JP2022129071A - 情報提供方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炊飯開始時に米または水の不足が判明しないよう、適切なタイミングで情報を提供する。【解決手段】本開示による方法は、炊飯システムにおけるメンテナンス情報を提供する情報提供方法である。炊飯システムは炊飯器またはサーバ装置を含む。情報提供方法は、炊飯器またはサーバ装置の制御部によって実行される工程(a)及び(b)を包含する。工程(a)は、材料の初期量及び材料の使用履歴に基づいて、および/または、材料の残量を検出するセンサの検出値に基づいて、材料の残量を推定する残量推定演算を行う。工程(b)は、通信部を介して、残量に関連付けられた、材料に関するメンテナンス情報である材料メンテナンス情報を出力することにより、材料メンテナンス情報を提供する。【選択図】図15

Description

本開示は、炊飯システムにおいてメンテナンス情報を提供する情報提供方法に関する。
従来の炊飯器として、米びつ、注水、炊飯プロセスを一体化した全自動炊飯器が知られている。従来の炊飯器は、米を貯える貯蔵部と、洗米を行うための洗米空間と、炊飯部とを備える(特許文献1参照)。
特開平5-220047号公報
全自動炊飯器でいざ炊飯を開始しようとした際に、炊飯器内の米びつにお米がないことが判明すると、想定していた量の炊飯ができない。また、内部の容器に水を蓄えておく全自動炊飯器において、炊飯開始時に水がないことが判明した場合も同様である。
本開示は、炊飯開始時に米または水の不足が判明しないよう、適切なタイミングで情報を提供することを目的とする。
本開示の一態様の方法は、炊飯システムにおけるメンテナンス情報を提供する情報提供方法である。上記炊飯システムは、筐体と、上記筐体に収容された鍋と、上記鍋を加熱する加熱部と、水または米の少なくとも一方である材料を貯蔵する容器と、上記容器から上記材料を上記鍋へ導入する導入路と、上記加熱部による加熱動作を制御する制御部と、通信部とを備えている。当該方法は、上記制御部による、(a)上記材料の初期量及び上記材料の使用履歴に基づいて、および/または、上記材料の残量を検出するセンサの検出値に基づいて、上記材料の残量を推定する残量推定演算を行う工程と、(b)上記通信部を介して、上記残量に関連付けられた、上記材料に関するメンテナンス情報である材料メンテナンス情報を出力することにより、上記材料メンテナンス情報を提供する工程とを包含する。
本開示によれば、炊飯開始時に米または水の不足が判明しないよう、適切なタイミングで情報を提供することが可能になる。
例示的な実施形態にかかる炊飯システムの構成図 ユーザ端末がスマートフォンである場合の、ユーザ端末のディスプレイの表示例を示す図 例示的な実施の形態に係る炊飯器の外観を示す斜視図 図3の炊飯器の内部構造を示す斜視図 図3の炊飯器の要部を示す斜視図 図3の炊飯器の平面図 炊飯器を図6のV-V方向に見た断面図 米容器蓋が開いた状態の炊飯器を示す斜視図 扉が開いた状態の炊飯器を示す斜視図 水容器を取り出した状態の炊飯器を示す斜視図 米容器と貯米量センサとの位置関係を示す断面図 水位センサの構成を示す分解斜視図 本実施形態に係る炊飯器のハードウェア構成を例示するブロック図 本実施形態に係る炊飯器による動作の一例を示すフローチャート 図14のメンテナンス情報の提供処理S9の流れを示すフローチャート ユーザがユーザ端末を利用して炊飯量を指定する際のディスプレイの表示例を示す図 鍋の温度の時間変化から、今回の炊飯量を推定する処理を説明するための図 炊飯可能量を示す情報が表示された、ユーザ端末のディスプレイを示す図 保管量を示す文字が表示された材料メンテナンス情報の一例を示す図 図14の貯米量検知工程の流れを示すフローチャート 図20の送米量計測処理の流れを示すフローチャート 図14の送水工程の流れを示すフローチャート 炊飯システムにおける炊飯の予約方法を説明するための図 ユーザがお気に入りメニューに登録した種々の銘柄、種類に応じた保管量を、材料メンテナンス情報として表示する例を示す図
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る炊飯システムについて、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
また、以下では、説明の便宜上、通常使用時の状態を想定して「上」、「下」、「前」、「後」等の方向を示す用語を用いている。しかしながら、これらの用語は、本発明の炊飯器の使用状態等を限定することを意味するものではない。
[1.構成]
[1-1.全体構成と動作の概要]
図1は、例示的な実施形態にかかる炊飯システム1000の構成図である。炊飯システム1000は、炊飯器1と、1または複数のユーザ端末500と、サーバ装置1001とを有している。炊飯器1、各ユーザ端末500及びサーバ装置1001は、互いに通信ネットワーク1002を介して通信可能に接続されている。
炊飯器1は、材料を貯蔵する容器を有している。「材料」とは炊飯に必要な素材を言い、典型的には水および米である。炊飯器1は、水を貯蔵する水容器及び米を貯蔵する米容器をそれぞれ有している。炊飯器1が水道管と直結されている場合には、炊飯器1には水を貯蔵する容器は特に必要とはされず米容器のみが実装されていればよい。または炊飯器1に米容器が設けられていなくてもよく、水容器のみを実装していてもよい。
炊飯器1は、その筐体の内部に炊飯のための鍋(図示せず)を収容している。炊飯器1は、ユーザから指示された日時に応じて、または即時炊飯の指示に応答して、ユーザから指示された炊飯量の米および/または水を計量し、導入路を経て材料を鍋に投入し、加熱部を用いて加熱する。これにより、全自動で炊飯を行うことができる。
図示されているように、炊飯器1は制御部20及び通信部25を有している。制御部20及び通信部25は、協働して以下の方法または処理を実行することにより、ユーザにメンテナンス情報を提供する。メンテナンス情報の一例を以下に示す。
・材料に関するメンテナンス情報(材料メンテナンス情報):材料の残量・保管量を示す情報、炊飯器1にお米や水などの材料の補充等を促す通知をいう。
・システムメンテナンス情報:容器の手入れを促す案内をいう。
制御部20は、材料の残量を推定する残量推定演算を行う工程(a)と、推定された当該残量に関連付けられた材料メンテナンス情報を出力することにより、材料メンテナンス情報を提供する工程(b)とを実行する。工程(a)の残量推定演算は、材料の初期量及び材料の使用履歴に基づいて、または、炊飯器1に材料の残量を検出するセンサが設けられている場合には当該センサの検出値に基づいて行われ得る。工程(b)は、例えば、制御部20が通信部25を介してユーザ端末500に材料メンテナンス情報を送信することにより実現される。ユーザは、例えば自身のユーザ端末500で材料メンテナンス情報を確認し、米または水の残量が不足していることが通知された場合には、不足している米または水を補充することができる。
ユーザ端末500は、例えばスマートフォン、ラップトップPC、デスクトップPCであり得る。図2は、ユーザ端末500がスマートフォンである場合の、ユーザ端末500のディスプレイ501の表示例を示している。ディスプレイ501にはメンテナンス情報510として、「材料の残量」を示す材料メンテナンス情報510aと、「お手入れ」の時期を示すシステムメンテナンス情報510bが表示されている。ディスプレイ501への表示にとともに、または表示に代えて、ユーザ端末500はスピーカ502から材料メンテナンス情報510a等の内容を音声で提示してもよい。なお、ユーザ端末500は、CPU等の演算回路によって実現される制御部、RAM、ROM等のメモリである記憶装置、Wi-Fi(登録商標)規格、4Gまたは5G等の移動通信システム等の無線通信を行う無線通信回路等を備えている。図示は省略する。
制御部20は、炊飯動作を開始する前に上述の処理を行う。仮に、炊飯動作の開始時に材料の不足が判明した場合、ユーザが外出している間、ユーザは材料を補充できないからである。上述の処理を実行するタイミングの一例は以下の通りである。
(1)制御部20は、鍋に近接して配置された温度センサによって検出された鍋の温度がある第1基準値、例えば30℃、以下であるか否かを判定し、当該第1基準値以下である場合には材料メンテナンス情報を出力する。鍋の温度が下がったタイミングは、鍋の片付け等が行われる可能性が高く、ユーザが炊飯器1から比較的近い位置に存在して材料の補充をしやすいと考えられるからである。さらに、制御部20は、温度センサによって検出された鍋の温度が、第1基準値よりも高い第2基準値、例えば70℃、以上であるか否かを判定し、当該第2基準値以上であると判定した後、第1基準値以下に低下した場合に、材料メンテナンス情報を出力してもよい。例えば、第2基準値は保温時の温度よりも若干低い温度であり、第1基準値は常温である。保温時の温度から常温に変わった場合には、ユーザが鍋の片付け等を行う可能性がより高いと考えられる。このタイミングで制御部20が材料メンテナンス情報を出力することで、ユーザは材料の補充を容易かつ確実に行うことができる。なお、センサは鍋の底部および/または上部に設けられ得る。これにより、センサは鍋の底部の温度、および/または、鍋の上部の蒸気の温度を検出できる。
(2)制御部20は、通信部25を介して炊飯の予約のための予約情報を受信すると、当該予約情報の受信に応答して材料メンテナンス情報を出力する。予約情報に含まれる予約時刻は通常は先の時刻であり、炊飯開始までにユーザが材料を補充する機会を確保できるからである。
