JP2022120537A - ヘアケア装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者が望む髪の仕上がりに導きやすいヘアケア装置を提供する。【解決手段】ヘアケア装置としてのヘアドライヤは、使用者の毛髪に熱を付与する熱付与部30と、毛髪に作用させる成分を生成する成分生成部40と、熱付与部30および成分生成部40の動作を制御する制御部80とを備える。成分生成部40は、イオンを生成するイオン生成部、酸性成分を生成する酸性成分生成部、および、帯電微粒子水を生成する帯電微粒子水生成部のうちの少なくとも1つである。制御部80は、成分生成部40で生成される成分の成分量を、使用者の髪特性に基づいて制御する。【選択図】図5

Description

本開示は、ヘアケア装置に関する。
従来、使用者の毛髪を単に乾燥させるだけではなく、使用者の毛髪に有効な成分をも付与させるヘアドライヤ等のヘアケア装置がある。特許文献1は、毛髪に有効な成分としてイオンを適用し、使用者の設定のほかに、使用時間に基づいて成分量を調整するヘアドライヤに関する技術を開示している。
特開2019-58484号公報
毛髪のうねりやくせ(くせ毛)の程度は、使用者ごとに異なる。したがって、特許文献1に開示されているヘアドライヤのように毛髪に有効な成分としてのイオン量を調整したとしても、使用者の毛髪のうねり等の程度によっては、有効に作用しないことも考えられる。つまり、特許文献1に開示されているヘアドライヤでは、毛髪のうねり等の髪特性に合わせた使用者が望む髪の仕上がりに必ずしもなるとは限らない。また、特許文献1に開示されているヘアドライヤでは、毛髪に有効な成分として示されているのはイオンのみである。
本開示は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本開示の目的は、使用者が望む髪の仕上がりに導きやすいヘアケア装置を提供することにある。
本開示の態様に係るヘアケア装置は、使用者の毛髪に熱を付与する熱付与部と、毛髪に作用させる成分を生成する成分生成部と、熱付与部および成分生成部の動作を制御する制御部と、を備え、成分生成部は、イオンを生成するイオン生成部、酸性成分を生成する酸性成分生成部、および、帯電微粒子水を生成する帯電微粒子水生成部のうちの少なくとも1つであり、制御部は、成分生成部で生成される成分の成分量を、使用者の髪特性に基づいて制御する。
本開示によれば、使用者が望む髪の仕上がりに導きやすいヘアケア装置を提供することができる。
第1実施形態に係るヘアドライヤの斜視図である。 第1実施形態に係るヘアドライヤの断面図である。 成分生成部として採用され得る成分発生装置を示す図である。 濡れ検知センサと照明部との各設置位置の関係を説明する図である。 第1実施形態に係るヘアドライヤの制御ブロック図である。 髪特性が毛髪のくせである場合の毛髪を例示する図である。 髪特性が毛髪のうねりである場合の毛髪を例示する図である。 毛髪のくせまたはうねりのレベルを例示する図である。 毛髪のうねりごとに設定される成分量を例示する表である。 毛髪のくせごとに設定される成分出力比率の第1例を示す図である。 毛髪のくせごとに設定される成分出力比率の第2例を示す図である。 部位ごとに設定される成分量を例示する表である。 帯電微粒子水の成分量とくせ検知との関係を示すチャートである。 亜鉛微粒子等の成分量とくせ検知との関係を示すチャートである。 水分等の成分量とくせ検知との関係を示すチャートである。 保湿成分等の成分量とくせ検知との関係を示すチャートである。 入力画面の第1例を示す図である。 出力画面の第1例を示す図である。 出力画面の第2例を示す図である。 出力画面の第3例を示す図である。 出力画面の第4例を示す図である。 入力画面の第2例を示す図である。 毛髪の部位ごとに成分量を変更する場合の設定例を示す表である。 うねり等基準での乾燥終了の判断工程を示すフローチャートである。 毛髪が濡れているか否かを判定するための原理を説明する表である。 毛髪が濡れているか否かを判定するときの基準を説明する表である。 帯電微粒子付与量と乾燥度との関係を示すチャートである。 化粧料付与量と乾燥度との関係を示すチャートである。 2種の化粧料付与量と乾燥度との関係を示すチャートである。 風量と乾燥度との関係を示すチャートである。 第2実施形態に係るヘアドライヤの第1例を示す図である。 第2実施形態に係るヘアドライヤの第2例を示す図である。 第2実施形態における制御工程を示すフローチャートである。 第2実施形態における制御工程を示すフローチャートである。 第2実施形態における制御工程による効果を説明するグラフである。 出力画面の第5例を示す図である。 第3実施形態に係るヘアドライヤを示す図である。
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るヘアケア装置としてのヘアドライヤ1を示す概略斜視図である。ヘアドライヤ1は、使用者に向けて温風を送る本体部10と、使用者が使用時に手で握る部分としての把持部20とを備える。図2は、送風方向に沿って本体部10と把持部20とを含むように切断したヘアドライヤ1の概略断面図である。
本体部10は、複数の分割体を継ぎ合わせた外壁をなすハウジング3を備える。ハウジング3の内部には、長手方向の一端部に設けられた吸引口10aから他端部に設けられた吐出口10bに至る送風流路4が形成されている。本体部10と把持部20とは、図2に示すように、連結部10cによって連結軸10dを基準として回動可能に連結されている。例えば、ヘアドライヤ1の未使用時には、把持部20は、送風方向に延びる本体部10の軸方向とおおよそ平行となるように、本体部10に対して折り畳まれる。把持部20において、連結部10cと反対側の端部からは、電源コード2が引き出されている。
ヘアドライヤ1は、まず、熱付与部30と、成分生成部40と、測定部50(図5参照)と、入力部71と、表示部73とを備える。
熱付与部30は、使用者の毛髪に熱を付与する。本実施形態では、熱付与部30は、使用者の毛髪に対して送る温風を生成する送風部である。熱付与部30は、例えば、ファン31と、モータ32と、加熱部33とを備える。ファン31は、送風流路4内の上流側に配置され、モータ32が駆動されることで回転する。ファン31が回転すると、外部から吸引口10aを介して送風流路4内に流入し、送風流路4内を通過して吐出口10bから外部に排出される空気流が形成される。加熱部33は、ファン31の下流側に配置され、ファン31から送られてきた空気流を加熱する。加熱部33が作動すると、ファン31によって形成された空気流が加熱されて、吐出口10bから温風が吹き出される。加熱部33は、例えば、帯状かつ波板状の電気抵抗体をハウジング3の内周に沿って巻回わされたヒータであってもよい。
成分生成部40は、使用者の毛髪に作用させる成分を生成する。ここで、毛髪に作用させる成分とは、使用者の少なくとも髪質に対して有効に作用し得る、いわゆる美容成分をいう。この成分としては、例えば、剤・有機物、マイナスイオン、金属微粒子または帯電微粒子水が挙げられる。剤・有機物は、例えば、保湿成分(保湿剤)、補修成分(補修剤)、コーティング成分(コーティング剤)またはトリートメント成分(トリートメント剤)である。保湿成分は、例えば、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、パンテノール、セラミド、ヒアルロン酸、はちみつまたは多糖類である。補修成分は、例えば、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、アミノ酸、毛髪保護タンパク、ポリペプチド、コレステロール、カチオン界面活性剤または有機酸である。コーティング成分は、例えば、シリコン、スクワランまたは油性成分である。トリートメント成分は、例えば、カチオン界面活性剤、アミノ酸、ポリペプチド、パンテノール、セラミドである。また、本実施形態において毛髪に有効に作用させる成分としての酸性成分は、例えば、クエン酸、コハク酸である。さらに、帯電微粒子水は、OHラジカルを含み、電気を帯びたナノサイズの水粒子である。本実施形態では、成分生成部40は、イオンを生成するイオン生成部、酸性成分を生成する酸性成分生成部、および、帯電微粒子水を生成する帯電微粒子水生成部のうちの少なくとも1つである。
図3は、成分生成部40として採用され得る各種の成分生成装置を示す概略図である。図3(a)は、作用させる成分を剤・有機物とする剤噴霧装置の一例としての第1静電霧化装置40aを示す図である。第1静電霧化装置40aは、ミスト噴霧器41aと、タンク41bと、ポンプ41cと、GND電極41dと、高圧回路41eと、ポンプ駆動回路41fとを備える。ミスト噴霧器41aは、剤・有機物としての液体を保持するように形成された放電部である。タンク41bは、剤・有機物としての例えば高分子を含む水溶液を収容する。ポンプ41cは、タンク41bとミスト噴霧器41aとを接続する配管に設置され、タンク41b内に収容されている高分子水溶液をミスト噴霧器41aに送る。高圧回路41eは、ミスト噴霧器41aに高電圧(HV)を印加する。ポンプ駆動回路41fは、ポンプ41cに駆動を制御する。高圧回路41eおよびポンプ駆動回路41fは、以下で詳説する制御部80内の成分量制御部84(図5参照)により制御される。ミスト噴霧器41aとGND電極41dとの間に高電圧が印加されると、コロナ放電等が生じ、この放電作用によって高分子を含む剤ミストが生成される。なお、作用させる成分を剤・有機物とする剤噴霧装置は、第1静電霧化装置40aのような静電霧化装置に限らず、超音波霧化装置や遠心ポンプなどであってもよい。
図3(b)は、作用させる成分をマイナスイオンや金属微粒子とする成分生成装置の一例としての第2静電霧化装置40bを示す図である。第2静電霧化装置40bは、放電部42aと、GND電極42bと、高圧回路42cとを備える。高圧回路42cは、第1静電霧化装置40aの構成と同様に、成分量制御部84により制御される。放電部42aとGND電極41dとの間に高電圧が印加されると、例えば、コロナ放電等が生じ、この放電作用によって、空気中の水分を基として負の電荷を帯びたマイナスイオンが生成される。この場合、第2静電霧化装置40bが、本実施形態におけるイオン生成部である。
図3(c)は、作用させる成分を帯電微粒子水とする成分生成装置の一例としての第3静電霧化装置40cを示す図である。第3静電霧化装置40cは、放電部43aと、結露部としてのペルチェ素子43bと、GND電極43cと、高圧回路43dとを備える。高圧回路43dは、第1静電霧化装置40aの構成と同様に、成分量制御部84により制御される。放電部43aとGND電極43cとの間に高電圧が印加されると、コロナ放電等が生じ、この放電作用によって空気中の水分を基とした帯電微粒子水が生成される。この場合、第3静電霧化装置40cが、本実施形態における帯電微粒子水生成部である。
