JP2022129346A - 短絡故障検出装置および電力変換装置 - Google Patents

短絡故障検出装置および電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 電力変換装置全体の大型化および複雑化を回避しつつ電力変換装置における短絡故障を検出する。【解決手段】 電力変換装置100では、2以上のアームのうちの第1のアーム110および第2のアーム120に短絡故障検出装置50が設けられ、短絡故障検出装置50は、第1のアーム110および負荷に共通に流れる第1の電流が通過する第1の電流路103Pと、第2のアーム120および負荷に共通に流れる第2の電流が通過する第2の電流路103Nの両方の電流路に挿入されたロゴスキーコイル40と、ロゴスキーコイル40から得られる検出信号Vmに基づいて、電力変換装置100のアームまたは負荷の短絡故障を検出する短絡判定回路30と、を具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、短絡故障検出装置および同装置を備えた電力変換装置に関する。
モータ等の負荷を駆動する電力変換装置では、電力変換装置を構成する半導体スイッチング素子に過大電流が流れる場合がある。このような過大電流が長時間に亙って流れると、半導体スイッチング素子が破壊に至る恐れがある。そこで、半導体スイッチング素子に流れる過大電流を検知し、電力変換装置を停止させる短絡故障検出装置が電力変換装置に設けられる。
この種の短絡故障検出装置では、半導体スイッチング素子に流れる電流を検出するために、シャント抵抗、CT(Current Transformer;変流器)、またはロゴスキーコイル等が利用される。その中で、ロゴスキーコイルは、コアがないため、短絡故障検出装置を小型にすることが可能であり、また、大電流の測定が可能であるという利点がある。
特許文献1に開示の技術では、半導体スイッチング素子を各々含む複数のアームを備え、複数のアームを介して負荷に電力を供給する電力変換装置において、複数のアームの各々に対し、ロゴスキーコイルと、ロゴスキーコイルの出力電圧に基づく短絡判定回路を設け、電力変換装置の短絡故障を検出している。
特開2019-216540号公報
上述した特許文献1に開示された技術は、複数のアームの各々に対し、ロゴスキーコイルと短絡判定回路を設けるので、コストが増加し、電力変換装置全体の大型化を招く問題がある。また、SiC等の高速の半導体スイッチング素子を備えた電力変換装置では、負荷短絡時の短絡電流の時間勾配di/dtがμs程度であるのに対し、アーム短絡時の短絡電流の時間勾配di/dtがns程度になるため、負荷短絡およびアーム短絡のそれぞれの検知に最適なロゴスキーコイルの巻き数が大きく異なる。このため、負荷短絡およびアーム短絡のそれぞれの検知を両立させた設計が必要になり、ロゴスキーコイルの大型化と、短絡判定回路の大型化および複雑化を招く問題がある。
この発明は以上に説明した課題に鑑みてなされたものであり、電力変換装置全体の大型化および複雑化を回避しつつ電力変換装置における短絡故障を検出する技術的手段を提供することを目的とする。
この発明の一態様である短絡故障検出装置は、半導体スイッチング素子を各々含む2以上のアームを介して負荷に電力を供給する電力変換装置の短絡故障検出装置において、前記2以上のアームのうちの第1のアームおよび前記負荷に共通に流れる第1の電流が通過する第1の電流路と、前記2以上のアームのうちの第2のアームおよび前記負荷に共通に流れる第2の電流が通過する第2の電流路の両方の電流路に挿入されたロゴスキーコイルを具備し、前記ロゴスキーコイルから得られる検出信号に基づいて、前記電力変換装置のアームまたは前記負荷の短絡故障を検出することを特徴とする。
この発明の他の態様である電力変換装置は、半導体スイッチング素子を各々含む2以上のアームを介して負荷に電力を供給する電力変換装置において、前記2以上のアームのうちの第1のアームおよび第2のアームに短絡故障検出装置が設けられ、前記短絡故障検出装置は、前記第1のアームおよび前記負荷に共通に流れる第1の電流が通過する第1の電流路と、前記第2のアームおよび前記負荷に共通に流れる第2の電流が通過する第2の電流路の両方の電流路に挿入されたロゴスキーコイルと、前記ロゴスキーコイルから得られる検出信号に基づいて、前記電力変換装置のアームまたは前記負荷の短絡故障を検出する短絡判定回路と、を具備することを特徴とする。
この発明によれば、第1のアームおよび第2のアームに設けられたロゴスキーコイルおよび短絡判定回路により短絡故障を検出するので、電力変換装置全体の大型化および複雑化を回避しつつ電力変換装置における短絡故障を検出することができる。
この発明の一実施形態である短絡故障検出装置を備えた電力変換装置の構成を示す回路図である。 同電力変換装置の動作を示す回路図である。 同実施形態の通常ターンオン時の動作を示す波形図である。 同実施形態の通常ターンオン時の動作を示す回路図である。 同実施形態のアーム短絡発生時の動作を示す波形図である。 同実施形態のアーム短絡発生時の動作を示す回路図である。 同実施形態の負荷短絡発生時の動作を示す波形図である。 同実施形態の負荷短絡発生時の動作を示す回路図である。 この発明の他の実施形態である短絡故障検出装置を備えた電力変換装置の構成を示す回路図である。 図1に示す電力変換装置の実装例を示す側面図である。 同実装例の平面図である。 図9に示す電力変換装置の実装例を示す側面図である。 同実装例の平面図である。 図9に示す電力変換装置の他の実装例を示す平面図である。 同実装例の側面図である。 図14および図15の実装例の変形例を示す側面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1はこの発明の一実施形態である短絡故障検出装置50を備えた電力変換装置100の構成を示す回路図である。この電力変換装置100は、インバータ1相分に相当する装置であり、第1のアームである上アーム110と、第2のアームである下アーム120とを有する。ここで、上アーム110および下アーム120は、図示しない電源の正極に接続された高電位電源線101Pおよび同電源の負極に接続された低電位電源線101N間に直列接続されており、その共通接続点が電力変換装置100のAC出力端子102となっている。このAC出力端子102にはモータの巻線等の負荷Zが接続される。なお、電力変換装置100は、複数相分の上アーム110および下アーム120が高電位電源線101Pおよび低電位電源線101N間に並列接続されることでインバータを構成する。