なお、炊飯予約が行われた時点で、制御部20が残量推定演算を行った結果、材料の残量が不足していることが判明することがあり得る。この場合、制御部20は、材料メンテナンス情報510aにおいて材料が不足していることを通知するとともに、現在の残量で炊飯可能な代替の最大炊飯量の通知を出力してもよい。例えば、米5合の炊飯が予約された場合で米の残量が4合である場合、制御部20は、最大4合の炊飯が可能であることをさらに通知してもよい。通信部25を介してユーザから3合、4合等の炊飯について承認通知を受信すると、制御部20は、受信後に代替の炊飯量による炊飯を指示する。これにより、ユーザが外出していて材料を補充できない等の状況下でも、全く炊飯されないという事態を回避し炊飯可能な最大量までの炊飯を行うことができる。
(3)制御部20は、炊飯器1が設置されたユーザの自宅(図1における施設1003)からユーザが外出する時刻が予め判明している場合には、当該出発時刻よりも前の時刻に材料メンテナンス情報を出力する。これにより、ユーザの在宅中に制御部20が材料メンテナンス情報を出力することで、ユーザは材料の補充を容易かつ確実に行うことができる。なお、ユーザが外出する時刻は、例えば毎日の出発時刻の統計値からの予測、機械学習による予測、ユーザによる事前入力である。例えばユーザ端末500は、施設1003内のWi-Fi環境から携帯電話回線に切り替わったことを、制御部20に通知してもよい。制御部20はユーザ端末500からの通知を持って、ユーザが外出したと判定し、上述の統計値として、または機械学習の教師データとして採用し、曜日毎に統計的な分析または機械学習を行うことができる。
上述の処理は、炊飯器1以外の機器、例えば図1に示すサーバ装置1001によって実行されてもよい。図1に示すサーバ装置1001は、制御部1011及び通信部1012を有している。制御部1011及び通信部1012は、炊飯器1の制御部20及び通信部25によって実行される処理を、制御部20及び通信部25に代わって実行することが可能である。そのため本実施形態では、炊飯システム1000がサーバ装置1001を含むとして説明している。炊飯器1の制御部20及び通信部25のみで処理を処理が実行される場合には、炊飯システム1000がサーバ装置1001を有することは必須ではない。
以下、炊飯器1の構成を詳細に説明する。その後、炊飯器1の制御部20及び通信部25の処理を説明する。
図3は、実施の形態に係る炊飯器1の外観を示す斜視図である。図4は、図3の炊飯器1の内部構造を示す斜視図である。図5は、図3の炊飯器1の要部を示す斜視図である。図4及び図5では、炊飯器1の内部構造を示すために、炊飯器1の構成部品の一部を取り除いている。図6は、図3の炊飯器1の平面図である。図7は、炊飯器1を図6のV-V方向に見た断面図である。
炊飯器1は、有底筒状の鍋2と、鍋2を収容する筐体3と、上枠4と、上枠4の上方に配置されたヒンジ部5と、蓋体6とを備える。鍋2は、筐体3から取り外すことができる。筐体3は、鍋2の外周面に対して隙間を空けて対向するように設けられている。上枠4は、平面視において筐体3の上方開口部と鍋2の上方開口部との間を覆うように設けられている。蓋体6は、ヒンジ部5に、ヒンジ部5を中心として回動することができるように取り付けられている。これにより、蓋体6は、鍋2の上方開口部を開閉可能に覆う。ヒンジ部5は炊飯器1の後方に配置される。これにより蓋体6の前側が開くため、ユーザは鍋2に容易にアクセスでき、米をよそうことができる。
図7に示すように、炊飯器1は、鍋2を加熱する加熱部8と、炊飯器1全体の動作を制御する制御部20とを更に備える。加熱部8は、例えば加熱コイルを含み、加熱コイルに高周波電流を流した際に発生する高周波磁場により金属製の鍋2内に渦電流を発生させて鍋2を加熱する誘導加熱(IH)式の加熱装置である。
本実施形態では、炊飯器1は、鍋2内を加圧状態にして炊飯を行う圧力式炊飯器である。蓋体6の内部には、制御部20の制御に応じて、鍋2内と外部空間とを連通する穴を開閉可能に動作する圧力弁15(図3~図7には図示せず)が設けられている。また、炊飯器1は、鍋2内の水が沸騰したことを検知する沸騰検知部16(図7参照)と、鍋2内の圧力を検知する圧力センサ17(図4及び図5参照)とを更に備える。沸騰検知部16は、例えば蒸気センサである。
炊飯器1は、自動的に米及び水を鍋2に移動させて炊飯を行う自動投入式の炊飯器である。そのため、炊飯器1は、筐体3内に、米を収容する米容器100と、水を収容する水容器300とを備える。さらに、炊飯器1は、米容器100に収容された米を鍋2に移動させる送米部110と、水容器300に収容された水を鍋2に移動させる送水部310とを備える。送米部110及び送水部310の詳細は後述する。
米容器100の頂部には、米容器100に米を供給又は補充するための米容器開口部101が設けられている。米容器100は、炊飯器1の前方に配置され、米容器開口部101は、米容器100の上方に配置されている。使用時には、炊飯器1の後方及び側方には壁があることが想定され、また、炊飯器1の上方にも炊飯器1の収納スペースの天板があることが想定される。このような場合であっても、米容器開口部101が前方にあることにより、ユーザは、例えば米袋から米を米容器開口部101に容易に投入することができる。また、米容器100が前方にあることにより、炊飯器1の横幅が大きくなることを防止でき、側方に物や壁がある場合等における炊飯器1の設置性の悪化を防止することができる。
米容器100は、この米容器開口部101を開閉できるように構成された米容器蓋104を更に備える。図8は、米容器蓋104が開いた状態の炊飯器1を示す斜視図である。米容器蓋104は、閉塞位置から開放位置に移動する場合、蓋体6が閉じた状態から開いた状態に移動する場合に回動する方向と逆方向に回動するように構成されている。すなわち、米容器蓋104は、米容器開口部101の前方に左右に延びるように配置された第1の回動軸105を備える。これにより、米容器蓋104は、後ろから前に移動して開き、蓋体6と干渉することがない。そのため、蓋体6と干渉することなく米容器蓋104を開くことができるように、例えば米容器開口部101をより前方に設けるなどして、炊飯器1の奥行方向の寸法を増大させることがない。
米容器蓋104の蓋座104bの裏面は、蓋が閉塞位置にあるときは略水平である。蓋座104bは、閉塞位置から角度θだけ回動し、それ以上は回動しないように構成されている。角度θは、例えば90度より大きく、180度未満である。言い換えれば、米容器蓋104は、開放位置において、米容器蓋104の少なくとも一部が第1の回動軸105より前方かつ上方の静止位置に配置されるまで閉塞位置から回動可能であり、静止位置において静止できるように構成されている。このように角度θが鈍角であると、開放位置において、蓋座104bは、下方が米容器100に向かう斜面となり、蓋座104b上に乗った米を米容器100の中に案内することができる。したがって、ユーザは、米袋から米容器100に容易に米を入れることができる。また、米容器100への米の供給時における米のこぼれ落ちを防止することができる。
図示のように米容器100の米容器開口部101が上部にあると、炊飯中に鍋2や蓋体6の底部等に付着した露、及び炊飯中に発生した水蒸気等が、米容器100の米容器開口部101から侵入するおそれがある。米容器100の中に水分が入ると、米容器100内の米をふやかせたり、腐敗を引き起こすことがある。そこで、上枠4の上部には、米容器100の米容器開口部101と鍋2との間に、米容器開口部101より上方に突出した防水壁9が設けられている。防水壁9は、米容器100の米容器開口部101に水が入ることを防止することができる。
例えば図3に示すように、米容器100の前面にはヒンジにより開閉可能な扉103が取り付けられている。扉103は、前方に開く。図9は、扉103が開いた状態の炊飯器1を示す斜視図である。これにより、ユーザは、前方から米容器100内に手を入れるなどして米容器100にアクセスすることができる。したがって、米容器100の中を拭くなどしてお手入れをすることができる。米容器100は、扉103を開けただけでは米が米容器からこぼれないように、米容器100の前面開口部を塞ぐための中蓋107を備えてもよい。
米容器100は、前方から見て米容器100の幅が下方に向かうに連れて漸次減少するように傾斜した傾斜側面108を有する。本実施形態では、米容器100の一方の側面である傾斜側面108のみが傾斜し、傾斜側面108に対向する他方の側面109は傾斜していない。この構成により、傾斜側面108の下方に広いスペースを確保することができ、後述のようにこのスペースに水容器300を配置する場合に水容器300の容量を大きくすることができるため有利である。しかしながら、本開示はこれに限定されず、米容器の左右の側面の両方が傾斜していてもよい。米容器100内に供給された米は、傾斜側面108を滑って下方に集まる。
水容器300の少なくとも一部は、米容器100の傾斜側面108の下方に配置される。図7に示すように、炊飯器1の下方に水容器300を収納するための水容器収納部301が設けられている。このように、水容器300を米容器100の傾斜側面108の下方に配置することにより、炊飯器1をコンパクトにすることができる。
