JP2022127833A - リッド及びパッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】面荒れやエッチピットのない凹部を有するリッド及びそれを備えるパッケージを提供する。【解決手段】ベース4に搭載された発光素子2を収容する収容空間10を、ベース4と共に構成するリッド5は、貫通孔を有すると共に、発光素子2からの光が透過する透光性の枠体7と、発光素子2からの光が透過する透光性の閉塞体8とを備え、枠体7に、該枠体7の両面を貫通する前記貫通孔の一方の開口端を塞ぐように閉塞体8が、金属接合層9を介して積層されて、キャップ状に形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、パッケージ及びそれを構成するためのリッドに関し、更に詳しくは、光学素子を収容するのに好適なパッケージ及びそれを構成するためのリッドに関する。
光学素子、例えば、殺菌効果を有することが知られている波長200nm-280nmの深紫外線を発する深紫外線LED素子は、環境汚染を防止する観点から従来の水銀ランプに代わって、医療現場や食品工場等において、広く普及しつつある。
かかる深紫外線を発する発光素子を備える発光装置が、例えば、特許文献1に開示されている。
この特許文献1の発光装置では、発光素子であるLEDチップが、上面が開口した凹部を有するパッケージ基板の前記凹部に収容されて、凹部の開口が平板状の窓部材によって封止されている。この窓部材は、凹部を有するパッケージ基板の開口を塞ぐ蓋部材、いわゆる、リッドである。凹部を有するパッケージ基板は、放熱性が良好な窒化アルミニウムなどのセラミックからなり、平板状の窓部材、すなわち、リッドは、紫外光が透過する石英ガラスや水晶などから構成されている。
近年、採光性を向上させるために、窒化アルミニウムなどのセラミックからなるパッケージ基板側を平板状とし、紫外光が透過する石英ガラスや水晶などからなるリッド側を、凹部を有するキャップ状にしたパッケージが開発されている。
このようなパッケージでは、発光素子が収容される凹部の側壁が、セラミックではなく、紫外光が透過する石英ガラスや水晶などで構成されるので、採光性が向上する。
また、高価な窒化アルミニウムからなるパッケージ基板を平板状にすることで、凹部を有するパッケージ基板に比べて、コストを低減することもできる。
しかし、紫外光が透過する凹部を有するキャップ状のリッドを製造するために、例えば、水晶板の中央部を、その厚み方向にフッ酸系のエッチング液でハーフエッチングして凹部を形成すると、凹部の内底面が荒れ、エッチピットが発生する。凹部の掘り込みが深くなる程、面が荒れて、多数のエッチピットが発生する。
キャップ状のリッドは、発光素子が搭載された平板状のパッケージ基板に、発光素子を覆うように接合されるので、キャップ状のリッドの凹部の底壁は、パッケージにおいて、発光素子に対向する天板となる部分であって、発光素子からの紫外光が透過する部分である。
したがって、凹部の内底面、すなわち、天板の内面に、面荒れや多数のピットが存在すると、紫外光の透過が妨げられて、透光性能が低下する。
また、凹部を所要の深さにするために、ハーフエッチングによる掘り込みが深くなると、強度が低下し、パッケージ基板とリッドとを接合してパッケージを封止した後に、リッドに割れが生じることがある。
本発明は、上記のような点に鑑みて為されたものであって、面荒れやエッチピットのない凹部を有するリッド及びそれを備えるパッケージを提供することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
(1)本発明に係るリッドは、ベースに搭載された発光素子を収容する収容空間を、前記ベースと共に構成するリッドであって、
貫通孔を有すると共に、前記発光素子からの光が透過する透光性の枠体と、前記発光素子からの光が透過する透光性の閉塞体とを備え、
前記枠体に、該枠体の両面を貫通する前記貫通孔の一方の開口端を塞ぐように前記閉塞体が、金属接合層を介して積層されている。
