JP2022129160A - 露光装置およびその製造方法、投影光学系の設計方法ならびに物品製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の投影光学系を有する露光装置の性能の向上に有利な技術を提供する。【解決手段】複数の投影光学系の各々は、台形の露光領域を有し、原版の中間像を形成する第1結像光学系と、中間像を基板に投影する第2結像光学系とを含む。投影光学系の開口数であるNAが0.12以上かつ0.65以下であり、原版が配置される第1面と投影光学系の光軸のうち第1面に直交する部分との距離であるh2が10mm以上かつ70mm以下であり、折り曲げミラーと前記凹面ミラーとの間に配置された光学部材群のうち折り曲げミラーに最も近い光学部材と折り曲げミラーとの最短距離であるd1が1mm以上かつ20mm以下であり、光学部材の半径であるLRが100mm以上かつ400mm以下であり、台形の下底の長さの1/2であるx2と台形の上底の長さの1/2であるx1との差が3mm以上かつ25mm以下であり、x1が10mm以上かつ70mm以下である。【選択図】図3
Description
本発明は、露光装置およびその製造方法、投影光学系の設計方法ならびに物品製造方
に関する。
に関する。
露光装置は、原版のパターンを基板に投影することによって基板を露光する。特許文献1に記載されているように、露光領域を拡大するために複数の投影光学系を有する露光装置がある。
特許文献1には、投影光学系の結像性能を高くする、投影光学系の保持制約を満たす、レンズ径が製造制約を満たす、隣り合う露光領域のつなぎ部の筋状のムラを抑制する、像領域の横幅を大きくする、という露光装置の性能の向上のための5つの条件をすべて満たす設計に関する言及はない。
像領域の横幅を大きくすることは、少ない投影光学系の数で大領域を露光することに資する。投影光学系の数を少なくすることで、像性能を低下させる可能性があるつなぎ部の数を減らすことができる。投影光学系の数が少ないことは製造コストの削減にもなる。
本発明は、複数の投影光学系を有する露光装置の性能の向上に有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の1つの側面は、基板に原版の像を投影する複数の投影光学系を有する露光装置に係り、前記露光装置は、前記複数の投影光学系の各々は、台形の露光領域を有し、前記複数の投影光学系の各々は、前記原版の中間像を形成する第1結像光学系と、前記中間像を前記基板に投影する第2結像光学系とを含み、前記第1結像光学系および前記第2結像光学系の各々は、折り曲げミラーおよび凹面ミラーを含み、前記投影光学系の開口数であるNAが0.12以上かつ0.65以下であり、前記原版が配置される第1面と前記投影光学系の光軸のうち前記第1面に直交する部分との距離であるh2が10mm以上かつ70mm以下であり、前記折り曲げミラーと前記凹面ミラーとの間に配置された光学部材群のうち前記折り曲げミラーに最も近い光学部材と前記折り曲げミラーとの最短距離であるd1が1mm以上かつ20mm以下であり、前記光学部材の半径であるLRが100mm以上かつ400mm以下であり、前記台形の下底の長さの1/2であるx2と前記台形の上底の長さの1/2であるx1との差である(x2-x1)が3mm以上かつ25mm以下であり、x1が10mm以上かつ70mm以下である。
本発明によれば、複数の投影光学系を有する露光装置の性能の向上に有利な技術が提供される。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
図1には、一実施形態の露光装置1の構成が示されている。露光装置1は、基板12に原版11のパターンを投影する投影系10を備えうる。投影系10は、複数の投影光学系101を含みうる。各投影光学系101は、基板12に原版11(のパターン)の像を投影する。投影光学系101によって基板12に投影される像は、正立像である。各投影光学系101は、像面を含む面内に像領域102を有しうる。像領域102は、1つの投影光学系101によって光が照射される領域、すなわち露光領域である。像領域102は、台形の形状を有しうる。換言すると、投影系10を構成する複数の投影光学系の各々は、台形の露光領域を有する。露光装置1は、原版11および基板12を走査しながら基板12を露光する走査露光を行う走査露光装置として構成されうる。図示されていないが、露光装置1は、原版11を照明する照明系を備えうる。投影系10を構成する投影光学系101の個数は、任意に定められうる。影系10を構成する投影光学系101の個数は、例えば、6以上である。
以下、個々の投影光学系の結像性能を高くする、投影光学系の保持制約を満たす、レンズ径が製造制約を満たす、隣り合う露光領域のつなぎ部の筋状のムラを抑制する、像領域の横幅を大きくするという5つの条件を満たす投影光学系の設計方法を説明する。この設計方法は、露光装置を製造する製造方法の一部であるとして理解されてよい。該露光装置の製造方法は、以下で説明される設計方法に従って投影光学系を設計する工程と、該工程による設計に従って複数の投影光学系を製造する工程と、該複数の投影光学系を有する露光装置を組み立てる工程と、を含みうる。
投影光学系101の結像性能を高くするためには、投影光学系101のNA(開口数)を一定値以上とするべきである。投影光学系101の保持制約を満たすためには、保持制約に関わる形状パラメータの値を規定するべきである。投影光学系101を構成するレンズの径(レンズ径)が製造制約を満たすためには、レンズ径に対応したパラメータの値を規定するべきである。つなぎ部の筋状のムラを抑制するためには、筋状のムラに関わる形状パラメータの値を規定するべきである。像領域の横幅を大きくするためには、像領域の寸法に関わる形状パラメータの値を規定するべきである。これらの5つの条件を同時に満たす具体的な条件式を提示する文献は存在しない。本実施形態は、上記5つの条件を同時に満たす条件式を連立方程式として定式化するものであり、この条件式を満たす設計解を得ることで、上記5つの条件を同時に満たす露光装置の提供を可能にする。
