JP2022128103A - 成形品を成形するための金型、該金型を用いた成形品の製造装置、成形品の製造方法 - Google Patents

成形品を成形するための金型、該金型を用いた成形品の製造装置、成形品の製造方法 Download PDF

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智也 森浦
Tomoya MORIURA
孝行 永原
Takayuki Nagahara
貴嗣 中川
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Abstract

Figure 2022128103000001
【課題】加飾模様層の成形位置精度の向上あるいは均質な機能性コーティングの施されたプリフォーム成形品を成形するための金型を提供する。
【解決手段】成形品を成形するための金型は、基材フィルムを賦形して3次元形状を有する成形品を成形するための金型であって、気体を注入して加圧する空隙を有する圧空成型用金型と、製品形状のコア型を有し、真空吸引して基材フィルムを押しつける真空吸引金型と、コア型の周囲に設けられ、コア型の端面に沿って端面の上面から底面まで移動可能な可動式入子金型と、を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、成形品本体の意匠面が加飾模様層によって加飾された加飾成形品の製造方法に関する。
プラスチックの成形を行う射出成形には、これまで様々な技術開発がなされてきた。その成形品の表面に意匠や機能性を付与する方法の一つとしてインモールド成形が知られている。このインモールド成形には大きく分けて二つのパターンがある。一つは射出成形の金型内にフィルムを挟み、射出された成形樹脂でフィルムを変形させ、フィルム表面の意匠や機能性を転写させる工法である。もう一つはフィルムを金型内に事前にセットしておき、射出成形樹脂によって一体化させる工法である。前者はフィルム送り装置等の付帯設備が必要ではあるが、一工程で加飾と成形を行うことができるという利点がある。後者は事前にフィルムを加熱・昇温し、変形させるプリフォームという工程が必要となるが、前者よりも複雑な形状に対応可能であり、また、フィルムの両面に加飾を施すことで、多彩な意匠や機能を付与することが可能である。
図1乃至図5は、一般的なプリフォームの製造方法における加熱工程、変形工程、離型工程を示す概略断面図である。図1乃至図5を用いて、前述のプリフォームについて詳細なプロセスを説明する。プリフォームは、大きく分けると加熱、変形、離型の三つのプロセスからなる。
(1)まず、フィルム51はフィルムクランプ52により固定され、加熱炉に移送される(図1)。加熱炉にはヒータ53が設置されており、フィルムはヒータ53の熱により昇温され、軟化点以上の温度まで加熱される。この加熱が不十分となると、次工程においてフィルムの破れや変形不良といった不具合が生じる。
(2)次工程の変形工程では、前工程で十分昇温されたフィルム51を上型54と下型55とからなるプリフォーム型に移送し、フィルム51を製品形状のコア型56の形状となるように押し付ける(図2、図3、図4)。この工程ではコア型56の形状にフィルム51を変形させるために下型55または製品形状のコア型56の内部から下型の空隙55aの真空吸引を行うことがある。また、真空吸引だけでなくフィルム上部から製品形状のコア型56に向けて圧縮した空気を送り、上型の空隙54aを加圧する場合(この処理を「圧空」という。)もある。
(3)次いで、変形工程によってフィルム1が製品形状のコア型56に沿った形状に変形した後、フィルム51が軟化点より十分に低くなると、製品形状のコア型56から離型するため、フィルム51は持ち上げられる(図5)。この離型工程では、フィルム51の温度が十分に低くない状態で離型するとフィルム51がさらに変形し、歪んだ形状となることがある。また、離型速度が速すぎると、フィルム51が製品形状のコア型56に引っ掛かったまま無理矢理離型することとなり、フィルム51の歪みのリスクがある。
特開2017-222077号公報
