JP2022133122A - 照射装置及び紫外光線殺菌システム - Google Patents

照射装置及び紫外光線殺菌システム Download PDF

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Hitoshi Uchimura
健 荻原
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Abstract

【課題】紫外線照射範囲をVCSEL素子による赤外線照射範囲がカバーすることができ、且つ、紫外線照射範囲を確認することができる照射装置を提供する。【解決手段】本発明における照射装置は、深UV素子とVCSEL素子とを備え、深UV素子から出射する紫外光線の照射範囲をVCSEL素子から出射する赤外光線の照射範囲がカバーする。【選択図】図2

Description

本発明は紫外光線の照射することによって細菌やウイルスなどを殺菌する照射装置および紫外光線殺菌システムに関する。
従来から紫外線を照射することによって細菌やウイルスなどを殺菌する方法が知られている。従来の紫外線照射による殺菌とその確認方法としては、殺菌したい場所に、紫外線への曝露に起因して発光するインジケーターを予め貼付し、紫外線照射後のインジケーターの発光により発光部周辺を含めて殺菌済みであることを推定するものがある。(特許文献1参照)。
特開2019-48029号公報
特許文献1に記載されたウイルスの殺菌方法によれば、インジケーターの発光により殺菌箇所を確認することができる。しかしながら、インジケーターを殺菌対象物に貼付する作業が煩雑であり、コスト増加になる。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、紫外光線による殺菌箇所および殺菌済み箇所を容易に確認することができる照射装置及び紫外光線殺菌システムを提供することを目的とする。
本発明に係る照射装置は、深UV素子とVCSEL素子を備え、深UV素子から出射する紫外光線の照射範囲をVCSEL素子から出射する赤外光線の照射範囲がカバーする。
また、本発明に係る照射装置は、前記深UV素子とVCSEL素子が実装される基体と、深UV素子から出射する紫外光線を集光する集光部と、前記VCSEL素子の出射面の上方に配置される赤外光線の拡散部と、を備える。
さらに、本発明に係る紫外光線殺菌システムは、殺菌対象物に紫外光線を照射する紫外光線殺菌システムであって、紫外光線を出射する深UV素子と、紫外光線の照射範囲をカバーする赤外光線を出射するVCSEL素子とを有する照射装置を備える。前記紫外光線殺菌システムは、前記VCSEL素子から殺菌対象物に赤外光線パルスを照射し、赤外光線パルスが往復する時間差若しくは位相差をイメージセンサで検出し、殺菌対象物との間の距離を測ると共に検出された測距信号に基づいて空間認識を行うTOFシステムをさらに備え、前記TOFシステムの3次元的な情報に基づいて赤外光線の照射範囲を3Dマッピングすることにより可視化する。
本発明に係る照射装置によれば、深UV素子から出射する紫外光線の照射範囲をVCSEL素子から出射する赤外光線の照射範囲がカバーしているので、紫外光線の照射によって殺菌された範囲がVCSEL素子から出射された赤外光線によって容易に確認することができ、従来のようにインジケーターを貼付する煩わしい作業を回避できる。
また、本発明に係る照射装置によれば、VCSEL素子から出射された赤外光線を紫外光線に重ねることで、紫外光線により殺菌された範囲を立体的に捉えることができるので、殺菌済み箇所をより確実に確認することができる。
また、本発明に係る照射装置によれば、一つの基体内に深UV素子とVCSEL素子を収納してパッケージ化しているので、装置の小型化が図られる。
さらに、本発明に係る紫外光線殺菌システムによれば、照射装置によって赤外光線の照射範囲を3Dマッピングの作成により立体的に可視化できるので、紫外光線の照射による殺菌を容易に確認することができる。
