JP2022124291A - ハンマドリル - Google Patents
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Abstract
【課題】インナハウジングで駆動機構収容領域を仕切形成するものであってもコンパクト化を達成し、駆動機構の好適な冷却効果も得る。【解決手段】ハンマドリル1は、ハウジング2内に、モータ9と、ツールホルダ23と、駆動機構30と、出力軸10の回転をビットBの打撃作動に変換可能なボススリーブ98と、駆動機構30を支持すると共に、ツールホルダ23を軸受メタル46を介して支持し、出力軸10を軸受66を介して支持するインナハウジング40とを有する。インナハウジング40は、軸受メタル46を保持する前ハウジング41と、前ハウジング41と別体で形成されて軸受66を保持する後ハウジング42とに分割され、前ハウジング41と後ハウジング42とがツールホルダ23の軸線方向に連結される。前ハウジング41には、ハウジング2内でインナハウジング40の外側空間をシールするOリング49が設けられている。【選択図】図2
Description
本発明は、ハンマドリルに関する。
ハンマドリルは、ハウジング内に、先端にビットを装着可能な筒状のツールホルダを回転可能に保持している。ツールホルダは、往復動するピストン(ピストンシリンダも含む)と、空気バネの作用でピストンと連動して往復動するストライカとを有している。ハウジング内には、ツールホルダとピストンとストライカとを含み、ビットに回転作動及び/又は打撃作動を付与可能な駆動機構が形成されている。
また、駆動機構には、特許文献1に開示されるように、ツールホルダと平行な中間軸が設けられている。中間軸は、モータの出力軸の回転をツールホルダへ伝達すると共に、出力軸の回転をピストンの往復動に変換する回転変換部材としてのボススリーブを備えている。このボススリーブは、軸線を傾けて外装されたスワッシュベアリングで前後に揺動するアームを含み、アームをピストンに連結して、アームの揺動でピストンを往復動させるようになっている。
そして、ハウジング内には、駆動機構を支持するインナハウジングが設けられている。インナハウジングは、ツールホルダの後部を軸受を介して支持する前板部と、出力軸を軸受を介して支持する後板部と、前板部と後板部とを連結する連結部とを有している。
また、駆動機構には、特許文献1に開示されるように、ツールホルダと平行な中間軸が設けられている。中間軸は、モータの出力軸の回転をツールホルダへ伝達すると共に、出力軸の回転をピストンの往復動に変換する回転変換部材としてのボススリーブを備えている。このボススリーブは、軸線を傾けて外装されたスワッシュベアリングで前後に揺動するアームを含み、アームをピストンに連結して、アームの揺動でピストンを往復動させるようになっている。
そして、ハウジング内には、駆動機構を支持するインナハウジングが設けられている。インナハウジングは、ツールホルダの後部を軸受を介して支持する前板部と、出力軸を軸受を介して支持する後板部と、前板部と後板部とを連結する連結部とを有している。
特許文献1のハンマドリルでは、径方向のサイズが大きいインナハウジングの後板部の外周と、ハウジングの後部内周との間にシール部材が介在されている。このシール部材により、後板部の前側でハウジング内に、駆動機構を収容する領域(駆動機構収容領域)が仕切形成されている。このため駆動機構収容領域とハウジングとのサイズが大きくなっている。
また、特許文献1のハンマドリルでは、後板部の後方で出力軸にモータ冷却用のファンが設けられている。しかし、モータを冷却した空気は後板部の後方でファンの径方向外側からハウジング外部に排出されている。よって、駆動機構の冷却効果は十分得られていなかった。
また、特許文献1のハンマドリルでは、後板部の後方で出力軸にモータ冷却用のファンが設けられている。しかし、モータを冷却した空気は後板部の後方でファンの径方向外側からハウジング外部に排出されている。よって、駆動機構の冷却効果は十分得られていなかった。
そこで、本開示は、インナハウジングで駆動機構収容領域を仕切形成するものであってもコンパクト化を達成でき、駆動機構の好適な冷却効果も得られるハンマドリルを提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、本開示は、ハウジング内に、
モータと、
前端にビットを装着して回転可能な筒状のツールホルダと、
前記ツールホルダの回転作動及び/又は前記ビットの打撃作動が可能な駆動機構と、
前記駆動機構に設けられ、前記モータの出力軸の回転を前記ビットの打撃作動に変換可能な回転変換部材と、
前記駆動機構を支持すると共に、前記ツールホルダを第1の軸受を介して支持し、前記出力軸を第2の軸受を介して支持するインナハウジングと、を有し、
前記インナハウジングは、前記第1の軸受を保持する前ハウジングと、前記前ハウジングと別体で形成されて前記第2の軸受を保持する後ハウジングとに分割されて、前記前ハウジングと前記後ハウジングとが前記ツールホルダの軸線方向に連結されることで形成され、
前記前ハウジングに、前記ハウジング内で前記インナハウジングの外側空間をシールするシール部材が設けられていることを特徴とする。
モータと、
前端にビットを装着して回転可能な筒状のツールホルダと、
前記ツールホルダの回転作動及び/又は前記ビットの打撃作動が可能な駆動機構と、
前記駆動機構に設けられ、前記モータの出力軸の回転を前記ビットの打撃作動に変換可能な回転変換部材と、
前記駆動機構を支持すると共に、前記ツールホルダを第1の軸受を介して支持し、前記出力軸を第2の軸受を介して支持するインナハウジングと、を有し、
前記インナハウジングは、前記第1の軸受を保持する前ハウジングと、前記前ハウジングと別体で形成されて前記第2の軸受を保持する後ハウジングとに分割されて、前記前ハウジングと前記後ハウジングとが前記ツールホルダの軸線方向に連結されることで形成され、
前記前ハウジングに、前記ハウジング内で前記インナハウジングの外側空間をシールするシール部材が設けられていることを特徴とする。
本開示によれば、インナハウジングを前後に2分割して前ハウジングにシール部材を設けるので、シール部材の後側で駆動機構収容領域を小さくしたインナハウジングを形成できる。よって、製品サイズのコンパクト化にも繋がる。また、モータの冷却風をインナハウジングの外側まで導くことができるため、駆動機構の好適な冷却効果も得られる。
本開示の一実施形態において、回転変換部材は、前ハウジング内に収容されていてもよい。この構成によれば、回転変換部材の作動によって発生した熱が前ハウジングを介して効果的に冷却可能となる。
本開示の一実施形態において、シール部材は、回転変換部材よりも前方に配置されていてもよい。この構成によれば、冷却風が流れるインナハウジングの外側空間を回転変換部材の径方向外側まで形成可能となる。
本開示の一実施形態において、シール部材は、第1の軸受の径方向外側に位置していてもよい。この構成によれば、シール部材の位置がインナハウジングの最前方に近くなり、外側空間を広く確保できる。
本開示の一実施形態において、外側空間における回転変換部材の径方向外側に、空気流路が形成されていてもよい。この構成によれば、回転変換部材から伝わる熱をインナハウジングの外側から効果的に冷却可能となる。
本開示の一実施形態において、前ハウジングは金属製であってもよい。この構成によれば、インナハウジングに伝わる熱を効果的に放熱できる。
本開示の一実施形態において、シール部材は、回転変換部材よりも前方に配置されていてもよい。この構成によれば、冷却風が流れるインナハウジングの外側空間を回転変換部材の径方向外側まで形成可能となる。
本開示の一実施形態において、シール部材は、第1の軸受の径方向外側に位置していてもよい。この構成によれば、シール部材の位置がインナハウジングの最前方に近くなり、外側空間を広く確保できる。
本開示の一実施形態において、外側空間における回転変換部材の径方向外側に、空気流路が形成されていてもよい。この構成によれば、回転変換部材から伝わる熱をインナハウジングの外側から効果的に冷却可能となる。
本開示の一実施形態において、前ハウジングは金属製であってもよい。この構成によれば、インナハウジングに伝わる熱を効果的に放熱できる。
本開示の一実施形態において、前ハウジングと後ハウジングとの連結面に、連結面シール部材が設けられていてもよい。この構成によれば、インナハウジングを2分割してもシール性を確保できる。
本開示の一実施形態において、駆動機構は、ツールホルダの軸線方向と平行に2本の中間軸を有し、一方の中間軸が、出力軸の回転をツールホルダに伝達すると共に、他方の中間軸が、出力軸の回転を回転変換部材を介してビットの打撃作動に変換するものであってもよい。この構成によれば、一方の中間軸を回転伝達用、他方の中間軸を打撃伝達用に分担させたことでそれぞれ軸方向に短くできる。よって、回転/打撃切替部全体のコンパクト化に繋がる。
本開示の一実施形態において、前ハウジングの外面に、放熱フィンが形成されていてもよい。この構成によれば、前ハウジングの熱を効果的に放熱できる。
本開示の一実施形態において、モータは、出力軸がツールホルダの軸線方向に沿って延びる姿勢で配置されて、出力軸にファンが設けられ、ハウジングの前後何れか一方に吸気口が、他方に排気口が、それぞれ出力軸の軸線方向を挟んで対向するように設けられていてもよい。この構成によれば、インナハウジングをバランス良く冷却することができる。