貫通孔を有すると共に、前記発光素子からの光が透過する透光性の枠体と、前記発光素子からの光が透過する透光性の閉塞体とを備え、
前記枠体に、該枠体の両面を貫通する前記貫通孔の一方の開口端を塞ぐように前記閉塞体が、金属接合層を介して積層されている。
本発明に係るリッドによると、両面を貫通する貫通孔を有する透光性の枠体の、前記貫通孔の一方の開口端を塞ぐように、透光性の閉塞体を、金属接合層によって枠体に接合しているので、ハーフエッチングを行うことなく、貫通孔を有する枠体と、前記貫通孔の一方の開口端を塞ぐ閉塞体とによって凹部を有するキャップ状のリッドを構成することができる。
これによって、ハーフエッチングによって凹部を形成する従来の透光性を有するキャップ状のリッドのように、パッケージの天板の内面となる凹部の内底面に面荒れやエッチピットが生じることがなく、透光性能が低下することがない。
また、ハーフエッチングによる掘り込みの必要がないので、深く掘り込んで強度が低下し、ベースとリッドとを接合してパッケージを封止した後に、リッドに割れが生じるといったこともない。
更に、枠体と閉塞体とは、金属接合層を介して接合されているので、発光素子の発熱を金属接合層によって放熱させることができる一方、応力がかかった際に、金属接合層によってその応力を緩和することができる。
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記枠体及び前記閉塞体は、平板状であり、前記閉塞体の、前記貫通孔の前記一方の開口端を塞ぐ面と、前記枠体の前記貫通孔の内面とによって、前記収容空間の収容凹部が区画形成される。
この実施態様によると、平板状の枠体と平板状の閉塞体とを、平行度を安定に保ちながら接合して収容凹部を構成することができる。また、収容凹部の底壁は、貫通孔の一方の開口端を塞ぐ平板状の閉塞体によって構成される一方、収容凹部の側壁は、両面を貫通する貫通孔を有する平板状の枠体によって構成される。したがって、収容凹部の深さは、平板状の枠体の厚さによって規定されることになり、枠体の厚さを選択することによって、任意の深さの収容凹部を構成することができる。
(3)本発明の他の実施態様では、前記発光素子が、深紫外線を発する深紫外線LED素子であり、前記枠体及び前記閉塞体が、水晶又は石英ガラスからなる。
この実施態様によると、殺菌効果を有する波長200nm-280nmの深紫外線の透過率が高い水晶又は石英ガラスによって、枠体及び閉塞体、すなわち、リッドが構成されるので、殺菌用途の発光装置のパッケージのリッドとして好適である。
(4)本発明の一実施態様では、前記金属接合層が、金属間拡散接合による金属接合層である。
この実施形態によると、枠体と閉塞体とは金属間拡散接合によって接合されるので、枠体と閉塞体との間の金属接合層の厚みを薄く均一にすることができ、薄型化を図れると共に、高い平行度で枠体と閉塞体とを接合することができる。
(5)本発明の他の実施態様では、前記金属間拡散接合が、金-金接合である。
この実施態様によると、枠体と閉塞体とは金同士の同種金属による金属間拡散接合によって接合されるので、枠体と閉塞体との間の金属接合層の厚みを一層薄く均一にすることができ、枠体と閉塞体とを、一層高い平行度で接合することができる。また、再溶融等の問題が生じることもない。
(6)本発明の更に他の実施態様では、前記貫通孔を有する前記枠体が水晶からなり、前記枠体の両面を貫通する前記貫通孔は、前記一方の開口端の開口面積が、他方の開口端に向けて徐々に小さくなるテーパ形状である。
この実施態様によると、ベースに搭載される発光素子からの発光を、枠体のテーパ形状の貫通孔の内面によって反射させて、発光素子に対向する閉塞体側へ導くことができるので、集光効率を高めることができる。
(7)本発明の一実施態様では、前記閉塞体の前記枠体に接合される面が、平滑面である。
貫通孔を有する枠体と、貫通孔の一方の開口端を塞ぐ閉塞体とが接合されて構成される凹部を有するキャップ状のリッドでは、閉塞体は、ベースに搭載された発光素子に対向する天板となる部分である。この実施態様によると、この天板の内面が平滑面であるので、天板の内面に面荒れやエッチピットが存在する、ハーフエッチングによって凹部を形成する従来のリッドに比べて、透光性能が向上する。
(8)本発明に係るパッケージは、上記(1)ないし(7)のいずれかのリッドと、該リッドと共に前記収容空間を構成する前記ベースとを備え、前記ベースが、窒化アルミニウムからなる。
本発明に係るパッケージによると、本発明に係るリッドと共に収容空間を構成するベースは、熱伝導率の高い窒化アルミニウムからなるので、収容空間に収容された発光素子の発熱を効率的に放熱することができる。
本発明によれば、両面を貫通する貫通孔を有する透光性の枠体の、前記貫通孔の一方の開口端を塞ぐように、透光性の閉塞体を金属接合層によって枠体に接合しているので、ハーフエッチングを行うことなく、貫通孔を有する枠体と、前記貫通孔の一方の開口端を塞ぐ閉塞体とによって凹部を有するキャップ状のリッドを構成することができる。
これによって、ハーフエッチングによって凹部を形成する従来の透光性を有するキャップ状のリッドのように、パッケージの天板の内面となる凹部の内底面に面荒れやエッチピットが生じることがなく、透光性能が低下することがない。
また、ハーフエッチングによる掘り込みの必要がないので、深く掘り込んで強度が低下し、ベースとリッドとを接合してパッケージを封止した後に、リッドに割れが生じるといったこともない。
更に、枠体と閉塞体とは、金属接合層を介して接合されているので、発光素子の発熱を、金属接合層を介して放熱させることができる一方、応力がかかった際に、金属接合層によってその応力を緩和することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るパッケージを備える発光装置の概略断面図である。
この発光装置1は、発光素子2と、この発光素子2を収容したパッケージ3とを備える。
この実施形態の発光素子2は、UV-Cの波長域である波長200nm-280nmの深紫外線を発する深紫外線LED素子である。波長200nm-280nmの深紫外線は、殺菌効果を有するので、この発光装置1は、医療現場や食品工場等で好適に使用される。
パッケージ3は、発光素子2が搭載されたベース4と、本発明の実施形態に係るリッド5と、ベース4とリッド5とを接合する第2金属接合層6とを備えている。
このパッケージ3は、直方体状であって、平面視矩形である。このパッケージ3のサイズは、平面視で、例えば、3.5mm×3.5mmであり、小型化及び低背化を図っている。なお、パッケージ3のサイズは、前記サイズに限らないのは勿論である。
リッド5は、深紫外線が透過する透光性の枠体7と、同じく深紫外線が透過する透光性の閉塞体8と、枠体7と閉塞体8とを接合する第1金属接合層9とを備えている。この実施形態では、枠体7及び閉塞体8は、深紫外線の透過率が高い水晶板で構成されている。
水晶は、上記のUV-Cの波長域である波長200nm-280nmの深紫外線に限らず、UV-Bの波長域である波長280nm-320nmの紫外線、及び、UV-Aの波長域である波長320nm-400nmの紫外線の透過率が高く、更には、石英ガラスと異なり、200nm以下の真空紫外でも透過率が高い。このように水晶は、400nm以上の可視光を含む全波長で透過率が高いので、各種の発光装置のパッケージに好適である。
ベース4は、平板状であり、窒化アルミニウム(AlN)やアルミナ(Al2O3)等のセラミック基板で構成されている。この実施形態では、ベース4は、熱伝導率が高い窒化アルミニウム(AlN)で構成されており、発光素子2で発生する熱を効率的に放熱することができる。
このベース4の上面には、接続電極13が形成されており、金属バンプ15を有する発光素子2が、フリップチップ実装されている。ベース4の下面には、当該発光装置1を外部基板などに実装するための外部端子14が形成されている。ベース4の上面の接続電極13と下面の外部端子14とは、貫通電極19によって電気的に接続されている。なお、発光素子2は、フリップチップ実装に限らず、ベース4に対してワイヤボンディングによって実装してもよい。
