JP2022133207A - 流体殺菌装置および直管型光源 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外発光素子が用いられ、効率的に冷却可能な構造の直管型光源を実現すること。【解決手段】流体殺菌装置は、筐体10と、直管型光源11と、によって構成されている。直管型光源11は、3つの基板14と、各基板14に実装された紫外LED15と、冷却管16と、封止管17と、によって構成されている。3つの基板14が正三角形の管状となるように配置されている。紫外LED15は、基板14の2つの主面のうち、基板14の成す管の外側となる面に実装されている。冷却管16は、基板14を冷却するための管であり、管の内部に冷却液を流して基板14からの熱を排出する。冷却管16は、円筒状の管であり、3つの基板14の成す管の内部にその管と同軸に配置されている。【選択図】図3
Description
本発明は、紫外線の照射によって液体を殺菌する装置に関する。特に光源として紫外LEDを用いたものに関する。
紫外線の照射によって流水中の細菌やウイルスを殺菌する殺菌装置が知られている。光源には水銀ランプが広く用いられている。水銀ランプは、水銀を用いているため毒性が強く環境負荷が大きいという問題がある。また、水銀ランプを用いると殺菌装置が大型になるという問題もある。そこで水銀ランプの紫外LEDへの置き換えが進められている。
特許文献1には、水を流す通水管の内部に保護管を設け、その保護管の内部に直管型紫外線ランプを配置した流体殺菌装置が記載されている。直管型紫外線ランプは、アマルガムランプであることが記載されている。
特許文献1に記載の直管型紫外線ランプは発光効率が悪く、紫外LEDを用いたものに置き換えることが考えられる。しかし、紫外LEDは点光源であるため線状の光源とするために紫外LEDの配置などに工夫する必要があった。また、紫外LEDは発熱するため冷却しなければならない問題があった。
そこで本発明の目的は、直管型光源を有する流体殺菌装置において、紫外発光素子が用いられ、効率的に冷却可能な構造の直管型光源を実現することである。
本発明は、内部に流体を導入する管状の筐体と、筐体内部に同軸に配置された直管型光源と、を有した流体殺菌装置において、直管型光源は、多角形の管を成すように組み合わされた複数の長方形状の基板と、基板の2つの主面のうち、基板の成す管の外側となる面に実装された紫外発光素子と、冷却用の液体が通される管であって、基板の成す管の内側に設けられた冷却管と、基板の成す管全体を封止する封止管と、を有する、ことを特徴とする流体殺菌装置である。
また本発明は、流体殺菌用の直管型光源であって、多角形の管を成すように組み合わされた複数の長方形状の基板と、基板の2つの主面のうち、基板の成す管の外側となる面に実装された紫外発光素子と、冷却用の液体が通される管であって、基板の成す管の内側に設けられ、各基板と接する冷却管と、基板の成す管全体を封止する封止管と、を有する、ことを特徴とする直管型光源である。
複数の基板は、正多角形の管状に組み合わされていてもよく、特に正三角形の管状に組み合わされていてもよい。
冷却管は、全ての基板と接するように設けられていてもよい。
また、冷却管に通される液体は、筐体から排出される殺菌済みの流体であってもよい。
本発明によれば、紫外発光素子を用いた冷却効率の高い直管型光源を実現でき、液体を効率的に殺菌することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1の流体殺菌装置の構成を示した図であり、図1のように、実施例1の流体殺菌装置は、筐体10と、直管型光源11と、によって構成されている。図1(a)は一方の端部側から見た斜視図、図1(b)は他方の端部側から見た斜視図であり、筐体10の内部を透過して示している。また、図2は、他方の端部側から見た側面図であり、同様に内部を透過して示している。
筐体10は、内部に水を導入し、その水に対して殺菌処理を施すための空間を確保する管である。筐体10は、二重円筒状の管であり、その両端は円形の板10a、10bで封止されている。また、円筒の側面であって一方の端部には、筐体10内部に水を導入するための流入口12が設けられ、他方の端部には水を排出するための流出口13が設けられている。水の流入方向、流出方向が筐体10の軸方向と直交するため、筐体10内部の水の滞留時間が長くなり、水への紫外線の照射時間が長くなる。これにより、殺菌効率の向上を図っている。
