JP2022129201A - セメント用強度増進材、セメント組成物、セメント組成物の製造方法、およびコンクリート製品の製造方法 - Google Patents

セメント用強度増進材、セメント組成物、セメント組成物の製造方法、およびコンクリート製品の製造方法 Download PDF

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Masato Tada
建佑 林
Kensuke Hayashi
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Abstract

【課題】本発明は、蒸気養生なしでも、蒸気養生したコンクリート製品の脱型強度と同等以上の強度発現性とセメントと、該セメントを製造するためのセメント用強度増進材等を提供する。【解決手段】本発明は、アウィン、ビーライト、および無水石膏を少なくとも含むセメント用強度増進材であって、アウィンを36~49質量部、ビーライトを18~25質量部、および前記無水石膏の含有量/アウィンの含有量のモル比が2.5~6.0であるセメント用強度増進材等である。【選択図】なし

Description

本発明は、アウィンを含むセメント用強度増進材、セメント組成物、該セメント組成物の製造方法、および該セメント組成物を含むコンクリート製品の製造方法に関する。
コンクリート製品の脱型と出荷を早めるため、コンクリート製品の製造工場では、通常、製造の最終段階で蒸気養生を行う。しかし、蒸気養生により消費される重油のコストの削減や、高温の水蒸気の不使用による作業環境の改善等のため、蒸気養生なしでも、蒸気養生したコンクリート製品の脱型時の強度(以下「脱型強度」という。)と同等以上の強度発現性を有するセメントが望まれている。
従来、セメントの初期強度発現性を向上させる手段の一つに、早強性混和材をセメントに添加する方法がある。例えば、
非特許文献1には、CaOを主成分(CaOの含有比率は89.7質量部)とする早強性混和材が開示されている。この早強性混和材を普通ポルトランドセメントに添加すると、材齢7日以降の強度は、蒸気養生なしでも、蒸気養生した場合の普通ポルトランドセメントより高くなるものの、材齢6時間程度の初期の強度発現性は高いとは云えない。
また、特許文献1には、3CaO・3Al・CaSOなどのカルシウムサルホアルミネートをポルトランドセメントに添加して、早期強度を高くしたセメント組成物が提案されている。しかし、該セメント組成物は、カルシウムサルホアルミネートの添加量が増えると流動性が低下するという課題や、この流動性を改善するために有機酸などを添加する必要があり、これにより製造コストが増加するという課題があった。
佐藤誠ら、「早強性混和材を使用したコンクリートの強度発現メカニズム」、コンクリート工学年次論文集、Vol.24、No.1、2002
特開平09-48649号公報
本発明は、蒸気養生なしでも、蒸気養生したコンクリート製品の脱型強度と同等以上の強度発現性を有するセメント組成物と、該セメント組成物を製造するためのセメント用強度増進材等を提供することを目的とする。
本発明者は、現行のセメントよりもさらに初期強度を向上させるために、蒸気養生なしでも、蒸気養生したコンクリート製品の脱型強度と同等以上の強度発現性を有するセメント組成物は、鉱物組成の変更や混和材等を添加する必要があると考えた。そこで、材齢6時間程度のごく初期の強度発現性が向上するセメント用強度増進材として、アウィン(3CaO・3Al・CaSO、略号はC$)に着目し、前記セメントへの適用を検討した。その結果、アウィン、ビーライト(2CaO・SiO、略号はCS)、および無水石膏(CaSO、略号はC$)を特定の割合で含むセメント用強度増進材およびセメント組成物を用いたコンクリートは、蒸気養生を行わなくても、蒸気養生したコンクリートの脱型強度と同等以上の強度発現性を有することを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の構成を有するセメント用強度増進材等である。
