JP2022127643A - コイル部品及びこれを備えるワイヤレス電力伝送デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】相手側機器に含まれるアンテナコイルの近傍に金属部材が存在する場合であっても通信が可能なコイル部品を提供する。【解決手段】コイル部品1は、第1基材10の表面に設けられた第1コイルパターンCP1と、第1基材10の表面に設けられ、第1コイルパターンCP1の外側に配置された第2コイルパターンCP2と、第2基材20の表面に設けられ、第2コイルパターンCP2と結合する第3コイルパターンCP3とを備える。z方向から見て、第3コイルパターンCP3の一部は第1コイルパターンCP1と重なる。これにより、第1コイルパターンCP1をワイヤレス電力伝送用の送電コイル、第2及び第3コイルパターンCP2,CP3を通信用のアンテナコイルとして用いることにより、相手側機器に含まれるアンテナコイルの近傍に金属部材が存在する場合であっても通信が可能となる。【選択図】図1

Description

本開示はコイル部品及びこれを備えるワイヤレス電力伝送デバイスに関する。
特許文献1には、近距離無線通信(NFC)用のコイルパターンとワイヤレス電力伝送用のコイルパターンを同じ基材の表面に形成した例が開示されている。
特開2018-113690号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたコイル部品では、相手側機器に含まれるアンテナコイルの近傍に金属部材が存在すると、NFC用のコイルパターンを用いた通信が困難になるという問題があった。
したがって、本開示は、相手側機器に含まれるアンテナコイルの近傍に金属部材が存在する場合であっても通信が可能なコイル部品及びこれを備えるワイヤレス電力伝送デバイスを提供することを目的とする。
本開示の一実施態様によるコイル部品は、第1基材の表面に設けられた第1コイルパターンと、第1基材の表面に設けられ、第1コイルパターンの外側に配置された第2コイルパターンと、第2基材の表面に設けられ、第2コイルパターンと結合する第3コイルパターンとを備え、第3コイルパターンのコイル軸方向から見て、第3コイルパターンの一部は第1コイルパターンと重なる。
本開示によれば、相手側機器に含まれるアンテナコイルの近傍に金属部材が存在する場合であっても通信が可能なコイル部品及びこれを備えるワイヤレス電力伝送デバイスを提供することが可能となる。
図1は、一実施形態によるコイル部品1の構造を説明するための略断面図である。 図2は、第1基材10の表面11に形成された導体パターンの形状を示す略平面図である。 図3は、第1基材10の表面12に形成された導体パターンの形状を示す略平面図である。 図4は、第2基材20の表面22に形成された導体パターンの形状を示す略平面図である。 図5は、第2基材20の表面21に形成された導体パターンの形状を示す略平面図である。 図6は、第3コイルパターンCP3の効果を説明するための模式図である。 図7は、コイル部品1を用いたワイヤレス電力伝送デバイス90のブロック図である。
以下、添付図面を参照しながら、本開示の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、一実施形態によるコイル部品1の構造を説明するための略断面図である。
図1に示すように、一実施形態によるコイル部品1は、PETフィルムなどからなる第1基材10及び第2基材20と、第1基材10の表面11,12に設けられた第1コイルパターンCP1及び第2コイルパターンCP2と、第2基材20の表面21に設けられた磁気抑制パターンMと、第2基材20の表面22に設けられた第3コイルパターンCP3及び第4コイルパターンCP4と、磁性体30とを備えている。第1コイルパターンCP1はワイヤレス電力伝送用の送電コイルであり、第2~第4コイルパターンCP2~CP4はNFC用のアンテナコイルである。第1~第4コイルパターンCP1~CP4のコイル軸方向はz方向であり、第1基材10、第2基材20及び磁性体30はz方向に重なるようこの順に配置される。つまり、第1基材10は、第2基材20と磁性体30との間に配置され、磁性体30と第2基材20のz方向における距離は、磁性体30と第1基材10のz方向における距離よりも離れている。
図2は、第1基材10の表面11に形成された導体パターンの形状を示す略平面図である。
図2に示すように、第1基材10の表面11には、第1コイルパターンCP1を構成するスパイラル状の導体パターン100と、第2コイルパターンCP2を構成する導体パターン41,42が形成されている。
