JP2022130838A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】被空調空間において外乱の影響を受けた湿度を検出した場合であっても、加湿装置による加湿を安定して行うことができる空調システムを提供する。【解決手段】空調システム20は、空調室18の空気を温調するエアーコンディショナ13と、温調された空気を加湿する加湿装置16と、空調室18の空気を複数の居室2に搬送する複数の搬送ファン3と、加湿装置16を制御するコントローラ50とを備える。コントローラ50は、居室2で検出される空気の検出湿度に関する情報を所定の時間間隔で取得し、検出湿度が第一湿度である場合、加湿装置を第一湿度に基づいた第一加湿制御で実行させ、検出湿度が第一湿度から第一湿度とは異なる第二湿度に変化した場合、第一湿度と第二湿度との間の湿度差がしきい値以下であると、第二湿度に基づいた第二加湿制御に切り替えて実行させ、湿度差がしきい値を超えていると、第一加湿制御を継続して実行させる制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、住宅の複数の部屋を1つの空気調和機で空調することを可能にする空調システムに関するものである。
従来、住居に対して全館空調機での空調が行なわれている。また、省エネルギー住宅需要の高まりと規制強化に伴い、高断熱・高気密住宅が増加していくことが予想されており、その特徴に適した空調システムが要望されている。
こうした空調システムとして、複数の空間(居室)等における空気の温湿度が目標温湿度となるように、複数の空間等から空調室に搬送されてくる空気を、空調室内において所定の温湿度に空調した上で、複数の空間等のそれぞれに搬送する全館空調システムが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2020-63899号公報
しかしながら、従来の全館空調システムにおける加湿装置では、目標湿度と被空調空間の現在湿度の差分値を参照して加湿運転を行うかどうかを判定するので、被空調空間の現在絶対湿度が外乱等の影響によって瞬時的に変化したことを検知して加湿運転と停止動作とが切り替わってしまうことがある。このため、加湿運転と停止動作とが頻繁に発生してしまい、加湿装置による加湿を安定的に行うことができないという課題があった。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、被空調空間において外乱の影響を受けた湿度を検出した場合であっても、加湿装置による加湿を安定して行うことができる空調システムを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、本発明に係る空調システムは、外部から空気を導入可能に構成された空調室と、空調室に設置され、空調室の空気を温調する空調機と、空調室に設置され、空調機によって温調された空気を加湿する加湿装置と、空調室の空気を空調室とは独立した複数の被空調空間に搬送する複数の搬送ファンと、加湿装置及び搬送ファンを制御するコントローラと、を備える。そして、コントローラは、被空調空間で検出される空気の検出湿度に関する情報を所定の時間間隔で取得し、検出湿度が第一湿度である場合、加湿装置を第一湿度に基づいた第一加湿制御で実行させ、検出湿度が第一湿度から第一湿度とは異なる第二湿度に変化した場合、第一湿度と第二湿度との間の第一湿度差が第一しきい値以下であると、第二湿度に基づいた第二加湿制御に切り替えて実行させ、第一湿度差が第一しきい値を超えていると、第一加湿制御を継続して実行させる制御を行うことを特徴としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、被空調空間において外乱の影響を受けた湿度を検出した場合であっても、加湿装置による加湿を安定して行うことができる空調システムを提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る空調システムの接続概略図である。 図2は、空調システムを構成する加湿装置の概略断面図である。 図3は、空調システムのシステムコントローラの概略機能ブロック図である。 図4は、コントローラの基本処理動作を示すフローチャート図である。 図5は、コントローラの加湿制御の基本処理動作を示すフローチャート図である。 図6は、外乱による湿度変化を検出した時のコントローラの第一処理動作を示すフローチャート図である。 図7は、外乱による湿度変化を検出した時のコントローラの第二処理動作を示すフローチャート図である。 図8は、外乱による湿度変化を検出した時のコントローラの第三処理動作を示すフローチャート図である。 図9は、外乱による湿度変化を検出した時のコントローラの第四処理動作を示すフローチャート図である。
本発明に係る空調システムは、外部から空気を導入可能に構成された空調室と、空調室に設置され、空調室の空気を温調する空調機と、空調室に設置され、空調機によって温調された空気を加湿する加湿装置と、空調室の空気を空調室とは独立した複数の被空調空間に搬送する複数の搬送ファンと、加湿装置及び搬送ファンを制御するコントローラと、を備える。そして、コントローラは、被空調空間で検出される空気の検出湿度に関する情報を所定の時間間隔で取得し、検出湿度が第一湿度である場合、加湿装置を第一湿度に基づいた第一加湿制御で実行させ、検出湿度が第一湿度から第一湿度とは異なる第二湿度に変化した場合、第一湿度と第二湿度との間の第一湿度差が第一しきい値以下であると、第二湿度に基づいた第二加湿制御に切り替えて実行させ、第一湿度差が第一しきい値を超えていると、第一加湿制御を継続して実行させる制御を行う。
こうした構成によれば、第一しきい値を超える第一湿度差、つまり急激な湿度変化であれば、第二湿度に変化する前の第一湿度に基づいた第一加湿制御によって加湿装置の加湿動作が実行される。一方、第一しきい値以下の第一湿度差、つまり急激な湿度変化でなければ、そのまま第二湿度に基づいた第二加湿制御よって加湿装置の加湿動作が実行される。このため、空調システムでは、被空調空間において外乱の影響を受けた湿度(検出湿度)を検出した場合であっても、加湿装置の不要な運転開始または運転停止を繰り返すことがないので、加湿装置による加湿を安定して行うことができる。
また、本発明に係る空調システムでは、コントローラは、第一湿度差が第一しきい値を超えている場合であって、検出湿度が第二湿度から第二湿度とは異なる第三湿度に変化した場合、第二湿度と第三湿度との間の第二湿度差が第二しきい値以下であると、第一加湿制御から第二加湿制御に切り替えて実行させる制御を行うようにしてもよい。
このようにすることで、第一しきい値を超える湿度変化、すなわち急激な温度変化を検知した場合であっても、第二湿度差が第二しきい値以下となる場合には、第二加湿制御によって加湿装置の加湿動作が実行される。一方、第二湿度差が第二しきい値を超える場合には、第一加湿制御を継続して加湿装置の加湿動作が実行される。言い換えれば、急激な湿度変化を検知した後に検知された直後の湿度差が第二しきい値を下回る場合には、急激な湿度変化後に検知された湿度に基づいた加湿装置の加湿制御が実行される。このため、空調システムでは、特定の被空調空間が急激な湿度変化を検出した場合であっても、そうした状態が継続する場合には、変化後の湿度に対して加湿制御することができるので、加湿装置による加湿を安定して行うことができる。
また、本発明に係る空調システムでは、コントローラは、複数の被空調空間のうちの1つの被空調空間の第二湿度と、複数の被空調空間のそれぞれの第二湿度の平均値との間の第三湿度差が第三しきい値以下であると、第二湿度の平均値に基づいた第二加湿制御に切り替えて実行させ、第三湿度差が第三しきい値を超えていると、第一加湿制御を継続して実行させる制御を行うようにしてもよい。
このようにすることで、複数の被空調空間の間で生じる第三湿度差が第三しきい値を超えていれば、第二湿度に変化する前の第一湿度の平均値に基づいた第一加湿制御によって加湿装置の加湿動作が実行される。一方、複数の被空調空間の間で生じる第三湿度差が第三しきい値以下であれば、第二湿度の平均値に基づいた第二加湿制御よって加湿装置の加湿動作が実行される。このため、空調システムでは、複数の被空調空間のいずれかで外乱の影響を受けた湿度(検出湿度)を検出した場合であっても、加湿装置の不要な運転開始または運転停止を繰り返すことがないので、加湿装置による加湿を安定して行うことができる。