なお、流入口12や流出口13の位置はこれに限らず、筐体10内部に水を導入、排出可能であれば任意の位置でよい。たとえば両端の板10aや10bに流入口12、流出口13を設けてもよい。ただし、筐体10内部での水の滞留時間を長くし、殺菌効率を向上させるためには実施例1のように流入口12、流出口13を配置することが好ましい。また、筐体10の形状も円筒状である必要はなく、管状であれば任意の形状でよい。
筐体10の材料は、たとえばSUS(ステンレス鋼)などを用いる。筐体10自体をPHFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの紫外線反射材で構成したり、筐体10の内壁をAg、Alなどの紫外線反射材でコーティングしてもよい。反射光を水に照射することができるので、殺菌効率をより向上させることができる。
直管型光源11は、直管型光源11は線状に紫外線を放射する光源である。筐体10内部には、3本の直管型光源11が筐体10と同軸に配置されている。また、3本の直管型光源11は互いに等距離に離間して配置され、正三角形を成すように配置されている。直管型光源11の両端は、筐体10の両端の板10a、10bにそれぞれ接している。
直管型光源11は、軸に垂直な面において全方位に紫外線を放射するため、筐体10内部の水に対して近距離で広範囲に照射することができ、水を効率的に殺菌することができる。また、3本の直管型光源11が正三角形を成すように配置することで、照射強度のばらつきを抑制し、筐体10内部の水を均一に殺菌できるようにしている。
次に、直管型光源11の構成について説明する。直管型光源11は、3つの基板14と、各基板14に実装された紫外LED(紫外発光素子)15と、冷却管16と、封止管17と、によって構成されている。図3は、直管型光源11の軸に垂直な面での断面図であり、図4は側面から見た図である。
基板14は、紫外LED15を実装するための基板である。基板14は長尺な長方形状である。基板14表面には配線パターン(図示しない)が設けられており、基板14に実装された紫外LED15と接続されている。筐体10両端の一方の板(たとえば10a)には孔が設けられ、配線パターンと接続する配線がその孔から外部に延びている。その配線は外部電源に接続されている。基板14には、紫外LED15の他、定電流素子や抵抗などの紫外LED15の駆動に必要な各種素子(図示しない)が実装されている。
基板14は3つあり、その3つの基板14が正三角形の管状となるように配置されていて、その管の軸方向は基板14の長辺方向である。つまり、ある1つの基板14の各長辺に、他の基板14の長辺が接するようにし、互いの基板が60°を成すようにしている。
なお、実施例1では、3つの基板14を用いて正三角形の管状を成すようにしているが、正三角形に限らず、多角形であれば任意でよい。たとえば正方形、正六角形、正八角形、長方形、菱形であってもよい。ただし、紫外線の放射方向を均一とするためには正多角形が好ましい。また、実施例1では隣接する基板14同士は接しているが、隙間を空けてもよい。
紫外LED15は、基板14の2つの主面のうち、基板14の成す管の外側となる面に実装されている。また、紫外LED15は、1つの基板14に複数実装されている。紫外LED15は、流体の殺菌に適した波長の紫外線を発光するLEDである。たとえば波長は250~280nmである。
紫外LED15は従来殺菌に用いられていた水銀ランプなどに比べて発光効率が高く、波長帯域も狭いため、効率的に水を殺菌することができる。
また、紫外LED15は正三角形の管を成す3つの基板14それぞれに実装されているため、軸に垂直な面において軸中心を基準にして0°、120°、240°の方向に紫外LED15が位置する。よってこれらの角度を中心にして広範囲に紫外線を放射させることができる。このように、実施例1の直管型光源11は指向性が狭い紫外LED15を用いながらも広範囲に紫外線を放射できる構造となっている。
冷却管16は、基板14を冷却するための管であり、管の内部に冷却液を流して基板14からの熱を排出する。冷却液は、水などである。流出口13から排出される殺菌済みの水を利用するとよい。たとえばリアクタ管を用いて殺菌済みの水を循環させることで効率的に冷却することができる。管の材料は、熱伝導率の高い材料が好ましく、たとえばCu、Alなどである。
冷却管16は、円筒状の管であり、図3のように、3つの基板14の成す管の内部にその管と同軸に配置されている。また、冷却管16は3つの基板14それぞれに接している。冷却管16の両端は筐体10の両端の板10a、10bにそれぞれ接していて、板10a、10bに空けられた孔から冷却管16内部に冷却液が導入され排出される。冷却管16は、3つの基板14のいずれにも接しているので、紫外LED15からの熱を基板14を介して効率的に排出することができる。