第1コイルパターンCP1を構成する導体パターン100は、ターン110,120,130,140,150,160からなる6ターン構成であり、ターン110が最外周に位置し、ターン160が最内周に位置する。このうち、ターン110,120,130,140,150は、スパイラル状の3本のスリットによって径方向に4分割されている。一方、ターン160は、スパイラル状の1本のスリットによって径方向に2分割されている。これにより、ターン110はライン111~114に4分割され、ターン120はライン121~124に4分割され、ターン130はライン131~134に4分割され、ターン140はライン141~144に4分割され、ターン150はライン151~154に4分割され、ターン160はライン161,162に2分割される。
ライン111,121,131,141,151,161は、スパイラル状に6ターン巻回された連続的なラインであり、各ターンにおける最外周に位置する。ライン112,122,132,142,152,162は、スパイラル状に6ターン巻回された連続的なラインであり、各ターンにおいて2番目に外周に位置する。ライン113,123,133,143,153は、スパイラル状に5ターン巻回された連続的なラインであり、各ターンにおいて2番目に内周に位置する。ライン114,124,134,144,154は、スパイラル状に5ターン巻回された連続的なラインであり、各ターンにおける最内周に位置する。
ライン111~114の外周端は、端子電極E1に共通に接続される。一方、ライン161,162,153,154の内周端は、第1基材10を貫通するスルーホール導体301~304にそれぞれ接続される。
第2コイルパターンCP2を構成する導体パターン41,42は、第1コイルパターンCP1を構成する導体パターン100の外側に配置される。このうち、導体パターン41は約1ターン巻回された連続的なラインであり、その開口領域(内径領域)に導体パターン100が配置される。導体パターン41の一端は端子電極E3に接続され、導体パターン41の他端は第1基材10を貫通するスルーホール導体43に接続されている。また、導体パターン42の一端は端子電極E4に接続され、導体パターン42の他端は第1基材10を貫通するスルーホール導体44に接続されている。
図3は、第1基材10の表面12に形成された導体パターンの形状を示す略平面図であり、第1基材10の表面11側から見た状態、つまり、第1基材10を透過して見た状態を示している。
図3に示すように、第1基材10の表面12には、第1コイルパターンCP1を構成するスパイラル状の導体パターン200と、第2コイルパターンCP2を構成する導体パターン45が形成されている。なお、本実施形態では、第1基材10の表面11が磁性体30の表面と対向する向きで配置されているが、第1基材10の表面12が磁性体30の表面と対向する向きで配置されていても構わない。
第1コイルパターンCP1を構成する導体パターン200のパターン形状は、導体パターン100のパターン形状と同一である。導体パターン200は、ターン210,220,230,240,250,260からなる6ターン構成であり、ターン210が最外周に位置し、ターン260が最内周に位置する。このうち、ターン210,220,230,240,250は、スパイラル状の3本のスリットによって径方向に4分割されている。一方、ターン260は、スパイラル状の1本のスリットによって径方向に2分割されている。これにより、ターン210はライン211~214に4分割され、ターン220はライン221~224に4分割され、ターン230はライン231~234に4分割され、ターン240はライン241~244に4分割され、ターン250はライン251~254に4分割され、ターン260はライン261,262に2分割される。
ライン211,221,231,241,251,261は、スパイラル状に6ターン巻回された連続的なラインであり、各ターンにおける最外周に位置する。ライン212,222,232,242,252,262は、スパイラル状に6ターン巻回された連続的なラインであり、各ターンにおいて2番目に外周に位置する。ライン213,223,233,243,253は、スパイラル状に5ターン巻回された連続的なラインであり、各ターンにおいて2番目に内周に位置する。ライン214,224,234,244,254は、スパイラル状に5ターン巻回された連続的なラインであり、各ターンにおける最内周に位置する。
ライン211~214の外周端は、端子電極E2に共通に接続される。一方、ライン261,262,253,254の内周端は、スルーホール導体304,303,302,301にそれぞれ接続される。これにより、端子電極E1と端子電極E2の間には、11ターンのラインが4本並列に接続されることになる。
