JP2022117032A - 内燃機関の排気エネルギー回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ターボチャージャと、タービンジェネレータと、EGR装置との三者の性能を最大限にバランスさせる。【解決手段】内燃機関10の排気エネルギー回収装置1は、メイン排気通路16aに設けられたタービン22と、吸気通路12に設けられたコンプレッサ21とを有するターボチャージャ20と、タービンに並列してバイパス排気通路16bに設けられたタービンジェネレータ50と、タービンジェネレータから排出された排気を、コンプレッサの上流側の吸気通路に環流させるための低圧EGR通路25とを備える。【選択図】図1
Description
本開示は、内燃機関の排気エネルギー回収装置に関する。
内燃機関の排気エネルギーを回収する排気エネルギー回収装置については様々なタイプのものが知られている。例えば特許文献1の装置では、ターボチャージャと並列にタービンジェネレータを設け、タービンジェネレータで発電した電力を回収するようにしている。
しかし、特許文献1の装置では、ターボチャージャのタービンと、タービンジェネレータと、EGR装置のEGR通路との三者に、同一の排気供給源から排気が供給される。EGR(Exhaust Gas Recirculation)とは、排気再循環の略称であり、内燃機関の排気の一部(EGRガスという)を吸気側に環流させることをいう。EGR通路は、ターボチャージャのタービン上流側とコンプレッサ下流側とを接続し、高圧EGR(High Pressure Loop EGR、HPEGRともいう)を実行する。
このため、同一の排気供給源の排気が三者に分配されてしまい、各々の性能を最大限にバランスさせることが困難であった。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、ターボチャージャと、タービンジェネレータと、EGR装置との三者の性能を最大限にバランスさせることができる内燃機関の排気エネルギー回収装置を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
メイン排気通路に設けられたタービンと、吸気通路に設けられたコンプレッサとを有するターボチャージャと、
前記タービンに並列してバイパス排気通路に設けられたタービンジェネレータと、
前記タービンジェネレータから排出された排気を、前記コンプレッサの上流側の前記吸気通路に環流させるための低圧EGR通路と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の排気エネルギー回収装置が提供される。
メイン排気通路に設けられたタービンと、吸気通路に設けられたコンプレッサとを有するターボチャージャと、
前記タービンに並列してバイパス排気通路に設けられたタービンジェネレータと、
前記タービンジェネレータから排出された排気を、前記コンプレッサの上流側の前記吸気通路に環流させるための低圧EGR通路と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の排気エネルギー回収装置が提供される。
好ましくは、前記バイパス排気通路の下流端は、前記タービンの下流側の前記メイン排気通路に合流接続され、
前記低圧EGR通路は、合流部の下流側の前記メイン排気通路と、前記コンプレッサの上流側の前記吸気通路とを接続する。
前記低圧EGR通路は、合流部の下流側の前記メイン排気通路と、前記コンプレッサの上流側の前記吸気通路とを接続する。
好ましくは、前記排気エネルギー回収装置は、
前記バイパス排気通路に設けられ、前記タービンジェネレータに供給される排気の流量を調節するための調節バルブと、
前記低圧EGR通路に設けられ、前記吸気通路に環流される排気の流量を調節するためのEGRバルブと、
を備える。
前記バイパス排気通路に設けられ、前記タービンジェネレータに供給される排気の流量を調節するための調節バルブと、
前記低圧EGR通路に設けられ、前記吸気通路に環流される排気の流量を調節するためのEGRバルブと、
を備える。
好ましくは、前記バイパス排気通路の下流端は、前記コンプレッサの上流側の前記吸気通路に接続され、
前記低圧EGR通路は、前記タービンジェネレータの下流側の前記バイパス排気通路の部分により形成される。
前記低圧EGR通路は、前記タービンジェネレータの下流側の前記バイパス排気通路の部分により形成される。
好ましくは、前記排気エネルギー回収装置は、
前記バイパス排気通路に設けられ、前記タービンジェネレータに供給される排気の流量と、前記吸気通路に環流される排気の流量とを同時に調節するための調節バルブを備える。