例えば、本実施形態における成分生成部40が第3静電霧化装置40cである場合、本体部10のハウジング3の内部には、図2に示すように、送風流路4と並行に延びる分岐路10eを形成する仕切板3aが設置される。送風流路4は、加熱部33を経由する空気流を流通させるのに対して、分岐路10eは、加熱部33を経由しない空気流を流通させる。そして、第3静電霧化装置40cは、分岐路10e内に設置される。また、本体部10の一部で例えば乾燥操作時に毛髪Hと対向する前面部10gは、成分吐出口10fを有する。成分吐出口10fは、分岐路10eと連通し、成分生成部40で生成された成分を外部に吐出する。なお、成分生成部40は、第1静電霧化装置40a、第2静電霧化装置40bおよび第3静電霧化装置40cの少なくともいずれかであればよい。つまり、成分生成部40は、付与する成分ごとに複数備えられてもよい。
測定部50(図5参照)は、使用者の毛髪を測定または撮影し、信号処理された情報を制御部80に送信する。本実施形態では、測定部50は、使用者の毛髪を測定する構成を採用する。この場合、測定部50は、濡れ検知部60と、照明部72と、信号処理部90(図5参照)とを有する。
濡れ検知部60は、使用者の毛髪の濡れに関する情報を得るために参照し得るパラメータを検知する。本実施形態では、濡れ検知部60は、少なくとも水の吸収波長(1450nm等)を髪測定値とする濡れ検知センサ60aである。濡れ検知センサ60aは、具体的にはフォトダイオードであってもよい。照明部72は、例えばフォトダイオードである濡れ検知センサ60aと対をなす構成要素であり、少なくとも水の吸収波長の光を照射する。なお、信号処理部90については、以下の制御部80に関する事項と併せて説明する。
図4は、濡れ検知センサ60aと照明部72との各設置位置の関係について説明するための概略図である。濡れ検知センサ60aと照明部72との各設置位置については、図1および図2に示す場合は一例であり、具体的には、図4に示すような複数の例が考えられる。照明部72が光の照射部であるのに対して、濡れ検知センサ60aは、照明部72から照射され、その後、使用者の毛髪Hで反射された光を受ける受光部である。濡れ検知センサ60aおよび照明部72は、前面部10g、または、吐出口10bに取り付けられるノズル部14(図4(b),(c)参照)に設置される。
図4(a)は、濡れ検知センサ60aおよび照明部72の第1の設置例に関する図である。第1の設置例では、濡れ検知センサ60aと照明部72とが1つずつある。濡れ検知センサ60aは、前面部10gの一部に設置される。照明部72は、吐出口10bを挟んで濡れ検知センサ60aとは反対側の前面部10gの一部に設置される。この場合、濡れ検知センサ60aと照明部72とは、吐出口10bの開口径以上に離間することになるため、光の入射角および反射角が大きい。
図4(b)は、濡れ検知センサ60aおよび照明部72の第2の設置例に関する図である。第2の設置例では、濡れ検知センサ60aは1つであるが、照明部72は複数ある。濡れ検知センサ60aは、吐出口10bのおおよそ中心に位置するようにノズル部14に設置される。照明部72は、例えば4つあり、前面部10gに互いに等間隔に設置される。この場合、濡れ検知センサ60aと照明部72とは、ある程度離間するので、光の入射角および反射角をある程度の大きさに確保しつつ、光の照射量を増やすことができる。
図4(c)は、濡れ検知センサ60aおよび照明部72の第3の設置例に関する図である。第3の設置例では、濡れ検知センサ60aと照明部72とは、ノズル部14に1つずつ設置される。この場合、濡れ検知センサ60aと照明部72とは、比較的近接することになるため、光の入射角および反射角が小さい。
以下、本実施形態では、一例として、濡れ検知センサ60aおよび照明部72が図4(b)に示す第2の設置例に基づいて設置されるものとして説明する。
入力部71は、使用者の毛髪についての特性(以下「髪特性」という)に関する情報を使用者が入力する。ここで、髪特性とは、使用者の毛髪のうねり、または、毛髪のくせ(くせ毛)をいう。図1に示す例では、入力部71は、それぞれハウジング3に設置された、毛髪うねり入力部71aおよび毛髪くせ入力部71bの2つの入力ボタンである。なお、入力部71は、その他、風量や風温等を使用者の好みにより簡易的に切り替えるボタンを含んでもよい。
表示部73は、ハウジング3に設置された例えばタッチパネル式の表示画面であり、使用者が情報を入力する入力画面、または、使用者に対して情報を表示する出力画面として機能する。なお、入力画面または出力画面として機能するときの状態については、以下で詳説する。また、表示部73が入力画面として機能する場合には、入力部71が行う機能を表示部73が代替することで、入力部71を不要とする場合もあり得る。
また、ヘアドライヤ1は、室温センサ61と、湿度センサ62と、毛髪検知部63と、部位検知部64とを備える。
室温センサ61は、ヘアドライヤ1が使用されている室内の温度を測定するためのセンサである。室温センサ61は、ハウジング3の内部に設置される。室温センサ61からの出力信号は、制御部80に送信される。
湿度センサ62は、ヘアドライヤ1が使用されている室内の湿度を測定するためのセンサである。室温センサ61は、ハウジング3の内部に設置される。湿度センサ62からの出力信号は、制御部80に送信される。
毛髪検知部63は、使用者に毛髪があるかを検知する。毛髪検知部63は、例えば、レーザー距離計、ToF(Time of Flight)カメラであり、前面部10gの一部に設置される。毛髪検知部63からの出力信号は、制御部80に送信される。
部位検知部64は、使用者の毛髪に熱が付与される部位、または、使用者の毛髪に上記例示した成分が付与させる部位を検出する。部位検知部64は、ヘアドライヤ1の位置または姿勢を検出する少なくとも1軸の姿勢検出部(姿勢センサ)、または、使用者の毛髪または肌(顔)までの距離を測定する距離測定部(距離センサ)であってもよい。ここで、部位検知部64が距離計測部である場合には、前面部10gの一部に設置される。一方、部位検知部64が姿勢検出部である場合には、前面部10gへの設置に限定されず、ハウジング3の内部に設置されてもよい。部位検知部64からの出力信号は、制御部80に送信される。
図5は、ヘアドライヤ1の制御ブロック図である。制御部80は、ヘアドライヤ1の動作全般を制御するものであり、少なくとも、測定部50から得られた髪測定値に基づいて熱付与部30および成分生成部40の動作を制御する。制御部80は、例えば、把持部20のハウジング20aの内部に設置される。
制御部80は、まず、髪特性認識部81と、テーブル生成部82と、付与量演算部83と、成分量制御部84と、熱量制御部85とを有する。髪特性認識部81、テーブル生成部82、付与量演算部83、成分量制御部84および熱量制御部85は、使用者の髪特性に基づいて成分付与量や熱付与量を決定するためのブロック群である。
髪特性認識部81は、測定部50から得られた髪測定値に基づいて、使用者の髪特性を分類する。
テーブル生成部82は、成分生成部40で生成される成分の成分量と、熱付与部30から付与される熱量とを設定し、これらの設定値をテーブルとして管理する。テーブル生成部82では、成分量や熱量は、髪特性認識部81で分類された髪特性ごとに設定される。
付与量演算部83は、テーブル生成部82で設定された成分量または熱量に基づいて、成分生成部40が毛髪に与える成分付与量、または、熱付与部30が毛髪に与える熱付与量を算出する。本実施形態では、付与量演算部83は、以下の2種類の演算を実行し得る。第1に、付与量演算部83は、髪特性認識部81で分類された毛髪の全体の髪特性と、テーブル生成部82で設定された成分量とに基づいて、使用者ごとに成分付与量を算出する。第2に、付与量演算部83は、髪特性認識部81で分類された毛髪の部位ごとの髪特性と、テーブル生成部82で設定された成分量とに基づいて、毛髪の部位ごとに成分付与量または熱付与量を算出する。
成分量制御部84は、付与量演算部83から送信された成分付与量に基づいて、成分生成部40の動作、すなわち、成分生成部40で生成される成分の成分量を制御する。
熱量制御部85は、付与量演算部83から送信された熱付与量に基づいて、熱付与部30の動作、すなわち、熱付与部30から付与される熱量を制御する。
また、制御部80は、濡れ演算部86と、乾燥推定演算部87とを有する。濡れ演算部86および乾燥推定演算部87は、使用者の毛髪の乾燥状態を成分付与量や熱付与量に反映させるためのブロック群である。
濡れ演算部86は、測定部50から得られた髪測定値に基づいて、使用者の毛髪の濡れに関する濡れ情報を算出する。ここで、濡れ情報は、例えば、測定部50における濡れ検知部60が濡れ検知センサ60aである場合、濡れ検知センサ60aからの信号強度に基づいて算出される吸光度である。
乾燥推定演算部87は、濡れ演算部86が算出した濡れ情報に基づいて、使用者の毛髪の乾燥度を推定する。濡れ情報が吸光度である場合、乾燥推定演算部87は、吸光度の変化に基づいて乾燥度を推定する。乾燥推定演算部87では、吸光度の変化に応じて、例えば、毛髪へ成分や熱を付与した累積時間(時間減算)、毛髪がなびき状態となっている累積時間(時間加算)、または、肌(顔)へ成分や熱を付与した累積時間(時間加算)などが適宜参照される。乾燥推定演算部87で推定された乾燥度は、付与量演算部83を介して成分量制御部84での成分付与量または熱量制御部85での熱付与量に反映される。つまり、各種の累積時間が反映された乾燥度ごとに、成分付与量または熱付与量が補正される。
また、制御部80は、部位演算部91と、初期位置決定部92と、累積演算部88とを有する。部位演算部91、初期位置決定部92および累積演算部88は、成分や熱が付与される使用者の毛髪の部位を特定するためのブロック群である。
部位演算部91は、部位検知部64が検出した情報と、初期位置決定部92が決定した初期位置とに基づいて、熱付与部30からの熱が付与されている、または、成分生成部40からの成分が付与されている毛髪もしくは肌の部位を推定する。
初期位置決定部92は、ヘアドライヤ1の初期位置を決定し、部位演算部91に送信する。
累積演算部88は、部位検知部64により検出された部位ごとに、熱付与部30により付与されて毛髪に累積された累積熱量、または、成分生成部40により付与されて毛髪に累積された累積成分量を演算する。この場合、熱量制御部85は、累積演算部88で算出された累積熱量に基づいて、熱付与部30に熱量を調整させる。具体的には、熱量制御部85は、累積演算部88で算出された累積熱量に係るデータを用いて熱付与量を補正し、熱付与部30の動作を制御する。一方、成分量制御部84は、累積演算部88で演算された累積成分量に基づいて成分生成部40に成分量を調整させる。具体的には、成分量制御部84は、累積演算部88で算出された累積成分量に係るデータを用いて成分付与量を補正し、成分生成部40の動作を制御する。
さらに、制御部80は、測定部50に含まれる信号処理部90と電気的に接続される。信号処理部90は、照明部72による光の照射を制御するとともに、濡れ検知センサ60aである濡れ検知部60の出力を処理し、濡れ演算部86に信号強度として送信する。また、信号処理部90は、髪特性認識部81に、濡れ検知部60の出力を信号強度として送信してもよい。この場合、髪特性認識部81は、信号処理部90から送信された信号強度に基づいて使用者の髪特性を分類することができる。