前述の通り、プリフォームでは熱的なプロセスを経てフィルムを変形させることにより、射出成形金型にインサートできる形状に変形させている。この熱的プロセスにおいてフィルムは一時的に柔らかくなり、フィルム自体の重みである程度伸びる。また、プリフォーム金型に移送された後、真空あるいは圧空によってフィルムは強制的に変形させられる。このため、このフィルムに意匠性のある模様が形成されていた場合、プリフォームの前後においてその模様には歪みが発生する場合がある。また、このフィルムに意匠性のある模様に限らず、機能性のあるコーティングが行われている場合にも、熱的プロセスによってフィルムの厚みが変わり、コーティング層の厚みが変化することにより同じフィルム内で機能性にばらつきが生じる場合もある。
前述の課題を解決するため、特許文献1に記載の方法では、フィルムを直接支持し、支持範囲内のフィルムの伸びを抑える機構を設けている。しかしながら、この方法では支持部位に打痕やフィルム破れ等が発生する恐れがあり、その結果、フィルムの意匠や機能に影響する可能性がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、加飾模様層の成形位置精度の向上あるいは均質な機能性コーティングの施されたプリフォーム成形品を成形するための金型及び該金型を用いた成形品の製造装置を提供することにある。
上記課題を解決する本開示に係るプリフォーム成形品の金型は、基材フィルムを賦形して3次元形状を有する成形品を成形するための金型であって、気体を注入して加圧する空隙を有する圧空成型用金型と、製品形状のコア型を有し、真空吸引して基材フィルムを押しつける真空吸引金型と、コア型の周囲に設けられ、コア型の端面に沿ってコア型の端面の上面から底面まで移動可能な可動式入子金型と、を備える。
また、本開示に係る成形品の製造装置は、基材フィルムを賦形して3次元形状を有する成形品の製造装置であって、基材フィルムをガラス転移点以上の温度に加熱する加熱部と、気体を注入して加圧する空隙を有する圧空成型用金型と、製品形状のコア型を有し、真空吸引して基材フィルムを押しつける真空吸引金型と、コア型の周囲に設けられ、コア型の端面に沿ってコア型の端面の上面から底面まで移動可能な可動式入子金型と、圧空成型用金型の空隙に気体を注入して加圧する圧空部と、真空吸引金型の側から真空吸引して基材フィルムをコア型に押しつける真空吸引部と、可動式入子金型をコア型の端面の上面と底面の間で駆動する可動式入子金型駆動部と、を備える。
本開示に係る成形品の製造方法は、基材フィルムを賦形した3次元形状を有する成形品の製造方法であって、基材フィルムを前記基材フィルムのガラス転移点以上の温度に加熱する工程と、加熱した基材フィルムを、空隙を有する圧空成型用金型と、製品形状のコア型及びコア型の周囲に設けられコア型の端面に沿ってコア型の上面と底面との間で移動可能であってコア型の端面の上面に移動させた可動式入子金型と、の間に配置する工程と、圧空成型用金型の空隙に気体を注入して加圧するか、又は、真空吸引金型の側から真空吸引して、基材フィルムをコア型及び可動式入子金型に押しつける工程と、可動式入子金型をコア型の端面の上面から底面まで移動させる工程と、基材フィルムの温度がガラス転移点より下がった状態で、製品形状に賦形された基材フィルムをコア型から離型する工程と、を含む。
本開示に係る成形品を成形するための金型及び該金型を用いた成形品の製造装置によれば、加飾模様層の形成位置精度のより高い加飾成形品を製造することが出来る。
一般的なプリフォームの製造方法における加熱工程を示す概略断面図である。 一般的なプリフォームの製造方法における変形工程の一部を示す概略断面図である。 一般的なプリフォームの製造方法における変形工程の一部を示す概略断面図である。 一般的なプリフォームの製造方法における変形工程の一部を示す概略断面図である。 一般的なプリフォームの製造方法における離型工程を示す概略断面図である。 (a)は、成形品の製造装置における加熱装置を示す概略断面図であり、(b)は、成形品の製造装置における成形品を成形するための金型と、その他の構成を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る成形品の製造方法における加熱工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る成形品の製造方法における変形工程の一部を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る成形品の製造方法における変形工程の一部を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る成形品の製造方法における変形工程の一部を示す概略断面図である。 図10-1における可動式入子金型の動作タイミングより早く図7の段階で可動式入子金型を動作させた場合の変形例を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る成形品の製造方法における変形工程の一部を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る成形品の製造方法における変形工程の一部を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る成形品の製造方法における離型工程を示す概略断面図である。
第1の態様に係る成形品を成形するための金型は、基材フィルムを賦形して3次元形状を有する成形品を成形するための金型であって、気体を注入して加圧する空隙を有する圧空成型用金型と、製品形状のコア型を有し、真空吸引して基材フィルムを押しつける真空吸引金型と、コア型の周囲に設けられ、コア型の端面に沿ってコア型の端面の上面から底面まで移動可能な可動式入子金型と、を備える。
第2の態様に係る成形品を成形するための金型は、上記第1の態様において、可動式入子金型は、基材フィルムのガラス転移点以上の温度に耐熱性を有する金属又は樹脂からなってもよい。
第3の態様に係る成形品を成形するための金型は、上記第1又は第2の態様において、可動式入子金型は、天面にアンカー効果を有する溝を設けていてもよい。
第4の態様に係る成形品を成形するための金型は、上記第1から第3のいずれかの態様において、可動式入子金型は、天面が可動式入子金型より摩擦係数の大きな材料で被覆されていてもよい。
第5の態様に係る成形品の製造装置は、基材フィルムを賦形して3次元形状を有する成形品の製造装置であって、基材フィルムをガラス転移点以上の温度に加熱する加熱部と、上記第1から第4のいずれかの態様に係る成形品を成形するための金型と、圧空成型用金型の空隙に気体を注入して加圧する圧空部と、真空吸引金型の側から真空吸引して基材フィルムをコア型に押しつける真空吸引部と、可動式入子金型をコア型の端面の上面と底面の間で駆動する可動式入子金型駆動部と、を備える。
第6の態様に係る成形品の製造装置は、上記第5の態様において、可動式入子金型と真空吸引金型の製品形状のコア型とは、実質的に接しており、その間に隙間がなくてもよい。
第7の態様に係る成形品の製造装置は、上記第5又は第6の態様において、入子金型駆動部は、油圧式シリンダー、エアー駆動式のシリンダー、又は、弾性体によって可動式入子金型を駆動してもよい。
第8の態様に係る成形品の製造方法は、基材フィルムを賦形した3次元形状を有する成形品の製造方法であって、基材フィルムを基材フィルムのガラス転移点以上の温度に加熱する工程と、加熱した基材フィルムを、空隙を有する圧空成型用金型と、製品形状のコア型を有する真空吸引金型及びコア型の周囲に設けられコア型の端面に沿ってコア型の上面と底面との間で移動可能であってコア型の端面の上面に移動させた可動式入子金型と、の間に配置する工程と、圧空成型用金型の空隙に気体を注入して加圧するか、又は、真空吸引金型の側から真空吸引して、基材フィルムをコア型及び可動式入子金型に押しつける工程と、可動式入子金型をコア型の端面の上面から底面まで移動させる工程と、基材フィルムの温度がガラス転移点より下がった状態で、製品形状に賦形された基材フィルムをコア型から離型する工程と、を含む。
第9の態様に係る成形品の製造方法は、上記第8の態様において、基材フィルムをコア型及び可動式入子金型に押しつける工程において、可動式入子金型は、コア型の製品形状と同じ高さにあってもよい。
