JP2022133492A - コイルの巻線装置およびコイルの巻線方法 - Google Patents

コイルの巻線装置およびコイルの巻線方法 Download PDF

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公康 古澤
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Abstract

Figure 2022133492000001
【課題】転位部を有するコイルを連続して巻回することができコイルの巻線装置およびコイルの巻線方法を提供する。
【解決手段】コイルの巻線装置のノズルホルダ65は、テンショナ側に、束線42を、スピンドル軸側に内側を通過させると共に束線42の周方向への回転を規制可能な第一挿入部77b1と、第一挿入部77b1のスピンドル軸側に、内側に挿入された束線42に対する把持および開放が可能な第二挿入部77b2と、第一挿入部77b1が束線42の周方向への回転を規制し、第二挿入部77b2が束線を把持した状態において、第一挿入部77b1又は第二挿入部77b2の少なくとも一方を束線42の周方向に回転させる回転機構とを備える。
【選択図】図20

Description

本願は、コイルの巻線装置およびコイルの巻線方法に関する。
産業用、車載用モータ等の回転電機の巻線方式は、固定子に巻線を施す方法の違いから、予めコイルを形成して固定子鉄心のスロットと呼ばれる溝に挿入する分布巻線方式と、コアの個々のティースに直接巻線を施す集中巻線方式とに大別される。
これらの回転電機には、小型化、高速化、使用速度範囲の広範囲化が求められている。この観点から、分布巻線方式に対し、コイルの周長を大幅に短縮でき、太い電線を高密度に巻き付けることによって巻線抵抗を低減することができる集中巻線方式のモータの需要が高まっている。集中巻き方式のモータは、分布巻線方式の回転電機と比較してモータの効率が高い。
これら産業用、車載用モータ等の回転電機を、更に小型化、高速化し、使用速度範囲を拡大するためには、モータの駆動電圧、電流を更に高めて、モータを大容量化し、また、駆動周波数を高周波化する必要がある。しかしながら、モータの駆動周波数の高周波化には、コイルに生じる表皮効果によってコイルの電気抵抗が増加するという課題がある。この対策として、コイルに用いる導体の断面積を維持しながら細線化し、多導体化する方法(所謂パラ巻線)が一般的に知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5525069号公報(段落番号0015~0035、図1)
まず、特許文献1では、表皮効果抑制のための細線化および多導体化を採用しているが、コア片に巻き回す複数本の導体には、内層側と外層側の位置の違いによる導体の長さの差が生まれ、これによって、内層側と外層側において電気抵抗の差が生じ、高周波電流に対し循環電流が発生し、これに伴う銅損が増加するという課題があった。
この課題に対し同文献では、巻き回す中心が異なる2つのコイルを8の字状に連続して形成し、その後、内層と外層が入れ替わるように、コイルの渡り部をねじって2つのコイル同士を重ね合わせ1つのコイルとする技術を提案している。
しかし、この方法では、転位部を有するコイルを連続して巻回することができず、製造工程が煩雑であるという課題があった。さらに、コイルを巻枠、コア片或いはチャック治具に直接巻き回すことができないという課題があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、転位部を有するコイルを連続して巻回することができ、製造工程が簡素で、コイルを巻枠、コア片或いはチャック治具に直接巻き回すことも可能なコイルの巻線装置およびコイルの巻線方法を提供することを目的とする。
本願に開示されコイルの巻線装置は、
並列に接続され束ねられた複数の導体からなる束線を巻き付けたボビンと、
前記束線を繰り出すノズルと、
前記ノズルを保持するノズルホルダと、
前記ボビンと前記ノズルホルダとの間で前記束線に張力を与えるテンショナと、
前記ノズルから繰り出された前記束線を巻き取るスピンドル軸とを備え、
前記ノズルホルダは、
前記ノズルホルダの前記テンショナ側に設けられた、前記束線を前記スピンドル軸側に向かって内側を通過させると共に、前記束線の周方向への回転を規制可能な第一挿入部と、
前記第一挿入部の前記スピンドル軸側に設けられた、内側に挿入された前記束線に対する把持および開放が可能な第二挿入部と、
前記第一挿入部が前記束線の周方向への回転を規制し、前記第二挿入部が前記束線を把持した状態において、前記第一挿入部又は前記第二挿入部の少なくとも一方を前記束線の周方向に回転させる回転機構とを備えるものである。
また、本願に開示されコイルの巻線方法は、
前記コイル巻線装置を用いるコイルの巻線方法であって、
前記第一挿入部と前記第二挿入部を通過する前記束線を、前記スピンドル軸、前記スピンドル軸に装着した巻枠状の絶縁部、分割コアのいずれかに巻線する巻線工程と、
前記巻線工程を中断し、少なくとも前記第二挿入部によって前記束線を把持した状態で前記束線を周方向に回転させる転位加工工程と、
前記転位加工工程の後、把持している前記束線を開放して、前記転位加工工程によって前記束線に形成した一括転位部を、前記第二挿入部の中を通して前記スピンドル軸側に送出する一括転位部送出工程とを有するものである。