本発明の第1実施形態に係る照射装置の断面図である。 前記照射装置による出射光線の照射範囲を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る照射装置の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る照射装置の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る照射装置の断面図である。 本発明の第5実施形態に係る照射装置の断面図である。 本発明に係る照射装置を用いた殺菌手段の概念図である。 本発明に係る照射装置を用いた殺菌方法のフローチャート図である。 殺菌済み箇所を3Dマッピングで表した室内図である。
以下、本発明の照射装置について、図面を参照しながら各実施形態に基づいて説明する。なお、図面は、照射装置、照射装置の構成部材および照射装置の周辺部材を模式的に表したものであり、これらの実寸の寸法および寸法比は、図面上の寸法および寸法比と必ずしも一致していない。また、特に断らない限り、便宜上、図1に示す照射装置の向きを基準に、上下などの方向を表わす。重複説明は適宜省略し、同一部材には同一符号を付与することがある。なお、以下の実施形態では、殺菌対象物に紫外光線を照射し殺菌対象物を殺菌すると同時に、紫外光線の照射範囲を空間認識・測距する手段を有する紫外光線殺菌システムについて説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2には本発明の第1実施形態に係る照射装置1が示されている。この照射装置1は、平板状の底板7及びこの底板7の周囲を取り囲む枠板8を備える基体6と、基体6の底板7上に載置される深UV素子3及びVCSEL素子2と、深UV素子3の上方に配置され深UV素子3から出射される紫外光線を集光する集光部5(集光レンズ)と、前記VCSEL素子2の上方に配置され出射される赤外光線を拡散する拡散部4(拡散レンズ)と、を備えている。
前記基体6を構成している底板7は、絶縁性と放熱性を備えたセラミック材料が好ましいが、適切な放熱設計を施した樹脂材料でもよい。底板7の材質としては、セラミック材料ではアルミナ(Al2O3)、もしくは窒化アルミニウム(AlN)がしばしば用いられる。また、底板7が樹脂材料である場合、リジッド(rigid)と呼ばれる硬いものでも良いし、フレキシブル(flexible)と呼ばれる柔軟なものでも可能である。上面の平面度を保つためにはリジッドがより好ましい。なお、この実施形態において、底板7は矩形状に形成されている。また、底板7の大きさは適宜設定可能である。底板7の上面にはプリント回路10が配線されている。そして、プリント回路10の一方の電極10aには深UV素子3が接続され、他方の電極10bにはVCSEL素子2が接続されている。プリント回路10の一方の電極10aは正と負の2つの電極で構成してもよく、他方の電極10bは正と負の2つの電極で構成してもよい。一方の電極10aと他方の電極10bは電気的に接続せず、それぞれ独立した回路になっていてもよい。上記プリント回路10は、外部部材との電気的接続を図るリード電極11に接続されている。プリント回路10とリード電極11は、図1を平面視したとき、プリント回路10とリード電極11のそれぞれの一部に重なる位置の底板7に貫通孔を設け、この貫通孔に底板7の厚さ方向の電気的接続を行う導電部材を配置して接続してもよい。
前記深UV素子3とVCSEL素子2は、前記底板7上に隣接して配置されている。このように一つの基体6の中に深UV素子3とVCSEL素子2を一緒に収めることにより照射装置1の小型化が可能となる。すなわち、深UV素子3とVCSEL素子2を個別部品で実装する場合と比較して、ワンパッケージ化することにより配線の簡素化や実装面積を削減できる等の効果がある。
