JP2022117392A - 光周波数変調器 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで連続して所望の周波数の回折光を出射可能な光周波数変調器を提供する。【解決手段】回転軸Cを有し且つ回転軸Cに平行な方向に延びた円筒状の回転体34Bであって、回転軸Cを中心として等速回転する回転体34Bと、回転体34Bの周面に複数形成され且つ回転軸Cに平行な複数の透過型回折格子42Bであって、回転中の回転体34Bの周面に入射した入射光(測定光L1)を周波数変調し、周波数変調した回折光(変調測定光L1A)を出射する複数の透過型回折格子42Bと、を備える。【選択図】図10
Description
本発明は、光の周波数変調を行う光周波数変調器に関する。
光ヘテロダイン干渉計測法を用いて測定対象物までの距離及び測定対象物の変位を検出する計測装置が知られている。光ヘテロダイン干渉計測法では、周波数が異なる2種類の光の一方を測定光とすると共に他方を参照光として、測定対象物にて反射された測定光と、参照面にて反射された参照光との干渉信号を検出し、この干渉信号に基づき測定対象物までの距離及び測定対象物の変位を検出する(例えば特許文献1から特許文献3参照)。
光ヘテロダイン干渉計測法において、周波数が異なる測定光及び参照光を生成する方法としては、2種類の周波数の光を出射可能な光源を用いる方法と、光源から出射された光を測定光と参照光とに分割してその一方を光周波数変調器(周波数シフタともいう)により周波数変調する方法とが知られている。この際に、前者の方法では高価な光源を用いる必要があるので、コストの観点から後者の方法が採用される場合が多い。
光周波数変調器としては、振動子と、振動子の表面上に複数形成された回折格子と、を備えるものがよく知られている(例えば特許文献4参照)。この光周波数変調器は、振動中(往復移動中)の振動子の表面に入射した入射光を回折格子で反射して周波数変調(ドップラーシフト)し、周波数変調した回折光を測定光又は参照光として出射する。
ところで、回折格子を用いて光の周波数変調を行う場合、回折格子を所定の一定速度で同方向に移動させる必要がある。この際に、上記特許文献4に記載の光周波数変調器では、振動子を振動させることで回折格子を移動させている。このため、振動子が振動方向の一方向に一定速度で移動している間は回折光を測定光等として利用可能であるが、振動子が振動方向の他方向(一方向とは逆方向)に移動している間は回折光の周波数が逆方向にシフトするため回折光を測定光等として利用することができない。また、特許文献4に記載の光周波数変調器は、振動子の振動方向が他方向から一方向に切り替わった場合であっても、振動子の移動速度が上述の一定速度に達するまでは回折光を測定光等として利用することができない。従って、特許文献4に記載の光周波数変調器は、所望の周波数の回折光を連続的に出射することができない。
そこで、光周波数変調器として例えば音響光学素子を用いることが考えられるが、音響光学素子を用いた光周波数変調器は、回折格子を用いた光周波数変調器よりも高価であるので、コストが増加するという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、低コストで連続して所望の周波数の回折光を出射可能な光周波数変調器を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するための光周波数変調器は、回転軸を有し且つ回転軸に平行な方向に延びた円筒状の回転体であって、回転軸を中心として等速回転する回転体と、回転体の周面に複数形成され且つ回転軸に平行な複数の透過型回折格子であって、回転中の回転体の周面に入射した入射光を周波数変調し、周波数変調した回折光を出射する複数の透過型回折格子と、を備える。
この光周波数変調器によれば、各透過型回折格子を、回転軸を中心とする回転軌跡に沿って等速移動(等速回転)させることができるので、回転体に対する入射光の入射位置を各回折格子が等速度で且つ連続的に通過する状態が維持される。
本発明の他の態様に係る光周波数変調器において、透過型回折格子が、回転体の外周面から回転体の内部に入射する入射光を周波数変調する。
本発明の他の態様に係る光周波数変調器において、回転体の内部に配置された反射体であって、且つ回転体の外部から回転軸に沿って回転体の内部に入射した入射光を回転体の内周面に向けて反射する反射体を備え、透過型回折格子が、反射体から内周面に入射して回転体の外部に出射される入射光を周波数変調する。これにより、光学的に難しい調整を行うことなく最大光量の回折光が得られる。
本発明の他の態様に係る光周波数変調器において、回転体の回転速度及び回転方向を制御する駆動部を備える。