[1]アウィン、ビーライト、および無水石膏を少なくとも含むセメント用強度増進材であって、
アウィンを36~49質量部、ビーライトを18~25質量部、および前記無水石膏の含有量/アウィンの含有量のモル比が2.5~6.0である、セメント用強度増進材。
[2]さらに、遊離石灰の含有率が0.5質量%以下である、前記[1]に記載のセメント用強度増進材。
[3]前記[1]または[2]に記載のセメント用強度増進材とセメントを含むセメント組成物であって、アウィンを8~20質量%、エーライトを25~47質量%、および無水石膏を少なくとも含み、かつ、前記無水石膏の含有量/アウィンの含有量のモル比が2.5~6.0、およびブレーン比表面積が3200~3700cm/gである、セメント組成物。
[4]さらに、遊離石灰を1質量%以下含む、前記[3]に記載のセメント組成物。
[5]さらに、アルミネート相(3CaO・Al、略号はCA)を4~8質量%含む、前記[3]または[4]に記載のセメント組成物。
[6]アウィンとエーライトを合計で45~55質量%含む、前記[3]~[5]のいずれかに記載のセメント組成物。
[7]前記セメント組成物が、コンクリート製品用である、前記[3]~[6]のいずれかに記載のセメント組成物。
[8]前記[1]または[2]に記載のセメント用強度増進材を20~45質量部と、セメントを55~80質量部混合して、セメント組成物を製造する、セメント組成物の製造方法。
[9]前記[3]~[7]のいずれかに記載のセメント組成物と、少なくとも細骨材、粗骨材、および水を混練し、未硬化のコンクリート組成物を得る混練工程、
前記未硬化のコンクリート組成物を型枠に充填する充填工程、
前記未硬化のコンクリート組成物を10~50℃の温度下で養生して、コンクリート組成物の硬化体を得る養生工程、および、
前記コンクリート組成物の硬化体を脱型する脱型工程、
を少なくとも含むコンクリート製品の製造方法。
なお、本発明において「質量部」とは、質量の比率(含有比率)を云い、例えば、「アウィンを36~49質量部、ビーライトを18~25質量部」は「アウィン:ビーライトの質量比が36~49:18~25」と同義である。また、本発明において「質量%」とは、含まれる全成分を100質量%として、対象となる成分の含有率を云う。
本発明のセメント用強度増進材を含むセメント組成物を含有するコンクリートは、流動性の低下が小さく、また、蒸気養生なしでも、蒸気養生したコンクリートの脱型強度と同等以上の強度発現性を有する。
本発明は、前記のとおり、特定量のアウィン、ビーライト、および無水石膏を少なくとも含むセメント用強度増進材等である。以下、本発明のセメント用強度増進材、セメント組成物、セメント組成物の製造方法、およびコンクリート製品の製造方法について詳細に説明する。
1.セメント用強度増進材
本発明のセメント用強度増進材は、アウィン、ビーライト、および無水石膏を少なくとも含むセメント用強度増進材であって、アウィンを36~49質量部、ビーライトを18~25質量部、および前記無水石膏の含有量/アウィンの含有量のモル比が2.5~6.0であるセメント用強度増進材である。
アウィンの含有比率が36質量部未満では、初期の強度発現性が低く、49質量部を超えると、コンクリートの打設等の作業時間が確保できない。また、ビーライトの含有比率が18質量部未満では、コンクリートの打設等の作業時間が確保できず、25質量部を超えると初期の強度発現性が低下する。また、無水石膏の含有量/アウィンの含有量のモル比が前記範囲を外れると、初期の強度発現性が低下する。また、後述のセメント用強度増進材とセメントの混合工程で、セメント用強度増進材とセメントの配合割合がずれても、コンクリートの強度を一定に保ち易く、強度の変動が起き難い。
なお、前記アウィンの含有比率は、好ましくは38~48質量部、より好ましくは40~47質量部であり、前記ビーライトの含有比率は、好ましくは19~25質量部、より好ましくは20~23質量部である。また、前記無水石膏の含有量/アウィンの含有量のモル比は、好ましくは2.6~5.0、より好ましくは2.7~4.5、さらに好ましくは2.8~3.5である。