第10の態様に係る成形品の製造方法は、上記第8又は第9の態様において、前記基材フィルムは、意匠又は機能性を付与する為の印刷層を有してもよい。
以下、実施の形態に係る成形品を成形するための金型と、該金型を用いた成形品の製造装置と、成形品の製造方法について、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
(実施の形態1)
<成形品を成形するための金型>
図6(a)は、成形品の製造装置20における加熱装置3を示す概略断面図であり、図6(b)は、成形品の製造装置20における成形品を成形するための金型10と、その他の構成を示す概略断面図である。なお、便宜上、紙面左右方向の右方向をX方向、紙面上下方向の上方向をZ方向、紙面手前から奥に向けてY方向としている。
実施の形態1に係る成形品を成形するための金型10は、基材フィルム1を賦形して3次元形状を有する成形品を成形するための金型である。この金型10は、圧空成型用金型4と、真空吸引金型5,6と、可動式入子金型7と、を備える。圧空成型用金型4は、気体を注入して加圧する空隙を有する。真空吸引金型5,6は、製品形状のコア型6を有し、真空吸引して基材フィルム1を押しつける。可動式入子金型7は、コア型6の周囲に設けられ、コア型6の端面に沿ってコア型6の端面の上面から底面までZ方向に沿って移動可能に設けられている。
この成形品を成形するための金型10は、可動式入子金型7を有するので、一次変形の段階では、最初に製品形状のコア型6と同じ高さに可動式入子金型7をセットしておき、加熱した基材フィルム1をコア型6及び可動式入子金型7に押しつけることができる。これによって、一次変形の際には、コア型6の端部と可動式入子金型7とが連続しているので、コア型6の端部で基材フィルム1が引っ張られて歪むことを抑制できる。その後、二次変形の段階で、まだ基材フィルム1がガラス転移点よりも高い温度にある状態で、可動式入子金型7を上面から底面に移動させて、基材フィルム1を製品形状のコア型6に沿った形状に変形させることができる。以上によって、コア型6の端部での基材フィルムの歪みを抑制しつつ製品形状の3次元形状を有する成形品を得ることができる。
以下に、この成形品を成形するための金型10を構成する各部材について説明する。
<基材フィルム>
基材フィルム1の材質は熱可塑性のある材料であればよく、例えば、アクリル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネートおよびPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)などの熱可塑性樹脂が用いられる。
基材フィルム1には意匠性のある模様が付与されていてもよく、この模様はスクリーン印刷やインクジェット印刷、グラビア印刷等の印刷技術を用いることで形成出来る。また、意匠性だけでなく、光反射性や防眩性等視認性に関わる機能性が付与されていてもよい。また、この印刷はフィルムの片面のみだけでなく、両面に施されていてもよい。
基材フィルム1は、プリフォームによって最終成形品としてもよいが、射出成形用の金型内にインサートすることで一体成形してもよい。
<圧空成型用金型>
圧空成型用金型4は、気体を注入して加圧する空隙4aを有する。空隙4aは、基材フィルム1との間に気体を注入できる間隙を有すればよい。また、圧空成型用金型4は、加圧に耐えられる構造及び材料であればよい。
<真空吸引金型>
真空吸引金型5,6は、圧空成型用金型4との間の閉じた空間を形成し、その空間に基材フィルム1を把持する。また、変形前の基材フィルム1と真空吸引金型5、6との間には空隙5aを有する。真空吸引金型5、6は、製品形状のコア型6を有し、真空吸引金型5、6の側から真空吸引して、基材フィルムをコア型6に押しつける。
<可動式入子金型>