前記基体6を構成している枠板8は、底板7の周囲を取り囲むように、底板7の外周縁に沿って設けられている。底板7の周囲を枠板8が取り囲むことで、基体6には前記深UV素子3及びVCSEL素子2などの発光ユニットを収容する内部空間6aが形成される。内部空間6aの容積を確保するために、枠板8の壁厚は薄い方が望ましい。また、枠板8は遮光性を備えていることが好ましく、樹脂材料又は金属材料などを用いることができる。枠板8は、上下面が平面かつ平行に形成されていることより、基体6の内部空間6aの密閉性を確保することができる。また、枠板8の上部に載置される集光レンズ5や拡散レンズ4との間の密着性も確保することができる。すなわち、枠板8は底板7上に同一高さで設定されている。なお、枠板8の高さは内部空間6aに配置される深UV素子3やVCSEL素子2、その他の電子部品などの高さ寸法に合わせて変更可能である。また、枠板8は、底板7と一体構造であってもよい。一体構造であれば組付け性が向上する。さらに、底板7とは別体であってもよい。別体の場合には、底板7や枠材8の材料を選択する際の自由度が増すことになる。
前記基体6に実装される深UV素子3は、殺菌効果の高い紫外光線を出射する発光素子として用いられ、ランバーシアンに近い比較的広い光の指向性をもつ。紫外光線としては、波長100~400nmの目に見えない光を採用することができる。具体的には、紫外線A(UVA) 315~400nm、紫外線B(UVB) 280~315nm、紫外線C(UVC) 10~280nmを用いることができる。本実施形態では、殺菌効果が高い深紫外線として波長領域100~280nmの光を例示するが、これは一例であり、波長によっても除菌効果が変化するため、効果的な波長の深紫外線を選択することができる。
本実施形態に係る照射装置1は、その殺菌対象が特に限定されない。衣類、タオル、食器、調理器具、履物、コンタクトレンズ、哺乳瓶、おしゃぶりなどの日用品や衛生用品の殺菌が可能である。また、室内、浴室、トイレ、履物入れなどの設備品の殺菌、一般医療用機器、歯科用医療機器、手術用医療機器、検査用医療機器、医療用容器などの殺菌も可能である。さらに、空調機器、用水、廃水の殺菌などその適用範囲は幅広い。
紫外光線による殺菌の効果としては、殺菌時間が短いため対象物の変質が少ない点が挙げられる。また、熱や薬品による殺菌のように対象物を変質させることなく、菌やウイルスを瞬時に殺菌することが可能となる。さらに、残留性がないことで食品や食品用梱包材、食品用容器などの殺菌に最適である。
一方、深UV素子3に隣接して実装されるVCSEL素子2、すなわち垂直共振器型の面発光レーザ(vertical cavity surface emitting laser:VCSEL)は、出射面2aに対して垂直な方向にレーザ光を発振する半導体レーザである。VCSEL素子2は比較的狭い光の指向性であり、出射面に対し垂直な出射方向の光は、垂直に対し片側15度程度の光の指向性をもつ。本実施形態では、3次元計測の高精度化が可能なVCSEL2を照射装置1の光源として用いている。VCSEL素子2は、微細なレーザ光を出射することで対象物との距離を測る素子であり、3次元計測に適しており小型化が容易である。照射装置1のVCSEL素子2から殺菌対象物18に赤外光線パルスを照射し、赤外光線パルスが往復する時間差若しくは位相差をイメージセンサで検出して距離を測定し、TOF(Time of Flight)システムで処理することにより、赤外光線とほぼ同一範囲を照射する紫外光線の照射範囲を可視化する。
前記深UV素子3の上方には、深UV素子3からの紫外光線を集光する集光レンズ5が配置され、また前記VCSEL素子2の上方には、VCSEL素子2からの赤外光線を拡散する拡散レンズ4が配置されている。
集光レンズ5と拡散レンズ4は枠板8を介して基体6に固定されており、基体6の内部空間6aを閉塞している。また、集光レンズ5の下面5aは平坦であり、深UV素子3の発光面3a(上面)と互いの面同士の平行を保った状態で対向している。
