JP2022119054A - 挿抜装置、分析装置、試薬容器 - Google Patents

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Hisako Motoki
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Abstract

【課題】分注部を備える分析装置に適用される試薬容器の装填、挿抜に関する信頼性が担保された挿抜装置を提供する。【解決手段】所定方向に一端と他端とを有する試薬容器が第1の方向に挿入されることで収容される第2の収容部と、試薬容器が第1の方向と反対方向に挿入されることで収容される第1の収容部と、試薬容器を所定方向に沿って移動させることで試薬容器を第2の収容部と第1の収容部のいずれか一方から抜去し他方に挿入することを可能とする挿抜部と、を有する挿抜装置であって、挿抜部は、試薬容器の一端と他端の間において着脱可能に結合することで試薬容器に対して所定方向に沿った附勢力を印加するが可能な第1の附勢部を有することを特徴とする挿抜装置。【選択図】図1

Description

本発明は、生体サンプルの定量、定性分析を行う分析装置に適用される挿抜装置、挿抜装置に適用される試薬容器、ならびに分析装置、に関する。
分析装置では、採取した血液や尿などの検体と、試薬容器から分注された試薬との反応液の吸光度を測定することで、検体の定量及び定性分析を行う。近年では分析速度が向上し、試薬の消費量が多くなり、試薬容器の補充、交換頻度が高くなっている。そこで、試薬容器の補充や交換を自動化し、使用者の負担を軽減することができる自動分析装置が、特許文献1および特許文献2に開示されている。
特許文献1記載の自動分析装置は、アーム及び押圧部材にて試薬容器の側部を押すことにより、補充用の試薬容器を保管した試薬保管部と試薬格納部の間を、試薬容器を上下移動させずに搬送する。特許文献2記載の自動分析装置は、試薬庫と予備試薬庫を隣接配置し、補充交換用の試薬容器の搬送と、空の試薬容器の搬送を同時に行う。
特開2007-303879号公報 特開2010-85249号公報
従来の分析装置においては、試薬容器を試薬保管部と試薬格納部の間で移動させるための搬送経路が長く、複数のエリア間の受け渡しが必要となっていた。また、試薬容器の移動方向も複数となり、搬送機構が複雑化し、多くのスペースが必要であった。また、試薬容器の開口部の保持した状態で上昇、旋回、降下することで、試薬容器を落下させる可能性があった。
また、従来の分析装置においては、試薬容器を試薬保管部と試薬格納部の間で移動させるにあたり、搬送機構が試薬容器を保持するために、試薬容器があらかじめ決められた保持位置に置かれている必要があった。使用者が補充用の試薬容器を補充する際に、試薬容器を置いた位置が保持位置からずれていると、搬送機構が試薬容器を保持できないおそれがあった。また、これを防ぐために、試薬保管部に試薬容器を補充する際に試薬容器を保持位置に正確に合わせることを求めると、使用者の負担が増加しうるという課題が生じる。
また、従来の分析装置においては、試薬格納部における試薬容器の位置決めは行われているが、試薬容器をより強固に押えて動きを規制する固定は行われず、試薬容器の移動時の振動・衝撃によって、試薬格納部に載置された試薬容器の位置ずれが起きるおそれがあった。
また、分注機構一体型試薬容器における吐出部の高精度な位置決めを行うためには、試薬容器交換毎に成分の定量および定性分析を止める必要がある。しかし、分析を止めることなく吐出部の高精度な位置決めを行うことが望ましい。また、組立調整により位置精度を出そうとすると、部品・ユニットの高精度化が求められ、かつメンテナンス時の工数も増加するおそれがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、分注部を備える分析装置に適用される試薬容器の装填、挿抜に関する信頼性が担保された挿抜装置を提供することである。
本発明は以下の構成を採用する。すなわち、所定方向に一端と他端とを有する試薬容器が第1の方向に挿入されることで収容される第1の収容部と、前記試薬容器が第1の方向の反対方向に挿入されることで収容される第2の収容部と、前記試薬容器を前記所定方向に沿って移動させることで前記試薬容器を前記第2の収容部と前記第1の収容部のいずれか一方から抜去し他方に挿入することを可能とする挿抜部と、を有する挿抜装置であって、前記挿抜部は、前記試薬容器の前記一端と前記他端の間において着脱可能に結合することで前記試薬容器に対して前記所定方向に沿った附勢力を印加することが可能な第1の附勢部を有する。
本発明によれば、分注部を備える分析装置に適用される試薬容器の装填、挿抜に関する信頼性が担保された挿抜装置が提供される。
第1~第3の実施形態による、分析装置の構成例を示す図である。 第1~第4の実施形態による、試薬容器の形状例を示す図である。 第1の実施形態による、装填動作のフローチャートである。 第1の実施形態による、装填動作における試薬容器及び第1の附勢部の状態を示す図である。 第1の実施形態による、抜去動作のフローチャートである。 第1の実施形態による、被附勢部および第1の附勢部の係合の状態を示す詳細図である。 第1の実施形態による、第1の附勢部が試薬容器に押圧力を与えながら移動していくときに作用する力を示した図である。 第1の実施形態による、試薬容器の移動の別形態を示す図である。 第1の実施形態の変形例による、試薬容器の移動の規制/解除に関する、挿抜装置の一部の構成を示す図である。 第1の実施形態の変形例による、試薬容器の移動の規制/解除に関する、挿抜装置の一部の構成を示す別の図である。 第1の実施形態の変形例による、試薬容器の移動の規制/解除に関する、挿抜装置の一部の構成を示す別の図である。 第2の実施形態による、ラッチ部の構成例を示す図である。 第2の実施形態による、第1の収容部において試薬容器の動きを制限するための動作例を説明するための図である。 第2の実施形態の変形例による、第1の収容部における試薬容器の動きを制限する別の構成例を示す図である。 第2の実施形態の変形例による、第1の収容部における試薬容器の動きを制限する別の動作例を説明するための図である。 第3の実施形態による、装填動作のフローチャートである。 第3の実施形態による、装填動作における試薬容器及び第1の附勢部の状態を示す図である。 第3の実施形態による、吐出位置移動動作のフローチャートである。 第3の実施形態による、第1の収容部の移動後の測定部および第1の収容部の位置関係を示す図である。 第4の実施形態による、分析装置の構成例を示す図である。 第4の実施形態による、試薬容器の構成例を示す図である。 第4の実施形態による、試薬容器の別の構成例を示す図である。 第4の実施形態による、マークの形状の変形例を示す図である。 第4の実施形態による、マークに付与する付加情報の例を示す図である。 第4の実施形態による、吐出部の位置合わせ動作のフローチャートである。 第4の実施形態による、マーク位置の読み取りおよび吐出部の位置合わせの動作状態を示す図である。 コントローラおよび分析制御部のハードウェア構成例を示す図である。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
[第1の実施形態]
(分析装置の構成)
図1は、本実施形態における分析装置100の構成例を示す図である。図1は上面図であり、図1の水平右方向をX軸正方向、水平上方向をY軸正方向、垂直上方向をZ軸正方向とする。挿抜装置135は、第1の収容部101、第2の収容部102、移動部133、挿抜部134を含んで構成される。分析装置100は、挿抜装置135と分析制御部140を含んで構成され、試薬容器103から分注された試薬と検体との反応することで検体を分析する。挿抜装置135は、分析装置100の分注機構に適用される。
第1の収容部101は、分析装置100の反応に用いる試薬容器103を格納する試薬格納部である。第1の収容部101は、Y軸に平行な所定方向131と交差する方向に並列して、複数の試薬容器103を収容可能なように複数の収容部を備えている。例えば、図1に示すように、第1の収容部101は、試薬容器103の大きさと個数に合わせたスロットを持ち、分析の項目に応じて1つ以上の試薬容器103を格納可能に構成されている。また、第1の収容部101の各スロットは、板バネやロック部材からなる位置決め機構を有し、試薬容器のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の位置を保持(固定)することができる。また、第1の収容部101は、X軸および/またはY軸の正負方向に移動することができる。また、第1の収容部101の各スロットの底面には不図示のセンサがあり、各スロットに試薬容器103が置かれているか否かをコントローラ117は判別することができる。センサとしてはマイクロスイッチあるいはフォトセンサが用いられるが、判別方法はこれに限定されない。例えば、試薬容器103に電気接点などの受信部、第1の収容部101の各スロットに送信部を設け、試薬容器103と第1の収容部101との間で通信が確立した場合には、コントローラ117は試薬容器103が置かれていると判断してもよい。
第2の収容部102は、補充用の試薬容器103を保管しておく試薬保管部である。第2の収容部102は、Y軸に平行な所定方向131と交差する方向(X軸方向)に並列して、複数の試薬容器を収容可能なように複数の収容部を備えている。例えば、図1に示すように、第2の収容部102は、試薬容器103の大きさと個数に合わせた複数のスロットを持ち、複数の試薬容器103を保管可能になっている。第2の収容部102は、挿抜装置135内で使用者が容易にアクセス可能な位置にある。本実施形態では、第2の収容部102のY軸負側の面が挿抜装置135の前面になるように配置され、使用者は前面から容易に第2の収容部102にアクセスできる。使用者は、第2の収容部102のスロットに補充用の試薬容器103を前面から差し入れることで、試薬容器103を第2の収容部102に入れることができる。また、第2の収容部102の各スロットの底面には不図示のセンサがあり、各スロットに試薬容器103が置かれているか否かをコントローラ117は判別することができる。センサとしてはマイクロスイッチあるいはフォトセンサが用いられるが、判別方法はこれに限定されない。
試薬容器103は、反応用の試薬が入った試薬容器である。以下の説明において、第1の収容部101に収容されている状態の試薬容器103を試薬容器103aと示し、第2の収容部102に収容されている状態の試薬容器103を試薬容器103bと示し、総称する場合は、試薬容器103と示しうる。図1では最大8つの試薬容器103が第1の収容部101と第2の収容部102に搭載可能となっているが、スロット数を増やし多くの試薬容器を搭載可能にしてもよい。試薬容器103は試薬の種類を示す情報として、バーコードがついており、不図示の情報読み取り部により、どの種類の試薬容器が第2の収容部102のどのスロットに置かれているかが読み取られる。なお、試薬の種類を示す情報を表現する手段はバーコードに限定されるものではない。例えば、無線タグなどの通信手段を試薬ボトルに埋め込んでおいてもよいし、種類に応じて形状に違いを設け、形状の違いにより試薬容器の種類を判別してもよい。試薬容器103の形状については図2を用いて後述する。
後述するように、試薬容器103は所定方向131に一端201と他端202を有し、試薬容器103は所定方向131と平行または逆平行である第1の方向132に挿入されることで、第1の収容部101に収容されうる。また、試薬容器103は第1の方向132の反対方向に挿入されることで、第2の収容部102に収容されうる。
仕切り板104は、第1の収容部101のスロットを区切るための板である。仕切り板104は板バネを有し、試薬容器103aのX軸方向の位置を固定する。また、試薬容器103aのZ軸方向の位置は重力により固定されうる。