可動式入子金型7は、コア型6の周囲に設けられている。可動式入子金型7と製品形状のコア型6との間には可動出来る程度の隙間があってもよい。また、可動式入子金型7は、コア型6の端面に沿ってコア型6の端面の上面から底面までZ方向に沿って移動可能に設けられている。可動式入子金型7の材質は金属に限定されず、熱硬化性樹脂やプリフォーム時の熱プロセスに耐えうる熱可塑性樹脂でもよい。また、可動式入子金型7の天面にはフィルムを吸着させるためのピンホールやアンカー効果のある微細加工、ゴムの様な摩擦係数の大きい材料でのコーティングが施されていてもよい。これによって、可動式入子金型の上の基材フィルムが外側に引っ張られてコア型6の上の基材フィルムが歪むことを抑制することができる。
なお、この可動式入子金型7を用いずにプリフォームを実施した場合に、基材フィルムの変形が極大化するのは高さ方向(Z方向)の変化量が大きい場合である。そこで、高さ方向の変化量が大きい上記箇所にのみこの可動式入子金型7を設置することで、局所的に意匠の位置ずれを改善することも可能である。つまり、可動式入子金型は、コア型6の周囲の全てに設けなくてもよく、周囲の一部に設けてもよい。
さらに、図では、可動式入子金型は、コア型6の周囲に一層しか設けていないが、これに限らず、例えば、玉ねぎ状に多層に設けてもよい。また、多層に設けた可動式入子金型をそれぞれ段階的に上下させてもよい。
また、基材フィルムは可動式入子金型7に接触すると、この可動式入子金型に熱を奪われ、温度が低下する場合がある。そこで、可動式入子金型は基材フィルムの成形温度付近まで加熱昇温しておくとよい。あるいは、表面を熱伝導性の低い樹脂で覆ってもよい。これによって、一次変形の際に可動式入子金型7と接する基材フィルム1の温度の低下を抑制でき、二次変形の際に基材フィルム1の温度をガラス転移点以上に保つことができ、十分に製品形状に変形させることができる。
<成形品の製造装置>
実施の形態1に係る成形品の製造装置20は、上記成形品を成形するための金型10と、基材フィルム1をガラス転移点以上の温度に加熱する加熱部3と、圧空部(図示せず)と、真空吸引部(図示せず)と、可動式入子金型(図示せず)と、を備える。
以下に、この成形品の製造装置20を構成する各部材について説明する。
<成形品を成形するための金型>
上記成形品を成形するための金型10については、上記の通りであるので、その説明を省略する。
<加熱部>
加熱部3によって、基材フィルム1をガラス転移点以上の温度に加熱する。具体的には、フィルムクランプ2によって基材フィルムを固定し、ヒータによって基材フィルム1を面内一様に加熱する。加熱は基材フィルム1のガラス転移点まで行われる。
<圧空部>
圧空部(図示せず)によって、圧空成型用金型4の空隙4aに気体を注入して加圧する。例えば、圧空供給ポンプによって空隙4aに、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガスを注入して圧空成型用金型4と基材フィルム1との間の空隙4aの気圧を高める。これによって、基材フィルム1を真空吸引金型5,6のコア型6に押しつけることができる。
<真空吸引部>
真空吸引部(図示せず)によって、真空吸引金型5,6の側から真空吸引して基材フィルム1をコア型6に押しつける。例えば、真空ポンプによって真空吸引金型5,6の側から真空吸引して基材フィルム1と真空吸引金型5,6との間の空隙5aの真空度を高める。これによって、基材フィルム1を真空吸引金型5,6のコア型6に押しつけることができる。
<入子金型駆動部>
入子金型駆動部(図示せず)によって、可動式入子金型7をコア型6の端面の上面と底面の間で駆動する。また、可動式入子金型7の動作は変形や離型のプロセス時に上昇もしくは下降するものであり、その原動力としては油圧やエアー式のシリンダーや電動式のモーターだけでなく、ばねなどの弾性体によるものであってもよい。
これによって、基材フィルムの一次変形の際には、コア型6の端面の上面、つまり製品形状の端面に可動式入子金型7を移動させておき、製品形状の端面での基材フィルムの歪みを抑制できる。また、その後の基材フィルムの二次変形の際には、可動式入子金型7をコア型6の端面の上面から底面に移動させて、可動式入子金型7に接していた基材フィルム1が製品形状に沿って変形させ、製品形状の成形品を得ることができる。
<成形品の製造方法(プリフォーム工程)>