集光レンズ5は、図2に示されるように、深UV素子3の光軸L1上に頂部を有する凸レンズからなる。なお、集光レンズ5は凸レンズに限定されるものではなく、例えば、光学レンズの屈折機能を利用したものや、ミラーの反射機能を利用した反射部材を採用することができる。また、球面レンズや非球面レンズ、さらにはフレネルレンズなども用いることができる。球面レンズとしては、凸レンズのほかに凹レンズを用いることができる。また、深UV素子3の照射範囲に合わせて、広角タイプや挟角タイプの凸レンズを選択することもできる。
集光レンズ5に凸レンズを用いることにより、少ない光束を効果的に集光して光量を増し、集光レンズ5を使用しないときより強い光で殺菌対象範囲に照射することができ、殺菌効果を高められる。集光レンズ5は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの樹脂成形体によって形成することができるが、紫外光線を比較的よく透過する石英系のガラスにより形成されるのが好ましい。石英ガラスの場合には紫外光線の照射による劣化も抑えられる。
一方、拡散レンズ4は、VCSEL素子2の上方に配置される平板状のレンズによって構成され、VCSEL素子2の全体を覆っている。本実施形態では、マイクロメートル単位の大きさのレンズが連続して配置されたマイクロレンズを採用している。レンズの形状としては、球面や非球面を用いることができる。マイクロレンズを拡散レンズ4に用いることにより、微小な光源を効率よく拡散することが可能となり、紫外光線の照射範囲よりも広い範囲を赤外線照射することができる。拡散レンズ4の下面4aは、集光レンズ5の下面5aとほぼ面一であり、VCSEL素子2の出射面2a(上面)と互いの面同士の平行を保った状態で対向している。なお、この実施形態では、拡散レンズ4が前記集光レンズ5と一体に形成されている。例えば、集光レンズ5を成形する際に凸レンズに平坦部を一体に成形し、この平坦部にマイクロレンズを刷り込んで拡散レンズ4を形成することができる。勿論、拡散レンズ4と集光レンズ5を別材料でそれぞれ形成することも可能である。その方がレンズを作り易く安価となる場合がある。
図2には、前記照射装置1において、深UV素子3による紫外光線の照射範囲13とVCSEL素子2による赤外光線の照射範囲12との関係が示されている。本実施形態では、紫外光線の照射範囲13よりも赤外光線の照射範囲12の方が大きく、赤外光線の照射範囲12が紫外光線の照射範囲13をカバーしている。照射範囲をカバーするとは、両方の照射範囲13、12が重なることを意味するが、必ずしも両者の照射範囲13、12が同一である必要はない。紫外光線3の照射範囲13と赤外光線の照射範囲12が等しい場合、また紫外光線の照射範囲13が赤外光線の照射範囲12よりも小さい場合、さらにその逆の場合も含むものである。すなわち、紫外光線の照射範囲13と赤外光線の照射範囲12が少なくとも一部で重なっていればよい。
図1及び図2で示したように、基体6の底板7上には深UV素子3とVCSEL素子2が隣接して配置される。深UV素子3とVCSEL素子2は、各素子の底面を直接底板7上に載置した状態で実装される。この状態で深UV素子3の光軸L1とVCSEL素子2の光軸L2は、互いに平行を保っている。この実施形態では、底板7上に隣接して配置される深UV素子3とVCSEL素子2との間には、各素子から集光レンズ5または拡散レンズ4に至るそれぞれの光学系に、互いの光線が干渉することを防ぐための部材が設置されていない。したがって、深UV素子3とVCSEL素子2は、互いの光線による干渉を生じさせない範囲で近接させて配置することが望ましい。このように、深UV素子3の光軸L1とVCSEL素子2の光軸L2が互いに平行を保ち、且つ両者の光軸をより近づけることで、両者の照射範囲13、12を補正することなく、照射範囲13、12を互いにカバーすることができる。加えて、照射装置1のより小型化が実現できる。