図2には、投影系10を構成する個々の投影光学系101の構成例が示されている。投影光学系101は、原版11の中間像imを形成する第1結像光学系1011と、中間像imを基板12に投影する第2結像光学系1012とを含みうる。第1結像光学系1011の物体面は、投影光学系101の物体面と一致し、第1結像光学系1011の像面は、中間像imが形成される面であり、第2結像光学系1012の物体面と一致する。第2結像光学系1012の像面は、投影光学系101の像面と一致する。
第1結像光学系1011は、第1反射面m11および第2反射面m12を有する折り曲げミラーM1と、凹面ミラーm13とを含む光学系でありうる。第2結像光学系1012は、第1反射面m21および第2反射面m22を有する折り曲げミラーM2と、凹面ミラーn13とを含む光学系でありうる。他の観点において、第1結像光学系1011および第2結像光学系1012は、ダイソン光学系でありうる。第1結像光学系1011の折り曲げミラーM1を構成する第1反射面m11および第2反射面m12は、一体化された光学部品で構成されてもよいし、互いに分離された光学部品で構成されてもよい。第2結像光学系1012の折り曲げミラーM2を構成する第1反射面m21および第2反射面m22は、一体化された光学部品で構成されてもよいし、互いに分離された光学部品で構成されてもよい。
第1結像光学系1011と第2結像光学系1012とは、同一の構成を有する光学系で構成されてもよいし、互いに異なる構成を有する光学系で構成されてもよい。第1結像光学系1011は、第1結像光学系1011の光路上に光学部材(レンズ)H、Iを含んでよく、光学部材H、Iの駆動(並進移動、回転)により、第1結像光学系1011のフォーカス、歪曲収差、像面湾曲を補正する機能を有しうる。第2結像光学系1012は、第2結像光学系1012の光路上に光学部材(レンズ)J、Kを含んでよく、光学部材J、Kの駆動(並進移動、回転)により、第2結像光学系1012のフォーカス、歪曲収差、像面湾曲を補正する機能を有しうる。ここで、光学部材Hと光学部材Iとは、互いに同一の構成を有してもよいし、互いに異なる構成を有してもよい。また、光学部材Jと光学部材Kとは、互いに同一の構成を有してもよいし、互いに異なる構成を有してもよい。例えば、光学部材Hと光学部材Jとが互いに異なる構成を有する場合、第1結像光学系1011と第2結像光学系1012とは、互いに異なる構成を有する。同様に、光学部材Iと光学部材Kとが互いに異なる構成を有する場合、第1結像光学系1011と第2結像光学系1012とは、互いに異なる構成を有する。
投影系10を構成する複数の投影光学系101の各々が基板12に原版11(のパターン)の正立像を投影することにより、走査露光を通して、複数の投影光学系101の像領域102を相互につなぎ合わせることができる。これにより、基板12の広い領域を露光することができる。
図3には、1つの投影光学系101の像領域102と、その外接円と、定式化に必要なパラメータとが例示されている。像領域102の形状は台形であり、その台形の上底の長さの1/2をx1、下底の長さの1/2をx2、上底と下底との距離をy1と定義する。また、台形の斜辺の角度をθdと定義する。また、像領域102の外接円の半径をRと定義する。なお、Rは後述するレンズ半径LRとは異なる。さらに、外接円の中心と像領域102の下底との距離をy0と定義する。これらのパラメータは、いずれも定式化に有用なものである。特に、y0を考慮することは、投影光学系101の設計の容易化への貢献が大きい。
図4には、第1結像光学系1011と、定式化に使用されるパラメータとが例示されている。原版面21は、原版11が配置される面(第1面)である。中間結像面25は、中間imが形成される面である。第2結像光学系1012は、原版面21を中間結像面で置き換え、中間結像面25を基板12が配置される像面で置き換えた構成を有しうる。第1結像光学系1011の光軸のうち原版面21に直交する部分(折り曲げミラーM1と凹面ミラーm13との間の部分)が光軸23として示されている。図3に示されたy0とy1に相当する距離が図4にも示されている。
原版面(第1面)21と光軸23との間隔をh1と定義する。また、折り曲げミラーM1と凹面ミラーm13との間に配置された光学部材群のうち折り曲げミラーM1に最も近い光学部材OMと折り曲げミラーM1との最短距離をd1と定義する。また、光学部材OMの半径(レンズ半径)をLRと定義する。また、h2=h1-LRと定義する。本実施形態は、図3に示されたパラメータと図4に示されたパラメータとを用いて投影系10あるいはそれを構成する投影光学系101のための設計解を得る連立方程式を定式化するものである。
投影光学系101の開口数であるNAは、式(1)のように表現される。
NA=n×sinΘ ・・・式(1)
ここで、nは屈折率であり、この例ではn=1とする。式(1)のΘに関して、図4から式(2)を得ることができる。
ここで、nは屈折率であり、この例ではn=1とする。式(1)のΘに関して、図4から式(2)を得ることができる。
tanΘ=y0/h1 ・・・式(2)
正弦条件を考慮した場合、sinΘ=y0/h1としてもよい。以下の例では、式(2)を用いる。
