JP2022119525A - メカニカルシール - Google Patents

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Abstract

【課題】密封性に優れるメカニカルシールを提供することを目的とする。【解決手段】静止密封環10と、回転軸2と共に回転する回転密封環20と、回転軸2が通され、静止密封環10および回転密封環20に軸方向の付勢力を付与する主スプリング50と、を備えるメカニカルシールM1であって、主スプリング50と別体である、静止密封環10および回転密封環20に軸方向の付勢力を付与する複数の副スプリング60を有し、複数の副スプリング60は、回転軸2の周囲に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、回転機械の回転軸の軸封に用いられるメカニカルシールに関する。
様々な分野において、被密封流体の漏出を防止するためにシールが利用されている。このようなシールの一例として、高圧の被密封流体を密封する分野ではメカニカルシールが利用されている。メカニカルシールは、静止密封環と、回転軸と共に回転する回転密封環との摺動面同士を密接摺動させることで、被密封流体の漏出を防止している。
例えば特許文献1に示されるメカニカルシールは、静止密封環および回転密封環それぞれの摺動面が対向するように配置されており、さらに回転密封環の背面側には回転軸が通された状態のコイルスプリングが配置されている。このコイルスプリングの付勢力によって回転密封環は静止密封環に向けて押しつけられ、静止密封環および回転密封環の密接状態が保持されている。
また、特許文献2に示されるメカニカルシールは、静止密封環および回転密封環を二組備えるダブルメカニカルシールであって、各組の回転密封環は、背中合わせに配置された状態で回転軸に固定されており、二組の回転密封環の間には、回転軸が通された状態のコイルスプリングが一つ配置されている。このコイルスプリングの付勢力によって二組の回転密封環はそれぞれの静止密封環に向けて押しつけられ、二組の静止密封環および回転密封環それぞれの密接状態が保持されている。
特開2016-166643号公報(第5,6頁、第1図) 実願平2-104317号(実開平4-62465号)のCD-ROM(第3,4頁、第1図)
このように特許文献1,2のようなメカニカルシールにあっては、回転軸よりも大径であるコイルスプリングの強い付勢力を利用して静止密封環および回転密封環における摺動面間の面圧を確保することができる。しかしながら、螺旋状に巻かれて形成されているコイルスプリングの構造上、一つの大径のコイルスプリングの付勢力により回転密封環に作用する力は、周方向に偏りが生じやすく、静止密封環および回転密封環同士の相対的な傾きを招きやすいため、被密封流体が漏出する虞があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、密封性に優れるメカニカルシールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のメカニカルシールは、
静止密封環と、回転軸と共に回転する回転密封環と、前記回転軸が通され、前記静止密封環および前記回転密封環に軸方向の付勢力を付与する主スプリングと、を備えるメカニカルシールであって、
前記主スプリングと別体である、前記静止密封環および前記回転密封環に軸方向の付勢力を付与する複数の副スプリングを有し、当該複数の副スプリングは、前記回転軸の周囲に配置されている。
これによれば、主スプリングに加え、回転軸の周囲に複数の副スプリングを配置することにより、主スプリングの付勢力により静止密封環または回転密封環に軸方向に作用する力が周方向に偏っても、副スプリングによって補うことができるため、摺動面同士が略平行状態に維持される。
前記複数の副スプリングは、前記静止密封環および前記回転密封環の摺動面を基準に前記主スプリングよりも外径側に配置されていてもよい。
これによれば、摺動面同士は主に主スプリングによって軸方向に付勢されつつ、主スプリングによる偏荷重は摺動面までのモーメントアームの長い副スプリングからの付勢により小さくなるように補われる。
前記主スプリングは、前記静止密封環および前記回転密封環によって隔離された一方の空間に配置され、前記複数の副スプリングは、前記静止密封環および前記回転密封環によって隔離された他方の空間に配置されてもよい。
これによれば、一方の空間と他方の空間のどちらかが悪条件となって主スプリングおよび副スプリングの一方が作動不良に陥ったとしても、主スプリングおよび副スプリングの他方による静止密封環および回転密封環を軸方向に付勢する付勢力を確保することができる。