前記バイパス排気通路に設けられ、前記タービンジェネレータに供給される排気の流量と、前記吸気通路に環流される排気の流量とを同時に調節するための調節バルブを備える。
好ましくは、前記排気エネルギー回収装置は、
前記低圧EGR通路に設けられたEGRクーラを備える。
前記低圧EGR通路に設けられたEGRクーラを備える。
本開示によれば、ターボチャージャと、タービンジェネレータと、EGR装置との三者の性能を最大限にバランスさせることができる。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意すべきである。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る内燃機関の排気エネルギー回収装置1を示す概略図である。内燃機関(エンジンともいう)10は、車両(図示せず)に搭載された多気筒エンジンである。本実施形態において、車両はトラック等の大型車両であり、これに搭載される車両動力源としてのエンジン10は直列6気筒ディーゼルエンジンである。しかしながら、車両およびエンジンの種類、形式、用途等に特に限定はなく、例えば車両は乗用車等の小型車両であってもよいし、エンジン10はガソリンエンジンであってもよい。
図1は、第1実施形態に係る内燃機関の排気エネルギー回収装置1を示す概略図である。内燃機関(エンジンともいう)10は、車両(図示せず)に搭載された多気筒エンジンである。本実施形態において、車両はトラック等の大型車両であり、これに搭載される車両動力源としてのエンジン10は直列6気筒ディーゼルエンジンである。しかしながら、車両およびエンジンの種類、形式、用途等に特に限定はなく、例えば車両は乗用車等の小型車両であってもよいし、エンジン10はガソリンエンジンであってもよい。
エンジン10の各気筒の吸気ポートには、吸気マニホールド11を介して吸気通路12が接続されている。吸気通路12には、上流側から順に、エアクリーナ13と、マスエアフローセンサ(MAFセンサともいう)14と、ターボチャージャ20のコンプレッサ21と、吸気を冷却するインタークーラ23とが設けられている。MAFセンサ14は、エンジン10の単位時間当たりの吸入空気量Gaすなわち吸気流量を検出するためのセンサである。
また、エンジン10の各気筒の排気ポートには、排気マニホールド15を介して排気通路16が接続されている。排気通路16は、メイン排気通路16aとバイパス排気通路16bを備える。メイン排気通路16aにはターボチャージャ20のタービン22が設けられている。ターボチャージャ20は可変容量型ターボチャージャ(VGT)であり、図示しないが、タービン入口に複数の可変ベーンを備えている。この可変ベーンの角度調節によりタービン入口面積を調節し、ターボチャージャ20の回転速度ひいてはブースト圧を調節することができる。
バイパス排気通路16bには、タービンジェネレータ(TG:Turbine Generator)50と、タービンジェネレータ50に供給される排気の流量を調節するための調節バルブ(TGバルブという)51とが設けられている。本実施形態においてTGバルブ51はタービンジェネレータ50の上流側に設けられているが、下流側に設けられてもよい。
メイン排気通路16aとバイパス排気通路16bの上流端はともに排気マニホールド15に接続され、メイン排気通路16aとバイパス排気通路16bは互いに並列の関係にある。従ってタービンジェネレータ50は、タービン22に対し並列に設けられることとなる。
またバイパス排気通路16bの下流端は、タービン22の下流側のメイン排気通路16aに、合流部29で合流接続されている。これにより、タービンジェネレータ50から排出された排気が、合流部29において、タービン22から排出された排気と合流される。そして合流後の排気が、メイン排気通路16aに流される。
合流部29より下流側のメイン排気通路16aには図示しない後処理装置が設けられる。後処理装置は例えば、酸化触媒(DOC)、パティキュレートフィルタ(DPF)、選択還元型NOx触媒(SCR)およびアンモニア酸化触媒をこの順で直列に配置して構成される。
タービンジェネレータ50は、バイパス排気通路16bを通じて供給される排気によって回転駆動されるタービン翼52と、タービン翼52に接続されたタービンシャフト53と、タービンシャフト53に冷間焼き嵌めによって嵌合接合された永久磁石54と、超高速回転による永久磁石54の破壊を防ぐべく、永久磁石54の外周を覆うように形成された繊維状セラミックス材からなる円筒状のケース本体55とを備える。またケース本体55には、大量のコイル(不図示)が巻き付けられている。排気によってタービン翼52が回転駆動され、ひいてはタービンシャフト32および永久磁石54が回転することで、高出力の発電が可能となっている。
