JP2022118690A - 加熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ところが、ワークの面に垂直な方向から、ワークに冷却ガスを吹き付けると、冷却ガスが直接吹き付けられた領域(例えば、ノズルの真下や真上の領域)においては、温度が迅速に低下するが、周辺領域においては、温度の低下が遅くなったり、温度が充分に低下しなかったりする場合がある。また、複数のノズルから冷却ガスを噴出させると、ワークの面上において、冷却ガスの流れ同士が干渉し、流速が低下したり、淀みが発生したりする場合がある。流速が低下した領域や、淀みが発生した領域においては、温度の低下が遅くなったり、温度が充分に低下しなかったりするおそれがある。
冷却ガスの供給量を減少させ、冷却ガスの吹き付け時間(冷却時間)を長くすれば、ワークの面内に温度分布のばらつきが生じるのを抑制することができる。しかしながら、この様にすると、生産効率が低下する。
そこで、加熱されたワークを迅速、且つ、均一に冷却することができる加熱処理装置の開発が望まれていた。
以下においては、一例として、大気圧よりも減圧された雰囲気においてワークを加熱して、ワークの表面に有機膜を形成する加熱処理装置を説明するが、本発明は、これに限定されるわけではない。例えば、本発明は、大気圧よりも減圧された雰囲気においてワークを加熱して、ワークの表面に無機膜などを形成したり、ワークの表面を処理したりする加熱処理装置に適用することができる。また、加熱前のワークは、例えば、基板と、基板の表面に塗布された溶液と、を有するものであってもよいし、基板のみであってもよい。
以下においては、一例として、加熱前のワークが、基板と、基板の表面に塗布された溶液と、を有する場合を説明する。
なお、図1中のX方向、Y方向、およびZ方向は、互いに直交する三方向を表している。本明細書における上下方向は、Z方向とすることができる。
基板は、例えば、ガラス基板や半導体ウェーハなどとすることができる。ただし、基板は、例示をしたものに限定されるわけではない。
溶液は、例えば、有機材料と溶剤を含んでいる。有機材料は、溶剤により溶解が可能なものであれば特に限定はない。溶液は、例えば、ポリアミド酸を含むワニスなどとすることができる。ただし、溶液は、例示をしたものに限定されるわけではない。
第1の排気部21は、チャンバ10の底面に設けられた排気口17に接続されている。 第1の排気部21は、排気ポンプ21aと、圧力制御部21bを有する。
排気ポンプ21aは、大気圧から所定の圧力まで粗引き排気を行う排気ポンプとすることができる。そのため、排気ポンプ21aは、後述する排気ポンプ22aよりも排気量が多い。排気ポンプ21aは、例えば、ドライ真空ポンプなどとすることができる。
圧力制御部21bは、排気口17と排気ポンプ21aとの間に設けられている。圧力制御部21bは、チャンバ10の内圧を検出する図示しない真空計などの出力に基づいて、チャンバ10の内圧が所定の圧力となるように制御する。圧力制御部21bは、例えば、APC(Auto Pressure Controller)などとすることができる。
排気ポンプ22aは、排気ポンプ21aによる粗引き排気の後、さらに低い所定の圧力まで排気を行う。排気ポンプ22aは、例えば、高真空の分子流領域まで排気可能な排気能力を有する。例えば、排気ポンプ22aは、ターボ分子ポンプ(TMP:Turbo Molecular Pump)などとすることができる。
圧力制御部22bは、排気口18と排気ポンプ22aとの間に設けられている。圧力制御部22bは、チャンバ10の内圧を検出する図示しない真空計などの出力に基づいて、チャンバ10の内圧が所定の圧力となるように制御する。圧力制御部22bは、例えば、APCなどとすることができる。
処理部30の内部には、処理領域30aおよび処理領域30bが設けられている。処理領域30a、30bは、ワーク100に処理を施す空間となる。ワーク100は、処理領域30a、30bの内部に支持される。処理領域30bは、処理領域30aの上方に設けられている。なお、2つの処理領域が設けられる場合を例示したがこれに限定されるわけではない。1つの処理領域のみが設けられるようにすることもできるし、3つ以上の処理領域が設けられるようにすることもできる。本実施の形態においては、一例として、2つの処理領域が設けられる場合を例示するが、1つの処理領域、および、3つ以上の処理領域が設けられる場合も同様に考えることができる。
例えば、処理領域30aに支持されたワーク100の裏面(下面)は、処理領域30aの下部に設けられた加熱部32により加熱される。処理領域30aに支持されたワーク100の表面(上面)は、処理領域30aと処理領域30bとにより兼用される加熱部32により加熱される。