上アーム110は、半導体スイッチング素子Q1とこれに対して逆並列接続されたダイオードD1により構成されている。同様に、下アーム120は、半導体スイッチング素子Q2とこれに対して逆並列接続されたダイオードD2により構成されている。半導体スイッチング素子Q1およびQ2は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor;金属酸化膜半導体構造の電界効果トランジスタ)等のトランジスタであり、炭化ケイ素、窒化ガリウム、酸化ガリウムおよびダイアモンドの少なくとも1つを主材料とするワイドバンドギャップ半導体素子により構成されている。
また、電力変換装置100は、図示しない制御部から供給される上アーム制御信号に基づいて、上アーム110の半導体スイッチング素子Q1をオン/オフ駆動する上アーム用ゲート駆動回路10と、同制御部から供給される下アーム制御信号に基づいて、下アーム120の半導体スイッチング素子Q2をオン/オフ駆動する下アーム用ゲート駆動回路20とを有する。電力変換装置100は、上アーム用ゲート駆動回路10と下アーム用ゲート駆動回路20によりオン/オフ駆動される半導体スイッチング素子Q1およびQ2を含む上アーム110および下アーム120を介して、負荷Zに交流電力を供給する。
図1に示す電力変換装置100において、例えば上アーム110に短絡故障が発生すると、下アーム120がオンになったときに上アーム110および下アーム120の両方にアーム短絡電流が流れる。また、下アーム120に短絡故障が発生すると、上アーム110がオンになったときに上アーム110および下アーム120の両方にアーム短絡電流が流れる。また、電力変換装置100において、負荷Zの短絡故障が発生すると、上アーム110または下アーム120に負荷短絡電流が流れる。
このようなアーム短絡電流または負荷短絡電流が長時間に亙って上アーム110または下アーム120に流れると、上アーム110の半導体スイッチング素子Q1または下アーム120の半導体スイッチング素子Q2が破壊に至る恐れがある。そこで、アーム短絡または負荷短絡の発生を検知し、上アーム用ゲート駆動回路10による半導体スイッチング素子Q1の駆動と、下アーム用ゲート駆動回路20による半導体スイッチング素子Q2の駆動とを停止させる短絡故障検出装置50が電力変換装置100に設けられている。
短絡故障検出装置50は、第1のアームである上アーム110および第2のアームである下アーム120に対して設けられたロゴスキーコイル40と、このロゴスキーコイル40から得られる検出信号である誘起電圧Vmに基づいて電力変換装置100における短絡故障を検出する短絡判定回路30とを有する。
本実施形態において、ロゴスキーコイル40は、上アーム110および負荷Zに共通に流れる第1の電流が通過する第1の電流路103Pと、下アーム120および負荷Zに共通に流れる第2の電流が通過する第2の電流路103Nの両方の電流路に挿入されている。具体的には、上述のように上アーム110および下アーム120は、高電位電源線101Pおよび低電位電源線101N間に直列接続され、負荷Zは上アーム110および下アーム120の共通接続点であるAC出力端子102に接続されている。そして、第1の電流路103Pは、上アーム110とAC出力端子102との間の電流路であり、第2の電流路103Nは、下アーム120とAC出力端子102との間の電流路である。そして、第1の電流路103Pおよび第2の電流路103Nは、第1の電流路103Pにおける上アーム110から負荷Zに向かう方向と、第2の電流路103Nにおける下アーム120から負荷Zに向かう方向とが、ロゴスキーコイル40内において同一方向になるように、ロゴスキーコイル40に挿通されている。
このような構成において、第1の電流路103Pまたは第2の電流路103Nに電流が流れると、同電流路を中心とする円状の磁界が発生する。そして、同電流路に流れる電流が変化すると、その電流の時間勾配di/dtに比例した誘起電圧Vmがロゴスキーコイル40から出力される。この誘起電圧Vmがロゴスキーコイル40から得られる検出信号である。
短絡判定回路30は、誘起電圧検出回路31と、零電圧期間判定回路32と、電圧値比較回路33と、ORゲート34とを含む。
誘起電圧検出回路31は、ロゴスキーコイル40から得られる検出信号である誘起電圧値Vmを検出し、電圧値比較回路33に出力する。また、誘起電圧検出回路31は、誘起電圧値Vmが零電圧である期間、具体的には誘起電圧値Vmの絶対値が微小な閾値未満である間、零電圧期間信号E0を出力する。
零電圧期間判定回路32は、零電圧期間信号E0に基づいてアーム短絡を検出する回路である。さらに詳述すると、本実施形態において、上アーム110または下アーム120の一方に短絡故障や誤オンといった異常が生じ、アーム短絡が発生すると、他方のアームのターンオン時、第1の電流路103Pおよび第2の電流路103Nに互いに逆極性の同じ大きさの電流が長時間継続して流れ、ロゴスキーコイル40から得られる誘起電圧Vmが長時間継続して零電圧となる。そこで、零電圧期間判定回路32は、上アーム110または下アーム120のターンオン開始タイミングから所定の基準時間Δt0以上に亙って零電圧期間信号E0が継続した場合に、アーム短絡の発生を示すアーム短絡検知信号E1を出力する。
