JP2022117348A - プラスチック光ファイバーおよびその製造方法 - Google Patents

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千絵 北野
Chie Kitano
智也 加藤
Tomoya Kato
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Abstract

【課題】クラッドに必要な特性を実現可能であり、かつ溶融紡糸を可能とする材料で構成されたクラッドを有するプラスチック光ファイバーを提供する。【解決手段】本発明のプラスチック光ファイバー10は、コア11と、コア11の外周に配置されたクラッド12と、を備える。クラッド12は、下記式(1)で表される構成単位(A)を含有し、かつ非晶質構造を有する含フッ素重合体と、含フッ素可塑剤とを含有する含フッ素樹脂を含む。前記含フッ素樹脂は、270℃およびせん断速度0.05s-1において、6000Pa・s以下の粘度を有する。TIFF2022117348000029.tif47170【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック光ファイバーおよびその製造方法に関する。
プラスチック光ファイバーは、光を伝送する部分である中心部のコアと、当該コアの外周を覆うクラッドとを備えている。コアは、高屈折率を有する樹脂材料によって形成されている。クラッドは、光をコア内に留めるために、コアの樹脂材料よりも低い屈折率を有する樹脂材料によって形成されている。
従来、プラスチック光ファイバーについて、例えば透明性等の特性向上および伝送損失の低減等を実現するための様々な構成が検討されている。例えば、特許文献1は、結晶性パーフルオロ樹脂からなる溶融物を成形後に延伸することによって作製されたコアと、コアよりも屈折率が小さいパーフルオロ樹脂層によって形成されたクラッドとを備えたプラスチック光ファイバーを開示している。
特開2003-322729号公報
伝送損失の低い優れた性能を有するプラスチック光ファイバーを実現するための手段の一つは、光をコア内に確実に留めることである。したがって、クラッド材料の選択が重要となる。クラッド材料には、透明性等のプラスチック光ファイバーに必要な特性を満たした上で、かつコア材料よりも低い屈折率を有することが求められる。また、ダブルクラッド構造のようにクラッドが複数の層から構成されている場合、より外側の層のクラッドに用いられる材料には、コア材料よりもより一層低い屈折率が求められる。このように、クラッド材料には制約が多い。
また、プラスチック光ファイバーは、例えば溶融紡糸技術を用いて紡糸される。具体的には、コア材料を溶融した状態でファイバー状に押出成形し、そのファイバー状の成形体の表面を被覆するように、クラッド材料を溶融したものを押出成形することによって、プラスチック光ファイバーが紡糸される。このような溶融紡糸法によってプラスチック光ファイバーを紡糸するためには、コア材料およびクラッド材料が、溶融紡糸時の温度条件下において、溶融状態での粘度(溶融粘度)がファイバー状に溶融押出可能な範囲でなければならない。このように、クラッド材料には、製法面からも制約がある。仮に、高い透明性、コア材料よりも十分に低い屈折率、および高い耐熱性等の、クラッド材料として優れた性能を有する材料が見出されたとしても、その材料の溶融粘度が溶融押出可能な粘度の範囲外である場合は、クラッド材料として用いることができない。
そこで、本発明は、クラッドに必要な特性を実現可能であり、かつ溶融紡糸を可能とする材料で構成されたクラッドを有するプラスチック光ファイバーを提供することを目的とする。さらに、本発明は、クラッドに必要な特性を実現可能な材料を用いて、溶融紡糸によってクラッドを作製できるプラスチック光ファイバーの製造方法を提供することも目的とする。
本発明の第1の態様に係るプラスチック光ファイバーは、コアと、前記コアの外周に配置されたクラッドと、を備え、
前記クラッドは、下記式(1)で表される構成単位(A)を含有し、かつ非晶質構造を有する含フッ素重合体と、含フッ素可塑剤とを含有する含フッ素樹脂を含み、
前記含フッ素樹脂は、270℃およびせん断速度0.05s-1において、6000Pa・s以下の粘度を有する。
Figure 2022117348000002
(式(1)中、Zは、酸素原子、単結合、又は-OC(R1112)O-を表し、R1~R12は各々独立に、フッ素原子、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基、又は炭素数1~5のパーフルオロアルコキシ基を表す。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルコキシ基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。s及びtはそれぞれ独立に0~5で、かつs+tが1~6の整数(ただし、Zが-OC(R1112)O-の場合、s+tは0であってもよい)を表す。u及びvはそれぞれ独立に0または1である。)
本発明の第2の態様に係るプラスチック光ファイバーの製造方法は、上記第1の態様に係るプラスチック光ファイバーの製造方法であって、
前記製造方法は、
コア材料を含む第1のプリフォームを溶融させてファイバー状に押出成形して、前記コア材料からなるファイバー状の成形体を作製すること、
クラッド材料含む第2のプリフォームを溶融させて、前記成形体の表面を被覆するように押出成形すること、
