JP2022129821A - エチレン系共重合体及びその製造方法 - Google Patents

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清和 片山
Kiyokazu Katayama
匡貴 岡野
Masaki Okano
雄司 小室
Yuji Komuro
英昭 野田
Hideaki Noda
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Abstract

【課題】成形温度領域を広げることが可能なエチレン系共重合体を提供する。【解決手段】エチレンと、少なくとも1種のα-オレフィンとの共重合体であって、示差走査型熱量計(DSC)で測定される融点を、100℃未満である第1の温度領域及び100℃以上である第2の温度領域にそれぞれに有する、エチレン系共重合体。【選択図】図1

Description

本発明は、エチレン系共重合体及びこれを用いた成形体、改質剤、並びにエチレン系共重合体の製造方法に関する。
ポリエチレンは汎用プラスチックの一種であり、耐薬品性に優れ、電気絶縁性も高く、また、軽量であることが広く知られている。例えば高密度ポリエチレン(HDPE)は、耐熱性、剛性が高いことから、生活用品や産業材など幅広い用途で用いられている。
しかしながら、高密度ポリエチレンは、その結晶化度の高さゆえ脆く、例えば高速押出等には適さないことが知られており、成形加工の条件には一定の制約が生じていた。
そのため、幅広い成形条件に対応可能なエチレン系樹脂の開発や、高密度ポリエチレン等のポリエチレンの改質について検討がなされてきた。
例えば特許文献1には、所定条件における溶融張力やずり速度等の各種特性を規定することで、高速成形時における成形性を向上させた、エチレンとαオレフィンとの共重合体が開示されている。
また、ポリエチレンやポリプロピレンに改質剤を配合することで、柔軟性を付与し成形性を向上させる技術が知られている。例えば特許文献2には、ポリプロピレンに対して、改質剤としてエチレンとα-オレフィンとの共重合体を配合する技術が開示されている。
特開2004-002903号公報 特開2000-072825号公報
本発明の目的は、成形温度領域を広げることが可能なエチレン系共重合体を提供することである。
本発明者らは、所定の温度領域に2つの融点を有する新規なエチレン系共重合体を重合した。そして、該エチレン系共重合体は従来よりも広い温度領域で成形でき、また、他の熱可塑性樹脂に添加することにより、効率よく成形加工性を改質できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下のエチレン系共重合体等が提供される。
1.エチレンと、少なくとも1種のα-オレフィンとの共重合体であって、示差走査型熱量計(DSC)で測定される融点を、100℃未満である第1の温度領域及び100℃以上である第2の温度領域にそれぞれに有する、エチレン系共重合体。
2.前記第2の温度領域が150℃以下である、1に記載のエチレン系共重合体。
3.前記α-オレフィンの炭素数が16~30である、1又は2に記載のエチレン系共重合体。
4.分子量分布(Mw/Mn)が4以下である、1~3のいずれかに記載のエチレン系共重合体。
5.前記エチレン系共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量が50mol%超である、1~4のいずれかに記載のエチレン系共重合体。
6.前記エチレン系共重合体中のα-オレフィンに基づく単位の含有量が5~50mol%である、1~5のいずれかに記載のエチレン系共重合体。
7.(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物、及び(B)(B-1)該(A)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(B-2)アルミノキサンから選ばれる少なくとも一種類の成分を含有する重合用触媒の存在下、エチレンと、少なくとも1種のα-オレフィンとを共重合させて得られる、1~6のいずれかに記載のエチレン系共重合体。
Figure 2022129821000002
[式中、Mは周期律表第3~10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E及びEはそれぞれ置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基,ホスフィド基,炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A及びAを介して架橋構造を形成しており、又それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E,E又はYと架橋していてもよい。
Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E,E又はXと架橋していてもよく、A及びAは二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-Se-、-NR-、-PR-、-P(O)R-、-BR-又は-AlR-を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~20の炭化水素基又は炭素数1~20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1~5の整数で〔(Mの原子価)-2〕を示し、rは0~3の整数を示す。]
8.1~7のいずれかに記載のエチレン系共重合体を含む成形体。
9.1~7のいずれかに記載のエチレン系共重合体からなる樹脂成形用の改質剤。
10.(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物、及び(B)(B-1)該(A)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(B-2)アルミノキサンから選ばれる少なくとも一種類の成分を含有する重合用触媒の存在下、エチレンと、少なくとも1種のα-オレフィンとを共重合させる、エチレン系共重合体の製造方法。
Figure 2022129821000003
[式中、Mは周期律表第3~10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E及びEはそれぞれ置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基,ホスフィド基,炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A及びAを介して架橋構造を形成しており、又それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E,E又はYと架橋していてもよい。
Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E,E又はXと架橋していてもよく、A及びAは二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-Se-、-NR-、-PR-、-P(O)R-、-BR-又は-AlR-を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~20の炭化水素基又は炭素数1~20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1~5の整数で〔(Mの原子価)-2〕を示し、rは0~3の整数を示す。]
本発明によれば、成形温度領域を広げることが可能なエチレン系共重合体を提供できる。
実施例1で得られた共重合体のDSC測定で得られた融解吸熱カーブである。 実施例2で得られた共重合体のDSC測定で得られた融解吸熱カーブである。 実施例3で得られた共重合体のDSC測定で得られた融解吸熱カーブである。 比較例1で得られた共重合体のDSC測定で得られた融解吸熱カーブである。
以下、本明細書において、「x~y」は「x以上、y以下」の数値範囲を表すものとする。一の技術的事項に関して、「x以上」等の下限値が複数存在する場合、又は「y以下」等の上限値が複数存在する場合、当該上限値及び下限値から任意に選択して組み合わせることができるものとする。
[エチレン系共重合体]
本発明の一実施形態に係るエチレン系共重合体は、エチレンと、少なくとも1種のα-オレフィンとの共重合体であって、示差走査型熱量計(DSC)で測定される融点を、100℃未満である第1の温度領域及び100℃以上である第2の温度領域にそれぞれに有する。融点は、DSC測定で得られる融解吸熱カーブ(DSC曲線)において、第1の温度領域(100℃未満)にある最大ピークのトップの温度と、第2の温度領域(100℃以上)にある最大ピークのトップの温度とする。尚、DSC測定の詳細は、実施例に記載する。また、ピークは、DSC曲線から算出される融解エンタルピーΔH(ピーク面積)が1J/g以上であるものとする。
エチレン系共重合体は、エチレンに基づく単量体単位を有するエチレン主鎖と、α-オレフィン(コモノマー)に基づく単量体単位を有する側鎖を有する。
エチレン系共重合体について前述したDSC測定を行って得られる融解吸熱カーブ(以下、融解吸熱カーブγと示す)において、第1の温度領域(100℃未満)にピークトップを有するピークP(第1の温度領域の融点)は、側鎖の結晶構造に由来するピークであり、第2の温度領域(100℃以上)にピークトップを有するピークP(第2の温度領域の融点)は、エチレン主鎖の結晶構造に由来するピークである。
本実施形態に係るエチレン系共重合体は、エチレン‐αオレフィン共重合体の一部において示される傾向とは異なり、融解吸熱カーブγにおいて、エチレン主鎖の結晶構造に由来するピークPの、低温側へのシフトや消滅が抑制されており、側鎖結晶構造に由来するピークPとは別に、エチレン主鎖の結晶構造に由来するピークPが、100℃以上の温度領域(第2の温度領域)でピークトップを示す温度域に発現する点に特徴を有する。
このようなピークPを有するエチレン系共重合体は、エチレン主鎖の結晶構造が、ポリエチレンに近い結晶形態を有すると推定される。このため、実施形態に係るエチレン系共重合体は、ポリエチレンとしての性質をある程度保有し、かつ側鎖結晶構造由来の性質も併せ持つ。