また、エネルギー回収装置1は、インバータ42と、電動モータ43と、動力伝達機構44とを備えている。
インバータ42は、タービンジェネレータ50から供給された交流電力を所定周波数の交流電力に変換して電動モータ43へ出力する。
電動モータ43は高出力仕様のモータであって、インバータ42から供給された電力で回転する。電動モータ43の出力軸43aは、ギヤ機構、ベルト機構またはチェーン機構等を含む動力伝達機構44を介してエンジン10の出力軸10aに連結されている。すなわち、本実施形態の排気エネルギー回収装置1は、タービンジェネレータ50で発電した電力により電動モータ43ひいてはエンジン10の出力軸10aを駆動し、エネルギー回生(エンジンのアシスト)を行うようになっている。
なお、本実施形態において、電動モータ43は高出力仕様のモータであるので、動力伝達機構44にはギヤ機構が用いられている。また、本実施形態のインバータ42は電動モータ43と別体であるが、例えば、インバータ42を電動モータ43に内蔵した一体型とすることもできる。
本実施形態のエネルギー回収装置1は、エンジン10から排出された排気の一部すなわちEGRガスを吸気側に環流させるEGR装置24を備える。但しこのEGR装置24は、低圧EGR(Low Pressure Loop EGR、LPEGRともいう)を実行するものである。高圧EGRを実行する高圧EGR装置は、本実施形態のエネルギー回収装置1からは省略されている。
EGR装置24は、タービンジェネレータ50から排出された排気を、コンプレッサ21の上流側の吸気通路12に環流させるための低圧EGR通路25を備える。
詳しくは、低圧EGR通路25は、合流部29の下流側のメイン排気通路16aと、コンプレッサ21の上流側の吸気通路12とを接続する。低圧EGR通路25の上流端は、合流部29の下流側かつ後処理装置の上流側の分岐部30でメイン排気通路16aに分岐接続される。また低圧EGR通路25の下流端は、コンプレッサ21の上流側かつMAFセンサ14の下流側の合流部31で吸気通路16aに合流接続される。
またEGR装置24は、低圧EGR通路25に設けられたEGRバルブ27を備える。EGRバルブ27は、吸気通路12に環流される排気すなわちEGRガスの流量を調節するためのものである。
またEGR装置24は、低圧EGR通路25に設けられたEGRクーラ26を備える。EGRクーラ26は、EGRガスを冷却するためのものであり、EGRバルブ27の下流側に設けられる。
排気エネルギー回収装置1は、各種演算処理および制御を行うための制御ユニットもしくはコントローラである電子制御ユニット(ECU(Electronic Control Unit)という)100を備える。ECU100はCPU、ROM、RAM、入出力ポートおよび記憶装置等を含む。ECU100は、ターボチャージャ20の可変ベーン、TGバルブ51、EGRバルブ27、インバータ42、電動モータ43、および各気筒の筒内噴射用インジェクタ37を制御するように構成され、プログラムされている。
また排気エネルギー回収装置1は、センサ類として、上述のMAFセンサ13の他、エンジン10の回転速度、具体的には毎分当たりの回転数(rpm)を検出するための回転速度センサ35と、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ60と、エンジンのブースト圧(吸気圧もしくは過給圧)を検出するためのブースト圧センサ36とを備える。これらセンサ類の出力信号はECU100に送られる。
制御方法の一例を述べると、ECU100は、回転速度センサ40により検出されたエンジン回転数Neと、アクセル開度センサ41により検出されたアクセル開度Acとの値に基づき、インジェクタ37への指示値である目標燃料噴射量Qの値を算出する。そしてECU100は、エンジン回転数Neおよび目標燃料噴射量Qで規定されるエンジン運転状態が、所定のマップ上の発電領域にある場合、TGバルブ51を開弁し、タービンジェネレータ50を駆動して発電を実行させる。他方、ECU100は、エンジン運転状態がマップ上の発電領域になく、非発電領域にある場合、TGバルブ51を閉弁し、タービンジェネレータ50を停止して発電を停止させる。
発電領域は、エンジンの高回転かつ高負荷側の領域に設定されている。よって燃費的に厳しい高回転かつ高負荷側の領域において発電を実行すると共に、この発電により得た電力で電動モータ43を駆動することで、通常のエンジンと同等の出力を低燃費で実現できる。