電圧値比較回路33は、誘起電圧値Vmに基づいて、負荷短絡を検出する回路である。さらに詳述すると、本実施形態において、負荷Zの短絡が起こると、通常時よりも過大な電流が第1の電流路103Pまたは第2の電流路103Nに流れ、かつ、その電流値が時間経過に伴って増加するため、通常よりも過大な誘起電圧Vmがロゴスキーコイル40から出力される。そこで、電圧値比較回路33は、誘起電圧検出回路31により検出される誘起電圧Vmの絶対値が第2の閾値である基準値V0以上になったとき、負荷短絡検知信号E2を出力する。
ORゲート34は、アーム短絡検知信号E1が出力された場合または負荷短絡検知信号E2が出力された場合に、短絡検知信号Eを上アーム用ゲート駆動回路10および下アーム用ゲート駆動回路20を出力し、上アーム用ゲート駆動回路10による半導体スイッチング素子Q1の駆動および下アーム用ゲート駆動回路20による半導体スイッチング素子Q2の駆動を停止させる。
上アーム用ゲート駆動回路10は、ドライブ回路11と、短絡電流遮断回路12と、切換回路13とを含む。ドライブ回路11には、半導体スイッチング素子Q1のオン/オフを指示する上アーム制御信号が与えられる。オンを指示する上アーム制御信号が与えられた場合、ドライブ回路11は、半導体スイッチング素子Q1をオンさせるゲート-ソース間電圧VGS(Q1)を出力する。また、オフを指示する上アーム制御信号が与えられた場合、ドライブ回路11は、半導体スイッチング素子Q1をオフさせるゲート-ソース間電圧VGS(Q1)を出力する。短絡電流遮断回路12は、半導体スイッチング素子Q1に短絡電流が流れるのを遮断することができるゲート-ソース間電圧VGS(Q1)を出力する。切換回路13は、短絡検知信号Eが出力されていない場合には、ドライブ回路11から出力されるゲート-ソース間電圧VGS(Q1)を半導体スイッチング素子Q1のゲート-ソース間に供給する。また、切換回路13は、短絡検知信号Eが出力された場合には、短絡電流遮断回路12から出力されるゲート-ソース間電圧VGS(Q1)を半導体スイッチング素子Q1のゲート-ソース間に供給する。
下アーム用ゲート駆動回路20は、上アーム用ゲート駆動回路10に設けられたものと同様なドライブ回路21と、短絡電流遮断回路22と、切換回路23とを含む。切換回路23は、短絡検知信号Eが出力されていない場合には、ドライブ回路21から出力されるゲート-ソース間電圧VGS(Q2)を半導体スイッチング素子Q2のゲート-ソース間に供給する。また、切換回路23は、短絡検知信号Eが出力された場合には、短絡電流遮断回路22から出力されるゲート-ソース間電圧VGS(Q2)を半導体スイッチング素子Q1のゲート-ソース間に供給する。
次に本実施形態の動作を説明する。図2は電力変換装置100の一般的な動作例を示す回路図である。この図2に示す例では、下アーム120がオフの状態において上アーム110および図示しない他相の下アームがオンとなる上アームオン動作、その後、上アーム110および図示しない他相の下アームがオフになる上アームオフ動作(還流モード)、および、下アーム120および図示しない他相の上アームがオンになる下アームオン動作、その後、下アーム120および図示しない他相の上アームがオフになる下アームオフ動作(還流モード)により負荷Zに電力を供給する。
上アームオン動作では、半導体スイッチング素子Q1をオンにするゲート-ソース間電圧VGS(Q1)が上アーム用ゲート駆動回路10から出力される。このとき図示しない他相の下アームの半導体スイッチング素子が半導体スイッチング素子Q1と同時にオンされる。半導体スイッチング素子Q1と他相の下アームがオンすることで、高電位電源線101Pから半導体スイッチング素子Q1を介してドレイン電流である上アーム電流I110が流れ、この上アーム電流I110はロゴスキーコイル40内の第1の電流路103Pを介して負荷Zに流れる(実線矢印)。この上アームオン動作では、時間経過に伴って増加する上アーム電流I110が第1の電流路103Pを上アーム110側から負荷Z側に流れる。本実施形態では半導体スイッチング素子Q1を介して負荷Zに流れる電流が増加する際にロゴスキーコイル40が正の誘起電圧Vmを出力するようにロゴスキーコイル40を配置している。
その後の上アームオフ動作では、半導体スイッチング素子Q1をオフにするゲート-ソース間電圧VGS(Q1)が上アーム用ゲート駆動回路10から出力され、半導体スイッチング素子Q1がオフになる。また、同時に図示しないオンしていた他相の下アームもオフになる。この結果、その時点まで負荷Zに流れていた電流を維持する起電力を負荷Zが発生し、低電位電源線101NからダイオードD2およびロゴスキーコイル40内の第2の電流路103Nを介して負荷Zに還流電流である下アーム電流I120が流れる(破線矢印)。この上アームオフ動作では、時間経過に伴って減少する下アーム電流I120(還流電流)が第2の電流路103Nを下アーム120側から負荷Z側に流れる。すなわち、上アームオフ動作は、上アームオン動作に対しロゴスキーコイル40を通過する電流の向きは同じであるが、電流の変化率はマイナスとなる。よって、ロゴスキーコイル40は負の誘起電圧Vmを出力する。
その後の下アームオン動作では、半導体スイッチング素子Q2をオンにするゲート-ソース間電圧VGS(Q2)が下アーム用ゲート駆動回路20から出力される。このとき図示しない他相の上アームの半導体スイッチング素子が、半導体スイッチング素子Q2と同時にオンされる。半導体スイッチング素子Q2と他相の上アームがオンすることで、負荷Zからロゴスキーコイル40内の第2の電流路103Nおよび半導体スイッチング素子Q2を介して低電位電源線101Nにドレイン電流である下アーム電流I120が流れる(実線矢印)。この下アームオン動作では、時間経過に伴って増加する下アーム電流I120が第2の電流路103Nを負荷Z側から下アーム120側に流れる。すなわち、下アームオン動作は、上アームオン動作に対しロゴスキーコイル40を通過する電流の変化率は同じ極性となるが、ロゴスキーコイル40を通過する電流の向きは逆方向となる。よって、ロゴスキーコイル40は負の誘起電圧Vmを出力する。
