JP2022128711A - 玉軸受 - Google Patents

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Tadahiko Karaki
裕隆 遠山
Hirotaka Toyama
貴裕 小池
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佑介 浅井
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Abstract

【課題】耐熱性および耐摩耗性を備え、音響特性に優れる保持器を備えた玉軸受を提供すること。【解決手段】内輪11と、上記内輪の外側に設置された外輪12と、上記内輪と上記外輪との間に介在された複数の転動体13と、上記転動体を周方向に間隔を置いて回転軸を中心に回転可能に保持するポケットを備えた冠型形状の保持器14とを備えた玉軸受1であって、上記保持器は、分子中に芳香族構造を有するポリアミド系樹脂、グラファイトおよび強化繊維を含む樹脂組成物からなり、上記樹脂組成物全体を100重量%としたときに、上記ポリアミド系樹脂は60重量%以上80重量%以下の量、上記グラファイトは10重量%以上30重量%以下の量で、上記強化繊維は5重量%以上20重量%以下の量で含まれている。【選択図】図1

Description

本発明は、玉軸受に関する。
クリーナーやドライヤーなどの電気製品に用いられるモータの高速回転化に伴い、軸受の環境がより過酷になってきている。特に近年、10万回転を超える回転数のモータを有する電気製品が普及しつつある。
高速回転時には軸受周辺が高温となり、軸受内部の摩耗が発生しやすくなるため、転動体を保持する樹脂保持器の耐熱性および耐摩耗性が重要である。従来の軸受保持器では例えばガラス繊維などの強化繊維が添加されたポリアミド系樹脂が用いられる(特許文献1)。典型的なポリアミド系樹脂は、ポリアミド66(PA66)である。耐熱性が求められる用途においては、より融点の高いポリエーテルケトン系樹脂などが用いられる(特許文献2)。
特開2000-227120号公報 実開平5-30553号公報
しかしながら、PA66では耐熱性が十分ではなく、場合によっては保持器の変形が生じ早期寿命となる。また、ポリエーテルケトン系樹脂は、ポリアミド系樹脂と比べてヤング率が高いため耐摩耗性に劣り、摩耗粉が音響特性へ悪影響を与える懸念がある。特にクリーナー等、静音性が求められる用途においては、音響特性の劣化は避けなければならない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐熱性および耐摩耗性を備え、音響特性に優れる保持器を備えた玉軸受を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る玉軸受は、内輪と、上記内輪の外側に設置された外輪と、上記内輪と上記外輪との間に介在された複数の転動体と、上記転動体を周方向に間隔を置いて回転軸を中心に回転可能に保持するポケットを備えた冠型形状の保持器とを備えた玉軸受であって、上記保持器は、分子中に芳香族構造を有するポリアミド系樹脂、グラファイトおよび強化繊維を含む樹脂組成物からなり、上記樹脂組成物全体を100重量%としたときに、上記ポリアミド系樹脂は60重量%以上80重量%以下の量、上記グラファイトは10重量%以上30重量%以下の量で、上記強化繊維は5重量%以上20重量%以下の量で含まれており、上記保持器の外周面を回転軸に平行に切断する平面であって隣接する2つのポケットの間に位置し、それぞれのポケットに接し、かつ軸方向両端まで延在する領域を観察領域とした際に、上記観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、粒子を内接する円の直径が30μm以上であるグラファイトが占める面積の割合すなわち面積率が25%以上62%以下である。
本発明の一態様によれば、耐熱性および耐摩耗性を備えるとともに、音響特性に優れる保持器を備えた玉軸受を提供することができる。
図1は、玉軸受の断面図である。 図2は、玉軸受に用いられる保持器の斜視図である。 図3は、面積率を説明するための図である。 図4は、面積率を説明するための図である。 図5は、変形例の玉軸受に用いられる保持器の斜視図である。 図6は、変形例の玉軸受に用いられる保持器の斜視図である。 図7は、切削加工によって得られた保持器の顕微鏡写真を示す図である。 図8は、切削加工によって得られた保持器の顕微鏡写真を示す図である。 図9は、耐久試験の結果を示す図である。 図10は、音響試験の結果を示す図である。
以下、実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により何ら限定されるものではない。
実施形態に係る玉軸受は、たとえば毎分10万回転を超えるような高速回転用玉軸受である。実施形態に係る玉軸受は、具体的には、クリーナーやドライヤーなどの電気製品に備えられたモータに好適に用いられる。図1は、玉軸受の断面図であり、図2は、玉軸受に用いられる保持器の斜視図である。