正弦条件を考慮した場合、sinΘ=y0/h1としてもよい。以下の例では、式(2)を用いる。
図3から三平方の定理(ピタゴラスの定理)を用いて、式(3)を得ることができる。
(y0+y1)2+(x1)2=R2 ・・・式(3)
図4から、レンズ半径であるLRを、レンズ(光学部材OM)の最も外側を通過する光線位置で近似して、式(4)を得ることができる。
図4から、レンズ半径であるLRを、レンズ(光学部材OM)の最も外側を通過する光線位置で近似して、式(4)を得ることができる。
LR=R+(h1+d1)×tanΘ ・・・式(4)
また、上記の定義から式(5)が成り立つ。
また、上記の定義から式(5)が成り立つ。
h1=h2+LR ・・・式(5)
式(5)を式(4)に代入し整理すると、式(6)が得られる。
式(5)を式(4)に代入し整理すると、式(6)が得られる。
LR=R+(h2+LR+d1)×tanΘ
LR={R+(h2+d1)tanΘ}/(1-tanΘ) ・・・式(6)
更に、式(6)に式(2)を代入し整理すると、式(7)が得られる。
LR={R+(h2+d1)tanΘ}/(1-tanΘ) ・・・式(6)
更に、式(6)に式(2)を代入し整理すると、式(7)が得られる。
LR={R+(h2+d1)×y0/h1}/(1-y0/h1) ・・・式(7)
式(3)と式(7)が本実施形態において提案される連立方程式である。
式(3)と式(7)が本実施形態において提案される連立方程式である。
式(3)と式(7)で与えられる連立方程式を上記5つの条件に従って解くことによって投影光学系101を設計し製造することができる。ここで、少なくとも2つのNAに関して式(3)と式(7)で与えられる連立方程式を満たすように投影光学系が設計されうる。
一実施形態の投影光学系の設計方法は、NAを0.12以上の値、h2を第1所定値以上、d1を第2所定値以上、LRを第3所定値以下、2(x2-x1)を第4所定値以上とし、2・x1を第5所定値以上として投影光学系101構成を決定する工程を含みうる。
以下、複数の実施例を説明する。
以下、本実施形態の実施例1を説明する。
第1の条件(J1)、即ち、投影光学系101の結像性能を高くする条件であるNAを、例えば0.12以上の範囲(例えば、0.12以上かつ0.65以下の範囲)内の数値である0.15とする。
第2の条件(J2)、即ち、投影光学系101の保持制約を満たす条件として、図4に示されるd1を、実現可能な値(例えば、1mm)以上になるように、例えば1mm以上かつ20mm以下の範囲内の15.0mmとする。また、図4に示されるh2を、実現可能な値、例えば10mm以上になるように、例えば10mm以上かつ70mm以下の範囲内の64.8mmとする。
第3の条件(J3)、即ち、レンズ径が製造制約を満たす条件として、図4に示されるLRを、実現可能な値以下(例えば、400mm以下)になるように、例えば100mm以上かつ400mm以下の範囲内の125.2mmとする。
第4の条件(J4)、即ち、つなぎ部の筋状のムラを抑制する条件として、図3に示される(x2-x1)が仕様によって要求される制限値以上(例えば、3mm以上)になるように、例えば3mm以上かつ25mm以下の範囲内の20.8mmとする。ここで、(x2-x1)を所望の値以上にするのは、(x2-x1)が制限値未満であるとき、特に(x2-x1)がゼロであるときは、つなぎ部に筋状のムラが発生しやすいことが知られているためである。なお、(x2-x1)がゼロであるときは、つなぎ部の境界線の方向が基板の走査方向と同一となり、このときは、筋状のムラが非常に大きくなりうる。(x2-x1)を制限値以上にすることで、つなぎ部の境界線の方向と基板の走査方向との間の角度を大きくすることができ、つなぎ部の筋状のムラを抑制することができる。つなぎ部の筋状のムラを抑制する条件として、図3の台形の斜辺の角度θdは、45度以上かつ80度以下であることが望ましい。
第5の条件(J5)、即ち、像領域の横幅を大きくすることを満たす条件として、図3に示すx1を、制限値以上(例えば、10mm以上)になるように、例えば10mm以上かつ70mm以下の範囲内の68.2mmとする。
これらの条件を満たす図3のx1とy0の範囲が図5に示されている。図5には、条件J3、条件J4、条件J5が示されている。図5において、中間色で示されたx1およびy0の領域は、第1~第5の条件(J1~J5)の全てを満たす。図5に「設計解」として示された実施例1の投影光学系において、y0=29mmであり、R=93.5mmである。
以下、図6を参照しながら実施例1の投影系10を構成する投影光学系101の構成を説明する。ここで、投影光学系101は、第1結像光学系1011および第2結像光学系1012で構成され、第2結像光学系1012は、第1結像光学系1011と同一の構成を有する。
実施例1の投影系10を構成する投影光学系101は、NA=0.15であり、露光光として使用されうるi線(365.5nm)、h線(405.5nm)、g線(435.5nm)の全てに関して色収差が補正されている。また、実施例1の投影光学系101は、物界と像界とにおいてテレセントリック性を有する等倍の対称光学系である。したがって、実施例1の投影光学系101は、コマ収差、歪曲収差、倍率色収差が原理的に発生しないという特徴を有する。
第1結像光学系1011は、原版面21と凹面ミラーMnとの間に、原版面21から順に、平行平板H、光軸23に対して45度傾いた反射面を持つプリズムまたは平面ミラーP、正レンズ群Gp、負レンズ群Gn、凹面ミラーMnが配置されて構成されている。平面ミラーPは、前述の折り曲げミラーである。平面ミラーP(折り曲げミラー)と凹面ミラーMnとの間に正レンズ群Gpが配置され、正レンズ群Gpと凹面ミラーMnとの間に負レンズ群Gnが配置されている。原版11からの光は、平面ミラーP(折り曲げミラー)の第1反射面、正レンズ群Gp、負レンズ群Gn、凹面ミラーMn、負レンズ群Gn、正レンズ群Gp、平面ミラーPの第2反射面を経由して基板12に向かう。正レンズ群Gpは、正レンズL1、負レンズL2、負レンズL3、正レンズL4で構成され、負レンズ群Gnは、正レンズL5、負レンズL6で構成されている。