本開示の一実施形態において、駆動機構は、ツールホルダの軸線方向と平行に2本の中間軸を有し、一方の中間軸が、出力軸の回転をツールホルダに伝達すると共に、他方の中間軸が、出力軸の回転を回転変換部材を介してビットの打撃作動に変換するものであってもよい。この構成によれば、一方の中間軸を回転伝達用、他方の中間軸を打撃伝達用に分担させたことでそれぞれ軸方向に短くできる。よって、回転/打撃切替部全体のコンパクト化に繋がる。
本開示の一実施形態において、前ハウジングの外面に、放熱フィンが形成されていてもよい。この構成によれば、前ハウジングの熱を効果的に放熱できる。
本開示の一実施形態において、モータは、出力軸がツールホルダの軸線方向に沿って延びる姿勢で配置されて、出力軸にファンが設けられ、ハウジングの前後何れか一方に吸気口が、他方に排気口が、それぞれ出力軸の軸線方向を挟んで対向するように設けられていてもよい。この構成によれば、インナハウジングをバランス良く冷却することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(ハンマドリルの概略の説明)
図1は、ハンマドリルの一例を示す斜視図である。図2は、ハンマドリルの中央縦断面図である。図3は、図2における駆動機構部分の拡大図である。図4は、図3のA-A線断面図である。
ハンマドリル1は、外郭を形成するハウジング2を有する。ハウジング2は、前側のアウタハウジング3と、その後方のモータハウジング4と、その後方のハンドルハウジング5とを有する。
モータハウジング4は、前側に正面視四角形状の連結部6を有し、後側に筒状のモータ収容部7を有する。連結部6は、図5にも示すように、正面視の四隅で前方から4本のネジ8,8・・によってアウタハウジング3と連結されている。モータ収容部7には、モータ9が、出力軸10を前方に向けた姿勢で収容されている。
ハンドルハウジング5は、モータ収容部7に後方から外装されて前後方向へ相対移動可能である。ハンドルハウジング5は、コイルバネ11を用いた防振機構を介して後退位置に付勢されている。
(ハンマドリルの概略の説明)
図1は、ハンマドリルの一例を示す斜視図である。図2は、ハンマドリルの中央縦断面図である。図3は、図2における駆動機構部分の拡大図である。図4は、図3のA-A線断面図である。
ハンマドリル1は、外郭を形成するハウジング2を有する。ハウジング2は、前側のアウタハウジング3と、その後方のモータハウジング4と、その後方のハンドルハウジング5とを有する。
モータハウジング4は、前側に正面視四角形状の連結部6を有し、後側に筒状のモータ収容部7を有する。連結部6は、図5にも示すように、正面視の四隅で前方から4本のネジ8,8・・によってアウタハウジング3と連結されている。モータ収容部7には、モータ9が、出力軸10を前方に向けた姿勢で収容されている。
ハンドルハウジング5は、モータ収容部7に後方から外装されて前後方向へ相対移動可能である。ハンドルハウジング5は、コイルバネ11を用いた防振機構を介して後退位置に付勢されている。
ハンドルハウジング5の後端には、下向きに延びるハンドル12が形成されている。ハンドル12内には、トリガ14を前方へ突出させたスイッチ13が収容されている。スイッチ13には、電源コード15が接続されている。電源コード15は、ハンドル12の下端から引き出されている。ハンドル12の左右の側面には、前後方向に延びる複数の吸気口16,16・・がそれぞれ形成されている。左右の吸気口16は、出力軸10の軸線を挟んで対向するように配置されている。
モータ9の出力軸10は、連結部6を貫通してアウタハウジング3内に突出している。出力軸10の前端には、ピニオン17が形成されている。連結部6内で出力軸10には、ファン18が固定されている。ファン18の後方で連結部6内には、バッフルプレート19が固定されている。ファン18の径方向外側で連結部6の下面及び右側面には、複数の後排気口20,20・・がそれぞれ形成されている。
モータ9の出力軸10は、連結部6を貫通してアウタハウジング3内に突出している。出力軸10の前端には、ピニオン17が形成されている。連結部6内で出力軸10には、ファン18が固定されている。ファン18の後方で連結部6内には、バッフルプレート19が固定されている。ファン18の径方向外側で連結部6の下面及び右側面には、複数の後排気口20,20・・がそれぞれ形成されている。
アウタハウジング3は、前筒部21と後筒部22とを有する。前筒部21は、前方へ延びる横断面円形の筒状である。後筒部22は、前筒部21より大径で、正面視六角形状の筒状である。前筒部21は、後筒部22の上側の偏心位置に配置されている。
前筒部21内には、筒状のツールホルダ23が同軸で収容されている。ツールホルダ23の前端は、前筒部21から前方へ突出している。前筒部21の前端には、ツールホルダ23の前部を支持する軸受24が保持されている。軸受24の前方には、前筒部21とツールホルダ23との間をシールするオイルシール25が設けられている。
前筒部21から突出するツールホルダ23の前端には、操作スリーブ26が設けられている。操作スリーブ26は、ツールホルダ23の前端でビットBを着脱操作するために設けられる。前筒部21の前端には、サイドグリップ27が装着されている。
前筒部21内には、筒状のツールホルダ23が同軸で収容されている。ツールホルダ23の前端は、前筒部21から前方へ突出している。前筒部21の前端には、ツールホルダ23の前部を支持する軸受24が保持されている。軸受24の前方には、前筒部21とツールホルダ23との間をシールするオイルシール25が設けられている。
前筒部21から突出するツールホルダ23の前端には、操作スリーブ26が設けられている。操作スリーブ26は、ツールホルダ23の前端でビットBを着脱操作するために設けられる。前筒部21の前端には、サイドグリップ27が装着されている。
アウタハウジング3内には、駆動機構30が設けられている。駆動機構30は、回転/打撃作動部31と、その後方の回転/打撃切替部32とを有している。
回転/打撃作動部31は、ツールホルダ23と、ピストンシリンダ33と、ストライカ34と、インパクトボルト35とを有している。ピストンシリンダ33は、前端を開口し、ツールホルダ23の後部で前後移動可能に収容されている。ストライカ34は、ピストンシリンダ33内に空気室36を介して前後移動可能に収容されている。インパクトボルト35は、ストライカ34の前方でツールホルダ23内へ前後移動可能に収容されている。ツールホルダ23は、複数の透孔37,37によって前筒部21内と連通している。ツールホルダ23の後部は、後筒部22内に突出している。後筒部22内でツールホルダ23の外周には、トルクリミッタ付きのギヤ38が設けられている。
連結部6及び後筒部22内には、インナハウジング40が収容されている。インナハウジング40は、ギヤ38の後側でツールホルダ23の後部を支持している。インナハウジング40内には、回転/打撃切替部32が収容されている。回転/打撃切替部32は、後筒部22の下面に設けられた切替ツマミ116の操作により、動作モードを切り替えて出力軸10の回転を回転/打撃作動部31に伝達する。
回転/打撃作動部31は、ツールホルダ23と、ピストンシリンダ33と、ストライカ34と、インパクトボルト35とを有している。ピストンシリンダ33は、前端を開口し、ツールホルダ23の後部で前後移動可能に収容されている。ストライカ34は、ピストンシリンダ33内に空気室36を介して前後移動可能に収容されている。インパクトボルト35は、ストライカ34の前方でツールホルダ23内へ前後移動可能に収容されている。ツールホルダ23は、複数の透孔37,37によって前筒部21内と連通している。ツールホルダ23の後部は、後筒部22内に突出している。後筒部22内でツールホルダ23の外周には、トルクリミッタ付きのギヤ38が設けられている。
連結部6及び後筒部22内には、インナハウジング40が収容されている。インナハウジング40は、ギヤ38の後側でツールホルダ23の後部を支持している。インナハウジング40内には、回転/打撃切替部32が収容されている。回転/打撃切替部32は、後筒部22の下面に設けられた切替ツマミ116の操作により、動作モードを切り替えて出力軸10の回転を回転/打撃作動部31に伝達する。
(インナハウジングの説明)
インナハウジング40は、前後に2分割されて、金属製の前ハウジング41と、樹脂製の後ハウジング42とを有している。
前ハウジング41は、図6にも示すように、前側の軸受保持部43と、後側の胴体部44とを備えている。
軸受保持部43は、後筒部22より一回り小さい正面視六角形状を有する。軸受保持部43は、図7にも示すように、上部の左右中央に、上貫通孔45を備えている。上貫通孔45には、ツールホルダ23の後部が挿入される。上貫通孔45内には、ツールホルダ23の後部を支持する軸受メタル46が保持されている。上貫通孔45の下方左側には、上貫通孔45より小径の下貫通孔47が形成されている。
