JP2020126948A - 発光装置、パッケージ、及び、基部 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光装置における、割れや破損、剥離などの発生を抑えたパッケージを実現する。【解決手段】 発光装置は、発光素子と、発光素子が配置される第1面と、第1面の側において発光素子が配置される領域の外側に形成される凸部と、を有する基部と、基部に用いられる主材料と熱膨張係数が異なる材料を主材料とし、基部の凸部における突出した上面と接合する接合面を有し、第1面に配置された発光素子を囲う枠部と、を有する。【選択図】 図9

Description

本発明は、発光装置、及び、パッケージ、パッケージを構成する基部に関する。
従来より、枠と底面を有するパッケージにLED素子や半導体レーザ素子などの発光素子を配置した発光装置が知られている。例えば、特許文献1には、セラミック積層体と金属材料からなる放熱部材を有して構成される半導体素子収納用パッケージが開示されている。また、放熱部材の上に半導体素子が配された状態で半導体素子収納用パッケージに蓋体を接合し、半導体素子が収納された半導体装置が製造される。
特許文献1にも記載されるように、半導体素子が作動すると、これに起因した熱が発生する。この熱の影響は、半導体装置を構成する半導体素子収納用パッケージにも影響を与える。ここで、一般に、セラミックと金属とでは、熱膨張係数や材料の強度が異なる。また、材料の性質としての割れにくさや曲がりにくさなども異なる。
WO2014/017273
特許文献1で例示したように、異なる材料の部材を接合してパッケージを形成する場合、そのパッケージの大きさや各部材の形状などを考慮して、割れや破損、剥離などの発生を抑えることが求められる。
本出願により開示される発光装置は、発光素子と、前記発光素子が配置される第1面と、前記第1面の側において前記発光素子が配置される領域の外側に形成される凸部と、を有する基部と、前記基部に用いられる主材料と熱膨張係数が異なる材料を主材料とし、前記基部の凸部における突出した上面と接合する接合面を有し、前記第1面に配置された前記発光素子を囲う枠部と、を有する。
また、本出願により開示されるパッケージは、発光素子を囲うキャビティを形成し、前記発光素子が配置される第1面と、前記第1面の側において前記発光素子が配置される領域の外側に形成される凸部と、を有する基部と、外側面と、前記外側面と交わる第1上面及び第1下面と、前記第1上面と前記第1下面の間に形成される第2下面と、を有する枠部と、を有し、前記基部及び前記枠部は、それぞれを形成する主材料が、互いに熱膨張係数が異なる材料であり、前記凸部における突出した上面は、前記枠部の第2下面に接合される。
また、本出願により開示される基部は、外側面と、前記外側面と交わる第1上面及び第1下面と、前記第1上面と前記第1下面の間に形成される第2下面と、を有する枠部と接合し、発光素子を囲うキャビティを形成する基部であって、前記発光素子が配置される第1面と、前記第1面の側において前記発光素子が配置される領域の外側に形成される凸部と、を有し、前記枠部に用いられる主材料と熱膨張係数が異なる材料を主材料とし、前記凸部における突出した上面は、前記枠部の第2下面に接合される。
本発明によれば、異なる材料を接合して形成されるパッケージであって、割れや破損、剥離などの発生が抑制されたパッケージを用いて実装された発光装置を提供できる。
また、本発明によれば、割れや破損、剥離などの発生が抑制されたパッケージ、あるいは、このようなパッケージの形成に好適な基部を提供できる。
図1は、第1実施形態に係る実装基板を含む発光装置の斜視図である。 図2は、第1実施形態に係る発光装置の斜視図である。 図3は、第1実施形態に係る発光装置を、その構成の一部を取り除いて図2と同様の方向から見た斜視図である。 図4は、図3に対応する第1実施形態に係る発光装置の上面図である。 図5は、第1実施形態に係る発光装置の枠部を上面側から見た斜視図である。 図6は、第1実施形態に係る発光装置の枠部を下面側から見た斜視図である。 図7は、第1実施形態に係る発光装置の基部を上面側から見た斜視図である。 図8は、第1実施形態に係る発光装置の基部と枠部が接合された状態の上面図である。 図9は、図8のIX-IXを結ぶ直線における基部と枠部が接合された状態の断面図である。 図10は、図8のX-Xを結ぶ直線における基部と枠部が接合された状態の断面図である。 図11は、第2実施形態に係る発光装置の、基部と枠部が接合された状態の断面図である。 図12は、第3実施形態に係る発光装置の、基部と枠部が接合された状態の断面図である。 図13は、第4実施形態に係る発光装置の、基部と枠部が接合された状態の断面図である。