ラッチ部105は、第1の収容部101内で試薬容器103aのX、Y、Z軸方向の位置を固定するための機構(ロック部材)である。例示的な構成については後述する。試薬容器103aにラッチ部105が係合することで、第1の収容部101内で試薬容器103aの位置を固定することができる。
仕切り板106は、第2の収容部102のスロットを区切るための板である。仕切り板106により試薬容器103bのX軸方向の位置をおおまかに規制する。また、試薬容器103bのZ軸方向の位置は重力により固定されうる。
測定部107は、分析装置100にて検体と試薬を反応させ、その結果を測定する反応ディスクである。測定部107は、回転可能なリング状のディスクで構成され、多数の分析セル108を円周上に配置する。測定部107には、分析制御部140が接続される、分析制御部140は、例えば、接触部141、検出部142、攪拌部143、洗浄部144を有する。接触部141は、第1の収容部101に収容された試薬容器103aから分注された試薬に検体を接触させるための制御を行う。検出部142は、試薬と検体との反応を検出する、例えば、検体と試薬からなる反応液の光学特性変化を検出するための制御を行う。攪拌部143は、反応液の攪拌のための制御を行う。洗浄部144は、分析セル108の洗浄のための制御を行う。
分析セル108は、検体と試薬を反応させる容器である。分析セル108は、上面に3mm角の開口を持つ、深さ30mm程度のキュベットである。図1では測定部107の周辺の一部分しか分析セル108が記載されていないが、実際には測定部107の外周全体に沿って多数の分析セル108を備え、多数の分析を同時に行うことにより分析のスループットを向上させる。また、スループット向上のためには、限られた面積の測定部107上に分析セル108を多数配置する必要があり、個々の分析セルは小さいものになる。そのため検体や試薬の分注において、分析セル108の開口部に対し、検体容器や試薬容器を精度よく位置決めする必要がある。本実施形態の分析装置100においては、試薬容器103の下面の吐出部203と、測定部107上の分析セル108の開口部の正確な位置合わせが要求される。
直動機構109は、第2の収容部102および試薬容器103bをX軸の正負両方向(所定方向131と交差する方向)に移動させるための機構であり、ボールねじやリニアガイドから構成される。また、直動機構109は、原点センサとしてフォトセンサを備え、分析装置100の起動時に原点復帰を行うことができる。なお、直動機構109の種類はボールねじに限定されない。例えば、ラックピニオン駆動やベルト駆動を用いてもよい。モータ110は、直動機構109を駆動するためのモータである。モータ110は例えば、パルスモータあるいはサーボモータ、リニアモータなどで構成される。直動機構109とモータ110で移動部133が構成され、移動部133は、第2の収容部102を、所定方向131と交差する方向に移動させることで、第2の収容部102と第1の収容部101との距離を変更することが可能となる。
移動機構111は、第1の収容部101および試薬容器103aをX軸および/またはY軸の正負方向に移動させるための機構であり、ボールねじやリニアガイドなどから構成される。また、移動機構111は、原点センサとしてフォトセンサを備え、分析装置100の起動時に原点復帰を行うことができる。なお、移動機構111の種類はボールねじやリニアガイドに限定されない。例えば、ラックピニオン駆動やベルト駆動を用いてもよい。モータ112は、移動機構111を駆動するためのモータである。モータ112は例えば、パルスモータあるいはサーボモータ、リニアモータなどで構成される。
第1の附勢部113は、試薬容器103に対して所定方向131に沿った附勢力を印加することが可能な附勢部である。第1の附勢部113は、例えば、金属の角柱状の部材であり、後述の上下移動部114および直動機構115によりZ軸の正負方向および、Y軸の正負方向(所定方向131)への移動が可能になっている。
上下移動部114は、第1の附勢部113をZ軸の正負方向に移動させるためのアクチュエータであり、例えば、ロータリソレノイドおよびばねで構成される。以降の説明では、ロータリソレノイドをソレノイドと称する。ソレノイドに電流が印加されると、電磁力により第1の附勢部113が下方(Z軸負方向)に移動し、試薬容器103の上面の被附勢部205に結合(当接)し、試薬容器103を保持する。一方、ソレノイドの電流がオフになると、ばね力により第1の附勢部113が上方(Z軸正方向)に移動し、試薬容器103から離れ、試薬容器103の保持を解除する。
直動機構115は、上下移動部114および第1の附勢部113をY軸の正負方向に移動させるための機構であり、ボールねじやリニアガイドなどから構成される。また、直動機構115は、原点センサとしてフォトセンサを備え、挿抜装置135の起動時に原点復帰を行うことができる。なお、直動機構115の種類はボールねじに限定されない。例えば、ラックピニオン駆動やベルト駆動を用いてもよい。
モータ116は、直動機構115を駆動するためのモータである。モータ116は例えば、パルスモータあるいはサーボモータ、リニアモータなどで構成される。第1の附勢部113、上下移動部114、直動機構115、およびモータ116を含んで、挿抜部134が構成される。挿抜部134は、試薬容器103を所定方向131に沿って移動させることで、試薬容器103を第2の収容部102と第1の収容部101のいずれか一方から抜去し、他方に挿入することができる。
コントローラ117は、挿抜装置135の動作制御を行う制御部である。コントローラ117は、マイコン、センサインタフェース回路、モータドライバ回路、ソレノイドドライバ回路および電源で構成されうる。コントローラ117内部のマイコン上で動作するソフトウェアにより、各制御を行う。当該制御には、第1の収容部に収容された試薬容器103aから試薬を分注させるための制御を含み、これは、分注部136により実現される。なお、分析装置100において、分注部136を含む、試薬容器103から試薬を分注させるための構成を分注機構と呼ぶことができる。また、コントローラ117は、補充用の試薬容器103bを第2の収容部102から第1の収容部101に移動させる装填動作、試薬を使い切り、空になった試薬容器103aを第1の収容部101から第2の収容部102に移動させる排出動作、第1の収容部101に搭載された試薬容器103aを分析セル108の位置に移動させる吐出位置移動動作を実現する。また、コントローラ117は、不図示の上位コントローラと通信するインタフェースを備える。通信インタフェースは、USB, Ethernet(登録商標)などを用いる。上位コントローラは、挿抜装置135のユーザインタフェースを備え、使用者の要求に応じて挿抜装置135のシステム制御を行う。上位コントローラは、必要に応じてコントローラ117と通信し、試薬容器103の搬送等の指示を行う。
(試薬容器の構成)
図2は、試薬容器103の形状例を示す図である。試薬容器103は、所定方向131に一端201と他端202を有するように構成される。なお、一端201と他端202なる語は、交換可能に使用されうる。図2において、一端201から他端202までのY方向の長さをL1とする。
吐出部203は、試薬容器103の内部に密閉された試薬を分析セル108へ吐出(分注)するための吐出部である。コントローラ117の分注部136による制御により、例えば、試薬容器103における内部分注機構を駆動させることで、吐出部203から試薬を吐出させることができる。貯留部204は、試薬を貯留する貯留部である。貯留部204は、試薬を吐出部203に供給できるように構成されており、例えば、パッキングされた密閉容器など、交換可能な構成である。
被附勢部205は、第1の附勢部113に当接(結合)可能なように、凹部で構成される。図2において、試薬容器103の一端201から被附勢部205の中央までの長さをL2とする。後述するように、一実施形態において、被附勢部205に当接した第1の附勢部113が、被附勢部205の凹みの側面を押して試薬容器103を移動させる。
把持部206は、使用者が試薬容器103を第2の収容部102のスロットに入れるにあたり、試薬容器103を把持するための取手である。なお、把持部206は任意選択の構成である。使用者は、把持部206を持ち、試薬容器103を前面からスロットに差し入れることができる。試薬容器103に把持部206を備えることにより、第2の収容部102の左右(X軸の正負方向)のスロットに試薬容器103が搭載されている場合においても、使用者は左右のスロットと干渉せずに試薬容器103を入れることができる。
被締結部207は、試薬容器103を第1の収容部101に固定するための凸部を有して構成される。第1の収容部101の各スロットにはラッチ部105を設けられ、ラッチ部105が被締結部207と係合する(例えば押さえ込む)ことにより第1の収容部101内の試薬容器103の位置を固定する。このように試薬容器103を固定する被締結部207を吐出部203の近傍に配置することにより、第1の収容部101を分析セル108の位置へ移動させても吐出部203の位置ずれを少なくし、分析セル108に精度良く試薬を吐出することができる。筺体208は、貯留部204と吐出部203を収容する筺体である。
(試薬容器の装填・抜去)
本実施形態の挿抜装置135において、補充用の試薬容器103bを第2の収容部102から第1の収容部101へ移動させて装填する装填動作について、図3および図4を用いて説明する。図3は、本実施形態における装填動作のフローチャートである。当該フローチャートの処理は、例えば、分析装置100の上位コントローラから、挿抜装置135のコントローラ117に対して装填動作開始の指示が行われたところから開始されうる。
図4は、装填動作の各ステップの途中の試薬容器103および第1の附勢部113の状態をX軸方向から見た図である。なお、動作開始時に第1の附勢部113はY軸上の原点にあるものとする。第1の附勢部113は、所定方向131と交差する方向であり、かつ、移動部133により第2の収容部102が移動される方向と交差する方向において、試薬容器103に設けられた被附勢部205と当接可能に構成されている。また、第1の収容部101は、試薬容器103が摺動可能な第1の被摺動部101aを有し、第2の収容部102は、試薬容器103が摺動可能な第2の被摺動部102aを有する。第1の附勢部113は、所定方向131において、第1の被摺動部101aと重なる位置と第2の被摺動部102aと重なる位置との間を移動することができる。また、第2の収容部102の右端には、使用者が試薬容器103を第2の収容部102に置く際に試薬容器103を誘導するための斜面401と、試薬容器103を排出する際にストッパの役目をする端部402を有しうる。第2の収容部102の端部402のY座標をy1とする。
ステップS301において、コントローラ117は、試薬容器103の移動元のスロットと、移動先のスロットを特定する。移動元のスロットは、補充が必要な種類の試薬容器103が置かれている第2の収容部102内のスロットである。どの種類の試薬容器が第2の収容部102のどのスロットに置かれているかについては、不図示の情報読み取り部にて試薬容器のバーコードを読み取ることにより、上位コントローラが予め把握し、装填動作開始時にコントローラ117に通知してもよい。一方、移動先のスロットは第1の収容部101内で、現在、試薬容器103が置かれていないスロットである。試薬容器103の種類によって決まったスロットを移動先にしてもよいし、現在、試薬容器103が置かれていないスロットの中から任意の一つを移動先として選択してもよい。