本発明は、低コストで連続して所望の周波数の回折光を出射することができる。
[計測装置]
図1は、本発明の光周波数変調器16を備える計測装置10の概略図である。図1に示すように、計測装置10は、光ヘテロダイン干渉計測法(光ヘテロダイン干渉計)を用いて測定対象物9までの距離及び測定対象物9の変位(微小変位を含む)を計測する。なお、測定対象物9には、計測装置10による計測のために、コーナーキューブリフレクタ或いは3面ミラー等の再帰反射部材9aが設けられている。
図1は、本発明の光周波数変調器16を備える計測装置10の概略図である。図1に示すように、計測装置10は、光ヘテロダイン干渉計測法(光ヘテロダイン干渉計)を用いて測定対象物9までの距離及び測定対象物9の変位(微小変位を含む)を計測する。なお、測定対象物9には、計測装置10による計測のために、コーナーキューブリフレクタ或いは3面ミラー等の再帰反射部材9aが設けられている。
計測装置10は、レーザ光源12と、ハーフミラー14と、光周波数変調器16と、ハーフミラー18と、受光部20と、演算装置22と、を備える。
レーザ光源12は、所定の周波数(波長)のレーザ光Lをハーフミラー14に向けて出射する。ハーフミラー14は、レーザ光源12から入射したレーザ光Lを同一周波数の測定光L1と参照光L2とに分割する。そして、ハーフミラー14は、測定光L1を光周波数変調器16に向けて出射すると共に参照光L2をハーフミラー18に向けて出射する。
光周波数変調器16は、詳しくは後述するが、ハーフミラー14から入射した測定光L1をドップラーシフトにより周波数変調(周波数偏移)して、参照光L2とは周波数が異なる変調測定光L1Aを出射する。なお、変調測定光L1Aの周波数シフト量は、特に限定されず、光ヘテロダイン干渉計測法による計測が可能な一般的な値に設定されている。この光周波数変調器16により周波数変調された変調測定光L1Aは、再帰反射部材9aに向けて出射され、さらに再帰反射部材9aで再帰反射されることでハーフミラー18に入射する。
ハーフミラー18は、再帰反射部材9aから入射した変調測定光L1Aと、ハーフミラー14から入射した参照光L2との干渉信号SG(ビート信号)を受光部20へ出射する。
受光部20は、公知のフォトダイオードなどが用いられ、ハーフミラー14から入射した干渉信号SGを検出(受光)して干渉信号SGの検出信号を演算装置22へ出力する。
演算装置22は、受光部20から入力された干渉信号SGの検出信号に対して所定の演算処理を行い、計測装置10から測定対象物9(再帰反射部材9a)までの距離を演算する。これにより、測定対象物9までの距離及び測定対象物9の変位を計測可能である。なお、演算装置22が行う具体的な演算方法については公知技術であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
以下、光周波数変調器16の第1実施形態~第4実施形態の説明を行う。
[第1実施形態の光周波数変調器]
図2は、第1実施形態の光周波数変調器16の概略図である。図3は、図2中の点線円A内の拡大図である。図2及び図3に示すように、光周波数変調器16は、測定光L1をドップラーシフトにより周波数変調して変調測定光L1Aを出射する。この光周波数変調器16は、第1ミラー30と、第1レンズ32と、回転体34と、駆動部36と、第2レンズ38と、第2ミラー40と、を備える。なお、光周波数変調器16の中で回転体34及び駆動部36以外の構成については適宜変更可能である。
図2は、第1実施形態の光周波数変調器16の概略図である。図3は、図2中の点線円A内の拡大図である。図2及び図3に示すように、光周波数変調器16は、測定光L1をドップラーシフトにより周波数変調して変調測定光L1Aを出射する。この光周波数変調器16は、第1ミラー30と、第1レンズ32と、回転体34と、駆動部36と、第2レンズ38と、第2ミラー40と、を備える。なお、光周波数変調器16の中で回転体34及び駆動部36以外の構成については適宜変更可能である。
第1ミラー30は、ハーフミラー14から入射した測定光L1を、後述の回転中の回転体34に向けて反射する。これにより、回転中の回転体34の所定位置(入射位置P)に対して測定光L1(本発明の入射光に相当)が所定の入射角度で入射する。
第1レンズ32は、第1ミラー30と回転体34との間の測定光L1の光路上に配置されており、ハーフミラー14から入射した測定光L1を回転中の回転体34に向けて出射する。
回転体34は、回転軸Cを有し且つこの回転軸Cに対して平行な方向に延びた円柱体である。この回転体34は、駆動部36からの駆動力を受けて、回転軸Cを中心として回転する。
