JP2022132711A - Frf同定システム、frf同定方法及びilcアルゴリズム - Google Patents

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Abstract

【課題】入力信号スペクトルが小さくなる部分的な周波数帯で顕著なFRF同定誤差が生じる問題や、高精度なFRF同定を行うためには事前に十分な制御設計・調整が必要であるといった問題を解決したFRFを同定するFRF同定システムを提供すること。【解決手段】所定の位置決め動作を繰り返し行いながら同定対象システムのFRFを同定するFRF同定システムにおいて、同定対象システムのFRFを推定するFRF推定アルゴリズム4と、フィルタ6、7を有し、指令と検出出力との偏差を小さくすることを目的とするILC(反復学習制御)によりフィードフォワード制御入力を算出するILCアルゴリズム5を備え、所定動作を繰り返しながらFRF推定アルゴリズム4により推定された推定FRFの更新と、ILCの計算に用いるフィルタ6、7の更新を行うことを特徴とするFRF同定システム1である。【選択図】図1A

Description

本発明は、FRF同定システム、FRF同定方法及びILCアルゴリズムに関する。
制御対象(プラント)に対する正確な周波数応答関数(FRF:Frequency Response Function)の同定は、高速・高精度サーボを実現する上で重要な制御設計工程である。FRFの高精度同定に際しては、離散フーリエ変換(DFT)に基づく周波数応答解析の原理的な性質から、一般的に正弦波などの外乱信号を用いてプラントを加振する方法がよく用いられている。しかし、プラントが共振系の場合には加振時に共振モード周波数付近において駆動騒音が発生しやすく、駆動機構への負担などの観点からも外乱信号加振が好ましくない場合も多い。
特許文献1には、プラントの力次元の入力に対して、第1差分器を介して差分値を算出し、続いて第1DFT演算部を介して周波数応答を算出し、プラントの位置次元の出力に対して、第2差分器を介して差分値を算出し、続いて第2DFT演算部を介して周波数応答を算出し、乗除算器において、入出力の周波数応答よりプラントFRFを算出する周波数応答解析システムが記載されている(図1C、2B参照)。本システムは、正弦波などのような加振用の外乱信号を別途用いることなく、所定の位置決め動作時の時間信号から所望のFRFを同定することができる。
特開2018-147149号公報
従来技術である特許文献1は、所定動作をさせるだけでFRFを同定できるが、入力信号スペクトルが小さくなる部分的な周波数帯で顕著なFRF同定誤差が生じる問題や、高精度なFRF同定を行うためには事前に十分な制御設計・調整が必要といった問題があった。そこで、本発明では、それらの問題を解決したFRFを同定するFRF同定システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は以下の通りである。
(1)所定の位置決め動作を繰り返し行いながら同定対象システムのFRFを同定するFRF同定システムにおいて、同定対象システムのFRFを推定するFRF推定アルゴリズムと、フィルタを有し、指令と検出出力との偏差を小さくすることを目的とするILC(反復学習制御)によりフィードフォワード制御入力を算出するILCアルゴリズムを備え、所定動作を繰り返しながら前記FRF推定アルゴリズムにより推定された推定FRFの更新と、前記ILCの計算に用いる前記フィルタの更新を行うことを特徴とするFRF同定システムである。
(2)前記FRF推定アルゴリズムは、所定動作時の入出力信号のDFT(離散フーリエ変換)から、推定FRF P[ハット]と、P[ハット]の信頼度を表す関数Wを算出することを特徴とする(1)に記載のFRF同定システムである。
(3)前記FRF推定アルゴリズムにおいて、新しいP[ハット]とWが算出されたら、前記フィルタを構成する学習フィルタLと安定化フィルタQを更新し、更新されたLとQに基づいてILC計算を行うILCアルゴリズムである。
本発明によれば、部分的なFRF同定誤差を低減でき、事前の制御設計・調整に係る労力・コストを大幅に削減することができる。
本発明の一つの実施態様であるFRF同定システムの構成例を示した図である。 図1A中のILCアルゴリズムが有するフィルタ(L、Q)を記載して示したFRF同定システムの構成例を示した図である。 従来技術のFRF同定システムの構成例を示した図である。 本発明の一つの実施態様であるFRF同定システムのフローチャートを示した図である。 従来技術のFRF同定システムのフローチャートを示した図である。 FRF推定アルゴリズムを示した図である。 本発明の一つの実施態様であるILCアルゴリズムを示した図である。 FRF同定システム1でのu、yの時間応答波形を示した図である。 FRF同定システム1でのP[ハット]の周波数特性を示した図である。 FRF同定システム1でのP[ハット]の同定誤差の周波数特性を示した図である。 FRF同定システム1でのuのDFT Uの周波数特性を示した図である。 本発明の一つの実施態様である推定FRFの信頼度を表す関数Wの算出方法を示した図である。 本発明の一つの実施態様である学習フィルタLの更新方法を示した図である。 本発明の一つの実施態様である安定化フィルタQの更新方法を示した図である。 FRF同定システム1でのYとWの周波数特性を示した図である。 FRF同定システム1でのLの周波数特性を示した図である。 FRF同定システム1でのQの周波数特性を示した図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