第2コイルパターンCP2を構成する導体パターン45は、約1ターン巻回された連続的なラインであり、第1コイルパターンCP1を構成する導体パターン200の外側に配置される。つまり、導体パターン200は、導体パターン45の開口領域(内径領域)に配置される。導体パターン45の一端及び他端はそれぞれスルーホール導体43,44に接続される。これにより、第2コイルパターンCP2は、合計で約2ターンとなる。
図4は、第2基材20の表面22に形成された導体パターンの形状を示す略平面図であり、第2基材20の表面21側から見た状態、つまり、第2基材20を透過して見た状態を示している。
図4に示すように、第2基材20の表面22には、第3及び第4コイルパターンCP3,CP4を構成する導体パターン51~56と、キャパシタ電極パターンCE1が形成されている。導体パターン51の一端及び他端は、第2基材20を貫通するスルーホール導体61,62にそれぞれ接続されている。導体パターン52の一端及び他端は、第2基材20を貫通するスルーホール導体63,64にそれぞれ接続されている。導体パターン53の一端及び他端は、第2基材20を貫通するスルーホール導体65,66にそれぞれ接続されている。導体パターン54の一端及び他端は、第2基材20を貫通するスルーホール導体67,68にそれぞれ接続されている。導体パターン55の一端及び他端は、第2基材20を貫通するスルーホール導体69,70にそれぞれ接続されている。導体パターン56の一端は第2基材20を貫通するスルーホール導体71に接続され、導体パターン56の他端はキャパシタ電極パターンCE1に接続されている。
図5は、第2基材20の表面21に形成された導体パターンの形状を示す略平面図である。
図5に示すように、第2基材20の表面21には、磁気抑制パターンM、導体パターン81~85と、キャパシタ電極パターンCE2が形成されている。なお、本実施形態では、第2基材20の表面21が第1基材10の表面12と対向する向きで配置されているが、第2基材20の表面22が第1基材10の表面12と対向する向きで配置されていても構わない。
磁気抑制パターンMは、x方向に延在する幹線パターンMxと、y方向に延在する複数の枝線パターンMyとを含んでいる。幹線パターンMxと複数の枝線パターンMyは、それぞれ導体パターンから構成されている。磁気抑制パターンMには、幹線パターンMxに接続された端子電極E5を介してグランド電位などの固定電位が与えられる。複数の枝線パターンMyは、幹線パターンMxから分岐してy方向に延在し、x方向に配列されている。複数の枝線パターンMyの先端部分は開放されている。また、枝線パターンMy同士も、幹線パターンMxを介して接続されている他、直接接続されることなく独立して設けられている。このため、磁気抑制パターンMに対してz方向の磁界が印加されると、一部の磁界は枝線パターンMyに印加されて渦電流を発生させるが、枝線パターンMyはループ状のパターンを構成しないため、磁界によって生じた電流が大きくループすることによる損失は発生しない。なお、x方向は第1の方向の一例であり、y方向は第2の方向の一例である。また、幹線パターンMxは第1導体パターンの一例であり、複数の枝線パターンMyは複数の第2導体パターンの一例である。加えて、本実施形態では、磁気抑制パターンMは、幹線パターンMxに複数の枝線パターンMyがそれぞれ接続されているが、輻射ノイズが低減されるパターンであればこれに限られない。
導体パターン81の一端及び他端は、スルーホール導体62,63にそれぞれ接続されている。導体パターン82の一端及び他端は、スルーホール導体64,65にそれぞれ接続されている。導体パターン83の一端及び他端は、スルーホール導体66,67にそれぞれ接続されている。導体パターン84の一端及び他端は、スルーホール導体68,69にそれぞれ接続されている。導体パターン85の一端及び他端は、スルーホール導体70,71にそれぞれ接続されている。キャパシタ電極パターンCE2は、スルーホール導体61に接続されている。これら導体パターン81~85及びキャパシタ電極パターンCE2は、磁気抑制パターンMとは接しておらず、導体パターン81~85及びキャパシタ電極パターンCE2が存在する位置においては、枝線パターンMyが除去されている。