軸受メタル46の径方向外側で軸受保持部43の外周面には、全周に亘って凹溝48が形成されている。凹溝48には、Oリング49が保持されている。Oリング49は、後筒部22の内周面を圧接して後筒部22と軸受保持部43との間をシールする。よって、アウタハウジング3とインナハウジング40との間の空間は、Oリング49を境にして前後に区画される。Oリング49の前側でツールホルダ23とアウタハウジング3との間の空間は、前方がオイルシール25によってシールされる。
インナハウジング40は、前後に2分割されて、金属製の前ハウジング41と、樹脂製の後ハウジング42とを有している。
前ハウジング41は、図6にも示すように、前側の軸受保持部43と、後側の胴体部44とを備えている。
軸受保持部43は、後筒部22より一回り小さい正面視六角形状を有する。軸受保持部43は、図7にも示すように、上部の左右中央に、上貫通孔45を備えている。上貫通孔45には、ツールホルダ23の後部が挿入される。上貫通孔45内には、ツールホルダ23の後部を支持する軸受メタル46が保持されている。上貫通孔45の下方左側には、上貫通孔45より小径の下貫通孔47が形成されている。
軸受メタル46の径方向外側で軸受保持部43の外周面には、全周に亘って凹溝48が形成されている。凹溝48には、Oリング49が保持されている。Oリング49は、後筒部22の内周面を圧接して後筒部22と軸受保持部43との間をシールする。よって、アウタハウジング3とインナハウジング40との間の空間は、Oリング49を境にして前後に区画される。Oリング49の前側でツールホルダ23とアウタハウジング3との間の空間は、前方がオイルシール25によってシールされる。
軸受保持部43の前面には、インナ側リブ50が前向きに形成されている。インナ側リブ50は、図8にも示すように、正面視で、上貫通孔45から突出するツールホルダ23のギヤ38の下半分を下方から囲む格好で正面視円弧状に形成されている。インナ側リブ50の前端は、径方向でギヤ38にオーバーラップしている。但し、インナ側リブ50の左側は、下貫通孔47を外側から囲む半円状部51となっている。インナ側リブ50により、Oリング49で囲まれる軸受保持部43の前面は、上下に区画される。インナ側リブ50の左右両端は、上方へ向かうに従って後退する傾斜部50a,50aとなっている。インナ側リブ50の中間部の前端は、軸受保持部43から最も前方に位置している。
一方、アウタハウジング3において、後筒部22の前側内面には、図9に示すように、軸受保持部43のインナ側リブ50に対向して後方へ突出するアウタ側リブ52が形成されている。アウタ側リブ52は、インナハウジング40の組み付け状態でギヤ38の下側に突出し、インナ側リブ50の前端に押し付けられて後端が変形することによりインナ側リブ50に密着するリブ(いわゆる潰しリブ)となっている。アウタ側リブ52は、インナ側リブ50とは前後で鏡面対象となるように形成されて、左側に、半円状部51と対向する半円状部53を有している。アウタ側リブ52の左右両端側の上端部52a,52aは、図4に示すように、前方へ突出して軸受保持部43の前面に当接している。この上端部52aの後縁は、下方へ向かうに従って前進する傾斜形状となって、インナ側リブ50の左右両端の傾斜部50a,50aと合致している。
一方、アウタハウジング3において、後筒部22の前側内面には、図9に示すように、軸受保持部43のインナ側リブ50に対向して後方へ突出するアウタ側リブ52が形成されている。アウタ側リブ52は、インナハウジング40の組み付け状態でギヤ38の下側に突出し、インナ側リブ50の前端に押し付けられて後端が変形することによりインナ側リブ50に密着するリブ(いわゆる潰しリブ)となっている。アウタ側リブ52は、インナ側リブ50とは前後で鏡面対象となるように形成されて、左側に、半円状部51と対向する半円状部53を有している。アウタ側リブ52の左右両端側の上端部52a,52aは、図4に示すように、前方へ突出して軸受保持部43の前面に当接している。この上端部52aの後縁は、下方へ向かうに従って前進する傾斜形状となって、インナ側リブ50の左右両端の傾斜部50a,50aと合致している。
よって、アウタハウジング3にインナハウジング40を組み付けた状態では、図10に示すように、アウタ側リブ52とインナ側リブ50との突き合わせにより、隔壁54が形成される。よって、アウタハウジング3の内部でOリング49の前方空間は、隔壁54によって上下に仕切られる。隔壁54の上側が、オイルシール25とOリング49とによって仕切られる前側グリス室55となる。前側グリス室55は、下貫通孔47等を介してインナハウジング40内の後側グリス室56と連通している。この前側グリス室55と後側グリス室56とが駆動機構収容領域(以下「収容領域」と略称する)Tとなる。
胴体部44は、軸受保持部43より一回り小さい正面視六角形状の筒状である。胴体部44の左右の側面には、複数の放熱フィン57,57・・がそれぞれ立設されている。各放熱フィン57は、上下方向へ延びるように形成され、前後方向へ所定間隔をおいて立設されている。各放熱フィン57の外側端縁は、図11に示すように、後筒部22の内面に近接している。放熱フィン57の突出方向外側で後筒部22の左右の側面には、前後方向に延びる複数の前排気口58,58・・がそれぞれ形成されている。左右の前排気口58は、平面視で出力軸10の軸線方向を挟んで対向するように配置されている。
胴体部44の後端には、正面視が四角形状の前フランジ59が形成されている。前フランジ59の四隅には、半円状の4つの切欠き60,60・・がそれぞれ形成されている。
胴体部44の後端には、正面視が四角形状の前フランジ59が形成されている。前フランジ59の四隅には、半円状の4つの切欠き60,60・・がそれぞれ形成されている。
後ハウジング42は、図3及び図11に示すように、略中央に後貫通孔65を有している。後貫通孔65には、出力軸10が貫通している。後貫通孔65の後部には、出力軸10を支持する軸受66が保持されている。軸受66の前側にはオイルシール67が設けられている。
後ハウジング42の前端には、胴体部44の前フランジ59と同じ正面視四角形状の後フランジ68が形成されている。後フランジ68の四隅にも、半円状の4つの切欠き69,69・・がそれぞれ形成されている。
前フランジ59と後フランジ68とは、前後に重なった状態でアウタハウジング3の後筒部22とモータハウジング4の連結部6との間に挟持される。図5及び図7,9に示すように、後筒部22の後端には、正面視で四隅に張り出す4つのネジ止め部70,70・・が形成されている。各ネジ止め部70の後面には、後方へ突出する円形のネジボス71がそれぞれ形成されている。
一方、連結部6の四隅には、図5及び図8に示すように、各ネジ止め部70に対応して、雌ネジ孔を有する4つの雌ネジ部72,72・・がそれぞれ形成されている。各雌ネジ部72の前面には、ネジボス71が嵌合する円形凹部73が形成されている。すなわち、図12に示すように、各ネジボス71が、ネジ8によるネジ止め状態で円形凹部73に嵌合するインロー結合となっている。
後ハウジング42の前端には、胴体部44の前フランジ59と同じ正面視四角形状の後フランジ68が形成されている。後フランジ68の四隅にも、半円状の4つの切欠き69,69・・がそれぞれ形成されている。
前フランジ59と後フランジ68とは、前後に重なった状態でアウタハウジング3の後筒部22とモータハウジング4の連結部6との間に挟持される。図5及び図7,9に示すように、後筒部22の後端には、正面視で四隅に張り出す4つのネジ止め部70,70・・が形成されている。各ネジ止め部70の後面には、後方へ突出する円形のネジボス71がそれぞれ形成されている。
一方、連結部6の四隅には、図5及び図8に示すように、各ネジ止め部70に対応して、雌ネジ孔を有する4つの雌ネジ部72,72・・がそれぞれ形成されている。各雌ネジ部72の前面には、ネジボス71が嵌合する円形凹部73が形成されている。すなわち、図12に示すように、各ネジボス71が、ネジ8によるネジ止め状態で円形凹部73に嵌合するインロー結合となっている。
前フランジ59と後フランジ68とは、四隅の切欠き60,69がそれぞれネジボス71の外周に内側から係合した状態で、ネジ止め部70と雌ネジ部72との間に挟持される。この状態で各ネジ止め部70と雌ネジ部72とが前方からネジ8,8・・によってネジ止めされる。すると、アウタハウジング3とモータハウジング4との連結がなされると共に、前フランジ59と後フランジ68とが前後両面から押圧されて組み付けられる。このとき各ネジ止め部70の後端面と各雌ネジ部72の前端面とは非接触となっている。こうしてアウタハウジング3の後部でインナハウジング40が位置決めされる。
この位置決め状態で後筒部22と前後フランジ59,68との間には、図3及び図11に示すように、上側に隙間Sが形成されている。よって、ファン18が収容される連結部6内は、Oリング49の後方で隙間Sと連通する。隙間Sは、後筒部22と前ハウジング41との間の空間と連通し、放熱フィン57の間を介して前排気口58と連通することになる。
後フランジ68の前面で前フランジ59との当接部位には、図6に示すように、全周に亘って溝74が形成されている。溝74内には、Oリング75が保持されている。Oリング75は、インナハウジング40の組み付け状態で前フランジ59の後面に当接して前フランジ59と後フランジ68との間をシールする。