この実施形態では、枠体7と閉塞体8とが、第1金属接合層9によって接合されて、キャップ状のリッド5が構成される。このリッド5とベース4とが、第2金属接合層6によって接合されて、発光素子2を収容する気密な収容空間10を有するパッケージ3が構成される。
このようにリッド5は、ベース7と共に、発光素子2を収容する収容空間10を構成する。
この収容空間10は、湿気や酸素によって発光素子2の特性の劣化等が生じることがないように真空雰囲気とされている。なお、真空雰囲気に限らず、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気としてもよい。
図2は、ベース4と接合する前の図1のリッド5の上下を反転させた状態の概略断面図であり、図3は、枠体7と閉塞体8とを接合する前のリッド5の概略斜視図である。
図2に示されるリッド5は、図3に示すように、円形の貫通孔11を有する平板状の枠体7に、平板状の閉塞体8を、貫通孔11の一方(図3では下方)の開口端を塞ぐにように、金属間拡散接合によって接合して構成される。
この実施形態では、枠体7及び閉塞体8は、いずれも平面視矩形状の平板であって、略同じ外形サイズであり、いずれも水晶のZ板から構成されている。水晶のZ板は、Z軸に対して90°の角度で切り出されたZカットの水晶板であり、主面(X-Y平面)がZ軸に直交する。Z板は、厚み方向のウェットエッチングによる指向性が高く、精度の高い加工が可能である。したがって、枠体7の貫通孔11を、垂直に近い形状にすることができる。なお、水晶板は、Zカットに限らず、ATカットの水晶板等であってもよい。
枠体7の貫通孔11は、後述のように、水晶のZ板を両面からウェットエッチングすることによって形成することができる。
このように平板の枠体7の両面を貫通する貫通孔11の一方の開口端を、平板の閉塞体8によって塞ぐように、枠体7と閉塞体8とを接合することによって、図2に示すように、発光素子2を収容するための上方が開口した収容凹部12を有するキャップ状のリッド5が構成される。
この収容凹部12は、第1金属接合層9によって接合された枠体7の貫通孔11の内面11aと、閉塞体8の、前記貫通孔11の一方の開口端を塞ぐ面8a(図2及び図3では上面)とによって区画形成される。
枠体7は、図2に示すように、発光素子2を収容する収容凹部12の側壁を構成するものであり、この枠体7の厚さは、収容凹部12の深さに相当する。このため、図1に示す収容空間10に収容された発光素子2が、閉塞体8に接触しないように、枠体7の厚さは、発光素子2の高さより大きい。このように枠体7の厚さは、発光素子2の高さに応じて適宜選択されることになるが、この枠体7の厚さは、例えば、150μm~300μmである。
本実施形態では、枠体7の両面を貫通する貫通孔11の一方の開口端を、閉塞体8によって塞ぐように、枠体7と閉塞体8とを接合することによって、収容凹部12を有するキャップ状のリッド5を構成するので、従来のように、凹部を形成するために、水晶板の中央部を、その厚み方向にハーフエッチングして掘り込む必要がない。これによって、従来のキャップ状のリッドのように凹部の内底面、すなわち、本実施形態の閉塞体8の、貫通孔11の一方の開口端を塞ぐ面8aに面荒れやエッチピットが生じることがない。
この閉塞体8の、貫通孔11の一方の開口端を塞ぐ面8aは、図1に示すように、パッケージ3の発光素子2に対向する天板の内面であり、この内面8aには、面荒れやエッチピットが存在しないので、ハーフエッチングを行う従来のリッドのように透光性能が低下することがない。
この閉塞体8は、その両面が、枠体7と同様に、後述の水晶ウェハの研磨加工によって、平坦な平滑面とされているので、透光性能を高めることができる。このように透光性能を高めるために、閉塞体8の、貫通孔11の一方の開口端を塞ぐ面8aの表面粗さは、算術平均高さSaで、例えば、Sa=0.3~1.0nmであるのが好ましい。
また、本実施形態では、枠体7の厚さを選択することによって、任意の深さの収容凹部12を構成できるので、従来のように、所要の深さの凹部を形成するために、ハーフエッチングによって深く掘り込んで強度が低下し、パッケージ基板とリッドとを接合してパッケージを封止した後に、リッドに割れが生じるといったこともない。