投影光学系101の球面収差、像面湾曲、非点収差を良好に補正するためには、各群、各レンズのパワーを所定の条件で規定することが望ましい。正レンズ群Gpの焦点距離をfF、負レンズ群Gnの焦点距離をfR、負レンズ群GnのレンズL5の焦点距離をfl5、負レンズ群Gnの負レンズL6の焦点距離をfl6としたとき、条件式(1)、条件式(2)を満足することが好ましい。
0.06 < |fF/fR| < 0.09 ・・・条件式(1)
1.45 < |fl5/fl6| < 1.75 ・・・条件式(2)
条件式(1)の下限を下回ると、相対的に正レンズ群Gpのパワーが大きく、または負レンズ群Gnのパワーが小さくなるため、凹面ミラーMnの曲率半径が大きくなる方向に変化する。そのためペッツバール和が正の方向に変化し、それにより像面湾曲の補正が困難になる。
1.45 < |fl5/fl6| < 1.75 ・・・条件式(2)
条件式(1)の下限を下回ると、相対的に正レンズ群Gpのパワーが大きく、または負レンズ群Gnのパワーが小さくなるため、凹面ミラーMnの曲率半径が大きくなる方向に変化する。そのためペッツバール和が正の方向に変化し、それにより像面湾曲の補正が困難になる。
条件式(1)の上限を上回ると、上記と逆の作用を及ぼすため、負レンズ群Gnの有効径が大きくなることによる球面収差の悪化、または凹面ミラーMnの曲率半径が小さくなる方向に変化する。そのため、ペッツバール和が負の方向に変化し、それにより像面湾曲の補正が困難になる。
条件式(2)の下限を下回ると、相対的に正レンズL5のパワーが大きく、または負レンズL6のパワーが小さくなるため、凹面ミラーMnの曲率半径が大きくなる方向に変化する。そのため、ペッツバール和が正の方向に変化し、それにより像面湾曲の補正が困難になる。
条件式(2)の上限を上回ると、上記と逆の作用を及ぼすため、凹面ミラーMnの曲率半径が小さくなる方向に変化する。そのため、ペッツバール和が負の方向に変化し、それにより像面湾曲の補正が困難になる。
軸上色収差と、横収差の像高によるハロ成分の変化を抑制するためには、硝材の分散を適切に選択される。また、これに加えて、正レンズL1と負レンズL2とがそれぞれ有する相互に対向する面を平面ミラーPに向かって凹面とし、負レンズL3と正レンズL4とがそれぞれ有する相互に対向する面を平面ミラーPに向かって凸面とするのが好ましい。また、色像面を良好に補正するには、硝材の分散を適切に選択した上で、正レンズL5、負レンズL6のすべての面が、凹面ミラーMnに向けて凹面を有することが好ましい。
次に、実施例1において、適切な硝材の選択について説明する。
使用硝材の分散について、i線(365.5nm)、h線(405.5nm)、g線(435.5nm)の屈折率を各々、Ni、Nh、Ngとし、
νh=(Nh-1)/(Ni-Ng)
と定義する。
νh=(Nh-1)/(Ni-Ng)
と定義する。
正レンズ群Gpの正レンズL1、L4のνhのうち小さい方をνhgp、負レンズL2、L3のνhのうち大きい方をνhgnとしたとき、条件式(3)を満足することが好ましい。
νhgp-νhgn > 30 ・・・条件式(3)
これにより、i線(365.5nm)、h線(405.5nm)、g線(435.5nm)に関して、軸上色収差が良好に補正される。
これにより、i線(365.5nm)、h線(405.5nm)、g線(435.5nm)に関して、軸上色収差が良好に補正される。
また、負レンズ群Gnの正レンズL5のνhをνhl5、負レンズL6のνhをνhl6としたとき、条件式(4)を満足することが好ましい。
νhl6 ― νhl5 > 35 ・・・条件式(4)
これにより、i線(365.5nm)、h線(405.5nm)、g線(435.5nm)に関して、像面湾曲および非点収差が良好に補正される。
これにより、i線(365.5nm)、h線(405.5nm)、g線(435.5nm)に関して、像面湾曲および非点収差が良好に補正される。
さらに、実施例1では、負レンズ群Gnは、凹面ミラーMnとの多重反射によるフレア光が以下に示す理由で抑制できる。一般に、凹面ミラーMnの近傍に、凹面ミラーMnの曲率半径に近いレンズ面がある場合は、凹面ミラーMnとの多重反射により、像面である基板12の近傍にフレア光が集光する可能性が生じる。実施例1では、正レンズL5、負レンズL6のすべての面が凹面ミラーMnに向けて凹面を有し、逆符号の曲率となっているため、フレア光が集光する可能性はない。
表1には、図6に示された第1結像光学系1011の諸元が示されている。左側から順に、面番号、R(面の曲率半径)、D(面間隔)、光学素子名称、N(i)(i線の屈折率)、N(h)(h線の屈折率)、N(g)(g線の屈折率)、νh(分散)である。
以下は、条件式(1)~(4)の値である。
条件式(1) |fF/fR|=0.0695
条件式(2) |fl5/fl6|=1.66
条件式(3) νhgp-νhgn=37.5
条件式(4) νhl6-νhl5=43.7
図3、図4で定義されたパラメータの値は、以下のとおりである。
条件式(2) |fl5/fl6|=1.66
条件式(3) νhgp-νhgn=37.5
条件式(4) νhl6-νhl5=43.7
図3、図4で定義されたパラメータの値は、以下のとおりである。
