JP2022126462A - フローティング部材及び動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外輪の端面に与える付勢力を、周方向の各部位毎に異ならせることができるフローティング部材及び動力伝達装置を提供する。【解決手段】フローティング部材は、軸受装置の外輪を、外輪の中心軸と平行な軸方向に揺動自在に支持するフローティング部材であって、外輪の第1端面に付勢力を与える第1弾性部と、外輪の第2端面に付勢力を与える第2弾性部と、を有し、第1弾性部及び第2弾性部は、それぞれ、周方向に独立した複数の弾性部材を有している。【選択図】図1

Description

本開示は、フローティング部材及び動力伝達装置に関する。
ラックアシスト式の電動パワーステアリング装置は、モータで生成した動力をラックバーに伝達するため、動力伝達装置を備える。動力伝達装置は、モータの回転運動を伝達するプーリ装置と、回転運動を直線運動に変換するボールねじ装置と、ボールねじ装置のナットを回転自在に支持する軸受装置と、を備える。このような電動パワーステアリング装置において、ボールねじ装置にはミスアライメントに起因する振動や作動音が発生する。また、車両の走行中、路面からの外力による軸受装置の傾きが発生し、軸受装置の外輪と外輪を支持するハウジングとの間に振動や作動音が発生する。これらのボールねじ装置や軸受装置に発生する振動や作動音を低減するため、特許文献1の動力伝達装置のハウジングは、ナットの回転軸と平行な軸方向に移動自在(摺動自在)に外輪を支持している。また、ハウジングにおいて外輪の両端面と対向する一対の対向面と、外輪の両端面と、の間にフローティング部材(弾性部材)を介在している。これにより、外輪が軸方向に揺動自在に支持され、フローティング部材は、外輪の軸方向の振動を吸収する。
国際公開第2019/003369号
特許文献1のフローティング部材は環状を成している。よって、外輪の端面に与える付勢力は、周方向の各部位で均等となっている。このような事情から、外輪の端面に与える付勢力を、周方向の各部位毎に異ならせることができるフローティング部材が求められている。
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、外輪の端面に与える付勢力を周方向の各部位毎に異ならせることができるフローティング部材及び動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本開示の一態様に係るフローティング部材は、軸受装置の外輪を、前記外輪の中心軸と平行な軸方向に揺動自在に支持するフローティング部材であって、前記外輪の第1端面に付勢力を与える第1弾性部と、前記外輪の第2端面に付勢力を与える第2弾性部と、を有する。前記第1弾性部及び前記第2弾性部は、それぞれ、周方向に独立した複数の弾性部材を有している。
弾性部材が周方向に独立しているため、材質及び形状の異なる弾性部材を利用することができる。よって、第1端面及び第2端面に与える付勢力を周方向で異ならせることができる。また、材質及び形状が同じ弾性部材であっても周方向に配置する間隔を変えることで、第1端面及び第2端面の周方向の各部位毎に与える付勢力を変えることができる。
一態様に係るフローティング部材の望ましい態様として、複数の前記弾性部材は、互いに周方向に離隔している。
前記構成によれば、外輪の第1端面及び第2端面の全周に亘って弾性部材が設けられていない。よって、第1弾性部及び第2弾性部は、環状の弾性部材を備える場合よりも軽量化が図れる。
一態様に係るフローティング部材の望ましい態様として、複数の前記第1弾性部の弾性部材は、前記軸方向から視て円形状を成す円形弾性部材と、前記軸方向から視て円弧状を成す円弧弾性部材と、を備える。
前記構成によれば、円形弾性部材よりも円弧弾性部材の方が大きな付勢力を発揮することができる。よって、付勢力の大きさを周方向で異ならせることが容易となる。
一態様に係るフローティング部材として、複数の前記弾性部材は、コイルばねであってもよい。