前記深UV素子3から出射された紫外光線と、VCSEL素子2から出射された赤外光線は、集光レンズ5及び拡散レンズ4に至るそれぞれの光学系において、互いの光線が干渉しないように出射される。すなわち、深UV素子3から出射された紫外光線が、VCSEL素子2から拡散レンズ4に至る赤外光線の光学系に干渉しないように、集光レンズ5の下面5aに入射する入射領域13aが設定される。一方、VCSEL素子2から出射された赤外光線が、深UV素子3から集光レンズ5に至る紫外光線の光学系に干渉しないように、拡散レンズ4の下面4aに入射する入射領域12aが設定される。このため、深UV素子3とVCSEL素子2は、互いの光軸L1、L2が所定の間隔を保つようにして配置される。
また、この実施形態では、深UV素子3は、その出射面3aがVCSEL素子2の出射面2aより上方に位置するように配置されている。すなわち、深UV素子3の出射面3aは、VCSEL素子2の出射面2aよりも光軸方向で集光レンズ5の下面5aに近い位置にある。そのために、深UV素子3とVCSEL素子2が隣接して配置されているにもかかわらず、深UV素子3から発光された紫外光線の入射領域13aは集光レンズ5内に収まり、拡散レンズ4の下面4aにまで及ぶことがない。一方、VCSEL素子2から発光された赤外光線の拡散レンズ4の入射領域12aは拡散レンズ4内に収まり、集光レンズ5の下面5aにまで及ぶことがない。このように、深UV素子3とVCSEL素子2は、VCSEL素子2から拡散レンズ4に至る光学系に、深UV素子3から出射した紫外光線が干渉しないように配置されている。
上記照射装置1は、一方の光学系に他方の光線が干渉しないための隔壁を両素子の間に設けることなく、隣り合う光学系への光の漏れを防止できる。具体的には、深UV素子3の出射面3aと、集光レンズ5の入射領域13aの端とを結ぶ境界軸Xが赤外光線の入射領域12aの外側にある。換言すると、深UV素子3の出射面3aと、この出射面3aに対応する前記入射領域13aの端とを結ぶ線Xが前記光軸L1に対してなす角度をθとしたとき、出射面3aからレンズ下面5aまでの距離をhとすると、h=r/tanθとなり、「光の広がり角度θ」と「集光レンズ5の半径」とから、出射面3aから集光レンズ5の下面5aまでの距離hを求めることができる。本実施形態によると、h≦r/tanθとなる位置に深UV素子3の出射面3aを配置することにより、VCSEL素子2の光学系との干渉を防ぐことができる。
このように、深UV素子3の光軸L1とVCSEL素子2の光軸L2が互いに接近した位置にあるにも拘わらず、深UV素子3から出射した紫外光線が拡散レンズ4に入射することがない。この結果、深UV素子3から出射された紫外光線が拡散レンズレンズ4内で拡散することがないため、殺菌対象物に対する紫外光線の照射範囲が明確になる。また、VCSEL素子2が紫外光線によって劣化することもない。さらに、深UV素子3とVCSEL素子2を近づけて配置できるので装置自体を小型化することができる。なお、VCSEL素子2から出射した赤外光線が集光レンズ5に入射することもない。
上記第1実施形態に係る照射装置1によれば、深UV素子3から出射する紫外光線の照射範囲13をVCSEL素子2から出射する赤外光線の照射範囲12がカバーしているので、紫外光線の照射によって殺菌された範囲がVCSEL素子2から出射された赤外光線によって容易に確認することができる。また、VCSEL素子2から出射された赤外光線を紫外光線に重ねることで、紫外光線により殺菌された範囲を立体的に捉えることができるので、殺菌済み箇所をより確実に確認することができる。
(第2実施形態)
図3には本発明の第2実施形態に係る照射装置20が示されている。この照射装置20は、深UV素子3がスペーサ9を介して配置されている点を除いて、第1実施形態に係る照射装置1と同一の構成からなる。したがって、同一の構成には同一の符号を用いることで詳細な説明を省略する。