本実施形態に係るエチレン系共重合体は、上述した特徴を有することで、幅広い成形条件に対応することが可能となる。
具体的には、前述した融解吸熱カーブγにおいて、エチレン主鎖の結晶構造に由来するピークPを第2の温度領域(100℃以上)に有するため、例えばエチレン系共重合体自体をフィルム成形や高速押出成形する際に、適度な溶融張力が保持される温度域を確保し易い。また、前述した融解吸熱カーブγにおいて、側鎖結晶構造に由来するピークPを、100℃未満の温度領域(第1の温度領域)に有するため、共重合体が適度な柔軟性や流動性を示す温度域を確保し易い。本実施形態に係るエチレン系共重合体は、以上の特性を併せ持つことから、従来エチレン系樹脂において適用が困難であった、高速成形等の成形加工条件でも、良好な成形状態を得ることが可能であり、幅広い成形加工に対応することが可能となる。
また、側鎖結晶構造に由来するピークPを、100℃未満の温度領域(第1の温度領域)に有するため、低温側の広い温度域において、適度な柔軟性、流動性を得られる。このため、従来は成形加工が困難とされてきたより低温の条件下でも、成形加工が可能となるため、成形条件の選択肢をより広く確保することができる。
また、本実施形態に係るエチレン系共重合体は、エチレン系樹脂(例えば高密度ポリエチレン)等と混合することで、改質剤として用いることができる。
エチレン系共重合体は、融解吸熱カーブγにおいて、高温側のピークPで表されるエチレン主鎖の結晶構造を有するため、ポリエチレンに近い特性を示し得る。このため、エチレン系樹脂(例えば高密度ポリエチレン)に対して高い相溶性を示す。例えば改質剤として、エチレン系樹脂(例えば高密度ポリエチレン)との相溶性が低い高級α-オレフィン重合体を用いた場合と比較すると、より大きい改質効果を期待できる。
また、エチレン系共重合体は、前述した融解吸熱カーブγにおいて、側鎖結晶構造に由来するピークPを、100℃未満の温度領域に有するため、エチレン系樹脂に添加したときに、結晶構造が一部融解することにより改質剤として機能し易くなる温度領域を、低温側に広く確保することができる。
実施形態に係るエチレン系共重合体は、以上の特性を併せ持つことから、エチレン系樹脂(例えば高密度ポリエチレン)等に添加して改質剤として用いることで、優れた改質効果を得ることができ、得られる樹脂組成物は、幅広い成形条件での成形が可能となる。
第1の温度領域は、100℃未満であり、80℃以下であってもよく、60℃以下であってもよく、50℃以下であってもよい。
第1の温度領域が上記範囲にあれば、100℃未満のより低温の温度域において、適度な柔軟性、流動性を得ることができ、優れた成形加工性を得られる。
第2の温度領域は100℃以上であり、105℃以上であってもよく、110℃以上であってもよい。また、第2の温度領域は150℃以下であってもよく、130℃以下であってもよい。
第2の温度領域が上記範囲にあれば、適度な溶融張力や靭性を有する温度域を確保することができ、優れた成形加工性を得られる。
本実施形態に係るエチレン系共重合体は、融解吸熱カーブγにおいて、第1の温度領域と第2の温度領域のそれぞれに融点が存在するものであればよく、エチレンとα-オレフィンとのランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。好ましくはランダム共重合体である。
α-オレフィンの炭素数は、14~36であってもよく、16~32であってもよく、16~30であってもよく、18~25であってもよい。
α-オレフィンの炭素数が上記範囲であれば、融解吸熱カーブγにおいて側鎖結晶構造に由来するピークの発現を確認でき、エチレン系共重合体において、側鎖結晶構造由来の性質を得られ易い。
一実施形態において、エチレン系共重合体はコモノマーとして、一種類のα-オレフィンを用いてもよく、二種以上のα-オレフィンを用いていてもよい。二種以上のα-オレフィンを用いる場合、少なくとも一種のα-オレフィンは、炭素数が14~36であることが好ましい。
側鎖結晶構造由来の性質を良好に得る観点から、エチレン系共重合体に含まれるα‐オレフィンの全量に対して、炭素数14~36のα‐オレフィンの含有割合が、モル比率で80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%であることがより好ましい。
α-オレフィンとしては、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-ウンデセン、1-トリデセン、1-ペンタデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、1-ドコセン、1-テトラコセン、1-ヘキサコセン、1-オクタコセン、1-トリアコンテン、1-ドトリアコンテン、1-テトラトリアコンテン、1-ヘキサトリアコンテン、1-オクタトリアコンテン及び1-テトラコンテン等が挙げられる。
α-オレフィンとしては、これらを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のエチレン系共重合体は、本発明の効果を得られる範囲内において、コモノマーとして、プロピレン、1-ペンテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン等を使用してもよい。
エチレン系共重合体中のα-オレフィンに基づく単位の含有量(以下、単にα-オレフィンの含有量と示す)は、モル比率で5~50mol%であってもよく、5~30mol%であってもよく、5~15mol%であってもよい。
ただし、エチレン系共重合体を構成する単量体単位の総量を100mol%とする。
α-オレフィンの含有量が5mol%以上であれば、融解吸熱カーブγにおいて、側鎖結晶構造に由来するピークPの発現を確認でき、側鎖結晶構造由来の性質を得られ易い。
また、α-オレフィンの含有量が50mol%以下であれば、融解吸熱カーブγにおいて、エチレン主鎖の結晶構造に由来するピークPの発現を確認でき、エチレン主鎖の結晶構造由来の性質を得られ易い。
同様の理由から、エチレン系共重合体中のα-オレフィンに基づく単位の含有量は、重量比率で25~50質量%であってもよく、30~45質量%であってもよい。
ただし、エチレン系共重合体を構成する単量体単位の総量を100質量%とする。
エチレン系共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量(以下、単にエチレンの含有量と示す)は、モル比率で50mol%超であってもよく、50mol%超95mol%以下であってもよく、75mol%以上95mol%以下であってもよく、85mol%以上95mol%以下であってもよい。
ただし、エチレン系共重合体を構成する単量体単位の総量を100mol%とする。
エチレンの含有量が50mol%以上であれば、融解吸熱カーブγにおいて、エチレン主鎖の結晶構造に由来するピークPの発現を確認でき、エチレン主鎖由来の性質を得られ易い。
また、エチレンの含有量が95mol%以下であれば、融解吸熱カーブγにおいて、側鎖結晶構造に由来するピークPの発現を確認でき、側鎖結晶構造由来の性質を得られ易い。
同様の理由から、エチレン系共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、重量比率で50~75質量%であってもよく、55~70質量%であってもよい。
ただし、エチレン系共重合体を構成する単量体単位の総量を100質量%とする。
エチレン系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、10,000~100,000であってもよく、20,000~80,000であってもよく、30,000~50,000であってもよい。
重量平均分子量(Mw)が10,000以上であれば、適度な溶融張力を得やすく、優れた成形加工性を得られる。
重量平均分子量(Mw)が100,000以下であれば、適度な柔軟性、流動性を得やすく、優れた成形加工性を得られる。
エチレン系共重合体の各分子量は、後述する実施例に記載するようにGPCにより測定する。
エチレン系共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、4以下であってもよく、3以下であってもよく、2.5以下であってもよい。また、分子量分布(Mw/Mn)は、0を超えていてもよく、0.5以上であってもよい。
分子量分布(Mw/Mn)が4以下であれば、エチレン系共重合体自体にべたつきが生じ難く、優れた成形加工性を得られ易い。
エチレン系共重合体の各分子量は、後述する実施例に記載するようにGPCにより測定する。
[エチレン系重合体の製造方法]
本実施形態に係るエチレン系共重合体は、例えば以下に示すメタロセン系触媒を用いて製造することができ、C対称及び、C対称の遷移金属化合物を用いることが好ましい。
一実施形態において、メタロセン触媒としては、メソ型の錯体化合物であるメタロセン触媒を用いる。なお、メソ型の化合物とは、一般に認知されているように、化合物内にキラル中心を有するが、当該化合物内に対称面を有するためにキラリティーを示さない化合物をいう。
該実施形態において、メソ型のメタロセン触媒としては、少なくとも二つの環状基を有し、且つ当該二つの環状基の間の位置に金属元素を有するものを用いることが好ましい。この場合において、メソ型のメタロセン触媒としては、前述した二つの環状基の間の領域において、金属元素を通る対称面を有することが好ましい。
即ち、本実施形態に係るエチレン系共重合体の製造方法は、(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物、及び(B)(B-1)該(A)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(B-2)アルミノキサンから選ばれる少なくとも一種類の成分を含有する重合用触媒の存在下、エチレンと、少なくとも1種のα-オレフィンとを共重合させる方法である。
Figure 2022129821000004
