JP2022131594A - 加硫ゴム用接着剤組成物、及び、タイヤ - Google Patents

加硫ゴム用接着剤組成物、及び、タイヤ Download PDF

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Takahiro Okamatsu
寿江 秋山
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Abstract

【課題】オープンアセンブリタイムとクローズドアセンブリタイムとのバランスが優れる加硫ゴム用接着剤組成物を提供する。【解決手段】1分子中にイソシアネート基を複数有するポリイソシアネートを含むA剤、及び、1分子中にヒドロキシ基を複数有するポリエステルと、不飽和脂肪酸とを含むB剤を有し、上記ヒドロキシ基に対する上記イソシアネート基のモル比(NCO/OH)が、15.0~19.0である、加硫ゴム用接着剤組成物、並びに、加硫されたタイヤと部品とが上記加硫ゴム用接着剤組成物で接着されたタイヤ。【選択図】なし

Description

本発明は、加硫ゴム用接着剤組成物、及び、タイヤに関する。
近年、IoT(Internet of Things)を利用し、自動車に装着されたタイヤの情報(例えば、空気圧等)を監視するシステムがある。上記システムにおいては、タイヤはその内部に、タイヤの情報を監視するためのセンサー(検知器)等の機器を収容する容器(コンテナ)を有する。通常、上記コンテナはタイヤに接着剤で固定されている。
一方、加硫ゴムに対して適用される、ウレタン系接着剤組成物が知られている(例えば特許文献1)。
特開2021-8571号公報
このようななか、本発明者らは特許文献1を参考にして2液型の接着剤組成物を調製し、加硫済みのタイヤの表面に上記接着剤組成物を塗布して、部品(例えば、センサーを収容するゴム製コンテナ)を接着させたところ、オープンアセンブリタイムとクローズドアセンブリタイムとのバランスが悪い場合があることが明らかになった。
オープンアセンブリタイムは、2液型の接着剤組成物が有するA液とB液とを混合してから、A液とB液との混合物の粘度が、混合直後の混合物の初期粘度の2倍になるまでにかかった時間を指す。オープンアセンブリタイムは、A液とB液との混合物の粘度が安定している期間である。
クローズドアセンブリタイムは、A液とB液との混合物の粘度が初期粘度の2倍になったときから上記混合物の接着力が0.5kgf/cm2になるまでにかかった時間を指す。つまり、クローズドアセンブリタイムは、硬化が始まって初期接着力を発現するまでの時間である。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、オープンアセンブリタイムとクローズドアセンブリタイムとのバランスが優れる加硫ゴム用接着剤組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、部品を接着したタイヤを提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、接着剤組成物が、
1分子中にイソシアネート基を複数有するポリイソシアネートを含むA剤、及び、
1分子中にヒドロキシ基を複数有するポリエステルと、不飽和脂肪酸とを含むB剤を有し、
上記ヒドロキシ基に対する上記イソシアネート基のモル比(NCO/OH)が、15.0~19.0であることによって所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
[1] 1分子中にイソシアネート基を複数有するポリイソシアネートを含むA剤、及び、
1分子中にヒドロキシ基を複数有するポリエステルと、不飽和脂肪酸とを含むB剤を有し、
上記ヒドロキシ基に対する上記イソシアネート基のモル比(NCO/OH)が、15.0~19.0である、加硫ゴム用接着剤組成物。
[2] 上記ポリイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、又は、これらの誘導体を含む、[1]に記載の加硫ゴム用接着剤組成物。
[3] 上記ポリエステルのガラス転移温度が、-25℃以上、0℃以下である、[1]又は[2]に記載の加硫ゴム用接着剤組成物。
[4] 上記不飽和脂肪酸が、オレイン酸及び/又はリノレン酸を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の加硫ゴム用接着剤組成物。
[5] 上記不飽和脂肪酸の含有量が、上記ポリイソシアネート100質量部に対して、0.1質量部以上、10質量部以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の加硫ゴム用接着剤組成物。
[6] 加硫されたタイヤと部品とが[1]~[5]のいずれかに記載の加硫ゴム用接着剤組成物で接着されたタイヤ。
[7] 上記部品が、センサーを内蔵するゴム製のコンテナである、[6]に記載のタイヤ。