を含み、
前記クラッド材料は、前記含フッ素樹脂である。
本発明によれば、クラッドに必要な特性を実現可能であり、かつ溶融紡糸を可能とする材料で構成されたクラッドを備えた、プラスチック光ファイバーおよびその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明のプラスチック光ファイバーの断面構造の一例を示す模式図である。 図2は、本発明のプラスチック光ファイバーの断面構造の別の例を示す模式図である。 図3は、本発明のプラスチック光ファイバーの断面構造のさらに別の例を示す模式図である。
本発明のプラスチック光ファイバー(以下、「POF」と記載する)の実施形態について説明する。本実施形態のPOFは、コアと、前記コアの外周に配置されたクラッドとを備える。本実施形態のPOFは、例えば、グレーデッドインデックス(GI)型のPOFである。
図1は、本実施形態のPOFの断面構造の一例を示す。
図1に示されたPOF10は、コア11と、コア11の外周に配置されたクラッド12と、を備えている。
本実施形態のPOF10において、クラッド12は、含フッ素樹脂を含む。この含フッ素樹脂は、下記式(1)で表される構成単位(A)を含有し、かつ非晶質構造を有する含フッ素重合体と、含フッ素可塑剤とを含有する。この含フッ素樹脂は、270℃およびせん断速度0.05s-1において、6000Pa・s以下の粘度を有する。以下、クラッド12に含まれる含フッ素樹脂を第1含フッ素樹脂と記載し、第1含フッ素樹脂に含まれる含フッ素重合体を第1含フッ素重合体と記載する。
Figure 2022117348000003
(式(1)中、Zは、酸素原子、単結合、又は-OC(R1112)O-を表し、R1~R12は各々独立に、フッ素原子、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基、又は炭素数1~5のパーフルオロアルコキシ基を表す。「パーフルオロ」は、炭素原子に結合している全ての水素原子がフッ素原子に置換されていることを意味する。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルコキシ基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。s及びtはそれぞれ独立に0~5で、かつs+tが1~6の整数(ただし、Zが-OC(R1112)O-の場合、s+tは0であってもよい)を表す。u及びvはそれぞれ独立に0または1である。)
上記式(1)で表される構成単位(A)を含有する第1含フッ素重合体は、非晶質構造を有するため高い透明性を実現でき、さらに低い屈折率も実現し得る。第1含フッ素樹脂は、第1含フッ素重合体に含フッ素可塑剤を混合することによって、このような第1含フッ素重合体の優れた特性をほぼ維持しつつ、270℃およびせん断速度0.05s-1において6000Pa・s以下の粘度を有している。したがって、第1含フッ素樹脂は、クラッドに必要な特性を実現可能であり、かつ溶融紡糸を可能とする材料である。第1含フッ素樹脂は、例えば、GI型POFのクラッドの材料として優れている。これにより、本実施形態のPOF10は、優れた特性を有するクラッド12を備え、かつ溶融紡糸によって製造され得る。第1含フッ素樹脂の270℃およびせん断速度0.05s-1における粘度は、溶融紡糸によって均一な細さのPOF10を形成するために、5000Pa・s以下が好ましく、2000Pa・s以下がより好ましい。第1含フッ素樹脂の270℃およびせん断速度0.05s-1における粘度は、溶融紡糸が可能であればよいためその下限値は特には限定されないが、例えば50Pa・s以上である。ここで、第1含フッ素樹脂の270℃およびせん断速度0.05s-1における粘度は、回転式の粘度測定方法によって測定される値であり、回転式レオメータを用いて測定される。
以下に、本実施形態のPOF10の各構成について、より詳しく説明する。
(コア11)
コア11は、光を伝送する領域である。コア11は、クラッド12よりも高い屈折率を有している。この構成により、コア11内に入射した光は、クラッド12によってコア11内部に閉じ込められて、POF10内を伝搬する。
コア11の材料は、高い透明性を有する樹脂であればよく、特には限定されない。樹脂としては、例えば、含フッ素樹脂、メチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、及びカーボネート系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、広い波長領域で低い伝送損失を実現可能であることから、含フッ素樹脂が好適に用いられる。
コア11の材料は、含フッ素重合体を含む含フッ素樹脂であることが好ましい。以下、コア11に含まれる含フッ素樹脂を第2含フッ素樹脂と記載し、第2含フッ素樹脂に含まれる含フッ素重合体を第2含フッ素重合体と記載する。
第2含フッ素樹脂に含まれる含フッ素重合体は、C-H結合の伸縮エネルギーによる光吸収を抑制する観点から、実質的に水素原子を含んでいないことが好ましく、炭素原子に結合している全ての水素原子がフッ素原子に置換されていることが特に好ましい。すなわち、第2含フッ素樹脂に含まれる第2含フッ素重合体は、実質的に水素原子を含まず、かつ全フッ素化されていることが好ましい。本明細書において、含フッ素重合体が実質的に水素原子を含んでいないとは、含フッ素重合体における水素原子の含有率が1モル%以下であることを意味する。