続いてステップS302において、コントローラ117はモータ112を駆動し、ステップS301で特定した移動先スロットのX座標を第1の附勢部113のX座標に合わせる。これと並行してコントローラ117はモータ110を駆動し、ステップS301で特定した移動元スロットのX座標を第1の附勢部113のX座標に合わせる。これにより、第2の収容部102内の移動元スロット、第1の収容部101内の移動先スロット、第1の附勢部113の3つのX座標上の位置が揃った状態になる。図4(a)はステップS302直後の状態を示す図である。試薬容器103が第2の収容部102上にあり、第1の収容部101の対応するスロットには試薬容器103がない状態である。コントローラ117は、図4(a)~(c)に対応するステップS303、S304において、上下移動部114内のソレノイドの電流をOFFにし、第1の附勢部113を上げる。なお、本実施形態では、ステップS301~ステップS305に対応する図4(a)~図4(c)において、試薬容器103の一端201の座標はy1になり、第2の収容部102の突き当て部に対応する端部402に合わせられているものとする。
図4(b)はステップS303の直後の状態を示す図である。試薬容器103が第2の収容部102の右端にあり、第1の附勢部113が試薬容器103の手前にあり、第1の附勢部113が上がっている状態である。
ステップS304以降の処理は、挿抜部134を介して試薬容器103を第1の方向132に附勢することにより、試薬容器103を第2の収容部102から抜去し第1の収容部101に挿入する装填工程に相当する。ステップS304において、コントローラ117はモータ116を駆動し、第1の附勢部113を試薬容器103の被附勢部205の位置まで移動させる。説明のために、試薬容器103の被附勢部205の位置を被附勢位置と呼ぶ。本実施形態では、第2の収容部102の端部402に合わせられている。第2の収容部102の端部402のY座標はy1であるから、被附勢位置のY座標は、y1+L2であり、試薬容器103の大きさから一意に求まる。これにより、試薬容器103の位置を検出するセンサを設けなくても、コントローラ117は第1の附勢部113を被附勢位置に移動させることができる。図4(c)はステップS304の直後の状態を示す図である。上下移動部114および第1の附勢部113が被附勢位置まで移動し、第1の附勢部113は上がっている状態である。
続いてステップS305において、コントローラ117は上下移動部114内のソレノイドの電流をONにし、第1の附勢部113を下げる。これにより第1の附勢部113と試薬容器103の被附勢部205が当接(結合)し、試薬容器103を移動可能になる。図4(d)はステップS305の直後の状態を示す図である。上下移動部114および第1の附勢部113が被附勢位置にあり、第1の附勢部113が下がっている状態である。
続いてステップS306において、コントローラ117はモータ116を駆動し、第1の附勢部113を下げた状態のままY軸の正方向に移動させる。これにより、第1の附勢部113の側面が試薬容器103の被附勢部205の側面を押し、第1の附勢部113と一緒に試薬容器103も第1の収容部101側に移動する。すなわち、挿抜部134は、試薬容器103の一端201と他端202の間において着脱可能に結合し、試薬容器103に対して所定方向131に沿った附勢力を印加することで、試薬容器103を移動させる。
試薬容器103が移動し、第1の収容部101のラッチ部105にさしかかると、ラッチ部105と試薬容器103の被締結部207が係合し、試薬容器103は第1の収容部101の内部に固定される。試薬容器103の固定される位置は試薬容器103の被締結部207とラッチ部105によって決まるため、毎回同じ位置に固定される。図4(e)はステップS306の直後の状態を示す図である。試薬容器103が第1の収容部101の左端にあり、ラッチ部105と係合し、第1の附勢部113が下がっている状態である。また、コントローラ117はステップS306では上下移動部114内のソレノイドに流す電流をステップS305よりも少なくする。ステップS305で第1の附勢部113を下に動かすために必要な力よりも、ステップS306で第1の附勢部113を下げた状態を維持するために必要な力が少ないことを利用し、上下移動部114内のソレノイドに流す電流を必要最小限にすることによりソレノイドの発熱量を低減させる。
続いてステップS307において、コントローラ117は上下移動部114内のソレノイドの電流をOFFにし、第1の附勢部113を上げる。これにより、試薬容器103の第2の収容部102から第1の収容部101への装填動作が完了する。図4(f)はステップS307の直後の状態を示す図である。試薬容器103が第1の収容部101の左端にあり、ラッチ部105と係合し、第1の附勢部113が上がっている状態である。
複数の試薬容器103を第2の収容部102から第1の収容部101に装填する場合には、S301からステップS307の工程を繰り返し行う。
このように、挿抜装置135は、第1の附勢部113が、所定方向131において、第1の被摺動部101aと重なる位置と第2の被摺動部102aと重なる位置との間を移動することにより、試薬容器103を第2の収容部102から抜去し第1の収容部101に挿入することが可能となる。
試薬が空になった試薬容器103を第1の収容部101から第2の収容部102に排出(抜去)する際は、図3に示した装填動作と逆の動作を行う。すなわち、試薬容器103の上部の被附勢部205に第1の附勢部113を当接(結合)させ、被附勢部205の側部を第1の附勢部113で押して、試薬容器103を第2の収容部102に移動させる。図5および図4を用いて説明する。図5は、本実施形態における抜去動作のフローチャートである。当該フローチャートの処理は、例えば、分析装置100の上位コントローラから、挿抜装置135のコントローラ117に対して排出動作開始の指示が行われたところから開始されうる。
ステップS501にて、コントローラ117は、試薬容器103の移動元のスロットと、移動先のスロットを特定する。移動元のスロットは、空になった試薬容器103が載置されている第1の収容部101内のスロットである。第1の収容部101の各スロットの試薬容器103の吐出回数をコントローラ117において記録しておき、コントローラ117や上位コントローラが、所定の回数に達した試薬容器103が空になったと判断することができる。なお、試薬容器103が空になったかの判定方法はこの方法には限定されない。例えば試薬容器103に試薬の残量を検出するセンサを設け、センサからの情報を元にコントローラ117が空の試薬容器103を特定してもよい。移動先のスロットは第2の収容部102内で、現在、試薬容器103が置かれていないスロットである。試薬容器の種類によって決まったスロットを移動先にしてもよいし、現在、試薬容器103が置かれていないスロットの中から任意の一つを移動先として選択してもよい。
続いてステップS502において、コントローラ117はモータ112を駆動し、ステップS501で特定した移動元スロットのX座標を第1の附勢部113のX座標に合わせる。これと並行してコントローラ117はモータ110を駆動し、ステップS501で特定した移動先スロットのX座標を第1の附勢部113のX座標に合わせる。これにより、第1の収容部101内の移動元スロット、第2の収容部102内の移動先スロット、第1の附勢部113の3つのX座標上の位置が揃った状態になる。
続いてステップS503において、コントローラ117はモータ116を駆動し、第1の附勢部113を試薬容器103の被附勢部205の位置まで移動させる。試薬容器103の被附勢部205の位置を被附勢位置と呼ぶ。第1の収容部101ではラッチ部105により試薬容器103の位置が固定されているので、被附勢位置のY座標も試薬容器103の被締結部207とラッチ部105によって予め決まる。これにより試薬容器103の位置を検出するセンサを設けなくても、コントローラは第1の附勢部113を被附勢位置に移動させることができる。ステップS503の直後の状態は、図4(f)と同じである。すなわち、試薬容器103が第1の収容部101の左端にあり、ラッチ部105と係合し、第1の附勢部113は保持位置にあり、上がっている状態である。
続いてステップS504にて、コントローラ117は上下移動部114内のソレノイドの電流をONにし、第1の附勢部113を下げる。これにより第1の附勢部113と試薬容器103の被附勢部205が結合し、試薬容器103が移動可能になる。ステップS504の直後の状態は、図4(e)と同じである。すなわち、上下移動部114および第1の附勢部113が保持位置にあり、第1の附勢部113が下がっている状態である。
続いてステップS505において、コントローラ117はモータ116を駆動し、第1の附勢部113を下げた状態のままY軸の負方向に、第2の収容部102の右端まで移動させる。これにより、第1の附勢部113の側面が試薬容器103の被附勢部205の側面を押し、第1の附勢部113と一緒に試薬容器103も第2の収容部102側に移動する。第1の収容部101から第2の収容部102までの距離は機構により決まり、移動先の座標値はy1+L2である。ステップS505の直後の状態は、図4(d)と同じである。すなわち、試薬容器103が第2の収容部102の右端にあり、第1の附勢部113が下がっている状態である。また、コントローラ117はステップS505では上下移動部114内のソレノイドに流す電流をステップS504よりも少なくする。ステップS504で第1の附勢部113を下に動かすために必要な力よりも、ステップS505で第1の附勢部113を下げた状態を維持するために必要な力が少ないことを利用し、上下移動部114内のソレノイドに流す電流を必要最小限にすることによりソレノイドの発熱量を低減させる。
続いてステップS506において、コントローラ117は上下移動部114内のソレノイドの電流をOFFにし、第1の附勢部113を上げる。これにより、試薬容器103の第1の収容部101から第2の収容部102への排出動作が完了する。ステップS506の直後の状態は、図4(c)と同じである。すなわち、試薬容器103が第2の収容部102の右端にあり、第1の附勢部113が上がっている状態である。
この後、ステップS507にて、ステップS506までの工程で排出した空の試薬容器103の代わりに、補充用の試薬容器103を装填するか否かを判定する。試薬容器103と同じ種類の補充用の試薬容器103が、すでに第2の収容部102に置かれている場合には、装填すると判断し、ステップS508に進む。補充用の試薬容器103が第2の収容部102にない場合には、上位コントローラを介して使用者に通知し、試薬容器の補充を促し、ステップS509に進む。なお、ステップS507の判断条件はこれに限定されない。
ステップS508では、図3で説明したフローに沿って装填動作を行う。装填動作が終了したら処理を終了する。
ステップS509では、コントローラ117はモータ116を駆動し、上下移動部114および第1の附勢部113を第1の収容部101側の待避位置に移動させ、処理を終了する。ステップS509の直後の状態は、図4(a)と同じである。すなわち、試薬容器103が第1の収容部101にあり、第1の附勢部113が上がっている状態である。
図6は、本実施形態において、被附勢部205および第1の附勢部113の係合の状態を示す詳細図である。試薬容器103の上部にある被附勢部205は、第1の附勢部113により印加される附勢力を所定方向131および第1の方向132の反対方向に受けるための互いに対向する2つの被押圧面205aおよび205bを有する凹部を含んで構成されている。被附勢部205に直動機構115に連結した第1の附勢部113が、図6(a)から図6(b)に示すように、Z軸上方より被附勢部205の凹部内に降下するし、係合する。
