JP2022118771A - ダイカストマシンおよび鋳造方法 - Google Patents

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高弘 水嶋
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Abstract

【課題】スリーブと金型との係合完了からプランジャによる射出前進開始までのタイムラグを抑えることにより、鋳造の品質および生産性を向上させること。【解決手段】ダイカストマシン100の射出装置1は、金型から離脱した状態で溶湯が注入されるスリーブ12と、スリーブ12を傾転位置A2と直立位置A1とに変位させる移動機構14と、プランジャ11と、射出シリンダ15と、スリーブ駆動機構13とを備える。油圧回路2は、射出シリンダ15のロッド室C2とヘッド室C1とを連通させる連通回路201と、ヘッド室C1に作動油をポンプ21により圧送可能な射出前進回路202とを備える。射出前進回路202は、スリーブ12の移動に追従してピストンロッド151が移動している時に、ヘッド室C1に作動油を強制的に補充するように制御される。【選択図】図6

Description

本発明は、ダイカストマシンおよび鋳造方法に関する。
特許文献1には、竪型ダイカストマシンの射出装置が記載されている。かかる射出装置は、注湯後、スリーブ本体を上方に設置されている金型に係合させた後、射出シリンダのヘッド側への圧力印加により、ピストンロッドに結合しているプランジャを上方へ前進させることでキャビティへ溶湯を射出する。スリーブ本体は、プランジャの周りに配置されるスリーブ支持体により支持されている。
注湯は、スリーブ本体およびスリーブ支持体からなるスリーブを直立姿勢に対して傾転させた状態で行われる。注湯後、スリーブを直立姿勢に復帰させ、スリーブ本体を金型に係合させて射出を行うために、速やかにスリーブをラムシリンダへの作動油の供給により上方へ駆動する。ピストンロッドに設けられたカップリング等がスリーブ支持体により支持されているので、スリーブの上昇時に、プランジャおよびピストンロッドがスリーブ支持体により持ち上げられ、プランジャおよびピストンロッドがスリーブと一体的に上昇する。このとき、射出シリンダのロッド側の空間(ロッド室)とヘッド側の空間(ヘッド室)とを繋ぐ所謂ランアラウンド回路を通じて、ロッド室から排出された作動油がヘッド室へと流入する。
特開平10-034308号公報
スリーブの上昇時にロッド室からヘッド室へと流入する作動油の量は、そのときのピストンロッドの上昇に伴い増加するヘッド室の容積に対して、ピストンロッドの径に相当する分、不足する。
ここで、ヘッド室の容積増大に遅滞なく、不足量に相応の量で作動油が補充されないならば、ヘッド室が負圧となる。スリーブの上昇ストロークに応じた作動油の補充必要量、およびスリーブの上昇速度等によっては、ロッド室からヘッド室へと流れる作動油の流動エネルギーが、オイルタンクとヘッド室とのヘッド差により得られる流動エネルギーに対して大きい。そのため、オイルタンクからヘッド室へと作動油を吸い込むことによっては、ヘッド室に作動油を十分に補充することができない場合がある。そのため、スリーブを上昇限まで上昇させて金型にスリーブ本体を係合させた時にヘッド室が負圧であるならば、次の射出動作のために油圧源からヘッド室に圧力が付与されても、負圧が解消されないうちはプランジャが前進しないので、射出動作の開始が遅れてしまう。
図8に、金型への係合完了時にヘッド室が負圧である場合について、プランジャの変位量s(ストローク)および移動速度vの一例を示す。スリーブが上昇限に到達して金型へのスリーブ本体の係合が完了すると、射出動作を開始する制御指令の発令(t1)により油圧回路のバルブが動作することで、ヘッド室に作動油が供給される。それによってヘッド室の圧力が増加して負圧から正圧に転じると、スリーブに対してプランジャが前進を開始する(t2)。つまり、スリーブの上昇限への到達に伴う射出開始指令の発令時t1から、射出前進開始時t2までの間にはタイムラグtdが存在する。
本発明は、スリーブと金型との係合完了に伴う射出開始指令からプランジャの射出前進開始までのタイムラグを抑えることにより、鋳造の品質および生産性を向上させることを目的とする。
本発明は、金型のキャビティへと溶湯を射出するプランジャを駆動する射出シリンダを含む射出装置、および射出シリンダに接続される油圧回路を備えるダイカストマシンである。
射出装置は、金型に対する係合および離脱が可能であって、金型から離脱した状態で溶湯が注入されるスリーブ本体、およびスリーブ本体を支持するスリーブ支持体を含むスリーブと、スリーブを注湯用の位置と基本位置とに変位させる移動機構と、スリーブ本体に対して進退可能であって溶湯をキャビティに向けて押し出すプランジャチップ、およびプランジャチップから金型に対して離れる向きに延出するプランジャロッドを含むプランジャと、プランジャロッドに連結されるピストンロッドを含む射出シリンダと、スリーブ本体が金型に係合する向きにスリーブを軸線に対して平行に駆動可能なスリーブ駆動機構と、を備える。
油圧回路は、射出シリンダのロッド室とヘッド室とを連通させる連通回路と、ヘッド室に作動油をポンプにより圧送可能な強制補充回路と、を備える。
強制補充回路は、スリーブの移動に追従してピストンロッドが移動している時に、ヘッド室に作動油を強制的に補充するように制御される。
