JP2022130248A - コイル装置 - Google Patents

コイル装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022130248A
JP2022130248A JP2021061085A JP2021061085A JP2022130248A JP 2022130248 A JP2022130248 A JP 2022130248A JP 2021061085 A JP2021061085 A JP 2021061085A JP 2021061085 A JP2021061085 A JP 2021061085A JP 2022130248 A JP2022130248 A JP 2022130248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis
winding
wire
along
coil device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021061085A
Other languages
English (en)
Inventor
裕一 安西
Yuichi Anzai
裕介 木本
Yusuke Kimoto
智也 都梅
Tomoya Tsubai
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Publication of JP2022130248A publication Critical patent/JP2022130248A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

【課題】実装方向によるコイルの動作特性の差異を改善できるコイル装置を提供すること。【解決手段】一対の巻芯部の内の一方の巻芯部12では、X軸に沿って一方の側からワイヤ100が内側から巻き始められて内側で巻き終わっており、他方の巻芯部14でも、同様に、X軸に沿って一方の側から別のワイヤ110が内側から巻き始められて内側で巻き終わっている。【選択図】図1

Description

本発明は、たとえばコモンモードフィルタ(コモンモードチョークコイル)などに好適に用いられるコイル装置に関する。
コモンモードフィルタとしては、たとえば特許文献1に示す環状コアに2つのワイヤを巻回したコイル装置が知られている。このようなコモンモードフィルタなどのEMC部品はノイズを低減させるために電子機器に搭載されている。
EMC部品では、ノイズ低減特性のバラツキは好ましくない。ところが、特許文献1に示すような従来のコイル装置では、実装方向の違いにより、コイルの動作特性に差異が生じることが判明した。また、コイル装置においては、インピーダンスの向上も求められている。
特開2014-192169号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、実装方向によるコイルの動作特性の差異を改善でき、しかもインピーダンスが高いコイル装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のコイル装置は、
第2軸に沿って所定間隔で離れて第1軸に沿って略平行に配置される一対の巻芯部と、
それぞれの前記巻芯部に前記第1軸に沿って巻回されるワイヤと、を有するコイル装置であって、
一方の巻芯部には、前記第1軸に沿って一方の側から前記ワイヤが内側から巻き始められて内側で巻き終わっており、他方の巻芯部でも、前記第1軸に沿って一方の側から別の前記ワイヤが内側から巻き始められて内側で巻終わっている。
たとえば本発明のコイル装置では、
前記第1軸に沿って一方の側に位置する各ワイヤの第1巻始・終点の位置が、前記第1軸方向から見て各巻芯部の内側領域内に属し、
前記第1軸に沿って他方の側に位置する各ワイヤの第2巻始・終点の位置が、前記第1軸方向から見て各巻芯部の内側領域内に属している。
なお、本発明において、ワイヤの「巻始・終点」とは、巻芯部にコイル状に巻き付けられているワイヤが最初に巻き始められて巻芯部に接触する位置、または巻芯部にコイル状に巻き付けられているワイヤが巻き終わって巻芯部との接触から離れる位置を示す。巻芯部にワイヤが巻き付けられた後には、巻始めの始点か、巻き終わりの終点かは判別が困難である。
本発明者等の新たな知見によれば、一対の巻芯部にそれぞれ巻き付けられるワイヤの巻始・終点を、外側領域または内側領域のいずれか一方に属させることで、実装方向による動作特性の差異を改善できることを見出した。その理由としては、必ずしも明らかではな
いが、たとえば以下のように説明することができる。
従来のコイル装置では、外側から巻芯部へワイヤを巻始める場合には、内側で巻き終わり、逆に内側から巻芯部へワイヤを巻始める場合には、外側で巻き終わることが一般的であった。これは、巻始めのワイヤのリードの継線部と、巻き終わりのワイヤのリード部の継線部とを、全て同じ側に位置させ、継線を容易にするためであったと考えられる。
しかしながら、このように巻芯部に巻き付けられるワイヤの巻始めと巻き終わりとを、外側と内側とで逆転させると、巻始め側と巻き終わり側とで、漏れ磁束の対称性を保てないことが判明した。この漏れ磁束の非対称性が、コイル装置の特性に悪影響を与えているのではないかと推測し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るコイル装置では、一方の巻芯部に巻き付けられるワイヤの巻始点と巻終点を、それぞれ内側領域に属させ、他方の巻芯部に巻き付けられるワイヤの巻始点と巻終点とを、それぞれ内側領域に属させている。このように構成することで、巻始め側と巻き終わり側とで、漏れ磁束の対称性を確保でき、その結果、実装方向による動作特性の差異を改善できると考えられる。