その後の下アームオフ動作では、半導体スイッチング素子Q2をオフにするゲート-ソース間電圧VGS(Q2)が下アーム用ゲート駆動回路20から出力され、半導体スイッチング素子Q2がオフになる。また、同時に図示しないオンしていた他相の上アームもオフになる。この結果、その時点まで負荷Zに流れていた電流を維持する起電力を負荷Zが発生し、負荷Zからロゴスキーコイル40内の第1の電流路103PおよびダイオードD1を介して高電位電源線101Pに還流電流である上アーム電流I110が流れる(破線矢印)。この下アームオフ動作では、時間経過に伴って減少する上アーム電流I110が第1の電流路103Pを負荷Z側から上アーム110側に流れる。すなわち、下アームオフ動作は、上アームオン動作に対しロゴスキーコイル40を通過する電流の向きが逆方向、電流の変化率もマイナスとなる。よって、ロゴスキーコイル40は正の誘起電圧Vmを出力する。以上が図2に示された電力変換装置100の一般的な動作例である。
図3は上アーム110のスイッチング時において短絡故障のない通常のターンオンが行われる動作例における各部の波形を示す波形図である。図4は図3の期間A、BおよびCにおける電力変換装置100の動作状態を示す回路図である。
図3および図4に示す動作例では、上アーム110のスイッチング、すなわち、図2に示す上アームオン動作と上アームオフ動作(還流モード)を交互に繰り返している。図3および図4には、このように繰り返される一連の動作のうちの上アームオフ動作とそれに続く上アームオン動作が示されている。
図3における期間Aと期間Bとの境界が上アーム110のターンオン開始タイミングである。上アーム110のターンオン開始前の期間Aでは、図4に示すように、低電位電源線101NからダイオードD2およびロゴスキーコイル40内の第2の電流路103Nを介して負荷Zに還流電流である下アーム電流I120が流れる。この動作モードは上アームオフ動作となるため、図3に示すように、期間Aではロゴスキーコイル40から負の誘起電圧Vmが出力される。
上アーム110のターンオンが開始され、期間Bになると、図4に示すように、高電位電源線101Pから半導体スイッチング素子Q1を介してドレイン電流である上アーム電流I110が流れる。期間Bでは、時間経過に伴って、スイッチング素子Q1のドレイン-ソース間電圧VDS(Q1)が減少し、ドレイン電流である上アーム電流I110が増加する。期間Bの開始タイミングにおいて、下アーム120では、ダイオードD2に還流電流が流れている。そして、期間Bにおいて、上アーム電流I110は、ロゴスキーコイル40内の第1の電流路103Pを通過した後、第2の電流路103Nを通過し、下アーム120に向かい、ダイオードD2の還流電流を減少させる。このため、期間Bでは、還流電流である負の下アーム電流I120が時間経過に伴って0に向かう。そして、上アーム電流I110の増加により、ダイオードD2に流れる下アーム電流(還流電流)120が0になると、それ以後の上アーム電流I110は、順方向バイアス時にダイオードD2に蓄積した小数キャリアを消滅させる逆回復電流となる。この逆回復電流が流れると、その後、下アーム電流120が正のピークに達し、減少し始める。このようにしてダイオードD2がオフに向かい、下アーム120の半導体スイッチング素子Q2のドレインーソース間電圧VDS(Q2)が増加する。
ダイオードD2がオフになるまでの期間は、第1の電流路103Pを通過した上アーム電流I110は、第2の電流路103Nを通過して下アーム120に向かう。すなわち、第1の電流路103Pと第2の電流路103Nに逆極性の同じ変化率の電流が流れる。このような場合、ロゴスキーコイル40内で磁束が打消しあうため、ロゴスキーコイル40から誘起電圧Vmとして零電圧が出力される。ダイオードD2がオフになると、以後、第1の電流路103Pを通過した上アーム電流I110は、第2の電流路103Nに流れず、負荷Zに流れる。この期間が図3に示す期間Cである。この期間Cでは、上アームオン動作となるため、ロゴスキーコイル40から正の誘起電圧Vmが出力される。
アーム短絡のない状態では、誘起電圧Vmとして零電圧が発生する期間は、ダイオードD2の特性により定まる短い時間である。図3に示す例では、誘起電圧Vmとして零電圧が発生する時間が所定の基準時間Δt0よりも短いため、アーム短絡検知信号E1が出力されない。
また、負荷短絡のない状態では、過大な上アーム電流I110または下アーム電流I120が流れないため、ロゴスキーコイル40から得られる誘起電圧Vmも大きな値とならない。図3に示す例では、ロゴスキーコイル40から得られる誘起電圧Vmが所定の基準値±V0の範囲から外れていないため、電圧値比較信号E2が出力されない。従って、図3に示す例では短絡検知信号Eが出力されない。
図5は上アーム110のスイッチング時において下アーム120に短絡故障が発生する動作例における各部の波形を示す波形図である。図6は図5の期間A、BおよびDにおける電力変換装置100の動作状態を示す回路図である。
前掲図3および図4と同様、図5および図6に示す動作例では、上アーム110のスイッチング、すなわち、図2に示す上アームオン動作と上アームオフ動作(還流モード)を交互に繰り返している。
図5における期間Aと期間Bとの境界が上アーム110のターンオン開始タイミングである。期間Aの動作は、上述した通常ターンオン時(図3および図4)の動作と同じである。
上アーム110のターンオンが開始され、期間Bになると、図6に示すように、高電位電源線101Pから半導体スイッチング素子Q1を介してドレイン電流である上アーム電流I110が流れる。上述した通常ターンオン時の動作と同様、期間Bでは、上アーム電流I110が第1の電流路103Pおよび第2の電流路103Nを介して下アーム120に向かい、ダイオードD2の還流電流を減少させ、その後、ダイオードD2の逆回復電流となる。
一方、下アーム120の半導体スイッチング素子Q2に短絡故障があると、期間Bにおいて、上アーム電流I110は、第1の電流路103Pおよび第2の電流路103Nを介して半導体スイッチング素子Q2に流れる。ここで、半導体スイッチング素子Q2の短絡故障には、半導体スイッチング素子Q2のブレークダウン等の故障の他、ノイズ等の影響により誤ってオンになる故障が含まれる。