本発明によれば、オープンアセンブリタイムとクローズドアセンブリタイムとのバランスが優れる、加硫ゴム用接着剤組成物を提供することができる。
また、本発明は、部品を接着したタイヤを提供することもできる。
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、各成分はその成分に該当する物質をそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。成分が2種以上の物質を含む場合、成分の含有量は、2種以上の物質の合計の含有量を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、各成分はその製造方法について特に制限されない。例えば、従来公知の方法が挙げられる。
本明細書において、オープンアセンブリタイムとクローズドアセンブリタイムとのバランスがより優れることを、本発明の効果がより優れるということがある。
[加硫ゴム用接着剤組成物]
本発明の加硫ゴム用接着剤組成物(本発明の接着剤組成物)は、
1分子中にイソシアネート基を複数有するポリイソシアネートを含むA剤、及び
1分子中にヒドロキシ基を複数有するポリエステルと、不飽和脂肪酸とを含むB剤を有し、
上記ヒドロキシ基に対する上記イソシアネート基のモル比(NCO/OH)が、15.0~19.0である、加硫ゴム用接着剤組成物である。
以下、本発明の接着剤組成物に含有される各成分について詳述する。
[A剤]
本発明において、A剤は、1分子中にイソシアネート基を複数有するポリイソシアネートを含む。
[ポリイソシアネート]
本発明において、A剤に含まれるポリイソシアネートは、1分子中にイソシアネート基を複数有する化合物である。
ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、1,4-フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、トランスシクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような、脂肪族(上記脂肪族は、直鎖状、分岐状及び脂環式を含む概念である)ポリイソシアネート;
これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネートは、これらのうち、本発明の効果がより優れ、加硫ゴムとの接着性、硬化性が優れる理由から、芳香族ポリイソシアネートを含むことが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート又は、これらの誘導体(例えばポリメリックMDI)を含むことがより好ましく、MDI及び/又はポリメリックMDIを含むことが更に好ましい。
ポリメリックMDIとは、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートである。ポリメリックMDIは、重合度が異なるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの混合物であってもよい。
ポリメリックMDIは、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートのほかに更にMDIを含んでもよい。
上記ポリイソシアネートは、本発明の効果がより優れ、加硫ゴムとの接着性が優れるという観点から、常温(23℃)で液状であることが好ましい。
常温で液状であるポリイソシアネートとしては、例えば、ポリメリックMDIが挙げられる。
[B剤]
本発明において、B剤は、1分子中にヒドロキシ基を複数有するポリエステルと、不飽和脂肪酸とを含む。
[ポリエステル]
本発明において、B剤に含まれるポリエステルは、1分子中にヒドロキシ基を複数有するポリエステルである。
上記ポリエステルとしては、例えば、酸成分とポリオールとを縮合重合させてなるポリエステルが挙げられる。
上記ポリエステルを製造する際に使用される酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、5-ナトリウムスルホンフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、
トリメリット酸などの芳香族トリカルボン酸のような、
芳香族ポリカルボン酸(カルボキシ基を複数有する芳香族炭化水素系化合物);
コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸のような脂肪族ポリカルボン酸(カルボキシ基を複数有する脂肪族炭化水素系化合物)などが挙げられる。
上記酸成分は、本発明の効果がより優れ、加硫ゴムとの接着性が優れる理由から、脂肪族ポリカルボン酸を含むことが好ましい。
上記ポリエステルを製造する際に使用されるポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオ-ル、テトラメチレングリコール、1,2-ブタンジオ-ル、1,3-ブタンジオ-ル、1,4-ブタンジオ-ル、1,5-ペンタンジオ-ル、1,6-ヘキサンジオ-ル、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコールを除く。)、2-メチル-1,3-プロパンジオールのようなグリコールが挙げられる。