本願に開示されるコイルの巻線装置およびコイルの巻線方法によれば、転位部を有するコイルを連続して巻回することができ、製造工程が簡素で、コイルを巻枠、コア片或いはチャック治具に直接巻き回すことも可能なコイルの巻線装置およびコイルの巻線方法を提供することができる。
実施の形態1による回転電機の斜視図である。 実施の形態1によるリニアモータの斜視図である。 実施の形態1による固定子の斜視図である。 実施の形態1による固定子を構成するコイル巻装体の斜視図である。 実施の形態1による分割コアに絶縁部を取り付けた状態を示す斜視図である。 図5の分解図である。 実施の形態1による固定子の製造工程を示すフロー図である。 図6のA-A断面図である。 実施の形態1による分割コアの要部断面図の他の例である。 実施の形態1のコイルを構成する束線の断面図である。 実施の形態1のコイルを構成する束線の断面図である。 実施の形態1のコイルを構成する束線の断面図である。 実施の形態1のコイルに設ける一括転位部を説明する図である。 実施の形態1による一括転位部を設ける位置を説明する図である。 実施の形態1によるコイル巻装体(分割コアを除く)の斜視図である。 実施の形態1によるコイル巻装体用の絶縁部とコイルとの関係を示す分解斜視図である。 実施の形態1による巻線装置とコイル製造工程を示す概念図である。 実施の形態1による巻線装置のノズルホルダの側面図である。 実施の形態1によるノズルホルダの上面図である。 図19のB-B断面図である。 実施の形態1による束線の把持と開放を可能にする上コレットの側面図である。 実施の形態1による上コレットの下面図である。 実施の形態1による上コレットの上面図である。 図22のC-C断面図である。 実施の形態1による閉じた状態の上コレットの断面模式図である。 実施の形態1による開いた状態の上コレットの断面模式図である。 実施の形態1による全てのコレット開いた状態のノズルホルダの断面図である。 実施の形態1によるチャック部を閉じて束線を把持した状態にある、図20における上コレットの断面模式図である。 実施の形態1によるチャック部を開いて束線を開放した状態にある、図27における上コレットの断面模式図である。 実施の形態1によるチャック部を閉じて図10に示す束線を把持した状態にある上コレットの断面模式図である。 図30のチャック部を開いて束線を開放した状態にある上コレットの断面模式図である。 実施の形態1によるチャック部を閉じて図12に示す束線を把持した状態にある上コレットの断面模式図である。 図32のチャック部を開いて束線を開放した状態にある上コレットの断面模式図である。 実施の形態1によるチャック部を閉じて、断面が円形の導体を7本束ねた束線を把持した状態にある上コレットの断面模式図である。 図34のチャック部を開いて束線を開放した状態にある上コレットの断面模式図である。 実施の形態1による一括転位部加工工程の前後の束線の遷移状態を示す図である。 図20のノズルホルダから2個の上コレットと、これらを駆動するための部材を取り除いたノズルホルダの断面模式図である。 図37の上ベースの平面図である。
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係るコイルの巻線装置およびコイルの巻線方法を図を用いて説明する。
図1は、回転電機100の斜視図である。
図1に示すように、固定子10の周方向Xを第一方向、第一方向に直交する径方向Yを第二方向、第一方向及び第二方向に直交する軸方向Zを第三方向とする。
回転電機100は、固定子10(電機子)と回転子(可動子)20とを備える。そして回転子20は、固定子10の内周面に回転子鉄心20aの外周面を対向させて、図示しないベアリングによって、回転可能に支えられている。回転子20の回転力は、固定子10のコイル4が生み出す磁界が、回転子20の外周円筒面、或いは回転子20の内部に配置された永久磁石に作用して得られる吸引力によって生み出される。回転電機100は、いわゆる永久磁石モータと呼ばれるものである。
図2は、リニアモータ100Rの斜視図である。リニアモータ100Rは、平板状に形成された固定子10Rと、この固定子10Rの上に空隙を介して浮上して直動運動する可動子20Rとを備える。すなわち、可動子20Rのティース部の先端は、固定子10Rの上面に対向している。図2のリニアモータにおいては、可動子20Rの移動方向Xを第一方向、第一方向に直交するティース部の突出方向Yを第二方向、第一方向及び第二方向に直交する方向Zを第三方向とする。
リニアモータ100Rは、上述の回転子20の回転力の発生と同じ原理を利用している。すなわち,可動子20R(電機子)の推進力は、可動子20Rのコイル4Rが発生する吸引力が、固定子10Rの上面に、移動方向Xに等間隔に設けられ、かつ、突出方向Yに突出する凸部10Rtに設けた永久磁石10Mに作用することによって得られる。
回転電機100とリニアモータ100Rの大きく異なる点は、回転電機100では、電機子である固定子10が動かないのに対して、リニアモータでは、電機子である可動子20Rが動く点である。また、回転電機100では、電機子である固定子10を構成する複数のコイル巻装体(詳細は後述)が、円環状に組み合わされているのに対して、リニアモータ100Rでは、電機子である可動子20Rを構成する複数のコイル巻装体が、直線状に組み合わされている点である。