本明細書または特許請求の範囲において、三角形や四角形などの多角形に関しては、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含めて、多角形と呼ぶものとする。また、隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に、多角形と呼ぶものとする。つまり、多角形をベースにして加工が施された形状は、本明細書及び特許請求の範囲で記載される“多角形”の解釈に含まれるものとする。
また、多角形に限らず、台形や円形や凹凸など、特定の形状を表す言葉についても同様である。また、その形状を形成する各辺を扱う場合も同様である。つまり、ある辺において、隅や中間部分に加工が施されていたとしても、“辺”の解釈は加工された部分も含む。なお、意図的な加工が加えられていない“多角形”や“辺”を、加工された形状と区別する場合は“厳密な”を付して、例えば、“厳密な四角形”などと記載するものとする。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。ただし、示される形態は、本発明の技術思想が具体化されたものではあるが、本発明を限定するものではない。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、重複した説明は適宜省略することがある。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張していることがある。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る発光装置1と基板2が接合した状態の斜視図である。図2は、発光装置1の斜視図である。図3は、発光装置1の内部構造を説明するための斜視図である。図4は、発光装置1の内部構造を説明するための上面図である。図5は、発光装置1における枠部20の上面側からの斜視図である。図6は、発光装置1における枠部20の下面側からの斜視図である。図7は、発光装置1における底部の上面側からの斜視図である。図8は、発光装置1における基部10及び枠部20の上面図である。図9は、図8のIX-IX線における断面図である。図10は、図8のX-X線における断面図である。
発光装置1は、構成要素として、基部10、枠部20、3つの半導体レーザ素子30、3つのサブマウント40、3つの光反射部材50、保護素子70、蓋部材80を有する。また、発光装置1は、基板2と接合する。
図7に示すように、基部10は、平板形状の上面の外周近傍に凸部104を設けた形状をしている。また、基部10は、上面に相当する第1面101と、下面に相当する第2面102と、外側面103と、凸部104と、を有する。第1面101は第2面102の反対側にあり、図7の上面図からは直接的に見えない位置にある。外側面103は、第1面101及び第2面102と交わる。凸部104は、第1面101の側において、第1面101と外側面103が交わる周縁の近傍に設けられる。
凸部104の突出した部分は、突出部分を形成する外側面である凸外側面106、突出部分を形成する内側面である凸内側面107、突出部分における突出した上面を形成し凸外側面106と凸内側面107とに交わる上面である凸上面105を有する。凸部104は、第1面101の側において、外側面103と交わる位置から離間した位置で上方に突出し、その突出した位置から内側に向かって凸上面105が形成される。つまり、凸外側面106は、基部10の外側面103よりも内側に形成される。
凸部104の高さ、言い換えると、基部10の第1面101から凸上面105までの高さは、基部10の第2面102から第1面101までの厚みよりも小さい。例えば、基部10の第2面102から第1面101までの厚みは0.2mmから1.0mmの範囲で形成され、凸部104の高さは0.2mmから0.5mmの範囲で形成される。好ましくは、基部10の第2面102から第1面101までの厚みは0.5mm以上で形成され、凸部104の高さは0.5mm未満で形成されるのがよい。このようにすることで安定して接合させることができ、また、発光装置1のサイズを小型化することができる。