この様にすれば、加熱部32の数を減らすことができるので消費電力の低減、製造コストの低減、省スペース化などを図ることができる。
また、ヒータ32aは、例示をしたものに限定されるわけではない。ヒータ32aは、大気圧よりも減圧された雰囲気においてワーク100を加熱することができるものであればよい。すなわち、ヒータ32aは、放射による熱エネルギーを利用するものであればよい。
複数の支持部33の材料には特に限定はないが、耐熱性と耐食性を有する材料とすることが好ましい。複数の支持部33の材料は、例えば、ステンレスなどとすることができる。
側部均熱板34dは、Y方向において、処理領域30a、30bの両側の側部のそれぞれに設けられている。
側部均熱板34c、34dの材料は、前述した上部均熱板34aおよび下部均熱板34bの材料と同じとすることができる。
本実施の形態に係る加熱処理装置1は、間接冷却部40および直接冷却部50を有する。
ノズル41は、複数のヒータ32aが設けられた空間に冷却ガスを供給する。ノズル41は、複数のヒータ32aが設けられた空間に接続されている。ノズル41は、例えば、側部均熱板34c、フレーム31、カバー36に設けられた孔などに取り付けることができる。ノズル41は、例えば、図1に例示をしたように、X方向において、処理部30の一方の側にノズル41を設けることもできるし、処理部30の両側にノズル41を設けることもできる。なお、ノズル41の数や配置は適宜変更することができる。例えば、複数のノズル41を並べて設けることもできる。
冷却ガスの温度は、例えば、室温(例えば、25℃)以下とすることができる。
ノズル51は、チャンバ10の内部に設けられ、ワーク100の裏面に冷却ガスを直接供給する。ノズル51は、処理領域30aおよび処理領域30bのそれぞれに、少なくとも1つ設けることができる。ノズル51は、例えば、側部均熱板34c、フレーム31、カバー36に設けられた孔などに取り付けることができる。ノズル51は、例えば、図1に例示をしたように、X方向において、処理領域30a、30bの一方の側にノズル51を設けることができる。
なお、ノズル51の配置に関する詳細は後述する。
なお、以下においては、一例として、冷却ガスによる冷却効果を「冷却ガスの流速」に基づいて説明する。しかしながら、一般的に、1つの配管系において圧力が同じであれば、「流速」と「流量」は正の相関関係にある。例えば、「流速」が速くなれば、「流量」が増加する。そのため、例えば、以下の記載の「流速が低下」は「流量が減少」に置き換えることができる。例えば、「流速が速い」は、「流量が多い」に置き換えることができる。例えば、「流速が遅い」は、「流量が少ない」に置き換えることができる。
図2(a)は、1つのノズル151が設けられた場合の模式側面図である。
図2(b)は、1つのノズル151が設けられた場合の模式平面図である。
図2(c)は、複数のノズル151が設けられた場合の模式側面図である。
図2(a)、(b)に示すように、ワーク100の真下にノズル151を設け、ワーク100の裏面に垂直な方向から、ワーク100に冷却ガスGを吹き付けると、冷却ガスGが直接吹き付けられる領域100a(例えば、ノズル151の真上の領域)においては、ワーク100の温度が迅速に低下する。一方、冷却ガスGが直接吹き付けられる領域100aの周辺領域100bにおいては、温度の低下が遅くなったり、温度が充分に低下しなかったりする場合がある。そのため、ワーク100の面内に温度分布のばらつきが生じる。ワーク100の面内に温度分布のばらつきが生じると、有機材料の硬化の程度などにも面内における分布のばらつきが生じたりして、形成された有機膜の品質が悪くなるおそれがある。また、ワーク100を大気中に搬出した際に、温度の高い周辺領域100bにおいて、形成された有機膜が酸化したりするおそれがある。
図3(b)は、ノズル51の配置および冷却ガスGの流れを例示するための模式平面図である。
図3(a)、(b)に示すように、ノズル51は、ワーク100の外側に設けることができる。例えば、図3(b)に示すように、ワーク100の表面に垂直な方向から見て、ノズル51は、ワーク100と重ならない位置に設けることができる。
また、図3(a)に示すように、ノズル51は、ワーク100の、冷却ガスGが供給される面(本実施の形態の場合は、ワーク100の裏面)に対して傾斜させることができる。この場合、ノズル51の位置と傾斜角度θは、ノズル51から噴出された冷却ガスGが、ワーク100の冷却ガスGが供給される面の、端部の近傍に供給されるように適宜設定される(例えば、後述する図14、図15を参照)。
図4に示すように、ワーク100の両側にノズル251を配置すれば、一方のノズル251から遠い領域に、他方のノズル251から冷却ガスGを供給することができる。そのため、温度低下が不充分となる領域が発生するのを抑制することができ、ひいては、ワーク100の面内に温度分布のばらつきが生じるのを抑制することができるとも考えられる。