水容器300は、水容器収納部301の中に着脱自在に収納される。ユーザは、水を補給するために、水容器収納部301から水容器300を前方に引き抜いて取り出すことができる。図10は、水容器300を取り出した状態の炊飯器1を示す斜視図であり、水容器300の全体構成を示している。水容器300は、給水口を開閉自在に塞ぐ蓋302と、取り付けられた際に鍋2への送水路311に接続される出口303とを備える。出口303は、本開示の「開口部」の一例である。ユーザは、水容器300を取り出した後、蓋302を開けて、水道等から給水口を介して水を水容器300の中に補充する。使用時には、炊飯器1の後方及び側方には壁があることが想定されるところ、水容器300を前方に引き抜いて取り出す構成により、ユーザは、容易に水容器300に給水することができる。
図7に示されているように、炊飯器1は、水容器収納部301の後方に、水容器300の中に収容された水を冷却するためのペルチェユニット400を備える。ペルチェユニット400は、例えば、ペルチェ素子401と、ヒートシンク403と、冷却ファン407とを含む。

[1-2.送米部]
[1-2-1.計量羽根及び米移送羽根]
送米部110は、米容器100から鍋2へ米を移送するための送米路111と、米の量を計測し、指定された量の米を送米路111に供給する米計量部120と、を備える(図4及び図5参照)。
[1-2-2.米分離装置]
図4及び図5に示すように、送米路111は、送米路入口129から鍋2の上部まで延びている。送米部110は、送米路111の最下流に、米分離装置150を更に備える。また、送米部110は、米分離装置150を介して送米路111と流体的に接続された排気管113と、送米路111の中の空気を流動させ、それにより米を送米路入口129から鍋2へ移動させる送米ファン112とを更に備える。
米分離装置150は、蓋体6の中に配置されている。本開示はこれに限定されないが、米分離装置150を蓋体6の中に配置すると、炊飯器1の横幅が大きくなることを防止でき、側方に物や壁がある場合等における炊飯器1の設置性の悪化を防止することができる。
送米ファン112は、例えば、排気管113の鍋2側と異なる端部に取り付けられ、排気管113、米分離装置150、及び送米路111の空気を吸い込むことによって送米路111の中の空気を流動させる吸気ファンである。これにより、送米ファン112の動作等により発生した熱が送米路111に入らないため、送米中の米に対する熱によるダメージを軽減することができる。また、吸気ファンを用いて負圧を利用して米を移動させる構成により、米容器100に米が逆流することを防止することができる。
[1-2-3.貯米量センサ]
図4に示すように、炊飯器1は、米容器100内の貯米量を検知する貯米量センサ230を更に備える。図11は、米容器100と貯米量センサ230との位置関係を示す断面図である。なお、理解の便宜のため、図11は、図7に示す断面とは異なる位置の断面を示している。
貯米量センサ230は、米容器100内に、予め定められた高さまで米があるか否かを検知する。図4に示した例では、貯米量センサ230は、米容器100の外側表面に取り付けられた静電タッチセンサ等の静電容量式センサである。貯米量センサ230は、鉛直方向に並んだ複数のセンサを含んでもよい。この場合、複数のセンサのそれぞれが自身の水平方向に米が有るか否かを検知する。この場合、センサが1つの場合に比べて米容器100内の米の量を正確に計測することができる。
貯米量センサ230は、前述の静電容量式センサに限定されず、例えば重量センサ、米容器100内に設けられたメカスイッチ式のセンサ、及び米容器100内の米の上面の位置を検知する赤外線センサ等であってもよい。もっとも、静電容量式センサは米容器100の外側表面に貼ることができ、米容器100内にセンサが脱落することがない。また、赤外線センサを用いた場合、米粉等による検知精度の悪化が生じるが、静電容量式センサを用いると米粉等による検知精度の悪化は生じない。したがって、静電容量式センサを用いることにより、安定して精度良く貯米量を検知することができる。
[1-3.送水部]
図5に示すように、送水部310は、水容器300から鍋2へ水を移送するための送水路311と、水を移動させる送水ポンプ312と、水容器300内の水位を検知する水位センサ313とを備える。送水ポンプ312は、本開示の「送水装置」の一例である。送水ポンプ312は、例えば、送水の向きを制御できるギヤポンプ、チュービングポンプ等のポンプである。送水ポンプ312を用いることにより、簡易な構成で送水を行うことができる。また、送水ポンプ312を用いることにより、送水路311の設計の自由度が増す。
図12は、水位センサ313の構成を示す分解斜視図である。本実施形態では、水位センサ313は、パッキン314を介して送水路入口315の上方に取り付けられている。水位センサ313は、例えば送水路311の中の圧力を測定する圧力センサである。このような水位センサ313は、例えば、送水路311内の水位と水容器300内の水位との差に対応する圧力を検知する。
本開示の水位センサは、前述の圧力センサに限定されず、例えば静電容量式センサ、超音波式センサ、電波式センサ等であってもよい。
炊飯器1の動作モードに洗浄コースを設け、送水路311の内部を清潔に保つ動作を炊飯器1に行わせてもよい。洗浄コースでは、制御部20は、送水ポンプ312を正回転させることにより、送水路311に残った水を鍋2に送る。また制御部20は、送水ポンプ312を逆回転させて水を水容器300に戻すこともできる。送水路311を構成するチューブに銀イオンを練り込み、チューブ表面への雑菌の発生を抑えてもよい。これにより、水が残りやすい送水路311のお手入れを筐体の分解をすることなく実施できる。
本明細書では、送米路111及び送水路311を包括的に「導入路」と呼ぶことがある。すなわち、導入路は、米容器100または300から、米または水である材料を鍋2に導入する。
[1-4.制御部]
炊飯器1は、制御部20の制御に応じて自動的に米及び水を鍋2に移動させて炊飯を行う自動投入式の炊飯器である。図13は、このような炊飯器1のハードウェア構成を例示するブロック図である。炊飯器1は、制御部20と、記憶部21と、入力部22と、出力部23と、通信インタフェース(I/F)25とを備える。
また、上記項目[1-1.全体構成と動作の概要]において説明したように、制御部20は通信部25と連携して、残量推定演算を行う工程(a)と、推定された当該残量に関連付けられた材料メンテナンス情報を提供する工程(b)とを実行する。
制御部20は、炊飯器1の全体の動作を制御する。記憶部21は、炊飯器1の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを含む種々の情報を記録する記録媒体である。
制御部20は様々な態様で実現可能である。例えば、制御部20として、ソフトウェアと協働して所定の機能を実現するプロセッサを用いてもよい。制御部20としてプロセッサを用いれば、制御部20は、プログラムを格納している記憶部21からプログラムを読み込んでこれを実行することで、各種処理を実行することができる。記憶部21に格納されたプログラムを変更することで処理内容を変更できるので、制御内容の変更の自由度を高めることができる。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、及び、MPU(Micro-Processing Unit)を含む。また、制御部20としてプログラムの書き換えが不可能なワイヤードロジックを用いてもよい。制御部20としてワイヤードロジックを用いれば、処理速度の向上に有効である。ワイヤードロジックとしては、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などがある。また、制御部20は、プロセッサとワイヤードロジックとを組み合わせて実現されてもよい。制御部20を、プロセッサとワイヤードロジックとを組み合わせて実現すれば、ソフトウェア設計の自由度を高めつつ、処理速度を向上することができる。また、制御部20と、制御部20と別の機能を有する回路とを、1つの半導体素子で構成してもよい。別の機能を有する回路としては、例えば、A/D・D/A変換回路などがある。また、制御部20は、1つの半導体素子で構成されてもよいし、複数の半導体素子で構成されてもよい。複数の半導体素子で構成する場合、特許請求の範囲に記載の各制御を、互いに異なる半導体素子で実現してもよい。さらに、半導体素子と抵抗又はコンデンサなどの受動部品とを含む構成によって制御部20を構成してもよい。
記憶部21は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)などの半導体メモリ装置、ハードディスク等の磁気記憶装置、その他の記憶デバイス単独で又はそれらを適宜組み合わせて実現される。記憶部21は、種々の情報を一時的に記憶する高速動作可能なSRAM、DRAMなどの揮発性メモリを含んでもよい。