また、ヘアドライヤ1は、電源スイッチ76を備える。電源スイッチ76は、例えば、把持部20のハウジング20aに設置される。使用者が電源スイッチ76を操作して電源をONにすると、把持部20の端部から延びる電源コード2を介してヘアドライヤ1の各部に給電される。また、電源スイッチ76は、熱付与部30による温風と冷風との切り替えや風量の切り替えなども操作することができる。
さらに、ヘアドライヤ1は、送受信部74と、記憶部75とを備えてもよい。
送受信部74は、制御部80からの指令に従い、ヘアドライヤ1の外部にある通信機器に対して信号を送信する、または、ヘアドライヤ1の外部にある通信機器から送信された信号を受信する。ここで、外部の通信機器は、例えば、図2に示すような携帯端末装置100であってもよい。携帯端末装置100は、端末表示部101と、端末撮影部102と、端末通信部103とを備える。端末表示部101は、画像101aを表示するタッチパネル式の画面である。端末表示部101は、使用者に対して情報を表示する出力画面であるとともに、使用者が触れることで情報を指示または入力する入力画面である。端末通信部103は、少なくとも、ヘアドライヤ1の送受信部74との間で送受信を行う。
記憶部75は、制御部80との間で各種のデータの受け渡しを行い、それらのデータを記憶する情報記憶媒体である。情報記憶媒体の種類は、特に限定されるものではない。
次に、ヘアドライヤ1の動作について説明する。
ヘアドライヤ1の基本動作として、使用者が把持部20を把持しながら電源スイッチ76を操作して電源をONにすると、熱付与部30が動作する。具体的には、給電によってモータ32が駆動してファン31が回転することで、吸引口10aから送風流路4内に空気が取り込まれる。併せて、加熱部33が発熱することで、ファン31から送られてくる空気が加熱される。加熱された空気は、温風となって吐出口10bから吐出される。また、ヘアドライヤ1は、使用者が入力部71を適宜操作することで、成分生成部40に毛髪に有効な成分を生成させ、成分吐出口10fから吐出させる。
さらに、ヘアドライヤ1は、使用者の髪特性に合わせて、毛髪に付与する成分付与量を自動で最適化する。以下、この成分付与量の最適化について具体的に説明する。
まず、本実施形態において想定されている髪特性の例について説明する。
図6は、使用者Uの髪特性が毛髪Hのくせである場合の毛髪Hを例示する概略図である。図6(a)は、髪型がロングのストレートであり、かつ、くせがない場合の毛髪Hを示す。図6(b)は、髪型がショートのストレートであり、かつ、くせがない場合の毛髪Hを示す。図6(c)は、毛先にくせがある場合の毛髪Hを示す。図6(d)は、全体としてくせがある場合の毛髪Hを示す。
図7は、使用者Uの髪特性が毛髪Hのうねりである場合の毛髪Hを例示する概略図である。図7(a)は、毛髪Hにうねりがない場合の毛髪Hを示す。図7(b)は、毛髪Hにうねりがある場合の毛髪Hを示す。
図8は、毛髪Hのくせまたはうねりのレベルを例示する概略図である。図8(a)は、毛髪Hにくせまたはうねりがない、いわゆる直毛の場合の毛髪Hを示す。図8(b)は、くせまたはうねりがあり、そのレベルが弱い場合の毛髪Hを示す。図8(c)は、くせまたはうねりがあり、そのレベルが中間である場合の毛髪Hを示す。図8(d)は、くせまたはうねりがあり、そのレベルが強い場合の毛髪Hを示す。
髪特性認識部81は、例えば、測定部50における濡れ検知部60を用いて図6から図8までに例示した各々の髪特性の種類やレベルを判別することで、使用者Uの髪特性を分類することができる。
次に、髪特性認識部81で分類された髪特性ごとにテーブル生成部82が設定する成分量の例について説明する。
図9は、使用者の毛髪のうねり(くせ)ごと、かつ、毛髪状態ごとに設定される成分量の例を示す表である。ここで、使用者の毛髪のうねりは、一例として、図8に示した4つのレベルに分類されるものとする。また、毛髪状態とは、毛髪ごとに検知された状態としての髪質であり、具体的には、毛髪ダメージ、アルカリ性毛髪、キューティクル剥がれ、毛髪が濡れたときの吸水量の増加、および、毛髪が乾燥した後の保水量の低下である。
図9(a)は、毛髪状態が毛髪ダメージ、アルカリ性毛髪、キューティクル剥がれ、または、濡れたときの吸水量の増加である場合についての表である。まず、ヘアドライヤ1が、使用者の毛髪ダメージを修復するための成分として補修剤を付与することができ、かつ、制御部80は、毛髪にダメージが多いと判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪が直毛である場合には、補修剤をデフォルトの成分量よりも減少させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。また、制御部80は、うねりのレベルが弱い場合または中間の場合には、補修剤をデフォルトの成分量を変更させずに付与するよう、成分生成部40を制御させる。さらに、制御部80は、うねりのレベルが強い場合には、補修剤をデフォルトの成分量よりも増加させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。
また、ヘアドライヤ1が、使用者のアルカリ性毛髪を修復するための成分として帯電微粒子水を付与することができ、かつ、制御部80は、使用者の毛髪がアルカリ性毛髪であると判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪のうねりのレベルごとに、毛髪にダメージがあって補修剤を付与する場合と同様に成分生成部40を制御してよい。
また、ヘアドライヤ1が、使用者の毛髪に生じたキューティクル剥がれを修復するための成分として亜鉛微粒子(金属微粒子)を付与することができ、かつ、制御部80は、キューティクル剥がれが生じていると判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪のうねりのレベルごとに、毛髪にダメージがあって補修剤を付与する場合と同様に成分生成部40を制御してよい。
さらに、ヘアドライヤ1が、帯電微粒子水を付与することができ、かつ、制御部80は、使用者の毛髪が濡れたときの吸水量が増加したと判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪のうねりのレベルごとに、毛髪にダメージがあって補修剤を付与する場合と同様に成分生成部40を制御してよい。
図9(b)は、毛髪状態が、毛髪が乾燥した後の保水量の低下である場合についての表である。まず、ヘアドライヤ1が、保水量の低下を補うための成分としてトリートメント剤を付与することができ、かつ、制御部80は、毛髪が乾燥した後の保水量が低下していると判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪が直毛である場合には、トリートメント剤をデフォルトの成分量よりも減少させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。また、制御部80は、うねりのレベルが弱い場合または中間の場合には、トリートメント剤をデフォルトの成分量を変更させずに付与するよう、成分生成部40を制御させる。さらに、制御部80は、うねりのレベルが強い場合には、トリートメント剤をデフォルトの成分量よりも増加させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。
また、ヘアドライヤ1が、保水量の低下を補うための成分として保湿成分を付与することができ、かつ、制御部80は、毛髪が乾燥した後の保水量が低下していると判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪が直毛である場合には、保湿成分をデフォルトの成分量を変更させずに付与するよう、成分生成部40を制御させる。また、制御部80は、うねりのレベルが弱い場合、中間の場合または強い場合には、保湿成分をデフォルトの成分量よりも増加させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。
また、ヘアドライヤ1が、保水量の低下を補うための成分としてコーティング剤を付与することができ、かつ、制御部80は、毛髪が乾燥した後の保水量が低下していると判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪が直毛である場合、または、うねりのレベルが弱いには、コーティング剤をデフォルトの成分量よりも減少させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。また、制御部80は、うねりのレベルが中間の場合または強い場合には、コーティング剤をデフォルトの成分量を変更させずに付与するよう、成分生成部40を制御させる。
さらに、ヘアドライヤ1が、保水量の低下を補うための成分として帯電微粒子水を付与することができ、かつ、制御部80は、毛髪が乾燥した後の保水量が低下していると判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪のうねりのレベルごとに、保湿成分を付与する場合と同様に成分生成部40を制御してよい。
図10は、毛髪に付与される成分の種類に対して、毛髪のくせごとに設定される成分出力比率の第1例を示す図である。図10(a)は、成分出力比率(%)の第1例をまとめた表である。図10(b)は、成分出力比率(%)の第1例をまとめたグラフである。帯電微粒子水は、毛髪に水分を与えることができるので、くせのレベルが直毛から強くなるにつれて成分量を増やしてもよい。亜鉛微粒子は、毛髪のキューティクルの密着性を上げることができるので、くせのレベルが直毛から強くなるにつれて成分量を増やしてもよい。マイナスイオンは、毛髪に負電荷を与えることができるので、くせのレベルが直毛から強くなるにつれて成分量を減らしてもよい。
図11は、毛髪に付与される成分の種類に対して、毛髪のくせごとに設定される成分出力比率の第2例を示す図である。図11(a)は、成分出力比率(%)の第2例をまとめた表である。図11(b)は、成分出力比率(%)の第2例をまとめたグラフである。水分は、毛髪に水分を与えることができるので、くせのレベルが直毛から強くなるにつれて成分量を減らしてもよい。保湿成分は、毛髪の保湿性を上げることができるので、くせのレベルが直毛から強くなるにつれて成分量を増やしてもよい。補修成分は、毛髪のダメージを補修することができるので、くせのレベルが直毛から強くなるにつれて成分量を増やしてもよい。コーティング成分は、毛髪における水分の出入りを抑制することができるので、くせのレベルが直毛から強くなるにつれて成分量を増やしてもよい。
図12は、使用者の毛髪の部位ごと、かつ、髪特性ごとに設定される成分量の例を示す表である。ここで、使用者の毛髪の部位は、一例として、根元、中間および毛先の3つの部位に分類されるものとする。また、毛髪状態は、図9で示したものと同一である。