図1に示すように、玉軸受1は、外周面に内輪軌道を有する内輪11、内周面に外輪軌道を有する外輪12、該内輪軌道と該外輪軌道との間に介在する複数の転動体(玉)13、および転動体13を周方向に間隔を置いて回転可能に保持する保持器14を有する。内輪11および外輪12は、たとえばステンレス鋼により形成され、転動体13は、たとえばステンレス鋼、またはセラミックスにより形成される。図2に示すように、冠型形状の保持器14には、転動体13を転動自在に保持するためのポケット15が周方向に一定間隔で複数設けられている。また、ポケット15の不連続側には、転動体13を挿入する際に弾性的に変形可能な爪16が設けられている。
保持器14の内周面は内輪11の外周面に対向しており、保持器14の外周面は外輪12の内周面に対向している。玉軸受1をモータに備える際には、外輪12を、モータのハウジングに内嵌させ、内輪11を、モータの軸部材に外嵌させる。これにより、玉軸受1においては、内輪11および外輪12が回転軸Aの周りに相対回転自在になる。すなわち、モータを回転する際には、内輪11が外輪12に対して高速で回転する。
なお、外輪12には、玉軸受1内部から潤滑剤が漏洩したり、玉軸受1内部に異物が入り込んだりすることを防ぐため、シール、シールドなどの密封部材が設けられていてもよい。また、保持器14は、軸受空間内にて径方向内側に偏在している。これにより、軸受の回転時に保持器14を内輪11で案内でき、高速回転の際にも保持器14の変形を抑えられる利点がある。しかしながら、保持器14は、軸受空間内にて径方向内側に偏在している場合に限らない。
保持器14について、さらに詳細に説明する。保持器14は、ベース樹脂として分子中に芳香族構造を有するポリアミド系樹脂を含む。分子中に芳香族構造を有するポリアミド系樹脂としては、芳香環を有する構造単位と芳香環を有しない構造単位とを含む半芳香族ポリポリアミド樹脂が好適に用いられる。半芳香族ポリポリアミド樹脂としては、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリアミド10T(PA10T)、ポリアミドMXD6、ポリアミドMXD10が挙げられる。ポリアミド系樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ところで、従来、保持器のベース樹脂としてPA66が用いられている。このPA66は耐熱性が十分でないため、これを用いて保持器を作製すると、保持器の変形が生じやすく早期寿命となる。これに対して、半芳香族ポリポリアミド樹脂は耐熱性に優れるため、当該樹脂を用いることにより、耐熱性が高く長寿命の保持器が得られる。
上記半芳香族ポリポリアミド樹脂のうちで、より耐熱性が高くより長寿命の保持器が得られるため、PA9T、PA10Tがより好適に用いられる。
さらに、保持器14は、ポリエーテルケトン系樹脂とともに、粒子状のグラファイトおよび強化繊維を含む。強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維が挙げられる。強化繊維は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
保持器14中に、グラファイトは10重量%以上30重量%以下の量で、強化繊維は5重量%以上20重量%以下の量で含まれている。グラファイトが上記範囲で含まれていると、耐摩耗性が向上し、寿命を向上できる。また、グラファイトが上記範囲で含まれていると、摩耗粉の発生が抑えられるため、音響特性も向上できる。グラファイトが30重量%より多いと、相対的にベース樹脂の割合が少なくなるため必要な強度が得られず、寿命が短くなる場合がある。また、強化繊維が上記範囲で含まれていると、強度を好適に向上できる。
グラファイトおよび強化繊維の総量は、好ましくは20重量%以上40重量%以下である。これにより、グラファイトの摺動性による寿命の長期化と強化繊維による強度の確保とを両立できる。
なお、保持器14中に、ポリアミド系樹脂は、強度および寿命の観点から、60重量%以上80重量%以下の量で含まれていることが好ましい。
また、保持器14の外周面を回転軸に平行に切断する平面であって隣接する2つのポケット15の間に位置し、それぞれのポケット15に接し、かつ軸方向両端まで延在する領域を観察領域とした際に、上記観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、粒子を内接する円の直径(以下、最大径と称する)が30μm以上であるグラファイトが占める面積の割合すなわち面積率が25%以上62%以下である。粒子を内接する円の直径が30μm以上であるグラファイトが上記範囲で含まれていると、寿命の長期化が達成できる。また、上記グラファイトが上記範囲で含まれていると、摩耗粉の発生がより抑えられるため、音響特性もより向上できる。