通信部25は、炊飯器1と外部機器との通信を可能にするものであればよい。通信部25は、様々な態様で実現可能である。例えば、通信部25は、外部機器と有線で接続する態様であってもよいし、外部機器と無線で通信接続する態様であってもよい。本開示の装置と外部機器とを有線で接続する通信部25であれば、通信のセキュリティ性、及び、通信の安定性において有効である。有線接続の通信部25としては、例えば、Ethernet(イーサネット:登録商標)規格に基づく有線LAN、又は、光ファイバーケーブルを用いた有線接続などがある。無線接続の通信部25としては、基地局等を介しての外部機器との無線接続、又は、外部機器との直接無線接続などがある。基地局等を介しての外部機器との無線接続としては、例えば、WiFi(ワイファイ:登録商標)ルータと無線通信するIEEE802.11対応の無線LAN、第3世代移動通信システム(通称3G)、第4世代移動通信システム(通称4G)、第5世代移動通信システム(通称5G)、IEEE 802.16対応のWiMax(ワイマックス:登録商標)、又は、LPWA(Low Power Wide Area)などがある。本開示の装置と外部機器とを直接無線接続する通信部25を用いれば、通信のセキュリティ性の向上に有効であるとともに、WiFi(ワイファイ:登録商標)ルータなどの中継機器が存在しない場所でも、本開示の装置は外部機器と通信できる。本開示の装置と外部機器とを直接無線接続する通信部25としては、例えば、Bluetooth(ブルートゥース:登録商標)による通信、ループアンテナを介したNFC(Near Field Communication)による通信、又は、赤外線通信などがある。
入力部22は、炊飯器1又は外部機器からの信号を受信する入力インタフェースである。入力部22は、例えば、前述の沸騰検知部16と、鍋2内の圧力を検知する圧力センサ17と、計量羽根121の回転数を検出する回転数センサ141と、貯米量センサ230と、水位センサ313と、温度センサ405及び410とを有する。温度センサ405は鍋の底部近傍に設けられ、鍋2の底の温度を検知する。温度センサ410は鍋2の蓋の蒸気口近傍に設けられ、蓋を通過する蒸気の温度を検知する。入力部22は、ユーザからの入力を受け付けるボタン、及びタッチパネル等のユーザインタフェース(UI)40を含んでもよい。ユーザは、例えば、ユーザインタフェース40を操作して、炊飯量、調理方法、炊き上がり時刻等を設定する。
ユーザインタフェース40は、ユーザが炊飯器1に対して情報を入力するために用いられる。ユーザインタフェース40としては様々な実施の形態が考えられる。例えば、機械式の操作部材類でユーザインタフェース40を構成してもよい。また、ディスプレイの上方に設置された透明板状の操作部材でユーザインタフェース40を構成してもよい。このような透明板状の操作部材は、接触式のものを用いることもできるし、非接触式のものを用いることもできる。また、カメラを用いてユーザの動作を撮影し、その動作を炊飯器1が認識することで、ユーザインタフェース40としてもよい。また、ユーザの発する音を炊飯器1が受信することで、ユーザインタフェース40としてもよい。このような構成としてはスマートスピーカなどが該当する。
ユーザインタフェース40をいずれの場所に設けるかに関しても様々な実施の形態が考えられる。ユーザインタフェース40は、炊飯器1に設けてもよいし、炊飯器1とは別体として設けてもよい。ユーザインタフェース40を炊飯器1と別体として設ける場合は、ユーザインタフェース40と炊飯器1との間を、有線または無線により通信可能とする。この場合、ユーザインタフェース40と炊飯器1とを直接的に通信可能してもよいし、インターネットまたはアクセスポイントなどを介在させて間接的に通信可能としてもよい。また、無線で通信する場合、移動体通信方式で通信可能としてもよいし、その他の規格に準拠して通信可能としてもよい。さらに、無線で通信する場合、遠隔無線を用いてもよいし、近接無線を用いてもよい。
制御部20は、出力部23の動作を制御する。出力部23は、例えば、前述の加熱部8と、加熱部8電源電力を供給するためのスイッチングトランジスタと、圧力弁15と、表示部31と、スピーカ32と、送米ファン112と、送水ポンプ312と、ペルチェ素子401と、冷却ファン407とを含む。
[2.動作]
図14は、本開示の実施形態に係る炊飯器1による動作の一例を示すフローチャートである。炊飯器1は、自動投入式の炊飯器であり、ユーザインタフェース40又は通信部25を介して受け付けたユーザからの炊飯指示の入力に応じて、米容器100内の米と水容器300内の水とを鍋2に移動させ、加熱部8を稼働させて炊飯を行う。具体的には、炊飯器1による動作は、上記のような炊飯指示または炊飯予約を受け付けるステップS1と、送米工程S2と、送水工程S3と、前炊き工程S4と、炊き上げ工程S5と、攪拌工程S6と、沸騰維持工程S7と、蒸らし工程S8とを含む。ステップS1からS8の工程と並行して、炊飯器1は、メンテナンス情報の提供処理S9を実行する。本開示にかかる処理は、ステップS9に関する。
[2-1.メンテナンス情報の提供工程]
図15は、図14のメンテナンス情報の提供処理S9の流れを示すフローチャートである。メンテナンス情報の提供処理S9は、制御部20によって定期的に、または後述する条件下で実行される。
ステップS10において、制御部20は、材料である米および/または水の残量を推定する残量推定演算を行う。ステップS11において、制御部20は、通信部25を介して、推定した残量に関連付けられた材料メンテナンス情報を出力する。
米の残量推定演算は、米の残量を推定する演算である。「残量」とは、例えば、米容器100内の米の量が米容器100の容量の60%であること、米容器100内に米が10合存在することをいう。水についても同様である。さらに、「米の残量」は、現在、米容器100または外部の米びつ等で保管されている米の残量を含む。本明細書では、米が保管されている残量を、保管量と呼ぶことがある。
以下では、下記の2つの例についての残量推定演算を説明し、併せてステップS11において出力される材料メンテナンス情報を例示して説明する。
第1の例:炊飯器1内の容器に投入された材料の初期量及び材料の使用履歴に基づいて残量推定演算が行われる例
第2の例:保管量に関して残量推定演算が行われる例
以下、残量推定演算の第1の例を説明する。
材料の「初期量」とは、例えば、米が米容器100に投入された量、または水が水容器300に投入された量を言う。投入された量は、貯米量センサ230によって検出されもよいし、ユーザから入力された初期量を示す初期量データを、制御部20が通信部25を介して取得してもよい。
米が米容器100に投入された量は厳密である必要はない。すなわち、貯米量センサ230によって検出可能な量の上限値、例えば8合、以上の米が投入された場合には、当面は十分な8合以上の貯米がされているとして、制御部20は任意の上限値を設定してもよい。貯米量センサ230が検出する貯米量が当該上限値を下回った場合に、貯米量センサ230の出力から現在の貯米量を更新すればよいからである。水が投入された量も同様である。
材料の「使用履歴」は、例えば炊飯器1における炊飯量の累積値を含む。炊飯器1において炊飯が行われると、制御部20は、今回の炊飯量と、これまでの炊飯量の累積値とを加算する。「今回の炊飯量」は、例えば、ユーザから受け付けた炊飯量の指定値に基づいて決定されてもよいし、実際の炊飯時に検出した鍋2の温度変化から推定してもよい。 「これまでの炊飯量の累積値」は、炊飯器1の記憶部21に炊飯量累積データとして保持されている。制御部20は、今回の炊飯量を、これまでの炊飯量の累積値に加算して最新の累積値を得ると、最新の累積値で炊飯量累積データを更新する。炊飯量累積データは、例えばユーザが米を追加投入されると0にリセットされてもよい。
今回の炊飯量を決定する方法を説明する。
図16は、ユーザがユーザ端末500を利用して炊飯量を指定する際のディスプレイ501の表示例を示している。ユーザ端末500の制御部は、炊飯量を指定して炊飯器1に炊飯の予約を行うことが可能なアプリケーションプログラムを実行している。
炊飯量の指定は、例えば、ご飯茶碗何杯分か、または、1合の計量カップ何カップ数か、で行われ得る。図16において、指定領域514は、ご飯茶碗2杯分であることが示されている。指定領域516には、ご飯茶碗2杯分に対応する、計量カップ「0.4」杯分であることが示されている。ユーザ端末500の制御部は、アプリケーションプログラムの処理に従って、ユーザが指定領域514aを利用してご飯茶碗の数を増減させると、計量カップによる合数の数値を更新する。
1合の計量カップ1カップの容量、及びご飯茶碗1杯の各々を、本明細書では「単位数量」と呼ぶ。ご飯茶碗はユーザが使用するご飯茶碗である。ご飯茶碗の容量は予め登録されていることが好ましい。例えば大人用と子供用、成人男性用と成人女性用など、ご飯茶碗の容量の大小を予め設定してもよいし、盛り方の大小によって単位数量を変更してもよい。単位数量として予め用意されたデフォルト値が設定されてもよい。単位数量を柔軟にカスタマイズ可能にすることで、その時々に必要な分だけ炊飯し、追加炊飯やご飯の食べ残しの発生を抑制できる。
図17は、鍋2の温度の時間変化から、今回の炊飯量を推定する処理を説明するための図である。図17には、実線で示された3本の基準沸騰昇温カーブ520、522及び524と、破線で示された炊飯時の鍋2の沸騰昇温カーブ526とを示している。3本の基準沸騰昇温カーブ520、522及び524は、例えばそれぞれ2合、3合及び5合で炊飯を行ったときの、鍋2の温度の時間変化を示している。基準沸騰昇温カーブ520、522及び524のプロファイルは、例えば炊飯器1の出荷時に記憶部21に保存されている。
制御部20は、鍋2の沸騰昇温カーブ526が、3本の基準沸騰昇温カーブ520、522及び524のうちのどの基準沸騰昇温カーブに最も近いかを判定する。図17の例では、鍋2の沸騰昇温カーブ526は基準沸騰昇温カーブ524に最も近い。そこで制御部20は、今回の炊飯量は5合であると推定する。
沸騰昇温カーブ526に最も近い基準沸騰昇温カーブの判定方法は、例えば同じ時刻または一定の時間区間において温度の差の二乗または絶対値が最も小さくなる基準沸騰昇温カーブを最も近いカーブとして選定することができる。