図12(a)は、毛髪状態が毛髪ダメージ、アルカリ性毛髪、キューティクル剥がれ、または、濡れたときの吸水量の増加である場合についての表である。まず、ヘアドライヤ1が、使用者の毛髪ダメージを修復するための成分として補修剤を付与することができ、かつ、制御部80は、毛髪にダメージが多いと判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪の根元に対しては、補修剤をデフォルトの成分量よりも減少させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。また、制御部80は、毛髪の中間に対しては、補修剤をデフォルトの成分量を変更させずに付与するよう、成分生成部40を制御させる。さらに、制御部80は、毛髪の毛先に対しては、補修剤をデフォルトの成分量よりも増加させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。
また、ヘアドライヤ1が、使用者のアルカリ性毛髪を修復するための成分として帯電微粒子水を付与することができ、かつ、制御部80は、使用者の毛髪がアルカリ性毛髪であると判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪の根元に対しては、帯電微粒子水をデフォルトの成分量よりも減少させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。また、制御部80は、毛髪の中間に対しては、帯電微粒子水をデフォルトの成分量を変更させずに付与するよう、成分生成部40を制御させる。さらに、制御部80は、毛髪の毛先に対しては、帯電微粒子水をデフォルトの成分量よりも増加させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。
また、ヘアドライヤ1が、使用者の毛髪に生じたキューティクル剥がれを修復するための成分として亜鉛微粒子(金属微粒子)を付与することができ、かつ、制御部80は、キューティクル剥がれが生じていると判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪の根元に対しては、亜鉛微粒子をデフォルトの成分量よりも減少させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。また、制御部80は、毛髪の中間に対しては、亜鉛微粒子をデフォルトの成分量を変更させずに付与するよう、成分生成部40を制御させる。さらに、制御部80は、毛髪の毛先に対しては、亜鉛微粒子をデフォルトの成分量よりも増加させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。
さらに、ヘアドライヤ1が、帯電微粒子水を付与することができ、かつ、制御部80は、使用者の毛髪が濡れたときの吸水量が増加したと判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪の根元に対しては、帯電微粒子水をデフォルトの成分量を変更させずに付与するよう、成分生成部40を制御させる。また、制御部80は、毛髪の中間および毛先に対しては、帯電微粒子水をデフォルトの成分量よりも増加させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。
図12(b)は、毛髪状態が、毛髪が乾燥した後の保水量の低下である場合についての表である。まず、ヘアドライヤ1が、保水量の低下を補うための成分としてトリートメント剤を付与することができ、かつ、制御部80は、毛髪が乾燥した後の保水量が低下していると判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪の根元に対しては、トリートメント剤をデフォルトの成分量よりも減少させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。また、制御部80は、毛髪の中間に対しては、トリートメント剤をデフォルトの成分量を変更させずに付与するよう、成分生成部40を制御させる。さらに、制御部80は、毛髪の毛先に対しては、トリートメント剤をデフォルトの成分量よりも増加させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。
また、ヘアドライヤ1が、保水量の低下を補うための成分として保湿成分を付与することができ、かつ、制御部80は、毛髪が乾燥した後の保水量が低下していると判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪の根元に対しては、保湿成分をデフォルトの成分量を変更させずに付与するよう、成分生成部40を制御させる。また、制御部80は、毛髪の中間および毛先に対しては、保湿成分をデフォルトの成分量よりも増加させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。
また、ヘアドライヤ1が、保水量の低下を補うための成分としてコーティング剤を付与することができ、かつ、制御部80は、毛髪が乾燥した後の保水量が低下していると判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪の根元および中間に対しては、コーティング剤をデフォルトの成分量よりも減少させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。また、制御部80は、毛髪の毛先に対しては、コーティング剤をデフォルトの成分量を変更させずに付与するよう、成分生成部40を制御させる。
さらに、ヘアドライヤ1が、保水量の低下を補うための成分として帯電微粒子水を付与することができ、かつ、制御部80は、毛髪が乾燥した後の保水量が低下していると判断した場合を想定する。このとき、制御部80は、毛髪の根元に対しては、帯電微粒子水をデフォルトの成分量を変更させずに付与するよう、成分生成部40を制御させる。また、制御部80は、毛髪の中間および毛先に対しては、帯電微粒子水をデフォルトの成分量よりも増加させて付与するよう、成分生成部40を制御させる。
次に、乾燥時間を時系列とした、成分生成部40が付与する成分量の変位の例について説明する。
図13は、帯電微粒子水の成分量と、使用者の毛髪に生じているくせが検知されたタイミングとの関係を示すタイミングチャートである。横軸は、乾燥時間である。この乾燥時間中、くせが検知されたタイミングを「T」と表記している。縦軸は、毛髪に付与される帯電微粒子水の成分量(%)である。制御部80は、乾燥動作中、例えば部位検知部64や濡れ検知部60の出力信号に基づいて、毛髪の部位ごとにくせの有無を判断する。制御部80は、第1タイミングT1でくせを検知したら、成分量をデフォルトから所望の成分量まで増加させた後、増加させたときよりも緩やかに減少させてデフォルトに戻すよう、成分量制御部84を制御する。帯電微粒子水の成分量のデフォルトは、35%程度であってもよい。帯電微粒子水の最大付与時の成分量は、90%程度であってもよい。その後、制御部80は、第2タイミングT2でくせを検知した場合には、第1タイミングT1での場合と同様の制御を成分量制御部84に実行させる。第2タイミングT2に起因して成分量が一旦増加され、デフォルトに戻す途中で第3タイミングT3が発生した場合には、制御部80は、成分量がデフォルトに戻る前に、成分量を再度増加させるよう、成分量制御部84を制御させてもよい。
図14は、亜鉛微粒子およびマイナスイオンの成分量と、使用者の毛髪に生じているくせが検知されたタイミングとの関係を示すタイミングチャートである。図14における縦軸、横軸およびタイミングTについては、図13と同様である。まず、成分が亜鉛微粒子である場合、制御部80は、図13に示した帯電微粒子水を付与する場合と同様に成分量を調整させてもよい。亜鉛微粒子の成分量のデフォルトは、35%程度であってもよい。亜鉛微粒子の最大付与時の成分量は、90%程度であってもよい。一方、成分がマイナスイオンである場合、制御部80は、第1タイミングT1でくせを検知したら、成分量をデフォルトから所望の成分量まで減少させた後、減少させたときよりも緩やかに増加させてデフォルトに戻すよう、成分量制御部84を制御する。マイナスイオンの成分量のデフォルトは、75%程度であってもよい。マイナスイオンの最小付与時の成分量は、20%程度であってもよい。その後、制御部80は、第2タイミングT2でくせを検知した場合には、第1タイミングT1での場合と同様の制御を成分量制御部84に実行させる。第2タイミングT2に起因して成分量が一旦減少され、デフォルトに戻す途中で第3タイミングT3が発生した場合には、制御部80は、成分量がデフォルトに戻る前に、成分量を再度減少させるよう、成分量制御部84を制御させてもよい。
図15は、水分および保湿成分の成分量と、使用者の毛髪に生じているくせが検知されたタイミングとの関係を示すタイミングチャートである。図15における縦軸、横軸およびタイミングTについては、図13と同様である。まず、成分が水分である場合、制御部80は、図14に示したマイナスイオンを付与する場合と同様に成分量を調整させてもよい。水分の成分量のデフォルトは、100%であってもよい。水分の最小付与時の成分量は、70%程度であってもよい。一方、成分が保湿成分である場合、制御部80は、図13に示した帯電微粒子水を付与する場合と同様に成分量を調整させてもよい。保湿成分の成分量のデフォルトは、25%程度であってもよい。保湿成分の最大付与時の成分量は、75%程度であってもよい。
図16は、補修成分およびコーティング成分の成分量と、使用者の毛髪に生じているくせが検知されたタイミングとの関係を示すタイミングチャートである。図16における縦軸、横軸およびタイミングTについては、図13と同様である。成分が補修成分である場合およびコーティング成分である場合ともに、制御部80は、図13に示した帯電微粒子水を付与する場合と同様に成分量を調整させてもよい。補修成分の成分量のデフォルトは、40%程度であってもよい。補修成分の最大付与時の成分量は、80%程度であってもよい。一方、コーティング成分の成分量のデフォルトは、30%程度であってもよい。コーティング成分の最大付与時の成分量は、70%程度であってもよい。
次に、使用者が情報を入力する入力画面、および、使用者に対して情報を表示する出力画面について説明する。本実施形態では、本体部10のハウジング3に表示部73が設置されている。したがって、入力画面および出力画面は、表示部73に表示されてもよい。一方で、ヘアドライヤ1が携帯端末装置100との間で各種情報を送受信する送受信部74を備える場合には、表示部73に代えて、携帯端末装置100の端末表示部101に入力画面および出力画面を表示してもよい。つまり、ヘアドライヤ1は、送受信部74を備えるならば、表示部73を備えなくてもよい場合もあり得る。以下の説明では、携帯端末装置100の端末表示部101に入力画面および出力画面が表示される場合を例示する。