図3は、固定子10の斜視図である。
図4は、固定子10を構成するコイル巻装体10Aの斜視図である。
図5は、分割コア11に絶縁部21を取り付けた状態を示す斜視図である。
図6は、図5の分解図である。
図7は、固定子10の製造工程を示すフロー図である。
図8は、図6のA-A断面図である。
図9は、分割コア11の要部断面図の他の例である。
本実施の形態では、主に回転電機100を例として電機子について説明するが、上述したように、回転電機100とリニアモータ100Rが駆動する原理は同じであり、本願は、回転電機およびリニアモータいずれにも適用できる。
図1に示すように、固定子10は、円環状に組み合わされた12個のコイル巻装体10Aによって構成されている。ただし、コイル巻装体10Aの数はこれに限定されるものではなく、回転電機100の特性上必要となる任意の個数にて固定子10を構成できる。
図4、図5、図6に示すように、コイル巻装体10Aは、分割コア11と、2個の絶縁部21と、コイル4とを備える。分割コア11は、磁性板材である電磁鋼板を軸方向Zに積層した積層コアである。
図6に示すように、それぞれの分割コア11は、分割ヨーク部11yと、分割ヨーク部11yから径方向Yの内側に突出するティース部11tと、ティース部11tの径方向Yの先端から、周方向Xに突出するシュー部11sとを備える。
そして、分割コア11のティース部11tの周囲には、分割コア11の軸方向の両側からそれぞれ装着された2個の絶縁部21を介してコイル4が集中巻されている。コイル4の両端を端末部41とする。絶縁部21は、分割コア11と、コイル4とを電気的に絶縁する。
すなわち、コイル巻装体10Aは、分割コア11のティース部11tの周囲を、絶縁部21を介してマグネットワイヤを巻き回した構造である。なお、図2に示すリニアモータ100Rの可動子20Rのコイル巻装体も同じ構成である。
ここで、図6の分割コア11について、紙面上側の端面を一端面、紙面下側の端面を他端面とする。
1個目の絶縁部21は、分割コア11の軸方向Zの一端面及び分割コア11の2つのスロットSの内周面の軸方向Zの上半分(分割ヨーク部11yの内周面とティース部11tの周方向Xの側面とシュー部11sの外周面)を覆っている。そして、2個目の絶縁部21は、分割コア11の軸方向Zの他端面及び分割コア11の2つのスロットSの内周面の軸方向Zの下半分(分割ヨーク部11yの内周面とティース部11tの周方向Xの側面とシュー部11sの外周面)を覆っている。2個の絶縁部21は、それぞれ軸方向Zの上下二方向からスロットSの内周面に沿って挿入する。
次に、図7を用いて、固定子10の製造方法を説明する。
まず、電磁鋼板から、鉄心片11pを打ち抜いて積層し、各積層間を固着する(ステップS1-1:分割コア製造工程)。分割コア11の積層間を固着する方法の例として、カシメ加工がある。
図6、図8に示すように、鉄心片11pの適当な位置に少なくとも2か所、塑性加工を施しの凹部12rと凸部12pとを設け、軸方向Zに積層された鉄心片11p同士を嵌合して固着する。
なお、他の固着方法として、図9に示すように、予め鉄心片11pを打ち抜く電磁鋼板の表面に、熱によって溶融し固化することによって接着が可能な接着層13を備えた電磁鋼板を用いることができる。なお、固着方法はこの限りではない。
分割コア製造工程とは別工程にて、絶縁部21を製造する(ステップS1-2:絶縁部製造工程)。
次に、分割コア組立工程(ステップS2)を実施する。この工程では、図6に示すように、準備した分割コア11と、2個の絶縁部21とを組み合わせる。
次に、分割コア11に対し、巻線装置を用いてコイル4を巻線し、コイル巻装体10Aを得る(ステップS3:コイル巻線工程(詳細は後述))。
次に、固定子組立工程(ステップS4)において、12個のコイル巻装体10Aを、図3に示すように、円環状に組み合わせる。この工程では、円環状に配列したコイル巻装体10Aの姿勢を保つための行程が含まれる。例えば、隣り合う分割コア11の分割ヨーク部11yの周方向端部同士を溶接するなどの行程を経て、図3に示す固定子10を得る。
次に、結線工程(ステップS5)において、各コイル4の端末部41を接続し、固定子10の機能を実現するための回路を形成する。
次に、図10~図12を用いて、図4に示すコイル4の導体について説明する。
図10~図12は、実施の形態1のコイル4を構成する、束線42の断面図である。束線42は、並列に接続され束ねられた複数の絶縁被覆付き導体43からなる、所謂パラ線である。束線42を構成する導体43としては、図10~図12に示すいずれかの導体を利用するとよい。
図13は、コイル4に設ける一括転位部48を説明する図である。
図14は、図13に示す一括転位部48を設ける位置を説明する図である。
回転電機100に供される導体43には、銅、アルミが用いられる。導体43は、図10に示す、長手方向に垂直な断面が円形の丸線に加え、図11に示す、長手方向に垂直な断面が1辺の長さがaである正方形の角線、或いは、図12に示す、2辺の長さがa>bである、断面長方形の平角線が用いられる。