図3のステップS306の動作開始後、第1の附勢部113はY軸の正方向(第1の方向132)に移動を開始すると、被附勢部205の面205aと接触し、押圧力を試薬容器103に与える。これにより試薬容器103が移動を開始する。一方、第1の附勢部113がY軸の負方向(第1の方向132の反対方向)に移動をするときは、試薬容器103の被附勢部205の面205bと接触し、試薬容器103が移動する。なお、本例では第1の附勢部113は直方体状の形状をしているが、面205aと205bに傾斜面をもった台形状で、この形状に合わせた結合部であっても構わない。これによりY軸方向の隙間を小さくでき、保持部材が移動してから試薬容器が移動開始までの時間を短縮することが可能である。
図7は、本実施形態において、図4(d)から図4(f)に至るまでの第1の附勢部113が、試薬容器103に押圧力を与えながら移動していくときに作用する力を示した図である。試薬容器103は、第1の附勢部113からの押圧力によって、進行方向のRの位置を中心とした回転力F1を受ける。試薬容器103の重心位置をGとし、摺動面である下面から重心までのZ方向距離をH、試薬容器103の重心位置から回転位置RまでのY方向距離(試薬容器が移動すべき方向(Y方向)における、重心位置から試薬容器の一端までの距離)をL、第1の附勢部113からの押圧力の作用中心位置と摺動面である下面とのZ方向距離をH、さらに摺動面の摩擦係数をμ、試薬容器の質量をm、重力加速度をgとする。このとき、回転位置Rまわりに試薬容器が回転しない条件式は
Lmg>F1×H・・・式(1)
F1=μmg ・・・式(2)
式(1)と式(2)からF1を消去することにより、
L>μH ・・・式(3)
H<L/μ ・・・式(4)
となる。この条件を満たすように、試薬容器103の形状や、摺動面である第1の被摺動部101aと第2の被摺動部102aの摩擦係数を決めるとよい。なお、摩擦係数は、摺動面、被摺動面の材質、表面粗さ等を変えるとよい。
図8は、第1の実施形態における試薬容器103の移動の別形態を示している。図8(a)は、試薬容器103に凸部の形状の被附勢部209が設けられた場合の形態を示している。この場合、図4(d)の動作時に第1の附勢部113が被附勢部209の上面位置より降下し、被附勢部209の端面を押圧することで試薬容器103を移動する。図8(b)は、直動機構115がベルト駆動と上下移動駆動からなり、この場合、図4(d)の動作時にベルト部が降下し、試薬容器103の上面と接触し、摩擦力によって、試薬容器103を第1の収容部101側へ移動する。
このように、本実施形態によれば、試薬容器103を第2の収容部102と第1の収容部102間で移動させる場合に、試薬容器103の端部(例えば図2の一端201)にのみ附勢力を印加する形態と比べて、被附勢部205に第1の附勢部113を当接させて移動させるため、挿抜装置135に対する負荷を軽減することができる。また、第1の附勢部113の可動域が挿抜装置135の内側にあることから、使用者が誤って第1の附勢部113に触れてしまう可能性を低減することができる。
(第1の実施形態の変形例)
本実施形態を図9~11を参照して説明する。図9は、本実施形態の変形例による、試薬容器103の移動の規制/解除に関する、挿抜装置135の一部の構成を示す図である。図10は、本実施形態の変形例による、試薬容器103の移動の規制/解除に関する、挿抜装置135の一部の別の構成を示す図である。図9では、第2の収容部102の上に、1つの試薬容器103が載置され、第1の附勢部113が試薬容器103の被附勢部205に降下した状態を示している。第2の収容部102は、第1の附勢部113が被附勢部205と当接された状態において試薬容器103との結合が解除され、第1の附勢部113が被附勢部205との当接が解除された状態において試薬容器103と結合される第2の附勢部901を有する。第2の附勢部901は、第2の収容部102に収容された状態にある試薬容器103の被附勢部205の位置に対応して配置され、弾性部材を含んで構成されうる。第2の附勢部901は、試薬容器103と結合する部分として、テーパ面901aと901bを有する。図10は、図9の構成を装置上方(Z軸の正方向)から見た図を示す。本例では、図10は、第2の収容部102の上面を仕切り板106で区切られた1つのスロットを示しており、状態(a)から状態(e)は、試薬容器103、第1の附勢部113、および第2の附勢部901の状態がそれぞれ異なる状態を示している。
図10において、状態(a)は、試薬容器103の被附勢部205に第2の附勢部901が係合し、Y軸の正方向の移動が規制されている状態である。使用者が第2の収容部102に試薬容器103を載置した際、第1の収容部101には接触しないように第2の附勢部901が設置される。状態(b)は、試薬容器103を第1の収容部101側に移動する際に第1の附勢部113を第2の附勢部901に接触しないX軸位置で降下させたときの状態である。状態(c)は、状態(b)から第2の収容部102をX軸の負の方向に移動し、第1の附勢部113を第2の附勢部901に接触させ、たわませている状態をしめす。これにより、試薬容器103をY軸方向に規制していた状態が解除されたことになる。状態(d)は、状態(c)の後、第1の附勢部113を直動機構115によりY軸の正方向に移動している状態である。状態(e)は、試薬容器103が第2の収容部102から第1の収容部101に移動し、たわみが生じていた第2の附勢部901がもとの位置に戻った状態を示している。
試薬容器103が第1の収容部101側から第2の収容部102へ移動するとき、第2の附勢部901が先端部にあるテーパ面901bに試薬容器103の端部が接触し始めるとテーパ面901bに沿って第2の附勢部901がたわむ。そして、試薬容器103の被附勢部205に第2の附勢部901のテーパ面901a、901bがきた時点で第1の附勢部113を上昇し、状態(a)にもどる。
図11は、本実施形態の変形例による、試薬容器103の移動の規制/解除に関する、挿抜装置135の一部の別の構成を示す図である。図9、図10に記載した構成と比較すると、図11(a)にあるように第2の附勢部901の先端部の2つのテーパ面901a、901bに加え、テーパ面901cを設けている点が異なる。このテーパによって、図11(b)のように第1の附勢部113を試薬容器103の被附勢部205に向けて下降させたとき、テーパ面901cが接触し、第2の附勢部901を矢印の方向にたわませることよって、試薬容器103をY軸方向に規制していた状態を解除することができる。第1の附勢部113を下降させるのみで解除が可能となることで、図10の状態(c)から状態(d)への第2の収容部102のY軸方向への動作が不要にできる。
このように変形例では、第2の収容部102に、試薬容器103の位置規制を解除する機能をもつ第2の附勢部901を備える。これにより、省スペースで安定した試薬容器103の搬送と、試薬容器103の挿抜装置135への設置時に、使用者が確実に試薬(薬液)の補充、交換を行うことが可能となる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態として、第1の収容部101における試薬容器103の動きを規制する構成について説明する。本実施形態における分析装置100の基本的な構成や動作は第1の実施形態と同様であり、以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
図12は、本実施形態によるラッチ部105の構成例を示す。図12では、X軸負側からX軸正方向に見た第1の収容部101の一つのスロット内の構成を示しており、仕切り板104は示されておらず、試薬容器103は格納されていない状態を示している。
ラッチ部105は、試薬容器103を所定方向131に沿って挿入する動作により試薬容器103に設けられた被締結部207と噛み合うように構成される。これにより、試薬容器103と第1の収容部101とが非締結状態から締結状態に移行する。第1の収容部101は、試薬容器103が挿入された状態(締結状態となった状態)において、試薬容器103に収容された試薬を吐出可能な状態に試薬容器103が装填される。また、ラッチ部105は、試薬容器103が所定方向131に沿って抜去する動作により被締結部207との噛み合いが解除されるように構成される。これにより、試薬容器103と第1の収容部101とが締結状態から被締結状態に移行する。ラッチ部105は、所定方向131と交差する方向に所定の押圧力を印加する可動部1208と、可動部1208と第1の収容部101との間において可動部1208を支持する支持部1209とを有する。
可動部1208は、ロック爪1201(爪部)、引張バネ1203、バネ軸1205を有し、支持部1209は、軸1202、バネ軸1204、軸1206を有する。ロック爪1201は、第1の収容部101に固定された回転軸1202を中心に回転可能に構成されている。このロック爪1201は、第1の収容部101に固定されたバネ軸1204とロック爪1201に固定されたバネ軸1205に掛けられた引張バネ1203によって常に時計回り方向に付勢されている。軸1206は、ロック爪1201の回転を規制する第1の収容部101に固定されたストッパ軸である。また、位置決め部1207は、締結状態に対応する試薬容器103の位置を定める部材である。例えば、位置決め部1207は、第2の収容部102から第1の収容部101に移動される試薬容器103を押し当ててY軸方向の位置決めを行う。
次に、装填動作中の本実施形態におけるラッチ部105の動作について、図13を参照して説明する。図13は、本実施形態による、第1の収容部101において試薬容器103の動きを制限するための動作例を説明するための図であり、装填動作中における試薬容器103の位置とラッチ部105のロック爪1201の状態を示している。図13に示す状態の変化は、第1の実施形態で説明した図3のステップS306、図4(d)から図4(e)に至るまでの動作に対応する。図13(a)は、試薬容器103が第1の附勢部113に押されて第1の収容部101側に移動して試薬容器103の被締結部207がロック爪1201に接触したところである。さらに移動するとロック爪1201のテーパ部分が押されることでロック爪1201が引張バネ1203を伸ばす方向である反時計回りに回転する。第1の附勢部113は、図4等を用いて説明したように、試薬容器103に対して、所定方向131または所定方向131の反対方向に作用する附勢力を印加することができる。
図13(b)は、試薬容器103が移動を続けてロック爪1201の回転が最大の状態を示した図である。その後は、ロック爪1201が引張バネ1203に引っ張られて時計回りに回転しようとし、被締結部207をZ軸負方向、Y軸正方向に押す。それにより、試薬容器103は第1の収容部101側に移動し、ロック爪1201は時計回りに回転する。
図13(c)に示す状態になるときに、コントローラ117はモータ116を止め、試薬容器103を押していた第1の附勢部113の動きは止まる。このときに試薬容器103は位置決め部1207にまだ接触していない。上述した図4(e)は、この状態のときを示す。
試薬容器103の被附勢部205に第1の附勢部113が当接した状態で両者の間にY方向に隙間があるため、引張バネ1203に引っ張られるロック爪1201の回転は続き、試薬容器103が位置決め部1207に接触するまで試薬容器103は移動を続ける。図13(d)は試薬容器103が位置決め部1207に接触し押し当てられて動きが止まったときの、すなわち試薬容器103のY軸方向の位置決めがされた状態を示す。
そして、試薬容器103の動きが止まってもロック爪1201による被締結部207の押え込みは継続する。このようにして、ラッチ部105は、所定方向131を含み互いに交差する少なくとも3方向(X軸、Y軸、Z軸)において、試薬容器103の動きを制限することができる。引張バネ1203は、分注のために第1の収容部101が移動する際の振動・衝撃に耐える押え込みになる強さのものを選択すればよい。また、本実施形態では、ロック爪1201はステンレス、試薬容器の被締結部207を含む試薬容器103の外装はPEを材質としているが、引張バネ1203の強さ、両者の摩擦係数を考慮して他の金属と樹脂、あるいは樹脂と樹脂の組み合わせを選択しても良い。