図1Aに示したように本発明の一つの実施態様であるFRF同定システム1は、同定対象システム(制御対象3)のFRFを推定するFRF推定アルゴリズム4と、後述するフィルタL6(学習フィルタ)とQ7(安定化フィルタ)(図1B参照)を有し、所定動作に対応する指令rと検出出力との偏差を小さくすることを目的とするILC(反復学習制御)の制御入力を算出するILCアルゴリズム5を備え、指令rはフィードバック制御器2を介して制御対象3に入力される。
図1Bには、ILCアルゴリズム5が有するフィルタを構成する学習フィルタL6、安定化フィルタQ7及びメモリー8、8´も含めたFRF同定システム1を示した。
図2Aに示したフローチャートのように、FRF同定システム1は動作を行う。動作を開始した(S101)FRF同定システム1は、まず位置決め回数iの初期化を行う(i=1、S102)。次いでILCに基づいてサーボ装置で所定の位置決め動作を行い(S103)、iが1に等しいか否かの判断を行う(S104)。iが1に等しければ、推定FRF P[ハット](ω)とその信頼度を表す関数W(ω)を算出する(S105)。そして、FRF同定の終了条件を満足するか否かを判断する(S106)。FRF同定終了条件を満足していれば動作を終了する(S111)。一方、iが1に等しくなければ、ILC終了条件を満足しているか否かを判断する(S108)。そして、ILC終了条件を満足していればS105に進む。
S106でFRF同定終了条件を満足していなければ、学習フィルタLと安定化フィルタQを更新する(S107)。そしてフィードフォワード制御入力の更新を行い(S109)、iをインクリメントする(S110)。その後、S103に進む。S108においてILC終了条件を満足していなければ、S109に進む。
すなわちFRF同定システム1は、位置決め入出力信号を用いたFRF同定法(従来技術である特許文献1)と反復学習制御(ILC)を組み合わせたものであり、プラントFRFに対して多くの不確かさが存在し、十分な制御設計・調整が行われていない状況からでも高精度なFRF同定が可能である。また、FRF同定システム1によって、外乱信号加振を必要としないFRF同定法として、サーボ装置における所定の位置決め動作を繰り返しながらプラントFRFを同定することができる。
それに対して、従来技術のFRF同定システムは図2Bに示したフローチャートのように動作を行う。動作を開始した(S201)FRF同定システムは、位置決め動作を1回だけ行い(S202)、推定FRF P[ハット](ω)の算出を行い(S203)、終了する(S204)。
(FRF推定アルゴリズム)
図3に示したFRF推定アルゴリズムにおいて各記号は、以下のようである。u<i>(t):位置決め回数i回目の入力信号(t={0,1,…,N-1})、y<1>(t):位置決め回数i回目の出力信号(t={0,1,…,N-1})、u <i>(t):u<i>(t)をFDIFへ通して得られる時間信号(t={0,1,…,N-1})、y <i>(t):y<i>(t)をFDIFへ通して得られる時間信号(t={0,1,…,N-1})、U <i>(k):u <i>(t)のDFT(k={1,2,…,N})、Y <i>(k):y <i>(t)のDFT(k={1,2,…,N})、N:入出力信号のデータ長,ωk:DFTのインデックスkに対応する離散周波数ω=2πk/NT、FDIF:プレフィルタである差分器(FDIF(z)=1-z-1))、T:サンプリング周期。
図3に示したFRF推定アルゴリズム以外に、次のような実施態様であってもよい。プレフィルタは、差分器以外にも、低周波数を遮断する特性を有するフィルタでもよい。u<i>、y<i>がDFTによる周波数漏れが発生しない条件では、プレフィルタを用いなくてもよい。u<i>、y<i>における雑音や過渡応答成分によるFRF推定誤差を低減するために、P[ハット]の算出式は公知のFRF平滑化処理を行うものでもよい。例えばSpectral Analysi法、LPM法、LRM法(参考文献1:J. Schoukens et al.,“Nonparametric Data-Driven Modeling of Linear Systems,”IEEE Control System Magazine,August,pp. 49-88,2018.)。また、入出力信号以外の信号(Pの同定問題において、例えばrやu <i>)も用いてP[ハット]を算出する方法でもよい。
(制御対象)
本発明を利用する対象例の精密サーボ装置の一例としてガルバノスキャナを制御対象とし、入力であるモータトルク電流指令uからモータ角変位yまでのs領域伝達関数を数式(1)で定義する。
Figure 2022132711000002