また、導体43の表面は通常エナメル層などの絶縁被覆44によって覆われており、絶縁被覆44の厚みtは、耐電圧仕様によって様々な種類がメーカから提供されている。また、コイル4を巻線後に加熱し自己融着させて形状を維持するために絶縁被覆44の外側に接着層を有するものもある。さらに、自己融着線でなくても、図12に示すように、束線42の外周を絶縁テープ46を用いてテーピングをするものもある。
尚、本実施の形態では、上述の丸線、角線、正方形断面、或いは長方形断面の導体43を複数本束ねた束線42を用いて集中巻したコイルを対象とするが、束線42の断面形状、寸法、本数には制約は無く不問である。同様に、複数本導体を束ねた束線の形態においても、巻線する前の導体43同士の自己融着の有無および束線の外周を覆う絶縁テープの有無も不問であり、図10から図12に限らない。
図14に示すように、コイル4には、軸方向Zの両端部に束線42を部分的にねじった図13に示す一括転位部48を設ける。この方法で得られた一括転位部48を備えたコイル4は、束線42のねじれた部分の膨らみが隣り合うスロットS内に存在しない。したがって、スロットS内におけるコイル4の占積率を高く維持することが可能である。
図13に示すように束線を180°ねじった一括転位部48を図14に示すように、コイル4の少なくとも1ヶ所以上に設けることによって、先述の表皮効果によるコイルの位相差および電位差による回転電機100の損失増加を抑制することができる。
尚、図14では、一括転位部48は、2つの端末部41の間、すなわち、コイル巻装体の軸方向両端に位置するように配置したが、一括転位部48の位置はこれに限らず設けることが可能である。例えば、上述のコイル占積率の低下が許容される場合は、隣接するコイル巻装体10Aと近いコイル4の部分であっても構わない。
図15は、コイル巻装体10B(分割コアを除く)の斜視図である。コイル巻装体10Bは、コイル巻装体10Aの変形例である。
図16は、コイル巻装体10B用の絶縁部21Bとコイル4との関係を示す分解斜視図である。
図17は、巻線装置60とコイル製造工程を示す概念図である。
上述のコイル巻装体10Aでは、絶縁部21を2個使用していたが、図14に示すコイル巻装体10Bでは、1体物の巻枠状の絶縁部21Bを1個用いている。
巻線装置60において、各ボビン61には、図10~図12に示すような各導体43を束ねて自己融着させた束線42を巻いておく。束線42は、束線42を巻き回す張力を制御するためのテンショナ62を経由して、ノズルホルダ65(詳細は後述)に保持された複数のノズル64から繰り出される。チャック治具67は、巻枠状の絶縁部21Bの内側の内筒部21Binに挿入してこれを固定するために使用する。チャック治具67のスピンドル軸には、複数の絶縁部21Bを装着できる。そして、チャック治具67は、巻枠ステージ68によって、その軸方向の両端を回転可能に支持されている。巻枠ステージ68又はノズルホルダ65のいずれかに、矢印U方向に往復運動する直動機構を備える。
チャック治具67の回転中心は、これに装着される複数の絶縁部21Bの中心を結ぶ線となる。このように、チャック治具67に複数の絶縁部21Bを固定し、これをモータ等の回転動力66によって矢印Qに示すように上述の回転中心を中心として回転させると同時に直動機構を動作させると、ボビン61からテンショナ62およびノズル64を経由して束線42を複数の絶縁部21Bに同時に巻き回すことができる。
コイル4の巻線の途中部分に一括転位部48を設ける方法については後述する。
絶縁部21Bにコイル4を巻線することによって、形成したコイル4をチャック治具67から取り外してもコイル形状精度を保てるため、自己融着のための熱処理、コイルの端末線の絶縁被覆を剥離することが容易になるという利点がある。
さらに、巻線装置60を用いれば、上述のように絶縁部21Bにコイル4を巻き回すこと以外に、チャック治具67の外周面の形状が、コイル4の内筒部21Binの形状と同じであれば、一括転位部48を備えたコイル4のみを形成することも可能である。
次に、コイル4に一括転位部48を設けるための機能を有するノズルホルダ65の構成の詳細について説明する。
これまで、図17では、3個のノズルを有する巻線装置60について説明した。図18以降では、紙面の関係上、2個のノズル構成として説明する。ノズルの数すなわち、同時に巻き回すコイルの個数、巻枠状の絶縁部の要否の制約はないものとする。
図18は、巻線装置60のノズルホルダ65の側面図である。
図19は、ノズルホルダ65の上面図である。
ノズルホルダ65は、上ベース71と下ベース72とを備える。上ベース71及び下ベース72は、4本のポスト73および無給油ブッシュ74によって、束線42の長手方向にのみ、上ベース71と下ベース72との間の間隔を伸縮可能に支持されている。
図20は、図19のB-B断面図である。
テンショナ62側の上ベース71には、上ベース71を紙面上下に貫通する2個の上コレット77a1、77b1(第一挿入部)と、上コレット77a1、77b1を開閉させるコレットリング78a1、78b1と、上コレット77a1、上コレット77b1を束線42の周方向に回転させるための動力原としてのモータ79uとを備える。
同様に、コイル4を形成するスピンドル軸側の下ベース72には、下ベース72を紙面上下に貫通する2個の下コレット77a2、77b2(第二挿入部)と、下コレット77a2、77b2を開閉させるコレットリング78a2、78b2と、下コレット77a2、下コレット77b2を束線42の周方向に回転させるための動力原としてモータ79dとを備える。