この実施形態では、枠体7の貫通孔11の形成は、個片状態ではなく、ウェハレベルで行う。すなわち、Z板の水晶ウェハに、フォトリソグラフィを用いたウェットエッチングを表裏両面から行うことによって、貫通孔を有する多数個の枠体部分を一括して形成する。
具体的には、研磨加工によって、両面が平坦な平滑面とされたZ板の水晶ウェハに、耐フッ酸膜である金属膜を形成し、フォトレジストを塗布する。このフォトレジストを、貫通孔を有する多数個の枠体部分に対応するパターンとなるように露光及び現像する。
次に、フォトレジストをマスクにして金属膜のエッチングを行い、フォトレジストに覆われていない金属膜の部分を除去する。これによって、Z板の水晶ウェハの表裏面を露出させて、貫通孔を有する多数個の枠体部分に対応するマスクパターンを形成する。
このマスクパターンをマスクとしてウェットエッチングを行うことで、貫通孔11を有する多数個の枠体7部分を一括して形成することができる。
その後、フォトレジスト及び金属膜を除去し、貫通孔11が形成された多数個の枠体7部分を有するZ板の水晶ウェハを得る。
図4は、リッド5を構成する枠体7及び閉塞体8の接合前の概略側面図である。
閉塞体8の枠体7に接合される側の面、すなわち、閉塞体8の、貫通孔11の一方の開口端を塞ぐ面8aには、図3に示すように、平面視矩形の閉塞体8の周縁部に沿って一定幅の閉塞側接合パターン81が、矩形環状に形成されている。
この閉塞側接合パターン81は、図4に示すように、閉塞体8上に形成された第1金属膜811と、この第1金属膜811上に形成された第2金属膜812とを備える。第1金属膜811は、例えば、チタン(Ti)又はクロム(Cr)、この実施形態では、チタンからなり、第2金属膜812は、例えば、金(Au)からなる。
第1金属膜811及び第2金属膜812は、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング、MBE、レーザーアブレーションなどの物理的気相成長法によって成膜されたPVD膜である。
枠体7の閉塞体8に接合される側の面には、平面視矩形の枠体7の周縁部に沿って一定幅の枠体側接合パターン71が、前記閉塞側接合パターン81に対向するように、矩形環状に形成されている。
この枠体側接合パターン71は、図4に示すように、枠体7上に形成された第1金属膜711と、この第1金属膜711上に形成された第2金属膜712とを備える。第1金属膜711は、閉塞側接合パターン81の第1金属膜811と同様に、例えば、チタン(Ti)又はクロム(Cr)、この実施形態では、チタンからなり、第2金属膜712は、閉塞側接合パターン81の第2金属膜812と同様に、例えば、金(Au)からなる。
枠体側接合パターン71の第1金属膜711及び第2金属膜712は、閉塞側接合パターン81の第1金属膜811及び第2金属膜812と同様に、物理的気相成長法によって成膜されたPVD膜である。
枠体7のベース4に接合される側の面には、図3に示すように、平面視矩形の枠体7の周縁部に沿って一定幅の金属膜72が、貫通孔11を囲むように矩形環状に形成されている。
この金属膜72は、チタン等の下地金属上に金等が積層形成されている。
この実施形態では、枠体7と閉塞体8とが、枠体側接合パターン71と閉塞側接合パターン81とを重ね合わせた状態で金属間拡散接合されて、図2に示すリッド5が製造される。枠体側接合パターン71と閉塞側接合パターン81とは、それら自身が拡散接合後に生成される第1金属接合層9となる。
この枠体7と閉塞体8との金属間拡散接合は、加熱、加圧した状態で行うことによって、接合強度を向上させることが可能である。
このように枠体7と閉塞体8とは、金属層である第1金属接合層9によって接合されているので、応力がかかった際には、第1金属接合層9によってその応力を緩和することができる一方、発光素子2からの発熱を、第1金属接合層9を介して放熱することができる。
金同士の金属間拡散接合によるギャップ、すなわち、接合後の枠体7と閉塞体8とのギャップは、例えば、0.15μm~1.00μm程度であり、従来の金属ペースト封止材のギャップである、例えば、5μm~20μm程度に比べて薄い。