また、前記無水石膏は、特に制限されないが、強度発現性の向上の観点から、好ましくはII型無水石膏である。
また、前記セメント用強度増進材中の遊離石灰の含有率は、好ましくは0.5質量%以下である。遊離石灰が0.5質量%を超えると、コンクリートの打設等の作業時間が確保できない場合がある。
また、前記セメント用強度増進材中のフェライト相の含有率は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは2~5質量%であり、フェライト相の含有率が10質量%を超えるとコンクリートの初期強度が低下するおそれがある。
さらに、前記セメント用強度増進材のブレーン比表面積は、好ましくは4200~4600cm/gである。ブレーン比表面積が4200cm/g未満では、初期の強度発現性が低く、4600cm/gを超えるとコンクリートの打設等の作業時間が確保できない場合がある。
次に、前記セメント用強度増進材の製造方法について説明する。
無水石膏、ボーキサイト、および石灰石等の原料を、下記(1)~(5)式を用いて、前記セメント用強度増進材の鉱物組成になるように混合した後、ロータリーキルン等の、セメントの焼成に用いる通常の焼成炉を用いて、焼成温度(最高焼成)が1250~1350℃で焼成して、アウィンを少なくとも含むクリンカ(以下「アウィンクリンカ」という。)を製造する。焼成温度が1250℃未満ではアウィンクリンカの焼成度が不足するため、また、焼成温度が1350℃を超えると過焼成のため、ともに凝結や強度発現性等の主要な品質特性が低下する場合がある。
アウィン(C$)=Al×1.995-CAF×0.473 ・・・(1)
ビーライト(CS)=SiO×2.867 ・・・(2)
フェライト相(CAF)=Fe×2.693 ・・・(3)
遊離石灰(f.CaO)=CaO-CAF×0.522-C$×0.368-C2S×0.651-C$×0.411 ・・・(4)
無水石膏(C$)=SO×1.700-C$×0.223 ・・・(5)
ただし、(1)~(5)式中の化学式は、その化学式が表す化合物の含有率(質量%)を意味する。
また、焼成後のアウィンクリンカ中のアウィン、ビーライト、フェライト相、遊離石灰、および無水石膏の含有率は、アウィンクリンカ中の化学組成を測定し、該化学組成と前記(1)~(5)式を用いて算出する。
なお、セメント用強度増進材中のビーライトや石膏が不足する場合は、それらを追加するとよい。
2.セメント組成物
本発明のセメント組成物は、前記セメント用強度増進材とセメントを含むセメント組成物であって、アウィンを8~20質量%、エーライトを25~47質量%、および無水石膏を少なくとも含み、かつ、前記無水石膏の含有量/アウィンの含有量のモル比が2.5~6.0、およびブレーン比表面積が3200~3700cm/gである。
アウィンの含有率が8質量%未満では、初期の強度発現性が低く、20質量%を超えると、コンクリートの打設等の作業時間やコンクリートの流動性が確保できない。また、エーライトの含有率が25質量%未満では、初期および中期の強度発現性が低下し、47質量%を超えると長期の強度発現性が低下するおそれがある。また、無水石膏の含有量/アウィンの含有量のモル比が前記範囲を外れると、初期の強度発現性が低下する。さらに、ブレーン比表面積が3200cm/g未満では初期の強度発現性が低く、3700cm/gを超えるとコンクリートの打設等の作業時間が確保できない場合がある。
なお、前記アウィンの含有率は、好ましくは9~17.5質量%、より好ましくは9.5~15質量%である。前記エーライトの含有率は、好ましくは30~45質量%、より好ましくは34~40質量%である。また、前記無水石膏の含有量/アウィンの含有量のモル比は、好ましくは2.6~5.0、2.7~4.5、さらに好ましくは2.8~3.5である。また、前記セメント組成物のブレーン比表面積は、好ましくは3300~3600cm/gである。
また、前記セメント組成物は、別の表現を用いれば、前記セメント用強度増進材を20~45質量部と、セメントを55~80質量部含む組成物である。