上コレット77a1と下コレット77a2とが対を成し、上コレット77b1と下コレット77b2とが対を成す。上コレット77a1、77b1と、下コレット77a2、77b2とは、同じ形状の物(但し内径は異なる)が上下反転して設置されている。束線42の巻線時には、上コレット77a1の中を通った束線42が、下コレット77a2の中を通り、同様に上コレット77b1の中を通った束線42が、下コレット77b2の中を通る。上コレット77a1と上コレット77b1とは、それぞれベアリングを介して上ベース71に支持されている。また、下コレット77a2と下コレット77b2とも、それぞれベアリングを介して下ベース72に支持されている。したがって、それぞれのコレット77a1~77b2は、それらの軸心を中心として回転可能である。下コレット77a2、下コレット77b2のそれぞれの下端が、図17におけるノズル64に相当する。
モータ79uの駆動力は、タイミングプーリ71u1~71u3およびタイミングベルト72uによって上コレット77a1、77b1に伝達される。モータ79dの駆動力は、タイミングプーリ71d1~71d3およびタイミングベルト72dによって下コレット77a2、77b2に伝達される。モータ79u、タイミングプーリ71u1~71u3およびタイミングベルト72dが、束線42に一括転位部48を形成する回転機構である。
また、それぞれのコレット77a1~77b2を開閉させるための動力は、エアシリンダ75を用いる。図20は、エアシリンダ75によって上ベース71と下ベース72との間の間隔が伸長した状態を示し、全てのコレット77a1~77b2が閉じており、束線42を把持,或いは把持可能な状態にある。
次に、図21から図24を用いて、各コレット77a1~77b2の形状と、各コレットの開閉動作について詳細を説明する。
図21は、束線42の把持と開放を可能にする上コレット77a1の側面図である。
巻線装置60内で使用する全てのコレットは、同じ形状なので、主に上コレット77a1を例として説明する。
図22は、上コレット77a1の下面図である。
図23は、上コレット77a1の上面図である。
図24は、図22のC-C断面図である。
コレット77a1~77b2は、コイル4の巻線時に束線42をガイドし、予め定めた位置では、束線42を把持し、これを周方向に回転させることによって一括転位部48を形成するための部材である。
図21および図22に示すように、上コレット77a1は、内側が円筒状の空洞になっている筒部771と、筒部771の一端に接続され、外径を拡張、収縮して束線42を把持、開放可能なチャック部772とからなる。チャック部772の中の空洞は、内部を通る束線の長手方向に垂直な断面形状と概ね等しい。よって、図22に示す上コレット77a1は、断面が正方形の束線42用のコレットである。
筒部771の内部の空洞と、チャック部772の内部の空洞は連通している。筒部771の外周面771outは、ノズルホルダ65の上ベース71にベアリングを介して回転可能に支持されている。そして、チャック部772の外周面772outは、筒部771側に向かって外径が小さくなるテーパ形状をしている。また、チャック部772には、上コレット77a1の軸方向に延びるスリットSLが設けられており、このスリットSLは、筒部771側の予め定められた範囲まで延びている。
チャック部772を後述するコレットリングによって径方向に拡張、収縮(開閉)させることによって、内側に挿入された束線42を通過可能、あるいは、束線42を把持可能とする。束線42を把持する部分はチャック部772のみである。筒部771の内部空間は、その長手方向に垂直な断面が、束線42の最大径よりも大きな円形である。
図25は、閉じた状態の上コレット77a1の断面模式図である。
図26は、開いた状態の上コレット77a1の断面模式図である。
図25に示すように、上コレット77a1は、内部がテーパ形状に刳り抜かれたコレットリング78a1の中に、筒部771側から挿入され、ベアリングBAを介して上ベース71に回転可能に支持されている。コレットリング78a1の内周面78inは、上ベース71側に外径が小さくなるテーパ形状であり、上コレット77a1のチャック部772の外周面772outの傾斜に沿うように形成されている。そして、上コレット77a1の筒部771の外周には、弦巻バネSPが、ある程度、付勢した状態で通されている。弦巻バネSPの一端部は、コレットリング78a1の上面に接触し、他端部は、上べース71の下面に接触している。
図25、図26において、上コレット77a1は、筒部771の軸心を中心として回転可能であるが、上コレット77a1は、上ベース71に対して、紙面上下方向に移動することはできない。図25と図26とを比較すると、動いている物は、コレットリング78a1と弦巻バネSPである。すなわち、コレットリング78a1が、上コレット77a1の中を通過する束線42の軸方向に移動可能である。図25の状態が、弦巻バネSPが最も伸びた状態であり、図26の状態が、弦巻バネSPが最も収縮した状態である。
図25に示す、弦巻バネSPが最も伸びた状態、すなわち、コレットリング78a1が最も矢印A1側に移動した状態では、コレットリング78a1のテーパ状の内周面78inが、チャック部772の外周面772outに接触し、チャック部772の外周面772outを図24の矢印A2方向に押圧する。チャック部772には、軸方向に延びるスリットSLを設けているので、チャック部772の外径が矢印A3方向に縮小し、チャック部772が閉じられた状態となる。図20では、全てのコレット77a1~77b2がこの状態にある。