実施の形態1に係る成形品の製造方法は、以下の各工程を含む基材フィルムを賦形した3次元形状を有する成形品の製造方法である。
(1)基材フィルム1を基材フィルム1のガラス転移点以上の温度に加熱する工程。
(2)加熱した基材フィルム1を、空隙4aを有する圧空成型用金型4と、製品形状のコア型6を有する真空吸引金型5,6及びコア型6の周囲に設けられコア型6の端面に沿ってコア型6の上面と底面との間で移動可能であってコア型6の端面の上面に移動させた可動式入子金型7と、の間に配置する工程。
(3)圧空成型用金型4の空隙4aに気体を注入して加圧するか、又は、真空吸引金型5,6の側から真空吸引して、基材フィルム1をコア型6及び可動式入子金型7に押しつける工程。
(4)可動式入子金型7をコア型7の端面の上面から底面まで移動させる工程。
(5)基材フィルム1の温度がガラス転移点より下がった状態で、製品形状に賦形された基材フィルム1をコア型6から離型する工程。
以上の各工程によって、製品形状に賦形された基材フィルム1からなる成形品を得ることができる。
この成形品の製造方法では、キャビティ型の製品形状のコア型6だけでなく、コア型6の周囲に設けられた凸形状の可動式入子金型7を併用することを特徴としている。この可動式入子金型の高さは、プリフォーム工程の冒頭、つまり一次変形の段階では製品形状の端部の高さと同じである必要がある。
まず、プリフォームの第1工程である加熱のプロセスにて基材フィルム1は加熱昇温され、基材フィルム1を軟化させる(図7)。次いで、軟化させた高温の基材フィルム1が移送され、基材フィルム1は、可動式入子金型7と、真空吸引金型5,6と、圧空成型用金型4と、から成るユニットに挟まれ、製品形状に沿った形へ成形される(図8、図9、図10-1、図11、図12)。具体的には、真空のみ、圧空のみ、あるいは真空と圧空とを併用することで、基材フィルム1はより細密な形状に成形される。前記変形プロセスにおいて、基材フィルム1は引き延ばされ、製品形状のコア型6に沿った形へと変形する。この基材フィルム1の引き延ばし量は基材フィルム1の平面に平行な製品形状であれば大きな変形を伴わないが、基材フィルムの平面に垂直な高さ方向の変形を伴う箇所において極大化する。この為、高さ方向の変形が生じうる製品の外周部では基材フィルム1は特に引き延ばされ、意匠模様のズレや機能性の低下を伴う場合がある。
上記のようにプリフォームにおいては、製品形状によって基材フィルム1の変形量が異なることにより、局所的な意匠模様のズレや機能性のバラツキが生じる。前記品質不良を改善する為に、製品形状の内部での基材フィルム1の伸び量を均一にする必要がある。
本開示では可動式入子金型7を用い、製品形状の外周部の高さ方向の基材フィルム1の変形を抑えることを主眼とする。製品形状の外周部と同じ高さに保持された可動式入子金型によって、基材フィルム1は可動式入子金型7に沿った形状で一次変形されることとなる。
その後、可動式入子金型を動作させ、本来の製品形状として必要な高さが得られるように可動式入子金型7をコア型6の端部の底面まで下降させた後、真空のみ、または真空と圧空とを併用することで可動式入子金型7に接していた基材フィルム1を最終的な成形品の形状へと二次変形させる。一次変形の際に基材フィルムは一度引き延ばされる。一方、二次変形においては可動式入子金型7と基材フィルム1とが接する外周長さは、可動式入子金型7をコア型6の端面の上面から底面まで下降した後の製品形状と同等の周長である。この為、この二次変形の工程における基材フィルムの変形においては、一次変形での基材フィルムの延伸量を越えた変形は生じない。また、この為、二次変形のプロセスでは基材フィルムの引き延ばしは発生せず、高さ方向の基材フィルムの変形に伴う局所的な基材フィルムの引き延ばしを軽減することが可能である。上記の基材フィルムの引き延ばしの軽減効果により、プリフォームによる基材フィルムの意匠模様のズレや機能性のバラツキを低減することが出来る。