また、前記セメント組成物中の遊離石灰の含有率は、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1~0.5質量%である。遊離石灰の含有率が1質量%を超えると、コンクリートの打設等の作業時間が確保できない場合がある。
前記セメント組成物中のアルミネート相の含有率は、好ましくは4~8質量%である。アルミネート相の含有率が4質量%未満では初期の強度発現性が低下し、8質量%を超えると、コンクリートの打設等の作業時間が確保できない場合がある。
また、前記セメント組成物中のエーライトとアウィンの含有率の合計は、好ましくは45~55質量%、より好ましくは48~54質量%である。エーライトとアウィンの合計の含有率の合計が45質量%未満では、初期の強度発現性が低下し、55質量%を超えると、コンクリートの打設等の作業時間が確保できない場合がある。
また、前記セメント組成物中のフェライト相の含有率は、好ましくは5~15質量%、より好ましくは7~11質量%であり、フェライト相の含有率が5質量%未満では流動性が低下し、15質量%を超えると初期強度が低下するおそれがある。
なお、本発明のセメント組成物の用途は、特に限定されないが、強度発現性と流動性(可使時間)を考慮すると、コンクリート製品への用途が好ましい。
3.セメント組成物の製造方法
本発明のセメント組成物は、セメント用強度増進材を20~45質量部、およびセメントを55~80質量部、好ましくはセメント用強度増進材を25~40質量部、およびセメントを60~75質量部混合して製造できるが、これに限定されない。本発明のセメント組成物は、アウィンを8~20質量%、エーライトを25~47質量%、および無水石膏を少なくとも含み、かつ、前記無水石膏の含有量/アウィンの含有量のモル比が2.5~6.0、およびブレーン比表面積が3200~3700cm/gであればよく、前記アウィンクリンカを用いて、下記(i)~(iii)のいずれかの粉砕・混合方法によりセメント組成物を製造することができる。
(i)前記アウィンクリンカを粉砕して粉砕物を得た後、該粉砕物とセメントを混合してセメント組成物を製造する。
前記(i)の方法は、コンクリート製品会社がセメント用強度増進材を購入して、コンクリート製品工場でセメントと混合して用いる場合に適する。また、前記アウィンクリンカは、本発明が規定する量の無水石膏を含んでいるため、該粉砕物と市販のポルトランドセメント等のセメントを混合する方法が、コンクリート製品工場において製造工程が簡易で品質管理も容易になり好ましい。
(ii)前記アウィンクリンカ、およびセメントクリンカを混合した後、同時に粉砕して、セメント組成物を製造する。
前記(ii)の方法は、一つの粉砕工程のみで製造が完了するため、生産効率が高い。
(iii)前記アウィンクリンカ、およびセメントクリンカを個別に粉砕するか、またはこれら複数を同時粉砕してセメント組成物を製造する。
なお、前記(i)~(iii)において、セメント組成物中の石膏が不足する場合は、石膏を追加するとよい。
前記セメントおよびセメントクリンカは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、およびエコセメント、並びにこれらのクリンカから選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、セメント用強度増進材とセメント等の配合割合がずれても、コンクリートの強度を一定に保ち易く、強度の変動が起き難ため、好ましくは普通ポルトランドセメントである。なお、これらセメント中のエーライト、ビーライト、アルミネート相、およびフェライト相の含有率(質量%)は、下記(i)~(iv)のボーグ式を用いて算出する。
S=4.07×CaO-7.60×SiO-6.72×Al-1.43×Fe-2.85×SO ・・・(i)
S=2.87×SiO-0.754×CS ・・・(ii)
A=2.65×Al-1.69×Fe ・・・(iii)