また、本発明に係るコイル装置では、幅広い周波数領域で、インピーダンスが向上することも確認できた。その理由としては、たとえば次のように考えられる。すなわち、一対の巻芯部で巻始めと巻き終わりが共に外側に位置する参考例に係るコイル装置でも、実装方向による動作特性の差異を改善できることは確認できた。しかしながら、その参考例に係るコイル装置に比較して、本発明に係るコイル装置では、一対の巻芯部にそれぞれ巻回されるワイヤからなるコイルの結合係数が増大するためではないかと考えられる。
また、本発明に係るコイル装置では、インピーダンスが向上することから、同じインダクタンスであれば、巻ターン数を減少させることも可能であり、コイル装置の小型化も期待できる。
なお、本発明において、巻芯部の内側領域とは、その巻芯部を第1軸方向から見て、他の巻芯部に近い側の半分領域である。また、巻芯部の外側領域とは、その巻芯部を第1軸方向から見て、他の巻芯部に近い側と反対側の半分領域である。
前記第1軸方向から見て、同じ内側領域内に位置する前記第1巻始・終点と前記第2巻始・終点とが、巻芯部の周方向に沿って相互に位置ズレしていてもよい。同じ内側領域内に位置する第1巻始・終点と第2巻始・終点とを、周方向に沿っても同じ位置に配置させるよりは、異なる位置に配置させる方が、ワイヤの巻回作業が容易になると共に継線部の配置もシンプルになる。
好ましくは、本発明のコイル装置は、
前記ワイヤのそれぞれの第1巻始・終点からそれぞれ延びるリード部が接続する第1継線部と、
前記ワイヤのそれぞれの第2巻始・終点からそれぞれ延びるリード部が接続する第2継線部と、をさらに有し、
前記第1軸および第2軸の双方に交差する第3軸に沿って、前記第1継線部と前記第2継線部とは、前記第1軸方向から見て相互に反対側に位置する。
第1継線部と第2継線部とを、第3軸に沿って反対側に位置させることで、一対の巻芯部にそれぞれ巻き付けられるワイヤの巻始・終点を、それぞれ内側領域に属させ易くなる。
好ましくは、二つの前記巻芯部の前記第1軸に沿って一方の端は、第1鍔部で一体的に連結してあり、
二つの前記巻芯部の前記第1軸に沿って他方の端は、第2鍔部で一体的に連結してあり、前記第1鍔部に具備してある前記第1継線部と、前記第2鍔部に具備してある前記第2継線部とは、前記第1軸方向から見て、前記第3軸に沿って相互に反対側に位置する。
第1継線部は、メッキにより第1鍔部に装着されてもよく、あるいは金属端子の一部として第1鍔部に接着などで接合されてもよい。また、同様に、第2継線部は、メッキにより第2鍔部に装着されてもよく、あるいは金属端子の一部として第2鍔部に接着などで接合されてもよい。
好ましくは、それぞれの前記第1継線部は、それぞれの第1端子電極に具備してあり、各第1端子電極には、前記第1継線部とは前記第3軸に沿って反対側に、第1ダミー継線部が具備してあり、
それぞれの前記第2継線部は、それぞれの第2端子電極に具備してあり、各第2端子電極には、前記第2継線部とは前記第3軸に沿って反対側に、第2ダミー継線部が具備してある。さらに好ましくは、前記第1ダミー継線部と前記第2継線部とは、略同一平面上に先端が位置する実装側突出片を有する。
このように構成することで、コイル装置を傾かせることなく、配線基板などへのコイル装置の実装が容易になる。
好ましくは、前記第2ダミー継線部と前記第1継線部とは、略同一平面上に先端が位置する反実装側突出片を有する。このように構成することで、反実装側突出片の上に、実装面と反対側で実装面と略平行な平坦な面を有するカバー部材を装着することが容易になる。その結果、コイル装置のピックアップ搬送が容易になる。
好ましくは、前記ワイヤのそれぞれの第1巻始・終点からそれぞれ引き出されて前記第1軸に沿って延びる各リード部を、前記第2軸に沿って両側から囲む一対の折り曲げ片を、前記反実装側突出片が有する。また好ましくは、前記ワイヤのそれぞれの第2巻始・終点からそれぞれ引き出されて前記第1軸に沿って延びる各リード部を、前記第2軸に沿って両側から囲む一対の折り曲げ片を、前記実装側突出片が有する。
このように構成することで、各リード部の継線作業が容易になると共に、リード部付近でのワイヤの曲げを必要最小限にすることができ、リード部に作用する応力を低下させ、リード部の接続強度が向上する。
図1は本発明の一実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図2は図1に示すコイル装置の分解斜視図である。 図3は図1に示すIII-III線に沿うコイル装置の断面図である。 図4は図1に示すコイル装置の正面図である。 図5は図1に示すコイル装置の端子電極の斜視図である。 図6Aは本発明の一実施例に係るコイル装置の動作時の磁束分布を計測した概略図である。 図6Bは図6Aに示すコイル装置を、実装基板と垂直な仮想の回転軸の回りに180度逆に回転させて実装させた場合に、コイル装置を動作させた時の磁束分布を計測した概略図である。 図6Cは図6Aに示すコイル装置を、実装基板と平行な仮想の回転軸の回りに180度逆に回転させて実装させた場合に、コイル装置を動作させた時の磁束分布を計測した概略図である。 図7Aは本発明の参考例に係るコイル装置の動作時の磁束分布を計測した概略図である。 図7Bは図7Aに示すコイル装置を、実装基板と垂直な仮想の回転軸の回りに180度逆に回転させて実装させた場合に、コイル装置を動作させた時の磁束分布を計測した概略図である。 図7Cは図7Aに示すコイル装置を、実装基板と平行な仮想の回転軸の回りに180度逆に回転させて実装させた場合に、コイル装置を動作させた時の磁束分布を計測した概略図である。 図8Aは本発明の比較例に係るコイル装置の動作時の磁束分布を計測した概略図である。 図8Bは図8Aに示すコイル装置を、仮想の回転軸の回りに180度逆に回転させて実装させた場合に、コイル装置を動作させた時の磁束分布を計測した概略図である。 図9は本発明の実施例に係るコイル装置のインピーダンスと、比較例のコイル装置のインピーダンスとの測定結果である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。なお、図面において、X軸(第1軸)、Y軸(第2軸)およびZ軸(第3軸)は、相互に略垂直である。