本発明のダイカストマシンにおいて、射出装置は、プランジャとスリーブとの相対変位量を検知可能な相対変位量検知部を備えることが好ましい。
本発明のダイカストマシンにおいて、軸線は、鉛直方向に対して平行に設定され、射出装置は、スリーブ駆動機構によるスリーブの上昇によりスリーブ本体が金型に係合した状態のスリーブに対して、プランジャを上方へ前進させることで、溶湯をキャビティに向けて射出することが好ましい。
本発明のダイカストマシンにおいて、油圧回路は、ヘッド室の作動油が負圧であることを検知可能な圧力検知部を備えることが好ましい。
本発明のダイカストマシンにおいて、油圧回路は、ヘッド室への圧力の付与によりプランジャを前進させてプランジャチップにより溶湯をキャビティに向けて射出させる射出前進回路を備え、射出前進回路は、スリーブ本体が金型に係合するまでスリーブが移動する時間において、圧力検知部により得られる圧力値が負圧を示しているとき、強制補充回路としてプランジャを前進させることが好ましい。
また、本発明は、スリーブに対して進退可能であって金型のキャビティへと溶湯を射出するプランジャ、およびプランジャを駆動する射出シリンダを備え、スリーブの移動にピストンロッドが追従するように構成されている射出装置を用いる鋳造方法であって、金型からスリーブが離脱している注湯用の位置にスリーブがある状態でスリーブの本体であるスリーブ本体に溶湯を注入する第1ステップと、注湯用の位置から基本位置へとスリーブを変位させることでスリーブ本体を金型の近傍に配置する第2ステップと、金型に対してスリーブ本体が係合する向きへのスリーブの移動を開始する第3ステップと、スリーブの移動に追従してピストンロッドが移動している時に、射出シリンダのヘッド室に作動油をポンプにより圧送する第4ステップと、スリーブの移動によりスリーブ本体が金型に係合する第5ステップと、ヘッド室への圧力の付与によりプランジャを前進させて溶湯をキャビティに向けて射出する第6ステップと、を含む。
本発明の鋳造方法の第4ステップにおいて、ポンプを用いたヘッド室への作動油の補充は、ヘッド室の作動油の圧力を検知することで得られるヘッド圧が所定の補充開始圧に対して小さいときに開始され、ヘッド圧が所定の補充終了圧に対して大きいときに終了することが好ましい。
本発明の鋳造方法の第4ステップにおいて、プランジャとスリーブとの相対変位量が閾値を超えた場合に、ポンプを用いたヘッド室への作動油の補充を停止することが好ましい。
本発明によれば、射出装置の構造上、スリーブの上昇開始後に射出シリンダのヘッド室の圧力が負圧になることが避けられないとしても、スリーブ上昇中におけるヘッド室へのポンプを用いた強制的な作動油の補充により、射出開始指令の発令時までにはヘッド室の圧力を負圧から正圧へと回復させることができる。そのため、射出開始指令に遅滞なくプランジャが前進を開始するから、溶湯の温度を出来る限り低下させないでキャビティに溶湯を充填することができる。したがって、湯回りの不良や凝固層の混入を避けて鋳造品質を向上させることができる。また、射出開始指令の発令時にヘッド室の圧力が負圧である場合に生じるタイムラグを解消してサイクルタイムを短縮することができるので、生産性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るダイカストマシンを模式的に示す図である。 (a)は、ダイカストマシンに備わる射出装置を示す縦断面図である。スリーブは原位置にある。(b)は、金型に係合する位置までスリーブを上昇させた状態を示す図である。 射出装置に接続される油圧回路を示す模式図である。 鋳造の各工程を示すフローチャートである。 スリーブ上昇工程の処理の詳細を示すフローチャートである。 スリーブが上昇する時間に亘る射出シリンダのストロークとヘッド室の圧力との変化を示すグラフである。 図6に対する比較例を示すグラフである。 スリーブの上昇開始から、金型への係合が完了して射出動作が開始されるまでのプランジャのストロークおよび移動速度を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔全体構成〕
図1に示すダイカストマシン100は、フロアFに設置される下側ベース101と、固定プラテン102と、上側ベース103と、可動プラテン104と、固定金型105(下側金型)と、可動金型106(上側金型)と、型締シリンダ107と、射出装置1と、油圧回路2(図3)と、ダイカストマシン100の各装置を制御する制御装置100Cとを備えている。
制御装置100Cは、図示しないコンピュータ装置により実行されるプログラムに基づいて油圧回路2のバルブ等を制御することで射出装置1の動作を制御する。
射出装置1は、下側ベース101に支持された状態で、図示しないピットの内側に配置される。竪型である射出装置1は、固定金型105および可動金型106からなる金型に対して下方から上方に向けて溶湯を鋳込む。
固定金型105と可動金型106との型締の方向も、鋳込みの向きと同様、鉛直方向に設定されている。なお、射出装置1が竪型であっても、型締の方向が水平方向に設定されていてもよい(例えば、特開平4-274856号公報参照)。
可動プラテン104、および可動プラテン104に設けられる可動金型106は、上側ベース103に支持された型締シリンダ107を含む型締・型開機構によりコラム108に沿って下降するとともに、固定金型105と型締される。型締された固定金型105と可動金型106との間に形成されるキャビティ109には、射出装置1により溶湯が充填される。その後、溶湯の増圧、型開、図示しない排出機構による金型からの製品の排出を経て、鋳造品が製造される。