かかる構成により、図4に示す導体パターン51~56は、導体パターン81~85を介して約3ターン巻回される。そして、y方向におけるコイル開口幅(コイル径)がD3a又はD3bである2ターンは第3コイルパターンCP3を構成し、y方向におけるコイル開口幅(コイル径)がD4である1ターンは第4コイルパターンCP4を構成し、両者は直列に接続される。第4コイルパターンCP4は、第3コイルパターンCP3の外側に配置される。つまり、第3コイルパターンCP3は、第4コイルパターンCP4の開口領域(内径領域)に配置される。第3コイルパターンCP3は、導体パターン51の一部及び導体パターン52,53,55によって構成される。第4コイルパターンCP4は、導体パターン51の残りの部分及び導体パターン54,56によって構成される。第3コイルパターンCP3のうち、コイル径がD3aであるターンとコイル径がD3bであるターンの間隔Sは、パターン幅Wよりも広い。
第3コイルパターンCP3は、y方向に延在する区間CP3yにおいて、第1基材10に形成された第2コイルパターンCP2とz方向に重なる(つまりx方向位置が一致する)か、或いは、x方向位置の差が僅かとなる。これにより、第3コイルパターンCP3は、主にこの区間CP3yにおいて第2コイルパターンCP2と結合する。一方、第4コイルパターンCP4については、第2コイルパターンCP2とほぼ同じサイズであり、ほぼ同じパターン形状を有しているため、大部分の区間が第2コイルパターンCP2と重なる。これにより、第4コイルパターンCP4は、第3コイルパターンCP3よりも強く第2コイルパターンCP2と結合する。なお、同じサイズ及び同じパターン形状には、第2コイルパターンCP2と第4コイルパターンCP4が製造誤差又は公差などによってばらつきが生じた場合も含む。
第4コイルパターンCP4は、第2コイルパターンCP2とほぼ同じサイズであり、ほぼ同じパターン形状を有していることから、z方向から見ると、第4コイルパターンCP4は第1コイルパターンCP1の外側に配置される。これに対し、第3コイルパターンCP3は、z方向から見ると、大部分の区間が第1コイルパターンCP1と重なる。つまり、第3コイルパターンCP3のコイル軸方向から見て、第3コイルパターンCP3の一部は第1コイルパターンCP1と重なる。図2には、基材10,20を重ねた場合における第3コイルパターンCP3の一部の平面位置が破線で示されている。図2に示すように、第3コイルパターンCP3は、第3コイルパターンCP3のコイル軸方向から見て、第1コイルパターンCP1の外縁より内側に位置する部分と、第1コイルパターンCP1の外縁より外側に位置する部分を有している。第3コイルパターンCP3のうち、第1コイルパターンCP1の外縁より外側に位置する部分は、第1コイルパターンCP1との干渉が少ない部分である。
キャパシタ電極パターンCE1,CE2は、第2基材20を介して対向することにより第2キャパシタC2(図7参照)を構成する。キャパシタ電極パターンCE1,CE2からなる第2キャパシタC2は、第3及び第4コイルパターンCP3,CP4に対して直列に接続される。第3及び第4コイルパターンCP3,CP4の共振周波数は、キャパシタ電極パターンCE1,CE2の面積によって調整することができる。キャパシタ電極パターンCE1,CE2は、z方向から見て、第1コイルパターンCP1のパターン領域と重なる。つまり、第2キャパシタC2は、第1コイルパターンCP1のコイル軸方向から見て、第1コイルパターンCP1のパターン領域と重なるよう、第2基材20の表面に設けられている。第1コイルパターンCP1のパターン領域とは、平面視で第1コイルパターンCP1を構成する導体パターンが存在する領域であり、導体パターンの延在方向(周方向)に対して直交する方向(径方向)がパターン領域の巻幅である。
このように、第1コイルパターンCP1のパターン領域と重なる位置にキャパシタ電極パターンCE1,CE2を配置することにより、第1コイルパターンCP1から生じる磁束がキャパシタ電極パターンCE1,CE2に印加されにくくなり、渦電流が抑えられる。特に、第1コイルパターンCP1のパターン領域の巻幅の中心位置よりも外側にオフセットしてキャパシタ電極パターンCE1,CE2を配置することが好ましい。つまり、第2キャパシタC2は、第1コイルパターンCP1のコイル軸方向から見て、第1コイルパターンCP1のパターン領域の巻幅の中心位置よりも外側にオフセットして配置されていることが好ましい。これは、第1コイルパターンCP1から生じる磁束の磁束密度が開口領域において最も高いことから、できるだけ開口領域から離れた位置にキャパシタ電極パターンCE1,CE2を配置することにより、渦電流を効果的に低減することができるからである。
第1及び第2コイルパターンCP1,CP2とは異なり、第3及び第4コイルパターンCP3,CP4は、外部に接続するための端子電極を有しておらず、第2基材20の表面21,22に形成された導体パターンによって完結する閉回路を構成している。第3及び第4コイルパターンCP3,CP4は、第2コイルパターンCP2と結合することによって中継アンテナとして機能する。つまり、本実施形態においては、第2コイルパターンCP2からなるメインアンテナと、第3及び第4コイルパターンCP3,CP4からなる中継アンテナによって、NFCによる通信が実現される。