前記複数の副スプリングは、前記静止密封環および前記回転密封環によって隔離される機外側の空間に配置されていてもよい。
これによれば、副スプリングが被密封流体に接触することが防止されるため、作動不良に陥りにくくすることができる。
前記副スプリングは、コイルスプリングであってもよい。
これによれば、伸縮ストロークを長く確保しやすいため、広い範囲の偏荷重に対応できる。
前記主スプリングおよび前記複数の副スプリングは、前記静止密封環を前記回転密封環に向けて付勢していてもよい。
これによれば、副スプリングは回転による影響を受けないので、副スプリングの姿勢を保持することができる。
前記静止密封環および前記回転密封環を二組備え、2つの前記静止密封環の間または2つの前記回転密封環の間に1つの前記主スプリングが配置されるダブルメカニカルシールであってもよい。
これによれば、全体をコンパクトに構成したうえで、安定して密封可能なダブルメカニカルシールを提供することができる。
前記複数の副スプリングは、二組の前記静止密封環および前記回転密封環のうちの一組にのみ配置されていてもよい。
これによれば、漏れやすい方の密封状態を保たせることができる。
前記一組は、大気側に配置されている前記静止密封環および前記回転密封環の組であってもよい。
これによれば、大気側への漏れを防止することができる。
本発明に係る実施例1のメカニカルシールの断面図である。 副スプリングの配置について説明するための図である。 本発明に係る実施例2のメカニカルシールの断面図である。
本発明に係るメカニカルシールを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係るメカニカルシールにつき、図1,図2を参照して説明する。以下、図1の正面から見て左右をメカニカルシールの左右として説明する。詳しくは、紙面左側をメカニカルシールの左側、紙面右側をメカニカルシールの右側として説明する。
図1に示されるように、回転機械用のメカニカルシールM1は、回転機械の機外側である大気側Aに設けられた一組の静止密封環10および回転密封環20、並びに回転機械の機内側である被密封流体側Fに設けられた他の一組の静止密封環30および回転密封環40を二組用いたダブルメカニカルシールであって、被密封流体が大気側Aに直接漏出することを防ぐべく、被密封流体側Fと大気側Aとの間にクエンチング液を流通可能な中間室Rが設けられている。尚、本実施例における被密封流体は、ガス、リキッド等の流体である。また、中間室Rには、クエンチング液の他に潤滑油、シーラント等の流体が流通されてもよい。
図1に示されるように、メカニカルシールM1は、大気側Aと中間室Rとを隔離している一対の静止密封環10および回転密封環20と、中間室Rと被密封流体側Fとを隔離している一対の静止密封環30および回転密封環40と、回転軸2が通されている主スプリングとしての主コイルスプリング50と、主コイルスプリング50よりも小径であり付勢力の小さい副スプリングとしての12個の副コイルスプリング60によって主に構成されている。
大気側Aの静止密封環10および回転密封環20は、主コイルスプリング50および副コイルスプリング60の付勢力によってそれぞれの摺動面11,21が密接し、被密封流体側Fの静止密封環30および回転密封環40は、主コイルスプリング50の付勢力によってそれぞれの摺動面31,摺動面41が密接するようになっている。
尚、図1は、周方向に異なる角度で破断した断面であり、上方にドライブスクリュー73、下方に副コイルスプリング60を図示している。
静止密封環10,30および回転密封環20,40は、環状に形成された摺動部材であり、静止密封環10は軟質材料であるカーボン、回転密封環20は硬質材料であるSiCで形成されており、静止密封環30および回転密封環40は共に硬質材料であるSiCで形成されている。
尚、静止密封環10および回転密封環20は軟質材料と硬質材料とを組み合わせて用いられるものに限らず、静止密封環30および回転密封環40についても共に硬質材料を組み合わせて用いられるものに限られない。また、摺動部材の材料はメカニカルシール用摺動材料として使用されているものであれば前述したもの以外であっても適用可能であり、例えばSiC以外のセラミックス、金属材料、樹脂材料、複合材料等を適用可能である。
まず、大気側Aの静止密封環10および回転密封環20について説明する。静止密封環10は、回転機械側のハウジング1に固定されているインサート部材70の軸方向右端部に内嵌されているリテーナ80に内嵌されて、回転機械側のハウジング1に固定されている。