基部10の全体的な形状は、直方体における一面の外縁近傍に凸部104を有した形状である。このような基部10は、例えば、金属で構成することができる。ここで、金属で構成されるとは、金属のみを材料として構成される場合と、金属を主材料として構成される場合とを含むものとする。具体的に、基部10は、銅で構成される。また、銅以外の金属として、銅、アルミニウム、鉄、複合物として銅モリブデン、銅-ダイヤモンド、銅タングステンなどを採用することもできる。
枠部20は、枠を形成する。また、第1上面201、第2上面202、第1下面203、第2下面204、外側面205、第1内側面206、第2内側面207、及び、第3内側面208を有する。第1上面201及び第1下面203は、外側面205と交わる。第1上面201と第1下面203との間に、第2上面202及び第2下面204のいずれも形成される。第2上面202は、第1上面201と第2下面204の間に形成される。第2下面204は、第2上面202と第1下面203の間に形成される。
外側面205と反対側で、第1上面201は第1内側面206と交わる。外側面205と反対側で、第1下面203は第2内側面207と交わる。第1上面201と反対側で、第1内側面206の一部は第2下面204と交わり、別の一部は第2上面202と交わる。つまり、第1内側面206は、一部が第2下面204まで続き、残りが第2下面204よりも上方で第2上面202と交わる。また、枠部20において第2上面202は部分的に設けられる。
第1内側面206と反対側で、第2上面202は第3内側面208と交わる。第2上面202と反対側で、第3内側面208は第2下面204と交わる。従って、第2上面202を有する領域では、第2上面202及び第3内側面208に基づいて、第1内側面206から内側に段差が形成される。
枠部20の内側面全体に関して、第1下面203に垂直な方向についてみると、第1内側面206を有し、かつ、第3内側面208を有する領域と、第1内側面206を有し、かつ、第3内側面208を有さない領域とがある。前者の領域では、第1内側面206及び第3内側面208よりも第2内側面207の方が外側面205側にある。後者の領域では、第1内側面206よりも第2内側面207の方が外側面205側にある。なお、前者の領域において、第2内側面207は、第1内側面206と同じか、第1内側面206より第3内側面208側にあってもよい。
枠部20は、セラミックを主材料として形成することができる。具体的には、枠部20は、セラミックとして酸化アルミニウム(アルミナ)を主材料に用いて形成されている。また、酸化アルミニウム以外を主材料とするセラミックとして、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム(アルミナ)、炭化ケイ素などを採用することもできる。枠部20の第2上面202及び第1下面203には、それぞれ金属膜209が設けられる。また、基部10の内部を通る金属により、第2上面202における金属膜209と第1下面203における金属膜209とは電気的に接続することができる。
半導体レーザ素子30は、下面と、上面と、側面とを有し、1つの側面からレーザ光を放射する。3つの半導体レーザ素子30には、例えば、青色の光を発する半導体レーザ素子30を採用することができる。なお、青色に限らず、例えば、赤色や緑色など別の色の光を発する半導体レーザ素子30を採用してもよい。また、発光装置1に搭載される全ての半導体レーザ素子30が同じ色の光を発する半導体レーザ素子30でなくてもよい。例えば、青色、緑色、赤色の半導体レーザ素子30を1つずつ採用して、3つの半導体レーザ素子30を構成してもよい。
ここで、青色の光は、その発光ピーク波長が420nm〜494nmの範囲内にある光をいうものとする。青色の光を発する半導体レーザ素子30としては、窒化物半導体を含む半導体レーザ素子30が挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、及びAlGaNを用いることができる。