[式(I)中、Mは周期律表第3~10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E及びEはそれぞれ置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基,ホスフィド基,炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A及びAを介して架橋構造を形成しており、又それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E,E又はYと架橋していてもよい。Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E,E又はXと架橋していてもよく、A及びAは二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-Se-、-NR-、-PR-、-P(O)R-、-BR-又は-AlR-を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~20の炭化水素基又は炭素数1~20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1~5の整数で〔(Mの原子価)-2〕を示し、rは0~3の整数を示す。]
上記一般式(I)において、Mは周期律表第3~10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、具体例としてはチタン,ジルコニウム,ハフニウム,イットリウム,バナジウム,クロム,マンガン,ニッケル,コバルト,パラジウム及びランタノイド系金属などが挙げられるが、これらの中ではオレフィン共重合活性などの点からチタン,ジルコニウム及びハフニウムが好適である。
及びEはそれぞれ、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基(-N<),ホスフィン基(-P<),炭化水素基〔>CR-,>C<〕及び珪素含有基〔>SiR-,>Si<〕(但し、Rは水素又は炭素数1~20の炭化水素基あるいはヘテロ原子含有基である)の中から選ばれた配位子を示し、A及びAを介して架橋構造を形成している。
また、E及びEは互いに同一でも異なっていてもよい。
このE及びEとしては、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基及び置換インデニル基が好ましい。
また、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E,E又はYと架橋していてもよい。
該Xの具体例としては、ハロゲン原子,炭素数1~20の炭化水素基,炭素数1~20のアルコキシ基,炭素数6~20のアリールオキシ基,炭素数1~20のアミド基,炭素数1~20の珪素含有基,炭素数1~20のホスフィド基,炭素数1~20のスルフィド基,炭素数1~20のアシル基などが挙げられる。
一方、Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のYやE,E又はXと架橋していてもよい。
該Yのルイス塩基の具体例としては、アミン類,エーテル類,ホスフィン類,チオエーテル類などを挙げることができる。
次に、A及びAは二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-Se-、-NR-、-PR-、-P(O)R-、-BR-又は-AlR-を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
このような架橋基としては、例えば、一般式
Figure 2022129821000005
(Dは炭素、ケイ素又はスズ、R及びRはそれぞれ水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基で、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、又互いに結合して環構造を形成していてもよい。eは1~4の整数を示す。)で表されるものが挙げられ、その具体例としては、メチレン基,エチレン基,エチリデン基,プロピリデン基,イソプロピリデン基,シクロヘキシリデン基,1,2-シクロヘキシレン基,ビニリデン基(CH=C=),ジメチルシリレン基,ジフェニルシリレン基,メチルフェニルシリレン基,ジメチルゲルミレン基,ジメチルスタニレン基,テトラメチルジシリレン基,ジフェニルジシリレン基などを挙げることができる。
これらの中で、エチレン基,テトラメチルジシリレン基及びジメチルシリレン基が好適である。
qは1~5の整数で〔(Mの原子価)-2〕を示し、rは0~3の整数を示す。
このような一般式(I)で表される遷移金属化合物の中では、一般式(II)
Figure 2022129821000006
で表される二重架橋型ビスシクロペンタジエニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物が好ましい。
上記一般式(II)において、M,A,A,q及びrは、一般式(I)と同じである。
はσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX又はYと架橋していてもよい。
このXの具体例としては、一般式(I)のXの説明で例示したものと同じものを挙げることができる。
はルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY又はXと架橋していてもよい。
このYの具体例としては、一般式(I)のYの説明で例示したものと同じものを挙げることができる。
~Rはそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1~20の炭化水素基,炭素数1~20のハロゲン含有炭化水素基,珪素含有基又はヘテロ原子含有基を示すが、その少なくとも一つは水素原子でないことが必要である。
また、R~Rは互いに同一でも異なっていてもよく、隣接する基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。
なかでも、RとRは環を形成していること及びRとRは環を形成していることが好ましい。
この二重架橋型ビスシクロペンタジエニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物は、配位子間の架橋基にケイ素を含むものが好ましい。
一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体例としては、(1,2’-エチレン)(2,1’-エチレン)-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-メチレン)(2,1’-メチレン)-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-イソプロピリデン)(2,1’-イソプロピリデン)-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-エチレン)-ビス(3-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-エチレン)-ビス(4,5-ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-エチレン)-ビス(4-イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-エチレン)-ビス(5,6-ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-エチレン)-ビス(4,7-ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-エチレン)-ビス(4-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-エチレン)-ビス(3-メチル-4-イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-エチレン)-ビス(5,6-ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-イソプロピリデン)-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-メチレン)(2,1’-エチレン)-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-メチレン)(2,1’-イソプロピリデン)-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(3-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(3-n-ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(3-i-プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(3-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(4,5-ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(4-イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(5,6-ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(4,7-ジ-i-プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(4-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(3-メチル-4-i-プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(5,6-ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-イソプロピリデン)-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-イソプロピリデン)-ビス(3-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-イソプロピリデン)-ビス(3-i-プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-イソプロピリデン)-ビス(3-n-ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-イソプロピリデン)-ビス(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-イソプロピリデン)-ビス(3-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-イソプロピリデン)-ビス(3-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-メチレン)-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-メチレン)-ビス(3-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-メチレン)-ビス(3-i-プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-メチレン)-ビス(3-n-ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-メチレン)-ビス(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-メチレン)-ビス(3-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジフェニルシリレン)(2,1’-メチレン)-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジフェニルシリレン)(2,1’-メチレン)-ビス(3-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジフェニルシリレン)(2,1’-メチレン)-ビス(3-i-プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジフェニルシリレン)(2,1’-メチレン)-ビス(3-n-ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジフェニルシリレン)(2,1’-メチレン)-ビス(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジフェニルシリレン)(2,1’-メチレン)-ビス(3-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)(3-メチルシクロペンタジエニル)(3’-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-イソプロピリデン)(3-メチルシクロペンタジエニル)(3’-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-エチレン)(3-メチルシクロペンタジエニル)(3’-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-メチレン)(3-メチルシクロペンタジエニル)(3’-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-イソプロピリデン)(3-メチルシクロペンタジエニル)(3’-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-メチレン)(2,1’-メチレン)(3-メチルシクロペンタジエニル)(3’-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-メチレン)(2,1’-イソプロピリデン)(3-メチルシクロペンタジエニル)(3’-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-イソプロピリデン)(2,1’-イソプロピリデン)(3-メチルシクロペンタジエニル)(3’-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)(3,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-イソプロピリデン)(3,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-エチレン)(3,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-メチレン)(3,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-イソプロピリデン)(3,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-メチレン)(2,1’-メチレン)(3,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-メチレン)(2,1’-イソプロピリデン)(3,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-イソプロピリデン)(2,1’-イソプロピリデン)(3,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)(3-メチル-5-エチルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)(3-メチル-5-エチルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)(3-メチル-5-イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)(3-メチル-5-n-ブチルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)(3-メチル-5-フェニルシクロペンジエニル)(3’-メチル-5’-フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-イソプロピリデン)(3-メチル-5-エチルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-イソプロピリデン)(3-メチル-5-i-プロピルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-i-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-イソプロピリデン)(3-メチル-5-n-ブチルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-イソプロピリデン)(3-メチル-5-フェニルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-フェニルシクロペンジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-エチレン)(3-メチル-5-エチルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-エチレン)(3-メチル-5-i-プロピルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-i-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-エチレン)(3-メチル-5-n-ブチルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-エチレン)(3-メチル-5-フェニルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-メチレン)(3-メチル-5-エチルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-エチルシクロペンジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-メチレン)(3-メチル-5-i-プロピルシクロペ
ンタジエニル)(3’-メチル-5’-i-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-メチレン)(3-メチル-5-n-ブチルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-メチレン)(3-メチル-5-フェニルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-メチレン)(3-メチル-5-i-プロピルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-i-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-エチレン)(2,1’-イソプロピリデン)(3-メチル-5-i-プロピルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-i-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-メチレン)(2,1’-メチレン)(3-メチル-5-i-プロピルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-i-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’-メチレン)(2,1’-イソプロピリデン)(3-メチル-5-i-プロピルシクロペンタジエニル)(3’-メチル-5’-i-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビス(3-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビス(3-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビス(3-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビス(3-ベンジルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビス(3-ネオペンチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビス(3-フェネチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジフェニルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジイソプロピルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジイソプロピルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジフェニルシリレンインデニル)(2,2’-ジフェニルシリレン)ビス(3-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジフェニルシリレンインデニル)(2,2’-ジメチルシリレン)ビス(3-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジフェニルシリレン)(2,2’-ジフェニルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジフェニルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジフェニルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジイソプロピルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジイソプロピルシリレン)(2,2’-ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジフェニルシリレン)(2,2’-ジフェニルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジフェニルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジフェニルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジイソプロピルシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジイソプロピルシリレン)(2,2’-ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-テトラメチルジシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-テトラメチルジシリレン)ビス(3-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-テトラメチルジシリレン)ビス(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-エチレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-エチレン)ビス(3-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-ジメチルシリレン)(2,2’-エチレン)ビス(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-テトラメチルジシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-テトラメチルジシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビス(3-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-テトラメチルジシリレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビス(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-エチレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-エチレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビス(3-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’-エチレン)(2,2’-ジメチルシリレン)ビス(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1‘-エチレン)(2,2’-テトラメチルジシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1‘-エチレン)(2,2’-テトラメチルジシリレン)ビス(3-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1‘-エチレン)(2,2’-テトラメチルジシリレン)ビス(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドなど及びこれらの化合物におけるジルコニウムをチタン又はハフニウムに置換したものを挙げることができる。 また、他の族又はランタノイド系列の金属元素の類似化合物であってもよい。
また、上記化合物において、(1,1’-)(2,2’-)が(1,2’-)(2,1’-)であってもよく、(1,2’-)(2,1’-)が(1,1’-)(2,2’-)であってもよい。
次に、(B)成分のうちの(B-1)成分としては、上記(A)成分の遷移金属化合物と反応して、イオン性の錯体を形成しうる化合物であれば、いずれのものでも使用できるが、次の一般式(III),(IV)
(〔L-R10k+(〔Z〕 ・・・(III)
(〔Lk+(〔Z〕 ・・・(IV)
(ただし、LはM、R1112、R13 C又はR14である。)
[(III),(IV)式中、Lはルイス塩基、〔Z〕は、非配位性アニオン〔Z及び〔Z、ここで〔Zは複数の基が元素に結合したアニオン、即ち〔M・・・G(ここで、Mは周期律表第5~15族元素、好ましくは周期律表第13~15族元素を示す。G~Gはそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1~20のアルキル基,炭素数2~40のジアルキルアミノ基,炭素数1~20のアルコキシ基,炭素数6~20のアリール基,炭素数6~20のアリールオキシ基,炭素数7~40のアルキルアリール基,炭素数7~40のアリールアルキル基,炭素数1~20のハロゲン置換炭化水素基,炭素数1~20のアシルオキシ基,有機メタロイド基、又は炭素数2~20のヘテロ原子含有炭化水素基を示す。G~Gのうち2つ以上が環を形成していてもよい。fは〔(中心金属M1の原子価)+1〕の整数を示す。)、〔Zは、酸解離定数の逆数の対数(pKa)が-10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合わせの共役塩基、あるいは一般的に超強酸と定義される酸の共役塩基を示す。また、ルイス塩基が配位していてもよい。また、R10は水素原子,炭素数1~20のアルキル基,炭素数6~20のアリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示し、R11及びR12はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、R13は炭素数1~20のアルキル基,アリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。R14はテトラフェニルポルフィリン,フタロシアニンなどの大環状配位子を示す。kは〔L-R10〕,〔L〕のイオン価数で1~3の整数、aは1以上の整数、b=(k×a)である。Mは、周期律表第1~3、11~13、17族元素を含むものであり、Mは、周期律表第7~12族元素を示す。]で表されるものを好適に使用することができる。
ここで、Lの具体例としては、アンモニア,メチルアミン,アニリン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,N-メチルアニリン,ジフェニルアミン,N,N-ジメチルアニリン,トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリ-n-ブチルアミン,メチルジフェニルアミン,ピリジン,p-ブロモ-N,N-ジメチルアニリン,p-ニトロ-N,N-ジメチルアニリンなどのアミン類、トリエチルホスフィン,トリフェニルホスフィン,ジフェニルホスフィンなどのホスフィン類、テトラヒドロチオフェンなどのチオエーテル類、安息香酸エチルなどのエステル類、アセトニトリル,ベンゾニトリルなどのニトリル類などを挙げることができる。
10の具体例としては水素,メチル基,エチル基,ベンジル基,トリチル基などを挙げることができ、R11,R12の具体例としては、シクロペンタジエニル基,メチルシクロペンタジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基などを挙げることができる。
13の具体例としては、フェニル基,p-トリル基,p-メトキシフェニル基などを挙げることができ、R14の具体例としてはテトラフェニルポルフィリン,フタロシアニン,アリル,メタリルなどを挙げることができる。
また、Mの具体例としては、Li,Na,K,Ag,Cu,Br,I,Iなどを挙げることができ、Mの具体例としては、Mn,Fe,Co,Ni,Znなどを挙げることができる。
また、〔Z、即ち〔M・・・G〕において、Mの具体例としてはB,Al,Si,P,As,Sbなど、好ましくはB及びAlが挙げられる。