また、次工程の離型プロセスにおいて、十分に基材フィルムが冷却された後、フィルムクランプを上昇させ、熱変形された基材フィルムは離型される。この際、可動式入子金型をフィルムクランプの上昇に合わせて可動させ、上昇させることで、離型をサポートすることが出来る。これは、離型時に基材フィルムが製品形状のコア型に取られることによる離型不良による基材フィルムの変形を改善する効果がある。
以下、成形品の製造方法(プリフォーム工程)を具体化した一実施形態について、図9~13を参照して説明する。
(1)図7には、プリフォームの第1工程である基材フィルム1を熱変形させるための加熱炉の一形態を示すと共に、基材フィルム1の加熱工程を示している。基材フィルム1はフィルムクランプ2で固定され、周囲を支持されている。フィルムクランプ2には位置決めの機構があってもよく、前記機構を用いることで、基材フィルム1の意匠模様の位置精度の向上を期待することが出来る。加熱炉にはヒータ3が設置されている。この基材フィルム1はヒータ3によって昇温され、ガラス転移点(軟化点)を越える温度域まで加熱される。ヒータ3は基材フィルム1の上面だけでなく、下面にあってもよく、前記機構を用いることで基材フィルム1はより効率よく昇温することが可能となる。なお、この加熱が不十分となると、次工程において基材フィルムの破れや変形不良といった不具合が生じる場合がある。
(2)次ぎに、図6(b)に示す、変形工程に用いるプリフォームのための金型10の構成について説明する。本実施形態では、プリフォームのための金型は圧空成型用金型4、真空吸引金型5、製品形状のコア型6、可動式入子金型7からなる。可動式入子金型7は上下に可動することができ、一次変形の開始時点では製品形状のコア型6の端部と同じ高さに設定しておく。その後、図9に示すようにプリフォームのための金型10は、基材フィルム1を挟んだ状態で閉じ、図10-1に示すように真空吸引、圧空、もしくは真空吸引と圧空とを併用することで基材フィルム1を一次変形させる。この真空吸引、圧空、もしくは真空吸引と圧空とを併用した変形プロセスの途中において、図11に示すように可動式入子金型7を下降させる。これによって図11に示すように基材フィルムが可動式入子金型の面に接触しない空間が生じるが、これは引き続き真空吸引、圧空、もしくは真空吸引と圧空とを併用した変形プロセスにより、図12に示すように製品形状のコア型6に沿って変形される。この二次変形については前記空間における基材フィルム1の外周長さは二次変形による形状と同じである為、基材フィルム1の延伸を伴わない。この為、製品形状のコア型6上の基材フィルム1は変形せず、一次変形の工程で意匠模様や機能性のバラツキが保証されている場合においては、二次変形における意匠模様の歪みや機能性の低下について軽減することが可能である。
(3)変形工程の後工程であるプリフォームの第3工程の離型プロセスについて説明する。離型工程において、一般的なプリフォームでは型開き後、フィルムクランプ2で支持された基材フィルム1は離型しやすいかたちの製品形状のコア型6にする、離型速度を落とす等の方法を用いて基材フィルム1は離型される。しかしながら、成形品の形状によっては前者の方法を取ることは出来ない。図13に示すように、本実施形態では可動式入子金型7を再び上昇させることで基材フィルム1の離型を促し、離型プロセスでの基材フィルム1の歪みのリスクを軽減することが出来る。
なお、可動式入子金型7の可動タイミングについて、前述の通り真空、圧空、もしくは真空圧空により一次変形が完了した後に下降させると説明した(図10-1)が、図10-2に示すように一次変形の形状として、基材フィルム1が製品形状のコア型6に接し、十分に冷えてできた製品形状部を有していればよい。つまり、コア型6の上の基材フィルム1が十分に冷えた状態、例えば、ガラス転移点より低い温度となった段階で可動式入子金型7を可動させてもよい。これによって、可動式入子金型7が下降してもコア型6の上の基材フィルム1のそれ以上の変形は抑制される。この場合、図10-2に示すように、基材フィルム1は、可動式入子金型7にわずかに接しているだけであってもよい。これにより、二次変形において、基材フィルム1は製品形状に沿って変形しやすくなる。
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