図1に射出装置1の上端部を一点鎖線で示すように、射出装置1に備わるスリーブ12を、実線で示す直立位置A1(基本位置)に対して傾転位置A2(注湯用の位置)まで変位させて固定金型105から離脱させた状態で、図示しない給湯装置によりスリーブ12の本体であるスリーブ本体121に溶湯が注入される。一点鎖線で示す傾転位置A2から、実線で示す直立位置A1までスリーブ12を復帰させて固定金型105の近傍(直下)にスリーブ本体121を配置したならば、スリーブ12を上昇させて固定金型105に係合させることができる。
スリーブ12を傾転させた状態で行われる注湯は、型締と並行して行うことができる。
固定プラテン102および下側ベース101には、直立位置A1と傾転位置A2との間のスリーブ12の変位に必要な空間、つまりスリーブ12の移動を許容する切り欠き等の移動経路Rが確保されている。
スリーブ12が直立位置A1にある状態で上昇限まで上昇されると、スリーブ本体121が、固定金型105に形成されている図示しないインロー部に係合する。
〔射出装置〕
図1および図2に示すように、射出装置1は、プランジャ11と、スリーブ12と、スリーブ駆動機構13と、移動機構14と、射出シリンダ15とを備えている。
移動機構14は、図1に示すように、射出装置1を傾転位置A2と直立位置A1とに変位させる。本実施形態の移動機構14は、直立位置A1に対して傾斜した傾転位置A2まで、プランジャ11、スリーブ12、スリーブ駆動機構13、および射出シリンダ15を一体的に傾転させる。移動機構14は、射出シリンダ15のシリンダ部150の下部を回転自在に支持する軸部141と、油圧によりシリンダ部150を側方から押し引き可能な傾転シリンダ142とを備えている。
軸部141は、下側ベース101から下方に延びている図示しない支持部材により支持されている。傾転シリンダ142は、図示しないピットの側壁に固定されている。傾転シリンダ142のピストンロッド142Bは、射出シリンダ15のシリンダ部150に対してピン結合されている。
プランジャ11、スリーブ12、および射出シリンダ15のそれぞれの軸線は、同一直線上に設定されている。これらの軸線を軸線Lと総称する。スリーブ12が直立位置A1にあるとき、軸線Lの方向は鉛直方向に一致する。
図2に示すように、プランジャ11は、プランジャチップ111およびプランジャロッド112を含む。プランジャ11が射出シリンダ15により駆動されて上方へ前進すると、プランジャチップ111は、スリーブ本体121に注入された溶湯をキャビティ109に向けて押し出す。プランジャロッド112は、プランジャチップ111から、固定金型105に対して離れる向きに延出している。プランジャロッド112の下端部は、射出シリンダ15のピストンロッド151の上端部に、カップリング16により連結されている。
スリーブ12は、スリーブ本体121と、スリーブ本体121を支持するスリーブ支持体122とを含む。スリーブ本体121は、スリーブ支持体122から上方へ突出し、固定金型105に係合される上端部と、スリーブ支持体122に固定される下端部とを備えている。
スリーブ支持体122は、スリーブ本体121の位置からプランジャロッド112の周りを下方へ延出する延出部122Aと、プランジャロッド112およびピストンロッド151を支持する支持部122Bとを備えている。
支持部122Bは、プランジャ11およびピストンロッド151を支持部122Bから上方へは離脱可能に支持している。スリーブ12の上下方向の移動にプランジャ11およびピストンロッド151は追従するが、プランジャ11およびピストンロッド151の上方への移動にスリーブ12は追従しない。プランジャ11およびピストンロッド151は、プランジャ11によりキャビティ109に溶湯を射出するとき(射出前進時)、あるいは、射出を終えて原位置(図2(a)に示す状態)に復帰するとき(射出後退時)に、スリーブ12に対して軸線Lの方向に進退可能である。
プランジャ11の駆動制御に用いられるプランジャ11の軸方向の位置(ストローク)を検知するため、シリンダ部150から上方へ延びるストロークセンサ18(図2(b)のみに示す)が設けられている。ストロークセンサ18は、例えば、ラック181、ピニオン182、およびロータリーエンコーダ183を含む。ストロークセンサ18により、スリーブ12の上昇限B2への到達を検知可能である。
支持部122Bには、ピストンロッド151に固定された被支持部17が支持されている。被支持部17の径は、ピストンロッド151の径よりも大きい。被支持部17は、支持部122Bに形成されている凹部122Cの内側に安定して支持される。
ピストンロッド151は、射出時に、支持部122Bに設けられた図示しない軸受に対して摺動可能に支持部122Bを貫通している。
スリーブ駆動機構13は、スリーブ本体121が固定金型105に係合する向きに軸線Lに対して平行にスリーブ12を駆動可能である。スリーブ駆動機構13としては、例えば、ラムシリンダ130等の単動式の油圧シリンダを採用することができる。その他、単動式あるいは複動式の適宜な油圧シリンダを用いることができる。
スリーブ支持体122には、一対のラムシリンダ130が組み込まれている。各ラムシリンダ130は、延出部122Aの一部であるシリンダ部130Aと、下端部が射出シリンダ15のシリンダ部150に固定されて上方に延びているラム130Bとを含む。