この位置決め状態で後筒部22と前後フランジ59,68との間には、図3及び図11に示すように、上側に隙間Sが形成されている。よって、ファン18が収容される連結部6内は、Oリング49の後方で隙間Sと連通する。隙間Sは、後筒部22と前ハウジング41との間の空間と連通し、放熱フィン57の間を介して前排気口58と連通することになる。
後フランジ68の前面で前フランジ59との当接部位には、図6に示すように、全周に亘って溝74が形成されている。溝74内には、Oリング75が保持されている。Oリング75は、インナハウジング40の組み付け状態で前フランジ59の後面に当接して前フランジ59と後フランジ68との間をシールする。
(回転/打撃切替部の説明)
回転/打撃切替部32は、図6,7及び図11,13にも示すように、ツールホルダ23の下側で左右2本の第1、第2中間軸80,81を備えている。第1、第2中間軸80,81は、互いに平行で且つツールホルダ23と平行に配置されている。
左側の第1中間軸80は、後端が後ハウジング42に軸受82を介して回転可能に支持される。第1中間軸80の前端は、前ハウジング41の下貫通孔47を貫通して前方へ延びる。第1中間軸80の前端は、後筒部22の前側内面に軸受83を介して回転可能に支持されている。第1中間軸80の後部には、出力軸10のピニオン17と噛合する第1ギヤ84が、回転可能に外装されている。第1ギヤ84の前部外周には、ギヤ側係合部85が形成されている。
下貫通孔47より前方で第1中間軸80の前部には、第2ギヤ86が形成されている。第2ギヤ86は、ツールホルダ23のギヤ38と噛合する。第1ギヤ84の前方で第1中間軸80には、第1スプライン部87が形成されている。第1スプライン部87には、第1クラッチ88がスプライン結合されている。第1クラッチ88は、第1中間軸80と一体回転可能且つ前後移動可能に設けられて、後係合部89と前係合部90とを備えている。第1クラッチ88は、後退位置で後係合部89が第1ギヤ84のギヤ側係合部85に係合する。よって、第1ギヤ84の回転は第1クラッチ88を介して第1中間軸80に伝達される。
回転/打撃切替部32は、図6,7及び図11,13にも示すように、ツールホルダ23の下側で左右2本の第1、第2中間軸80,81を備えている。第1、第2中間軸80,81は、互いに平行で且つツールホルダ23と平行に配置されている。
左側の第1中間軸80は、後端が後ハウジング42に軸受82を介して回転可能に支持される。第1中間軸80の前端は、前ハウジング41の下貫通孔47を貫通して前方へ延びる。第1中間軸80の前端は、後筒部22の前側内面に軸受83を介して回転可能に支持されている。第1中間軸80の後部には、出力軸10のピニオン17と噛合する第1ギヤ84が、回転可能に外装されている。第1ギヤ84の前部外周には、ギヤ側係合部85が形成されている。
下貫通孔47より前方で第1中間軸80の前部には、第2ギヤ86が形成されている。第2ギヤ86は、ツールホルダ23のギヤ38と噛合する。第1ギヤ84の前方で第1中間軸80には、第1スプライン部87が形成されている。第1スプライン部87には、第1クラッチ88がスプライン結合されている。第1クラッチ88は、第1中間軸80と一体回転可能且つ前後移動可能に設けられて、後係合部89と前係合部90とを備えている。第1クラッチ88は、後退位置で後係合部89が第1ギヤ84のギヤ側係合部85に係合する。よって、第1ギヤ84の回転は第1クラッチ88を介して第1中間軸80に伝達される。
第1クラッチ88の前方で前ハウジング41の下貫通孔47には、ロックリング91が保持されている。ロックリング91は、外周に4つの爪92,92・・を有する。ロックリング91は、前方のコイルバネ93によって、爪92が止めリング94に当接する後退位置に付勢されている。第1クラッチ88は、前進位置で第1ギヤ84から離間して、前係合部90がロックリング91の爪92に係合する。よって、第1ギヤ84の回転は第1中間軸80に伝達されず、第1クラッチ88と共に第1中間軸80の回転はロックされる。このときツールホルダ23も、第1中間軸80の第2ギヤ86と噛合するギヤ38を介して回転がロックされる。但し、第1クラッチ88は、前進位置と後退位置との間の中間位置では、第1ギヤ84とロックリング91との何れにも係合しない状態となる。
第1中間軸80において、ロックリング91の後側には、直径方向に貫通孔80aが形成されている。第1中間軸80の軸心には、貫通孔80aと連通する軸心孔80bが、後端面まで形成されている。軸受82の後方で後ハウジング42には、逃がし孔76が貫通形成されている。逃がし孔76は、軸心孔80bと連通している。
よって、インナハウジング40内で高まった圧力は、貫通孔80a、軸心孔80b、逃がし孔76を介してインナハウジング40の外部へ開放される。逃がし孔76の出口には、スポンジ等の吸収材77が設けられて、グリスの漏れを防いでいる。
第1中間軸80において、ロックリング91の後側には、直径方向に貫通孔80aが形成されている。第1中間軸80の軸心には、貫通孔80aと連通する軸心孔80bが、後端面まで形成されている。軸受82の後方で後ハウジング42には、逃がし孔76が貫通形成されている。逃がし孔76は、軸心孔80bと連通している。
よって、インナハウジング40内で高まった圧力は、貫通孔80a、軸心孔80b、逃がし孔76を介してインナハウジング40の外部へ開放される。逃がし孔76の出口には、スポンジ等の吸収材77が設けられて、グリスの漏れを防いでいる。
右側の第2中間軸81は、後端が後ハウジング42に軸受95を介して回転可能に支持される。第2中間軸81の前端は、前ハウジング41の軸受保持部43に軸受96を介して回転可能に支持される。第2中間軸81の後部には、出力軸10のピニオン17と噛合する第3ギヤ97が、一体回転可能に固定されている。第3ギヤ97の前方で第2中間軸81には、ボススリーブ98が別体で回転可能に外装されている。ボススリーブ98には、軸線を傾けたスワッシュベアリング99が設けられている。スワッシュベアリング99の外輪には、アーム100が上向きに突設されている。アーム100の先端は、ピストンシリンダ33の後端に連結されている。ピストンシリンダ33の後端と後ハウジング42との間には、コイルバネ101が介在されている。コイルバネ101は、後述するドリルモードではピストンシリンダ33を前進位置に付勢する。ボススリーブ98の前部には、ボス側係合部102が形成されている。
ボススリーブ98の前方で第2中間軸81には、第2スプライン部103が形成されている。第2スプライン部103には、第2クラッチ104がスプライン結合されている。第2クラッチ104は、第2中間軸81と一体回転可能且つ前後移動可能に設けられて、後部にクラッチ側係合部105を備えている。第2クラッチ104は、後退位置でクラッチ側係合部105がボススリーブ98のボス側係合部102に係合する。よって、第2中間軸81の回転は第2クラッチ104を介してボススリーブ98に伝達される。第2クラッチ104が前進すると、クラッチ側係合部105がボス側係合部102から離間して第2中間軸81の回転はボススリーブ98に伝達されなくなる。
第1、第2中間軸80,81の下方には、モード切替機構109が設けられている。モード切替機構109は、図14にも示すように、左右2本の第1、第2ロッド110,111と、切替ツマミ116とを有している。
第1、第2ロッド110,111は、互いに平行で、且つ第1、第2中間軸80,81と平行に設けられている。
第1ロッド110は、後端が後ハウジング42に支持され、前端が前ハウジング41の軸受保持部43に支持されている。第1ロッド110は、第1プレート112を備えている。第1プレート112は、中間部が第1ロッド110と平行に延びる帯板である。第1プレート112の前後両端は、第1ロッド110側へ折曲されて第1ロッド110に貫通されている。よって、第1プレート112は、第1ロッド110に沿って前後移動可能である。第1プレート112の前端は、第1クラッチ88の外周に係合している。第1プレート112の前方で第1ロッド110には、コイルバネ113が外装されている。コイルバネ113は、第1プレート112を、後ハウジング42の前面に当接する後退位置に付勢している。この後退位置は、第1プレート112と共に後退する第1クラッチ88の後退位置となる。
第1、第2ロッド110,111は、互いに平行で、且つ第1、第2中間軸80,81と平行に設けられている。
第1ロッド110は、後端が後ハウジング42に支持され、前端が前ハウジング41の軸受保持部43に支持されている。第1ロッド110は、第1プレート112を備えている。第1プレート112は、中間部が第1ロッド110と平行に延びる帯板である。第1プレート112の前後両端は、第1ロッド110側へ折曲されて第1ロッド110に貫通されている。よって、第1プレート112は、第1ロッド110に沿って前後移動可能である。第1プレート112の前端は、第1クラッチ88の外周に係合している。第1プレート112の前方で第1ロッド110には、コイルバネ113が外装されている。コイルバネ113は、第1プレート112を、後ハウジング42の前面に当接する後退位置に付勢している。この後退位置は、第1プレート112と共に後退する第1クラッチ88の後退位置となる。