図17は、端末表示部101(または表示部73)に表示される入力画面の第1例を示す概略図である。図17(a)は、第1例に係る第1入力画面を示す。第1入力画面に表示される画像101aは、使用者の前面の髪型の略図であって、かつ、上下および左右に分割された分割画像である。第1入力画面では、使用者の後面の髪型の略図も併せて表示されている。図17(b)は、第1例の第2入力画面を示す。第2入力画面に表示される画像101aは、使用者の側面の髪型の略図であって、かつ、前後に分割された分割画像である。図17(c)は、第1例の第3入力画面を示す。第3入力画面では、第1および第2入力画面に表示された分割画面の各々の領域ごとに、何らかの項目の設定を使用者が変更するためのレベル調整画面が表示されている。
図18は、端末表示部101(または表示部73)に表示される出力画面の第1例を示す概略図である。第1例の出力画面は、ヘアドライヤ1が毛髪を乾燥させている間または毛髪に成分を付与させている間に関するリアルタイムでの各種状態を表示する。図18(a)は、毛髪の中間を乾燥させている時点での出力画面である。図18(b)は、毛髪の根元を乾燥させている時点での出力画面である。第1例の出力画面での表示項目は、例えば、それぞれ現時点での、乾燥させている毛髪の部位、乾燥中の部位の温度(ドライ中の部分の温度)、毛髪中の水分量、および、付与されている成分量である。ここでの例では、成分量として、帯電微粒子水およびマイナスイオンが表示されている。図18に示すように、乾燥させている毛髪の部位は、毛髪の略図に対してヘアドライヤの略図を表示することで、使用者に対して視覚的に部位を明示してもよい。また、水分量や成分量についても、数値に加えて例えば円グラフを表示することで、使用者に対して視覚的に部位を明示してもよい。
図19は、端末表示部101(または表示部73)に表示される出力画面の第2例を示す概略図である。第2例の出力画面は、ヘアドライヤ1が毛髪の少なくとも一部を乾燥させた後または毛髪の少なくとも一部に成分を付与させた後に関する非リアルタイムでの各種状態を表示する。図19に示すように、使用者がヘアドライヤ1を使用した結果として、その使用者の毛髪に対して有効な成分量を表示してもよい。ここでの例では、帯電微粒子水およびマイナスイオンの成分量を表示している。
図20は、端末表示部101(または表示部73)に表示される出力画面の第3例を示す概略図である。第3例の出力画面は、第2例の出力画面と同様に、非リアルタイムでの各種状態を表示する。また、第3例の出力画面は、使用者の毛髪の部位ごとの成分量を表示するとともに、毛髪の部位と当該部位ごとの成分量とを、使用者が変更することができるように表示する。第3例の出力画面では、まず、3種類のタップ領域を付した使用者の毛髪の略図が表示される。第1タップ領域101bは、毛髪の根元の部位に対応している。第2タップ領域101cは、毛髪の中間の部位に対応している。第3タップ領域101dは、毛髪の毛先の部位に対応している。また、第3例の出力画面では、現時点での成分量が、数値に加えて例えば円グラフで表示される。例えば、第1円グラフ101eは、帯電微粒子水の成分量を示す。第2円グラフ101fは、マイナスイオンの成分量を示す。図20(a)は、一例として、使用者が以後のヘアドライヤ1の動作により成分量を変更したい毛髪の部位として中間を選択した状態を示す。この場合、使用者は、第3の出力画面において第2タップ領域101cをタップすることで、中間を選択することができる。図20(b)は、一例として、使用者が以後のヘアドライヤ1の動作により成分量を変更したいときに新たに設定する成分量を入力した状態を示す。使用者は、第3の出力画面において第1円グラフ101eおよび第2円グラフ101fをタップしながら表示値を変更することで、所望の成分量を設定することができる。
図21は、端末表示部101(または表示部73)に表示される出力画面の第4例を示す概略図である。第4例の出力画面は、第3例の出力画面と同様に、非リアルタイムでの各種状態を表示する。図20に示した第3例の出力画面では、第1タップ領域101b、第2タップ領域101cまたは第3タップ領域101dのいずれかの領域がタップされたときに、その領域に対応した部位での成分量が表示される。これに対して、第4例の出力画面では、毛髪の部位ごとの成分量が一括して表示され、かつ、使用者がヘアドライヤ1により熱または成分を付与すべき部位の順番を数字で表示する。使用者は、第1タップ領域101b、第2タップ領域101cおよび第3タップ領域101dの各々に付された数字の順番に沿って熱または成分を付与するようにヘアドライヤ1を動かすことで、所望の成分を効率よく付与させることができる。
図22は、端末表示部101(または表示部73)に表示される入力画面の第2例を示す概略図である。第2例の入力画面は、使用者に対して毛髪の部位ごとに付与させる成分を変更させる場合に対応している。図22(a)は、第2例の第1入力画面を示す。第1入力画面に表示される画像101aは、使用者の前面の髪型の略図であって、かつ、上下に根元、中間および毛先と3つに分割された分割画像である。第1入力画面では、使用者の後面の髪型の略図も併せて表示されている。図22(b)は、第2例の第2入力画面を示す。第2入力画面では、第1入力画面に表示された分割画面の各々の領域ごとに、帯電微粒子水の設定を使用者が変更するためのレベル調整画面が表示されている。使用者は、帯電微粒子水について、制御部80が設定した成分量ではなく、自身の所望の成分量に変更したい場合、まず、第1入力画面には、画像101aとして、毛髪中で成分量を変更することができる3つの部位が提示される。次に、使用者は、第2入力画面を表示させ、部位ごとに帯電微粒子水の成分量が所望の成分量となるように複数のレベルで変更することができる。
図23は、図22に示した第2例の入力画面を用いて毛髪の部位ごとに成分量を変更する場合の設定例を示す表である。図22で例示された、変更すべき成分が帯電微粒子水である場合、例えば、毛髪の根元に付与される帯電微粒子水の変更前のレベルが「2」であった場合、使用者は、自身の好みにより、第2例の入力画面を用いてレベルを「3」に上げてもよい。使用者は、毛髪のその他の部位である中間や毛先においても、同様にレベルを変更することで、帯電微粒子水についての成分量を所望の成分量に変更することができる。また、使用者は、帯電微粒子水のみならず、その他の成分、例えばマイナスイオンや剤・有機物に関しても、同様に第2例の入力画面を用いて成分量を変更することができる。
次に、毛髪のうねりやくせを基準とした場合の乾燥終了の判断方法について説明する。
図24は、毛髪のうねりやくせを基準とした場合の乾燥終了の判断工程を示すフローチャートである。まず、制御部80は、毛髪検知部63に使用者の毛髪を検知させる(ステップS101)。次に、制御部80は、毛髪検知部63による検知結果に基づいて毛髪があるかどうかを判断する(ステップS102)。ここで、制御部80は、毛髪がないと判定した場合(NO)、ステップS101に戻り、毛髪の検知を繰り返させる。一方、制御部80は、毛髪があると判定した場合(YES)、次に、例えば濡れ演算部86に、濡れ検知部60からの出力信号に基づいて毛髪のうねりやくせの度合いを演算させる(ステップS103)。次に、制御部80は、例えば髪特性認識部81に、部位検知部64からの出力信号と、濡れ演算部86での算出結果とに基づいて、毛髪の部位ごとにうねりやくせのレベル分けを実行させる(ステップS104)。次に、制御部80は、例えばテーブル生成部82に、毛髪の部位ごとのうねりやくせのレベルに応じた成分量を決定させる(ステップS105)。次に、制御部80は、ステップS105にて決定された成分量に関するパラメータを付与量演算部83へ転送する(ステップS106)。次に、制御部80は、乾燥動作を開始させる、すなわち、熱付与部30に対して熱の付与を開始するよう熱量制御部85に制御させる(ステップS107)。次に、制御部80は、付与量演算部83に転送された成分量パラメータに基づいて、成分生成部40に対して成分の付与を開始するよう成分量制御部84に制御させる(ステップS108)。次に、制御部80は、成分生成部40が動作している間、例えば累積演算部88に累積成分量を演算させ、累積成分量が規定値に到達したかどうかを判断する(ステップS109)。ここで、制御部80は、累積成分量が規定値に到達していないと判定した場合(NO)、ステップS109の判断を繰り返させる。一方、制御部80は、累積成分量が規定値に到達したと判定した場合(YES)、熱付与部30および成分生成部40の動作を終了させ、乾燥を終了させる。
次に、使用者の毛髪を乾燥させているときに、制御部80が毛髪の乾燥度をどのように推定するかについて説明する。
図25は、毛髪が濡れている状態にあるかまたは乾いている状態にあるかを判定するのに用いることができるいくつかの原理を説明する表である。まず、本実施形態では、毛髪の乾燥度は、濡れ演算部86が算出した濡れ情報に基づいて、乾燥推定演算部87によって推定される。また、本実施形態では、濡れ検知部60は、具体的にはフォトダイオードである濡れ検知センサ60aである。濡れ情報は、濡れ検知センサ60aからの信号強度に基づいて濡れ演算部86により算出される吸光度である。図28中の上欄に示すように、毛髪が濡れている場合、照明部72から光が照射されたときに、毛髪で吸収される光が多いため、濡れ検知センサ60aが受光する反射光が減少する。一方、毛髪が乾いている場合、照明部72から光が照射されたときに、毛髪で吸収される光が少ないため、濡れ検知センサ60aが受光する反射光が減少しない。つまり、乾燥推定演算部87は、吸光度の変化に基づいて、乾燥度、換言すれば、毛髪が濡れているか乾いているかを推定することができる。
また、その他の原理として、毛髪の乾燥度は、毛髪の束状態を濡れ情報として、機械学習により算出されてもよい。この場合、濡れ検知部60は、毛髪を撮影するカメラ等の撮影部である。濡れ演算部86は、濡れ検知部60が撮影した髪画像に基づいて毛髪の束状態を判別する機械学習演算部である。図25中の中欄に示すように、毛髪が濡れている場合、毛髪同士はくっついて束になっている。一方、毛髪が乾いている場合、毛髪同士がバラけて互いに独立している。つまり、乾燥推定演算部87は、機械学習演算部が判別した毛髪の束状態に基づいて乾燥度を推定することができる。
さらに、毛髪の乾燥度は、毛髪の温度を濡れ情報として、濡れ演算部86により算出されてもよい。この場合、濡れ検知部60は、温度センサである。温度センサは、例えば赤外線温度計(赤外線センサ)であってもよい。濡れ演算部86は、濡れ検知部60が測定した髪測定値に基づいて、濡れ情報としての温度を算出する。図25中の下欄に示すように、毛髪が濡れている場合、吐出口10bから毛髪に向けて温風が送られると、毛髪の表面では、温度が上がりにくく冷めやすいため、温度変化が小さい。一方、毛髪が乾いている場合、吐出口10bから毛髪に向けて温風が送られると、毛髪の表面では、温度が上がりやすく冷めにくいため、温度変化が大きい。つまり、乾燥推定演算部87は、毛髪の温度の変化に基づいて、乾燥度を推定することができる。
図26は、図25に対応した、毛髪が濡れている状態にあるかまたは乾いている状態にあるかを判定するときの具体的な基準を説明する表である。まず、本実施形態のように、吸光度の変化に基づいて判定する場合には、図26の上欄に示すとおり、吸光度が70~30%のときに毛髪が濡れていると判定し、一方、吸光度が29~10%のときに毛髪が乾いていると判定してよい。また、毛髪の束状態に基づいて判定する場合は、図25および図26のそれぞれの中欄に示すとおり、機械学習の結果に従ってよい。さらに、温度の変化に基づいて判定する場合には、図26の下欄に示すとおり、毛髪に温風を当てたときの温度変化の勾配が、緩やかであるときに毛髪が濡れていると判定し、一方、急であるときに毛髪が乾いていると判定してよい。