ここで、メインアンテナ及び中継アンテナの共振周波数は、NFCによる無線通信周波数を挟むように設計される。つまり、NFCによる無線通信周波数が13.56MHzであれば、メインアンテナ及び中継アンテナの一方については共振周波数が13.56MHz未満とされ、メインアンテナ及び中継アンテナの他方については共振周波数が13.56MHz超とされる。ここで、NFCによる無線通信周波数が13.56MHzである場合、メインアンテナの共振周波数と中継アンテナの共振周波数の差は7MHz以上であることが好ましく、メインアンテナ及び中継アンテナの一方の共振周波数については、無線通信周波数との差が1MHz以下であることが好ましい。第1の例として、メインアンテナの共振周波数を21.36MHz、中継アンテナの共振周波数を13.48MHzとなるよう設計することができる。第2の例として、メインアンテナの共振周波数を21.00MHz、中継アンテナの共振周波数を13.16MHzとなるよう設計することができる。第3の例として、メインアンテナの共振周波数を12.78MHz、中継アンテナの共振周波数を20.76MHzとなるよう設計することができる。これにより、十分な通信距離を確保することが可能となる。
図6は、第3コイルパターンCP3の効果を説明するための模式図である。
図6に示すように、本実施形態によるコイル部品1と通信対象である相手側機器2を、空間3を介して対向させると、第2~第4コイルパターンCP2~CP4によって生じる磁束φ1は、相手側機器2に含まれるコイルパターンCP5と鎖交し、これによってNFCによる無線通信が実現される。無線通信する信号は、端子電極E3,E4を介して第2コイルパターンCP2に供給される。メインアンテナである第2コイルパターンCP2は、図6において符号Aで示すように、主に第4コイルパターンCP4と結合する。これにより、中継アンテナである第3及び第4コイルパターンCP3,CP4にも信号が供給される。
ここで、コイルパターンCP5の裏面側に金属部材4が存在すると、z方向に伸びる磁束φ1が阻害されて、磁束φ1がxy平面方向に広がってしまう。しかしながら、本実施形態によるコイル部品1は、第2コイルパターンCP2よりも相手側機器2の近くに配置され、且つ、第2コイルパターンCP2よりもコイル径の小さい第3コイルパターンCP3を有していることから、磁束φ1のxy平面方向における広がりが抑制され、その結果、磁束φ1がz方向に伸びやすくなる。第3コイルパターンCP3が第2コイルパターンCP2よりも相手側機器2に近いというのは、第3コイルパターンCP3が第2コイルパターンCP2よりも磁性体30から離れていることを意味する。尚、図6において破線で示す磁束φ2は、第3コイルパターンCP3を省略した場合の磁束を示している。磁束φ2が示すように、第3コイルパターンCP3を省略すると、コイルパターンCP5と鎖交する磁界成分が減少する。
また、ワイヤレス電力伝送用の送電コイルである第1コイルパターンCP1は、相手側機器2に含まれるコイルパターンCP6と結合する。コイルパターンCP6は、ワイヤレス電力伝送用の受電コイルである。第1コイルパターンCP1によって生じる磁束の大部分は、受電コイルであるコイルパターンCP6と鎖交する。しかしながら、第1コイルパターンCP1から発生する磁束の一部は、コイルパターンCP6と鎖交することなく、輻射ノイズとして周囲に放射される。このような輻射ノイズは、周囲の電子機器を誤動作させるおそれがあることから、できる限り抑制することが望ましい。そして、本実施形態によるコイル部品1は、磁気抑制パターンMを備えていることから、輻射ノイズが低減される。しかも、磁気抑制パターンMは、第3及び第4コイルパターンCP3,CP4が形成される第2基材20の表面に形成されていることから、部品点数が増加することもない。
このように、本実施形態によるコイル部品1は、基材10,20の表面に形成した導体パターンによって、ワイヤレス電力伝送用の送電コイルとNFC用のアンテナコイルの両方を構成していることから、部品点数を削減することが可能となる。しかも、NFC用のアンテナコイルには第3コイルパターンCP3が含まれていることから、相手側機器2のコイルパターンCP5の裏面側に金属部材4が存在する場合であっても、通信距離を十分に確保することが可能となる。
図7は、本実施形態によるコイル部品1を用いたワイヤレス電力伝送デバイス90のブロック図である。