赤色の光は、その発光ピーク波長が605nm〜750nmの範囲内にある光をいうものとする。赤色の光を発する半導体レーザ素子30としては、例えば、InAlGaP系やGaInP系、GaAs系やAlGaAs系の半導体を含むものが挙げられる。
緑色の光は、その発光ピーク波長が495nm〜570nmの範囲内にある光をいうものとする。緑色の光を発する半導体レーザ素子30としては、窒化物半導体を含む半導体レーザ素子30が挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、及びAlGaNを用いることができる。
サブマウント40は下面と、上面と、側面とを有し、直方体の形状で構成される。なお、形状は直方体に限らなくてよい。サブマウント40は、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、又は炭化ケイ素を用いて形成することができる。また、これに限らず他の材料を用いることも出来る。また、サブマウント40の上面には金属膜が設けられている。
光反射部材50は、下面と、上面と、側面と、光反射面とを有する。側面は下面と交わり、かつ、下面と反対側で上面及び光反射面と交わる。また、光反射面は平面であり、上面と交わり、上面から下面にかけて傾斜して、下面側で側面と交わる。従って、光反射面は、下面側で交わる側面の高さの分、下面から高さを有して設けられる。光反射面は、下面に対して45度の角度を成すように設計される。なお、この角度は45度に限らなくてもよく、また、光反射面は平面でなく曲面であってもよい。
光反射部材50は、例えば、主材料によりその外形を形成し、形成した外形のうち光反射面を設ける面に光反射膜を成膜することで形成することができる。主材料としては熱に強い材料がよく、例えば、石英若しくはBK7(硼珪酸ガラス)等のガラス、アルミニウム等の金属、又はSi等を採用することができる。光反射膜は光反射率の高い材料がよく、Ag、Al等の金属やTa/SiO、TiO/SiO、Nb/SiO等の誘電体多層膜等を採用することができる。
なお、金属等の光反射率の高い材料を主材料に用いてその外形を形成した場合、光反射膜の形成は省略してもよい。光反射面は、反射させるレーザ光のピーク波長に対する光反射率を99%以上とすることができる。これらの光反射率は100%以下あるいは100%未満とすることができる。保護素子70は、例えば、ツェナーダイオードである。
蓋部材80は下面と、上面と、側面とを有し、直方体の形状で構成され、全体として透光性である。なお、一部に非透光性の領域を有していてもよい。また、形状は直方体に限らなくて良い。蓋部材80は、サファイアを主材料に用いて形成することができる。また、一部の領域に金属膜が設けられる。サファイアは、比較的屈折率が高く、比較的強度も高い材料である。なお、主材料には、サファイアの他に、例えばガラス等を用いることもできる。
基板2は、下面と、側面と、上面とを有する。また、基板2の上面に、金属膜と絶縁膜が設けられた領域がある。基板2は、金属を主材料とし、例えば、アルミニウムや銅などを採用することができる。なお、複数の金属で形成されてもよく、また、複数の金属層で形成されてもよい。
次に、これらの構成要素を用いて製造される発光装置1について説明する。
まず、基部10と枠部20とを接合し、半導体レーザ素子が配されるパッケージを形成する。基部10と枠部20とは、それぞれ基部10の凸上面105と枠部20の第2下面204とで接合される。例えば、枠部20の第2下面204にAgろう、Auろう、AuSn等によって接合することができる。
基部10の第1面101及び第2面102の外径と比較して、枠部20の第1下面203による開口はこれよりも大きく、枠部20の第2下面204による開口はこれよりも小さい。従って、基部10と枠部20の構造関係は、基部10が枠部20の第1下面203側から枠内に侵入でき、かつ、基部10の凸上面105が枠部20の第2下面204と接触した段階でそれ以上の侵入が止まるような構造である。
基部10と枠部20とが接合した状態で、上面視で凸上面105は露出しない。凸上面105は全て第2下面204と接合するため、第2下面204は凸上面105を包含できる形と面積を有している。従って、第2下面204の面積の方が凸上面105の面積よりも大きくなる。また、第2下面204の幅、言い換えると、第2内側面207と第3内側面208の間の距離あるいは第2内側面207と第1内側面206の間の距離は、凸上面105の幅、言い換えると、凸外側面106と凸内側面107の間の距離よりも大きい。