次に、乾燥時間を時系列とした、毛髪の乾燥度と、成分生成部40が付与する成分または熱付与部30が付与する熱とに関するタイミングの例について説明する。
図27は、帯電微粒子の付与量と毛髪の乾燥度との関係を示すタイミングチャートである。上図は、乾燥時間(s)に対する帯電微粒子の付与量(mg)を示す。下図は、乾燥時間(s)に対する乾燥度(%)を示す。図27において、上図と下図との横軸である乾燥時間は、互いに対応している。制御部80は、帯電微粒子水の付与量を毛髪の乾燥度に合わせて調整してもよい。具体的には、制御部80は、毛髪が濡れているとき、すなわち、乾燥度が低いときに、帯電微粒子水の付与量を増加させ、毛髪が乾いているとき、すなわち、乾燥度が高いときに、帯電微粒子水の付与量を減少させてもよい。
図28は、化粧料の付与量と毛髪の乾燥度との関係を示すタイミングチャートである。上図は、乾燥時間(s)に対する化粧料の付与量(mg)を示す。下図は、乾燥時間(s)に対する乾燥度(%)を示す。図28において、上図と下図との横軸である乾燥時間は、互いに対応している。制御部80は、乾燥度が、予め設定された閾値を超えていないときにのみ化粧料を付与させるように、化粧料の付与量を調整してもよい。図28に示す例では、制御部80は、乾燥度が閾値の60%を超えていない間に、成分生成部40に、例えば4mgの化粧料を付与させる。換言すれば、制御部80は、乾燥度が閾値の60%を超えたときには、成分生成部40に、化粧料の付与を停止させる。つまり、制御部80は、毛髪が比較的濡れているときにのみ、化粧料を付与してもよい。
図29は、2種類の化粧料の付与量と毛髪の乾燥度との関係を示すタイミングチャートである。上図は、乾燥時間(s)に対する化粧料Aの付与量(mg)を示す。中図は、乾燥時間(s)に対する化粧料Bの付与量(mg)を示す。化粧料Aと化粧料Bとは、互いに異なる成分である。化粧料Aは、毛髪に浸透させたい剤である。化粧料Bは、コーティング剤である。下図は、乾燥時間(s)に対する乾燥度(%)を示す。図29において、上図、中図および下図の横軸である乾燥時間は、互いに対応している。制御部80は、乾燥度が、予め設定された閾値を超えていないときにのみ、すなわち、毛髪が比較的濡れている間に、成分生成部40に、例えば4mgの化粧料Aのみを付与させる。一方、制御部80は、乾燥度が、予め設定された閾値を超えているときにのみ、すなわち、毛髪が比較的乾いている間に、成分生成部40に、例えば4mgの化粧料Bのみを付与させる。つまり、制御部80は、毛髪が濡れている間には、浸透させたい剤である化粧料Aを特に付与し、毛髪が乾いている間には、コーティング剤である化粧料Bを特に付与してもよい。
図30は、風量と毛髪の乾燥度との関係を示すタイミングチャートである。上図は、乾燥時間(s)に対する風量(m/s)を示す。下図は、乾燥時間(s)に対する乾燥度を示す。図30において、上図と下図との横軸である乾燥時間は、互いに対応している。制御部80は、風量を毛髪の乾燥度に合わせて調整してもよい。具体的には、制御部80は、毛髪が乾燥してきたら、風量を減少させていき、一方、温度を増加させていってもよい。毛髪が乾燥してくると、ガラス転移点が上がる。そこで、毛髪の乾燥に伴って風量を減少させることで、毛髪のクセを伸ばすことができる。
次に、ヘアドライヤ1の効果について説明する。
ヘアケア装置としてのヘアドライヤ1は、使用者の毛髪に熱を付与する熱付与部30と、毛髪に作用させる成分を生成する成分生成部40と、熱付与部30および成分生成部40の動作を制御する制御部80とを備える。成分生成部40は、イオンを生成するイオン生成部、酸性成分を生成する酸性成分生成部、および、帯電微粒子水を生成する帯電微粒子水生成部のうちの少なくとも1つである。制御部80は、成分生成部40で生成される成分の成分量を、使用者の髪特性に基づいて制御する。
本実施形態では、ヘアドライヤ1は、使用者の毛髪に対して、イオン、酸性成分および帯電微粒子水のうちの少なくとも1つを付与することができる。また、ヘアドライヤ1では、制御部80は、使用者の毛髪に熱または成分を付与するとき、使用者の髪特性を参照し、成分生成部40に対して、使用者の髪特性に合った成分量の成分を付与させることができる。つまり、制御部80は、ヘアドライヤ1を使用している使用者にとって最適な、きめ細かい制御を実行することができる。
このように、本実施形態によれば、使用者が望む髪の仕上がりに導きやすいヘアケア装置を提供することができる。
また、ヘアドライヤ1では、髪特性は、毛髪のうねり、または、くせであってもよい。
このようなヘアドライヤ1によれば、制御部80が参照し得る髪特性にバリエーションを多く持たせることができ、結果として、より使用者が望む髪の仕上がりに導きやすくすることができる。特に、髪特性が毛髪のうねりやくせであることで、うねりやくせのレベルに合わせた最適な成分量を付与することができ、結果として、くせをより緩和させたり、毛髪の手触り感をより向上させたりすることができる。
また、ヘアドライヤ1は、毛髪の画像を少なくとも表示する表示部73を備える。制御部80は、使用者が表示部73の画像において選択した全体または部分に基づいて、成分量、または、髪特性の種類もしくはレベルを変更してもよい。
このようなヘアドライヤ1によれば、制御部80が設定した成分量、または、髪特性の種類もしくはレベルを表示部73の画面を用いて使用者が好みのものに変更することができるので、より使用者が望む髪の仕上がりに導きやすくすることができる。
また、ヘアドライヤ1は、毛髪を測定する濡れ検知センサ60aを備える。制御部80は、濡れ検知センサ60aから得られた髪測定値に基づいて毛髪の乾燥度を推定する乾燥推定演算部87と、乾燥推定演算部87で推定された乾燥度に基づいて成分量を調整する付与量演算部83と、を有してもよい。
このようなヘアドライヤ1によれば、制御部80は、乾燥動作中、毛髪の乾燥度を参照しながら成分量を調整するので、より最適な成分量に調整された成分を毛髪に付与させることができる。特に、髪特性が毛髪のうねりやくせであることで、毛髪の濡れに起因するくせの戻りを抑止することができる。
また、ヘアドライヤ1は、外部の通信機器としての携帯端末装置100に備わる端末通信部103との間で送受信を行う送受信部74を備える。ここで、携帯端末装置100に備わる端末表示部101に毛髪の画像101aが少なくとも表示されたと仮定する。このとき、送受信部74は、使用者が端末表示部101の画像101aにおいて選択した全体または部分に係る情報を端末通信部103から受信してもよい。また、制御部80は、送受信部74が端末通信部103から受信した画像101aの全体または部分に係る情報に基づいて、成分量を使用者の所望の量に変更してもよい。
このようなヘアドライヤ1によれば、使用者は、携帯端末装置100上からヘアドライヤ1での設定を調整することができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
(第2実施形態)
上記の第1実施形態では、濡れ検知部60として濡れ検知センサ60a(フォトダイオード)を採用する場合を例示した。これに対して、本実施形態では、濡れ検知部60として、濡れ検知センサ60aに代えて、以下に示す2通りの撮影部のいずれかを採用する。
図31は、第2実施形態に係るヘアケア装置としてのヘアドライヤ1の第1例を示す概略斜視図である。本実施形態の第1例に係るヘアドライヤ1は、第1実施形態における濡れ検知センサ60aに代えて設置される撮影部60bと、吐出口10bの一部を囲むように設置される照明部72とを備える。なお、ここでのヘアドライヤ1では、撮影部60bおよび照明部72以外の構成は、第1実施形態における構成(制御部80および信号処理部90等の制御に関する構成を除く)と同一であるので、同一の符号を付し、詳細説明を省略する。
図32は、第2実施形態に係るヘアケア装置としてのヘアドライヤ1の第2例を示す概略斜視図である。本実施形態の第2例に係るヘアドライヤ1は、送受信部74を備え、外部の通信機器である携帯端末装置100(端末通信部103)との間で送受信を行う。ここでのヘアドライヤ1は、携帯端末装置100に備わる端末撮影部102を、濡れ検知部60としての撮影部として利用する。また、本実施形態の第2例に係るヘアドライヤ1は、第1実施形態における濡れ検知センサ60aに代えて設置される温度センサ60c(赤外線センサ)を備えてもよい。この場合、照明部72は不要となる。なお、濡れ検知部60として温度センサ60cを用いる場合、すでに図25および図26を用いて説明したとおり、乾燥推定演算部87は、乾燥時間に対する毛髪の温度変化に基づいて乾燥度を推定することができる。また、ここでのヘアドライヤ1では、上記説明した構成以外は、第1実施形態における構成(制御部80および信号処理部90等の制御に関する構成を除く)と同一であるので、同一の符号を付し、詳細説明を省略する。
まず、本実施形態に係るヘアドライヤ1が第1実施形態と異なる点は、上記のような撮影部を採用する点である。つまり、第1実施形態と第2実施形態とでは、使用者の毛髪に対して、イオン、酸性成分および帯電微粒子水のうちの少なくとも1つを付与する点や、使用者の髪特性を参照して成分量を決定する点などは、同様である。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
また、濡れ検知部60として撮影部60bまたは端末撮影部102を用いる場合、乾燥推定演算部87は、撮影部60b等が乾燥時間ごとに撮影した髪画像の教師データに基づく機械学習により、乾燥度を乾燥時間ごとに推定することができる。この場合、第1実施形態に係るヘアドライヤ1の説明において「髪測定値」と表現した点については、本実施形態では「髪画像」と置き換えることができる。つまり、本実施形態に係るヘアドライヤ1によっても、制御部80は、乾燥動作中、毛髪の乾燥度を参照しながら成分量を調整することができるので、より最適な成分量に調整された成分を毛髪に付与させることができる。そして、髪特性が毛髪のうねりやくせであることで、毛髪の濡れに起因するくせの戻りを抑止することができる。
また、本実施形態に係るヘアドライヤ1では、以下のように、使用者による乾燥操作があるごとに、髪画像を用いた毛髪のレベル判定に基づいて蓄積された成分量データを利用することもできる。
図33Aおよび図33Bは、本実施形態に係るヘアドライヤ1における制御部80による動作制御工程の例を示すフローチャートである。
制御部80は、動作制御工程を開始すると、例えば、毛髪検知部63が使用者の毛髪を検知した、すなわち、ヘアドライヤ1の吐出口10bが毛髪に向けられたことを検知した後、撮影部60bに毛髪を撮影させる(ステップS201)。ここで、撮影部60bに毛髪を撮影させるタイミングは、使用者の洗髪前、または、濡れ検知部60による髪測定値に基づいて使用者の毛髪が濡れていないと制御部80が判断したときである。次に、制御部80は、髪特性認識部81に、ステップS201で得られた髪画像に基づいて髪特性の種類やレベルを判定させる(ステップS202)。ここで、判定された髪特性の種類やレベルに関するデータは、記憶部75に記憶される。次に、制御部80は、ステップS202での判定結果について、毛髪にくせ(またはうねり)があるかどうかを判断する(ステップS203)。