図7に示すワイヤレス電力伝送デバイス90は、第1~第4コイルパターンCP1~CP4を有するコイル部品1と、第2~第4コイルパターンCP2~CP4に接続された通信回路91と、第1コイルパターンCP1に接続された送電回路92とを備えている。通信回路91及び送電回路92は、制御回路93に接続されている。これにより、通信ライン94を介して送受信されるデータは、NFC用の第2~第4コイルパターンCP2~CP4を介して通信することができるとともに、電源95によって供給される電力は、ワイヤレス電力伝送用の第1コイルパターンCP1を介してワイヤレスで送電することができる。
図7に示すように、第3及び第4コイルパターンCP3,CP4には第2キャパシタC2が接続され、第2コイルパターンCP2には第1キャパシタC1が接続されている。図7では、第2コイルパターンCP2に対して第1キャパシタC1が並列に接続されているが、これに代えて或いはこれに加えて、第1キャパシタC1を第2コイルパターンCP2に対して直列に接続しても構わない。
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は、上記の実施形態に限定されることなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本開示の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
本開示に係る技術には、以下の構成例が含まれるが、これに限定されるものではない。
本開示によるコイル部品は、第1基材の表面に設けられた第1コイルパターンと、第1基材の表面に設けられ、第1コイルパターンの外側に配置された第2コイルパターンと、第2基材の表面に設けられ、第2コイルパターンと結合する第3コイルパターンとを備え、第3コイルパターンのコイル軸方向から見て、第3コイルパターンの一部は第1コイルパターンと重なる。
かかる構成によれば、第1コイルパターンをワイヤレス電力伝送用の送電コイル、第2及び第3コイルパターンを通信用のアンテナコイルとして用いることにより、相手側機器に含まれるアンテナコイルの近傍に金属部材が存在する場合であっても通信が可能となる。
本開示によるコイル部品は、第2基材の表面に設けられ、第3コイルパターンの外側に配置された第4コイルパターンをさらに備えていても構わない。これによれば、第2コイルパターンと第4コイルパターンを結合させることが可能となる。この場合、第2コイルパターンと第4コイルパターンが同じサイズとすれば、両者の結合をより高めることが可能となる。また、第3コイルパターンと第4コイルパターンが接続されていても構わない。これによれば、第3コイルパターンと第4コイルパターンによって中継アンテナが構成される。
さらに、第2コイルパターンは第1キャパシタに接続されることによって第1共振回路を構成し、第3及び第4コイルパターンは第2キャパシタに接続されることによって第2共振回路を構成し、第1共振回路の共振周波数と第2共振回路の共振周波数の差が7MHz以上であり、第1共振回路の共振周波数と第2共振回路の共振周波数の一方は、無線通信周波数との差が1MHz以下であっても構わない。これによれば、通信距離を伸ばすことが可能となる。この場合、第2キャパシタは、第1コイルパターンのコイル軸方向から見て、第1コイルパターンのパターン領域と重なるよう、第2基材の表面に設けられていても構わない。これによれば、渦電流を抑制することができる。さらにこの場合、第2キャパシタは、第1コイルパターンのコイル軸方向から見て、第1コイルパターンのパターン領域の巻幅の中心位置よりも外側にオフセットして配置されていても構わない。これによれば、渦電流がより抑制される。
また、第3コイルパターンは、第3コイルパターンのコイル軸方向から見て、第1コイルパターンの外縁より内側に位置する部分と、第1コイルパターンの外縁より外側に位置する部分を有していても構わない。これによれば、通信距離を拡大することができる。
また、第3コイルパターンは複数ターン巻回されており、パターン幅よりもターン間の間隔が大きい部分を有していても構わない。これによれば、通信距離を拡大することができる。
本開示によるコイル部品は、第2基材の表面に設けられ、第1の方向に延在する第1導体パターンと、第1の方向とは異なる第2の方向に延在し、第1の方向に配列された複数の第2導体パターンとを含む磁気抑制パターンをさらに備えていても構わない。これによれば、第1コイルパターンによって生じる輻射ノイズを低減することができる。
また、本開示によるワイヤレス電力伝送デバイスは、上記コイル部品と、第1コイルパターンに接続される送電回路と、第2コイルパターンに接続される通信回路とを備える。これによれば、相手側機器に含まれるアンテナコイルの近傍に金属部材が存在する場合であっても通信が可能なワイヤレス電力伝送デバイスを提供することが可能となる。