また、G,G~Gの具体例としては、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基など、アルコキシ基若しくはアリールオキシ基としてメトキシ基,エトキシ基,n-ブトキシ基,フェノキシ基など、炭化水素基としてメチル基,エチル基,n-プロピル基,イソプロピル基,n-ブチル基,イソブチル基,n-オクチル基,n-エイコシル基,フェニル基,p-トリル基,ベンジル基,4-t-ブチルフェニル基,3,5-ジメチルフェニル基など、ハロゲン原子としてフッ素,塩素,臭素,ヨウ素,ヘテロ原子含有炭化水素基としてp-フルオロフェニル基,3,5-ジフルオロフェニル基,ペンタクロロフェニル基,3,4,5-トリフルオロフェニル基,ペンタフルオロフェニル基,3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基,ビス(トリメチルシリル)メチル基など、有機メタロイド基としてペンタメチルアンチモン基、トリメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニル硼素などが挙げられる。
また、非配位性のアニオン、即ちpKaが-10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合わせの共役塩基〔Z〕-の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CFSO,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)ベンジルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド,過塩素酸アニオン(ClO,トリフルオロ酢酸アニオン(CFCO,ヘキサフルオロアンチモンアニオン(SbF)-,フルオロスルホン酸アニオン(FSO)-,クロロスルホン酸アニオン(ClSO,フルオロスルホン酸アニオン/5-フッ化アンチモン(FSO/SbF)-,フルオロスルホン酸アニオン/5-フッ化砒素(FSO/AsF)-,トリフルオロメタンスルホン酸/5-フッ化アンチモン(CFSO/SbFなどを挙げることができる。
このような前記(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成するイオン性化合物、即ち(B-1)成分化合物の具体例としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ-n-ブチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸メチル(トリ-n-ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ-n-ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム,テトラフェニル硼酸ベンジルピリジニウム,テトラフェニル硼酸メチル(2-シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ-n-ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ-n-ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(トリ-n-ブチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(2-シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(2-シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(4-シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム,テトラキス〔ビス(3,5-ジトリフルオロメチル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラフェニル硼酸銀、テトラフェニル硼酸トリチル,テトラフェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’-ジメチルフェロセニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン,テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオロ燐酸銀,ヘキサフルオロ砒素酸銀,過塩素酸銀,トリフルオロ酢酸銀,トリフルオロメタンスルホン酸銀などを挙げることができる。
(B-1)は一種用いてもよく、又二種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、(B-2)成分のアルミノキサンとしては、一般式(V)
Figure 2022129821000007
(式中、R15は炭素数1~20、好ましくは1~12のアルキル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基などの炭化水素基あるいはハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示し、通常2~50、好ましくは2~40の整数である。尚、各R15は同じでも異なっていてもよい。)で示される鎖状アルミノキサン、及び一般式(VI)
Figure 2022129821000008
(式中、R15及びwは前記一般式(V)におけるものと同じである。)
で示される環状アルミノキサンを挙げることができる。
前記アルミノキサンの製造法としては、アルキルアルミニウムと水などの縮合剤とを接触させる方法が挙げられるが、その手段については特に限定はなく、公知の方法に準じて反応させればよい。
例えば、(a)有機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これを水と接触させる方法、(b)重合時に当初有機アルミニウム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、(c)金属塩などに含有されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、(d)テトラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反応させ、更に水を反応させる方法などがある。
尚、アルミノキサンとしては、トルエン不溶性のものであってもよい。
これらのアルミノキサンは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)触媒成分と(B)触媒成分との使用割合は、(B)触媒成分として(B-1)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは10:1~1:100、より好ましくは2:1~1:10の範囲が望ましく、上記範囲にあれば、単位質量ポリマー当りの触媒コストがあまり高くならず、実用的である。
また、(B-2)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは1:1~1:1000000、より好ましくは1:10~1:10000の範囲が望ましい。
この範囲にあれば、単位質量ポリマー当りの触媒コストがあまり高くならず、実用的である。
また、触媒成分(B)としては(B-1),(B-2)を単独又は二種以上組み合わせて用いることもできる。
また、実施形態に係るエチレン系共重合体を製造する際の重合用触媒は、上記(A)成分及び(B)成分に加えて(C)成分として有機アルミニウム化合物を用いることができる。
ここで、(C)成分の有機アルミニウム化合物としては、一般式(VII)
16 AlJ3-v ・・・(VII)
〔式中、R16は炭素数1~10のアルキル基、Jは水素原子、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1~3の整数である〕で示される化合物が用いられる。
前記一般式(VII)で示される化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,メチルアルミニウムジクロリド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウムヒドリド,エチルアルミニウムセスキクロリドなどが挙げられる。
これらの有機アルミニウム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
前記(A)触媒成分と(C)触媒成分との使用割合は、モル比で好ましくは1:1~1:10000、より好ましくは1:5~1:2000、更に好ましくは1:10~1:1000の範囲が望ましい。
該(C)触媒成分を用いることにより、遷移金属当たりの共重合活性を向上させることができるが、あまり多いと有機アルミニウム化合物が無駄になると共に、共重合体中に多量に残存し、好ましくない。
本実施形態のエチレン系共重合体の製造においては、触媒成分の少なくとも一種を適当な担体に担持して用いることができる。
該担体の種類については特に制限はなく、無機酸化物担体、それ以外の無機担体及び有機担体のいずれも用いることができるが、特に無機酸化物担体あるいはそれ以外の無機担体が好ましい。
本実施形態のエチレン系共重合体において、共重合方法は特に制限されず、スラリー重合法,気相重合法,塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法などのいずれの方法を用いてもよいが、スラリー重合法,気相重合法が特に好ましい。
共重合条件については、共重合温度は通常-100~250℃、好ましくは-50~200℃、より好ましくは0~130℃である。
共重合時間は通常5分~10時間、反応圧力は好ましくは常圧~20MPa(gauge)、更に好ましくは常圧~10MPa(gauge)である。
本実施形態に係るエチレン系共重合体の製造方法において、水素を添加すると共重合活性が向上するので好ましい。
水素を用いる場合は、通常、常圧~5MPa(gauge)、好ましくは常圧~3MPa(gauge)、更に好ましくは常圧~2MPa(gauge)である。
共重合溶媒を用いる場合、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタンなどの脂肪族炭化水素、クロロホルム,ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素などを用いることができる。
これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上のものを組み合わせてもよい。
また、α-オレフィンなどのモノマーを溶媒として用いてもよい。
尚、共重合方法によっては無溶媒で行うことができる。
本実施形態に係るエチレン系共重合体は、前述したように、第1の温度領域と第2の温度領域に、少なくとも一つずつ融点を有するため、従来は適用が困難であった、高速押出成形等の加工方法を適用したときに、適度な流動性、柔軟性を示し、かつ適度な溶融張力を示し得ることから、当該成形方法を好適に採用し得る。
上述した特性を生かし得る成形方法の例としては、例えば、押出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形、射出成形、発泡成形などの公知の成形方法等が挙げられる。
実施形態に係るエチレン系重合体を成形加工して得られた成形体は、当該エチレン系重合体が、融解吸熱カーブγの第1の温度領域と第2の温度領域に、それぞれ少なくとも一つずつ、融点を示すピークトップを有することから、適度な靭性及び耐熱性を有する。
本実施形態に係るエチレン系共重合体は、例えばフィルム、シート、容器、パイプ、チューブ等の成形品、発泡成形品、不織布、繊維等の材料として好適に用いることができる。
一実施形態において、本発明のエチレン系共重合体は、樹脂成形用の改質剤として使用し得る。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は、上述した本発明のエチレン系共重合体と樹脂成分とを含む。
樹脂組成物に含まれる本発明のエチレン系共重合体は、樹脂成形用の改質剤として使用し得る。
エチレン系共重合体と混合する樹脂成分としては、例えば例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂が挙げられる。
これらの中でも、本発明の実施形態に係るエチレン系共重合体は、高密度ポリエチレンの改質剤として好適に用いることができる。
また、エチレン系共重合体と混合する樹脂成分としては、前述したポリエチレン系樹脂に限られない。
例えば、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、スチレン-ブタジエンゴム、エチレン-オレフィンゴム、α-オレフィン-芳香族ビニル化合物共重合体、環状オレフィン-芳香族ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル等と本発明の実施形態に係るエチレン系共重合体とを混合して樹脂組成物とすることも可能である。
前述した樹脂成分(i)と本発明のエチレン系重合体(ii)との混合比率は特に限定されないが、通常、樹脂成分(i)5~70重量%、本発明のエチレン系重合体(ii)95~30重量%の範囲であり、目的とする用途、要求物性に応じて任意に変えることができる。
樹脂組成物には、必要に応じて炭酸カルシウム、マイカ、タルク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフェライト、ベントナイト、セリサナイト、ゼオライト、ネフェリンシナイト、アタパルジャイト、ウォラストナイト、フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石こう、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン、石英、石英ガラスなどの無機充填剤や有機,無機顔料を配合することもできる。また、結晶核剤、透明化剤、離型剤、帯電防止剤、スリップ剤、滑剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、発泡剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤等を必要に応じて添加してもよい。さらに、実施形態に係る樹脂組成物を他の樹脂へブレンドすることも可能である。この場合、第3成分として本樹脂組成物と他の樹脂との相溶化剤を併用することも可能である。
樹脂組成物は、通常用いられている方法により樹脂成分とエチレン系共重合体とをブレンドすることにより得られるが、ニーダー、ロール、バンバリミキサー、押出機等を用いて溶融ブレンドにより製造することが好ましい。
実施形態に係る樹脂組成物は、本発明のエチレン系共重合体を改質剤として用いることで、樹脂成分と改質剤との相溶性に優れるため、樹脂成分(例えば高密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂)が元々有する特性を喪失させることなく、改質剤により優れた改質効果を得られる。このため、樹脂組成物は適度な流動性が付与されており、成形加工性に優れる。
実施形態に係る樹脂組成物は、押出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形、射出成形又は発泡成形等の公知の成形法により成形することができる。
一実施形態に係る成形体は、実施形態に係る樹脂組成物を成形加工することにより得られる。このようにして得られた成形体は、樹脂成分(例えば高密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂)が元々有する特性を保持することができ、また、適度な靭性及び耐熱性を有する。
実施形態に係る樹脂組成物は、例えばフィルム、シート、容器、パイプ、チューブ等の成形品、発泡成形品、不織布、繊維等の材料として好適に用いることができる。
合成例1
[錯体A:(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)-ビス(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド]
特許第4053993号公報の参考例1の記載に従って、下記錯体Aを合成した。
Figure 2022129821000009
合成例2
[錯体B:(1,1’-エチレン)(2,2’-テトラメチルジシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロライド]
特許第6263125号公報の合成例1の記載に従って、下記錯体Bを合成した。
Figure 2022129821000010
実施例1(エチレン/1-オクタデセン共重合体(1)の製造)
加熱乾燥した容量が1Lのオートクレーブを室温付近まで冷却し、窒素雰囲気下でヘプタン(350mL)、1-オクタデセン(出光興産株式会社製、製品名:リニアレン18)50mLを導入し、オートクレーブ内温度を40℃付近に昇温し、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(2mol/L)を0.4mL(0.8mmol)、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのヘプタンスラリー(20μmol/mL)を0.2mL(4.0μmol)、及び錯体Aのトルエン溶液(20μmol/mL)を0.10mL(2.0μmol)を加え、更に水素0.05MPaを導入した。
次いで、混合物を撹拌しながら昇温とエチレンの張り込みを行って、オートクレーブ内の全圧(水素とエチレンの混合気体)を0.35MPaまで昇圧し、エチレンの導入により全圧を0.35MPaに維持しながら、温度80℃で60分間重合した。
重合反応終了後、クレーブ内を冷却しながらエチレン、及び水素を脱圧し、メタノール(400mL)を収容した容器中に重合液を投入して撹拌し、固形分をろ紙を用いて液状物と分離し、窒素気流下80℃で一晩乾燥させることにより、エチレン/1-オクタデセン重合体(1)74gを得た。
実施例2(エチレン/1-オクタデセン共重合体(2)の製造)
実施例1において、ヘプタンを300mLに変更し、リニアレン18の量を100mLに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、エチレン/1-オクタデセン重合体(2)110gを得た。
実施例3(エチレン/1-オクタデセン/1-エイコセン/1-ドコセン/1-テトラコセン共重合体(3)の製造)
実施例1において、錯体Aを錯体Bに変更し、リニアレン18をリニアレン2024(1-オクタデセン/1-エイコセン/1-ドコセン/1-テトラコセン混合物)に変更し、オートクレーブ内の水素の分圧を0.05MPa、全圧(水素とエチレンの混合気体)を0.5MPaとした以外は実施例1と同様の操作を行い、エチレン/1-オクタデセン/1-エイコセン/1-ドコセン/1-テトラコセン共重合体(3)を59g得た。
比較例1(エチレン/1-デセン共重合体(4)の製造)
実施例1において、リニアレン18をリニアレン10(1-デセン)に変更し、オートクレーブ内の水素の分圧を0.3MPa、全圧(水素とエチレンの混合気体)を0.85MPaとした以外は実施例1と同様の操作を行い、エチレン/1-デセン重合体(4)64gを得た。
実施例1~3、比較例1の各共重合体について、下記項目の測定を行った。
評価結果を、エチレンとα-オレフィン(コモノマー)との重合比率(mol比率及び重量比率)と併せて表1に示す。
[融点Tm及び融解エンタルピーΔH(DSC測定)]
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、商品名:DSC-7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下にて30℃から320℃/分で-75℃に冷却後、-75℃で15分間保持し、その後150℃まで10℃/分で昇温させ、5分間保持した。その後、10℃/分で150℃から-40℃に冷却し、次いで320℃/分で-75℃まで冷却して、-75℃で15分保持した。そこから再度10℃/分で150℃まで昇温することにより得られた2回目の昇温の融解吸熱カーブを得た。
この融解吸熱カーブを、100℃未満の領域(第1の温度領域)と100℃以上の領域(第2の温度領域)とに分割し、それぞれの領域において、ピークトップが最も高い値を示すピークを、それぞれピークP、Pとし、各ピークP、Pのピークトップの値を融点Tm1、Tm2とした。また、各ピークP、Pの融解エンタルピーΔHをそれぞれ測定した。