なお、スリーブ12が安定して上昇および下降するために必要な任意の数のラムシリンダ130をスリーブ支持体122に設けることができる。
図2(a)に示すスリーブ12は、原位置B1に位置している。シリンダ部130Aの内部の油室130Cに作動油が供給されると、油室130Cの圧力により、図2(b)に示すように、ラム130Bがシリンダ部130Aから下方に押し出されることでシリンダ部150に対してスリーブ12が上昇する。スリーブ12を移動させるにあたり、シリンダ部150に接続されている図3の連通回路201(所謂ランアラウンド回路)を通じて、射出シリンダ15のヘッド151A側に位置するヘッド室C1と、ロッド側に位置するロッド室C2とを連通させている。
スリーブ12が上昇すると、スリーブ支持体122の支持部122Bによりプランジャ11およびピストンロッド151が持ち上げられる。そのため、ロッド室C2から排出される作動油が連通回路201を通じてヘッド室C1へと流入しつつ、プランジャ11およびピストンロッド151がスリーブ12の上昇に追従して上昇する。
図示しないバルブを通じて油室130Cから作動油が排出されると、スリーブ12は自重により下降し、原位置B1に復帰する。
後述するように、スリーブ12の上昇中にヘッド室C1に作動油が補充される。スリーブ上昇中におけるヘッド室C1への作動油の補充によりプランジャ11がスリーブ12に対して前進しても、スリーブ本体121に注入された溶湯がプランジャチップ111により押し出されてスリーブ本体121から溢れ出てしまわないように、リミットスイッチやリニアエンコーダ等を用いてスリーブ12とプランジャ11との相対変位量を所定範囲内に制限することが好ましい。そのため、例えば、スリーブ12に対してプランジャ11が前進したことで支持部122Bから被支持部17が一定距離以上に離れたことを検知可能な第1リミットスイッチ31(図2(b)のみに示す)を、支持部122Bにおいて被支持部17に対向する位置に設けることができる。第1リミットスイッチ31は、プランジャ11とスリーブ12との相対変位量を検知可能な相対変位量検知部に相当する。
スリーブ12の上昇開始時から、スリーブ12が上昇している間に亘り、第1リミットスイッチ31が出力する信号を制御装置100Cにより監視するにあたり、上昇開始前にスリーブ12が原位置B1に復帰していることを確認することが好ましい。この確認のため、例えば、スリーブ12が原位置B1にあることを検知可能な第2リミットスイッチ32(図2(a)のみに示す)を、シリンダ部130Aの上端においてスリーブ支持体122の下端に対向する位置に設けることができる。
〔油圧回路〕
油圧回路2は、図3に模式的かつ概念的に示すように、油圧ポンプ21およびモータ22を含む油圧源20と、複数のバルブ201V,202V,203V等と、作動油の圧力を検知するための計器類(204等)と、油圧回路に含まれる要素を繋ぐ配管(実線で示す)と、作動油を貯留するオイルタンク(油圧回路記号で示す)とを備えている。
なお、図3には、油圧回路2の一部の要素のみを示している。オイルタンクは、油圧回路2の他の要素に対して上方に設置されている。
油圧回路2は、ダイカストマシン100を用いる鋳造の各工程に使用される複数の回路を含んでいる。スリーブ12の上昇および金型への係合、射出開始までに関連する回路としては、油圧回路2は、連通回路201と、スリーブ12の上昇中にヘッド室C1に作動油を補充可能な強制補充回路を兼ねる射出前進回路202と、ラム130Bを駆動するラム駆動回路203とを備えている。
また、油圧回路2は、ヘッド室C1の圧力を検知する圧力検知部204を備えていることが好ましい。
さらに、油圧回路2は、強制補充回路に加え、オイルタンクからヘッド室C1へとヘッド差により作動油を補充するため、油圧ポンプ41、モータ42、およびオイルタンクを含む油圧源40と、バルブ401Vを含むヘッド差補充回路401とを備えていることが好ましい。ヘッド差補充回路401は、射出前進回路202に接続されている。
連通回路201は、シリンダ部150のロッド側のポートaとヘッド側のポートbとに接続される経路201Aと、経路201Aに設けられ、制御装置100Cから発せられる指令により開閉動作する開閉バルブ201Vとを含む。スリーブ12が上昇または下降する間に亘り開閉バルブ201Vは開かれる。
射出前進回路202は、油圧源20とバルブ202Vとを含んで構成されている。射出前進回路202は、固定金型105にスリーブ本体121が係合した状態で制御装置100Cから射出前進開始の指令が発せられると、ヘッド室C1への圧力の付与によりプランジャ11を前進させてプランジャチップ111により溶湯をキャビティ109に向けて射出させる。この射出前進回路202は、射出前進開始の指令に先立ち、スリーブ12が上昇する時間の一部において強制補充回路として機能する。
圧力検知部204は、正圧の領域から負圧の領域に亘りヘッド室C1の圧力を検知可能である限りにおいて、1以上の圧力センサを含んで適宜に構成することができる。
本実施形態の圧力検知部204は、ヘッド室C1の圧力を正圧領域において検知可能な正圧センサ204Aと、ヘッド室C1の圧力を負圧領域において検知可能な負圧センサ204Bとを含む。正圧センサ204Aおよび負圧センサ204Bとしては、例えば、セラミック材料等から形成されたダイアフラムを有する静電容量式の圧力センサを用いることができる。かかる圧力センサは、ダイアフラムの変位の大きさおよび向きに基づいて、正圧領域および負圧領域のいずれの圧力値をも電気信号として出力することができる。