また、上記の目的を達成するため、本開示の一態様に係る動力伝達装置は、外輪を有する軸受装置と、前記軸受装置に支持されるナットと、前記ナットを貫通するねじ軸と、前記ナットと前記ねじ軸との間に配置される複数のボールと、を有するボールねじ装置と、駆動プーリと、前記ナットと一体な従動プーリと、前記駆動プーリと前記従動プーリとに掛け渡されているベルトと、を有するプーリ装置と、前記外輪を、前記外輪の中心軸と平行な軸方向に揺動自在に支持するフローティング部材と、を備える。前記フローティング部材は、前記外輪の第1端面に付勢力を与える第1弾性部と、前記外輪の第2端面に付勢力を与える第2弾性部と、を有する。前記第1弾性部及び前記第2弾性部は、それぞれ、周方向に独立した複数の弾性部材を有する。前記第1弾性部は、前記第2弾性部よりも前記従動プーリ寄りに配置される。前記従動プーリから視て、前記軸方向と直交する第1直交方向に前記駆動プーリが配置される。前記第1弾性部は、前記第1端面の中心から視て、前記第1直交方向に配置された一つ又は複数の前記弾性部材の付勢力よりも、前記第1直交方向と反対の第2直交方向に配置された一つ又は複数の前記弾性部材の付勢力の方が大きい。前記第2弾性部は、前記第2端面の中心から視て、前記第2直交方向に配置された一つ又は複数の前記弾性部材の付勢力よりも、前記第1直交方向に配置された一つ又は複数の前記弾性部材の付勢力の方が大きい。
ベルトの張力により、ナットには、ナットの回転軸が傾くような荷重が作用する。このため、外輪の第1端面においては、第1端面の中心から視て第2直交方向に位置する部位に大きな荷重が作用する。また、外輪の第2端面においては、第2端面の中心から視て第1直交方向に位置する部位に大きな荷重が作用する。また、フローティング部材の弾性部材は、第1端面及び第2端面のうち大きな荷重が作用する部位に大きな付勢力が作用するように配置されている。よって、外輪が傾くこと(ナットが傾くこと)が抑制される。
一態様に係る動力伝達装置の望ましい態様として、前記外輪の外周面と対向し、前記外輪を前記軸方向に摺動自在に支持する対向面を有するハウジングを備える。前記第1弾性部及び前記第2弾性部は、前記外輪に固定される。前記外輪の前記外周面と前記対向面は、それぞれ、軸方向に延び、互いに対向する凹面が設けられる。前記外輪の前記外周面の前記凹面の内部と、前記対向面の前記凹面の内部と、の両方に入り込む規制部材を備える。
前記構成によれば、ハウジングに対し外輪が回転しないため、第1弾性部及び第2弾性部も回転しない。よって、弾性部材は、周方向に変位せず、付勢力を与える個所を一定とすることができる。
本開示のフローティング部材及び動力伝達装置によれば、外輪の端面に与える付勢力を、周方向の各部位毎に異ならせることができる。
図1は、実施形態1に係るフローティング部材を示す斜視図である。 図2は、変形例1に係るフローティング部材を示す斜視図である。 図3は、変形例2に係るフローティング部材を示す斜視図である。 図4は、変形例3に係るフローティング部材を示す斜視図である。 図5は、変形例4に係るフローティング部材を示す斜視図である。 図6は、変形例5に係るフローティング部材を示す斜視図である。 図7は、ステリング装置のラックバー及びハウジングの模式図である。 図8は、ステリング装置の動力伝達装置の模式図である。 図9は、図8の軸受装置とその近傍を拡大した拡大図である。 図10は、軸受装置とフローティング部材を第1弾性部及び第1端面のほうから見た斜視図である。 図11は、軸受装置とフローティング部材を第2弾性部及び第2端面のほうから見た斜視図である。 図12は、実施形態2の変形例6を示す斜視図である。 図13は、変形例6の一部を断面視した断面図である。
以下、本開示につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本開示が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るフローティング部材を示す斜視図である。最初に軸受装置10について説明する。図1に示すように、軸受装置10は、外輪11と、内輪12と、外輪11と内輪12との間に配置される複数のボール13と、を備える。外輪11の内周面には、図示しない外周軌道面が設けられている。内輪12の外周面には、外周軌道面に対向する図示しない内周軌道面が設けられている。複数のボール13は、外周軌道面と内周軌道面との間に保持器(不図示)により等間隔に挟持され転動自在に配置されている。これにより、外輪11と内輪12は、外輪11の中心軸O1を中心に相対的に回転できる。また、外輪11は、中心軸O1と平行な軸方向のうち一方を向く第1端面14と、軸方向のうち他方を向く第2端面(図1において不図示。図11の第2端面15を参照)と、を有している。