タービンジェネレータ50で発生された電力は、インバータ42を介し、電動モータ43に直接的に送られる。よってタービンジェネレータ50から電動モータ43への送電を効率よく行うことができる。
電動モータ43に電力が送られると、電動モータ43は直ちに回転してエンジン出力軸10aを駆動する。よって、回生により低下したエンジン出力をモータ出力で補うことができる。そしてエンジン10と電動モータ43のトータル出力を、排気エネルギー回収装置無しの通常のエンジンと同等に維持することができる。一部の出力が電動モータ43によって賄われるため、通常のエンジンよりも燃費を向上することができる。
次に、本実施形態の利点を、特許文献1に記載された排気エネルギー回収装置(比較例という)と比較して説明する。
図2には比較例の構成を示す。以下、相違点について説明する。なお同一または対応部分については図中同一符号を付して説明を省略する。
比較例のエネルギー回収装置101も、EGR装置124を備える。但しこのEGR装置124は、高圧EGR装置であり、高圧EGRを実行するためのものである。
EGR装置124は高圧EGR通路125を備える。高圧EGR通路125は、タービン22の上流側の排気マニホールド15と、コンプレッサ21の下流側の吸気マニホールド11とを連通接続する。またEGR装置124は、高圧EGR通路125にそれぞれ設けられたEGRバルブ127およびEGRクーラ126を備える。
また、比較例の排気エネルギー回収装置101は、コンバータ40とバッテリ41を備える。コンバータ40は、タービンジェネレータ50から供給された交流電力を整流するとともに、所定電圧に変換した直流電力をバッテリ41に供給する。バッテリ41は、コンバータ40から供給された直流電力を蓄電するとともに、この蓄電された直流電力をインバータ42へと供給する。
つまり比較例では、タービンジェネレータ50で発生した電力をバッテリ41に一旦蓄電し、この蓄電した電力を使って電動モータ43を駆動するようになっている。
比較例の排気エネルギー回収装置101は、バッテリ41の状態(電圧、充電量等)を検出するためのバッテリセンサ38も備える。このセンサの出力信号はECU100に送られる。
さて、比較例の排気エネルギー回収装置101では、タービン22と、タービンジェネレータ50と、高圧EGR通路125との三者に、同一の排気供給源すなわち排気マニホールド15から、高圧かつ高温(つまり高エネルギー)の排気が供給される。
このため、同一の排気供給源の排気が三者に分配されてしまい、各々の性能を最大限にバランスさせることが困難である。
すなわち、エンジンには出力要求と、エミッション要求と、燃費要求とがあり、優先順位もこの順番である。出力要求にはターボチャージャ20の性能(もしくはパフォーマンス)が関連し、エミッション要求にはEGR装置125の性能が関連し、燃費要求にはタービンジェネレータ50の性能が関連する。
タービン22に最大限排気を送り、仕事をさせて出力要求を満足した上で、エミッション要求と燃費要求の両方を満足しようとした場合、比較例の場合だと、これらはトレードオフの関係となって両立するのが難しい。なぜなら、同一の排気供給源の排気を、タービンジェネレータ50と高圧EGR通路125で取り合ってしまうからである。
エミッション要求を満足しようとして高圧EGR通路125に多量の排気を送ると、タービンジェネレータ50への排気が少なくなって燃費要求を満足できない。逆に、燃費要求を満足しようとしてタービンジェネレータ50に多量の排気を送ると、高圧EGR通路125への排気が少なくなってエミッション要求を満足できない。
このように比較例では、ターボチャージャ20と、タービンジェネレータ50と、EGR装置124との三者の性能を最大限にバランスさせることが困難である。そして出力要求と、エミッション要求と、燃費要求とを最大限にバランスさせて満足することが困難である。
そこで本実施形態では、図1に示すように、比較例のEGR装置124の代わりに、低圧EGRを実行するEGR装置24を採用することとした。
本実施形態によれば、タービンジェネレータ50を駆動して圧力と温度が低下した排気を、低圧EGR通路25を通じて、コンプレッサ21の上流側に環流させることができる。
詳しくは、タービンジェネレータ50を駆動して圧力と温度が低下した排気は、合流部29において、タービン22を駆動して圧力と温度が低下した排気と合流される。合流後の排気の一部すなわちEGRガスは、分岐部30から低圧EGR通路25に入り、低圧EGR通路25を流れ、コンプレッサ21の上流側の吸気通路12に戻される。低圧EGR通路25を流れる過程で、EGRガスはEGRバルブ27によって流量を調節され、EGRクーラ26によって冷却される。