R=93.5
x1=68.16
x2=88.89
y0=29
y1=35
d1=15
h1=190
h2=64.81
図7には、実施例1の投影光学系101の収差図が示されている。横収差の像高は、0mm、29.0mm、46.75mm、70.125mm、93.5mmである。これらの収差図に示されるように、良好な光学性能を有する投影光学系101が実現されている。更に、横収差の右側には、主波長であるi線の波面収差RMSが単位λで示されている。実施例1の投影光学系101が有効領域にわたり良好な性能を有することが分かる。
x1=68.16
x2=88.89
y0=29
y1=35
d1=15
h1=190
h2=64.81
図7には、実施例1の投影光学系101の収差図が示されている。横収差の像高は、0mm、29.0mm、46.75mm、70.125mm、93.5mmである。これらの収差図に示されるように、良好な光学性能を有する投影光学系101が実現されている。更に、横収差の右側には、主波長であるi線の波面収差RMSが単位λで示されている。実施例1の投影光学系101が有効領域にわたり良好な性能を有することが分かる。
図5に示された実施例1の設計解は、NA=0.15におけるものである。この設計解に対して、さらなる高精細化を可能にするために、どこまで高NA化できる可能性があるかを示したものが図8である。一般に、NAが小さい程、収差の抑制は容易であり、NAが大きな設計例が示されれば、そのNAよりも小さなNAの設計例は容易に得られる。一方で、より高いNAの設計例は、そのNA以下の設計が可能であることを意味する。図8のNA=0.23の例を示していて、NA以外の条件は変えていない。図8に示されるように高NA化に伴い、第3の条件(J3)を満たすx1とy0の領域が限定され、5つの条件を全て満たす、中間色で示したx1とy0の領域は小さくなる。実施例1のx1=68.16mm、y0=29mmは、NA=0.23に対しても中間色で示した領域の内部にあり、NAを0.23まで拡張できる可能性を示す。実際の設計で収差がどの程度抑制できるかは、レンズ設計においてレンズ枚数やパワー配置や非球面レンズの有無に依存する。一方で、NA=0.25(不図示)では、実施例1のx1=68.16mm、y0=29mmは、中間色で示した領域の外部に位置し、5つの条件を満たすようにNAを0.25まで拡張することはできないことがわかる。高NA化に伴い、5つの条件を満たすx1とy0は両方とも小さくなる。このように、本実施形態が提案する連立方程式を解くことで、高NA化の拡張性を予想することができる。同様に、レンズ半径LR、x1、y0などほかのパラメータがどういった量になるかの予想も可能である。図8は、横軸をx1、縦軸をy0としたが、NA、LR、d1、h2など他のパラメータを軸としてもよい。本実施形態が提案する連立方程式を解くことで、任意の条件値を満たす設計パラメータの組み合わせを設定し、効率的に設計することが可能となる。
図9には、NA=0.14において実施例1と同様に連立方程式を解いた結果が示されている。図9において、上記5つの条件を満たす領域が中間色で示されている。設計パラメータについては後述する。図9において「設計解」として示された例を実施例2として以下で説明する。
図10には、実施例2の投影系10を構成する投影光学系101の構成が示されている。
実施例2の投影系10を構成する投影光学系101は、NA=0.14であり、露光光として使用されうるi線(365.5nm)、h線(405.5nm)、g線(435.5nm)の全てに関して色収差が補正されている。また、実施例2の投影光学系101は、物界と像界とにおいてテレセントリック性を有する等倍の対称光学系である。したがって、実施例2の投影光学系101は、コマ収差、歪曲収差、倍率色収差が原理的に発生しないという特徴を有する。
表2には、図10に示された第1結像光学系1011の諸元が示されている。左側から順に、面番号、R(面の曲率半径)、D(面間隔)、光学素子名称、N(i)(i線の屈折率)、N(h)(h線の屈折率)、N(g)(g線の屈折率)、νh(分散)である。
以下は、条件式(1)~(4)の値である。
条件式(1) |fF/fR|=0.0662
条件式(2) |fl5/fl6|=1.56
条件式(3) νhgp-νhgn=37.5
条件式(4) νhl6-νhl5=43.7
図3、図4で定義されたパラメータの値は、以下のとおりである。
条件式(2) |fl5/fl6|=1.56
条件式(3) νhgp-νhgn=37.5
条件式(4) νhl6-νhl5=43.7
図3、図4で定義されたパラメータの値は、以下のとおりである。
R=87.5
x1=64.16
x2=84
y0=24.5
y1=35
d1=32.8
h1=172.12
h2=55.12
図11には、実施例2の投影光学系101の収差図が示されている。横収差の像高は、0mm、24.5mm、43.75mm、65.625mm、87.5mmである。これらの収差図に示されるように、良好な光学性能を有する投影光学系101が実現されている。更に、横収差の右側には、主波長であるi線の波面収差RMSが単位λで示されていている。実施例2の投影光学系101が有効領域にわたり良好な性能を有することが分かる。
x1=64.16
x2=84
y0=24.5
y1=35
d1=32.8
h1=172.12
h2=55.12
図11には、実施例2の投影光学系101の収差図が示されている。横収差の像高は、0mm、24.5mm、43.75mm、65.625mm、87.5mmである。これらの収差図に示されるように、良好な光学性能を有する投影光学系101が実現されている。更に、横収差の右側には、主波長であるi線の波面収差RMSが単位λで示されていている。実施例2の投影光学系101が有効領域にわたり良好な性能を有することが分かる。