図26に示す、弦巻バネSPが最も縮んだ状態、すなわち、コレットリング78a1が最も矢印A4側に移動した状態では、コレットリング78a1のテーパ状の内周面78inが、チャック部772の外周面772outから離れる。この状態ではチャック部772のスリットSLの幅は、元の状態にあり、チャック部772は開いている。
図27は、全てのコレット77a1~77b2を開いた状態のノズルホルダ65の断面図である。
全てのコレット77a1~77b2を閉じた状態を示す図20と比較すると、図20では、コレットリング78a1とコレットリング78a2とが離れており、また、コレットリング78b1とコレットリング78b2とも離れているのに対して、図27では、コレットリング78a1とコレットリング78a2とが接触し、コレットリング78b1とコレットリング78b2とが接触していることが分かる。
上下に対を成すコレットリング78a1、78a2と、上下に対を成すコレットリング78b1、78b2とを接離させるにはエアシリンダ75を用いる。エアシリンダ75の駆動によって、上ベース71と下ベース72との間の間隔を縮小させ、コレットリング78a1とコレットリング78a2および、コレットリング78b1とコレットリング78b2を接触させることによってチャック部772を開状態とし、上ベース71と下ベース72との間の間隔を伸長させ、コレットリング78a1とコレットリング78a2および、コレットリング78b1とコレットリング78b2を引き離すことによってチャック部772を閉状態とする。
図28は、チャック部772を閉じて束線42を把持した状態にある、図20における上コレット77b1の断面模式図である。束線42は、図11に示した、軸方向に垂直な断面が正方形の束線である。したがって、上コレット77b1のチャック部772の内周面772inの、軸方向に垂直な断面形状も略正方形とし、断面における4つの頂点となる部分にスリットSLを設けている。
図20に示す、上コレット77b1と下コレット77b2とを閉じた状態で、モータ79uとモータ79dを駆動し、上コレット77b1と下コレット77b2とを相対的に180度回転させると、上コレット77b1のチャック部772と、下コレット77b2のチャック部772の間に、束線42が周方向に180度回転した一括転位部48が形成される。
図29は、チャック部772を開いて束線42を開放した状態にある、図27における下コレット77b2の断面模式図である。ここで、束線42の一辺の長さをd、チャック部772の図29に示す断面における内周面の一辺の長さ(開口幅)をcとする。
各コレットの開状態において、上コレット77b1については、長さdと長さcとの関係を、チャック部772が束線42を把持はしないが、束線42がチャック部772の内部で周方向に回転しない程度の寸法関係とする。したがって、上コレット77b1については、実際には、図29に示す下コレット77b2の開口状態よりもチャック部772が閉じられていてもよい。
一方、図29に示す下コレット77b2については、上述の一括転位部48を形成した後、この一括転位部48を下コレット77b2の内部を通過させる必要がある。したがって、束線42の最大径φよりも、下コレット77b2の開口幅cが大きい寸法関係とする必要がある。上コレット77b1、下コレット77b2が閉じ、束線42を把持するための開口幅cは、スリット幅eによって決まる。
尚、図25、図26に示すように、コレットリング78b1(図ではコレットリング78a1だが同じ)は、上コレット77b1を支持するベアリングBAの内輪BAinと一緒に回転し、また、コレットリング78b1を支持する弦巻バネSPもベアリングBAの内輪BAinと一緒に回転するため、上コレット77b1の開閉と、その回転は自由に組み合わせることができる。
また、コレットを用いて把持する束線42の断面形状によって、コレットのチャック部772の形状とスリットSLの本数が異なる。
図30は、チャック部2772を閉じて図10に示す束線42を把持した状態にある上コレット277b1の断面模式図である。
図31は、図30のチャック部2772を開いて束線42を開放した状態にある上コレット277b1の断面模式図である。
図10に示す断面が円形の導体43を3本束ねた束線42の場合、図31のようにチャック部2772に3つのスリットSLを設けて周方向に3分割する。そして、内周の断面を三角形状として束線42をガイドし、また、図30のように束線42を把持することが可能である。
図32は、チャック部3772を閉じて図12に示す束線42を把持した状態にある上コレット377b1の断面模式図である。
図33は、図32のチャック部3772を開いて束線42を開放した状態にある上コレット377b1の断面模式図である。
図12に示す断面が矩形の導体43を3本束ねた束線42の場合、図32のようにチャック部3772に4つのスリットSLを設けて周方向に4分割する。そして、内周の断面を矩形形状として束線42をガイドし、また、図32のように束線42を把持することが可能である。