スリーブ12の上昇時に連通回路201を通じてロッド室C2からヘッド室C1へと流入する作動油の量は、そのときのピストンロッド151の上昇に伴い増加するヘッド室C1の容積に対して、ピストンロッド151の径に相当する分不足する。そのため、ロッド室C2以外から、例えば、ヘッド差によりオイルタンクからヘッド室C1へと、ヘッド室C1の容積増大に遅滞なく、不足量に相応の量で作動油が補充されない限り、ヘッド室C1は負圧となる。仮に、スリーブ12の上昇限への到達により固定金型105へのスリーブ本体121の係合が完了した時においてヘッド室C1が負圧であるならば、金型への係合完了に伴い制御装置100Cから射出前進開始の指令が発せられ、当該指令に対応するバルブが動作しても、ヘッド室C1の圧力が増加して正圧に転じるまではプランジャ11が前進を開始しないので、射出の開始が遅れる。この場合、例えば、図8に示すようなタイムラグtdが発生する。
強制補充回路としての射出前進回路202は、油圧ポンプ21により、スリーブ12の上昇中にロッド室C2からヘッド室C1へと作動油が流入している時でも、ロッド室C2からヘッド室C1へ流れる作動油の流動エネルギーよりも大きな流動エネルギーを作動油に与えてヘッド室C1に圧送することが可能である。そして、油圧ポンプ21により圧送される作動油がヘッド室C1に補充されることで、スリーブ12の上昇終了に伴う射出開始指令の発令時までにヘッド室C1の負圧を解消することができるので、射出開始指令に遅滞なく、プランジャ11による射出前進動作を開始させることができる。
〔鋳造方法〕
ダイカストマシン100を用いる鋳造のサイクルは、図4に示すように、注湯工程S1、マシン側傾転工程S2、スリーブ上昇工程S3、射出充填工程S4、増圧・保圧工程S5、型開工程S6、射出後退工程S7、およびスリーブ給湯側傾転工程S8を含んでいる。
サイクル開始時にはスリーブ12が傾転位置A2にある。スリーブ本体121への注湯(S1)、スリーブ12の直立位置A1への傾転動作(S2)、およびスリーブ12の上昇動作(S3)は、固定金型105および可動金型106の型締と並行して行われる。工程S4~S7を終えると、次のサイクルのため、スリーブ12を注湯用の位置A2まで傾転させる(工程S8)。
以下、図5および図6を参照しつつ、スリーブ12の上昇開始から射出前進指令までの制御の一例について説明する。
図5は、スリーブ上昇工程S3の詳細を示している。図6は、スリーブ12の上昇を開始してから射出動作が開始されるまでの時間軸に対するヘッド室C1の圧力Pおよびプランジャ11のストロークSの変化の一例を示している。
スリーブ12の上昇開始に先立ち、スリーブ12を傾転させた状態で、図示しない給湯装置により上方からスリーブ本体121に溶湯を注入する(第1ステップ)。注湯を終えたならば、油圧回路2の図示しない経路を通じて傾転シリンダ142のロッド室142Aに作動油を供給することでピストンロッド142Bを引き込むと、スリーブ12が軸Xの周りに変位して傾転位置A2から直立位置A1へと復帰する(第2ステップ)。スリーブ12の復帰により、スリーブ本体121が固定金型105の直下に配置される。
制御装置100Cは、スリーブ12の直立位置A1への復帰が図示しないリミットスイッチ等により検知されたならば(ステップs01)、スリーブ上昇指令を発し、ラム駆動回路203のバルブ203Vを開き、油圧源20から作動油をラムシリンダ130に供給してスリーブ12の上昇を開始する(第3ステップとしてのステップs02)。スリーブ12の上昇にプランジャ11およびピストンロッド151は追従する。このときのプランジャ11の移動速度は、例えば、金型への係合後に溶湯を射出する時のプランジャ11の移動速度と同等である。
スリーブ12の上昇を開始するにあたり、第2リミットスイッチ32からの信号によりスリーブ12が原位置B1にあることを確認するとともに、連通回路201の開閉バルブ201Vを開く。
スリーブ上昇指令の発令(ステップs02)後、制御装置100Cは、スリーブ12に対するプランジャ11の相対変位に係る第1制御ループL1と、ヘッド室C1への作動油の補充に係る第2制御ループL2(第4ステップ)とを実施する。
(第1制御ループ)
第1制御ループL1においては、第1リミットスイッチ31からの信号によりプランジャ11のスリーブ12に対する相対変位量を監視しながら(ステップs12)、スリーブ12が上昇限B2に至るまで(ステップs11でNo)、スリーブ12を上昇させる。第1制御ループL1が開始されると、第2制御ループL2も開始される(ステップs21へ)。
相対変位量が正常な範囲内に収まっているならば、第1リミットスイッチ31からONの信号が出力される。第1リミットスイッチ31からONの信号が出力されている間は(ステップs12でNo)、ラムシリンダ130に作動油を供給してスリーブ12の上昇を継続させる。
上昇限B2までスリーブ12が到達したことがストロークセンサ18により検知されたならば(ステップs11でNo)、スリーブ本体121が固定金型105に係合している(第5ステップ)。このとき、ラム駆動回路203の作動を停止させてスリーブ上昇を終了するとともに、ヘッド差によるヘッド室C1への作動油の補充を停止させる(ステップs14)。
制御装置100Cは、金型への係合とほぼ同時に射出開始指令を発することで、射出前進回路202によるヘッド室C1への圧力の付与によりプランジャ11を前進させて溶湯をキャビティ109に向けて射出する(第6ステップ)。