スペーサ9は所定の厚みを有する四角形状の平板からなり、下面9bが基体6の底板7に接するように配置される。スペーサ9の高さは、その上面9aに載置される深UV素子3の大きさによって調整されるが、深UV素子3の出射面3aから集光レンズ5の下面5aまでの距離hが、h<r/tanθとなるように調整されるのが好ましい。この実施形態では、スペーサ9の上面9aが深UV素子3の出射面2aより高い位置に設定されている。深UV素子3から出射された紫外光線をVCSEL素子2からの光学系に対して確実に干渉させないためである。なお、スペーサ9は、上面9aと下面9bが平行である。このため、スペーサ9の上面9aに載置される深UV素子3の出射面3aは基体6の底板7と平行である。
スペーサ9は絶縁性および熱伝導性に優れる材料で形成されるのが好ましい。例えば、スペーサ9を樹脂材料又は金属材料によって形成することができる。金属材料の場合は樹脂材料より熱膨張の小さいスペーサ9を作り易い。なお、スペーサ9の形状は特に限定されないものである。例えば、スペーサ9の外周を底板7の外周と一致させてもよい。このとき、スペーサ9は底板7の上面の全面を覆うが、VCSEL素子2を配設する開口を形成し、VCSEL素子2をその開口部内の底板7上に配置してもよい。また、枠板8をスペーサ9の上面9aに配置してもよい。また、スペーサ9と底板7を同一材料で一体化してもよい。
(第3実施形態)
図4には本発明の第3実施形態に係る照射装置30が示されている。この照射装置30は、深UV素子3とVCSEL素子2との間に遮光部材15が配置されている点を除いて、第1実施形態に係る照射装置1と同一の構成からなる。したがって、同一の構成には同一の符号を用いることで詳細な説明を省略する。
遮光部材15は、深UV素子3とVCSEL素子2との間に配置される隔壁であり、図4において紙面の手前から紙面の裏面に向かって長く延びている。遮光部材15は下端が基体6の底板7に固定され、上端が集光レンズ5と拡散レンズ4の境界付近においてレンズ下面に固定されている。したがって、深UV素子3が配置される基体6の内部空間6a’とVCSEL素子2が配置される基体6の内部空間6a”は完全に仕切られる。このため、深UV素子3から出射される紫外光線が拡散レンズ4側に漏れるのを確実に防止することができる一方、VCSEL素子2から出射した赤外光線が集光レンズ5側に漏れるのも確実に防止することができる。このように、遮光部材15は、深UV素子3から出射された紫外光線がVCSEL素子2から出射された赤外光線の光学系に干渉するのを確実に防いでいる。なお、遮光部材15の配置位置は、深UV素子3から出射した紫外光線が集光レンズ5に入射する入射領域13a及びVCSEL素子2から出射した赤外光線が拡散レンズ4に入射する入射領域12aをそれぞれ十分に確保できる位置が望ましい。また、遮光部材15は黒色系の材料で形成されるか又は黒色系の塗料で表面処理されていることが好ましい。
上記遮光部材15を用いることにより、集光レンズ5の入射領域13aを調整する必要がなくなり、深UV素子3の出射面3aから集光レンズ5の下面5aまでの距離hを自由に設定することができる。また、集光レンズ5と拡散レンズ4を一体化せずに別のレンズにしたとき、それぞれのレンズを遮光部材15により支持することができるため、レンズの位置精度や接着強度を向上させることができる。
(第4実施形態)
図5には本発明の第4実施形態に係る照射装置40が示されている。この照射装置40は、集光レンズ5の代わりに反射カップ16を用いている点を除いて、第1実施形態に係る照射装置1と同一の構成からなる。したがって、同一の構成には同一の符号を用いることで詳細な説明を省略する。
反射カップ16は、深UV素子3の周囲を取り囲むようにして基体6の底板7上に配置される。反射カップ16は上方に向かって広がる開口部16aを有し、開口部16aの内周面には反射面16bが形成されている。反射面16bは、深UV素子3の出射面3aから出射した紫外光線を反射して光軸L1と平行に向かわせるように湾曲状に形成される。また、この実施形態では、反射カップ16は、枠体8に代わる外周壁16c及び深UV素子3とVCSEL素子2との間を仕切る遮光壁16dを備えている。