インサート部材70は、軸方向左端部に外径側に突出するフランジ部71を有するフランジ付き筒状体であり、フランジ部71が回転機械側のハウジング1を構成する段状に形成された分割体1bの内径側かつ軸方向左側に開放された環状窪みに内嵌され、分割体1a,1bそれぞれの対向面間にOリングが介在された状態で、分割体1a,1bを一体に組み付けることによって、フランジ部71は分割体1aの右側面と分割体1bの内径フランジとに挟み込まれてハウジング1に固定されている。
また、インサート部材70の右端かつ外周部と回転機械側のハウジング1の分割体1bの内周との間には、Oリングが介在されている。
リテーナ80は、軸方向中央部に外径側に突出するフランジ部81を有する金属製の段付き筒状体であり、フランジ部81には、軸方向かつ外径側に連通する4か所の窪み82が周方向に等配されている。各窪み82には、インサート部材70に固定されて軸方向右側に延出するドライブスクリュー73の頭部が挿通されており、リテーナ80は、インサート部材70に対し相対的に軸方向に移動可能かつ周方向への回動が規制されている。
また、リテーナ80の左端かつ外周部とインサート部材70の右端かつ内周との間には、Oリングが介在されており、インサート部材70に対してリテーナ80の相対的な軸方向への移動を許容しつつリテーナ80とインサート部材70との間が密封されている。
また、リテーナ80の内径側には、軸方向右側から順に、内径側かつ軸方向右側に開放された大気側環状窪み83と、大気側環状窪み83に連続し、軸方向左側に向かうほどに漸次拡径されたテーパー筒部84と、テーパー筒部84に連続し、内径側かつ軸方向左側に開放された中間室側環状窪み85が形成されている。
静止密封環10は、その外径が大気側環状窪み83の内径と略同一またはわずかに大径に形成された軟質のカーボン製であり、硬質のリテーナ80の大気側環状窪み83に圧入されて密封状に固定されている。
また、リテーナ80の中間室側環状窪み85の内径側には、主コイルスプリング50の軸方向右端部が挿入配置され、主コイルスプリング50の軸方向右端が中間室側環状窪み85の底面に当接している。これにより、主コイルスプリング50の径方向への移動が中間室側環状窪み85の周壁によって規制され、主コイルスプリング50の付勢力がリテーナ80を介して静止密封環10に伝達されるようになっている。
より詳しくは、リテーナ80の大気側環状窪み83および中間室側環状窪み85は、静止密封環10の摺動面11と主コイルスプリング50の軸方向右端が略同一直線上に重なるように形成されている。
図1,図2に示されるように、インサート部材70の軸方向右端部には、ドライブスクリュー73よりも内径側かつ周方向に離間した位置に、軸方向右側に連通する12か所の穴部74が同心円状に等配(図2参照)されており、各穴部74には、副コイルスプリング60の左端から略中央部までが挿入されている。
これにより、副コイルスプリング60の伸縮が穴部74の内周面によって案内されるため、副コイルスプリング60の屈曲が生じにくくなっている。尚、本実施例1における各副コイルスプリング60は、同一のものであり、軸方向寸法およびばね定数が略同一となっている。
図1に戻って、副コイルスプリング60の軸方向左端は、インサート部材70の穴部74の底面に当接しており、副コイルスプリング60の軸方向右端は、リテーナ80のフランジ部81の軸方向左端面に当接している。
これにより、副コイルスプリング60の付勢力がリテーナ80を介して静止密封環10に伝達されるようになっている。
回転密封環20は、スリーブ25に外嵌され回転軸2と共に回動可能となっている。具体的には、スリーブ25は、セットスクリュー26を用いて回転軸2にOリングを介在させた状態で固定されており、回転密封環20は、スリーブ25の軸方向左端部にOリングを介在させた状態で外嵌されている。
また、回転密封環20には、軸方向右側かつ外径側に連通する4か所の凹部22が周方向に等配されている。各凹部22には、スリーブ25に固定されているドライブピン27の頭部が挿通されており、回転密封環20はスリーブ25に対し相対的に周方向への回動が規制されている。
このように、主コイルスプリング50および12個の副コイルスプリング60によって静止密封環10の摺動面11が回転密封環20の摺動面21に押し付けられて摺動面11,21間が密封されており、静止密封環10および回転密封環20により大気側Aと中間室Rとが隔離されている。
次いで、被密封流体側Fの静止密封環30および回転密封環40について説明する。静止密封環30は、インサート部材70のフランジ部71に内嵌されて、回転機械側のハウジング1に固定されている。
また、静止密封環30には、軸方向右側かつ径方向に連通する4か所の凹部32が周方向に等配されている。各凹部32には、インサート部材70のフランジ部71よりも軸方向右側の周壁に固定され内径側に突出するドライブスクリュー72の頭部が挿通されており、静止密封環30はインサート部材70に対し軸方向に移動可能かつ周方向への回動が規制されている。