第1実施形態
図1に示す本発明の一実施形態に係るコイル装置1は、たとえばコモンモードフイルタ(コモンモードチョークコイル)などとして好適に用いられ、コア10と、ワイヤ100,110と、端子電極60,80とを有する。本実施形態では、コイル装置1は、さらにカバー50を有する。
図2に示すように、コア10は、Y軸方向に所定間隔離れてX軸方向に沿って平行に配置(並列)してある2つの巻芯部12,14を有する。二つの巻芯部12,14のX軸に沿っての一端には、一方の第1鍔部16aが連結してあり、二つの巻芯部12,14のX軸に沿っての他端には、他方の第2鍔部16bが連結してある。本実施形態では、コア10は、環状のコアであり、一体に成形してあってもよく、成形体が組み合わされて環状のコアに組み立てられていてもよい。
それぞれの巻芯部12,14には、それぞれワイヤ100,110が巻回されて各コイル部が形成してある。ワイヤ100,110としては、特に限定されず、たとえば銅などで構成される平角線、丸線、撚り線、リッツ線、編組線などの導電性芯線、あるいはこれらの導電性芯線を絶縁被覆してあるワイヤなどを用いることができる。ワイヤ100,110の線径は、特に限定されないが、本実施形態では、端子電極60,80の板厚よりも大きな外径を有し、たとえば端子電極60,80の板厚の1.2~5倍程度の外径を有する。
本実施形態では、それぞれの巻芯部12,14には、X軸方向から見て相互に逆回転方向にワイヤ100,110が同じ巻き数で巻回してある。たとえば一方の巻芯部12には、ワイヤ100が左回りで巻回してあり、他方の巻芯部14には、ワイヤ110が右回りで巻回してある。各鍔部16a,16bには、それぞれ二つの端子電極60,80が装着される。
図2においてY軸に沿って手前側に配置される一方の巻芯部12に巻回してあるワイヤ100の一方の端部(図2で左側)である第1リード部101aは、一方の第1鍔部16aに配置される手前側の端子電極60に接続される。また、そのワイヤ100の他方の端部(図2で右側)である第2リード部101bは、他方の第2鍔部16bに配置される手前側の端子電極80に接続される。同様に、図2においてY軸に沿って奥側に配置される他方の巻芯部14に巻回してあるワイヤ110の一方の端部である第1リード部111aは、一方の第1鍔部16aに配置される奥側の端子電極60に接続され、そのワイヤ11
0の他方の端部である第2リード部111bは、他方の第2鍔部16bに配置される奥側の端子電極80に接続される。
コア10のX軸に沿って相互に反対側に配置される鍔部16a,16bは、相互に点対称(または線対称)な構成を有している。各鍔部16a,16bは、コア10のX軸に沿った端に位置する外端面24と、その反対側に位置する内端面25と、実装側下面22と、その反対側に位置する上面20と、コア10のY軸に沿った両端に位置する第1および第2側面26,28とを有する。
各鍔部16a,16bの外端面24は、Y軸方向の中央部に位置する中央外端面24aと、そのY軸方向の両側に位置する側方外端面30,32とを有する。側方外端面30,32は、中央外端面24aよりもX軸に沿って段差状に少し凹んでいるが、これらの外端面24a,30,32は、Z軸およびY軸を含む平面に略平行である。中央外端面24aと側方外端面30(または32)との間のX軸に沿う段差高さは、0でもよいが、好ましくは端子電極60または80の板厚程度以下である。
各鍔部16a,16bの内端面25,25のそれぞれには、各巻芯部12,14のそれぞれ一方のX軸端または他方のX軸端が一体的に連結してある。各鍔部16a,16bの内端面25,25のY軸方向の中央部には、鍔部16a,16bの上面20から、実装側下面22に向けてZ軸に沿って延びる溝部38が形成してある。溝部38は、巻芯部12,14が鍔部16a,16bに繋がっている部分の中間に位置している。
図3に示すように、各鍔部16a,16bの内端面25のZ軸下方には、実装側下面22にかけて面取り部25αが形成してあり、外端面24のZ軸下方にも、実装側下面22にかけて面取り部24αが形成してある。これらの面取り部24αおよび25αがあることで、コア10の成形(型抜き)が容易になる。
図3に示すように、本実施形態では、各鍔部16a,16bの上面20は、巻芯部12のZ軸に沿った最大高さよりも所定の段差高さ(好ましくは端子電極60または80の板厚の0.5~5倍)で低くなっているが、段差高さはなくても良い。また、各鍔部16a,16bの上面20は、巻芯部12のZ軸に沿った最大高さよりも高く構成してあってもよい。
図2に示すように、各鍔部16a,16bのY軸方向の両端では、第1側面26および第2側面28のZ軸下端が切り欠かれており、それぞれ係止受部34および36が形成してある。各係止受部34,36には、カバー50の4角にそれぞれ具備してある各脚部52,53の下端に形成してある係止爪54,55が着脱自在に係合するようになっている。
各鍔部16a,16bのY軸方向の両端下方に切り欠き状の係止受部34,35を形成するため、実装側下面22のY軸方向の幅は、上面20のY軸方向の幅よりも狭く形成してある。ただし、実装側下面22のY軸方向の幅は、中央外端面24aのY軸方向の幅よりも大きく、側方外端面30,32の実装側下面22側の幅を十分な寸法で確保できるように決定される。
図2に示すように、カバー50は、平板状の蓋部51と、蓋部51のY軸に沿う両端から、それぞれX軸に沿って分岐した後にZ軸の下方にそれぞれ突出する脚部52,53とを有する。各脚部52,53のZ軸に沿う下端には、前述した係止爪54,55がそれぞれ一体的に成形してある。