一方、射出装置1や油圧回路2における外乱等によりプランジャ11がスリーブ12に対して所定の閾値を超えて前進した場合は、第1リミットスイッチ31がOFFとなる(ステップs12でYes)。
この場合は、スリーブ上昇停止指令を発し、バルブ203Vを閉じてスリーブ12の上昇を停止させるとともに、強制補充回路(射出前進回路202)のバルブ202V、およびヘッド差補充回路401のバルブ401Vを閉じて、ヘッド室C1への作動油の補充を停止させる。さらに、警報を出力するとよい(以上、ステップs13)。
ステップs13によりヘッド室C1への作動油の補充が停止するので、スリーブ本体121から溶湯が溢れ出ることを未然に防止することができる。
(第2制御ループ)
第2制御ループL2は、第1制御ループL1と並行して行われ、圧力検知部204からの信号によりヘッド室C1の圧力を監視しながら(例えばステップs22~s25)ヘッド室C1への作動油の強制的な補充を行う。
まず、オイルタンクからヘッド室C1へのヘッド差による作動油の補充を開始する(ステップs21)。続いて、ヘッド室C1の作動油の圧力(以下、ヘッド圧と称する)に相当する圧力検知部204からの圧力検出値に基づいて、ヘッド室C1への強制的な補充(ステップs27)をスリーブ12の上昇中において適時に行う。
具体的には、正圧センサ204Aおよび負圧センサ204Bのそれぞれから得られる圧力検出値に基づいて、ヘッド圧が正常圧力の範囲内(図6のPminからPmaxまで)にあることを確認しつつ(ステップs23,s26)、ヘッド圧が予め設定された補充開始圧P以下となったときから、作動油の補充によりヘッド圧が増加して補充終了圧P以上になったときまでに亘り(図6参照)、強制補充回路(射出前進回路202)を作動させて強制補充を行う(ステップs27)。図6に示す網掛けパターンは、強制補充回路が作動する範囲(PからPまで)を示している。補充開始圧Pおよび補充終了圧Pは、圧力値が0以下の所定の圧力範囲内において適宜に設定することができ、P<Pである。P,Pの値の設定により、ヘッド室C1に強制的に補充される作動油の量を制御することができる。
ヘッド室C1への作動油の強制的な補充を実施しつつ、ヘッド圧の負圧の解消に足りる限度に補充量が制限されることにより、強制補充によるプランジャ11の過大な前進を防ぐことが可能となる。
例えば、負圧でも正圧でもヘッド圧が正常圧力を逸脱した場合(ステップs23でNo、ステップs26でNo)は、ダイカストマシン100を異常停止させる(ステップs27,s30)。そのとき、制御装置100Cは、スリーブ上昇停止指令を発し、ヘッド差補充回路401の作動も、強制補充に用いられる射出前進回路202の作動も停止させるとともに、警報を出力する。ヘッド圧がPmax以上の場合は(s26でNo)、既に油圧ポンプ21を作動させて強制補充が行われていれば(ステップs28)、油圧ポンプ21の作動を停止させる。
ヘッド圧が負圧である場合は(ステップs22でYes)、ヘッド圧が補充開始圧P以下であるならば(ステップs23でNo)射出前進回路202によるヘッド室C1への作動油の圧送を開始する(ステップs28)。ヘッド室C1には、少なくとも、ロッド室C2からの作動油と射出前進回路202からの作動油とが流入する。
第1制御ループL1においてスリーブ12を上昇させながら第2制御ループL2においてヘッド室C1に作動油を強制的に補充することにより、ヘッド圧が増加して補充終了圧P以上になったならば(ステップs25でYes)、射出前進回路202の作動を停止させて強制補充を終了する(ステップs29)。スリーブ12が上昇限B2まで上昇し、射出開始指令が発せられたならば、射出前進回路202によるヘッド室C1への作動油の供給が再開される。
例えば図6に示すように、スリーブ12の上昇開始時にはヘッド圧が正圧であって、スリーブ12の上昇にピストンロッド151が追従することによるヘッド室C1における作動油の不足からヘッド圧が減少して負圧に至るとする。ヘッド圧が負圧に至ったとしても、上述のようにヘッド室C1に強制的に作動油が補充されることにより、たとえ、ヘッド差補充回路401からのヘッド室C1への作動油の補充がスリーブ12の上昇中は全く行われないとしても、ヘッド圧を減少から増加に転じさせて正圧に至らしめることができる。
そうすると、スリーブ12の上昇限への到達による金型への係合に伴い(ステップs11でNo)、制御装置100Cから射出開始指令が発せられる時(t1)には、ヘッド圧が正圧であるから、射出開始指令の発令により作動油がヘッド室C1に流入すると直ちにプランジャ11が前進を開始する。
なお、ヘッド差による補充は必須ではないが、ヘッド差による補充と、強制補充とを併用することで、油圧ポンプ21を稼働させるためにモータ22に供給される電力の使用量を抑えることができる。
本実施形態とは異なり、強制補充回路(射出前進回路202)によるヘッド室C1への作動油の補充が行われないとすれば、例えば、図7に示す比較例のように、射出開始指令の発令時t1においてヘッド圧が負圧である。当該比較例において、ヘッド差によるヘッド室C1への作動油の補充は行われている。射出開始指令の発令時t1においてヘッド圧が負圧であるならば、発令時t1から、ヘッド室C1への作動油の流入によりヘッド圧が増加して正圧に転じるまでに時間を要する。そのため、射出開始指令の発令時t1から、プランジャ11が実際に前進を開始する時t2までのタイムラグtdが生じる。