よって、同一の排気供給源(排気マニホールド15)の排気がタービンジェネレータ50とEGR通路に分配されることがなくなる。そしてその排気を、タービンジェネレータ50とEGR通路で取り合うこともなくなる。
排気マニホールド15の高圧かつ高温の排気を利用してタービンジェネレータ50を駆動し、これにより圧力と温度が低下した排気、すなわち、圧力エネルギーと熱エネルギーが低下した排気を利用して、低圧EGRを実行できる。そのため、タービンジェネレータ50とEGR装置24の性能を最大限発揮させることができる。
また、タービン22の下流側からEGRガスを取り出すので、通常の低圧EGR装置のように、EGRによるターボチャージャ20の性能低下を抑制できる。
それ故、本実施形態では、ターボチャージャ20と、タービンジェネレータ50と、EGR装置24との三者の性能を最大限にバランスさせることができる。そして出力要求と、エミッション要求と、燃費要求とを最大限にバランスさせて満足することができる。
また本実施形態では、タービン22およびタービンジェネレータ50を駆動して温度が低下した後の排気の一部を、EGRガスとして吸気側に環流させる。このため、EGRガスの充填効率を高めることができる。ちなみに本実施形態では、EGRクーラ26によってEGRガスをさらに冷却するので、EGRガスの充填効率をさらに高めることができる。
これとは対照的に比較例では、図2に示すように、排気マニホールド15の高温の排気が高圧EGR通路125に導入されるので、EGRガスの充填効率を高めるのが困難である。
また比較例では、ブースト圧が上昇すると高圧EGR通路125の入口と出口の差圧(=入口圧-出口圧)が小さくなるため、EGR率を高めるのが困難である。これに対し本実施形態では、EGRガスをコンプレッサ21の上流側に戻すため、たとえブースト圧が上昇しても大きな差圧を得られる。このため本実施形態では、一定以上のEGR率を安定的に確保することができる。
また本実施形態では、タービンジェネレータ50で回生した電力を電動モータ43に直接送ってエンジンを駆動するので、回生効率を高めることができる。これとは対照的に、比較例の場合だと、タービンジェネレータ50で回生した電力をバッテリ41に一旦蓄めてから電動モータ43に送るので、本実施形態と比べて回生効率の低下が否めない。
本実施形態において、タービンジェネレータ50で電力を発生しているときには常に、この電力によって電動モータ43が駆動され、エンジンの回転がアシストされる。ちなみに本実施形態においても、比較例と同様にコンバータ40とバッテリ41を設けてもよい。
[第2実施形態]
次に、図3を参照して第2実施形態を説明する。なお第1実施形態と同一または対応する部分については図中同一符号を付して説明を省略する。
次に、図3を参照して第2実施形態を説明する。なお第1実施形態と同一または対応する部分については図中同一符号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係るエネルギー回収装置1は、EGR装置24の構成が第1実施形態と異なる。すなわち、バイパス排気通路16bの下流端はコンプレッサ21の上流側の吸気通路12に接続され、低圧EGR通路25は、タービンジェネレータ50の下流側のバイパス排気通路16bの部分により形成される。
詳しくは、タービンジェネレータ50が低圧EGR通路25を介してコンプレッサ21の上流側の吸気通路12に直接的に接続されている。従ってバイパス排気通路16bはメイン排気通路16aに合流されておらず、前述の合流部29は存在しない。また低圧EGR通路25はメイン排気通路16aから分岐されておらず、前述の分岐部30は存在しない。低圧EGR通路25の下流端が吸気通路12に合流接続する合流部31の位置は同じである。
第1実施形態と同様、低圧EGR通路25にはEGRクーラ26が設けられる。しかし前述のEGRバルブ27は省略されている。EGRガスの流量は、TGバルブ51によって、タービンジェネレータ50に供給される排気の流量と共に調節される。つまり両流量は互いに等しく、かつTGバルブ51によって同時に調節される。
本実施形態では、タービンジェネレータ50から排出された排気の全量がEGRガスとなって吸気通路12に供給される。よって第1実施形態よりも、タービンジェネレータ50の出口圧を低下させ、ひいてはタービンジェネレータ50の入口と出口の差圧(=入口圧-出口圧)を大きくすることができる。これによりタービンジェネレータ50の膨張比を増大し、発電量を増大することができる。
また本実施形態では、EGRガスの流量調節にTGバルブ51を共用するので、EGRバルブ27を省略することができ、コストの削減が可能である。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態および変形例は他にも様々考えられる。