第2ロッド111は、後端が後ハウジング42に支持され、前端が前ハウジング41の軸受保持部43に支持されている。第2ロッド111は、第2プレート114を備えている。第2プレート114は、中間部が第2ロッド111と平行に延びる帯板である。第2プレート114の前後両端は、第2ロッド111側へ折曲されて第2ロッド111に貫通されている。よって、第2プレート114は、第2ロッド111に沿って前後移動可能である。第2プレート114の前端は、第2クラッチ104の外周に係合している。第2プレート114の前方で第2ロッド111には、コイルバネ115が外装されている。コイルバネ115は、第2プレート114を、後ハウジング42に当接する後退位置に付勢している。この後退位置は、第2プレート114と共に後退する第2クラッチ104の後退位置となる。
第1、第2プレート112,114の位置は、切替ツマミ116によって変更可能である。切替ツマミ116は、図15に示すように、後筒部22の下面へ回転操作可能に設けられている。切替ツマミ116は、図3,11に示すように、前ハウジング41の胴体部44の下面に設けた底貫通孔117を介してインナハウジング40内に突出している。切替ツマミ116の突出端面には、2本の第1、第2偏心ピン118,119が設けられている。第1偏心ピン118は、第1プレート112の前端に後方から係合し、第2偏心ピン119は、第2プレート114の中間部に後方から係合している。
よって、切替ツマミ116を回転操作することで第1、第2偏心ピン118,119を介して第1、第2プレート112,114の前後位置を切り替えることができる。すなわち、動作モードを、ドリルモード、ハンマドリルモード、ハンマモード(回転ロック)、ハンマモード(ニュートラル)に切替可能となっている。
よって、切替ツマミ116を回転操作することで第1、第2偏心ピン118,119を介して第1、第2プレート112,114の前後位置を切り替えることができる。すなわち、動作モードを、ドリルモード、ハンマドリルモード、ハンマモード(回転ロック)、ハンマモード(ニュートラル)に切替可能となっている。
(ハンマドリルの作動の説明)
切替ツマミ116をドリルモードに切り替える。すると、第1偏心ピン118は、最後退位置となり、第1クラッチ88は、第1プレート112と共に後退位置となる。よって、第1ギヤ84の回転は、第1クラッチ88を介して第1中間軸80に伝わる状態となる。そして、第1中間軸80の回転は、第2ギヤ86からギヤ38を介してツールホルダ23に伝わる状態となる。
一方、第2偏心ピン119は、最前進位置となり、第2クラッチ104は、第2プレート114と共に前進位置となる。よって、出力軸10から伝わる第2中間軸81の回転は、ボススリーブ98に伝わらない状態となる。
従って、トリガ14を押し込み操作してスイッチ13をONさせると、モータ9が駆動して出力軸10が回転する。すると、第1中間軸80を介してツールホルダ23が回転し、先端のビットBを回転させる。
切替ツマミ116をドリルモードに切り替える。すると、第1偏心ピン118は、最後退位置となり、第1クラッチ88は、第1プレート112と共に後退位置となる。よって、第1ギヤ84の回転は、第1クラッチ88を介して第1中間軸80に伝わる状態となる。そして、第1中間軸80の回転は、第2ギヤ86からギヤ38を介してツールホルダ23に伝わる状態となる。
一方、第2偏心ピン119は、最前進位置となり、第2クラッチ104は、第2プレート114と共に前進位置となる。よって、出力軸10から伝わる第2中間軸81の回転は、ボススリーブ98に伝わらない状態となる。
従って、トリガ14を押し込み操作してスイッチ13をONさせると、モータ9が駆動して出力軸10が回転する。すると、第1中間軸80を介してツールホルダ23が回転し、先端のビットBを回転させる。
次に、切替ツマミ116をハンマドリルモードに切り替える。すると、第1偏心ピン118の最後退位置は変わらず、第1プレート112及び第1クラッチ88は後退位置のままとなる。
一方、第2偏心ピン119は、最前進位置から中間位置に後退し、第2クラッチ104は、第2プレート114と共に後退位置となる。よって、第2中間軸81の回転は、第2クラッチ104を介してボススリーブ98に伝わる状態となる。
従って、トリガ14を押し込み操作してモータ9が駆動すると、第1中間軸80を介してツールホルダが回転し、先端のビットBを回転させる。これと同時に、ボススリーブ98が回転してアーム100が前後に揺動するため、ピストンシリンダ33が往復動する。よって、ストライカ34が往復動してインパクトボルト35を介してビットBを打撃する。
一方、第2偏心ピン119は、最前進位置から中間位置に後退し、第2クラッチ104は、第2プレート114と共に後退位置となる。よって、第2中間軸81の回転は、第2クラッチ104を介してボススリーブ98に伝わる状態となる。
従って、トリガ14を押し込み操作してモータ9が駆動すると、第1中間軸80を介してツールホルダが回転し、先端のビットBを回転させる。これと同時に、ボススリーブ98が回転してアーム100が前後に揺動するため、ピストンシリンダ33が往復動する。よって、ストライカ34が往復動してインパクトボルト35を介してビットBを打撃する。
次に、切替ツマミ116をハンマモード(回転ロック)に切り替える。すると、第1偏心ピン118は、最前進位置となる。第1クラッチ88は、第1プレート112と共に前進位置となり、ロックリング91に係合する。よって、第1ギヤ84の回転は第1中間軸80に伝わらない状態となり、第1中間軸80と共にツールホルダ23の回転はロックされる。
一方、第2偏心ピン119は、最後退位置となり、第2クラッチ104は後退位置のままとなる。よって、第2中間軸81の回転は、第2クラッチ104を介してボススリーブ98に伝わる状態となる。
従って、トリガ14を押し込み操作してモータ9が駆動すると、ツールホルダ23の回転がロックされた状態で、ピストンシリンダ33が往復動し、インパクトボルト35を介してビットBがストライカ34に打撃される。
なお、第1クラッチ88が前進した際、ロックリング91の爪92の後面に当接して回転方向で係合しないことがある。しかし、この場合、コイルバネ93の付勢に抗してロックリング91が前進する。よって、第1ギヤ84との摩擦で第1中間軸80が回転して第1クラッチ88が回転すると、係合する位相でロックリング91が後退して第1クラッチ88と係合する。よって、第1中間軸80の回転はロックされる。
一方、第2偏心ピン119は、最後退位置となり、第2クラッチ104は後退位置のままとなる。よって、第2中間軸81の回転は、第2クラッチ104を介してボススリーブ98に伝わる状態となる。
従って、トリガ14を押し込み操作してモータ9が駆動すると、ツールホルダ23の回転がロックされた状態で、ピストンシリンダ33が往復動し、インパクトボルト35を介してビットBがストライカ34に打撃される。
なお、第1クラッチ88が前進した際、ロックリング91の爪92の後面に当接して回転方向で係合しないことがある。しかし、この場合、コイルバネ93の付勢に抗してロックリング91が前進する。よって、第1ギヤ84との摩擦で第1中間軸80が回転して第1クラッチ88が回転すると、係合する位相でロックリング91が後退して第1クラッチ88と係合する。よって、第1中間軸80の回転はロックされる。
次に、切替ツマミ116をハンマモード(ニュートラル)に切り替える。すると、第1偏心ピン118は、最前進位置から中間位置に後退する。第1クラッチ88は、第1プレート112と共に後退し、ロックリング91から離間する。但し、第1クラッチ88は、第1ギヤ84に係合しない中間位置となる。よって、第1ギヤ84の回転は、第1中間軸80に伝わらない状態となり、第1中間軸80と共にツールホルダ23は回転フリーとなる。
一方、第2偏心ピン119は、最後退位置から中間位置に前進し、第2クラッチ104は、第2プレート114と共に後退位置となる。よって、第2中間軸81の回転は第2クラッチ104を介してボススリーブ98に伝わる。
従って、トリガ14を押し込み操作してモータ9が駆動すると、ツールホルダ23の回転がフリーとなる状態で、ピストンシリンダ33が往復動し、インパクトボルト35を介してビットBがストライカ34に打撃される。
一方、第2偏心ピン119は、最後退位置から中間位置に前進し、第2クラッチ104は、第2プレート114と共に後退位置となる。よって、第2中間軸81の回転は第2クラッチ104を介してボススリーブ98に伝わる。
従って、トリガ14を押し込み操作してモータ9が駆動すると、ツールホルダ23の回転がフリーとなる状態で、ピストンシリンダ33が往復動し、インパクトボルト35を介してビットBがストライカ34に打撃される。
こうして各動作モードでハンマドリル1が作動する際、出力軸10の回転によりファン18が回転する。すると、後方の吸気口16からモータハウジング4のモータ収容部7内に外気が吸い込まれ、前方へ移動してモータ9を冷却する。この冷却風は、連結部6内に流れて一部は後排気口20から外部に排出される。他の一部は、連結部6内を前方へ移動し、後筒部22と前後フランジ59,68との隙間Sを通って後筒部22内に流れ込む。そして、冷却風は、インナハウジング40の外側空間を通って前排気口58から排出される。このとき、冷却風が前ハウジング41に接触することで、駆動機構30で発生した熱による前ハウジング41の温度上昇は抑えられる。特に冷却風は放熱フィン57に沿って流れるため、前ハウジング41の熱は効果的に放熱される。
一方、収容領域Tにはグリスが充填される。特に、前筒部21内の前側グリス室55は、隔壁54によって無駄なスペースを省いた狭いスペースとなっているので、前側グリス室55内のグリスの充填率は高くなる。よって、回転/打撃作動部31から飛散したグリスがギヤ38等に再付着しやすくなる。
一方、収容領域Tにはグリスが充填される。特に、前筒部21内の前側グリス室55は、隔壁54によって無駄なスペースを省いた狭いスペースとなっているので、前側グリス室55内のグリスの充填率は高くなる。よって、回転/打撃作動部31から飛散したグリスがギヤ38等に再付着しやすくなる。
(インナハウジングの分割に係る発明の効果)
上記形態のハンマドリル1は、ハウジング2内に、モータ9と、前端にビットBを装着して回転可能な筒状のツールホルダ23と、ツールホルダ23の回転作動及び/又はビットBの打撃作動が可能な駆動機構30と、駆動機構30に設けられ、モータ9の出力軸10の回転をビットBの打撃作動に変換可能なボススリーブ98(回転変換部材)とを有する。また、ハンマドリル1は、駆動機構30を支持すると共に、ツールホルダ23を軸受メタル46(第1の軸受)を介して支持し、出力軸10を軸受66(第2の軸受)を介して支持するインナハウジング40を有する。さらに、インナハウジング40は、軸受メタル46を保持する前ハウジング41と、前ハウジング41と別体で形成されて軸受66を保持する後ハウジング42とに分割されて、前ハウジング41と後ハウジング42とがツールホルダ23の軸線方向に連結されることで形成される。そして、前ハウジング41には、ハウジング2内でインナハウジング40の外側空間をシールするOリング49(シール部材)が設けられている。
この構成によれば、インナハウジング40を前後に2分割して前ハウジング41にOリング49を設けるので、Oリング49の後側で収容領域Tを小さくしたインナハウジング40を形成できる。よって、製品サイズのコンパクト化にも繋がる。また、モータ9の冷却風をインナハウジング40の外側まで導くことができるため、駆動機構30の好適な冷却効果も得られる。
上記形態のハンマドリル1は、ハウジング2内に、モータ9と、前端にビットBを装着して回転可能な筒状のツールホルダ23と、ツールホルダ23の回転作動及び/又はビットBの打撃作動が可能な駆動機構30と、駆動機構30に設けられ、モータ9の出力軸10の回転をビットBの打撃作動に変換可能なボススリーブ98(回転変換部材)とを有する。また、ハンマドリル1は、駆動機構30を支持すると共に、ツールホルダ23を軸受メタル46(第1の軸受)を介して支持し、出力軸10を軸受66(第2の軸受)を介して支持するインナハウジング40を有する。さらに、インナハウジング40は、軸受メタル46を保持する前ハウジング41と、前ハウジング41と別体で形成されて軸受66を保持する後ハウジング42とに分割されて、前ハウジング41と後ハウジング42とがツールホルダ23の軸線方向に連結されることで形成される。そして、前ハウジング41には、ハウジング2内でインナハウジング40の外側空間をシールするOリング49(シール部材)が設けられている。
この構成によれば、インナハウジング40を前後に2分割して前ハウジング41にOリング49を設けるので、Oリング49の後側で収容領域Tを小さくしたインナハウジング40を形成できる。よって、製品サイズのコンパクト化にも繋がる。また、モータ9の冷却風をインナハウジング40の外側まで導くことができるため、駆動機構30の好適な冷却効果も得られる。
ボススリーブ98は、前ハウジング41内に収容されている。よって、ボススリーブ98の作動によって発生した熱が前ハウジング41を介して効果的に冷却可能となる。
Oリング49は、ボススリーブ98よりも前方に配置されている。よって、冷却風が流れるインナハウジング40の外側空間をボススリーブ98の径方向外側まで形成可能となる。
Oリング49は、軸受メタル46の径方向外側に位置している。よって、Oリング49の位置がインナハウジング40の最前方に近くなり、外側空間を広く確保できる。
外側空間におけるボススリーブ98の径方向外側に、空気流路が形成されている。よって、ボススリーブ98から伝わる熱をインナハウジング40の外側から効果的に冷却可能となる。
前ハウジング41は金属製である。よって、インナハウジング40に伝わる熱を効果的に放熱できる。
Oリング49は、ボススリーブ98よりも前方に配置されている。よって、冷却風が流れるインナハウジング40の外側空間をボススリーブ98の径方向外側まで形成可能となる。
Oリング49は、軸受メタル46の径方向外側に位置している。よって、Oリング49の位置がインナハウジング40の最前方に近くなり、外側空間を広く確保できる。
外側空間におけるボススリーブ98の径方向外側に、空気流路が形成されている。よって、ボススリーブ98から伝わる熱をインナハウジング40の外側から効果的に冷却可能となる。
前ハウジング41は金属製である。よって、インナハウジング40に伝わる熱を効果的に放熱できる。
前ハウジング41と後ハウジング42との連結面に、Oリング75(連結面シール部材)が設けられている。よって、インナハウジング40を2分割してもシール性を確保できる。
駆動機構30は、ツールホルダ23の軸線方向と平行に2本の第1、第2中間軸80,81を有し、第1中間軸80が、出力軸10の回転をツールホルダ23に伝達すると共に、第2中間軸81が、出力軸10の回転をボススリーブ98を介してビットBの打撃作動に変換する。すなわち、第1中間軸80を回転伝達用、第2中間軸81を打撃伝達用に分担させたことでそれぞれ軸方向に短くできる。よって、駆動機構30全体のコンパクト化に繋がる。
駆動機構30は、ツールホルダ23の軸線方向と平行に2本の第1、第2中間軸80,81を有し、第1中間軸80が、出力軸10の回転をツールホルダ23に伝達すると共に、第2中間軸81が、出力軸10の回転をボススリーブ98を介してビットBの打撃作動に変換する。すなわち、第1中間軸80を回転伝達用、第2中間軸81を打撃伝達用に分担させたことでそれぞれ軸方向に短くできる。よって、駆動機構30全体のコンパクト化に繋がる。
前ハウジング41の外面に、放熱フィン57が形成されている。よって、前ハウジング41の熱を効果的に放熱できる。
モータ9は、出力軸10がツールホルダ23の軸線方向に沿って延びる姿勢で配置されて、出力軸10にファン18が設けられ、ハウジング2の後側に吸気口16が、前側に前排気口58(排気口)が、それぞれ出力軸10の軸線方向を挟んで対向するように設けられている。よって、インナハウジング40をバランス良く冷却することができる。
モータ9は、出力軸10がツールホルダ23の軸線方向に沿って延びる姿勢で配置されて、出力軸10にファン18が設けられ、ハウジング2の後側に吸気口16が、前側に前排気口58(排気口)が、それぞれ出力軸10の軸線方向を挟んで対向するように設けられている。よって、インナハウジング40をバランス良く冷却することができる。
なお、インナハウジングの分割に係る発明においては、以下の変更が可能である。
前ハウジングに設けられるシール部材は、Oリング以外のシール部材も採用できる。複数のシール部材を設けてもよい。
前ハウジングは、全体を金属製とせず、例えばツールホルダを支持する軸受の保持部分のみを金属製とする等、一部を金属製とすることもできる。但し、前ハウジングは樹脂製であってもよい。後ハウジングも金属製であってもよい。
前ハウジングと後ハウジングとの組み付けも、上記形態のようにアウタハウジングとモータハウジングとで挟持する構造に限らない。ネジ止め等も採用できる。
前ハウジングの外側空間の空気流路の構造は、上記形態に限らない。放熱フィンの位置や形状は変更可能である。放熱フィンを省略することもできる。
吸気口と排気口との位置及び数も適宜変更して差し支えない。例えば吸気口と排気口とを前後逆に配置して、モータよりも先にインナハウジングを冷却することもできる。
中間軸は2本でなく1本としてもよい。
前ハウジングに設けられるシール部材は、Oリング以外のシール部材も採用できる。複数のシール部材を設けてもよい。
前ハウジングは、全体を金属製とせず、例えばツールホルダを支持する軸受の保持部分のみを金属製とする等、一部を金属製とすることもできる。但し、前ハウジングは樹脂製であってもよい。後ハウジングも金属製であってもよい。
前ハウジングと後ハウジングとの組み付けも、上記形態のようにアウタハウジングとモータハウジングとで挟持する構造に限らない。ネジ止め等も採用できる。
前ハウジングの外側空間の空気流路の構造は、上記形態に限らない。放熱フィンの位置や形状は変更可能である。放熱フィンを省略することもできる。
吸気口と排気口との位置及び数も適宜変更して差し支えない。例えば吸気口と排気口とを前後逆に配置して、モータよりも先にインナハウジングを冷却することもできる。
中間軸は2本でなく1本としてもよい。
(収容領域を仕切る隔壁に係る発明の効果)
上記形態のハンマドリル1(打撃工具)は、ハウジング2内に、モータ9と、前端にビットBを装着可能なツールホルダ23と、ビットBを打撃可能な駆動機構30と、ハウジング2内で駆動機構30を支持するインナハウジング40とを有する。また、ハンマドリル1は、ハウジング2と、インナハウジング40と、ハウジング2とインナハウジング40との間に介在されたOリング49(シール部材)とにより、ハウジング2内に、収容領域Tを含む空間が仕切形成されている。そして、ハウジング2内には、収容領域Tとそれ以外の空間とを仕切る隔壁54が設けられている。