また、カバー50は、蓋部51のY軸に沿った中央付近の下部にX軸に沿う両側に突出する一対の凸状ブロック部58も有している。各凸状ブロック部58は、各鍔部16a,16bの上面20のY軸に沿う中央部に当接可能になっている。Y軸に沿う中央に位置する蓋部51の下面には、一対の凸状ブロック部58を連結するようにX軸に沿って延びる板状の仕切部56が一体化して形成してある。
板状の仕切部56のZ軸に沿う下端は、凸状ブロック部58のZ軸に沿う下端よりもさらにZ軸に沿って下側に突出しており、板状の仕切部56のX軸に沿う両側端は、鍔部16a,16bの内端面25に形成してある溝部38に上下スライド可能に取り付けられる。仕切部56は、各巻芯部12,14にコイル状にそれぞれ巻回してあるワイヤ100,110同士が接触することを有効に防止し、これらの絶縁を確保することができる。なお、カバー50の蓋部51の上面は平坦であり、吸着ノズルなどに吸着され、コイル装置1の搬送が容易となる。
カバー50は、たとえば樹脂等の非磁性体材料で構成してあるが、樹脂には、金属磁性体またはフェライドなどの磁性体が含有してあってもよい。また、カバー50は、コア10と同様に、金属磁性体またはフェライトなどの磁性体で構成されていてもよい。カバー50が磁性体で構成される場合、あるいはカバー50が磁性体を含む場合には、カバー50は、コア10と共に閉磁路を構成してもよい。
図5に示すように、端子電極60と端子電極80とは、それぞれ同じ形状で同じ大きさをしているが、図2に示す第1鍔部16aに装着される端子電極60と、第2鍔部16bに装着される端子電極80とは、Z軸方向の上下で、継線部とダミー継線部との配置関係が逆になる。各端子電極60,80は、それぞれ端子主片(端子主部)62,82と、継線部70,90と、ダミー継線部78,98とを有し、これらは、それぞれ板厚が略一定な一枚の金属片を折り曲げて成形されている。また、ダミー継線部78,98は、端子主片62,82を挟んで継線部70,90とはZ軸に沿って反対側に配置されており、継線部70,90と同じ形状で同じ大きさをしている。
本実施形態では、継線部70,90およびダミー継線部78,98は、ベース片68,88と、突出片76,96とを有する。端子電極60の継線部70は、Z軸方向の上部に位置し、図4に示すワイヤ100の第1リード部101aまたはワイヤ110の第1リード部111aが接続される部分である。また、図5に示す端子電極80の継線部90は、図3に示すように、ワイヤ100の第2リード部101bが接続される部分であると共に、図4に示すワイヤ110の第2リード部111bが接続される部分でもある。なお、各ダミー継線部78,98には、第1リード部101a,111aおよび第2リード部101b,111bは接続されない。
図3に示すように、端子電極60,80のZ軸方向の上側に位置するベース片68,88は、それぞれの鍔部16a,16bの上面20,20に沿って設置されるように、端子主片62,82のZ軸に沿う上端から鍔部16a,16bの上面20,20に向けて略垂直に折り曲げ成形してある。なお、ベース片68,88は、それぞれの鍔部16a,16bの上面20,20に接着してもよいが、接着することなく上面20,20に対して、係合してもよく、あるいは多少の間隔で、各鍔部16a,16bの上面20,20に向き合うように配置していてもよい。
また、端子電極60,80のZ軸方向の下方に位置する他方のベース片68,88は、それぞれの鍔部16a,16bの実装側下面22,22に沿って設置されるように、端子主片62,82のZ軸に沿う下端から鍔部16a,16bの実装側下面22,22に向けて略垂直に折り曲げ成形してある。なお、ベース片68,88は、それぞれの鍔部16a
,16bの実装側上面22,22に接着してもよいが、接着することなく、実装側下面22,22に対して、係合してもよく、あるいは多少の間隔で、各鍔部16a,16bの実装側下面22,22に向き合うように配置していてもよい。
図5に示すように、端子電極60の各ベース片68のY軸に沿っての両側には、突出片76が、Z軸の外側(上側または下側)に向けて傾斜して突出するように、一体的に折り曲げて成形してある。各突出片76は、その先端がベース片68の上で近づくように、ベース片68に対して鋭角に傾斜している。図4に示すように、継線部70のベース片68の上(Z軸方向の上面)で一対の突出片76の間に、リード部101aまたは111aを通してカシメることが可能になっている。ワイヤ100(110)の第1リード101a(111a)は、一対の突出片76の間に挟まれた状態で、各ベース片68に対してハンダ5などで接続してある。
また図5に示すように、端子電極60と同様に、端子電極80の各ベース片88のY軸に沿っての両側には、突出片96が、Z軸の外側(上側または下側)に向けて傾斜して突出するように、一体的に折り曲げて成形してある。各突出片96は、その先端がベース片88の上で近づくように、ベース片88に対して鋭角に傾斜している。また継線部90のベース片88の上(Z軸方向の下面)で一対の突出片96の間に、リード部101bまたは111bを通してカシメることが可能になっている。ワイヤ100(110)の第2リード101b(111b)は、一対の突出片96の間に挟まれた状態で、各ベース片88に対してハンダ5などで接続してある。
図3に示すように、各端子主片62,82は、各鍔部16a,16bの外端面24,24に向き合うように配置してあり、図2に示す各鍔部16a,16bの外端面24のY軸方向の両側に位置する側方外端面30,32にそれぞれ接着剤を用いて接着している。
端子電極60,80は、たとえばタフピッチ鋼、リン青銅、黄銅、鉄、ニッケル、ニッケルアロイ、ステンレスなどの金属で構成される。端子電極60,80は、導電性を持つ金属板を、打ち抜きプレス加工して折曲成形することなどにより一体成形することができる。また、継線部70,90およびダミー継線部78,98には、ハンダ付着強化層としてスズまたはスズを含む合金などのめっき膜が形成してあることが好ましい。