ここで、面積率の求め方について、より具体的に説明する。まず、面積率を求めるために用いる試料は、以下のようにして作製する。図3および図4は、面積率を説明するための図である。図3は、図2の保持器14の軸方向に対して垂直方向から、保持器14を見たときを示している。また、図4は、図2の保持器14の軸方向と平行な方向から、保持器14から作製した試料を見たときを示している。まず、保持器14において、隣接する2つのポケット15間を切り出し、部分円環Bを得る(図3)。次いで、部分円環Bの外周面を研磨する。このとき、部分円環Bの外周面を含む仮想の円に対して、接線方向と平行かつ軸方向に平行に研磨していき、試料Cが得られる(図4)。試料Cにおいて、研磨して得られた平面は、保持器14の外周面を回転軸に平行に切断する平面であって隣接する2つのポケット65の間に位置し、それぞれのポケット15に接し、かつ軸方向両端まで延在する領域である。この領域の全域を観察領域Rとする。なお、試料Cの厚さ(部分円環Bの内周面と観察領域Rとの最短距離)が、保持器14の厚さの1/2となるように研磨を行う。
次に、試料Cの観察領域Rを顕微鏡により観察する。観察されるグラファイトの最大径は、粒子を内接する円の直径である。そして、観察領域R中でグラファイトが占める総面積に対する、最大径が30μm以上であるグラファイトの面積の割合を求め、これを上記面積率とする。
上述のように試料Cを顕微鏡により観察した際に、強化繊維が、試料C中で、試料C作製前の保持器14における軸方向に対応する方向に配向していることが好ましい。強化繊維が上記方向に配向していると、玉軸受の強度がより向上できる。これは、高速回転中に転動体はポケットの壁面に衝突するが、強化繊維が上記方向に配向していると、この衝突により壁面に加わる力に対抗できるためと考えられる。
保持器14は、さらに添加剤を含んでいてもよい。添加剤として、固体潤滑剤、無機充填材、酸化防止剤、帯電防止剤、離型材などを含んでいてもよい。固体潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、窒化ホウ素、メラミンシアヌレートなどが挙げられる。添加剤の量は、上述した機械的強度の確保および摩擦と摩耗の低減効果に影響を与えない量であれば特に限定されず、添加剤は、たとえば保持器14の100重量%中に、合計で15重量%以下の量で含まれていてもよい。
保持器14の製造においては、たとえば、まず、上述した数値範囲内の割合になるように、ポリアミド系樹脂、グラファイト(具体的には原料グラファイト)および強化繊維を混合する。必要に応じて添加剤を混合してもよい。これらの成分を、たとえば、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサーなどの混合機を用いて乾式混合する。
ここで、最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率を上記範囲に調整するためには、粒径が30μm以上のグラファイトを含む原料グラファイトを用いることが好ましい。これは、上記混合の際に、粒径が小さくなるためである。具体的には、原料グラファイトは、平均粒径が30μm以上100μm以下の範囲にあることが好ましい。平均粒径が上記範囲にあると、粒径が30μm以上のグラファイトが適切な量で含まれているため、上記面積率を上記範囲に調整できる。なお、上記面積率を上記範囲に調整するためには、上記混合の条件を適宜設定することも好ましい。
次いで、混合した成分を用いて、公知の方法により射出成形して保持器14が製造される。あるいは、強化繊維を上記方向に配向させるためには、混合した成分を押出成形機に供給し、減圧下で溶融混練する。混練した混合成分を押出成形機の先端部のダイスから棒状に押し出して冷却することで丸棒などの成形材料を作製する。これを切削加工し、保持器14として所定の形状にする。このように成形材料を作製してから切削加工を行うと、上述のように強化繊維の向きを保持器14の軸方向に揃えることができる。或いは、射出成形により丸棒などの成形材料を作製し、これを切削加工し、保持器14として所定の形状にする。これによっても、上述のように強化繊維の向きを保持器14の軸方向に揃えることができる。なお、コストの観点からは射出成形により保持器14として所定の形状にする方が好ましい。
図5および図6は、変形例の玉軸受に用いられる保持器の斜視図である。玉軸受1に用いられる保持器14は、図5に示す保持器114であってもよい。保持器114では、ポケット115の不連続側に、保持器14の爪16とは異なる形状の爪116を有する。また、玉軸受1に用いられる保持器14は、図6に示す円環状の保持器24(もみ抜き型の保持器24)であってもよい。保持器24は、転動体を転動自在に保持するためのポケット25が周方向に一定間隔で複数設けられている。保持器114、24は、爪の形状またはポケットの形状が異なる他は、保持器14と同様である。すなわち、保持器114、24は、上述したような特定の成分が特定の量で含まれており、上記面積率が特定の範囲にある。このため、保持器114、24を有する玉軸受においても、玉軸受1と同様の効果が得られる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