〔本実施形態による主な効果〕
本実施形態のダイカストマシン100および鋳造方法によれば、射出装置1の構造からスリーブ12の上昇開始後にヘッド圧が負圧になることが避けられないとしても、スリーブ12上昇中のヘッド室C1への強制的な作動油の補充により、射出開始指令の発令時までにはヘッド圧を負圧から正圧へと回復させることができる。そのため、射出開始指令に遅滞なくプランジャ11が前進を開始するから、溶湯の温度を出来る限り低下させないでキャビティ109に溶湯を充填することができる。したがって、湯回りの不良や凝固層の混入を避けて鋳造品質を向上させることができる。また、射出開始指令の発令時にヘッド圧が負圧である場合に生じるタイムラグtdを解消してサイクルタイムを短縮することができるので、生産性を向上させることができる。
本実施形態によれば、既存の油圧回路と同一の構成の油圧回路2を使用するとしても、油圧回路2に溶湯の射出のために備えられている射出前進回路202が、制御装置100Cにより、ヘッド室C1に作動油を強制的に補充するように制御されることによって、スリーブ上昇中における強制的な補充を実現する。したがって、既設のダイカストマシン100の制御装置100Cに搭載されるコンピュータプログラムに、スリーブ上昇中の射出前進回路202による強制補充のモジュールを付加することによって、ヘッド室C1の負圧に起因するタイムラグtdを解消して鋳造品質および生産性の向上を安価に実現することができる。
本実施形態とは異なり、タイムラグtdを解消するために、既定の射出開始指令の発令時t1からタイムラグtdに相当する分先行して、スリーブ12の上昇中に射出開始指令を発令する場合を考える。この場合は、製品ごとに変化するスリーブ12の上昇速度やヘッド室C1に必要な作動油の補充流量等を考慮して、製品切替の都度、射出開始指令に対応するストローク位置の再設定が必要となる。また、ストローク位置の設定に誤りがあった場合は、射出開始指令に基づくプランジャ11の前進によりスリーブ本体121から溶湯が溢れ出るおそれがある。
本実施形態によれば、金型への係合に先立ち射出開始指令を発生させる必要はなく、スリーブ12の上昇中に圧力検知部204によりヘッド圧の圧力を監視しながら、ヘッド室C1における作動油の不足量に見合う量の作動油をヘッド室C1に確実に補充することができる。必要であれば、制御装置100Cにより射出前進回路202のバルブを動作させることで、スリーブ12の上昇速度に応じてヘッド室C1への補充流量を制御することも可能であり、そうすることで作動油の温度変化によるスリーブ12の上昇温度の変化にも対処できる。
また、本実施形態によれば、第1リミットスイッチ31によりプランジャ11とスリーブ12との相対変位量を監視することで、ヘッド室C1に強制的に補充される作動油の量を制限可能であるため、溶湯が溢れ出すことを未然に防止しつつ、ヘッド圧の負圧の解消に足りる量の作動油をヘッド室C1に補充することができる。
スリーブ12の上昇中にヘッド室C1に作動油を補充するために、キャビティ109への溶湯の射出に用いられる油圧源20(図3)とは別の油圧源を用いることも許容される。但し、製品ごとに異なるスリーブ12の上昇のストロークや上昇速度に相応の作動油流量等を油圧源20に設定するのみならず、補充用の油圧源に対しても設定する必要があるから、製品切り替え時の調整作業に余分に時間が掛かる。
したがって、本実施形態のように、溶湯の射出に用いられる射出前進回路202をスリーブ上昇時のヘッド室C1への作動油の補充にも使用し、かつ、射出時と同様の油圧源20の設定にて作動させることが好ましい。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
射出装置1は、必ずしも傾転可能に構成されていなくともよい。例えば、射出装置1は、基本位置と注湯用の位置とに変位可能である限り、軸線Lに対して平行に変位可能に構成されていたり、軸線Lに対して直交する方向に変位可能に構成されていたりしてもよい。
また、射出装置1は、鉛直方向に対して平行に立設される竪型の射出装置に限らず、水平方向に対して平行に設置される横型の射出装置であってもよい。
1 射出装置
2 油圧回路
11 プランジャ
12 スリーブ
13 スリーブ駆動機構
14 移動機構
15 射出シリンダ
16 カップリング
17 被支持部
18 ストロークセンサ
20 油圧源
21 油圧ポンプ
22 モータ
31 第1リミットスイッチ(相対変位量検知部)
32 第2リミットスイッチ
40 油圧源
41 油圧ポンプ
42 モータ
100 ダイカストマシン
100C 制御装置
101 下側ベース
102 固定プラテン
103 上側ベース
104 可動プラテン
105 固定金型
106 可動金型
107 型締シリンダ
108 コラム
109 キャビティ
111 プランジャチップ
112 プランジャロッド
121 スリーブ本体
122 スリーブ支持体
122A 延出部
122B 支持部
122C 凹部
130 ラムシリンダ
130A シリンダ部
130B ラム
130C 油室
141 軸部
142 傾転シリンダ
142A ロッド室
142B ピストンロッド
150 シリンダ部
151 ピストンロッド
151A ヘッド
181 ラック
182 ピニオン
183 ロータリーエンコーダ
201 連通回路
201A 経路
201V 開閉バルブ
202 射出前進回路(強制補充回路)
202V バルブ
203 ラム駆動回路
203V バルブ
204 圧力検知部