本開示に係る成形品を形成するための金型及びこれを用いた成形品の製造装置、成形品の製造方法によれば、加飾模様層の形成位置精度のより高い加飾成形品を製造することができる。
1 基材フィルム
2 フィルムクランプ
3 ヒータ
4 圧空成型用金型
4a 空隙
5 真空吸引金型
5a 空隙
4,5 圧空ボックス
6 コア型
7 可動式入子金型
8 成形品
51 フィルム
52 フィルムクランプ
53 ヒータ
54 上型
54a 空隙
55 下型
55a 空隙
54,55 圧空ボックス
56 コア型

Claims (10)

  1. 基材フィルムを賦形して3次元形状を有する成形品を成形するための金型であって、
    気体を注入して加圧する空隙を有する圧空成型用金型と、
    製品形状のコア型を有し、真空吸引して前記基材フィルムを押しつける真空吸引金型と、
    前記コア型の周囲に設けられ、前記コア型の端面に沿って前記コア型の前記端面の上面から底面まで移動可能な可動式入子金型と、
    を備える、成形品を成形するための金型。
  2. 前記可動式入子金型は、前記基材フィルムのガラス転移点以上の温度に耐熱性を有する金属又は樹脂からなる、請求項1に記載の成形品を成形するための金型。
  3. 前記可動式入子金型は、天面にアンカー効果を有する溝を設けている、請求項1又は2に記載の成形品を成形するための金型。
  4. 前記可動式入子金型は、天面が前記可動式入子金型より摩擦係数の大きな材料で被覆されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の成形品を成形するための金型。
  5. 基材フィルムを賦形して3次元形状を有する成形品の製造装置であって、
    前記基材フィルムをガラス転移点以上の温度に加熱する加熱部と、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の成形品を成形するための金型と、
    前記圧空成型用金型の前記空隙に気体を注入して加圧する圧空部と、
    前記真空吸引金型の側から真空吸引して前記基材フィルムを前記コア型に押しつける真空吸引部と、
    前記可動式入子金型を前記コア型の前記端面の上面と底面の間で駆動する可動式入子金型駆動部と、
    を備える、成形品の製造装置。
  6. 前記可動式入子金型と前記真空吸引金型の前記製品形状のコア型とは、実質的に接しており、その間に隙間がない、請求項5に記載の成形品の製造装置。
  7. 前記可動式入子金型駆動部は、油圧式シリンダー、エアー駆動式のシリンダー、又は、弾性体によって前記可動式入子金型を駆動する、請求項5又は6に記載の成形品の製造装置。
  8. 基材フィルムを賦形した3次元形状を有する成形品の製造方法であって、
    前記基材フィルムを前記基材フィルムのガラス転移点以上の温度に加熱する工程と、
    加熱した前記基材フィルムを、空隙を有する圧空成型用金型と、製品形状のコア型及び前記コア型の周囲に設けられ前記コア型の端面に沿って前記コア型の上面と底面との間で移動可能であって前記コア型の前記端面の上面に移動させた可動式入子金型と、の間に配置する工程と、
    前記圧空成型用金型の空隙に気体を注入して加圧するか、又は、前記真空吸引金型の側から真空吸引して、前記基材フィルムを前記コア型及び前記可動式入子金型に押しつける工程と、
    前記可動式入子金型を前記コア型の前記端面の上面から底面まで移動させる工程と、
    前記基材フィルムの温度がガラス転移点より下がった状態で、前記製品形状に賦形された前記基材フィルムを前記コア型から離型する工程と、
    を含む、成形品の製造方法。
  9. 前記基材フィルムを前記コア型及び前記可動式入子金型に押しつける工程において、前記可動式入子金型は、前記コア型の前記製品形状と同じ高さにある、請求項8に記載の成形品の製造方法。
  10. 前記基材フィルムは、意匠又は機能性を付与する為の印刷層を有する、請求項8又は9に記載の成形品の製造方法。
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