深UV素子3から出射した紫外光線は、反射カップ16の反射面16bによって反射され、光軸L1と平行に上方に向かう。また、深UV素子3から出射した紫外光線は反射カップ16の遮光壁16dに遮られるため拡散レンズ4側に光が漏れることがない。なお、反射カップ16は、金属材料又は樹脂材料などによって形成される。反射面16bには、反射性能を高めるために、アルミ蒸着又は白色顔料を含む塗料の塗布などが望ましい。
集光レンズ5に代えて反射カップ16を用いた場合には、照射装置40の構造が簡単になると共に装置全体の厚みを抑えることができるので、照射装置40の製造コストを低減できる他、照射装置40の小型化が可能になる。なお、反射カップ16の外周は底板7の外周と一致していなくてもよい。また、反射カップ16の周囲に枠材8や遮光部材15を配置してもよい。反射カップ16の厚みと枠材8や遮光部材15の厚みは適宜設定可能である。VCSEL素子2と拡散レンズ4との距離を調整しやすく、拡散レンズ4からの光の指向性の調整が容易になる。
(第5実施形態)
図6には本発明の第5実施形態に係る照射装置50が示されている。この照射装置50は、集光レンズ5の下面5a側に延長部5bが一体に形成されている点を除いて、第1実施形態に係る照射装置1と同一の構成からなる。したがって、同一の構成には同一の符号を用いることで詳細な説明を省略する。
集光レンズ5の下面5aには下方に延びる延長部5bが形成されている。この延長部5bは、深UV素子3のスペーサ9の周囲を取り囲むように、円形状又は矩形状の枠体からなり、深UV素子3とVCSEL素子2との間を遮光している。延長部5bの下端を底板7の上面に当接させることで、深UV素子3から出射する紫外光線がVCSEL素子2側に漏れるのを確実に防ぐことができる。また、延長部5bは、深UV素子3から出射する紫外光線が集光レンズ5の下面5aに入射する入射領域13aを狭めないように考慮して形成される。
前記延長部5bは、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いた金型成形によって、集光レンズ5と一体に形成することができる。一体に形成することで、組付け性及び組付け精度が向上すると共に安価に製造することができる。なお、延長部5bを集光レンズ5とは別体で形成することができること勿論である。
上述した各実施形態では、深UV素子3とVCSEL素子2を備えた照射装置について説明したが、本発明ではこれらの素子に加えて可視光線を出射するLED素子などを配置することもできる。
図7には本発明の照射装置を用いた紫外光線殺菌システムが示されている。この紫外線殺菌システムでは紫外光線により殺菌したエリアを可視化するための一手段として、3Dマッピングの作成による判別方法が示されている。
3Dマッピングの作成では、カメラを用いたTOF(Time of Flight)システム17が利用される。TOFシステム17では照射装置1のVCSEL素子2から殺菌対象物18に赤外光線パルスを照射し、赤外光線パルスが往復する時間差若しくは位相差をイメージセンサで検出して距離を測定し、その測距信号に基づいて殺菌対象物18の形状を3次元的に空間認識する。本発明では深UV素子3による紫外光線の照射範囲3bをVCSEL素子2による赤外光線の照射範囲2bがカバーしている。不可視光線である赤外光線の照射範囲2bを、TOFシステム17により3D情報として可視化することにより、殺菌された対象範囲を容易に目視確認することが可能となる。紫外光による殺菌には対象菌種に応じた紫外光の照射量が必要であり、例えば対象となる菌99.9%を不活化させる場合、大腸菌では10mJ/cm、インフルエンザウィルスでは6.6mJ/cmの照射量が必要である。この紫外光照射量は照射対象物上の照度と照射時間の積算により求められる。照度は光源と照射対象物間の距離の2乗で減少するため、遠方の対象物を殺菌する為にはより長時間の紫外光照射が必要となる。従って、照射対象物が殺菌されたかどうかを確認するためにTOFシステムにて測定される距離情報を利用する事は非常に有用である。