ここで、K:トルク定数、電流制御系の定常ゲイン、慣性モーメントからなるゲイン、Ω:m次振動モードの共振角周波数、Z:モード減衰係数、K:モード影響係数、L:等価むだ時間である。本制御対象は2.8kHzと5.8kHz付近に振動モードを有し、制御設計の際には2次振動モードを含む高周波数領域まで正確なFRFの同定が必要となる。
(位置決め制御系)
FRF同定に用いる位置決め制御系のブロック線図を図1B(1A)に示す。図1B中、P:(1)式で表されるプラント、C:フィードバック制御器、r:変位指令、y<i>:エンコーダ(量子化幅q=1.46×10-6rad)により検出されるモータ角変位、v<i>:量子化等による雑音、u<i>:制御入力、u <i>:フィードフォワード制御入力、e<i>:制御偏差である。上付きの記号<・>内のインデックスi={1,2,…}は位置決め回数を表している。なお、i=1のときはILCによるフィードフォワード制御入力はu <1>=0とし、従来技術によるFRF同定と等価の条件である。rは所定動作としてストローク6.579×10-3rad、到達時間1.2msの指令を与える。真のプラントFRFは未知という想定で、フィードバック制御器Cは安定性を重視して低ゲインの設計状態とする。
位置決めシミュレーションにより算出したu<1>、y<1>の時間応答波形を図5(a)、(b)に実線で示す。i=1では指令rに対する速応性が低い応答であることがわかる。本発明ではこのように十分な制御設計・調整が行われていない状況からプラントFRFを高精度に同定することを実現する。
(FRF同定における課題)
Point-to-Point位置決め動作時の入出力信号からDFTにおけるLeakage誤差を抑制しながらFRFを同定するために、参考文献2(田中他:「位置検出値の量子化の影響を考慮したプラント周波数応答関数推定法」,電気学会メカトロニクス制御研究会,MEC-20-037,pp.87-92,2020)の方法を用いる。本法はETFE法(1)の枠組みで、サンプリング周期T=20μs、データ長N=1000の離散時間信号u<i>、y<i>から次式により推定FRF P[ハット]<i>(ω)を得るものである。
Figure 2022132711000003