以上のようにして、容器への材料の初期投入量と材料の使用履歴とが決定されると、制御部20は、初期投入量から炊飯量の累積値を減算して、材料の残量の推定値を算出する。残量の推定値を算出すると、図15のステップS11において、制御部20は、推定した残量に関連付けられた材料メンテナンス情報を出力する。上述の図2には、ユーザ端末500に映像および/または音声によって提示された「材料の残量」を示す材料メンテナンス情報510aの一例が示されている。
制御部20はさらに、米の残量から推定される炊飯可能日数または炊飯可能量の情報を、ユーザ端末500に提供してもよい。図18は、炊飯可能量を示す情報512が表示された、ユーザ端末500のディスプレイ501を示している。図18の例では、炊飯可能量として、茶碗で計算して何杯分か、および/または、何合のお米を炊飯可能か、が示されている。
なお、第1の例による残量推定演算は、炊飯器1の貯米量センサ230の検出値に基づいて行われてもよい。ここでいう残量推定演算は、検出値が示す電圧値等を残量に変換する演算である。ただし、液体と異なり、米は米容器100内部で偏ってしまうことがあるため、貯米量センサ230の検出結果には誤差が含まれる可能性がある。また、図11等に示すように、米容器100の内部は貯米量センサ230が設けられた範囲、すなわち検知範囲、よりも+Z方向に広がっているため、貯米量センサ230では検出できない場合もあり得る。そのため、貯米量センサ230の検知結果と上述の演算とを併用してもよい。
次に、残量推定演算の第2の例を説明する。
第2の例において推定される米の残量は、現在、ユーザが炊飯器1の外部の米びつ等において保管している米の保管量を意味する。
制御部20は、ユーザが入手した米の総量を示すデータを、米の初期量データとして取得する。例えば、制御部20は、ユーザがユーザ端末500で入力した米の初期量データを取得してもよいし、米容器100に設けられた満量を検出するセンサ(図示せず)からの出力に基づいて、米の初期量データを取得してもよい。あるいは、ユーザがオンラインストアで米を購入して入手した場合、制御部20は事前の認証等を経てオンラインストアと連携している場合には、オンラインストアから初期量データを取得することができる。
米の「使用履歴」の算出方法は、上述の残量推定演算の第1の例と同じである。すなわち、制御部20は、今回の炊飯量と、これまでの炊飯量の累積値とを加算して、これまでの炊飯量の累積値を更新すればよい。今回の炊飯量は、沸騰昇温カーブ、またはユーザから指示された炊飯量に基づいて決定され得る。これまでの炊飯量の累積値は、記憶部21に保持されている炊飯量累積データを利用し得る。
以上のようにして、ユーザが入手した米の総量と材料の使用履歴とが決定されると、制御部20は、米の総量から炊飯量の累積値を減算して、現在の保管量の推定値を算出する。保管量の推定値を算出すると、図15のステップS11において、制御部20は、推定した残量に関連付けられた材料メンテナンス情報を出力する。図19は、保管量を示す「残り:6kg」の文字が表示された材料メンテナンス情報510aの一例が示されている。材料メンテナンス情報510aは、ユーザ端末500のスピーカ502から音声で提示されてもよい。
仮に、保管量の推定値が所定の保管量閾値以下であることを示す場合、制御部20は、材料に関するメンテナンス情報として、現時点で米の購入を促す購入案内を提示してもよい。または、制御部20は、これまでの使用履歴からお米が持つ残り日数を推定し、その残り日数に到達するより前の購入タイミングを通知する購入案内を提示してもよい。さらに、ユーザのスケジュールが登録されるオンラインカレンダーに炊飯器1がアクセスできるよう両者を連携させることにより、制御部20は、当該オンラインカレンダーの次回の購入タイミングに対応する日に、購入案内を示すスケジュールを登録してもよい。また、第1の例と同様に、制御部20は、図18と同様、保管量から推定される炊飯可能日数または炊飯可能量を算出してもよい。
このように、米容器100を超える量の米をユーザが購入し、1回以上米容器100に小分けにして米を投入していた場合でも、第2の例にかかる残量推定演算によれば、ユーザが保管している米の残量の情報をユーザに提供可能である。
以下、図14のステップS2からS8の処理を概説する。これらの処理は、自動炊飯器の動作として一般的であり、本開示にかかる処理と直接関連しないため、詳細な説明は省略する。
[2-2.送米工程]
図20は、図14の送米工程S2の流れを示すフローチャートである。制御部20は、炊飯指示(図14のステップS1)に応じて、炊飯に必要な米の量mを決定する(S21)。炊飯量は、例えば、ユーザが、米の体積(合、ml、cm等)、米の重量(g)、何人分等を指定することによって特定される。例えば、ユーザは、蓋体6又は米容器蓋104の頂部に設けられたボタン等のUI40によって炊飯量を入力する。あるいは、ユーザは、スマートフォン等の端末を操作し、通信部25を介して炊飯器1の制御部20に炊飯量を伝達してもよい。
次に、制御部20は、貯米量Mが、予め定められた量M0より多いか否かを判定する(S22)。
ステップS22において、貯米量Mが予め定められた量M0以下であると判定した場合(ステップS22でNo)、制御部20は、貯米量Mが、ステップS21で決定された米の必要量mより少ないか否かを判定する(S23)。
貯米量Mが米の必要量m以上であると判定した場合(ステップS23でNo)、制御部20は、貯米量Mを再セットする(S24)。具体的には、制御部20は、貯米量MをM-mに更新し、更新結果を記憶部21に格納する。これにより、制御部20は、貯米量Mを常に把握することができる。
また、貯米量センサ230が鉛直方向に並んだ複数のセンサを含む場合、制御部20は、各センサの検知結果を用いて貯米量Mを再セットしてもよい。例えば、貯米量センサ230が鉛直方向に並んだk個のセンサを含み、各センサが、米容器100内の貯米量Mが予め定められた量(M1,M2,…,Mk)より多いか否かを検知する。ここで、M1>M2>…>Mkとする。制御部20は、貯米量MがM1以下であると判定した場合において、貯米量Mが米の必要量m以上であると判定した場合、貯米量MをM1-mに更新する。ただし、貯米量MがM2以下であることが検知された場合には、制御部20は、この結果を優先し、貯米量MをM2-mに更新する。米容器100内の貯米量Mが予め定められた量(M3,M4,…,Mk)より多いか否かを検知する他のセンサの検知結果についても同様である。なお、制御部20は、より高精度に貯米量Mを算出できてもよい。例えば、図20のステップS26で米を計量している工程において、制御部20は、貯米量センサ230がMkとなった時点で送米した米の量m1を検知してもよい。これにより制御部20は、貯米量センサ230がMkとなった時点からさらに送米される米の量を、m-m1と算出できる。そして制御部20は、米容器100内の貯米量が、Mk-(m-m1)になることを算出できる。制御部20は、貯米量Mを、Mk-(m-m1)と記憶し、次回に炊飯指示が入力されたときにこの値を利用することができる。
次に、制御部20は、送米ファン112を起動し(S25)、米計量部120による送米量計測処理を実行する(S26)。ステップS26の詳細については後述する。送米が完了すると、制御部20は、送米ファン112を停止させる(S27)。
ステップS23において、貯米量Mが米の必要量mより少ないと判定した場合(ステップS23でYes)、制御部20は、出力部23を介してユーザに報知を行う(ステップS28)。例えば、制御部20は、表示部31に米の量が不足している旨を表示させ、又は、スピーカ32に米の量が不足している旨若しくは警告音を出力させる。あるいは、制御部20は、通信部25を介してスマートフォン等のユーザの端末に対して報知を行ってもよい。報知を行った場合、炊飯器1による炊飯は実行されない。ユーザは、報知によって米の量が不足していることを知ることができ、米を補充して再度炊飯の実行を指示することができる。なお、上述の図14のステップS9及び図15に示すように、本実施形態では、メンテナンス情報の提供処理に関連して米の残量推定演算を行うため、ステップS23による判定及びステップS28の処理は省略してもよい。
ステップS22において、貯米量Mが予め定められた量M0より多いと判定した場合(ステップS22でYes)、ステップS25に進む。
図21は、図20の送米量計測処理ステップS26の流れを示すフローチャートである。まず、制御部20は、炊飯指示(図14のS1)において指定された量の米を移送するために必要な計量羽根121の必要回転数Nを決定する(S261)。
次に、制御部20は、駆動モータ123を駆動し、計量羽根121を供給方向に回転させる(S262)。回転が開始すると、制御部20は、回転数センサ141によって検出された計量羽根121の回転数nを取得する(S263)。回転数nは、回転開始時からの計量羽根121の回転数である。次に、制御部20は、回転数nがステップS261で決定された必要回転数Nより大きいか否かを判定する(S264)。回転数nがステップS261で決定された必要回転数N以下である場合(ステップS264でNo)、制御部20は、ステップS262及びステップS263を再度実行する。回転数nがステップS261で決定された必要回転数Nより大きい場合(ステップS264でYes)、ステップS265に進む。このようにして、制御部20は、計量羽根121の回転数nが必要回転数Nに達するまで駆動モータ123を駆動する。