また、本発明に係る空調システムでは、コントローラは、第三温度差が第三しきい値を超えている場合であって、検出湿度が第二湿度から第二湿度とは異なる第四湿度に変化した場合、第二湿度と第四湿度との間の第四湿度差が第四しきい値以下であると、第一加湿制御から第二加湿制御に切り替えて実行させる制御を行うようにしてもよい。
このようにすることで、複数の被空調空間の間で生じる第三湿度差が第三しきい値を超えている場合であっても、第四湿度差が第四しきい値以下となる場合には、第二加湿制御によって加湿装置の加湿動作が実行される。このため、空調システムでは、複数の被空調空間のいずれかで急激な湿度変化を検出した場合であっても、そうした状態が継続する場合には、変化後の湿度に対して加湿制御することができるので、加湿装置による加湿を安定して行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
まず、図1を参照して、本実施の形態1に係る空調システム20について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る空調システム20の接続概略図である。
空調システム20は、複数の搬送ファン3(搬送ファン3a,3b)と、熱交換気扇4と、複数の居室用ダンパ5(居室用ダンパ5a,5b)と、複数の循環口6(循環口6a,6b,6c,6d)と、複数の居室排気口7(居室排気口7a,7b,7c,7d)と、複数の居室給気口8(居室給気口8a,8b,8c,8d)と、居室温度センサ11(居室温度センサ11a,11b,11c,11d)と、居室湿度センサ12(居室湿度センサ12a,12b,12c,12d)と、エアーコンディショナ(空気調和機)13と、吸込温度センサ14と、加湿装置16と、集塵フィルタ17と、コントローラ50(空調コントローラに該当)と、を備えて構成される。
空調システム20は、建物の一例である一般住宅1内に設置される。一般住宅1は、複数(本実施の形態では4つ)の居室2(居室2a,2b,2c,2d)に加え、居室2と独立した少なくとも1つの空調室18を有している。ここで一般住宅1(住宅)とは、居住者がプライベートな生活を営む場として提供された住居であり、一般的な構成として居室2にはリビング、ダイニング、寝室、個室、子供部屋等が含まれる。また空調システム20が提供する居室にトイレ、浴室、洗面所、脱衣所等を含んでもよい。
ここで居室2aには、循環口6a、居室排気口7a、居室給気口8a、居室温度センサ11a、居室湿度センサ12a、コントローラ50、及び入出力端末19が設置されている。また、居室2bには、循環口6b、居室排気口7b、居室給気口8b、居室温度センサ11b、及び居室湿度センサ12bが設置されている。また、居室2cには、循環口6c、居室排気口7c、居室給気口8c、居室温度センサ11c、及び居室湿度センサ12cが設置されている。また、居室2dには、循環口6d、居室排気口7d、居室給気口8d、居室温度センサ11d、及び居室湿度センサ12dが設置されている。
一方、空調室18には、搬送ファン3a、搬送ファン3b、居室用ダンパ5a、居室用ダンパ5b、エアーコンディショナ13、吸込温度センサ14、加湿装置16、及び集塵フィルタ17が設置されている。より詳細には、空調室18内を流れる空気の流通経路の上流側から、エアーコンディショナ13、集塵フィルタ17、吸込温度センサ14、加湿装置16、搬送ファン3(搬送ファン3a、3b)、居室用ダンパ5(居室用ダンパ5a、5b)の順にそれぞれ配置されている。
空調室18には、空調室18の外部から内部に空気が導入される。そして、空調室18では、各居室2から循環口6を通って搬送された空気(屋内の空気)と、熱交換気扇4により取り込まれて熱交換された外気(屋外の空気)とが混合される。空調室18の空気は、空調室18内に設けられたエアーコンディショナ13及び加湿装置16によって温度及び湿度がそれぞれ制御され、すなわち空調されて、居室2に搬送すべき空気が生成される。空調室18にて空調された空気は、搬送ファン3により、各居室2に搬送される。ここで、空調室18は、エアーコンディショナ13、吸込温度センサ14、加湿装置16、及び集塵フィルタ17などが配置でき、各居室2の空調をコントロールできる一定の広さを備えた空間を意味するが、居住空間を意図するものではなく、基本的に居住者が滞在する部屋を意味するものではない。
各居室2の空気は、循環口6により空調室18へ搬送される他、居室排気口7により熱交換気扇4を通して熱交換された後、屋外へ排出される。空調システム20は、熱交換気扇4によって各居室2から内気(屋内の空気)を排出しつつ、屋内に外気(屋外の空気)を取り込むことで、第1種換気方式の換気が行われる。熱交換気扇4の換気風量は、複数段階で設定可能に構成されており、その換気風量は、法令で定められた必要換気量を満たすように設定される。
熱交換気扇4は、内部に給気ファン及び排気ファン(図示せず)を有して構成され、各ファンを動作させることによって、内気(屋内の空気)と外気(屋外の空気)との間で熱交換しながら換気する。この際、熱交換気扇4は、熱交換した外気を空調室18に搬送する。
搬送ファン3は、空調室18の壁面(底面側の壁面)に設けられている。そして、空調室18の空気は、搬送ファン3によって搬送ダクトを介して居室給気口8から居室2に搬送される。より詳細には、空調室18の空気は、搬送ファン3aによって一般住宅1の一階に位置する居室2a及び居室2bにそれぞれ搬送されるとともに、搬送ファン3bによって一般住宅1の二階に位置する居室2c及び居室2dにそれぞれ搬送される。なお、各居室2の居室給気口8に接続される搬送ダクトは、それぞれ独立して設けられる。
居室用ダンパ5は、搬送ファン3から各居室2に空気を搬送する際、居室用ダンパ5の開度を調整することによって各居室2への送風量を調節する。より詳細には、居室用ダンパ5aは、一階に位置する居室2a及び居室2bへの送風量を調整するとともに、居室用ダンパ5bは、二階に位置する居室2c及び居室2dへの送風量を調整する。
各居室2(居室2a~2d)の空気の一部は、それぞれ対応する循環口6(循環口6a~6d)によって、循環ダクトを介して空調室18に搬送される。ここで、循環口6により搬送される空気は、搬送ファン3によって空調室18から各居室2に搬送される風量(給気風量)と、熱交換気扇4によって居室排気口7から屋外に排気される風量(排気風量)の差分だけ、循環空気として自然に空調室18に搬送される。なお、空調室18と各居室2とを接続する循環ダクトは、それぞれ独立して設けられてもよいが、循環ダクトの一部である複数の支流ダクトを途中より合流させて1つの循環ダクトに統合した後、空調室18に接続するようにしてもよい。
各循環口6(循環口6a~6d)は、上述の通り、各居室2(居室2a~2d)から空調室18に屋内の空気を搬送するための開口である。
各居室排気口7(居室排気口7a~7d)は、上述の通り、各居室2(居室2a~2d)から熱交換気扇4に屋内の空気を搬送するための開口である。
各居室給気口8(居室給気口8a~8d)は、上述の通り、空調室18から各居室2(居室2a~2d)に空調室18内の空気を搬送するための開口である。
居室温度センサ11(居室温度センサ11a~11d)は、対応する居室2(居室2a~2d)それぞれの温度(居室温度)を取得して、コントローラ50に送信するセンサである。
居室湿度センサ12(居室湿度センサ12a~12d)は、対応する居室2(居室2a~2dそれぞれの湿度(室内湿度)を取得して、コントローラ50に送信するセンサである。
エアーコンディショナ13は、空調機に該当するものであり、空調室18の空調を制御する。エアーコンディショナ13は、空調室18の空気の温度が設定温度(空調室目標温度)となるように、空調室18の空気を冷却又は加熱する。ここで、設定温度には、ユーザによって設定された目標温度(居室目標温度)と居室温度との温度差から必要熱量を算出して、その結果に基づいた温度に設定される。本実施の形態では、設定温度には、各居室2の空気の温度を、目標温度にまでより早く温調するために、少なくとも目標温度よりも高い温度に設定される。