なお、冷却管16の形状は、3つ全ての基板14に接するような形状であれば円筒状である必要はなく、三角形や六角形などの管であってもよい。また、冷却管16は基板14と接していなくともよいが、冷却効率の向上のためには3つの基板14全てに接することが好ましい。
封止管17は、円筒状の管であり、3つの基板14が成す三角形の管全体を内包する管である。封止管17は、基板14や紫外LED15が水と接しないように封止するためのものである。封止管17の両端は筐体10の両端は筐体10の両端の板10a、10bにそれぞれ接している。封止管17の材料は、紫外LED15からの紫外線を透過し、紫外線に対して耐性を有した材料であればよく、たとえば石英ガラスなどを用いる。
以上、実施例1によれば、紫外LED15を用いながらも効率的に冷却が可能な構造の直管型光源11を実現できる。そのため、実施例1の直管型光源11は発光効率が高く、高輝度であり、効率的に水を殺菌することができる。
また、実施例1の直管型光源11は広範囲に近距離で水に紫外線を照射できる構造であるため、紫外LED15の実装個数を減らして低コスト化を図ったり、出力がそれほど大きくない紫外LED15を用いて低コスト化を図ったりすることも可能である。また、広範囲に紫外線を照射できる構造であるため、紫外LED15として狭配光のものを用いて光強度を上げ、これにより殺菌効率の向上を図ることも可能である。
実施例1の流体殺菌装置は、一度に多量の水を処理できるので、浄水場における水の殺菌などに好適である。
なお、実施例1では殺菌対象を水とした例を示したが、本発明は水の殺菌に限らず、任意の流体の殺菌に用いることができる。
また、実施例1の流体殺菌装置では、直管型光源11の本数を3本としているが、任意の本数でよい。4本以上の直管型光源11を用いる場合には、正三角格子状に配置するとよい。流体を均一に殺菌することができる。
実施例1の流体殺菌装置を複数個並列または直列に接続してもよい。並列に接続することでより多くの流体を同時に処理することができる。また、直列に接続することで殺菌効率をより向上させることができる。
本発明の流体殺菌装置は、水の殺菌などに利用することができる。
10:筐体
11:直管型光源
12:流入口
13:流出口
14:基板
15:紫外LED
16:冷却管
17:封止管
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Claims (9)
- 内部に流体を導入する管状の筐体と、筐体内部に同軸に配置された直管型光源と、を有した流体殺菌装置において、
前記直管型光源は、
多角形の管を成すように組み合わされた複数の長方形状の基板と、
前記基板の2つの主面のうち、前記基板の成す管の外側となる面に実装された紫外発光素子と、
冷却用の液体が通される管であって、前記基板の成す管の内側に設けられた冷却管と、
前記基板の成す管全体を封止する封止管と、
を有する、
ことを特徴とする流体殺菌装置。 - 複数の前記基板は、正多角形の管状に組み合わされている、ことを特徴とする請求項1に記載の流体殺菌装置。
- 複数の前記基板は、正三角形の管状に組み合わされている、ことを特徴とする請求項1に記載の流体殺菌装置。
- 前記冷却管は、全ての前記基板と接するように設けられている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の流体殺菌装置。
- 冷却管に通される液体は、筐体から排出される殺菌済みの流体である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の流体殺菌装置。
- 流体殺菌用の直管型光源であって、
多角形の管を成すように組み合わされた複数の長方形状の基板と、
前記基板の2つの主面のうち、前記基板の成す管の外側となる面に実装された紫外発光素子と、
冷却用の液体が通される管であって、前記基板の成す管の内側に設けられ、各前記基板と接する冷却管と、
前記基板の成す管全体を封止する封止管と、
を有する、
ことを特徴とする直管型光源。 - 複数の前記基板は、正多角形の管状に組み合わされている、ことを特徴とする請求項6に記載の直管型光源。
- 複数の前記基板は、正三角形の管状に組み合わされている、ことを特徴とする請求項6に記載の直管型光源。
- 前記冷却管は、全ての前記基板と接するように設けられている、ことを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の直管型光源。
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