フローティング部材1は、外輪11の第1端面14に付勢力を与える第1弾性部2と、外輪11の第2端面に付勢力を与える第2弾性部(図1において不図示。図11の第2弾性部3を参照)と、を備える。第1弾性部2及び第2弾性部は、それぞれ、周方向に独立した複数の弾性部材4を有している。また、軸受装置10とフローティング部材1を組み付ける際、各弾性部材4が軸方向に圧縮された状態にする。これにより、各弾性部材4は、第1端面14及び第2端面に付勢力を与える。次に、弾性部材4の詳細について説明するが、弾性部材4は、第1弾性部2と第2弾性部の共通する構成要素である。よって、以下の説明では、第1端面14側に配置された弾性部材4を例に挙げて説明する。
弾性部材4は、弾性変形可能な樹脂材料やゴム材料により製造されている。実施形態1の弾性部材4は、円柱状を成している。弾性部材4の端面は第1端面14に接着され、各弾性部材4が外輪11に固定している。また、各弾性部材4は、周方向に等間隔で配置され、周方向に互いに離隔している。
以上から、実施形態1のフローティング部材1は、軸受装置10の外輪11を、外輪11の中心軸O1と平行な軸方向に揺動自在に支持する。外輪11の第1端面14に付勢力を与える第1弾性部2と、外輪11の第2端面に付勢力を与える第2弾性部と、を有する。第1弾性部2及び第2弾性部は、それぞれ、周方向に独立した複数の弾性部材4を有している。
実施形態1の第1弾性部2及び第2弾性部は、弾性部材4が周方向に独立している。このため、材質及び形状の異なる複数の弾性部材4を利用することができる。よって、外輪11の第1端面14及び第2端面に与える付勢力を周方向で異ならせることができる。また、材質及び形状が同じ弾性部材4であっても周方向に配置する間隔を変えること(弾性部材4の粗密化を図ること)で、外輪11の第1端面14及び第2端面の周方向の各部位ごとに与える付勢力を変えることができる。
実施形態1の第1弾性部2及び第2弾性部は、外輪11の第1端面14及び第2端面15の全周に亘って弾性部材4が設けられていない。よって、第1弾性部2及び第2弾性部は、環状の弾性部材から成る場合よりも軽量化している。
以上、実施形態1のフローティング部材1について説明したが、本開示のフローティング部材の弾性部材4は、周方向に隣り合う他の弾性部材4と離隔せず、当接してもよい。次に、変形例1から変形例5のフローティング部材について説明する。以下の説明においては、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
(変形例1)
図2は、変形例1に係るフローティング部材を示す斜視図である。変形例1に係る弾性部材4Aは、弾性変形可能な樹脂材料やゴム材料により製造され、半球状を成している。弾性部材4Aの円形状を成す底面が第1端面14に接着され、各弾性部材4Aが外輪11に固定されている。この弾性部材4Aによれば、弾性部材4と同じ設置面で弾性部材4より小さい付勢力を発揮することができる。
(変形例2)
図3は、変形例2に係るフローティング部材を示す斜視図である。変形例2に係る弾性部材4Bは、弾性変形可能な樹脂材料やゴム材料により製造され、軸方向から視て円弧状を成し、第1端面14に沿って延在している。弾性部材4Bは、第1端面14に接着され外輪11に固定されている。この弾性部材4Bによれば、弾性部材4や弾性部材4Aよりも大きな付勢力を発揮することができる。
(変形例3)
図4は、変形例3に係るフローティング部材を示す斜視図である。変形例4に係る弾性部材4Cは、金属材料で製造されたコイルばねである。コイルばねの一端が第1端面14に接着され、コイルばねが外輪11に固定されている。この弾性部材4Cによれば、樹脂材料やゴム材料で製造された弾性部材4、4A、4Bよりも摩耗し難く、耐久性が向上する。