第2含フッ素重合体は、含フッ素脂肪族環構造を有することが好ましい。含フッ素脂肪族環構造は、含フッ素重合体の主鎖に含まれていてもよく、第2含フッ素重合体の側鎖に含まれていてもよい。第2含フッ素重合体は、例えば、下記構造式(7)で表される構成単位(G)を有する。
Figure 2022117348000004
式(7)中、Rff 1~Rff 4は各々独立に、フッ素原子、炭素数1~7のパーフルオロアルキル基、又は炭素数1~7のパーフルオロアルキルエーテル基を表す。Rff 1及びRff 2は、連結して環を形成してもよい。「パーフルオロ」は、炭素原子に結合している全ての水素原子がフッ素原子に置換されていることを意味する。式(7)において、パーフルオロアルキル基の炭素数は、1~5が好ましく、1~3がより好ましく、1であることがさらに好ましい。パーフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。パーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基などが挙げられる。
式(7)において、パーフルオロアルキルエーテル基の炭素数は、1~5が好ましく、1~3がより好ましい。パーフルオロアルキルエーテル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。パーフルオロアルキルエーテル基としては、パーフルオロメトキシメチル基などが挙げられる。
ff 1及びRff 2が連結して環を形成している場合、当該環は、5員環であってもよく、6員環であってもよい。この環としては、パーフルオロテトラヒドロフラン環、パーフルオロシクロペンタン環、パーフルオロシクロヘキサン環などが挙げられる。
構成単位(G)の具体例としては、例えば、下記式(G1)~(G8)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2022117348000005
構成単位(G)は、上記式(G1)~(G8)で表される構成単位のうち、構成単位(G2)、すなわち下記式(8)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2022117348000006
第2含フッ素重合体は、構成単位(G)を1種又は2種以上含んでいてもよい。含フッ素重合体において、構成単位(G)の含有量は、全構成単位の合計に対し、20モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましい。構成単位(G)が20モル%以上含まれることにより、第2含フッ素重合体は、より高い耐熱性を有する傾向がある。構成単位(G)が40モル%以上含まれる場合、第2含フッ素重合体は、高い耐熱性に加えて、より高い透明性及び高い機械的強度も有する傾向がある。第2含フッ素重合体において、構成単位(G)の含有量は、全構成単位の合計に対し、95モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。
構成単位(G)は、例えば、下記式(9)で表される化合物に由来する。式(9)において、Rff 1~Rff 4は、式(7)と同じである。なお、式(9)で表される化合物は、例えば特表2007-504125号公報に開示された製造方法をはじめ、すでに公知である製造方法によって得ることができる。
Figure 2022117348000007
上記式(9)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記式(K1)~(K8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022117348000008
含フッ素重合体は、構成単位(G)以外に、他の構成単位をさらに含んでいてもよい。他の構成単位としては、以下の構成単位(H)~(J)が挙げられる。
構成単位(H)は、下記式(10)で表される。
Figure 2022117348000009
式(10)中、R21~R23は各々独立に、フッ素原子、又は炭素数1~7のパーフルオロアルキル基を表す。R24は、炭素数1~7のパーフルオロアルキル基を表す。パーフルオロアルキル基は、環構造を有していてもよい。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。
含フッ素重合体は、構成単位(H)を1種又は2種以上含んでいてもよい。含フッ素重合体において、構成単位(H)の含有量は、全構成単位の合計に対し、5~10モル%が好ましい。構成単位(H)の含有量は、9モル%以下であってもよく、8モル%以下であってもよい。
構成単位(H)は、例えば、下記式(11)で表される化合物に由来する。式(11)において、R21~R23は、式(10)と同じである。式(11)で表される化合物は、パーフルオロビニルエーテル等の含フッ素ビニルエーテルである。
Figure 2022117348000010
構成単位(I)は、下記式(12)で表される。
Figure 2022117348000011
式(12)中、R25~R28は各々独立に、フッ素原子、又は炭素数1~7のパーフルオロアルキル基を表す。パーフルオロアルキル基は、環構造を有していてもよい。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。
含フッ素重合体は、構成単位(I)を1種又は2種以上含んでいてもよい。含フッ素重合体において、構成単位(I)の含有量は、全構成単位の合計に対し、5~10モル%が好ましい。構成単位(I)の含有量は、9モル%以下であってもよく、8モル%以下であってもよい。