また、第1面101と平行な平面方向に関して、基部10の外側面103から枠部20の第3内側面208までの距離よりも凸上面105の幅は小さい。また、枠部20の内側面のうち第3内側面208を有さない領域においては、基部10の外側面103から枠部20の第1内側面206までの距離よりも凸上面105の幅は小さい。
基部10がこのような凸部104を有することで、凸部104に枠体と基部10間の接合応力が集中し、凸部104が変形して応力を吸収する事ができる。これにより、それぞれ熱膨張係数の異なる材料を主材料とした基部10と枠部20とを接合した場合に、応力による割れや変形などを抑制することができる。
なお、ここでの熱膨張係数とは、特に、線膨張係数を指す。基部10を構成する金属の熱膨張係数は、5.0以上から18.0以下の範囲にある。また、枠部20を構成するセラミックの熱膨張係数は、2.0以上から8.0以下の範囲にある。また、基部10と枠部20との熱膨張係数の差は、1.0以上から12.0以下の範囲にある。
なお、基部10を構成する金属や枠部20を構成するセラミックとして、ここで挙げた数値範囲外の熱膨張係数を有する材料を採用してもよい。従って、熱膨張係数が異なる部材とは、例えば、熱膨張係数の差が、0.5以上から15.0以下の範囲にある部材同士ということができる。またさらに、−40℃から150℃の温度範囲において、熱膨張係数の差が、0.5以上から15.0以下の範囲にある部材同士といえる。
なお、アルミナを主材料とする枠部20は、アルミニウムなどを主材料とする枠部20に比べて、銅を主材料とする基部10との熱膨張係数の差が小さいため、割れや変形などの抑制に有効である。
また、基部10の凸部104が基部10の外側面から離間した位置で突出することで、実装時のずれにより枠部20の第2内側面207と基部10の外側面103とが一部で接触した場合でも、凸外側面106が接触することは回避できる。凸外側面106が第2内側面207に接触すると、凸部104の応力に対する変形を抑制してしまい、応力吸収効果を低減してしまうが、離間していればこの影響がなくなる。
基部10の凸上面105と枠部20の第2下面204とが接合する領域である接合領域には、第2下面204の幅の中心が含まれる。これにより、温度変化によって基部10が枠部20の第2下面204に与える外力のバランスを取ることが出来る。
基部10の凸内側面107は、枠部20の第3内側面208、あるいは、第3内側面208を有さない領域では第1内側面206よりも外側面103側にある。つまり、第2下面204において、第3内側面208あるいは第3内側面208を有さない領域における第1内側面206と交わる端部から離間した位置で、凸内側面107の端部は第2下面204と接合する。これにより、温度変化によって基部10が枠部20の第2下面204に与える外力のバランスを取ることが出来る。
基部10の第2面102と、枠部20の第1下面203とは、同じ平面上に配される。なお、同じ平面上に配される設計に基づいて実装し、その結果生じた誤差については「同じ平面上」の解釈に含まれる。発光装置1では、基部10の第2面102を有する平面と、枠部20の第1下面203を有する平面と、の間の距離が0.1mm以下であれば、「同じ平面上」の解釈に含まれ得る。
3つの半導体レーザ素子30は、サブマウント40を介して基部10の第1面101に配置される。また、サブマウント40は、それぞれの半導体レーザ素子30に対して別個に設けられている。なお、1つのサブマウント40の上面に複数の半導体レーザ素子30を配してもよい。銅を主材料とする基部10は熱伝導率に優れており、半導体レーザ素子30により発生する熱を効果的に放熱する放熱部材として作用することができる。
基部10に配置された半導体レーザ素子30は、枠部20によって囲まれる。また、基部10に配置された半導体レーザ素子30は、枠部20の第1上面201よりも低い位置にある。つまり、基部10と枠部20とによって形成されるキャビティの内側に半導体レーザ素子30は配置される。言い換えれば、基部10と枠部20とが接合されたパッケージのキャビティが、半導体レーザ素子30を囲うといえる。