ステップS265では、制御部20は、駆動モータ123を供給方向と逆向きの排米方向に回転させ、計量羽根121を排米方向に回転させる。これにより、計量羽根121は、送米が完了した後、計量羽根121上の米を米容器100の中に排出する。
[2-3.送水工程]
図22は、図14の送水工程S3の流れを示すフローチャートである。まず、制御部20は、ユーザからの炊飯指示(ステップS4)に含まれる炊飯量に基づいて、炊飯に必要な水の量wを決定する(S31)。
次に、制御部20は、水位センサ313による水容器300内の水位の検知結果を取得し(S32)、検知結果に基づいて、水容器300の水の量W0を決定する(S33)。次に、制御部20は、水容器300の水の量W0がステップS31で決定された必要量wより少ないか否かを判定する(S34)。
水容器300の水の量W0がステップS31で決定された必要量w以上であると判定した場合(S34でNo)、制御部20は、必要量wの水を供給するために必要な送水ポンプ312の駆動時間Tを算出する(S35)。次に、制御部20は、ステップS35で算出された駆動時間Tだけ送水ポンプ312を動作させる(S36)。これにより、指定された量の水が、水容器300から鍋2に移動する。
水容器300から鍋2に移動させる水の量を検知する手段として、上記の手段以外にも、水容器300から流出した水の流量を測定する手段が考えられる。この場合、例えば水の流量を測定する流量センサが用いられる。しかしながら、流量センサの測定結果にはばらつきが多く、鍋2に投入される水の量を精度良く測定できないという課題がある。これに対し、本開示に係る炊飯器1は、水位センサ313を用いて水容器300内の水位を検知する。動的な水の流量を測定する流量センサに比べて、静的な水位を検知する水位センサ313を利用することにより、指定された量の水を精度良く検知し、鍋2に投入することができる。また、水位センサ313として高精度で廉価な圧力センサを利用することにより、炊飯器1の製造コストを低減することができる。
次に、制御部20は、送水路311の中の水を水容器300の中に移動させるように送水部310を制御する(S37)。例えば、制御部20は、送水ポンプ312を駆動して、ステップS26の送水方向とは逆方向に送水路311の中の水を流動させる。これにより、送水路311の中に残存した水が腐敗すること、送水路311の中で雑菌が増殖すること等を防止することができる。
ステップS34において、水容器300の水の量W0がステップS31で決定された必要量wより少ないと判定した場合(S34でYes)、制御部20は、出力部23を介してユーザに報知を行う(ステップS38)。例えば、制御部20は、表示部31に水量不足である旨を表示させ、又は、スピーカ32に水量不足である旨若しくは警告音を出力させる。あるいは、制御部20は、通信部25を介してスマートフォン等のユーザの端末に対して報知を行ってもよい。報知を行った場合、炊飯器1による炊飯は実行されない。ユーザは、報知によって水の量が不足していることを知ることができ、水を補充して再度炊飯の実行を指示することができる。なお、上述の図14のステップS9及び図15に示すように、本実施形態では、メンテナンス情報の提供処理に関連して水の残量推定演算を行うため、ステップS23による判定及びステップS28の処理は省略してもよい。
[2-4.炊飯動作]
前述の送水工程S3を終えると、鍋2内に米及び水がセットされた状態となる。この後、前炊き工程S4と、炊き上げ工程S5と、攪拌工程S6と、沸騰維持工程S7と、蒸らし工程S8とを含む炊飯動作が行われる。
前炊き工程S4は、加熱部8による加熱を行うものの、鍋2内の温度を糊化温度以下(例えば55度)に保ち、米に吸水させる工程である。炊き上げ工程S5は、更に鍋2を加熱し、沸騰状態に移行させる工程である。攪拌工程S6は、鍋2内の圧力を制御して突沸を発生させることにより攪拌を行う工程である。沸騰維持工程S7は沸騰を維持する工程であり、蒸らし工程S8は炊飯後の米を蒸らす工程である。
(変形例・応用例)
これまでの説明では、メンテナンス情報の一例である、材料に関する材料メンテナンス情報の提供に関する処理及び表示例を説明した。メンテナンス情報の他の一例として、容器の手入れを促す案内に関するシステムメンテナンス情報を提供する例を説明する。
容器の手入れを促す案内を提供する好適なタイミングは、ユーザが炊飯器1の近くに存在すると考えられる時である。先の材料メンテナンス情報の提供時に説明したように、鍋2の温度が下がったタイミング、例えば、鍋2が常温にまで冷めている場合、または鍋2が保温状態の温度から常温に変わった場合には、ユーザが鍋の片付け等を行う可能性がより高いと考えられる。そこで、鍋の底部近傍に設けられた温度センサ405が、例えば鍋2の底部の温度が30℃以下になったことを検出した場合、制御部20は、ユーザに炊飯器1の手入れを行うことを促すシステムメンテナンス情報をユーザ端末500に送信する。あるいは、炊飯回数や、炊き込みご飯などの汚れのつきやすいメニューが使用された後で、同様のシステムメンテナンス情報をユーザ端末500に提供してもよい。ユーザが、ユーザ端末500に提供されたシステムメンテナンス情報を閲覧して炊飯器1の手入れを行うことにより、炊飯器1を好適な状態に維持できる。
図23は、炊飯システム1000における炊飯の予約方法を説明するための図である。炊飯システム1000では、炊飯器1と、1人または同じ家族内の複数人のユーザとが、ソーシャルネットワークサービス(SNS)のプラットフォーム上で1つのグループを構成することができる。炊飯器1の制御部20は、同じグループ内の各ユーザに、予約された炊飯完了時刻と炊飯量とを含むメッセージ530を送信する。本例では、炊飯完了時刻は19時である。あるユーザがユーザ端末500から、帰宅時間が19時30分になることを伝えるメッセージ532を投稿する。すると制御部20は、炊飯完了時刻を19時30分に変更し、変更後の炊飯完了時刻と炊飯量とを含むメッセージ534を送信する。これにより、ユーザは、炊き上がり直後の最も美味しいタイミングで、かつ、その時々に必要な量だけご飯を食べることができる。これにより、追加炊飯やご飯の食べ残しの発生を抑制できる。
上述の実施形態では、米の保管量に関して残量推定演算を行う例を説明した。この例の場合の米は、米容器100に投入されていないことを想定した。この例の応用として、種々の米の保管量を個々に算出してもよい。米には種々の銘柄や種類(例:玄米、無洗米)が存在する。そこで、制御部20は、ユーザからの受け付けた、米の銘柄毎、種類毎の初期量と、これまでの銘柄毎、種類毎の炊飯量の累積値とを保持し更新する。これにより、炊飯システム1000は、銘柄毎、種類毎の購入案内や推定した残量をユーザに提示することができる。
図24は、ユーザがお気に入りメニュー540aに登録した種々の銘柄、種類に応じた保管量を、材料メンテナンス情報540aとして表示する例を示している。材料メンテナンス情報540aは、銘柄及び種類ごとの保管量542a、542b及び542cと、購入時期であることを示す通知544とを含む。これにより、ユーザは米容器100に投入されていない種々の銘柄、種類の米についても、残量、購入時期等の提供を受けることができる。
次に、貯米量センサ230の利用と、炊飯量との関係を利用した変形例を説明する。いま、米容器100の最大容量が13合であるとし、閾値として8合が設定されているとする。「8合」は、貯米量センサ230が米の残量を検出可能になる値である。米容器100の容量の最大値である13合と、閾値である8合との間の範囲内では、米の炊飯履歴を利用して残量推定演算を行う。そして8合以下になると、貯米量センサ230の出力値を併用して残量を推定してもよい。具体的には、制御部20は、材料の使用履歴を利用して残量推定演算を行って推定残量値を算出する。また貯米量センサ230から、残量である貯米量の検出値を受け取る。制御部20は、推定残量値と貯米量の検出値とを比較してより低い方の値を、現在の残量を示す値として採用する。これにより、演算の算出誤差や検出誤差によって残量が多く推定された場合でも、できるだけ誤差が小さくなるように残量を推定できる。ただし、誤差の存在を完全に排除することは困難であるから、一定の残量を下回った場合には、制御部20に炊飯の指示または予約を受け付けさせない、という炊飯下限値を設けてもよい。この場合、残り3合になると、実質的に1合の炊飯しか受け付けられなくなる。よって、残り3合などの一定の閾値に達した場合には、制御部20は、ユーザにメンテナンス情報として残量を報知し、米の補充を促してもよい。水についても米と同様の制限を設けることが可能である。
(例示的な態様)
上記実施の形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、上記実施の形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
第1の態様は、炊飯システム(1000)におけるメンテナンス情報を提供する情報提供方法である。炊飯システムは、筐体(3)と、筐体に収容された鍋(2)と、鍋を加熱する加熱部(8)と、水または米の少なくとも一方である材料を貯蔵する容器(100)と、容器から材料を鍋へ導入する導入路(111、311)と、制御部(20、1011)と、通信部(25、1012)とを備えている。情報提供方法は、制御部による、(a)材料の初期量及び材料の使用履歴に基づいて、および/または、材料の残量を検出するセンサ(230、313)の検出値に基づいて、材料の残量を推定する残量推定演算を行う工程(S10)と、(b)通信部を介して、残量に関連付けられた、材料に関するメンテナンス情報である材料メンテナンス情報を出力することにより、材料メンテナンス情報を提供する工程(S11)とを包含する。