ステップS203において、制御部80は、毛髪にくせがない、すなわち毛髪は直毛であると判定した場合(NO)、図33Bに示すステップS204に移行する。
図33Bを参照し、次に、制御部80は、ステップS202でのレベル判定結果に基づいて、テーブル生成部82に成分量を設定させる(ステップS204)。そして、使用者により乾燥操作が行われるときには、制御部80は、熱量制御部85に熱付与部30を動作させ、使用者の毛髪を乾燥させる(ステップS205)。このとき、制御部80は、適宜、成分量制御部84に成分生成部40を動作させることで、ステップS204で設定された成分量の成分を付与させる。ステップS205での乾燥操作が終了後、制御部80は、使用者による次回の乾燥操作まで待機状態となる。
次に、使用者による次回の乾燥操作が開始されるとき、制御部80は、上記のステップS201と同様に、撮影部60bに毛髪を撮影させる(ステップS206)。次に、制御部80は、髪特性認識部81に、ステップS206で得られた髪画像に基づいて髪特性の種類やレベルを判定させる(ステップS207)。ここで、判定された髪特性の種類やレベルに関するデータは、記憶部75に記憶される。次に、制御部80は、それぞれ記憶部75に記憶されている、ステップS207で判定された髪特性に関するデータと、前回以前の乾燥操作時に関するステップS202で判定された髪特性に関するデータとの傾向を比較する(ステップS208)。
次に、制御部80は、ステップS208での比較結果として、髪特性としてのうねりやくせのレベルについて、今回の方が前回以前よりも良化したかどうかを判断する(ステップS209)。ここで、付与される成分が、髪特性をより良好とするためには髪特性に合わせた最適量がある成分であるものと仮定する。この場合、まず、制御部80は、今回の方が前回以前よりも良化したと判定した場合(YES)、もはやこれ以上成分量を増加させなくてもよいため、以降、成分量を減少させる(ステップS210)。一方、制御部80は、今回の方が前回以前よりも良化していないと判定した場合(NO)、ステップS212に移行する。次に、ステップS212では、制御部80は、ステップS208での比較結果として、髪特性としてのうねりやくせのレベルについて、今回と前回以前とでは同一であるかどうかを判断する。ここで、制御部80は、今回と前回以前とでは同一であると判定した場合(YES)、より髪特性を良化させる可能性のある成分量を減少させる(ステップS213)。一方、制御部80は、今回と前回以前とでは同一ではない、すなわち、今回の方が前回以前よりも悪化していると判定した場合(NO)、以降、成分量を増加させる(ステップS214)。そして、ステップS210、ステップS213またはステップS214において成分量が変更されたら、次に、制御部80は、変更後の成分量データを記憶部75に記憶させる(ステップS211)。
一方、図33Aに示すステップS203において、制御部80は、毛髪にくせがあると判定した場合(YES)、ステップS215に移行する。
次に、制御部80は、ステップS202でのレベル判定結果に基づいて、テーブル生成部82に成分量を設定させる(ステップS215)。そして、使用者により乾燥操作が行われるときには、制御部80は、熱量制御部85に熱付与部30を動作させ、使用者の毛髪を乾燥させる(ステップS216)。このとき、制御部80は、適宜、成分量制御部84に成分生成部40を動作させることで、ステップS215で設定された成分量の成分を付与させる。ステップS216での乾燥操作が終了後、制御部80は、使用者による次回の乾燥操作まで待機状態となる。
次に、使用者による次回の乾燥操作が開始されるとき、制御部80は、上記のステップS201と同様に、撮影部60bに毛髪を撮影させる(ステップS217)。次に、制御部80は、髪特性認識部81に、ステップS217で得られた髪画像に基づいて髪特性の種類やレベルを判定させる(ステップS218)。ここで、判定された髪特性の種類やレベルに関するデータは、記憶部75に記憶される。次に、制御部80は、それぞれ記憶部75に記憶されている、ステップS218で判定された髪特性に関するデータと、前回以前の乾燥操作時に関するステップS202で判定された髪特性に関するデータとの傾向を比較する(ステップS219)。
次に、制御部80は、ステップS219での比較結果として、髪特性としてのうねりやくせのレベルについて、今回の方が前回以前よりも良化したかどうかを判断する(ステップS220)。ここで、付与される成分が、髪特性をより良好とするためには髪特性に合わせた最適量がある成分であるものと仮定する。この場合、まず、制御部80は、今回の方が前回以前よりも良化していると判定した場合(YES)、以降、成分量を増加させる(ステップS221)。一方、制御部80は、今回の方が前回以前よりも良化していないと判定した場合(NO)、ステップS223に移行する。次に、ステップS223では、制御部80は、ステップS208での比較結果として、髪特性としてのうねりやくせのレベルについて、今回と前回以前とでは同一であるかどうかを判断する。ここで、制御部80は、今回と前回以前とでは同一であると判定した場合(YES)、未だ良化させる余地があるため、以降、成分量を増加させる(ステップS224)。一方、制御部80は、今回と前回以前とでは同一ではない、すなわち、今回の方が前回以前よりも悪化していると判定した場合(NO)、もはやこれ以上成分量を増加させなくてもよいため、以降、成分量を減少させる(ステップS225)。そして、ステップS221、ステップS224またはステップS225において成分量が変更されたら、次に、制御部80は、変更後の成分量データを記憶部75に記憶させる(ステップS222)。
そして、ステップS211またはステップS222の後、制御部80は、引き続き乾燥操作があるかを判断する(ステップS226)。ここで、制御部80は、引き続き乾燥操作があると判定した場合(YES)、熱量制御部85に熱付与部30を動作させ、使用者の毛髪を乾燥させる(ステップS227)。このとき、制御部80は、ステップS211またはステップS222で蓄積された、変更後の成分量データに基づいて成分量制御部84を制御し、成分生成部40を動作させる。ステップS227での乾燥操作が終了後、制御部80は、使用者による次回の乾燥操作まで待機状態となり、以後、ステップS201に戻ってもよい。
一方、ステップS226において、制御部80は、引き続きの乾燥操作はないと判定した場合(NO)、本実施形態における動作制御工程を終了する。
図34は、図33に示した動作制御工程を採用した場合の効果を説明するグラフである。上図は、ヘアドライヤ1の使用経過日(日)に対する毛髪の効果レベル(ポイント)を示す。下図は、ヘアドライヤ1の使用経過日(日)に対する成分付与増減率(%)を示す。図34において、上図と下図との横軸である使用経過日は、互いに対応している。また、図34では、異なる二人の使用者である使用者Aおよび使用者Bの場合について例示している。
このように、まず、図33に示した動作制御工程では、乾燥操作があったごとに適正化された成分量データが蓄積され、以後の乾燥操作では、その時点で最も適正化された成分量データを用いて成分が付与される。したがって、図34の各図に示すように、いずれの使用者に関しても、ヘアドライヤ1を使用する日が多くなるにつれて、毛髪の効果や成分付与増減率が安定していくことになる。
また、本実施形態に係るヘアドライヤ1は、毛髪を撮影する撮影部60bを備える。制御部80は、撮影部60bにより得られた髪画像に基づいて髪特性を分類する髪特性認識部81を有し、髪特性認識部81により分類された髪特性のレベルごとに成分生成部40に成分量を調整させてもよい。
このようなヘアドライヤ1によれば、使用者が入力部71より直接的に髪特性を設定せずとも、制御部80が自動で髪特性を分類することができる。また、このように髪特性が自動で分類されることで、例えば、使用者の誤認識による成分量の不適切性を低減することができる。
また、本実施形態に係るヘアドライヤ1は、第1実施形態と同様に、毛髪を測定する濡れ検知センサ60aを備えてもよい。制御部80は、濡れ検知センサ60aから得られた髪測定値、または、撮影部60bから得られた髪画像に基づいて毛髪の濡れに関する濡れ情報を算出する濡れ演算部86を有する。濡れ演算部86が、使用者が洗髪前であるまたは毛髪が濡れていないと判断した場合、撮影部60bに毛髪を撮影させて髪画像を取得し、取得された髪画像に基づいて成分量を決定してもよい。
このようなヘアドライヤ1によれば、制御部80は、使用者の髪特性を、毛髪が通常時の状態のときの髪画像から取得することができるので、より最適な付与すべき成分量を設定することができる。
さらに、本実施形態に係るヘアドライヤ1は、撮影部60bから得られた髪画像に係る情報を蓄積する記憶部75を備える。制御部80は、使用者の指示により、記憶部75に記憶されている少なくとも2回以上の髪画像に係る情報を参照し、髪特性のレベルの変化を表示部73に表示させてもよい。
図35は、端末表示部101(または表示部73)に表示される出力画面の第5例を示す概略図である。第5例の出力画面は、使用者ごとの髪特性のレベルの変化を表示するものであり、一例として、使用者の前面および後面の髪型の略図と、毛髪の部位ごとのくせレベルとを表示する。図35(a)は、今日の使用者の毛髪の状態を示す。一方、図35(b)は、一例として、5か月前の使用者の毛髪の状態を示す。表示部73(または端末表示部101)は、このような出力場面を表示することで、使用者に対して毛髪の状態の日々の変化を提示することができる。
(第3実施形態)
濡れ検知部60は、さらに、使用者の毛髪に接触することで直接的に毛髪の水分量を測定する水分量センサであってもよい。
図36は、第3実施形態に係るヘアケア装置としてのヘアドライヤ1を示す概略斜視図である。本実施形態に係るヘアドライヤ1は、第1実施形態におけるヘアドライヤ1が備えていた濡れ検知センサ60aおよび照明部72を備えない。一方、本実施形態に係るヘアドライヤ1は、吐出口10bに取り付けられるブラシ部22と、ブラシ部22に設置される水分量センサ60dとを備える。ここでも、ヘアドライヤ1のその他の構成は、第1実施形態における構成(制御部80および信号処理部90等の制御に関する構成を除く)と同一であるので、同一の符号を付し、詳細説明を省略する。
この場合、髪測定値は、毛髪の水分量である。水分量センサ60dは、使用者がブラシ部22を毛髪に当てながら乾燥させている間、毛髪の水分量を測定することができる。そして、乾燥推定演算部87は、取得された水分量に基づいて、乾燥度を推定することができる。
(他の実施形態)