吸込温度センサ14は、空調室18においてエアーコンディショナ13が温調した空気の温度を取得して、コントローラ50に送信するセンサである。より詳細には、吸込温度センサ14は、空調室18における集塵フィルタ17の下流側に設置され、加湿装置16に吸い込まれる空気の温度を取得して、コントローラ50に送信する。
加湿装置16は、空調室18内のエアーコンディショナ13(及び集塵フィルタ17)の下流側に位置しており、各居室2の空気の湿度(居室湿度)が、ユーザによって設定された設定湿度(居室設定湿度)よりも低い場合に、その湿度が設定湿度となるように、空調室18の空気を加湿する。また、ここで扱う湿度は、それぞれ相対湿度で示されるが、所定の変換処理にて絶対湿度として扱ってもよい。この場合、居室2の湿度を含めて空調システム20での取り扱い全体を絶対湿度として取り扱うのが好ましい。加湿装置の詳細は後述する。
集塵フィルタ17は、空調室18内に導入される空気中に浮遊する粒子を捕集する集塵フィルタである。集塵フィルタ17は、循環口6を通して空調室18内に搬送された空気中に含まれる粒子を捕集することで、搬送ファン3によって屋内に供給する空気を清浄な空気にする。ここでは、集塵フィルタ17は、エアーコンディショナ13と加湿装置16との間の領域において空気の流路を塞ぐように設置されている。
コントローラ50は、空調システム20全体を制御するコントローラである。コントローラ50は、熱交換気扇4、搬送ファン3、居室用ダンパ5、居室温度センサ11、居室湿度センサ12、エアーコンディショナ13、吸込温度センサ14、加湿装置16のそれぞれと、無線通信により通信可能に接続されている。
また、コントローラ50は、居室温度センサ11及び居室湿度センサ12により取得された各居室2それぞれの居室温度及び居室湿度と、居室2a~2d毎に設定された設定温度(居室設定温度)及び設定湿度(居室設定湿度)と、吸込温度センサ14より取得された空調室18の空気の温度等とに応じて、空調機としてのエアーコンディショナ13、加湿装置16、搬送ファン3の風量、及び居室用ダンパ5の開度を制御する。なお、搬送ファン3の風量は、ファンごとに個別に制御してもよい。
これにより、空調室18にて空調された空気が、各搬送ファン3及び各居室用ダンパ5に設定された風量で各居室2に搬送される。よって、各居室2の居室温度及び居室湿度が、居室設定温度及び居室設定湿度となるように制御される。
ここで、コントローラ50と、熱交換気扇4、搬送ファン3、居室用ダンパ5、居室温度センサ11、居室湿度センサ12、エアーコンディショナ13、吸込温度センサ14、及び加湿装置16とが、無線通信で接続されることにより、複雑な配線工事を不要とすることができる。ただし、これら全体を、又は、コントローラ50とこれらの一部を、有線通信により通信可能に構成してもよい。
次に、図2を参照して、加湿装置16の構成について説明する。図2は、空調システム20を構成する加湿装置16の概略断面図である。
加湿装置16は、空調室18内のエアーコンディショナ13の下流側に位置しており、空調室18内の空気を遠心水破砕によって加湿するための装置である。言い換えれば、加湿装置16は、揚水管37が回転することによって揚水した水を遠心破砕して微細化し、エアーコンディショナ13によって温調された空気に含ませて放出するように構成された装置である。
加湿装置16は、空調室18内の空気を吸い込む吸込口31と、加湿した空気を空調室18内に吹き出す吹出口32と、吸込口31と吹出口32との間に設けられた風路と、この風路に設けられた液体微細化室33と、を備えている。
吸込口31は、加湿装置16の外枠を構成する筐体の上面に設けられ、吹出口32は、筐体の側面に設けられている。液体微細化室33は、加湿装置16の主要部であり、遠心水破砕方式によって水の微細化を行うところである。
具体的には、加湿装置16は、回転モータ34と、回転モータ34によって回転する回転軸35と、遠心ファン36と、筒状の揚水管37と、貯水部40と、第一エリミネータ41、第二エリミネータ42と、を備えている。
揚水管37は、液体微細化室33の内側において回転軸35に固定され、回転軸35の回転に合わせて回転しながら、鉛直方向下方に備えた円形状の揚水口から水を汲み上げる。より詳細には、揚水管37は、逆円錐形の中空構造となっており、鉛直方向下方に円形状の揚水口を備えるとともに、揚水管37の上方であって逆円錐形の天面中心に、鉛直方向に向けて配置された回転軸35が固定されている。回転軸35が、液体微細化室33の鉛直方向上方に位置する回転モータ34と接続されることで、回転モータ34の回転運動が回転軸35を通じて揚水管37に伝導され、揚水管37が回転する。
揚水管37は、逆円錐形の天面側に、揚水管37の外面から外側に突出するように形成された複数の回転板38を備えている。複数の回転板38は、上下で隣接する回転板38との間に、回転軸35の軸方向に所定間隔を設けて、揚水管37の外面から外側に突出するように形成されている。回転板38は、揚水管37とともに回転するため、回転軸35と同軸の水平な円盤形状が好ましい。なお、回転板38の枚数は、目標とする性能あるいは揚水管37の寸法に合わせて適宜設定されるものである。
また、揚水管37の壁面には、揚水管37の壁面を貫通する複数の開口39が設けられている。複数の開口39のそれぞれは、揚水管37の内部と、揚水管37の外面から外側に突出するように形成された回転板38の上面とを連通する位置に設けられている。
遠心ファン36は、揚水管37の鉛直方向上方に配置され、空調室18から装置内に空気を取り込むためファンである。遠心ファン36は、揚水管37と同じく回転軸35に固定されており、回転軸35の回転に合わせて回転することで、液体微細化室33内に空気を導入する。
貯水部40は、揚水管37の鉛直方向下方において、揚水管37が揚水口より揚水する水を貯水する。貯水部40の深さは、揚水管37の下部の一部、例えば揚水管37の円錐高さの三分の一から百分の一程度の長さが浸るような深さに設計されている。この深さは、必要な揚水量に合わせて設計できる。また、貯水部40の底面は、揚水口に向けてすり鉢状に形成されている。貯水部40への水の供給は、給水部(図示せず)により行われる。
第一エリミネータ41は、空気が流通可能な多孔体であり、液体微細化室33の側方(遠心方向の外周部)に設けられ、遠心方向に空気が流通するように配置されている。第一エリミネータ41では、揚水管37の開口39から放出された水滴が衝突することで、水滴を微細化させるとともに、液体微細化室33を通過する空気に含められた水のうち水滴を捕集する。これにより、加湿装置16内を流れる空気には、気化された水のみが含まれるようになる。
第二エリミネータ42は、第一エリミネータ41の下流側に設けられ、鉛直方向上方に空気が流通するように配置されている。第一エリミネータ41もまた、空気が流通可能な多孔体であり、第一エリミネータ41を通過した空気が衝突することで、第一エリミネータ41を通過する空気に含められた水のうち水滴を捕集する。これにより、微細化された水滴を二つのエリミネータによって二重に捕集することで、粒径の大きな水滴をより精度よく捕集することができる。
次に、加湿装置16における加湿(水の微細化)の動作原理を説明する。
次に、図2を参照して、加湿装置16における加湿(水の微細化)の動作原理を説明する。なお、図2では、装置内での空気の流れと水の流れをそれぞれ矢印で示している。
まず、加湿装置16の動作を開始すると、回転モータ34により回転軸35を第一回転数R1で回転させ、遠心ファン36によって、吸込口31から空調室18の空気の吸い込みが開始される。そして、回転軸35の第一回転数R1での回転に合わせて揚水管37が回転する。そして、破線矢印で示す水の流れのように、その回転によって生じる遠心力により、貯水部40に貯水された水が揚水管37によって汲み上げられる。ここで、回転モータ11(揚水管37)の第一回転数R1は、例えば、空気の送風量及び空気への加湿量に応じて、600rpm~3000rpmの間に設定される。揚水管37は、逆円錐形の中空構造となっているため、回転によって汲み上げられた水は、揚水管37の内壁を伝って上部へ揚水される。そして、揚水された水は、揚水管37の開口39から回転板38を伝って遠心方向に放出され、水滴として飛散する。