次に、ワイヤ100,110と巻芯部12,14と端子電極60,80との関係について詳細に説明する。なお、ワイヤ110と巻芯部14と端子電極60,80との関係は、巻芯部14に逆回転方向に巻回されている以外は、ワイヤ100と巻芯部12と端子電極60,80との関係と同じであり、その説明の一部は省略する。
図1に示すように、巻芯部12には、ワイヤ100が左回りでX軸に沿って複数ターンで巻回してある。ワイヤの100のX軸方向の一端である第1リード部101aの先端は、第1鍔部16aのY軸に沿って手前側に配置してある端子電極60の上側のベース片68に接続してあり、一対の突出片76の間をX軸方向に延びている。本実施形態では、ワイヤ100は、第1リード部101aの先端から巻芯部12に向けて左下方向に傾斜して第1巻始・終点102aで巻芯部12に接触して巻芯部12に同じ方向に巻回される。
巻芯部12にワイヤ100が左回りでX軸に沿って複数ターンで巻回した後には、ワイヤ100の第2リード部101bは、ワイヤの第2巻始・終点102bで巻芯部12から離れて、図3に示す端子電極80の下側のベース片88に向けて斜めに引き出されて接続される。ベース片88の下面では、ワイヤ100の第2リード部101bの先端は、X軸に沿って引き出されている。
なお、第1巻始・終点102aは、第1リード部101aからワイヤ100を巻芯部12に巻始めれば、コイルの巻始めとなる部分であり、図3に示す第2リード部101bからワイヤ100を巻芯部12に巻始めれば、コイルの巻終わりとなる部分である。また、第2巻始・終点102bは、第1リード部101aからワイヤ100を巻芯部12に巻始めれば、コイルの巻終わりとなる部分であり、第2リード部101bからワイヤ100を巻芯部12に巻始めれば、コイルの巻始めとなる部分である。
本実施形態では、巻芯部12に巻き付けられるワイヤ100の巻始めまたは巻き終わりとなる第1巻始・終点102aは、図4に示すコイルの中心軸O1を含むZ軸に沿う直線から内側領域12bに属するように位置する。また、巻芯部12に巻き付けられるワイヤ100の巻始めまたは巻き終わりとなる第2巻始・終点102bも、内側領域12bに属するように位置する。ただし、第1巻始・終点102aと第2巻始・終点102bとは、Z軸に沿って位置が異なり、中心軸O1を含むY軸に平行な線に対して相互に逆方向に位置する。
なお、コイルの中心軸O1とは、図1に示す巻芯部12のX軸に沿う中心線である。また、巻芯部12の内側領域12bとは、その巻芯部12をX軸方向から見て、他の巻芯部14に近い側の半分領域である。また、巻芯部12の外側領域12aとは、その巻芯部12をX軸方向から見て、他の巻芯部14に近い側と反対側の半分領域である。
また同様に、図1に示すように、巻芯部14には、ワイヤ110が右回りでX軸に沿って複数ターン(ワイヤ100と同じターン数)で巻回してある。ワイヤの110のX軸方向の一端である第1リード部111aの先端は、第2鍔部16bのY軸に沿って奥側に配置してある端子電極60の上側のベース片68に接続してあり、一対の突出片76の間をX軸方向に延びている。本実施形態では、ワイヤ110は、第1リード部111aの先端から巻芯部12に向けて右下方向に傾斜して第1巻始・終点112aで巻芯部14に接触して巻芯部14に同じ方向に巻回される。
巻芯部14にワイヤ110が右回りでX軸に沿って複数ターンで巻回した後には、図4に示すように、ワイヤ110の第2リード部111bは、ワイヤの第2巻始・終点112bで巻芯部12から離れて、端子電極80の下側のベース片88に向けて斜めに引き出されて接続される。ベース片88の下面では、ワイヤ110の第2リード部111bの先端は、X軸に沿って引き出されている。
なお、第1巻始・終点112aは、第1リード部111aからワイヤ100を巻芯部14に巻始めれば、コイルの巻始めとなる部分であり、第2リード部111bからワイヤ110を巻芯部14に巻始めれば、コイルの巻終わりとなる部分である。また、第2巻始・終点112bは、第1リード部111aからワイヤ110を巻芯部14に巻始めれば、コイルの巻終わりとなる部分であり、第2リード部111bからワイヤ110を巻芯部14に巻始めれば、コイルの巻始めとなる部分である。
本実施形態では、巻芯部14に巻き付けられるワイヤ110の巻始めまたは巻き終わりとなる第1巻始・終点112aは、図4に示すコイルの中心軸O2を含むZ軸に沿う直線から内側領域14bに属するように位置する。また、巻芯部14に巻き付けられるワイヤ110の巻始めまたは巻き終わりとなる第2巻始・終点112bも、内側領域14bに属するように位置する。ただし、第1巻始・終点102bと第2巻始・終点112bとは、Z軸に沿って位置が異なり、中心軸O2を含むY軸に平行な線に対して相互に逆方向に位置する。
なお、コイルの中心軸O2とは、図1に示す巻芯部14のX軸に沿う中心線である。ま
た、巻芯部14の内側領域14bとは、その巻芯部14をX軸方向から見て、他の巻芯部12に近い側の半分領域である。また、巻芯部14の外側領域14aとは、その巻芯部14をX軸方向から見て、他の巻芯部12に近い側と反対側の半分領域である。
本実施形態に係るコイル装置1では、たとえば一対の巻芯部12,14の内の一方の巻芯部12では、X軸に沿って一方の側からワイヤ100が内側から巻き始められて内側で巻き終わっており、他方の巻芯部14でも、同様に、X軸に沿って一方の側から別のワイヤ110が内側から巻き始められて内側で巻き終わっている。
すなわち、巻芯部12に巻き付けられるワイヤ100の第1巻始・終点102aおよび第2巻始・終点102bを、内側領域12bに属させていると共に、巻芯部14に巻き付けられるワイヤ110の第1巻始・終点112aおよび第2巻始・終点112bを、内側領域14bに属させている。このように構成することで、巻始め側と巻き終わり側とで、漏れ磁束の対称性を確保でき、その結果、実装方向による動作特性の差異を改善できる。