第2の態様は、第1の態様に基づく情報提供方法である。炊飯システムは、通信部と有線または無線で通信可能な端末(500)をさらに備えている。制御部は、工程(b)において、端末に材料メンテナンス情報を出力し、端末を介して材料メンテナンス情報を提供する。
第3の態様は、第2の態様に基づく情報提供方法である。端末は表示装置(501)および/または音声出力装置(502)を有している。制御部は、工程(b)において、表示装置上の表示および/または音声出力装置からの音声を介して材料メンテナンス情報を提供する。
第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかに基づく情報提供方法である。炊飯システムは、鍋に近接して配置されて鍋の温度を検出する温度センサ(405、410)をさらに備えている。情報提供方法は、制御部による、(c)温度センサによって検出された鍋の温度が第1基準値以下であるか否かを判定する工程をさらに包含する。鍋の温度が第1基準値以下である場合に、工程(b)が実行される。
第5の態様は、第4の態様に基づく情報提供方法である。制御部は、工程(c)において、温度センサによって検出された鍋の温度が第1基準値よりも高い第2基準値以上であるか否かを判定し、
鍋の温度が第2基準値以上であると判定された後、第1基準値以下に低下した場合に、工程(b)が実行される。
第6の態様は、第4または第5の態様に基づく情報提供方法である。鍋の温度は、鍋の底部の温度、および/または、鍋の上部の蒸気の温度である。
第7の態様は、第1から第6の態様のいずれかに基づく情報提供方法である。通信部は、炊飯の予約のための予約情報を受信する。制御部は、予約情報の受信に応答して工程(b)を実行する。
第8の態様は、第1の態様に基づく情報提供方法である。筐体、鍋、加熱部及び容器を少なくとも有する炊飯器(1)が、炊飯システムのユーザの施設(1003)に設置されている。ユーザが施設から外出する時刻が予め判明している場合には、制御部は、時刻よりも前の時刻に、材料メンテナンス情報を出力する。
第9の態様は、第1の態様に基づく情報提供方法である。材料は米である。炊飯システムは、炊飯量の累積値を示す炊飯量累積データを記憶する記憶部(21)をさらに有している。情報提供方法は、制御部による、(d)容器に投入された米の初期量を示す初期量データを取得する工程と、(e)初期量データ、及び、記憶部に記憶されている、ユーザが米を入手した以後の炊飯量累積データに基づいて、米の初期量から算出された、容器内の米の残量を推定する工程と、(f)残量の推定結果に基づいて、材料に関するメンテナンス情報を出力する工程とを包含する。
第10の態様は、第1の態様に基づく情報提供方法である。材料は米である。炊飯システムは、炊飯量の累積値を示す炊飯量累積データを記憶する記憶部(21)をさらに有している。情報提供方法は、制御部による、(d)通信部を介して、ユーザが入手した米の総量を示す初期量データを取得する工程と、(e)初期量データ、及び、記憶部に記憶されている、ユーザが米を入手した以後の炊飯量累積データに基づいて、米の総量から算出された、現在保管されている米の保管量を推定する工程と、(f)保管量の推定結果に基づいて、材料に関するメンテナンス情報を出力する工程とを包含する。
第11の態様は、第9または第10の態様に基づく情報提供方法である。炊飯システムは、鍋に近接して配置されて鍋の温度を検出する温度センサ(405、410)をさらに備えている。記憶部は、鍋の温度の時間変化の波形と炊飯量との対応関係を示す沸騰昇温カーブデータ(520、522、524)を予め保持している。制御部は、炊飯動作毎に、温度センサによって検出された鍋の温度の時間変化に基づいて沸騰昇温カーブデータを参照して炊飯量を判定し、炊飯量累積データを更新する。
第12の態様は、第9または第10の態様のいずれかに基づく情報提供方法である。炊飯量累積データは、ユーザから指示された炊飯量の累積値を示している。
第13の態様は、第10から第12の態様のいずれかに基づく情報提供方法である。ユーザが、オンラインストアで米を購入することによって米を入手した場合、制御部は、工程(d)において、オンラインストアから初期量データを取得する。
第14の態様は、第10から第13の態様のいずれかに基づく情報提供方法である。制御部は、工程(f)において、保管量の推定結果が所定の保管量閾値以下であることを示す場合、材料に関するメンテナンス情報として購入案内を出力する。
第15の態様は、第13の態様に基づく情報提供方法である。制御部は、工程(f)において、材料に関するメンテナンス情報として、次回の購入タイミングを通知する購入案内を出力する。
第16の態様は、第15の態様に基づく情報提供方法である。炊飯システムは、ユーザのスケジュールが登録されるオンラインカレンダーと連携されている。制御部は、オンラインカレンダーの次回の購入タイミングに対応する日に、購入案内を示すスケジュールを登録する。
第17の態様は、第10から第13の態様のいずれかに基づく情報提供方法である。制御部は、工程(f)において、保管量の推定結果と、ユーザが米を入手してから現時点までの日数とに基づいて、炊飯可能日数または炊飯可能量を推定し、炊飯可能日数または炊飯可能量を材料に関するメンテナンス情報として出力する。
第18の態様は、第1から第17の態様のいずれかに基づく情報提供方法である。通信部は、炊飯の予約のための予約情報であって、炊飯量の指定を含む予約情報を受信する。情報提供方法は、制御部による、(g)予約情報の受信に応答して工程(a)を実行し、残量が指定された炊飯量未満であるか否かを判定する工程と、(h)残量が指定された炊飯量未満である場合、残量で炊飯可能な代替の炊飯量の通知を出力する工程とをさらに包含する。
第19の態様は、第18の態様かに基づく情報提供方法である。情報提供方法は、工程(h)の後に、制御部による、(i)通信部を介して承認通知を受信する工程と、(j)承認通知の受信後に、代替の炊飯量による炊飯を指示する工程とをさらに包含する。
第20の態様は、第1の態様の態様に基づく情報提供方法である。炊飯システムは、鍋に近接して配置されて鍋の温度を検出する温度センサ(405、410)をさらに備えている。情報提供方法は、制御部による、(k)温度センサによって検出された鍋の温度が第3基準値以下であるか否かを判定する工程と、(l)鍋の温度が第3基準値以下である場合に、容器の手入れに関するメンテナンス情報であるシステムメンテナンス情報を出力する。
第21の態様は、第1から第20の態様のいずれかに基づく情報提供方法である。情報提供方法は、制御部による、(m)通信部を介して、炊飯量の指定を受け付ける工程と、(n)指定された炊飯量による炊飯を指示する工程とをさらに包含する。炊飯量の指定は、単位数量を利用した指定である。
第22の態様は、第1から第21の態様のいずれかに基づく情報提供方法である。単位数量は、容量が予め定められた計量カップのカップ数、または、容量が予め登録されたご飯茶碗の杯数である。
第23の態様は、第1の態様に基づく情報提供方法である。センサ(230、313)は、材料の残量が所定の閾値以下の場合に、材料の残量を検出することが可能である。情報提供方法は、材料の残量が、容器の最大値と所定の閾値との間の範囲内にある場合には、工程(a)による残量推定演算を行い、材料の残量が、所定の閾値以下にある場合には、工程(a)による残量推定演算の結果及びセンサの検出値のうちの低い方の値を、材料の残量として推定する。
第24の態様は、第23の態様に基づく情報提供方法である。情報提供方法は、材料の残量が、所定の炊飯下限値以下の場合、工程(b)において、材料が下限値に達したことを示す材料メンテナンス情報を提供する。
第25の態様は、第24の態様に基づく情報提供方法である。所定の閾値と、所定の炊飯下限値との間に、警告閾値がさらに設定されている。情報提供方法は、材料の残量が、警告閾値以下になった場合、工程(b)において、材料が下限値に近いことを示す材料メンテナンス情報を提供する。
第26の態様は、第1から第22の態様のいずれかに基づく情報提供方法である。端末は複数存在する。各端末は表示装置(501)を有し、かつ、アプリケーションプログラムを実行可能である。制御部は、通信部を介して複数の端末のうちの1台の端末から材料に関する更新情報を受け取る。アプリケーションプログラムの処理に従って、各端末の表示装置は、制御部によって出力されたメンテナンス情報および/または更新情報を表示する。
本開示は、炊飯器、ユーザ端末および/またはサーバ装置が互いに通信可能に接続された炊飯システムに適用可能である。
1 炊飯器
20、1011 制御部
21 記憶部
25、1012 通信部
100 米容器
230 貯米量センサ
300 水容器
500 ユーザ端末
1000 炊飯システム
1001 サーバ装置
1002 通信ネットワーク
1003 ユーザの施設(自宅等)

Claims (26)

  1. 炊飯システムにおけるメンテナンス情報を提供する情報提供方法であって、
    前記炊飯システムは、
    筐体と、
    前記筐体に収容された鍋と、
    前記鍋を加熱する加熱部と、
    水または米の少なくとも一方である材料を貯蔵する容器と、
    前記容器から前記材料を前記鍋へ導入する導入路と、