図12には、NA=0.125において実施例1と同様に連立方程式を解いた結果が示されている。図12において、上記5つの条件を満たす領域が中間色で示されている。設計パラメータについては後述する。図12において「設計解」として示された例を実施例3として以下で説明する。
図13には、実施例3の投影系10を構成する投影光学系101の構成が示されている。
実施例3の投影系10を構成する投影光学系101は、NA=0.125であり、露光光として使用されうるi線(365.5nm)、h線(405.5nm)、g線(435.5nm)の全てに関して色収差が補正されている。また、実施例3の投影光学系101は、物界と像界とにおいてテレセントリック性を有する等倍の対称光学系である。したがって、実施例3の投影光学系101は、コマ収差、歪曲収差、倍率色収差は原理的に発生しないという特徴を有する。
表3には、図11で示された第1結像光学系1011の諸元が示されている。左側から順に、面番号、R(面の曲率半径)、D(面間隔)、光学素子名称、N(i)(i線の屈折率)、N(h)(h線の屈折率)、N(g)(g線の屈折率)、νh(分散)である。
以下は、条件式(1)~(4)の値である。 条件式(1) |fF/fR|=0.0806
条件式(2) |fl5/fl6|=1.62
条件式(3) νhgp-νhgn=37.5
条件式(4) νhl6-νhl5=43.7
図3、図4で定義されたパラメータの値は、以下のとおりである。
条件式(2) |fl5/fl6|=1.62
条件式(3) νhgp-νhgn=37.5
条件式(4) νhl6-νhl5=43.7
図3、図4で定義されたパラメータの値は、以下のとおりである。
R=84.2
x1=62.88
x2=81.54
y0=21
y1=35
d1=48.18
h1=165.36
h2=53.66
図14には、実施例3の投影光学系101の収差図が示されている。横収差の像高は、0mm、21.0mm、42.10mm、63.15mm、84.2mmである。これらの収差図に示されるように、良好な光学性能を有する投影光学系101が実現されている。更に、横収差の右側には、主波長であるi線の波面収差RMSが単位λで示されている。実施例3の投影光学系101が有効領域にわたり良好な性能を有することが分かる。
x1=62.88
x2=81.54
y0=21
y1=35
d1=48.18
h1=165.36
h2=53.66
図14には、実施例3の投影光学系101の収差図が示されている。横収差の像高は、0mm、21.0mm、42.10mm、63.15mm、84.2mmである。これらの収差図に示されるように、良好な光学性能を有する投影光学系101が実現されている。更に、横収差の右側には、主波長であるi線の波面収差RMSが単位λで示されている。実施例3の投影光学系101が有効領域にわたり良好な性能を有することが分かる。
表4には、投影光学系101の高NA化に伴う各設計変数の変化が示されている。これらの値は例であり、明示した場合を除き、本発明はこれらの値に限定されない。また前述したように高NAほど収差補正が困難になることを考慮したうえで詳細な設計が必要になる場合がある。
表4において太字で示されたNA、y0、y1、x1、d1、h2を独立変数とし、斜体で示されたx2、R、LR、h1を従属変数とした。もちろん、式(3)と式(7)とで定義される連立方程式において、どの変数を独立変数にとるかは任意なので、独立変数と従属変数の組み合わせは任意に変えることが可能である。この連立方程式を解くことで、以下に示されるように、NAとの関係で、像領域の大きさ、レンズ半径の大きさ、配置制約に関わるパラメータの値が分かり、設計可能な仕様を決定することができる。
NAが大きくなるのに従って、y0、y1、x1が小さくなり、また、x2、Rも小さくなる。これは高NA化に伴って像領域が小さくなることを示している。これに加え、NAが大きくなるのに従って、LRが大きくなる。これは、高NA化に伴ってレンズ半径が大きくなることを示す。例えば、NA=0.30では像領域を示すx1が50mmであり、NA=0.40では38mmになる。NA=0.50では像領域が23mmであり、d1が10mmである。NA=0.50まではレンズ半径LRが150mm未満であるが、NA=0.60ではレンズ半径が282.63mmとなり、NA=0.65ではレンズ半径が369.29mmとなる。表4の例によれば、x1を50mm以上確保するには、NA=0.30が上限値である。折り曲げミラーの頂点と近接するレンズとの間隔を15mm以上確保するには、NA=0.40が上限値である。レンズ半径LRが150mm以下を満たすにはNA=0.50が上限値である。x1が20mm以上を確保するにはNA=0.60が上限値である。x1が15mm以上を確保するにはNA=0.65が上限値である。
一例において、NA、h2、d1、LR、(x2-x1)、x1が表5に示された数値条件を満たすことが好ましい。
LRは、100mm以上かつ150mm以下であることが更に好ましい。(x2-x1)は、5mm以上かつ25mm以下であることが更に好ましい。x1は、例えば50mmでありうる。台形の斜辺の角度は、例えば、45度以上かつ80度以下でありうる。
他の例において、NA、x1、y0、(x2-x1)、LRが表6に示された数値条件を満たすことが好ましい。
露光光、即ち照明系が原版に照射する光としては、i線、h線、g線のいずれかが使用されてもよいし、350nm以下の波長を含む光が使用されてもよい。