AF=3.04×Fe ・・・(iv)
ただし、(i)~(iv)式中の化学式は、セメント中における各化学式が表す化合物の含有率(質量%)を意味する。また、表3中のC$0.5Hは半水石膏を表し、C$2Hは二水石膏を表す。
また、セメント中の遊離石灰は、JCAS I-01:1997「遊離酸化カルシウムの定量方法」に準拠して測定する。
前記いずれの方法でセメント組成物を製造する場合でも、セメント組成物のブレーン比表面積は3200~3700cm/gが好ましい。
4.コンクリート製品の製造方法
本発明のコンクリート製品の製造方法は、前記セメント組成物と、少なくとも細骨材、粗骨材、および水とを混練し、未硬化のコンクリート組成物を得る混練工程、前記未硬化のコンクリート組成物を型枠に充填する充填工程、前記未硬化のコンクリート組成物を10~50℃の温度下で養生してコンクリート組成物の硬化体を得る養生工程、および前記コンクリート組成物の硬化体を脱型する脱型工程を含む。
前記養生温度は、10℃~50℃、好ましくは10℃~40℃、より好ましくは10℃~30℃であり、このような低い温度でも、蒸気養生したコンクリート製品の脱型強度と同等以上の強度を得ることができる。
養生時間(混練から脱型までの時間)は、3~12時間、好ましくは4~10時間、より好ましくは5~7時間であり、これらの、蒸気養生を行うコンクリート製品と同等の所要時間で、蒸気養生したコンクリート製品の脱型強度と同等以上の強度を得ることができる。
なお、本発明のコンクリート製品の製造方法では、その他の材料として、求められる脱型強度が得られる範囲で、AE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、および高性能AE減水剤等の各種混和剤や、フライアッシュ、シリカフューム、および高炉スラグ微粉末等の各種混和材等を用いることができる。
また、前記混練工程における混練方法、充填工程における型枠の種類や充填方法、および養生工程における水中、封かん、および気中等の養生方法は、特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
1.セメント用強度増進材の製造
II型無水石膏、ボーキサイト、および石灰石を、表1に示す化学組成になるように混合して圧密し、ペレット(1個あたり約20g)を作製した。次に、該ペレットを電気炉に入れ、1000℃で30分間仮焼して、脱水分および脱炭酸をした後、昇温速度700℃/時間で1350℃まで昇温し、1350℃で20分間焼成した。その後、炉外で放冷してアウィンクリンカを製造した。
次に、該アウィンクリンカを粉砕して、ブレーン比表面積が4500cm/gのセメント用強度増進材を製造した。表2にセメント用強度増進材の鉱物組成を示す。
なお、表2に示すセメント用強度増進材の鉱物組成は、蛍光X線分析を用いて測定したセメント用強度増進材の、表1に示す化学組成を用いて、前記(1)~(5)式により算出した。なお、強度増進材A9は、強度増進材A1と二水石膏を70:30(質量比)の割合で混合して製造した。
Figure 2022129201000001
Figure 2022129201000002
2.セメント組成物の製造
前記セメント用強度増進材と、ブレーン比表面積が3200cm/gの普通ポルトランドセメントを、表3に示すセメント用強度増進材の含有率に従い混合して、表3に示す鉱物組成を有するセメント組成物を製造した。表3に示すセメント組成物の鉱物組成は、前記(1)~(5)式により算出したセメント用強度増進材の鉱物組成と、下記ボーグ式(i)~(iv)により算出した普通ポルトランドセメントの鉱物組成を用いて、前記セメント用強度増進材と普通ポルトランドセメントの混合割合に基づき算出した。
なお、普通ポルトランドセメントの鉱物組成は、蛍光X線分析を用いて測定した普通ポルトランドセメントの化学組成に基づき、前記(i)~(iv)のボーグ式を用いて算出した。
なお、半水石膏と二水石膏の定量は、下記の文献に記載の熱重量分析法に準拠して行った。