このように平板の枠体7と平板の閉塞体8とは、薄い均一な第1金属接合層9を介して接合されるので、枠体と閉塞体8とを高い平行度を保って接合することができる。
枠体7の枠体側接合パターン71と、閉塞体8の閉塞側接合パターン81との金属間拡散接合は、上記の金同士の金属間拡散接合に限らず、例えば、銀同士、あるい、アルミニウム同士の金属間拡散接合であってもよい。なお、この場合は、金同士の金属間拡散接合の場合と異なり、接合前に表面の酸化膜を除去する必要がある。
また、金属間拡散接合は、同種金属に限らず、例えば、金と銀との異種金属間の拡散接合であってもよい。
この実施形態では、枠体7と閉塞体8とを接合する工程は、個片状態ではなく、ウェハレベルで行う。すなわち、貫通孔11及び枠体側接合パターン71等を有する枠体7部分の多数個が一括形成されたZ板の水晶ウェハと、閉塞側接合パターン81を有する閉塞体8部分の多数個が一括形成されたZ板の水晶ウェハとを、Z板の軸方向が一致するように重ね合わせて、枠体側接合パターン71と閉塞側接合パターン81とを金属間拡散接合する。
このようにして、図4に示される枠体7と閉塞体8とが接合されたリッド5が得られる。このリッド5の上下を反転させて、図5に示すように、発光素子2をフリップチップ実装したベース4に接合して、発光素子2が収容された収容空間10を気密に封止したパッケージ3が得られる。
このとき、リッド5の枠体7に形成された金属膜72とベース4の上面に形成された金属膜16とを、重ね合わせた状態で加熱加圧して接合する。ベース4の金属膜16は、下地金属層に金属ろう材層が積層して形成され、この金属膜16は、枠体7の金属膜72に対向するように、平面視矩形のベース4の周縁部に沿って矩形環状に形成されている。金属ろう材層は、例えば、金錫ろう材、錫銅ろう材、あるいは、銀錫ろう材などの融点が低いろう材で構成するのが好ましく、この金属ろう材層は、メッキによって形成してもよい。また、金属ろう材層は、ベース4側ではなく、リッド5の枠体7の金属膜72上に形成してもよい。
ベース4の金属膜16とリッド5の枠体8の金属膜72との接合によって、図1に示される第2金属接合層6が構成される。
このリッド5とベース4との接合も、上記枠体7と閉塞体8との接合と同様に、ウェハレベルで行われ、その後、ダイシングによって個片化して、図1に示される多数個の発光装置1を得る。
この実施形態では、リッド5の枠体7と閉塞体8との接合、あるいは、リッド5とベース4との接合は、ウェハレベルで行ったが、これらの接合は、ウェハレベルに限らず、個片化した状態で行ってもよい。
上記実施形態では、枠体7と閉塞体8とを接合してリッド5を構成し、このリッド5とベース4とを接合してパッケージ3を構成したが、本発明の他の実施形態として、閉塞体、枠体及びベースを重ね合わせて同時に接合するようにしてもよい。
上記実施形態では、枠体7の貫通孔11は、フォトリソグラフィを用いたウェットエッチングを、Z板の水晶ウェハの表裏両面から行うことによって形成したが、本発明の他の実施形態として、Z板の水晶ウェハの片面からウェットエッチングを行うことによって、貫通孔をテーパ形状に形成してもよい。
図6は、本発明の他の実施形態の図1に対応する概略断面図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この実施形態の発光装置11のパッケージ31では、リッド51は、収容空間101を構成する枠体71の貫通孔が、テーパ形状に形成されている。すなわち、貫通孔は、閉塞体8側の開口端の開口面積が、ベース4側の開口端へ向けて徐々に小さくなるテーパ形状となっている。換言すると、貫通孔は、ベース4側の開口面積が、閉塞体8側へ向けて徐々に大きくなるテーパ形状となっている。したがって、枠体71の貫通孔の内面111aは、閉塞体8へ向けて広がるテーパ面となっている。
この枠体71の貫通孔は、Z板の水晶ウェハに、フォトリソグラフィを用いたウェットエッチングを片面から行うことによって形成することができる。