(変形例4)
図5は、変形例4に係るフローティング部材を示す斜視図である。変形例4に係る第1弾性部2Dは、4つの弾性部材4と、2つの弾性部材4Bを備える。弾性部材4は、第1端面14の中心O14から視て、中心軸O1に直交する第2方向Yの一方と他方とに分かれて配置されている。2つの弾性部材4Bは、第1端面14の中心O14から視て、中心軸O1と第2方向Yの両方に直交する第1方向Xの一方と他方に配置されている。
このような第1弾性部2Dによれば、弾性部材4が発揮する付勢力は、90°間隔で大きい部分と小さい部分とに分かれる。よって、弾性部材4は、第1方向Xに延びる仮想軸X1周りに回転する荷重X2を吸収する。また、弾性部材4Bは、第2方向Yに延びる仮想軸Y1周りに回転する荷重Y2を吸収する。以上から、変形例4は、外輪11の第1端面14が受ける荷重に関し、仮想軸X1周りに回転する荷重X2が小さく、仮想軸Y1周りに回転する荷重Y2が大きい場合に適している。
以上、変形例4の複数の弾性部材4は、軸方向から視て円形状を成す円形弾性部材(弾性部材4)と、軸方向から視て円弧状を成す円弧弾性部材(弾性部材4B)と、を備える。これによれば、大きさが異なる2つの付勢力を発揮し、外輪11に作用した荷重を的確に吸収させることができる。
(変形例5)
図6は、変形例5に係るフローティング部材を示す斜視図である。変形例5において、外輪11の第1端面14には、凹面16が設けられている。そして、凹面16に弾性部材4の端部が挿入され、外輪11と弾性部材4とが一体化している。よって、接着剤を用いることなく弾性部材4を固定することができる。
なお、実施形態1及び変形例1から変形例5においては、弾性部材4、4A、4B、4Cを第1端面14に直接固定した例を挙げているが、本開示はこれに限定されない。例えば、複数の弾性部材4をリング部材に固定し、そのリング部材を第1端面14に固定するようにしてもよい。または、外輪11の方でなく動力伝達装置のハウジングのほうに、フローティング部材を固定してもよい。
次にフローティング部材を動力伝達装置に適用した例を説明する。また、説明で上げる動力伝達装置は、ステアリング装置の動力伝達装置を例としてあげるが、本開示は、ステアリング装置以外の動力伝達装置に適用してもよいものである。
(実施形態2)
図7は、ステリング装置のラックバー及びハウジングの模式図である。図8は、ステリング装置の動力伝達装置の模式図である。図9は、図8の軸受装置とその近傍を拡大した拡大図である。図10は、軸受装置とフローティング部材を第1弾性部及び第1端面のほうから見た斜視図である。図11は、軸受装置とフローティング部材を第2弾性部及び第2端面のほうから見た斜視図である。
最初にステアリング装置80について簡単に説明する。図7に示すように、ステアリング装置80は、ピニオン81と、ラックバー82(図8参照)と、ラックバー82の両端部に連結するタイロッド83と、ハウジング100と、を備える。ピニオン81は、中心軸O2を中心に回転自在にハウジング100に支持されている。ピニオン81は、ラックバー82に設けられたラック(不図示)と噛み合っている。ラックバー82は、図7の矢印A1、A2で示す方向に移動自在にハウジング100に支持されている。ステアリング装置80が車両に搭載された場合、図7で示した矢印A1、A2は車両の左右方向を指す。また、ピニオン81の両端部のうち、ラックと噛み合わない方の端部81aが上方を指す。タイロッド83は、ラックバー82と、車輪を支持するナックル(不図示)と、を連結する。運転者が図示しないステアリングホイールを操作すると、ピニオン81に操作トルクが入力され、ピニオン81が中心軸O1に中心に回転する。これにより、ラックバー82は、車両の左右方向に移動し(図7の矢印A1、A2参照)、車輪が転舵する。
図8に示すように、ステアリング装置80は、ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置である。ステアリング装置80は、モータ85と、モータ85で生成した動力をラックバー82に伝達する動力伝達装置87と、を備える。