図5に示すように、ノズル51とノズル51a(第2のノズルの一例に相当する)とを、冷却ガスGが流れる方向に並べて設けることができる。この場合、ワーク100の、冷却ガスGが供給される面に、冷却ガスGを供給する、少なくとも1つのノズル51aをさらに設けることができる。ワーク100の表面に垂直な方向から見て、ノズル51aは、ワーク100と重なる位置に設けることができる。ノズル51aは、ワーク100の、冷却ガスGが供給される面に対して、ノズル51と同じ方向に傾斜させることができる。例えば、ワーク100の長手方向において、ワーク100の外側にノズル51を設け、ワーク100の内側にノズル51aを設けることができる。ノズル51aの傾斜角度θaは、ノズル51の傾斜角度θと同じか小さくすることができる。
図6に示すように、複数のノズル51を、冷却ガスGが流れる方向と交差する方向に並べて設けることができる。例えば、ワーク100の一方の辺(例えば、複数のノズル51が設けられる側の辺)に沿って、複数のノズル51を並べて設けることができる。例えば、ワーク100の、短手方向に、複数のノズル51を並べて設けることができる。複数のノズル51は、例えば、等間隔に設けることができる。複数のノズル51から噴出させる冷却ガスGの流速や流量は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
前述したように、冷却ガスGの流速を速くすれば、熱伝達率が高くなる。そのため、冷却ガスGの流速により、冷却時間や温度を調整することができる。
この様にすれば、図7に示すように、流速が最も速い冷却ガスG1の流速が速い領域100d1を最も大きくすることができる。流速が最も遅い冷却ガスG3の流速が速い領域100d3を最も小さくすることができる。流速が二番目に速い冷却ガスG2の領域100d2を、流速が速い領域100d1よりは小さく、領域100d3よりは大きくすることができる。
ノズル51とノズル51の間の距離を短くすれば、冷却ガスGの流速が速い領域100d同士を近接させることができる。すなわち、ノズル51とノズル51の間の距離を短くすれば、冷却ガスGの流速が速い領域100d同士を重ねることができる。冷却ガスGの流速が速い領域100d同士を重ねることで、冷却ガスGの流速が減速するのを防ぐことができるため、冷却効率が向上する。そのため、ノズル51同士の間の距離により、冷却時間や温度を調整することができる。
そのため、冷却前のワーク100の面内に、前述したような温度分布のばらつきがあったとしても、迅速、且つ、均一な冷却が可能となる。
図9に示すように、ノズル51aの数は、ノズル51の数と同じとすることができる。 図10に示すように、ノズル51aの数は、ノズル51の数よりも少なくすることもできる。
なお、ノズル51aの数は、ノズル51の数よりも多くしてもよい。すなわち、ノズル51aの数は、ノズル51の数と同じであってもよいし、ノズル51の数と異なっていてもよい。
図10に示すように、複数のノズル51が並ぶ方向と直交する方向において、ノズル51aの位置は、ノズル51の位置と異なるようにすることもできる。
すなわち、複数のノズル51が並ぶ方向と直交する方向において、ノズル51aの位置は、ノズル51の位置と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図10に示すように、複数のノズル51と複数のノズル51aに同じ配管から冷却ガスGを供給してもよい。
図11に示すように、複数のノズル51が並ぶ方向において、ノズル51と、このノズル51に隣接するノズル51aと、に冷却ガスGを供給する配管を複数設けることもできる。
図12に示すように、ノズル51と、このノズル51に隣接するノズル51aとが複数組設けられる場合には、ノズル51と、このノズル51に隣接するノズル51aを含む組ごとに冷却ガスGを供給する配管を設けてもよい。
図10~図12においては、複数のノズル51が並ぶ方向と直交する方向において、ノズル51aの位置がノズル51の位置と異なる場合を例示したが、ノズル51aの位置がノズル51の位置と同じ場合も、同様の配管を用いることができる。
図13(a)に示すように、ワーク100の端部が、ノズル351から離れる方向にズレると、ノズル351から噴出した冷却ガスGの一部が、ワーク100に供給されない場合が生じる。また、ノズル351の配置および傾斜角度θbによっては、ワーク100に供給されない冷却ガスGの一部の量が多くなる。冷却ガスGの一部が、ワーク100に供給されないと冷却効果の低下や、冷却ガスGのランニングコストの増大などを招くことになる。
また、ノズル51は、前述した傾斜角度θが調整可能とすることが好ましい。
図14は、ノズル51の位置の調整を例示するための模式断面図である。
