JP2022114560A - 注射器充填装置 - Google Patents

Abstract

【課題】注射器に薬液を自動的に充填可能な注射器充填装置を提供する。【解決手段】注射器１０のプランジャー１１を重力方向下側にして、注射器１０のシリンジ１２を保持するシリンジ保持器２１と、注射器１０の針１３が挿入されたバイアル３０を保持するバイアル保持器２２と、注射器１０のプランジャー１１を上下運動させるプランジャー駆動部２３と、を備える注射器充填装置。【選択図】図１

Description

本発明は、注射器に関する。

例えば、予防接種は、注射器を用いて行われる（例えば、特許文献１から５参照。）。注射器には、薬液を充填する必要がある。注射器に予め薬液を充填して販売されることがあるが、薬液の種類によっては、患者への接種の前に、医師や看護師等の医療従事者により、注射器に薬液を充填する必要がある。しかし、接種の都度、注射器への薬液の充填を人手で行うことは、医療従事者の作業負担を増大させている。

特許第３００２９８８号公報 特許第３２６８５４４号公報 特許第３４０７１９９号公報 特許第５８８１９５８号公報 特許第６２１５５８２号公報

本発明は、注射器に薬液を自動的に充填可能な注射器充填装置を提供することを目的の一つとする。

本発明の態様によれば、注射器のプランジャーを重力方向下側にして、注射器のシリンジを保持するシリンジ保持器と、注射器の針が挿入されたバイアルを保持するバイアル保持器と、注射器のプランジャーを上下運動させるプランジャー駆動部と、を備える、注射器充填装置が提供される。

上記の注射器充填装置において、プランジャー駆動部が、回転体と、回転体の回転軸外に接続されたロッドと、ロッドに接続され、注射器のプランジャーに接続されるプランジャー接続部と、を備えていてもよい。

上記の注射器充填装置において、回転体とロッドがピンで接続されていてよい。

上記の注射器充填装置において、回転体とロッドを接続するピンがヒンジピンであってもよい。

上記の注射器充填装置において、ロッドとプランジャー接続部がピンで接続されていてもよい。

上記の注射器充填装置において、ロッドとプランジャー接続部を接続するピンがヒンジピンであってもよい。

上記の注射器充填装置において、プランジャー接続部が、プランジャーのフランジを保持してもよい。

上記の注射器充填装置が、回転体を回転させる回転装置をさらに備えていてもよい。

上記の注射器充填装置において、回転装置がモーターであってもよい。

上記の注射器充填装置において、シリンジ保持器が、シリンジのフランジを保持してもよい。

上記の注射器充填装置が、シリンジ保持器とバイアル保持器を保持する基板をさらに備えていてもよい。

上記の注射器充填装置において、基板が、重力方向と略平行に、シリンジ保持器とバイアル保持器を保持してもよい。

本発明によれば、注射器に薬液を自動的に充填可能な注射器充填装置を提供可能である。

図１は、実施形態に係る注射器充填装置を示す模式的正面図である。 図２は、実施形態に係る注射器充填装置を示す模式的側面図である。 図３は、実施形態に係る注射器充填装置を示す模式的底面図である。 図４は、実施形態に係る注射器充填装置を示す模式的正面図である。 図５は、実施形態に係る注射器充填装置を示す模式的正面図である。

以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。ただし、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。

実施形態に係る注射器充填装置は、図１から図３に示すように、注射器１０のプランジャー１１を重力方向下側にして、注射器１０のシリンジ１２を保持するシリンジ保持器２１と、注射器１０の針１３が挿入されたバイアル３０を保持するバイアル保持器２２と、注射器１０のプランジャー１１を上下運動させるプランジャー駆動部２３と、を備える。

注射器１０のシリンジ１２及びプランジャー１１の材料は、例えばガラス及び樹脂であり、特に限定されない。シリンジ１２の容量、大きさは、特に限定されない。シリンジ１２の一端に針１３が装着される。シリンジ１２の他端の開口から、シリンジ１２の内部に、プランジャー１１が挿入される。シリンジ１２の他端には、指かけ部として機能するフランジ１４が設けられている。

プランジャー１１のシリンジ１２内部に挿入される側の端部には、シリンジ１２の内壁と密接するガスケット１５が設けられている。ガスケット１５の材料は、例えばゴムであるが、特に限定されない。プランジャー１１の他端には、指あて部として機能するフランジ１６が設けられている。