上記ポリオールは、本発明の効果がより優れ、加硫ゴムとの接着性が優れる理由から、1,4-ブタンジオ-ル又は1,6-ヘキサンジオ-ルを含むことが好ましい。
上記ポリエステルの重量平均分子量は、本発明の効果がより優れ、加硫ゴムとの接着性が優れるという観点から、10,000~30,000であることが好ましい。
ポリエステルの重量平均分子量はテトラヒドロフランを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算値とできる。
〔ヒドロキシ基〕
上記ポリエステルは、1分子当たりヒドロキシ基を複数有する。本発明の効果がより優れ、加硫ゴムとの接着性がより優れるという観点から、上記ポリエステルは、1分子当たり平均でヒドロキシ基を2~3個有することが好ましい。
(ガラス転移温度)
上記ポリエステルのガラス転移温度は、本発明の効果がより優れ、加硫ゴムとの接着性が優れるという観点から、-25℃以上、0℃以下であることが好ましく、-15~0℃がより好ましい。
本発明において、ガラス転移温度は示差走査熱量計により測定することができる。例えば20℃/分の昇温速度で上記測定をし、その結果から中点法にてガラス転移温度を算出することができる。
〔モル比(NCO/OH)〕
本発明において、上記ポリエステルが有するヒドロキシ基に対する、上記ポリイソシアネートが有するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)は、15.0~19.0である。
モル比(NCO/OH)は上記範囲であることによって、本発明の効果が優れる。
モル比(NCO/OH)は、本発明の効果がより優れ、加硫ゴムとの接着性が優れる理由から、16.0~18.0であることが好ましい。
[不飽和脂肪酸]
本発明において、B剤に含まれる不飽和脂肪酸は、不飽和の脂肪族炭化水素基とカルボキシ基とを有する化合物である。
本発明において、不飽和脂肪酸は、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基と上記ポリエステルが有するヒドロキシ基との反応を促進する触媒的な機能を有するが、オープンアセンブリタイムの間は上記反応に作用せず、クローズドアセンブリタイムで上記機能を発揮すると考えられる。
不飽和脂肪酸は、不飽和結合を1分子あたり1個又は複数有することができ、不飽和結合を1個有することが好ましい。
不飽和脂肪酸は、カルボキシ基を1分子あたり1個又は複数有することができ、カルボキシ基を1個有することが好ましい。
不飽和脂肪酸が有する脂肪族炭化水素基の炭素数は、10~30個であることが好ましい。
不飽和脂肪酸としては、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸のようなモノ不飽和脂肪酸;リノール酸のようなジ不飽和脂肪酸;リノレン酸のようなトリ不飽和脂肪酸が挙げられる。
不飽和脂肪酸は、本発明の効果がより優れ、加硫ゴムとの接着性が優れる理由から、オレイン酸及び/又はリノレン酸を含むことが好ましい。
(不飽和脂肪酸の含有量)
不飽和脂肪酸の含有量は、本発明の効果がより優れ、加硫ゴムとの接着性が優れる理由から、上記ポリイソシアネート100質量部に対して、0.1質量部以上、10質量部以下であることが好ましく、0.3~0.9質量部であることがより好ましい。
(任意成分)
本発明の接着剤組成物は、上述した成分以外の成分(任意成分)を更に含有していてもよい。任意成分としては、例えば、可塑剤、充填剤、バルーン(中空体)、シランカップリング剤、老化防止剤、酸化防止剤、溶剤、チクソトロピー剤が挙げられる。
各任意成分をA剤、B剤のどちらか又は両方に添加するかは適宜選択できる。
(2液型のポリウレタン系接着剤組成物)
本発明の接着剤組成物は、A剤及びB剤を有する2液型の組成物である。
本発明の接着剤組成物を硬化させると、上記ポリイソシアネートが有するイソシアネート基と上記ポリエステルが有するヒドロキシ基とが反応し、ポリウレタンが生成するので、本発明の接着剤組成物はポリウレタン系の接着剤組成物であるということができる。
[製造方法]
本発明の接着剤組成物を製造する方法は特に限定されない。例えば、A剤、B剤に使用される成分をそれぞれ別の容器に入れて、各容器内を窒素ガス雰囲気下で混合する方法により2液型の接着剤組成物を製造することができる。
また、本発明の接着剤組成物を使用する際はA剤とB剤とを混合して使用すればよい。
[用途]
本発明の接着剤組成物は、加硫ゴム(例えば、タイヤ(特にインナーライナー))に他の材料(例えば、機器を収容するゴム製コンテナ)を固定するための接着剤として有用である。
[使用方法]
本発明の接着剤組成物は、例えば、5~40℃の条件下で硬化することができる。本発明の接着剤組成物を硬化させる際、本発明の接着剤組成物を加熱しなくともよい。