また、静止密封環30の左端かつ外周部とインサート部材70のフランジ部71の内周との間には、Oリングが介在されており、インサート部材70に対して静止密封環30の相対的な軸方向への移動を許容しつつ静止密封環30とインサート部材70との間が密封されている。
また、静止密封環30の軸方向右端部には断面視クランク状に形成された環状のコーナーリング35が内嵌されている。コーナーリング35は、内径側から順に、軸方向に延びる筒状の内側筒部36と、内側筒部36の軸方向右端に略直交して外径側に延びる円環板状の円環板部37と、円環板部37の外径側端部に略直交して軸方向に延びる筒状の外側筒部38を有し、内側筒部36が静止密封環30に内嵌され、円環板部37の軸方向左端面が静止密封環30の軸方向右端面に面当接している。
また、コーナーリング35の外側筒部38の内径側には、主コイルスプリング50の軸方向左端部が挿入配置され、主コイルスプリング50の軸方向左端が円環板部37の軸方向右端面に当接している。このコーナーリング35と上述したリテーナ80に主コイルスプリング50の両端が当接している。
主コイルスプリング50は、外側筒部38により、主コイルスプリング50の径方向への移動が規制され、主コイルスプリング50の付勢力が円環板部37を介して静止密封環30に伝達されるようになっている。
一方、12個の副コイルスプリング60の付勢力は、インサート部材70が回転機械側のハウジング1に固定されているため、静止密封環30には伝達されないようになっている。
回転密封環40は、スリーブ45に外嵌され回転軸2と共に回動可能となっている。具体的には、スリーブ45は、セットスクリュー46を用いて回転軸2にOリングを介在させた状態で固定されており、回転密封環40は、スリーブ45の軸方向右端部にOリングを介在させた状態で外嵌されている。
また、回転密封環40には、軸方向左側かつ外径側に連通する4か所の凹部42が周方向に等配されている。各凹部42には、スリーブ45に固定されて軸方向右側に延出しているドライブピン47の頭部が挿通されており、回転密封環40はスリーブ45に対し相対的に周方向への回動が規制されている。
このように、主コイルスプリング50によって静止密封環30の摺動面31が回転密封環40の摺動面41に押し付けられて摺動面31,41間が密接されており、静止密封環30と回転密封環40により中間室Rと被密封流体側Fとが隔離されている。
また、インサート部材70の軸方向中央部の内径側には外径側に凹み中間室Rの一部を構成している環状凹部75が形成されており、環状凹部75の周壁には径方向に貫通する複数の貫通孔76が形成されている。これにより、鉛直方向上方の貫通孔76を通じて中間室Rにクエンチング液が流出入されるようになっている。
以上説明したように、本実施例1のメカニカルシールM1は、主コイルスプリング50に加え、回転軸2の周囲に12個の副コイルスプリング60を周方向に略等配することにより、主コイルスプリング50の付勢力により静止密封環10に軸方向に作用する力が周方向に偏っても、副コイルスプリング60によって補うことができるため、摺動面11,21同士が略平行状態に維持される。
また、12個の副コイルスプリング60は、静止密封環10が圧入されているリテーナ80の大気側環状窪み83よりも外径側に形成されているフランジ部81とインサート部材70との間に介在されており、静止密封環10および回転密封環20の摺動面11,21を基準に、静止密封環10の摺動面11と略同一直線上に配置されている主コイルスプリング50よりも外径側に配置されている。
これにより、大気側Aの静止密封環10および回転密封環20の摺動面11,21同士は主に主コイルスプリング50によって軸方向に付勢されつつ、主コイルスプリング50による偏荷重は摺動面11,21までのモーメントアームの長い副コイルスプリング60からの付勢により小さくなるように補われる。
また、主コイルスプリング50は、本発明の一方の空間としての中間室Rに配置され、12個の副コイルスプリング60は、本発明の他方の空間としての大気側Aに配置されているため、中間室Rと大気側Aのどちらかが悪条件となって主コイルスプリング50または副コイルスプリング60の一方が作動不良に陥ったとしても、主コイルスプリング50または副コイルスプリング60の他方による静止密封環10および回転密封環20を軸方向に付勢する付勢力を確保することができる。
また、12個の副コイルスプリング60は回転機械の機外側である大気側Aに配置されており、副コイルスプリング60が被密封流体およびクエンチング液に接触することが防止されているため、コンタミ、夾雑物等により作動不良に陥りにくくなっている。