駆動部36は、例えばモータ及びギヤ等で構成される公知のアクチュエータであり、回転体34の回転方向及び回転速度を制御する。この駆動部36は、回転軸Cを中心として回転体34を一方向に等速回転させる。
回転体34は、回転軸Cの軸周り方向(以下、単に軸周り方向と略す)に沿って形成された外周面35(本発明の曲面に相当)を有する。この外周面35には、回転軸Cに対して平行な回折格子42が軸周り方向に沿って複数(等間隔)に形成されている。これにより、回転体34の等速回転が継続している間、回転体34に所定の入射角で入射する測定光L1の入射位置Pを、各回折格子42が連続的に等速度で通過する。
各回折格子42は、公知の反射型回折格子であるブレーズド回折格子である。入射位置Pを等速度で通過する回折格子42に所定の入射角度で測定光L1が入射すると、この回折格子42において鏡面反射された反射光LRと、回折格子42により反射されてドップラーシフト(周波数変調)された回折光(少なくとも1次回折光)と、が発生する。そして本実施形態では、1次回折光(図示しない2次回折光以降でも可)を変調測定光L1Aとして用いる。なお、変調測定光L1Aの出射角度、すなわち変調測定光L1Aの周波数シフト量は任意であるので、所望の周波数シフト量に応じて、回転体34の回転速度、回転体34の回転方向、測定光L1の入射角度、回折格子42のブレーズド角、及び回折格子42のピッチなどが定められる。
第2レンズ38は、回転体34から出射された変調測定光L1Aの光路上に配置され、この変調測定光L1Aを第2ミラー40に向けて出射する。第2ミラー40は、第2レンズ38から入射した変調測定光L1Aを再帰反射部材9aに向けて反射する。これにより、既述の図1に示したように、再帰反射部材9aにて再帰反射された変調測定光L1Aがハーフミラー18に入射する。
以上のように本実施形態の光周波数変調器16では、円柱状の回転体34の外周面35に軸周り方向に沿って複数の回折格子42を形成することによって、この回転体34を等速回転させるだけで、各回折格子42を、回転軸Cを中心とする回転軌跡に沿って等速移動(等速回転)させることができる。このため、回転体34の回転開始時及び回転停止時を除いた等速回転中は、入射位置Pを各回折格子42が等速度で且つ連続的に通過する状態が維持される。これにより、高価な音響光学素子を用いることなく、回転体34からの所望の周波数の変調測定光L1Aの出射を途切れることなく連続的に行うことができる。その結果、低コストで所望の周波数の変調測定光L1A(回折光)の出射を連続して行うことができる。
(回折格子の変形例)
図4は、第1実施形態の回折格子42の変形例を説明するための説明図である。上記第1実施形態では、反射型の回折格子42としてブレーズド回折格子を例に挙げて説明したが、例えば図4に示すように、回転体34の外周面35をガラス等で形成すると共に、この外周面35に回転軸Cに平行な溝35aを軸周り方向に沿って複数形成することで、反射型の回折格子42Aを形成してもよい。すなわち外周面35に形成する反射型回折格子の種類は特に限定されるものではない。
図4は、第1実施形態の回折格子42の変形例を説明するための説明図である。上記第1実施形態では、反射型の回折格子42としてブレーズド回折格子を例に挙げて説明したが、例えば図4に示すように、回転体34の外周面35をガラス等で形成すると共に、この外周面35に回転軸Cに平行な溝35aを軸周り方向に沿って複数形成することで、反射型の回折格子42Aを形成してもよい。すなわち外周面35に形成する反射型回折格子の種類は特に限定されるものではない。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態の光周波数変調器16の概略図である。図5に示すように、第2実施形態の光周波数変調器16は、回転体34の代わりに回転体34Aを備える点を除けば上記第1実施形態の光周波数変調器16と基本的に同じ構成であるので、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
図5は、第2実施形態の光周波数変調器16の概略図である。図5に示すように、第2実施形態の光周波数変調器16は、回転体34の代わりに回転体34Aを備える点を除けば上記第1実施形態の光周波数変調器16と基本的に同じ構成であるので、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
第2実施形態の回転体34Aは、回転軸Cに対して平行な方向に延びた円筒体であり、駆動部36からの駆動力を受けて回転軸Cを中心として等速回転する。この回転体34Aは、第1実施形態と同様の外周面35及び複数の回折格子42(回折格子42Aでも可)を有している。このため、第1実施形態と同様に各回折格子42を、回転軸Cを中心とする回転軌跡に沿って等速移動(等速回転)させられる。その結果、第2実施形態の光周波数変調器16についても第1実施形態と同様の効果が得られる。