図34は、チャック部4772を閉じて、断面が円形の導体43を7本束ねた束線42を把持した状態にある上コレット477b1の断面模式図である。
図35は、図34のチャック部4772を開いて束線42を開放した状態にある上コレット477b1の断面模式図である。
このような束線の場合は、チャック部4772にスリットを6箇所設けて周方向に6分割する。そして、内周の断面を六角形状として束線42をガイドし、また、図34のように束線42を把持することが可能である。
次に、図7、ステップS3のコイル巻線工程における一括転位部48を加工する工程の詳細を説明する。
図36は、一括転位部加工工程の前後の束線42の遷移状態を示す図である。
ここで、束線42および一括転位部48は、図11の束線を例とする。導体43の並び、位置の変化を峻別できるよう、特定の1本の導体43に星印を付けた。上コレット77b1と下コレット77b2との間における導体43の並び方が分かりやすい様に、図36では、いずれもテンショナ62側から見た斜視図としている。
図36に示すステップS3-1(巻線工程)は、一括転位部48を加工する前の状態である。この工程では、束線42に対して一括転位部48の加工は施されておらず、回転する巻枠状の絶縁部21Bに束線42が巻き回され、順次コイル4を形成する状態である。
束線42には、適当な張力が与えられており、図17、図18に示すテンショナ62と絶縁部21Bとの間に位置する上コレット77b1、下コレット77b2は、束線42をガイドして絶縁部21Bに巻き掛かる位置を決めている。
また、束線42に張力が付与されていて束線42を構成する導体43はほぐれず、バラバラにならないものとする。すなわち、上コレット77b1、下コレット77b2は開いており、束線42を把持しない状態においてもチャック部772に囲まれた空間内で、導体43の並びが乱れないような開口幅を有し、束線42をガイドしている。
次のステップS3-2(転位部加工工程)は、一括転位部48を形成する工程である。この工程では、巻枠状の絶縁部21Bは、回転を停止している。束線42をねじって転位加工を施すため、上コレット77b1、下コレット77b2は、束線42を把持し、その後、上コレット77b1、下コレット77b2の双方、又は一方を回転させ、束線42を180°回転させる。尚、コレットの回転方向は不問である。このように、一括転位部48が、上コレット77b1と下コレット77b2との間で形成されることを特徴とする。束線42を180°ねじり、塑性変形を与え、確実に一括転位部48を形成するために、支点及び/又は力点となる上コレット77b1と、下コレット77b2との間隔を一定に、かつ短くできる利点がある。
さらに、これまでの説明では、巻枠状の絶縁部21Bにコイル4を巻き回しているが、この限りではなく、図17のチャック治具67の機構によって巻線前の分割コア11を把持したり、絶縁部21Bを介さずに直接スピンドル軸に束線42を巻き回し、コイル単体を形成する方法にも適用が可能であることは前述した通りである。
また、コレットを回転させる動力は図18のモータ79u、79dに限らず、束線42を把持したコレット77a1~77b2を回転させ、束線42をねじって一括転位部48を形成することができれば動力は不問である。
図36のステップS3-3(一括転位部送出工程)は、形成した一括転位部48を下コレット77b2内に通して送出する工程である。図では、一括転位部48が絶縁部21Bに巻き回される直前の状態を示している。上コレット77b1は、コイル4の巻線を再開するため上コレット77b1、下コレット77b2によって把持していた束線42を開放する。このとき、下コレット77b2は、束線42の最大径φよりも、下コレット77b2の開口幅が大きくなるように開く。
図37は、図20のノズルホルダ65から上コレット77a1と上コレット77b1と、これらを駆動するための部材を取り除いたノズルホルダ65Bの断面模式図である。
図38は、上ベース71Bの平面図である。
ノズルホルダ65Bは、下コレット77a2、77b2のみを備え、上コレットは設けない。上ベース71Bには、束線42の長手方向に垂直な断面形状と略相似形のガイド穴Hを設けている。
図38のガイド穴H(第一挿入部)は、図10に示す断面円形の導体43を3本束ねた束線42用の穴である。ガイド穴Hは、略三角形状とし、束線42は、抵抗なく通過できるが、周方向への回転は規制できるような穴とする。このような構成であれば、下コレット77b2で束線を把持し、周方向に180度回転させれば、上ベース71Bと下コレット77b2との間で図20を用いて説明した一括転位部48を形成できる。
実施の形態1によるコイルの巻線装置およびコイルの巻線方法によれば、様々な断面形状を有する導体を並列に接続した束線を用いたコイルの巻線時において、途切れること無くコイルを巻線しながら一括転位部を形成することができるので、コイルの生産性が高い。
また、束線に上述の一括転位部を設けるときに、支点および力点となる上下コレットの間隔を狭くすることによって、束線のスプリングバック等の弾性力および撚る方向とは逆方向に働く力によって生じる、一括転位部のピッチ、角度のバラツキなど品質上の不均一さを抑制することができる。
さらに、巻線前の分割コア、巻枠状の絶縁部、或いはコイルを直接係止することができるチャック治具をスピンドル軸から着脱可能な構成であるため、例えば、複数のコイルをまとめて自己融着のための加熱および端末処理をも行うことができる。これにより生産性を向上でき、省エネルギーとなり、歩留まりの向上が期待できる。