回転板38から飛散した水滴は、第一エリミネータ41に囲まれた空間(液体微細化室33)を飛翔し、第一エリミネータ41に衝突し、微細化される。一方、液体微細化室33を通過する空気は、実線矢印で示す空気の流れのように、第一エリミネータ41によって破砕(微細化)された水を含みながら第一エリミネータ41の外周部へ移動する。そして、第一エリミネータ41から第二エリミネータ42に至る風路内を空気が流れる過程で、気流の渦が生じ、水と空気とが混合する。そして、水を含んだ空気は、第二エリミネータ42を通過する。これにより、加湿装置16は、吸込口31より吸い込んだ空気に対して加湿を行い、吹出口32より加湿された空気を吹き出すことができる。
なお、微細化される液体は水以外でもよく、例えば、殺菌性あるいは消臭性を備えた次亜塩素酸水等の液体であってもよい。
次に、図3を参照して、空調システム20におけるコントローラ50について説明する。図5は、空調システム20におけるコントローラ50の機能ブロック図である。
コントローラ50は、住宅1のリビング等の生活の主となる居室内の壁面に設置され、エアーコンディショナ13、搬送ファン3、居室用ダンパ5、加湿装置16の動作を制御する。また、コントローラ50は、利用者による操作を容易にするため、被空調空間の床から人間の顔程度の高さに設置される。コントローラ50は、矩形形状を有し、本体の正面中央領域に表示パネル50j及び表示パネル50jの右側領域に操作パネル50aを備えている。
表示パネル50jは、液晶モニタ等であり、表示画面にエアーコンディショナ13、搬送ファン3、居室用ダンパ5、加湿装置16の動作状況、居室設定温度、居室設定湿度、居室2の現在の居室温度、居室湿度等を表示する。
操作パネル50aは、利用者が居室2に対する居室設定温度及び居室設定湿度等を入力するためのボタンスイッチ等である。
そして、コントローラ50は、本体の内部にコンピュータのCPU(Central Processing Unit)及びメモリ等を有する制御ユニットが収納されている。
具体的には、コントローラ50の制御ユニットは、入力部50bと、処理部50cと、記憶部50dと、計時部50eと、ダンパ開度特定部50fと、風量特定部50gと、設定温度特定部50hと、回転数特定部50kと、出力部50iと、を備える。
入力部50bは、居室温度センサ11からの居室2の居室温度に関する情報(第一情報)と、居室湿度センサ12からの居室2の室内湿度に関する情報(第二情報)と、吸込温度センサ14からの加湿装置16の吸込温度に関する情報(第三情報)と、操作パネル50aからの利用者の入力設定に関する情報(第四情報)とを受け付ける。入力部50bは、受け付けた第一情報~第四情報を処理部50cに出力する。
記憶部50dは、処理部50cにより参照または更新されるデータを記憶する。例えば、記憶部50dは、エアーコンディショナ13、加湿装置16、及び搬送ファン3の動作態様を決定するアルゴリズムを記憶している。また、記憶部50dは、入力部50bが受け付けた第一情報~第四情報を時系列に記憶している。そして、記憶部50dは、記憶したデータ(記憶データ)を、処理部50cからの要求に応じて処理部50cに出力する。
計時部50eは、処理部50cが実行するプログラムの中で、必要に応じて時間の測定に使用される。そして、計時部50eは、現在時刻を示すデータ(時刻データ)を処理部50cに出力する。
処理部50cは、入力部50bからの第一情報~第四情報と、記憶部50dからの記憶データと、計時部50eからの時刻データとを受け付ける。処理部50cは、受け付けた各情報を用いて、一定時間(例えば5分)ごとに、居室2に必要とされる要求空調量及び要求加湿量を特定する。より詳細には、処理部50cは、計時部50eから取得する時刻データに基づいて一定時間ごとに、記憶部50dに記憶された居室設定温度と、居室2a~2dに設置された居室温度センサ11a~11dで検知される居室温度との間の温度差に基づいて、居室2a~2dごとに個別に必要とされる要求空調量を特定し、記憶部50dに記憶された居室設定湿度と、居室2a~2dに設置された居室湿度センサ12a~12dで検知される居室温度との間の温度差に基づいて、居室2a~2dごとに個別に必要とされる要求加湿量を特定する。また、処理部50cは、表示パネル50jに表示される情報の変化に応じて、出力部50iを介して表示パネル50jの表示を更新する。
ダンパ開度特定部50fは、処理部50cから要求空調量に関する情報を取得し、居室2a~2dごとの要求空調量の比率に基づいて居室用ダンパ5a~5dの開度を特定する。そして、ダンパ開度特定部50fは、特定した居室用ダンパ5a~5dの開度に関する情報(開度情報)を処理部50cに出力する。
風量特定部50gは、処理部50cから要求空調量に関する情報を取得し、要求空調量の平均値または合計値に基づいてエアーコンディショナ13の吹出風量を特定する。また、風量決定部50gは、一階と二階のそれぞれの要求空調量の平均値または合計値に基づいて搬送ファン3(搬送ファン3a、搬送ファン3b)の送風量を特定する。そして、風量特定部50gは、特定したエアーコンディショナ13の吹出風量に関する情報(吹出風量情報)と、特定した搬送ファン3の送風量に関する情報(送風量情報)を処理部50cに出力する。
設定温度特定部50hは、処理部50cから要求空調量に関する情報を取得し、要求空調量の平均値または合計値に基づいてエアーコンディショナ13の設定温度を特定する。そして、設定温度特定部50hは、特定したエアーコンディショナ13の設定温度に関する情報(空調機設定温度情報)を処理部50cに出力する。
回転数特定部50kは、処理部50cからの要求加湿量に関する情報及び加湿装置16の吸込温度に関する情報を取得し、加湿装置16の揚水管37(回転モータ34)の回転数を特定する。そして、回転数特定部50kは、特定した揚水管37の回転数に関する情報(回転数情報)を処理部50cに出力する。
処理部50cは、ダンパ開度特定部50fからの開度情報と、風量特定部50gからの吹出風量情報及び送風量情報と、設定温度特定部50hからの空調機設定温度情報と、回転数特定部50kからの回転数情報とを受け付ける。処理部50cは、受け付けた各情報を用いて、エアーコンディショナ13、搬送ファン3(搬送ファン3a、搬送ファン3b)、居室用ダンパ5(居室用ダンパ5a~5d)、及び加湿装置16の各動作に関する制御情報を特定する。そして、処理部50cは、特定した制御情報を出力部50iに出力する。
出力部50iは、処理部50cから受け付けた制御情報を、エアーコンディショナ13、搬送ファン3(搬送ファン3a、搬送ファン3b)、居室用ダンパ5(居室用ダンパ5a~5d)、及び加湿装置16にそれぞれ出力する。
そして、エアーコンディショナ13は、出力部50iから出力された制御情報に応じて、制御情報に基づいた空調設定温度及び吹出風量にて空調動作を実行する。また、搬送ファン3(搬送ファン3a、搬送ファン3b)は、出力部50iから出力された制御情報に応じて、制御情報に基づいたそれぞれの送風量にて送風動作を実行する。また、居室用ダンパ5(居室用ダンパ5a~5d)は、出力部50iから出力された制御情報に応じて、制御情報に基づいたそれぞれの開度にて風量調整動作を実行する。また、加湿装置16は、出力部50iから出力された制御情報に応じて、制御情報に基づいた回転数にて加湿動作を実行する。
以上のようにして、コントローラ50は、エアーコンディショナ13、搬送ファン3、居室用ダンパ5、加湿装置16の各動作を実行させる。
次に、図4を参照して、コントローラ50の基本動作について説明する。図4は、コントローラ50の基本処理動作を示すフローチャート図である。
まず、コントローラ50は、空調システム20の終了判定を実施する(ステップS01)。その結果、空調システム20の電源がオフ(または操作パネル50aからの空調システム20の動作停止指示の入力)の場合(ステップS01のYES)、空調システム20の動作を終了する。一方、空調システム20の電源オンの場合(ステップS01のNO)、時間経過の判定を実施する(ステップS02)。その結果、コントローラ50は、前回の処理から一定時間(例えば10分)が経過していない場合(ステップS02のNO)、ステップS01へ戻る。一方、前回の処理から一定時間が経過した場合(ステップS02のYES)、ステップS03へ進み、居室用ダンパ5、エアーコンディショナ13、及び搬送ファン3の出力特定処理を行う。