動力伝達装置87は、ボールねじ装置88と、プーリ装置89と、軸受装置10と、フローティング部材1と、を備える。ボールねじ装置88は、軸受90に回転自在に支持されたナット91と、ラックバー82と一体となっているねじ軸92と、ナット91のねじ溝91aとねじ軸92のねじ溝92aとの間に配置された複数のボール93と、を備える。プーリ装置89は、モータ85が生成した駆動力をナット91に伝達する装置である。プーリ装置89は、モータ85の出力軸85aに固定される駆動プーリ94と、ボールねじ装置88のナット91に固定される従動プーリ95と、駆動プーリ94及び従動プーリ95に巻き掛けられたベルト96と、を備える。
上記構成によれば、モータ85の出力軸85aが回転すると、駆動プーリ94が回転する。駆動プーリ94の回転運動は、ベルト96を介して、従動プーリ95に伝達し、ナット91が回転運動を行う。ナット91の回転運動は、ナット91のねじ溝91aとねじ軸92のねじ溝92aとにより、ねじ軸92の直動に変換される。これにより、ラックバー82には、中心軸O1に沿って移動するアシスト力が作用する。よって、ステリングホイールを操作する運転者の力を小さくすることができる。また、ベルト96の張力により従動プーリ95は駆動プーリ94の方に引っ張られる。つまり、駆動プーリ94が嵌合しているナット91の一端部91bは、軸受装置10により支持されているナット91の他端部91cよりも、駆動プーリ94の方に傾くような荷重(図8の矢印B1参照)が作用する。以下、中心軸O1と直交する方向であり、従動プーリ95から視て駆動プーリ94が配置されている方向を第1直交方向Z1と呼ぶ。また、第1直交方向Z1と反対方向を第2直交方向Z2と呼ぶ。
図9に示すように、軸受装置10の内輪12は、ナット91の外周面に嵌合している。内輪12の両端面は、ナット91の段差面91dと、ナット91に螺合するロックナット97と、に挟持されている。これにより、内輪12は、ナット91に固定され、ナットとともに回転する。
図9に示すように、軸受装置10の外輪11は、ハウジング100の内周面101の内側に配置されている。外輪11の第1端面14は、ロックナット98と軸方向に対向している。ロックナット98は、ハウジング100の分割面103に挟まれ、ハウジング100に固定している。外輪11の第2端面15は、ハウジング100の段差面102に軸方向に対向している。これにより、外輪11がハウジング100に軸方向に揺動自在に支持される。
外輪11の外周面17とハウジング100の内周面101との間には、微小な隙間Sが設けられている。よって、外輪11が軸方向に移動(擦動)自在となっている。第1端面14に設けられたフローティング部材1の第1弾性部2は、軸方向に圧縮された状態で第1端面14とロックナット98との間に介在している。第2端面15に設けられた第2弾性部3は、軸方向に圧縮された状態で第2端面15と段差面102との間に介在している。以上から、外輪11は、軸方向に揺動自在にハウジング100に取り付けられている。よって、ミスアライメントに起因する振動や作動音や、路面からの外力による軸受装置の傾きを抑制して、ボールねじ装置や軸受装置に発生する振動や作動音が低減される。
図10に示すように、第1端面14に取り付けられた第1弾性部2は、5つの弾性部材4と、3つの弾性部材4Bと、を有している。3つの弾性部材4Bのうち、1つは、第1端面14の中心O14から視て第2直交方向Z2に配置され、残りの2つは、第2直交方向Z2に配置された弾性部材4Bから90°周方向に移動させた位置に配置されている。5つの弾性部材4は、第1端面14の中心O14から視て第1直交方向Z1に等間隔で配置されている。よって、第1弾性部2は、第1端面14の中心O14から視て、第1直交方向Z1よりも第2直交方向Z2のほうが大きな付勢力を発揮する。
図11に示すように、第2端面15に取り付けられた第2弾性部3は、5つの弾性部材4と、3つの弾性部材4Bと、を有している。3つの弾性部材4Bのうち、1つは、第2端面15の中心O15から視て第1直交方向Z1に配置され、残りの2つは、第1直交方向Z1に配置された弾性部材4Bから90°周方向に移動させた位置に配置されている。5つの弾性部材4は、第2端面15の中心O15から視て第2直交方向Z2に等間隔で配置されている。よって、第2弾性部3は、第2端面15の中心O15から視て第2直交方向Z2より第1直交方向Z1のほうが大きな付勢力を発揮する。