図15は、ノズル51の傾斜角度θの調整を例示するための模式断面図である。
ワーク100の大きさが変わったり、ワーク100の載置位置がズレたりした場合には、図14に示すように、冷却ガスGが供給される面に平行な方向において、ノズル51の位置を調整することができる。また、図15に示すように、ノズル51の傾斜角度θを調整することができる。また、ノズル51の位置と傾斜角度θの調整をすることもできる。すなわち、ノズル51は、ワーク100の、冷却ガスGが供給される面に平行な方向における位置、および、ワーク100の、冷却ガスGが供給される面に対する傾斜角度θ、の少なくともいずれかが調整可能することができる。
また、図5において例示をしたノズル51aも、位置および傾斜角度θaの少なくともいずれかを調整可能とすることができる。
そのため、冷却ガスGの一部が、ワーク100に供給されなかったり、ワーク100に冷却ガスGが供給されない領域が生じたりするのを抑制することができる。その結果、ワーク100を迅速、且つ、均一に冷却することができる。また、ワーク100に供給されない冷却ガスを少なくすることができるので、冷却ガスGのランニングコストの低減を図ることができる。
すなわち、ノズル51は、ワーク100の下方および上方の少なくともいずれかに設けられていればよい。
例えば、冷却ガスGの供給タイミングは、有機膜が形成された直後とすることもできるし、チャンバ10の内圧を大気圧に戻す途中とすることもできるし、チャンバ10の内圧を大気圧に戻した後とすることもできる。この場合、冷却ガスGは、チャンバ10の内圧を大気圧に戻すベントガスとして用いてもよい。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、加熱処理装置1の形状、寸法、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、ノズル51は、Y方向において、処理領域30a、30bの一方の側に設けることができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (8)
- チャンバと、
前記チャンバの内部に設けられ、ワークを支持可能な支持部と、
前記チャンバの内部に設けられ、前記ワークを加熱可能な加熱部と、
前記チャンバの内部に設けられ、前記ワークに冷却ガスを供給可能な、少なくとも1つの第1のノズルと、
を備え、
前記ワークの面に垂直な方向から見て、前記第1のノズルは、前記ワークと重ならない位置に設けられ、
前記第1のノズルは、前記ワークの前記冷却ガスが供給される面に対して傾斜している加熱処理装置。 - 前記ワークの前記冷却ガスが供給される面に対する前記第1のノズルの傾斜角度は、前記ワークの前記冷却ガスが供給される面の端部の近傍に、前記冷却ガスを供給可能な角度である請求項1記載の加熱処理装置。
- 前記チャンバの内部を排気可能な排気部をさらに備えた請求項1または2に記載の加熱処理装置。
- 前記第1のノズルは、複数設けられ、
前記複数の第1のノズルは、前記ワークの、一方の辺に沿って、並べて設けられている請求項1~3のいずれか1つに記載の加熱処理装置。 - 前記複数の第1のノズルの少なくともいずれかは、前記ワークの、一方の辺に沿って、移動可能となっている請求項4記載の加熱処理装置。
- 前記第1のノズルに接続され、前記冷却ガスの、流速および流量の少なくともいずれかを調整可能なガス制御部をさらに備えた請求項1~5のいずれか1つに記載の加熱処理装置。
- 前記第1のノズルは、
前記ワークの、前記冷却ガスが供給される面に平行な方向における位置、
および、
前記ワークの前記冷却ガスが供給される面に対する前記第1のノズルの傾斜角度、
の少なくともいずれかが調整可能である請求項1~6のいずれか1つに記載の加熱処理装置。 - 前記ワークの、前記冷却ガスが供給される面に、前記冷却ガスを供給可能な、少なくとも1つの第2のノズルをさらに備え、
前記ワークの面に垂直な方向から見て、前記第2のノズルは、前記ワークと重なる位置に設けられ、
前記第2のノズルは、前記ワークの、前記冷却ガスが供給される面に対して、前記第1のノズルと同じ方向に傾斜している請求項1~7のいずれか1つに記載の加熱処理装置。
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JP2001147083A (ja) * | 1999-09-09 | 2001-05-29 | Ngk Insulators Ltd | 焼成炉のクリーンエアー導入方法 |
CN110323161A (zh) * | 2018-03-30 | 2019-10-11 | 芝浦机械电子株式会社 | 有机膜形成装置以及有机膜制造方法 |
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