また、本実施形態では、X軸方向から見て、同じ側の内側領域12b(14b)内に位置する第1巻始・終点102a(112a)と第2巻始・終点102b(112b)とが、巻芯部12(14)の周方向に沿って相互に位置ズレしている。同じ側の内側領域12b(14b)内に位置する第1巻始・終点102a(112a)と第2巻始・終点102b(112b)とを、周方向に沿っても同じ位置に配置させるよりは、異なる位置に配置させる方が、ワイヤ100(110)の巻回作業が容易になると共に継線部70(90)の配置もシンプルになる。
さらに本実施形態では、図4に示すように、第1巻始・終点102a,112aからそれぞれ延びるリード部101a,111aが接続する第1継線部70,70と、第2巻始・終点102b,112bからそれぞれ延びるリード部101b,111bが接続する第2継線部90,90とは、Z軸に沿って相互に反対側に位置する。
第1継線部70,70と第2継線部90,90とを、Z軸に沿って反対側に位置させることで、一対の巻芯部12,14にそれぞれ巻き付けられるワイヤ100,110の巻始・終点102a,102b,112a,112bを、それぞれの内側領域12b,14bに属させ易くなる。
さらに本実施形態では、それぞれの第1継線部70,70は、それぞれの第1端子電極60,60に具備してあり、各第1端子電極60,60には、第1継線部70,70とはZ軸に沿って反対側に、第1ダミー継線部78,78が具備してある。また、それぞれの第2継線部90,90は、それぞれの第2端子電極80,80に具備してあり、各第2端子電極80,80には、第2継線部90,90とはZ軸に沿って反対側に、第2ダミー継線部98が具備してある。第1ダミー継線部78,78と第2継線部90,90とは、略同一平面上に先端が位置する実装側に突出片76,96を有する。このように構成することで、コイル装置1を傾かせることなく、配線基板などへのコイル装置1の実装が容易になる。
また、第2ダミー継線部98,98と第1継線部70,70とは、略同一平面上に先端が位置する反実装側の突出片76,96を有する。このように構成することで、反実装側の突出片76,96の上に、実装面と反対側で実装面と略平行な平坦な面を有するカバー部材50を装着することが容易になる。その結果、コイル装置1のピックアップ搬送などが容易になる。また、本実施形態において、カバー50を有さない場合には、コイル装置1のZ軸方向の上面と下面とのいずれの側を回路基板などに実装しても問題なく使用することもできる。
さらに本実施形態では、ワイヤ100,110のそれぞれのX軸に沿って延びる各リード部101a,111a,101b,111bの先端を、Y軸に沿って両側から囲む一対の折り曲げ片を、突出片76,96が有する。このように構成することで、各リード部101a,111a,101b,111bの継線作業が容易になると共に、リード部101a,111a,101b,111b付近でのワイヤ100,110の曲げを必要最小限にすることができ、リード部101a,111a,101b,111bに作用する応力を低下させ、リード部101a,111a,101b,111bの端子電極60,80への接続強度が向上する。
本実施形態では、それぞれのワイヤ100およびワイヤ110は、互いに線対称にそれぞれの巻芯部12,14に巻回してあり、コモンモードフィルタとして好ましく機能させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、端子電極60,80は、導電性板片で構成してあり、導電性板片に、継線部70,90と、継線部70,90に繋がる端子主部62,82とが一体的に成形してあるが、それに限定されない。たとえば少なくとも継線部70,90を含む端子電極は、鍔部16a,16bの表面に形成してあるメッキ膜として形成してもよい。
また上述した実施形態では、図4に示すように、ワイヤ100,110の第1リード101a,111aおよび第2リード部101b,111bを端子電極60または80にハンダ5によって接続しているが、レーザ溶接、熱圧着接合、アーク溶接、抵抗溶接などの方法で接続してあってもよい。
さらにコイル装置1の用途としては、コモンモードフィルタ(コモンモードチョークコイル)などに限らず、バルントランス、パルストランス、チョークコイル、信号トランス、巻線製品などとしても用いられることができる。また、上述した実施形態では、それぞれの巻芯部12,14には、X軸方向から見て相互に逆回転方向にワイヤ100,110が同じ巻き数で巻回してあるが、異なる巻き数で巻回してあっても良い。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
図1に示すコイル装置1(カバー50は装着されていない)について、電流を流す方向を変えた場合のそれぞれの漏れ磁束についてのコンピュータシミュレーションを行った。
図6Aは、第1実施形態に係るコイル装置1について、符号a1に示す端子60から、符号b1に示す端子80、符号c1に示す端子80、符号d1に示す端子60の順に電流を流し、漏れ磁束のシミュレーションを行った結果である。また、図6Bは、図6Aに示すコイル装置1の端子の配置がZ軸を中心として逆になるように回転させて配置し、実装方向が逆になった場合を仮定して、漏れ磁束のシミュレーションを行った結果である。すなわち、図6Bでは、符号c1に示す端子80から、符号d1に示す端子60、符号a1に示す端子60、符号b1に示す端子80の順に電流を流し、漏れ磁束のシミュレーションを行った結果である。
また、図6Cは、図6Aに示すコイル装置1の端子の配置がY軸を中心として逆になるように回転させて配置し、実装面が逆になった場合を仮定して、漏れ磁束のシミュレーションを行った結果である。すなわち、図6Cでは、符号b1に示す端子80から、符号a1に示す端子60、符号d1に示す端子60、符号c1に示す端子80の順に電流を流し、漏れ磁束のシミュレーションを行った結果である。