本発明の接着剤組成物の使用方法としては、加硫ゴム及び/又は他の材料に本発明の接着剤組成物を塗布し、両者を張り合わせ、例えば、室温(例えば、5~40℃)条件下に置くことによって、本発明の接着剤組成物が硬化し、両者を接着させることができる。
[タイヤ]
本発明のタイヤは、加硫されたタイヤと部品とが本発明の加硫ゴム用接着剤組成物で接着されたタイヤである。
〔加硫されたタイヤ〕
本発明のタイヤに使用される、加硫されたタイヤは、加硫後(加硫済み)のタイヤであれば特に制限されない。
〔接着剤組成物〕
本発明のタイヤに使用される、接着剤組成物は本発明の加硫ゴム用接着剤組成物であれば特に制限されない。
〔部品〕
本発明のタイヤに使用される部品としては、例えば、センサーを内蔵するゴム製のコンテナが挙げられる。
(コンテナ)
上記コンテナ(の外部)は、ゴム製である。上記コンテナを形成するゴムは加硫されていることが好ましい。
上記コンテナを形成するゴムは特に制限されない。上記コンテナを形成するゴムはゴム成分として天然ゴムを含むことが好ましい。
(センサー)
上記コンテナに内蔵されるセンサーは特に制限されない。例えば、タイヤの空気圧、タイヤの磨耗状況、路面状況のような情報を取得する目的のセンサーが挙げられる。
上記コンテナは、タイヤの例えばインナーライナー上に接着されることが好ましい態様として挙げられる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
[接着剤組成物の製造]
第1表に示されるA剤及びB剤それぞれについて、各成分を同表に示される割合(質量部)で混合することで2液型の接着剤組成物(A剤、B剤)を製造した。
2液型の接着剤組成物を使用する際、A液とB液とを混合した。
[評価]
上記のとおり製造された各接着剤組成物を用いて以下の評価を行った。結果を各表に示す。
〔オープンアセンブリタイムの測定〕
2液型の接着剤組成物が有するA液とB液とを混合し、A液とB液との混合物の粘度を25℃の条件下で測定装置としてB型粘度計(東機産業製TVO10)を用いて測定した。A液とB液との混合物の粘度が混合直後の混合物の初期粘度の2倍になるまでにかかった時間を測定した。
本発明において、オープンアセンブリタイムが1分以上30分以下であればよい。
〔クローズドアセンブリタイムの測定〕
上記のとおりオープンアセンブリタイムが測定された後の各接着剤組成物を用いて、以下のクローズドアセンブリタイムの評価を行った。
予め、以下のとおり加硫ゴム1,2を調製した。
・加硫ゴム1の調製
以下の「加硫ゴム1用ゴム組成物」に示す成分から、硫黄、加硫促進剤を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで5分間混練し放出しマスターバッチとした。得られたマスターバッチに、硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混合することにより、加硫ゴム1用ゴム組成物を調製した。
上記のとおり調製された加硫ゴム1用ゴム組成物を使用して所定形状の金型中で、170℃、10分間加硫して加硫ゴム1(25mm幅、長さ10cm、厚さ2mm)を作製した。
((加硫ゴム1用ゴム組成物))
・ハロゲン化ブチルゴム100質量部(臭素化イソブチレンイソプレンラバー、EXXON CHEMICAL社製)
・カーボンブラック25質量部(新日化カーボン社製ニテロン#GN、N2SAが35m2/g
・酸化亜鉛3質量部(正同化学工業社製酸化亜鉛3種)
・硫黄3質量部(鶴見化学工業社製サルファックス5)
・加硫促進剤2質量部(大内新興化学工業社製DM-PO)
・加硫ゴム2の調製
以下の「加硫ゴム2用ゴム組成物」に示す成分から、硫黄、加硫促進剤を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで5分間混練し放出しマスターバッチとした。得られたマスターバッチに、硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混合することにより、加硫ゴム2用ゴム組成物を調製した。
上記のとおり調製された加硫ゴム2用ゴム組成物を使用して所定形状の金型中で、170℃、10分間加硫して加硫ゴム2(25mm幅、長さ10cm、厚さ2mm)を作製した。
((加硫ゴム2用ゴム組成物))
・天然ゴム100質量部
・カーボンブラック25質量部(新日化カーボン社製ニテロン#GN、N2SAが35m2/g
・酸化亜鉛3質量部(正同化学工業社製酸化亜鉛3種)
・硫黄3質量部(鶴見化学工業社製サルファックス5)
・加硫促進剤2質量部(大内新興化学工業社製DM-PO)
・試験体の調製
・・適用工程
上記のとおり製造された各接着剤組成物を、上記加硫ゴム1に塗布(塗布量:2~5g/cm2)し、上記加硫ゴム2と張り合わせ、積層体を得た。
・・硬化工程
上記のとおり得られた各積層体を25℃、50%相対湿度の条件下に置いて養生させ、加硫ゴム1、2の間に接着剤組成物による接着層(厚さ1mm)を有する試験体を得た。