図8には3Dマッピングを利用した殺菌方法のフローチャートが示されている。先ず、殺菌対象物の確認を行なう。次いで、本発明の照射装置を殺菌対象物に向けて、深UV素子による紫外光線の照射およびVCSEL素子による赤外光線の照射を行う。紫外光線の照射により殺菌対象物が殺菌されると同時にTOFシステム17によって、VCSEL素子から出射された赤外光線の照射範囲のデータに基づいて3Dマッピングが作成される。図9に示されるように、3Dマッピングには赤外光線の照射範囲2bと未照射範囲2cとが区分して表示される。赤外光線の照射範囲2bは紫外光線の照射範囲3bとほぼ一致しており、殺菌実施部として実線で表示される。一方、赤外光線の未照射範囲2cは、殺菌未実施部として鎖線で表示されるので、紫外光線の照射により殺菌された対象物を目視で判別することが可能となる。
1,20,30,40,50 照射装置
2 VCSEL素子
2a VCSEL素子の出射面
2b 赤外光線の照射範囲
2c 赤外光線の未照射範囲
3 深UV素子
3a 深UV素子の出射面
3b 紫外光線の照射範囲
4 拡散部(拡散レンズ)
4a 拡散レンズの下面
5 集光部(集光レンズ)
5a 集光レンズの下面
5b 集光レンズ延長部
6 基体
6a 内部空間
7 底板
8 枠板
9 スペーサ
9a スペーサの上面
9b スペーサの下面
10 プリント回路
10a 一の電極
10b 他の電極
11 リード電極
12 赤外光線の照射範囲
12a 赤外光線の入射領域
13 紫外光線の照射範囲
13a 紫外光線の入射領域
14 境界軸
15 遮光部材
16 射カップ
16a 開口部
16b 反射面
16c 外周壁
16d 遮光壁
17 TOFシステム
18 殺菌対象物
L1 深UV素子の光軸
L2 VCSEL素子の光軸

Claims (10)

  1. 深UV素子とVCSEL素子を備え、深UV素子から出射する紫外光線の照射範囲をVCSEL素子から出射する赤外光線の照射範囲がカバーする照射装置。
  2. 前記深UV素子とVCSEL素子が実装される基体と、深UV素子から出射する紫外光線を集光する集光部と、前記VCSEL素子の出射面の上方に配置される赤外光線の拡散部と、を備える請求項1に記載の照射装置。
  3. 前記基体が、前記深UV素子とVCSEL素子が載置される底板と、底板の周囲を取り囲む枠板とを備え、基体内に前記深UV素子とVCSEL素子が収納される内部空間を有する請求項2に記載の照射装置。
  4. 前記集光部が、深UV素子の出射面の上方に配置される集光レンズからなる請求項2に記載の照射装置。
  5. 前記集光部が、深UV素子を取り囲む反射カップからなる請求項2に記載の照射装置。
  6. 前記基体の内部空間には、深UV素子とVCSEL素子との間を仕切る遮光部材が配置される請求項3に記載の照射装置。
  7. 前記深UV素子とVCSEL素子は、VCSEL素子から拡散部に至る光学系に、深UV素子から出射した紫外光線が干渉しないように、前記基体に配置される請求項1乃至6のいずれかに記載の照射装置。
  8. 前記深UV素子の出射面がVCSEL素子の出射面より上方に位置する請求項7に記載の照射装置。
  9. 前記深UV素子がスペーサを介して実装され、スペーサの上面がVCSEL素子の出射面より上方に位置する請求項7に記載の照射装置。
  10. 殺菌対象物に紫外光線を照射する紫外光線殺菌システムであって、
    紫外光線を出射する深UV素子と、紫外光線の照射範囲をカバーする赤外光線を出射するVCSEL素子と、を有する照射装置と、
    前記VCSEL素子が出射する赤外光線が殺菌対象物との間を往復する時間差若しくは位相差をイメージセンサで検出し、殺菌対象物との間の距離を測ると共に検出された測距信号に基づいて空間認識を行うTOFシステムと、を備え、
    前記TOFシステムの3次元的な情報に基づいて赤外光線の照射範囲を3Dマッピングすることにより可視化する紫外光線殺菌システム。

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