まず、コントローラ50は、居室2の数分のループを開始する(ステップS03)。そして、コントローラ50は、居室2a~2dのそれぞれに対する要求空調量を算出する(ステップS04)。また、コントローラ50は、居室2a~2dのそれぞれに対応する居室用ダンパ5a~5dの開度特定を実施する(ステップS05)。そして、コントローラ50は、すべての居室2の要求空調量の算出と居室用ダンパ5の開度特定が完了したらループを終了する(ステップS06)。
ステップS03~S06のループ内の処理について、居室2aを例としてより詳細に説明する。
ステップS04では、コントローラ50は、居室2aの要求空調量を、居室温度センサ11aから取得した居室温度と、居室2aに設定された居室設定温度との間の温度差分として特定する。より詳細には、要求空調量は、暖房運転時には、居室設定温度から居室温度を引いた値に基づいて特定され、冷房運転時には、居室温度から居室設定温度を引いた値に基づいて特定される。これは、要求空調量が正の値で大きいほど、居室2aに空調が必要とされていることを意味する。
ステップS05では、居室2aに対応する居室用ダンパ5aの開度を、居室2aの要求空調量に応じて特定する。本実施の形態では、要求空調量が2℃以上の場合は開度「100%」とし、1℃以上2℃未満の場合は開度「60%」とし、0℃以上1℃未満の場合は開度「45%」とし、-1℃以上0℃未満の場合は開度「30%」、-1℃未満の場合は開度「10%」としている。このように設定することで、居室用ダンパ5a~5dの開度は、居室2a~2dの要求空調量の比に応じた開度設定となり、要求空調量が高い居室(居室2)へより空調空気が送風されるようになり、居室2ごとの温度制御が可能となる。
次に、コントローラ50は、居室2のそれぞれの要求空調量をもとに、一般住宅1の全体の要求空調量を算出する(ステップS07)。本実施の形態では、一般住宅1の要求空調量は、居室2のそれぞれの要求空調量の平均値に基づいて算出している。
続いて、コントローラ50は、算出した一般住宅1の要求空調量に応じてエアーコンディショナ13の空調設定温度及び吹出風量を特定する(ステップS08)。より詳細には、コントローラ50は、暖房運転時には、要求空調量が高いほど空調設定温度を高く、冷房運転時には、要求空調量が高いほど空調設定温度を低くしている。例えば、コントローラ50は、要求空調量が0℃未満の場合は、空調設定温度を居室2の居室設定温度と同じ値とし、要求空調量が0℃以上1℃未満の場合は、空調設定温度を居室2の居室設定温度よりも暖房運転時は1度高く、冷房運転時は1度低くする。また、コントローラ50は、要求空調量が1℃以上の場合は、空調設定温度を居室2の居室設定温度よりも暖房運転時は2度高く、冷房運転時は2度低くする。これにより、要求空調量が高いほどエアーコンディショナ13は高い出力で運転することになり、より早く居室2の居室温度が居室設定温度に制御される。
また、コントローラ50は、エアーコンディショナ13の吹出風量を要求空調量が高いほど大きく制御する。本実施の形態では、要求空調量が0℃未満の場合は、吹出風量を500m/hとし、要求空調量が0℃以上1℃未満の場合は、吹出風量を700m/hとし、要求空調量が2℃以上の場合は、吹出風量を1200m/hとしている。
続いて、コントローラ50は、搬送ファン3の合計風量を、エアーコンディショナ13の吹出風量と等しいか、吹出風量よりもわずかに多くなるように特定する(ステップS09)。言い換えれば、コントローラ50は、搬送ファン3の合計風量とエアーコンディショナ13の吹出風量との間の風量差が基準風量以下となるように特定する。これにより、コントローラ50は、搬送ファン3の消費電力を抑制している。
次に、コントローラ50は、一階と二階のそれぞれの要求空調量を算出する(ステップS10)。本実施の形態では、一階と二階のそれぞれの居室2の要求空調量の平均値をその階の要求空調量としている。
続いて、ステップS10で算出した要求空調量に基づいて、搬送ファン3の送風量を決定する(ステップS11)。コントローラ50は、要求空調量の比に応じた風量比をつけるように一階と二階のそれぞれの搬送ファン3の送風量を特定する。具体的には、コントローラ50は、二階の要求空調量が1℃で、一階の要求空調量が2℃であり、ステップS09で特定した搬送ファン3の合計風量が1200m/hの場合、搬送ファン3間の風量比が1:2となるように、二階の搬送ファン3aの送風量は400m/h、一階の搬送ファン3bの風量は800m/hと特定する。これにより、一階と二階とで要求空調量に差がある場合でも、搬送ファン3の送風量に差をつけることで、搬送される熱量に差がつき、一階と二階ともに要求空調量に見合った熱量を搬送することができる。
続いて、コントローラ50は、加湿制御を開始する(ステップS12)。
次に、図5を参照して、加湿装置16の制御を行う際のコントローラ50の処理動作を説明する。図5は、コントローラ50の加湿制御の基本処理動作を示すフローチャート図である。
<通常処理動作>
加湿制御を開始すると、図5に示すように、コントローラ50は、被空調空間である居室2の数分のループを開始する(ステップS21)。そして、コントローラ50は、被空調空間である居室2a~2dのそれぞれに対する要求加湿量を算出する(ステップS22)。そして、コントローラ50は、すべての居室2の要求加湿量の算出が完了したらループを終了する(ステップS23)。
ステップS21~S23のループ内の処理について、居室2aを例としてより詳細に説明する。
ステップS22では、コントローラ50は、居室2aの要求加湿量を、居室湿度センサ12aから取得した室内湿度と、居室2aに設定された居室設定湿度との間の湿度差分として特定する。詳細には、居室設定湿度及び居室湿度をそれぞれ絶対湿度に換算し、居室設定絶対湿度から居室絶対湿度を引いた値を要求加湿量とする。これは、要求加湿量が正の値で大きいほど、居室2aに加湿が必要とされていることを意味する。
次に、コントローラ50は、居室2のそれぞれの要求加湿量をもとに、一般住宅1の全体の要求加湿量を算出する(ステップS24)。本実施の形態では、一般住宅1の要求空調量は、居室2のそれぞれの要求加湿量の平均値に基づいて算出している。
次に、コントローラ50は、加湿装置16の運転判定を実施する(ステップS25)。詳細には、一般住宅1の要求加湿量が正の場合(ステップS25のYES)は、加湿装置16を運転し、ステップS26へ進む。一般住宅1の要求加湿量が0もしくは負の場合(ステップS25のNO)は、揚水管37の回転数を「0」として加湿装置16の運転を行わずに(ステップS28)、加湿制御を終了する。
続いて、コントローラ50は、算出した一般住宅1の要求空調量、加湿装置16への吸込温度、及び搬送ファン3の合計風量に応じて揚水管37の要求回転数を特定する(ステップS26)。このステップS26では、コントローラ50は、要求加湿量が高いほどまたは吸込温度が低いほど、要求回転数を大きく設定する。
本実施の形態では、コントローラ50は、加湿装置16の加湿性能データをもとに要求回転数を特定するものとしている。加湿性能データは、あらかじめ実験により得られたデータであり、加湿装置16の吸込温度T、揚水管37の回転数R、及び搬送ファン3の合計風量Qの条件で加湿動作した場合に、加湿装置16が出す加湿量Xを示したものである。ここで、加湿装置16が出す加湿量Xは、加湿装置16を流通する空気に含ませる水分量に相当する。加湿量Xは、加湿装置16の特性から、吸込温度及び回転数はそれぞれ加湿量と正の相関を持つ。例えば吸込温度Ta及び回転数Raであるときの加湿量を加湿量Xa、吸込温度Tb及び回転数Rbであるときの加湿量を加湿量Xbとし、さらに回転数Ra<回転数Rb、温度Ta=温度Tbの関係であるとすると、加湿量Xa及び加湿量Xbの大小関係は、加湿量Xa<加湿量Xbとなる。
続いて、コントローラ50は、要求回転数があらかじめ設定された上限回転数を上回る場合は上限回転数を加湿装置16の回転数として特定し、要求回転数があらかじめ設定された下限回転数を下回る場合は下限回転数を加湿装置16の回転数として特定する(ステップS27)。
<外乱湿度検出時>