本開示の他の実施形態に係るヘアケア装置は、髪特徴判別部と、物質成分量判定部と、物質噴出部とを有してもよい。髪特徴判別部は、使用者の髪特徴を判別する。物質成分量判定部は、髪特徴判別部で判別した髪特徴に応じて、使用者の髪に作用させる物質の成分量を判定する。物質噴出部は、物質成分量判定部で判定された物質の成分量にて使用者の髪に物質を噴出する。ここで、髪特徴判別部は、例えば、上記の各実施形態における髪特性認識部81の代替となり得る。物質成分量判定部は、例えば、上記の各実施形態におけるテーブル生成部82の代替となり得る。また、物質噴出部は、例えば、上記の各実施形態における成分生成部40の代替となり得る。
また、髪特徴は、毛髪のうねり度合、毛髪のくせ毛度合、毛髪の硬軟度合、毛髪の剛毛度合、毛髪の直毛度合、毛髪のパーマ度合、毛髪の太さ度合、毛髪の髪量度合、毛髪のつや度合、毛髪の色度合、毛髪の長短度合、毛髪のはり度合、毛髪の弾力度合または毛髪の傷み度合であってもよい。
物質成分量判定部は、イオン成分生成部、酸性成分生成部および帯電微粒子液体成分生成部とのうち少なくともいずれか1つ以上の成分生成部で生成する物質の成分量を判定してもよい。イオン成分生成部は、イオンを生成する成分生成部であり、例えば、第1実施形態において説明した第2静電霧化装置40bに対応し得る。酸性成分生成部は、酸性成分を生成する成分生成部である。帯電微粒子液体成分生成部は、帯電微粒子液体を生成する成分生成部であり、例えば、第1実施形態において説明した第3静電霧化装置40cに対応し得る。なお、帯電微粒子液体とは、上記説明した帯電微粒子水の広義の表現である。
髪特徴判別部は、使用者の髪型を撮影する撮像部を有してもよい。撮像部は、例えば、第2実施形態における撮影部60bの代替となり得る。
一方、髪特徴判別部は、生体情報をセンシングする生体センシング機能部を有してもよい。ここで、生体情報とは、使用者の生体、すなわち、使用者の毛髪や肌等に関する情報であり、例えば、毛髪や肌の水分量や温度をいう。生体センシング機能部は、上記の各実施形態において説明した各種センサの少なくともいずれかの代替となり得る。
また、髪特徴判別部は、使用者が当該使用者の髪特徴を入力する髪特徴入力部を有してもよい。髪特徴入力部は、例えば、上記の各実施形態における入力部71、または、入力機能を有する表示部73の代替となり得る。
髪特徴入力部は、使用者に、当該使用者の髪の全体または部分に関する髪特徴を入力させてもよい。
一方、髪特徴入力部は、使用者に、毛髪のうねり度合、毛髪のくせ毛度合、毛髪の硬軟度合、毛髪の剛毛度合、毛髪の直毛度合、毛髪のパーマ度合、毛髪の太さ度合、毛髪の髪量度合、毛髪のつや度合、毛髪の色度合、毛髪の長短度合、毛髪のはり度合、毛髪の弾力度合および毛髪の傷み度合とのうち少なくともいずれか1つ以上の度合の選択入力を行わせてもよい。
また、髪特徴判別部は、使用者の髪特徴について、上記例示した度合のうち少なくともいずれか1つ以上の度合を使ってレベル分けをする髪特徴レベル分け部を有してもよい。
また、髪特徴判別部は、使用者の髪の全体または部分に関する髪特徴について判別してもよい。
または、髪特徴判別部は、使用者の髪の全体または部分に関する髪特徴について、上記例示した度合のうち少なくともいずれか1つ以上の度合を使ってレベル分けをする髪特徴レベル分け部を有してもよい。
髪特徴入力部は、入出力のための画面を有してもよい。ここでいう画面は、例えば、上記の各実施形態における表示部73または端末表示部101の代替となり得る。
また、本実施形態に係るヘアケア装置は、当該ヘアケア装置の外部と送受信するためのデータ送受信部を有してもよい。データ送受信部は、例えば、上記の各実施形態における送受信部74の代替となり得る。
さらに、髪特徴入力部は、本実施形態に係るヘアケア装置と別体であってもよい。この場合の髪特徴入力部は、例えば、上記の各実施形態における携帯端末装置100が有する端末表示部101であってもよい。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、使用者の毛髪を乾燥させたり、使用者の髪型を整えたりする、家庭用または業務用のヘアケア装置全般に適用可能である。
1 ヘアドライヤ
30 熱付与部
40 成分生成部
40a 第1静電霧化装置
40b 第2静電霧化装置
40c 第3静電霧化装置
50 測定部
60a 濡れ検知センサ
60b 撮影部
60c 温度センサ
60d 水分量センサ
72 照明部
73 表示部
74 送受信部
75 記憶部
80 制御部
81 髪特性認識部
82 テーブル生成部
83 付与量演算部
86 濡れ演算部
87 乾燥推定演算部

Claims (23)

  1. 使用者の毛髪に熱を付与する熱付与部と、
    前記毛髪に作用させる成分を生成する成分生成部と、
    前記熱付与部および前記成分生成部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記成分生成部は、イオンを生成するイオン生成部、酸性成分を生成する酸性成分生成部、および、帯電微粒子水を生成する帯電微粒子水生成部のうちの少なくとも1つであり、
    前記制御部は、前記成分生成部で生成される前記成分の成分量を、前記使用者の髪特性に基づいて制御する、ヘアケア装置。
  2. 前記髪特性は、前記毛髪のうねり、または、くせである、請求項1に記載のヘアケア装置。
  3. 前記毛髪を測定する濡れ検知センサを備え、
    前記制御部は、前記濡れ検知センサから得られた髪測定値に基づいて前記毛髪の乾燥度を推定する乾燥推定演算部と、
    前記乾燥推定演算部で推定された前記乾燥度に基づいて前記成分量を調整する付与量演算部と、を有する、請求項1または2に記載のヘアケア装置。
  4. 前記毛髪を撮影する撮影部を備え、
    前記制御部は、前記撮影部により得られた髪画像に基づいて前記髪特性を分類する髪特性認識部を有し、前記髪特性認識部により分類された前記髪特性のレベルごとに前記成分生成部に前記成分量を調整させる、請求項1または2に記載のヘアケア装置。
  5. 前記毛髪を測定する濡れ検知センサを備え、
    前記制御部は、前記濡れ検知センサから得られた髪測定値、または、前記撮影部から得られた前記髪画像に基づいて前記毛髪の濡れに関する濡れ情報を算出する濡れ演算部を有し、前記濡れ演算部が、前記使用者が洗髪前であるまたは前記毛髪が濡れていないと判断した場合、前記撮影部に前記毛髪を撮影させて前記髪画像を取得し、取得された前記髪画像に基づいて前記成分量を決定する、請求項4に記載のヘアケア装置。
  6. 前記制御部は、前記髪測定値または前記髪画像に基づいて前記毛髪の乾燥度を推定する乾燥推定演算部と、
    前記乾燥推定演算部で推定された前記乾燥度に基づいて前記成分量を調整する付与量演算部と、を有する、請求項5項に記載のヘアケア装置。
  7. 前記撮影部から得られた前記髪画像に係る情報を蓄積する記憶部と、
    前記毛髪の画像を少なくとも表示する表示部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記使用者の指示により、前記記憶部に記憶されている少なくとも2回以上の前記髪画像に係る前記情報を参照し、前記髪特性のレベルの変化を前記表示部に表示させる、請求項4~6のいずれか1項に記載のヘアケア装置。
  8. 前記毛髪の画像を少なくとも表示する表示部を備え、
    前記制御部は、前記使用者が前記表示部の前記画像において選択した全体または部分に基づいて、前記成分量、または、前記髪特性の種類もしくはレベルを変更する、請求項1~6のいずれか1項に記載のヘアケア装置。
  9. 外部の通信機器としての携帯端末装置に備わる端末通信部との間で送受信を行う送受信部を備え、
    前記携帯端末装置に備わる端末表示部に、前記毛髪の画像が少なくとも表示されたとき、
    前記送受信部は、前記使用者が前記端末表示部の前記画像において選択した全体または部分に係る情報を前記端末通信部から受信し、
    前記制御部は、前記送受信部が前記端末通信部から受信した前記画像の全体または部分に係る情報に基づいて、前記成分量を前記使用者の所望の量に変更する、請求項1または2に記載のヘアケア装置。
  10. 使用者の髪特徴を判別する髪特徴判別部と、
    前記髪特徴判別部で判別した前記髪特徴に応じて、前記使用者の髪に作用させる物質の成分量を判定する物質成分量判定部と、
    前記物質成分量判定部で判定された前記物質の前記成分量にて前記使用者の前記髪に前記物質を噴出する物質噴出部と、を有するヘアケア装置。
  11. 前記髪特徴は、毛髪のうねり度合、毛髪のくせ毛度合、毛髪の硬軟度合、毛髪の剛毛度合、毛髪の直毛度合、毛髪のパーマ度合、毛髪の太さ度合、毛髪の髪量度合、毛髪のつや度合、毛髪の色度合、毛髪の長短度合、毛髪のはり度合、毛髪の弾力度合または毛髪の傷み度合である、請求項10に記載のヘアケア装置。
  12. 前記物質成分量判定部は、イオンを生成するイオン成分生成部、酸性成分を生成する酸性成分生成部、および、帯電微粒子液体を生成する帯電微粒子液体成分生成部のうち少なくともいずれか1つ以上の成分生成部で生成する前記物質の前記成分量を判定する、請求項10に記載のヘアケア装置。
  13. 前記髪特徴判別部は、前記使用者の髪型を撮影する撮像部を有する、請求項10に記載のヘアケア装置。
  14. 前記髪特徴判別部は、生体情報をセンシングする生体センシング機能部を有する、請求項10に記載のヘアケア装置。
  15. 前記髪特徴判別部は、前記使用者が当該使用者の前記髪特徴を入力する髪特徴入力部を有する、請求項10に記載のヘアケア装置。
  16. 前記髪特徴入力部は、前記使用者に、当該使用者の前記髪の全体または部分に関する前記髪特徴を入力させる、請求項15に記載のヘアケア装置。
  17. 前記髪特徴入力部は、前記使用者に、毛髪のうねり度合、毛髪のくせ毛度合、毛髪の硬軟度合、毛髪の剛毛度合、毛髪の直毛度合、毛髪のパーマ度合、毛髪の太さ度合、毛髪の髪量度合、毛髪のつや度合、毛髪の色度合、毛髪の長短度合、毛髪のはり度合、毛髪の弾力度合および毛髪の傷み度合とのうち少なくともいずれか1つ以上の度合の選択入力を行わせる、請求項15または16に記載のヘアケア装置。
  18. 前記髪特徴判別部は、前記使用者の前記髪特徴について、前記度合のうち少なくともいずれか1つ以上の前記度合を使ってレベル分けをする髪特徴レベル分け部を有する、請求項11に記載のヘアケア装置。
  19. 前記髪特徴判別部は、前記使用者の前記髪の全体または部分に関する前記髪特徴について判別する、請求項10に記載のヘアケア装置。
  20. 前記髪特徴判別部は、前記使用者の前記髪の全体または部分に関する前記髪特徴について、前記度合のうち少なくともいずれか1つ以上の度合を使ってレベル分けをする髪特徴レベル分け部を有する、請求項11に記載のヘアケア装置。
  21. 前記髪特徴入力部は、入出力のための画面を有する、請求項15に記載のヘアケア装置。
  22. 前記ヘアケア装置の外部と送受信するためのデータ送受信部を有する、請求項10に記載のヘアケア装置。
  23. 前記髪特徴入力部は、前記ヘアケア装置と別体である、請求項15に記載のヘアケア装置。
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