バイアル３０は、注射器１０に充填される薬液５０を保持する。薬液５０は、例えば、ウイルスのワクチンを含む。ウイルスの例としては、コロナウイルス、新型コロナウイルス、及びインフルエンザウイルスが挙げられる。しかし、薬液５０に含まれる医薬品は特に限定されない。例えば、薬液５０は、抗ガン剤を含んでいてもよい。バイアル３０は、薬液５０が入れられた容器３１と、容器３１の蓋３２と、を備える。容器３１の材料は、例えばガラス及び樹脂であり、特に限定されない。蓋３２は、注射器１０の針１３が貫通可能な材料からなり、例えばゴムからなるが、特に限定されない。空の注射器１０の針１３が、バイアル３０の蓋３２に刺されると、針１３の先端が、バイアル３０の容器３１内の薬液５０に到達する。

注射器１０のシリンジ１２は、空の状態で、シリンジ保持器２１で保持される。シリンジ保持器２１は、注射器１０の針１３が重力方向上側になり、注射器１０のプランジャー１１が重力方向下側になるよう、シリンジ１２を保持する。シリンジ保持器２１は、シリンジ１２と嵌合する嵌合部を備えていてもよい。また、シリンジ保持器２１は、シリンジ１２のフランジ１４を保持してもよい。シリンジ保持器２１が、シリンジ１２のフランジ１４を両側から挟むように保持することにより、シリンジ１２の上下方向の動きを抑制することが可能である。シリンジ保持器２１の材料は、例えば樹脂、及び金属であるが、特に限定されない。

バイアル保持器２２は、注射器１０の針１３が刺されたバイアル３０を保持する。バイアル保持器２２は、バイアル３０の容器３１が重力方向上側になり、バイアル３０の蓋３２が重力方向下側となるよう、バイアル３０を保持する。例えば、バイアル保持器２２は、バイアル３０の容器３１の肩を支えるように、バイアル３０を保持する。しかし、バイアル保持器２２がバイアル３０を保持する機構は、特に限定されない。バイアル保持器２２の材料は、例えば樹脂、及び金属であるが、特に限定されない。

シリンジ保持器２１と、バイアル保持器２２と、は、直列に配置される。実施形態に係る注射器充填装置は、シリンジ保持器２１とバイアル保持器２２を保持する基板４０をさらに備えていてもよい。基板４０は、例えば、重力方向と略平行に、シリンジ保持器２１とバイアル保持器２２を保持する。基板４０の材料は、例えば樹脂、金属、及び木材であるが、特に限定されない。

プランジャー駆動部２３は、例えば、回転体２３１と、回転体２３１の回転軸外に接続されたロッド２３２と、ロッド２３２に接続され、注射器１０のプランジャー１１に接続されるプランジャー接続部２３３と、を備える。回転体２３１、ロッド２３２、及びプランジャー接続部２３３のそれぞれの材料は、例えば樹脂、及び金属であるが、特に限定されない。

回転体２３１は、円盤であってもよいし、クランクであってもよい。回転体２３１は、モーター等の回転装置２３４で回転させられてもよい。ロッド２３２は、回転体２３１の回転軸ではない部分に、ヒンジピン等のピンにより、可動接続される。プランジャー接続部２３３は、ロッド２３２に、ヒンジピン等のピンにより、可動接続される。

プランジャー接続部２３３は、プランジャー１１と嵌合する嵌合部と、嵌合部に接続されたロッド形状部と、を備えていてもよい。また、プランジャー接続部２３３は、プランジャー１１のフランジ１６を保持してもよい。プランジャー接続部２３３が、プランジャー１１のフランジ１６を両側から挟むように保持することにより、プランジャー１１に対して上下方向の力を加えることが可能である。

回転体２３１の回転運動は、ロッド２３２及びプランジャー接続部２３３で、上下運動に変換される。そのため、回転体２３１が回転すると、プランジャー接続部２３３に接続されたプランジャー１１の端部が下死点と上死点との間で往復する。

注射器１０のシリンジ１２は、空の状態で、シリンジ保持器２１で保持される。また、図４に示すように、注射器１０のプランジャー１１は、シリンジ１２が空の状態で、プランジャー接続部２３３によって最もシリンジ１２内に押し込まれたときに、シリンジ１２内に空間が残るように、プランジャー接続部２３３に接続される。換言すれば、ガスケット１５の上死点と、針１３の間のシリンジ１２内に空間が残るように、プランジャー１１はプランジャー接続部２３３に接続される。