次に、試薬容器103を第1の収容部101から抜去する際のラッチ部105の動作について図13を参照して説明する。これは、図5のステップS505、図4(e)から図4(d)の動作に対応する。可動部1208(ロック爪1201、引張バネ1203、バネ軸1205)により印加される押圧力は、試薬容器103に対する第1の附勢部113による附勢力に対応して上限が設定されており、当該上限を超える力が鉛直方向上向きに働くことにより、試薬容器103を抜去することができる。なお、当該押圧力は、可動部1208の自重による鉛直方向下向きの成分も含む。
ステップS505における試薬容器103とロック爪1201の状態は、試薬容器103と位置決め部1207が接触している図13(d)から始まり、それらが離れる図13(c)、ロック爪1201の回転が最大の状態である図13(b)、ロック爪1201と試薬容器103が離れる直前である図13(a)の順に変化する。すなわち、モータ116を駆動して第1の附勢部113と共に試薬容器103が第2の収容部102側に移動する動きによってロック爪1201が反時計回りに回転し、ロック爪1201による試薬容器103の被締結部207の押え込みが解除される。この押え込みの解除により、試薬容器103の位置決めされた位置のX軸、Y軸、Z軸の3方向への固定の解除、言い換えると第1の収容部101に対する試薬容器103の3方向への動きの制限の解除が行われることになる。
なお、上記構成では、試薬容器103を第1の収容部101に装填する駆動力をモータ116が発生している。しかし、これに限らず、同様のラッチ部105を用いて、手動で試薬容器103を移動して第1の収容部101に装填する場合でも、試薬容器103の3方向の位置決めを行った後に試薬容器103の動きを制限することができる。そして、手動で試薬容器103を移動して第1の収容部101から抜去しても、動きの制限を解除することができる。
(第2の実施形態の変形例)
図14は、本実施形態の変形例による、第1の収容部101における試薬容器103の動きを制限する別の構成例を示す図である。図14は図12と同様に、X軸負側からX軸正方向に見た第1の収容部101の一つのスロット内の構成を示す。第1の附勢部113、上下移動部114、直動機構115も示されている。仕切り板104は示されておらず、試薬容器は格納されていない状態である。位置決め部1207は図12と異なり、Y軸負方向の位置に配置されている。
図14では、ロック爪1201に棒状部材1401が固定されて、棒状部材1401がロック爪1201の回転と一体となって回転できるようになっている。すなわち、棒状部材1401は、ロック爪1201の回転の動作を制御するように、ロック爪1201に固定されている。また、上下移動部114に押し部材1402が固定され、押し部材1402が上下移動部114と一体となって移動するようになっている。第1の附勢部113がX軸方向に関して第1の収容部101のあるスロットの試薬容器103の被附勢部205に当接する位置にあるときに以下の動作ができるように、押し部材1402が上下移動部114に固定されている。それは、上下移動部114がY軸正方向に移動すると、押し部材1402が棒状部材1401に接触して回転する動作である。
図15は、本実施形態の変形例による、第1の収容部101における試薬容器103の動きを制限する別の動作例を説明するための図であり、試薬容器1403が第1の収容部101に装填されてロック爪1201に押え込まれ、動きが制限される動作の前後を図14と同様の方向から示した図である。試薬容器1403は、上記に説明した試薬容器103と一部構成が異なる。すなわち、試薬容器1403は、底面にY軸方向に凹み形状である長い溝1404があり、吐出部203の近傍にある溝1404の終端壁面が位置決め部1207と接触して押し当てられることでY方向の位置決めが行われる。本実施形態では押し当て部として位置決め部1207を用いているが、所望の位置に取り付けられて精度良く位置決めができる部材であれば、位置決め部1207以外でも構わない。
図15(a)は、上下移動部114の移動と共に第1の附勢部113に押されて試薬容器1403が第1の収容部101側に移動し、試薬容器103の被締結部207がロック爪1201に接近したところである。棒状部材1401が押し部材1402に押されて回転し、ロック爪1201が反時計回りに回転する。その結果、試薬容器の被締結部207はロック爪1201に接触することなくロック爪1201の下に入り込む。
図15(b)では、第1の附勢部113がさらに移動して溝1404の終端面が位置決め部1207に接近しているが接触していない。この位置でコントローラ117はモータ116を止め、試薬容器1403を押していた第1の附勢部113の動きは止まる。
図15(c)は、コントローラ117が上下移動部114内のソレノイドの電流をOFFにし、第1の附勢部113を上げた状態である。この後、コントローラ117が上下移動部114をY軸負方向に移動すると、ロック爪1201は引張バネ1203に引っ張られて時計回りに回転し、試薬容器1403の被締結部207を押す。試薬容器1403は溝1404の終端面が位置決め部1207に接触するまで、すなわちY軸方向の位置決めがされるまで移動する。このY軸方向の位置決めは、吐出部203の近傍にある溝1404の終端面を利用するため、吐出部203からの試薬吐出の位置をより高い精度で試薬容器103の位置に合わせることが可能になる。
図15(d)は、押し部材1402が棒状部材1401から充分離れた位置まで上下移動部114が移動した状態である。試薬容器1403の動きは止まっているが、ロック爪1201による試薬容器103の被締結部207の押え込みは継続する。そのため、試薬容器1403の位置決めされた位置をY軸、Z軸の2方向において固定、すなわち第1の収容部101に対する試薬容器1403の動きを2方向で制限することができる。本実施形態において、試薬容器1403は、板バネを有する図10に示す仕切り板104により、図15(d)の紙面と垂直なX方向において抑え込まれている。即ち、本実施形態において、試薬容器1403は、ロック爪1201と仕切り板104により、3方向に固定されていると換言される。
このように、図14~図15に示した構成では、ロック爪1201を回転させるのに回転軸1202から離れた位置を押すので、試薬容器1403を第1の収容部101に移動する際に、より小さい力でロック爪1201を回転させることができる。そして、上下移動部114の移動によって試薬容器1403を移動させる際に、試薬容器の被締結部207にロック爪1201から負荷がかからないので、試薬容器1403が傾くことがなく、よりスムーズに移動させることができる。
空になった試薬容器1403を第1の収容部101から第2の収容部102に排出する際は、装填、押え込みと逆の動作を行えばよい。すなわち、まず図15(c)の状態になるまでコントローラ117が上下移動部114をY軸正方向に移動してロック爪1201による試薬容器1403の被締結部207の押え込みを解除する。
次に、コントローラ117が上下移動部114内のソレノイドの電流をONにし、第1の附勢部113を下げる。図15(b)に示すように、第1の附勢部113が試薬容器1403の被附勢部205に入り込む。そしてコントローラ117が上下移動部114を第2の収容部102の側に移動させ、試薬容器1403が排出される。
このように、図14~図15に示した構成では、排出時に試薬容器1403の被締結部207はロック爪1201に接触しないので、試薬容器1403には押え込みの解除の際の衝撃が加わることがなく、スムーズに排出を行うことができる。また、装填時と同様、ロック爪1201を回転させるのに回転軸1202から離れた位置を押すので、より小さい力でロック爪1201を回転させて押え込みを解除することができる。
このように、第2の実施形態の挿抜装置においては、アクチュエータを追加することなく、試薬容器103/1403を第1の収容部101に装填する駆動力を利用して、試薬容器103の3方向の位置決めを行った後に試薬容器103の動きを制限することができる。そのため、分注のために第1の収容部101が移動する際の振動・衝撃による、第1の収容部101に載置された試薬容器103の位置ずれを防ぐことができるので、所望の試薬を試薬容器103から確実に吐出できる。そして、同様にアクチュエータを追加することなく、試薬容器103を第1の収容部101から抜去する駆動力を利用して、試薬容器103の動きの制限を解除することができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態として、第1の収容部101へ試薬容器103を挿入する装填工程の前に、使用者によって載置され、位置精度が低い第2の収容部102への試薬容器103の載置状態を揃えるアライメント動作について説明する。本実施形態における分析装置100の基本的な構成や動作は第1の実施形態と同様であり、以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態の挿抜装置135において、補充用の試薬容器103bを第2の収容部102から第1の収容部101へ移動させる装填動作について、図16および図17を用いて説明する。図16は、本実施形態による装填動作のフローチャートである。当該フローチャートの処理は、例えば、分析装置100の上位コントローラからの指示により、挿抜装置135コントローラ117に対して装填動作開始の指示が行われたところから開始されうる。
図17は、図16に示す装填動作の各ステップの途中の試薬容器103および第1の附勢部113の状態をX軸方向から見た図である。図16において、第1の実施形態において説明した図3と同様のステップについては同じ参照番号を付し、説明を省略する。また、図17において、図17(e)~(i)は、図3の(b)~(f)に対応し、図3に関連して説明した部分については、説明を省略する。
本実施形態では、ステップS302の直後に、試薬容器103は図17(a)に示す位置にあるものとする。すなわち、第1の実施形態と異なり、この時点では、試薬容器103は端部402に接していない。続くステップS1601において、コントローラ117はモータ116を駆動し、第1の附勢部114を第1の収容部101と第2の収容部102の間で、試薬容器103の手前の位置まで移動させる。使用者が試薬容器103を第2の収容部102に差し入れる際の、差し入れ量の許容ばらつきをL3とする。第2の収容部102の端部402のY座標をy1とするときに、第1の附勢部114の試薬容器103と接する面のY座標がy1+L1+L3になるまで移動させる。なお、L3はあらかじめ設定し、コントローラ117内部のメモリに保存しておく。図17(b)はステップS1601の直後の状態を示す図である。上下移動部114および第1の附勢部113が試薬容器103の手前まで移動し、第1の附勢部113は上がっている状態である。
続いてステップS1602において、コントローラ117は上下移動部114内のソレノイドの電流をONにし、第1の附勢部113を下げる。図17(c)はステップS1602の直後の状態を示す図である。上下移動部114および第1の附勢部113が試薬容器103の手前にあり、第1の附勢部113が下がっている状態である。