[文献]廣瀬哲、高橋真理、松里広昭、浅海順治、山崎之典、浅賀喜与志:熱重量分析法によるセメント中の半水セッコウと二水セッコウの定量、無機マテリアル、Vol.2、No.254、14~17,(1995)
また、セメント中の遊離石灰量は、JCAS I-01:1997「遊離酸化カルシウムの定量方法」に準拠して測定した。
Figure 2022129201000003
3.圧縮強さとフロー値の測定
(1)圧縮強さの測定
JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準拠して、前記製造したセメント組成物を用いて作製したモルタルを、内径50mm、高さ100mmの型枠に入れ、20℃で6時間封緘養生した後、脱型して圧縮強さを測定した。
また、参考のために、普通ポルトランドセメントを用いて作製したモルタルを、内径50mm、高さ100mmの型枠に入れ、蒸気養生を模して、2回転製造における1回目サイクル(4時間蒸気養生)を模擬して加熱養生した後、脱型して圧縮強さを測定した。具体的には、養生槽はエスペック社製の恒温恒湿槽を用い、湿度はこの装置の上限である相対湿度98%とし、前養生は20℃で2時間、昇温速度は20℃/h、最高温度は60℃とし、最高温度に到達した後は、温度を保持せず槽内で徐冷した。そして、最高温度到達から2時間後に恒温恒湿槽から取出し脱型した後、圧縮強さ試験に供した(参考例)。
(2)フロー値の測定
JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準拠して、前記製造したセメント組成物を用いて作製したモルタルと、普通ポルトランドセメントを用いて作製したモルタルのフロー値を測定した。
これらの結果を表4に示す。
Figure 2022129201000004
表4に示すように、本発明のセメント組成物は、蒸気養生なしでも、材齢6時間で、蒸気養生と同程度以上の強度が得られた、また、コンクリート製品工場において求められる流動性(作業性)も得ることができた。

Claims (9)

  1. アウィン、ビーライト、および無水石膏を少なくとも含むセメント用強度増進材であって、
    アウィンを36~49質量部、ビーライトを18~25質量部、および前記無水石膏の含有量/アウィンの含有量のモル比が2.5~6.0である、セメント用強度増進材。
  2. さらに、遊離石灰の含有率が0.5質量%以下である、請求項1に記載のセメント用強度増進材。
  3. 請求項1または2に記載のセメント用強度増進材とセメントを含むセメント組成物であって、アウィンを8~20質量%、エーライトを25~47質量%、および無水石膏を少なくとも含み、かつ、前記無水石膏の含有量/アウィンの含有量のモル比が2.5~6.0、およびブレーン比表面積が3200~3700cm/gである、セメント組成物。
  4. さらに、遊離石灰を1質量%以下含む、請求項3に記載のセメント組成物。
  5. さらに、アルミネート相を4~8質量%含む、請求項3または4に記載のセメント組成物。
  6. アウィンとエーライトを合計で45~55質量%含む、請求項3~5のいずれか1項に記載のセメント組成物。
  7. 前記セメント組成物が、コンクリート製品用である、請求項3~6のいずれか1項に記載のセメント組成物。
  8. 請求項1または2に記載のセメント用強度増進材を20~45質量部と、セメントを55~80質量部混合して、セメント組成物を製造する、セメント組成物の製造方法。
  9. 請求項3~7のいずれか1項に記載のセメント組成物と、少なくとも細骨材、粗骨材、および水を混練し、未硬化のコンクリート組成物を得る混練工程、
    前記未硬化のコンクリート組成物を型枠に充填する充填工程、
    前記未硬化のコンクリート組成物を10~50℃の温度下で養生して、コンクリート組成物の硬化体を得る養生工程、および、
    前記コンクリート組成物の硬化体を脱型する脱型工程、
    を少なくとも含むコンクリート製品の製造方法。
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