    制御部と、
    通信部と
    を備えており、前記制御部による、
    (a)前記材料の初期量及び前記材料の使用履歴に基づいて、および/または、前記材料の残量を検出するセンサの検出値に基づいて、前記材料の残量を推定する残量推定演算を行う工程と、
    (b)前記通信部を介して、前記残量に関連付けられた、前記材料に関するメンテナンス情報である材料メンテナンス情報を出力することにより、前記材料メンテナンス情報を提供する工程と
    を包含する、情報提供方法。
  2. 前記炊飯システムは、前記通信部と有線または無線で通信可能な端末をさらに備え、
    前記制御部は、前記工程(b)において、前記端末に前記材料メンテナンス情報を出力し、前記端末を介して前記材料メンテナンス情報を提供する、請求項1に記載の情報提供方法。
  3. 前記端末は表示装置および/または音声出力装置を有しており、
    前記制御部は、前記工程(b)において、前記表示装置上の表示および/または前記音声出力装置からの音声を介して前記材料メンテナンス情報を提供する、請求項2に記載の情報提供方法。
  4. 前記炊飯システムは、前記鍋に近接して配置されて前記鍋の温度を検出する温度センサをさらに備え、
    前記制御部による、
    (c)前記温度センサによって検出された前記鍋の温度が第1基準値以下であるか否かを判定する工程をさらに包含し、
    前記鍋の温度が前記第1基準値以下である場合に、前記工程(b)が実行される、
    請求項1から3のいずれかに記載の情報提供方法。
  5. 前記制御部は、前記工程(c)において、前記温度センサによって検出された前記鍋の温度が前記第1基準値よりも高い第2基準値以上であるか否かを判定し、
    前記鍋の温度が前記第2基準値以上であると判定された後、前記第1基準値以下に低下した場合に、前記工程(b)が実行される、請求項4に記載の情報提供方法。
  6. 前記鍋の温度は、前記鍋の底部の温度、および/または、前記鍋の上部の蒸気の温度である、請求項4または5に記載の情報提供方法。
  7. 前記通信部は、炊飯の予約のための予約情報を受信し、
    前記制御部は、前記予約情報の受信に応答して前記工程(b)を実行する、請求項1から6のいずれかに記載の情報提供方法。
  8. 前記筐体、前記鍋、前記加熱部及び前記容器を少なくとも有する炊飯器が、前記炊飯システムのユーザの施設に設置されており、
    前記ユーザが前記施設から外出する時刻が予め判明している場合には、前記制御部は、前記時刻よりも前の時刻に、前記材料メンテナンス情報を出力する、請求項1から7のいずれかに記載の情報提供方法。
  9. 前記材料は米であり、
    前記炊飯システムは、炊飯量の累積値を示す炊飯量累積データを記憶する記憶部をさらに有しており、
    前記制御部による、
    (d)前記容器に投入された米の初期量を示す初期量データを取得する工程と、
    (e)前記初期量データ、及び、前記記憶部に記憶されている、前記ユーザが前記米を入手した以後の炊飯量累積データに基づいて、前記米の初期量から算出された、前記容器内の米の残量を推定する工程と、
    (f)前記残量の推定結果に基づいて、前記材料に関するメンテナンス情報を出力する工程と
    を包含する、請求項1に記載の情報提供方法。
  10. 前記材料は米であり、
    前記炊飯システムは、炊飯量の累積値を示す炊飯量累積データを記憶する記憶部をさらに有しており、
    前記制御部による、
    (d)前記通信部を介して、前記ユーザが入手した米の総量を示す初期量データを取得する工程と、
    (e)前記初期量データ、及び、前記記憶部に記憶されている、前記ユーザが前記米を入手した以後の炊飯量累積データに基づいて、前記米の総量から算出された、現在保管されている米の保管量を推定する工程と、
    (f)前記保管量の推定結果に基づいて、前記材料に関するメンテナンス情報を出力する、請求項1に記載の情報提供方法。
  11. 前記炊飯システムは、前記鍋に近接して配置されて前記鍋の温度を検出する温度センサをさらに備え、
    前記記憶部は、前記鍋の温度の時間変化の波形と炊飯量との対応関係を示す沸騰昇温カーブデータを予め保持しており、
    前記制御部は、炊飯動作毎に、前記温度センサによって検出された前記鍋の温度の時間変化に基づいて前記沸騰昇温カーブデータを参照して炊飯量を判定し、前記炊飯量累積データを更新する、請求項9または10に記載の情報提供方法。
  12. 前記炊飯量累積データは、ユーザから指示された炊飯量の累積値を示している、請求項9または10に記載の情報提供方法。
  13. 前記ユーザが、オンラインストアで前記米を購入することによって前記米を入手した場合、
    前記制御部は、前記工程(d)において、前記オンラインストアから前記初期量データを取得する、請求項10から12のいずれかに記載の情報提供方法。
  14. 前記制御部は、前記工程(f)において、前記保管量の推定結果が所定の保管量閾値以下であることを示す場合、前記材料に関するメンテナンス情報として購入案内を出力する、請求項10から13のいずれかに記載の情報提供方法。
  15. 前記制御部は、前記工程(f)において、前記材料に関するメンテナンス情報として、次回の購入タイミングを通知する購入案内を出力する、請求項13に記載の情報提供方法。
  16. 前記炊飯システムは、前記ユーザのスケジュールが登録されるオンラインカレンダーと連携されており、
    前記制御部は、前記オンラインカレンダーの前記次回の購入タイミングに対応する日に、前記購入案内を示すスケジュールを登録する、請求項15に記載の情報提供方法。
  17. 前記制御部は、前記工程(f)において、前記保管量の推定結果と、前記ユーザが前記米を入手してから現時点までの日数とに基づいて、炊飯可能日数または炊飯可能量を推定し、前記炊飯可能日数または前記炊飯可能量を前記材料に関するメンテナンス情報として出力する、請求項10から13のいずれかに記載の情報提供方法。
  18. 前記通信部は、炊飯の予約のための予約情報であって、炊飯量の指定を含む予約情報を受信し、
    前記制御部による、
    (g)前記予約情報の受信に応答して前記工程(a)を実行し、前記残量が指定された前記炊飯量未満であるか否かを判定する工程と、
    (h)前記残量が指定された前記炊飯量未満である場合、前記残量で炊飯可能な代替の炊飯量の通知を出力する工程と
    をさらに包含する、請求項1から17のいずれかに記載の情報提供方法。
  19. 前記工程(h)の後に、前記制御部による、
    (i)前記通信部を介して承認通知を受信する工程と、
    (j)前記承認通知の受信後に、前記代替の炊飯量による炊飯を指示する工程と
    をさらに包含する、請求項18に記載の情報提供方法。
  20. 前記炊飯システムは、前記鍋に近接して配置されて前記鍋の温度を検出する温度センサをさらに備え、
    前記制御部による、
    (k)前記温度センサによって検出された前記鍋の温度が第3基準値以下であるか否かを判定する工程と、
    (l)前記鍋の温度が前記第3基準値以下である場合に、前記容器の手入れに関するメンテナンス情報であるシステムメンテナンス情報を出力する、請求項1に記載の情報提供方法。
  21. 前記制御部による、
    (m)前記通信部を介して、炊飯量の指定を受け付ける工程と、
    (n)指定された前記炊飯量による炊飯を指示する工程と
    をさらに包含し、前記炊飯量の指定は、単位数量を利用した指定である、請求項1から20のいずれかに記載の情報提供方法。
  22. 前記単位数量は、
    容量が予め定められた計量カップのカップ数、または、
    容量が予め登録されたご飯茶碗の杯数
    である、請求項1から21のいずれかに記載の情報提供方法。
  23. 前記センサは、前記材料の残量が所定の閾値以下の場合に、前記材料の残量を検出することが可能であり、
    前記材料の残量が、前記容器の最大値と前記所定の閾値との間の範囲内にある場合には、前記工程(a)による残量推定演算を行い、
    前記材料の残量が、前記所定の閾値以下にある場合には、前記工程(a)による残量推定演算の結果及び前記センサの検出値のうちの低い方の値を、前記材料の残量として推定する、請求項1に記載の情報提供方法。
  24. 前記材料の残量が、所定の炊飯下限値以下の場合、前記工程(b)において、前記材料が下限値に達したことを示す材料メンテナンス情報を提供する、請求項23に記載の情報提供方法。
  25. 前記所定の閾値と、前記所定の炊飯下限値との間に、警告閾値がさらに設定されており、
    前記材料の残量が、前記警告閾値以下になった場合、前記工程(b)において、前記材料が下限値に近いことを示す材料メンテナンス情報を提供する、請求項24に記載の情報提供方法。
  26. 前記端末は複数存在し、各端末は表示装置を有し、かつ、アプリケーションプログラムを実行可能であり、
    前記制御部は、前記通信部を介して複数の端末のうちの1台の端末から前記材料に関する更新情報を受け取り、
    前記アプリケーションプログラムの処理に従って、前記各端末の表示装置は、前記制御部によって出力された前記メンテナンス情報および/または前記更新情報を表示する、請求項1から22のいずれかに記載の情報提供方法。
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