図15には、一実施形態の投影光学系の設計方法の具体例としての実施例5が示されている。step1では、設計パラメータを設定する。設計パラメータは、投影光学系101の開口数NA、像領域に関わるパラメータy0、y1、x1、x2、R、配置制約を表すd1、h1とレンズ半径LRを含みうる。これらの設計パラメータは例である。例えば、これらの設計パラメータの他に、複数配置された投影光学系101の鏡筒の外径間の距離(隙間の距離)を配置制約のパラメータとして設定し、このパラメータの値が所望の値(例えば、5mm以上、50mm以下)になることを条件に加えるなどの変更を加えてもよい。step2では、連立方程式を定式化する。step1で設定された設計パラメータが満たす条件として、式(3)と式(7)で与えられる連立方程式を設定することができる。step3では、連立方程式の解を可視化する。例えば図5のようにx1を横軸、y0を縦軸にして、設計解として満たすべき条件を満足する設計パラメータの値の組み合わせを可視化することができる。この可視化の方法は、上記の例に限定されるものではない。step4では、設計パラメータの値を調整する。例えば、step3で可視化された設計パラメータの値に対して、例えばレンズ半径LRが所望の値になるように他の設計パラメータ値を調整することを示す。step5では、設計パラメータの値を決定する。step6では、初期レンズデータを決定する。このレンズデータは、step5で決定された設計パラメータの値に基づくものである。step7では、詳細設計を行う。設計方法としては、従来から知られた方法を用いることができる。設計解、および、設計れた投影光学系の性能の例は、上記の実施例1、2、3として提示されている。
他の実施形態
上記のような露光装置を用いて物品を製造する物品製造方法を例示的に説明する。物品は、例えば、フラットパネルディスプレイ、液晶表示素子、半導体IC素子、MEMS等でありうる。物品製造方法は、前述の露光装置を使用して、感光剤が塗布された基板(プレート、ウェハ、ガラス基板等)を露光する露光工程と、その基板(感光剤)を現像する現像工程と、現像された基板を処理して物品を得る処理工程とを含みうる。処理工程には、例えば、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等が含まれうる。本物品製造方法によれば、従来よりも高品位の物品を製造することができる。
上記のような露光装置を用いて物品を製造する物品製造方法を例示的に説明する。物品は、例えば、フラットパネルディスプレイ、液晶表示素子、半導体IC素子、MEMS等でありうる。物品製造方法は、前述の露光装置を使用して、感光剤が塗布された基板(プレート、ウェハ、ガラス基板等)を露光する露光工程と、その基板(感光剤)を現像する現像工程と、現像された基板を処理して物品を得る処理工程とを含みうる。処理工程には、例えば、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等が含まれうる。本物品製造方法によれば、従来よりも高品位の物品を製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本発明は、拡大系や縮小系の非等倍系の投影光学系や、マスクレス投影光学系や、多重露光や、ファイバー光源やLED光源を用いた露光装置にも適用することが可能である。マスクはバイナリーマスクに限定されず、位相シフトマスクを用いてもよい。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
10:投影系、101:投影光学系、11:原版、12:基板
Claims (18)
- 基板に原版の像を投影する複数の投影光学系を有する露光装置であって、
前記複数の投影光学系の各々は、台形の露光領域を有し、
前記複数の投影光学系の各々は、前記原版の中間像を形成する第1結像光学系と、前記中間像を前記基板に投影する第2結像光学系とを含み、前記第1結像光学系および前記第2結像光学系の各々は、折り曲げミラーおよび凹面ミラーを含み、
前記投影光学系の開口数であるNAが0.12以上かつ0.65以下であり、
前記原版が配置される第1面と前記投影光学系の光軸のうち前記第1面に直交する部分との距離であるh2が10mm以上かつ70mm以下であり、
前記折り曲げミラーと前記凹面ミラーとの間に配置された光学部材群のうち前記折り曲げミラーに最も近い光学部材と前記折り曲げミラーとの最短距離であるd1が1mm以上かつ20mm以下であり、
前記光学部材の半径であるLRが100mm以上かつ400mm以下であり、
前記台形の下底の長さの1/2であるx2と前記台形の上底の長さの1/2であるx1との差である(x2-x1)が3mm以上かつ25mm以下であり、
x1が10mm以上かつ70mm以下である、
ことを特徴とする露光装置。 - 前記台形の外接円の半径をR、前記外接円の中心と前記下底との距離をy0、前記上底と前記下底との距離をy1としたときに、
NA=sinΘ
h1=h2+LR
tanΘ=y0/h1、またはsinΘ=y0/h1
(y0+y1)2+(x1)2=R2
LR={R+(h2+d1)×y0/h1}/(1-y0/h1)
を満たすことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 前記第1結像光学系および前記第2結像光学系の各々の前記折り曲げミラーは、第1反射面および第2反射面を含み、
前記第1結像光学系および前記第2結像光学系の各々は、前記折り曲げミラーと前記凹面ミラーとの間に配置された正レンズ群と、前記正レンズ群と前記凹面ミラーとの間に配置された負レンズ群とを含み、