本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
したがって、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
100 回転電機、100R リニアモータ、10,10R 固定子、
10A,10B コイル巻装体、10M 永久磁石、10Rt 凸部、11 分割コア、11p 鉄心片、11s シュー部、11t ティース部、11y 分割ヨーク部、
12p 凸部、12r 凹部、13 接着層、20 回転子、20R 可動子、
20a 回転子鉄心、21,21B 絶縁部、21Bin 内筒部、4,4R コイル、41 端末部、42 束線、43 導体、44 絶縁被覆、46 絶縁テープ、
48 一括転位部、60 巻線装置、61 ボビン、62 テンショナ、64 ノズル、65,65B ノズルホルダ、66 回転動力、67 チャック治具、
68 巻枠ステージ、H ガイド穴、Q 矢印、S スロット、c 開口幅、
e スリット幅、71 上ベース、71B 上ベース、
71d1,71d2,71d3,71u1,71u2,71u3 タイミングプーリ、
72 下ベース、72d,72u タイミングベルト、73 ポスト、
74 無給油ブッシュ、75 エアシリンダ、
77a1,77b1,277b1,377b1,477b1 上コレット、
77a2,77b2 下コレット、771 筒部、771out 外周面、
772,2772,3772,4772 チャック部、772in 内周面、
772out 外周面、78a1,78a2,78b1,78b2 コレットリング、
78in 内周面、79d,79u モータ、A1~A4 矢印、BA ベアリング、
BAin 内輪、SL スリット、SP 弦巻バネ。

Claims (8)

  1. 並列に接続され束ねられた複数の導体からなる束線を巻き付けたボビンと、
    前記束線を繰り出すノズルと、
    前記ノズルを保持するノズルホルダと、
    前記ボビンと前記ノズルホルダとの間で前記束線に張力を与えるテンショナと、
    前記ノズルから繰り出された前記束線を巻き取るスピンドル軸とを備え、
    前記ノズルホルダは、
    前記ノズルホルダの前記テンショナ側に設けられた、前記束線を前記スピンドル軸側に向かって内側を通過させると共に、前記束線の周方向への回転を規制可能な第一挿入部と、
    前記第一挿入部の前記スピンドル軸側に設けられた、内側に挿入された前記束線に対する把持および開放が可能な第二挿入部と、
    前記第一挿入部が前記束線の周方向への回転を規制し、前記第二挿入部が前記束線を把持した状態において、前記第一挿入部又は前記第二挿入部の少なくとも一方を前記束線の周方向に回転させる回転機構とを備えるコイルの巻線装置。
  2. 前記第二挿入部は、内側が空洞になっている筒部と、前記筒部の一端に接続され、外径を拡張、収縮して前記束線を把持、開放可能なチャック部とを備えるコレットである請求項1に記載のコイルの巻線装置。
  3. 前記チャック部の外周面は、前記筒部側に向かって外径が小さくなるテーパ形状をしており、
    前記チャック部は、軸方向に延びる複数のスリットを有し、
    前記ノズルホルダは、内部がテーパ形状に刳り抜かれ、前記コレットの前記チャック部が挿入されたコレットリングを備え、
    前記コレットリングの内周面は、前記チャック部の外周面の傾斜に沿うように形成され、
    前記コレットリングが、前記コレットの中を通過する前記束線の軸方向に移動可能である請求項2に記載のコイルの巻線装置。
  4. 前記チャック部の内周面の軸方向に垂直な断面形状は、前記束線の軸方向に垂直な断面形状と同じである請求項3に記載のコイルの巻線装置。
  5. 前記第一挿入部としての前記コレットと、前記コレットリングとを備える請求項3又は請求項4に記載のコイルの巻線装置。
  6. 開放状態における前記チャック部の内径は、前記束線の最大径よりも大きい請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のコイルの巻線装置。
  7. 前記スピンドル軸には、巻枠状の絶縁部、分割コアを装着可能である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコイルの巻線装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のコイル巻線装置を用いるコイルの巻線方法であって、
    前記第一挿入部と前記第二挿入部を通過する前記束線を、前記スピンドル軸、前記スピンドル軸に装着した巻枠状の絶縁部、分割コアのいずれかに巻線する巻線工程と、
    前記巻線工程を中断し、少なくとも前記第二挿入部によって前記束線を把持した状態で前記束線を周方向に回転させる転位加工工程と、
    前記転位加工工程の後、把持している前記束線を開放して、前記転位加工工程によって前記束線に形成した一括転位部を、前記第二挿入部の中を通して前記スピンドル軸側に送出する一括転位部送出工程とを有するコイルの巻線方法。
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