このように下アーム120のアーム短絡が発生した場合、期間Bにおいて、ダイオードD2の還流電流を減少させ、その後、ダイオードD2に逆回復電流を流す過程と、下アーム120の半導体スイッチング素子Q2に上アーム電流I110を流す過程とが同時並列に進行する。このため、第1の電流路103Pと第2の電流路103Nに逆極性の同じ変化率の電流が長期に亙って継続して流れ、ロゴスキーコイル40の誘起電圧Vmが零電圧を維持する期間が基準時間Δt0を越え、アーム短絡検知信号E1が出力される。この結果、短絡検知信号Eが出力される。
短絡検知信号Eが出力されると、上アーム用ゲート駆動回路10では、切換回路13によってゲート-ソース間電圧VGS(Q1)の供給元がドライブ回路11から短絡電流遮断回路12に切り換えられ、半導体スイッチング素子Q1をオフさせるゲート-ソース間電圧VGS(Q1)が上アーム用ゲート駆動回路10から出力される。また、短絡検知信号Eが出力されると、下アーム用ゲート駆動回路20では、切換回路23によってゲート-ソース間電圧VGS(Q2)の供給元がドライブ回路21から短絡電流遮断回路22に切り換えられ、半導体スイッチング素子Q2をオフさせるゲート-ソース間電圧VGS(Q2)が下アーム用ゲート駆動回路20から出力される。
この結果、上アーム電流I110および下アーム電流I120の双方が減少する期間Dが開始される。このように本実施形態では、アーム短絡故障の検知により、アーム短絡電流が遮断される。
以上、上アームスイッチング時に下アームの短絡故障が発生した場合を例にアーム短絡検知の動作を説明したが、下アームスイッチング時に上アームの短絡故障が発生した場合にも同様な動作によりアーム短絡が検知される。すなわち、下アームスイッチング時に上アームの短絡故障が発生した場合にも、下アームのターンオン開始後、第1の電流路103Pおよび第2の電流路103Nに逆極性の同じ大きさの電流が流れ、ロゴスキーコイル40の誘起電圧Vmが基準時間Δt0以上に亘って零電圧になるので、この零電圧の継続時間に基づいてアーム短絡が検知される。
図7は上アーム110のスイッチング時において負荷Zに短絡故障が発生する動作例における各部の波形を示す波形図である。図8は図7の期間A、B、CおよびEにおける電力変換装置100の動作状態を示す回路図である。
通常ターンオン時の動作を示す前掲図3および図4と同様、図7および図8に示す動作例では、上アーム110のスイッチング、すなわち、図2に示す上アームオン動作と上アームオフ動作(還流モード)を交互に繰り返している。
図7における期間Aと期間Bとの境界が上アーム110のターンオン開始タイミングである。期間A、BおよびCの動作は、上述した通常ターンオン時(図3および図4)の期間A、BおよびCの動作と同じである。
負荷Zに短絡故障が発生すると、期間Cにおいて、時間経過に伴って増加する上アーム電流I110が過大になり、第1の電流路103Pに流れる上アーム電流I110の時間勾配di/dtも過大になる。このため、ロゴスキーコイル40の誘起電圧Vmが閾値+V0以上になる。この結果、負荷短絡検知信号E2および短絡検知信号Eが出力され、期間Eとなる。
期間Eでは、短絡検知信号Eに応じて、半導体スイッチング素子Q1をオフさせるゲート-ソース間電圧VGS(Q1)が上アーム用ゲート駆動回路10から出力され、半導体スイッチング素子Q2をオフさせるゲート-ソース間電圧VGS(Q2)が下アーム用ゲート駆動回路20から出力される。これにより負荷短絡電流が遮断される。
以上のように本実施形態によれば、上アーム110および下アーム120の両方に対して設けられた1個のロゴスキーコイル40および1個の短絡判定回路30により電力変換装置100におけるアーム短絡および負荷短絡を検知し、短絡電流を遮断することができる。よって、本実施形態によれば、電力変換装置100全体の大型化および複雑化を回避しつつ電力変換装置100における短絡故障を検出することができる。
<他の実施形態>
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)図9はこの発明の他の実施形態である短絡故障検出装置50’を備えた電力変換装置100の構成を示す回路図である。上記実施形態(図1)において、短絡故障検出装置50のロゴスキーコイル40には、上アーム110と上アーム110および下アーム120の共通接続点との間の第1の電流路103Pと、下アーム120と上アーム110および下アーム120の共通接続点との間の第2の電流路103Nが挿通された。これに対し、図9に示す短絡故障検出装置50’では、上アーム110と高電位電源線101Pとの間の第1の電流路103P’と、下アーム120と低電位電源線101Nとの間の第2の電流路103N’とがロゴスキーコイル40’に挿通されている。この態様においても、アーム短絡が発生した場合に第1の電流路103P’と第2の電流路103N’とに互いに逆極性の同じ大きさの電流が流れるため、アーム短絡を検知することができる。また、この態様においても、負荷短絡の発生時に、第1の電流路103P’または第2の電流路103N’に時間経過に伴った増加する過大な電流が流れるため、負荷短絡を検知することができる。
(2)この発明は、直流電力から交流電力への変換を行うインバータ以外の電力変換装置、例えばDC/DCコンバータやAC/ACコンバータ等に適用してもよい。
(3)上記実施形態では、半導体スインチング素子の例としてMOSFETを挙げたが、半導体スイッチング素子はこれに限定されるものではなく、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor;絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等の他の半導体スイッチング素子であってもよい。
(4)上記実施形態において、基準時間Δt0および基準値±V0を操作子の操作により調整できるようにしてもよい。