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態の光周波数変調器16の概略図である。図7は、図6中の点線円A1内の拡大図である。上記各実施形態では回転体34,34Aの外周面35に反射型の回折格子42,42Aを形成しているが、図6及び図7に示すように第3実施形態では、回転体34Bの外周面35又は内周面37(或いは双方)に透過型の回折格子42Bを複数形成している。なお、第3実施形態の光周波数変調器16は、回転体34B及び回折格子42Bを備える点を除けば上記各実施形態の光周波数変調器16と基本的に同じ構成であるので、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
図6は、第3実施形態の光周波数変調器16の概略図である。図7は、図6中の点線円A1内の拡大図である。上記各実施形態では回転体34,34Aの外周面35に反射型の回折格子42,42Aを形成しているが、図6及び図7に示すように第3実施形態では、回転体34Bの外周面35又は内周面37(或いは双方)に透過型の回折格子42Bを複数形成している。なお、第3実施形態の光周波数変調器16は、回転体34B及び回折格子42Bを備える点を除けば上記各実施形態の光周波数変調器16と基本的に同じ構成であるので、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
第3実施形態の回転体34Bは、第2実施形態の回転体34Aと同様の円筒体であり、駆動部36からの駆動力を受けて回転軸Cを中心として等速回転する。この回転体34Bの外周面35には、軸周り方向に沿って透過型の回折格子42Bが複数形成されている。
各回折格子42Bは、回転軸Cに平行な複数のスリット35b(ガラス等の光透過部でも可)により構成されており、外周面35(内周面37)に軸周り方向に沿って所定ピッチで複数形成されている。なお、透過型の回折格子42Bは、図6及び図7に示したものに限定されず、公知の各種形状のもの(例えば透過型ブレーズド回折格子、刻線など)を代わりに用いてもよい。上記各実施形態と同様に、入射位置Pを等速度で通過する回折格子42Bに所定の入射角度で測定光L1が入射すると、この回折格子42Bを透過してドップラーシフトされた回折光(少なくとも1次回折光)である変調測定光L1Aが回転体34Bの内部に出射される。そして、この変調測定光L1Aを、不図示の複数のミラー、プリズム、レンズ等の光学部材を介して、回転体34Bの内部から再帰反射部材9aまで導く。
このように第3実施形態においても、回転体34Bからの所望の周波数の変調測定光L1Aの出射を途切れることなく連続的に行うことができるので、上記各実施形態と同様の効果が得られる。
[第4実施形態]
図8は、第4実施形態の光周波数変調器16の概略図である。上記各実施形態では、光周波数変調器16が円柱状又は円筒状の回転体34,34A,34Bを備えているが、図8に示すように第4実施形態の光周波数変調器16は、非円柱状・非円筒状の回転体34Cを備える。なお、第4実施形態の光周波数変調器16は、回転体34Cを備える点を除けば上記各実施形態の光周波数変調器16と基本的に同じ構成であるので、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
図8は、第4実施形態の光周波数変調器16の概略図である。上記各実施形態では、光周波数変調器16が円柱状又は円筒状の回転体34,34A,34Bを備えているが、図8に示すように第4実施形態の光周波数変調器16は、非円柱状・非円筒状の回転体34Cを備える。なお、第4実施形態の光周波数変調器16は、回転体34Cを備える点を除けば上記各実施形態の光周波数変調器16と基本的に同じ構成であるので、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
回転体34Cは、回転軸Cに対して平行な方向に延びた半円柱体(半円筒体でも可)であり、回転軸Cの軸方向側(図8の紙面垂直方向側)から見て、回転軸Cを中心とする円周の一部を構成する曲面50(外周面)を有する。そして、この回転体34Cは、駆動部36からの駆動力を受けて回転軸Cを中心として等速回転する。