サブマウント40は、その下面で基部10の第1面101と接合し、その上面で半導体レーザ素子30と接合する。半導体レーザ素子30の出射端面が、サブマウント40の側面と揃うか、あるいは、突出するように、半導体レーザ素子30は配される。サブマウント40を介することで、第1面101から半導体レーザ素子30の光の出射位置までの高さを大きくすることができる。また、サブマウント40の上面に、保護素子70が配される。
また、サブマウント40は、3つの半導体レーザ素子30の間で、第1面101からの高さが同じになるように設計される。また、各半導体レーザ素子30の出射端面は、仮想的な1つの同じ平面上に配されるように設計される。なお、設計上は同じでも実装段階における部材公差や実装公差などによって誤差は生じる。発光装置1に関して、高さ、長さ、位置、相対的な位置関係などが同じというときは、このような誤差は許容範囲を含まれるものとする。
なお、3つの半導体レーザ素子30の間で、必ずしもサブマウント40の高さを同じにしなくてよい。例えば、実装向きの違いなどから3つの半導体レーザ素子30の間で発光点が異なる場合に、サブマウント40を介することでこれらの第1面101から発光点までの高さを同じにするために、高さの異なるサブマウント40を採用することも考えられる。また、出射端面についても、同じ平面上でなく、平行な異なる平面上にそれぞれが配されることも考えられる。
光反射部材50は、基部10の第1面101に配される。それぞれの半導体レーザ素子30に対応して、別個に光反射部材50が配されている。また、3つの半導体レーザ素子30の間で、各半導体レーザ素子30の出射端面と対応する光反射部材50との間の距離は同じになるように設計される。なお、複数の半導体レーザ素子30に対応して1つの光反射部材50を配してもよい。
半導体レーザ素子30から放射された光は、楕円形状のFFP(ファーフィールドパターン)を有するため、サブマウント40を介して出射位置を高くすることで、半導体レーザ素子30から放射された光をより多く光反射部材50の光反射面に照射させることができる。
枠部20の第2上面202に設けられた金属膜209には、複数のワイヤの一端が接合される。複数のワイヤの他端はそれぞれ半導体レーザ素子30か保護素子70かサブマウント40の上面に設けられた金属膜209に接合される。これにより半導体レーザ素子30及び保護素子70は、枠部20の第1下面203に設けられた金属膜209を介して電気的に接続される。
枠部20の内側面に関し、光反射面と反対側で光反射部材50の上面と交わる側面と対向し、かつ、その側面から最も近い領域には、第3内側面208は設けられない。従って、この領域には第2上面202も設けられない。この領域に第2上面202を設けてワイヤを張ると、ワイヤが光反射部材50を跨ぐようになり、反射光の光路上でワイヤが邪魔になるためである。また、第3内側面208を内側面の全周に亘って設けないことで、発光装置1のサイズを小型化することができる。
蓋部材80は、その下面において、枠部20の第1上面201と接合する。蓋部材80と枠部20は、接合される領域に金属膜が設けられ、Au−Sn等を介して固定される。また、枠部20と蓋部材80とが接合することで閉空間が形成される。この閉空間は気密封止された空間となる。
このように気密封止することで、半導体レーザ素子30の光の出射端面に有機物等が集塵することを抑制することができる。また、アルミナを主材料とする枠部20と、サファイアを主材料とする蓋部材80とは、熱膨張係数の差が小さいため、割れや変形などの抑制に有効である。
光反射部材50の光反射面により反射された反射光は蓋部材80に入射する。蓋部材80は、少なくとも主要部分の光の反射光が入射してから出射するまでの領域が透光性となるように設計される。ここで、透光性となるとは、光に対する透過率が80%以上であることとする。
発光装置1は、枠部20の第1下面203に設けられた金属膜209と、基部10の第2面102とが、基板2と接合する。また、枠部20の第1下面203に設けられた金属膜209と、基板2の金属膜とが接合することで、基板2の金属膜を介して電気的な接続を図ることができる。発光装置1と基板2との接合は、はんだ付けによって行うことが出来る。
第1実施形態に係る発光装置1によれば、基部10に設けられた凸部104が応力を吸収する事で、割れや破損、剥離などの発生が抑制することができる。また、少なくとも基部10と枠部20とが接合したパッケージであって、半導体レーザ素子30などの発光素子を搭載するパッケージにおける割れや破損、剥離などの発生が抑制することができる。