(5)電力変換装置100を制御する上位装置から上アーム制御信号および下アーム制御信号の供給期間中はアクティブレベル、それ以外の期間は非アクティブレベルとなる制御信号を受け取り、この制御信号と短絡検知信号Eとの論理積を切換回路13、23に供給してもよい。この制御信号と短絡検知信号Eとの論理積を取ることで、半導体スイッチング素子Q1、Q2が動作していないときにロゴスキーコイル40の出力電圧Vmが基準時間Δt0を超えて零電圧を維持した場合に、切換回路13、23が半導体スイッチング素子Q1、Q2の駆動部をドライブ回路11、21から短絡電流遮断回路12、22に切り換えることを防ぐことができる。
(6)図10は上述した図1の電力変換装置の実装例を示す側面図である。図10において、半導体モジュール210は、パッケージ210pとこのパッケージ210pの底面から突出した3本の端子211~213とを有する。また、半導体モジュール220は、パッケージ220pとこのパッケージ220pの底面から突出した3本の端子221~223とを有する。パッケージ210p内には図1に示す上アーム110を構成する半導体スイッチング素子Q1およびこれに逆並列接続されたダイオードD1が収容されている。ここで、端子211は、半導体スイッチング素子Q1のゲートに接続され、端子212は、半導体スイッチング素子Q1のドレインに接続され、端子213は、半導体スイッチング素子Q1のソースに接続されている。また、パッケージ220p内には図1に示す下アーム120を構成する半導体スイッチング素子Q2およびこれに逆並列接続されたダイオードD2が収容されている。ここで、端子221は、半導体スイッチング素子Q2のゲートに接続され、端子222は、半導体スイッチング素子Q2のドレインに接続され、端子223は、半導体スイッチング素子Q2のソースに接続されている。
半導体モジュール210の端子211~213と、半導体モジュール220の端子221~223は、間隔を空けて一直線に並んでおり、これらの端子の各々は、ゲート配線基板230と、ロゴスキー配線基板240と、主回路配線基板250とを貫通している。
ゲート配線基板230には、図1に示す上アーム用ゲート駆動回路10と、下アーム用ゲート駆動回路20と、短絡判定回路30とが形成されている。また、ゲート配線基板230には、上アーム用ゲート駆動回路10の出力信号が与えられる導体パターンが形成されており、端子211はこの導体パターンに接続されている。また、ゲート配線基板230には、下アーム用ゲート駆動回路20の出力信号が与えられる導体パターンが形成されており、端子221はこの導体パターンに接続されている。
主回路配線基250には、図1に示す高電位電源線101Pに対応した導体パターンが形成されており、端子212はこの導体パターンに接続されている。また、主回路配線基250には、図1に示す低電位電源線101Nに対応した導体パターンが形成されており、端子223はこの導体パターンに接続されている。また、主回路配線基250には、図1に示す出力端子102に対応した導体パターンが形成されており、端子213および222はこの導体パターンに接続されている。すなわち、この例では端子213および222が図1における第1の電流路103Pおよび第2の電流路103Nとなっている。
ロゴスキー配線基板240には、図1に示すロゴスキーコイル40に相当するロゴスキーコイル243が形成されている。図11は半導体モジュール210および220側から見たロゴスキー配線基板240の平面図である。図11に示すように、ロゴスキーコイル243は渦巻き状のコイル241と、このコイル241内をその終了点から開始点に戻る戻り線242とからなる。そして、ロゴスキーコイル243は、端子213および222(すなわち、図1における第1の電流路103Pおよび第2の電流路103N)をまとめて囲っており、このロゴスキーコイル243のコイル241の端部および戻り線242の端部は、図示しないスルーホール配線を介してゲート配線基板230上の短絡判定回路30に接続されている。
従って、この態様によれば、上述した図1の実施形態と同様な効果が得られる。なお、この態様では、ロゴスキーコイル243が実装されるロゴスキー配線基板240と、ゲート配線基板230とを別個の基板としたが、同一の基板としてもよい。後述する図12および図13の実装例についても同様である。
(7)図12は上述した図9の電力変換装置の実装例を示す側面図である。前掲図10および図11の実装例と同様、電力変換装置は、半導体モジュール210および220と、ゲート配線基板230と、ロゴスキー配線基板240と、主回路配線基250とを有する。図13は半導体モジュール210および220側から見たロゴスキー配線基板240の平面図である。
この実装例は、次の点のみが図10および図11の実装例と異なる。図10および図11の実装例において、ロゴスキー配線基板240上のロゴスキーコイル243は、端子213および222(すなわち、図1における第1の電流路103Pおよび第2の電流路103N)をまとめて囲っていた。これに対し、図12および図13の実装例において、ロゴスキー配線基板240上のロゴスキーコイル243は、端子212および223(すなわち、図9における第1の電流路103P’および第2の電流路103N’)をまとめて囲っている。
従って、この態様によれば、上述した図9の実施形態と同様な効果が得られる。
(8)図14は上述した図9の電力変換装置の他の実装例を示す平面図である。また、図15は同実装例の側面図である。図14および図15において半導体モジュール300は、2in1型半導体モジュールであり、図9の上アーム110および下アーム120を構成する各素子を収容している。半導体モジュール300の上面には絶縁体からなるスペーサ311、312および313がある。スペーサ311、312および313の上部には、それぞれ端子部361、362および363が形成されている。また、スペー312および313をまとめて囲うように回路基板320が配置されている。この回路基板320には駆動制御回路部330が実装されている。この駆動制御回路部330は、図9に示す上アーム用ゲート駆動回路10と、下アーム用ゲート駆動回路20と、短絡判定回路30とを含む。