[実施例1]
PA9T(ジェネスタN1000-M41(商品名)、株式会社クラレ製)を70重量%、原料グラファイト(CGB-50(商品名)、日本黒鉛工業株式会社製、平均粒径D50=50μm)を20重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製、平均直径約11μm、平均繊維長約3mm)を10重量%の量で配合し、混合した。混合した成分を押出成形機に供給し、減圧下で溶融混練した。混練した混合成分を押出成形機の先端部のダイスから棒状に押し出し、それを切断することで樹脂ペレットを作製した。射出成形機を用いて、得られた樹脂ペレット(径が1~3mm程度、長さが2~4mm程度)から図2に示す形状を有する保持器14を得た。
保持器14について、デジタル顕微鏡(VHX-6000、(株)キーエンス製)により観察した。すなわち、上述のように作製された試料Cの観察領域Rを倍率300倍にて観察し、各グラファイト粒子の最大径および面積を測定した。観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率は45%であった。
なお、表1に、混合物を得る際の配合比、および最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率を示す。
また、上記樹脂ペレットから射出成形により丸棒の成形品を作製し、これを切削加工し、図2に示す形状を有する保持器14も作製した。図7は、切削加工によって得られた保持器の顕微鏡写真を示す図である。すなわち、切削加工によって得られた保持器から作製された試料Cにおける観察領域Rの一部のデジタル顕微鏡写真を示している。強化繊維の向きが、試料C中で、試料C作製前の保持器14における軸方向に対応する方向に配向していることが分かる。
[実施例2]
PA9T(ジェネスタN1000-M41(商品名)、株式会社クラレ製)を60重量%、原料グラファイト(CGB-50(商品名)、日本黒鉛工業株式会社製、平均粒径D50=50μm)を20重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を20重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
保持器14について、実施例1と同様に、デジタル顕微鏡により観察した。観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率は30%であった。
[実施例3]
PA9T(ジェネスタN1000-M41(商品名)、株式会社クラレ製)を60重量%、原料グラファイト(CGB-50(商品名)、日本黒鉛工業株式会社製、平均粒径D50=50μm)を20重量%、ガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を10重量%、およびポリテトラフルオロエチレン(KT-400M、(株)喜多村製)を10重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
保持器14について、実施例1と同様に、デジタル顕微鏡により観察した。観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率は42%であった。
[実施例4]
PA9T(ジェネスタN1000-M41(商品名)、株式会社クラレ製)を60重量%、原料グラファイト(CGB-50(商品名)、日本黒鉛工業株式会社製、平均粒径D50=50μm)を30重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を10重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
保持器14について、実施例1と同様に、デジタル顕微鏡により観察した。観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率は60%であった。
[実施例5]
PA9T(ジェネスタN1000-M41(商品名)、株式会社クラレ製)を70重量%、原料グラファイト(CGB-50(商品名)、日本黒鉛工業株式会社製、平均粒径D50=50μm)を10重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を20重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
保持器14について、実施例1と同様に、デジタル顕微鏡により観察した。観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率は30%であった。
[実施例6]