構成単位(I)は、例えば、下記式(13)で表される化合物に由来する。式(13)において、R25~R28は、式(12)と同じである。式(13)で表される化合物は、テトラフルオロエチレン及びクロロトリフルオロエチレン等の含フッ素オレフィンである。
Figure 2022117348000012
構成単位(J)は、下記式(14)で表される。
Figure 2022117348000013
式(14)中、Zは、酸素原子、単結合、又は-OC(R3940)O-を表し、R29~R40は各々独立に、フッ素原子、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基、又は炭素数1~5のパーフルオロアルコキシ基を表す。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルコキシ基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。s及びtはそれぞれ独立に0~5でかつs+tが1~6の整数(ただし、Zが-OC(R3940)O-の場合、s+tは0であってもよい)を表す。
構成単位(J)は、好ましくは下記式(15)で表される。なお、下記式(15)で表される構成単位は、上記式(14)においてZが酸素原子、sが0、かつtが2の場合である。
Figure 2022117348000014
式(15)中、R341、R342、R351、及びR352は各々独立に、フッ素原子、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基、又は炭素数1~5のパーフルオロアルコキシ基を表す。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルコキシ基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。
含フッ素重合体は、構成単位(J)を1種又は2種以上含んでいてもよい。含フッ素重合体において、構成単位(J)の含有量は、全構成単位の合計に対し、30~67モル%が好ましい。構成単位(J)の含有量は、例えば35モル%以上であり、60モル%以下であってもよく、55モル%以下であってもよい。
構成単位(J)は、例えば、下記式(16)で表される化合物に由来する。式(16)において、Z、R29~R38、s及びtは、式(14)と同じである。式(16)で表される化合物は、2個以上の重合性二重結合を有し、かつ環化重合し得る含フッ素化合物である。
Figure 2022117348000015
構成単位(J)は、好ましくは下記式(17)で表される化合物に由来する。式(17)において、R341、R342、R351、及びR352は、式(15)と同じである。
Figure 2022117348000016
式(16)又は式(17)で表される化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
CF2=CFOCF2CF=CF2
CF2=CFOCF(CF3)CF=CF2
CF2=CFOCF2CF2CF=CF2
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF=CF2
CF2=CFOCF(CF3)CF2CF=CF2
CF2=CFOCFClCF2CF=CF2
CF2=CFOCCl2CF2CF=CF2
CF2=CFOCF2OCF=CF2
CF2=CFOC(CF32OCF=CF2
CF2=CFOCF2CF(OCF3)CF=CF2
CF2=CFCF2CF=CF2
CF2=CFCF2CF2CF=CF2
CF2=CFCF2OCF2CF=CF2
CF2=CFOCF2CFClCF=CF2
CF2=CFOCF2CF2CCl=CF2
CF2=CFOCF2CF2CF=CFCl
CF2=CFOCF2CF(CF3)CCl=CF2
CF2=CFOCF2OCF=CF2
CF2=CFOCCl2OCF=CF2
CF2=CClOCF2OCCl=CF2
第2含フッ素重合体は、構成単位(G)~(J)以外の他の構成単位をさらに含んでいてもよいが、実質的に構成単位(G)~(J)以外の他の構成単位を含まないことが好ましい。なお、含フッ素重合体が実質的に構成単位(G)~(J)以外の他の構成単位を含まないとは、含フッ素重合体における全構成単位の合計に対し、構成単位(G)~(J)の合計が95モル%以上、好ましくは98モル%以上であることを意味する。
含フッ素重合体の重合方法は、特に限定されず、例えば、ラジカル重合などの一般的な重合方法を利用できる。含フッ素重合体を重合するための重合開始剤は、全フッ素化された化合物であってもよい。
含フッ素重合体のTgは、特に限定されず、例えば100℃~140℃であり、105℃以上であってもよく、120℃以上であってもよい。
コア11の材料は、第2含フッ素重合体を主成分として含んでいてもよく、実質的に第1含フッ素重合体のみからなることが好ましい。
コア11の材料は、第2含フッ素重合体の他に、添加物をさらに含んでいてもよい。添加物は、例えば屈折率調整剤である。屈折率調整剤として、例えば、POF10のコア11の材料に用いられる公知の屈折率調整剤が用いられ得る。コア11の材料は、屈折率調整剤以外の他の添加物を含んでいてもよい。