以下、第1実施形態の発光装置1において採用された基部10とは形状の異なる基部10を説明する。以下のような基部10であっても、枠部20と接合してパッケージを形成することができる。
<第2実施形態>
図11は、第2実施形態に係る発光装置の、基部10と枠部20の形状を説明するための断面図である。なお、断面の位置は、図8のIX-IX線と同様である。第2実施形態に係る発光装置は、基部の形状が第1実施形態の発光装置と異なる。具体的に、図11の基部10Aは、基部10の第2面102の側において、第2面102と外側面103との間に窪み部108を有している点で、第1実施形態の基部10とは異なる。
基部10Aの窪み部108は、枠部20の第2内側面207との距離に関して、基部10Aの外側面103との間の距離よりも、基部10Aの第2面102との間の距離を大きくするために設けられる。そのため、窪み部108は、基部10の第2面102から第1面101側に向かって窪む。基部10Aと枠部20との接合において設計上の位置関係からのずれが生じた結果第2内側面207と外側面103とが接触した場合でも、窪み部108を設けることで基部10Aの第2面102が基板2の金属膜と導通することを回避できる。
<第3実施形態>
図12は、第3実施形態に係る発光装置の、基部10と枠部20の形状を説明するための断面図である。なお、断面の位置は、図8のIX-IX線と同様である。第3実施形態に係る発光装置は、基部の形状が第1実施形態の発光装置と異なる。具体的に、図12の基部10Bは、基部10の第1面101の側において凸部104が設けられる位置が、第1実施形態の基部10とは異なる。
第3実施形態に係る基部10Bでは、外側面103から離間せずに凸部104が設けられている。言い換えると、凸部104の凸外側面106と基部10Bの外側面103とが、1つの側面で形成され、基部10Bの外側面103が、凸部104の凸外側面106にもなっている。このような形状であっても、第1実施形態の基部10と同様に、基部10に設けられた凸部104で応力を吸収する事ができる。
<第4実施形態>
図13は、第4実施形態に係る発光装置の、基部10と枠部20の形状を説明するための断面図である。なお、断面の位置は、図8のIX-IX線と同様である。第4実施形態に係る発光装置は、基部の形状が第1実施形態の発光装置と異なる。具体的に、図14の基部10Cは、第1実施形態の基部10に対する第2実施形態の差異点と第3実施形態の差異点とを組み合わせた形状である。つまり、第2面102の側に窪み部108を有し、第1面101の側で凸部104が外側面103と離間せずに設けられている。
以上、本発明を、各実施形態に基づき説明してきたが、本発明が適用される発光装置の構成は実施形態のものに限らない。例えば、3つの半導体レーザ素子が配される発光装置を説明したが、1または複数の半導体レーザ素子が配される発光装置であってもよい。また、光反射部材を有さず、半導体レーザ素子から放射される光が蓋部材を通過するような発光装置であってもよい。
つまり、本発明が適用される発光装置は、例えば、実施形態の発光装置に開示されていない構成要素を有していてもよい。また逆に、実施形態の発光装置に開示されている構成要素の一部を有していなくてもよい。実施形態の発光装置と違いがあるというだけでは本発明を適用できないことの根拠とはならない。
例えば、特許請求の範囲に、第1実施形態により開示された発光装置の一部の構成要素が記載されていなかった場合、その構成要素については、第1実施形態の開示に対して、代替、省略、形状の変形、材料の変更などといった当業者による設計の自由度を認めるものであり、その上で特許請求の範囲に記載された発明が適用されることを請求するものである。
各実施形態に記載の発光装置は、プロジェクタ、車載ヘッドライト、照明、ディスプレイ等に使用することができる。
1 発光装置
10、10A、10B、10C 基部
101 第1面
102 第2面
103 外側面
104 凸部
105 凸上面
106 凸外側面
107 凸内側面
108 窪み部
20 枠部
201 第1上面
202 第2上面
203 第1下面
204 第2下面
205 外側面
206 第1内側面
207 第2内側面
208 第3内側面
209 金属膜