1 コイル部品
2 相手側機器
3 空間
4 金属部材
10 第1基材
11,12 第1基材の表面
20 第2基材
21,22 第2基材の表面
30 磁性体
41,42,45 導体パターン
43,44 スルーホール導体
51~56 導体パターン
61 スルーホール導体
61~71 スルーホール導体
81~85 導体パターン
90 ワイヤレス電力伝送デバイス
91 通信回路
92 送電回路
93 制御回路
94 通信ライン
95 電源
100,200 導体パターン
110,120,130,140,150,160,210,220,230,240,250,260 ターン
111~114,121~124,131~134,141~144,151~154,161,162,211~214,221~224,231~234,241~244,251~254,261,262 ライン
301~304 スルーホール導体
CE1,CE2 キャパシタ電極パターン
CP3y 区間
CP5,CP6 コイルパターン
E1~E5 端子電極
M 磁気抑制パターン
Mx 幹線パターン
My 枝線パターン
S 間隔
W パターン幅
φ1,φ2 磁束

Claims (11)

  1. 第1基材の表面に設けられた第1コイルパターンと、
    前記第1基材の表面に設けられ、前記第1コイルパターンの外側に配置された第2コイルパターンと、
    第2基材の表面に設けられ、前記第2コイルパターンと結合する第3コイルパターンと、を備え、
    前記第3コイルパターンのコイル軸方向から見て、前記第3コイルパターンの一部は前記第1コイルパターンと重なる、コイル部品。
  2. 前記第2基材の表面に設けられ、前記第3コイルパターンの外側に配置された第4コイルパターンをさらに備える、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記第2コイルパターンと前記第4コイルパターンが同じサイズである、請求項2に記載のコイル部品。
  4. 前記第3コイルパターンと前記第4コイルパターンが接続されている、請求項2又は3に記載のコイル部品。
  5. 前記第2コイルパターンは、第1キャパシタに接続されることによって第1共振回路を構成し、
    前記第3及び第4コイルパターンは、第2キャパシタに接続されることによって第2共振回路を構成し、
    前記第1共振回路の共振周波数と前記第2共振回路の共振周波数の差が7MHz以上であり、
    前記第1共振回路の共振周波数と前記第2共振回路の共振周波数の一方は、無線通信周波数との差が1MHz以下である、請求項4に記載のコイル部品。
  6. 前記第2キャパシタは、前記第1コイルパターンのコイル軸方向から見て、前記第1コイルパターンのパターン領域と重なるよう、前記第2基材の表面に設けられている、請求項5に記載のコイル部品。
  7. 前記第2キャパシタは、前記第1コイルパターンのコイル軸方向から見て、前記第1コイルパターンのパターン領域の巻幅の中心位置よりも外側にオフセットして配置されている、請求項6に記載のコイル部品。
  8. 前記第3コイルパターンは、前記第3コイルパターンのコイル軸方向から見て、前記第1コイルパターンの外縁より内側に位置する部分と、前記第1コイルパターンの外縁より外側に位置する部分を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のコイル部品。
  9. 前記第3コイルパターンは複数ターン巻回されており、パターン幅よりもターン間の間隔が大きい部分を有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のコイル部品。
  10. 前記第2基材の表面に設けられ、第1の方向に延在する第1導体パターンと、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列された複数の第2導体パターンとを含む磁気抑制パターンをさらに備える、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のコイル部品。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコイル部品と、
    前記第1コイルパターンに接続される送電回路と、
    前記第2コイルパターンに接続される通信回路と、を備えるワイヤレス電力伝送デバイス。
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