ここで、U <i>(k)、Y <i>(k):u<i>、y<i>をそれぞれプレフィルタへ通して得られる時間信号u <i>、y <i>のDFT、ω:DFTのインデックスkに対応する離散周波数ω=2πk/NTsである。
図5(a)、(b)中実線のu<1>、y<1>から(2)式に基づいて推定されるP[ハット] <1>(ω)を図6の破線で、FRF同定誤差(P[ハット] <1>(ω)―P(ω))/P(ω)を図7の実線(P[ハット] <1>)で示す。P[ハット] <1>(ω)は約1kHzまでの周波数領域において実線で示す真のFRF P(ω)を精度良く同定できているが、それ以降の高周波数領域では振動モードの判別が難しいほどの同定誤差を部分的に含んでいる。本現象は出力端の雑音v<i>が原因であり(参考文献2:田中他:「位置検出値の量子化の影響を考慮したプラント周波数応答関数推定法」、 電気学会メカトロニクス制御研究会,MEC-20-037,pp. 87-92,2020)、(2)式のFRF算出式では(3)式のようにv<i>のDFT V<i>(k)の影響がu<i>のDFT U<i>(k)が小さい周波数帯において顕在化するためである。
Figure 2022132711000004
図5(a)に実線で示すu<1>のDFT U<1>(k)のゲイン特性を図8に実線で示す。U<1>(k)が小さい周波数と図6,7で顕著な同定誤差が生じている周波数帯は一致していることが分かる。このような同定誤差に対して、FRFの平滑性を利用して当該周波数帯のFRFを補間する方法が知られているが(参考文献1、2)、本事例のように広い周波数帯で誤差を持つ場合には正確な補間が困難となる。従って、位置決め入出力信号を用いて高精度なFRF同定を行うためには、入力信号スペクトルが小さくなる部分的な周波数における同定誤差を抑制可能なFRF同定法が必要となる。
(反復位置決め動作に基づくFRF同定法)
本発明の一実施形態であるFRF同定法は、ILCに基づいて所定の位置決め動作を繰り返しながら、まずILCにより得られるu<i>、y<i>を用いてP[ハット](ω)を推定する。ついでP[ハット](ω)に基づいてILCで用いるフィルタの更新を行うことで、十分な制御設計・調整が行われていない状態から高精度なFRF同定を行うことを特徴とする。図1B中の破線で囲んだ部分9がFRF同定を行う箇所である。その同定アルゴリズムは以下の3つのStepにより構成される。
(Step1)ILCに基づく位置決め動作)
図1Aに示すようにILCでフィードフォワード制御入力を生成する制御系を用いて所定の位置決め動作を繰り返し行う。その際、ILCは(4-1)式の更新則に従って次の位置決め動作におけるフィードフォワード制御入力を算出する(参考文献3:D.A. Bristow et al. ,“A survey of iterative learning control,”IEEE Contr. Syst. Mag. ,June,pp. 96-114,2006.)。
Figure 2022132711000005
(4-1)式において、L:学習フィルタ、Q:安定化フィルタ、e<i>:制御偏差であり、u <1>=0とする。なお、(4-1)式の計算は(4-2)式のように周波数領域で行い、計算結果を逆離散フーリエ変換してu <i+1>を得る。(4-2)式において、F -1[X]:複素ベクトルXの逆離散フーリエ変換(IDFT)、U <i>(k):u <i>(t)のDFT、E<i>(k):e<i>(t)のDFT、L(ω):学習フィルタの離散時間フーリエ変換(DTFT)、Q(ω):安定化フィルタのDTFTである。
<i>の高い収束性を得るために、Lは理想的には真のプラントFRF P(ω)とフィードバック制御器のDTFT C(ω)を用いて次式の特性を有することが望ましい(参考文献3)。
Figure 2022132711000006
一方、QはILCの安定性を考慮して設計するフィルタであり、広い周波数帯でILCを機能させるためには理想的にはQ(ω)=1であることが望まれる。
本明細書では、ILCがH回の反復学習を行う毎に後述のStep2とStep3によってL、Qを更新するものとし、学習的にU<i>(k)のゲインを広い周波数帯で増加していく。
(Step2)FRF推定)
Step1においてILCがH回反復するタイミングをj={H、2H、・・・}と表すとき、i=jにおける時間信号u<i>、y<i>から(2)式に基づいてP[ハット](ω)を算出する。一方、量子化雑音v<j>の影響が顕著となる周波数Ωを次式で定義する(参考文献2)。
Figure 2022132711000007