PA9T(ジェネスタN1000-M41(商品名)、株式会社クラレ製)を80重量%、原料グラファイト(CGB-50(商品名)、日本黒鉛工業株式会社製、平均粒径D50=50μm)を10重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を10重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
保持器14について、実施例1と同様に、デジタル顕微鏡により観察した。観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率は51%であった。
[実施例7]
PA9T(ジェネスタN1000-M41(商品名)、株式会社クラレ製)を70重量%、原料グラファイト(CGB-50(商品名)、日本黒鉛工業株式会社製、平均粒径D50=50μm)を25重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を5重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
保持器14について、実施例1と同様に、デジタル顕微鏡により観察した。観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率は47%であった。
[実施例8]
PA10T(ゼコット XN300(商品名)、ユニチカ株式会社製)を70重量%、原料グラファイト(CGB-50(商品名)、日本黒鉛工業株式会社製、平均粒径D50=50μm)を20重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を10重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
保持器14について、実施例1と同様に、デジタル顕微鏡により観察した。観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率は36%であった。
[比較例1]
PA9T(ジェネスタN1000-M41(商品名)、株式会社クラレ製)を70重量%、ガラス繊維(HT-C702、帝人社製)を10重量%、およびポリテトラフルオロエチレン(KT-400M、(株)喜多村製)を20重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
[比較例2]
PA9T(ジェネスタN1000-M41(商品名)、株式会社クラレ製)を60重量%、原料グラファイト(JCPB(商品名)、日本黒鉛工業株式会社製、平均粒径D50=5μm)を10重量%、原料グラファイト(CGB-20(商品名)、日本黒鉛工業株式会社製、平均粒径D50=20μm)を20重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を10重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
保持器14について、実施例1と同様に、デジタル顕微鏡により観察した。観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率は21%であった。
[比較例3]
PA9T(ジェネスタN1000-M41(商品名)、株式会社クラレ製)を50重量%、原料グラファイト(CGB-20(商品名)、日本黒鉛工業株式会社製、平均粒径D50=20μm)を20重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を30重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
保持器14について、実施例1と同様に、顕微鏡により観察した。観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率は12%であった。
また、上記樹脂ペレットから射出成形により丸棒の成形品を作製し、これを切削加工し、図2に示す形状を有する保持器14も作製した。図8は、切削加工によって得られた保持器の顕微鏡写真を示す図である。すなわち、切削加工によって得られた保持器から作製された試料Cにおける観察領域Rの一部のデジタル顕微鏡写真を示している。強化繊維の向きが、試料C中で、試料C作製前の保持器14における軸方向に対応する方向に配向していることが分かる。
[比較例4]
PA9T(ジェネスタN1000-M41(商品名)、株式会社クラレ製)を50重量%、原料グラファイト(CGB-50(商品名)、日本黒鉛工業株式会社製、平均粒径D50=50μm)を40重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を10重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