この構成によれば、別体のガイド部材等を用いなくても隔壁54によって無駄なスペースを排除して収容領域Tを小さくすることができる。よって、製造コストや組み付けの手間を軽減しつつグリスの充填率を上げることができる。
上記形態のハンマドリル1(打撃工具)は、ハウジング2内に、モータ9と、前端にビットBを装着可能なツールホルダ23と、ビットBを打撃可能な駆動機構30と、ハウジング2内で駆動機構30を支持するインナハウジング40とを有する。また、ハンマドリル1は、ハウジング2と、インナハウジング40と、ハウジング2とインナハウジング40との間に介在されたOリング49(シール部材)とにより、ハウジング2内に、収容領域Tを含む空間が仕切形成されている。そして、ハウジング2内には、収容領域Tとそれ以外の空間とを仕切る隔壁54が設けられている。
この構成によれば、別体のガイド部材等を用いなくても隔壁54によって無駄なスペースを排除して収容領域Tを小さくすることができる。よって、製造コストや組み付けの手間を軽減しつつグリスの充填率を上げることができる。
隔壁54は、アウタハウジング3(ハウジング)とインナハウジング40とにそれぞれ形成されたアウタ側リブ52とインナ側リブ50とが当接して形成される。よって、アウタハウジング3とインナハウジング40との組み付けと同時に隔壁54が形成される合理的な構造となる。
アウタ側リブ52(ハウジング側のリブ)は、インナ側リブ50(インナハウジング側のリブ)に押し付けられて変形することによりインナ側リブ50に密着するリブとなっている。よって、アウタ側リブ52とインナ側リブ50とが密着し、リブ同士の当接により隔壁54を形成してもシール性が確保される。
アウタハウジング3は樹脂製であり、インナハウジング40の前ハウジング41は金属製である。よって、インナハウジング40の剛性を確保しつつ、アウタ側リブ52とインナ側リブ50との密着性を維持することができる。
アウタ側リブ52(ハウジング側のリブ)は、インナ側リブ50(インナハウジング側のリブ)に押し付けられて変形することによりインナ側リブ50に密着するリブとなっている。よって、アウタ側リブ52とインナ側リブ50とが密着し、リブ同士の当接により隔壁54を形成してもシール性が確保される。
アウタハウジング3は樹脂製であり、インナハウジング40の前ハウジング41は金属製である。よって、インナハウジング40の剛性を確保しつつ、アウタ側リブ52とインナ側リブ50との密着性を維持することができる。
モータ9は、出力軸10がツールホルダ23の軸線方向と平行となる姿勢で配置され、駆動機構30は、ツールホルダ23と平行に配置されて出力軸10の回転が伝達される第1中間軸80を有し、第1中間軸80は、ツールホルダ23に回転伝達を行うギヤ38を有してインナハウジング40に支持され、インナ側リブ50は、ギヤ38の一部を覆う構成となっている。よって、隔壁54をギヤ38の外側に形成してグリスが再付着しやすくなる。
インナハウジング40は、ツールホルダ23を支持する軸受メタル46を保持する軸受保持部43を有し、軸受保持部43にインナ側リブ50が突出形成されている。よって、軸受保持部43を利用してインナ側リブ50を簡単に形成できる。
インナ側リブ50の前端は、インナハウジング40の最前方位置に突出している。よって、アウタ側リブ52との突き合わせがしやすくなる。
インナハウジング40は、ツールホルダ23を支持する軸受メタル46を保持する軸受保持部43を有し、軸受保持部43にインナ側リブ50が突出形成されている。よって、軸受保持部43を利用してインナ側リブ50を簡単に形成できる。
インナ側リブ50の前端は、インナハウジング40の最前方位置に突出している。よって、アウタ側リブ52との突き合わせがしやすくなる。
なお、収容領域を仕切る隔壁に係る発明においては、以下の変更が可能である。
インナ側リブとアウタ側リブとのそれぞれの前後長さは、上記形態に限らない。インナ側リブとアウタ側リブとの前後長さを大きく異ならせることもできる。
隔壁は、リブ同士の当接による形成に限らない。アウタハウジングとインナハウジングとの何れか一方のみに、他方の表面に当接するリブを形成してもよい。
隔壁による仕切形状は、上記形態に限らない。ツールホルダ及びギヤを囲む半円状とせず、例えば左右方向に延びる平面状の隔壁とすることもできる。
隔壁の位置は、上記形態に限らない。アウタハウジング及びインナハウジングの形状に合わせて、上記形態より上側若しくは下側にあってもよい。
この発明は、ハンマドリルへの適用に限らない。電動ハンマ等の他の打撃工具であっても適用可能である。
打撃工具としては、中間軸(1本でもよい)と回転変換部材とでピストンシリンダを往復動させる構造に限らない。例えば、クランク機構を採用してコネクティングロッドでピストンシリンダを往復動させる打撃工具であってもよい。
インナ側リブとアウタ側リブとのそれぞれの前後長さは、上記形態に限らない。インナ側リブとアウタ側リブとの前後長さを大きく異ならせることもできる。
隔壁は、リブ同士の当接による形成に限らない。アウタハウジングとインナハウジングとの何れか一方のみに、他方の表面に当接するリブを形成してもよい。
隔壁による仕切形状は、上記形態に限らない。ツールホルダ及びギヤを囲む半円状とせず、例えば左右方向に延びる平面状の隔壁とすることもできる。
隔壁の位置は、上記形態に限らない。アウタハウジング及びインナハウジングの形状に合わせて、上記形態より上側若しくは下側にあってもよい。
この発明は、ハンマドリルへの適用に限らない。電動ハンマ等の他の打撃工具であっても適用可能である。
打撃工具としては、中間軸(1本でもよい)と回転変換部材とでピストンシリンダを往復動させる構造に限らない。例えば、クランク機構を採用してコネクティングロッドでピストンシリンダを往復動させる打撃工具であってもよい。
(アウタハウジングとモータハウジングとインナハウジングとの組み付けに係る発明の効果)
上記形態のハンマドリル1(打撃工具)は、 ハウジング2内に、モータ9と、前端にビットBを装着可能な筒状のツールホルダ23と、ビットBを打撃可能な駆動機構30と、駆動機構30を支持するインナハウジング40とを有する。また、ハウジング2は、前側のアウタハウジング3と、アウタハウジング3の後側に組み付けられてモータ9を収容するモータハウジング4とを有し、アウタハウジング3とモータハウジング4とインナハウジング40とがツールホルダ23の軸線方向に連結される。また、アウタハウジング3に、アウタハウジング3とモータハウジング4とをネジ止めするためのネジボス71が、モータハウジング4側へ突出形成されている。そして、モータハウジング4及びインナハウジング40は、ネジボス71と係合して位置決めされている。
この構成によれば、アウタハウジング3とモータハウジング4とを全体でインロー結合しないため、内部部品の配置や意匠面に影響を受けにくくなる。また,ネジボス71を設けたアウタハウジング3に対してモータハウジング4とインナハウジング40とを容易に位置決めできる。よって、アウタハウジング3とモータハウジング4とインナハウジング40とを、設計の自由度を確保しつつ精度良く組み付けることができる。
上記形態のハンマドリル1(打撃工具)は、 ハウジング2内に、モータ9と、前端にビットBを装着可能な筒状のツールホルダ23と、ビットBを打撃可能な駆動機構30と、駆動機構30を支持するインナハウジング40とを有する。また、ハウジング2は、前側のアウタハウジング3と、アウタハウジング3の後側に組み付けられてモータ9を収容するモータハウジング4とを有し、アウタハウジング3とモータハウジング4とインナハウジング40とがツールホルダ23の軸線方向に連結される。また、アウタハウジング3に、アウタハウジング3とモータハウジング4とをネジ止めするためのネジボス71が、モータハウジング4側へ突出形成されている。そして、モータハウジング4及びインナハウジング40は、ネジボス71と係合して位置決めされている。
この構成によれば、アウタハウジング3とモータハウジング4とを全体でインロー結合しないため、内部部品の配置や意匠面に影響を受けにくくなる。また,ネジボス71を設けたアウタハウジング3に対してモータハウジング4とインナハウジング40とを容易に位置決めできる。よって、アウタハウジング3とモータハウジング4とインナハウジング40とを、設計の自由度を確保しつつ精度良く組み付けることができる。
ネジボス71は、4箇所設けられている。よって、回転方向の位置決めが確実に行える。
インナハウジング40は、アウタハウジング3とモータハウジング4とで挟持される。よって、インナハウジング40をアウタハウジング3とモータハウジング4とを利用して位置決めできる。
インナハウジング40は、アウタハウジング3とモータハウジング4とで前後両面から押圧される。よって、インナハウジング40をアウタハウジング3とモータハウジング4との間で強固に固定できる。
インナハウジング40は、ツールホルダ23の軸線方向に2分割されている。よって、後ハウジング42を樹脂製として軽量化が可能となる。
インナハウジング40は、アウタハウジング3とモータハウジング4とで挟持される。よって、インナハウジング40をアウタハウジング3とモータハウジング4とを利用して位置決めできる。