実施例1~3、比較例1で得られた各共重合体のDSC測定で得られた融解吸熱カーブを、それぞれ図1~4に示す。
なお、図1~4において、ピークPをpeak1と示し、ピークPをpeak2と示す。
図1に示す実施例1の融解吸熱曲線において、第1の温度領域のピークPは、補外開始点11.15℃、終了点28.54℃として決定した。ピークPのピーク面積は37.670J/gであった。
図1に示す実施例1の融解吸熱曲線において、第2の温度領域のピークPは、補外開始点116.20℃、終了点123.19℃として決定した。ピークPのピーク面積は44.193J/gであった。
図2に示す実施例2の融解吸熱曲線において、第1の温度領域のピークPは、補外開始点15.84℃、終了点29.91℃として決定した。ピークPのピーク面積は55.403J/gであった。
図2に示す実施例2の融解吸熱曲線において、第2の温度領域のピークPは、補外開始点114.80℃、終了点123.63℃として決定した。ピークPのピーク面積は25.000J/gであった。
図3に示す実施例3の融解吸熱曲線において、第1の温度領域のピークPは、補外開始点26.29℃、終了点37.71℃として決定した。ピークPのピーク面積は42.915J/gであった。
図3に示す実施例3の融解吸熱曲線において、第2の温度領域のピークPは、補外開始点121.15℃、終了点126.47℃として決定した。ピークPのピーク面積は57.7691J/gであった。
図4に示す比較例1の融解吸熱曲線において、第1の温度領域のピークPは、補外開始点73.13℃、終了点98.21℃として決定した。ピークPのピーク面積は14.759J/gであった。
[重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)(GPC測定)]
ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、いずれもポリスチレン換算分子量であり、具体的には、下記の装置及び条件で測定し、算出した。
<GPC測定装置>
機器 :東ソー株式会社製「HLC8321GPC/HT」
検出器 :RI検出器
カラム :東ソー株式会社製「TOSOH GMHHR-H(S)HT」×2本
<測定条件>
溶媒 :1,2,4-トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0mL/分
試料濃度 :0.5mg/mL
注入量 :300μL
検量線 :PS標準物質を用いて作製した。
分子量換算 :Universal Calibration法を用いて算出した。
解析プログラム:8321GPC-WS
[コモノマー共重合比((mol%)及び(質量%))(NMR測定)]
以下に示す装置および条件で、13C-NMRスペクトルの測定を行った。
装置:ブルカーバイオスピン株式会社製AVANCE III HD
プローブ:BBO 10mmφ試料管対応
方法:プロトン完全デカップリング法
試料管径:10mmφ
試料濃度:220mg/mL
溶媒:1,2,4-トリクロロベンゼンと重ベンゼンの95:5(容量比)混合溶媒
観測範囲:-20~220ppm
観測中心:100ppm
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:1000回
<計算式>
以下に、実施例1、2のエチレン/1-オクタデセン共重合体における、1-オクタデセンに基づく単位の共重合比(C18(mol%)、C18(質量%))及びエチレンに基づく単量体単位の共重合比(C2(mol%)、C2(質量%))の計算式を例に、コモノマー共重合比の算出方法を説明する。
A:38.3ppmに観測されるCHの積分値
B:34.1~36.3ppmに観測されるSαδと側鎖メチレン基(16B16)の積分値
C:32.2ppmに観測される側鎖メチレン基(3B16)の積分値
D:29.0~31.4ppmに観測されるSδδ、Sγδ、側鎖メチレン基(4B16~14B16)の積分値
E:27.3ppmに観測されるSβδと側鎖メチレン基(15B16)の積分値
F:23.9~24.9ppmに観測されるSββの積分値
G:22.9ppmに観測される側鎖メチレン基(2B16)の積分値
H:14.0ppmに観測される側鎖メチル基(1B16)の積分値
ここで、共重合比(mol%)は以下の式から求められる。
C18(mol%)=[C18]=100×H/{(A+B+C+D+E+F+G-H×18)/2+H}
C2(mol%)=[C2]=100×{(A+B+C+D+E+F+G-H×18)/2}/{(A+B+C+D+E+F+G-H×18)/2+H)
共重合比(質量%)は以下の式から求められる。
C18(質量%)=100×[C18]×252/([C18]×252+[C2]×28)
C2(質量%)=100×[C2]×28/([C18]×252+[C2]×28)
Figure 2022129821000011
本発明のエチレン系共重合体は、フィルム成形、高速押出成形により成形されるフィルム、容器、パイプ、チューブ等の成形品、発泡成形品、不織布等の材料に好適に使用される。

Claims (10)

  1. エチレンと、少なくとも1種のα-オレフィンとの共重合体であって、
    示差走査型熱量計(DSC)で測定される融点を、100℃未満である第1の温度領域及び100℃以上である第2の温度領域にそれぞれに有する、エチレン系共重合体。
  2. 前記第2の温度領域が150℃以下である、請求項1に記載のエチレン系共重合体。
  3. 前記α-オレフィンの炭素数が16~30である、請求項1又は2に記載のエチレン系共重合体。
  4. 分子量分布(Mw/Mn)が4以下である、請求項1~3のいずれかに記載のエチレン系共重合体。
  5. 前記エチレン系共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量が50mol%超である、請求項1~4のいずれかに記載のエチレン系共重合体。
  6. 前記エチレン系共重合体中のα-オレフィンに基づく単位の含有量が5~50mol%である、請求項1~5のいずれかに記載のエチレン系共重合体。
  7. (A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物、及び(B)(B-1)該(A)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(B-2)アルミノキサンから選ばれる少なくとも一種類の成分を含有する重合用触媒の存在下、エチレンと、少なくとも1種のα-オレフィンとを共重合させて得られる、請求項1~6のいずれかに記載のエチレン系共重合体。
    Figure 2022129821000012
    [式中、Mは周期律表第3~10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E及びEはそれぞれ置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基,ホスフィド基,炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A及びAを介して架橋構造を形成しており、又それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E,E又はYと架橋していてもよい。
    Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E,E又はXと架橋していてもよく、A及びAは二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-Se-、-NR-、-PR-、-P(O)R-、-BR-又は-AlR-を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~20の炭化水素基又は炭素数1~20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1~5の整数で〔(Mの原子価)-2〕を示し、rは0~3の整数を示す。]
  8. 請求項1~7のいずれかに記載のエチレン系共重合体を含む成形体。
  9. 請求項1~7のいずれかに記載のエチレン系共重合体からなる樹脂成形用の改質剤。
  10. (A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物、及び(B)(B-1)該(A)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(B-2)アルミノキサンから選ばれる少なくとも一種類の成分を含有する重合用触媒の存在下、エチレンと、少なくとも1種のα-オレフィンとを共重合させる、エチレン系共重合体の製造方法。
    Figure 2022129821000013
    [式中、Mは周期律表第3~10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E及びEはそれぞれ置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基,ホスフィド基,炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A及びAを介して架橋構造を形成しており、又それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E,E又はYと架橋していてもよい。
    Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E,E又はXと架橋していてもよく、A及びAは二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-Se-、-NR-、-PR-、-P(O)R-、-BR-又は-AlR-を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~20の炭化水素基又は炭素数1~20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1~5の整数で〔(Mの原子価)-2〕を示し、rは0~3の整数を示す。]
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