以上から、ステアリング装置80においては、ナット91に作用するベルト96の張力(矢印B1参照)により、軸受装置10の外輪11にも中心軸O1が傾くような荷重(図8の矢印B2、B3で示すような荷重)が作用する。よって、第1端面14において、第1端面14の中心O14から視て、第2直交方向Z2の部分に大きな荷重が作用する。また、第2端面15において、第2端面15の中心O15から視て第1直交方向Z1の部分に大きな荷重が作用する。本実施形態の第1弾性部2と第2弾性部3は、その大きな荷重B2、B3が作用する部分に対応して大きな付勢力を発揮している。よって、外輪11は矢印B1で示す方向に傾かないように保持され、ナット91の傾倒も抑制される。
以上、実施形態2のステアリング装置80は、外輪11を有する軸受装置10と、軸受装置10に支持されるナット91と、ナット91を貫通するねじ軸92と、ナット91とねじ軸92との間に配置される複数のボール93と、を有するボールねじ装置88と、駆動プーリ94と、ナット91と一体な従動プーリ95と、駆動プーリ94と従動プーリ95とに掛け渡されているベルト96と、を有するプーリ89と、外輪11を、外輪11の中心軸O1と平行な軸方向に揺動自在に支持するフローティング部材1と、を備える。フローティング部材1は、外輪11の第1端面14に付勢力を与える第1弾性部2と、外輪11の第2端面15に付勢力を与える第2弾性部3と、を有する。第1弾性部2及び第2弾性部3は、それぞれ、周方向に独立した複数の弾性部材4を有する。第1弾性部2は、第2弾性部3よりも従動プーリ95寄りに配置される。従動プーリ95から視て、軸方向と直交する第1直交方向Z1に駆動プーリ94が配置される。第1弾性部2は、第1端面14の中心O14から視て、第1直交方向Z1に配置された一つ又は複数の弾性部材4の付勢力よりも、第1直交方向Z1と反対の第2直交方向Z2に配置された一つ又は複数の弾性部材4Bの付勢力の方が大きい。第2弾性部3は、第2端面15の中心O15から視て、第2直交方向Z2に配置された一つ又は複数の弾性部材4の付勢力よりも、第1直交方向Z1に配置された一つ又は複数の弾性部材4Bの付勢力の方が大きい。
このようなステアリング装置80によれば、ナット91にベルト96の張力(矢印B1参照)が作用するものの、ナット91の傾倒が抑制される。よって、ボールねじ装置88は、高い動力変換効率を発揮できる。次に実施形態2の動力伝達装置の変形例6について説明する。
(変形例6)
図12は、実施形態2の変形例6を示す斜視図である。図13は、変形例6の一部を断面視した断面図である。図12、図13に示すように、変形例6の軸受装置10の外輪11は、外周面17に軽方向内側に窪む凹面18を有している。また、ハウジング100の内周面101には、凹面18に対向する凹面110を有している。凹面18と凹面110には、角柱状の規制部材120が挿入されている。そして、規制部材120の周方向を向く側面120a、120bは、凹面18の側面18a、18bと凹面110の側面110a、110bに当接している。これにより、車両の走行中の振動が外輪11に伝達しても、内周面101の内周側で外輪11が回動しないように規制される。よって、第1弾性部2及び第2弾性部3も回動しないように規制される。
また、凹面18と凹面110は、軸受装置10とハウジング100とを嵌め合わす際の組立基準として機能する。これにより、適切な角度で軸受装置10をハウジング100に取り付けることができる。
以上、変形例6のステアリング装置80は、外輪11の外周面17と対向し、外輪11を軸方向に摺動自在に支持する対向面(内周面101)を有するハウジング100を備える。第1弾性部2及び第2弾性部3は、外輪11に固定されている。外輪11の外周面17と対向面(内周面101)は、それぞれ、軸方向に延び、互いに対向する凹面18、110が設けられている。外輪11の外周面17の凹面18の内部と、対向面(内周面101)の凹面110の内部と、の両方に入り込む規制部材120を備える。