インナハウジング40は、アウタハウジング3とモータハウジング4とで前後両面から押圧される。よって、インナハウジング40をアウタハウジング3とモータハウジング4との間で強固に固定できる。
インナハウジング40は、ツールホルダ23の軸線方向に2分割されている。よって、後ハウジング42を樹脂製として軽量化が可能となる。
ネジボス71は、円筒状であり、インナハウジング40におけるネジボス71との係合部は、半円状の切欠き69となっている。よって、ネジボス71に切欠き69を係合させて確実に位置決めできる。
ネジボス71は、アウタハウジング3側に形成され、モータハウジング4に、ネジボス71を貫通させたネジ8が螺合する雌ネジ部72が形成される。よって、アウタハウジング3の前方からのネジ止めが容易に行える。
インナハウジング40の前ハウジング41は金属製である。よって、インナハウジング40の剛性を確保することができる。
ネジボス71は、アウタハウジング3側に形成され、モータハウジング4に、ネジボス71を貫通させたネジ8が螺合する雌ネジ部72が形成される。よって、アウタハウジング3の前方からのネジ止めが容易に行える。
インナハウジング40の前ハウジング41は金属製である。よって、インナハウジング40の剛性を確保することができる。
なお、アウタハウジングとモータハウジングとインナハウジングとの組み付けに係る発明においては、以下の変更が可能である。
ネジボスは、アウタハウジングでなくモータハウジングに設けて、モータハウジングの後方からネジ止めするようにしてもよい。ネジボスと係合する他方側のハウジングには、円形凹部以外の形状を形成してもよい。
ネジボスは、円筒状でなくてもよい。よって、インナハウジングに設ける係合部は、半円状の切欠きとせず、ネジボスの外形に合わせて変更すればよい。
インナハウジングは、2分割としなくてもよい。一体のインナハウジングに、アウタハウジングとモータハウジングとに挟持される被挟持部を形成してもよい。
インナハウジングは、全体が金属製であってもよいし、全体が樹脂製であってもよい。
ネジボスの数は、各ハウジングの回転方向の位置決めが可能であれば、少なくとも2箇所あればよい。
この発明は、ハンマドリルへの適用に限らない。電動ハンマ等の他の打撃工具であっても適用可能である。
打撃工具としては、中間軸(1本でもよい)と回転変換部材とでピストンシリンダを往復動させる構造に限らない。例えば、クランク機構を採用してコネクティングロッドでピストンシリンダを往復動させる打撃工具であってもよい。
ネジボスは、アウタハウジングでなくモータハウジングに設けて、モータハウジングの後方からネジ止めするようにしてもよい。ネジボスと係合する他方側のハウジングには、円形凹部以外の形状を形成してもよい。
ネジボスは、円筒状でなくてもよい。よって、インナハウジングに設ける係合部は、半円状の切欠きとせず、ネジボスの外形に合わせて変更すればよい。
インナハウジングは、2分割としなくてもよい。一体のインナハウジングに、アウタハウジングとモータハウジングとに挟持される被挟持部を形成してもよい。
インナハウジングは、全体が金属製であってもよいし、全体が樹脂製であってもよい。
ネジボスの数は、各ハウジングの回転方向の位置決めが可能であれば、少なくとも2箇所あればよい。
この発明は、ハンマドリルへの適用に限らない。電動ハンマ等の他の打撃工具であっても適用可能である。
打撃工具としては、中間軸(1本でもよい)と回転変換部材とでピストンシリンダを往復動させる構造に限らない。例えば、クランク機構を採用してコネクティングロッドでピストンシリンダを往復動させる打撃工具であってもよい。
以下、各発明に共通する変更例について説明する。
モータの向きは、前後方向に限らず、適宜変更できる。
モータは、ブラシ付きモータに限らず、ブラシレスモータも採用できる。
電源は、商用電源でなく、バッテリパックであってもよい。
選択できる動作モードは、4つに限らない。切替ツマミの位置も適宜変更できる。
打撃作動は、ピストンシリンダでなく、固定されたシリンダ内でピストンが往復動する構造であってもよい。インパクトボルトがなく、ストライカが直接ビットを打撃する構造であってもよい。
モータの向きは、前後方向に限らず、適宜変更できる。
モータは、ブラシ付きモータに限らず、ブラシレスモータも採用できる。
電源は、商用電源でなく、バッテリパックであってもよい。
選択できる動作モードは、4つに限らない。切替ツマミの位置も適宜変更できる。
打撃作動は、ピストンシリンダでなく、固定されたシリンダ内でピストンが往復動する構造であってもよい。インパクトボルトがなく、ストライカが直接ビットを打撃する構造であってもよい。
1・・ハンマドリル、2・・ハウジング、3・・アウタハウジング、4・・モータハウジング、5・・ハンドルハウジング、6・・連結部、7・・モータ収容部、8・・ネジ、9・・モータ、10・・出力軸、21・・前筒部、22・・後筒部、23・・ツールホルダ、30・・駆動機構、31・・回転/打撃作動部、32・・回転/打撃切替部、33・・ピストンシリンダ、34・・ストライカ、40・・インナハウジング、41・・前ハウジング、42・・後ハウジング、43・・軸受保持部、44・・胴体部、45・・上貫通孔、46・・軸受メタル、49・・Oリング、50・・インナ側リブ、52・・アウタ側リブ、54・・隔壁、55・前側グリス室、56・・後側グリス室、58・・前排気口、59・・前フランジ、60,69・・切欠き、68・・後フランジ、70・・ネジ止め部、71・・ネジボス、72・・雌ネジ部、73・・円形凹部、80・・第1中間軸、81・・第2中間軸、84・・第1ギヤ、86・・第2ギヤ、88・・第1クラッチ、97・・第3ギヤ、98・・ボススリーブ、104・・第2クラッチ、109・・モード切替機構、116・・切替ツマミ、T・・駆動機構収容領域、B・・ビット。
Claims (10)
- ハウジング内に、
モータと、
前端にビットを装着して回転可能な筒状のツールホルダと、
前記ツールホルダの回転作動及び/又は前記ビットの打撃作動が可能な駆動機構と、
前記駆動機構に設けられ、前記モータの出力軸の回転を前記ビットの打撃作動に変換可能な回転変換部材と、
前記駆動機構を支持すると共に、前記ツールホルダを第1の軸受を介して支持し、前記出力軸を第2の軸受を介して支持するインナハウジングと、を有し、
前記インナハウジングは、前記第1の軸受を保持する前ハウジングと、前記前ハウジングと別体で形成されて前記第2の軸受を保持する後ハウジングとに分割されて、前記前ハウジングと前記後ハウジングとが前記ツールホルダの軸線方向に連結されることで形成され、
前記前ハウジングに、前記ハウジング内で前記インナハウジングの外側空間をシールするシール部材が設けられていることを特徴とするハンマドリル。 - 前記回転変換部材は、前記前ハウジング内に収容されていることを特徴とする請求項1に記載のハンマドリル。
- 前記シール部材は、前記回転変換部材よりも前方に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のハンマドリル。
- 前記シール部材は、前記第1の軸受の径方向外側に位置していることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のハンマドリル。
- 前記外側空間における前記回転変換部材の径方向外側に、空気流路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のハンマドリル。
- 前記前ハウジングは金属製であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のハンマドリル。
- 前記前ハウジングと前記後ハウジングとの連結面に、連結面シール部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のハンマドリル。
- 前記駆動機構は、前記ツールホルダの軸線方向と平行に2本の中間軸を有し、一方の前記中間軸が、前記出力軸の回転を前記ツールホルダに伝達すると共に、他方の前記中間軸が、前記出力軸の回転を前記回転変換部材を介して前記ビットの打撃作動に変換することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のハンマドリル。
- 前記前ハウジングの外面に、放熱フィンが形成されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のハンマドリル。
- 前記モータは、前記出力軸が前記ツールホルダの軸線方向に沿って延びる姿勢で配置されて、前記出力軸にファンが設けられ、前記ハウジングの前後何れか一方側に吸気口が、他方側に排気口が、それぞれ前記出力軸の軸線方向を挟んで対向するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のハンマドリル。
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US18/533,310 US20240100675A1 (en) | 2021-02-15 | 2023-12-08 | Hammer drill |
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