図6A~図6Cにおいて、B1,B2,B3,B4は、それぞれ、漏れ磁束の磁束密度を現わしており、磁束密度はB1が最も高く、B2、B3、B4と徐々に低くなっている。
また、実施例1に係るコイル装置1について周波数を変えてインピーダンスの測定を行った。結果を図9の実線で示す。なお、インピーダンスの測定に際しては、インピーダンスアナライザを用いた。また、そのコイル装置について、結合係数を測定したところ、0.945であった。
参考例1
図7Aに示すコイル装置2について、電流を流す方向を変えた場合のそれぞれの漏れ磁束についてのコンピュータシミュレーションを行った。
図7Aは、参考例1に係るコイル装置2について、符号a2に示す端子60から、符号b2に示す端子80、符号c2に示す端子80、符号d2に示す端子60の順に電流を流し、漏れ磁束のシミュレーションを行った結果である。また、図7Bは、図7Aに示すコイル装置2の端子の配置がZ軸を中心として逆になるように回転させて配置し、実装方向が逆になった場合を仮定して、漏れ磁束のシミュレーションを行った結果である。すなわち、図7Bでは、符号c2に示す端子80から、符号d2に示す端子60、符号a2に示す端子60、符号b2に示す端子80の順に電流を流し、漏れ磁束のシミュレーションを行った結果である。
また、図7Cは、図7Aに示すコイル装置2の端子の配置がY軸を中心として逆になるように回転させて配置し、実装面が逆になった場合を仮定して、漏れ磁束のシミュレーションを行った結果である。すなわち、図7Cでは、符号b2に示す端子80から、符号a2に示す端子60、符号d2に示す端子60、符号c2に示す端子80の順に電流を流し、漏れ磁束のシミュレーションを行った結果である。
図7A~図7Cにおいて、B1a,B2a,B3a,B4aは、それぞれ、漏れ磁束の磁束密度を現わしており、磁束密度はB1aが最も高く、B2a、B3a、B4aと徐々に低くなっている。
なお、参考例1に係るコイル装置では、一対の巻芯部の内の一方の巻芯部12では、X軸に沿って一方の側からワイヤ100が外側から巻き始められて外側で巻き終わっており、他方の巻芯部14でも、同様に、X軸に沿って一方の側から別のワイヤ110が外側から巻き始められて外側で巻き終わっている。参考例1のその他の構成は、実施例1と同様である。
また、実施例1と同様にして、参考例1に係るコイル装置2について周波数を変えてインピーダンスの測定を行った。結果を図9の点線で示す。また、同様に、同じコイル装置について、結合係数を測定したところ、0.924であった。
比較例1
すべてのリード部が鍔部の上面に配置された継線部に接続している従来のコイル装置3について、電流を流す方向を変えた場合のそれぞれの漏れ磁束についてのコンピュータシミュレーションを行った。すなわち、従来のコイル装置3では、コイルの巻方向は、それぞれの巻芯部に巻き付けられているワイヤの巻始めが外から始まり内側で巻き終わるような巻回方法、あるいは巻始めが内から始まり外側で巻き終わるような巻回方法であった。
図8Aは、コイル装置3について、符号a3に示す端子60aから、符号b3に示す端子80a、符号c3に示す端子80a、符号d3に示す端子60aの順に電流を流し、漏れ磁束のシミュレーションを行った結果である。また、図8Bは、図8Aに示すコイル装置3の端子の配置がZ軸を中心として逆になるように回転させて配置し、実装方向が逆になった場合を仮定して、漏れ磁束のシミュレーションを行った結果である。すなわち、図8Bでは、符号C3に示す端子80aから、符号d3に示す端子60a、符号a3に示す
端子60a、符号b3に示す端子80aの順に電流を流し、漏れ磁束のシミュレーションを行った結果である。
図8Aおよび図8Bにおいて、B1b,B2b,B3b,B4bは、それぞれ、漏れ磁束の磁束密度を現わしており、磁束密度はB1bが最も高く、B2b、B3b、B4bと徐々に低くなっている。
評価
図8Aおよび図8Bに示す比較例1に示す漏れ磁束の変化に比較して、図6Aおよび図6Bに示す実施例1、および図7Aおよび図7Bに示す参考例1では、実装方向が逆になった場合でも、漏れ磁束の変化が小さいことが確認できた。すなわち、比較例1に比較して、実施例1および参考例1では、実装方向の違いによる動作特性の変化が小さいことを予測することができた。なお、実施例1では、参考例1に比較して、漏れ磁束が大きくなる領域も最小限にすることができることが確認できた。
図6Aおよび図6Cに示す実施例1、および図7Aおよび図7Cに示す参考例1では、実装面が逆になった場合でも、漏れ磁束の変化が小さいことが確認できた。すなわち、実施例1および参考例1では、比較例1とは異なり、実装面を逆にしても問題なく使えることを予測することができた。
また、図9に示すように、参考例1に比較して、実施例1では、インピーダンス特性が向上することが確認できた。
1,2,3…コイル装置
5…ハンダ
10…コア
12,14…巻芯部
12a,14a…外側領域
12b,14b…内側領域
16a…第1鍔部
16b…第2鍔部
20…上面
22…実装側下面
24…外端面
24a…中央外端面
25…内端面
26…第1側面
28…第2側面
30,32…側方外端面
34,36…係止受け部
38…溝部
50…カバー
51…蓋部
52,53…脚部
54,55…係止爪
56…仕切り部
58…凸状ブロック部
60,80…端子電極
60a,80a…外面
60b,80b…内面
62,82…端子主片(端子主部)
68,88…ベース片
70,90…継線部
76,96…突出片
78,98…ダミー継線部
100,110…ワイヤ
101a,111a…第1リード部
101b,111b…第2リード部
102a,112a…第1巻始・終点
102b,112b…第2巻始・終点

Claims (9)

  1. 第2軸に沿って所定間隔で離れて第1軸に沿って略平行に配置される一対の巻芯部と、それぞれの前記巻芯部に前記第1軸に沿って巻回されるワイヤと、を有するコイル装置であって、