30 半導体レーザ素子
40 サブマウント
50 光反射部材
70 保護素子
80 蓋部材

2 基板

Claims (12)

  1. 発光素子と、
    前記発光素子が配置される第1面と、前記第1面の側において前記発光素子が配置される領域の外側に形成される凸部と、を有する基部と、
    前記基部に用いられる主材料と熱膨張係数が異なる材料を主材料とし、前記基部の凸部における突出した上面と接合する接合面を有し、前記第1面に配置された前記発光素子を囲う枠部と、
    を有する発光装置。
  2. 前記枠部の接合面は、前記枠部の外側面と交わる第1上面と、第1下面と、の間において形成される第2下面である請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記枠部は、前記枠部の第1上面の側にある第1内側面と、前記枠部の第1下面の側にあり、かつ、少なくとも一部において前記第1内側面よりも外側面側にある第2内側面と、を有し、
    前記枠部の接合面は、少なくとも一部において前記第2内側面側から前記第1内側面側へと延びた前記第2下面である請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記枠部は、前記枠部の第1上面と第1下面の間において、少なくとも一部の前記第1内側面から内側へと延びる第2上面と、前記第2上面と前記第2下面の間において、前記第1内側面よりも内側に形成された第3内側面と、を有し、
    前記枠部の第2上面の少なくとも一部において、前記発光素子を電気的に接続させる金属膜を有する請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記基部は、前記第1面の側において、前記基部の外側面と交わる位置から離間した位置で突出し、その突出した位置から内側に前記突出した上面が形成された前記凸部を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光装置。
  6. 前記基部は、前記第1面の側において、前記凸部の突出した上面は前記基部の外側面と交わる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光装置。
  7. 前記基部の突出した上面の面積は、前記枠部の接合面の面積よりも小さい請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発光装置。
  8. 前記基部は、前記第1面と反対側において、第2面と、前記第2面及び前記基部の外側面と交わり、前記第2面から前記第1面側に向かって窪んだ窪み部と、を有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発光装置。
  9. 前記基部の主材料は金属であり、前記枠部の主材料はセラミックである請求項1乃至8のいずれか一項に記載の発光装置。
  10. 前記基部の主材料は銅であり、前記枠部の主材料はアルミナである請求項9に記載の発光装置。
  11. 発光素子を囲うキャビティを形成するパッケージであって、
    前記発光素子が配置される第1面と、前記第1面の側において前記発光素子が配置される領域の外側に形成される凸部と、を有する基部と、
    外側面と、前記外側面と交わる第1上面及び第1下面と、前記第1上面と前記第1下面の間に形成される第2下面と、を有する枠部と、
    を有し、
    前記基部及び前記枠部は、それぞれを形成する主材料が、互いに熱膨張係数が異なる材料であり、
    前記凸部における突出した上面は、前記枠部の第2下面に接合されるパッケージ。
  12. 外側面と、前記外側面と交わる第1上面及び第1下面と、前記第1上面と前記第1下面の間に形成される第2下面と、を有する枠部と接合し、発光素子を囲うキャビティを形成する基部であって、
    前記発光素子が配置される第1面と、
    前記第1面の側において前記発光素子が配置される領域の外側に形成される凸部と、を有し、
    前記枠部に用いられる主材料と熱膨張係数が異なる材料を主材料とし、
    前記凸部における突出した上面は、前記枠部の第2下面に接合される基部。
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