本実施形態のPOF10が例えば屈折率分布型である場合、コア11は、径方向に対して屈折率が変化する屈折率分布を有する。このような屈折率分布は、例えば、第2含フッ素樹脂に屈折率調整剤を添加し、屈折率調整剤を第2含フッ素樹脂中で拡散(例えば、熱拡散)させることによって、形成され得る。
コア11の屈折率は、クラッド12の屈折率よりも高ければよいため、特には限定されない。POF10において高い開口数を実現するためには、使用される光の波長について、コア11の屈折率とクラッド12の屈折率との差がより大きいことが好ましい。例えば、使用される光の波長(例えば、波長848nm)について、コア11の屈折率は、1.340以上とすることができ、1.360以上とすることもできる。コアの屈折率の上限は、特には限定されないが、例えば1.4000以下である。
(クラッド12)
上述したとおり、本実施形態のPOF10において、クラッド11は、上記式(1)で表される構成単位(A)を含有する第1含フッ素重合体と、含フッ素可塑剤とを含有する第1含フッ素樹脂を含む。上述したとおり、第1含フッ素重合体は、高い透明性を実現でき、さらに低い屈折率も実現し得る。第1含フッ素樹脂は、このような優れた特性を有する第1含フッ素重合体と含フッ素可塑剤とを含有し、270℃およびせん断速度0.05s-1において6000Pa・s以下の粘度を有する。したがって、第1含フッ素樹脂は、クラッドに必要な特性を実現可能であり、かつ溶融紡糸を可能とする。
第1含フッ素重合体は、下記式(2)で表される構成単位(B)をさらに含有してもよい。
Figure 2022117348000017
(式(2)中、R13~R16は各々独立に、フッ素原子、又は炭素数1~7のパーフルオロアルキル基を表す。パーフルオロアルキル基は、環構造を有していてもよい。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。)
第1含フッ素重合体が上記の共重合体である場合、構成単位(A)と構成単位(B)との比率は任意であり、特に限定されない。
第1含フッ素重合体が、上記式(1)で表される構成単位(A)および上記式(2)で表される構成単位(B)を含有する共重合体であることにより、さらなる低屈折率を実現できる。したがって、このような共重合体を用いることにより、クラッド12の屈折率をさらに低下させることが可能となり、その結果、コア11の屈折率とクラッド12の屈折率との差をより大きくすることができる。その結果、クラッド12によるコア11内への光の閉じ込め効果が向上し、POF10の低い伝送損失を実現しやすくなる。
第1含フッ素重合体は、例えば、以下に示す含フッ素重合体Aおよび含フッ素重合体Bからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
含フッ素重合体Aは、下記式(3)で表される構成単位(C)および下記式(4)で表される構成単位(D)を含有する。なお、下記式(3)において、R3、R4、R11、およびR12は、上記式(1)と同じである。
Figure 2022117348000018
Figure 2022117348000019
(式(4)中、R17~R20は各々独立に、フッ素原子、又は炭素数1~7のパーフルオロアルキル基を表す。パーフルオロアルキル基は、環構造を有していてもよい。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。)
含フッ素重合体Bは、下記式(5)で表される構成単位(E)を含有する。なお、下記式(5)において、R1~R4、R7~R10、R11、およびR12は、上記式(1)と同じである。
Figure 2022117348000020
上記含フッ素重合体Aおよび含フッ素重合体Bは、非常に高い透明性を有し、さらにコア11の材料に用いられる第2含フッ素樹脂の一般的な屈折率と比較して、非常に低い屈折率を有することができる。したがって、含フッ素重合体Aおよび含フッ素重合体Bからなる群より選択される少なくとも1つを第1含フッ素重合体として含有する第1含フッ素樹脂は、クラッド12の高い透明性を維持しつつ、屈折率をさらに低下させることが可能となる。その結果、コア11の屈折率とクラッド12の屈折率との差をより一層大きくすることができるので、クラッド12によるコア11内への光の閉じ込め効果がさらに向上し、POF10の低い伝送損失を実現しやすくなる。
第1含フッ素重合体は、下記式(6)で表される構成単位(F)を含有することが好ましい。
Figure 2022117348000021
(式(6)中、mおよびnは任意の整数)
第1含フッ素重合体が構成単位(F)を含有する重合体である場合、第1含フッ素重合体は、非常に高い透明性を有し、さらにコア11の材料に用いられる第2含フッ素樹脂の一般的な屈折率と比較して、非常に低い屈折率を有することができる。したがって、第1含フッ素重合体が構成単位(F)を含有する重合体である場合、第1含フッ素樹脂は、クラッド12の高い透明性を維持しつつ、屈折率をさらに低下させることが可能となる。その結果、コア11の屈折率とクラッド12の屈折率との差をより一層大きくすることができるので、クラッド12によるコア11内への光の閉じ込め効果がさらに向上し、POF10の低い伝送損失を実現しやすくなる。
含フッ素可塑剤は、含フッ素ポリエーテルであることが好ましく、パーフルオロポリエーテルであることがより好ましい。
パーフルオロポリエーテルの具体例として、下記式(19)または(20)で表される有機化合物が挙げられる。下記式(19)および(20)において、p1、q1、p2、およびq2は、それぞれ任意の整数である。