    一方の巻芯部には、前記第1軸に沿って一方の側から前記ワイヤが内側から巻き始められて内側で巻き終わっており、他方の巻芯部でも、前記第1軸に沿って一方の側から別の前記ワイヤが内側から巻き始められて内側で巻終わっているコイル装置。
  2. 前記第1軸に沿って一方の側に位置する各ワイヤの第1巻始・終点の位置が、前記第1軸方向から見て各巻芯部の内側領域内に属し、
    前記第1軸に沿って他方の側に位置する各ワイヤの第2巻始・終点の位置が、前記第1軸方向から見て各巻芯部の内側領域内に属している請求項1に記載のコイル装置。
  3. 前記第1軸方向から見て、同一の前記内側領域内に位置する前記第1巻始・終点と前記第2巻始・終点とが、前記巻芯部の周方向に沿って相互に位置ズレしている請求項2に記載のコイル装置。
  4. 前記ワイヤのそれぞれの第1巻始・終点からそれぞれ延びるリード部が接続する第1継線部と、
    前記ワイヤのそれぞれの第2巻始・終点からそれぞれ延びるリード部が接続する第2継線部と、をさらに有し、
    前記第1軸および第2軸の双方に交差する第3軸に沿って、前記第1継線部と前記第2継線部とは、前記第1軸方向から見て相互に反対側に位置する請求項2または3に記載のコイル装置。
  5. 二つの前記巻芯部の前記第1軸に沿って一方の端は、第1鍔部で一体的に連結してあり、
    二つの前記巻芯部の前記第1軸に沿って他方の端は、第2鍔部で一体的に連結してあり、前記第1鍔部に具備してある前記第1継線部と、前記第2鍔部に具備してある前記第2継線部とは、前記第1軸方向から見て、前記第3軸に沿って相互に反対側に位置する請求項4に記載のコイル装置。
  6. それぞれの前記第1継線部は、それぞれの第1端子電極に具備してあり、各第1端子電極には、前記第1継線部とは前記第3軸に沿って反対側に、第1ダミー継線部が具備してあり、
    それぞれの前記第2継線部は、それぞれの第2端子電極に具備してあり、各第2端子電極には、前記第2継線部とは前記第3軸に沿って反対側に、第2ダミー継線部が具備してあり、
    前記第1ダミー継線部と前記第2継線部とは、略同一平面上に先端が位置する実装側突出片を有する請求項2~5のいずれかに記載のコイル装置。
  7. 前記第2ダミー継線部と前記第1継線部とは、略同一平面上に先端が位置する反実装側突出片を有する請求項6に記載のコイル装置。
  8. 前記ワイヤのそれぞれの第1巻始・終点からそれぞれ引き出されて前記第1軸に沿って延びる各リード部を、前記第2軸に沿って両側から囲む一対の折り曲げ片を、前記反実装側突出片が有する請求項7に記載のコイル装置。
  9. 前記ワイヤのそれぞれの第2巻始・終点からそれぞれ引き出されて前記第1軸に沿って
    延びる各リード部を、前記第2軸に沿って両側から囲む一対の折り曲げ片を、前記実装側突出片が有する請求項6~8のいずれかに記載のコイル装置。
JP2021061085A 2021-02-25 2021-03-31 コイル装置 Pending JP2022130248A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021028773 2021-02-25
JP2021028773 2021-02-25

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022130248A true JP2022130248A (ja) 2022-09-06

Family

ID=83150813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021061085A Pending JP2022130248A (ja) 2021-02-25 2021-03-31 コイル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022130248A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7327212B2 (en) Plate member, magnetic element using the same, and magnetic element manufacturing method
JP6015588B2 (ja) 巻線型電子部品
US10157707B2 (en) Coil component
KR20000028997A (ko) 표면실장자기유도부품
JP7557931B2 (ja) コイル部品
US20210358676A1 (en) Coil device
US11651888B2 (en) Coil component
JP2009076610A (ja) 磁性部品
US12068102B2 (en) Coil component and electronic device
US12106888B2 (en) Coil device
JP6593069B2 (ja) コイル部品
JP2019021897A (ja) コイル装置
CN110619994B (zh) 线圈部件
JP2022130248A (ja) コイル装置
JP2022130249A (ja) コイル装置
JPH056829A (ja) 薄型トランス
US20220301766A1 (en) Coil component
JP7510826B2 (ja) コイル装置
JPH06290975A (ja) コイル部品並びにその製造方法
US12009135B2 (en) Coil device
JP7472490B2 (ja) コイル装置
US20210166861A1 (en) Coil device
JP2006004989A (ja) コイル部品
JP2008160001A (ja) 巻線型電子部品
JP7569643B2 (ja) コイル装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240918