前記原版からの光は、前記折り曲げミラーの前記第1反射面、前記正レンズ群、前記負レンズ群、前記凹面ミラー、前記負レンズ群、前記正レンズ群、前記折り曲げミラーの前記第2反射面を順に経由して前記基板に向かう、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。 - 前記正レンズ群は、第1正レンズ、第1負レンズ、第2負レンズ、第2正レンズを含むように構成され、前記負レンズ群は、正レンズ、負レンズで構成され、
前記正レンズ群の焦点距離をfF、前記負レンズ群の焦点距離をfR、前記負レンズ群の前記正レンズの焦点距離をfl5、前記負レンズ群の前記負レンズの焦点距離をfl6、としたとき、
0.06 < |fF/fR| < 0.09
1.45 < |fl5/fl6| < 1.75
を満たすことを特徴とする請求項3に記載の露光装置。 - 前記第1正レンズと前記第1負レンズとがそれぞれ有する相互に対向する面は、前記折り曲げミラーに向かって凹面であり、前記第2負レンズと前記第2正レンズとがそれぞれ有する相互に対向する面は、前記折り曲げミラーに向かって凸面であり、
前記負レンズ群の前記正レンズと前記負レンズ群の前記負レンズとがそれぞれ有する相互に対向する面は、前記凹面ミラーに向かって凹面である、
ことを特徴とする請求項4に記載の露光装置。 - 前記投影光学系において使用される硝材のi線(365.5nm)、h線(405.5nm)、g線(435.5nm)の屈折率をそれぞれNi、Nh、Ngとし、νhを
νh=(Nh-1)/(Ni-Ng)
と定義し、
前記第1正レンズおよび前記第2正レンズのνhのうち小さい方をνhgp、前記第1負レンズおよび前記第2負レンズのνhのうち大きい方をνhgnとしたとき、
νhgp-νhgn > 30
を満たし、
前記負レンズ群の前記正レンズのνhをνhl5、前記負レンズ群の前記負レンズのνhをνhl6としたとき、
νhl6-νhl5 > 35
とすることを特徴とする請求項4又は5に記載の露光装置。 - 前記複数の投影光学系の数が6以上である、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の露光装置。 - LRが100mm以上かつ150mm以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の露光装置。 - (x2-x1)が5mm以上かつ25mm以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の露光装置。 - 前記台形の斜辺の角度が45度以上かつ80度以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - x1が50mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 露光光としてi線、h線、g線のいずれかを使用する、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の露光装置。 - 露光光として350nm以下の波長を含む光を使用する、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の露光装置。 - 少なくとも2つのNAの値に関して、
(y0+y1)2+(x1)2=R2
LR={R+(h2+d1)×y0/h1}/(1-y0/h1)
を満たすことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。 - NAが0.12以上かつ0.15以下であり、x1が50mm以上かつ70mm以下であり、y0が70mm以下であり、(x2-x1)が5mm以上かつ25mm以下であり、LRが100mm以上かつ150mm以下である、
ことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。 - 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光する露光工程と、
前記露光工程で露光された前記基板を現像する現像工程と、
前記現像工程で現像された前記基板を処理して物品を得る処理工程と、
をふくむことを特徴とする物品製造方法。 - 基板に原版の像を投影する複数の投影光学系を有する露光装置における前記投影光学系を設計する設計方法であって、
前記複数の投影光学系の各々は、台形の露光領域を有し、
前記複数の投影光学系の各々は、前記原版の中間像を形成する第1結像光学系と、前記中間像を前記基板に投影する第2結像光学系とを含み、前記第1結像光学系および前記第2結像光学系の各々は、折り曲げミラーおよび凹面ミラーを含み、
前記設計方法は、
前記投影光学系の開口数を0.12以上の値とし、
前記原版が配置される第1面と前記投影光学系の光軸のうち前記第1面に直交する部分との距離を第1所定値以上とし、
前記折り曲げミラーと前記凹面ミラーとの間に配置された光学部材群のうち前記折り曲げミラーに最も近い光学部材と前記折り曲げミラーとの最短距離を第2所定値以上とし、
前記光学部材の半径を第3所定値以下とし、
前記台形の下底の1/2と上底の1/2の長さの差を第4所定値以上とし、
前記上底の長さを第5所定値以上として、
前記投影光学系の構成を決定する工程を含む、
ことを特徴とする設計方法。 - 請求項17に記載の設計方法に従って投影光学系を設計する工程と、
前記工程による設計に従って複数の投影光学系を製造する工程と、
前記複数の投影光学系を有する露光装置を組み立てる工程と、
を含むことを特徴とする露光装置の製造方法。
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