CF3-[(O(CF3)CFCF2p1-(OCF2q1]OCF3 (19)
CF3-[(OCF2CF2p2-(OCF2q2]OCF3 (20)
第1含フッ素樹脂は、高い透明性を有する。
第1含フッ素樹脂の屈折率は、コア11の材料の屈折率に応じて設計されればよいため、特には限定されない。本実施形態におけるコア11の屈折率が、例えば、使用される光の波長(例えば、波長848nm)について1.346以上である場合、第1含フッ素樹脂は、波長848nmにおいて1.345以下の屈折率を有することが好ましく、1.325以下の屈折率を有することがより好ましい。第1含フッ素樹脂が1.325以下の屈折率を有する場合、コア11との屈折率差の大きいクラッド12を実現できるので、クラッド12によるコア11内への光の閉じ込め効果が向上し、POF10の低い伝送損失を実現しやすくなる。
図2は、本実施形態のPOFの変形例を示す。図2に示された変形例のPOF20は、図1に示されたPOF10において、クラッド12が複数の層を有するクラッド22に変更された構成を有する。なお、POF20では、クラッド22が、コア11に接して配置されている第1のクラッド層221と、第1のクラッド層221よりも外周側に配置されている第2のクラッド層222とからなる2層構造、すなわちダブルクラッド構造を有している。この構成の場合、例えば第2のクラッド層222が、第1含フッ素樹脂を含むことが好ましい。第2のクラッド層222は、第1クラッド層221よりも低い屈折率を有することが求められる。上述のように、第1含フッ素樹脂は、コア11の材料に対して非常に低い屈折率を実現することが可能である。したがって、第1含フッ素樹脂は、POF20の第2のクラッド層222にも用いることができる。なお、図2では、クラッド22が2層構造である例が示されているが、クラッド22に含まれる層数はこれに限定されず、3層以上が含まれていてもよい。クラッドが複数の層によって構成されている場合、例えば、コアに入射した光がコアとクラッドとの界面で全反射せずにクラッド側へ漏れ出た場合であっても、より外周側に位置するクラッド層で全反射させることが可能となるので、光損失を低減できる。
第1含フッ素重合体および第1含フッ素可塑剤の合計に対する、第1含フッ素可塑剤の含有割合は、目的とする屈折率および溶融粘度等に応じて適宜決定することができる。例えば、第1含フッ素重合体が有する透明性および屈折率を維持しつつ、第1含フッ素樹脂の溶融粘度を溶融紡糸が可能な範囲に低下させるために、第1含フッ素重合体および第1含フッ素可塑剤の合計に対する、第1含フッ素可塑剤の含有割合は、3質量%以上60質量%以下とすることが好ましく、5質量%以上50質量%以下とすることがより好ましい。また、第1含フッ素重合体および第1含フッ素可塑剤の合計に対する、第1含フッ素可塑剤の含有割合は、10質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましい。また、第1含フッ素重合体および第1含フッ素可塑剤の合計に対する、第1含フッ素可塑剤の含有割合は、40質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
図3には、本実施形態のPOFのさらに別の変形例が示されている。図3に示すPOF30は、POF20に対して、クラッド22の外周に配置された被覆層31がさらに設けられた構成を有する。被覆層31は、POF30の機械的強度を向上させるために設けられる。被覆層31は、POFの機械的強度を向上させるために設けられている。被覆層31には、例えば、公知のPOFにおいて被覆層として用いられている材料(例えば、ポリカーボネート等)、各種エンジニアリングプラスチック、シクロオレフィンポリマー、PTFE、変性PTFE、PFA及び構成が適用されうる。なお、被覆層31は、図1に示されたPOF10のクラッド12の外周に設けられてもよい。
(POFの製造方法)
本実施形態のPOFは、溶融紡糸法を用いて製造され得る。すなわち、本実施形態のPOFの製造方法は、
コア材料を含む第1のプリフォームを溶融させてファイバー状に押出成形して、前記コア材料からなるファイバー状の成形体を作製すること、
クラッド材料含む第2のプリフォームを溶融させて、前記成形体の表面を被覆するように押出成形すること、
を含む。上記クラッド材料は、上記第1含フッ素樹脂である。
上述のとおり、本実施形態の第1含フッ素樹脂は、270℃およびせん断速度0.05s-1において、6000Pa・s以下の粘度を有する。本実施形態において、コア材料およびクラッド材料の溶融紡糸は、例えば200~320℃の温度範囲で実施される。本実施形態の第1含フッ素樹脂は、上記の溶融粘度を有するので、上記温度範囲における溶融紡糸が可能である。
(実施例1)
[第1含フッ素樹脂の作製]
第1含フッ素重合体として、テフロン(登録商標)AF1600(三井・ケマーズフロロプロダクツ株式会社製)を用いた。テフロン(登録商標)AF1600は、上記式(6)で表される構成単位(F)を含有する含フッ素重合体である。含フッ素可塑剤として、フォンブリン(YRグレード、SOLVAY社製)を用いた。用いたフォンブリンは、上記式(19)で表される構成を有する。テフロン(登録商標)AF1600とフォンブリンとを、フォンブリンが5質量%となる割合で混合した。得られた混合物について、以下に説明する方法で、270℃およびせん断速度0.05s-1における溶融粘度、波長848nmの光についての屈折率、および透明性の評価を行った。
[溶融粘度の測定]