次に、図6~図9を参照して、居室湿度センサ12a~12dが外乱により急激な湿度変化が発生した場合のコントローラ50の処理動作を説明する。図6は、外乱による湿度変化を検出した時のコントローラ50の第一処理動作を示すフローチャート図である。図7は、外乱による湿度変化を検出した時のコントローラ50の第二処理動作を示すフローチャート図である。図8は、外乱による湿度変化を検出した時のコントローラ50の第三処理動作を示すフローチャート図である。図9は、外乱による湿度変化を検出した時のコントローラ50の第四処理動作を示すフローチャート図である。ここで、外乱による湿度変化は、例えば、居室湿度センサ12a~12dが居室2a~2dのドア付近にあり、ドアの一時的な開閉によって居室湿度センサ12a~12dが廊下から入り込む空気の影響を受けた状態で湿度を検出した場合などに生じる。
本実施の形態では、外乱による温度変化を検出した時のコントローラ50の処理動作として、第一処理動作、第二処理動作、第三処理動作、及び第四処理動作の四つをそれぞれ実行する。
第一処理動作は、複数の居室2a~2dのそれぞれにおいて、居室湿度センサ12により検出される空気の湿度(検出湿度)が外乱による影響を受けているか否かを判定し、その結果に基づいて実行される一連の処理動作である。
第二処理動作は、複数の居室2のうちの1つの居室(例えば、居室2a)において、居室湿度センサ12aにより検出される検出湿度が居室設定湿度に対して大きく偏差しているか否かを判定し、その結果に基づいて実行される一連の処理動作である。
第三処理動作は、1つの居室(例えば、居室2a)に2つ以上の居室湿度センサ12aが設置されている場合に、2つ以上の居室湿度センサ12aのうちの少なくとも1つの居室湿度センサ12aにより検出される検出湿度が外乱による影響を受けているか否かを判定し、その結果に基づいて実行される一連の処理動作である。
<第一処理動作>
まず、図6を参照して、第一処理動作について説明する。ここでは、処理動作の対象となる居室2として、居室2aを例示して説明する。
第一処理動作では、図6に示すように、コントローラ50は、居室湿度センサ12aから居室2aで検出された空気の湿度(検出湿度)として第一湿度X1を取得する(ステップS31)。なお、第一湿度X1には、外乱の影響を受けた湿度が含まれていないものとする。そして、コントローラ50は、図5で説明した基本動作において、第一湿度T1に基づいた加湿装置16の揚水管37の回転数を特定し、第一加湿制御として、加湿装置16の加湿動作の制御を実行する(ステップS32)。
その後、コントローラ50は、所定の時間間隔で居室湿度センサ12aから居室2aで検出される検出湿度を取得する。具体的には、第一湿度X1を取得してから一定時間(例えば5分)が経過すると、コントローラ50は、居室湿度センサ12aから居室2aで検出された検出湿度として第二湿度X2を取得する(ステップS33)。
次に、コントローラ50は、外乱湿度変化判定として、取得した第二湿度X2が外乱による影響を受けて急激に湿度変化した湿度であるか否かの判定を行う。具体的には、コントローラ50は、第一湿度X1と第二湿度X2との間の湿度差(第一湿度差)が第一しきい値を超えているか否かを判定する(ステップS34)。ここで、第一しきい値は、例えば、5%に設定される。
そして、判定の結果、第一湿度差が第一しきい値を超えていない、つまり第一湿度差が第一しきい値以下である場合(ステップS34のNO)には、コントローラ50は、第二湿度X2が外乱による影響を受けて急激に温度変化していないと判定し、図5で説明した基本動作において、第二湿度X2に基づいた加湿装置16の揚水管37の回転数を特定し、第二加湿制御として、加湿装置16の加湿動作の制御を実行する(ステップS35)。つまり、コントローラ50は、第二湿度X2が外乱による影響を受けて急激に湿度変化していない場合には、加湿装置16の加湿動作を、第一加湿制御から、第二湿度X2に基づいた第二加湿制御に切り替えて実行する。そして、コントローラ50は、処理動作を終了する。
一方、ステップS34での判定の結果、第一湿度差が第一しきい値を超えている場合(ステップS24のYES)には、コントローラ50は、第二湿度X2が外乱による影響を受けて急激に湿度変化していると判定し、第一湿度X1に基づいた第一加湿制御をそのまま継続して実行する(ステップS36)。つまり、コントローラ50は、第二湿度X2が外乱の影響を受けて急激に湿度変化している場合には、第二湿度X2に基づいた第二加湿制御に切り替えず、加湿装置16の加湿動作を、第一加湿制御のまま継続して実行する。そして、コントローラ50は、処理動作を終了する。
ここで、上述した第一処理動作は、複数の居室2のすべてにおいて実行される。そして、コントローラ50は、外乱湿度変化判定において、複数の居室2のうちの一ヵ所(例えば、居室2a)でも、第二湿度X2が外乱による影響を受けて急激に湿度変化していると判定した場合には、残りの居室2b~2dにおいても、居室2b~2dでの判定結果に関係なく、居室2aと連動した加湿制御(第一加湿制御)が実行される。
<第二処理動作>
次に、図7を参照して、第二処理動作について説明する。ここでは、処理動作の対象となる居室2として、居室2aを例示して説明する。
第二処理動作では、図7に示すように、コントローラ50は、居室湿度センサ12aから居室2aで検出された空気の湿度(検出湿度)として第一湿度X1を取得する。なお、第一湿度X1には、外乱の影響を受けた湿度が含まれていないものとする。その後、コントローラ50は、所定の時間間隔で居室湿度センサ12aから居室2aで検出される検出湿度を取得する。具体的には、第一湿度X1を取得してから一定時間(例えば5分)が経過すると、コントローラ50は、居室湿度センサ12aから居室2aで検出された検出湿度として第二湿度X2を取得する(ステップS41)。
次に、コントローラ50は、取得した第二湿度X2が外乱による影響を受けて急激に湿度変化した湿度であるか否かの判定を行う。具体的には、コントローラ50は、第一湿度X1と第二湿度X2との間の湿度差(第一湿度差)が第一しきい値を超えているか否かを判定する(ステップS34)。ここで、第一しきい値は、例えば、5%に設定される。
そして、判定の結果、第一湿度差が第一しきい値を超えていない、つまり第一湿度差が第一しきい値以下である場合(ステップS42のNO)には、何も実行せずに処理動作を終了する。一方、第一湿度差が第一しきい値を超えている場合(ステップS42のYES)には、コントローラ50は、第二湿度X2を取得してから一定時間(例えば1分)が経過すると、居室湿度センサ12aから居室2aで検出された検出湿度として第三湿度X3を取得する(ステップS43)。
次に、コントローラ50は、取得した第二湿度X2及び第三湿度X3が実際の居室2aの湿度として正常に検知された湿度であるか否かの判定を行う。具体的には、コントローラ50は、第二湿度X2と第三湿度X3との間の湿度差(第二湿度差)が第二しきい値以下であるか否かを判定する(ステップS44)。ここで、第二しきい値は、例えば、1%に設定される。
そして、判定の結果、第二湿度差が第二しきい値を超えていない、つまり第二湿度差が第二しきい値以下である場合(ステップS45のNO)には、コントローラ50は、第二湿度X2及び第三湿度X3が実際の居室2aの湿度として正常に検知された湿度であると判定し、図5で説明した基本動作において、第二湿度X2に基づいた加湿装置16の揚水管37の回転数を特定し、第二加湿制御として、加湿装置16の加湿動作の制御を実行する(ステップS45)。つまり、コントローラ50は、居室2aの第二湿度X2及び第三湿度X3が実際の居室2aの湿度として正常に検知された湿度である場合には、加湿装置16の加湿動作を、第一加湿制御から、第二湿度X2に基づいた第二加湿制御に切り替えて実行する。そして、コントローラ50は、処理動作を終了する。
一方、ステップS44での判定の結果、第二湿度差が第二しきい値を超えている場合(ステップS44のYES)には、コントローラ50は、第二湿度X2が外乱による影響を受けて一時的に湿度変化していたと判定し、第一湿度X1に基づいた第一加湿制御をそのまま継続して実行する(ステップS46)。つまり、コントローラ50は、第二湿度X2が外乱の影響を受けて一時的に湿度変化していた場合には、第二湿度X2に基づいた第二加湿制御に切り替えず、加湿装置16の加湿動作を、第一加湿制御のまま継続して実行する。そして、コントローラ50は、処理動作を終了する。