半導体モジュール300内において、上アーム110の半導体スイッチング素子Q1のソースと下アーム120の半導体スイッチング素子Q2のドレインは共通接続されており、この共通接続点は端子部361に接続される。すなわち、端子部361は、図9の出力端子102に対応しており、図示しない負荷に接続される。
また、半導体モジュール300内において、上アーム110の半導体スイッチング素子Q1のドレインは、端子部362に接続される。この端子部362は、図9における高電位電源線101Pに対応している。すなわち、この例では、端子部362と半導体モジュール300に内包された上アーム110の半導体スイッチング素子Q1のドレインを接続する配線が、図9における第1の電流路103P’となる。
また、半導体モジュール300内において、下アーム120の半導体スイッチング素子Q2のソースは、端子部363に接続される。この端子部363は、図9における低電位電源線101Nに対応している。すなわち、この例では、端子部363と半導体モジュール300に内包された半導体スイッチング素子Q2のソースを接続する配線が、図9における第2の電流路103N’となる。
図14に示すように、回路基板320には、半導体モジュール300から端子部362に至る第1の電流路103P’と半導体モジュール300から端子部363に至る第2の電流路103N’の周囲を一巡するロゴスキーコイル340が形成されている。このロゴスキーコイル340は、渦巻き状のコイル341と、このコイル341内をその終了点から開始点に戻る戻り線342とからなる。そして、ロゴスキーコイル340のコイル341の端部と戻り線342の端部は、駆動制御回路部330内の短絡判定回路30に接続されている。
従って、この態様によれば、上述した図9の実施形態と同様な効果が得られる。また、この態様によれば、高電位電源線101Pに対応した端子部362と低電位電源線101Nに対応した端子部363とが図14に示すように隣り合っており、ロゴスキーコイル340は、この隣り合った端子部362および363に接続される第1の電流路103P’および第2の電流路103N’をまとめて囲うので、その構成が簡素なものとなるという効果がある。
(9)上記実装例では、半導体モジュールの外部にロゴスキーコイルを設けた。しかし、ロゴスキーコイルは、半導体モジュール内に埋め込んでも良い。
図16は図14および図15の実装例の変形例を示す側面図である。なお、図16において、図14および図15に示された部分と対応する部分には共通の符号を使用し、説明を省略する。
図16に示す実装例において、回路基板320aは、図14の回路基板320に相当するものであるが、図14におけるロゴスキーコイル340を有していない。その代わりに、図16に示す実装例では、半導体モジュール320a内にロゴスキーコイル340aが埋め込まれており、このロゴスキーコイル340aが回路基板320aの駆動制御回路部330(図14参照)に接続されている。
さらに詳述すると、図16において、半導体モジュール300a内の素子形成領域370には、図9の上アーム110および下アーム120を構成する各素子が形成されている。そして、素子形成領域370では、上アーム110の半導体スイッチング素子Q1のソースと下アーム120の半導体スイッチング素子Q2のドレインとが共通接続され、この共通接続点が導体層361aを介して端子部361に接続される。
また、素子形成領域370において、上アーム110の半導体スイッチング素子Q1のドレインは、導体層362aを介して端子部362に接続される。すなわち、この例では、端子部362と半導体モジュール300aに内包された上アーム110の半導体スイッチング素子Q1のドレインを接続する導体層362aが、図9における第1の電流路103P’となる。
また、素子形成領域370において、下アーム120の半導体スイッチング素子Q2のソースは、導体層363aを介して端子部363に接続される。すなわち、この例では、端子部363と半導体モジュール300aに内包された半導体スイッチング素子Q2のソースを接続する導体層363aが、図9における第2の電流路103N’となる。このように図16に示す実装例では、上アーム110および下アーム120に加えて、第1の電流路103P’および第2の電流路103N’が半導体モジュール300内に収容されている。
そして、図16の実装例において、半導体モジュール300a内には、導体層362aおよび363a、すなわち、第1の電流路103P’および第2の電流路103N’の周囲を一巡するロゴスキーコイル340aが埋め込まれている。ロゴスキーコイル340aを半導体モジュール300a内に埋め込むための手段には各種の方法が考えられるが、例えば半導体モジュール内に、第1の電流路103P’および第2の電流路103N’の周囲を一巡するスペースを形成し、このスペース内にロゴスキーコイル340aを挿通してもよい。あるいは半導体モジュール300aに第1の電流路103P’および第2の電流路103N’の周囲を一巡するロゴスキーコイル340aを形成した後、樹脂等の絶縁部材により封止してもよい。
図16の実装例によれば、図14および図15の実装例と同様な効果が得られる。また、図16の実装例によれば、半導体モジュール300a内にロゴスキーコイル340aを埋め込むので、図14および図15の実装例に比べて、実装をより簡素にすることができる。また、図14および図15の実装例と比べ、スペーサ311、312間および、312、313間の沿面距離の減少を抑制することができる。