上記のように作製された第1含フッ素樹脂の270℃における溶融粘度を測定した。測定装置として、回転型レオメータ「HAAKE MARS III」(サーモフィッシャーサイエンティフック株式会社製)が用いられた。装置の測定条件は、以下のとおりであった。
装置の測定条件:
・ジオメトリー:コーンプレート径は20mmφ(傾斜角:4°)、Ti製プレートを使用。
・せん断速度:せん断速度を0.01[1/s]から5[1/s]まで連続的に変化させて0.05[1/s]の点での溶融粘度を読み取った。予備回転は最大2minで0.01[1/s]、測定時間は10min。
・プレート間距離:0.140mm、容積:0.150cm3
試料は、測定前に、100℃で10h以上乾燥させた。乾燥終了後15分以内に、試料の溶融粘度の測定を開始した。試料の安定化のため、270℃に加熱したステージに試料を乗せて10分程度待ってから測定を開始した。結果は、表1に示されている。
[屈折率の測定]
第1含フッ素樹脂の屈折率を以下の方法で測定した。試料を210℃でプレスし、厚さ150μmのシートを得た。得られたシートについて、プリズムカプラにて、波長848nmの光に対する屈折率を測定した。結果は表1に示されている。
[透明性の評価]
屈折率の測定に使用したシートについて、目視で白濁の有無を確認した。
(実施例2)
[第1含フッ素樹脂の作製]
フォンブリンが10質量%となる割合で、フォンブリンとテフロン(登録商標)AF1600とを混合した点以外は、実施例1と同様の方法で実施例2の第1含フッ素樹脂を作製した。実施例2の第1含フッ素樹脂について、実施例1と同様の方法で、270℃およびせん断速度0.05s-1における溶融粘度、波長848nmの光についての屈折率、および透明性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
[第1含フッ素樹脂の作製]
フォンブリンが20質量%となる割合で、フォンブリンとテフロン(登録商標)AF1600とを混合した点以外は、実施例1と同様の方法で実施例3の第1含フッ素樹脂を作製した。実施例3の第1含フッ素樹脂について、実施例1と同様の方法で、270℃およびせん断速度0.05s-1における溶融粘度、波長848nmの光についての屈折率、および透明性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
[第1含フッ素樹脂の作製]
フォンブリンが30質量%となる割合で、フォンブリンとテフロン(登録商標)AF1600とを混合した点以外は、実施例1と同様の方法で実施例4の第1含フッ素樹脂を作製した。実施例4の第1含フッ素樹脂について、実施例1と同様の方法で、270℃およびせん断速度0.05s-1における溶融粘度、波長848nmの光についての屈折率、および透明性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
[第1含フッ素樹脂の作製]
フォンブリンが50質量%となる割合で、フォンブリンとテフロン(登録商標)AF1600とを混合した点以外は、実施例1と同様の方法で実施例5の第1含フッ素樹脂を作製した。実施例5の第1含フッ素樹脂について、実施例1と同様の方法で、270℃およびせん断速度0.05s-1における溶融粘度、波長848nmの光についての屈折率、および透明性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
[第1含フッ素樹脂の作製]
含フッ素可塑剤として、フォンブリン(M60グレード、SOLVAY社製)を用いた点以外は、実施例1と同様の方法で実施例6の第1含フッ素樹脂を作製した。用いたフォンブリンは、上記式(20)で表される構成を有する。実施例6の第1含フッ素樹脂について、実施例1と同様の方法で、270℃およびせん断速度0.05s-1における溶融粘度、波長848nmの光についての屈折率、および透明性の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
[第1含フッ素樹脂の作製]
フォンブリンを添加しなかった点以外は、実施例1と同様の方法で比較例1の第1含フッ素樹脂を作製した。すなわち比較例1の第1含フッ素樹脂は、テフロン(登録商標)AF1600のみから構成されていた。比較例1の第1含フッ素樹脂について、実施例1と同様の方法で、270℃およびせん断速度0.05s-1における溶融粘度、波長848nmの光についての屈折率、および透明性の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2022117348000022
実施例1~6の第1含フッ素樹脂は、式(1)で表される構成単位(A)を含有する含フッ素重合体と、含フッ素可塑剤とを含有し、さらに270℃およびせん断速度0.05s-1における溶融粘度が6000Pa・s以下を満たしていた。さらに、実施例1~6の第1含フッ素樹脂は、低い屈折率および高い透明性も有していた。したがって、実施例1~6の第1含フッ素樹脂は、溶融紡糸によって製造されるPOFのクラッドの材料として適している。これに対し、比較例1の含フッ素可塑剤が添加されなかった第1含フッ素樹脂は、低い屈折率を有し、さらに透明性にも優れたものの、270℃およびせん断速度0.05s-1における溶融粘度が高く、溶融紡糸によって製造されるPOFのクラッドの材料には使用不可であった。
本発明のPOFは低い伝送損失を実現でき、高速通信の用途に適している。
10,20,30 POF
11 コア
12,22 クラッド