続いてステップS1603において、コントローラ117はモータ116を駆動し、第1の附勢部113を下げた状態のままY軸の負方向に移動させる。ステップS1603の処理は、挿抜部134を介して試薬容器103を第1の方向131の反対方向に附勢し、第2の収容部102に設けられた付き当て部としての端部402に試薬容器を突き当てる突き当て工程に相当する。挿抜部134は、試薬容器103に対する距離が変更可能に構成される。当該処理は、試薬容器103の他端202の側にある側面を附勢することを含み、これにより、第1の附勢部113と一緒に試薬容器103も第2の収容部102側に移動する。第2の収容部102の端部402のY座標をy1とするときに、第1の附勢部113の試薬容器103と接する面のY座標がy1+L1になるまで移動させる。これにより、使用者が載置した時の試薬容器103のY座標がばらついていても、試薬容器103の一端201の座標はy1になり、第2の収容部102の端部402に合わせることができる。図17(d)はステップS1603の直後の状態を示す図である。試薬容器103が第2の収容部102の右端にあり、第1の附勢部114が試薬容器103の手前にあり、第1の附勢部113が下がっている状態である。なお、試薬容器103を合わせる位置は第2の収容部102の端部402に限定されない。ステップS1603での移動距離を少し短くし、試薬容器を合わせる位置を端部402よりもY軸正方向に少しずらすこともできる。これにより、位置合わせの際に試薬容器103が端部402にぶつからないようにし、音や振動の発生を防止することができる。以降のステップS303~ステップS307の処理については、図3と同様であるため、説明を省略する。S307の、第1の収容部101は、試薬容器103が挿入された状態において、試薬容器103に収容された試薬を吐出可能な状態に試薬容器103が装填される。
なお、図17(c)~(h)から明らかなように、突き当て工程(ステップS1603)の開始時点では、第1の附勢部113(挿抜部134)と試薬容器103との間隔が不明である。そのため、試薬容器103が第2の収容部102に載置されているであろうと予想されうる領域から十分に離れた位置で、試薬容器103に近づけて当接させる。一方、装填工程(ステップS304以降)では、試薬容器103の被附勢部205の位置が定まっているため、第1の附勢部113(挿抜部134)を試薬容器103に一旦遠ざけてから移動して近づける。よって、突き当て工程(ステップS1603)と装填工程(ステップS304以降)との間において、挿抜部134を試薬容器103から遠ざける工程(図17(e))と、挿抜部134を所定方向131において異なる位置に移動する移動工程(図17(e)→図17(f))と、挿抜部134を試薬容器103に近づける工程(図17(f)→図17(g))が含まれる。
続いて、試薬容器103を分析セル108の上方に移動させ、試薬を分注する際の動作を、図18を用いて説明する。図18は、本実施形態による吐出位置移動動作のフローチャートである。当該フローチャートの処理は、例えば、分析装置100の上位コントローラから、コントローラ117に対して、吐出位置移動動作開始の指示が行われたところから開始されうる。
ステップS1801において、上位コントローラは測定部107を回転させ、第1の収容部101の移動軌跡上の分注位置に分析セル108の開口部を合わせるように、分析セル108を移動させる。この段階で、分注位置に到着した分析セル108には、測定部107の検体分注機構(不図示)により検体が分注されているものとする。
続いてステップS1802において、コントローラ117は、同時にモータ112および移動機構111を用いて第1の収容部101を測定部107へ移動させる。具体的には、第1の収容部101における試薬容器103を分注位置に移動させる。ステップS1801およびS1802の移動は同時並行して行い、移動全体にかかる時間を短縮させることで分析のスループットを向上させる。なお、分注位置に合わせる試薬容器103は、分析項目および第1の収容部101に搭載されている試薬容器103の種類により、上位コントローラにより決定され、吐出位置移動動作開始時にコントローラ117に通知されうる。
ステップS1802直後(第1の収容部101の移動後)の測定部107および第1の収容部101の位置関係を図19に示す。第1の収容部101が測定部107の上方に重なり、分析セル108の開口と、試薬容器103の吐出部203のXY平面上の位置が合った状態になる。試薬容器103は第1の収容部101内でラッチ部105により位置決めされているため、ステップS602で第1の収容部101を移動させても試薬容器103の位置ずれはなく、分析セル108の開口部に対して精度よく位置決めをすることができる。
続いて、ステップS1803において、コントローラ117の分注部136は、分注位置にて試薬容器103に含まれる一定量の試薬を、分析セル108に分注する。アクチュエータおよび駆動回路を試薬容器103の内部に備えて、コントローラ117の分注部136がこれらを駆動してもよい。また、試薬容器103の内部分注機構を駆動するためのアクチュエータを試薬容器103の外部に備え、試薬容器103に結合してもよい。また、コントローラ117の分注部136は、ステップS1803において上位コントローラに分注位置への移動完了を示す信号を出力し、上位コントローラ側で試薬容器103の内部分注機構を駆動してもよい。
続いて、ステップS1804において、モータ112および移動機構111を用いて第1の収容部101を元の位置に待避させる。待避した後の測定部107および第1の収容部101の位置関係は図1と同じである。
ステップS1801からステップS1804を一定の間隔で繰り返し行うことにより、多数の検体の分析を連続して行うことができる。ステップS1803にて試薬が分注された後は、分析セル108は、ステップS1801の分析セル108の移動(測定部107の回転)により、攪拌、反応の検出、洗浄のための位置に移動されうる。そこで、攪拌部143、検出部142、洗浄部144はそれぞれ、反応液の攪拌、吸光度の測定、分析セル108の洗浄を行いうる。途中で試薬容器103の試薬が空になった場合には、図5で説明したフローに沿って試薬容器103を排出する。
なお、本実施形態において、第1の収容部101および第2の収容部102をX軸方向に動かし、第1の附勢部113をY軸方向に動かす構成とした。しかし、第1の収容部101と第2の収容部102の各スロットと保持部材の位置合わせができれば、移動の組み合わせはこれに限定されるものではない。例えば、直動機構109は第2の収容部102の代わりに第1の附勢部113をX軸方向に動かしてもよい。この場合には、第2の収容部102は固定となり、保持部材がX軸,Y軸の2次元方向に移動する。試薬の数が多く、第2の収容部102の重量が重い場合には、第1の附勢部113を2次元方向に動かすほうがモータ110を小型化でき、装置の小型化、低コスト化につながる。
また、本実施形態において、第1の収容部101の上から(Z軸正側からZ軸負方向に)見た形状は長方形であり、試薬容器を103横に並べて格納する構成としたが、第1の収容部101の形状はこれに限定されるものではない。また、第1の収容部101を移動させるための機構として直進的に移動させる移動機構111を用いたが、試薬容器を分析セル108および第2の収容部102に対し位置を合わせることできれば、他の移動機構を用いてもよい。例えば、第1の収容部101は円形とし、円周に沿って試薬容器を格納してもよい。この場合には、第1の収容部101を移動させるための機構として移動機構111の代わりに回転機構を用いてもよい。これにより、第1の収容部101と測定部107を近傍に配置でき、装置の小型化につながる可能性がある。
このように、本実施形態の分析装置においては、使用者が第2の収容部102に載置した試薬容器103を第1の収容部101に移動させる前に、第2の収容部102内で試薬容器103を所定の位置に移動させる。これにより、使用者が試薬容器103を補充する際に、試薬容器103を置いた位置が予め決められた保持位置からずれていても、挿抜部134を介して確実に試薬容器103を第1の収容部101に移動させることができる。そのため、使用者が試薬容器103を第2の収容部102に置く際の位置合わせの負担を軽減することができる。
また、本実施形態において、試薬容器103の搬送に使う第1の附勢部113、上下移動部114、直動機構115をそのまま使用して試薬容器103の第2の収容部102内の位置合わせを行うことができる。これにより、位置合わせ用に専用の機構やアクチュエータを追加する必要がないため、分析装置の低コスト化、小型化につながる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態として、試薬容器103の吐出部203の高精度な位置決めを可能にする構成例について説明する。本実施形態における分析装置100の基本的な構成や動作は実施形態1と同様であり、以下、実施形態1と異なる点について説明する。なお、本実施形態において、試薬容器103から試薬を分注させる分注機構は試薬容器103の近傍に所定の位置に配置された外部分注部136aを有し、試薬容器103が第1の収容部101に装填された状態で、試薬容器103は外部分注部136aの所定位置に装填されるように構成されている。
図20は、本実施形態における分析装置2000の構成を示す図である。図1と同様の部分については同じ参照番号を付し、説明を省略する。本実施形態では、試薬容器103は、後述するように、吐出部203の位置に関する情報を示すマーク(吐出部203の位置を特定するためのマーク)が設けられている。マーク2101は、貯留部204に貯留された試薬に関する試薬情報を含んでもよい。センサ部2001は、試薬容器103の吐出部203の位置調整を行うためのマークを読み取り、該マークの情報(位置情報等)を検出するセンサを用いて構成される。センサには、カメラやレーザー変位計などが用いられうる。センサ部2001は、各試薬容器103(各スロット)に対して設けられてもよいし、第1の収容部101に対して設けられてもよい。また、本実施形態では、分析制御部140は位置制御部145を有する。
分析制御部140の位置制御部145は、センサ部2001により読み取られたマークの情報を処理する機能を有する。本実施形態では、位置制御部145は、センサ部2001から取得したデータに基づいて試薬容器103のマークの位置(座標)を算出し、基準値(基準位置)に対するマークの位置のずれ量の算出を行う。さらに、位置制御部145は、試薬容器103の吐出部203とマークの位置情報と、算出したマーク位置のずれ量から移動量(移動座標)を算出する。位置制御部145は、移動座標を移動機構111に指示して、第1の収容部101(試薬容器103)を移動させる。これにより、試薬容器103の吐出部203と分析セル108への正確な位置合わせが実現される。
図21は、Z軸負側からZ軸正方向に見た試薬容器103の構成を示す図である。試薬容器103は、試薬を貯留する貯留部204、貯留部204から試薬と吐出する吐出部203を収容する筺体208を有して構成される。吐出部203は吐出口を備える。なお、試薬容器103は、図2に示した被附勢部205、把持部206、被締結部207を有してもよい。図19に示していないが、例えば、試薬容器103の内部に分注機構を有し、分注機構を駆動させることで吐出部203から試薬をZ軸の負方向に吐出させることができる。
マーク2101は、吐出部203の位置調整を行うためのマークである。マーク2101は、筺体208が本実施形態における外部分注部136aの所定位置に装填されている場合に、分析装置100のセンサ部2001により読み取り可能な位置に設けられている。また、上記のように、マーク2101は、吐出部203が備える吐出口と重ならない位置に設けられている。マーク2101と吐出部203の相対的な位置は、寸法精度や事前計測で既知とする。これにより、マーク2101の位置を計測することで吐出部203の位置合わせを行うことができる。分注機構が試薬容器と一体となっている本実施形態においては、直接吐出部203を計測するのではなくマーク2101を計測することにより、試薬の液だれによる吐出部203の位置計測エラーを防ぐことができる。例えば、試薬の液だれにより吐出部203が汚れてしまうと、センサ部2001で正確に計測ができない。また、吐出部203の直下にセンサ部2001が配置されていると、試薬の液だれによりセンサ部2001が汚れてしまい計測ができなくなってしまう。そのため、試薬の液だれが影響しない位置でマーク位置を計測する必要がある。