ここで、E[ハット]:q、N、Tによって定まる雑音レベルの推定値、X:閾値の余裕度を決定する正の実数である。
Ωを用いて推定したP[ハット](ω)の信頼度を表す関数W(ω)を次式のように算出する(図9参照)。
Figure 2022132711000008
(Step3)L、Qの更新)
可能な限り広い周波数領域において(5)式による高性能なILCを行うために、Step1に戻って位置決め動作を行う前にStep2で算出したP[ハット](ω)、W(ω)を用いて、L、Qを(8-1)式、(9)式のように更新する(図10、11参照)。
Figure 2022132711000009
Figure 2022132711000010
また、更新前のL<i-H>に対して新たな候補となるL<i>を重み付け(0≦α≦1)して平均化する方法によってLを更新してもよい。その場合には、(8-2)式が適用される。
本アルゴリズムの終了条件として、例えば推定FRFの更新をM回とするとき、以上のStep1~Step3をi=MHまで繰り返し実行し、最終的にStep2で得られるP[ハット](ω)を同定FRFとする。
(FRF同定法のシミュレーション評価)
H=1、M=3の条件で計3回の位置決め動作を行って同定したFRF P[ハット](ω)を図6に破線(P[ハット] <3>)で示す。なお、本FRF同定アルゴリズムにおける初期のL、Qとして、L<0>はILCの安定性を考慮して非モデルベースで低ゲインのフィルタを設定し(参考文献3)、Q<0>は2π×100rad/sという非常に低いカットオフ周波数のローパスフィルタを与えた。比較例である従来技術(特許文献1)によりFRF同定を行った場合と等価であるi=1のときは、図中破線のように推定FRF P[ハット] <1>(ω)は約1kHz以降で明確な同定誤差が生じている。これに対してi=3における推定FRF P[ハット] <3>(ω)は約1kHz以降の同定誤差が大幅に低減し、2つの振動モードを含めて実線で示す真のFRF P(ω)を高周波数領域まで同定できている。図7に示すFRF同定誤差で見ても、点線(P[ハット] <3>)で示す発明技術により同定したFRFは、実線(P[ハット] <1>)で示す従来技術によるものよりも広い周波数で同定誤差を低減している。図5に実線で示すi=3のときの入出力信号u<3>、y<3>に着目すると、u<1>、y<1>よりも速応性の高い応答となっている。これに伴い図8に破線で示すU<3>(k)のゲインは広い周波数帯で増加しており、雑音に起因する同定誤差の低減に寄与していることが確認される。
図12(a)はi回目の位置決め動作で得られるモータ角変位の差分値y <i>のDFT Y <i>(ω)、図12(b)はそのとき(6)式、(7)式で算出される推定FRFの信頼度を表す関数W<i>(ω)の周波数特性である。図12(a)においてY <i>が水平破線で示す閾値XE[ハット]以上となる周波数で推定FRF P[ハット]<i>(ω)の信頼度が高いと判定し、図12(b)において当該周波数でW<i>(ω)=1となっていることが確認される。このとき、X=5、E[ハット]=q√(N/6)と与えている。
図13と図14は、i回目の位置決め動作により更新されたフィルタL<i>、Q<i>の周波数特性を示しており、位置決めを繰り返す毎に(8-1)式、(9)式に基づいて両フィルタが更新されている様子が確認される。
本明細書では、位置決め入出力信号を用いたFRF同定法(従来技術である特許文献1)とILC(参考文献3)とを組み合わせた反復位置決め動作に基づくプラントFRF同定法を発明し、その有効性をシミュレーションにより検証した。
本発明は、産業用ロボット、工作機械などのサーボ技術を扱うメーカにおける制御設計の自動化・効率化に利用することができる。
1:FRF同定システム(実施例1)
2:フィードバック制御器
3:制御対象
4:FRF推定アルゴリズム
5:ILCアルゴリズム
6:学習フィルタ
7:安定化フィルタ
8、8´:メモリー
9:FRF同定を行う箇所

Claims (3)

  1. 所定の位置決め動作を繰り返し行いながら同定対象システムのFRFを同定するFRF同定システムにおいて、同定対象システムのFRFを推定するFRF推定アルゴリズムと、フィルタを有し、指令と検出出力との偏差を小さくすることを目的とするILC(反復学習制御)によってフィードフォワード制御入力を算出するILCアルゴリズムを備え、所定動作を繰り返しながら前記FRF推定アルゴリズムにより推定された推定FRFの更新と、前記ILCの計算に用いる前記フィルタの更新を行うことを特徴とするFRF同定システム。
  2. 前記FRF推定アルゴリズムは、所定動作時の入出力信号のDFT(離散フーリエ変換)から、推定FRF P[ハット]と、P[ハット]の信頼度を表す関数Wを算出することを特徴とする請求項1に記載のFRF同定システム。
  3. 前記FRF推定アルゴリズムにおいて、新しいP[ハット]とWが算出されたら、前記フィルタを構成する学習フィルタLと安定化フィルタQを更新し、更新されたLとQに基づいてILC計算を行うILCアルゴリズム。
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