100……電力変換装置、101P……高電位電源線、101N……低電位電源線、110……上アーム、120……下アーム、Q1,Q2……半導体スイッチング素子、D1,D2……ダイオード、10……上アーム用ゲート駆動回路、20……下アーム用ゲート駆動回路、11,21……ドライブ回路、21,22……短絡電流遮断回路、13,23……切換回路、50,50’……短絡故障検出装置、40,40’……ロゴスキーコイル、102……AC出力端子、103P,103P’……第1の電流路、103N,103N’……第2の電流路、30……短絡判定回路、31……誘起電圧検出回路、32……零電圧期間判定回路、33……電圧値比較回路、34……ORゲート、210,220,300,300a……半導体モジュール、210p,220p……パッケージ、211~213,221~223……端子、240,320,320a……回路基板、243,340,340a……ロゴスキーコイル、241,341……コイル、242,342……戻り線、311~313……スペーサ、320……回路基板、330……駆動制御回路部、361~363……端子部、361a~363a……導体層、370……素子形成領域、230……ゲート配線基板、240……ロゴスキー配線基板、250……主回路配線基板。

Claims (11)

  1. 半導体スイッチング素子を各々含む2以上のアームを介して負荷に電力を供給する電力変換装置の短絡故障検出装置において、
    前記2以上のアームのうちの第1のアームおよび前記負荷に共通に流れる第1の電流が通過する第1の電流路と、前記2以上のアームのうちの第2のアームおよび前記負荷に共通に流れる第2の電流が通過する第2の電流路の両方の電流路に挿入されたロゴスキーコイルを具備し、
    前記ロゴスキーコイルから得られる検出信号に基づいて、前記電力変換装置のアームまたは前記負荷の短絡故障を検出することを特徴とする短絡故障検出装置。
  2. 前記第1のアームおよび前記第2のアームは、高電位電源線および低電位電源線間に直列接続され、前記負荷は前記第1のアームおよび前記第2のアームの共通接続点に接続されており、
    前記第1の電流路は、前記第1のアームと前記共通接続点との間の電流路であり、
    前記第2の電流路は、前記第2のアームと前記共通接続点との間の電流路である
    請求項1に記載の短絡故障検出装置。
  3. 前記第1のアームは、第1の半導体モジュールに収容され、前記第1の半導体モジュールの端子により前記高電位電源線に接続され、
    前記第2のアームは、第2の半導体モジュールに収容され、前記第2の半導体モジュールの端子により前記低電位電源線に接続され、
    前記ロゴスキーコイルは、前記第1の半導体モジュールの端子と、前記第2の半導体モジュールの端子とをまとめて囲む
    請求項2に記載の短絡故障検出装置。
  4. 前記第1のアームおよび前記第2のアームは、高電位電源線および低電位電源線間に直列接続され、前記負荷は前記第1のアームおよび前記第2のアームの共通接続点に接続されており、
    前記第1の電流路は、前記第1のアームと前記高電位電源線との間の電流路であり、
    前記第2の電流路は、前記第2のアームと前記低電位電源線との間の電流路である
    請求項1に記載の短絡故障検出装置。
  5. 前記第1のアームは、第1の半導体モジュールに収容され、前記第1の半導体モジュールの端子により前記共通接続点に接続され、
    前記第2のアームは、第2の半導体モジュールに収容され、前記第2の半導体モジュールの端子により前記共通接続点に接続され、
    前記ロゴスキーコイルは、前記第1の半導体モジュールの端子と、前記第2の半導体モジュールの端子とをまとめて囲む
    請求項4に記載の短絡故障検出装置。
  6. 前記第1のアームおよび前記第2のアームは、半導体モジュールに収容され、前記第1のアームは、前記半導体モジュールの外部の前記高電位電源線に前記第1の電流路を介して接続され、前記第2のアームは、前記半導体モジュールの外部の前記低電位電源線に前記第2の電流郎を介して接続され、
    前記半導体モジュールの外部において前記高電位電源線および前記低電位電源線は隣り合っており、
    前記ロゴスキーコイルは、前記第1の電流路と、前記第2の電流路とをまとめて囲む
    請求項4に記載の短絡故障検出装置。
  7. 前記第1のアームおよび前記第2のアームと、前記第1の電流路および前記第2の電流路とが半導体モジュールに収容され、前記第1のアームは、前記半導体モジュールの外部の前記高電位電源線に前記第1の電流路を介して接続され、前記第2のアームは、前記半導体モジュールの外部の前記低電位電源線に前記第2の電流郎を介して接続され、
    前記ロゴスキーコイルは、前記半導体モジュールに埋め込まれており、前記第1の電流路と、前記第2の電流路とをまとめて囲む
    請求項4に記載の短絡故障検出装置。
  8. 前記検出信号の絶対値が第1の閾値以内である状態の継続時間に基づいて前記アームの短絡故障を検出する請求項1~7のいずれか1項に記載の短絡故障検出装置。
  9. 前記検出信号の絶対値が第2の閾値以上である場合に前記負荷の短絡故障を検出する請求項1~8のいずれか1項に記載の短絡故障検出装置。
  10. 短絡故障を検出した場合に前記第1のアームおよび前記第2のアームの各半導体スイッチング素子の駆動を停止させることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の短絡故障検出装置。
  11. 半導体スイッチング素子を各々含む2以上のアームを介して負荷に電力を供給する電力変換装置において、
    前記2以上のアームのうちの第1のアームおよび第2のアームに短絡故障検出装置が設けられ、
    前記短絡故障検出装置は、
    前記第1のアームおよび前記負荷に共通に流れる第1の電流が通過する第1の電流路と、前記第2のアームおよび前記負荷に共通に流れる第2の電流が通過する第2の電流路の両方の電流路に挿入されたロゴスキーコイルと、
    前記ロゴスキーコイルから得られる検出信号に基づいて、前記電力変換装置のアームまたは前記負荷の短絡故障を検出する短絡判定回路と
    を具備することを特徴とする電力変換装置。
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