221 第1のクラッド層
222 第2のクラッド層
31 被覆層

Claims (11)

  1. コアと、前記コアの外周に配置されたクラッドと、を備えたプラスチック光ファイバーであって、
    前記クラッドは、下記式(1)で表される構成単位(A)を含有し、かつ非晶質構造を有する含フッ素重合体と、含フッ素可塑剤とを含有する含フッ素樹脂を含み、
    前記含フッ素樹脂は、270℃およびせん断速度0.05s-1において、6000Pa・s以下の粘度を有する、
    プラスチック光ファイバー。
    Figure 2022117348000023
    (式(1)中、Zは、酸素原子、単結合、又は-OC(R1112)O-を表し、R1~R12は各々独立に、フッ素原子、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基、又は炭素数1~5のパーフルオロアルコキシ基を表す。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルコキシ基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。s及びtはそれぞれ独立に0~5で、かつs+tが1~6の整数(ただし、Zが-OC(R1112)O-の場合、s+tは0であってもよい)を表す。u及びvはそれぞれ独立に0または1である。)
  2. 前記含フッ素重合体は、下記式(2)で表される構成単位(B)をさらに含有する、
    請求項1に記載のプラスチック光ファイバー。
    Figure 2022117348000024
    (式(2)中、R13~R16は各々独立に、フッ素原子、又は炭素数1~7のパーフルオロアルキル基を表す。パーフルオロアルキル基は、環構造を有していてもよい。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。)
  3. 前記含フッ素重合体は、含フッ素重合体Aおよび含フッ素重合体Bからなる群より選択される少なくとも1つであり、
    前記含フッ素重合体Aは、下記式(3)で表される構成単位(C)および下記式(4)で表される構成単位(D)を含有し、
    前記含フッ素重合体Bは、下記式(5)で表される構成単位(E)を含有する、
    請求項1または2に記載のプラスチック光ファイバー。
    Figure 2022117348000025
    Figure 2022117348000026
    (式(4)中、R17~R20は各々独立に、フッ素原子、又は炭素数1~7のパーフルオロアルキル基を表す。パーフルオロアルキル基は、環構造を有していてもよい。フッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基におけるフッ素原子の一部は、フッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。)
    Figure 2022117348000027
  4. 前記含フッ素重合体は、下記式(6)で表される構成単位(F)を含有する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のプラスチック光ファイバー。
    Figure 2022117348000028
    (式(6)中、mおよびnは任意の整数)
  5. 前記含フッ素可塑剤は、含フッ素ポリエーテルである、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のプラスチック光ファイバー。
  6. 前記含フッ素ポリエーテルは、パーフルオロポリエーテルである、
    請求項5に記載のプラスチック光ファイバー。
  7. 前記含フッ素樹脂は、波長848nmにおいて1.345以下の屈折率を有する、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のプラスチック光ファイバー。
  8. 前記含フッ素樹脂は、波長848nmにおいて1.325以下の屈折率を有する、
    請求項7に記載のプラスチック光ファイバー。
  9. 前記含フッ素重合体および前記含フッ素可塑剤の合計に対する、前記含フッ素可塑剤の含有割合が、5質量%以上50質量%以下である、
    請求項1~8のいずれか1項に記載のプラスチック光ファイバー。
  10. 前記クラッドは、第1のクラッド層及び第2のクラッド層を含み、
    前記第1のクラッド層は、前記コアに接して配置されており、
    前記第2のクラッド層は、前記第1のクラッド層よりも外周側に配置され、かつ前記含フッ素樹脂で構成されている、
    請求項1~9のいずれか1項に記載のプラスチック光ファイバー。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載のプラスチック光ファイバーの製造方法であって、
    前記製造方法は、
    コア材料を含む第1のプリフォームを溶融させてファイバー状に押出成形して、前記コア材料からなるファイバー状の成形体を作製すること、
    クラッド材料含む第2のプリフォームを溶融させて、前記成形体の表面を被覆するように押出成形すること、
    を含み、
    前記クラッド材料は、前記含フッ素樹脂である、
    プラスチック光ファイバーの製造方法。
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