・引張試験
上記のとおり得られた各試験体を用いて、JIS K6854-2:1999に準じて、25℃、引張速度50mm/分の条件下で接着力を測定し、加硫ゴム1と加硫ゴム2と張り合わせてから、接着力が0.5kgf/cm2になるまでの時間を測った。
・評価基準
上記のとおり測定されたオープンアセンブリタイム(OAT)及びクローズドアセンブリタイム(CAT)の測定結果から、オープンアセンブリタイムとクローズドアセンブリタイムとのバランスを以下の基準で評価した。
本発明において、オープンアセンブリタイムが1~30分であり、かつ、CAT/OATの値が1.0以下である場合、オープンアセンブリタイムとクローズドアセンブリタイムとのバランスが優れると評価した。
また、オープンアセンブリタイムが上記範囲内でより短い場合、又は、CAT/OATの値が0.3~0.8である場合、オープンアセンブリタイムとクローズドアセンブリタイムとのバランスがより優れると評価した。
一方、オープンアセンブリタイムが1分未満若しくは30分を超えた場合、又は、CAT/OATの値が1.0を超えた場合、オープンアセンブリタイムとクローズドアセンブリタイムとのバランスが悪いと評価した。
Figure 2022131594000001
第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
・ポリイソシアネート ポリメリックMDI:ポリメリックMDI(商品名スミジュール44V10、住化バイエルウレタン社製)融点-25℃(常温で液状)。1分子当たりイソシアネート基の官能基数の平均値:2.4個
・ポリエステル バイロン550:ポリエステル。東洋紡社製。ガラス転移温度-15℃。重量平均分子量25,000。水酸基価4mgKOH/g。酸価2mgKOH/g未満。バイロン550は1,6-ヘキサンジオール、脂肪族ポリカルボン酸及びテレフタル酸の共重合である。ウレタン変性されていない。1分子当たり水酸基を3個有する。
・ポリエーテルポリオール:ポリオキシプロピレンジオール。商品名サンニックスPP―4000、三洋化成工業社製。官能基数2
・有機溶剤:酢酸エチル
・フィラー:乾式シリカ。商品名R923、日本アエロジル社製
・不飽和脂肪酸1:オレイン酸、日油株式会社社製
・不飽和脂肪酸2:リノレン酸、関東化学工業社製
・ジラウリン酸ジブチル錫:関東化学工業社製
・2-エチルヘキサン酸:関東化学工業社製
第1表に示す結果から明らかなように、不飽和脂肪酸を含有しない比較例1は、オープンアセンブリタイムとクローズドアセンブリタイムとのバランスが悪かった。以下、比較例の説明において、オープンアセンブリタイムとクローズドアセンブリタイムとのバランスを単に「バランス」という。
不飽和脂肪酸を含有せず、代わりにジラウリン酸ジブチル錫を含有する比較例2~4は、上記バランスが悪かった。
不飽和脂肪酸を含有せず、代わりに酸2-エチルヘキサン酸を含有する比較例5は、上記バランスが悪かった。
所定のポリエステルを含有せず、代わりにポリエーテルポリオールを含有する比較例6は、上記バランスが悪かった。
ポリエステルが有するヒドロキシ基に対する、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が所定の範囲を外れる比較例7、8は、上記バランスが悪かった。
一方、本発明の接着剤組成物は、オープンアセンブリタイムとクローズドアセンブリタイムとのバランスが優れた。

Claims (7)

  1. 1分子中にイソシアネート基を複数有するポリイソシアネートを含むA剤、及び、
    1分子中にヒドロキシ基を複数有するポリエステルと、不飽和脂肪酸とを含むB剤を有し、
    前記ヒドロキシ基に対する前記イソシアネート基のモル比(NCO/OH)が、15.0~19.0である、加硫ゴム用接着剤組成物。
  2. 前記ポリイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、又は、これらの誘導体を含む、請求項1に記載の加硫ゴム用接着剤組成物。
  3. 前記ポリエステルのガラス転移温度が、-25℃以上、0℃以下である、請求項1又は2に記載の加硫ゴム用接着剤組成物。
  4. 前記不飽和脂肪酸が、オレイン酸及び/又はリノレン酸を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の加硫ゴム用接着剤組成物。
  5. 前記不飽和脂肪酸の含有量が、前記ポリイソシアネート100質量部に対して、0.1質量部以上、10質量部以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の加硫ゴム用接着剤組成物。
  6. 加硫されたタイヤと部品とが請求項1~5のいずれか1項に記載の加硫ゴム用接着剤組成物で接着されたタイヤ。
  7. 前記部品が、センサーを内蔵するゴム製のコンテナである、請求項6に記載のタイヤ。
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