曲面50には、軸周り方向に沿って複数の回折格子42(回折格子42Aでも可)が形成されている。なお、回転体34Cが半円筒形状に形成されている場合には、反射型の回折格子42,42Aの代わりに第3実施形態と同様の透過型の回折格子42Bを形成してもよい。これにより、回転体34Cの回転に応じて、入射位置Pを回折格子42が等速度で且つ連続的に通過する間、回転体34Cからの所望の周波数の変調測定光L1Aの出射を途切れることなく連続的に行うことができる。その結果、第4実施形態では、光周波数変調器16から所望の周波数の変調測定光L1A(パルス光)を出射することができる。
なお、上記第4実施形態では、回転体34Cが半円柱体(半円筒体)に形成されているが、四半円柱体(四半円筒体)等の回転軸Cを中心とする円周の一部を構成する曲面(外周面)を有する形状であれば特に限定はされない。
[第5実施形態]
図9は、第5実施形態の光周波数変調器16の回転体34Bを回転軸Cの軸方向側から見た正面図(上面図、側面図)である。図10は、第5実施形態の光周波数変調器16の回転体34Bの断面図である。
図9は、第5実施形態の光周波数変調器16の回転体34Bを回転軸Cの軸方向側から見た正面図(上面図、側面図)である。図10は、第5実施形態の光周波数変調器16の回転体34Bの断面図である。
上記第3実施形態では、回転体34Bに透過型の回折格子42Bを複数形成し、回転体34Bの外周面35側から回転体34の内部に入射する測定光L1を各回折格子42Bによって周波数変調している。これに対して第5実施形態では、回転体34Bの内周面37側から回転体34の外部に出射される測定光L1を各回折格子42Bによって周波数変調する。
図9及び図10に示すように、第5実施形態の光周波数変調器16は、回転体34Bの外部から回転軸Cに沿って回転体34Bの内部に測定光L1が入射し、且つ回転体34Bの内部に反射体54が固定配置されている点を除けば、上記第3実施形態の光周波数変調器16と基本的に同じ構成である。このため、上記第3実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
反射体54は、例えばミラー(反射鏡)或いはペンタプリズムなどが用いられ、回転体34Bの内部の回転軸C上において軸周り方向に回転不能に配置(固定配置)されている。反射体54は、回転体34Bの外部から回転軸Cに沿って回転体34Bの内部に入射した測定光L1を直角に反射して、この測定光L1を回転体34Bの内周面37に入射させる。なお、反射体54による測定光L1の反射方向は、この測定光L1を内周面37に入射可能であれば適宜変更してもよい。
第5実施形態の各回折格子42Bは、上記第3実施形態の各回折格子42Bと同様に、回転体34Bの外周面35又は内周面37(或いは双方)に形成された透過型回折格子であり、スリット35b(図7参照)、透過型ブレーズド回折格子、刻線などが用いられる。各回折格子42Bは、回転体34Bの回転中に反射体54から内周面37に入射した測定光L1を周波数変調する。これにより、周波数変調された変調測定光L1Aが回転体34Bの外部に出射される。
このように第5実施形態の光周波数変調器16では、回転体34Bの内部に反射体54を配置して回転体34Bの内部から外部に向けて測定光L1を透過させながら、この測定光L1を各回折格子42Bにより周波数変調することで、光学的に難しい調整を行うことなく最大光量の変調測定光L1Aが得られる。
例えば円柱状又は円筒状の回転体34の外周面35に反射型の回折格子42が形成されている上記第1実施形態及び第2実施形態の光周波数変調器16で最大光量の変調測定光L1Aを出力するためには、回折格子42に入射する測定光L1の入射角度の角度調整と、回折格子42のブレーズド角の角度調整と、の2種類の角度調整が必要となる。また、回折格子42がブレーズド回折格子である場合には、回折格子42に対して測定光L1が斜めに入射することで変調測定光L1A(回折光)が拡散し易くなるため、既述の図1に示したように測定光L1の光路上に第1レンズ32を配置し且つ変調測定光L1Aの光路上に第2レンズ38を配置する必要がある。さらにこの場合には、第1レンズ32の光軸を測定光L1の光路に平行に調整し且つ第2レンズ38の光軸を変調測定光L1Aの光路に平行に調整する必要がある。
また例えば、円板と、この円板の中心軸を中心とする同一円周上に沿って複数形成された透過型回折格子と、を有する単純な透過型の光周波数変調器(特開2004-287029号公報の図2参照)では、円板(透過型回折格子)に対して垂直に測定光L1を入射させた場合に最大光量の変調測定光L1A(0次回折光)が同方向に得られる。しかしながら、この場合においても円板に対する測定光L1の入射角度の調整と、円板の角度調整とを含む2種類の角度調整が必要になる。