このように枠体71の貫通孔の内面111aが、閉塞体8へ向けて広がるテーパ面となっているので、発光素子2からの深紫外線が、矢符Aで示すように、貫通孔の内面111aで反射されて閉塞体8へ導かれることになり、集光効率を向上させることができる。
このようにZ板の水晶ウェハに、フォトリソグラフィを用いたウェットエッチングを片面から行うことによって、貫通孔をテーパ形状にできるのであるが、水晶の結晶方位によるエッチング異方性のために、枠体71の両面における貫通孔の開口端の形状が異なってしまう。
図7は、図6の実施形態のリッド51の枠体71の概略平面図である。
ウェットエッチングを行う片面である上面(閉塞体8側の面)の開口111bの形状は、図示しないマスクパターンと同様の略円形の開口面積の大きい形状であるが、下面(ベース4側の面)の開口111cは、3つの角部111ceを有する大略三角形状の開口面積の小さい形状となっている。
上面の略円形の開口111bは、下面の大略三角形状の開口111cに向けて
徐々に開口が小さくなるテーパ面111aとなっている。
徐々に開口が小さくなるテーパ面111aとなっている。
下面の開口111cの3つの角部111ceは、頂点をそれぞれ有する鋭角状の部分を有している。このため、この鋭角状の部分に、応力が集中しやすく、割れ等の原因となることがある。
そこで、本発明の他の実施形態では、次のようにして貫通孔を形成することによって、鋭角状の部分をなくすようにしている。
図8は、鋭角状の部分をなくした開口を形成するための片面からのウェットエッチングを行う手順を説明するための枠体の概略平面図である。
同図(a)に示すように、3つの半円部分17aが円周方向に沿って等間隔に連続するように形成された第1マスクパターン17をマスクとして、Z板の水晶ウェハに、片面から1回目のウェットエッチングを行う。これによって、同図(b)に示すように、片面である上面の開口112´bが、第1マスクパターン17と略同じ開口面積の大きな形状であって、下面の開口112´cが、角部が丸みを帯びた略六角形状の開口面積の小さい貫通孔112´を有する枠体72となる。この貫通孔112´では、上面の開口112´bと下面の開口112´cとの間がテーパ面112´aとなる。
次に、この枠体72に対して、同図(c)に示すように、円形の第2マスクパターン18をマスクとして片面である上面から2回目のウェットエッチングを行う。これによって、同図(d)に示すように、上面の開口112bが、第2マスクパターン18に対応した開口面積の大きな円形であって、下面の開口112cが、角部が更に丸みを帯びた略六角形の貫通孔112を有する枠体72となる。この貫通孔112では、上面の開口112bと下面の開口112cとの間がテーパ面112aとなる。
このようにマスクパターンを異ならせて片面から2回のウェットエッチングを行うことによって、図8(d)に示すように、下面の開口112cを、鋭角状でない鈍角の角部を有する略六角形状にすることができる。
これによって、図7の貫通孔111のように、角部111ceの鋭角状の部分に、応力が集中して割れ等が生じるといったことがない。
なお、鋭角状の角部のない開口の形状は、鈍角の角部を有する六角形状に限らず、マスクパターンやウェットエッチングの回数の選択等によって、例えば、鈍角の角部を有する四角形や五角形等の多角形状、あるいは、円弧状としてもよく、角部を、C面やR面に面取りした形状などであってもよい。
[その他の実施形態]
閉塞体8は、平板状に限らず、他の形状、例えば、外周面をドーム状などにしてもよい。
閉塞体8は、平板状に限らず、他の形状、例えば、外周面をドーム状などにしてもよい。
リッド5やベース4の外周形状は、矩形状に限らず、例えば、矩形以外の多角形状や、円形状等でもよく、枠体7の貫通孔は、円形に限らず、矩形等の多角形状であってもよい。
上記実施形態では、発光素子2は、UV-Cの波長域である波長200nm-280nmの深紫外線を発する深紫外線LED素子に適用して説明したが、発光素子2は、水晶の透過波長域の光を発するものであれば、深紫外線LED素子に限定されるものではない。