204A 正圧センサ
204B 負圧センサ
401 ヘッド差補充回路
401V バルブ
a,b ポート
A1 直立位置(基本位置)
A2 傾転位置(注湯用の位置)
B1 原位置
B2 上昇限
C1 ヘッド室
C2 ロッド室
F フロア
L 軸線
L1 第1制御ループ
L2 第2制御ループ
補充開始圧
補充終了圧
圧力(ヘッド圧)
R 移動経路
s 変位量
S1 注湯
S2 マシン側傾転工程
S3 スリーブ上昇工程
S4 射出充填工程
S5 増圧・保圧工程
S6 型開工程
S7 射出後退工程
S8 スリーブ給湯側傾転工程
s01~s02 ステップ
s11~s14 ステップ
s21~s30 ステップ
ストローク
t1 射出開始指令の発令時
t2 射出前進開始時
td タイムラグ
v 移動速度
X 軸

Claims (8)

  1. 金型のキャビティへと溶湯を射出するプランジャを駆動する射出シリンダを含む射出装置、および前記射出シリンダに接続される油圧回路を備えるダイカストマシンであって、
    前記射出装置は、
    前記金型に対する係合および離脱が可能であって、前記金型から離脱した状態で前記溶湯が注入されるスリーブ本体、および前記スリーブ本体を支持するスリーブ支持体を含むスリーブと、
    前記スリーブを注湯用の位置と基本位置とに変位させる移動機構と、
    前記スリーブ本体に対して進退可能であって前記溶湯を前記キャビティに向けて押し出すプランジャチップ、および前記プランジャチップから前記金型に対して離れる向きに延出するプランジャロッドを含む前記プランジャと、
    前記プランジャロッドに連結されるピストンロッドを含む前記射出シリンダと、
    前記スリーブ本体が前記金型に係合する向きに前記スリーブを軸線に対して平行に駆動可能なスリーブ駆動機構と、を備え、
    前記油圧回路は、
    前記射出シリンダのロッド室とヘッド室とを連通させる連通回路と、
    前記ヘッド室に作動油をポンプにより圧送可能な強制補充回路と、を備え、
    前記強制補充回路は、前記スリーブの移動に追従して前記ピストンロッドが移動している時に、前記ヘッド室に前記作動油を強制的に補充するように制御される、
    ダイカストマシン。
  2. 前記射出装置は、
    前記プランジャと前記スリーブとの相対変位量を検知可能な相対変位量検知部を備える、
    請求項1に記載のダイカストマシン。
  3. 前記軸線は、鉛直方向に対して平行に設定され、
    前記射出装置は、
    前記スリーブ駆動機構による前記スリーブの上昇により前記スリーブ本体が前記金型に係合した状態の前記スリーブに対して、前記プランジャを上方へ前進させることで、前記溶湯を前記キャビティに向けて射出する、
    請求項1または2に記載のダイカストマシン。
  4. 前記油圧回路は、
    前記ヘッド室の前記作動油が負圧であることを検知可能な圧力検知部を備える、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のダイカストマシン。
  5. 前記油圧回路は、
    前記ヘッド室への圧力の付与により前記プランジャを前進させて前記プランジャチップにより前記溶湯を前記キャビティに向けて射出させる射出前進回路を備え、
    前記射出前進回路は、
    前記スリーブ本体が前記金型に係合するまで前記スリーブが移動する時間において、前記圧力検知部により得られる圧力値が負圧を示しているとき、前記強制補充回路として前記プランジャを前進させる、
    請求項4に記載のダイカストマシン。
  6. スリーブに対して進退可能であって金型のキャビティへと溶湯を射出するプランジャ、および前記プランジャを駆動する射出シリンダを備え、前記スリーブの移動に前記射出シリンダのピストンロッドが追従するように構成されている射出装置を用いる鋳造方法であって、
    前記金型から前記スリーブが離脱している注湯用の位置に前記スリーブがある状態で前記スリーブの本体であるスリーブ本体に前記溶湯を注入する第1ステップと、
    前記注湯用の位置から基本位置へと前記スリーブを変位させることで前記スリーブ本体を前記金型の近傍に配置する第2ステップと、
    前記金型に対して前記スリーブ本体が係合する向きへの前記スリーブの移動を開始する第3ステップと、
    前記スリーブの移動に追従して前記ピストンロッドが移動している時に、前記射出シリンダのヘッド室に作動油をポンプにより圧送する第4ステップと、
    前記スリーブの移動により前記スリーブ本体が前記金型に係合する第5ステップと、
    前記ヘッド室への圧力の付与により前記プランジャを前進させて前記溶湯を前記キャビティに向けて射出する第6ステップと、を含む、鋳造方法。
  7. 前記第4ステップにおいて、
    前記ポンプを用いた前記ヘッド室への前記作動油の補充は、
    前記ヘッド室の前記作動油の圧力を検知することで得られるヘッド圧が所定の補充開始圧に対して小さいときに開始され、前記ヘッド圧が所定の補充終了圧に対して大きいときに終了する、
    請求項6に記載の鋳造方法。
  8. 前記第4ステップにおいて、
    前記プランジャと前記スリーブとの相対変位量が閾値を超えた場合に、前記ポンプを用いた前記ヘッド室への前記作動油の補充を停止する、
    請求項6または7に記載の鋳造方法。
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