また、主コイルスプリング50を取り外すことなく、副コイルスプリング60を交換することができるため、主コイルスプリング50または副コイルスプリング60に作動不良が生じても、改修が容易である。
また、副コイルスプリング60は、皿ばね、板ばね等よりも伸縮ストロークを長く確保しやすいため、広い範囲の偏荷重に対応できる。
また、主コイルスプリング50および12個の副コイルスプリング60は、静止密封環10を回転密封環20に向けて付勢しており、例えば回転密封環を静止密封環に向けて付勢する主スプリングおよび副スプリングが回転軸および回転密封環と共に回動する構成と比較して、副コイルスプリング60は回転による影響を受けないので、副コイルスプリング60の姿勢を保持することができる。
加えて、副コイルスプリング60は回転による影響を受けないので、主コイルスプリング50よりも外径側に配置される態様であっても大きな遠心力を受けることなく好適である。
また、メカニカルシールM1は、2つの静止密封環10,30の間に1つの主コイルスプリング50が配置されるダブルメカニカルシールであるため、大気側Aの静止密封環10および回転密封環20を軸方向に付勢するスプリングと、被密封流体側Fの静止密封環30および回転密封環40を軸方向に付勢するスプリングとを個別に設ける構成と比較して、全体をコンパクトかつ簡素に構成したうえで、上述したように主コイルスプリング50の偏荷重が副コイルスプリング60の付勢力によって補われることから、安定して密封可能なダブルメカニカルシールを提供することができる。
また、特許文献2のように一つの主スプリングのみを備えるメカニカルシールにおいて、例えば大気側Aの静止密封環10および回転密封環20側の被密封流体やクエンチング液の漏出が生じる場合に、単に主スプリングをより高い付勢力を備えるものに交換し、その高い付勢力により、大気側Aの静止密封環10および回転密封環20側の摺動面11,21の平行度を保つことが考えられるが、被密封流体側Fの静止密封環30および回転密封環40の軸方向の付勢力も高められてしまうため、摩擦力が高くなることで例えば回転軸2を回転させるために必要なエネルギのロスが高まる、摺動面の摩耗が生じやすくなるなどの不具合が生じる。
これに対して、本発明のメカニカルシールM1では、12個の副コイルスプリング60が大気側Aの静止密封環10および回転密封環20にのみ適用されているように、少ない部品点数で漏れやすい方の密封状態を保たせることができる。
また、12個の副コイルスプリング60は、大気側Aの静止密封環10および回転密封環20にのみ適用されているため、大気側Aへの漏れを防止することができる。
次に、実施例2のメカニカルシールについて、図3を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成の説明を省略する。
図3に示されるように、実施例2のメカニカルシールM2は、大気側Aと被密封流体側Fとの間を密封する静止密封環10および回転密封環20を備えるシングルメカニカルシールであり、ドライブスクリュー73および穴部74を有する環状のインサート170を備え、インサート170は、ホルダ90およびシールボディ95それぞれの間にOリングが介在された状態で挟持されており、ホルダ90およびシールボディ95と共に回転機械側のハウジング101に固定されている。
主コイルスプリング50は、段付き円筒状に形成されたホルダ90の内径側かつ軸方向右側に開放された環状窪み91に挿入配置されており、軸方向左端が環状窪み91の底面に当接している。
このように、シングルメカニカルシールであるメカニカルシールM2においても、主コイルスプリング50に加え、回転軸2の周囲に12個の副コイルスプリング60を周方向に略等配することにより、前記実施例1と同様に、摺動面11,21同士が略平行状態に維持される。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、メカニカルシールは、主スプリングおよび副スプリングが、静止密封環を回転密封環に向けて付勢している構成として説明したが、これに限らず、回転密封環を静止密封環に向けて付勢していてもよく、また主スプリングおよび副スプリングの一方が静止密封環を回転密封環に向けて付勢し、他方が回転密封環を静止密封環に向けて付勢している構成であってもよい。
また、複数の副スプリングは、静止密封環および回転密封環の摺動面を基準に主スプリングよりも外径側に配置されている構成として説明したが、これに限らず、静止密封環および回転密封環の摺動面を基準に主スプリングよりも内径側に配置されていてもよく、静止密封環および回転密封環の摺動面と略同一直線状に配置されていてもよい。