上記実施形態では、枠体及び閉塞体を、水晶で構成したが、水晶に限らず、発光素子からの光を透過する材料であればよく、例えば、石英ガラスなどであってもよい。
1,11 発光装置
2 発光素子
3, 31 パッケージ
4 ベース
5,51 リッド
6 第2金属接合層
7,71 枠体
8 閉塞体
9 第1金属接合層
10,101 収容空間
11,111,112 貫通孔
12 収容凹部
71 枠体側接合パターン
81 閉塞側接合パターン
2 発光素子
3, 31 パッケージ
4 ベース
5,51 リッド
6 第2金属接合層
7,71 枠体
8 閉塞体
9 第1金属接合層
10,101 収容空間
11,111,112 貫通孔
12 収容凹部
71 枠体側接合パターン
81 閉塞側接合パターン
Claims (8)
- ベースに搭載された発光素子を収容する収容空間を、前記ベースと共に構成するリッドであって、
貫通孔を有すると共に、前記発光素子からの光が透過する透光性の枠体と、前記発光素子からの光が透過する透光性の閉塞体とを備え、
前記枠体に、該枠体の両面を貫通する前記貫通孔の一方の開口端を塞ぐように前記閉塞体が、金属接合層を介して積層されている、
ことを特徴とするリッド。 - 前記枠体及び前記閉塞体は、平板状であり、
前記閉塞体の、前記貫通孔の前記一方の開口端を塞ぐ面と、前記枠体の前記貫通孔の内面とによって、前記収容空間の収容凹部が区画形成される、
請求項1に記載のリッド。 - 前記発光素子が、深紫外線を発する深紫外線LED素子であり、
前記枠体及び前記閉塞体が、水晶又は石英ガラスからなる、
請求項1または2に記載のリッド。 - 前記金属接合層が、金属間拡散接合による金属接合層である、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のリッド。 - 前記金属間拡散接合が、金-金接合である、
請求項4に記載のリッド。 - 前記貫通孔を有する前記枠体が水晶からなり、前記枠体の両面を貫通する前記貫通孔は、前記一方の開口端の開口面積が、他方の開口端に向けて徐々に小さくなるテーパ形状である、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のリッド。 - 前記閉塞体の前記枠体に接合される面が、平滑面である、
請求項1ないし6いずれか一項に記載のリッド。 - 前記請求項1ないし7のいずれか一項に記載のリッドと、該リッドと共に前記収容空間を構成する前記ベースとを備え、
前記ベースが、窒化アルミニウムからなる、
ことを特徴とするパッケージ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021026037A JP2022127833A (ja) | 2021-02-22 | 2021-02-22 | リッド及びパッケージ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021026037A JP2022127833A (ja) | 2021-02-22 | 2021-02-22 | リッド及びパッケージ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022127833A true JP2022127833A (ja) | 2022-09-01 |
Family
ID=83061168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021026037A Pending JP2022127833A (ja) | 2021-02-22 | 2021-02-22 | リッド及びパッケージ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022127833A (ja) |
-
2021
- 2021-02-22 JP JP2021026037A patent/JP2022127833A/ja active Pending
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