に向けて開口する第1開口縁と、前記放熱部に向けて開口する第2開口縁と、を有し、
前記第1開口縁の長さは、前記第2管部の長手方向の中心における内周の長さよりも長い、
沸騰冷却装置。 - 前記第1開口縁の開口面積は、前記第2流路の長手方向の中心での断面積よりも大きい、
請求項1に記載の沸騰冷却装置。 - 前記第2内壁面は、前記第2流路の中心軸に対して傾斜する傾斜面を有し、
前記傾斜面は、前記第1開口縁に向かって漸次大きくなる、
請求項1または2に記載の沸騰冷却装置。 - 前記第1開口縁は、前記第2管部の中心軸の直交平面に対して傾斜する平面に沿う、
請求項1に記載の沸騰冷却装置。 - 前記第1流路の平均断面積は、前記第2流路の平均断面積よりも大きい、
請求項1から4のいずれか1項に記載の沸騰冷却装置。 - 前記第1管部の一部は、前記放熱部に存在する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の沸騰冷却装置。 - 前記放熱部は、複数の凝縮室を有し、
前記第1管部は、前記複数の凝縮室のそれぞれに設けられ、
前記第2管部は、前記複数の凝縮室のそれぞれに設けられる、
請求項1から6のいずれか1項に記載の沸騰冷却装置。 - 前記第2内壁面は、前記第2開口縁に向かって漸次大きくなる部分を有する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の沸騰冷却装置。
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2021
- 2021-03-04 JP JP2021034506A patent/JP2022134971A/ja active Pending
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