また、前記実施例1において、主スプリングは中間室に配置され、副スプリングは機外側に配置されている構成を説明し、前記実施例2において、主スプリングは機内側に配置され、副スプリングは機外側に配置されている構成を説明したが、これに限らず、一組の静止密封環および回転密封環を基準として、主スプリングが機外側または機内側に、副スプリングの少なくとも1つが中間室または機内側に配置されていてもよく、主スプリングおよび副スプリング共におなじ空間に配置されていてもよい。
また、前記実施例1のダブルメカニカルシールにおいて、副スプリングは大気側の静止密封環および回転密封環のみに適用されている構成を説明したが、これに限らず、大気側の静止密封環および回転密封環ばかりでなく、被密封流体側の静止密封環および回転密封環にも適用されていてもよい。
また、複数の副スプリングは、12個である構成として説明したが、これに限らず、2つ以上であればよく、適宜変更されてもよい。
また、複数の副スプリングは、軸方向寸法およびばね定数が略同一な同一のものを適用している構成について説明したが、これに限らず、軸方向寸法、ばね定数などが異なる副スプリングを併用してもよい。
また、複数の副スプリングは、同心円状に等配されている構成として説明したが、これに限らず、非等配に配置されていてもよく、同心円状に配置されていなくともよい。
これら副スプリングの別形態の具体例としては、ばね定数の高い1個の副スプリングと、ばね定数の低い2個の副スプリングを備え、ばね定数の高い副スプリングをばね定数の低い2個の副スプリング間の離間距離よりも離間させた位置に配置することで、3個の同一の副スプリングを周方向に等配した構成と同様に主スプリングの偏荷重を副スプリングの付勢力によって補ってもよい。
また、主スプリングおよび副スプリングは、ともにコイルスプリングである構成として説明したが、これに限らず、本発明におけるスプリングとは、皿ばね、板ばね、コイルドウェーブスプリング、ベローズ等のばねに限らず、筒状エラストマ等であってもよく、要するに軸方向に弾性的に付勢力を付与可能な部材であれば含まれる。
2 回転軸
10 静止密封環
11 摺動面
20 回転密封環
21 摺動面
30 静止密封環
31 摺動面
40 回転密封環
41 摺動面
50 主コイルスプリング(主スプリング)
60 副コイルスプリング(副スプリング)
A 大気側(他方の空間)
F 被密封流体側
M1 メカニカルシール(ダブルメカニカルシール)
M2 メカニカルシール(シングルメカニカルシール)
R 中間室(一方の空間)

Claims (9)

  1. 静止密封環と、回転軸と共に回転する回転密封環と、前記回転軸が通され、前記静止密封環および前記回転密封環に軸方向の付勢力を付与する主スプリングと、を備えるメカニカルシールであって、
    前記主スプリングと別体である、前記静止密封環および前記回転密封環に軸方向の付勢力を付与する複数の副スプリングを有し、当該複数の副スプリングは、前記回転軸の周囲に配置されているメカニカルシール。
  2. 前記複数の副スプリングは、前記静止密封環および前記回転密封環の摺動面を基準に前記主スプリングよりも外径側に配置されている請求項1に記載のメカニカルシール。
  3. 前記主スプリングは、前記静止密封環および前記回転密封環によって隔離された一方の空間に配置され、前記複数の副スプリングは、前記静止密封環および前記回転密封環によって隔離された他方の空間に配置されている請求項1または2に記載のメカニカルシール。
  4. 前記複数の副スプリングは、前記静止密封環および前記回転密封環によって隔離される機外側の空間に配置されている請求項1ないし3のいずれかに記載のメカニカルシール。
  5. 前記副スプリングは、コイルスプリングである請求項1ないし4のいずれかに記載のメカニカルシール。
  6. 前記主スプリングおよび前記複数の副スプリングは、前記静止密封環を前記回転密封環に向けて付勢していている請求項1ないし5のいずれかに記載のメカニカルシール。
  7. 前記静止密封環および前記回転密封環を二組備え、2つの前記静止密封環の間または2つの前記回転密封環の間に1つの前記主スプリングが配置されるダブルメカニカルシールである請求項1ないし6のいずれかに記載のメカニカルシール。
  8. 前記複数の副スプリングは、二組の前記静止密封環および前記回転密封環のうちの一組にのみ配置されている請求項7に記載のメカニカルシール。
  9. 前記一組は、大気側に配置されている前記静止密封環および前記回転密封環の組である請求項8に記載のメカニカルシール。
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