これに対して第5実施形態の光周波数変調器16では、反射体54の角度調整のみで測定光L1を内周面37(回折格子42B)に垂直入射させて最大光量の変調測定光L1Aを出力可能である。また、測定光L1が正確に回転軸Cに沿って回転体34Bの内部に入射する場合には、反射体54の反射面の角度も回転軸Cに対して45度に定まる。その結果、光学的に難しい調整を行うことなく最大光量の変調測定光L1Aが得られる。さらに、反射体54としてペンタプリズムのような光を90度屈折可能な光学素子を用いた場合には、反射体54の角度調整はより容易になる。さらにまた、第1レンズ32及び第2レンズ38の配置に関しても、ブレーズド回折格子を用いた場合に比べて変調測定光L1A(回折光)の出射方向が計算し易いので、配置(位置)調整が容易になる。
[その他]
上記各実施形態では、光周波数変調器16により測定光L1を周波数変調しているが、参照光L2を周波数変調してもよい。
上記各実施形態では、光周波数変調器16により測定光L1を周波数変調しているが、参照光L2を周波数変調してもよい。
上記各実施形態では、光ヘテロダイン干渉計測法を用いて測定対象物9までの距離及び測定対象物9の変位を計測する計測装置10に用いられる光周波数変調器16を例に挙げて説明したが、各種用途で用いられる光周波数変調器に本発明を適用可能である。
9 測定対象物
9a 再帰反射部材
10 計測装置
12 レーザ光源
14 ハーフミラー
16 光周波数変調器
18 ハーフミラー
20 受光部
22 演算装置
30 第1ミラー
32 第1レンズ
34,34A~34C 回転体
35 外周面
35a 溝
35b スリット
36 駆動部
37 内周面
38 第2レンズ
40 第2ミラー
42,42A,42B 回折格子
50 曲面
54 反射体
C 回転軸
L レーザ光
L1 測定光
L1A 変調測定光
L2 参照光
LR 反射光
P 入射位置
SG 干渉信号
9a 再帰反射部材
10 計測装置
12 レーザ光源
14 ハーフミラー
16 光周波数変調器
18 ハーフミラー
20 受光部
22 演算装置
30 第1ミラー
32 第1レンズ
34,34A~34C 回転体
35 外周面
35a 溝
35b スリット
36 駆動部
37 内周面
38 第2レンズ
40 第2ミラー
42,42A,42B 回折格子
50 曲面
54 反射体
C 回転軸
L レーザ光
L1 測定光
L1A 変調測定光
L2 参照光
LR 反射光
P 入射位置
SG 干渉信号
Claims (4)
- 回転軸を有し且つ前記回転軸に平行な方向に延びた円筒状の回転体であって、前記回転軸を中心として等速回転する回転体と、
前記回転体の周面に複数形成され且つ前記回転軸に平行な複数の透過型回折格子であって、回転中の前記回転体の前記周面に入射した入射光を周波数変調し、周波数変調した回折光を出射する複数の透過型回折格子と、
を備える光周波数変調器。 - 前記透過型回折格子が、前記回転体の外周面から前記回転体の内部に入射する前記入射光を周波数変調する請求項1に記載の光周波数変調器。
- 前記回転体の内部に配置された反射体であって、且つ前記回転体の外部から前記回転軸に沿って前記回転体の内部に入射した前記入射光を前記回転体の内周面に向けて反射する反射体を備え、
前記透過型回折格子が、前記反射体から前記内周面に入射して前記回転体の外部に出射される前記入射光を周波数変調する請求項1に記載の光周波数変調器。 - 前記回転体の回転速度及び回転方向を制御する駆動部を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の光周波数変調器。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021012900 | 2021-01-29 | ||
JP2021012900 | 2021-01-29 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022117392A true JP2022117392A (ja) | 2022-08-10 |
Family
ID=82749739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021116366A Pending JP2022117392A (ja) | 2021-01-29 | 2021-07-14 | 光周波数変調器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022117392A (ja) |
-
2021
- 2021-07-14 JP JP2021116366A patent/JP2022117392A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20240621 |