回転体２３１が回転し、プランジャー１１が下死点に移動すると、図５に示すように、バイアル３０内の薬液５０が、シリンジ１２内に移動する。注射器１０は、プランジャー１１を重力方向下側にして配置されているため、シリンジ１２内において、薬液５０は、ガスケット１５上にたまり、薬液５０の層の上に、空気層が形成される。

さらに回転体２３１が回転し、プランジャー１１が上死点に移動すると、シリンジ１２内の空気が、バイアル３０内に押し出される。バイアル３０は、針１３が刺される蓋３２が重力方向下側となるよう配置されているため、バイアル３０の容器３１内において、空気は、薬液５０の層の上に上がる。

したがって、回転体２３１が回転運動を繰り返し、プランジャー１１が上下運動を繰り返すと、バイアル３０内の薬液５０がシリンジ１２内に吸引され、シリンジ１２内の空気がバイアル３０内に押し出されることが繰り返される。適当な量の薬液５０がシリンジ１２内に吸引された後に、回転体２３１を止める。目視により、適当な量の薬液５０がシリンジ１２内に吸引されたことを確認して回転体２３１を止めてもよいし、適当な量の薬液５０がシリンジ１２内に吸引されることに相当する回転体２３１の回転数を予め求め、所定の回転数に達したときに、回転体２３１を自動的に止めてもよい。

適当な量の薬液５０がシリンジ１２内に吸引された後、注射器１０は、シリンジ保持器２１及びプランジャー駆動部２３から外され、針１３がバイアル３０から引き抜かれ、患者の治療に使用される。

従来、注射器への薬液の充填は、患者の治療の前に、医師や看護師等の医療従事者により行われていた。これに対し、実施形態に係る注射器充填装置によれば、注射器への薬液の充填を自動的に行えるため、医療従事者の作業負担を軽減することが可能である。また、例えば、パンデミックの際には、大量の患者に注射をする必要がある。大量の患者の一人一人に注射する前に、都度、注射器への薬液の充填を人手で行うことは、医療従事者の作業負担を増大させる。これに対し、実施形態に係る注射器充填装置によれば、注射器への薬液の充填を自動的に行えるため、パンデミックの際にも、医療従事者の作業負担を軽減することが可能である。

上記のように本発明を実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば、プランジャー駆動部２３は、注射器１０のプランジャー１１を上下運動させることができれば、任意の機構を備えていればよい。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。

１０・・・注射器、１１・・・プランジャー、１２・・・シリンジ、１３・・・針、１４・・・フランジ、１５・・・ガスケット、１６・・・フランジ、２１・・・シリンジ保持器、２２・・・バイアル保持器、２３・・・プランジャー駆動部、３０・・・バイアル、３１・・・容器、３２・・・蓋、４０・・・基板、５０・・・薬液、２３１・・・回転体、２３２・・・ロッド、２３３・・・プランジャー接続部、２３４・・・回転装置

Claims (12)

1. 注射器のプランジャーを重力方向下側にして、前記注射器のシリンジを保持するシリンジ保持器と、
   前記注射器の針が挿入されたバイアルを保持するバイアル保持器と、
   前記注射器のプランジャーを上下運動させるプランジャー駆動部と、
   を備える、注射器充填装置。
2. 前記プランジャー駆動部が、
   回転体と、
   回転体の回転軸外に接続されたロッドと、
   前記ロッドに接続され、前記注射器のプランジャーに接続されるプランジャー接続部と、
   を備える、請求項１に記載の注射器充填装置。
3. 前記回転体と前記ロッドがピンで接続される、請求項２に記載の注射器充填装置。
4. 前記ピンがヒンジピンである、請求項３に記載の注射器充填装置。
5. 前記ロッドと前記プランジャー接続部がピンで接続される、請求項２に記載の注射器充填装置。
6. 前記ピンがヒンジピンである、請求項５に記載の注射器充填装置。
7. 前記プランジャー接続部が、前記プランジャーのフランジを保持する、請求項２から６のいずれか１項に記載の注射器充填装置。
8. 前記回転体を回転させる回転装置をさらに備える、請求項２から７のいずれか１項に記載の注射器充填装置。
9. 前記回転装置がモーターである、請求項８に記載の注射器充填装置。
10. 前記シリンジ保持器が、前記シリンジのフランジを保持する、請求項１から９のいずれか１項に記載の注射器充填装置。
11. 前記シリンジ保持器と前記バイアル保持器を保持する基板をさらに備える、請求項１から１０のいずれか１項に記載の注射器充填装置。
12. 前記基板が、前記重力方向と略平行に、前記シリンジ保持器と前記バイアル保持器を保持する、請求項１１に記載の注射器充填装置。

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