保持器14について、実施例1と同様に、顕微鏡により観察した。観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率は67%であった。
[比較例5]
PA10T(ゼコット XN300(商品名)、ユニチカ株式会社製)を50重量%、原料グラファイト(CGB-50(商品名)、日本黒鉛工業株式会社製、平均粒径D50=50μm)を40重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を10重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
保持器14について、実施例1と同様に、顕微鏡により観察した。観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、最大径が30μm以上であるグラファイトが占める面積率は64%であった。
[比較例6]
PA9T(ジェネスタN1000-M41(商品名)、株式会社クラレ製)を70重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を30重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
[比較例7]
ポリアミド46(PA46)(TE341(商品名)、DSM社製)を70重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を30重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
[比較例8]
ポリアミド66(PA66)(CM3001N(商品名)、東レ株式会社製)を70重量%、およびガラス繊維(ECS03T-262H(商品名)、日本電気硝子株式会社製)を30重量%の量で配合した以外は、実施例1と同様にして、保持器14を得た。
Figure 2022128711000002
<評価方法および結果>
[耐久試験]
ベアリング型式:鋼シールド付き玉軸受(内径5mm、外径13mm、幅4mm)
試験軸受に、軸受容積の25%~35%でグリースを封入した。この軸受を試験用モータにより内輪回転するようにして70℃で回転させた。軸方向の予圧Faは12Nとした。回転数は120,000rpmとした。この条件で500時間以上回転を維持したものを合格とした。
表2に、耐久試験結果を示す。また、図9は、耐久試験の結果を示す図である。
[音響試験]
まず、各玉軸受について、上記耐久試験条件にて50時間回転させた。50時間回転後の玉軸受について、それぞれ、アンデロンメータ(株式会社菅原研究所社製)によりMバンド(300~1800Hz)のアンデロン値を測定した。このアンデロン値が5以下のものを合格とした。なお、Mバンドの周波数300~1800Hzは、人にとって耳障りな音と言われている。
表2に、音響試験結果を示す。また、図10は、音響試験の結果を示す図である。
Figure 2022128711000003
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果または変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1:玉軸受、11:内輪、12:外輪、13:転動体(玉)、14:保持器、15:ポケット、16:爪、114:保持器、115:ポケット、116:爪、24:保持器、25:ポケット

Claims (3)

  1. 内輪と、前記内輪の外側に設置された外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在された複数の転動体と、前記転動体を周方向に間隔を置いて回転軸を中心に回転可能に保持するポケットを備えた冠型形状の保持器とを備えた玉軸受であって、
    前記保持器は、分子中に芳香族構造を有するポリアミド系樹脂、グラファイトおよび強化繊維を含む樹脂組成物からなり、
    前記樹脂組成物全体を100重量%としたときに、前記ポリアミド系樹脂は60重量%以上80重量%以下の量、前記グラファイトは10重量%以上30重量%以下の量で、前記強化繊維は5重量%以上20重量%以下の量で含まれており、
    前記保持器の外周面を回転軸に平行に切断する平面であって隣接する2つのポケットの間に位置し、それぞれのポケットに接し、かつ軸方向両端まで延在する領域を観察領域とした際に、前記観察領域中でグラファイトが占める総面積に対して、粒子を内接する円の直径が30μm以上であるグラファイトが占める面積の割合すなわち面積率が25%以上62%以下である、
    玉軸受。
  2. 前記強化繊維が、前記観察領域において、前記保持器における軸方向に対応する方向に配向している、
    請求項1に記載の玉軸受。
  3. 前記ポリアミド系樹脂が、半芳香族ポリアミド系樹脂である、
    請求項1または2に記載の玉軸受。
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