(1)例えば、バイパス通路16bの上流端は、排気マニホールド15ではなく、タービン22の上流側のメイン排気通路16aに接続してもよい。これら排気マニホールド15と、タービン22の上流側のメイン排気通路16aとを総称して排気供給源という。
(2)第1実施形態(図1)において、低圧EGR通路25の上流端を、後処理装置の下流側のメイン排気通路16aに接続してもよい。
(3)第1実施形態において、EGRクーラ26とEGRバルブ27の配置を逆にし、EGRクーラ26の下流側にEGRバルブ27を設けてもよい。
(4)第2実施形態(図3)において、TGバルブ51を、タービンジェネレータ50の下流側のバイパス排気通路16bの部分、すなわち低圧EGR通路25に設けてもよい。この場合、TGバルブ51を、EGRクーラ26の上流側に設けてもよいし、下流側に設けてもよい。
本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 排気エネルギー回収装置
10 内燃機関(エンジン)
12 吸気通路
16a メイン排気通路
16b バイパス排気通路
20 ターボチャージャ
21 コンプレッサ
22 タービン
25 低圧EGR通路
26 EGRクーラ
27 EGRバルブ
29 合流部
50 タービンジェネレータ
51 調節バルブ(TGバルブ)
10 内燃機関(エンジン)
12 吸気通路
16a メイン排気通路
16b バイパス排気通路
20 ターボチャージャ
21 コンプレッサ
22 タービン
25 低圧EGR通路
26 EGRクーラ
27 EGRバルブ
29 合流部
50 タービンジェネレータ
51 調節バルブ(TGバルブ)
Claims (6)
- メイン排気通路に設けられたタービンと、吸気通路に設けられたコンプレッサとを有するターボチャージャと、
前記タービンに並列してバイパス排気通路に設けられたタービンジェネレータと、
前記タービンジェネレータから排出された排気を、前記コンプレッサの上流側の前記吸気通路に環流させるための低圧EGR通路と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の排気エネルギー回収装置。 - 前記バイパス排気通路の下流端は、前記タービンの下流側の前記メイン排気通路に合流接続され、
前記低圧EGR通路は、合流部の下流側の前記メイン排気通路と、前記コンプレッサの上流側の前記吸気通路とを接続する
請求項1に記載の内燃機関の排気エネルギー回収装置。 - 前記バイパス排気通路に設けられ、前記タービンジェネレータに供給される排気の流量を調節するための調節バルブと、
前記低圧EGR通路に設けられ、前記吸気通路に環流される排気の流量を調節するためのEGRバルブと、
を備える
請求項2に記載の内燃機関の排気エネルギー回収装置。 - 前記バイパス排気通路の下流端は、前記コンプレッサの上流側の前記吸気通路に接続され、
前記低圧EGR通路は、前記タービンジェネレータの下流側の前記バイパス排気通路の部分により形成される
請求項1に記載の内燃機関の排気エネルギー回収装置。 - 前記バイパス排気通路に設けられ、前記タービンジェネレータに供給される排気の流量と、前記吸気通路に環流される排気の流量とを同時に調節するための調節バルブを備える
請求項4に記載の内燃機関の排気エネルギー回収装置。 - 前記低圧EGR通路に設けられたEGRクーラを備える
請求項1~5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気エネルギー回収装置。
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JP2021013508A JP2022117032A (ja) | 2021-01-29 | 2021-01-29 | 内燃機関の排気エネルギー回収装置 |
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JP2021013508A Pending JP2022117032A (ja) | 2021-01-29 | 2021-01-29 | 内燃機関の排気エネルギー回収装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2022117032A (ja) |
-
2021
- 2021-01-29 JP JP2021013508A patent/JP2022117032A/ja active Pending
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