ここで、上述した第二処理動作は、複数の居室2のすべてにおいて実行される。そして、コントローラ50は、外乱湿度変化判定において、複数の居室2のうちの一ヵ所(例えば、居室2a)でも、第二湿度X2及び第三湿度X3が実際の居室2aの湿度として正常に検知された湿度であると判定した場合には、残りの居室2b~2dにおいても、居室2b~2dでの判定結果に関係なく、居室2aと連動した加湿制御(第二加湿制御)が実行される。
<第三処理動作>
次に、図8を参照して、第三処理動作について説明する。ここでは、複数の居室2のうち、居室2aが外乱の影響を受けている空間として説明する。
第三処理動作では、図8に示すように、コントローラ50は、複数の居室2のそれぞれの居室湿度センサ12から居室2で検出された空気の湿度(検出湿度)として第一湿度X1を取得する(ステップS51)。なお、第一湿度X1には、外乱の影響を受けた湿度が含まれていないものとする。そして、コントローラ50は、図5で説明した基本動作において、各居室2の第一湿度X1の平均値に基づいた加湿装置16の揚水管37の回転数を特定し、第一加湿制御として、加湿装置16の加湿動作の制御を実行する(ステップS52)。
その後、コントローラ50は、所定の時間間隔で居室湿度センサ12から居室2のそれぞれで検出される検出湿度を取得する。具体的には、第一湿度X1を取得してから一定時間(例えば5分)が経過すると、コントローラ50は、居室湿度センサ12から居室2のそれぞれで検出された検出湿度として第二湿度X2を取得する(ステップS53)。
次に、コントローラ50は、外乱湿度変化判定として、取得した居室2aの第二湿度X2が外乱による影響を受けて急激に湿度変化した湿度であるか否かの判定を行う。具体的には、コントローラ50は、複数の居室2のそれぞれの第二湿度X2の平均値と、居室2aの第二湿度X2との間の湿度差(第三湿度差)が第三しきい値を超えているか否かを判定する(ステップS54)。ここで、第三しきい値は、例えば、5%に設定される。
そして、判定の結果、第三湿度差が第三しきい値を超えていない、つまり第三湿度差が第三しきい値以下である場合(ステップS54のNO)には、コントローラ50は、居室2aの第二湿度X2が外乱による影響を受けて急激に湿度変化していないと判定し、図5で説明した基本動作において、複数の居室2のそれぞれの第二湿度X2の平均値に基づいた加湿装置16の揚水管37の回転数を特定し、第二加湿制御として、加湿装置16の加湿動作の制御を実行する(ステップS55)。つまりコントローラ50は、居室2aの第二湿度X2が外乱による影響を受けて急激に湿度変化していない場合には、加湿装置16の加湿動作を、第一加湿制御から、第二湿度X2に基づいた第二加湿制御に切り替えて実行する。そして、コントローラ50は、処理動作を終了する。
一方、ステップS54での判定の結果、第三湿度差が第三しきい値を超えている場合(ステップS54のYES)には、コントローラ50は、居室2aの第二湿度X2が外乱による影響を受けて急激に湿度変化していると判定し、第一湿度X1の平均値に基づいた第一加湿制御をそのまま継続して実行する(ステップS56)。つまり、コントローラ50は、居室2aの第二湿度X2が外乱の影響を受けて急激に湿度変化している場合には、第二湿度X2の平均値に基づいた第二加湿制御に切り替えず、加湿装置16の加湿動作を、第一加湿制御のまま継続して実行する。そして、コントローラ50は、処理動作を終了する。
ここで、上述した第三処理動作は、居室2b~2dに対しても実行される。そして、コントローラ50は、外乱湿度変化判定において、複数の居室2のうちの一ヵ所(例えば、居室2a)でも、居室2aの第二湿度X2が外乱による影響を受けて急激に湿度変化していると判定した場合には、残りの居室2b~2dにおいても、居室2b~2dでの判定結果に関係なく、居室2aと連動した加湿制御(第一加湿制御)が実行される。
<第四処理動作>
次に、図9を参照して、第四処理動作について説明する。ここでは、複数の居室2のうち、居室2aが外乱の影響を受けている空間として説明する。
第四処理動作では、図9に示すように、コントローラ50は、複数の居室2のそれぞれの居室湿度センサ12から居室2で検出された空気の湿度(検出湿度)として第一湿度X1を取得する。なお、第一湿度X1には、外乱の影響を受けた湿度が含まれていないものとする。その後、コントローラ50は、所定の時間間隔で居室湿度センサ12から居室2のそれぞれで検出される検出湿度を取得する。具体的には、第一湿度X1を取得してから一定時間(例えば5分)が経過すると、コントローラ50は、居室湿度センサ12から居室2のそれぞれで検出された検出湿度として第二湿度X2を取得する(ステップS61)。
次に、コントローラ50は、外乱湿度変化判定として、取得した居室2aの第二湿度X2が外乱による影響を受けて急激に湿度変化した湿度であるか否かの判定を行う。具体的には、コントローラ50は、複数の居室2のそれぞれの第二湿度X2の平均値と、居室2aの第二湿度X2との間の湿度差(第三湿度差)が第三しきい値を超えているか否かを判定する(ステップS62)。ここで、第三しきい値は、例えば、5%に設定される。
そして、判定の結果、第三湿度差が第三しきい値を超えていない、つまり第三湿度差が第三しきい値以下である場合(ステップS62のNO)には、何も実行せずに処理動作を終了する。一方、第三湿度差が第三しきい値を超えている場合(ステップS62のYES)には、コントローラ50は、第二湿度X2を取得してから一定時間(例えば1分)が経過すると、居室湿度センサ12aから居室2aで検出された検出湿度として第四湿度X4を取得する(ステップS63)。
次に、コントローラ50は、取得した第二湿度X2及び第四湿度X4が実際の居室2aの湿度として正常に検知された湿度であるか否かの判定を行う。具体的には、コントローラ50は、第二湿度Xと第四湿度X2との間の湿度差(第四湿度差)が第四しきい値以下であるか否かを判定する(ステップS64)。ここで、第二しきい値は、例えば、1%に設定される。
そして、判定の結果、第四湿度差が第四しきい値を超えていない、つまり第四湿度差が第四しきい値以下である場合(ステップS64のNO)には、コントローラ50は、第二湿度X2及び第四湿度X4が実際の居室2aの湿度として正常に検知された湿度であると判定し、図5で説明した基本動作において、第二湿度X2に基づいた加湿装置16の揚水管37の回転数を特定し、第二加湿制御として、加湿装置16の加湿動作の制御を実行する(ステップS65)。つまりコントローラ50は、居室2aの第二湿度X2及び第四湿度X4が実際の居室2aの湿度として正常に検知された湿度である場合には、加湿装置16の加湿動作を、第一加湿制御から、第二湿度X2に基づいた第二加湿制御に切り替えて実行する。そして、コントローラ50は、処理動作を終了する。
一方、ステップS64での判定の結果、第四湿度差が第四しきい値を超えている場合(ステップS64のYES)には、コントローラ50は、第二湿度X2が外乱による影響を受けて一時的に湿度変化していたと判定し、第一湿度X1に基づいた第一加湿制御をそのまま継続して実行する(ステップS66)。つまり、コントローラ50は、第二湿度X2が外乱の影響を受けて一時的に湿度変化していた場合には、第二湿度X2に基づいた第二加湿制御に切り替えず、加湿装置16の加湿動作を、第一加湿制御のまま継続して実行する。そして、コントローラ50は、処理動作を終了する。
ここで、上述した第四処理動作は、居室2b~2dに対しても実行される。そして、コントローラ50は、外乱湿度変化判定において、複数の居室2のうちの一ヵ所(例えば、居室2a)でも、第二湿度X2及び第四湿度X4が実際の居室2aの湿度として正常に検知された湿度であると判定した場合には、残りの居室2b~2dにおいても、居室2b~2dでの判定結果に関係なく、居室2aと連動した加湿制御(第二加湿制御)が実行される。
以上、本実施の形態1に係る空調システム20によれば、以下の効果を享受することができる。