マーク2101の設置場所は、吐出部203と同じ面であれば吐出部203から離れた場所、あるいは吐出部203とは別の面に設ける。吐出部203の位置計測に必要であれば、複数面にマークを設けてもよい。図21の例では、マーク2101aとマーク2102bのように、試薬容器103が第1の収容部101に配置される方向に対して垂直方向に、マークを複数設ける(図21では2点設ける)。これにより、試薬容器103の設置状態や第1の収容部101の組立精度において生じるZ軸回転方向の傾きによる吐出部203の位置誤差を抑えることができる。また、下面Z軸傾きに加えて他の面であるYZ面X軸傾きおよび、XZ面Y軸の傾きを各面に設けるマーク2101を計測することで、より高精度に位置計測を行うことができる。これは、分析セル108の開口面に対して吐出面に傾きがあると、試薬吐出時の試薬の軌道が変わり所望の位置に試薬が吐出されないためである。複数の試薬容器を第1の収容部101に設置する際には、YZ面のマーク検出が難しいため、レーザー変位計などにより薬液容器のXY面のマークの高さ方向ずれ量を計測することでX軸回転方向の傾きを計測することができる。なお、必ず複数面のマーク2101が必要ではなく、要求する精度によって必要なマーク位置を決める。マーク2101の加工方法は、成型加工や印刷加工、レーザー加工などが挙げられる。
図22は、本実施形態による試薬容器103の別の構成例を示す図である。図20に示すように、マーク2101を吐出部203を含む面に対し凹み段差をもたせた位置に配置し試薬の付着を防止してもよい。また、図21、図22におけるマーク2101において、試薬の付着を防止する方法として、表面状態を試薬に対して撥水性をもたせることで試薬の付着を防止してもよい。
図23は、図21および図22に示したマーク2101の形状の変形例を示す図である。図23(a)は、試薬容器の計測面(例えば、吐出部203を含む面)に碁盤目状のスケールを配置し、位置情報をもつマーク2301を示している。目盛をカメラやセンサ部2001でマーク2301を計測し、試薬容器の位置ずれ量を算出する。マーク2301の加工方法は、成型加工や印刷加工、レーザー加工などが挙げられる。図23(b)は、試薬容器103の計測面に、X軸に平行な1本の稜線およびY軸に平行な1本の稜線によりXY位置と角度情報が計測できる形状のマーク2302を示している。マーク2302は、成型加工により容器の形状そのものに設けてもよいし、印刷加工やレーザー加工などにより容器に線を引くことで設けてもよい。
図24は、図21および図22に示したマーク2101に付与する付加情報の例を示す図である。当該付加情報を図24(a)ではマーク2102で示す。マーク2102は、吐出部203とマーク2101aの相対的な位置情報を有する。試薬容器103の吐出部203とマーク2101aの位置精度は、加工や組み立て誤差により容器毎に異なる。容器毎に吐出部203とマーク1901aの位置情報を事前に測定し、マーク2102にその情報を付与することにより、吐出部203と分析セル108の位置合わせをより高精度に行うことができる。また、試薬容器103に分注機構を組み付ける(適用する)際に吐出部203が角度をもつ可能性があるため、位置情報の中には吐出部203の角度情報を含んでも良い。マーク2102は、本実施形態ではQRコード(登録商標)を用いているが、バーコードなどを使用してもよい。マーク2102は、位置情報だけでなく、試薬容器103の試薬(薬液)の種類、ロット番号、使用期限、容量などの情報を含んでも良い。また、図24(b)に示すように、付加情報取得用のマーク2103を位置情報取得マークとして使用してもよい。
本実施形態の分析装置2000での吐出部203の分析セル108の開口部への位置合わせについて図25および図26を用いて説明する。図25は、本実施形態による、吐出部203の位置合わせ動作のフローチャートである。図26は、マーク位置の読み取り(計測)および吐出部203の位置合わせの動作状態を示す図である。図26は、上面図であり、水平右方向をX軸正方向、水平上方向をY軸正方向、垂直下方向をZ軸正方向とする。
ステップS2501において、分析装置2000のセンサ部2001の直上に基準となるマーク(基準マーク)を配置し、位置制御部145は、基準データとして当該基準マークの位置の情報を取得する。基準マークは、分析装置2000に取り外しできる部品であることが好ましく、基準マークと分析セル108の相対的な位置は既知である。本実施形態では、図26にも示すように基準マークはセンサ部2001のY軸正負方向の直上等に配置されるものとするが、システムにおいて既知であれば他の場所であってもよい。基準データの取得は組立時およびメンテナンス時に行われうる。
続いてステップS2502において、試薬容器103を第1の収容部101に(外部分注部136aの所定位置に)装填する。試薬容器103は、試薬を貯留する貯留部204と、貯留部204からの試薬を吐出する吐出口(吐出部203に備えられる)と、マーク2101を有する。また、試薬容器103の装填処理は、第1の実施形態で説明したように、コントローラ117が挿抜装置135を制御することにより行われうる。
次に、ステップS2503において、移動機構111はコントローラ117の制御により、センサ部2001が試薬容器103のマーク2101を読み取る(計測する)位置に、第1の収容部101を移動させる。ステップS2504において、センサ部2001は、試薬容器103のマーク2101を読み取り、マーク2101の位置情報や付加情報のデータを取得する。ステップS2505において、位置制御部145は、取得したデータから、試薬容器103のマーク2101の座標を算出する。
ステップS2506において、位置制御部145は、第1の収容部101の移動量(移動座標を算出する。まず、位置制御部145は、マーク2101に対する基準位置を計測する(図26(a)を参照)。次に、位置制御部145は、ステップS2505で算出されたマーク2101の座標データとステップS2501で取得した基準データから、マーク2101と基準マークとのずれ量を算出する。次に、位置制御部145は、吐出部203とマーク2101の相対位置情報とずれ量と基準位置に基づいて、第1の収容部101の移動座標を算出する。吐出部203とマーク2101の相対位置情報は、予め位置制御部145に格納されている情報やマーク2102(付加情報)から取得された情報が使用されうる。
ステップS2506における移動座標の算出方法について、図26を用いて説明する。図26(a)はマーク2101に対する基準位置を計測する状態、図26(b)はマーク2101の位置を計測する状態を示している。センサ部2001の中心と分析セル108のX方向の距離をA、Y方向の距離をB、センサ部2001の中心と基準マークのY方向の距離をCとする。例えば、マーク2101aの位置と基準位置とのずれ量は、X:dx、Y:dy、θ:dθであったとする。また、吐出部203とマーク2101の相対的な位置はマーク2101aを基準にすると、X:a、Y:bであったとする。このとき、第1の収容部101の移動座標は、Xの正方向に“A-(dx+bsin(dθ))-a”、Yの正方向に”(b-(B-C))-(dy+b(1-cos(dθ))”となる。このように移動座標を算出する(図24(c))。本実施形態では、2次元平面内でのずれに対する移動座標算出について述べているが、分析セル108の開口部面に対する吐出部203の傾きによる3次元でのずれに対する移動座標算出を行うこともできる。算出された移動座標は、ステップS2507において位置制御部145に保存される。
続いて、ステップS2508において位置制御部145は、コントローラ117に、移動座標を移動機構111に指示するように制御し、ステップS2509でコントローラ117は、試薬容器103を移動させる。ここで、試薬容器103を移動させるのではなく、試薬容器103または分析セル108の少なくともいずれかを移動させるように、制御されてもよい。すなわち、位置制御部145は、センサ部2001により読み取られた情報に基づいて、試薬容器103および/または分析セル108に対する移動座標を算出し、コントローラ117および/または測定部107を制御する上位コントローラに、試薬容器103および/分析セル108を移動させるように指示することによって、移動させてもよい。
ステップS2510において、上位コントローラは測定部107を回転させ、第1の収容部101の移動軌跡上の分注位置に分析セル108の開口部を合わせる。この段階で、分注位置に到着した分析セル108には、測定部107の検体分注機構により検体が分注されている。ステップS2509およびステップS2510は同時並行して行い、移動全体にかかる時間を短縮させることで分析のスループットを向上させる。なお、分注位置に合わせる試薬容器103は、分析項目および第1の収容部101に搭載されている試薬容器の種類により、上位コントローラにより決定され、分注位置移動動作開始時にコントローラ117に通知されるものとする。
ステップS2511において、分注部136は、分注位置にて試薬容器103の内部分注機構を駆動し、一定量の試薬を分析セル108に分注する。アクチュエータおよび駆動回路を試薬容器103の内部に備えて、コントローラ117からの信号によって駆動してもよいし、試薬容器103の内部分注機構を駆動するためのアクチュエータを試薬容器103の外部に備え、試薬容器103に結合してもよい。また、コントローラ117はステップS2511にて上位コントローラに分注位置への移動完了を示す信号を出力し、上位コントローラ側で試薬容器103の内部分注機構を駆動してもよい。
続いて、ステップS2512においてコントローラ117は、移動機構111に指示し、第1の収容部101を、マーク2102を計測する位置に待避(移動)させる。
ステップS2513において、試薬容器103に入っている試薬量を確認し、吐出可能な試薬が残っている場合はステップS2508に戻る。吐出可能な試薬が残っていない場合は、ステップS2514に進み第1の収容部101を排出する。残試薬量は、コントローラ117等が、吐出回数を計測し、分注量と吐出回数から残試薬量を確認してもよい。また、第1の収容部101に設けたセンサが試薬容器103の重さを計測し、残試薬量を確認してもよい。また、試薬容器103内に設けた液面検知センサが残試薬量を確認してもよい。このようなセンサからの情報を元に、コントローラ117が、吐出可能な試薬が残っているか否かを判断することができる。
ステップS2508からステップS2513を一定の間隔で繰り返し行い、多数の検体の分析を連続して行う。ステップS2503にて試薬が分注された後は、分析セル108は、ステップS2510の分析セル108の移動(測定部107の回転)により、攪拌、反応の検出、洗浄のための位置に移動されうる。そこで、攪拌部143、検出部142、洗浄部144はそれぞれ、反応液の攪拌、吸光度の測定、分析セル108の洗浄を行いうる。
ステップS2515においては、新しい試薬容器103に交換する場合は、試薬容器103を第1の収容部101に装填するステップS2502に戻り、再びマーク2101の位置の計測を行う。試薬容器103の交換毎にマーク位置の計測を実施する理由は、試薬容器103の寸法誤差や、装填時の設置誤差などにより、第1の収容部101内での試薬容器103の吐出部203位置が交換毎に変わる可能性があるためである。ステップS2515において試薬容器103の交換を行わない場合は、処理を終了する。