これによれば、外輪11に車両の走行中の振動が伝達しても弾性部材4、4Bの位置は保持され、ナット91の傾倒が抑制される。
なお、実施形態2及び変形例6のステアリング装置80は、内輪12を有する軸受装置10を用いているが、本開示のステアリング装置は、ボールねじ装置のナットの外周面にボールの軌道面が設けられている場合、内輪を有していない軸受装置を用いてもよい。
1 フローティング部材
2、2D 第1弾性部
3 第2弾性部
4、4A、4B、4C 弾性部材
10 軸受装置
11 外輪
12 内輪
13 ボール
14 第1端面
15 第2端面
16 凹面
18 凹面
80 ステアリング装置
81 ピニオン
82 ラックバー
85 モータ
87 動力伝達装置
88 ボールねじ装置
89 プーリ装置
91 ナット
92 ねじ軸
93 ボール
94 駆動プーリ
95 従動プーリ
96 ベルト
100 ハウジング
101 内周面(対向面)
110 凹面
120 規制部材

Claims (6)

  1. 軸受装置の外輪を、前記外輪の中心軸と平行な軸方向に揺動自在に支持するフローティング部材であって、
    前記外輪の第1端面に付勢力を与える第1弾性部と、
    前記外輪の第2端面に付勢力を与える第2弾性部と、
    を有し、
    前記第1弾性部及び前記第2弾性部は、それぞれ、周方向に独立した複数の弾性部材を有している
    フローティング部材。
  2. 複数の前記弾性部材は、互いに周方向に離隔している
    請求項1に記載のフローティング部材。
  3. 複数の前記弾性部材は、
    前記軸方向から視て円形状を成す円形弾性部材と、
    前記軸方向から視て円弧状を成す円弧弾性部材と、
    を備える
    請求項1又は請求項2に記載のフローティング部材。
  4. 複数の前記弾性部材は、コイルばねである
    請求項1又は請求項2に記載のフローティング部材。
  5. 外輪を有する軸受装置と、
    前記軸受装置に支持されるナットと、前記ナットを貫通するねじ軸と、前記ナットと前記ねじ軸との間に配置される複数のボールと、を有するボールねじ装置と、
    駆動プーリと、前記ナットと一体な従動プーリと、前記駆動プーリと前記従動プーリとに掛け渡されているベルトと、を有するプーリ装置と、
    前記外輪を、前記外輪の中心軸と平行な軸方向に揺動自在に支持するフローティング部材と、
    を備え、
    前記フローティング部材は、
    前記外輪の第1端面に付勢力を与える第1弾性部と、
    前記外輪の第2端面に付勢力を与える第2弾性部と、
    を有し、
    前記第1弾性部及び前記第2弾性部は、それぞれ、周方向に独立した複数の弾性部材を有し、
    前記第1弾性部は、前記第2弾性部よりも前記従動プーリ寄りに配置され、
    前記従動プーリから視て、前記軸方向と直交する第1直交方向に前記駆動プーリが配置され、
    前記第1弾性部は、前記第1端面の中心から視て、前記第1直交方向に配置された一つ又は複数の前記弾性部材の付勢力よりも、前記第1直交方向と反対の第2直交方向に配置された一つ又は複数の前記弾性部材の付勢力の方が大きく、
    前記第2弾性部は、前記第2端面の中心から視て、前記第2直交方向に配置された一つ又は複数の前記弾性部材の付勢力よりも、前記第1直交方向に配置された一つ又は複数の前記弾性部材の付勢力の方が大きい
    動力伝達装置。
  6. 前記外輪の外周面と対向し、前記外輪を前記軸方向に摺動自在に支持する対向面を有するハウジングを備え、
    前記第1弾性部及び前記第2弾性部は、前記外輪に固定され、
    前記外輪の前記外周面と前記対向面は、それぞれ、軸方向に延び、互いに対向する凹面が設けられ、
    前記外輪の前記外周面の前記凹面の内部と、前記対向面の前記凹面の内部と、の両方に入り込む規制部材を備える
    請求項5に記載の動力伝達装置。
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