(1)空調システム20は、外部から空気を導入可能に構成された空調室18と、空調室18に設置され、空調室18の空気を温調するエアーコンディショナ13と、空調室18に設置され、エアーコンディショナ13によって温調された空気を加湿する加湿装置16と、空調室18の空気を空調室18とは独立した複数の居室2に搬送する複数の搬送ファン3と、加湿装置16及び搬送ファン3を制御するコントローラ50と、を備える。そして、コントローラ50は、居室2で検出される空気の検出湿度に関する情報を所定の時間間隔で取得し、検出湿度が第一湿度である場合、加湿装置16を第一湿度に基づいた第一加湿制御で実行させ、検出湿度が第一湿度から第一湿度とは異なる第二湿度に変化した場合、第一湿度と第二湿度との間の第一湿度差が第一しきい値以下であると、第二湿度に基づいた第二加湿制御に切り替えて実行させ、第一湿度差が第一しきい値を超えていると、第一加湿制御を継続して実行させる制御を行うようにした。
このようにすることで、第一しきい値を超える第一湿度差、つまり急激な湿度変化であれば、第二湿度に変化する前の第一湿度に基づいた第一加湿制御によって加湿装置16の加湿動作が実行される。一方、第一しきい値以下の第一湿度差、つまり急激な湿度変化でなければ、そのまま第二湿度に基づいた第二加湿制御よって加湿装置16の加湿動作が実行される。このため、空調システム20では、居室2において外乱の影響を受けた湿度(検出湿度)を検出した場合であっても、加湿装置16の不要な運転開始または運転停止を繰り返すことがないので、加湿装置16による加湿を安定して行うことができる。
(2)空調システム20では、コントローラ50は、第一湿度差が第一しきい値を超えている場合であって、検出湿度が第二湿度から第二湿度とは異なる第三湿度に変化した場合、第二湿度と第三湿度との間の第二湿度差が第二しきい値以下であると、第一加湿制御から第二加湿制御に切り替えて実行させる制御を行うようにした。
このようにすることで、第一しきい値を超える湿度変化、すなわち急激な温度変化を検知した場合であっても、第二湿度差が第二しきい値以下となる場合には、第三加湿制御によって加湿装置の加湿動作が実行される。一方、第二湿度差が第二しきい値を超える場合には、第一加湿制御を継続して加湿装置16の加湿動作が実行される。言い換えれば、急激な湿度変化を検知した後に検知された直後の湿度差が第二しきい値を下回る場合には、急激な湿度変化後に検知された湿度に基づいた加湿装置の加湿制御が実行される。このため、空調システム20では、特定の被空調空間が急激な湿度変化を検出した場合であっても、そうした状態が継続する場合には、変化後の湿度に対して加湿制御することができるので、加湿装置16による加湿を安定して行うことができる。
(3)空調システム20では、コントローラ50は、複数の居室2のうちの1つの居室2aの第二湿度と、複数の居室2のそれぞれの第二湿度の平均値との間の第三湿度差が第三しきい値以下であると、第二湿度の平均値に基づいた第二加湿制御に切り替えて実行させ、第二湿度差が第二しきい値を超えていると、第一湿度制御を継続して実行させる制御を行うようにした。
このようにすることで、複数の居室2の間で生じる第三湿度差が第三しきい値を超えていれば、第二湿度に変化する前の第一湿度の平均値に基づいた第一加湿制御によって加湿装置16の加湿動作が実行される。一方、複数の居室2の間で生じる第三湿度差が第三しきい値以下であれば、第二湿度の平均値に基づいた第二加湿制御よって加湿装置16の加湿動作が実行される。このため、空調システム20では、複数の居室2のいずれかで外乱の影響を受けた湿度(検出湿度)を検出した場合であっても、加湿装置16の不要な運転開始または運転停止を繰り返すことがないので、加湿装置16による加湿を安定して行うことができる。
(4)空調システム20では、コントローラ50は、第三温度差が第三しきい値を超えている場合、検出湿度が第二湿度から第二湿度とは異なる第四湿度に変化した場合、第二湿度と第四湿度との間の第四湿度差が第四しきい値以下であると、第一加湿制御から第二加湿制御に切り替えて実行させる制御を行うようにした。
このようにすることで、複数の居室2の間で生じる第三湿度差が第三しきい値を超えている場合であっても、第四湿度差が第四しきい値以下となる場合には、第二加湿制御によって加湿装置16の加湿動作が実行される。このため、空調システム20では、複数の居室2のいずれかで急激な湿度変化を検出した場合であっても、そうした状態が継続する場合には、変化後の湿度に対して加湿制御することができるので、加湿装置16による加湿を安定して行うことができる。
以上、本開示を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明に係る空調システムは、被空調空間において外乱の影響を受けた湿度を検出した場合であっても、加湿装置による加湿を安定して行うことができるものとして有用である。
1 一般住宅
2、2a、2b、2c、2d 居室
3、3a、3b 搬送ファン
4 熱交換気扇
5、5a、5b 居室用ダンパ
6、6a、6b、6c、6d 循環口
7、7a、7b、7c、7d 居室排気口
8、8a、8b、8c、8d 居室給気口
11、11a、11b、11c、11d 居室温度センサ
12、12a、12b、12c、12d 居室湿度センサ
13 エアーコンディショナ
14 吸込温度センサ
16 加湿装置
17 集塵フィルタ
18 空調室
20 空調システム
31 吸込口
32 吹出口
33 液体微細化室
34 回転モータ
35 回転軸
36 遠心ファン
37 揚水管
38 回転板
39 開口
40 貯水部
41 第一エリミネータ
42 第二エリミネータ
50 コントローラ
50a 操作パネル
50b 入力部
50c 処理部
50d 記憶部
50e 計時部
50f ダンパ開度特定部
50g 風量特定部
50h 設定温度特定部
50i 出力部
50j 表示パネル
50k 回転数特定部

Claims (4)

  1. 外部から空気を導入可能に構成された空調室と、
    前記空調室に設置され、前記空調室の空気を温調する空調機と、
    前記空調室に設置され、前記空調機によって温調された空気を加湿する加湿装置と、
    前記空調室の空気を前記空調室とは独立した複数の被空調空間に搬送する複数の搬送ファンと、
    前記加湿装置を制御するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、前記被空調空間で検出される空気の検出湿度に関する情報を所定の時間間隔で取得し、前記検出湿度が第一湿度である場合、前記加湿装置を前記第一湿度に基づいた第一加湿制御で実行させ、前記検出湿度が前記第一湿度から前記第一湿度とは異なる第二湿度に変化した場合、前記第一湿度と前記第二湿度との間の第一湿度差が第一しきい値以下であると、前記第二湿度に基づいた第二加湿制御に切り替えて実行させ、前記第一湿度差が前記第一しきい値を超えていると、前記第一加湿制御を継続して実行させる制御を行うことを特徴とする空調システム。
  2. 前記コントローラは、前記第一湿度差が前記第一しきい値を超えている場合であって、前記検出湿度が前記第二湿度から前記第二湿度とは異なる第三湿度に変化した場合、前記第二湿度と前記第三湿度との間の第二湿度差が第二しきい値以下であると、前記第一加湿制御から前記第二加湿制御に切り替えて実行させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記コントローラは、複数の前記被空調空間のうちの1つの被空調空間の前記第二湿度と、複数の前記被空調空間のそれぞれの前記第二湿度の平均値との間の第三湿度差が第三しきい値以下であると、前記第二湿度の前記平均値に基づいた前記第二加湿制御に切り替えて実行させ、前記第三湿度差が前記第三しきい値を超えていると、前記第一加湿制御を継続して実行させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の空調システム。
  4. 前記コントローラは、前記第三温度差が前記第三しきい値を超えている場合であって、前記検出湿度が前記第二湿度から前記第二湿度とは異なる第四湿度に変化した場合、前記第二湿度と前記第四湿度との間の第四湿度差が第四しきい値以下であると、前記第一加湿制御から前記第二加湿制御に切り替えて実行させる制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の空調システム。
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