このように、本実施形態では、試薬容器に、吐出部との相対的な位置が既知であるマークを設け、マーク位置の計測を行うことで反応容器と吐出部の位置合わせ行う。これにより、吐出部の高精度な位置決めを組立調整することなく実現することができる。そのため、試薬の持ち越しやクロス・コンタミネーションを防ぎながら、試薬吐出部の高精度な位置決めが可能な分析装置を提供することが可能となる。
上記に説明した処理を実行することが可能なコントローラ117および分析セル108のハードウェア構成例について図27を用いて説明する。情報処理装置としてのコントローラ117は、ハードウェア構成例として、CPU2701、ROM2702、RAM2703、補助記憶装置2704、操作部2705、通信I/F2706、及びバス2707を有する。
CPU2701は、ROM2702やRAM2703に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いてコントローラ117の全体を制御することで、上記に説明したコントローラ117の各機能を実現する。なお、コントローラ117がCPU2701とは異なる1又は複数の専用のハードウェアを有し、CPU2701による処理の少なくとも一部を専用のハードウェアが実行してもよい。専用のハードウェアの例としては、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、およびDSP(デジタルシグナルプロセッサ)などがある。ROM2702は、変更を必要としないプログラムなどを格納する。RAM2703は、補助記憶装置2704から供給されるプログラムやデータ、及び通信I/F2706を介して外部から供給されるデータなどを一時記憶する。補助記憶装置2704は、例えばハードディスクドライブ等で構成され、画像データや音声データなどの種々のデータを記憶する。
操作部2705は、例えばキーボードやマウス、ジョイスティック、タッチパネル等で構成され、使用者による操作を受けて各種の指示をCPU2701に入力する。通信I/F2706は、コントローラ117の外部の各構成要素等との通信に用いられる。バス2707は、コントローラ117の各部をつないで情報を伝達する。
本実施形態では操作部2705がコントローラ117の内部に存在するものとするが、コントローラ117の外部に別の装置として存在していてもよい。この場合、CPU2701が、操作部2705を制御する操作制御部として動作してもよい。
以上に説明した実施形態によれば、使用者の負担を増加させずに高機能な分析装置を提供することが可能となる。なお、各実施形態の任意の組み合わせが可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100 分析装置、101 第1の収容部、102 第2の収容部、103 試薬容器、 135 挿抜装置

Claims (32)

  1. 所定方向に一端と他端とを有する試薬容器が第1の方向に挿入されることで収容される第1の収容部と、前記試薬容器が第1の方向の反対方向に挿入されることで収容される第2の収容部と、前記試薬容器を前記所定方向に沿って移動させることで前記試薬容器を前記第2の収容部と前記第1の収容部のいずれか一方から抜去し他方に挿入することを可能とする挿抜部と、を有する挿抜装置であって、
    前記挿抜部は、前記試薬容器の前記一端と前記他端の間において着脱可能に結合することで前記試薬容器に対して前記所定方向に沿った附勢力を印加することが可能な第1の附勢部を有することを特徴とする挿抜装置。
  2. 前記第2の収容部は、前記所定方向と交差する方向に並列して、複数の試薬容器を収容可能なように複数の収容部を備えている請求項1に記載の挿抜装置。
  3. 前記第1の収容部は、前記試薬容器が摺動可能な第1の被摺動部を有し、前記第2の収容部は、前記試薬容器が摺動可能な第2の被摺動部を有する請求項1または2に記載の挿抜装置。
  4. 前記第1の附勢部は、前記所定方向において、前記第2の被摺動部と重なる位置と前記第1の被摺動部と重なる位置との間を移動することで、前記試薬容器を前記第2の収容部から抜去し前記第1の収容部に挿入するように構成されている請求項3に記載の挿抜装置。
  5. 前記第2の収容部を前記所定方向と交差する方向に移動することで、前記第2の収容部と前記第1の収容部との距離を変更することが可能な移動部を備える請求項1乃至4のいずれか1項に記載の挿抜装置。
  6. 前記第1の附勢部は、前記所定方向と交差する方向であり、かつ、前記移動部により前記第2の収容部が移動される方向と交差する方向において、前記試薬容器に設けられた被附勢部と当接可能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の挿抜装置。
  7. 前記被附勢部は、前記附勢力を前記所定方向と前記反対方向に受けるために互いに対向する2つの被押圧面を有する凹部を含む請求項6に記載の挿抜装置。
  8. 前記第2の収容部は、前記第1の附勢部が前記被附勢部と当接された状態において前記試薬容器との結合が解除され、前記第1の附勢部が前記被附勢部との当接が解除された状態において前記試薬容器と結合される第2の附勢部を有する請求項7に記載の挿抜装置。
  9. 前記第2の附勢部は、前記第2の収容部に収容された状態にある前記試薬容器の前記被附勢部の位置に対応して配置されている請求項8に記載の挿抜装置。
  10. 前記被附勢部は、前記試薬容器に設けられた凹部または凸部である請求項6乃至9のいずれか1項に記載の挿抜装置。
  11. 前記所定方向と前記第1の方向は平行または逆平行である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の挿抜装置。
  12. 所定方向に一端と他端とを有する試薬容器を前記所定方向に沿って移動させることで前記試薬容器を抜去または挿入することが可能な第1の収容部と、
    前記試薬容器を前記所定方向に沿って挿入する動作により前記試薬容器に設けられた被締結部と噛み合い前記試薬容器と前記第1の収容部とが非締結状態から締結状態に移行し、前記試薬容器を前記所定方向に沿って抜去する動作により前記被締結部との噛み合いが解除され前記試薬容器と前記第1の収容部とが締結状態から非締結状態に移行するように構成されているラッチ部と、を備える挿抜装置。
  13. 前記ラッチ部は、前記所定方向を含み互いに交差する少なくとも2方向において、前記試薬容器の動きを制限する請求項12に記載の挿抜装置。
  14. 前記第1の収容部は、前記締結状態に対応する前記試薬容器の位置を定める位置決め部をさらに有する請求項12または13に記載の挿抜装置。
  15. 前記試薬容器に対して、前記所定方向または前記所定方向の反対方向に作用する附勢力を印加する附勢部をさらに備える請求項12乃至14のいずれか1項に記載の挿抜装置。
  16. 前記ラッチ部は、前記所定方向と交差する方向に所定の押圧力を印加する可動部と、前記可動部と前記第1の収容部との間において前記可動部を支持する支持部と、を有する請求項15に記載の挿抜装置。
  17. 前記押圧力は、前記試薬容器に対する前記附勢力に対応して上限が設定される請求項16に記載の挿抜装置。
  18. 前記押圧力は、前記可動部の自重による鉛直方向下向きの成分を含む請求項16または17に記載の挿抜装置。
  19. 前記試薬容器から分注された試薬と検体との反応を検出することで前記検体を分析する分析装置の分注機構に適用される請求項1乃至18のいずれか1項に記載の挿抜装置。
  20. 前記第1の収容部は、前記試薬容器が挿入された状態において、前記試薬容器に収容された試薬を吐出可能な状態に前記試薬容器が装填される請求項1乃至19のいずれか1項に記載の挿抜装置。
  21. 請求項20に記載の挿抜装置を含む分注部と、
    前記第1の収容部に収容された前記試薬容器からの分注された試薬を検体と接触させる接触部と、前記試薬と前記検体との反応を検出する検出部と、を有する分析装置。
  22. 所定方向に一端と他端とを有する試薬容器が第1の方向に挿入されることで収容される第1の収容部と、前記試薬容器が第1の方向の反対方向に挿入されることで収容される第2の収容部と、前記試薬容器を前記所定方向に沿って移動させることで前記試薬容器を前記第2の収容部と前記第1の収容部のいずれか一方から抜去し他方に挿入することを可能とする挿抜部と、を有する挿抜装置の制御方法であって、
    前記挿抜部を介して前記試薬容器を前記反対方向に附勢し、前記第2の収容部に設けられた突き当て部に前記試薬容器を突き当てる突き当て工程と、
    前記挿抜部を介して前記試薬容器を前記第1の方向に附勢することにより前記試薬容器を前記第2の収容部から抜去し前記第1の収容部に挿入する装填工程と、
    を備える挿抜装置の制御方法。
  23. 前記突き当て工程は、前記試薬容器の前記一端の側にある側面を附勢する工程を含む請求項22に記載の挿抜装置の制御方法。
  24. 前記挿抜部は、前記試薬容器の前記一端と前記他端の間において着脱可能に結合することで前記試薬容器に対して前記所定方向に沿った附勢力を印加することが可能な第1の附勢部を含み、
    前記装填工程は、前記一端と前記他端との間に設けられた被附勢部に、前記第1の附勢部を当接させることで、前記試薬容器に附勢力を印加する請求項22または23に記載の挿抜装置の制御方法。
  25. 前記挿抜部は、前記試薬容器に対する距離が変更可能に構成され、
    前記突き当て工程と前記装填工程との間において、前記挿抜部を前記試薬容器から遠ざける工程と、前記挿抜部を前記所定方向において異なる位置に移動する移動する工程と、前記挿抜部を前記試薬容器に近づける工程と、をこの順で有する請求項22乃至24のいずれか1項に記載の挿抜装置の制御方法。
  26. 前記試薬容器から分注された試薬と検体との反応を検出することで前記検体を分析する分析装置の分注機構に適用される請求項22乃至25のいずれか1項に記載の挿抜装置の制御方法。
  27. 前記第1の収容部は、前記試薬容器が挿入された状態において、前記試薬容器に収容された試薬を吐出可能な状態に前記試薬容器が装填される請求項22乃至26のいずれか1項に記載の挿抜装置の制御方法。
  28. 分析セルに収容された検体を分析する分析装置が備える分注機構に適用される試薬容器であって、
    試薬を貯留する貯留部と、前記貯留部からの試薬を吐出する吐出部と、前記貯留部と前記吐出部を収容する筺体と、を有する試薬容器であって、
    前記筺体は、前記吐出部の位置に関する情報を示すマークが設けられていることを特徴とする試薬容器。
  29. 前記吐出部は、吐出口を備え、前記マークは、前記吐出口と重ならない位置に設けられている請求項28に記載の試薬容器。
  30. 前記マークは、前記貯留部に貯留された前記試薬に関する試薬情報を含む請求項28または29に記載の試薬容器。
  31. 前記筺体は、前記分注機構が有する外部分注部の所定位置に装填されるように構成され、
    前記マークは、前記筺体が前記所定位置に装填されている場合において、前記分析装置に設けられた読み取り部により読み取り可能な位置に設けられている請求項28乃至30のいずれか1項に記載の試薬容器。
  32. 前記試薬容器から分注された試薬と検体との反応を検出することで前記検体を分析する分析装置の分注機構の制御方法であって、
    試薬を貯留する貯留部と、前記貯留部からの試薬を吐出する吐出口と、前記吐出口の位置に関する情報を示すマークと、を有する試薬容器の前記マークを読み取る工程と、
    前記読み取った情報に基づいて、前記試薬容器または前記検体が収容された分析セルの少なくともいずれかを移動させる工程と、
    を含む分注機構の制御方法。
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